JP2000005320A - カテーテル用ガイドワイヤー - Google Patents

カテーテル用ガイドワイヤー

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JP2000005320A
JP2000005320A JP10172723A JP17272398A JP2000005320A JP 2000005320 A JP2000005320 A JP 2000005320A JP 10172723 A JP10172723 A JP 10172723A JP 17272398 A JP17272398 A JP 17272398A JP 2000005320 A JP2000005320 A JP 2000005320A
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JP
Japan
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fiber
core wire
fibers
frp core
guide wire
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JP10172723A
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Takeshi Ishikawa
毅 石川
Takakiyo Kato
孝清 加藤
Toku Ishii
徳 石井
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Piolax Inc
Ube Exsymo Co Ltd
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Piolax Inc
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半径の小さな曲げに対しても、永久変形した
り折損する心配のないカテーテル用ガイドワイヤーの提
供。 【解決手段】 軸方向に多数の繊維2を収束して合成樹
脂3によって一体化されたFRP芯線1と、該FRP芯
線1の外周を被覆する合成樹脂層とから成るカテーテル
用ガイドワイヤーにおいて、上記FRP芯線1の内部
に、空隙6を存在させることにより、当該空隙6の存在
により、FRP芯線1中の繊維2が柔軟に追随して湾曲
することが可能となるので、半径の小さな曲げに対して
も永久変形する心配がなくなると共に、キンクされた後
にも完全に折損する心配がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテルを血管
等の人体の管状器官に案内するガイドワイヤーの改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種カテーテル用ガイドワイヤ
ーとして、例えば、実開平5−56151号公報に示す
ものが存するが、当該従来のものは、軸方向に多数の無
機繊維を収束して熱硬化性樹脂によって一体化されたF
RP線材を芯線に使用する構成となっているので、ガイ
ドワイヤーとして要求される剛性と復元力とキンク時の
折損に対しては、それなりの効果が期待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、無機繊維を収
束して熱硬化性樹脂によって一体化したFRP芯線を使
用する従来のガイドワイヤーの下では、ガイドワイヤー
として要求される剛性は確実に得られるが、反面、半径
の小さな曲げに対しては、FRP芯線中の無機繊維がこ
れに追随して湾曲せずに永久変形したり、キンクさせた
後に完全に折損してしまう恐れを有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、斯かる従来の
カテーテル用ガイドワイヤーが抱える課題を有効に解決
するために開発されたもので、請求項1記載の発明は、
軸方向に多数の繊維を収束して合成樹脂によって一体化
されたFRP芯線と、該FRP芯線の外周を被覆する合
成樹脂層とから成るカテーテル用ガイドワイヤーにおい
