JP2000001387A - 環境保全型家畜排泄物の適正処理施設 - Google Patents

環境保全型家畜排泄物の適正処理施設

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JP2000001387A
JP2000001387A JP16157598A JP16157598A JP2000001387A JP 2000001387 A JP2000001387 A JP 2000001387A JP 16157598 A JP16157598 A JP 16157598A JP 16157598 A JP16157598 A JP 16157598A JP 2000001387 A JP2000001387 A JP 2000001387A
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fermentation
water
fermenter
air
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Kishio Sato
希志男 佐藤
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SATO YOTONJO KK
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 家畜排泄物を取扱い易く安全有用なコンポス
トと清浄処理水に環境保全上適切処理する施設を提供す
る。 【解決手段】 尿汚水浄化処理施設1と家畜糞・固形分
の発酵堆肥化処理施設2からなり、1は原水槽、調整
槽、沈殿槽、膜分離処理を備えたばっき槽、脱水汚泥処
理槽、逆浸透膜処理槽を組合わせてなり、2は発酵槽用
社屋内に上面開口し家畜糞・固形分と脱水汚泥など補助
材との混合物の発酵槽と操作室13に、発酵促進給気系機
構14と脱臭給気系機構15と発酵促進換気機構16と水分調
節機構17と切返し移送装置18とを装備してなり、逆浸透
膜処理槽からの養分溶解濃縮水と必要に応じ回収した清
浄処理水が移送手段により2における水分調節機構の貯
水槽に流入するよう連結し、散水装置により貯水槽に貯
留された養分溶解濃縮水や清浄処理水を発酵堆肥製造施
設の発酵槽内に散水する構成とし、1における脱水汚泥
処理槽の脱水機からの脱水汚泥の2の発酵槽への投入手
段を構成し、発酵槽に投入された脱水汚泥を家畜糞・固
形分と混合発酵分解してコンポスト化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、畜産業から排出する家
畜排泄物は、多くの肥料成分とともに各種の有機成分を
含むため、作物に対する養分供給効果や土壌の物理的、
化学的、生物的性質を改善する効果がある反面、臭気が
強くて取り扱いにくく、衛生的にも問題があり生活環境
を悪化させる虞がある。そのため、田畑への施用の仕方
によっては土壌・作物に障害が出るなど、そのままでは
施用に適さない。そのため環境保全の観点から適切な処
理をしたうえ、取り扱い易く、安全で有用なものに加工
することが要請されている。
【0002】本発明は、このような特性を持つ家畜排泄
物を、取り扱い易く、安全なコンポストと清浄処理水に
変化させ、環境負荷を軽減するとともに、家畜糞尿リサ
イクルシステムを構築し、土づくりの有効な手段として
適切に処理する環境保全型家畜排泄物の適正処理施設を
提供せんとするものである。
【0003】
【従来の技術】地球上で生成された有機質物は、古来よ
り微生物により発酵分解されコンポスト化して土壌を肥
沃にし、この肥沃な土壌は植物を発芽・育成し、微生物
や動物の生命を維持し、植物が枯れたり生物が死ぬと微
生物で発酵分解してコンポスト化する。このような有機
質物の生成還元作用を繰り返しながら地球上の大自然を
創ってきた。つまり、有機質物を微生物で発酵分解し、
コンポスト化する還元作用は、生物に満ちた地球上の自
然環境を生成発展するための最も重要な作用の一つであ
る。
【0004】しかるに、近代社会は、この自然界の有機
質物の生成還元の循環作用を軽視し、急速な工業経済社
会の発展を優先するようになったため、自然環境破壊や
農地の地力低下などの問題が生じはじめた。つまり有機
質物を、人間社会の価値観によって有用な有価物と不要
な廃棄物とに評価分類し、後者の未利用有機質物を生活
環境を害し公衆衛生を悪化させるものとして焼却処分や
埋立て処分などの方法で最終的に廃棄処分するようにな
った。このため、多くの先進諸国では自然環境を生成発
展するために必要な原資となる有機質物が不足し、自然
環境破壊や農地の地力低下をもたらす事態になった。
【0005】このため、先進諸国では、工業だけでなく
農業や畜産業についても環境保全型に変更することが求
められるようになった。特に、畜産業によって生じる家
畜の糞尿についても、生活環境を害し公衆衛生を悪化さ
せるものとして環境保全を考慮した適正処理をするよう
に要請されるようになった。一方、日本では、約半世紀
前に外国より化学肥料農法が紹介されるや、農作業の簡
便化、一時的な収穫の増加、病虫害の有効な駆除効果な
どの利点から化学肥料が瞬く間に普及した。その結果、
農地土壌に有機性肥料や微生物が不足して地力が低下
し、農産物の収量が減り、冷害や病虫害にも弱くなっ
て、農業の未来に不安が生じはじめた。このように環境
保全型農畜産業の要請と、活力の減退している農地の地
力増強に伴う土壌改良策として、有機質物の適量施用の
重要性が見直され、そのために家畜糞尿のコンポスト化
技術や尿汚水の浄化処理技術や悪臭防除技術の開発が望
まれている。
【0006】このようなニーズの高まりから、近年各方
面で家畜排泄物の発酵処理に関する技術の開発がおこな
われている。その開発の方向は、家畜糞尿を急速に発酵
分解するための強力な菌の開発や組み合わせ菌の開発な
ど、効率性を重視した技術の開発で、処理に伴って発生
する悪臭や汚水の放流など環境保全に関する配慮が足り
ないものであった。
【0007】また、本における有機質物の発酵分解処理
は、産業廃棄物の中間処理と位置づけられ、最終的に
は、埋め立て処分または焼却処分をすることとされてき
た。このため、家畜排泄物を乾燥させて堆肥化したり、
臭気を除き、生活環境を害さない程度に発酵分解させれ
ばよく、完熟させなくても良いとされてきた。つまり、
従来の堆肥化処理施設の設計基準は、廃棄物を最終処分
を前提とした中間処理するための施設とされてきた。そ
の結果、分解発酵処理が不充分で肥料としてもそのまま
では問題があるうえ、処理施設の稼動によって二次的に
環境を壊す物質を発生させたり、処理過程で悪臭公害を
起こしたりメタンガスやダイオキシン等の有害ガスを発
生させたりすることも多い。つまり、従来の家畜排泄物
の処理法は、単に環境破壊を目立たなくする程度であ
り、悪臭を除去する処理も不完全なので、環境保全の観
点からみると不充分なものであった。本発明は、この点
を改良し、より環境保全の観点にたって、家畜排泄物を
安全で最終処分が必要なくなる程度に浄化したり、完熟
したコンポストにするとともに、発酵前に発する悪臭や
発酵分解処理過程において生じる臭気の除去にも充分配
慮した施設にしようとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】糞尿等の家畜排泄物
は、汚濁負荷量が高い、汚濁物質濃度が高い、生
物的処理に向いている、窒素濃度が高い、臭気が高
いといった特徴があり、植物性残渣や、食物残渣など他
の有機質物より取り扱いにくく、環境保全を考慮しなが
ら発酵分解処理することは技術的に難しい。つまり、家
畜の糞や尿は、
【0009】汚濁負荷量が高い。 家畜1頭が、1日に排出する汚濁物質の量が多い。表1
に示すように、豚や牛の汚濁負荷量は、非常に高い。特
に豚の場合には、同じ体重の成人と比較して1日当たり
の排出量で3.6倍、BOD(生物化学的酸素要求量)
で10倍という膨大な汚濁負荷量がある。
【0010】汚濁物質濃度が高い。 一般に下水のBOD濃度が300mg/l前後であるの
に対し、家畜尿汚水は数千mg/lと高い。このこと
は、表1に示すように豚の尿だけでもBODが5000
mg/lとなり、糞と尿の混合液では24000mg/
lにもなる。
【0011】生物的処理に向いている。 家畜糞尿は、COD(化学的酸素要求量)やTOC(全
有機炭素量)に対するBODの割合が高い。BODが高
いということは、生物的に酸化分解される物質が多いこ
とだから、生物的処理に適した排水である。
【0012】窒素濃度が高い。 一般浄化処理に適した排水の組成が、BOD:N=10
0:5であるのに対して、家畜尿汚水の組成は、BO
D:N=100:20〜100:40となっている。こ
のように窒素濃度が高い尿汚水は浄化処理が困難であ
る。
【0013】臭気が強い。 家畜糞尿はその悪臭成分であるアンモニア、硫化水素、
揮発性脂肪酸が多い。このような悪臭成分は、嫌気状態
のところでは悪臭が強く、好気状態では悪臭成分の酸化
分解が進み、悪臭が防除される。
【0014】以上のような特徴を有する家畜糞尿は、そ
の主要成分である有機質物を好気性微生物により発酵分
解し、安全で安定しており、取り扱い易く、有用なコン
