JP2000007405A - 硬化性ポリマーモルタル又はコンクリート組成物並びにこれらを硬化して得られる硬化物 - Google Patents

硬化性ポリマーモルタル又はコンクリート組成物並びにこれらを硬化して得られる硬化物

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JP2000007405A
JP2000007405A JP10193763A JP19376398A JP2000007405A JP 2000007405 A JP2000007405 A JP 2000007405A JP 10193763 A JP10193763 A JP 10193763A JP 19376398 A JP19376398 A JP 19376398A JP 2000007405 A JP2000007405 A JP 2000007405A
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Tatsuhiko Ozaki
龍彦 尾▲崎▼
Junji Kodama
淳司 小玉
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Takemoto Oil and Fat Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】打ち肌面の綺麗な硬化物を得ることができる硬
化性ポリマーモルタル又はコンクリート組成物を提供す
る。 【解決手段】結合材として用いる重合性液状樹脂の構成
成分として、分子内に特定の(ポリ)エーテル(ポリ)
エステルブロックを導入した特定構造の不飽和ウレタン
を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬化性ポリマーモル
タル又はコンクリート組成物(以下、ポリマーモルタル
・コンクリート組成物という)、並びにこれらを硬化し
て得られる硬化物に関する。結合材としてラジカル重合
性のモノマーやマクロマーを含有する重合性液状樹脂を
用いたポリマーモルタル・コンクリート組成物が広く利
用されている。例えば代表的な重合性液状樹脂である不
飽和ポリエステル樹脂を用いたポリマーモルタル・コン
クリート組成物が塗床材、舗装材、プレキャスト製品等
の建設材料に使用されている。本発明は結合材として特
定構造の不飽和ウレタン及び該不飽和ウレタンと共重合
可能なビニル単量体からなる重合性液状樹脂を用いたポ
リマーモルタル・コンクリート組成物並びにこれらを硬
化して得られる硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリマーモルタル・コンクリート
組成物としては、結合材として、1)不飽和ポリエステ
ル樹脂を用いたもの(特公昭62−12934、特公昭
62−143916)、2)ポリイソシアネートとヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートとから得られる不
飽和ウレタンを含有する重合性液状樹脂を用いたもの
(特開昭54−33585、特開昭54−36392、
特開昭54−36390)、3)多価アルコールの(メ
タ)アクリル酸部分エステルを含有する重合性液状樹脂
を用いたもの(特公平1−30777、特公平3−36
23)、4)不飽和ポリエステル等の単量体及び重合性
有機リン酸エステルを含有する重合性液状樹脂を用いた
もの(特開平3−103413)等が提案されており、
また上記のような結合材としての重合性液状樹脂に粘度
低下剤として、5)有機リン酸エステルを併用したもの
(特開昭60−245609)、6)アニオン性高分子
界面活性剤を併用したもの(特開平7−61848、特
開平8−59324)等が提案されている。
【0003】これらのポリマーモルタル・コンクリート
組成物には、相対的に粘性が高く、流動性が低いものも
あれば、相対的に粘性が低く、流動性が高いものもあ
る。ところが、これらのポリマーモルタル・コンクリー
ト組成物には、その粘性や流動性とは本質的には関係な
く、結合材、無機粉状充填材、骨材等を混練してポリマ
ーモルタル・コンクリート組成物を調製する際に容易に
は脱泡しない多量の気泡を抱き込み易く、また調製した
組成物を型枠へ打設、充填する際にも容易には脱泡しな
い多量の気泡を抱き込み易いため、得られる硬化物の打
ち肌面が抱き込んだ気泡に起因して荒れを生じ、その外
観が著しく損なわれるという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来のポリマーモルタル・コンクリート組
成物では、綺麗な打ち肌面が得られないという点であ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記課題を解決するべく研究した結果、結合材として用
いる重合性液状樹脂の構成成分として、分子中に特定の
(ポリ)エーテル(ポリ)エステルブロックを組み込ん
だ特定構造の不飽和ウレタンを用いることが正しく好適
であることを見出した。
【0006】すなわち本発明は、結合材、無機粉状充填
材及び骨材を含有して成るポリマーモルタル・コンクリ
ート組成物であって、該結合材が下記の式1で示される
不飽和ウレタン及び該不飽和ウレタンと共重合可能なビ
ニル単量体からなり且つ該不飽和ウレタン/該ビニル単
量体=90/10〜10/90(重量比)の割合からな
る重合性液状樹脂であり、該無機粉状充填材及び該骨材
をその合計量として該結合材100重量部当たり300
〜1150重量部の割合で含有して成ることを特徴とす
るポリマーモルタル・コンクリート組成物並びにこれら
を硬化して得られる硬化物に係る。
【0007】
【式1】
【0008】式1において、 B:2〜6価の多価アルコールからすべての水酸基を除
いた残基 X:炭素数2〜4のアルコキシ単位と炭素数3〜6のカ
ルボニルアルコキシ単位とから構成される(ポリ)エー
テル(ポリ)エステルブロックであって、該アルコキシ
単位と該カルボニルアルコキシ単位とを各々1〜10モ
