JP3265595B2 - 画像処理方法およびその装置 - Google Patents

画像処理方法およびその装置

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JP3265595B2 JP27671491A JP27671491A JP3265595B2 JP 3265595 B2 JP3265595 B2 JP 3265595B2 JP 27671491 A JP27671491 A JP 27671491A JP 27671491 A JP27671491 A JP 27671491A JP 3265595 B2 JP3265595 B2 JP 3265595B2
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  • Image Processing (AREA)
  • Studio Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば工場の検査
ラインなどにおいて、対象物を撮像して得られた画像に
所定の計測処理を実行して、前記対象物の形状の良否を
判別する方法、およびその方法を実施する機能を備えた
画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に画像処理装置では、対象物を撮像
して得られた入力画像に対し、計測領域を指定するため
のウィンドウを設定し、そのウィンドウ内の画像部分に
つき、面積,重心などの特徴量を計測して、その計測値
から対象物の形状,種類などの認識を行っている。
【0003】図11は、従来のウィンドウ設定方法を示
すもので、1は対象物を撮像して得られた入力画像であ
って、この入力画像1は画像処理装置が有するビデオモ
ニタの表示画面に表示されている。オペレータはこの表
示画面を見ながらマウスなどの入力装置を用いて対象物
の画像部分1aの周囲に計測領域を規定する複数の点P
iを入力する。これらの点Piの座標は画像処理装置に
取り込まれ、画像処理装置は各点Piを直線で結んで多
角形状のウィンドウ2を生成する。
【0004】このようなウィンドウ生成方法の他に、オ
ペレータが入力装置を操作して対象物の画像部分1aを
含む大きさの円や四角形などの基本図形3,4を入力す
る方法もあり、画像処理装置はこれら基本図形3,4を
組み合わせて同様にウィンドウ5を生成するものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者の方法では、オペ
レータは多数の点Piを入力する必要があるため、操作
が煩雑であり、特に入力する点Piの数が少ない場合に
は、対象物の画像部分1aの外形に適合したウィンドウ
2の生成が困難であり、生成されたウィンドウ2の外側
へ対象物の画像部分1aがはみ出る虞もある。また後者
の方法は、対象物の画像部分1aの形状が複雑である場
合に、多数の基本図形を組み合わせる必要があって操作
が煩雑となり、しかも基本図形だけでは前記画像部分1
aの外形に適合したウィンドウ5の生成が困難である。
【0006】図12は、上記の問題を解消したウィンド
ウ生成方法を示す。この方法では対象物を撮像してウィ
ンドウ生成のための濃淡画像6を生成し、その濃淡画像
6を2値化処理してその2値画像7を画像メモリに記憶
させた後、その2値画像7をウィンドウメモリに転送
し、膨張または収縮処理を行って膨張画像8または収縮
画像9を生成している。これら膨張画像8および収縮画
像9は2値画像であって、斜線部分10aが黒画素領
域、白地部分10bが白画素領域であり、入力画像11
に対してこれら画像8,9をウィンドウとして設定する
ものである。
【0007】たとえばバリや突起などの検査については
前記膨張画像8によるウィンドウが用いられ、ウィンド
ウ内の黒画素数を計数してその計数値と基準値とを比較
することによりバリや突起の有無が検出できる。また欠
