JP2024072398A - カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性と押し込み性を備えた抹消到達性の高いカテーテルを提供する。【解決手段】内層10と、外層30と、内層10の外側に配置され複数の素線25で形成された補強体20と、を備える管体2を有するカテーテルであって、補強体20は、管体2の基端側に配置され、複数の素線25を編組した編組部21と、編組部21より先端側で、編組部21を形成する少なくとも2本の素線25を並行させた状態で巻回したコイル部22と、を有し、コイル部22は、管体2の基端から先端に向かうにつれて、当該コイル部22を形成する素線25の本数が減少するカテーテル1である。【選択図】図5

Description

本発明は、血管などの管腔内で使用されるカテーテルに関する。
血管に生じた病変に対し、放射線透視下で血管に経皮的にデバイスを挿入して診断や治療を行う血管内治療が行われている。血管内治療では、病変に薬剤やガイドワイヤを到達させるためのデバイスとして、カテーテルが使用されている。
カテーテルは、細い血管の分岐や湾曲を通過して抹消まで到達する必要があるため、先端部の小径化と柔軟性の向上、ならびに高い押し込み性が求められている。また、カテーテルは、放射線透視下における血管内での位置を把握する必要があるため、先端部の高い視認性が求められている。
特許文献1には、先端側シャフト部と基端側シャフト部とからなるシャフト部材と、シャフト部材の基端に接続されたハンドルとを備え、基端側シャフト部は、金属素線束の基端側部分と、樹脂素線束とが編み込まれた編組により補強されたブレードチューブからなり、先端側シャフト部は、金属素線束の先端側部分が螺旋状に巻回されたコイルにより補強されたコイルチューブからなるカテーテルが開示されている。
国際公開第2020/188823号明細書
特許文献1のカテーテルは、編組により補強された基端側シャフト部と、コイルにより補強された先端側シャフト部との間でカテーテルの剛性が急激に変化するため、基端側シャフト部と先端側シャフト部との間でキンクが生じやすい。また、特許文献1のカテーテルは、編組のピッチと同じピッチで素線が巻回されてコイルが形成されているため、先端側シャフト部におけるカテーテルの剛性を調整することが難しい。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、柔軟性と押し込み性を備えた抹消到達性の高いカテーテルを提供することを目的とする。
上記目的を達成する(1)カテーテルは、内層と、外層と、前記内層の外側に配置され複数の素線で形成された補強体と、を備える管体を有するカテーテルであって、前記補強体は、前記管体の基端側に配置され、複数の前記素線を編組した編組部と、前記編組部より先端側で、前記編組部を形成する少なくとも2本の前記素線を並行させた状態で巻回したコイル部と、を有し、前記コイル部は、前記管体の基端から先端に向かうにつれて、当該コイル部を形成する前記素線の本数が減少する。
上記のように構成したカテーテルは、補強体が、編組部からなる高い剛性を有する基端部と、基端から先端に向かうにつれて緩やかに低下する剛性を有するコイル部からなる先端部とで形成されているため、柔軟性と押し込み性を備えることができる。コイル部は、コイル部を形成する素線の本数を変えることにより、カテーテルの先端部の剛性を細かく調整できる。また、カテーテルは、補強体を形成する素線が編組部からコイル部まで連続しているため、コイル部と編組部との境界部でのキンクが生じにくい。さらに、カテーテルは、編組部からコイル部まで連続して配置された素線を通じて、術者がカテーテルの基端側に加えた押し込み力やトルクをカテーテルの先端側まで確実に伝達することができる。以上のように、カテーテルは、柔軟性と押し込み性を備え、高い抹消到達性が得られる。
(2)上記(1)のカテーテルにおいて、前記コイル部は、当該コイル部を形成する前記素線の本数が減少するにつれて前記素線のピッチ角が小さくなるようにしてもよい。これにより、コイル部は、カテーテルの基端から先端に向かって柔軟性を高くすることができる。
