JP2000002523A - 構造物表面のひび割れ計測方法 - Google Patents
構造物表面のひび割れ計測方法Info
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Abstract
ひび割れを計測する。 【構成】本発明に係る構造物表面のひび割れ計測方法に
おいては、まず、ひび割れ計測の対象構造物の表面を撮
影しこれを原画像データとする(101)。次に、シェーデ
ィング補正された原画像データの画像領域のうち、例え
ば撮影範囲全部を特定されたひび割れ探査領域とし、該
ひび割れ探査領域を所定のしきい値で2値化処理する(1
03)。次に、2値化処理された画像データを用いてひび
割れを抽出するとともに(104)、未抽出のひび割れが存
在する可能性のあるひび割れ探査領域を特定する(10
5)。次に、特定されたひび割れ探査領域に対し、原画像
データを最初のしきい値よりも低いしきい値で2値化処
理をやり直し、新たなひび割れを抽出する(106)。一連
の手順(105-106)は、所望の精度のひび割れが抽出され
るまで繰り返す。
Description
物の表面に生じているひび割れを計測する構造物表面の
ひび割れ計測方法に関する。
ートと引張に抵抗する鉄筋とのいわばハイブリッド構造
であるため、コンクリートにはさまざまな原因でひび割
れが生じるが、このようなコンクリート表面に発生した
ひび割れは、地震後における被災度診断、耐震補強の必
要性、鉄筋腐食等に関するRC材料の健全性などを知る
手がかりとなることが多く、したがって、ひび割れを高
い精度で分析していくことは、構造物の健全性を維持す
る上で重要な事項となる。
割れを分析するにあたっては、従来は目視によってひび
割れの分布状況を観察し、これを紙にスケッチするとと
もに、必要に応じて該ひび割れの長さや幅をスケール等
で計測し、かかるスケッチや計測データに基づいて上述
した耐震性の検証や耐震補強の必要性、RC材料の健全
性、地震特性の推測などを行うのが一般的であった。
うな方法では、ひび割れの観察や計測に多くの時間と人
手がかかるとともに、かかる作業に十分な経験を要する
ため、作業員の熟練度の違いに起因するばらつきが生
じ、信頼性に欠ける面があるという問題を生じていた。
また、精度の高い観察結果や計測データが得られたとし
ても、それらに基づいて耐震性等に関する分析を行うに
あたっては、やはり経験的判断に頼らざるを得ない面も
あり、客観性に欠けるという問題も生じていた。
たもので、構造物表面に生じているひび割れを正確かつ
迅速にしかも客観的な分析が行いやすい形で計測するこ
とが可能な構造物表面のひび割れ計測方法を提供するこ
とを目的とする。
め、本発明に係る構造物表面のひび割れ計測方法は請求
項1に記載したように、ひび割れ計測の対象となる構造
物表面を撮影することによって原画像データを作成し、
該原画像データを用いて前記構造物表面のひび割れを計
測する方法であって、前記原画像データの画像領域のう
ち、特定されたひび割れ探査領域を所定のしきい値で2
値化処理し、しかる後に該2値化処理されたデータを用
いてひび割れを抽出するとともに未抽出のひび割れが存
在する可能性のある画像領域を新たなひび割れ探査領域
として特定し、次いで、その新たなひび割れ探査領域を
前記しきい値よりも低いしきい値で2値化処理し、しか
る後に該2値化処理されたデータを用いて新たなひび割
れを抽出するものである。
計測方法は、前記2値化処理されたデータから黒画素を
抽出するとともに、抽出された各黒画素について該黒画
素を含む所定の単位領域をそれぞれ定め、それらの単位
領域のうち、未抽出のひび割れが存在する可能性のある
単位領域を選び出し、次いで、選び出された単位領域を
包含する領域を前記新たなひび割れ探査領域として特定
するものである。
計測方法は、前記単位領域に占める白の画素数若しくは
黒の画素数を計数し、該白の画素数若しくは黒の画素数
の占有比率に応じて未抽出のひび割れが存在する可能性
を判断するものである。
法においては、まず、ひび割れ計測の対象となる構造物
の表面を撮影することによって原画像データを作成す
る。ここで、構造物の表面に影が映り込んだり照度が不
均一であったために原画像データに明暗が生じている場
合には、必要に応じてシェーディング補正を行う。
のうち、最初は例えば撮影範囲全部を特定されたひび割
れ探査領域とし、かかるひび割れ探査領域を所定のしき
い値で2値化処理する。この場合のしきい値はかなり高
めに設定し、できるだけノイズを除去するとともに明ら