て、上記FRP芯線の内部に、空隙を存在させる構成を
採用した。
【0005】請求項2記載の発明は、軸方向に多数の繊
維を収束して合成樹脂によって一体化されたFRP芯線
と、該FRP芯線の外周を被覆する合成樹脂層とから成
るカテーテル用ガイドワイヤーにおいて、上記FRP芯
線の繊維の一部が熱硬化性樹脂により含浸され、同繊維
の他部が熱可塑性樹脂により含浸されている構成を採用
した。
【0006】請求項3記載の発明は、軸方向に多数の繊
維を収束して合成樹脂によって一体化されたFRP芯線
と、該FRP芯線の外周を被覆する合成樹脂層とから成
るカテーテル用ガイドワイヤーにおいて、上記FRP芯
線の繊維と該繊維を一体化する合成樹脂との接着強度を
低下させる手段が施されている構成を採用した。
【0007】請求項4記載の発明は、軸方向に多数の繊
維を収束して合成樹脂によって一体化されたFRP芯線
と、該FRP芯線の外周を被覆する合成樹脂層とから成
るカテーテル用ガイドワイヤーにおいて、上記FRP芯
線の繊維として、破断伸び量が相対的に小さく破断強度
が相対的に大きな繊維と、破断伸び量が相対的に大きく
破断強度が相対的に小さな繊維とを併用する構成を採用
した。
【0008】依って、請求項1記載の発明にあっては、
FRP芯線の内部に、空隙を存在させている関係で、当
該空隙の存在により、FRP芯線中の繊維が柔軟に追随
して湾曲することが可能となるので、半径の小さな曲げ
に対しても永久変形する心配がなくなると共に、キンク
された後にも完全に折損する心配がなくなる。
【0009】請求項2記載の発明にあっては、FRP芯
線の繊維の一部を熱硬化性樹脂により含浸させ、同繊維
の他部を熱可塑性樹脂により含浸させた関係で、熱硬化
性樹脂から得られる剛性を確保したまま、可撓性の熱可
塑性樹脂で含浸された繊維が柔軟に追随して湾曲するこ
とが可能となるので、半径の小さな曲げに対しても永久
変形する心配がなくなると共に、キンクされた後にも完
全に折損する心配がなくなる。
【0010】請求項3記載の発明にあっては、繊維と合
成樹脂との接着強度を低下させる手段を施した関係で、
繊維に大きな力が加わった時には、当該繊維と合成樹脂
との接着が失われて相対的に滑って、FRP芯線中の繊
維が合成樹脂内で柔軟に追随して湾曲することが可能と
なるので、やはり、半径の小さな曲げに対しても永久変
形する心配がなくなると共に、キンクされた後にも完全
に折損する心配がなくなる。
【0011】請求項4記載の発明にあっては、FRP芯
線の繊維として、破断伸び量が相対的に小さく破断強度
が相対的に大きな繊維と、破断伸び量が相対的に大きく
破断強度が相対的に小さな繊維とを併用した関係で、破
断伸び量が小さく破断強度が大きな繊維により剛性を確
保し、破断伸び量が大きく破断強度が小さな繊維により
柔軟性を確保することが可能となるので、同様に、半径
の小さな曲げに対しても永久変形する心配がなくなると
共に、キンクされた後にも完全に折損する心配がなくな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する各好適な
実施の形態に基づいて詳述すれば、第一実施の形態に係
るカテーテル用ガイドワイヤーは、その基本構造は、図
1に示す如く、軸方向に多数のガラス繊維等の無機繊維
2を収束してビニルエステル樹脂・エポキシ樹脂等の熱
硬化性樹脂3によって一体化したFRP芯線1と、該F
RP芯線1の外周を被覆するポリウレタン樹脂層4とか
ら成るものであるが、上記FRP芯線1の先端部に対し
ては、テーパー状の先細り形状1aを積極的に付与し、
ポリウレタン樹脂層4の表面に対しては、親水性ポリマ
ー5をコーティングするものとする。
【0013】尚、ここで言うカテーテル用ガイドワイヤ
ーとしては、全長が450〜3000mm、好ましく
は、1200〜2600mmで、FRP芯線1を樹脂で
被覆した後の直径が0.010〜0.038inch、
好ましくは、0.025〜0.035inchのものが
良い。又、被覆する樹脂としては、既述したポリウレタ
ン樹脂の他に、ナイロン樹脂等も使用でき、この表面に
コーティングされる親水性ポリマーとしては、ポリビニ
ルピロリドンが挙げられる。FRP芯線1自体は、直径