ポストにすることが、自然環境保全のためにも、農業発
展のためにも望ましい。また尿汚水は、生物的処理と化
学的処理を組み合わせることにより、無害な清浄処理水
にすることが望ましい。
【0015】本発明者は、そのような要請に応える環境
保全型家畜排泄物の適正処理施設を開発する基本的方針
として、基本的には家畜排泄物を尿、汚水と家畜糞・固
形分とに固液分離して、尿汚水は液体処理施設で処理し
て清浄処理水となし、糞・固形物は発酵堆肥化処理施設
で処理することによりコンポスト化することとした。同
時に液体処理施設により生成される余剰活性汚泥や養分
溶解濃縮水を発酵堆肥化処理施設に移送して発酵分解処
理することとした。これによって本環境保全型家畜排泄
物の適正処理施設は、負荷の大きい家畜排泄物を、安全
で、取り扱い易く、安定したコンポストと清浄処理水に
せんとするものである。
【0016】このように家畜排泄物を発酵処理してコン
ポストと清浄処理水にするための技術課題は、家畜排泄
物にいかにうまく微生物類を繁殖させ、発酵分解活動を
活性化するかにかかっている。当該微生物類を盛んに繁
殖させ活性化する条件は、栄養分のある有機質物(繁殖
媒体)の存在と、微生物類の存在に加えて、適正な温
度、適正な水分、酸素を含んだ新鮮な空気が必要であ
る。しかるに、繁殖媒体の有機質物は、その種類によっ
て、そのときの成分状態により、その処理を行う土地の
土質条件や気候条件により、その他の環境条件により微
生物類の活性化と繁殖状態が大きく変わるうえ、発酵処
理の初期、中期、終期によっても逐次好適な発酵条件が
変化するので、常に安定して発酵分解させ、効率的に完
熟したコンポストにするのは、技術的に大変難しい。
【0017】本考案者は、長年の養豚業の経験を生か
し、豚の糞尿処理をいかにして発酵分解してコンポスト
化と清浄処理水化するかを目指して研究開発を進め、実
験を繰り返して豚の糞尿処理を効率的に発酵分解処理し
て、短期間に完熟したコンポストと清浄処理水にする施
設を具現化したものである。
【0018】その基本的思想は、地球上の自然環境の循
環生成発展活動における微生物の役割と有機質物の発
酵、分解作用の威力に着目し、地球上の生物が存在する
あらゆる地域には、その地域環境に適したバクテリア菌
などの微生物群が必ず存在していることから、微生物類
を人工的に用意しなくても発酵槽内に微生物が好む環境
と条件を整えさえすれば、自然に好気性発酵菌や好熱性
発酵菌等の微生物が集まり、それが自然に活性化して、
家畜排泄物を効率よく発酵分解し、コンポスト化した
り、水を浄化したりすることが可能であるとの考え方で
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】特許を受けようとする第
1発明は、尿汚水浄化処理施設尿と家畜糞・固形分の発
酵堆肥化処理施設とからなる。当該尿汚水浄化処理施設
は、原水槽と、調整槽と、沈殿槽と、膜分離処理部を備
えたばっき槽と、脱水汚泥処理槽と、逆浸透膜処理槽と
を、順次が組み合わせてなる施設である。
【0020】そして、前記原水槽は、尿汚水の原水を貯
留し得る槽体内にブロワーと散気管とからなり必要空気
を供給するばっき装置と、原水を汲み上げて混入してい
る固形雑物を篩いにより除去し調整槽に移送するスクリ
ーン除去装置とを備えた構成である。また、前記調整槽
は、固形雑物を除去した尿・汚水を貯留し得る槽体内に
必要空気を供給するばっき装置を備え、前記固形雑物を
除去した尿汚水を所定量づつ沈殿槽に移送するポンプを
備えるように構成する。また、原水槽の上面を覆うよう
に臭気吸着材収納部を設け、原水槽の原水槽内の悪臭を
有する空気は当該臭気吸着材収納部を通って大気中に放
出し得るようにして脱臭するようにした脱臭装置を備え
た構成にする。
【0021】また、前記沈殿槽は、固形雑物を除去した
尿汚水を貯留し得る槽体内にセンターウエルと越流堰と
を設け、所定時間貯留することにより沈殿した活性汚泥
と上澄み尿汚水とに分離させるように構成するととも
に、底部に設けた汚泥ポンプにより沈殿した活性汚泥を
ばっき槽に移送し得るように構成する。
【0022】更に、前記ばっき槽は、上澄み尿汚水を貯
留し得る槽体内に、必要空気を供給するばっき装置を装
備し、尿汚水中の汚濁物質を活性汚泥中の微生物によっ
て分解浄化して沈殿する活性汚泥と上澄み浄化水とに分
離できるように構成するとともに、当該ばっき槽内の上
澄み浄化水のある上部に中空糸膜分離装置を備えて吸引
ポンプにより上澄み浄化水を吸引通過させることにより
生物化学的酸素要求物(BOD)や浮遊物質または懸濁
物質(SS)を膜分離し、分離処理水を処理水受槽に移
送する膜分離処理部を装備し、更に、当該ばっき槽内の
底部には沈殿する余剰活性汚泥を汚泥ポンプにより汚泥
槽に移送し得るように構成する。
【0023】更に、前記脱水汚泥処理槽は、余剰汚泥ポ
ンプにより移送された活性汚泥を貯留し得る槽体と、そ
の槽体内に必要空気を供給するばっき装置を装備した汚
泥槽と、当該汚泥槽内の活性汚泥を脱水して脱水汚泥ケ
ーキにする脱水機を装備するように構成する。更にま
た、前記逆浸透膜処理槽は、膜分離処理部から移送され
た膜分離処理水を貯留する処理水受槽と、当該処理水受
槽内に精密濾過膜装置と逆浸透膜分離装置を内装し、膜
分離処理水を精密濾過膜処理したうえ逆浸透膜処理によ
り清浄処理水と養分溶解濃縮水に分離し、養分溶解濃縮
水を回収して発酵槽に移送するとともに、必要に応じて
清浄処理水を回収して発酵槽に移送し、余剰清浄処理水
は、放流し得るように構成したことを特徴とする施設で
ある。
【0024】他方、家畜糞・固形分の発酵堆肥化処理施
設は、発酵槽用社屋内に、上面が開口し家畜糞・固形分
と補助材等を混合した発酵処理物を収納出来るように形
成した発酵槽と操作室に、発酵促進給気系機構と脱臭給
気系機構と発酵促進換気機構と水分調節機構と切返し移
送装置とを装備し組み合わせてなる施設である。
【0025】そして、当該発酵槽は、その深さを2m5
0cm以内とし、その基端部の投入口から先端部の取出
口までの長さを、発酵処理物が断続的に移動しながら発
酵の開始からコンポスト化するまでの各段階が連続展開
し得る長さにし、その発酵槽の基端部には、当該発酵槽
と隣接するように操作室を設けるとともに、発酵槽の左
右両側部および隣接して発酵槽が併設されている場合に
はその境界部に当該側壁に沿って空室を形成して、その
空室の少なくとも一を貯水槽とし、他の空室を給気管な
どの配管通路や大気を操作室に吸い込む吸入通路となる
ように構成する。
【0026】次に、前記吸入通路の先端部近傍に大気取
入口部を設けるとともに、吸入通路の発酵槽側の側壁に
吸入通路内に向けて突出する放熱板を設け、大気取入口
部より吸入された大気が吸入通路内を通って操作室に入
るまでの間に、発酵槽内の発酵熱が放熱板を介して熱交
換して大気を予備加熱するように構成し、当該発酵促進
給気系機構は、操作室にブロワーを備えるとともに当該
ブロワーから延出する給気管を発酵槽内の底面部に配設
してあり、当該ブロワーで予備加熱された操作室内の自
然界の微生物と酵素などの含有する大気中の空気を吸入
し、圧縮して温度を30〜40℃に高めながら給気管内
に送り、当該給気管の吹出し孔から温風として発酵槽内
に噴出供給して発酵処理物内を温かな空気が底部より上
部開口に向けて通気するように構成する。
【0027】また、当該脱臭給気系機構は、操作室に送
風機を設け、その送風機の一方には通気管を延出し、そ
の先方を発酵槽用社屋内の発酵槽の開口部上方に配し、
当該開口部上方に配した通気管部分には吸入口を開口し
て臭気吸入部となし、当該送風機の他方には送風管を延
出し、その先方に送風孔を穿設した送風管を発酵槽内の
底面部に配管して底部送風部となし、送風機を駆動する
ことにより発酵槽の開口部上方4に配した臭気吸入部の
吸入口から臭気のある空気を吸入し、これを底部送風部
の送風管を介して送風してこれを発酵槽内の底部の送風
孔より吹き出し発酵処理物内を通気させて脱臭するよう
に構成する。
【0028】また、当該発酵促進換気機構は、発酵槽用
社屋内の上面が開口した発酵槽の中間部位置の開口上方
に換気ファンを配設し、発酵槽内に収納した発酵処理物
の表面に風を送り、当該表面の水分の乾燥を促進するよ
うに構成する。
【0029】次に、当該水分調節機構は、発酵槽用社屋
内に上面が開口した発酵槽の側壁外側に貯水槽を設けて
おき、取水口を有するポンプと、当該ポンプから延出し
た給水管の先端部に散水部を設けてなる散水装置を、当
該散水部が発酵槽の中間部位置の開口上方に配されるよ
うに装備しておき、当該散水部により発酵槽内に収納し
た発酵処理物の表面に貯水槽内の水や溶液を散水し、当
該発酵処理物の水分を調整し得るように構成する。
【0030】更に、当該切返し移送装置は、発酵槽の左
右両縁部に沿って走行しながら発酵槽に収納されている
発酵処理物を基端部から先端部方向に順次移送しながら
切返しを行うように構成したことを特徴とする施設であ
る。
【0031】次に、前記尿汚水浄化処理施設における逆
浸透膜処理槽で回収した養分溶解濃縮水と必要に応じて
回収した清浄処理水が移送手段により家畜糞・固形分の
発酵堆肥製造施設における水分調節機構の貯水槽に流入
