JP3524657B2 - 鋼材分析装置及び鋼材種類判定システム - Google Patents

鋼材分析装置及び鋼材種類判定システム

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JP3524657B2
JP3524657B2 JP31077395A JP31077395A JP3524657B2 JP 3524657 B2 JP3524657 B2 JP 3524657B2 JP 31077395 A JP31077395 A JP 31077395A JP 31077395 A JP31077395 A JP 31077395A JP 3524657 B2 JP3524657 B2 JP 3524657B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば鋼材の種類
を判定するなどの目的から、鋼材を摩擦した際に生じる
火花の状態に基づいて鋼材における所定の元素の含有量
を検査するための鋼材分析装置及び鋼材種類判定システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材を摩擦した際に生じる火花の状態が
鋼材に含まれる元素(炭素等)の量に応じて異なること
は従来より知られている。そしてこのような性質を利用
し、鋼材をグラインダにより摩擦した際に生じる火花の
状態を検査員が目視で認識し、鋼材の組成(炭素含有量
等)、あるいは鋼材の種類を判断することが従来より行
われている。
【0003】ところが以上のような目視による判断で
は、検査員の経験則や勘によって鋼材の炭素含有量等を
判断することになるため、熟練した検査員を必要とする
上、判断結果が不正確になるおそれがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来は、
鋼材の炭素含有量等は、鋼材を摩擦した際に生じる火花
の状態に基づき、経験則や感によって検査員が判断して
いたために、検査員は十分な経験を積む必要があるなど
検査員の負担が大きい上に、必ずしも正確な判断を行う
ことができるわけではないという不具合があった。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、その第1の目的とするところは、鋼材に
おける所定の元素の含有量の検査を自動的に、しかも正
確に行うために必要な基準情報を得ることができる鋼材
分析装置を提供することにある。
【0006】また、第2の目的は、かかる鋼材検査に必
要な基準情報を用いて、自動検査手段を設定し、鋼材に
おける所定の元素の含有量の検査を自動的に、しかも正
確に行う鋼材種類判定システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、鋼材を摩擦した際に生
じ、流線及び流線上の破裂からなる火花を撮像する撮像
手段と、撮像手段により得られた火花画像を画像処理
し、破裂に対応する破裂領域内の画像を特徴量抽出可能
な破裂画像に変換する画像処理手段と、画像処理手段に
より変換された破裂画像に含まれる破裂の特徴を示す特
徴量を、少なくとも3種類以上の所定種類数ほど各破裂
から抽出する特徴量抽出手段と、各々既知の複数種類の
鋼材についての各破裂を、各特徴量を座標軸とする所定
種類数の多次元空間にプロットし、これにより生じた母
集団の分布の特徴を基に前記多次元空間を分割し、各々
の分割領域を各カテゴリーとするカテゴリー分類手段
と、ある鋼種についての各破裂の多次元空間におけるプ
ロット結果により、各カテゴリーについての破裂の度数
を度数分布として算出する鋼種別度数分布算出手段とを
具備した鋼材分析装置である。
【0008】次に、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する発明において、カテゴリー分類手段に、ニ
ューラルネットワークを適用して多次元空間を分割する
鋼材分析装置である。
【0009】
【0010】さらに、請求項に対応する発明は、請求
項1〜に対応する発明において、特徴量として、破裂
画像における面積値、交点数、端点数を用いる鋼材分析
装置である。