が0.20〜0.80mm、好ましくは、0.35〜
0.65mmが望ましく、先端部の5〜300mm、好
ましくは、10〜250mm部分を最先端部の直径が
0.08〜0.25mmとなるようなテーパー形状とし
柔軟性を持たせることもできる。又、FRP芯線1の無
機繊維2には、ガラス繊維の他に、カーボン繊維・アル
ミナ繊維・アラミド繊維等が使用できるが、ガラス繊維
が好適であり、太さが0.003〜0.075mm、よ
り好ましくは、0.005〜0.015mmのものを用
いるものとする。
【0014】そして、第一実施の形態にあっては、図2
のA・図3に示す如く、FRP芯線1の内部に、空隙6
を中心部に向かう程その空隙率が高くなるように存在さ
せることを特徴とするものであるが、内部にこの空隙6
を存在させる方法としては、連続引き抜き法の下で、F
RP芯線1の中心部の無機繊維2が熱硬化性樹脂3によ
って完全に含浸されないようにすれば良い。この為に
は、熱硬化性樹脂槽に対する浸漬時間や通過速度等を適
宜設定することにより行なうか、或いは、中心部側で収
束されるべき無機繊維2を熱硬化性樹脂槽に浸漬せず、
一方、外周部で収束されるべき無機繊維2を熱硬化性樹
脂槽に浸漬して、その後、両者を金型を介して一体化す
ることにより行なうものとする。尚、上記熱硬化性樹脂
槽に対する浸漬時間や通過速度の設定で、空隙6を軸方
向に延ばしたり縮めたりすることもできるが、特に、空
隙6を軸方向へ延ばすことにより、無機繊維2がより柔
軟となって、FRP芯線1の湾曲に追随できることとな
る。
【0015】依って、第一実施の形態に係るガイドワイ
ヤーにあっては、上記した空隙6の存在により、特に、
FRP芯線1の中心部側の無機繊維2が柔軟に追随して
湾曲することが可能となるので、従来のものと比較する
と、半径の小さな曲げに対しても永久変形する心配がな
くなると共に、キンクされた後にも完全に折損する心配
がなくなる。又、FRP芯線1の外周部寄りは、空隙6
の空隙率が低いので、ガイドワイヤーとして要求される
剛性は十分に確保できる。
【0016】尚、第一実施の形態の下では、空隙6の空
隙率をFRP芯線1の中心部に向かう程高くなるように
なしたものであるが、図2のBに示す如く、逆に、空隙
6の空隙率が芯線1の外周部に向かう程高くなるように
なしたり、或いは、具体的には図示しないが、必要な剛
性が確保される範囲内で、全体が一様となるように空隙
6を存在させることも実施に応じ任意である。この場合
には、前者では、逆に、中心部側で剛性を確保し、外周
部側で柔軟性を確保し、後者では、全体に対して剛性と
柔軟性が同時に確保できるので、やはり、半径の小さな
曲げに対しても永久変形する心配がなくなると共に、キ
ンクされた後にも完全に折損する心配がなくなる。従っ
て、いずれにしても、蛇行した血管等に挿入するような
場合には、トルク伝達性と血管選択性に優れる訳であ
る。ここで言う空隙率は、空隙体積/芯線体積で、3%
〜50%の範囲で使用し得るが、より効果的なのは、1
0%〜40%であり、中心部から外周部で空隙率を変化
させる場合も、この範囲が好適である。
【0017】第二実施の形態に係るカテーテル用ガイド
ワイヤーは、基本構造においては、第一実施の形態のも
のと同様であるが、異なるところは、図4のAに示す如
く、FRP芯線1の外周部側に収束される無機繊維2を
熱硬化性樹脂3により含浸し、中心部側に収束される無
機繊維2を熱可塑性樹脂7により含浸させた点である。
ここで、熱硬化性樹脂3には、ビニルエステル樹脂・不
飽和ポリエステル樹脂・エポキシ樹脂等を、熱可塑性樹
脂7には、ポリプロピレン樹脂・ポリエチレン樹脂・ポ
リスチレン樹脂・ウレタン樹脂等を用いるが、最適なも
のは、熱硬化性樹脂3がビニルエステル樹脂、熱可塑性
樹脂7がポリプロピレン樹脂乃至はポリエチレン樹脂の
組み合わせである。
【0018】又、この両樹脂3・7を内外側に含浸させ
る方法としては、同じく、連続引き抜き法の下で、外周
部側で収束されるべき無機繊維2は熱硬化性樹脂槽に浸
漬し、中央部側で収束されるべき無機繊維2は熱可塑性
樹脂槽に浸漬して、その後、両者を金型を介して一体化
することにより行なうものとする。