(3)上記(1)または(2)のカテーテルにおいて、前記コイル部は、前記素線同士が密接するように巻回されていてもよい。これにより、コイル部は、素線の本数が減少するのに伴い、残りの素線によって形成される部分の素線のピッチおよびピッチ角を小さくすることができるので、基端から先端に向かうにつれて柔軟性を高くすることができる。このため、カテーテルは、管体の長軸方向に沿う剛性を緩やかに低下させることができる。
(4)上記(1)のカテーテルにおいて、前記コイル部は、それぞれの前記素線のピッチが前記管体の長軸方向に沿って一定であってもよい。これにより、カテーテルは、コイル部の素線の本数の減少に伴って、単位長さあたりに含まれる金属量が減少するため、剛性が低くなる。このため、コイル部は、基端から先端に向かうにつれて柔軟性を高くすることができる。
(5)上記(1)~(4)のいずれかのカテーテルにおいて、前記コイル部を形成する前記素線は、前記編組部の先端において、前記管体の周方向に沿って等間隔に配置されていてもよい。これにより、カテーテルは、コイル部と編組部との境界部における剛性の異方性が小さくなるため、術者がカテーテルの基端側に加えた押し込み力やトルクがカテーテルの先端側まで偏りなく伝達される。その結果、カテーテルは、良好な操作性が得られるとともに、コイル部と編組部との境界部でのカテーテルの破断やキンクが生じにくくなる。
(6)上記(1)~(5)のいずれかのカテーテルにおいて、前記コイル部は、少なくとも1本の放射線不透過性の素線を含み、前記管体は、前記コイル部の先端部に、前記放射線不透過性の素線同士が密接するように巻回されたマーカー部を有してもよい。これにより、カテーテルの先端部は、放射線透視下における高い視認性が得られる。また、マーカー部は、コイル部と素線が連続しており、コイル部と同層に形成されている。これにより、カテーテルは、先端部が小径かつ柔軟で、マーカー部とコイル部との境界部でのカテーテルの破断やキンクが生じにくい。
本実施形態に係るカテーテルの全体図である。 カテーテルの管体の一部を拡大して示す断面図である。 図2のA-A断面図である。 編組部の一部を拡大して示す正面図である。 管体の先端付近および中間部における補強体の拡大正面図である。 編組機の概念的な構造図である。 編組部の先端部において素線を切断する工程を説明する図であって、(a)は切断前の状態を、(b)は切断後の状態を、それぞれ表した図である。 第1変形例に係る素線の切断工程を説明する図である。 第2変形例に係る素線の切断工程を説明する図である。 第3変形例に係る素線の切断工程を説明する図である。 管体の先端付近および中間部における第1変形例に係る補強体の拡大正面図である。 管体の先端付近および中間部における第2変形例に係る補強体の拡大正面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法は、説明の都合上、誇張されて実際の寸法とは異なる場合がある。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。本明細書において、カテーテルの血管に挿入する側を「先端側」、操作する側を「基端側」と称することとする。
本明細書の説明では、自然状態(外力を付加せず、真っ直ぐな状態)でカテーテルが延びている方向を「長軸方向」とする。カテーテルの長軸方向を基準軸にした回転方向を「周方向」とする。また、カテーテルにおいて血管内に挿入される側を先端側とし、先端側と反対の端部側を基端側とする。また、先端(最先端)から長軸方向における一定の範囲を含む部分を「先端部」とし、基端(最基端)から長軸方向における一定の範囲を含む部分を「基端部」とする。
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。
本実施形態に係るカテーテル1は、経皮的に血管内に挿入されて、血管内で治療や診断を行うために用いられるデバイスである。カテーテル1は、図1に示すように、先端部および基端部を有する長尺な管体2と、管体2の基端に連結されるハブ3と、管体2およびハブ3の連結部位を囲む耐キンクプロテクタ4とを有している。
