JP2711649B2 - 検査対象物の表面傷検出方法 - Google Patents
検査対象物の表面傷検出方法Info
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- JP2711649B2 JP2711649B2 JP13892795A JP13892795A JP2711649B2 JP 2711649 B2 JP2711649 B2 JP 2711649B2 JP 13892795 A JP13892795 A JP 13892795A JP 13892795 A JP13892795 A JP 13892795A JP 2711649 B2 JP2711649 B2 JP 2711649B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、検査対象物の表面傷の
有無の判定を容易に行うことができるような画像処理装
置を用いた検査対象物の表面傷検出方法に関する。
有無の判定を容易に行うことができるような画像処理装
置を用いた検査対象物の表面傷検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像処理装置は人間の視覚を代行する機
能装置として早くから研究・開発が進められ、最近よう
やく実用化の域に達してきている。これは画像処理のア
ルゴリズムの開発もさることながら、ハードウェアの進
歩による処理性能の向上によるところが大きい。画像処
理装置は人間の視覚を代行するものであるという観点か
らみれば非常に広い応用分野が考えられるが、処理結果
の信頼性の点から、現在実際に実用化されている分野は
極めて限られている。
能装置として早くから研究・開発が進められ、最近よう
やく実用化の域に達してきている。これは画像処理のア
ルゴリズムの開発もさることながら、ハードウェアの進
歩による処理性能の向上によるところが大きい。画像処
理装置は人間の視覚を代行するものであるという観点か
らみれば非常に広い応用分野が考えられるが、処理結果
の信頼性の点から、現在実際に実用化されている分野は
極めて限られている。
【0003】処理結果の信頼性の点から最も難しいとさ
れている分野に一般に目視検査と呼ばれているものがあ
る。これにはシート材や角材等の検査対象物の角部の欠
けを検出するものや、検査対象物の表面傷を検出するも
のがある。前者の場合、公知である2値化処理を用いる
ことにより、検査対象物の欠けのある領域を検査対象物
が存在しない領域として処理されるように2値化レベル
を設定すれば、欠けの有無を比較的容易に検出すること
ができる。しかし、後者の場合、表面傷の形状、大きさ
が千差万別であるため、傷の有無の判定基準となる閾値
を一義的に定義することは困難であり、前者のように2
値化処理を用いた検出方法だけでは容易に表面傷を検出
できない。
れている分野に一般に目視検査と呼ばれているものがあ
る。これにはシート材や角材等の検査対象物の角部の欠
けを検出するものや、検査対象物の表面傷を検出するも
のがある。前者の場合、公知である2値化処理を用いる
ことにより、検査対象物の欠けのある領域を検査対象物
が存在しない領域として処理されるように2値化レベル
を設定すれば、欠けの有無を比較的容易に検出すること
ができる。しかし、後者の場合、表面傷の形状、大きさ
が千差万別であるため、傷の有無の判定基準となる閾値
を一義的に定義することは困難であり、前者のように2
値化処理を用いた検出方法だけでは容易に表面傷を検出
できない。
【0004】このため、画像処理装置を用いた検査対象
物の表面傷の検出は、現在のところ、大きな傷の検出な
どのごく限られた用途においては実用化されているが、
小さな傷の検出においては検査員の目視検査に依ってい
るところが大きい。しかし、検査員の目視検査では、判
定基準が各検査員により少なからず個人差が生じ、また
同一の検査員においても疲労の度合い等により判定基準
が異なる場合がある。このため、検査員の目視検査に依
らず検査対象物上の小さな傷の検出を自動的に行うこと
が可能な装置の提供が、検査工程を伴う製造工程の自動
化には不可欠なものとなっている。
物の表面傷の検出は、現在のところ、大きな傷の検出な
どのごく限られた用途においては実用化されているが、
小さな傷の検出においては検査員の目視検査に依ってい
るところが大きい。しかし、検査員の目視検査では、判
定基準が各検査員により少なからず個人差が生じ、また
同一の検査員においても疲労の度合い等により判定基準
が異なる場合がある。このため、検査員の目視検査に依
らず検査対象物上の小さな傷の検出を自動的に行うこと
が可能な装置の提供が、検査工程を伴う製造工程の自動
化には不可欠なものとなっている。
【0005】現在、検査対象物の表面傷を自動的に検出
する方法として知られている最も有力なもののひとつ
に、検査対象物を撮影した画像の画素毎の明るさ即ち輝
度レベルを示す画素データから明暗濃度(輝度)ヒスト
グラムの標準偏差を計算し、この標準偏差の大きさによ
り表面傷の有無を判定する方法がある。例えば、雑誌
「機械設計」(第37巻第12号、1993年9月、第
63頁乃至第65頁)には、輝度ヒストグラムを利用し
たベアリング外輪及び内輪の内周上の表面傷の検出方法
が記載されている。
する方法として知られている最も有力なもののひとつ
に、検査対象物を撮影した画像の画素毎の明るさ即ち輝
度レベルを示す画素データから明暗濃度(輝度)ヒスト
グラムの標準偏差を計算し、この標準偏差の大きさによ
り表面傷の有無を判定する方法がある。例えば、雑誌
「機械設計」(第37巻第12号、1993年9月、第
63頁乃至第65頁)には、輝度ヒストグラムを利用し
たベアリング外輪及び内輪の内周上の表面傷の検出方法
が記載されている。
【0006】これによれば、表面傷が存在する領域の輝
度レベルは表面傷が存在しない領域の輝度レベルよりも
低いことを利用し、予め内周上に表面傷のない十分数の
多いベアリングについて撮影画像の画素毎の輝度レベル
を測定し、この輝度レベルの平均値より良品の輝度ヒス
トグラムを算出し、この良品の輝度ヒストグラムより輝
度レベルの標準偏差σ及び平均値μを算出し、検査対象
となるベアリングの内周上の輝度レベルが判定基準値
(μ−3σ)より小さい領域が存在する場合に傷がある
ものと判定するようにされている。この方法は判定基準
の設定が容易でありまたこれを構成する装置も比較的簡
単なものとなるため、実用化しやすいという利点があ
る。この検出方法を用いれば、検査対象物の表面が鏡面
に近い場合は、画素の輝度レベルの分布がほぼ一様とな
るため基準とする輝度ヒストグラムの標準偏差σが小さ