けやへこみなどの検査については前記収縮画像9による
ウィンドウが用いられ、ウィンドウ内の黒画素数を計数
してその計数値と基準値とを比較することにより欠けや
へこみの有無が検出できる。
【0008】しかしながら上記のウィンドウを用いた検
査方法では、対象物のほぼ全体がウィンドウ内に含まれ
るため、バリ,突起,欠け,へこみなどの不良箇所が
細であると、黒画素数の計数値に対する不良箇所部分の
画素数の割合も微小となって、前記計数値と基準値との
差異が誤差の範囲内となり、不良品の確実な検出が困難
となる。輪郭部分の微細な不良を精度良く検出するに
は、基準画像の輪郭およびその輪郭線の内外の近傍画素
を含む帯状のウィンドウを設定するのが効果的である
が、特に複雑な形状をとる対象物については、上記のよ
うな帯状のウィンドウを生成するのは、きわめて困難で
ある。
【0009】この発明は上記問題点に着目してなされた
もので、計測処理用のウィンドウとして、基準画像の輪
郭およびその内外の近傍画素より成る帯状のウィンドウ
生成した後、このウィンドウを計測対象の画像に設定
してウィンドウ内に含まれる対象物の画像部分を抽出す
ることにより、高精度の検査を実行できるようにすると
ともに、前記帯状のウィンドウを簡単かつ自動的に生成
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、対象
物を撮像して得られた画像を用いて前記対象物の形状の
良否を判別する画像処理方法において、前記対象物の基
準画像に対し、この画像を所定量だけ膨張する処理と所
定量だけ収縮する処理とを実行して膨張画像と収縮画像
とを生成した後、前記膨張画像の輪郭と収縮画像の輪郭
との間の画像領域を抽出してウィンドウとして設定し、
計測対象の画像に前記ウィンドウを設定してこのウィン
ドウ内に含まれる対象物の画像部分を抽出し、その抽出
結果に基づき対象物の形状の良否を判別することを特徴
とする。また請求項2の発明にかかる画像処理装置は、
対象物を撮像して得られた画像を入力して前記対象物の
形状の良否を判別するものであって、対象物の基準画像
を所定量だけ膨張処理して膨張画像を生成する膨張手段
と、前記基準画像を所定量だけ収縮処理して収縮画像を
生成する収縮手段と、前記膨張画像の輪郭と収縮画像の
輪郭との間の画像領域を抽出してウィンドウとして設定
するウィンドウ生成手段と、計測対象の画像に前記ウィ
ンドウを設定してこのウィンドウ内に含まれる対象物の
画像部分を抽出し、その抽出結果に基づき対象物の形状
の良否を判別する計測手段とを備えている。
【0011】
【作用】計測に先立ち、対象物の基準画像に膨張および
収縮の各処理を施した後、膨張画像の輪郭と収縮画像の
輪郭との間の画像領域を抽出することにより、基準画像
上の対象物の輪郭に沿う帯状のウィンドウを生成する。
その後、計測対象を撮像して得られた画像に前記ウィン
ドウを設定して、ウィンドウ内に含まれる対象物の画像
部分につき面積などを計測し、さらにその計測結果を所
定の基準値と比較するなどして対象物の形状の良否を判
別する。たとえばバリや欠けなどを検査する場合、たと
微細な不良であっても、前記帯状のウィンドウ内にお
いてはその不良部分が大きな割合を占めるので、正常品
に比べてウィンドウ内の計測値に顕著な差が現れ、高精
度の検査を行うことができる。また基準画像を用いて帯
状のウィンドウを自動的に生成できるから、対象物の輪
郭が複雑な場合でも、ウィンドウの生成のために煩雑な
設定操作を行う必要がなく、輪郭部分の不良を検出する
のに適したウィンドウを簡単かつ確実に生成することが
できる。
【0012】
【実施例】図1は、この発明の画像処理装置に実施され
るウィンドウ生成方法の原理を示すもので、計測対象の
良品サンプルを撮像して得られた濃淡画像を2値化処理
した後、その2値画像を基準画像12として膨張および
収縮の各処理を施すことにより、膨張画像13と収縮画
像14とを生成する。ついでこれら膨張画像13と収縮