【0011】一方、請求項4に対応する発明は、鋼材を
摩擦した際に生じ、流線及び流線上の破裂からなる火花
を撮像する撮像手段と、撮像手段により得られた火花画
像を画像処理し、破裂に対応する破裂領域内の画像を特
徴量抽出可能な破裂画像に変換する画像処理手段と、画
像処理手段により変換された破裂画像に含まれる破裂の
特徴を示す特徴量を、少なくとも3種類以上の所定種類
数ほど各破裂から抽出する特徴量抽出手段と、請求項1
のうち何れかの発明に係る鋼材分析装置から得られ
た各鋼種の度数分布によって学習されており、各破裂に
関する特徴量を入力すると、鋼種の判定結果を出力する
推論機構とを具備した鋼材種類判定システムである。
【0012】したがって、まず、請求項1に対応する発
明の鋼材分析装置においては、撮像手段により、鋼材を
摩擦した際に生じ、流線及び流線上の破裂からなる火花
が撮像される。
【0013】次に、画像処理手段により、撮像手段によ
り得られた火花画像が画像処理され、破裂に対応する破
裂領域内の画像を特徴量抽出可能な破裂画像に変換され
る。また、特徴量抽出手段により、変換された破裂画像
に含まれる破裂の特徴を示す特徴量が、少なくとも3種
類以上の所定種類数ほど各破裂から抽出される。
【0014】さらに、カテゴリー分類手段により、各々
既知の複数種類の鋼材についての各破裂が、各特徴量を
座標軸とする所定種類数の多次元空間にプロットされ、
これにより生じた母集団の分布の特徴を基に前記多次元
空間が分割される。このとき、分割領域各々は、それぞ
れ1つのカテゴリーとされる。
【0015】そして、鋼種別度数分布算出手段によっ
て、ある鋼種についての各破裂の多次元空間におけるプ
ロット結果により、各カテゴリーについての破裂の度数
が度数分布として算出される。
【0016】この度数分布は、各鋼種毎に異なるものと
なるので、これを基準情報として用いれば、未知の鋼種
の鋼材に対して特徴量算出することで、鋼種判定を行う
ことが可能となる。
【0017】次に、請求項2に対応する発明の鋼材分析
装置においては、請求項1に対応する発明と同様に作用
する他、カテゴリー分類手段に、ニューラルネットワー
クを適用して多次元空間を分割するので、人間が認識不
能な多次元空間であっても容易にこれを認識評価し、多
次元空間上の母集団を容易にカテゴリー分類することが
できる。
【0018】
【0019】さらに、請求項に対応する発明の鋼材分
析装置においては、請求項1〜に対応する発明と同様
に作用する他、特徴量として、破裂画像における面積
値、交点数、端点数が用いられる。
【0020】さらにまた、請求項に対応する発明の鋼
種類判定システムにおいては、撮像手段により、鋼材
を摩擦した際に生じ、流線及び流線上の破裂からなる火
花が撮像される。
【0021】次に、画像処理手段により、撮像手段によ
り得られた火花画像が画像処理され、破裂に対応する破
裂領域内の画像を特徴量抽出可能な破裂画像に変換され
る。また、特徴量抽出手段により、変換された破裂画像
に含まれる破裂の特徴を示す特徴量が、少なくとも3種
類以上の所定種類数ほど各破裂から抽出される。
【0022】そして、推論機構によって、その各破裂に
関する特徴量を入力として、対応する鋼種の判定結果が
出力される。ここで、この推論機構は、請求項1〜
うち何れかの発明に係る鋼材分析装置から得られた各鋼
種の度数分布によって学習されているので、自動的かつ
確実な鋼種判定を行なうことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例につき説明する。図1は本実施例に係る鋼材分析
装置を適用して構成された鋼材種類判定システムの要部
構成を示す図である。
【0024】この鋼材種類判定システムは、鋼材分析装
置1および推論機構2からなる。鋼材分析装置1は、C
CDカメラ11と、画像処理部12と、自動分類部13
と、分類結果保存部14とによって構成されている。
【0025】CCDカメラ11は、検査対象となる鋼材
3をグラインダ4で摩擦した際に生じる火花5を撮像し
て火花画像を得る。画像処理部12は、前処理部12a
と特徴量抽出部12bとを有している。
【0026】ここで、前処理部12aは、CCDカメラ