図2に示すように、管体2は、可撓性を有する管状の部材であり、基端から先端にかけて内部にルーメン5が形成されている。ルーメン5は、カテーテル1の血管への挿入時に、ガイドワイヤが挿通される。また、ルーメン5は、造影剤や治療薬、塞栓物質、医療器具の通路として用いることができる。
管体2の有効長は、特に限定されないが、例えば1300mm以上1500mm以下である。なお、管体2の有効長は、血管やシース内へ挿入可能な部位の長さである。本実施形態において、有効長は、耐キンクプロテクタ4の最先端から管体2の最先端までの長さである。
ハブ3は、管体2の基端部に、接着剤、熱融着または止具(図示せず)などにより液密に固着されている。ハブ3は、ルーメン5内へのガイドワイヤや医療器具の挿入口、ルーメン5内への造影剤や治療薬、塞栓物質の注入口として機能する。また、ハブ3は、カテーテル1を操作する際の把持部としても機能する。
ハブ3は、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート-ブチレン-スチレン共重合体などの樹脂により形成される。
耐キンクプロテクタ4は、管体2とハブ3との連結部位を囲むように設けられ、管体2とハブ3の連結部位における管体2のキンクを抑制する。耐キンクプロテクタ4は、天然ゴム、シリコーン樹脂などの弾性材料で形成される。
図2、図3に示すように、管体2は、内層10と、内層10の外側に配置される補強体20と、内層10および補強体20の外側に配置される外層30とを備えている。外層30の外表面は、親水性ポリマーなどの低摩擦材料がコーティングされていてもよい。
内層10は、内部にルーメン5を有する管状の部材である。内層10は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)などの低摩擦材料により形成される。
外層30は、内層10および補強体20の外側を覆う管状の部材である。外層30は、先端から基端に向かって硬さが段階的に、または漸次的に増加する。このため、管体2の曲げ剛性は、先端部において低く、基端部において高くなっている。
外層30は、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂などの高分子材料あるいはこれらの混合物などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で形成される。
図2~4に示すように、補強体20は、内層10の外表面上に、複数の素線25が隙間を有するように管状に編組された編組部21を有している。編組部21は、管体2の基端側に配置される。編組部21は、16本の素線25が編組されている。編組部21において、素線25は他の素線25と交差するように網目状に編組されている。
補強体20は、編組部21の先端側に形成されるコイル部22を形成する素線25を4本含んでいる。コイル部22を形成する素線25は、第1のコイル部構成素線26と、第2のコイル部構成素線27と、第3のコイル部構成素線28と、第4のコイル部構成素線29である。これら4本の素線25は、図4に示すように、同一方向に巻回されている。
素線25のうち、少なくとも第1のコイル部構成素線26は、放射線不透過性である。第1のコイル部構成素線26以外の素線25は、一部または全てが放射線不透過性であってもよい。放射線を透過する素線25は、ステンレス鋼などの金属線、樹脂繊維、炭素繊維、ガラス繊維などにより形成される。放射線不透過性の素線25は、金、白金、銀、イリジウム、タングステン、タンタル、またはこれらの合金からなる金属線や、硫酸バリウム、酸価ビスマスなどの放射線不透過性の粒子を含む樹脂繊維により形成される。
編組部21は、編組を形成する互いに隣り合う素線25の中心距離である編組ピッチP0が50μm以上500μm以下である。素線25の断面形状は、円形、矩形などとすることができ、複数の断面形状を併用してもよい。素線25は、断面形状が円形の場合、外径が10μm以上100μm以下、より好ましくは30μm以上60μm以下である。素線25は、断面形状が矩形の場合、幅が30μm以上60μm以下、厚みが10μm以上20μm以下である。
