JPH0769765A - し尿または家畜の糞尿の再生処理方法と、し尿または家畜の糞尿処理施設 - Google Patents

し尿または家畜の糞尿の再生処理方法と、し尿または家畜の糞尿処理施設

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JPH0769765A
JPH0769765A JP23557193A JP23557193A JPH0769765A JP H0769765 A JPH0769765 A JP H0769765A JP 23557193 A JP23557193 A JP 23557193A JP 23557193 A JP23557193 A JP 23557193A JP H0769765 A JPH0769765 A JP H0769765A
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fermentation
air
treatment
medium
air supply
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JP23557193A
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Masaru Hasaka
勝 葉坂
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/20Fertilizers of biological origin, e.g. guano or fertilizers made from animal corpses
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/40Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、廃棄物であるし尿または家畜の糞
尿を有益なコンポストや土壌改良剤等として再利用でき
るようにするし尿または家畜の糞尿の再生処理方法を提
供することを目的とする。 【構成】 発酵槽内を発酵に適した状態に保つよう自然
界の土壌菌や酵素等の微生物と温度と空気と水分とを供
給調整する発酵条件調整手段を装着してなる発酵槽内
に、処理媒体を収納して発酵処理用床を構成しておき、
これにし尿または家畜の糞尿を混入したうえ、発酵条件
調整手段を作動させて、発酵処理用床内に自然界の土壌
菌や酵素等の微生物と温度と空気とを供給し水分を調整
して、し尿または家畜の糞尿を発酵させて堆肥化し処理
媒体と同化するようにしたことを特徴とするし尿または
家畜の糞尿の再生処理方法と、そのためのし尿または家
畜の糞尿処理施設。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生活環境の保全上およ
び公衆衛生上問題のあるし尿または家畜の糞尿を効率的
に発酵処理して短期間に堆肥化することにより有益なコ
ンポスト或は土壌に還元してしまうし尿または家畜の糞
尿処理施設と、当該し尿または家畜の糞尿処理施設を利
用して、廃棄物であるし尿または家畜の糞尿を有益なコ
ンポストや土壌改良剤等として再利用できるようにする
し尿または家畜の糞尿の再生処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】廃棄物には、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、
汚泥、糞尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体、そ
の他の汚物又は不要物であって固形状又は液体のもの等
がある。これら廃棄物を適切に分別、保管、収集、運
輸、再生、処分等の処理をすることにより、生活環境の
保全および公衆衛生の向上を図ることを目的として、日
本国では廃棄物の処理及び衛生に関する法律が定められ
ている。この法律では廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物
とに大別し、前者の適正な処理は国及び地方公共団体の
責務となし、後者の適正な処理は事業者自らの責任で行
うことを責務となし、国民は廃棄物の減量その他適正な
処理に関して国及び地方公共団体の施策に協力する責務
があるとなしている。そして、廃棄物の最終処分の仕方
としては、焼却処分、埋立処分、海洋投入処分および再
生処理の四つの方法が認められている。日本では焼却処
分が中心的な処分法で、埋立処分と海洋投入処分をする
場合には、生活環境や衛生に支障がないように事前に所
定の中間処理をしていることを義務ずけている。しかも
廃棄物の種類によってその中間処理の基準が定められて
いる。再生処理の一つである有機性廃棄物の堆肥化処理
法も認められているが、その多くは最終処分ではなく、
埋立処分するための前提となる中間処理として行われる
場合が多く、最終的な再生処分としておこなわれること
は少なかった。し尿や家畜の糞尿の処分についても例外
はなく、上記の原則に従って行われるべきこととなって
いる。
【0003】日本国では、し尿は一般廃棄物に分類さ
れ、家畜の糞尿は産業廃棄物に分類されており、その取
り扱いは区別されている。即ち、前者のし尿は一般廃棄
物処理計画に従って市町村が行うし尿処理施設か浄化槽
によって処理されることとなっており、最終的にはし尿
処理施設か浄化槽によって中間処理された物を埋立処分
するか海洋投入処分するか、或は浄化槽やし尿施設にか
かる汚泥を再生処理するかの方法がとられている。ま
た、後者の家畜の糞尿は、産業廃棄物として焼却処分さ
れるか、中間処理されたうえ埋立処分されるか海洋投入
処分されるか、堆肥として再生処理するというのが現状
である。
【0004】前記のようにし尿処理施設は、中間処理施
設として位置付けられ、廃棄物の処理及び清掃に関する
法律やその施行令や施行規則によりその技術上の基準が
細かく定められている。それによると、し尿処理施設
は、受入設備、貯留設備、嫌気性消化処理設備、好気性
消化処理設備、湿式酸化処理設備、活性汚泥法処理設
備、生物学的脱窒素処理設備、放流水の消毒設備などを
備えており、放流水の水質を生活環境保全上の支障が生
じないようにすることができるものでなければならな
い、とされている。
【0005】これら各種設備は、いずれも有効な設備で
はあるが、設備が膨大なものとなる点において問題があ
る。また、近年の地球資源の有効利用と地球環境の保全
を要請する声が国際的に高まり、埋立て処分や海洋投入
処分をできるだけ減量することおよび再生利用すること
が強く望まれるようになってきているが、前記し尿処理
施設が単に中間処理施設であり、最終的には埋立て処分
や海洋投入処分をする点で、これら世界的要望に応える
ことが出来ていないことに問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】し尿や家畜の糞尿は、
昔、農家で田畑の肥やしとして散布され、微生物により
分解されて土に同化するのが普通であり、それはやがて
土に養分を与え、農作物の養分として吸収されて生命の
流れの大サイクルの中にはいり、地球環境を発展生成さ
せる有用物質としてその役割を果たしていた。しかる
に、近代社会になると、いつのまにかし尿や家畜の糞尿
は人間社会にとっては不浄な廃棄物として見做されるよ
うになり、生活環境の保全および公衆衛生の向上を害す
る物質として埋立処分や海洋投入処分をするようになっ
た。その結果、生命の流れの大サイクルの中には入らな
くなり、昔とは逆に地球環境を発展生成させるのを阻害
する汚染物質となってしまった。
【0007】発明者は、人間や家畜も地球上の生物の一
種として生命の流れの大サイクルの中に存在している以
上、し尿や家畜の糞尿の処理についてももっと自然に則
し、地球環境の発展生成に資する方向で処理するように
努めるべきであるとの考えから、し尿や家畜の糞尿は微
生物を利用して生分解して堆肥化し、豊かな土壌作りに
役立てるのが一番自然であり、地球環境を発展生成させ
るのに望ましい再生処理法であると考え、本発明をした
ものである。
【0008】ところで、し尿や家畜の糞尿は、その75
%〜95%が水分である。これを水分が50%以下に乾
燥させるとその残存する重量は1/10以下に減少し、
これを微生物により発酵分解して堆肥化すると、更に重
量が減少してごく僅かな量になる。
【0009】例えば、社団法人中央畜産会発行の「堆肥
化施設設計マニアル」に記載する「規模算定に必要とす
る基礎数値」によれば、家畜の生糞尿の排泄量(生産
量)は、表1の通りとされており、規模算定に用いるふ
ん尿排せつ量(生ふん量)は、表2の通りとされてお
り、生糞量と水分(%)との関係(1日1頭当たり)
は、表3の通りとされている。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】してみると、1年間1頭羽当たりの家畜の
生糞尿を堆肥化して残存する量を概算すると次のように
なる。 乳用成牛が生産する生糞尿21tを処理して約1.5
tの堆肥となり、 肉用牛が生産する生糞尿16tを処理して約1tの堆
肥となり、 肉豚が生産する生糞尿2.8tを処理して約170k