し得るように連結構成し、前記散水装置を作動すること
により貯水槽に貯留された養分溶解濃縮水や清浄処理水
を発酵堆肥製造施設の発酵槽内に散水し得るように構成
するとともに、尿汚水浄化処理施設における脱水汚泥処
理槽の脱水機で生成された脱水汚泥ケーキが、家畜糞・
固形分の発酵堆肥製造施設の発酵槽に投入できるように
投入手段を構成する。
【0032】そして、当該投入手段により発酵槽に投入
された脱水汚泥ケーキは補助材の一種として発酵処理物
である家畜糞・固形分と混合して一緒に発酵分解してコ
ンポスト化できるようにする。このようにして、家畜排
泄物が環境保全に有用なコンポストと清浄処理水として
回収したり、放流したりできるようにしたことを特徴と
する環境保全型家畜排泄物の適正処理施設である。
【0033】特許を受けようとする第2発明は、原水槽
と、調整槽と、沈殿槽と、膜分離処理部を備えたばっき
槽と、脱水汚泥処理槽と、逆浸透膜処理槽とを、順次が
組み合わせてなる施設であって、前記原水槽は、尿汚水
の原水を貯留し得る槽体内にブロワーと散気管とからな
り必要空気を供給するばっき装置と、原水を汲み上げて
混入している固形雑物を篩いにより除去し調整槽に移送
するスクリーン除去装置と、原水槽の上面を覆うように
臭気吸着材収納部を設け、原水槽の原水槽内の悪臭を有
する空気は当該臭気吸着材収納部を通って大気中に放出
し得るようにして脱臭するようにした脱臭装置を備えた
構成にし、前記調整槽は、槽体内に必要空気を供給する
ばっき装置を備え、前記固形雑物を除去した尿汚水を所
定量づつ沈殿槽に移送するポンプを備えた構成にし、前
記沈殿槽は、固形雑物を除去した尿汚水を貯留し得るセ
ンターウエルと越流堰とからなり、所定時間滞留して沈
殿した活性汚泥と上澄み尿汚水とに分離させるように構
成するとともに、底部に設けた汚泥ポンプにより沈殿し
た活性汚泥をばっき槽に移送し得るように構成してお
き、前記ばっき槽は、上澄み尿汚水を貯留し得る槽体内
に、必要空気を供給するばっき装置を装備し、運転する
ことにより尿汚水中の汚濁物質を活性汚泥中の微生物に
よって分解浄化して沈殿する活性汚泥と上澄み浄化水と
に分離できるように構成するとともに、当該ばっき槽内
の上澄み浄化水のある上部に中空糸膜分離装置を設け、
吸引ポンプにより上澄み浄化水を吸引通過させることに
より生物化学的酸素要求物(BOD)や浮遊物質または
懸濁物質(SS)を膜分離し分離処理水を処理水受槽に
移送する膜分離処理部を装備し、更に、当該ばっき槽内
の底部には沈殿する余剰活性汚泥を汚泥ポンプにより汚
泥槽に移送し得るように構成し、前記脱水汚泥処理槽
は、余剰汚泥ポンプの先に、移送された活性汚泥を貯留
し得る槽体と、その槽体内に必要空気を供給するばっき
装置を装備した汚泥槽と、当該汚泥槽内の活性汚泥を脱
水して脱水汚泥ケーキにする脱水機を装備するように構
成しておき、前記逆浸透膜処理槽は、膜分離処理部の先
に、移送された膜分離処理水を貯留する処理水受槽と、
当該処理水受槽内に精密濾過膜装置と逆浸透膜処理装置
を内装し、膜分離処理水を精密濾過膜処理したうえ逆浸
透膜処理することにより清浄処理水と養分溶解濃縮水に
分離し、養分溶解濃縮水を回収するとともに、必要に応
じて清浄処理水を回収したり、または放流し得るように
構成したことを特徴とする尿汚水浄化処理施設である。
【0034】
【実施例】以下、本発明に係る環境保全型家畜排泄物の
適正処理施設について、図示実施例に基づいて詳細に説
明する。
【0035】図1は、本発明に係る環境保全型家畜排泄
物の適正処理施設の全体構成と適正処理の概略を示す説
明図であり、図2は、本発明を構成する尿汚水浄化処理
施設の基本構成とその処理フローを示す説明図である。
【0036】本発明に係る環境保全型家畜排泄物の適正
処理施設は、図1に示すように、基本的に尿汚水浄化処
理施設尿1と家畜糞・固形分の発酵堆肥化処理施設2と
の二施設から構成されている。
【0037】まず前者の尿汚水浄化処理施設1の構成に
ついて、詳細に説明する。当該尿汚水浄化処理施設1
は、図2に示すように、原水槽3と、調整槽4と、沈殿
槽5と、膜分離処理部6を備えたばっき槽7と、脱水汚
泥処理槽8と、逆浸透膜処理部9とを、順次が組み合わ
せてなる施設である。
【0038】前記原水槽3は、尿汚水の原水を貯留し得
る槽体3a内にブロワー3bと散気管3cとからなるば
っき装置3dと、ポンプ3eで原水を汲み上げてスクリ
ーン除去装置3fに供給し原水中に混入している固形雑
物3gを篩いにより除去し調整槽4に移送するスクリー
ン除去装置3fとを備えるとともに、原水槽3の上面を
覆うように臭気吸着材収納部3hを設け、原水槽3内の
悪臭を有する空気は当該臭気吸着材収納部3hを通って
大気中に放出し得るようにして脱臭するようにした脱臭
装置3iとを備えた構成にする。当該原水槽3の必要容
量は日量以上とし、ばっき装置3dが供給する必要空気
量は1m3 /minとした。また、スクリーン除去装置
3gによる除去率はBODで20%、SSで30%であ
った。尚、尿汚水の場合ばっき処理が始まると悪臭成分
は酸化分解されて、悪臭が急激に減少するが、原水のま
まが最も臭気が強いので、原水槽3から発する悪臭が環
境に最も大きな影響を与える悪臭源となる。そこで、原
水槽3の上面開口部を臭気吸着材収納部3hで覆い、原
水槽3内の悪臭を有する空気が、そのまま大気中に放出
されないようにした。本実施例では、臭気吸着材として
おがくずを積層状に収納して臭気吸着材収納部3hとし
た。原水槽3内に原水が投入され、原水槽3内の余剰空
気が外部に放出される場合には、その悪臭を有する余剰
空気が臭気吸着材収納部3hを通って大気中に放出し得
るようにし、臭気吸着材収納部3hを通気中に臭気成分
が吸着して除臭された空気となって大気中に放出される
ようにしたものである。
【0039】前記調整槽4は、固形雑物3fを除去した
尿・汚水を貯留し得る槽体4a内に必要空気を供給する
ばっき装置4bを備えるとともに、ポンプ4cを備え前
記固形雑物3fを除去した尿汚水を計量槽4dで測定し
所定量づつ沈殿槽5に移送するように構成する。尚、当
該ばっき装置4bは、槽体4a内にブロワーと散気管と
から構成されており、当該ばっき装置4bが供給する必
要空気量は1m3 /minとした。
【0040】前記沈殿槽5は、固形雑物を除去した尿汚
水を貯留し得る槽体5aにセンターウエル5bと越流堰
5cとを設けてあり、センターウエル5bに所定時間
(12時間)滞留することにより沈殿した活性汚泥と上
澄み尿汚水とに分離させ、上澄み尿汚水は越流堰5cを
越流してばっき槽6に移送し得るように構成する。同時
に、センターウエル5bの底部に汚泥ポンプ5dを設
け、底部に沈殿した活性汚泥を脱水汚泥処理槽8に移送
し得るように構成する。当該沈殿槽5の除去率はBOD
が10%、SSが50%であった。
【0041】前記ばっき槽7は、上澄み尿汚水を貯留し
得る槽体7a内に、必要空気を供給するばっき装置7b
を装備し、尿汚水中の汚濁物質を活性汚泥中の微生物に
よって分解浄化して沈殿する活性汚泥と上澄み浄化水と
に分離できるように構成する。その上で当該ばっき槽7
内の上澄み浄化水のある上部に中空糸膜分離装置6aを
設け、吸引ポンプ6bにより上澄み浄化水が中空糸膜分
離装置6aを吸引通過するように構成して膜分離処理部
6となす。当該ばっき装置7bは、ブロワーと大型の散
気管と消泡ポンプとからなり、その必要空気量は2m3
/minとし、容積負荷が0.8kgBOD/m3 ・日
以下とした。更に、当該ばっき槽7内の底部には余剰汚
泥ポンプ7cを設け底部に沈殿する余剰活性汚泥を脱水
汚泥処理槽8に移送し得るように構成する。
【0042】前記膜分離処理部6では、中空糸膜分離装
置6aにより、生物化学的酸素要求物(BOD)や浮遊
物質または懸濁物質(SS)を膜分離し、膜分離処理水
だけを逆浸透膜処理部9に移送する。当該中空糸膜分離
装置6aは、平均フラックスは0.12m/Dで所要膜
面積は500m2 で、その除去率は99%以上、SSも
99%以上である。この時点で、分離処理水のBODは
20mg/l以下、SSは10mg/l以下になってい
る。豚の尿の処理実施例における処理水質はSSが5m
g/l以下であった。
【0043】前記脱水汚泥処理槽8は、汚泥ポンプ5d
や余剰汚泥ポンプ7cにより移送された活性汚泥を貯留
し得る汚泥槽8aと、その汚泥槽8a内に必要空気を供
給するばっき装置8bを装備するとともに、当該汚泥槽
8a内の活性汚泥を脱水して脱水汚泥ケーキ8cにする
脱水機8dを装備するように構成する。
【0044】前記逆浸透膜処理部9は、膜分離処理部6
から移送された膜分離処理水を濾過して懸濁物質を除去
する精密濾過膜装置9aと脱塩を行う逆浸透膜装置9b
と図示しない逆洗浄排水槽と空気圧縮設備とから構成さ
れている。当該逆浸透膜処理部9では、膜分離処理水を
精密濾過膜処理したうえ前浸透膜処理により清浄処理水
9dと養分溶解濃縮水9cに分離し、養分溶解濃縮水9
cを回収して発酵槽12に移送するようにし、他方、清
浄処理水9dは一度処理水槽10に回収し、発酵槽12
に移送するとともに、余剰清浄処理水9dは放流し得る
ように構成したことを特徴とする施設である。
【0045】実施例では、本発明の尿汚水浄化処理施設
