JP7425208B2 - ガイドワイヤ - Google Patents

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Description

本明細書に開示される技術は、血管等に挿入されるガイドワイヤに関する。
血管等における狭窄部や閉塞部(以下、「病変部」という。)を治療または検査する方法として、カテーテルを用いた方法が広く行われている。一般に、カテーテルを血管等における病変部に案内するために、ガイドワイヤが用いられる。
従来、長手方向に延びる孔が形成されたチューブ状のシャフトと、該チューブ状のシャフトの孔内に収容され、ポリマー材料により形成されたコア部材と、を備えるガイドワイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10-33689号公報
上記従来のガイドワイヤでは、比較的柔軟性の高いポリマー材料により形成されたコア部材がチューブ状のシャフトの孔内に収容されているため、孔が形成されていない密実のシャフトを用いる構成と比較して、ガイドワイヤの柔軟性と剛性とのバランスを向上させることができる。しかしながら、従来のガイドワイヤでは、チューブ状のシャフトも、シャフトの孔内に収容されたコア部材も、放射線不透過材料を含まないため、放射線照射下においてシャフトもコア部材も視認することはできず、ガイドワイヤの視認性の点で向上の余地がある。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるガイドワイヤは、ガイドワイヤであって、長手方向に延びる孔が形成された有孔シャフトと、前記有孔シャフトの前記孔内に収容され、第1の樹脂材料を含む第1のコアシャフトと、を備え、前記第1のコアシャフトは、放射線不透過材料を含む。本ガイドワイヤでは、比較的柔軟性の高い樹脂材料を含む第1のコアシャフトが有孔シャフトの孔内に収容されているため、孔が形成されていない密実のシャフトを用いる構成と比較して、ガイドワイヤの柔軟性と剛性とのバランスを向上させることができる。さらに、本ガイドワイヤでは、第1のコアシャフトが放射線不透過材料を含んでいる。そのため、ガイドワイヤが生体内に挿入されている状態において、生体の外部から放射線を照射することにより、有孔シャフトにおける第1のコアシャフトが収容された部分を明確に視認することができる。従って、本ガイドワイヤによれば、ガイドワイヤの視認性を向上させることができ、ひいてはガイドワイヤの利便性を向上させることができる。また、本ガイドワイヤでは、第1のコアシャフトに放射線不透過材料を含ませることにより、ガイドワイヤの一部分の視認性を向上させることができる。すなわち、本ガイドワイヤによれば、ガイドワイヤの一部分の視認性を向上させるという目的のために、ガイドワイヤの長手方向の一部分を、中心から外周までの全体にわたって放射線不透過材料により形成する必要がない。そのため、本ガイドワイヤでは、該目的の達成のために、ガイドワイヤの柔軟性と剛性とのバランスが犠牲になることを回避することができる。以上のことから、本ガイドワイヤによれば、ガイドワイヤの柔軟性と剛性とのバランスを向上させつつ、ガイドワイヤの視認性を向上させることができ、ひいてはガイドワイヤの利便性を向上させることができる。
(2)上記ガイドワイヤにおいて、前記第1のコアシャフトは、前記放射線不透過材料として、放射線不透過性の粉末を含む構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、放射線不透過材料として、第1のコアシャフト内に分散配置させやすい粉末が用いられるため、第1のコアシャフト内における放射線不透過材料の分布の偏りを抑制することができ、その結果、ガイドワイヤの視認性を効果的に向上させることができる。また、第1のコアシャフトにおける放射線不透過性の粉末の添加量を調整することにより、ガイドワイヤの視認性(画像の濃度)を容易に調整することができる。
(3)上記ガイドワイヤにおいて、前記第1のコアシャフトは、前記放射線不透過材料として、放射線不透過性の金属粉末を含む構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、放射線不透過材料として、比較的容易に入手できる金属粉末が用いられるため、ガイドワイヤの視認性を容易に向上させることができる。
(4)上記ガイドワイヤにおいて、前記第1のコアシャフトは、繊維を含む構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、第1のコアシャフトに繊維を含ませることにより、ガイドワイヤのうちの第1のコアシャフトが位置する部分における靱性を向上させることができる。
(5)上記ガイドワイヤにおいて、前記第1のコアシャフトは、前記放射線不透過材料として、放射線不透過性の前記繊維を含む構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、第1のコアシャフトに放射線不透過性の繊維を含ませることにより、ガイドワイヤの視認性を向上させつつ、ガイドワイヤのうちの第1のコアシャフトが位置する部分における靱性を向上させることができる。
(6)上記ガイドワイヤにおいて、前記繊維は、前記第1のコアシャフトの長手方向に延びるように配置されている構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、ガイドワイヤのうちの第1のコアシャフトが位置する部分における靱性を効果的に向上させることができる。