gの堆肥となり、 産卵鶏が生産する生糞55kgを処理して約8kgの
堆肥となり、 ブロイラーが10週齢までに生産する生糞9kgを処
理して約1.1kgの堆肥となる。
【0014】また、人間のし尿は1人で月約18〓排泄
量といわれており、し尿は一般に区別されていないの
で、その水分は99%〜97%である。従って人間1人
の1年間のし尿量は約216kgを堆肥化すると約3k
gにしかならないのである。
【0015】本発明者は、以上のような事実を従来と視
点を変えて見直すことにより、本発明を想起した。つま
りし尿や家畜の糞尿の発酵による堆肥化処理は、堆肥生
産施設と考えると、原料となる生し尿や生糞尿の量ばか
り多く、生産される堆肥の量が少ないものとなり、生産
効率が良くない。しかし、これをし尿や家畜の糞尿処理
施設(廃棄物処理施設)として視ると、処理可能な生し
尿や生糞尿の量が大量となり、処理効率はよいことにな
る。しかも、微生物発酵による堆肥化処理は、微生物の
活性化により自然に分解消化するものであるので、人工
的に加える手間やエネルギーは補助的なものとなり、処
理経費があまりかからない特性があるし、天然自然のサ
イクルに添った処理なので、無理がなく副作用が少ない
うえ、処理後に出来る堆肥は、有害物質が含まれていな
い限り、土壌改良剤や肥料などの有用物質として再利用
が可能であるといった利点が多い。反面、発酵による堆
肥化処理の欠点は、微生物の管理とコントロールが難し
いことと、発酵にはどうしても時間がかかる点、および
臭気や環境汚染など生活環境の保全及び公衆衛生の面で
問題があるなどである。
【0016】発明者は、発酵による堆肥化処理方式の前
記長所欠点を検討し研究した結果、〓微生物のもつ潜在
的消化能力は、今まで我々人間が確認したものよりはる
かに大きく強力であるし対象も広いものであること、〓
発酵槽内の環境条件を自然界より良好にして微生物の活
性化を促すとともに、活性化を阻害する要因を除去する
ようにしてやれば、微生物自体がどんどん進化し消化能
力を強化しながら発展生成していくこと、〓発酵条件を
整えてやることにより、処理対象物の発酵に必要な微生
物は自然に効率よく集まるし、その微生物の活性化も驚
くほど良好となり、発酵による堆肥化の時間を可及的に
短くすることができること、などを見出した。〓また、
好気性発酵菌や好熱性発酵菌が好む発酵条件を整えてや
れば、自然とそれらの微生物が集まってきて多くなり、
臭気も大幅に低減されるうえ、病原菌などは死滅して衛
生的な問題も解消されることも判明した。〓更に、有機
性物質が完全発酵により堆肥化したコンポストには、発
酵のための土壌菌や酵素などの微生物群が大量に含まれ
ており、良質な堆肥用微生物資材そのものとなってい
る。そこに有機性残渣などが適度な水分とともに入る
と、忽ち微生物が活性化し発酵状態になることも見出し
た。〓そこで有機性物質が完全発酵により堆肥化したコ
ンポストを、発酵処理用の基礎床とし、これにし尿や家
畜の糞尿を散布して高速発酵させ堆肥として発酵処理用
床と同化させれば、不浄で生活環境の保全および公衆衛
生の向上を害する物質であった、し尿や家畜の糞尿が、
逆に安全で生物に有用な堆肥や良質な土壌や土壌改良剤
に貴化変換され、もはや生活環境を脅かすことがなく、
公衆衛生上の問題も解消したことになるのを見出した。
【0017】本発明者はこのような知見に基づき、良質
の堆肥用微生物資材そのもののような発酵処理用床を備
え、その環境を自然界以上に良好にコントロールできる
ような機能を備えた発酵処理施設を用意し、発酵処理施
設を介して微生物発酵の環境を整えてやることにより、
微生物自体の発酵処理能力を飛躍的に強化して前記欠点
を克服させようとするものである。その結果、従来の
し尿処理施設や浄化槽よりも施設の小型化と設備投資の
削減化が可能となり、労働力やエネルギーの省力化を
計ることが出来、経済性も充分対抗できる新しい方式
のし尿処理施設または家畜の糞尿処理施設を具現化する
ことができた。また、臭気や汚染など生活環境の保全
及び公衆衛生の面についても、好気性発酵を盛大にすれ
ば、それらの欠点を最小限度に押さえることができる
し、施設や器具の工夫、処理方法の工夫によっても可
及的に欠点を小さくでき、公害問題を起こすことのない
処理が可能である。しかも、この処理の結果、出来る
物質は、堆肥や、良質の土壌であり、緑化を促進し地球
環境を整える有益物質である。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段は、次の通りである。特許を受けようとする第1
発明は、発酵槽内を発酵に適した状態に保つよう自然界
の土壌菌や酵素等の微生物と温度と空気と水分とを供給
調整する発酵条件調整手段を装着してなる発酵槽内に、
有機性廃棄物を発酵処理して堆肥化した処理媒体を収納
して発酵処理用床を構成しておき、当該発酵処理用床に
し尿または家畜の糞尿を混入したうえ、発酵槽に装備し
た発酵条件調整手段を作動させて、発酵処理用床内に自
然界の土壌菌や酵素等の微生物と温度と空気とを供給し
水分を調整して、し尿または家畜の糞尿を発酵させて堆
肥化し処理媒体と同化するようにしたことを特徴とする
し尿または家畜の糞尿の再生処理方法である。
【0019】当該第1発明は、し尿または家畜の糞尿を
再生処理するための基本的技術思想からなる発明であ
る。本発明は、し尿または家畜の糞尿の大部分は水分で
あること、有機性廃棄物を発酵処理して堆肥化した処理
媒体には微生物が多量に含まれており、水分と養分をあ
たえただけですぐに自然発酵を起こさせる性質があるこ
と、この処理媒体にし尿または家畜の糞尿を混入するだ
けで、簡単に発酵し易い性質をもった混合物質に調整で
きること等の知見に着目し、発酵槽内に前記堆肥化した
処理媒体を収納して発酵処理用床を構成しておき、し尿
または家畜の糞尿を混入するようにした点に大きな特徴
がある。
【0020】また、発酵槽に装備した発酵条件調整手段
を作動させて、発酵処理用床内に自然界の土壌菌や酵素
等の微生物と温度と空気とを供給し水分を調整して発酵
環境を整え、発酵作用を活性化してし尿または家畜の糞
尿の発酵分解を強制的に促進させ、短時間に堆肥化して
処理媒体と同化するようにしたことがもう一つの特徴で
ある。
【0021】本発明に係る処理法は、微生物による好気
性発酵を主体とした分解消化作用であるため臭気が少な
くなるだけでなく、常時所定の暖かい温度をもった空気
を供給し続けるので、発酵温度が60℃〜80℃と高温
となり、好熱菌が多く繁殖する。そのため人間にとって
有害な病原菌や蝿や蚊やゴキブリ等の害虫の発生もな
く、生活環境や公衆衛生上の問題をおこすことが少な
い。
【0022】また、本発明に係る処理法は、60℃〜8
0℃の高温となるため水分は蒸発して大気中に放散さ
れ、処理媒体と同化する際には水分が30%〜50%程
度となる。その意味では、本発明の処理法は、発酵によ
る有機物質の分解消化作用と発酵熱による乾燥作用との
複合作用による処理であり、これを発酵条件を整えるこ
とにより強制的に促進し、生活環境と公衆衛生上問題の
あったし尿または家畜の糞尿を有益無害な堆肥に貴化変
質させることにより再生処理するものである。本発明
は、水分の多いし尿または家畜の糞尿の水分を加熱する
ことなく効率良く蒸発乾燥させるもので、焼却乾燥法等
に比較して極めて省エネルギーで経済的な処理法であ
る。
【0023】更に、堆肥化し処理媒体と同化した際、そ
の処理媒体化した量は、処理対象であった生し尿または
家畜の生糞尿時の数十分の1以下になっており、処理媒
体が量的に急速に増えることはない。このため、発酵処
理用床があれば長期間に渡って繰り返しし尿または家畜
の糞尿の投入と処理を行うことができる。しかも長期間
の繰り返し処理によって出来た堆肥は、処理媒体と同化
して発酵処理用床を強化補充するので、この再生処理法
は処理を繰り返せば繰返すほど、その処理能力が分解消
化力的にも処理量的にも次第に向上発展する素晴らしい
処理法である。
【0024】特許を受けようとする第2発明は、有底上
面開口型の収納槽で、その底面部には重力流下水を排水
する排水構造部を形成するとともに、自然界の土壌菌や
酵素等の微生物を空気とともに吸入し、温度を高めなが
ら温風として供給する給気系機構の給気部が底面部に配
設されるように発酵条件調整手段を装着し、収納槽内に
は有機性廃棄物を発酵処理して堆肥化した処理媒体を収
納して発酵処理用床を構成してなる発酵槽と、発酵槽に
収納されている処理媒体にし尿または糞尿を散布または
混入する投入装置と、発酵槽に収納されている処理媒体
の腐熟をすすめるため切返しを行う切返し装置と、必要
に応じて設けた上面開口より発酵槽内に収納された処理
媒体に散水できるように構成された散水装置と、からな
るし尿または家畜の糞尿処理施設である。
【0025】当該第2発明は、前記第1発明に係るし尿
または家畜の糞尿の再生処理方法を実行するための処理
施設として基本的な構成を備えたものである。当該第2
発明の大きな特徴は、有底上面開口型の発酵槽内に堆肥
化した処理媒体を所要量だけ収納してなる発酵処理用床
を構成したことと、当該発酵処理用床の環境条件を整え
るための給気系機構の発酵条件調整手段を備えた点にあ
る。有機性の養分と水分の固まりであるし尿または家畜