【0019】依って、第二実施の形態に係るガイドワイ
ヤーにあっては、FRP芯線1の無機繊維2に対して熱
硬化性樹脂3と熱可塑性樹脂7とを別々に含浸させた関
係で、外周部においては、熱硬化性樹脂3から得られる
剛性を確保したまま、中心部においては、熱可塑性樹脂
7の可撓性に起因して、無機繊維2が熱可塑性樹脂7内
で柔軟に追随して湾曲することが可能となるので、半径
の小さな曲げに対しても永久変形する心配がなくなると
共に、キンクされた後にも完全に折損する心配がなくな
る。
【0020】尚、第二実施の形態の下では、外周部に熱
硬化性樹脂3を含浸させ、中心部に熱可塑性樹脂7を含
浸させたものであるが、図4のBに示す如く、逆に、外
周部に熱可塑性樹脂7を含浸させ、中心部に熱硬化性樹
脂3を含浸させれば、今度は、中央部側で剛性を確保し
ながら、外周部側で柔軟性を確保できることとなる。こ
こで、この含浸させる樹脂比率は、熱可塑性樹脂体積/
熱硬化性樹脂体積で、2%〜60%の範囲で使用し得る
が、より効果的なのは、4%〜50%であり、中心部か
ら外周部で樹脂比率を変化させる場合も、この範囲が好
適である。
【0021】第三実施の形態に係るカテーテル用ガイド
ワイヤーも、基本構造においては、第一実施の形態のも
のと同様であるが、異なるところは、空隙6に代えて、
今度は、図5に示す如く、少なくとも、中心部に向かう
程、無機繊維2と熱硬化性樹脂3との接着強度を低下さ
せる手段を施した点にある。
【0022】ここで言う接着強度とは、樹脂を含浸させ
て繊維を保持した芯線において、繊維を引張った際に、
樹脂から滑り抜ける時の強さで定義する。図6には、繊
維として直径0.007mmのガラス繊維を、樹脂とし
てビニルエステル樹脂を用い、樹脂に繊維を10mm含
浸させた場合の接着強度理論値(接着表面積0.22m
2で接着強度135g)が説明されている。一般に、
接着表面積を一定としても、使用する繊維と樹脂の組み
合わせを変えると、接着強度は変化するが、これは、そ
の組み合わせ固有の接着強度係数を有するためである。
従って、第三実施の形態に係るガイドワイヤーでは、そ
の繊維と樹脂の組み合わせから得られる固有の接着強度
よりも接着強度を低下させる手段を施すことを特徴とし
ている。
【0023】そして、この接着強度を部分的に低下させ
る方法としては、同じく、連続引き抜き法の下で、中心
部側で収束されるべき無機繊維2のみを熱硬化性樹脂槽
に浸漬する前に、油脂槽を一旦通過させて、その表面に
油脂を付着させることにより行なうものとする。
【0024】依って、第三実施の形態に係るガイドワイ
ヤーにあっては、中心部に向かう程無機繊維2と熱硬化
製樹脂3との接着強度を油脂によって低下させた関係
で、外周部で必要な剛性を確保しながら、中央部におい
ては、無機繊維2と熱硬化性樹脂3との間に適度の滑り
が期待できることとなるので、やはり、半径の小さな曲
げに対しても永久変形する心配がなくなると共に、キン
クされた後にも完全に折損する心配がなくなる。尚、こ
の場合においても、逆に、外周部の接着強度を低下させ
たり、或いは、必要な剛性が得られる範囲内で、外周部
と中心部との接着強度を一様に低下させることも実施に
応じ任意である。ここで言う接着強度は、例えば、ガラ
ス繊維とビニルエステル樹脂の組み合わせだと、120
〜5g、より効果的なのは、110〜20gであり、中
心部から外周部で接着強度を変化させる場合も、この範
囲が好適である。又、これは、第一・第二の実施の形態
でも同様であるが、FRP芯線1の繊維としては、無機
繊維2の他に、ポリエチレン繊維・ポリプロピレン繊維
・ナイロン繊維・ポリビニールアルコール繊維・ポリエ
ステル繊維等の熱可塑性樹脂繊維又はタングステン繊維
・アモルファス金属繊維・ステンレス繊維を使用するこ
とも可能である。
【0025】第四実施の形態に係るカテーテル用ガイド
ワイヤーは、上記した各実施の形態とは異なり、FRP
芯線1の繊維として、破断伸び量が相対的に小さく破断
強度が相対的に大きな繊維8、例えば、ガラス繊維・ア
ルミナ繊維・炭化珪素繊維等の無機繊維又は炭素繊維・
アラミド繊維と、破断伸び量が相対的に大きく破断強度
が相対的に小さな繊維9、例えば、ポリプロピレン樹脂
