JPH06116914A - 塗膜劣化診断方法及び装置 - Google Patents

塗膜劣化診断方法及び装置

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JPH06116914A
JPH06116914A JP27184792A JP27184792A JPH06116914A JP H06116914 A JPH06116914 A JP H06116914A JP 27184792 A JP27184792 A JP 27184792A JP 27184792 A JP27184792 A JP 27184792A JP H06116914 A JPH06116914 A JP H06116914A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 劣化を部分の特徴から定量検出する一方で全
体の特徴から定量検出し、これらの検出結果を総合して
判定することにより、錆や剥れの部分的状態に左右され
ず且つ定量的に劣化進行の度合いを判定する塗膜劣化診
断方法及び装置を提供する。 【構成】 鋼橋等の塗膜の劣化を検査するべく、被検査
対象2を濃淡画像情報として撮像3し、上記濃淡画像情
報より濃淡値の偏りが特定範囲の拡がりを持ち錆や剥れ
などを示す変状部を検出すると共にその変状部の個数、
各面積、及び変状部全体の面積が画像全体に占める割合
を求めて変状部データ4とし、上記濃淡画像情報を所定
の間隔で小領域に区画すると共に小領域ごとに小領域内
に含まれる濃淡値の平均値と分散からなる統計量5を求
め、これら統計量と上記変状部データとから被検査対象
の劣化進行の度合いを判定6するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼橋等の塗膜の錆や剥
れによる劣化を検査するシステムに係り、特に、劣化を
部分の特徴から定量検出する一方で全体の特徴から定量
検出し、これらの検出結果を総合して判定することによ
り、錆や剥れの部分的状態に左右されず且つ定量的に劣
化進行の度合いを判定する塗膜劣化診断システムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】主に鋼材を用いて屋外に建造され、その
表面に保護用塗膜を形成されてなる鋼橋等にあっては、
時間の経過に伴い塗膜が劣化する。塗膜の劣化には、割
れ、剥れ、鋼材の錆の侵出などがある。このような塗膜
の劣化により鋼材や錆が露出すると、鋼材自体の劣化を
早めることになる。また、塗膜の劣化は、鋼橋等の美観
を損ねる。このような塗膜の劣化は、長い時間をかけて
徐々に進行する。塗膜の劣化を発見するためには、ある
程度の期間を隔てて定期的に検査が行われる。検査の結
果、塗膜の劣化がある場合には、これを回復するために
補修塗装を行う必要がある。早期のうちに補修塗装を行
えば、塗膜はいつでも良好な状態を保てることになる。
反面、補修塗装には、大きな費用がかかるのでその回数
をできる限り少なくしたい。あまり劣化の大きくない時
に補修塗装を行うようにすると回数が増加し、費用が増
大してしまう。そこで、どの時点(塗膜の劣化の度合い
がどの程度か)で補修塗装を行うかを判断することが重
要になる。
【0003】従来一般に行われている、鋼橋等の塗膜の
劣化を検査する方法、及び補修塗装の実施を決断する方
法について述べる。
【0004】定期検査では、まず、検査員が現場に赴い
て、その場で或いは、写真等を撮影して持ち帰り、劣化
の進行具合を判定する。判定の根拠は、割れ、剥れ、鋼
材の錆の侵出(以下これらを総称して変状部と呼ぶ)の
個数、或いは面積などである。変状部の個数が多かった
り、面積が大きかったりすると劣化が進行しているとい
う判定が下される。この判定をできるだけ客観的に行う
ために、採点法により判断する。採点法は例えば、最良
状態を100点満点とし、劣化の進行に応じて60点、
40点というように採点する方法である。こうして採点
された点数に対して予め限度基準を設けておき、その点
数以下なら補修塗装の実施を決断する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の塗膜劣化の検査
は、人の判断に頼っているので、経験等による個人差が
表れてくる。例えば、変状部の大きさは、微細なものか