の糞尿を、良質の発酵微生物が多量に含まれており発酵
作用を起こし易い状態にある前記発酵処理用床に混入し
て調整発酵素材となして自然発酵をおこさせ、しかも発
酵槽に備えた発酵条件調整手段を操作することによって
発酵に必要な適度の温度と豊富な空気と周辺外気から集
めた土壌菌や酵素等の微生物を給気系機構を介して絶え
ず供給するようにして発酵条件を整えると共に、余分な
重力流下水は水はけを良くして水分調整をなし発酵作用
を活性化し、更に発酵により発生した余分な熱と蒸気は
上面開口より大気に放出するなどして常に発酵に好適な
環境が維持できるようにつとめる。その結果、発酵処理
用床による発酵堆肥化能力は、可及的に高められてお
り、し尿または家畜の糞尿を迅速にかつ効率良く堆肥化
して発酵処理用床に同化させることにより処分すること
ができるのである。
【0026】本発明の発想は、し尿または家畜の糞尿
は、その大部分が水分であるという特性に着目し、大量
に処理しても最終的に残留する堆肥の量はごく少量であ
るので発酵処理用床はあまり増量せず、長期の継続使用
が可能である点を利用しようとしたものである。
【0027】また、本発明の発想は、完熟した堆肥が、
養分と水分と微生物が活動し易い温度とを供給されさえ
すれば、すぐに発酵を誘発する発酵用調整媒体として優
れた特性を有している点に着目し、これを発酵処理用床
を構成する処理媒体として利用しようとする点にある。
これは、完熟した堆肥には必要な発酵微生物が多量に住
み着いているだけでなく、多量の酸素も含まれ、吸水性
および保水力にも優れているので、水分の多いし尿また
は家畜の糞尿を散布しても吸収されて発酵に必要な水分
調整がすぐに出来るし、糞尿等の濃厚な成分やpHも処
理媒体との混合によって分散調整されて、極めて発酵し
易い調整発酵素材となることに気付いたからである。
【0028】また、本発明は、その大部分が水分である
し尿または家畜の糞尿が発酵作用によって60℃〜80
℃にまで温度が上昇して水分の蒸発が起こすことに着目
し、有底上面開口型の発酵槽を用いることにより当該蒸
気が上面開口より大気に放出され、人工的にエネルギー
を用いなくてもし尿または家畜の糞尿の大部分を自然に
処分出来てしまう点を利用している。このため排水する
余分な水分など殆ど発生せず、それによる公害や環境の
破壊については考慮の必要がない点も大きな特長であ
る。また、本発明による発酵が、酸素を大量に供給して
の好気性発酵が主体となるので、臭気も少なく、蝿や蚊
など公衆衛生の向上を害する虫も殆ど発生しない点も特
長である。
【0029】更に、本願発明の発酵槽は、有底上面開口
型で、収納されている発酵処理用床の上面は外気に晒さ
れているため、水分や揮発性物質や余分な気体の蒸発、
臭気の拡散、放熱等に優れた効果を発揮するだけでな
く、また自然界の土壌菌や酵素等の微生物や空気や水分
の取り込み、切返し作業等が円滑に行い易い点も特長で
ある。
【0030】更にまた、本願発明の発酵槽には、給気系
機構の発酵条件調整手段が装備されており、収納されて
いるし尿または家畜の糞尿に底部から前述しように温風
として自然界の土壌菌や酵素等の微生物と、適度な温度
と、豊富な空気を供給するし、余剰水分の重力下降を促
して水分調製し、さらに発酵槽の底面部に流下した余剰
脱離水は排水構造部により除かれる構成になっている。
このように、本発明の発酵槽は、地球の表面構成に似
て、上面が大気につらなった開放状態になっており、底
面部は地下水脈があるように水捌が良い状態に構成され
ているうえ、発酵条件調整手段が装着されていて、積極
的な空気や温度の供給ができ、水分調整が可能なってい
るし、切返し装置や散水装置も備えて強制的な発酵促進
を可能とするので、自然界以上に微生物類を活性化させ
消化能力を発揮させる理想的な環境造りが可能である。
【0031】叙上のように本願発明の基本的設計思想
は、微生物の発酵処理能力を信じ、出来るだけ自然界の
法則に添った基本構成にし、その環境を自然界以上に整
えることに留意したものである。具体的には、発酵処理
用床を構成する処理媒体として発酵を誘発し易い完熟し
た堆肥を採用し、当該発酵処理用床では、水分は重力に
そって上から下方向へ移動するように、気体は下から上
方向に移行するように、温熱は下から上方向へ移行する
ようになし、更に上方は気体や熱が拡散するよう開放さ
れており、下方に流下した水分の水捌も良好となるよう
に構成されていて、発酵処理用床での空気、水分、熱な
どの滞りや溜りを一切なくし、常時盛んな新陳代謝を行
いながら、自然界以上に発酵に好適な状態が維持出来る
環境造りを具現化したものである。
【0032】その結果、本発明に係るし尿または家畜の
糞尿処理施設では、微生物の活性化が著しく、発酵作用
の進行が素晴らしく速くなり、従来より短期間に効率良
く発酵処理により堆肥化できる性能を有することとなっ
た。
【0033】特許を受けようとする第3発明は、家畜の
糞尿、農作物残渣、汚泥、食物残渣、有機性燃え殻など
各種の有機性廃棄物の1種または2種以上を混合し、養
分、水分、pHを調整して発酵用調整廃棄物にしたもの
を発酵処理して水分が30%〜50%の堆肥にした処理
媒体と、前記処理媒体を収納できる有底上面開口型の収
納槽で、その底面部には排水口を有する排水構造部を形
成する発酵槽と、当該発酵槽に装着され、収納槽内を発
酵に適した状態に保つよう自然界の土壌菌や酵素等の微
生物と温度と空気とを供給し水分を調整する発酵条件調
整手段と、運ばれてきたし尿または糞尿を貯留するとと
もに、前記発酵槽の排水口と連通し、収納槽内の処理媒
体の保水力を越えた液体が重力により底部まで流下して
きた脱離液を貯留するし尿または糞尿貯留槽と、当該し
尿または糞尿貯留槽から汲み上げる汲み上げ部とこれに
連続して形成された供給部とからなり、発酵槽に収納さ
れている処理媒体にし尿または家畜の糞尿を散布または
混入する投入装置と、発酵槽に収納されているし尿また
は家畜の糞尿の混入している処理媒体の腐熟をすすめる
ため切返しを行う切返し装置と、上面開口より発酵槽内
に収納された処理媒体に散水できるように構成された散
水装置とから構成されている。
【0034】上記構成要素を更に詳細に説明すると、前
記堆肥化した処理媒体を前記発酵槽内に所要量だけ収納
して、発酵処理用床を構成してある。
【0035】また、前記発酵条件調整手段は、吸入した
空気を圧縮するとともに適度に暖めこれを吐出す昇温調
整機能付き空気圧縮機と、当該空気圧縮機からの暖めら
れた吐出空気を発酵槽に導く給気導管部と、当該給気導
管部の先方に連結形成された空気噴出孔を有する給気部
と、給気導管部に配設された噴出空気量調整装置とから
なる給気系機構であり、当該給気系機構の給気部は発酵
槽の底面部にほぼ全面にわたって配設され、当該配設さ
れた給気部の周辺またはその近傍上部には通気・通水床
層を形成して、これが収納槽の底部となるように構成さ
れている。
【0036】前記し尿または糞尿貯留槽から投入装置で
発酵処理用床の処理媒体内にし尿または家畜の糞尿を混
入した後、前記発酵条件調整手段を作動させることによ
り、空気圧縮機は外界から自然界の土壌菌や酵素等の微
生物を含んだ空気を吸入し、圧縮するとともに適度な温
度に暖めて吐出し、給気導管部はこの吐出し圧縮空気を
発酵槽に送り、噴出空気量調整装置で供給される空気量
を調整しながら給気部の空気噴出孔から発酵槽内に噴出
され、この暖たかく土壌菌や酵素等の微生物を含んだ空
気は通気・通水床層を介して底部のほぼ全面から発酵処
理用床内に吹き出すように供給され、これによってし尿
や家畜の糞尿の混入した処理媒体中に自然界の土壌菌や
酵素等の微生物と、適度の温度と、豊富な空気とを供給
するとともに、吹き出し空気が処理媒体の保水力を越え
た液体分の重力流下を促して水分の調整をなして微生物
による発酵作用を活性化させ、発酵作用により発生した
熱と蒸気は発酵槽の上面開口から大気中に自然放出さ
れ、発酵槽の底部まで重力流下してきた脱離液は排水構
造部を介して排水されてし尿または糞尿貯留槽に貯留
し、必要に応じて散水装置により発酵槽内の発酵処理用
床に散水することにより発酵に必要な水分の補充を行な
い、必要に応じて切返し装置を作動させることにより収
納槽内に収納されているし尿または家畜の糞尿の混入し
た処理媒体の腐熟をすすめるための切返しを行えるよう
に構成したことを特徴とするし尿または家畜の糞尿処理
施設である。
【0037】この第3発明の基本的構成や特長や発想お
よび目的は、第2発明と同じで、し尿または家畜の糞尿
の混入した後、前記発酵条件調整手段を作動させる簡単
な操作をなすだけで微生物を活性化し、発酵作用を盛ん
にし、時折切返し操作と、散水を行うことによりし尿ま
たは家畜の糞尿は、微生物によりたちまち発酵分解され
るとともに、高温になって水分を蒸発拡散し、短期間に
効率良く処理媒体と同化処理される。
【0038】特に、本発明は、し尿または糞尿貯留槽が
装備されており、処理媒体や発酵条件調整手段の構成が
具体的になっているほか、発酵槽の底部まで重力流下し
てきた脱離液は排水構造部を介して排水されてし尿また
は糞尿貯留槽に貯留する構成になっているので、余分な
排水が一切出ないクローズドシステムとなっている点が
明確になっている。その結果、本施設の周辺の環境を排