くなり、小さな傷でも判定基準値(μ−3σ)より小さ
い領域に輝度ヒストグラムの分布が現れるので表面傷の
検出を容易に行うことが可能である。
度レベルは表面傷が存在しない領域の輝度レベルよりも
低いことを利用し、予め内周上に表面傷のない十分数の
多いベアリングについて撮影画像の画素毎の輝度レベル
を測定し、この輝度レベルの平均値より良品の輝度ヒス
トグラムを算出し、この良品の輝度ヒストグラムより輝
度レベルの標準偏差σ及び平均値μを算出し、検査対象
となるベアリングの内周上の輝度レベルが判定基準値
(μ−3σ)より小さい領域が存在する場合に傷がある
ものと判定するようにされている。この方法は判定基準
の設定が容易でありまたこれを構成する装置も比較的簡
単なものとなるため、実用化しやすいという利点があ
る。この検出方法を用いれば、検査対象物の表面が鏡面
に近い場合は、画素の輝度レベルの分布がほぼ一様とな
るため基準とする輝度ヒストグラムの標準偏差σが小さ
くなり、小さな傷でも判定基準値(μ−3σ)より小さ
い領域に輝度ヒストグラムの分布が現れるので表面傷の
検出を容易に行うことが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベアリングも
含めた実際の金属加工製品の加工においては、製品の表
面を研削加工により仕上げることが一般的であり、この
場合研削加工された製品の表面は鏡面とはならず、研削
模様が多数存在するものとなる。このような表面に研削
模様が多数存在する金属加工製品に前述の表面傷の検出
方法を適用すれば、基準とする輝度ヒストグラムの標準
偏差σは表面が鏡面加工された場合よりも大きくなるの
で、小さな傷では判定基準値(μ−3σ)より小さい領
域に輝度ヒストグラムの分布が現れないため、小さな傷
の検出ができないという問題があった。言い換えれば、
小さな傷は輝度ヒストグラムの分布上では研削模様と大
差がないので、前述の方法では良好な判定結果を導き出
すための判定基準の設定が難しくなるという問題があっ
た。
含めた実際の金属加工製品の加工においては、製品の表
面を研削加工により仕上げることが一般的であり、この
場合研削加工された製品の表面は鏡面とはならず、研削
模様が多数存在するものとなる。このような表面に研削
模様が多数存在する金属加工製品に前述の表面傷の検出
方法を適用すれば、基準とする輝度ヒストグラムの標準
偏差σは表面が鏡面加工された場合よりも大きくなるの
で、小さな傷では判定基準値(μ−3σ)より小さい領
域に輝度ヒストグラムの分布が現れないため、小さな傷
の検出ができないという問題があった。言い換えれば、
小さな傷は輝度ヒストグラムの分布上では研削模様と大
差がないので、前述の方法では良好な判定結果を導き出
すための判定基準の設定が難しくなるという問題があっ
た。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、研削加工により表面が仕上げられた金属加工製
品の表面傷の検出において、小さな傷も含めた表面傷の
検出を容易に行うことができるような、画像処理装置を
用いた検査対象物の表面傷検出方法を提供することにあ
る。
解決し、研削加工により表面が仕上げられた金属加工製
品の表面傷の検出において、小さな傷も含めた表面傷の
検出を容易に行うことができるような、画像処理装置を
用いた検査対象物の表面傷検出方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、カメ
ラ等から入力された撮影画像の輝度レベルの分布から検
査対象物の表面傷の検出を行う画像処理装置を用いた検
査対象物の表面傷検出方法において、撮影画像に対して
以下に記載する各処理ステップでの処理を施すことによ
り、金属加工製品の表面傷の検出を容易に行うことがで
きるような検査対象物の表面傷検出方法を提供すること
により従来技術の問題点を解決した。
ラ等から入力された撮影画像の輝度レベルの分布から検
査対象物の表面傷の検出を行う画像処理装置を用いた検
査対象物の表面傷検出方法において、撮影画像に対して
以下に記載する各処理ステップでの処理を施すことによ
り、金属加工製品の表面傷の検出を容易に行うことがで
きるような検査対象物の表面傷検出方法を提供すること
により従来技術の問題点を解決した。
【0010】積分フィルタ処理ステップにおいて、検査
対象物の撮影画像の各画素の濃淡の度合いとしての輝度
レベルを示した画素データに対して積分フィルタリング
を施すことにより、撮影画像中の微小雑音を除去した第
1の画像を生成する。(ステップ22)
対象物の撮影画像の各画素の濃淡の度合いとしての輝度
レベルを示した画素データに対して積分フィルタリング
を施すことにより、撮影画像中の微小雑音を除去した第
1の画像を生成する。(ステップ22)
【0011】2値化処理ステップにおいて、第1の画像
の各画素に対して、その輝度レベルが、予め設定された
第1の閾値より高い場合にその画素の画素データを1と
し、かつ、第1の閾値より低い場合にその画素の画素デ
ータを0とする処理を施すことにより、2値化処理され
た第2の画像を生成する。(ステップ24)
の各画素に対して、その輝度レベルが、予め設定された
第1の閾値より高い場合にその画素の画素データを1と
し、かつ、第1の閾値より低い場合にその画素の画素デ
ータを0とする処理を施すことにより、2値化処理され
た第2の画像を生成する。(ステップ24)
【0012】ラベリング処理ステップにおいて、第2の
画像の各画素に対して、ラベリング処理を施すことによ
り、検査対象物の存在する領域のみを抽出した第3の画
像を生成する。(ステップ26)
画像の各画素に対して、ラベリング処理を施すことによ
り、検査対象物の存在する領域のみを抽出した第3の画
像を生成する。(ステップ26)
【0013】第1乗算処理ステップにおいて、第1の画
像の各画素の画素データと、この第1の画像の各画素に
対応する第3の画像の画素データを掛け合わせる処理を
施すことにより、第1の画像のうち検査対象物の存在す
る領域のみを抽出した第4の画像を生成する。(ステッ
プ28)
像の各画素の画素データと、この第1の画像の各画素に
対応する第3の画像の画素データを掛け合わせる処理を
施すことにより、第1の画像のうち検査対象物の存在す
る領域のみを抽出した第4の画像を生成する。(ステッ
プ28)
【0014】領域分割処理ステップにおいて、第4の画
像の各画素に対して勾配弛緩法を適用することにより、
第4の画像のうち輝度レベルの低い領域を抽出した第5
の画像と、輝度レベルの高い領域を抽出した第6の画像
をそれぞれ生成する。(ステップ30)
像の各画素に対して勾配弛緩法を適用することにより、