ル有し且つ該アルコキシ単位/該カルボニルアルコキシ
単位=3/1〜1/5(モル比)の割合で有する(ポ
リ)エーテル(ポリ)エステルブロック Y:ジイソシアネート化合物からすべてのイソシアネー
ト基を除いた残基 Z:ジオール化合物と(メタ)アクリル酸とから誘導さ
れるモノエステルモノオールから水酸基を除いた残基、
又はトリオール化合物と(メタ)アクリル酸とから誘導
されるジエステルモノオールから水酸基を除いた残基 p:2〜6の整数
【0009】本発明のポリマーモルタル・コンクリート
組成物において、式1で示される不飽和ウレタンは、後
述するような(メタ)アクリルエステルモノオールとジ
イソシアネートとをモル比1/1で反応させた不飽和ウ
レタンモノイソシアネート(A)と、2〜6価の多価ア
ルコールの各水酸基に炭素数2〜4のアルキレンオキサ
イドと炭素数3〜6のラクトンとを反応させて(ポリ)
エーテル(ポリ)エステルブロックを導入した2〜6価
のポリオール(B)とを反応させて得られる。
【0010】不飽和ウレタンモノイソシアネート(A)
を合成するのに用いる(メタ)アクリルエステルモノオ
ールには、2価アルコールのモノ(メタ)アクリレー
ト、3価アルコールのジ(メタ)アクリレートが包含さ
れる。かかる2価アルコールのモノ(メタ)アクリレー
トは2価アルコールのモノアクリレート又はモノメタク
リレートを意味し、また3価アルコールのジ(メタ)ア
クリレートは3価アルコールのジアクリレート、ジメタ
クリレート又はモノアクリレートモノメタクリレートを
意味する。
【0011】2価アルコールのモノ(メタ)アクリレー
トとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4
−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,4−
シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート
等の、炭素数2〜8の2価アルコールのモノ(メタ)ア
クリレートが挙げられる。
【0012】3価アルコールのジ(メタ)アクリレート
としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、5−
メチル−1,2,4−ヘプタントリオール、1,2,6
−ヘキサントリオール等の炭素数3〜8の3価アルコー
ルのジ(メタ)アクリレートが挙げられるが、なかでも
グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレー
ト、グリセリンモノアクリレートモノメタクリレートが
有利に使用できる。
【0013】以上例示したような2価アルコールのモノ
(メタ)アクリレートや3価アルコールのジ(メタ)ア
クリレートと反応させるジイソシアネートとしては、
1)各種のトリレンジイソシアネート、メチレンビス
(4−フェニルイソシアネート)等の芳香族ジイソシア
ネート、2)ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレ
ンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等の脂肪
族ジイソシアネート又は脂環族ジイソシアネート、3)
4−イソシアナトメチル−1−イソシアナト−1−メチ
ル−シクロヘキサン、5−イソシアナトメチル−1−イ
ソシアナト−1,1−ジメチル−5−メチル−シクロヘ
キサン(イソホロンジイソシアネート)等の脂肪族・脂
環族ジイソシアネート等が挙げられる。これらのうちで
は、立体障害性の置換基の影響を受けるようなイソシア
ネート基とその影響を受けないようなイソシアネート基
とを有するもの、又は脂肪族炭化水素基に結合したイソ
シアネート基と芳香族炭化水素基に結合したイソシアネ
ート基とを有するもの等、相互に反応性の異なるイソシ
アネート基を有するジイソシアネートが有利に使用でき
る。かかるジイソシアネートとしては、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4
−イソシアナトメチル−1−イソシアナト−1−メチル
−シクロヘキサン等が挙げられる。
【0014】不飽和ウレタンモノイソシアネート(A)
と反応させる2〜6価のポリオール(B)は、2〜6価
の多価アルコールを出発物質とし、該多価アルコールに
含まれる各水酸基に対して(ポリ)エーテル(ポリ)エ
ステルブロックを導入した構造を有する。かかる(ポ
リ)エーテル(ポリ)エステルブロックには、いずれも
多価アルコールの水酸基1個に対して、1)アルキレン
オキサイド1モルとラクトン1モルとを反応させたエー
テルエステルブロック、2)アルキレンオキサイド1モ
ルとラクトン2〜10モルとを反応させたエーテルポリ
エステルブロック、3)アルキレンオキサイド2〜10
モルとラクトン1モルとを反応させたポリエーテルエス
テルブロック、4)アルキレンオキサイド2〜10モル
とラクトン2〜10モルとを反応させたポリエーテルポ
リエステルブロックが包含される。
【0015】本発明は、2〜6価のポリオール(B)中
の(ポリ)エーテル(ポリ)エステルブロックを形成す
るアルコキシ単位とカルボニルアルコキシ単位の結合順
序及び結合形態を特に制限するものではない。結合順序
としては、多価アルコールの各水酸基に対して、1)ア
ルコキシ単位を結合させ、次にカルボニルアルコキシ単
位を結合させたもの、2)カルボニルアルコキシ単位を
結合させ、次にアルコキシ単位を結合させたものが挙げ
られ、また結合形態としては、1)アルコキシ単位の繰
り返しにより形成されたポリエーテルブロックとカルボ
ニルアルコキシ単位の繰り返しにより形成されたポリエ
ステルブロックとがブロック状に結合したもの、2)ア
ルコキシ単位とカルボニルアルコキシ単位とがランダム
状に結合したもの、3)前記1)と2)との混合となっ
たものが挙げられる。これらのうちでは、多価アルコー
ルの各水酸基に対してアルコキシ単位を結合させ、次に
カルボニルアルコキシ単位を結合させたものであって、
(ポリ)エーテルブロックと(ポリ)エステルブロック