ら巨大なものまであり、形状も不定である。上記方法に
あっても、どの程度の変状部を変状部として認識するか
は、人によってまちまちであるので、個数や面積も一定
しない。従って、同じような検査対象に対する採点が人
によって異なることになる。
【0006】また、鋼橋等は一本の道路に沿って多数設
けられることもあるので、補修塗装は計画的に実施する
のがよい。しかし、計画を立てるためには、どの鋼橋が
いつ劣化の限度基準に達するのかを前もって知る必要が
ある。従来の方法では、検査時の劣化の判定が曖昧であ
り、検査以後の劣化の進行を予測することは困難であ
る。
【0007】かかる不具合を解消するためには、変状部
の有無や大きさを定量的に検出する手段を必要とする。
このためには、一般的に知られる画像処理の技術を導入
するのがよい。例えば、被検査対象を濃淡画像情報とし
て撮像し、その局所的な濃淡の変化を塗膜の変化として
検出することにより変状部の有無や大きさを定量的に検
出することが考えられる。
【0008】一般に、被検査対象を濃淡画像情報として
撮像しようとすると、濃淡画像を撮像するときの光源か
らの光が被測定対象に一様に照射されていないとき、反
射光量がその影響を受けて濃淡画像にはシェーディング
が表れる。シェーディングが光源に基づく比較的緩やか
な濃淡変化である場合には、変状部の比較的急激な濃淡
変化のみを残すべく画像処理してシェーディングを取り
除くことができる。しかし、鋼橋等は屋外にあり、しか
も構造物の立体的な配置関係があることから、画像には
他の構造物の影が映ることが避けられない。この場合、
シェーディングは非常に強く表れる。このように急激な
濃淡の変化を示す他の物体の影を取り除くことは従来技
術では困難であった。また、変状部が画面の広範囲に亘
って一様に分布しているときは、濃淡の変化が単調にな
るので、上記のように局所的な画像の濃淡変化を調べた
だけでは変状部が検出できないことになる。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、劣化を部分の特徴から定量検出する一方で全体の特
徴からも定量検出し、これらの検出結果を総合して判定
することにより、錆や剥れの部分的状態に左右されず且
つ定量的に劣化進行の度合いを判定する塗膜劣化診断方
法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、鋼橋等の塗膜の劣化を検査するべく、被検
査対象を濃淡画像情報として撮像し、上記濃淡画像情報
より濃淡値の偏りが特定範囲の拡がりを持ち錆や剥れな
どを示す変状部を検出すると共にその変状部の個数、各
面積、及び変状部全体の面積が画像全体に占める割合を
求めて変状部データとし、上記濃淡画像情報を所定の間
隔で小領域に区画すると共に小領域ごとに小領域内に含
まれる濃淡値の平均値と分散からなる統計量を求め、こ
れら統計量と上記変状部データとから被検査対象の劣化
進行の度合いを判定するようにしたものである。
【0011】
【作用】本発明に先立って本発明者らは、以下述べる濃
淡モフォロジィ処理について発表している。濃淡モフォ
ロジィ処理とは、濃淡画像情報より濃淡値の偏りが特定
範囲の拡がりを持つ部分を有意の濃淡変化部として検出
するものである。濃淡モフォロジィ処理にあっては、濃
淡の変化が濃側或いは淡側に表れてから逆の変化によっ
てもとの濃淡に戻るまでの幅、即ち濃淡いずれかに偏っ
た部分の幅に対して予め閾値を設けておき、閾値内にあ
る濃淡の偏り部分を濃側のみ、或いは淡側のみを一旦平
らに均し、これらをフィルタ画像とする。これらフィル
タ画像を原画像から差し引きする。こうすると原画像か
らシェーディングを除去することができる。シェーディ
ング除去後の画像から所定の濃淡閾値以上の部分を変状
部として検出する。このようにすれば有意の濃淡変化部
を錆や剥れなどを示す塗膜の変状部として検出すること
ができる。
【0012】このようにして検出された変状部に対し
て、変状部の個数、各面積、及び変状部全体の面積が画
像全体に占める割合を求めて変状部データとする。変状
部データは画像の部分的な特徴を定量検出したものとな
る。
【0013】次に、原画像を正規化した濃淡画像情報を
所定の間隔で小領域に区画すると共に小領域ごとに小領
域内に含まれる濃淡値の平均値と分散からなる統計量を
求める。また、これら小領域の平均値、分散の画像全体
での平均値、分散を求める。小領域内での統計量は、変