図5に示すように、補強体20は、編組部21より先端側にコイル部22を有している。コイル部22は、編組部21を形成する素線25のうち、第1のコイル部構成素線26と、第2のコイル部構成素線27と、第3のコイル部構成素線28と、第4のコイル部構成素線29との4本を、編組部21よりも先端側の内層10の外側に巻回することによって形成される。コイル部22は、素線25同士が管体2の長軸方向に沿って密接するように巻回され、密巻きコイルを形成している。第1のコイル部構成素線26と、第2のコイル部構成素線27と、第3のコイル部構成素線28と、第4のコイル部構成素線29とは、編組部21の先端から管体2の先端側に延び、内層10の外表面上に巻回される。一方、コイル部22を形成しない他の素線25は、編組部21の先端で終端する。これにより、カテーテル1は、編組部21からコイル部22に連続する複数の素線25を有する。カテーテル1は、コイル部22と編組部21との境界部が樹脂のみとなることがないので、境界部でのカテーテル1の破断やキンクを生じにくくなる。
コイル部22を形成する素線25は、編組部21の先端のカテーテル1の長軸方向と垂直な断面において、管体2の周方向に沿って等間隔となるように配置されていることが好ましい。図3に示すように、本実施形態では、第1のコイル部構成素線26と第2のコイル部構成素線27と第3のコイル部構成素線28および第4のコイル部構成素線29とは、周方向に沿って90°の間隔で配置されている。これにより、カテーテル1は、編組部21が配置されている部分や、コイル部22と編組部21との境界部における剛性の異方性が小さくなるため、術者がカテーテル1の基端側に加えた押し込み力やトルクがカテーテル1の先端側まで偏りなく伝達できる。その結果、カテーテル1は、良好な操作性が得られるとともに、コイル部22と編組部21との境界部でのカテーテル1の破断やキンクが生じにくくなる。
コイル部22は、コイル部22の基端が編組部21の先端に隣接するように配置されている。コイル部22と編組部21とは、互いに重ならず、同層に配置されている。なお、コイル部22の基端は、編組部21の先端に隣接して配置されなくてもよい。例えば、コイル部22の基端と編組部21の先端との間に、金属や樹脂で形成された管状体など、別の部材が配置されていてもよい。
コイル部22と編組部21との境界部は、カテーテル1の先端から100mm以上500mm以下、好ましくは、150mm以上300mm以下の位置に設けられることが好ましい。
コイル部22は、管体2の基端から先端に向かうにつれて、コイル部22を形成する素線25の本数が減少する。コイル部22は、第1部分22a、第2部分22bおよび第3部分22cを有している。編組部21の先端側に隣接する第1部分22aは、第1のコイル部構成素線26と、第2のコイル部構成素線27と、第3のコイル部構成素線28と、第4のコイル部構成素線29との4本の素線25で形成された多条コイルである。多条コイルは、コイルを形成する素線25を並行させた状態で螺旋状に巻回することによって形成されたコイルである。第1部分22aの先端において、第2のコイル部構成素線27は、終端する。第1部分22aの先端側に隣接する第2部分22bは、第1のコイル部構成素線26と、第3のコイル部構成素線28と、第4のコイル部構成素線29との3本の素線25で形成された多条コイルである。第2部分22bの先端において、第3のコイル部構成素線28は、終端する。第2部分22bの先端側に隣接する第3部分22cは、第1のコイル部構成素線26と、第4のコイル部構成素線29との2本の素線25で形成された多条コイルである。第3部分22cの先端において、第4のコイル部構成素線29は、終端する。
コイル部22は、第1部分22aと第2部分22bおよび第3部分22cのいずれにおいても、素線25同士が管体2の長軸方向に沿って密接する密巻きの多条コイルとされる。このため、コイル部22を形成するそれぞれの素線25は、コイル部22におけるピッチが編組部21におけるピッチよりも小さい。また、コイル部22を形成するそれぞれの素線25のピッチは、素線25の本数が減少するのに伴って、第1部分22a、第2部分22b、第3部分23cの順に小さくなる。例えば、第1のコイル部構成素線26では、第1部分22aのピッチP2は編組部21のピッチP1より小さく、第2部分22bのピッチP3は第1部分22aのピッチP2より小さく、第3部分23cのピッチP4は第2部分22bのピッチP3よりも小さい。