11にて得られる火花画像内における破裂部分の位置の
検出を行い、この検出された破裂位置を中心とした所定
の破裂領域内の画像を処理して特徴抽出可能な破裂画像
に変換する。
【0027】一方、特徴量抽出部12bは、破裂画像よ
り、端点数、交点数及び面積値等の破裂に関する所定の
特徴量を各破裂毎に抽出するようになっている。また、
特に図示しないが前処理部12aには、二値化部、膨張
処理部、収縮処理部、ラベリング部および破裂位置決定
部が順に直列に接続されており、さらに、破裂位置が検
出された後の処理を行う,破裂二値化部、破裂膨張処理
部、細線化処理部が設けられている。
【0028】また、画像処理部12は、鋼材分析による
自動分類が行われるときには、抽出された特徴量の情報
を自動分類部13に送出し、鋼材種類判定が行われると
きには、抽出された特徴量の情報を推論機構2に送出す
る。
【0029】自動分類部13は、カテゴリー分類部13
aと鋼種別度数分布算出部13bとを有している。ま
ず、カテゴリー分類部13aは、画像処理部12から与
えられる複数の火花画像内の各破裂に対応する特徴量を
基に得られる母集団を算出し、この母集団に対してニュ
ーラルネットワークを用いて母集団のカテゴリー分類を
自動的に行う。
【0030】すなわち各特徴量を座標軸とした多次元空
間(特徴量空間)内に各破裂の点をプロットして得られ
た母集団内には、特徴量空間内に複数の集団が形成され
るので、これらがニューラルネットワークの判断で母集
団内の適当な境界で分割され、カテゴリー分類されるこ
ととなる。
【0031】一方、鋼種別度数分布算出部13bは、画
像処理部12から与えられる特徴量の情報に対応して入
力される鋼材種類の情報と、その鋼材種類での火花破裂
の特徴量の情報とをもとにして、鋼材の種類毎に各カテ
ゴリーに分類される破裂の頻度、すなわち鋼種別カテゴ
リー度数分布を算出するようになっている。
【0032】分類結果保存部14は、特徴量空間内にお
けるカテゴリー分類のための境界(カテゴリー分類境
界)の情報及び各鋼材種類に対応する各カテゴリーの度
数分布(鋼種別カテゴリー度数分布)の情報、すなわち
基準情報を、自動分類部13より受け取り保存する。
【0033】推論機構2は、ファジイ推論部を有し、鋼
材種類判定前に、分類結果保存部14に記憶されている
各鋼種別カテゴリー度数分布の情報に基づきファジイ推
論部を学習させる。
【0034】また、推論機構2は、鋼材種類判定時に
は、画像処理部12から与えられる特徴量と、分類結果
保存部14から読み出された特徴量空間内におけるカテ
ゴリー分類境界の情報とに基づき、ファジイ推論部の推
論処理によって鋼材3の種類(高炭素鋼/中炭素鋼/低
炭素鋼等の別)を判定し、判定結果を出力するようにな
っている。
【0035】次に以上のように構成された鋼材種類判定
システムの動作を説明する。本鋼材種類判定システムで
は、グラインダ4を高速回転させて鋼材3を摩擦した際
に火花5が生じるので、この火花5をCCDカメラ11
によって撮像して鋼材種類の判定を行う。このときま
ず、CCDカメラ11で得られた火花画像は、画像処理
部12に入力される。
【0036】まず、火花画像を入力された画像処理部1
2が、その特徴量抽出をいかにして行うかを説明する。
画像処理部12においては、まず、火花画像を前処理部
12aに入力し、火花画面上に存在する各破裂の位置の
検出を行う このために、まず、火花画像を原画像として二値化し、
二値画像が生成される。ところで火花においては一般的
に、破裂付近のほうが流線部分に比べて明るく、原画像
においては破裂付近のほうが流線部分に比べて高輝度レ
ベルとなっている。そこで二値化で用いる閾値は、破裂
付近に比べて大幅に低輝度な流線部分を二値画像から除
去するような比較的高い値に設定する。
【0037】かくして、例えば原画像が図2に示すもの
であったとき、例えば図3に示すように低輝度な流線部
分が除去され、破裂部分と高輝度な流線部分とが残留し
た二値画像が生成される。
【0038】このようにして生成された二値画像には、
複数回の膨張処理(例えば5回)、続けて複数回の収縮
処理が施される。これにより、例えば二値画像中におい
て存在した破裂を示す画像が図4に示すような画像に変