(7)上記ガイドワイヤにおいて、長手方向に直交する前記第1のコアシャフトの断面において、第1の領域における単位面積あたりの前記繊維の本数は、前記第1の領域より前記第1のコアシャフトの中心に近い第2の領域における単位面積あたりの前記繊維の本数より多い構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、第1のコアシャフトにおける繊維の添加量が過大となることを抑制しつつ、ガイドワイヤのうちの第1のコアシャフトが位置する部分における靱性を向上させることができる。また、本ガイドワイヤによれば、有孔シャフトの外周から第1のコアシャフトの中心に向かって、剛性が段階的に小さくなるため、ガイドワイヤの径方向における応力集中を抑制することができる。
(8)上記ガイドワイヤにおいて、前記繊維は、前記第1のコアシャフトのうち、長手方向の一部分のみに配置されている構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、有孔シャフトの孔内への第1のコアシャフトの充填性を向上させつつ、ガイドワイヤのうちの所望の一部分における靱性を向上させることができる。
(9)上記ガイドワイヤにおいて、さらに、前記有孔シャフトの前記孔のうち、長手方向において前記第1のコアシャフトとは異なる位置に収容され、前記第1の樹脂材料の剛性とは異なる剛性を有する第2の樹脂材料を含む第2のコアシャフトを備える構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、第1のコアシャフトと第2のコアシャフトとに含まれる樹脂材料の剛性の違いを利用して、長手方向におけるガイドワイヤの各部の剛性を調整することができ、ガイドワイヤの利便性をさらに向上させることができる。
(10)上記ガイドワイヤは、前記有孔シャフトにおける前記第1のコアシャフトが収容された部分において、アテレクトミー用のカテーテルが有する回転体を回転可能に支持するアテレクトミー用のガイドワイヤであるとしてもよい。上述したように、本ガイドワイヤでは、ガイドワイヤが生体内に挿入されている状態において、生体の外部から放射線を照射することにより、有孔シャフトにおける第1のコアシャフトが収容された部分を明確に視認することができる。そのため、アテレクトミー用のカテーテルが有する回転体が有孔シャフトにおける第1のコアシャフトが収容された部分に位置していることを明確に把握することができ、回転体がガイドワイヤの他の部分に接触することを防止することができる。また、ガイドワイヤ自体によって血管走行を把握した上で回転体の回転の可否を判断することができるため、例えば、血管における屈曲のきつい箇所で回転体の回転が行われることを防止することができ、安全性を向上させることができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、ガイドワイヤやその製造方法等の形態で実現することができる。
第1実施形態におけるガイドワイヤ100の構成を概略的に示す説明図 第2実施形態におけるガイドワイヤ100aの構成を概略的に示す説明図 第2実施形態におけるガイドワイヤ100aの構成を概略的に示す説明図 第3実施形態におけるガイドワイヤ100bの構成を概略的に示す説明図 第4実施形態におけるガイドワイヤ100cの構成を概略的に示す説明図 第5実施形態におけるガイドワイヤ100dの構成を概略的に示す説明図
A.第1実施形態:
A-1.ガイドワイヤ100の構成:
図1は、第1実施形態におけるガイドワイヤ100の構成を概略的に示す説明図である。図1には、第1実施形態におけるガイドワイヤ100の縦断面(YZ断面)の構成が、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸と共に示されている。なお、図1では、ガイドワイヤ100の一部分の図示が省略されている。図1において、Z軸正方向側が、体内に挿入される先端側(遠位側)であり、Z軸負方向側が、医師等の手技者によって操作される基端側(近位側)である。これらの点は、他の図においても同様である。本明細書では、ガイドワイヤ100およびその各構成部材について、先端側の端部を「先端」といい、先端およびその近傍を「先端部」といい、基端側の端部を「基端」といい、基端およびその近傍を「基端部」という。なお、図1では、ガイドワイヤ100が全体としてZ軸方向に略平行な直線状となった状態を示しているが、ガイドワイヤ100は湾曲させることができる程度の可撓性を有している。また、本明細書では、説明の便宜上、ガイドワイヤ100が図1に示された状態であるものとし、Z軸方向を「ガイドワイヤ100(およびその各構成部材)の長手方向」または単に「長手方向」という。
ガイドワイヤ100は、血管等における病変部(狭窄部や閉塞部)にカテーテルを案内するために、血管等に挿入される長尺状の医療用デバイスである。ガイドワイヤ100の全長は、例えば1000mm~4000mm程度である。
なお、本実施形態のガイドワイヤ100は、アテレクトミー用のカテーテルを案内するための、アテレクトミー用のガイドワイヤである。ここで、アテレクトミー(Atherectomy)とは、例えば、ミクロダイヤモンドが埋め込まれたドリル状の回転体RBを有するアテレクトミー用のカテーテルを用い、回転体RBを高速で(例えば、15万回転/分程度で)回転させることによって病変(例えば、石灰化した病変)を削り取る治療法である。回転体RBは、後述する有孔シャフト11におけるコアシャフト18が収容された部分(テーパ部12)において、回転可能に支持される。
ガイドワイヤ100は、シャフト体10と、先端螺旋体20と、先端コア材30と、先端側接合部42と、基端側接合部44とを備える。
シャフト体10は、長手方向に延びる長尺状の部材である。シャフト体10は、有孔シャフト11と、コアシャフト18とを有する。