コイル部22を形成するそれぞれの素線25は、コイル部22におけるピッチ角が編組部21におけるピッチ角よりも小さい。また、コイル部22を形成するそれぞれの素線25のピッチ角は、素線25の本数が減少するのに伴って、第1部分22a、第2部分22b、第3部分23cの順に小さくなる。例えば、第1のコイル部構成素線26では、第1部分22aのピッチ角D2は編組部21のピッチ角D1より小さく、第2部分22bのピッチ角D3は第1部分22aのピッチ角D2より小さく、第3部分22cのピッチ角D4は第2部分22bのピッチ角D3より小さい。これにより、コイル部22は、基端から先端に向かうにつれて段階的に柔軟性を高くすることができる。このため、カテーテル1は、管体2の長軸方向に沿う剛性を緩やかに低下させることができる。
補強体20を形成する素線25の数およびコイル部22を形成する素線25の数は、任意に設定することができる。補強体20を形成する素線25の数を2m本とした場合、コイル部22を形成する素線25は、最大でm本まで含むことができる。コイル部22は、コイル部22を形成する素線25の本数ごとに、最も基端側の第1部分から最も先端側の第n部分までを有する。したがって、コイル部22を形成する部分の数であるnは、コイル部22を形成する素線25の本数m以下の値となる。コイル部22は、第n部分の素線25の本数が第(n-1)部分の素線25の本数より少ないため、素線25を密巻きとした場合、第n部分のピッチ角が第(n-1)部分のピッチ角より小さくなる。なお、コイル部22を形成する素線25は、各部分において複数本が同時に減少してもよい。
管体2は、コイル部22よりも先端側にマーカー部23を有している。マーカー部23は、コイル部22を形成する第1のコイル部構成素線26をピッチP5で互いに密接するように巻回して形成される。このため、第1のコイル部構成素線26は、マーカー部23におけるピッチP5が、コイル部22の第3部分23cにおける第1のコイル部構成素線26のピッチP4よりも小さい。また、第1のコイル部構成素線26は、マーカー部23におけるピッチ角D5が、コイル部22の第3部分22cにおけるピッチ角D4より小さい。第1のコイル部構成素線26は、放射線不透過性であることから、マーカー部23は、放射線透視下における視認性を有する。マーカー部23の長さは、0.2mm以上1.5mm以下である。
マーカー部23を形成する素線25の本数は、1本であるが、複数本であってもよい。マーカー部23は、放射線不透過性の素線25だけで形成されていることが好ましいが、放射線透過性の素線25を含んでいてもよい。
なお、マーカー部23は、放射線不透過性を有する部材をコイル部22よりも先端側に配置することによって形成してもよい。放射線不透過性を有する部材は、金、白金、銀、イリジウム、タングステン、タンタル、またはこれらの合金からなる金属や、硫酸バリウム、酸価ビスマスなどの放射線不透過性の粒子を含む樹脂で形成された管体やコイルなどを用いることができる。
前述のように、外層30は、先端から基端に向かって硬さが変化する。コイル部22において、外層30の硬さが異なる領域同士の境界は、コイル部22を形成する素線25の本数が異なる部分同士の境界とは異なる位置に配置されることが好ましい。カテーテル1は、コイル部22を形成する素線25の本数の減少による剛性の変化と外層30の硬度の変化による剛性の変化とを組み合わせることにより、管体2の剛性を細かく調整することができる。これにより、所望の剛性を備えたカテーテル1の形成が容易となる。また、カテーテル1は、長軸方向に沿う剛性を緩やかに低下させることができるため、急激な剛性の変化に起因するキンクが生じにくくなる。
次に、補強体20の製造方法について説明する。まず、内層10が被覆された芯金45と素線25を編組機40にセットする。