・ポリエチレン繊維・ナイロン繊維・ポリビニルアルコ
ール繊維・ポリエステル繊維等の熱可塑性樹脂繊維又は
タングステン繊維・アモルファス金属繊維・ステンレス
繊維とを併用して、図7のAに示す如く、FRP芯線1
の内部にこれらの各繊維8・9を一様に配列した点にあ
る。
【0026】尚、図8は、ガラス繊維とポリプロピレン
繊維の破断伸び量と破断強度をグラフとして図示したも
のである。ここで、グラフ上の×は、破断点を示してい
る。ガラス繊維とポリプロピレン繊維を比べると、ガラ
ス繊維は、ポリプロピレン繊維よりも破断伸び量が相対
的に小さく破断強度が相対的に大きいが、逆に、ポリプ
ロピレン繊維は、ガラス繊維よりも破断伸び量が相対的
に大きく破断強度が相対的に小さいことが分かる。既述
した繊維の例は、破断伸び量と破断強度から一般的な分
類をして挙げているが、相対的に破断伸び量と破断強度
が相対するものであれば、ガイドワイヤーに持たせる剛
性・柔軟性・使用条件等により、任意に、上記した同一
分類に属しているものを使用することも、何ら制限する
ものではない。
【0027】依って、第四実施の形態に係るガイドワイ
ヤーにあっては、FRP芯線1の内部に、破断伸び量が
小さく破断強度が大きな繊維8と破断伸び量が大きく破
断強度が小さな繊維9とが一様に配列されている関係
で、全体的に剛性と柔軟性とが同時に確保できるので、
やはり、半径の小さな曲げに対しても永久変形する心配
がなくなると共に、キンクされた後にも完全に折損する
心配がなくなる。
【0028】尚、第四実施の形態の下では、図7のBに
示す如く、中心部に上記繊維9を配列し、外周部に上記
繊維8を配列するか、或いは、図7のCに示す如く、逆
に、中心部に繊維8を配列し、外周部に繊維9を配列す
ることも実施に応じ任意であるが、前者の場合には、中
心部で柔軟性が確保され、外周部で剛性が確保されるの
で、ガイドワイヤーとしての要求される剛性が確実に得
られ、後者の場合は、中心部で剛性が確保され、外周部
で柔軟性が確保されるので、キンクされた後の折損が有
効に防止されることとなる。
【0029】特に、この場合において、FRP芯線1の
繊維に用いる最適な組み合わせは、図8からも明らかな
ように、ガラス繊維とポリプロピレン繊維である。繊維
比率は、(破断伸び量小・破断強度大の繊維体積):
(破断伸び量大・破断強度小の繊維体積)で、1:3〜
5:1の範囲で使用し得るが、より効果的なのは、1:
2〜3:1であり、中心部から外周部で繊維比率を変化
させる場合も、この範囲が好適である。
【0030】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、上記構成の採用
により、請求項1の下では、FRP芯線の内部に、空隙
を存在させている関係で、当該空隙の存在により、FR
P芯線中の繊維が柔軟に追随して湾曲することが可能と
なるので、半径の小さな曲げに対しても永久変形する心
配がなくなると共に、キンクされた後にも完全に折損す
る心配がなくなる。
【0031】請求項2の下では、FRP芯線の繊維の一
部を熱硬化性樹脂により含浸させ、同繊維の他部を熱可
塑性樹脂により含浸させた関係で、熱硬化性樹脂から得
られる剛性を確保したまま、可撓性の熱可塑性樹脂で含
浸された繊維が柔軟に追随して湾曲することが可能とな
るので、半径の小さな曲げに対しても永久変形する心配
がなくなると共に、キンクされた後にも完全に折損する
心配がなくなる。
【0032】請求項3の下では、繊維と合成樹脂との接
着強度を低下させる手段を施した関係で、繊維に大きな
力が加わった時には、当該繊維と合成樹脂との接着が失
われて相対的に滑るので、FRP芯線中の繊維が合成樹
脂内で柔軟に追随して湾曲することが可能となるので、
やはり、半径の小さな曲げに対しても永久変形する心配
がなくなると共に、キンクされた後にも完全に折損する
心配がなくなる。
【0033】請求項4の下では、FRP芯線の繊維とし
て、破断伸び量が相対的に小さく破断強度が相対的に大
きな繊維と、破断伸び量が相対的に大きく破断強度が相
対的に小さな繊維とを併用した関係で、破断伸び量が小
さく破断強度が大きな繊維により剛性を確保し、破断伸