1を用いて豚の尿汚水の浄化処理を行ったところ、処理
後の清浄処理水9dの水質は、次の通り非常にきれいな
ものになった。
【0046】
【表1】
【0047】次に、後者の家畜糞・固形分の発酵堆肥化
処理施設2について、図示実施例に基づいて詳細に説明
する。本発明を構成する家畜糞・固形分の発酵堆肥化処
理施設2は、図3に示すように発酵槽用社屋11内に、
上面が開口し発酵処理物Aを収納出来るように形成した
発酵槽12と基端部の操作室13と先端部の取出し部1
9が装備されており、更に当該発酵槽12と操作室13
に、発酵促進給気系機構14と脱臭給気系機構15と発
酵促進換気機構16と水分調節機構17と切返し移送装
置18とを装備したものである。
【0048】図3は、本発明を構成する家畜糞・固形分
等の発酵堆肥化処理施設2の実施例を示す縦断説明図で
あり、図4は、本発明を構成する家畜糞・固形分等の発
酵堆肥化処理施設2の実施例における発酵槽用社屋11
の基本構造を示す斜視説明図であり、図5は、本発明に
係る家畜糞・固形分等の発酵堆肥化処理施設2の実施例
における発酵槽用社屋11内に装備された発酵槽12と
操作室13と取出し部19を示す平面図であり、図6
は、前記実施例における発酵槽12と操作室13と取出
し部19に発酵促進給気系機構14を配設した状態を示
す平面説明図であり、図7は、前記実施例における発酵
槽12と操作室13と取出し部19に脱臭給気系機構1
5を配設した状態を示す平面説明図であり、図8は、前
記実施例における発酵槽12と操作室13と取出し部1
9に発酵促進換気機構14を配設した状態を示す平面説
明図であり、図9は、前記実施例における発酵槽12と
操作室13と取出し部19に水分調節機構17を配設し
た状態を示す平面説明図である。
【0049】上面が開口した発酵槽12は、その深さを
2m50cm以内とし、その基端部の投入口から先端部
の取出口までの長さを85mとした。当該発酵槽12の
深さを2m50cm以内としたのは、家畜糞・固形分で
ある発酵処理物Aの深さが2m50cm以上になると、
積重なった発酵処理物Aの重さにより内圧が変わり、発
酵分解しようとするバクテリアや土壌菌などの細菌類が
活性化しにくくなるためである。またその長さを85m
としたのは、発酵処理物Aが断続的に移動しながら発酵
の開始からコンポスト化するまでの各段階が連続展開し
得る長さに構成したもので、図示実施例では、後述する
切返し移送装置18で、一回1m70cmづつ移送する
構成にし、1日2回切り返しを行い、25日間で完熟し
たコンポストにするとの設計に基づき、その長さを85
mとしたのである。
【0050】図4、図5に示すように、当該発酵槽12
の基端部には、当該発酵槽12と隣接するように操作室
13を設けるとともに、発酵槽12の左右両側部には、
当該側壁に沿って空室を形成して、その空室の少なくと
も一を貯水槽20とし、他の空室を給気管などの配管通
路21aや大気を熱交換しながら操作室に吸い込む吸入
通路21bなどの補助通路21となす。
【0051】更に、図5〜図9に示すように発酵槽12
が三槽の場合には、左右両側部の空室を貯水槽20,2
0となし、真ん中の発酵槽12に一方の隣接側部の空室
を配管通路21aとなし、他方の隣接側部の空室を吸入
通路21bとなす。なお、図中22は、吸入通路21b
に外気を取入れる取入れ口である。
【0052】図4に示す発酵槽用社屋11は、前記発酵
槽12(長さ85m)三槽と、その基端部の操作室13
(長さ6m)と先端部の取出し部19(長さ9m)が社
屋11内に装備できるようにその長さを100mに建設
した。
【0053】図示実施例の本発明に係る家畜糞・固形分
等の発酵堆肥化処理施設は、図3乃至図13に示すよう
に、発酵槽用社屋11内に内装されている発酵槽12と
操作室13とには、発酵促進給気系機構14と脱臭給気
系機構15と発酵促進換気機構16と水分調節機構17
と切返し移送装置18とを装備してある。
【0054】当該発酵促進給気系機構14は、図5,図
6に示すように、操作室13にブロワー23を備えると
ともに当該ブロワー23から延出する給気管24を発酵
槽12内の底面部に配設してある。当該ブロワー23で
自然界の微生物と酵素などの含有する大気中の空気を吸
入し、ブロワー23で圧縮して温度を高めながら給気管
24内に送り、図11に示すように、該給気管24の吹
出し孔25,25,…から温風として発酵槽12内に噴
出供給して発酵処理物A内を温かな空気が底部より上部
開口に向けて通気するように構成している。
【0055】図10に示すように、当該ブロワー23
は、エアーフィルターの付いた吸込サイレンサ23aか
ら自然界の微生物と酵素などの含有する大気中の空気を
吸入しモーター23cにて駆動するブロワー本体23b
により圧縮されて空気の温度が30〜40℃に高まり、
給気管24の基幹部24aに送られる。当該基幹部24
aは、図6に示すように基端部の操作室13から配管通
路11aを介してその中を先端部まで延出配管されてお
り、その基幹部24aの6ケ所から支管24bが発酵槽
12内の底部に伸び、それが更に複数本に分技した給気
細管24c,24c,24cとなって配管され6ブロッ
ク24Xを形成している。配管通路21aの基幹部24
aより発酵槽12内の底部に延びた支管24bと給気細
管24c,24c,24cの構成は、図6、図10、図
11に示すように、発酵槽12内の底部の所定の領域全
体にほぼ均一となるように配管されており、その先端部
は、配管通路21aにまで延出し、その先端部には着脱
自在な蓋体24dが装着されている。これは、当該先端
部の蓋体24dを取り除いて、給気細管24c,24
c,24c内に掃除器を挿入し、管内を掃除したり、詰
まりを解消するためのものである。また、当該給気細管
24c,24c,24cには、吹出し孔25,25,…
が穿設されており、その外側を断面形状が半円形状で長
尺な通気性のあるカバー体26,26,26が、被覆さ
れている。そのように構成されている当該支管24bと
それから分技した給気細管24c,24c,24cとで
一つの給気ブロック24Xが構成されている。そして給
気管24の基幹部24aには、このような給気ブロック
24Xが6組、所定の間隔をもって配管構成されている
のである。
【0056】また、当該脱臭給気系機構15は、図3、
図7、図10、図11、図12、図13に示すように、
操作室13に送風機27を設け、その送風機27の一方
には通気管28を延出し、その先方を発酵槽用社屋11
内の発酵槽12の開口部上方に配し、当該開口部上方に
配した通気管28部分には吸入口を開口して臭気吸入部
28aとなし、当該送風機27の他方には3本の送風管
29,29,29を延出し、その先方に送風孔29a,
29a,29a、…を穿設したうえ、発酵槽12内の底
面部に配管して底部送風部となす。そして、送風機27
を駆動することにより発酵槽12の開口部上方に配した
臭気吸入部28aの吸入口から臭気のある空気を吸入
し、これを底部送風部の送風管29を介して送風し,こ
れを発酵槽12内の底部にある送風孔29a,29a,
29a、…より吹き出し発酵処理物A内を通気させて脱
臭するように構成する。
【0057】図12は、当該発酵促進給気系機構14と
脱臭給気系機構15を配管装備した発酵槽12の断面図
であり、図13は、発酵槽12が三槽ある発酵堆肥化処
理施設の実施例を示す縦断側面図であり、図11は、発
酵槽12内の底面部に配管した支管24bとそれから分
技した給気細管24c,24c,24cとで構成される
給気ブロック24Xと、発酵槽12内の底面部に送風管
29,29,29を配管して構成された底部送風部の状
態を示す要部縦断斜視図である。図11に示すように、
発酵槽12の底面部に溝部13a,13aを穿設した構
造にした。そして、当該溝部12a,12aの底部に
は、送風管29が配管されており、その他の発酵槽12
の底面部には、支管24bとそれから分技した給気細管
24c,24c,24cが配管されている。それらの溝
部12a,12aと発酵槽12の底面部と、そこに配管
されている送風管29、支管24b、給気細管24c,
24c,24cなどの周囲に砂利石31を投入し、これ
らが埋め込まれるように敷き詰めた。当該敷き詰めた砂
利石31の上には籾殻32を積層した上で、家畜糞・固
形分である発酵処理物Aを発酵槽12内に投入するので
ある。
【0058】発酵槽12の底部を上記のように構成する
理由は、当該送風管29、支管24b、給気細管24
c,24c,24cなどの周囲に砂利石31を敷き詰め
たり籾殻32が積層されていても石と石の間や、籾殻3
1と籾殻32との間にすこしづつ透き間があり、通気性
が確保されているからである。その結果、砂利石31に
埋れた送風管29や給気細管24c,24c,24cか
ら空気が吹き出されたり送風されたりしても通気性が確
保されているので、上層部にある発酵処理物A内に底部
全面から均一に且つ確実に通気することが出来るからで
ある。尚、砂利石31は保温性がよく、発酵処理物A内
へ供給する温風の温度の確保と、温まった発酵処理物A
の温度低下を防ぐ効果があるので、微生物を活性化する
のに好ましい環境を維持する経費を軽減する効果があ
る。
【0059】また、砂利石31の上に籾殻32を積層し