シャフト体10の有孔シャフト11は、長手方向に延びる長尺状の部材である。有孔シャフト11は、略一定の外径を有する太径部13と、太径部13に対して先端側に位置し、太径部13との境界位置から先端側に向けて外径が徐々に小さくなるテーパ部12とから構成されている。有孔シャフト11の各位置における横断面(XY断面)の外形状は、任意の形状を取り得るが、例えば円形である。太径部13の外径は、例えば0.15~0.89mm程度であり、テーパ部12の最小径部の外径は、例えば0.05~0.30mm程度である。また、長手方向におけるテーパ部12の長さは、例えば30~500mm程度である。
有孔シャフト11には、長手方向に延びる孔14が形成されている。本実施形態では、孔14は、有孔シャフト11の先端から基端まで貫通する貫通孔である。孔14の各位置における横断面(XY断面)の形状は、任意の形状を取り得るが、例えば円形である。孔14の内径は、有孔シャフト11の先端から基端まで略一定であり、例えば、0.05~0.28mm程度である。なお、孔14の内径は有孔シャフト11の先端から基端まで略一定である必要はなく、有孔シャフト11の長手方向の複数の位置における孔14の内径が互いに異なっていてもよい。
有孔シャフト11を形成する材料としては、公知の材料が使用され、例えば金属材料、より具体的には、ステンレス鋼(SUS302、SUS304、SUS316等)、Ni-Ti合金等の超弾性合金等が使用される。有孔シャフト11は、全体が同じ材料により形成されていてもよいし、部分毎に互いに異なる材料により形成されていてもよい。
コアシャフト18は、有孔シャフト11に形成された孔14内に収容された棒状の部材である。本実施形態では、コアシャフト18は、有孔シャフト11に形成された孔14のうち、テーパ部12に形成された部分に収容されている。コアシャフト18の各位置における横断面(XY断面)の外形状は、任意の形状を取り得るが、例えば円形である。また、コアシャフト18の外径は、有孔シャフト11に形成された孔14の内径と同一、または、孔14の内径より僅かに小さく、例えば、0.05~0.28mm程度である。なお、本実施形態では、コアシャフト18は、有孔シャフト11に形成された孔14のうち、テーパ部12に形成された部分の全体にわたって配置されている。そのため、長手方向におけるコアシャフト18の長さは、有孔シャフト11のテーパ部12の長さと略同一であり、例えば30~500mm程度である。なお、長手方向におけるコアシャフト18の長さは、有孔シャフト11のテーパ部12の長さと略同一でなくてもよく、例えば、テーパ部12の長さより短くてもよい。また、有孔シャフト11に形成された孔14のうち、太径部13に形成された部分には、何も収容されていない。すなわち、有孔シャフト11に形成された孔14のうち、コアシャフト18が収容された部分より基端側の部分は、空洞である。コアシャフト18は、特許請求の範囲における第1のコアシャフトの一例である。
コアシャフト18は、樹脂材料を含むように構成されている。より詳細には、コアシャフト18は、樹脂材料により形成され、コアシャフト18の外形と同一の外形を有する棒状の部分を含んでいる。コアシャフト18に含まれる樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂が挙げられる。コアシャフト18に含まれる樹脂材料は、特許請求の範囲における第1の樹脂材料の一例である。
コアシャフト18は、さらに、放射線不透過材料(例えば、X線不透過材料)として、放射線不透過性の金属粉末17を含んでいる。より詳細には、金属粉末17は、上述した樹脂材料により形成された棒状の部分内に配置されている。本実施形態では、金属粉末17は、該棒状の部分の全体にわたって、略均等に分散配置されている。放射線不透過性の金属粉末17としては、例えば、白金、金、銀、錫、タングステン、ビスマス、レニウム、タンタル、パラジウム、イリジウム、バリウム、またはそれらの合金の粉末、酸化ビスマスなどの化合物が挙げられる。なお、本明細書において、粉末とは、物体の最大寸法(長さ)の方向に直交する断面の直径(最大径)に対する上記最大寸法の比が3.0未満の物体を意味する。本実施形態では、金属粉末17の最大寸法は、例えば0.0001mm~0.01mm程度である。
先端コア材30は、長手方向に延びる棒状の部材である。先端コア材30は、コアシャフト18より先端側に配置されている。本実施形態では、先端コア材30の基端部は、シャフト体10の有孔シャフト11の先端部に、例えばロウ付けや溶接により接合されている。先端コア材30を形成する材料としては、公知の材料が使用され、例えば金属材料、より具体的には、ステンレス鋼(SUS302、SUS304、SUS316等)、Ni-Ti合金等の超弾性合金等が使用される。
先端螺旋体20は、螺旋状に形成された部材である。本実施形態では、先端螺旋体20は、1本の素線を螺旋状に密巻きすることにより中空円筒状に形成したコイル体により構成されている。先端螺旋体20は、少なくとも一部分(本実施形態では略全体)がシャフト体10より先端側に位置している。また、先端螺旋体20は、先端コア材30の少なくとも一部分(本実施形態では略全体)を覆うように巻回されている。
先端螺旋体20は、放射線不透過材料(例えば、X線不透過材料)を含むように構成されている。放射線不透過材料は、放射線不透過性を有する材料であり、例えば放射線不透過金属や放射線不透過樹脂である。例えば、一実施例として、先端螺旋体20は、白金合金により形成される。
先端側接合部42は、先端螺旋体20の先端と先端コア材30の先端とを接合する部材である。なお、先端側接合部42の先端側の外周面は、滑らかな面(例えば、略半球面)となっている。また、基端側接合部44は、先端螺旋体20の基端とシャフト体10の先端とを接合する部材である。先端側接合部42および基端側接合部44を構成する材料としては、公知の材料が使用され、例えば、ロウ材(アルミニウム合金ロウ、銀ロウ、金ロウ等)、金属ハンダ(Ag-Sn合金、Au-Sn合金等)、接着剤(エポキシ系接着剤やシアノアクリレート系接着剤等)等が使用される。
A-2.ガイドワイヤ100の製造方法:
本実施形態のガイドワイヤ100は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、例えばステンレス製のハイポチューブを準備し、該ハイポチューブにテーパ加工等を施すことにより、テーパ部12と太径部13とから構成された有孔シャフト11を作製する。また、樹脂材料中に放射線不透過性の金属粉末17を混ぜた混合物を、有孔シャフト11の先端側から、有孔シャフト11の孔14内に圧力をかけて充填することにより、コアシャフト18を形成する。これにより、有孔シャフト11とコアシャフト18とを有するシャフト体10が作製される。
次に、先端コア材30を作製し、先端コア材30の基端部をシャフト体10の有孔シャフト11の先端部に、例えばロウ付けや溶接により接合する。次に、先端螺旋体20を作製し、先端螺旋体20を先端コア材30およびシャフト体10に接合する。具体的には、例えばロウ付け等により、先端螺旋体20と先端コア材30とを接合する先端側接合部42、および、先端螺旋体20とシャフト体10とを接合する基端側接合部44を形成する。主として、以上の方法により、本実施形態のガイドワイヤ100が製造される。
A-3.第1実施形態の効果:
以上説明したように、第1実施形態のガイドワイヤ100は、有孔シャフト11と、コアシャフト18とを備える。有孔シャフト11には、長手方向に延びる孔14が形成された部材である。コアシャフト18は、有孔シャフト11の孔14内に収容されており、樹脂材料を含んでいる。また、コアシャフト18は、放射線不透過材料として、放射線不透過性の金属粉末17を含んでいる。
このように、本実施形態のガイドワイヤ100では、比較的柔軟性の高い樹脂材料を含むコアシャフト18が有孔シャフト11の孔14内に収容されているため、孔が形成されていない密実のシャフトを用いる構成と比較して、ガイドワイヤ100の柔軟性と剛性とのバランスを向上させることができる。
さらに、本実施形態のガイドワイヤ100では、コアシャフト18が放射線不透過材料を含んでいる。そのため、ガイドワイヤ100が生体内に挿入されている状態において、生体の外部から放射線を照射することにより、シャフト体10の一部分(有孔シャフト11におけるコアシャフト18が収容された部分であるテーパ部12)を明確に視認することができる。従って、本実施形態のガイドワイヤ100によれば、ガイドワイヤ100の視認性を向上させることができ、ひいてはガイドワイヤ100の利便性を向上させることができる。例えば医師等の術者は、放射線下で、血管走行に追従するように湾曲したガイドワイヤ100の形状を観察することで、造影剤等を用いることなくガイドワイヤ100自体によって血管走行を把握することができる。
また、本実施形態のガイドワイヤ100では、コアシャフト18に放射線不透過材料を含ませることにより、シャフト体10の一部分の視認性を向上させることができる。すなわち、本実施形態のガイドワイヤ100によれば、シャフト体10の一部分の視認性を向上させるという目的のために、シャフト体10の長手方向の一部分を、中心から外周までの全体にわたって放射線不透過材料により形成する必要がない。そのため、本実施形態のガイドワイヤ100では、該目的の達成のために、ガイドワイヤ100の柔軟性と剛性とのバランスが犠牲になることを回避することができる。
以上のことから、本実施形態のガイドワイヤ100によれば、ガイドワイヤ100の柔軟性と剛性とのバランスを向上させつつ、ガイドワイヤ100の視認性を向上させることができ、ひいてはガイドワイヤ100の利便性を向上させることができる。
また、本実施形態のガイドワイヤ100では、コアシャフト18に含ませる放射線不透過材料として、放射線不透過性の金属粉末17が用いられる。本実施形態のガイドワイヤ100では、放射線不透過材料として、コアシャフト18内に分散配置させやすい粉末が用いられるため、コアシャフト18内における放射線不透過材料の分布の偏りを抑制することができ、その結果、ガイドワイヤ100の視認性を効果的に向上させることができる。また、コアシャフト18における放射線不透過性の金属粉末17の添加量を調整することにより、ガイドワイヤ100の視認性(画像の濃度)を容易に調整することができる。また、本実施形態のガイドワイヤ100では、放射線不透過材料として、比較的容易に入手できる金属粉末17が用いられるため、ガイドワイヤ100の視認性を容易に向上させることができる。
また、本実施形態のガイドワイヤ100は、有孔シャフト11におけるコアシャフト18が収容された部分(テーパ部12)において、アテレクトミー用のカテーテルが有する回転体RBを回転可能に支持するアテレクトミー用のガイドワイヤである。上述したように、本実施形態のガイドワイヤ100では、ガイドワイヤ100が生体内に挿入されている状態において、生体の外部から放射線を照射することにより、有孔シャフト11におけるコアシャフト18が収容された部分を明確に視認することができる。そのため、アテレクトミー用のカテーテルが有する回転体RBが有孔シャフト11におけるコアシャフト18が収容された部分に位置していることを明確に把握することができ、回転体RBがガイドワイヤ100の他の部分(例えば、先端螺旋体20)に接触することを防止することができる。また、ガイドワイヤ100自体によって血管走行を把握した上で回転体RBの回転の可否を判断することができるため、例えば、血管における屈曲のきつい箇所で回転体RBの回転が行われることを防止することができ、安全性を向上させることができる。
B.第2実施形態:
図2および図3は、第2実施形態におけるガイドワイヤ100aの構成を概略的に示す説明図である。図2には、第2実施形態におけるガイドワイヤ100aの縦断面(YZ断面)の構成が示されており、図3には、図2のIII-IIIの位置におけるガイドワイヤ100aの横断面(XY断面)の構成が拡大して示されている。以下では、第2実施形態のガイドワイヤ100aの構成のうち、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第2実施形態のガイドワイヤ100aは、コアシャフト18aの構成が、第1実施形態のガイドワイヤ100と異なる。具体的には、第2実施形態のガイドワイヤ100aでは、第1実施形態と同様に、コアシャフト18aが、樹脂材料を含むと共に、放射線不透過材料を含んでいる。ただし、第2実施形態のガイドワイヤ100aでは、コアシャフト18aが、放射線不透過材料として、放射線不透過性の金属粉末17ではなく、放射線不透過性の繊維16を含んでいる。より詳細には、繊維16は、コアシャフト18aを構成する上述した樹脂材料により形成された棒状の部分内に配置されている。本実施形態では、繊維16は、コアシャフト18aの長手方向においては、コアシャフト18aの全体にわたって、略均等に分散配置されている。一方、図3に示すように、長手方向に直交するコアシャフト18aの断面においては、コアシャフト18aの中心から離れた位置ほど、繊維16が多く配置されている。換言すれば、該断面において、第1の領域A1における単位面積あたりの繊維16の本数は、第1の領域A1よりコアシャフト18aの中心に近い第2の領域A2における単位面積あたりの繊維16の本数より多い。
コアシャフト18aに含まれる放射線不透過性の繊維16としては、例えば、白金、金、銀、錫、タングステン、ビスマス、レニウム、タンタル、パラジウム、イリジウム、バリウム、またはそれらの合金の繊維が挙げられる。なお、本明細書において、繊維とは、物体の最大寸法(長さ)の方向に直交する断面の直径(最大径)に対する上記最大寸法の比が3.0以上の物体を意味する。本実施形態では、繊維16の長さは、例えば0.003mm~1.0mm程度であり、繊維16の直径は、例えば0.001mm~0.01mm程度である。
また、本実施形態では、コアシャフト18aに含まれる各繊維16は、コアシャフト18aの長手方向に延びるように配置されている。なお、各繊維16がコアシャフト18aの長手方向に延びるように配置されているとは、各繊維16の延伸方向(繊維16の一端と他端とを結ぶ線分の方向)がコアシャフト18aの長手方向に厳密に平行である形態に限らず、各繊維16の延伸方向とコアシャフト18aの長手方向とのなす角θ(0度≦θ≦90度)の平均値が10度以下である形態を含む。
なお、このような構成のコアシャフト18aは、例えば、樹脂材料中に放射線不透過性の繊維16を混ぜた混合物を、有孔シャフト11を長手方向を軸に回転させつつ、有孔シャフト11の先端側から、有孔シャフト11の孔14内に圧力をかけて充填することにより形成することができる。
第2実施形態のガイドワイヤ100aは、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100と同様の構成を有しているため、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100が奏する効果と同様の効果を奏する。
また、第2実施形態のガイドワイヤ100aでは、コアシャフト18aが、放射線不透過材料として、放射線不透過性の金属粉末17の代わりに、放射線不透過性の繊維16を含んでいる。そのため、本実施形態のガイドワイヤ100aによれば、コアシャフト18aに放射線不透過性の繊維16を含ませることにより、ガイドワイヤ100aの視認性を向上させつつ、ガイドワイヤ100aのうちのコアシャフト18aが位置する部分における靱性を向上させることができる。
また、本実施形態のガイドワイヤ100aでは、コアシャフト18aに含まれる繊維16がコアシャフト18aの長手方向に延びるように配置されているため、ガイドワイヤ100aのうちのコアシャフト18aが位置する部分における靱性を効果的に向上させることができる。また、本実施形態のガイドワイヤ100aでは、長手方向に直交するコアシャフト18aの断面において、第1の領域A1における単位面積あたりの繊維16の本数は、第1の領域A1より中心に近い第2の領域A2における単位面積あたりの繊維16の本数より多いため、コアシャフト18aにおける繊維16の添加量が過大となることを抑制しつつ、ガイドワイヤ100aのうちのコアシャフト18aが位置する部分における靱性を向上させることができる。また、本実施形態のガイドワイヤ100aによれば、有孔シャフト11の外周からコアシャフト18の中心に向かって、剛性が段階的に小さくなるため、ガイドワイヤ100aの径方向における応力集中を抑制することができる。
C.第3実施形態:
図4は、第3実施形態におけるガイドワイヤ100bの構成を概略的に示す説明図である。図4には、第3実施形態におけるガイドワイヤ100bの縦断面(YZ断面)の構成が示されている。以下では、第3実施形態のガイドワイヤ100bの構成のうち、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第3実施形態のガイドワイヤ100bは、コアシャフト18bの構成が、第1実施形態のガイドワイヤ100と異なる。具体的には、第3実施形態のガイドワイヤ100bでは、第1実施形態と同様に、コアシャフト18bが、樹脂材料を含むと共に、放射線不透過材料としての放射線不透過性の金属粉末17を含んでいる。ただし、第3実施形態のガイドワイヤ100bでは、コアシャフト18bが、さらに、放射線不透過材料とは異なる材料により形成された(すなわち、放射線透過性の)繊維16bを含んでいる。より詳細には、繊維16bは、上述した樹脂材料により形成された棒状の部分内に配置されている。コアシャフト18bに含まれる放射線透過性の繊維16bとしては、例えば、放射線透過性の金属や樹脂、カーボンの繊維が挙げられる。なお、コアシャフト18bにおける繊維16bの構成や配置は、繊維16bが放射線透過性である点を除き、第2実施形態における繊維16の構成や配置と同様である。