とがブロック状に結合したものが好ましい。
【0016】2〜6価のポリオール(B)の原料となる
2〜6価の多価アルコールとしては、1)エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール等の、炭素数2〜8の2価の脂肪族アルコ
ール、2)グリセリン、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールオクタン等の、炭素数3〜11の3価の脂肪
族アルコール、3)ジグリセリン、エリスリトール、ペ
ンタエリスリトール、ソルビタン等の、炭素数4〜6の
4価の脂肪族アルコール、4)トリグリセリン、ソルビ
トール、テトラグリセリン等の、炭素数9〜12の5又
は6価の脂肪族アルコールが挙げられるが、なかでも炭
素数が3〜6の3又は4価の脂肪族アルコールが好まし
く、特にグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、ジグリセリンが好ましい。
【0017】前記の(ポリ)エーテル(ポリ)エステル
ブロック中のアルコキシ単位を形成することとなる化合
物は、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドである。こ
れには、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
1,2−ブチレンオキサイド等が挙げられるが、なかで
もエチレンオキサイドが好ましい。またカルボニルアル
コキシ単位を形成することとなる化合物は、炭素数3〜
6のラクトンである。これには、ヒドラクリロラクト
ン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カ
プロラクトン等が挙げられるが、なかでもε−カプロラ
クトンが好ましい。
【0018】2〜6価のポリオール(B)中の各(ポ
リ)エーテル(ポリ)エステルブロックを構成するアル
コキシ単位とカルボニルアルコキシ単位とは各々1〜1
0モルとするが、1〜3モルとするのが好ましい。また
アルコキシ単位/カルボニルアルコキシ単位=3/1〜
1/5(モル比)の割合とするが、アルコキシ単位/カ
ルボニルアルコキシ単位=2/1〜1/3(モル比)の
割合とするのが好ましい。
【0019】本発明は式1で示される不飽和ウレタンの
合成方法を特に制限するものではなく、その合成には公
知の方法、例えば特開平4−53809号公報に記載さ
れているような方法が適用できるが、本発明に供する不
飽和ウレタンの合成には、前述したように、予め不飽和
ウレタンモノイソシアネート(A)と2〜6価のポリオ
ール(B)とを合成しておき、次いで双方を反応させる
方法が好ましい。
【0020】本発明で用いる、不飽和ウレタンと共重合
可能なビニル単量体としては、1)メチルメタクリレー
ト、2)エチレングリコールジアクリレート、プロピレ
ングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等
の、アルカンの炭素数が2〜6のアルカンジオールジ
(メタ)アクリレート、3)グリセリントリメタクリレ
ート、1,2,6−ヘキサントリオールトリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の、
アルカンの炭素数が3〜6のアルカントリオールジ(メ
タ)アクリレート、4)ポリオキシエチレンモノメチル
エーテルモノアクリレート、ポリオキシエチレンモノメ
チルエーテルモノメタリクレート、ポリオキシエチレン
モノエチルエーテルモノアクリレート、ポリオキシエチ
レンモノプロピルエーテルモノメタリクレート等の、ア
ルキル基の炭素数が1〜3であり且つオキシエチレン単
位の数が2又は3であるポリオキシエチレンモノアルキ
ルエーテルの(メタ)アクリレート、5)ポリオキシエ
チレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチレン
グリコールジメタクリレート、ポリオキシエチレングリ
コールモノメタクリレートモノアクリレート等の、オキ
シエチレン単位の数が1〜3であるポリオキシエチレン
グリコールのジ(メタ)アクリレート、6)スチレン、
メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のビニル芳香族炭
化水素等が挙げられる。これらは単独又は混合で用いる
ことができるが、得られる硬化物の物性から見てメチル
メタクリレート、スチレン、又はこれらの混合物を用い
るのが好ましい。
【0021】本発明で用いる結合材は、式1で示される
不飽和ウレタン及び該不飽和ウレタンと共重合可能なビ
ニル単量体からなり且つ該不飽和ウレタン/該ビニル単
量体=90/10〜10/90(重量比)の割合からな
る重合性液状樹脂であるが、該不飽和ウレタン/該ビニ
ル単量体=30/70〜70/30(重量比)の割合か
らなるものが好ましい。
【0022】本発明のポリマーモルタル・コンクリート
組成物は無機粉状充填材を含有するものである。かかる
無機粉状充填材としては、炭酸カルシウム、シリカ、ク
レー、タルク、水酸化アルミニウム等が挙げられる。本
発明は無機粉状充填材の粒子径、形状、粒度分布等を特
に制限するものではないが、平均粒子径が通常0.1μ
m以上のものを用い、好ましくは1〜100μmのもの
を用いる。
【0023】本発明のポリマーモルタル・コンクリート
組成物は骨材を含有するものである。かかる骨材として
は、ケイ砂、川砂、山砂、ガラスビーズ等の細骨材、川
砂利、砕石等の粗骨材が挙げられる。
【0024】無機粉状充填材及び骨材の全含有量は、そ
の種類や粒径、これらを用いて調製されるポリマーモル
タル・コンクリート組成物の硬化方法、得られる硬化物
に望まれる物性等にもよるが、結合材100重量部当た
り300〜1150重量部とする。
【0025】本発明は結合材に対する無機粉状充填材の
含有割合を特に制限するものではないが、無機粉状充填
材の割合として、結合材/無機粉状充填材=3/1〜1
/3(重量比)とするのが好ましく、2/1〜1/2