たのは、後述する切返し移送装置17を運転した際、底
部に敷き詰めた砂利石31と接触して傷付かないように
するための緩衝材として機能させるためでもある。当該
籾殻32は、通気性と適度の弾力性とを有しながら、投
入されている発酵処理物Aの重さにも耐える強度を持っ
ているうえ、有機物であっても腐敗しにくい性質をもっ
ているので、緩衝材として好適である。
【0060】しかも、実施例では、30〜40℃に温め
られた空気を吹き出させる給気細管24c,24c,2
4cと、発酵槽2上部の大気と同じ温度の空気を吹出す
送風管29が配管されており、砂利石31と籾殻32を
介して多量の空気を発酵槽12内に供給するように構成
している。このようにすると、数センチメートルの厚さ
に敷き詰められた領域の籾殻は長期間(数年間)腐敗し
たり分解したりせず、通気性、弾力性を維持した緩衝材
としての機能を果たす。その理由は、空気の流速が所定
以上になると、極小さい微生物類にとっては吹き飛ばさ
れてしまって籾殻に付着していられないし、例え付着で
きたとしても極小さい微生物類にとっての生活環境が悪
くてほとんど活動が出来なくなったり、死滅するためと
思われる。つまり微生物類は、環境条件がよければ急速
に繁殖し、活性化して盛んに発酵分解作用を行うが、環
境が悪化すればたちまち失活し発酵分解作用を停止する
のである。
【0061】次に、当該発酵促進換気機構6は、図3,
図8に示すように発酵槽用社屋11内の上面が開口した
発酵槽12の中間部位置の開口上方にインバーター付き
の換気ファン33,33,…を配設し、発酵槽2内に収
納した発酵処理物Aの表面に風を送り、当該表面の水分
の乾燥を促すように構成する。
【0062】更に、当該水分調節機構17は、図3,図
9に示すように発酵槽用社屋11内に上面が開口した発
酵槽12の側壁外側に貯水槽20を設けておき、取水口
を有するポンプ34aと、当該ポンプ34aから延出し
た給水管34bの先端部に散水部34cを設けてなる散
水装置34,34,34を、当該散水部34cが発酵槽
12の中間部位置の開口上方に配されるように装備して
おく。そして、当該散水部34cにより発酵槽12内に
収納した発酵処理物Aの表面に貯水槽19内の水や溶液
を散水し、当該発酵処理物Aの水分を調整し得るように
構成するのである。
【0063】更にまた、当該切返し移送装置18は、発
酵槽12の左右両縁部に沿って走行レールを設けてお
き、切返し移送装置18を走行レールに沿って走行しな
がら発酵槽12に収納されている発酵処理物Aを基端部
から先端部方向に順次移送しながら切返しを行うように
構成してある。
【0064】本発明に係る環境保全型家畜排泄物の適正
処理施設は、叙上のように、尿汚水浄化処理施設尿1と
家畜糞・固形分の発酵堆肥化処理施設2との二施設から
構成されており、家畜排泄物を尿汚水と家畜糞・固形分
とに固液分離して、前者の尿汚水は、尿汚水浄化処理施
設尿1で処理することにより清浄処理水9dとなし、後
者の家畜糞・固形分は、家畜糞・固形分の発酵堆肥化処
理施設2で処理してコンポストにするものである。即
ち、本発明に係る環境保全型家畜排泄物の適正処理施設
の特徴は、臭くて、汚く、環境衛生上問題のある家畜排
泄物が清くて衛生的にも環境的にも安全なきれいな清浄
処理水9dと、取り扱い易く、安全で、肥料や土壌改良
材として地力を強化する有用なコンポストにするもの
で、環境保全に資する施設である。しかも、発酵処理中
の臭気についても、可及的にその発生を防止するととも
に、発生した悪臭は、それを集めて発酵槽内の発酵処理
物A内に通気させて脱臭する。
【0065】次に、当該家畜糞・固形分の発酵堆肥化処
理施設を用いてコンポストを製造する方法について、説
明する。
【0066】本実施例において用いた家畜糞・固形分
は、養豚業として必然的に発生する豚の糞尿である。当
該豚の糞尿は、汚濁負荷量が高く、汚濁物質が多く、そ
の濃度も高く、素濃度が高く、臭気が強いという特徴
がある。特に、豚の排泄物は人間の3.6倍、生物化学
的酸素要求量(BOD)で10倍と、汚濁負荷量が非常
に大きく、これを発酵分解するのは大変である。そこ
で、発明者は、前記糞尿の特徴を検討した結果、化学的
酸素要求量(COD)や全有機炭素量(TOC)に対す
る生物化学的酸素要求量(BOD)の割合が高い点に着
目し、生物的に酸化分解する生物的処理方式を中心とす
る施設にした。
【0067】また糞尿であるから、臭気が強い。これら
悪臭成分は、アンモニア、硫化水素、揮発性脂肪酸など
が主なものであるので、嫌気状態(空気のない状態)の
ところでは悪臭が強く、好気状態(空気のある状態)で
処理すると酸化分解されて、悪臭を防除できる。そこ
で、本発明に係る環境保全型家畜排泄物の適正処理施設
は、尿汚水浄化処理施設尿1も家畜糞・固形分の発酵堆
肥化処理施設2も、微生物による発酵分解作用、特に好
気性発酵をさせることにより臭気が少なく効率良くコン
ポスト化と清浄処理水にするようにした。
【0068】更にまた、好気性発酵により製造されたコ
ンポストは、数多くの好気性菌を含んでいるし、水分も
15〜25%と、かなり乾燥度が進んだ土壌の状態とな
っており、悪臭吸着作用を有しているので、家畜糞・固
形分の発酵条件調整用の副資材としたり、臭気吸着材と
して利用するようにした。このように本発明に係る環境
保全型家畜排泄物の適正処理施設は、大量の家畜糞尿を
臭気を除去しながら安全で有用な完熟コンポストと放流
しても環境を壊さず保全するほどきれいな清浄処理水に
変換する施設である。
【0069】前処理工程:まず家畜糞・固形分である豚
の糞尿を固液分離しながら集め、その尿汚水(液体)部
分Eは、尿汚水浄化処理施設2にて浄化するようにな
し、他方の糞・固形部分Bは、成分調整施設36にて副
資材として出来上がっているコンポスト(戻し堆肥)D
や植物残渣などを混合して、その水分がほぼ60〜70
%になるよう調整する。なお、糞・固形部分Bにコンポ
スト(戻し堆肥)Dを混合するのは、水分調整するため
だけでなく、糞尿の悪臭を大幅に低減し、好気性発酵菌
を大量に供給する意味がある。このため、成分調整糞尿
は発酵開始し易い状態になっている。具体的には、生糞
・固形部分Bが18.0m3 、戻し堆肥Dが24m3
その他の副資材Cが18m3 を混合、撹拌して60m3
の成分調整された糞尿を得る。
【0070】発酵初期工程:前処理工程で成分調整され
た糞尿を、発酵槽2内にその基端部の投入口より投入す
る。そのうえで、発酵促進給気系機構4と脱臭給気系機
構5を作動させて、好適な温度と豊富な酸素とを供給す
ることにより、投入された成分調整糞尿を早急に発酵開
始させる。
【0071】先ず、発酵促進給気系機構14のブロワー
23を作動させることにより、ブロワー23で自然界の
微生物と酵素とを含有する大気中の空気を吸入し、圧縮
により温度を高めながら給気管24内に送り、当該給気
管24の吹出し孔25,25,25…から30〜40℃
に調整した温風として発酵槽12内に噴出供給して発酵
処理物A内を温かな空気が通気するようにして、温度と
酸素と自然界の微生物とを供給して微生物を活性化させ
発酵促進する。30〜40℃に調整した温風は、吸入し
た大気中の空気をブロワー23で圧縮するだけで温度を
高めるようにしたので、大気中の空気に含まれている微
生物類が減少したり死滅することなく、活性化した状態
で供給される。発酵処理物A内を温かな空気が通気する
ことにより、養分、水分、空気(酸素)、温度、微生物
等の発酵条件が好適に整うので、微生物類による発酵分
解作用が開始される。
【0072】同時に、脱臭給気系機構15の送風機27
を作動させると、発酵槽2の開口部上方に配した臭気吸
入部28aの吸入口から臭気のある空気を吸入し、これ
を底部送風部の送風管29を介して送風し、これを発酵
槽12内の底部の送風管29の送風孔29a,29a,
29aより吹き出し発酵処理物A内を通気させて脱臭す
る。同時に、発酵処理物Aの底面部に、開口部上方の空
気(酸素)を供給することになる。
【0073】尚、当該発酵促進給気系機構14の給気細
管24c,24c,24cや、脱臭給気系機構15の送
風管29は、砂利石31に埋れて配管されているが、当
該砂利石31は保温性がよく、発酵処理物A内へ供給さ
れる温風の温度を維持し、温まった発酵処理物Aの温度
低下を防いで、発酵処理物Aの発酵分解する菌類が常に
活性化した状態にすることができる。
【0074】特に、脱臭給気系機構15を作動させ発酵
槽12の開口部上方の空気を供給することにより、上面
部と底面部の環境が同じようになり、発酵処理物Aの上
部の発酵状態と下部の発酵状態とが均一な発酵状態とな
る。つまり、気温の高い地方であっても、低い地方であ
っても、脱臭給気系機構15によってその地域の気候に
適合したベースとなる条件を整えたうえ、これに発酵促
進給気系機構14で温風を供給して温度条件を調整し、
これら二重の給気機構を操作して最も好ましい発酵条件
に調整できるので、その地域の大気に含まれる菌類など
微生物を利用した効率的な発酵分解処理が可能となる。
そのうえ、1日に1回または2回当該切返し移送装置8
を駆動させることにより、スクープにより発酵槽に収納
されている発酵処理物Aを基端部から先端部方向に1.