図6に示すように、補強体20の編組部21は、編組機40によって内層10の外表面に編組される。編組機40は、リング状で回転中心軸が共通する第1回転体41と第2回転体42とを有し、第1回転体41と第2回転体42の回転中心軸に沿って内層10が被覆された芯金45を送出できるように構成されている。第1回転体41と第2回転体42は、それぞれ周方向に沿って8つずつのボビン43を有している。16本の素線25は、それぞれボビン43に保持されている。第1回転体41と第2回転体42は、互いに逆方向に回転し、第1回転体41と第2回転体42の各ボビン43は、内層チューブ45に対して近づく動作と離れる動作を交互に繰り返す。これにより、素線25は、送出される内層チューブ45の外表面に他の素線25と交差するように編組され、編組部21を形成する。
内層10の外表面に編組された素線25は、コイル部22を形成する素線25を除いて、編組部21の先端となる位置よりも先端側の部分が除去される。素線25は、端部が径方向外側に広がろうとするため、コイル部22を形成する素線25以外の素線25の除去前に、編組部21の先端となる位置の素線25の広がりを抑制する処置を施す必要がある。素線25の広がりは、図7(a)において一点鎖線で囲んだ編組部21の先端領域Tに対して、熱を加えて焼鈍し、素線25の弾性を失わせることで抑制できる。また、素線25の広がりを抑制する処置は、編組部21の先端領域Tへの接着剤の塗布であってもよい。
素線25の広がりは、図8に示すように、コイル部22を形成する素線25以外の素線25の除去前に、編組部21の先端となる位置から基端側に外層30を被覆することによって抑制されてもよい。
素線25の広がりは、図9に示すように、コイル部22を形成する素線25以外の素線25の除去前に、編組部21の先端となる位置の素線25同士を溶接することによって抑制されてもよい。溶接点Rは、素線25同士が重なり合う位置に形成される。
編組部21の先端となる位置に素線25の広がりを抑制する処置を行った後、素線25は、図7(b)に示すように、コイル部22を形成する素線25を除いて、編組部21の先端となる位置よりも先端側の部分が除去される。素線25は、刃物や金属疲労による切断、熱による溶断など任意の方法によって除去できる。
コイル部22を形成する素線25以外の素線25の除去は、電解加工によって行われてもよい。図10に示すように、電解加工装置50は、電解液53を貯留する電解槽51と、補強体20を保持する保持部52とを有している。補強体20を形成する素線25のうち、コイル部22を形成する素線25である第1のコイル部構成素線26と第2のコイル部構成素線27と第3のコイル部構成素線28および第4のコイル部構成素線29は、表面に絶縁被膜を有している。一方、コイル部22を形成しない素線25は、表面に絶縁被膜を有していない。このような素線25によって形成された補強体20の先端部を電解液53に浸漬し、補強体20を陰極、電解液53内の電極(図示しない)を陽極として電解液53に通電することで、絶縁被膜を有さない素線25の電解液53に浸漬された部分が除去される。コイル部22を形成する素線25は、表面に絶縁被膜を有するため、通電されず、除去されない。これにより、コイル部22を形成する素線25以外の素線25を除去することができる。
コイル部22を形成しない素線25の、編組部21の先端となる位置よりも先端側の部分を除去した後、コイル部22を形成する4本の素線25を編組部21より先端側の内層10の外表面上にコイル状に巻回して、コイル部22を形成する。素線25を所定の回数、巻回したら、素線25のうち1本を切断し、残りの3本の素線25を巻回する。同様に素線25を減少させていき、残りの1本の素線25でマーカー部23を形成する。編組部21とコイル部22およびマーカー部23を形成した後、補強体20およびマーカー部23の外側を外層30で被覆する。これにより、管体2を形成することができる。
カテーテル1の変形例について説明する。図11に示すように、コイル部22は、隣接する素線25同士が離隔するように疎巻きされた部分を含んでもよい。コイル部22は、第1のコイル部構成素線26と第2のコイル部構成素線27と第3のコイル部構成素線28および第4のコイル部構成素線29の4本が巻回された第1部分22aを有している。第2のコイル部構成素線27は、第1部分22aの先端で終端する。第1部分22aにおいて、それぞれの素線25のピッチは、P2’である。コイル部22は、第1部分22aの先端側に、第1のコイル部構成素線26と第3のコイル部構成素線28および第4のコイル部構成素線29の3本が巻回された第2部分22bを有している。