水で汚染することがない特長がある。
【0039】また、前記発酵条件調整手段は給気系機構
に構成されており、これを発酵槽に装設し、圧縮により
自ら暖かくなった空気を底部より発酵処理用床に吹き込
むことにより、発酵槽中の処理媒体に自然界の土壌菌や
酵素等の微生物と、適度の温度と、豊富な空気量とを調
整しながら供給するとともに、余剰水分の調整までする
ことができるようにしたものである。発酵槽内の発酵環
境造りを給気系機構という簡単な装置により同時4役で
効率的におこなっている。このため、加熱装置とか、水
分調整装置などの余分な装置が不要となり、しかもその
構造が簡単となり、作動のためのエネルギーが少なくて
済む。このため、本発明の施設は、設備投資が少なくて
済むだけでなく、運転経費も省力化されているので少な
くて済み、非常に経済的で処理能力の優れた処理施設と
なっっている。
【0040】特許を受けようとする第4発明は、第2発
明、第3発明に記載する処理媒体と、発酵槽と、投入装
置と、発酵条件調整手段と、し尿または糞尿貯留槽と、
切返し装置と、散水装置とからなり、前記処理媒体が前
記発酵槽の収納槽内に所要量だけ収納して発酵処理用床
を構成してなるし尿または家畜の糞尿処理施設におい
て、処理媒体として、有機性廃棄物にペーパースラッジ
(製紙工場にかかる脱水汚泥)と植物性スラッジ燃え殻
(ペーパースラッジ焼却灰を含む)を加えて混合した発
酵用調整廃棄物を発酵槽にて発酵処理して水分が30%
〜50%の堆肥化したものを用いたことを特徴とするし
尿または家畜の糞尿処理施設である。
【0041】当該第4発明は、発酵処理用床を構成して
いる処理媒体を特定してなるし尿または家畜の糞尿処理
施設である。処理媒体となる堆肥の原料として有機性廃
棄物にペーパースラッジ(製紙工場にかかる脱水汚泥)
と植物性スラッジ燃え殻(ペーパースラッジ焼却灰を含
む)等を加えて混合した発酵用調整廃棄物を用いた点に
特長がある。当該ペーパースラッジは、パルプや砕きほ
ぐされた木材繊維質のものが主成分で、保水性に優れた
性質があるだけでなく、分解し易く完熟すると小粒の土
壌団粒が出来やすく、多量の有効な微生物を含んだもの
となっており、しかも、タンソ率(C/N)が高く組成
バランスが良いので腐植を増やす力の強いものとなって
いる。このため、し尿または家畜の糞尿を発酵処理する
媒体として優れた性質がある。更に、植物性スラッジ燃
え殻は、炭を補給することになり、発酵の際の脱臭効果
を発揮するとともに、空気や水の通りを良くし微生物の
住みかとして好適な環境をつくり、病原菌の侵入を阻止
する効果のある菌根菌を良く繁殖させるなど、発酵処理
する媒体として優れた効果がある。
【0042】特許を受けようとする第5発明は、第2発
明または第3発明に記載するような、処理媒体と、発酵
槽と、投入装置と、発酵条件調整手段と、し尿または糞
尿貯留槽と、切返し装置と、散水装置とからなり、前記
処理媒体が前記発酵槽の収納槽内に所要量だけ収納して
発酵処理用床を構成してなるし尿または家畜の糞尿処理
施設を使用方法である。その再生処理方法は、し尿また
は家畜の糞尿を発酵槽内に構成された発酵処理用床内に
混入したうえ、発酵条件調整手段を作動させて、収納槽
内のし尿または家畜の糞尿の混入した処理媒体内に自然
界の土壌菌や酵素等の微生物と、適度の暖かい温度と、
適度な空気量とを調整して供給するとともに、吹き出し
空気が処理媒体の保水力を越えた液体分の重力流下を促
して水分を調整して自然発酵を開始させ、発酵作用によ
り発生した熱と蒸気は発酵槽の上面開口から大気中に自
然放出され、自然発酵作用が起こりはじめたし尿または
家畜の糞尿の混入した処理媒体は、所定の時間経過毎に
切返し装置を用いて切返して発酵を活性化するととも
に、必要に応じて散水装置により脱離液または水を散水
して水分調整を行うことにより発酵を効率的に促進さ
せ、し尿または家畜の糞尿を混入した処理媒体を完熟し
た堆肥となすことによって処理媒体と同化するようにし
たことを特徴とするし尿または家畜の糞尿の再生処理方
法である。
【0043】当該第5発明は、第2発明、第3発明に記
載するし尿または家畜の糞尿処理施設を使用して、第1
発明に記載した再生処理方法を行ったし尿または家畜の
糞尿の再生処理方法である。従って、その発想は第1発
明、第2発明、第3発明と同様に、発酵処理用床を構成
する処理媒体が、発酵を誘発する発酵用調整媒体として
優れた特性を有していること、し尿または家畜の糞尿
は、その大部分が水分であり、大量に処理しても最終的
に残留する堆肥の量はごく少量であるので発酵処理用床
はあまり増量せず、長期の継続使用が可能であること、
発酵作用によって60℃〜80℃にまで温度が上昇して
水分の蒸発が起こすと当該蒸気は上面開口より大気に放
出され、人工的にエネルギーを用いなくてもし尿または
家畜の糞尿の大部分を自然に処分出来てしまうこと等に
着目し、し尿または家畜の糞尿を当該発酵処理用床内に
拡散または混入したうえ、処理媒体ごと発酵して完熟し
た堆肥となすことによって処理媒体と同化するようにし
たことを特徴とするし尿または家畜の糞尿の再生処理方
法である。
【0044】しかも、し尿または家畜の糞尿処理施設に
は、発酵条件調整手段が設けてあるので、これを作動さ
せることにより自然界の土壌菌や酵素等の微生物と、適
度の暖かい温度と、適度な空気量とを調整しながら供給
して自然以上の発酵環境を整え、発酵作用を活性化さ
せ、し尿または家畜の糞尿を可及的に迅速に分解消化処
理するようにするものである。すなわち、発酵条件調整
手段による発酵環境の調整により、発酵による分解処理
の能力が大きくなり、毎日の処理能力が従来の装置に比
較して大きい特性がある。
【0045】その他に、本発明は、発酵むらを無くし、
より発酵作用を活性化させるために所定の時間経過毎に
切返し装置を用いて切返し操作を行い、また水分が不足
したり二次発酵をさせたい場合には、脱離液または水を
散水することにより発酵を効率的に促進させたりして、
し尿または家畜の糞尿を堆肥化して処理媒体と同化する
ように処理するものである。
【0046】このように本発明に係る再生処理法は、微
生物による分解処理なので、人工的なエネルギー供給が
少なく、設備投資も運転経費も経済的であるし、臭気や
排水なども殆どないので再生処理に伴う周囲の生活環境
への影響も少ない優れた処理法である。しかも長期の処
理運転によって出来たコンポストは、有益な土壌や土壌
改良剤となって地球の生物連鎖環境を改善する効果があ
るので、地球環境の保全にも役立つ理想的な処理法であ
る。
【0047】特許を受けようとする第6発明は、処理媒
体と、発酵槽と、し尿または糞尿貯留槽と、投入装置
と、発酵条件調整手段と、切返し装置と、散水装置とか
らなるし尿または家畜の糞尿処理施設で、その各構成要
素は、次のような具体的構成にしたものである。
【0048】先ず、処理媒体は、家畜の糞尿、作物残
渣、汚泥、食物残渣、有機性燃え殻など各種の有機性廃
棄物の1種または2種以上を混合し、養分、水分、pH
を調整して発酵用調整廃棄物にしたものを発酵処理して
水分が30%〜50%の堆肥化したものとなす。
【0049】次に発酵槽は、50m〜150mの長さを
有する長尺な処理媒体を収納できる有底上面開口型の収
納槽となし、その先端部には排出口を設け、その底面部
には排水口を有する排水構造部を形成してなるものであ
り、当該発酵槽の長尺な一方の側壁の外側には、運ばれ
てきたし尿または家畜の糞尿を受け入れ、貯留出来る長
尺なし尿または糞尿貯留槽を当該側壁に沿って併設する
ように構成し、当該し尿または糞尿貯留槽には前記発酵
槽内で重力流下してきた脱離液が貯留できるように排水
構造部と連通しており、当該発酵槽の長尺な他方の側壁
の外側には、当該側壁に沿って配管室が併設するように
構成し、前記発酵槽の収納槽内には前記堆肥化した処理
媒体を所要量だけ収納して、発酵処理用床を構成してあ
る。
【0050】投入装置は、発酵槽の縁を長尺方向に走行
しながらし尿または糞尿貯留槽からし尿または家畜の糞
尿を吸い上げて発酵槽内の処理媒体に散布または混入し
得るように構成した装置である。
【0051】発酵条件調整手段は、吸入した外気を圧縮
するとともに適度に暖めこれを吐出す昇温調整機能付き
空気圧縮機と、当該空気圧縮機からの暖められた吐出空
気を発酵槽に導く給気導管部と、当該給気導管部の先方
に連結形成された空気を噴出する給気部と、給気導管部
に配設された噴出空気量調整装置とからなり、前記給気
部は前記給気導管の適所から分技した複数の給気ブロッ
ク支部で構成され、当該給気ブロック支部は空気噴出孔
を有する給気管部を分技配管したものであり、給気導管
の分技部分には噴出空気量調整装置が設けられ、分技し
た各給気ブロック支部ごとに噴出空気量を調整できるよ
うな給気系機構に構成されている。
【0052】当該給気系機構の空気圧縮機は前記配管室
の近傍で外気の吸入出来る適所に設置され、当該空気圧
縮機の吐出空気を発酵槽に導く給気導管部と給気支部の
分技部分に配設された噴出空気量調整装置とは前記配管
室内に配設され、当該給気導管の適所から分技した複数
の給気ブロック支部は側壁を貫通して発酵槽内の底面部
適所に配置されているが、この複数の給気ブロック支部
の配置は、発酵槽の底面部を発酵段階に合わせて長尺方