画像14との排他的論理和(イクスクルーシブオア)を
とることにより前記基準画像12の輪郭に沿う帯状のウ
ィンドウ15を生成するものである。
【0013】図2は、上記ウィンドウ設定方法の具体的
方法を示すもので、同図中、12が前記基準画像として
の2値画像であって、この基準画像12に対し縦横3×
3画素構成のマスク17を設定してラスター走査するこ
とにより膨張および収縮の各処理を実行する。図3は、
このマスク17内の各画素の画素データX0〜X8を示
し、各画素データはたとえばその画素が黒画素であれば
「1」、白画素であれば「0」の値をとる。
【0014】このマスク17によるラスター走査におい
て、膨張処理では、マスク17内に黒画素があれば、着
目画素(この例では中心画素)を黒画素にしてその画素
データX0′として「1」を設定する。また収縮処理で
は、マスク17内に白画素があれば、着目画素(この例
では中心画素)を白画素にしてその画素データX0″と
して「0」を設定する。そして対応する画素の各画素デ
ータX0′,X0″の排他的論理和(イクスクルーシブ
オア)をとることにより基準画像12の輪郭に沿う帯状
のウィンドウ15を生成する。
【0015】図4は、上記ウィンドウ生成方法が実施さ
れた画像処理装置18の一実施例を示している。この実
施例は、対象物を撮像して得られた2値画像を基準画像
12としてハード構成により1画素分だけ膨張および収
縮の各処理を行うとともに排他的論理和の演算処理を行
ってウィンドウ15の生成を行うものである。
【0016】図示例の画像処理装置18は、対象物を撮
像してウィンドウ生成または計測処理のための濃淡画像
を生成するテレビカメラ19と、このテレビカメラ19
より濃淡画像信号を取り込んでウィンドウ生成および計
測処理を実行する画像処理部20とから成るもので、前
記画像処理部20には前処理部21,ウィンドウ生成部
22,制御部23,計測部24,画像メモリ25などが
設けられている。
【0017】前記前処理部21は、A/D変換器26と
2値化回路27とを有し、A/D変換器26はテレビカ
メラ19より入力したアナログ量の濃淡画像信号をディ
ジタル量に変換し、2値化回路27は所定の2値化しき
い値により濃淡画像信号を2値化して2値画像を生成す
る。
【0018】ウィンドウ生成部22は、良品サンプルに
ついての2値画像を基準画像12としてウィンドウ15
の生成を行うためのもので、ゲート28とマスク走査回
路29と膨張回路30と収縮回路31とイクスクルーシ
ブオア回路32(以下「EX.OR回路」という)とウ
ィンドウメモリ33とを含んでいる。
【0019】マスク走査回路29は基準画像12に前記
縦横3×3画素のマスク17を設定してラスター走査す
るためのもので、6個のラッチ回路34〜39と2個の
シフトレジスタ40,41とを含んでおり、このマスク
走査回路29からは前記マスク17内の各画素について
の画素データX0〜X8が膨張回路30と収縮回路31
とに同時出力される。
【0020】前記膨張回路30は基準画像12を1画素
分だけ膨張処理して前記膨張画像13を生成するための
もので、つぎの式に相当する回路構成を含み、膨張処
理結果として中心画素の画素データX0′をEX.OR
回路32へ出力する。なお式中、記号「+」は論理和
演算を意味する。
【0021】
【数1】
【0022】前記収縮回路31は基準画像12を一画素
分だけ収縮処理して前記収縮画像14を生成するための
もので、つぎの式に相当する回路構成を含み、収縮処
理結果として中心画素の画素データX0″をEX.OR
回路32へ出力する。なお式中、記号「*」は論理積
演算を意味する。
【0023】
【数2】
【0024】前記EX.OR回路32は膨張回路30お
よび収縮回路31より対応する画素の各画素データX
0′,X0″を入力して排他的論理和演算を実行するも
ので、これにより前記基準画像12の輪郭に沿う帯状の
ウィンドウ15を生成してウィンドウメモリ33に格納