なお、このような構成のコアシャフト18bは、例えば、樹脂材料中に放射線不透過性の金属粉末17と放射線透過性の繊維16bとを混ぜた混合物を、有孔シャフト11を長手方向を軸に回転させつつ、有孔シャフト11の先端側から、有孔シャフト11の孔14内に圧力をかけて充填することにより形成することができる。
第3実施形態のガイドワイヤ100bは、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100と同様の構成を有しているため、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100が奏する効果と同様の効果を奏する。
また、第3実施形態のガイドワイヤ100bでは、コアシャフト18bが、放射線不透過材料としての放射線不透過性の金属粉末17に加えて、放射線透過性の繊維16bを含んでいる。そのため、本実施形態のガイドワイヤ100bによれば、コアシャフト18bに放射線不透過性の金属粉末17を含ませることにより、ガイドワイヤ100bの視認性を向上させつつ、コアシャフト18bに放射線透過性の繊維16bを含ませることにより、ガイドワイヤ100bのうちのコアシャフト18bが位置する部分における靱性を向上させることができる。また、本実施形態のガイドワイヤ100bでは、放射線不透過性の金属粉末17を使用することによりガイドワイヤ100bの視認性の向上は達成されているため、繊維16bに視認性向上の機能を持たせる必要はなく、繊維16bの材料選択の自由度を向上させることができると共に、ガイドワイヤ100bの所望の位置の靱性を効果的に向上させることができる繊維16bの配置を採用することができる。
また、本実施形態のガイドワイヤ100bは、繊維16bに関し、繊維16bが放射線透過性である点を除き、上述した第2実施形態のガイドワイヤ100aにおける繊維16と同様の構成を有しているため、上述した第2実施形態のガイドワイヤ100aが奏する効果と同様の効果を奏する。
D.第4実施形態:
図5は、第4実施形態におけるガイドワイヤ100cの構成を概略的に示す説明図である。図5には、第4実施形態におけるガイドワイヤ100cの縦断面(YZ断面)の構成が示されている。以下では、第4実施形態のガイドワイヤ100cの構成のうち、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第4実施形態のガイドワイヤ100cは、シャフト体10cの構成が、第1実施形態のガイドワイヤ100と異なる。具体的には、第4実施形態のガイドワイヤ100cでは、シャフト体10cが、有孔シャフト11とコアシャフト18とに加えて、基端側コアシャフト19を備える。
基端側コアシャフト19は、有孔シャフト11に形成された孔14内に収容された棒状の部材である。本実施形態では、基端側コアシャフト19は、有孔シャフト11に形成された孔14のうち、太径部13に形成された部分の一部(先端側の一部)に収容されている。換言すれば、基端側コアシャフト19は、有孔シャフト11に形成された孔14のうち、長手方向においてコアシャフト18とは異なる位置に収容されている。基端側コアシャフト19の各位置における横断面(XY断面)の外形状は、任意の形状を取り得るが、例えば円形である。また、基端側コアシャフト19の外径は、有孔シャフト11に形成された孔14の内径と同一、または、孔14の内径より僅かに小さく、例えば、0.05~0.28mm程度である。また、長手方向における基端側コアシャフト19の長さは、例えば30~500mm程度である。基端側コアシャフト19は、特許請求の範囲における第2のコアシャフトの一例である。
基端側コアシャフト19は、樹脂材料を含むように構成されている。より詳細には、基端側コアシャフト19は、樹脂材料から構成されている。基端側コアシャフト19に含まれる樹脂材料は、コアシャフト18に含まれる樹脂材料の剛性とは異なる剛性を有する樹脂材料である。本実施形態では、基端側コアシャフト19に含まれる樹脂材料の剛性は、コアシャフト18に含まれる樹脂材料の剛性より高い。例えば、コアシャフト18に含まれる樹脂材料がアクリル系樹脂であり、基端側コアシャフト19に含まれる樹脂材料がエポキシ系樹脂であれば、上記剛性の関係を満たす。なお、本実施形態では、基端側コアシャフト19は、金属粉末17や繊維16を含んでいない。基端側コアシャフト19に含まれる樹脂材料は、特許請求の範囲における第2の樹脂材料の一例である。
なお、このような構成の基端側コアシャフト19は、例えば、樹脂材料を、有孔シャフト11の先端側から、有孔シャフト11の孔14内に圧力をかけて充填することにより形成することができる。
第4実施形態のガイドワイヤ100cは、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100と同様の構成を有しているため、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100が奏する効果と同様の効果を奏する。
また、第4実施形態のガイドワイヤ100cは、基端側コアシャフト19を備える。基端側コアシャフト19は、有孔シャフト11の孔14のうち、長手方向においてコアシャフト18とは異なる位置に収容されている。また、基端側コアシャフト19は、コアシャフト18に含まれる樹脂材料の剛性とは異なる剛性を有する樹脂材料を含んでいる。そのため、本実施形態のガイドワイヤ100cによれば、コアシャフト18と基端側コアシャフト19とに含まれる樹脂材料の剛性の違いを利用して、長手方向におけるガイドワイヤ100cの各部の剛性を調整することができ、ガイドワイヤ100cの利便性をさらに向上させることができる。
E.第5実施形態:
図6は、第5実施形態におけるガイドワイヤ100dの構成を概略的に示す説明図である。図6には、第5実施形態におけるガイドワイヤ100dの縦断面(YZ断面)の構成が示されている。以下では、第5実施形態のガイドワイヤ100dの構成のうち、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第5実施形態のガイドワイヤ100dは、コアシャフト18dの構成が、第1実施形態のガイドワイヤ100と異なる。具体的には、第5実施形態のガイドワイヤ100dでは、コアシャフト18dが、有孔シャフト11に形成された孔14のうち、テーパ部12に形成された部分と、太径部13における先端側の一部とにわたった部分に収容されている。
また、本実施形態では、コアシャフト18dのうち、有孔シャフト11のテーパ部12に位置する部分(図6の第1の部分P1)は、放射線不透過材料としての放射線不透過性の金属粉末17を含んでいる。一方、コアシャフト18dのうち、有孔シャフト11の太径部13に位置する部分(図6の第2の部分P2および第3の部分P3)は、放射線不透過材料を含んでいない。また、コアシャフト18dにおける有孔シャフト11の太径部13に位置する部分(第2の部分P2および第3の部分P3)のうち、基端側の一部分(第2の部分P2)は、放射線不透過材料とは異なる材料により形成された(すなわち、放射線透過性の)繊維16dを含んでいる。なお、コアシャフト18dの第2の部分P2における繊維16dの構成や配置は、繊維16dが放射線透過性である点を除き、第2実施形態における繊維16の構成や配置と同様である。
なお、このような構成のコアシャフト18dは、例えば、樹脂材料中に放射線透過性の繊維16dを混ぜた混合物を、有孔シャフト11を長手方向を軸として回転させつつ、有孔シャフト11の先端側から、有孔シャフト11の孔14内に圧力をかけて充填し、その後、樹脂材料を、有孔シャフト11の先端側から、有孔シャフト11の孔14内に圧力をかけて充填し、さらにその後、樹脂材料中に放射線不透過性の金属粉末17を混ぜた混合物を、有孔シャフト11の先端側から、有孔シャフト11の孔14内に圧力をかけて充填することにより形成することができる。
第5実施形態のガイドワイヤ100dは、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100と同様の構成を有しているため、上述した第1実施形態のガイドワイヤ100が奏する効果と同様の効果を奏する。
また、第5実施形態のガイドワイヤ100dでは、繊維16dが、コアシャフト18dのうち、長手方向の一部分のみに配置されている。そのため、本実施形態のガイドワイヤ100dによれば、有孔シャフト11の孔14内へのコアシャフト18dの充填性を向上させつつ、ガイドワイヤ100dのうちの所望の一部分における靱性を向上させることができる。
また、本実施形態のガイドワイヤ100dは、繊維16dに関し、繊維16dが放射線透過性である点を除き、上述した第2実施形態のガイドワイヤ100aにおける繊維16と同様の構成を有しているため、上述した第2実施形態のガイドワイヤ100aが奏する効果と同様の効果を奏する。
F.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記各実施形態におけるガイドワイヤ100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記各実施形態では、シャフト体10を構成する有孔シャフト11が、太径部13とテーパ部12とから構成されているが、有孔シャフト11は、これら2つの部分の内の少なくとも1つを有さないとしてもよいし、該2つの部分の他に他の部分を有するとしてもよい。例えば、有孔シャフト11が、さらに、テーパ部12に対して先端側に位置し、テーパ部12の最小径と同径の細径部を有していてもよい。あるいは、有孔シャフト11が、さらに、太径部13に対して基端側に位置し、太径部13との境界位置から基端側に向けて外径が徐々に大きくなる第2のテーパ部と、第2のテーパ部に対して基端側に位置し、第2のテーパ部の最大径と同径の第2の太径部とを有していてもよい。
また、上記各実施形態(ただし、第5実施形態を除く)では、コアシャフト18は、有孔シャフト11に形成された孔14のうち、テーパ部12に形成された部分の全体にわたって配置されているが、コアシャフト18が、孔14のうち、テーパ部12に形成された部分の一部のみに配置されていてもよい。また、上記各実施形態では、コアシャフト18は、有孔シャフト11に形成された孔14のうち、テーパ部12に形成された部分に収容されているが、コアシャフト18が、孔14のうち、有孔シャフト11のテーパ部12以外の部分(例えば、太径部13)に形成された部分に収容されていてもよい。
また、上記第5実施形態では、有孔シャフト11に形成された孔14に、コアシャフト18と基端側コアシャフト19とが収容されているが、孔14に、コアシャフト18および基端側コアシャフト19に加えて、それらに含まれる樹脂材料の剛性とは異なる剛性を有する樹脂材料を含む他のコアシャフトが収容されていてもよい。例えば、有孔シャフト11に形成された孔14に、互いに異なる剛性を有する樹脂材料を含む3つ以上のコアシャフトが収容されていてもよい。その場合において、各コアシャフトに含まれる樹脂材料について、先端側から基端側に向けて剛性が高くなるように構成されてもよい。また、シャフト体10において剛性を高めたい部分がある場合に、有孔シャフト11の孔14のうち、該部分に収容されるコアシャフトに含まれる樹脂材料の剛性を高くしてもよい。
また、上記各実施形態では、有孔シャフト11に形成された孔14には、コアシャフト18(または基端側コアシャフト19)が収容されていない部分が存在するが、孔14の全体にわたって樹脂材料を含むコアシャフト(単一のコアシャフト、または、長手方向に並ぶ複数のコアシャフト)が収容されていてもよい。
また、上記第2,3,5実施形態における、繊維16,16b,16dの配向や分布は、あくまで一例であり、異なる配向や分布を採用してもよい。