第4の画像のうち輝度レベルの低い領域を抽出した第5
の画像と、輝度レベルの高い領域を抽出した第6の画像
をそれぞれ生成する。(ステップ30)
【0015】第2乗算処理ステップにおいて、第1の画
像の各画素の画素データと、この第1の画像の各画素に
対応する第5の画像の画素データを掛け合わせる処理を
施すことにより、第1の画像のうち輝度レベルの低い領
域のみを抽出した第7の画像を生成する。(ステップ3
2)
像の各画素の画素データと、この第1の画像の各画素に
対応する第5の画像の画素データを掛け合わせる処理を
施すことにより、第1の画像のうち輝度レベルの低い領
域のみを抽出した第7の画像を生成する。(ステップ3
2)
【0016】第3乗算処理ステップにおいて、第1の画
像の各画素の画素データと、この第1の画像の各画素に
対応する第6の画像の画素データを掛け合わせる処理を
施すことにより、第1の画像のうち輝度レベルの高い領
域のみを抽出した第8の画像を生成する。(ステップ3
7)
像の各画素の画素データと、この第1の画像の各画素に
対応する第6の画像の画素データを掛け合わせる処理を
施すことにより、第1の画像のうち輝度レベルの高い領
域のみを抽出した第8の画像を生成する。(ステップ3
7)
【0017】第2乗算処理ステップにより生成された第
7の画像と、第3乗算処理ステップにより生成された第
8の画像のそれぞれの画素データに基づいて、検査対象
物の表面傷の有無を判定する。
7の画像と、第3乗算処理ステップにより生成された第
8の画像のそれぞれの画素データに基づいて、検査対象
物の表面傷の有無を判定する。
【0018】また、第7の画像と第8の画像のそれぞれ
の画素データに基づいて検査対象物の表面傷の有無を判
定する具体的な方法を以下に記載する。
の画素データに基づいて検査対象物の表面傷の有無を判
定する具体的な方法を以下に記載する。
【0019】第1平均輝度レベル算出処理ステップにお
いて、第7の画像のうち各画素の画素データが0でない
画像領域に対して輝度レベルの平均値を算出する処理を
施すことにより、輝度レベルの低い領域での輝度レベル
の平均値としての第1の平均輝度レベルを算出する。
(ステップ34)
いて、第7の画像のうち各画素の画素データが0でない
画像領域に対して輝度レベルの平均値を算出する処理を
施すことにより、輝度レベルの低い領域での輝度レベル
の平均値としての第1の平均輝度レベルを算出する。
(ステップ34)
【0020】第2平均輝度レベル算出処理ステップにお
いて、第8の画像のうち各画素の画素データが0でない
画像領域に対して輝度レベルの平均値を算出する処理を
施すことにより、輝度レベルの高い領域での輝度レベル
の平均値としての第2の平均輝度レベルを算出する。
(ステップ39)
いて、第8の画像のうち各画素の画素データが0でない
画像領域に対して輝度レベルの平均値を算出する処理を
施すことにより、輝度レベルの高い領域での輝度レベル
の平均値としての第2の平均輝度レベルを算出する。
(ステップ39)
【0021】判定データ算出処理ステップにおいて、第
1の平均輝度レベルと第2の平均輝度レベルとの差を判
定データとして算出する。(ステップ41)
1の平均輝度レベルと第2の平均輝度レベルとの差を判
定データとして算出する。(ステップ41)
【0022】判定処理ステップにおいて、算出された判
定データが予め設定された判定値より大きい場合に、検
査対象物に表面傷が存在するものと判定するようにす
る。(ステップ42)
定データが予め設定された判定値より大きい場合に、検
査対象物に表面傷が存在するものと判定するようにす
る。(ステップ42)
【0023】なお、前述の2値化処理ステップにおける
第1の閾値は、第1の画像の輝度レベルの分布から自動
的に算出するようにされてもよい。
第1の閾値は、第1の画像の輝度レベルの分布から自動
的に算出するようにされてもよい。
【0024】
【作用】検査対象物を撮影した画像に対して積分フィル
タ処理を施すことにより雑音が低減された第1の画像を
生成し、この第1の画像を2値化処理した後、ラベリン
グ処理を施すことにより、検査対象物の存在する領域の
みを抽出した第4の画像を生成し、この第4の画像を勾
配弛緩法を用いた領域分割処理を施すことにより、検査
対象物の領域を輝度レベルの低い領域と輝度レベルの高
い領域に分割し、これらそれぞれの領域に属する第1の
画像の画素データに基づいて検査対象物の表面傷の有無
を判定する。
タ処理を施すことにより雑音が低減された第1の画像を
生成し、この第1の画像を2値化処理した後、ラベリン
グ処理を施すことにより、検査対象物の存在する領域の
みを抽出した第4の画像を生成し、この第4の画像を勾
配弛緩法を用いた領域分割処理を施すことにより、検査
対象物の領域を輝度レベルの低い領域と輝度レベルの高
い領域に分割し、これらそれぞれの領域に属する第1の
画像の画素データに基づいて検査対象物の表面傷の有無
を判定する。
【0025】具体的な判定方法の一つとしては、輝度レ
ベルの低い領域に属する第1の画像の画素の輝度レベル
の平均値と輝度レベルの高い領域に属する第1の画像の
画素の輝度レベルの平均値をそれぞれ算出し、算出され
た2つの平均値の差を予め設定された判定値と比較し、
2つの平均値の差が判定値より大きい場合に、検査対象
物に表面傷が存在するものと判定するようにする。
ベルの低い領域に属する第1の画像の画素の輝度レベル
の平均値と輝度レベルの高い領域に属する第1の画像の
画素の輝度レベルの平均値をそれぞれ算出し、算出され
た2つの平均値の差を予め設定された判定値と比較し、
2つの平均値の差が判定値より大きい場合に、検査対象
物に表面傷が存在するものと判定するようにする。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明が適用される画像処理装置を用い
た表面傷検出装置を含む検査システムの概略図を示した
ものである。検査対象物4をカメラ1により撮影し、こ
の画像を画像処理装置2に取り込み、所定の画像処理を
行い、判定結果をモニタ3に表示させる。図2は画像処
理装置2の構成をブロック図により示したものである。
カメラ1から出力された各画素の濃淡の度合いとしての
輝度レベルを示すアナログの画素データが画像処理装置
2のカメラ入力端子11から入力され、このアナログの
画素データはA/D変換器12によりデジタルの画素デ
ータに変換され、このデジタルの画素データが画像メモ
リ14に記憶される。なお、カメラ1がデジタルの画素
データを出力するものである場合は、カメラ入力端子1
1から入力されたデジタルの画素データはA/D変換器