換され、さらに図5に示すような画像に変換される。な
お、図4において破線は二値画像中において存在した破
裂を示している。
【0039】したがって、図3に示す二値画像は、一旦
図6に示す膨張画像となった後、図7に示す収縮画像に
変換される。この収縮画像には、さらに画素の塊のそれ
ぞれに対するラベリング処理が施され、破裂に対応する
各画素の塊にはラベリングがされる。
【0040】さらに、ラベリングされた画素の塊のそれ
ぞれについて図8に示すように重心を求め、すべての破
裂に対応してその位置を破裂位置P1,P2,P3とし
た破裂位置の情報が図9に示すように決定される。
【0041】次に、画像処理部12の前処理部12a
は、各破裂の破裂位置の情報を用いて、火花画面内の各
破裂を取り出し、さらに、各破裂の特徴量を算出する。
まず、前処理部12aにおいて、各破裂について、その
破裂位置を基準として所定の方法により決められる破裂
領域(例えば火花画像における破裂の大きさなどから予
め設定された破裂位置を中心した半径rの領域)が設定
される。
【0042】例えば図2においては、破裂E1,E2,
E3が存在しており、これらに対応して図10に示すよ
うに破裂領域A1,A2,A3が設定される。次に、こ
れにより、CCDカメラ11から与えられる火花画像の
原画像に対し、取り出された各破裂領域内の画像のみが
二値化される。なおここで用いる閾値は、破裂の輝線か
ら派生するさらに細かいひげ状の細かい輝線等を除去で
きるように、比較的高い値に設定されている。
【0043】したがって、ある破裂領域の二値化後の様
子は、図11に示すようになる。しかし、この二値化画
像は、高い閾値でもって処理されたために、輝度の低い
破裂の輝線分岐部に輝線の切れが生じている。この切れ
の部分を補償し、特徴量を抽出するために、二値化画像
には、さらに膨脹処理、細線化処理が施され、図12、
図13に示されるように順次変換される。
【0044】そして、破裂の輝線分岐部に輝線の切れの
ない特徴抽出可能な破裂画像としての細線化画像が得ら
れることになる。次に、特徴量抽出部12bによって、
この細線化画像に対して特徴量抽出処理がなされ、破裂
の輝線がその細線化画像の破裂領域において占める面積
値、各輝線に相当する線分の端点数および各輝線に相当
する線分どうしの交点数がそれぞれ求められる。なお端
点および交点は、例えば図13に示す細線化画像に対し
ては、図14に示すような各点として検出される。
【0045】かくして画像処理部12では、図15に示
すような各々の破裂に対応する特徴量が1つの火花画像
に対して抽出される。なお、図2〜図14では説明の都
合上、比較的単純な破裂を例にとって示したが、実際の
鋼材種類判定時には図16に示すような種々の破裂が観
察される。
【0046】以上のようにして、画像処理部12は入力
された火花画像から特徴量の抽出を行っているが、本シ
ステムでは、これらの特徴量をもとにして、まず鋼材分
析に関する自動分類等及び推論機構2の学習を行い、こ
れらのカテゴリー分類、度数分布算出及びファジイ推論
部学習の終了後に、実際の鋼材片に対する鋼材種類判定
が行われる。
【0047】ここではまず、抽出された特徴量をもとに
カテゴリー分類及び鋼種別カテゴリー度数分布の算出を
いかにして行うかを説明する。鋼材分析におけるカテゴ
リーの自動分類において、まず、鋼材に含有される炭素
等の含有量が予めわかっている鋼材見本について火花発
生、特徴量抽出処理を行う。例えば炭素含有量に着目し
た場合には、炭素含有量の少ないS10Cから炭素含有
量の多いS55Cまでの全種類の鋼材見本について鋼材
分析を行い、特徴量を抽出する。
【0048】このとき、上記説明のごとく特徴量として
端点数、点数、面積値が、各破裂に対して抽出される
が、端点数、点数、面積値といった特徴量は図14に
示す最終的な破裂画像としての細線化画像から得られる
特徴量の例にすぎない。他の特徴量として例えば破裂画
像をフラクタルに見立ててそのフラクタル次元の次元数
を算出し、この次元数を特徴量とするとか、破裂画像に
FFT(フーリエ変換)をかけ、そのパワースペクトル
のピーク値を特徴量とするなど種々の特徴量が考えられ
る。