する。
【0025】前記制御部23は、マイクロコンピュータ
の制御・演算の主体であるCPU42を含み、このCP
U42にバス43を介してROM44,RAM45,I
/Oポート46などが接続される。ROM44にはプロ
グラムが格納され、RAM45は各種データの読み書き
に供される。前記ゲート28はインターフェイス47を
介して前記バス43に接続されており、CPU42はイ
ンターフェイス47よりゲート制御信号を出力して、ウ
ィンドウ生成時にはゲート28を開き、計測処理時には
ゲート28を閉じる。
【0026】画像メモリ25は計測対象を撮像して得ら
れた入力画像(2値画像)を記憶するためのものであ
る。また計測部24はCPU42により前記画像メモリ
25より読み出された2値画像信号と前記ウィンドウメ
モリ33より読み出されたウィンドウ15の構成データ
とを入力し、ウィンドウ15内の画像部分につき面積な
どの特徴量を計測する。その計測値はバス43を介して
CPU42に取り込まれ、CPU42は前記計測値を基
準値と比較することにより対象物の外形などの判別を行
う。
【0027】この図4に示す構成の画像処理装置18に
より、ウィンドウの生成および計測処理を行うには、ま
ず計測処理に先立ち、テレビカメラ19により対象物の
良品サンプルを撮像して濃淡画像を生成し、その濃淡画
像信号を前処理部21を通して基準画像12としての2
値画像を生成する。この基準画像12にかかる2値画像
信号はゲート28を経てマスク走査回路29へ与えら
れ、マスク走査回路29は走査位置毎にマスク17内の
9画素分の画素データX0〜X8を膨張回路30および
収縮回路31へ同時出力して膨張および収縮の各処理を
実行させる。各膨張回路30および収縮回路31の各出
力はEX.OR回路32へ与えられて排他的論理和がと
られ、EX.OR回路32の出力がウィンドウ15の構
成データとしてウィンドウメモリ33に書き込まれる。
【0028】つぎにテレビカメラ19により計測対象を
撮像して濃淡画像を生成し、その濃淡画像信号を前処理
部21で処理し入力画像としての2値画像を生成する。
この入力画像が一旦画像メモリ25に格納された後、C
PU42は画像メモリ25より前記入力画像を読み出
し、一方前記ウィンドウメモリ33よりウィンドウ15
の構成データを読み出すことにより、入力画像に対して
ウィンドウ15を設定し、ウィンドウ15内の画像部分
につき面積などの特徴量を計測する。その計測値はCP
U42に取り込まれ、CPU42は計測値と基準値とを
比較することにより、対象物の外形を判別し、バリや欠
けなどの有無を判定する。
【0029】図5は、この発明の他の実施例にかかる画
像処理装置18の構成を示す。この実施例は、対象物を
撮像して得られた2値画像を基準画像12としてソフト
的に複数の画素分だけ膨張および収縮の各処理を行うと
ともに排他的論理和の演算処理を行ってウィンドウの生
成を行うものである。
【0030】図示例の画像処理装置18は、テレビカメ
ラ50と画像処理部51とから成るもので、前記画像処
理部51はテレビカメラ50より入力したアナログ量の
濃淡画像信号をディジタル量に変換するA/D変換器5
2と、前記A/D変換器52より濃淡画像信号を入力し
て2値化処理する2値化回路53とを含んでいる。
【0031】前記2値化回路53は基準画像12や入力
画像にかかる2値画像信号を画像メモリ54や表示制御
部55へ出力する。前記画像メモリ54は前記2値化回
路53からの2値画像信号を、またウィンドウメモリ5
7は後記する手順で生成されたウィンドウ15の構成デ
ータを、それぞれ画素単位で記憶する。なお他の画像メ
モリ56はウィンドウ生成過程において膨張画像13ま
たは収縮画像14を一時記憶させるのに用いられる。
【0032】前記表示制御部55は濃淡画像信号や2値
画像信号を入力し、いずれかを選択してD/A変換器5
8へ出力し、またD/A変換器58はディジタル量の入
力信号をアナログ量に変換してビデオモニタ60へ出力
