JP3482265B2 - 鋼材検査装置 - Google Patents
鋼材検査装置Info
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Description
定するなどの目的から、鋼材を摩擦した際に生じる火花
の状態に基づいて鋼材における所定の元素の含有量を検
査する鋼材検査装置に関する。 【0002】 【従来の技術】鋼材を摩擦した際に生じる火花の状態が
鋼材に含まれる元素(炭素等)の量に応じて異なること
は従来より知られている。そしてこのような性質を利用
し、鋼材をグラインダにより摩擦した際に生じる火花の
状態を検査員が目視で認識し、鋼材の組成(炭素含有量
等)、あるいは鋼材の種類を判断することが従来より行
われている。 【0003】ところが以上のような目視による判断で
は、検査員の経験則や勘によって鋼材の炭素含有量等を
判断することになるため、熟練した検査員を必要とする
上、判断結果が不正確になるおそれがあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】以上のように従来は、
鋼材の炭素含有量等は、鋼材を摩擦した際に生じる火花
の状態に基づき、経験則や感によって検査員が判断して
いたために、検査員は十分な経験を積む必要があるなど
検査員の負担が大きい上に、必ずしも正確な判断を行う
ことができるわけではないという不具合があった。 【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、その目的とするところは、鋼材における
所定の元素の含有量の検査を自動的に、しかも正確に行
うことができる鋼材検査装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに本発明は、鋼材を摩擦した際に生じる火花を撮像す
る例えばCCDカメラなどの撮像手段と、この撮像手段
により得られた火花画像のうち、予め指定された破裂領
域を複数のセクタに分割し、各セクタにおいて火花が占
める面積値と各セクタに対する火花の交差数とを検出す
る例えば特徴量抽出部などの検出手段と、この検出手段
により検出された面積値と交差数との分布状況から鋼材
における所定の元素の含有量を判定する例えば推論機構
などの判定手段とを備えた。 【0007】 【作用】このような手段を講じたことにより、鋼材を摩
擦した際に生じる火花を撮像手段により撮像して得られ
た火花画像のうちで破裂領域に指定された領域が複数の
セクタに分割され、各セクタにおいて火花が占める面積
値と各セクタに対する火花の交差数とが検出手段により
検出される。そして判定手段により、検出手段により検
出された面積値と交差数との分布状況から鋼材における
所定の元素の含有量が判定される。 【0008】 【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
き説明する。図1は本実施例に係る鋼材検査装置を適用
して構成された鋼材種類判定システムの要部構成を示す
図である。 【0009】この鋼材種類判定システムは、鋼材検査装
置1および火花破裂点検出装置2からなる。鋼材検査装
置1は、CCDカメラ11、特徴量抽出部12および推
論機構13を有する。CCDカメラ11は、検査対象と
なる鋼材3をグラインダ4で摩擦した際に生じる火花5
を撮像して火花画像を得る。特徴量抽出部12は、火花
破裂点検出装置で検出されて通知される破裂位置に基づ
いて、CCDカメラ11により得られた火花画像から破
裂に関する所定の特徴量を抽出し、推論機構13に与え
る。推論機構13は、特徴量抽出部12から通知される
特徴量に基づき、例えばファジィ推論などの推論処理に
よって鋼材3の種類(高炭素鋼/中炭素鋼/低炭素鋼の
別)を判定する。 【0010】火花破裂点検出装置2は、二値化部21、
膨張処理部22、収縮処理部23、ラベリング部24お
よび破裂位置決定部25が順に直列に接続されてなり、
CCDカメラ11にて得られる火花画像内における破裂
部分の位置の検出を行い、それを鋼材検査装置1に通知
するものである。 【0011】次に以上のように構成された鋼材種類判定
システムの動作を説明する。まず、グラインダ4を高速
回転させて鋼材3を摩擦すると火花5が生じ、この火花
5がCCDカメラ11によって撮像される。これにより
CCDカメラ11で得られた火花画像は、特徴量抽出部
12および火花破裂点検出装置2にそれぞれ与えられ
る。 【0012】火花破裂点検出装置2では、CCDカメラ
11から与えられる火花画像を原画像として二値化部2
1に入力する。二値化部21は、原画像を二値化し、二
値画像を生成する。ところで火花においては一般的に、