7mづつ移送するとともに切返されて、発酵処理物A内
の養分や空気の混合状態が均一になるため、発酵処理物
Aの発酵作用が盛んになり、急速に促進する。
【0075】このように、発酵促進給気系機構14と脱
臭給気系機構15とを操作をすると、30分程度で発酵
を開始し、次第に一次発酵作用が盛んになる。そうする
と、当該発酵処理物から盛んに蒸気が立ち昇り、発酵処
理物の温度が65〜95℃程度まで高くなり、好機性発
酵をする。
【0076】そうして、好機発酵作用が進み、約10〜
15日位まで経過すると、その間定期的に切り返しが繰
り返されるため、当該発酵処理物Aは、順次発酵槽の先
方に移送されていく。そして発酵処理物Aが発酵槽12
の中間部位置にくるころには次第に一次発酵作用が不活
性化してくる。そのように発酵作用が不活性状態になる
と温度が低下して発酵処理物Aの表面に結露水が付着し
て表面から約15cm位まではベタベタした水分過多の
状態になリ、部分的に発酵しにくくなる。そのような状
態になった場合には、前記発酵促進換気機構14の換気
ファン33,33,33を作動させ、発酵槽12の中間
部位置の開口上方に配設した換気ファン33,33,3
3により発酵処理物の表面に風を送り、当該表面の過剰
水分を乾燥させて発酵条件のバランスが崩れたのを修正
し、全体が均一で順調な発酵状態となるようにする。
【0077】更に発酵時間が経過し、数回の切り返しに
より順次先方に移送され発酵腐熟が進むと、発酵処理物
全体の水分が蒸発して少なくなり、養分が少し残ってい
るが、水分不足により発酵作用が殆ど停滞したような状
態になる。そのような際には、水分調節機構17のポン
プ34aを作動させ、発酵作用が静まった状態の発酵処
理物の領域に散水部34cで水や溶液を散水する。この
際の散水用液体として、尿の浄化処理途中の汚水を散水
してもよい。尚、当該汚水には、有機性の養分がふくま
れているので、清水よりかえって発酵を促進するのによ
り好ましい。このように、一次発酵を完了した発酵処理
物Aに水分を追加すると微生物は再び活性化して二次発
酵作用を起こす。このように、二次発酵作用を開始する
と、再度温度が高まり、湯気が立つて更に発酵腐熟の度
合いが進む。更に発酵時間が進み、17〜20日目頃に
なると、次第に発酵作用が鎮静化して温度も常温に近付
いてくる。
【0078】このような経過を経て、20日前後になる
とほぼ常温状態になるが、その頃には当該発酵処理物A
の発酵分解が完了し、完熟したコンポスト(堆肥)にな
っている。尚、20〜25日は、それまでの発酵の進行
状態が遅れた場合とか、一部に分解し難い物質が含まれ
ているような場合にも、確実に完熟した発酵状態のコン
ポストになるための熟成期間であり、予備期間である。
同時に、このころには当該コンポストは、切り返しによ
り発酵槽の終盤部にまで移送され、取出し部9より取り
出すことができる状態になっている。以上のようにし
て、発酵堆肥化処理施設を使用して連続的に多量の家畜
糞・固形分を完熟したコンポストに製造することのでき
る方法である。操作者は、家畜糞・固形分を投入後、水
分、空気、温度、などを発酵に適した状態に調整するこ
とが可能なので、発酵分解処理を効率的に行うようにし
たものである。
【0079】次に、本発明の実施により出来たコンポス
トを収去し、これを「豚ぷん堆肥」として肥料分析法に
より分析検査をした結果は、次の通りであった。
【0080】
【表2】
【0081】有害成分(ひ素、カドミウム、水銀)につ
いても、分析した結果、 下記の通り異常なしであ
った。 ひ素 3.36 ppm、 カドミウム、 0.81 ppm、 水銀 0.08 ppm、 (*乾物当たり ppm)
【0082】当該豚ぷん堆肥は、分析結果の通り、窒
素、りん酸、加里の含量が多く、有効な肥料として優れ
た品質を有している。しかも、当該豚ぷん堆肥は、その
有害成分の含有量が、肥料取締法第二条第二項の特殊肥
料等の指定における基準以下であり、かつ金属等を含む
産業廃棄物に係る判定基準にも適合するものであり、異
常がない。このため、本発明に実施例として製造された
コンポストは、特殊肥料として生産、販売が可能となっ
た。
【0083】
【効果】本発明に係る環境保全型家畜糞尿の適正処理施
設は、畜産業から排出する家畜排泄物を固液分離し、液
体である尿、汚水の部分は、尿、汚水浄化処理施設で処
理して清浄処理水となし、糞・固形分は、発酵堆肥化処
理施設で処理することによりコンポスト化する施設であ
る。その特徴は、家畜排泄物の主要な汚濁物質がBO
D、SS、N、Pなどであり、これらの汚濁物質はいろ
いろな種類の微生物によって分解されたり、微生物の菌
体に変換され、生物的浄化処理で除去することが適して
いる点に着目して、その処理施設は、適正な微生物を集
め、活性化する条件を調整、維持できるように構成し
て、その生物的処理効率が可及的に高まるようにしたも
のである。
【0084】本発明に係る尿汚水浄化処理施設は、尿汚
水に対し、常時ばっき装置で酸素を供給して微生物を増
殖するとともに、活性化を図り、強力な浄化能力を有す
る微生物のかたまりである活性汚泥を生成し、余剰活性
汚泥を抜き取りながら浄化処理をしてきれいな処理水に
する活性汚泥処理法を中心にして、中空糸膜分離、精密
濾過膜による膜濾過、逆浸透膜分離などの膜分離処理法
を組み合わせて効率的に清浄処理水にするようにしたも
のである。つまり、尿汚水の浄化に際しては、まづ生物
的処理である活性汚泥処理法で強力に一次的浄化処理を
行い、そのうえで二次的に膜分離処理法で汚濁物質を可
及的に除去して高水準な浄化処理水として回収するとと
もに、処理過程で生じた余剰活性汚泥と膜分離により分
離された養分溶解濃縮水は、回収して発酵槽の方に移送
し、分解発酵させることによりコンポスト化し有用物資
に変えてしまうので、環境的に安全なものになる。ま
た、家畜糞・固形分は、発酵槽に微生物類を集め、適正
な温度、適正な水分、豊富な酸素を供給してうまく微生
物類を繁殖させ、発酵分解活動を活性化して効率的に腐
熟したコンポストにすることにより有用物にする。この
ように本環境保全型家畜糞尿の適正処理施設から製造さ
れるのは、環境を破壊することがない清浄処理水と有用
なコンポストだけである。
【0085】また、本環境保全型家畜糞尿の適正処理施
設においては、家畜排泄物が発する悪臭に対しては、次
のように対処している。まず、尿汚水の場合には、原水
のままの時が最も悪臭が強く、ばっき処理や活性汚泥処
理中は悪臭が弱いものとなるので、原水槽に脱臭装置を
その開口部を覆うように備え、原水槽から悪臭が放散し
ないようにするとともに、余剰空気が大気に放出する必
要があるときは、脱臭装置の臭気吸着収納部を通って脱
臭された空気となって放出されるようにしたので、環境
を悪化させることがない。また、家畜糞・固形分の場合
には、前処理として家畜糞・固形分に戻しコンポストや
副資材を混合して悪臭を吸着除去するようにするととも
に、発酵段階では好気性発酵させることにより出来るだ
け低減させるようにし、好気性発酵が盛んになる前に発
生してしまった悪臭は、可及的に回収して発酵槽内の発
酵処理物に再度放出して吸着させることにより除去する
ようにした。これによって悪臭から処理場周辺の環境を
保全するようにしたものである。これら悪臭を可及的に
除去するようにしたことが、本発明を環境保全型施設と
した理由である。
【0086】特に、本環境保全型家畜排泄物の適正処理
施設を構成する糞・固形分の発酵堆肥化処理施設は、発
酵槽用社屋内に、上面が開口し発酵処理物を収納出来る
ように形成した発酵槽と基端部の操作室先端部の取出し
部が装備されており、更に当該発酵槽と操作室とに、発
酵促進給気系機構と脱臭給気系機構と発酵促進換気機構
と水分調節機構と切返し移送装置とを装備したもので、
次のような特徴がある。
【0087】第1は、人為的に微生物を加えないで自然
に集まり増殖するのを待つようにするので、その発酵処
理を行う土地の土質条件や気候条件に適合しており、条
件設定が容易で経済的である。つまり、その基本的原理
は、自然界のなかにはその地域に適したバクテリア菌な
どの微生物群が必ず存在しているという事実に着目し
て、微生物が活性化する環境と条件を整えさえすれば、
その設置地域の環境下で充分発酵分解することのできる
好気性発酵菌や好熱性発酵菌等の微生物が集まり、活性
化して、盛んな発酵分解作用をおこし、完熟したコンポ
ストになる時間を可及的に短くしたものである。
【0088】第2に、糞・固形分の発酵堆肥化処理施設
は、発酵の進行に従って長く展開した発酵槽を中心に、
その底部から空気を通気しコントロールする発酵促進給
気系機構と脱臭給気系機構の二重の給気機構が装備して
あり、更に発酵槽の上面から発酵促進換気機構と水分調
節機構の二種類のコントロール機構が装備されており、
更に、発酵槽の内部を撹拌し移送する切返し移送装置が
装備されている。このように本発明に係る糞・固形分の
発酵堆肥化処理施設は、5種類のコントロール手段を備
えているので、発酵分解作用を可及的にコントロールす
ることが可能になるとともに、発酵槽全体に豊富な空気
を供給し微生物が活性化する環境条件を整えることが出
来るので、可及的に効率的な発酵分解を進めることがで
きる。第3に、温める熱源を空気の圧縮により得るよう
にし、他に電熱等の外熱を用いないので経済的なうえ微
生物の活性化に優れている。
【0089】第4に、発酵槽を発酵の進行に沿って長く
展開形成し、発酵度合いに応じて位置が移動するので、