12を介さず、直接画像メモリ14へ入力されるように
すればよい。
明する。図1は本発明が適用される画像処理装置を用い
た表面傷検出装置を含む検査システムの概略図を示した
ものである。検査対象物4をカメラ1により撮影し、こ
の画像を画像処理装置2に取り込み、所定の画像処理を
行い、判定結果をモニタ3に表示させる。図2は画像処
理装置2の構成をブロック図により示したものである。
カメラ1から出力された各画素の濃淡の度合いとしての
輝度レベルを示すアナログの画素データが画像処理装置
2のカメラ入力端子11から入力され、このアナログの
画素データはA/D変換器12によりデジタルの画素デ
ータに変換され、このデジタルの画素データが画像メモ
リ14に記憶される。なお、カメラ1がデジタルの画素
データを出力するものである場合は、カメラ入力端子1
1から入力されたデジタルの画素データはA/D変換器
12を介さず、直接画像メモリ14へ入力されるように
すればよい。
【0027】画像処理プロセッサ15には画像メモリ1
4及びプログラムメモリ16に記憶されている画素デー
タが入力され、この画素データがプログラムメモリ16
に予め記憶されている画像処理プログラムにしたがって
処理され、処理された画素データや判定結果が出力端子
17及びプログラムメモリ16へ出力される。処理速度
の高速化を図るために、画像処理プロセッサ15には画
像処理に適した画像処理専用のプロセッサを使用するこ
とが好ましいが、汎用のプロセッサを使用することも可
能である。プログラムメモリ16には画像処理プロセッ
サ15が画像処理を行うために必要な画像処理プログラ
ムが予め記憶され、また、処理された画素データも一時
的に記憶される。
4及びプログラムメモリ16に記憶されている画素デー
タが入力され、この画素データがプログラムメモリ16
に予め記憶されている画像処理プログラムにしたがって
処理され、処理された画素データや判定結果が出力端子
17及びプログラムメモリ16へ出力される。処理速度
の高速化を図るために、画像処理プロセッサ15には画
像処理に適した画像処理専用のプロセッサを使用するこ
とが好ましいが、汎用のプロセッサを使用することも可
能である。プログラムメモリ16には画像処理プロセッ
サ15が画像処理を行うために必要な画像処理プログラ
ムが予め記憶され、また、処理された画素データも一時
的に記憶される。
【0028】以下、本発明の表面傷検出方法の処理フロ
ーを示す図3と処理過程の画像を示す図4及び図5を用
いて、画像処理プロセッサ15において行われる本発明
の画像処理方法について説明する。
ーを示す図3と処理過程の画像を示す図4及び図5を用
いて、画像処理プロセッサ15において行われる本発明
の画像処理方法について説明する。
【0029】図4(a)は画像メモリ14から画像処理
プロセッサ15に入力される濃淡画像(原画像)を示し
たものである。図4(a)において、左右の黒い領域
(背景領域)を除いた中央部分が検査対象物の存在する
領域である。また、検査対象物の存在する領域のうち、
左方から右上方に斜めに伸びる幾筋もの黒い模様は研削
加工時に生じた研削模様(研削傷)を示し、また下部左
側に研削模様とほぼ直角に伸びる模様は表面傷を示して
いる。
プロセッサ15に入力される濃淡画像(原画像)を示し
たものである。図4(a)において、左右の黒い領域
(背景領域)を除いた中央部分が検査対象物の存在する
領域である。また、検査対象物の存在する領域のうち、
左方から右上方に斜めに伸びる幾筋もの黒い模様は研削
加工時に生じた研削模様(研削傷)を示し、また下部左
側に研削模様とほぼ直角に伸びる模様は表面傷を示して
いる。
【0030】カメラ1から入力された画像には電気的な
影響などにより微小雑音が重畳する場合があり、このよ
うな微小雑音は画像処理に悪影響を及ぼす場合があるの
で、予めこの微小雑音を除去しておく必要がある。そこ
で積分フィルタ処理(ステップ22)では、画像メモリ
14から画像処理プロセッサ15に入力された原画像
(図4(a))に対して、積分フィルタ処理を施すこと
により、原画像内の微少雑音を除去した第1の画像23
(図4(b))を生成し、この第1の画像23をプログ
ラムメモリ16に一時的に記憶する。
影響などにより微小雑音が重畳する場合があり、このよ
うな微小雑音は画像処理に悪影響を及ぼす場合があるの
で、予めこの微小雑音を除去しておく必要がある。そこ
で積分フィルタ処理(ステップ22)では、画像メモリ
14から画像処理プロセッサ15に入力された原画像
(図4(a))に対して、積分フィルタ処理を施すこと
により、原画像内の微少雑音を除去した第1の画像23
(図4(b))を生成し、この第1の画像23をプログ
ラムメモリ16に一時的に記憶する。
【0031】ここで用いられる積分フィルタの一例とし
てメディアンフィルタがある。これは例えば3×3のマ
スク内の画素データ9個を輝度レベルの高い順から並べ
替え、その中央値すなわち輝度レベルが5番目に高い画
素の輝度レベルをこのマスクの中心画素の明るさとして
定義するものである。図4(b)は積分フィルタ処理を
行ったのち得られた第1の画像23を示したものであ
る。積分フィルタ処理を施された第1の画像23は、見
た目には図4(a)に示す原画像とほとんど変わらない
が、実際の画素データは原画像から微少雑音が除去され
たものとなっている。
てメディアンフィルタがある。これは例えば3×3のマ
スク内の画素データ9個を輝度レベルの高い順から並べ
替え、その中央値すなわち輝度レベルが5番目に高い画
素の輝度レベルをこのマスクの中心画素の明るさとして
定義するものである。図4(b)は積分フィルタ処理を
行ったのち得られた第1の画像23を示したものであ
る。積分フィルタ処理を施された第1の画像23は、見
た目には図4(a)に示す原画像とほとんど変わらない
が、実際の画素データは原画像から微少雑音が除去され
たものとなっている。
【0032】本発明は検査対象物の表面傷の検出を目的
としているので、画像処理の対象は画像処理プロセッサ
15に入力された画像領域のうち検査対象物の存在する
領域のみでよい。そこで2値化処理(ステップ24)で
は、検査対象物の存在する領域を抽出するために、積分
フィルタ処理22により処理されプログラムメモリ16
に記憶された第1の画像23に対して2値化処理を施す
ことにより、第1の画像23を検査対象物が存在する白
画素の領域と背景の黒画素の領域に分割した第2の画像
25(図4(c))を生成し、この第2の画像25をプ
ログラムメモリ16に一時的に記憶する。より具体的に
は、第1の画像23の各画素の輝度レベルが予め設定さ
れた閾値(第1の閾値)より大きい場合に1(白画
素)、小さい場合に0(黒画素)として処理し、これを