する。計測部59は入力画像にかかる2値画像に対しウ
ィンドウ15を設定してウィンドウ15内の画像部分に
つき面積などの特徴量を計測する。
【0033】CPU61は、マイクロコンピュータの制
御・演算の主体であって、このCPU61にバス62を
介してROM63,RAM64,I/Oポート65が接
続される。ROM63にはプログラムが格納され、RA
M64は各種データの読み書きに供されるもので、前記
I/Oポート65には膨張または収縮回数などをキー入
力するための入力装置66が接続されている。
【0034】図6は、前記CPU61によるウィンドウ
15の生成手順を示すもので、以下、同図に従って図5
の実施例の動作を説明する。まず同図のステップ1(図
中「ST1」で示す)において、対象物の良品モデルを
テレビカメラ50で撮像すると、その濃淡画像信号は画
像処理部51に取り込まれてA/D変換された後、2値
化回路53により濃淡画像信号が2値化され、基準画像
12としての2値画像が画像メモリ54に格納される
(ステップ2,3)。
【0035】つぎのステップ4でCPU61は前記画像
メモリ54の基準画像12をウィンドウメモリ57へ転
送させた後、入力装置66より入力された膨張処理の回
数を取り込む(ステップ5)。ついでCPU61はウィ
ンドウメモリ57より基準画像12にかかる2値画像信
号を取り込んで設定回数だけ膨張処理を実行して膨張画
像13を生成し、ウィンドウメモリ57の記憶内容をそ
の膨張画像13に書き換える(ステップ6,7)。
【0036】設定回数だけ膨張処理が実行されると、ス
テップ7の判定が「YES」となり、つぎのステップ8
でCPU61は前記膨張画像13をウィンドウメモリ5
7より他の画像メモリ56へ、続くステップ9で前記基
準画像12を画像メモリ54よりウィンドウメモリ57
へ、それぞれ転送させる。
【0037】つぎのステップ10で入力装置66より収
縮回数を取り込むと、CPU61はウィンドウメモリ5
7より基準画像12にかかる2値画像信号を取り込んで
設定回数だけ収縮処理を実行して収縮画像14を生成
し、ウィンドウメモリ57の記憶内容をその収縮画像1
4に書き換える(ステップ11,12)。
【0038】設定回数だけ収縮処理が実行されると、ス
テップ12の判定が「YES」となり、つぎのステップ
13でCPU61はウィンドウメモリ57より収縮画像
14を、画像メモリ56より膨張画像13を、それぞれ
取り込んで排他的論理和演算を実行し、ウィンドウメモ
リ57の記憶内容を前記演算結果に書き換えてウィンド
ウ15の生成手順を完了する。なおこの実施例では、膨
張回数,収縮回数を任意に設定することができるので、
検出対象となる不良の大きさに応じたウィンドウを生成
することができる。たとえばごく微小のバリや欠けを検
出する場合は、膨張回数,収縮回数を少なくして微小幅
の帯状ウィンドウを生成することにより、ウィンドウに
おける不良部分の占める割合を大きくして検出精度を向
上することができる。またある程度大きな不良部位を検
出する場合は、膨張回数,収縮回数を多く設定して幅の
広いウィンドウを生成することにより、不良部位をウィ
ンドウ内に確実に含むことができる。
【0039】上記の各実施例は、2値画像を基準画像1
2としてウィンドウの生成を行うものであるが、この発
明はこれに限らず、多値画像(濃淡画像)を基準画像と
してウィンドウの生成を行うこともできる。図7はハー
ド的に、また図9はソフト的に、それぞれ多値画像より
ウィンドウを生成するための実施例であって、図7に示
す第3実施例は図4に示した実施例と概略構成が類似
し、また図9に示す第4実施例は図5に示した実施例と
概略構成が類似しており、ここでは対応する構成に同一
符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0040】図7に示す第3実施例では、A/D変換器
26より出力される濃淡画像信号はゲート28を介して