向に数ブロックに分けて認識し、各ブロック毎に分技し
た給気ブロック支部を配設するようになしたもので、発
酵槽の底面部に配設した各給気ブロック支部の周辺また
はその近傍上部には通気・通水床層を形成して、これが
収納槽の底部となるように構成してある。
【0053】そして、前記給気系機構の空気圧縮機を作
動させることにより外気から自然界の土壌菌や酵素等の
微生物を含んだ空気を吸入し、圧縮するとともに適度な
温度に暖めて吐出し、給気導管部はこの吐出し圧縮空気
を発酵槽に送り、噴出空気量調整装置で給気ブロック支
部毎に供給される空気量が調整されながら給気部から発
酵槽内に噴出され、この暖たかく土壌菌や酵素等の微生
物を含んだ空気は通気・通水床層を介して収納槽内の発
酵処理用床に吹き出すように供給されるが、これによっ
て収納槽内のし尿または家畜の糞尿の混入した処理媒体
には、自然界の土壌菌や酵素等の微生物と、適度の温度
と、豊富な空気量とを給気ブロック支部毎に分割調整し
て供給するとともに、吹き出し空気が処理媒体の保水力
を越えた液体分の重力流下を促して水分の調整をなして
微生物にによる発酵作用を活性化させ、発酵作用により
発生した熱と蒸気は発酵槽の上面開口から大気中に自然
放出され、発酵槽の底部まで重力流下してきた脱離液は
排水構造部を介して排水されて、発酵処理用床が常に発
酵に良好な環境が維持できるように構成されている。
【0054】切返し装置は、発酵槽の縁を長尺方向に走
行しながら発酵槽に収納されている処理媒体と混入する
し尿または家畜の糞尿の腐熟をすすめるための切返しを
行うとともに、先端部の排出口側へし尿または家畜の糞
尿を混入した処理媒体を所定距離づつ移動するように構
成してある。
【0055】散水装置は、必要に応じて上面開口より発
酵槽内に収納された処理媒体に脱離液または水を散水し
て水分調整を行うことができるように構成してある。
【0056】前記投入装置により、長尺な発酵槽の発酵
処理用床に、し尿または家畜の糞尿を混入して発酵条件
調整手段を作動させると、し尿または家畜の糞尿を混入
した処理媒体内に自然界の土壌菌や酵素等の微生物と、
適度の暖かい温度と、豊富な空気量とを必要な給気ブロ
ック支部毎に分割調整しながら供給し、これにより自然
発酵が起こり、発酵作用により発生した熱と蒸気は発酵
槽の上面開口から大気中に自然放出され、発酵処理用床
の底部より吹き出す空気によって処理媒体の保水力を越
えた液体分の重力流下を促して水分を調整して発酵条件
を整え、更に所定の時間経過毎に切返し装置を用いて処
理媒体を切返すことにより発酵作用を活性化させながら
し尿または家畜の糞尿の混入した処理媒体を排出口側へ
所定距離づつ移動させ、必要に応じて散水装置により発
酵用処理床に散水して水分調整を行う操作により発酵を
効率的に促進させ、し尿または家畜の糞尿を混入した処
理媒体を完熟した堆肥となすことによって処理媒体と同
化するようになしたことを特徴とする連続式し尿または
家畜の糞尿処理施設である。
【0057】当該第6発明は、前記第1発明に係るし尿
または家畜の糞尿の再生処理方法を実施するための処理
施設として、特に、連続式の大量処理施設として設計さ
れた実施態様発明である。従って、基本的には前記第2
発明、第3発明、第4発明と同様に、有底上面開口型の
発酵槽内に堆肥化した処理媒体を所要量だけ収納してな
る発酵処理用床を構成したことと、当該発酵処理用床の
環境条件を整えるための発酵条件調整手段を備えてい
る。つまり、その基本的構成や発想および目的は、第2
発明、第3発明、第4発明と同じであるので、ここでは
説明を省略する。ただし、本発明は、一日当たり10t
〜40tという大量のし尿または家畜の糞尿処理が連続
式にできる業務用に適した処理施設を具現化したもので
あり、発酵槽と発酵処理用床を50m〜150mの長尺
なものとした点と、その一方の側壁の外側には、長尺な
し尿または糞尿貯留槽を併設し、長尺な他方の側壁の外
側には、当該側壁に沿って配管室が併設するように構成
して各施設の配置を無駄がないものとし、し尿または家
畜の糞尿の混入作業や、給気系機構の調整やメンテナン
ス等がやりやすく、合理的で使い勝手のよいものとした
点に特徴がある。また長尺な発酵槽は、多数の発酵槽を
並列に列設し易く、しかもその場合に図示のようにその
並列する発酵槽の間にし尿または糞尿貯留槽と配管室を
交互に配設することができる。このようにすると、使い
易く空間的無駄のない特許が可能となる。
【0058】発酵条件調整手段は、第2発明、第3発明
と同様に給気系機構に構成されたものであるが、発酵槽
が50m〜150mと長尺なものとなったのに伴い、場
所によって空気や温度の供給等の発酵条件や環境が低下
したり不適当にならないように、発酵槽の底面部を長尺
方向に数ブロックに分けて認識し、各ブロック毎に分技
した給気ブロック支部を配設するようになしてあり、部
分的に調整できるようにした点に特徴がある。
【0059】特許を受けようとする第7発明は、第6発
明に記載する処理媒体と、発酵槽と、投入装置と、発酵
条件調整手段と、し尿または糞尿貯留槽と、切返し装置
と、散水装置とからなるし尿または家畜の糞尿処理施設
の使用方法であって、前記長尺な発酵槽の発酵処理用床
を2/3〜4/5の領域からなる混入処理部と1/3〜
1/5の領域からなる完熟処理部とに区分し、投入装置
により発酵処理用床の2/3〜4/5の領域からなる混
入処理部に、し尿または家畜の糞尿を散布または混入し
て発酵条件調整手段を作動させると、し尿または家畜の
糞尿を混入した処理媒体内に自然界の土壌菌や酵素等の
微生物と、適度の暖かい温度と、豊富な空気とを必要な
給気ブロック支部毎に分割調整しながら供給し、これに
より自然発酵が起こし、発酵作用により発生した熱と蒸
気は発酵槽の上面開口から大気中に自然放出され、発酵
処理用床の底部より吹き出す空気によって処理媒体の保
水力を越えた液体分の重力流下を促して水分を調整して
発酵条件を整え、更に所定の時間経過毎に切返し装置を
用いて処理媒体を切返すことにより発酵作用を活性化さ
せながらし尿または家畜の糞尿の混入した処理媒体を排
出口側へ所定距離づつ移動させ、必要に応じて散水装置
により脱離液または水を発酵用処理床に散水して水分調
整を行う等の操作により発酵を効率的に行い、切返し装
置の切返しにより処理媒体が1/3〜1/5の領域から
なる完熟処理部にまで移動すると、新たなし尿または家
畜の糞尿の追加混入がなくなって発酵と腐熟が進み、当
該処理媒体が切り返しにより排出口まで移動したとき
は、完熟した堆肥となって処理媒体と同化して排出口よ
り排出され、当該排出された同化処理媒体は、発酵槽の
基端部の切返し移動によってできた空間部を主体に再収
納して発酵用処理床を補修するようにしたことを特徴と
する連続式し尿または家畜の糞尿の再生処理方法であ
る。
【0060】当該第7発明は、第6発明に係る連続式し
尿または家畜の糞尿処理施設を使用した再生処理方法で
あり、その基本的原理は、第1発明と同じである。本発
明の特徴は、発酵槽を50m〜150mと長尺にして、
その収納槽の基端部側より2/3〜4/5という非常に
広い範囲の発酵処理用床に大量のし尿または家畜の糞尿
を処分のため毎日散布混入することができるようにな
し、連続的にかつ効率的に大量のし尿または家畜の糞尿
の処分をすることができるようにした点にある。尚、収
納槽の排出口側より1/3〜1/5の領域にし尿または
家畜の糞尿を混入しないのは、毎日の発酵処理物の投入
により発酵処理用床に不完全発酵消化成分が堆積して処
理能力が低下するのを防ぐためである。つまり、処理媒
体に所定期間の休息する時間と領域を与え、その間に残
存していた有機物質を完全発酵させて処理媒体としての
発酵処理能力の復元と同化の完全性をは図ろうとするも
のである。尚発酵処理用床の処理媒体は、切り返しによ
り少しずつ排出口側に移送されることになっているが、
排出口まで移送された処理媒体は、排出口から一旦搬出
された後、収納槽の投入口側における移送後の空間その
他に再収納して発酵処理用床を整備し、次のし尿または
家畜の糞尿の投入混合に備えるようにするのである。
【0061】また、本発明は、発酵条件調整手段は給気
導管の適所から分技した複数の給気ブロック支部を発酵
槽内の底面部適所に配置し、噴出空気量調整装置で給気
ブロック支部毎に暖たかく土壌菌や酵素等の微生物を含
んだ空気を供給し、これによって収納槽内のし尿または
家畜の糞尿の混入した処理媒体へ自然界の土壌菌や酵素
等の微生物と適度の温度と、豊富な空気量とを給気ブロ
ック支部毎に分割調整して供給するようにしたので、長
尺で広い範囲の発酵処理用床にし尿または家畜の糞尿が
不均一に混入されたり、何らかの条件により発酵の進行
状況に差異が生じた場合でも、状況に応じてきめ細かく
発酵管理を行うことができるので、常に完熟した堆肥と
して処理媒体と同化処分することができる。
【0062】このように第7発明は、第6発明にかかる
連続式し尿または家畜の糞尿処理施設を使用して、長期
間連続して大量の再生処理業務を行うための方法であ
る。長尺な発酵槽の発酵処理用床を混入処理部と完熟処
理部とに区分して、毎日のし尿または家畜の追加混入は
混入処理部だけとし、完熟処理部で処理媒体の処理能力
を復活させ、その復活した処理媒体を混入処理部に循環