第2の画像25とする。
としているので、画像処理の対象は画像処理プロセッサ
15に入力された画像領域のうち検査対象物の存在する
領域のみでよい。そこで2値化処理(ステップ24)で
は、検査対象物の存在する領域を抽出するために、積分
フィルタ処理22により処理されプログラムメモリ16
に記憶された第1の画像23に対して2値化処理を施す
ことにより、第1の画像23を検査対象物が存在する白
画素の領域と背景の黒画素の領域に分割した第2の画像
25(図4(c))を生成し、この第2の画像25をプ
ログラムメモリ16に一時的に記憶する。より具体的に
は、第1の画像23の各画素の輝度レベルが予め設定さ
れた閾値(第1の閾値)より大きい場合に1(白画
素)、小さい場合に0(黒画素)として処理し、これを
第2の画像25とする。
【0033】図4(b)に示す第1の画像では、検査対
象物の存在する領域は明るく、これ以外の背景領域は暗
くなっている。これを輝度ヒストグラムで表示すると図
6に示すようになり、輝度レベルの高い(明るい)部分
に検査対象物の存在する領域のピ─クが現れ、一方輝度
レベルの低い(暗い)部分に背景領域のピ─クが現れた
ものとなる。図6に示す輝度ヒストグラムの形状は、大
きなピ─クが2つあることから双峰性ヒストグラムと呼
ばれている。ここで第1の閾値は事前に一定の値を与え
ておくこともできるが、検査対象物に照射される照明の
変動などで入力画像21の全体の明るさも変動すること
を考慮し、第1の画像23から自動的に最適な閾値を判
断する自動2値化方法(例えば、長尾著、「画像認識
論」、コロナ社、1983年、第38頁乃至44頁)を
適用してもよい。図4(c)は図4(b)に示した第1
の画像23に対して2値化処理を行ったのち得られた第
2の画像25を示したものである。
象物の存在する領域は明るく、これ以外の背景領域は暗
くなっている。これを輝度ヒストグラムで表示すると図
6に示すようになり、輝度レベルの高い(明るい)部分
に検査対象物の存在する領域のピ─クが現れ、一方輝度
レベルの低い(暗い)部分に背景領域のピ─クが現れた
ものとなる。図6に示す輝度ヒストグラムの形状は、大
きなピ─クが2つあることから双峰性ヒストグラムと呼
ばれている。ここで第1の閾値は事前に一定の値を与え
ておくこともできるが、検査対象物に照射される照明の
変動などで入力画像21の全体の明るさも変動すること
を考慮し、第1の画像23から自動的に最適な閾値を判
断する自動2値化方法(例えば、長尾著、「画像認識
論」、コロナ社、1983年、第38頁乃至44頁)を
適用してもよい。図4(c)は図4(b)に示した第1
の画像23に対して2値化処理を行ったのち得られた第
2の画像25を示したものである。
【0034】ところで、先に行った積分フィルタ処理で
は、微小雑音は除去されるが、背景部分に存在する切粉
等の金属片は除去されないので、前ステップの2値化処
理だけでは、金属片も検査対象物の一部として処理され
てしまうという問題がある。そこでラベリング処理(ス
テップ26)では、2値化処理により処理されプログラ
ムメモリ16に記憶された第2の画像25に対してラベ
リング処理と呼ばれる領域を定義する処理を施すことに
より、第2の画像25から検査対象物の領域のみを抽出
した第3の画像27(図4(d))を生成し、この第3
の画像27をプログラムメモリ16に一時的に記憶す
る。
は、微小雑音は除去されるが、背景部分に存在する切粉
等の金属片は除去されないので、前ステップの2値化処
理だけでは、金属片も検査対象物の一部として処理され
てしまうという問題がある。そこでラベリング処理(ス
テップ26)では、2値化処理により処理されプログラ
ムメモリ16に記憶された第2の画像25に対してラベ
リング処理と呼ばれる領域を定義する処理を施すことに
より、第2の画像25から検査対象物の領域のみを抽出
した第3の画像27(図4(d))を生成し、この第3
の画像27をプログラムメモリ16に一時的に記憶す
る。
【0035】より具体的には、ラベリング処理とは隣接
する画素が同じである場合に同一の領域としてみなす処
理であり、図4(c)に示す2値化処理された第2の画
像25に対してこの処理を施すと、背景領域にある黒画
素に囲まれた白画素は黒画素に変換され、また、検査対
象物上にある白画素に囲まれた黒画素は白画素に変換さ
れる。この結果、ラベリング処理後は、背景領域にある
切粉等の金属片は検査対象物として認識されず、また、
検査対象物上にある表面傷は検査対象物の一部として認
識されることになる。これにより、実際の検査対象物の
領域のみが白画素として抽出され、以降の処理の効率化
を図ることが可能となる。
する画素が同じである場合に同一の領域としてみなす処
理であり、図4(c)に示す2値化処理された第2の画
像25に対してこの処理を施すと、背景領域にある黒画
素に囲まれた白画素は黒画素に変換され、また、検査対
象物上にある白画素に囲まれた黒画素は白画素に変換さ
れる。この結果、ラベリング処理後は、背景領域にある
切粉等の金属片は検査対象物として認識されず、また、
検査対象物上にある表面傷は検査対象物の一部として認
識されることになる。これにより、実際の検査対象物の
領域のみが白画素として抽出され、以降の処理の効率化
を図ることが可能となる。
【0036】第1乗算処理(ステップ28)では、画像
内の微少雑音が除去された第1の画像23と検査対象物
の領域のみを抽出した第3の画像27を掛け合わせるこ
とにより、第1の画像23から検査対象物の存在する領
域のみを抽出した第4の画像29(図4(e))を生成
し、この第4の画像29をプログラムメモリ16に一時
的に記憶する。この処理ステップで行う画像の掛け合わ
せとは、掛け合わせる2つの画像の同じ位置の画素同士
を掛け合わせることにより、新たな画像を生成すること
を指す。即ち、第1の画像23は濃淡画像であるが、第
3の画像27は検査対象物領域が白画素(1)、背景領
域が黒画素(0)となっているので、第1の画像23と
第3の画像27を掛け合わせると、背景領域はすべて黒
画素(0)、検査物領域は第1の画像23と同じ濃淡画
像となるので、検査対象物の存在する領域のみの濃淡画
像を抽出することができる。これを輝度ヒストグラムで
あらわすと図7に示すようになり、図6に示した背景領
域の山が完全になくなったものとなる。
内の微少雑音が除去された第1の画像23と検査対象物
の領域のみを抽出した第3の画像27を掛け合わせるこ
とにより、第1の画像23から検査対象物の存在する領
域のみを抽出した第4の画像29(図4(e))を生成
し、この第4の画像29をプログラムメモリ16に一時