破裂付近のほうが流線部分に比べて明るく、原画像にお
いては破裂付近のほうが流線部分に比べて高輝度レベル
となっている。そこで二値化部21で用いる閾値は、破
裂付近に比べて大幅に低輝度な流線部分を二値画像から
除去するような比較的高い値に設定する。かくして、例
えば原画像が図2に示すものであったとき、例えば図3
に示すように低輝度な流線部分が除去され、破裂部分と
高輝度な流線部分とが残留した二値画像が生成される。 【0013】このようにして二値化部21で生成された
二値画像は、膨張処理部22に与えられる。膨張処理部
22は、二値化部21から与えられる二値画像に対して
膨張処理を複数回(例えば5回)に亙って繰り返し施
す。これにより、例えば二値画像中において存在した図
4に示すような画像が図5に示すような画像に変換さ
れ、図3に示す二値画像に基づいて図6に示す膨張画像
が生成される。 【0014】膨張画像は収縮処理部23に与えられる。
収縮処理部23は、膨張処理部22から与えられる膨張
画像に対して収縮処理を、膨張処理部22での膨張処理
の回数よりも多い複数回(例えば7回)に亙って繰り返
し施す。これにより、収縮処理の方が膨張処理の回数よ
りも多いので、膨張画像において存在した像のほとんど
が除去されることになる。しかし、破裂部分においては
複数の輝線が近接して存在することから、膨張処理を行
った際にこれらの複数の輝線の像が互いにくっつき合
い、膨張画像では図5からも分かるようにより大きな像
(画素の塊)として存在している。このような像は収縮
処理後であっても完全に除去はされず、例えば図7に示
すように小さな像として残留することになる。かくし
て、図6に示す膨張画像に基づいて図8に示すように、
破裂が存在する位置に小さな像が存在する収縮画像が得
られる。 【0015】この収縮画像は、ラベリング部24を介し
て破裂位置決定部25に与えられる。ラベリング部24
は、収縮処理部23から与えられる収縮画像における画
素の塊のそれぞれに対するラベリング処理を行う。また
破裂位置決定部25は、ラベリング部24にてラベリン
グ処理がなされた画素の塊のそれぞれについて図9に示
すように重心を求め、その位置を破裂位置として決定す
る。そして破裂位置決定部25は、破裂位置を鋼材検査
装置1へと通知する。 【0016】鋼材検査装置1は、破裂領域決定部25か
らの破裂位置の通知を受けると、これを特徴量抽出部1
2に入力する。特徴量抽出部12は、図9に示すように
破裂位置を中心として半径r(火花画像における破裂の
大きさなどから予め設定しておく)を有した円形の領域
を破裂領域とする。そして特徴量抽出部12は、CCD
カメラ11から与えられる火花画像における破裂領域内
の像を破裂に対応する像として抽出する。具体的には、
図2に示す火花画像に対しては図10に示すP1〜P3
の3つの破裂位置が検出されるので、鋼材検査装置1で
はA1〜A3で示す3つの破裂領域を設定し、図2に示
す火花画像のうちで破裂領域A1〜A3のそれぞれに対
応する領域の3つの像が破裂として抽出される。 【0017】続いて特徴量抽出部12は、破裂領域を図
11に示すように同心円状に分割し、複数(ここでは5
個)のセクタを設定する。そして各セクタにおいて像が
占める面積値Sと、各セクタに対する像の交差数Iとを
求める。なお交差数Iは、各セクタの外側の境界と輝線
の像との交差点数として求める。かくして1つの破裂領
域に対して、図12に示すような特徴量が抽出される。 【0018】特徴量抽出部12は、以上のような処理を
火花画像の破裂領域に対して行い、得られた特徴量の全
てを推論機構13に与える。さて、特徴量抽出部12で
抽出された各セクタの面積値Sと交差数Iとの関係を図
13に示す座標にプロットして行くと、鋼材3の炭素含
有量に応じて例えば図13に示すような特徴的な分布が
得られる。これは、一般的には鋼材3の炭素含有量が増
すにつれ、破裂が大きく複雑になるためである。 【0019】そこで推論機構13には、検査すべき鋼材
3の検査を開始するのに先立って、高炭素鋼、中炭素鋼
および低炭素鋼を摩擦した際に得られる火花画像から抽
出した特徴量をそれぞれ与え、各種の鋼材毎の特徴量の
分布の傾向を予め学習させておく。そして検査対象とな
る鋼材3を摩擦した際に得られる火花画像から抽出した
特徴量の分布から、その鋼材3の種類を判定する。 【0020】かくして本実施例によれば、鋼材3を摩擦
した際に生じる火花5の状態に基づいて、鋼材3の種類
が自動的に判定される。従って、検査員の負担が軽減さ
れるとともに、経験の浅い検査員でも検査を行うことが
できる。 【0021】また本実施例によれば、特徴量として、破
裂領域を分割して形成したセクタのそれぞれにおいて像