かにひび割れと判別できるものだけが抽出されるように
する。したがって、この段階では細いひび割れは抽出さ
れない。
び割れを抽出するとともに未抽出のひび割れが存在する
可能性のある画像領域を新たなひび割れ探査領域として
特定する。
性があるかどうかは、2値化画像を見ながら経験的に判
断するようにしてもよいが、前記2値化処理されたデー
タから黒画素を抽出するとともに、抽出された各黒画素
について該黒画素を含む所定の単位領域をそれぞれ定
め、それらの単位領域のうち、未抽出のひび割れが存在
する可能性のある単位領域を選び出してそれら選び出さ
れた単位領域が包含される領域を前記新たなひび割れ探
査領域として特定するようにしたならば、太いひび割れ
から分岐派生する、あるいは該太いひび割れに近接して
存在するより細いひび割れを確実かつ効率的に抽出する
ことが可能となる。
のある単位領域を選び出す際、前記単位領域に占める白
の画素数若しくは黒の画素数を計数し、該白の画素数若
しくは黒の画素数の占有比率に応じて未抽出のひび割れ
が存在する可能性を判断するようにしたならば、かかる
判断を客観的にかつ短時間に行うことが可能となる。
を一回目のしきい値よりも低いしきい値で2値化処理
し、しかる後に該2値化処理されたデータを用いて新た
なひび割れを抽出する。この段階では、一回目で抽出さ
れたひび割れに加えてそれよりも細いひび割れも抽出さ
れる。
を2値化処理してひび割れを抽出するとともに、その時
点では抽出されなかったけれども存在の可能性がある領
域を新たにひび割れ探査領域とし、該新たなひび割れ探
査領域を前ステップで用いたしきい値よりも低いしきい
値で2値化処理して新たなひび割れを抽出するという手
順を、所望の精度のひび割れが抽出されるまで繰り返
す。
階的に拡張しながらその拡張に伴って抽出精度も段階的
に上がっていくこととなる。
としてRC構造物を対象とするが、PC構造物や無筋コ
ンクリート構造物等のコンクリート系構造物はもちろん
のこと、鋼構造物に対しても、その溶接部分のひび割れ
や局部座屈状況等の調査を目的として本発明を適用する
ことが可能である。
計測方法は、構造物のひび割れが、該構造物に作用する
外部応力や内部応力に起因して発生するため、その形状
や長さあるいは幅に関わらず、互いに連続若しくは接近
した位置関係で発生することが多いという現象に着目し
たものであり、互いに無関係な位置で発生している製品
の傷や欠陥といったものを発見するための画像処理方法
とは一線を画するものと言える。
ひび割れ計測方法の実施の形態について、添付図面を参
照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品
等については同一の符号を付してその説明を省略する。
び割れ計測方法の手順を示したフローチャートである。
同図でわかるように、本実施形態に係る構造物表面のひ
び割れ計測方法においては、まず、ひび割れ計測の対象
となる構造物、例えば地震によってひび割れが生じたR
C柱の表面を撮影し、これを原画像データとする(ステ
ップ101)。
メラを用いることができるが、CCDカメラを使用すれ
ば、A/Dコンバータを用いることなく、該カメラから
出力されるデジタル画像データをそのまま原画像データ
とすることができる。
する際、通常、木や建物等の影もいっしょに撮影してし
まうことが多いが、このような陰は、原画像データの濃
度ムラとなってひび割れ計測の精度を低下させることと
なる。また、室内加力試験であっても、構造物表面の照
度は必ずしも均一ではないので、これを撮影した原画像
データにはやはり濃度ムラが生じていることが多い。
く、2値化処理を行う前に原画像データに対してシェー
ディング補正を行う(ステップ102)。
RC柱の表面に白板を設置し、かかる状態で白板を撮影
して補正用データを作成する。そして、かかる補正用デ
ータでRC柱の表面を撮影した原画像データを除して、
若しくは原画像データから補正用データを差し引いて原
画像データの明るさの補正を行う。このようにすれば、
RC柱表面の明暗分布が相殺されてRC柱の表面状態だ
けを画像として残すことができる。
た原画像データの画像領域のうち、例えば撮影範囲全部
を特定されたひび割れ探査領域とし、かかるひび割れ探
査領域を所定のしきい値で2値化処理するとともに(ス
テップ103)、2値化処理されたデータを用いてひび
割れを抽出する(ステップ104)。
に設定し、できるだけノイズを除去するとともに明らか
にひび割れと判別できるものだけが抽出されるようにす
る。このようにすれば、コンクリート表面の汚れや気泡