マスク走査回路29へ出力されるもので、このマスク走
査回路29からはマスク17内の各画素についての多値
の画素データx0〜x8が膨張回路30と収縮回路31
とに同時出力される。図8は、このマスク17内の各画
素についての多値の各画素データx0〜x8を示し、各
画素データは濃度に応じて所定の階調の値をとる。
【0041】前記膨張回路30は多値画像である基準画
像を1画素分だけ膨張処理して膨張画像を生成するため
のもので、つぎの式に相当する回路構成を含んでお
り、膨張処理結果としての中心画素の画素データx0´
を演算回路67へ出力する。なお式中、記号「ma
x」は画素データx0〜x8のうちの最大値を意味す
る。
【0042】
【数3】
【0043】前記収縮回路31は多値画像である基準画
像を一画素分だけ収縮処理して収縮画像を生成するため
のもので、つぎの式に相当する回路構成を含み、収縮
処理結果としての中心画素の画素データx0″を演算回
路67へ出力する。なお式中、記号「min」は画素
データx0〜x8のうちの最小値を意味する。
【0044】
【数4】
【0045】前記演算回路67は膨張回路30および収
縮回路31より対応する画素の各画素データx0´,x
0″を入力してつぎの式で示す演算を実行するための
もので、その演算出力yは2値化回路68へ出力され
る。
【0046】
【数5】
【0047】前記2値化回路68は入力データyを所定
の2値化しきい値で2値化して帯状のウィンドウ15の
構成データを生成するもので、このデータをウィンドウ
メモリ33に順次書き込むことによりウィンドウ15が
ウィンドウメモリ33に格納される。
【0048】図9に示す第4実施例では、画像メモリ5
4はA/D変換器52からの濃淡画像信号を、またウィ
ンドウメモリ57は後記する手順で生成されたウィンド
ウ15の構成データを、それぞれ画素単位で記憶する。
他の画像メモリ56はウィンドウ生成過程において多値
の膨張画像または収縮画像を一時記憶させるのに用いら
れる。
【0049】図10は、CPU61によるウィンドウ1
5の生成手順を示すもので、以下、同図に従って図9の
第4実施例の動作を説明する。まず同図のステップ1
(図中「ST1」で示す)において、対象物の良品モデ
ルをテレビカメラ50で撮像すると、その濃淡画像信号
は画像処理部51に取り込まれてA/D変換された後、
基準画像としての濃淡画像が画像メモリ54に格納され
る(ステップ2)。
【0050】つぎのステップ3でCPU61は前記画像
メモリ54の基準画像をウィンドウメモリ57へ転送さ
せた後、入力装置66より入力された膨張処理の回数を
取り込む(ステップ4)。ついでCPU61はウィンド
ウメモリ57より基準画像にかかる濃淡画像信号を取り
込み、設定回数だけ膨張処理を実行して多値の膨張画像
を生成し、ウィンドウメモリ57の記憶内容をその膨張
画像に書き換える(ステップ5,6)。
【0051】設定回数だけ膨張処理が実行されると、ス
テップ6の判定が「YES」となり、つぎのステップ7
でCPU61は前記膨張画像をウィンドウメモリ57よ
り他の画像メモリ56へ、続くステップ8で前記基準画
像を画像メモリ54よりウィンドウメモリ57へ、それ
ぞれ転送させる。
【0052】つぎのステップ9で入力装置66より収縮
回数を取り込むと、CPU61はウィンドウメモリ57
より基準画像にかかる濃淡画像信号を取り込み、設定回
数だけ収縮処理を実行して多値の収縮画像を生成し、ウ
ィンドウメモリ57の記憶内容をその収縮画像に書き換
える(ステップ10,11)。
【0053】設定回数だけ収縮処理が実行されると、ス
テップ11の判定が「YES」となり、つぎのステップ
12でCPU61はウィンドウメモリ57より収縮画像
を、画像メモリ56より膨張画像を、それぞれ取り込ん
で両者の画素データの差の絶対値yを算出した後、その
値yを所定の2値化しきい値で2値化し、ウィンドウメ
モリ57の記憶内容を前記演算結果に書き換えてウィン