移動投入するようにして、発酵処理用床の処理能力が低
下するのを防ぐようにしたものである。このため、毎日
発生するし尿または家畜の糞尿であっても永続的に処理
能力を低下することなく確実に再生処理業務を行うこと
が出来るようにした合理的な処理施設である。
【0063】
【実施例】以下、し尿または家畜の糞尿の再生処理方法
とそのためのし尿または家畜の糞尿の高速堆肥化施設に
ついて、図示実施例に基づき詳細に説明する。
【0064】図1は、特許を受けようとする第1発明に
係るし尿または家畜の糞尿の再生処理方法を示す概念説
明図で、図2は、特許を受けようとする第2発明、第3
発明、第4発明に係るし尿または家畜の糞尿処理施設の
一実施例にかかる構造概要を示す説明図であり、図3
は、特許を受けようとする第2発明、第3発明、第4発
明に係るし尿または家畜の糞尿処処理施設の他実施例を
示す概要説明図であり、図4は、第6発明に係る連続式
し尿または家畜の糞尿処理施設の発酵槽と発酵条件調整
手段と切返し装置と脱離液貯留槽と散水装置を示す縦断
側面説明図であり、図5は、第6発明に係る連続式し尿
または家畜の糞尿処理施設の発酵槽と発酵条件調整手段
と脱離液貯留槽とを示す平面説明図であり、図6は、第
6発明に係る連続式し尿または家畜の糞尿処理施設を複
数列設した状態を示す斜視図である。
【0065】図1は、第1発明に係るし尿または家畜の
糞尿の再生処理方法を示す概念説明図で、発酵槽1内に
処理媒体2で構成される発酵処理用床3と発酵条件調整
手段4を備えておき、前記発酵処理用床3にし尿または
家畜の糞尿を混入して、処理媒体2と混合することによ
り発酵し易い状態となし、これに発酵条件調整手段4を
介して発酵に必要な微生物と豊富な空気と温度(30℃
〜40℃)を常時供給するようにし、必要に応じて散水
装置5を利用して水分も調整しながら供給して発酵作用
を活性化し、自然の状態より迅速にかつ確実に堆肥化
し、処理媒体2と同化するものである。具体的には、図
2,図3,図4,図5,図6に示したようなし尿または
家畜の糞尿処理施設を用いれば、特に簡単に処理出来る
方法である。
【0066】第1発明の発酵槽の形状や大きさは特に限
定がなく、発酵条件調整手段4と処理媒体に構成される
発酵処理用床3とを備えておけば充分である。また、処
理媒体2は、有機性廃棄物を発酵処理して堆肥化したも
のであれば特に限定はない。
【0067】図2,図3,図4,図5,図6などに記載
の発酵条件調整手段4は、空気と微生物を吸入して、圧
縮し、圧縮によって空気を30℃〜40℃に暖めて供給
する給気系機構方式になっているが、この方式に限る必
要はなく、空気供給装置と発酵槽内の温度を暖める装置
が分離した方式のものであっても良いこと勿論である。
【0068】し尿または家畜の糞尿を散布または混入し
た後、撹拌切り返し装置6で撹拌して養分と水分を処理
媒体1内に交ぜ合わせて発酵し易い状態に調整する。水
分が多すぎる場合には重下流水となって水捌するし、水
分不足の場合には前記散水装置を介して水分補給すれば
よいのである。し尿または家畜の糞尿を混入した後、数
時間で発酵が盛んとなり、発熱してくる。投入後1週間
から10日位で堆肥化し処理媒体2と同化するが、毎日
所定量づつ投入して処理するのであれば、発酵槽1が満
杯になるまで永続的に処理が可能である。
【0069】この基本原理は、生のし尿または家畜の糞
尿を処理媒体1の中で強制発酵して堆肥化することによ
り処理媒体1と同化させようとするものである。人間の
生活環境や公衆衛生に有害な生のし尿または家畜の糞尿
を微生物の分解消化能力を利用して有益無害な堆肥に貴
化する処理である。生のし尿または家畜の糞尿を構成す
る大部分は水分であり、水分が30%〜60%の完熟し
たときに残る堆肥の量は、数十分の一になって処理が容
易になるし、成分の大部分を占める水分は発酵作用の際
生じる発酵熱で蒸発し大気中に拡散されてしまう処理方
式である。また、完熟して出来た堆肥は土壌改良剤とし
て田畑に撒いて農業に積極的に利用できるだけでなく、
土壌化しているので地球上のどこに利用してもよい状態
になっている。このようにし尿または家畜の糞尿を微生
物が分解して出来た堆肥は、土と同化して地力を高め、
植物をよく育て、地球上の環境を整え、生命の流れの大
サイクルを円滑にして地球上の生き物の生成発展を促す
理想的な処理法である。有機物の微生物による発酵、分
解によって貴化し、浄化処理する方法は、大自然が地球
上で十数憶年にわたって行ってきた生命の流れの大サイ
クルの営みの一部でもある。
【0070】本発明は、前記のような基本思想をもとに
して、し尿または家畜の糞尿の微生物による発酵堆肥化
を、可及的に高速に効率よく発酵槽内で行おうとするも
ので、微生物の本来持つ処理能力を信じ、発明者は微生
物ができるだけ能力を発揮出来るような発酵環境を整備
してやることに焦点をあわせて創意工夫をこらした点に
特長がある。その結果、し尿または家畜の糞尿は、自然
条件での堆肥化に比較して飛躍的に速く、平均すると2
〜3週間で、遅くても25日間で完熟し、処理媒体と同
化することとなった。尚、本発明の処理法における量的
処理能力については、発酵処理用床を構成する処理媒体
の量に比例するが、発酵作用の活性化が失われない範囲
であれば可能なわけで、その本来処理能力はかなりあ
る。しかし、永続的に効率よく発酵処理するには、発酵
処理用床の分解消化能力に相当の余裕があったほうが、
結果的に効率が良くなる。その永続的に円滑な処理が行
えることを基準にして概算すると例えば処理媒体の量が
500tある発酵処理用床を用意すれば、牛であれば2
000頭から3000頭分の毎日生産される生糞尿を毎
日処理できる能力があるし、豚であれば、4000頭〜
6000頭分が毎日生産する生糞尿を処理できる能力が
あり、人間の場合には、約15000人分の毎日のし尿
処理が可能である。
【0071】図2は、第2発明、第3発明、第4発明に
係るし尿または家畜の糞尿処理施設の実施例の構成概要
を示す説明図である。図2に示したし尿または家畜の糞
尿処理施設は、処理媒体2で構成される発酵処理用床3
と発酵条件調整手段4とを備えた発酵槽1と投入装置7
と切返し装置6と散水装置5とからなる。
【0072】発酵槽1は、処理媒体2で構成される発酵
処理用床3を収納した有底上面開口型の収納槽で、その
底面部には排水構造部8を形成するものである。このよ
うに発酵槽1は上面開口型であるため、上面からの混入
作業、切返し作業、散水作業やその他の作業が便利なう
え、大気中の自然の微生物の取り込み、水分の蒸発、臭
気の拡散などが容易である特性がある。発酵処理用床3
を構成する処理媒体2は、有機性廃棄物を発酵処理して
堆肥化したものであれば特に限定はない。
【0073】発酵条件調整手段4は、当該発酵槽1に装
着され、槽内を発酵に適した状態に保つよう自然界の土
壌菌と温度と空気と水分とを供給調整する装置である。
当該発酵条件調整手段4は、吸入した外気を圧縮すると
ともに適度に暖めこれを吐出す昇温調整機能41付き空
気圧縮機42と、当該空気圧縮機42からの暖められた
吐出空気を発酵槽1に導く給気導管部43と、当該給気
導管部43の先方に連結形成された空気噴出孔を有する
給気部44と、給気導管部43に配設された噴出空気量
調整装置45とからなる給気系機構として構成されてい
る。当該給気系機構の給気部44は発酵槽1の底面部に
ほぼ全面にわたって配設され、当該配設された給気部4
4の周辺またはその近傍上部には通気・通水床層48を
形成して、これが収納槽の底部となるように構成してあ
る。尚、図中の46は、発酵槽1内の処理媒体1の温度
と空気量と湿度を調べるためのセンサーで、当該センサ
ー46で得られた情報をコンピューター等を用いて情報
処理し、噴出空気量調整装置45や昇温調整機能41を
コントロールする制御装置47である。
【0074】尚、発酵条件調整手段4について、図示の
ものは、空気と微生物を吸入して、圧縮し、圧縮によっ
て空気を30℃〜40℃に暖めて供給する空気と、温度
と、微生物とを一緒に供給する給気系機構方式になって
いるが、給気系機構方式になっていれば、空気供給装置
から温度を暖める装置や微生物供給装置が分離した方式
のものであってもよいこと勿論である。
【0075】投入装置7は、発酵槽1に収納されている
処理媒体2にし尿または糞尿を散布または混入し得るも
のであればよく、図示のように運搬車から直接投入する
方式だけでなく、図示しない貯留槽から汲み上げる方式
のものや、切返し装置に付設された方式など、方式や形
状は特に限定されるものではない。
【0076】また、発酵槽1に収納されている処理媒体
2の腐熟をすすめるため切返しを行う切返し装置6は、
図2に示のようにスクリュースクープ式だけに限る必要
はなく、図3に示したような走行チェーンスクープ式
や、図示しないが走行ドラムスクープ式、ロータリーク
ラシャー式、その他種々の方式の切返し装置でよいこと
勿論である。
【0077】図2に示された散水装置5は、脱離液貯留
槽9に装着され、貯留する脱離液を汲み上げる汲み上げ
部51または水道管や井戸管と連続して形成された散水
部52とからなり、発酵槽1内に収納された処理媒体2
に散水できるように構成されている。
【0078】尚、図2に示されている脱離液貯留槽9