状部の有無、大きさによって以下のような傾向を示す。
【0014】(1)全く変化部がなく均一な画像である
とき、分散は0に近い。
【0015】(2)変状部の存在により、濃淡が変化し
ているとき、分散は大きい。
【0016】(3)大きな変状部が存在するとき、その
小領域では分散が小さいが、平均値は他の領域の平均値
と異なる。その小領域の平均値は全体の平均値との差が
大きい。
【0017】このように小領域ごとの統計量は、変状部
の有無、大きさによって異なる傾向を示すので、変状部
の検出に利用できることになる。統計量は、画像の全体
的な特徴を定量検出したものとなる。
【0018】そこで、この統計量による変状部の検出結
果と上記変状部データによる変状部の検出結果とを併用
して、劣化進行の度合いを判定する。これにより、錆や
剥れの部分的状態に左右されず且つ定量的に劣化進行の
度合いを判定することができる。
【0019】
【実施例】図1に示されるように、鋼橋等の塗膜の劣化
を検査する塗膜劣化診断システム1は、被検査対象2に
臨ませて設けられたCCDカメラ3と、CCDカメラ3
の画像出力を入力とする変状部抽出手段4及び統計手段
5と、変状部抽出手段4及び統計手段5からの出力を入
力とする劣化度判定手段6とを備えている。
【0020】CCDカメラ3は、被検査対象2を濃淡画
像情報として撮像することができる撮像手段7である。
CCDカメラ3は、通常のテレビ画像程度の画素を有
し、各画素は256階調程度の濃淡解像度を有してい
る。
【0021】変状部抽出手段4は、上記濃淡モフォロジ
ィ処理に基づいてCCDカメラ3の撮像した濃淡画像情
報より濃淡値の偏りが特定範囲の拡がりを持ち錆や剥れ
などを示す変状部を検出することができる。また、変状
部の個数、各面積、及び変状部全体の面積が画像全体に
占める割合を求めて変状部データとし、この変状部デー
タを劣化度判定手段6に送るように構成される。
【0022】統計手段5は、CCDカメラ3の撮像した
濃淡画像情報を正規化し、所定の間隔で小領域に区画す
ると共に小領域ごとに小領域内に含まれる濃淡値の平均
値と分散からなる統計量を求め、劣化度判定手段6に送
ることができる。
【0023】劣化度判定手段6は、統計量と変状部デー
タとから、予め定められた判定基準、規則に従って被検
査対象の劣化進行の度合いを判定することができる。ま
た、劣化度判定手段6は、被検査対象2の時間を隔てて
得られた統計量や変状部データを基に、その後の統計量
や変状部データの予測値を出力することができる。
【0024】図1には、上記変状部抽出手段4、統計手
段5及び劣化度判定手段6を組み込んだ制御装置8が示
されている。制御装置8には、CCDカメラ3、VTR
装置9、通信回線を利用できる通信モデム10、判定基
準、規則を格納し統計手段51与える判断データベース
11、判定結果を被検査対象2毎に蓄積する履歴データ
ベース12、CRT等の表示器13、制御装置8を操作
するためのマウス14及びキーボード15、判定結果等
を印字出力するプリンタ16が接続されている。制御装
置8は、画像メモリ17をも内蔵している。画像メモリ
17は、CCDカメラ3からの濃淡画像情報を格納し、
VTR装置9からのビデオ画像を濃淡画像情報に変換し
て格納することができる。表示器13には、CCDカメ
ラ3或いはVTR装置9からの画像情報、変状部抽出手
段4や統計手段5で処理された画像情報、判定結果等を
表示することができる。
【0025】次に実施例の作用を述べる。
【0026】鋼橋等の塗膜面の所定の位置を被検査対象
2とする。以後この検査位置は、履歴データベース12
を作成するために固定され、カメラアングルも指定され
るが、本発明では多少の変動を許容している。被検査対
象2には被検査対象2の寸法の比較基準となる寸法指標
18を添えて撮像する。寸法指標18には、寸法が既知
である物体、物差し或いはステッカー等が用いられる。
撮像は上記撮像手段7としてのCCDカメラ3を被検査
対象2に設置して行われる。なお、通常のビデオカメラ
で撮影されたVTRを持ち帰りこれを再生してもよい。
或いは、被検査対象2を写真撮影し、この写真をCCD
カメラ3で撮像する。或いは、通信モデム10を介して
遠隔的に伝送入力される。この結果、画像メモリ17に
は被検査対象2の濃淡画像情報が格納される。
【0027】変状部抽出手段4は画像メモリ17内の濃