的に記憶する。この処理ステップで行う画像の掛け合わ
せとは、掛け合わせる2つの画像の同じ位置の画素同士
を掛け合わせることにより、新たな画像を生成すること
を指す。即ち、第1の画像23は濃淡画像であるが、第
3の画像27は検査対象物領域が白画素(1)、背景領
域が黒画素(0)となっているので、第1の画像23と
第3の画像27を掛け合わせると、背景領域はすべて黒
画素(0)、検査物領域は第1の画像23と同じ濃淡画
像となるので、検査対象物の存在する領域のみの濃淡画
像を抽出することができる。これを輝度ヒストグラムで
あらわすと図7に示すようになり、図6に示した背景領
域の山が完全になくなったものとなる。
【0037】領域分割処理(ステップ30)では、検査
対象物領域の濃淡画像のみを抽出した第4の画像29に
ついて、領域分割処理30により、勾配弛緩法を用いて
輝度レベルの低い領域と高い領域に分割する。勾配弛緩
法は画像を構成する各画素の属性値(本発明においては
輝度レベル)を確率に置き換えて、弛緩過程を繰り返し
更新することにより画像のコントラストを強調していく
方法である。すなわち、図7に示す検査物領域のみを抽
出したピ─クが1つしか存在しない単峰性の輝度ヒスト
グラムに対して勾配弛緩法を適用すると、2つのピ─ク
を持った双峰性の輝度ヒストグラムに変換される(尾
崎、谷口著、「画像処理」、第2版、共立出版、198
8年、第190頁乃至192頁)。
対象物領域の濃淡画像のみを抽出した第4の画像29に
ついて、領域分割処理30により、勾配弛緩法を用いて
輝度レベルの低い領域と高い領域に分割する。勾配弛緩
法は画像を構成する各画素の属性値(本発明においては
輝度レベル)を確率に置き換えて、弛緩過程を繰り返し
更新することにより画像のコントラストを強調していく
方法である。すなわち、図7に示す検査物領域のみを抽
出したピ─クが1つしか存在しない単峰性の輝度ヒスト
グラムに対して勾配弛緩法を適用すると、2つのピ─ク
を持った双峰性の輝度ヒストグラムに変換される(尾
崎、谷口著、「画像処理」、第2版、共立出版、198
8年、第190頁乃至192頁)。
【0038】本願の発明者は、勾配弛緩法によって変換
された輝度レベルの低い領域と高い領域のそれぞれにピ
─クを持った双峰性の輝度ヒストグラムの特性として、
検査対象物の表面が鏡面加工されている場合や、検査対
象物の表面に研削模様のように一定の周期性を持った傷
が存在する場合は、2つのピ─クの形状(ピ─クの高さ
及び幅)はほぼ等しいものとなるが、検査対象物の表面
に研削模様以外の表面傷(周期性を持たない傷)が存在
する場合は、2つのピ─クの形状は異なるものとなる、
ということを知得した。そこでこの特性を利用し、本発
明では変換された双峰性ヒストグラムの2つのピークの
谷間に閾値(第2の閾値)を設定し、この第2の閾値に
より分割された輝度レベルが低い領域と高い領域のそれ
ぞれに属する第1の画像の画素データにより、検査対象
物の表面傷の有無を判定するようにした。
された輝度レベルの低い領域と高い領域のそれぞれにピ
─クを持った双峰性の輝度ヒストグラムの特性として、
検査対象物の表面が鏡面加工されている場合や、検査対
象物の表面に研削模様のように一定の周期性を持った傷
が存在する場合は、2つのピ─クの形状(ピ─クの高さ
及び幅)はほぼ等しいものとなるが、検査対象物の表面
に研削模様以外の表面傷(周期性を持たない傷)が存在
する場合は、2つのピ─クの形状は異なるものとなる、
ということを知得した。そこでこの特性を利用し、本発
明では変換された双峰性ヒストグラムの2つのピークの
谷間に閾値(第2の閾値)を設定し、この第2の閾値に
より分割された輝度レベルが低い領域と高い領域のそれ
ぞれに属する第1の画像の画素データにより、検査対象
物の表面傷の有無を判定するようにした。
【0039】すなわち、第4の画像29について、輝度
レベルが低い領域を白画素(1)としかつ輝度レベルが
高い領域を黒画素(0)とした第5の画像(図5
(a))と、これとは逆に輝度レベルが低い領域を黒画
素(0)としかつ輝度レベルが高い領域を白画素(1)
とした第6の画像(図5(b))をそれぞれ生成し、こ
れら第5の画像と第6の画像をプログラムメモリ16に
一時的に記憶する。この処理により、表面傷が存在する
と考えられる領域を白画素(1)として定義した第5の
画像と、表面傷が存在しないと考えられる領域を白画素
(1)として定義した第6の画像が作成される。
レベルが低い領域を白画素(1)としかつ輝度レベルが
高い領域を黒画素(0)とした第5の画像(図5
(a))と、これとは逆に輝度レベルが低い領域を黒画
素(0)としかつ輝度レベルが高い領域を白画素(1)
とした第6の画像(図5(b))をそれぞれ生成し、こ
れら第5の画像と第6の画像をプログラムメモリ16に
一時的に記憶する。この処理により、表面傷が存在する
と考えられる領域を白画素(1)として定義した第5の
画像と、表面傷が存在しないと考えられる領域を白画素
(1)として定義した第6の画像が作成される。
【0040】第2乗算処理(ステップ32)では、画像
内の微少雑音が除去された第1の画像23と表面傷が存
在すると考えられる領域を白画素(1)として定義した
第5の画像を掛け合わせることにより、第1の画像23
から表面傷が存在すると考えられる領域のみを抽出した
第7の画像33(図5(c))を生成し、この第7の画
像33をプログラムメモリ16に一時的に記憶する。
内の微少雑音が除去された第1の画像23と表面傷が存
在すると考えられる領域を白画素(1)として定義した
第5の画像を掛け合わせることにより、第1の画像23
から表面傷が存在すると考えられる領域のみを抽出した
第7の画像33(図5(c))を生成し、この第7の画
像33をプログラムメモリ16に一時的に記憶する。
【0041】同様に、第3乗算処理(ステップ37)で
は、第1の画像23と表面傷が存在しないと考えられる
領域を白画素(1)として定義した第6の画像を掛け合
わせることにより、第1の画像23から表面傷が存在し
ないと考えられる領域のみを抽出した第8の画像38
(図5(d))を生成し、この第8の画像38をプログ
ラムメモリ16に一時的に記憶する。
は、第1の画像23と表面傷が存在しないと考えられる
領域を白画素(1)として定義した第6の画像を掛け合
わせることにより、第1の画像23から表面傷が存在し
ないと考えられる領域のみを抽出した第8の画像38
(図5(d))を生成し、この第8の画像38をプログ
ラムメモリ16に一時的に記憶する。
【0042】第1平均輝度レベル算出処理(ステップ3
4)では、図5(c)に示す第7の画像33に対して、
画素データが0である画素、即ち検査対象物の領域外の