また、上記各実施形態(ただし、第5実施形態を除く)では、放射線不透過材料(金属粉末17や繊維16)が、コアシャフト18の長手方向の全体にわたって分散配置されているが、放射線不透過材料がコアシャフト18の長手方向の一部分のみに配置されていてもよい。また、上記各実施形態では、放射線不透過材料として金属粉末17や繊維16が用いられているが、それらに代えて、または、それらと共に、他の放射線不透過材料(例えば、非金属の粉末や液体)が用いられてもよい。また、コアシャフト18に含まれる樹脂材料自体が放射線不透過性を有し、放射線不透過材料として機能するとしてもよい。また、上記第3および第5実施形態では、繊維16b,16dが放射線不透過材料以外の材料により形成されているが、繊維16b,16dが放射線不透過材料により形成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、有孔シャフト11の孔14は、有孔シャフト11の先端から基端まで貫通しているが、有孔シャフト11の孔14が有孔シャフト11における長手方向の一部分のみに形成されていてもよい。例えば、有孔シャフト11の孔14が、有孔シャフト11の先端に開口し、かつ、有孔シャフト11の基端には開口しないとしてもよい。
また、上記各実施形態では、シャフト体10の先端側に先端コア材30および先端螺旋体20が設けられているが、先端コア材30および先端螺旋体20の少なくとも一方が省略されてもよい。
また、上記各実施形態における各部材の材料は、あくまで一例であり、種々変形可能である。また、上記各実施形態におけるガイドワイヤ100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記各実施形態では、樹脂材料を有孔シャフト11の孔14内に圧力をかけて充填することによりコアシャフト18を形成しているが、2液型の樹脂材料を有孔シャフト11の孔14内に充填して硬化させることによりコアシャフト18を形成してもよい。
また、上記各実施形態では、アテレクトミー用のガイドワイヤ100を例に挙げて説明しているが、本明細書に開示される技術は、他の用途のためのガイドワイヤにも同様に適用可能である。
10:シャフト体 11:有孔シャフト 12:テーパ部 13:太径部 14:孔 16:繊維 17:金属粉末 18:コアシャフト 19:基端側コアシャフト 20:先端螺旋体 30:先端コア材 42:先端側接合部 44:基端側接合部 100:ガイドワイヤ A1:第1の領域 A2:第2の領域 P1:第1の部分 P2:第2の部分 P3:第3の部分 RB:回転体

Claims (10)

  1. ガイドワイヤであって、
    長手方向に延びる孔が形成された有孔シャフトと、
    前記有孔シャフトの前記孔内に収容され、第1の樹脂材料を含む第1のコアシャフトと、
    を備え、
    前記第1のコアシャフトは、放射線不透過材料として、放射線不透過性の粉末を含み、
    前記有孔シャフトは、太径部と、前記太径部よりも先端側に位置し、前記太径部よりも外径が小さい部分と、を含み、
    前記第1のコアシャフトの少なくとも一部は、前記有孔シャフトの前記太径部よりも外径が小さい部分の前記孔内に配置されている、ガイドワイヤ。
  2. 請求項1に記載のガイドワイヤであって、
    前記第1のコアシャフトは、前記放射線不透過材料として、放射線不透過性の金属粉末を含む、ガイドワイヤ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガイドワイヤであって、
    前記第1のコアシャフトは、繊維を含み、前記繊維は、前記第1のコアシャフトの長手方向に延びるように配置されている、ガイドワイヤ。
  4. 請求項3に記載のガイドワイヤであって、
    前記第1のコアシャフトは、前記放射線不透過材料として、放射線不透過性の前記繊維を含む、ガイドワイヤ。
  5. 請求項3または請求項4に記載のガイドワイヤであって、
    長手方向に直交する前記第1のコアシャフトの断面において、第1の領域における単位面積あたりの前記繊維の本数は、前記第1の領域より前記第1のコアシャフトの中心に近い第2の領域における単位面積あたりの前記繊維の本数より多い、ガイドワイヤ。
  6. 請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、
    前記繊維は、前記第1のコアシャフトのうち、長手方向の一部分のみに配置されている、ガイドワイヤ。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、さらに、
    前記有孔シャフトの前記孔のうち、長手方向において前記第1のコアシャフトとは異なる位置に収容され、前記第1の樹脂材料の剛性とは異なる剛性を有する第2の樹脂材料を含む第2のコアシャフトを備える、ガイドワイヤ。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、
    前記ガイドワイヤは、前記有孔シャフトにおける前記第1のコアシャフトが収容された部分において、アテレクトミー用のカテーテルが有する回転体を回転可能に支持するアテレクトミー用のガイドワイヤである、ガイドワイヤ。
  9. 請求項1に記載のガイドワイヤであって、さらに、
    前記有孔シャフトの先端よりも先端側に配置され、基端部が前記有孔シャフトの先端部に接合された先端コア材を備える、ガイドワイヤ。
  10. 請求項1に記載のガイドワイヤであって、
    前記ガイドワイヤの長軸方向における前記第1のコアシャフトの先端の位置は、前記有孔シャフトの先端の位置と略同一である、ガイドワイヤ。
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