淡画像情報を、まず、濃淡モフォロジィ処理する。これ
を図に沿って説明すると、図2(a)に示される濃淡の
変化曲線が原画像にある時、谷状の変化をしている部分
は、谷の幅が予め定めた範囲内の幅であるなら変状部と
して認識される。図2(b)の破線で示される部分が変
状部である。変状部の谷状部分を均すことで、図2
(c)のフィルタ画像が得られる。原画像からフィルタ
画像を差し引いて反転したものが、図2(d)である。
図2(d)には、原画像の谷状の変状部のみが特徴的に
表れる。これに所定の閾値を与えて比べれば谷状の変状
部の有無が検出される。山状の変状部についても同様で
ある。このような処理を画像の全体に対して施す。
【0028】次に、変状部抽出手段4は、画像内にある
寸法指標18の寸法が実際の寸法指標の寸法になるよう
にキャリブレーションを行う。キャリブレーションによ
り、検出された変状部の縦横の寸法が実寸で得られる。
そこで変状部抽出手段4は、検出された変状部の個数、
各面積、及び変状部全体の面積が画像全体に占める割合
を計算し、変状部データとして劣化度判定手段6に送
る。
【0029】一方、統計手段5は、図3(a)に示され
る原画像内の濃淡のひらきが一定値になるように正規化
の前処理を施す。図3(a)では、図3(e)の凡例に
示される5段階の濃淡が分布しており、画像の下辺から
右辺にかけて広い領域に亘って濃い変状部が見られる。
座標J7、K1及びK2の位置に最も濃い変状部があ
る。正規化により、極端にコントラストの強い画像はコ
ントラストが弱くなる。図3(b)に示す正規化画像で
は、図3(a)の最も淡い部分はやや色が濃くなってい
る。その後、図3(c)に示されるように画面を縦横所
定の間隔で小領域に区画する。各小領域には、一定個数
の画素が含まれることになる。統計手段5は、各小領域
ごとに小領域内に含まれる画素の濃淡値の平均値、分散
を算出する。また、これら各小領域の統計量の平均値、
分散を算出する。統計量は劣化度判定手段6に送られ
る。
【0030】劣化度判定手段6は、変状部データから、
予め定められた判定基準、規則に従って被検査対象の劣
化進行の度合いを判定する。その判定基準、規則は、例
えば以下のようなものである。
【0031】(1)面積が所定値以上の変状部が存在す
るとき劣化ありとする。
【0032】(2)面積が所定値以上の変状部が所定個
数以上存在するとき劣化ありとする。
【0033】(3)変状部全体の面積が画像全体に占め
る割合が所定値を越えるとき劣化ありとする。
【0034】ここで、面積の所定値、個数の所定値、割
合の所定値等の判断基準は、劣化度判定手段6内に固定
されたものでもよいが、判断データベース11内にさま
ざまの値の判断基準値が格納されており、適宜に劣化度
判定手段6内に読みだすことができる。
【0035】次に、劣化度判定手段6は、統計量から、
予め定められた判定基準、規則に従って被検査対象の劣
化進行の度合いを判定する。詳しく述べると、まず、各
小領域が変状部であるかどうかを判定する。その判定基
準、規則は、例えば以下のようなものである。
【0036】(1)分散が大きい小領域は、小さな変状
部がある小領域である。
【0037】(2)分散は小さいが、平均値が画像全体
での平均値と大きく異なる小領域は、変状部が全体を覆
っている小領域である。
【0038】(3)分散が小さく、平均値が画像全体で
の平均値に近い小領域は、変状部でない。
【0039】図3(d)は、以上の判定の結果を示して
いる。図でハッチングを施された各小領域は、図3
(f)の凡例で示すように平均値が所定値より大きい、
分散が所定値より大きい、或いは平均値と分散とが所定
値より大きいという理由で変状部であると判定される。
この判定結果は、図3(a)に示される原画像を目視検
査した結果に略一致していると共に定量的なものであ
る。
【0040】そして、劣化度判定手段6は、変状部であ
ると判定された小領域の個数を数え例えば、その個数が
所定値以上なら劣化ありとする。ここで、分散の大きさ
の限度、平均値の相違の限度、変状部小領域の個数の限
度等の判断基準は、劣化度判定手段6内に固定されたも
のでもよいが、判断データベース11内にさまざまの値
の判断基準値が格納されており、適宜に劣化度判定手段
6内に読みだすことができる。
【0041】以上、変状部データに基づく判定と統計量
に基づく判定とについて説明したが、さらに劣化度判定