画素を予め計算から除外した検査対象物領域のみの輝度
レベルの平均値としての第1平均輝度レベルを算出す
る。同様に、第2平均輝度レベル算出処理(ステップ3
9)では、図5(d)に示す第8の画像38に対して、
検査対象物領域のみの輝度レベルの平均値としての第2
平均輝度レベルを算出する。
4)では、図5(c)に示す第7の画像33に対して、
画素データが0である画素、即ち検査対象物の領域外の
画素を予め計算から除外した検査対象物領域のみの輝度
レベルの平均値としての第1平均輝度レベルを算出す
る。同様に、第2平均輝度レベル算出処理(ステップ3
9)では、図5(d)に示す第8の画像38に対して、
検査対象物領域のみの輝度レベルの平均値としての第2
平均輝度レベルを算出する。
【0043】判定データ算出処理(ステップ41)と判
定処理(ステップ42)では、前ステップにおいて算出
された第1平均輝度レベルと第2平均輝度レベルの差を
算出し、この差が予め設定された表面傷の有無の判定基
準としての判定値よりも大きい場合に表面傷が存在する
ものと判定するようにする。この判定値の値は、研削模
様が表面傷と判定されないように、検査対象物の材質の
特性、照明条件、及び研削模様の程度に合わせて適宜設
定する必要がある。すなわち、研削模様は被加工物とし
ての検査対象物の材質や、この検査対象物を加工する加
工機械の加工精度等によりほぼ一定したものになるか
ら、判定値はこの研削模様と検査基準値から適宜決定す
るようにすればよい。
定処理(ステップ42)では、前ステップにおいて算出
された第1平均輝度レベルと第2平均輝度レベルの差を
算出し、この差が予め設定された表面傷の有無の判定基
準としての判定値よりも大きい場合に表面傷が存在する
ものと判定するようにする。この判定値の値は、研削模
様が表面傷と判定されないように、検査対象物の材質の
特性、照明条件、及び研削模様の程度に合わせて適宜設
定する必要がある。すなわち、研削模様は被加工物とし
ての検査対象物の材質や、この検査対象物を加工する加
工機械の加工精度等によりほぼ一定したものになるか
ら、判定値はこの研削模様と検査基準値から適宜決定す
るようにすればよい。
【0044】以上、本発明の一実施例の表面傷検出方法
を処理フローにしたがって説明したが、本発明の特徴
は、表面傷の形状に関係なく、また研削模様のように一
様に分布しているが表面傷ではない表面状態を呈した検
査対象物においても、表面傷が存在する場合はこれを的
確に検出できることにある。
を処理フローにしたがって説明したが、本発明の特徴
は、表面傷の形状に関係なく、また研削模様のように一
様に分布しているが表面傷ではない表面状態を呈した検
査対象物においても、表面傷が存在する場合はこれを的
確に検出できることにある。
【0045】なお、ここに記載した実施例は本発明の一
実施態様を示すものであり、例えば、図2においては、
画像メモリ14に入力画像を一旦記憶してから画像処理
プロセッサ15へ画素データを出力するように示した
が、高速のプロセッサを使用すれば、A/D変換器12
の信号を直接画像処理プロセッサ15に出力しても本発
明の主旨を損なうものではない。また、本実施例では、
第7の画像と第8の画像の平均輝度レベルをそれぞれ算
出し、両者の平均輝度レベルの差の大きさにより表面傷
の有無を判定するようにしたが、これに加え、第7の画
像と第8の画像の対応する画素毎に輝度レベルの差を算
出し、この差の大きさに応じた濃度や色合いをモニタ3
に表示するようにすれば、表面傷の形状や位置について
も検査員に容易にわかるものとなる。
実施態様を示すものであり、例えば、図2においては、
画像メモリ14に入力画像を一旦記憶してから画像処理
プロセッサ15へ画素データを出力するように示した
が、高速のプロセッサを使用すれば、A/D変換器12
の信号を直接画像処理プロセッサ15に出力しても本発
明の主旨を損なうものではない。また、本実施例では、
第7の画像と第8の画像の平均輝度レベルをそれぞれ算
出し、両者の平均輝度レベルの差の大きさにより表面傷
の有無を判定するようにしたが、これに加え、第7の画
像と第8の画像の対応する画素毎に輝度レベルの差を算
出し、この差の大きさに応じた濃度や色合いをモニタ3
に表示するようにすれば、表面傷の形状や位置について
も検査員に容易にわかるものとなる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、検査対象物を撮影した
画像に対して積分フィルタ処理を施すことにより雑音が
低減された第1の画像を生成し、この第1の画像を2値
化処理した後、ラベリング処理を施すことにより、検査
対象物の存在する領域のみを抽出した第4の画像を生成
し、この第4の画像を勾配弛緩法を用いた領域分割処理
を施すことにより、検査対象物の領域を輝度レベルの低
い領域と輝度レベルの高い領域に分割し、これらそれぞ
れの領域に属する第1の画像の画素データに基づいて検
査対象物の表面傷の有無を判定するようにしたので、研
削加工により表面が仕上げられた場合のように研削模様
が存在する金属加工製品の表面傷の検出においても、研
削模様が表面傷と判定されないような値に判定値を設定
することにより、小さな傷も含めた検査対象物の表面傷
の検出を容易に行うことができるようになった。
画像に対して積分フィルタ処理を施すことにより雑音が
低減された第1の画像を生成し、この第1の画像を2値
化処理した後、ラベリング処理を施すことにより、検査
対象物の存在する領域のみを抽出した第4の画像を生成
し、この第4の画像を勾配弛緩法を用いた領域分割処理
を施すことにより、検査対象物の領域を輝度レベルの低
い領域と輝度レベルの高い領域に分割し、これらそれぞ
れの領域に属する第1の画像の画素データに基づいて検
査対象物の表面傷の有無を判定するようにしたので、研
削加工により表面が仕上げられた場合のように研削模様
が存在する金属加工製品の表面傷の検出においても、研
削模様が表面傷と判定されないような値に判定値を設定
することにより、小さな傷も含めた検査対象物の表面傷
の検出を容易に行うことができるようになった。
【図1】本発明が適用される画像処理装置を用いた表面
傷検出装置を含む検査システムの概略図を示したもので
ある。
傷検出装置を含む検査システムの概略図を示したもので
ある。
【図2】本発明の画像処理装置2の構成をブロック図に
より示したものである。
より示したものである。
【図3】本発明による表面傷検出方法の処理フローを示
したフローチャートである。
したフローチャートである。
【図4】本発明による実際の画像処理画面の例である。
【図5】本発明による実際の画像処理画面の例である。