発酵の初期、中期、後期に応じた最適な発酵条件のコン
トロールをその位置毎に変えながらきめ細かく調整出来
る。そのため出来るコンポストの完熟度が高く効率的で
ある。
【0090】第5に、脱臭給気系機構により、発酵槽用
社屋内の発酵槽の上方の臭気ある空気を発酵槽の底部よ
り発酵処理物内に供給還流して脱臭するとともに、発酵
処理物の上部と下部の発酵条件を可及的に同じ様にし
て、ムラのない発酵分解が行われるようにした。発酵処
理物自体に脱臭力のある事実に着目して、発酵槽用社屋
内の臭気ある発酵槽の開口部上方の空気を底部より発酵
処理物内に還流させることにより脱臭させるようにした
ものである。
【0091】第6に、発酵により発酵処理物が60〜9
0℃に上昇すると、上昇してきた湯気が表面部で温度の
低い大気と接触して結露し、発酵処理物の表面が水分過
剰になる現象が起きるが、このような現象が起きた際
は、発酵促進換気機構の換気ファンを駆動して発酵処理
物の表面に風を送り、当該表面の水分の乾燥を促進して
水分過剰現象を速やかに解消することができるようにし
た。つまり、このような結露現象のため、不用意に発酵
分解作用が低減したり、停止したりすることがないよう
にした。
【0092】第7に、発酵処理物が完全に発酵分解する
前に水分が蒸発して少なくなり、これによって微生物の
活動が弱くなったり、停止してしまったような場合に
は、水分調節機構により水分の不足している部分に散水
して、微生物を再度活性化したり、二次発酵させること
ができる。
【0093】第8に、更に本発明では、切返し移送装置
により発酵槽内の発酵処理物を切返し、発酵処理物の均
一化と活性化を図りながら、所定距離だけ移送するよう
にしたので、発酵処理物の発酵が進むに従って取り出し
口に近くなる。このため、切り返し操作の度に新しい有
機質物を投入することができ、連続的に大量な腐熟コン
ポストを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る環境保全型家畜糞尿の適正処理
施設を利用して豚の糞尿をコンポストと清浄処理水にす
る方法を示す概略説明図である。
【図2】 本発明に係る環境保全型家畜糞尿の適正処理
施設を構成する尿汚水浄化処理施設の構成とそれを用い
て清浄処理水にする方法を示す概略説明図である。
【図3】 本発明に係る環境保全型家畜糞尿の適正処理
施設を構成する糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施
例を示す縦断説明図である。
【図4】 糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施例に
おける発酵槽用社屋の基本構造を示す斜視説明図であ
る。
【図5】 糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施例に
おける発酵槽用社屋内に装備された発酵槽と操作室と取
出し部を示す平面図である。
【図6】 糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施例に
おける発酵槽と操作室と取出し部に発酵促進給気系機構
を配設した状態を示す平面説明図である。
【図7】 糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施例に
おける発酵槽と操作室と取出し部に脱臭給気系機構を配
設した状態を示す平面説明図である。
【図8】 糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施例に
おける発酵槽と操作室と取出し部に発酵促進換気機構を
配設した状態を示す平面説明図である。
【図9】 糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施例に
おける発酵槽と操作室と取出し部に水分調節機構を配設
した状態を示す平面説明図である。
【図10】 糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施例
における操作室内に発酵促進給気系機構のブロワーと、
脱臭給気系機構の送風機を備えた状態を示す縦断側面図
である。
【図11】 糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施例
における発酵槽内の底部構造とそこに配管された発酵促
進給気系機構の給気管と給気細管及び脱臭給気系機構の
通気管の配管状態を示す要部縦断斜視図である。
【図12】 糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施例
における発酵槽とその底部構造と、そこに配管された発
酵促進給気系機構の給気管と給気細管及び脱臭給気系機
構の通気管の配管状態を示す縦断側面図である。
【図13】 発酵槽用社屋内に内装されている発酵槽が
3槽の場合の糞・固形分の発酵堆肥化処理施設の実施例
を示す縦断側面説明図である。
【主な符合の説明】
1:尿汚水浄化処理施設 2:糞・固形分の発酵堆肥化処理施設 3:原水槽 3a:槽体 3b:ブロワー 3c:散気管 3d:ばっき装置 3e:ポンプ 3f:スクリーン除去装置 3g:固形雑物 3h:臭気吸着材収納部 3i:脱臭装置 4:調整槽 4a:槽体 4b:ばっき装置 4c:ポンプ 4d:計量槽 5:沈殿槽 5a:槽体 5b:センターウエル 5c:越流堰 5d:汚泥ポンプ 6:膜分離処理部 6a:中空糸膜分離装置 6b:吸引ポンプ 7:ばっき槽 7a:槽体 7b:ばっき装置 7c:余剰汚泥ポンプ 8:脱水汚泥処理槽 8a:汚泥槽 8b:ばっき装置 8c:脱水汚泥ケーキ 8d:脱水機 9:逆浸透膜処理部 9a:精密濾過膜装置 9b:逆浸透膜処装置 9c:養分溶解濃縮水 9d:清浄処理水 10:処理水槽 11:発酵槽用社屋 12:発酵槽 2a:溝部 13:操作室 14:発酵促進給気系機構 15:脱臭給気系機構 16:発酵促進換気機構 17:水分調節機構 18:切返し移送装置 19:取出し部 20:貯水槽 21:補助通路 21a:配管通路 21b:吸入通路 22:取入れ口 23:ブロワー 23a:吸込サイレンサ 23b:ブロワー本体 23c:モーター 24:給気管 24a:基幹部 24b:支管 24c:給気細管 24d:蓋体 24X:給気ブロック 25:吹出し孔 26:カバー体 27:送風機 28:通気管 28a:臭気吸入部 29:送風管 29a:送風孔 31:砂利石 32:籾殻 33:換気ファン 34:散水装置 34a:ポンプ 34b:給水管 34c:散水部 35:成分調整施設 A:発酵処理物 B:糞・固形部分 C:副資材 D:コンポスト(戻し堆肥) E:尿汚水(液体)部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 9/00 501 C02F 9/00 502F 502 503D 503 504A 504 11/04 Z 11/04 C05F 7/00 301D C05F 7/00 301 B09B 3/00 ZABA Fターム(参考) 2B101 AA01 BB01 BB04 BB09 CB01 CB03 CB06 CC17 4D003 AA01 AB02 BA02 CA07 DA15 EA01 EA21 EA22 FA06 4D028 AA03 BB06 BC17 BD17 BE08 4D059 AA02 BA01 BA26 BA27 BA44 BD02 CA08 CA16 DA51 DB33 4H061 AA03 CC36 CC47 CC51 EE02 EE03 EE66 EE68 GG02 GG11 GG12 GG14 GG15 GG17 GG18 GG19 GG20 GG43 GG47 GG48 GG52 GG54 GG56 HH41 HH42

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尿汚水浄化処理施設と家畜糞・固形分の
    発酵堆肥化処理施設とからなり、当該尿汚水浄化処理施
    設は、原水槽と、調整槽と、沈殿槽と、膜分離処理部を
    備えたばっき槽と、脱水汚泥処理槽と、逆浸透膜処理槽
    とを、順次が組み合わせてなる施設であって、前記原水
    槽は、尿汚水の原水を貯留し得る槽体内にブロワーと散
    気管とからなり必要空気を供給するばっき装置と、原水
    を汲み上げて混入している固形雑物を篩いにより除去し
    調整槽に移送するスクリーン除去装置と、原水槽の上面
    を覆うように臭気吸着材収納部を設け、原水槽内の悪臭
    を有する空気が当該臭気吸着材収納部を通って大気中に
    放出し得るようにして脱臭するようにした脱臭装置とを
    備えた構成にし、前記調整槽は、固形雑物を除去した尿
    ・汚水を貯留し得る槽体内に必要空気を供給するばっき
    装置を備え、前記固形雑物を除去した尿汚水を所定量づ
    つ沈殿槽に移送するポンプを備えた構成にし、前記沈殿
    槽は、固形雑物を除去した尿汚水を貯留し得る槽体内に
    センターウエルと越流堰とを設け、所定時間滞留するこ
    とにより沈殿した活性汚泥と上澄み尿汚水とに分離させ
    るように構成するとともに、底部に設けた汚泥ポンプに
    より沈殿した活性汚泥をばっき槽に移送し得るように構
    成し、前記ばっき槽は、上澄み尿汚水を貯留し得る槽体