ドウ15の生成手順を完了する(ステップ13)
【0054】
【発明の効果】本願発明によれば、対象物の基準画像を
膨張処理および収縮処理し、得られた膨張画像の輪郭と
収縮画像の輪郭との間の画像領域を抽出することによ
り、基準画像の輪郭を含む帯状のウィンドウを自動的に
生成できるから、対象物の輪郭が複雑な場合でも、ウィ
ンドウの生成のために煩雑な設定操作を行う必要がな
く、輪郭部分の不良を検出するのに適したウィンドウを
簡単かつ確実に生成することができる。またこのような
帯状のウィンドウによれば、対象物にバリや欠けなど輪
郭部分の不良がある場合、たとえその不良が微細であっ
てもウィンドウ内において不良部分の占める割合が顕著
になるので、このウィンドウ内に含まれる対象物の画像
部分を抽出して、その抽出結果に基づき対象物の形状の
良否を判別することにより、微細な不良まで精度良く検
出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像処理装置に実施されるウィンド
ウ生成方法の原理を示す説明図である。
【図2】ウィンドウ生成方法の具体的方法を示す説明図
である。
【図3】マスク内の各画素の画素データを示す説明図で
ある。
【図4】この発明の一実施例にかかる画像処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図5】この発明の第2実施例にかかる画像処理装置の
構成を示すブロック図である。
【図6】図5の実施例におけるCPUの制御手順を示す
フローチャートである。
【図7】この発明の第3実施例にかかる画像処理装置の
構成を示すブロック図である。
【図8】マスク内の各画素の画素データを示す説明図で
ある。
【図9】この発明の第4実施例にかかる画像処理装置の
構成を示すブロック図である。
【図10】図9の実施例におけるCPUの制御手順を示
すフローチャートである。
【図11】従来例におけるウィンドウ生成方法を示す説
明図である。
【図12】他の従来例におけるウィンドウ生成方法を示
す説明図である。
【符号の説明】
18 画像処理装置 19,50 テレビカメラ 20,51 画像処理部 30 膨張回路 31 収縮回路 32 EX.OR回路 33,57 ウィンドウメモリ 61 CPU

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物を撮像して得られた画像を用いて
    前記対象物の形状の良否を判別する画像処理方法におい
    て、前記対象物の基準画像に対し、 この画像を所定量だけ膨
    張する処理と所定量だけ収縮する処理とを実行して膨張
    画像と収縮画像とを生成した後、前記膨張画像の輪郭と
    収縮画像の輪郭との間の画像領域を抽出してウィンドウ
    として設定し、 計測対象の画像に前記ウィンドウを設定してこのウィン
    ドウ内に含まれる対象物の画像部分を抽出し、その抽出
    結果に基づき対象物の形状の良否を判別する ことを特徴
    とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 対象物を撮像して得られた画像を入力し
    て前記対象物の形状の良否を判別する画像処理装置にお
    いて、 前記対象物の基準画像 を所定量だけ膨張処理して膨張画
    像を生成する膨張手段と、 前記基準画像を所定量だけ収縮処理して収縮画像を生成
    する収縮手段と、 前記膨張画像の輪郭と収縮画像の輪郭との間の画像領域
    を抽出してウィンドウとして設定するウィンドウ生成手
    段と、計測対象の画像に前記ウィンドウを設定してこのウィン
    ドウ内に含まれる対象物の画像部分を抽出し、その抽出
    結果に基づき対象物の形状の良否を判別する 計測手段と
    を備えて成る画像処理装置。
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