第4のコイル部構成素線29は、第2部分22bの先端で終端する。第2部分22bにおいて、それぞれの素線25のピッチは、P2’と同じP3’である。コイル部22は、第2部分22bの先端側に、第1のコイル部構成素線26および第3のコイル部構成素線28の2本が巻回された第3部分22cを有している。第3のコイル部構成素線28は、第3部分22cの先端で終端する。第3部分22cにおいて、それぞれの素線25のピッチは、P2’と同じP4’である。コイル部22は、第3部分22cの先端側に、第1のコイル部構成素線26の1本が巻回された第4部分22dを有している。第4部分22dにおいて、素線25のピッチは、P2’と同じP5’である。すなわち、コイル部22は、それぞれの素線25のピッチが管体2の長軸方向に沿って一定である。また、コイル部22は、それぞれの素線25について、第1部分22aのピッチ角D2と、第2部分22bのピッチ角D3と、第3部分22cのピッチ角D4と、第4部分22dのピッチ角D5が、等しい。コイル部22は、先端側の部分ほどコイル部22の単位長さあたりに含まれる金属量が減少するため、剛性が低くなる。これによって、コイル部22は、基端から先端に向かうにつれて柔軟性を高くすることができる。
管体2は、コイル部22より先端側にマーカー部23を有する。マーカー部23は、コイル部22の最も先端側である第4部分22dを形成する第1のコイル部構成素線26を密巻きにすることで形成される。マーカー部23を密巻きコイルとすることにより、カテーテル1は、放射線透視下における高い視認性が得られる。また、マーカー部23における第1のコイル部構成素線26のピッチ角D6は、コイル部22のピッチ角D2、D3、D4、D5より小さい。これにより、カテーテル1は、先端部の高い柔軟性が得られる。
図12に示すように、コイル部22を形成する素線25は、編組部21において並行した状態で螺旋状に巻回されていてもよい。コイル部22は、第1のコイル部構成素線26と第2のコイル部構成素線27とで形成される。編組部21において並行した状態で螺旋状に巻回されている第1のコイル部構成素線26と第2のコイル部構成素線27は、編組部21の先端よりも先端側において、両者が並行した状態を維持したまま内層10の外表面上に巻回されて、コイル部22を形成する。
以上のように、本実施形態に係る(1)カテーテル1は、内層10と、外層30と、内層10の外側に配置され複数の素線25で形成された補強体20と、を備える管体2を有するカテーテルであって、補強体20は、管体2の基端側に配置され、複数の素線25を編組した編組部21と、編組部21より先端側で、編組部21を形成する少なくとも2本の素線25を並行させた状態で巻回したコイル部22と、を有し、コイル部22は、管体2の基端から先端に向かうにつれて、当該コイル部22を形成する素線25の本数が減少する。このように構成したカテーテル1は、補強体20が、編組部21からなる高い剛性を有する基端部と、基端から先端に向かうにつれて緩やかに低下する剛性を有するコイル部22からなる先端部とで形成されているため、柔軟性と押し込み性を備えることができる。コイル部22は、コイル部22を形成する素線25の本数を変えることにより、カテーテル1の先端部の剛性を細かく調整できる。また、カテーテル1は、補強体20を形成する素線25が編組部21からコイル部22まで連続しているため、コイル部22と編組部21との境界部でのキンクが生じにくい。さらに、カテーテル1は、編組部21からコイル部22まで連続して配置された素線25を通じて、術者がカテーテル1の基端側に加えた押し込み力やトルクをカテーテル1の先端側まで確実に伝達することができる。以上のように、カテーテル1は、柔軟性と押し込み性を備え、高い抹消到達性が得られる。
(2)上記(1)のカテーテル1において、コイル部22は、当該コイル部22を形成する素線25の本数が減少するにつれて素線25のピッチ角が小さくなるようにしてもよい。これにより、コイル部22は、カテーテル1の基端から先端に向かって柔軟性を高くすることができる。