【0049】このような特徴量をその特徴量を座標軸と
した空間(特徴量空間)にプロットすることで、カテゴ
リー分類が可能となり、そのパターンを調べることがで
きる。ここで、特徴量の種類が少ない場合、例えば2次
元の場合であれば、プロットされたグラフをみて人間が
カテゴリー分類を施すことができる。しかし、特徴量空
間が3次元になると、人間によるカテゴリー分類はすで
に困難であり、4,5次元となると完全に不可能であ
る。
【0050】本実施形態においては、特徴量空間が3次
元以上であっても自動的にカテゴリー分類できるように
自動分類部13においてニューラルネットワークを用い
てカテゴリーの自動的な分類を行っている。なお、本実
施形態では、特徴量空間は端点数、点数、面積値から
なる3次元のものとし、特徴量抽出部12bはこれら3
つの特徴量を抽出している。
【0051】すなわち、まず、カテゴリー分類部13a
において、上記全種類の鋼材見本についての各火花画像
から抽出された全破裂の端点数、点数、面積値からな
る点が特徴量空間にプロットされる。
【0052】この全火花画像に対応する全破裂の集合を
母集団とし、この母集団内に生じる複数の集団が、図1
7に示すようにニューラルネットワークの判断で適当な
境界で分割されることによって、カテゴリー分類され
る。なお図17では母集団を3のカテゴリーC1,C
2,C3に分類している。
【0053】このようにしてカテゴリー分類境界の情報
が得られ、分類結果保存部14に保存される。次に、カ
テゴリー分類がされた後に鋼種別度数分布算出部13b
において鋼種別カテゴリー度数分布が算出される。
【0054】すなわち例えば図15に示すような破裂及
び特徴量が得られている鋼種に対して各破裂が特徴量空
間内のどのカテゴリーに分類されるかが調べられ、その
鋼種に対する各カテゴリー毎の度数分布として算出され
る。
【0055】このようにして得られた図18に示す各鋼
種別カテゴリー度数分布の情報が、分類結果保存部14
に保存される。なお、この度数分布が鋼材種類判定シス
テムにおいて鋼材検査をするための基準情報をなる。そ
して、ここまでが鋼材分析装置1の動作である。
【0056】次に、鋼種別カテゴリー度数分布の情報を
用いた推論機構2の学習について説明する。本実施の形
態の推論機構2にはファジイ推論部が設けられており、
検査すべき鋼材3の検査を開始するのに先立って、分類
結果保存部14に保存された鋼種別カテゴリー度数分布
を用いてファジイ推論部を学習させる。
【0057】そして、上記カテゴリー分類、推論機構2
の学習が終了した後、実際の鋼材3に対する鋼材種類判
定が行われる。このとき、検査対象となる鋼材3を摩擦
した際に得られる火花画像から画像処理部12において
特徴量が抽出され、その抽出結果が推論機構2に与えら
れる。そして、その各破裂の特徴量と特徴量空間内にお
けるカテゴリー分類境界の情報とから、ファジイ推論部
の推論処理によって鋼材3の種類が判定され、その判定
結果が出力される。
【0058】上述したように、本発明の実施の形態に係
る鋼材分析装置によれば、鋼材3を摩擦した際に生じる
火花5の状態から抽出された各破裂をその特徴量からな
る多次元空間にプロットし、カテゴリー分類をし、その
カテゴリー別の度数分布からなる鋼材分析結果を鋼材種
類判定の基準情報とするようにしたので、鋼材における
所定の元素の含有量の検査を自動的に、しかも正確に行
うために必要な基準情報を確実に得ることができ、鋼材
種類判定システムを有効なものとすることができる。
【0059】また、本実施の形態によれば、上記カテゴ
リー分類をニューラルネットワークにより行うようにし
たので、人間では認識困難な3次元以上の特徴量空間で
あっても容易に認識することができ、かつ自動的に上記
基準情報を得ることができる。
【0060】なお、カテゴリー分類部13aに設けられ
る上記カテゴリー分類手段は、ファジイ推論機構を用い
るようにしてもよい。さらに、本実施の形態によれば、
特徴量空間を構成する特徴量として、破裂領域の画像、
すなわち破裂画像に対して二値化処理および膨張処理を
施したのちに細線化処理を施して得た細線化画像のそれ
ぞれにつき、その細線化画像が破裂領域にて占める面積