び量が大きく破断強度が小さな繊維により柔軟性を確保
することが可能となるので、同様に、半径の小さな曲げ
に対しても永久変形する心配がなくなると共に、キンク
された後にも完全に折損する心配がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態に係るガイドワイヤー
を軸方向から断面して示す図である。
【図2】(A)は第一実施の形態に係るガイドワイヤー
のFRP芯線を径方向から断面して示す図、(B)はそ
の他例を同じく径方向から断面して示す図である。
【図3】空隙率の分布を示す図表である。
【図4】(A)は第二実施の形態に係るガイドワイヤー
のFRP芯線を径方向から断面して示す図、(B)はそ
の他例を同じく径方向から断面して示す図である。
【図5】第三実施の形態に係るガイドワイヤーにおける
無機繊維と熱硬化性樹脂との接着強度力の分布を示す図
表である。
【図6】ガラス繊維とビニルエステル樹脂における接着
強度の理論値を説明する図表である。
【図7】(A)は第四実施の形態に係るガイドワイヤー
のFRP芯線を径方向から断面して示す図、(B)と
(C)はその他例を同じく径方向から断面して示す図で
ある。
【図8】ガラス繊維とポリプロピレン繊維の破断伸び量
と破断強度を比較した図表である。
【符号の説明】
1 FRP芯線 2 無機繊維 3 熱硬化性樹脂 4 ポリウレタン樹脂層 5 親水性ポリマー 6 空隙 7 熱可塑性樹脂 8 破断伸び量が小さく破断強度の大きな繊維 9 破断伸び量が大きく破断強度の小さな繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 孝清 岐阜県岐阜市藪田西2丁目1番1号 宇部 日東化成株式会社岐阜研究所内 (72)発明者 石井 徳 岐阜県岐阜市藪田西2丁目1番1号 宇部 日東化成株式会社岐阜研究所内 Fターム(参考) 4F100 AG00 AK01A AK01B AK04 AK07 AK12 AK21 AK44 AK51 AK53 DA16 DG04A DG18A DH02A DJ00A EJ82A GB66 JB13A JK17 JL11 YY00A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に多数の繊維を収束して合成樹脂
    によって一体化されたFRP芯線と、該FRP芯線の外
    周を被覆する合成樹脂層とから成るカテーテル用ガイド
    ワイヤーにおいて、上記FRP芯線の内部に、空隙を存
    在させたことを特徴とするカテーテル用ガイドワイヤ
    ー。
  2. 【請求項2】 軸方向に多数の繊維を収束して合成樹脂
    によって一体化されたFRP芯線と、該FRP芯線の外
    周を被覆する合成樹脂層とから成るカテーテル用ガイド
    ワイヤーにおいて、上記FRP芯線の繊維の一部が熱硬
    化性樹脂により含浸され、同繊維の他部が熱可塑性樹脂
    により含浸されていることを特徴とするカテーテル用ガ
    イドワイヤー。
  3. 【請求項3】 軸方向に多数の繊維を収束して合成樹脂
    によって一体化されたFRP芯線と、該FRP芯線の外
    周を被覆する合成樹脂層とから成るカテーテル用ガイド
    ワイヤーにおいて、上記FRP芯線の繊維と該繊維を一
    体化する合成樹脂との接着強度を低下させる手段が施さ
    れていることを特徴とするカテーテル用ガイドワイヤ
    ー。
  4. 【請求項4】 軸方向に多数の繊維を収束して合成樹脂
    によって一体化されたFRP芯線と、該FRP芯線の外
    周を被覆する合成樹脂層とから成るカテーテル用ガイド
    ワイヤーにおいて、上記FRP芯線の繊維として、破断
    伸び量が相対的に小さく破断強度が相対的に大きな繊維
    と、破断伸び量が相対的に大きく破断強度が相対的に小
    さな繊維とを併用したことを特徴とするカテーテル用ガ
    イドワイヤー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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