(3)上記(1)または(2)のカテーテル1において、コイル部22は、素線25同士が密接するように巻回されていてもよい。これにより、コイル部22は、素線25の本数が減少するのに伴い、残りの素線25によって形成される部分の素線25のピッチおよびピッチ角を小さくすることができるので、基端から先端に向かうにつれて柔軟性を高くすることができる。このため、カテーテル1は、管体2の長軸方向に沿う剛性を緩やかに低下させることができる。
(4)上記(1)のカテーテル1において、コイル部22は、それぞれの素線25のピッチが管体2の長軸方向に沿って一定であってもよい。これにより、カテーテル1は、コイル部22の素線25の本数の減少に伴って、単位長さあたりに含まれる金属量が減少するため、剛性が低くなる。このため、コイル部22は、基端から先端に向かうにつれて柔軟性を高くすることができる。
(5)上記(1)~(4)のいずれかのカテーテル1において、コイル部22を形成する素線25は、編組部21の先端において、管体2の周方向に沿って等間隔に配置されていてもよい。これにより、カテーテル1は、コイル部22と編組部21との境界部における剛性の異方性が小さくなるため、術者がカテーテル1の基端側に加えた押し込み力やトルクがカテーテル1の先端側まで偏りなく伝達される。その結果、カテーテル1は、良好な操作性が得られるとともに、コイル部22と編組部21との境界部でのカテーテル1の破断やキンクが生じにくくなる。
(6)上記(1)~(5)のいずれかのカテーテル1において、コイル部22は、少なくとも1本の放射線不透過性の素線25を含み、管体2は、コイル部22の先端部に、放射線不透過性の素線25同士が密接するように巻回されたマーカー部23を有してもよい。これにより、カテーテル1の先端部は、放射線透視下における高い視認性が得られる。また、マーカー部23は、コイル部22と素線25が連続しており、コイル部22と同層に形成されている。これにより、カテーテル1は、先端部が小径かつ柔軟で、マーカー部23とコイル部22との境界部でのカテーテル1の破断やキンクが生じにくい。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。
1 カテーテル
2 管体
3 ハブ
4 耐キンクプロテクタ
5 ルーメン
10 内層
20 補強体
21 編組部
22 コイル部
22a 第1部分
22b 第2部分
22c 第3部分
23 マーカー部
25 素線
26 第1のコイル部構成素線
27 第2のコイル部構成素線
28 第3のコイル部構成素線
29 第4のコイル部構成素線
30 外層
40 編組機
41 第1回転体
42 第2回転体
43 ボビン
45 芯金
50 電解加工装置
51 電解槽
52 保持部
53 電解液

Claims (6)

  1. 内層と、外層と、前記内層の外側に配置され複数の素線で形成された補強体と、を備える管体を有するカテーテルであって、
    前記補強体は、前記管体の基端側に配置され、複数の前記素線を編組した編組部と、前記編組部より先端側で、前記編組部を形成する少なくとも2本の前記素線を並行させた状態で巻回したコイル部と、を有し、
    前記コイル部は、前記管体の基端から先端に向かうにつれて、当該コイル部を形成する前記素線の本数が減少するカテーテル。
  2. 前記コイル部は、当該コイル部を形成する前記素線の本数が減少するにつれて前記素線のピッチ角が小さくなる請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記コイル部は、前記素線同士が密接するように巻回されている請求項1に記載のカテーテル。
  4. 前記コイル部は、それぞれの前記素線のピッチが前記管体の長軸方向に沿って一定である請求項1に記載のカテーテル。
  5. 前記コイル部を形成する前記素線は、前記編組部の先端において、前記管体の周方向に沿って等間隔に配置されている請求項1~4のいずれか1項に記載のカテーテル。
  6. 前記コイル部は、少なくとも1本の放射線不透過性の素線を含み、
    前記管体は、前記コイル部の先端部に、前記放射線不透過性の素線同士が密接するように巻回されたマーカー部を有する請求項1~4のいずれか1項に記載のカテーテル。

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