といったひび割れ以外のノイズを大部分除去することが
できる。なお、シェーディング補正された原画像データ
は、後述するようにしきい値を下げながら2値化をやり
直していく際、そのつど必要となるので、適当な記憶装
置に記憶しておき、2値化をやり直す際、随時読み出す
ようにすればよい。
たものである。同図でわかるように、特定されたひび割
れ探査領域2内で太いひび割れ1が抽出されている。な
お、この段階では細いひび割れは未だ抽出されていな
い。
像データを用いて未抽出のひび割れが存在する可能性の
ある画像領域2aを新たなひび割れ探査領域として特定
する(ステップ105)。
かどうかは、まず、2値化処理されたデータから黒画素
を抽出するとともに、抽出された各黒画素、例えば図4
の黒画素21について該黒画素を含む単位領域を定め
る。
に9画素×9画素とすれば、黒画素21を含むような単
位領域の定め方は、全部で81通り存在し、同図に示し
た単位領域22a、22b、22c、22dは、それぞ
れ該黒画素が右下、左下、右上、左上にくるような場合
を示したものであり、単位領域22eは、黒画素21が
中間にくる一般的な場合を示したものである。
る各単位領域22a、22b・・・・について、各単位
領域に占める黒の画素数を計数し、該黒の画素数の占有
比率に応じて未抽出のひび割れが存在する可能性を判断
する。かかる判断においては、例えば、各単位領域の全
画素数(すなわち81)に対する黒の画素数の割合が1
0%以上であるとき、未抽出の新たなひび割れが存在す
る可能性があるといった基準を設定することが可能であ
る。
べてみると、黒の画素数は11であるので、上述の比率
は11/81=13.6%となり、未抽出のひび割れが
存在する可能性があるとの判断を下すことができる。同
様に単位領域22aについても未抽出のひび割れありと
判断することができる。一方、単位領域22b、22
c、22dについては、それぞれ黒画素が黒画素21自
身を含めてそれぞれ1、2、1しか存在せず、上述の基
準を満たさないのでひび割れが存在する可能性はないと
判断する。
れぞれ行い、未抽出のひび割れが存在する可能性のある
単位領域を選び出す。そして、それら選び出された単位
領域が包含される領域、言い換えれば選び出された単位
領域の包絡線を図5に示すように新たなひび割れ探査領
域2aとして特定する。
て未抽出のひび割れが存在する可能性のある新たなひび
割れ探査領域2aを特定したならば(ステップ10
5)、次に、原画像データの画像領域のうち、特定され
た新たなひび割れ探査領域2aについてだけ最初のしき
い値よりも低いしきい値であらためて2値化処理をやり
直し、新たなひび割れを抽出する(ステップ106)。
たものである。同図でわかるように、この段階では太い
ひび割れ1とともに、細いひび割れ4も抽出されてい
る。
ば、図6に示した2値化画像データを用いて上述したと
同じ手順で未抽出のひび割れが存在する可能性のあるひ
び割れ探査領域2bを図7に示すように特定し(ステッ
プ105)、次いで、かかるひび割れ探査領域2bに対
し、シェーディング補正された原画像データをさらに低
いしきい値で2値化処理してひび割れを抽出する(ステ
ップ106)。なお、図7でわかるように、ひび割れ探
査領域2bは、あらたに抽出されたひび割れ4の分だ
け、ひび割れ探査領域2aよりも拡張されている。
に対して原画像データを2値化処理してひび割れを抽出
するとともに、その時点では抽出されなかったけれども
存在の可能性がある領域をそのときの2値化処理データ
を用いて新たなひび割れ探査領域として特定し、該新た
なひび割れ探査領域に対し、原画像データを前回のしき
い値よりも低いしきい値で2値化処理して新たなひび割
れを抽出するという手順(ステップ105〜106)
を、所望の精度のひび割れが抽出されるまで繰り返す。
た後は、モニターで表示されたあるいはプリントアウト
された画像を見て耐震診断、被災度判定等を行ったり、
さらにその2値化画像を任意の方法で画像処理してひび
割れの幅や長さなどを解析すればよい。例えば、2値化
画像に対してベクトル化処理を行うことにより、ひび割
れの位置、長さ及び幅を定量的なデジタルデータとして
得ることができる。
造物表面のひび割れ計測方法によれば、ひび割れ探査領
域を段階的に拡張しながら、その拡張に伴って2値化の
精度を段階的に上げていくこととなる。
高い精度で、言い換えれば低いしきい値で2値化処理し
た場合に多数のノイズが含まれてしまったり、逆に高い
しきい値で2値化処理した場合にノイズは除去できるが