が占める面積値Sと、各セクタに対する輝線の像の交差
数Iとを用いるので、破裂の大きさ、複雑さを正確に把
握することができ、鋼材3の種類を正確に判定すること
ができる。 【0022】なお本発明は上記実施例に限定されるもの
ではない。例えば上記実施例では、検査対象の鋼材が高
炭素鋼、中炭素鋼および低炭素鋼のいずれであるかを判
定するものを例示しているが、種類の区分としては上記
例には限定されない。また、炭素含有量に基づく種類の
判定には限らず、含有量に応じて火花の状態が変化する
元素であれば、その元素の含有量に基づく種類の判定を
行うこともできる。さらには、種類の判定を行うのでは
なく、単に元素の含有量を判定するようにしても良い。 【0023】また上記実施例では、破裂領域を破裂点検
出装置2により自動的に検出するものとなっているが、
例えば検査員により手動で指定するものとしても良く、
この場合には破裂点検出装置2は必要ない。また破裂領
域を自動的に検出する場合であっても、破裂領域の検出
手順は上記実施例に挙げたものには限定されない。 【0024】また上記実施例では、破裂領域を円形とし
ているが、方形等の他の形状としても良い。セクタの形
状および数も任意であって良い。このほか、本発明の要
旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、鋼材を摩擦した際に生
じる火花を撮像する例えばCCDカメラなどの撮像手段
と、この撮像手段により得られた火花画像のうち、予め
指定された破裂領域を複数のセクタに分割し、各セクタ
において火花が占める面積値と各セクタに対する火花の
交差数とを検出する例えば特徴量抽出部などの検出手段
と、この検出手段により検出された面積値と交差数との
分布状況から鋼材における所定の元素の含有量を判定す
る例えば推論機構などの判定手段とを備えたので、鋼材
における所定の元素の含有量の検査を自動的に、しかも
正確に行うことができる鋼材検査装置となる。
て構成された鋼材種類判定システムの要部構成を示す
図。 【図2】原画像の一例を示す図。 【図3】図2に示す原画像を二値化して得られた二値画
像を示す図。 【図4】二値画像中に存在した1つの破裂の近傍の画像
の一例を模式的に示す図。 【図5】図4に示す画像を膨張処理して得られる画像を
模式的に示す図。 【図6】図3に示す二値画像に対して膨張処理を施して
生成された膨張画像を示す図。 【図7】図5に示す画像を収縮処理して得られる画像を
模式的に示す図。 【図8】図6に示す膨張画像に対して収縮処理を施して
生成された収縮画像を示す図。 【図9】収縮画像に存在する画素の塊に基づく破裂位置
および破裂領域の決定状況を説明する図。 【図10】火花画像から破裂部分を抽出する際の抽出領
域の一例を示す図。 【図11】破裂領域を分割して設定されるセクタを示す
図。 【図12】1つの破裂領域に関して抽出される特徴量を
模式的に示す図。 【図13】各セクタの面積値Sと交差数Iとの関係をプ
ロットした際の鋼材種類に応じた分布範囲の一例を示す
図。 【符号の説明】 1…鋼材検査装置 11…CCDカメラ 12…特徴量抽出部 13…推論機構 2…火花破裂点検出装置 21…二値化部 22…膨張処理部 23…収縮処理部 24…ラベリング部 25…破裂領域決定部 3…被検査鋼材 4…グラインダ 5…火花
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 鋼材を摩擦した際に生じる火花を撮像す
る撮像手段と、 この撮像手段により得られた火花画像のうち、予め指定
された破裂領域を複数のセクタに分割し、各セクタにお
いて火花が占める面積値と各セクタに対する火花の交差
数とを検出する検出手段と、 この検出手段により検出された面積値と交差数との分布
状況から前記鋼材における所定の元素の含有量を判定す
る判定手段とを具備したことを特徴とする鋼材検査装
置。
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
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1995
- 1995-03-07 JP JP04747595A patent/JP3482265B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
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鋼の火花試験方法,JIS G 0566,日本,日本規格協会,1980年 1月 5日 |
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