(重量比)とするのがより好ましい。
【0026】本発明のポリマーモルタル・コンクリート
組成物においても、無機粉状充填材や骨材の含有割合を
高くすると、必然的に粘性が高くなり、流動性が低下し
てくる。調製されるポリマーモルタル・コンクリート組
成物の流動性を高く保持して、施工性や作業性を向上す
るためには、粘度低下剤として下記の式2で示されるア
ニオン性高分子界面活性剤を用いるのが好ましい。
【0027】
【式2】
【0028】式2において、 R:炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基、フ
ェニル基及び炭素数1〜4のアルキル基で置換された置
換フェニル基から選ばれる炭化水素基 A:オキシアルキレン単位の数が5〜100のポリエー
テルジオールからすべての水酸基を除いた残基であり且
つ該オキシアルキレン単位がオキシプロピレン単位のみ
又は50モル%以上のオキシプロピレン単位と50モル
%以下のオキシエチレン単位との双方からなるものであ
る残基 M:H又は1価の塩基 m,n:1又は2であり且つm+n=3を満足するもの
【0029】式2において、Aはポリエーテルジオール
からすべての水酸基を除いた残基である。この場合のポ
リエーテルジオールは、オキシアルキレン単位の数が5
〜100の、好ましくは15〜60のポリエーテルジオ
ールであって、該オキシアルキレン単位がオキシプロピ
レン単位のみ又は50モル%以上のオキシプロピレン単
位と50モル%以下のオキシエチレン単位との双方から
なるものである。
【0030】ポリエーテルジオールの片末端を封鎖する
炭化水素基としては、1)メチル基、エチル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のア
ルキル基、2)シクロヘキシル基、3)フェニル基、
4)メチルフェニル基、イソブチルフェニル基等の炭素
数1〜4のアルキル基で置換された置換フェニル基が挙
げられる。これらのうちでは、炭素数1〜4のアルキル
基が好ましい。
【0031】炭化水素基で片末端を封鎖したポリエーテ
ルジオールの製造方法としては公知の方法が適用でき
る。これには例えば、アルコール又はフェノール1モル
に対し塩基性触媒存在下に所定モル数の1,2−アルキ
レンオキサイドを逐次付加反応させて、アルキル基又は
フェニル基で片末端を封鎖したポリオキシアルキレンジ
オールを得る方法がある。
【0032】式2で示されるアニオン性高分子界面活性
剤はリン酸エステルであり、これには1)片末端を封鎖
したポリエーテルジオール1モルがリン酸とエステル結
合した酸性リン酸モノエステル、2)片末端を封鎖した
ポリエーテルジオール2モルがリン酸とエステル結合し
た酸性リン酸ジエステル、3)これらの酸性リン酸エス
テルを塩基性化合物で中和して得られるリン酸エステル
塩が包含される。かかるリン酸エステルの製造方法とし
ては公知の方法が適用できる。これには例えば、1)片
末端を封鎖したポリエーテルジオール2モルと水1モル
と五酸化リン1モルとを反応させて酸性リン酸モノエス
テル2モルを得る方法、2)片末端を封鎖したポリエー
テルジオール3モルと五酸化リン1モルとを反応させて
酸性リン酸モノエステル1モルと酸性リン酸ジエステル
1モルとを得る方法、3)片末端を封鎖したポリエーテ
ルジオール2モルとオキシ塩化リン1モルとを反応さ
せ、次いで加水分解して酸性リン酸ジエステル1モルを
得る方法等がある。またリン酸エステル塩はかかる酸性
リン酸モノエステルや酸性リン酸ジエステルを塩基性化
合物で中和することにより得られる。中和に用いる塩基
性化合物には、1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム等の無機塩基性化合物、2)アンモ
ニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、アルキルアミン、第四級アンモニ
ウムハイドロオキサイド、ホスホニウムハイドロオキサ
イド等の有機塩基性化合物が挙げられる。これらのリン
酸エステルのうちでは、酸性リン酸エステルが好まし
く、なかでもとりわけ、酸性リン酸モノエステルが70
モル%以上で酸性リン酸ジエステルが30モル%以下の
割合からなるものが好ましい。
【0033】本発明において、粘度低下剤の含有割合
は、無機粉状充填材及び骨材の合計量100重量部当た
り0.001〜5重量部となるようにするが、0.00
5〜2重量部となるようにするのが好ましい。かかる粘
度低下剤は、無機粉状充填材及び骨材の合計量に対して
15重量%以下、更には10重量%以下の低割合で結合
材を含有するポリマーモルタル・コンクリート組成物に
適用する場合に特に有効である。
【0034】本発明のポリマーモルタル・コンクリート
組成物においても、硬化にともなう収縮を防止し、寸法
精度の高い硬化物を得る目的で、硬化収縮低減剤として
熱可塑性高分子を用いるのが好ましい。かかる熱可塑性
高分子としては、1)メチルメタクリレート、イソブチ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等
を重合して得られるポリアルキル(メタ)アクリレー
ト、2)ポリネオペンチルアジペート、ポリプロピレン
アジペート、ポリε−カプロラクトン等の飽和脂肪族ポ
リエステル、3)ポリスチレン、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体等の、ビニル芳香族炭
化水素重合体及びビニル芳香族炭化水素を単量体成分と
するビニル共重合体が挙げられる。
【0035】硬化収縮低減剤として用いる熱可塑性高分
子としては、結合材として用いる重合性液状樹脂に対し
て相溶性を有し且つガラス転移温度が80℃以下のもの
が好ましく、なかでもアルキル基の炭素数が1〜8であ
るポリアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、アル
キル基の炭素数が2〜6であるポリアルキルメタクリレ
ートがより好ましい。
【0036】本発明において、硬化収縮低減剤の含有割