値、各輝線に相当する線分の端点数および各輝線に相当
する線分どうしの交点数を用いるので、破裂の大きさ、
複雑さを反映した正確な鋼種判定用の基準情報を得るこ
とができる。
【0061】なお、本発明における特徴量は面積値、端
点数、点数に限られるものでなく、例えば破裂画像に
対するフラクタル次元数や、破裂画像に対するFFT
(フーリエ変換)のパワースペクトルのピーク値等
々の特徴量が考えられ、これらの多数の特徴量の内、適
宜な種類、数の特徴量を組み合わせて特徴量空間を作成
しても良い。
【0062】また、上述したように、本発明の実施の形
態に係る鋼材種類判定システムによれば、上記鋼材分析
装置1により得られた基準情報を用いてファジイ推論部
を有する推論機構2を学習させ、未知の鋼材の特徴量を
入力として、この学習された推論機構2によって鋼材種
類を判定するようにしたので、確実かつ自動的に鋼材3
の種類を判定することができる。
【0063】従って、検査員の負担が軽減されるととも
に、経験の浅い検査員でも検査を行うことができる。ま
た、本実施の形態においては、推論機構2にファジイ推
論部を用いるようにしたが、本発明はこれに限られるも
のでなく、推論手段として例えばニューラルネットワー
クを用いてもよく、種々の推論手段を適用可能である。
【0064】さらに、上記実施の形態では、鋼材分析の
検査対象の鋼材について、炭素鋼を例にとって説明した
が、種類の区分としてはこれには限定されず、含有量に
応じて火花の状態が変化する元素であれば、その元素の
含有量に基づく種類の判定を行うこともできる。さらま
た、種類の判定を行うのではなく、単に元素の含有量を
判定するようにしても良い。
【0065】また、上記実施の形態では、破裂領域を円
形としているが、方形等の他の形状としても良い。この
ほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施
が可能である。
【0066】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、多
次元の特徴量空間をニューラルネットワーク等でカテゴ
リー分類するようにしたので、鋼材における所定の元素
の含有量の検査を自動的に、しかも正確に行うために必
要な基準情報を得ることができる鋼材分析装置を提供す
ることができる。
【0067】また、上記鋼材分析装置で得られた基準情
報を用いて、推論機構を学習させるようにしたので、鋼
材における所定の元素の含有量の検査を自動的に、しか
も正確に行う鋼材種類判定システムを提供することにあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る鋼材分析装置を適
用して構成された鋼材種類判定システムの要部構成を示
す図。
【図2】原画像の一例を示す図。
【図3】原画像を二値化して得られた二値画像を示す
図。
【図4】二値画像中に存在した1つの破裂の近傍の画像
を膨張処理して得られる画像を模式的に示す図。
【図5】膨張画像を収縮処理して得られる画像を模式的
に示す図。
【図6】原画像を二値化して得られた二値画像に対して
膨張処理を施して生成された膨張画像を示す図。
【図7】膨張画像に対して収縮処理を施して生成された
収縮画像を示す図。
【図8】収縮画像に存在する画素の塊に基づく破裂位置
および破裂領域の決定状況を説明する図。
【図9】火花画像から破裂部分を抽出する際の抽出領域
の一例を示す図。
【図10】破裂部分が抽出された二値化を行う範囲の一
例を示す図。
【図11】流線部分から分岐した輝線の分岐点付近が消
えてしまった二値破裂画像の一例を模式的に示す図。
【図12】膨張破裂画像の一例を模式的に示す図。
【図13】細線化画像の一例を模式的に示す図。
【図14】端点および交点の検出例を模式的に示す図。
【図15】特徴量抽出部にて抽出される特徴量の例を模
式的に示す図。
【図16】火花画像の破裂について破裂状態例を示す
図。
【図17】破裂がプロットされた特徴量空間の一例を示
す図。
【図18】鋼種別カテゴリー度数分布の一例を示す図。
【符号の説明】
1…鋼材分析装置、11…CCDカメラ、12…画像処
理部、12a…前処理部、12b…特徴量抽出部、13