は、前記発酵槽1の排水構造部8と連通し、発酵処理用
床3の処理媒体2の保水力を越えた液体が重力により底
部まで下ってきた脱離液を貯4する槽体に構成されてい
る。
【0079】上記のように図示実施例に係るし尿または
家畜の糞尿処理施設は、6つの構成要素を組み合わせた
もので、この施設によりし尿または家畜の糞尿を短期間
に堆肥化するものである。その基本的設計思想は、第1
に、そのままでは水分が多くて発酵しにくい状態のし尿
または家畜の糞尿を発酵し易い状態にすることであり、
第2に、自然環境や自然微生物のもつ発酵消化能力や堆
肥化能力の潜在的力を信じ、その自然が持つ力が最大限
発揮できるように環境を整えてやることである。
【0080】図示実施例は、前記第1基本思想を具現化
するために処理媒体2からなる発酵処理用床3を用意し
ておき、これにし尿または家畜の糞尿を混和することに
より水分と養分を分散吸収して発酵し易い状態にするこ
とであり、第2の基本思想を具現化するために、発酵槽
1に発酵条件調整手段4として給気系機構を開発装備し
て、自然界の土壌菌と、適度の温度と、豊富な空気とを
同時に調整供給出来るようにするとともに余分な水分の
排水調製を促しているのである。
【0081】発酵条件調整手段4における当該給気系機
構の空気圧縮機42を作動させると、自然界の土壌菌を
含んだ空気を吸入し、圧縮するとともに昇温調整機能4
1により微生物が最も活動しやすい温度(30℃〜40
℃)に暖めて吐出し、給気導管部43はこの吐出し圧縮
空気を発酵槽1に送り、噴出空気量調整装置45で供給
される空気量が調整されたうえ給気部44の空気噴出孔
から発酵槽1内に噴出され、この暖たかく且つ土壌菌を
含んだ空気は、通気・通水床層48を介して発酵処理用
床3内へその底部ほぼ全面から吹き出すように供給され
る。
【0082】これによって発酵槽1内の処理媒体2へ
は、常時自然界の土壌菌と、適度な温度と、豊富な空気
量とを調整供給することとなる。このように給気系機構
という一連の装置だけで、1石3鳥の働きをするように
した点に大きな特徴がある。また、空気を暖めるのに、
外部から加熱するのではなく、空気圧縮により発熱させ
る方式を採用した。このため、吸入した大気中に存在し
た微生物を死滅させたり減少させたりすることがなく、
確実に活性化した状態で発酵処理用床3内へ連続的に供
給することとなる。このように、本施設における発酵
は、空気を豊富に供給によるものであるから好気性発酵
をさせる発酵槽1である。
【0083】また底部から温風が吹き出し処理媒体2の
間を吹き上げるようにすると、通気性及び通水性がよく
なり処理媒体2の保水力を越えた余分な液体分の一部は
蒸発し、それ以外の分は重力流下を促すこととなる。そ
の結果、含水率の多いし尿または家畜の糞尿であって
も、処理媒体2内に投入すれば、たちまち適当な湿り具
合をもった状態に水分を調整できるし、発酵槽1の底部
まで流下した余剰脱離液は、排水構造部8を介して排水
され脱離液貯留槽9内に貯留することができる。また、
処理媒体2の水分が不足する状態になったときは、必要
に応じて前記散水装置5を作動させて脱離液貯留槽9内
の脱離液を汲み上げるか、あるいは水道管10を連結し
て発酵槽1内の処理媒体2に散水することにより、発酵
に必要な水分の補充を行えるようにしてある。
【0084】叙上のように、本発明のし尿または家畜の
糞尿処理施設は、発酵槽1内に処理媒体2を収納した発
酵処理用床3を構成しておき、し尿または家畜の糞尿の
養分や水分を分散、吸収して発酵しやすい状態に調整す
るとともに、発酵槽1内の処理媒体2に常時30℃〜4
0℃に暖められた空気を大気中の微生物とともに、下か
ら吹き上げるようにして大量に供給しつづけるととも
に、水分は重力による流下を促し、水分不足状態になっ
た場合には脱離水を上から散水補充して水分調製し、発
酵槽1内の発酵状態が可及的に活性化しやすい状態を維
持することができる。このように、本し尿または家畜の
糞尿処理施設は、微生物の発酵による堆肥化の環境を、
自然環境よりはるかに良好で理想的な環境造りをするこ
とにより、自然に発酵し完熟するに要する期間より短期
間(約25日)に効率良く発酵処理により堆肥化できる
性能を有することとなった。
【0085】図3は、第3発明、第4発明に係るし尿ま
たは家畜の糞尿処理施設の一実施例を示す概要説明図で
ある。これは、第1発明の再生処理方法を実施するため
のし尿または家畜の糞尿処理施設の実施態様の一つであ
る。当該第3発明、第4発明に係るし尿または家畜の糞
尿処理施設の実施例は、図3に示すように、処理媒体2
と、発酵槽1と、発酵条件調整手段4と、し尿または糞
尿貯留槽11と、切返し装置6と、散水装置5と、投入
装置7とから構成されている。
【0086】第3発明は、基本的設計思想は、第2発明
と同じであるため、発酵槽1と、発酵条件調整手段4
と、切返し装置6と、散水装置5については、図2に示
した実施例と同様である。従って、これらの説明は、こ
こでは省略する。しかし、図3に示した第3発明の実施
例では、処理媒体2を具体的に特定するとともに、し尿
または糞尿貯留槽11を装備させ、投入装置7をし尿ま
たは糞尿貯留槽11からの汲み上げ方式にした点が特徴
である。
【0087】処理媒体2は、家畜の糞尿、作物残渣、汚
泥、食物残渣、有機性燃え殻など各種の有機性廃棄物の
1種または2種以上を混合し、養分、水分、pHを調整
して発行用調整廃棄物にしたものを発酵処理して水分が
30%〜50%の堆肥化したものである。このようにし
て準備された処理媒体2は、し尿または家畜の糞尿を好
んで養分として分解消化しようと活性化する微生物を多
く含んでいる。また、水分が30%〜50%と少なくな
っているので、水分の多量に含まれているし尿または家
畜の糞尿を投入すると、処理媒体2の水分が60%〜7
0%となって、発酵に好適な水分に調整される。
【0088】し尿または糞尿貯留槽11は、発酵槽1の
そばに、運ばれてきたし尿または糞尿を貯留するととも
に、前記発酵槽1の排水構造部8と連通し、収納槽内の
処理媒体2の保水力を越えた液体が重力により底部まで
流下してきた脱離液を貯留し得る槽状に構成した。この
ように、発酵槽1の排水構造部8とし尿または糞尿貯留
槽11とが連通しており、排水が施設外に流れ出ること
がないクローズドシステムなので、本発明にかかるし尿
または家畜の糞尿処理施設は、排水処理設備を備える必
要がないうえ、地下水や川などの周辺の環境を汚染する
ことがない好ましい処理法である。
【0089】また投入装置7は、当該し尿または糞尿貯
留槽11から汲み上げる汲み上げ部71と、これに連続
して形成された供給部72とからなり、発酵槽1に収納
されている処理媒体2にし尿または家畜の糞尿を散布ま
たは混入し得る構成になっている。図示実施例における
投入装置7の供給部72は、走行チェーンスクープ式の
切返し装置6の進行方向前部に装着されて発酵槽1の上
部開口縁部を移動自在となっている。つまり、切返し装
置6による撹拌進行の直前にいつもし尿または家畜の糞
尿を散布し、直後に撹拌混合するように構成したもので
ある。
【0090】第4発明は、処理媒体2として、有機性廃
棄物にペーパースラッジ(製紙工場にかかる脱水汚泥)
と植物性スラッジ焼却灰(ペーパースラッジ焼却灰を含
む)を加えて混合して発酵用調整廃棄物となし、この発
酵用調整廃棄物を発酵槽1にて発酵処理して水分が30
%〜50%の堆肥化したものを用いたことを特徴とする
し尿または家畜の糞尿処理施設である。
【0091】発酵条件の整わないし尿または家畜の糞尿
を発酵用調整廃棄物に調整するための調整用資材として
未利用の廃棄物であるペーパースラッジ(製紙工場にか
かる脱水汚泥)と植物性スラッジ焼却灰(ペーパースラ
ッジ焼却灰を含む)とを新たに見出したものである。こ
こにペーパースラッジは、製紙工場にかかる汚泥を脱水
処理したものである。このペーパースラッジは製紙工場
からでる生汚泥を埋立のために脱水処理をしたものであ
るが、パルプや砕きほぐされた木材繊維質のものが主成
分である。これはそれ自体有機性物質であるだけではな
く、有機性成分をよく吸着する性質があるうえ、保水力
があり、多孔質で細かい空間も多い素材なので、微生物
を保持し繁殖させる媒体として最適の素材である。しか
も本来木質でありながら反分解状態にあるので、極めて
分解し易い素材となっている。また、当該ペーパースラ
ッジはタンソ率(C/N)が高く、土の中の腐植を増や
す力の強い素材であり、堆肥用素材としては、非常に好
ましい成分特性をもっている。特に、これとし尿や糞尿
などのチッソ質素材とを組み合わせると非常にバランス
のとれた高品質の堆肥を造ることができるものである。
【0092】また、植物性スラッジ焼却灰(ペーパース
ラッジ焼却灰を含む)を更に調整用資材として使用する
のは、炭を補給することにより、発酵の際の脱臭効果を
発揮させることと、炭は作物の成長を良くし収量を挙げ
させしかも病原菌の侵入を阻止する効果のある菌根菌を
良く繁殖させること、水や空気の通りを良くし微生物の
住みかとなって、微生物の増殖を助ける効果があるため
である。即ち、植物性スラッジ焼却灰(ペーパースラッ
ジ焼却灰を含む)の使用は、発酵処理による堆肥化を助
け、堆肥の品質を高める効果があり、調整用資材として