合は、結合材100重量部当たり通常1〜50重量部と
なるようにするが、3〜15重量部となるようにするの
が好ましい。
【0037】本発明の硬化物は以上説明したようなポリ
マーモルタル・コンクリート組成物を硬化剤の存在下に
硬化して得られるものである。本発明のポリマーモルタ
ル・コンクリート組成物の調製には、重合性液状樹脂を
含有するポリマーモルタル・コンクリート組成物につい
て提供されている公知の処方が適用できる。またその硬
化方法もポリマーモルタル・コンクリート組成物につい
て提供されている公知の処方を適用することができる。
例えば各種の硬化剤及び硬化促進剤を用いてラジカル重
合させることができるのである。
【0038】かかる硬化剤としては、過酸化ベンゾイ
ル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ジ−
t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パー
オキシジカーボネート等が挙げられ、これらは単独又は
混合で使用できる。また硬化促進剤としては、ナフテン
酸コバルト、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,
N−ジメチルアニリン等の第3級アミンが挙げられる。
硬化剤の使用割合は、硬化温度によっても異なるが、結
合材に対し、通常0.1〜5重量%とする。またポリマ
ーモルタル・コンクリート組成物を常温下で硬化する場
合には、常温における結合材の可使時間が通常20〜6
0分となるように硬化剤及び硬化促進剤の種類やその使
用量を決定することが好ましい。
【0039】本発明のポリマーモルタル・コンクリート
組成物は、プレキャスト製品の製造や床塗、舗装等の施
工に適用することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明に係る硬化性ポリマーモル
タル組成物の実施形態としては、次の1)〜4)が挙げ
られる。 1)下記の結合材100重量部当たり、下記の無機粉状
充填材を200重量部、下記の細骨材を500重量部、
下記の粘度低下剤を0.02重量部及び下記の硬化収縮
低減剤を7.5重量部の割合で含有して成る硬化性ポリ
マーモルタル組成物。 結合材:下記の不飽和ウレタン(T−1)/メチルメタ
クリレート=60/40(重量比)の割合からなる重合
性液状樹脂 不飽和ウレタン(T−1);式1中のBがトリメチロー
ルプロパンからすべての水酸基を除いた残基、Xがエト
キシ単位とカルボニルペントキシ単位とから構成された
ポリエーテルエステルブロックであって、エトキシ単位
を2モル及びカルボニルペントキシ単位を1モル有し且
つエトキシ単位/カルボニルペントキシ単位=2/1
(モル比)の割合で有するポリエーテルエステルブロッ
ク、Yがイソホロンジイソシアネートからすべてのイソ
シアネート基を除いた残基、Zがグリセリンモノアクリ
レートモノメタクリレートから水酸基を除いた残基、p
が3である場合の不飽和ウレタン 無機粉状充填材:重質炭酸カルシウム(粒径2.5μm
以下、比重2.70、含水率0.1%以下) 細骨材:4号ケイ砂(粒径0.70〜1.17mm、比重
2.51、含水率0.1%以下)及び7号ケイ砂(粒径
0.05〜0.21mm、比重2.51、含水率0.1%
以下)の等重量混合物 粘度低下剤:ブトキシポリオキシプロピレン(16モ
ル)・ポリオキシエチレン(9モル)グリコール酸性リ
ン酸エステル{モノエステル/ジエステル=90/10
(モル比)} 硬化収縮低減剤:ポリイソブチルメタクリレート(数平
均分子量50000)
【0041】2)下記の結合材100重量部当たり、前
記1)と同じ無機粉状充填材を200重量部、前記1)
と同じ細骨材を500重量部、下記の粘度低下剤を0.
02重量部及び前記1)と同じ硬化収縮低減剤を7.5
重量部の割合で含有して成る硬化性ポリマーモルタル組
成物。 結合材:下記の不飽和ウレタン(T−2)/メチルメタ
クリレート=50/50(重量比)の割合からなる重合
性液状樹脂 不飽和ウレタン(T−2);式1中のBがペンタエリス
リトールからすべての水酸基を除いた残基、Xがエトキ
シ単位とカルボニルペントキシ単位とから構成されたポ
リエーテルポリエステルブロックであって、エトキシ単
位を3モル及びカルボニルペントキシ単位を2モル有し
且つエトキシ単位/カルボニルペントキシ単位=3/2
(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブ
ロック、Yがイソホロンジイソシアネートからすべての
イソシアネート基を除いた残基、Zがエチレングリコー
ルモノアクリレートから水酸基を除いた残基、pが4で
ある場合の不飽和ウレタン 粘度低下剤:メトキシポリオキシプロピレン(30モ
ル)グリコール酸性リン酸エステル{モノエステル/ジ
エステル=75/25(モル比)}
【0042】3)下記の結合材100重量部当たり、前
記1)と同じ無機粉状充填材を200重量部、前記1)
と同じ細骨材を800重量部、前記1)と同じ粘度低下
剤を0.02重量部及び前記1)と同じ硬化収縮低減剤
を7.5重量部の割合で含有して成る硬化性ポリマーモ
ルタル組成物。 結合材:下記の不飽和ウレタン(T−3)/メチルメタ
クリレート=40/60(重量比)の割合からなる重合
性液状樹脂 不飽和ウレタン(T−3);式1中のBがグリセリンか
らすべての水酸基を除いた残基、Xがエトキシ単位とカ
ルボニルペントキシ単位とから構成されたエーテルエス
テルブロックであって、エトキシ単位を1モル及びカル
ボニルペントキシ単位を1モル有し且つエトキシ単位/
カルボニルペントキシ単位=1/1(モル比)の割合で
有するエーテルエステルブロック、Yがイソホロンジイ
ソシアネートからすべてのイソシアネート基を除いた残
基、Zがグリセリンジアクリレート2モルとグリセリン
ジメタクリレート1モルから水酸基を除いた残基、pが
3である場合の不飽和ウレタン
【0043】4)下記の結合材100重量部当たり、前
記1)と同じ無機粉状充填材を200重量部、前記1)
と同じ細骨材を800重量部、下記の粘度低下剤を0.