【図6】本発明による第1の画像の輝度ヒストグラムの
例である。
例である。
【図7】本発明による第4の画像の輝度ヒストグラムの
例である。
例である。
1 カメラ 2 画像処理装置 4 検査対象物 22 積分フィルタ処理 23 第1の画像 24 2値化処理 25 第2の画像 26 ラベリング処理 27 第3の画像 28 第1乗算処理 29 第4の画像 30 領域分割処理 31 第5の画像 32 第2乗算処理 33 第7の画像 34 第1平均輝度レベル算出処理 35 第1の平均輝度レベル 36 第6の画像 37 第3乗算処理 38 第8の画像 39 第2平均輝度レベル算出処理 40 第2の平均輝度レベル 41 判定データ算出処理 42 判定処理
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−48140(JP,A) 特開 平5−164703(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】カメラ等から入力された画像の輝度レベル
の分布から検査対象物の表面傷の検出を行う画像処理装
置を用いた検査対象物の表面傷検出方法において、前記
検査対象物の撮影画像の各画素の濃淡の度合いとしての
輝度レベルを示した画素データに対して積分フィルタリ
ングを施すことにより撮影画像中の微小雑音が除去され
た第1の画像を生成する積分フィルタ処理ステップと、
該第1の画像に対して各画素の輝度レベルが予め設定さ
れた第1の閾値より高い場合に該画素の画素データを1
としかつ該第1の閾値より低い場合に該画素の画素デー
タを0とする処理を施すことにより2値化処理された第
2の画像を生成する2値化処理ステップと、該第2の画
像に対してラベリング処理を施すことにより検査対象物
の存在する領域を示した第3の画像を生成するラベリン
グ処理ステップと、前記第1の画像と第3の画像を掛け
合わせる処理を施すことにより第1の画像のうち検査対
象物の存在する領域のみを抽出した第4の画像を生成す
る第1乗算処理ステップと、該第4の画像に対して勾配
弛緩法を適用することにより第4の画像に示される検査
対象物の存在する領域のうち輝度レベルの低い領域を抽
出した第5の画像と輝度レベルの高い領域を抽出した第
6の画像をそれぞれ生成する領域分割処理ステップと、
前記第1の画像と第5の画像を掛け合わせる処理を施す
ことにより第1の画像のうち輝度レベルの低い領域を抽
出した第7の画像を生成する第2乗算処理ステップと、
前記第1の画像と第6の画像を掛け合わせる処理を施す
ことにより第1の画像のうち輝度レベルの高い領域を抽
出した第8の画像を生成する第3乗算処理ステップと、
を有することにより、前記第7の画像と第8の画像のそ
れぞれの画素データに基づいて検査対象物の表面傷の有
無を判定するようにしたことを特徴とする検査対象物の
表面傷検出方法。 - 【請求項2】前記第7の画像のうち画素データが0でな
い画像領域に対して輝度レベルの平均値を算出する処理
を施すことにより検査対象物の存在する領域のうち輝度
レベルの低い領域の輝度レベルの平均値としての第1の
平均輝度レベルを算出する第1平均輝度レベル算出処理
ステップと、前記第8の画像のうち画素データが0でな
い画像領域に対して輝度レベルの平均値を算出する処理
を施すことにより検査対象物の存在する領域のうち輝度
レベルの高い領域の輝度レベルの平均値としての第2の
平均輝度レベルを算出する第2平均輝度レベル算出処理
ステップと、前記第1の平均輝度レベルと第2の平均輝
度レベルの差を判定データとして算出する判定データ算
出処理ステップと、を有することにより、前記判定デー
タが予め設定された判定値より大きい場合に検査対象物
に表面傷が存在するものと判定するようにしたことを特
徴とする請求項1記載の検査対象物の表面傷検出方法。 - 【請求項3】前記第1の閾値は前記第1の画像の輝度レ
ベルの分布から自動的に算出されるようにしたことを特
徴とする請求項1又は請求項2記載の検査対象物の表面
傷検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13892795A JP2711649B2 (ja) | 1995-05-15 | 1995-05-15 | 検査対象物の表面傷検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13892795A JP2711649B2 (ja) | 1995-05-15 | 1995-05-15 | 検査対象物の表面傷検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08304302A JPH08304302A (ja) | 1996-11-22 |
JP2711649B2 true JP2711649B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=15233399
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13892795A Expired - Fee Related JP2711649B2 (ja) | 1995-05-15 | 1995-05-15 | 検査対象物の表面傷検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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---|---|---|---|---|
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CN107578409B (zh) * | 2017-09-16 | 2020-10-16 | 河北工业大学 | 一种太阳能电池片外观断栅缺陷检测的方法 |
CN116136393B (zh) * | 2023-03-02 | 2023-07-28 | 宁波川原精工机械有限公司 | 轴承套圈内圈检测系统及方法 |
CN116309602B (zh) * | 2023-05-24 | 2023-08-04 | 济南章力机械有限公司 | 基于机器视觉的数控钻铣床工作状态检测方法 |
-
1995
- 1995-05-15 JP JP13892795A patent/JP2711649B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08304302A (ja) | 1996-11-22 |
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