細いひび割れも同時に除去されてしまうというといった
問題を未然に回避しながら、ひび割れ抽出における効率
と精度とを両立させることができる。
割れ計測方法によれば、2値化処理されたデータから黒
画素を抽出するとともに、抽出された各黒画素、例えば
黒画素21について該黒画素を含む9画素×9画素の単
位領域22a、22b、22c・・・を定め、それらの
単位領域のうち、未抽出のひび割れが存在する可能性の
ある単位領域を選び出してそれら選び出された単位領域
が包含される領域を新たなひび割れ探査領域として特定
するようにしたので、太いひび割れから分岐派生する、
あるいは該太いひび割れに近接して存在するより細いひ
び割れを確実かつ効率的に抽出することが可能となる。
割れ計測方法によれば、単位領域に占める黒の画素数を
計数し、該黒の画素数の占有比率に応じて未抽出のひび
割れが存在する可能性を判断するようにしたので、かか
る判断を客観的にかつ短時間に行うことが可能となる。
いる濃度ムラを除去すべく、シェーディング補正を行う
ようにしたが、室内加力試験等で照明がきわめて均一に
なされているような場合については、かかるシェーディ
ング補正を省略してもよい。
明の構造物表面のひび割れ計測方法によれば、ひび割れ
探査領域を段階的に拡張しながら、その拡張に伴って2
値化の精度を段階的に上げていくこととなる。したがっ
て、撮像された全範囲を最初から高い精度で、言い換え
れば低いしきい値で2値化処理した場合に多数のノイズ
が含まれてしまったり、逆に高いしきい値で2値化処理
した場合にノイズは除去できるが細いひび割れも同時に
除去されてしまうというといった問題を未然に回避しな
がら、ひび割れ抽出における効率と精度とを両立させる
ことができる。
のひび割れ計測方法によれば、太いひび割れから分岐派
生する、あるいは該太いひび割れに近接して存在するよ
り細いひび割れを確実かつ効率的に抽出することが可能
となるという効果も奏する。
のひび割れ計測方法によれば、未抽出のひび割れが存在
するかどうかを客観的にかつ短時間に判断することが可
能となるという効果も奏する。
法の手順を示したフローチャート。
なひび割れ探査領域2aを最初の2値化画像とともに示
した図。
割れ探査領域を特定する方法を示した図。
あるひび割れ探査領域を特定する方法を示した図。
なひび割れ探査領域2bを第2段階の2値化画像ととも
に示した図。
で抽出されたひび割れ 2 特定されたひび割れ探査
領域 2a 特定されたひび割れ探査
領域 2b 特定されたひび割れ探査
領域 22a、22b、22c・・・・単位領域 4 第2段階での2値化画像
で抽出されたひび割れ
Claims (3)
- 【請求項1】 ひび割れ計測の対象となる構造物表面を
撮影することによって原画像データを作成し、該原画像
データを用いて前記構造物表面のひび割れを計測する方
法であって、前記原画像データの画像領域のうち、特定
されたひび割れ探査領域を所定のしきい値で2値化処理
し、しかる後に該2値化処理されたデータを用いてひび
割れを抽出するとともに未抽出のひび割れが存在する可
能性のある画像領域を新たなひび割れ探査領域として特
定し、次いで、その新たなひび割れ探査領域を前記しき
い値よりも低いしきい値で2値化処理し、しかる後に該
2値化処理されたデータを用いて新たなひび割れを抽出
することを特徴とする構造物表面のひび割れ計測方法。 - 【請求項2】 前記2値化処理されたデータから黒画素
を抽出するとともに、抽出された各黒画素について該黒
画素を含む所定の単位領域をそれぞれ定め、それらの単
位領域のうち、未抽出のひび割れが存在する可能性のあ
る単位領域を選び出してそれら選び出された単位領域が
包含される領域を前記新たなひび割れ探査領域として特
定する請求項1記載の構造物表面のひび割れ計測方法。 - 【請求項3】 前記単位領域に占める白の画素数若しく
は黒の画素数を計数し、該白の画素数若しくは黒の画素
数の占有比率に応じて未抽出のひび割れが存在する可能
性を判断する請求項2記載の構造物表面のひび割れ計測
方法。
Priority Applications (1)
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JP17120098A JP3494429B2 (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | 構造物表面のひび割れ計測方法 |
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