02重量部及び前記1)と同じ硬化収縮低減剤を7.5
重量部の割合で含有して成る硬化性ポリマーモルタル組
成物。 結合材:下記の不飽和ウレタン(T−4)/メチルメタ
クリレート/スチレン=60/20/20(重量比)の
割合からなる重合性液状樹脂 不飽和ウレタン(T−4);式1中のBがジグリセリン
からすべての水酸基を除いた残基、Xがエトキシ単位と
カルボニルペントキシ単位とから構成されたエーテルポ
リエステルブロックであって、エトキシ単位を1モル及
びカルボニルペントキシ単位を2モル有し且つエトキシ
単位/カルボニルペントキシ単位=1/2(モル比)の
割合で有するエーテルポリエステルブロック、Yがイソ
ホロンジイソシアネートからすべてのイソシアネート基
を除いた残基、Zがグリセリンモノアクリレートモノメ
タクリレートから水酸基を除いた残基、pが4である場
合の不飽和ウレタン 粘度低下剤:フェノキシポリオキシプロピレン(50モ
ル)グリコールリン酸エステルジエタノールアミン塩
{モノエステル/ジエステル=55/45(モル比)}
【0044】また本発明に係る硬化性ポリマーコンクリ
ート組成物の実施形態としては、次の5)及び6)が挙
げられる。 5)前記1)と同じ結合材100重量部当たり、前記
1)と同じ無機粉状充填材を200重量部、前記1)と
同じ細骨材を200重量部、下記の粗骨材を400重量
部、前記1)と同じ粘度低下剤を0.02重量部及び前
記1)と同じ硬化収縮低減剤を7.5重量部の割合で含
有して成る硬化性ポリマーコンクリート組成物。 粗骨材:飛騨川砕石(比重2.75)
【0045】6)前記4)と同じ結合材100重量部当
たり、前記1)と同じ無機粉状充填材を200重量部、
前記1)と同じ細骨材を200重量部、前記5)と同じ
粗骨材を400重量部、前記2)と同じ粘度低下剤を
0.02重量部及び前記1)と同じ硬化収縮低減剤を
7.5重量部の割合で含有して成る硬化性ポリマーコン
クリート組成物。
【0046】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の
構成及び効果をより具体的にするが、本発明が該実施例
に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及
び比較例において、特に別の意味で用いない限り、部は
重量部を、また%は重量%を意味する。
【0047】
【実施例】試験区分1(ポリオールの合成) ・ポリオール(B−1)の合成 トリメチロールプロパン134g(1モル)及び水酸化
カリウム3gをオートクレーブに仕込み、窒素ガスでパ
ージ後、120℃に加温し、エチレンオキサイド264
g(6モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成
後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得
られた反応物を分析したところ、トリメチロールプロパ
ンの水酸基1個当たりエトキシ単位が2モル付加してお
り(NMR分析法、以下同じ)、水酸基価422、数平
均分子量398(GPC法、ポリスチレン換算、以下同
じ)のポリエーテル化合物であった。得られたポリエー
テル化合物398g(1モル)及びテトラブチルチタネ
ート3gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で撹拌し
ながら150℃に加温した。140〜150℃に温度を
保ち、ε−カプロラクトン342g(3モル)を20分
かけて滴下した。滴下終了後、150℃で3時間反応を
続けて合成を終了し、反応物を得た。得られた反応物を
分析したところ、エトキシ単位/カルボニルペントキシ
単位=2/1(モル比)の比率であり、数平均分子量7
40であるポリオール(B−1)であった。
【0048】・ポリオール(B−2)〜(B−6),
(b−3),(b−4)の合成 ポリオール(B−1)の場合と同様にして、表1記載の
ポリオール(B−2)〜(B−6),(b−3),(b
−4)を得た。
【0049】・ポリオール(b−1)の合成トリメチロ
ールプロパン134g(1モル)及び水酸化カリウム3
gをオートクレーブに仕込み、窒素ガスでパージ後、1
20℃に加温し、エチレンオキサイド132g(3モ
ル)とプロピレンオキサイド174g(3モル)との混
合物を圧入して、反応させた。1時間の熟成後、触媒を
吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得られた反応
物を分析したところ、トリメチロールプロパンの水酸基
1個当たりエトキシ単位及びプロポキシ単位が各1モル
付加しており、エトキシ単位/プロポキシ単位=1/1
(モル比)の比率であって、水酸基価382、数平均分
子量440のポリオール(b−1)であった。
【0050】・ポリオール(b−2)の合成 トリメチロールプロパン134g(1モル)及びテトラ
ブチルチタネート3.8gをフラスコに仕込み、窒素ガ
ス気流下で撹拌しながら150℃に加温した。140〜
150℃に温度を保ち、ε−カプロラクトン684g
(6モル)を40分かけて滴下した。滴下終了後、15
0℃で3時間反応を続けて合成を終了し、反応物を得
た。得られた反応物を分析したところ、トリメチロール
プロパンの水酸基1個当たりカルボニルペントキシ単位
が2モル付加しており、数平均分子量818のポリオー
ル(b−2)であった。
【0051】試験区分2(不飽和ウレタンの合成及び重
合性液状樹脂の調製) ・不飽和ウレタン(T−1)の合成及び重合性液状樹脂
(C−1)の調製 イソホロンジイソシアネート333部(1.5モル)及
びジ−n−ブチル錫ジラウレート0.5部を反応容器に
とり、50℃で保持して撹拌し、更にグリセリンモノア
クリレートモノメタクリレート321部(1.5モル)
を30分かけて滴下した。この間、反応温度を50〜6
0℃に保った。その後、50〜55℃で反応を続け、反
応物中のイソシアネート基残量が反応に供したジイソシ
アネートの量から算出される理論量の1/2となったと