手段6は、これらの判定を総合して被検査対象の劣化進
行の度合いを判定する。この判定結果は、表示器13に
表示されると共に必要に応じてプリンタ16に印字出力
される。また、同時に、判定結果、変状部データ、統計
量が履歴データとして履歴データベース12に送られ、
履歴データベース12は、履歴データを被検査対象2毎
に検査日付等と共に蓄積する。
【0042】劣化度判定手段6は、履歴データベース1
2に蓄積された履歴データ、検査日付を読み出し、履歴
データの変化曲線を近似的に割り出し、今後の履歴デー
タの推移を予測する。或いは、実績、加速試験等の結果
から調べた変化曲線に履歴データを当てはめることによ
り、今後の履歴データの推移を予測する。これにより、
補修塗装が必要となる時期を前もって知ることができ
る。
【0043】なお、本実施例にあっては、塗膜劣化診断
システム1の変状部抽出手段4、統計手段5及び劣化度
判定手段6を個別のユニットで構成し、制御装置8内に
収容したが、制御装置8全体をマイクロコンピュータで
構成してもよく、或いはパーソナルコンピュータで構成
してもよい。また、マウス14、キーボード15からの
操作入力等を用いて対話操作により判定を進めることも
できる。
【0044】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0045】(1)劣化を定量的に検出できるので、従
来の目視検査の個人差がなくなる。
【0046】(2)シェーディングの影響を受けず、変
状部が精度よく検出できる。
【0047】(3)小領域に区画して統計量を求めるよ
うにしたので、変状部が広範囲に拡がっていても検出で
きる。
【0048】(4)劣化が予測できるので、補修塗装の
時期を前もって知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す塗膜劣化診断システム
のブロック構成図である。
【図2】本発明に応用される濃淡モフォロジィ処理の説
明図である。
【図3】本発明に係る統計手段及び劣化度判定手段の動
作説明図である。
【符号の説明】
1 塗膜劣化診断システム 4 変状部抽出手段 5 統計手段 6 劣化度判定手段 7 撮像手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出川 定男 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内 (72)発明者 河野 幸弘 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内 (72)発明者 菅野 照造 千葉県松戸市小金原7丁目32−17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼橋等の塗膜の劣化を検査するべく、被
    検査対象を濃淡画像情報として撮像し、上記濃淡画像情
    報より濃淡値の偏りが特定範囲の拡がりを持ち錆や剥れ
    などを示す変状部を検出すると共にその変状部の個数、
    各面積、及び変状部全体の面積が画像全体に占める割合
    を求めて変状部データとし、上記濃淡画像情報を所定の
    間隔で小領域に区画すると共に小領域ごとに小領域内に
    含まれる濃淡値の平均値と分散からなる統計量を求め、
    これら統計量と上記変状部データとから被検査対象の劣
    化進行の度合いを判定することを特徴とする塗膜劣化診
    断方法。
  2. 【請求項2】 鋼橋等の塗膜の劣化を検査するべく、被
    検査対象を濃淡画像情報として撮像しする撮像手段と、
    上記濃淡画像情報より濃淡値の偏りが特定範囲の拡がり
    を持ち錆や剥れなどを示す変状部を検出すると共にその
    変状部の個数、各面積、及び変状部全体の面積が画像全
    体に占める割合を求めて変状部データとする変状部抽出
    手段と、上記濃淡画像情報を所定の間隔で小領域に区画
    すると共に小領域ごとに小領域内に含まれる濃淡値の平
    均値と分散からなる統計量を求める統計手段と、これら
    統計量と上記変状部データとから被検査対象の劣化進行
    の度合いを判定する劣化度判定手段とを備えたことを特
    徴とする塗膜劣化診断装置。
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