…自動分類部、13a…カテゴリー分類部、13b…鋼
種別度数分布算出部、14…分類結果保存部、2…推論
機構、3…被検査鋼材、4…グラインダ、5…火花。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎戸 由紀 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 東芝 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 上松 周一郎 愛知県知多郡阿久比町大字福住字高根台 21−11 (56)参考文献 特開 平2−132350(JP,A) 特開 平6−123706(JP,A) 特開 平7−294438(JP,A) 特開 平8−86730(JP,A) 特開 平9−120455(JP,A) 特開 昭54−124792(JP,A) 特開 昭59−120849(JP,A) 米澤、五百旗頭、清水、鷲巣,第11回 ファジィシステムシンポジウム講演論文 集,日本,1995年 7月12日,p.719 −720 日本工業規格 鋼の火花試験方法 , JIS G 0566,日本規格協会,1980 年 1月 5日 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 19/06 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材を摩擦した際に生じ、流線及び流線
    上の破裂からなる火花を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段により得られた火花画像を画像処理し、前
    記破裂に対応する破裂領域内の画像を特徴量抽出可能な
    破裂画像に変換する画像処理手段と、 前記画像処理手段により変換された破裂画像に含まれる
    破裂の特徴を示す特徴量を、少なくとも3種類以上の所
    定種類数ほど各破裂から抽出する特徴量抽出手段と、 各々既知の複数種類の鋼材についての各破裂を、前記各
    特徴量を座標軸とする前記所定種類数の多次元空間にプ
    ロットし、これにより生じた母集団の分布の特徴を基に
    前記多次元空間を分割し、各々の分割領域を各カテゴリ
    ーとするカテゴリー分類手段と、 ある鋼種についての前記各破裂の前記多次元空間におけ
    るプロット結果により、前記各カテゴリーについての破
    裂の度数を度数分布として算出する鋼種別度数分布算出
    手段とを具備したことを特徴とする鋼材分析装置。
  2. 【請求項2】 前記カテゴリー分類手段に、ニューラル
    ネットワークを適用して前記多次元空間を分割すること
    を特徴とする請求項1記載の鋼材分析装置。
  3. 【請求項3】 前記特徴量として、前記破裂画像におけ
    る面積値、交点数、端点数を用いることを特徴とする請
    求項1又は2記載の鋼材分析装置。
  4. 【請求項4】 鋼材を摩擦した際に生じ、流線及び流線
    上の破裂からなる火花を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段により得られた火花画像を画像処理し、前
    記破裂に対応する破裂領域内の画像を特徴量抽出可能な
    破裂画像に変換する画像処理手段と、 前記画像処理手段により変換された破裂画像に含まれる
    破裂の特徴を示す特徴量を、少なくとも3種類以上の所
    定種類数ほど各破裂から抽出する特徴量抽出手段と、 前記請求項1乃至記載のうち何れか1項記載の鋼材分
    析装置から得られた前記各鋼種の度数分布によって学習
    されており、前記各破裂に関する特徴量を入力すると、
    鋼種の判定結果を出力する推論機構とを具備したことを
    特徴とする鋼材種類判定システム。
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日本工業規格 鋼の火花試験方法 ,JIS G 0566,日本規格協会,1980年 1月 5日
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