ころで反応を終了した。ここで得られた反応物は、イソ
ホロンジイソシアネートとグリセリンモノアクリレート
モノメタクリレートとが1/1(モル比)で結合した不
飽和ウレタンモノイソシアネートである。次にこの反応
物を60℃で保持して撹拌し、試験区分1で得たポリオ
ール(B−1)370部(0.5モル)とメチルメタク
リレート370部との混合液を2時間かけて滴下した。
この際に反応熱がでるが、反応温度を60〜70℃に保
った。その後、70℃で2時間保持して、メチルメタク
リレート313部を加えて均一溶解し、不飽和ウレタン
(T−1)を60%及びメチルメタクリレートを40%
の割合で含む重合性液状樹脂(C−1)を調製した。
【0052】・不飽和ウレタン(T−2)〜(T−
6),(t−1)〜(t−4)の合成及び重合性液状樹
脂(C−2)〜(C−6),(d−1)〜(d−4)の
調製 不飽和ウレタン(T−1)の合成及び重合性液状樹脂
(C−1)の調製と同様にして、不飽和ウレタン(T−
2)〜(T−6),(t−1)〜(t−4)の合成及び
重合性液状樹脂(C−2)〜(C−6),(d−1)〜
(d−4)の調製を行なった。以上で合成した各不飽和
ウレタンの内容を表1にまとめて示し、また以上で調製
した各重合性液状樹脂の内容を表2にまとめて示した。
【0053】・不飽和ウレタン(t−5)の合成及び重
合性液状樹脂(d−5)の調製 メチルメタクリレート544部、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート260部(2.0モル)、ジエチレング
リコールモノメタクリレート174部(1.0モル)及
びジ−n−ブチル錫ジラウレート2部を反応容器にと
り、50℃に保持して撹拌し、更にポリメチレンポリフ
ェニルポリイソシアネート(1分子中に平均3個のイソ
シアネート基を含む)382部(1.0モル)を40分
かけて滴下した。この際に反応熱がでるが、反応温度を
60℃以下に保った。その後60℃で1時間保持して合
成を終了した。不飽和ウレタン(t−5)を60%及び
メチルメタクリレートを40%の割合で含む重合性液状
樹脂(d−5)を得た。
【0054】
【表1】
【0055】表1において、 TMP:トリメチロールプロパンからすべての水酸基を
除いた残基 PETL:ペンタエリスリトールからすべての水酸基を
除いた残基 GL:グリセリンからすべての水酸基を除いた残基 DG:ジグリセリンからすべての水酸基を除いた残基 TG:トリグリセリンからすべての水酸基を除いた残基 EG:エチレングリコールからすべての水酸基を除いた
残基 EO:エトキシ単位 PO:プロポキシ単位 CP:カルボニルペントキシ単位 IPDI:イソホロンジイソシアネートからすべてのイ
ソシアネート基を除いた残基 G−1:グリセリンモノアクリレートモノメタクリレー
トから水酸基を除いた残基 G−2:グリセリンジアクリレートから水酸基を除いた
残基 G−3:グリセリンジメタクリレートから水酸基を除い
た残基 E−1:エチレングリコールモノアクリレートから水酸
基を除いた残基 E−2:エチレングリコールモノメタクリレートから水
酸基を除いた残基
【0056】試験区分3(ポリマーモルタル・コンクリ
ート組成物の調製及び該組成物から硬化物の作製並びに
その評価) ・ポリマーモルタル・コンクリート組成物(実施例1〜
8),(比較例1〜6)の調製及びこれらの組成物から
硬化物の作製 JIS−A1181(ポリマーレジンコンクリートの強
度試験用供試体の作り方)に準じて、表2に記載した調
合条件で、2リットルの強制ミキサに、結合材、無機粉
状充填材、骨材、用いる場合の粘度低下剤及び硬化収縮
低減剤を順次投入し、20℃で2分間練り混ぜ、表2に
示す硬化性ポリマーモルタル・コンクリート組成物(実
施例1〜8),(比較例1〜6)を調製した。尚、すべ
ての組成物に対し、硬化剤としてジベンゾイルパーオキ
サイドを0.25部及び硬化促進剤としてN,N−ジメ
チル−p−トルイジンを0.25部併用した。かかる硬
化剤と硬化促進剤の使用量は、20℃における結合材の
可使時間{JIS−K6833(接着剤の一般試験方
法)による}が35±5分となるように設定した。得ら
れた硬化性ポリマーモルタル・コンクリート組成物をJ
IS−A1181に準じて、寸法40mm×40mm×16
0mmの鉄製型枠へ打設、成形し、20℃×50%RHで
1日乾燥養生後、鉄製型枠から外し、硬化物を得た。
【0057】・硬化物の打ち肌面の評価 得られた硬化物の全剥離面に存在する気泡径2mm以上の
気泡数を数え、下記の基準によって評価した。結果を表
2にまとめて示した。 ◎;気泡径2mm以上の気泡数0〜1個(極めて綺麗であ
る) ○;気泡径2mm以上の気泡数2〜3個(綺麗である) △;気泡径2mm以上の気泡数4〜6個(少し荒れてい
る) ×;気泡径2mm以上の気泡数7個以上(極めて荒れてい
る)
【0058】
【表2】
【0059】表2において、 結合材:試験区分2で調製した重合性液状樹脂 無機粉状充填材:重質炭酸カルシウム(粒径2.5μm
以下、比重2.70、含水率0.1%以下) 細骨材:4号ケイ砂(粒径0.70〜1.17mm、比重
2.51、含水率0.1%以下)及び7号ケイ砂(粒径
0.05〜0.21mm、比重2.51、含水率0.1%
以下)の等重量混合物 粗骨材:飛騨川砕石(比重2.75) 硬化収縮低減剤:ポリイソブチルメタクリレート(数平
均分子量50000)
【0060】MMA:メチルメタクリレート ST:スチレン PMA:ポリオキシエチレングリコール(2モル)モノ
メチルモノアクリレート PED:ポリオキシエチレングリコール(3モル)モノ
アクリレートモノメタクリレート P−1:ブトキシポリオキシプロピレン(16モル)・
ポリオキシエチレン(9モル)グリコール酸性リン酸エ
ステル{モノエステル/ジエステル=90/10(モル
比)} P−2:メトキシポリオキシプロピレン(30モル)グ
リコール酸性リン酸エステル{モノエステル/ジエステ