    内に、必要空気を供給するばっき装置を装備し、尿汚水
    中の汚濁物質を活性汚泥中の微生物によって分解浄化し
    て沈殿する活性汚泥と上澄み浄化水とに分離できるよう
    に構成するとともに、当該ばっき槽内の上澄み浄化水の
    ある上部に中空糸膜分離装置を設け、吸引ポンプにより
    上澄み浄化水を吸引通過させることにより生物化学的酸
    素要求物(BOD)や浮遊物質または懸濁物質(SS)
    を膜分離し、分離処理水を処理水受槽に移送する膜分離
    処理部を装備し、更に、当該ばっき槽内の底部には沈殿
    する余剰活性汚泥を汚泥ポンプにより汚泥槽に移送し得
    るように構成し、前記脱水汚泥処理槽は、余剰汚泥ポン
    プにより移送された活性汚泥を貯留し得る槽体と、その
    槽体内に必要空気を供給するばっき装置を装備した汚泥
    槽と、当該汚泥槽内の活性汚泥を脱水して脱水汚泥ケー
    キにする脱水機を装備するように構成し、前記逆浸透膜
    処理槽は、膜分離処理部から移送された膜分離処理水を
    貯留する処理水受槽と、当該処理水受槽内に精密濾過膜
    装置と逆浸透膜分離装置を内装し、膜分離処理水を精密
    濾過膜処理したうえ逆浸透膜処理することにより清浄処
    理水と養分溶解濃縮水に分離し、養分溶解濃縮水を回収
    して発酵槽に移送するとともに、必要に応じて清浄処理
    水を回収して発酵槽に移送し、余剰清浄処理水は放流し
    得るように構成したことを特徴とする施設であり、 他方、家畜糞・固形分の発酵堆肥化処理施設は、発酵槽
    用社屋内に、上面が開口し家畜糞・固形分と補助材等を
    混合した発酵処理物を収納出来るように形成した発酵槽
    と操作室に、発酵促進給気系機構と脱臭給気系機構と発
    酵促進換気機構と水分調節機構と切返し移送装置とを装
    備し組み合わせてなる施設であって、当該発酵槽は、そ
    の深さを2m50cm以内とし、その基端部の投入口か
    ら先端部の取出口までの長さを、発酵処理物が断続的に
    移動しながら発酵の開始からコンポスト化するまでの各
    段階が連続展開し得る長さにし、その発酵槽の基端部に
    は、当該発酵槽と隣接するように操作室を設けるととも
    に、発酵槽の左右両側部および隣接して発酵槽が併設さ
    れている場合にはその境界部に当該側壁に沿って空室を
    形成して、その空室の少なくとも一を貯水槽とし、他の
    空室を給気管などの配管通路や大気を操作室に吸い込む
    吸入通路となるように構成し、前記吸入通路の先端部近
    傍に大気取入口部を設けるとともに、吸入通路の発酵槽
    側の側壁に吸入通路内に向けて突出する放熱板を設け、
    大気取入口部より吸入された大気が吸入通路内を通って
    操作室に入るまでの間に、発酵槽内の発酵熱が放熱板を
    介して熱交換して大気を予備加熱するように構成し、当
    該発酵促進給気系機構は、操作室にブロワーを備えると
    ともに当該ブロワーから延出する給気管を発酵槽内の底
    面部に配設してあり、当該ブロワーで予備加熱された操
    作室内の自然界の微生物と酵素などの含有する大気中の
    空気を吸入し、圧縮して温度を30〜40℃に高めなが
    ら給気管内に送り、当該給気管の吹出し孔から温風とし
    て発酵槽内に噴出供給して発酵処理物内を温かな空気が
    底部より上部開口に向けて通気するように構成し、当該
    脱臭給気系機構は、操作室に送風機を設け、その送風機
    の一方には通気管を延出し、その先方を発酵槽用社屋内
    の発酵槽の開口部上方に配し、当該開口部上方に配した
    通気管部分には吸入口を開口して臭気吸入部となし、当
    該送風機の他方には送風管を延出し、その先方に送風孔
    を穿設した送風管を発酵槽内の底面部に配管して底部送
    風部となし、送風機を駆動することにより発酵槽の開口
    部上方4に配した臭気吸入部の吸入口から臭気のある空
    気を吸入し、これを底部送風部の送風管を介して送風し
    てこれを発酵槽内の底部の送風孔より吹き出し発酵処理
    物内を通気させて脱臭するように構成し、当該発酵促進
    換気機構は、発酵槽用社屋内の上面が開口した発酵槽の
    中間部位置の開口上方に換気ファンを配設し、発酵槽内
    に収納した発酵処理物の表面に風を送り、当該表面の水
    分の乾燥を促進するように構成し、当該水分調節機構
    は、発酵槽用社屋内に上面が開口した発酵槽の側壁外側
    に貯水槽を設けておき、取水口を有するポンプと、当該
    ポンプから延出した給水管の先端部に散水部を設けてな
    る散水装置を、当該散水部が発酵槽の中間部位置の開口
    上方に配されるように装備しておき、当該散水部により
    発酵槽内に収納した発酵処理物の表面に貯水槽内の水や
    溶液を散水し、当該発酵処理物の水分を調整し得るよう
    に構成し、当該切返し移送装置は、発酵槽の左右両縁部
    に沿って走行しながら発酵槽に収納されている発酵処理
    物を基端部から先端部方向に順次移送しながら切返しを
    行うように構成したことを特徴とする施設であって、更
    に、前記尿汚水浄化処理施設における逆浸透膜処理槽で
    回収した養分溶解濃縮水と必要に応じて回収した清浄処
    理水が移送手段により家畜糞・固形分の発酵堆肥製造施
    設における水分調節機構の貯水槽に流入し得るように連
    結構成し、前記散水装置を作動することにより貯水槽に
    貯留された養分溶解濃縮水や清浄処理水を発酵堆肥製造
    施設の発酵槽内に散水し得るように構成するとともに、
    尿汚水浄化処理施設における脱水汚泥処理槽の脱水機で
    生成された脱水汚泥ケーキが、家畜糞・固形分の発酵堆
    肥製造施設の発酵槽に投入できるように投入手段を構成
    し、当該投入手段により発酵槽に投入された脱水汚泥ケ
    ーキは補助材の一種として発酵処理物である家畜糞・固
    形分と混合して一緒に発酵分解してコンポスト化できる
    ようにして、家畜排泄物が環境保全に有用なコンポスト
    と清浄処理水として回収したり、放流したりできるよう
    にしたことを特徴とする環境保全型家畜排泄物の適正処
    理施設。
  2. 【請求項2】 原水槽と、調整槽と、沈殿槽と、膜分離
    処理部を備えたばっき槽と、脱水汚泥処理槽と、逆浸透
    膜処理槽とを、順次が組み合わせてなる施設であって、
    前記原水槽は、尿汚水の原水を貯留し得る槽体内にブロ
    ワーと散気管とからなり必要空気を供給するばっき装置
    と、原水を汲み上げて混入している固形雑物を篩いによ
    り除去し調整槽に移送するスクリーン除去装置と、原水
    槽の上面を覆うように臭気吸着材収納部を設け、原水槽
    内の悪臭を有する空気が当該臭気吸着材収納部を通って
    大気中に放出し得るようにして脱臭するようにした脱臭
    装置とを備えた構成にし、前記調整槽は、槽体内に必要
    空気を供給するばっき装置を備え、前記固形雑物を除去
    した尿汚水を所定量づつ沈殿槽に移送するポンプを備え
    た構成にして、前記沈殿槽は、固形雑物を除去した尿汚
    水を貯留し得るセンターウエルと越流堰とからなり、所
    定時間滞留して沈殿した活性汚泥と上澄み尿汚水とに分
    離させるように構成するとともに、底部に設けた汚泥ポ
    ンプにより沈殿した活性汚泥をばっき槽に移送し得るよ
    うに構成し、前記ばっき槽は、上澄み尿汚水を貯留し得
    る槽体内に、必要空気を供給するばっき装置を装備し、
    運転することにより尿汚水中の汚濁物質を活性汚泥中の
    微生物によって分解浄化して沈殿する活性汚泥と上澄み
    浄化水とに分離できるように構成するとともに、当該ば
    っき槽内の上澄み浄化水のある上部に中空糸膜分離装置
    を設け、吸引ポンプにより上澄み浄化水を吸引通過させ
    ることにより生物化学的酸素要求物(BOD)や浮遊物
    質または懸濁物質(SS)を膜分離した膜分離処理水を
    処理水受槽に移送する膜分離処理部を装備し、更に、当
    該ばっき槽内の底部には沈殿する余剰活性汚泥を汚泥ポ
    ンプにより汚泥槽に移送し得るように構成しておき、前
    記脱水汚泥処理槽は、余剰汚泥ポンプの先に、移送され
    た活性汚泥を貯留し得る槽体と、その槽体内に必要空気
    を供給するばっき装置を装備した汚泥槽と、当該汚泥槽
    内の活性汚泥を脱水して脱水汚泥ケーキにする脱水機を
    装備するように構成しておき、前記逆浸透膜処理槽は、
    膜分離処理部の先に、移送された膜分離処理水を貯留す
    る処理水受槽と、当該処理水受槽内に精密濾過膜装置と
    逆浸透膜分離装置を内装し、膜分離処理水を精密濾過膜
    処理と逆浸透膜処理により清浄処理水と養分溶解濃縮水
    に分離し、養分溶解濃縮水を回収して発酵槽に移送する
    とともに、必要に応じて清浄処理水を回収して発酵槽に
    移送し、余剰清浄処理水はまたは放流し得るように構成
    したことを特徴とする尿汚水浄化処理施設。
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