ル=75/25(モル比)} P−3:フェノキシポリオキシプロピレン(50モル)
グリコールリン酸エステルジエタノールアミン塩{モノ
エステル/ジエステル=55/45(モル比)} PR−1:ノニルフェノキシポリオキシエチレン(10
モル)グリコール酸性リン酸エステル{モノエステル/
ジエステル=50/50(モル比)}
【0061】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、ポリマーモルタル・コンクリート組成物から打
ち肌面の綺麗な硬化物が得られるという効果がある。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J027 AG03 AG04 AG09 AG10 AG23 AG24 BA02 BA04 BA05 BA07 BA19 BA20 BA21 BA24 BA26 CA02 CA03 CA06 CA08 CA10 CA14 CA18 CA19 CA31 CA36 CB03 CC01 CD01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合材、無機粉状充填材及び骨材を含有
    して成る硬化性ポリマーモルタル又はコンクリート組成
    物であって、該結合材が下記の式1で示される不飽和ウ
    レタン及び該不飽和ウレタンと共重合可能なビニル単量
    体からなり且つ該不飽和ウレタン/該ビニル単量体=9
    0/10〜10/90(重量比)の割合からなる重合性
    液状樹脂であり、該無機粉状充填材及び該骨材をその合
    計量として該結合材100重量部当たり300〜115
    0重量部の割合で含有して成ることを特徴とする硬化性
    ポリマーモルタル又はコンクリート組成物。 【式1】 (式1において、 B:2〜6価の多価アルコールからすべての水酸基を除
    いた残基 X:炭素数2〜4のアルコキシ単位と炭素数3〜6のカ
    ルボニルアルコキシ単位とから構成される(ポリ)エー
    テル(ポリ)エステルブロックであって、該アルコキシ
    単位と該カルボニルアルコキシ単位とを各々1〜10モ
    ル有し且つ該アルコキシ単位/該カルボニルアルコキシ
    単位=3/1〜1/5(モル比)の割合で有する(ポ
    リ)エーテル(ポリ)エステルブロック Y:ジイソシアネート化合物からすべてのイソシアネー
    ト基を除いた残基 Z:ジオール化合物と(メタ)アクリル酸とから誘導さ
    れるモノエステルモノオールから水酸基を除いた残基、
    又はトリオール化合物と(メタ)アクリル酸とから誘導
    されるジエステルモノオールから水酸基を除いた残基 p:2〜6の整数)
  2. 【請求項2】 不飽和ウレタンと共重合可能なビニル単
    量体が、メチルメタクリレート、アルカンの炭素数が2
    〜6であるアルカンジオールジ(メタ)アクリレート、
    アルカンの炭素数が3〜6であるアルカントリオールト
    リ(メタ)アクリレート、アルキル基の炭素数が1〜3
    であり且つオキシエチレン単位の数が2又は3であるポ
    リオキシエチレンモノアルキルエーテルの(メタ)アク
    リレート、オキシエチレン単位の数が1〜3のポリオキ
    シエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート及びビ
    ニル芳香族炭化水素から選ばれる一つ又は二つ以上のビ
    ニル単量体である請求項1記載の硬化性ポリマーモルタ
    ル又はコンクリート組成物。
  3. 【請求項3】 結合材と無機粉状充填材との割合が、結
    合材/無機粉状充填材=3/1〜1/3(重量比)であ
    る請求項1又は2記載の硬化性ポリマーモルタル又はコ
    ンクリート組成物。
  4. 【請求項4】 更に粘度低下剤として、下記の式2で示
    されるアニオン性高分子界面活性剤を、無機粉状充填材
    及び骨材の合計量100重量部当たり0.001〜5重
    量部の割合で含有する請求項1、2又は3記載の硬化性
    ポリマーモルタル又はコンクリート組成物。 【式2】 (式2において、 R:炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基、フ
    ェニル基及び炭素数1〜4のアルキル基で置換された置
    換フェニル基から選ばれる炭化水素基 A:オキシアルキレン単位の数が5〜100のポリエー
    テルジオールからすべての水酸基を除いた残基であり且
    つ該オキシアルキレン単位がオキシプロピレン単位のみ
    又は50モル%以上のオキシプロピレン単位と50モル
    %以下のオキシエチレン単位との双方からなるものであ
    る残基 M:H又は1価の塩基 m,n:1又は2であり且つm+n=3を満足するも
    の)
  5. 【請求項5】 更に硬化収縮低減剤として、ポリアルキ
    ル(メタ)アクリレート、飽和脂肪族ポリエステル、ビ
    ニル芳香族炭化水素重合体及びビニル芳香族炭化水素を
    単量体成分とするビニル共重合体から選ばれる一つ又は
    二つ以上の熱可塑性高分子を、結合材100重量部当た
    り1〜50重量部の割合で含有する請求項1、2、3又
    は4記載の硬化性ポリマーモルタル又はコンクリート組
    成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性高分子が、アルキル基の炭素数
    が1〜8であるポリアルキル(メタ)アクリレートであ
    る請求項5記載の硬化性ポリマーモルタル又はコンクリ
    ート組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    硬化性ポリマーモルタル又はコンクリート組成物を硬化
    して得られる硬化物。
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