好適なものである。
【0093】しかもこれらペーパースラッジや植物性ス
ラッジ焼却灰(ペーパースラッジ焼却灰を含む)は、従
来埋立処分をするための中間処理をした廃棄物として、
大量に存在するし、いまのところ未利用資源となってい
る。従って、これの入手は比較的容易であるし、これを
大量に使用することは廃棄物を有効に利用したことにな
って歓迎されるし、経済性も充分にある。
【0094】図4は、第6発明に係る連続式し尿または
家畜の糞尿処理施設の実施例を示す縦断側面図で、図5
は、第6発明に係る平面説明図であり、図6は、第6発
明に係る連続式し尿または家畜の糞尿処理施設を複数列
設した状態を示す斜視図である。
【0095】当該第6発明に係るし尿または家畜の糞尿
処理施設の実施例は、処理媒体2と、発酵槽1と、し尿
または糞尿貯留槽11と、投入装置7と、発酵条件調整
手段4と、切返し装置6と、散水装置5とから構成され
ている。
【0096】処理媒体2は、家畜の糞尿、農作物残渣、
汚泥、食物残渣、有機性燃え殻など各種の有機性廃棄物
の1種または2種以上を混合し、養分、水分、pHを調
整して発行用調整廃棄物にしたものを発酵処理して水分
が30%〜50%の堆肥化したものである。この処理媒
体2の特徴は、第3発明においてすでに説明したので、
ここでは記載を省略する。
【0097】発酵槽1は、幅3m,深さ2m,長さ10
0mを有する長尺な処理媒体2を収納できる有底上面開
口型のコンクリート製の収納槽で、その先端部には排出
口12を設ける。排出口12は発酵槽1の先端部底面が
開口しうるように構成され、その下に搬出用運搬車Aが
駐車できるように構成されている。当該発酵槽1内には
処理媒体2を約7〜8分目になるように収納して発酵処
理用床3を構成しておく。
【0098】また、発酵槽1の底面部には排水口81を
有しそれに向かっての下り傾斜面と排水を誘導する溝と
からなる排水構造部8を形成してある。また、当該発酵
槽1の長尺な一方の側壁の外側には、運ばれてきたし尿
または家畜の糞尿を受け入れ、貯留出来る長尺なし尿ま
たは糞尿貯留槽11を当該側壁に沿って併設するように
構成し、当該し尿または糞尿貯留槽11には前記発酵槽
1内で重力流下してきた脱離液が貯留できるように排水
構造部8を連通して構成する。当該発酵槽1の長尺な他
方の側壁の外側には、当該側壁に沿って配管室13を併
設する。
【0099】施設としての効率を重視する実際の設計に
おいては、図6に示すように発酵槽1を2列併設し、そ
の上方に半円筒状(かまぼこ型)で前後が開口した覆い
建造物26を設置しておき、雨や雪等が不用意に発酵槽
1内に入り込まないようにする。また発酵槽1を前記の
ように2列併設する場合には、隣接する側壁に沿って少
し広い配管室13を造って、その両側の発酵槽1の兼用
の配管室13とすると良い。
【0100】投入装置7は、図示のように発酵槽1の縁
を長尺方向に走行しながら、し尿または糞尿貯留槽11
からし尿または家畜の糞尿を吸い上げる吸い上げ部71
と、これに連結し発酵槽1に収納されている処理媒体2
にし尿または糞尿を投入する供給部72とで構成された
装置で、当該当供給部72は、発酵槽1の縁を長尺方向
に走行する切返し装置6の進行方向前方に付設し、投入
後に切返し装置6で撹拌し処理媒体2とよく混合させる
ようにする。
【0101】前記発酵条件調整手段3は、図4に示した
ように吸入した外気を圧縮するとともに適度に暖めこれ
を吐出す昇温調整機能41付き空気圧縮機42と、当該
空気圧縮機42からの暖められた吐出空気を発酵槽1に
導く給気導管部43と、当該給気導管部43の先方に連
結形成された空気を噴出する給気部44と、給気導管部
43に配設された噴出空気量調整装置45とからなる給
気系機構である。
【0102】前記給気部44は前記給気導管部43の適
所から分技した複数の給気ブロック支部44A,44
B,44C…で構成され、当該給気ブロック支部44
A,44B,44C…は空気噴出孔47を有する給気管
部49を分技配管したものである。当該空気噴出孔47
を有する給気管部49は、均等二分技方式に分技した形
状に配管してあるのが望ましい。
【0103】また、給気導管部43の分技部分には噴出
空気量調整装置45が設けられ、分技した各給気ブロッ
ク支部44A,44B,44C…ごとに噴出空気量を調
整できるように構成されている。そして、当該給気系機
構の他の構成要素との関係は、空気圧縮機42が前記配
管室13の近傍で外気を吸入出来るように大気中に露呈
して設置されており、当該空気圧縮機42の吐出空気を
発酵槽1に導く給気導管部43と給気部44の分技部分
に配設された噴出空気量調整装置45とは前記配管室1
3内に配設されている。また、当該給気導管部43の適
所から分技した複数の給気ブロック支部44A,44
B,44C…は側壁を貫通して発酵槽1内の底面部適所
に配置されている。
【0104】更に、発酵槽1の底面部に配設した各給気
ブロック支部44A,44B,44C…の周辺またはそ
の近傍上部に通気・通水床層48を形成して、これが収
納槽21の底部となるように構成してある。当該通気・
通水床層48は、例えば、耐腐食性の強い合成樹脂等で
形成された網板、またはすのこ状の物を配設したり、合
成繊維で荒く編み込んだ不織布状のマットを敷詰めた
り、通気性や通水性を維持できるジャリ石や粒石を敷詰
めたりした構成にしたものでよい。これは、前記空気噴
出孔47を有する給気管部49や給気部44が、収納さ
れた処理媒体2と直接接触することにより、空気噴出孔
47の目詰まりを防止するとともに、これら部品が早期
に腐食するのを防止するためである。
【0105】そこで、当該給気系機構の空気圧縮機42
を作動させると、先ず自然界の土壌菌を含んだ空気を吸
入し、圧縮する。この際、昇温調整機能41を働かせて
圧縮によって空気を30℃〜40℃の温度に暖めて吐出
す。給気導管部43はこの吐出し圧縮空気を発酵槽1に
送り、噴出空気量調整装置45で給気ブロック支部44
A,44B,44C…毎に供給される空気量が調整され
たうえ給気部44から発酵槽1内に噴出される。この噴
出された暖たかく土壌菌を含んだ空気は、通気・通水床
層48を介して収納槽内に吹き出すように供給される。
しかし、これによって収納槽内の処理媒体2へ自然界の
土壌菌と、適度の温度と、適度な空気量とを給気ブロッ
ク支部44A,44B,44C…毎に分割調整しながら
供給する。また、底部より吹き出す空気は、処理媒体2
の保水力を越えた液体分の重力流下を促して水分の調整
をするようになし、発酵槽1の底部まで下ってきた脱離
液は排水構造部8を介してし尿または糞尿貯留槽5に貯
留する。
【0106】更にまた、切返し装置6は、発酵槽1の縁
を長尺方向に走行しながら発酵槽1に収納されている処
理媒体2の腐熟をすすめるため切返しを行うとともに、
排出口側へ処理媒体2を所定距離づつ移動する方式の装
置である。本実施例では走行チェーンベルト式のもので
あり、一回の切り返しにより2m先端方向に移送する。
従って100mの長さの発酵槽1では、50回の切り返
しを行うことにより処理媒体2を発酵槽1の基端部から
先端部まで移送されることになる。この切り返し作業は
1日2回行われるので、基端部から先端部までの移送は
25日間となる。この間で、し尿または家畜の糞尿7は
一次発酵、二次発酵を経て完熟して堆肥化し、処理媒体
と同化する。
【0107】また、散水装置5は、前記し尿または糞尿
貯留槽11に装着された貯留する脱離液の汲み上げ部5
1と当該汲み上げ部51または水導管に連結形成された
散水部52とからなり、発酵槽1内に収納された処理媒
体2に脱離液または水を散水できるように構成してあ
る。散水部52を切返し装置6に装着して、切返しを行
いながら水分不足気味の領域にだけ脱離液を散水しても
良いし、図5に示すように作業員によって必要な散水を
行っても良い。
【0108】以上のように本施設を用い、投入装置7に
より、長尺な発酵槽の発酵処理用床3に、し尿または家
畜の糞尿を混入して発酵条件調整手段4を作動させれ
ば、収納槽21内の処理媒体2へ自然界の土壌微生物
と、適度の暖かい温度と、豊富な空気量とを必要な給気
ブロック支部毎に調整して供給することができる。これ
によって自然発酵が起こり、発酵作用により発生した熱
と蒸気は発酵槽の上面開口から大気中に自然放出され、
この際、発酵処理用床4の底部より吹き出す空気が処理
媒体2の保水力を越えた液体分の重力流下を促して、約
1.5日で水分の調整が終わる。このように温度と空気
と水分が調整されはじめると、自然に発酵を開始する。
この自然発酵が起こりはじめた処理媒体2については一
日2回の割合で切返し装置6を用いて切返し、発酵を活
性化するとともに排出口側へ処理媒体2を2mづつに移
動する。この間にも適宜発酵条件調整手段4を作動させ
て発酵槽1内の土壌菌と温度と空気量とを給気ブロック
支部44A,44B,44C…毎に分割調整して発酵を
促進する。同時に必要に応じて散水装置5により脱離液
を散水して水分調整を行う。これにより発酵を効率的に
促進させ、し尿または家畜の糞尿を混入した処理媒体2
を完熟した堆肥となすことによって処理媒体2と同化す
るようになす。また、同化した処理媒体2が排出口12
側近傍に移送されたときは完熟して堆肥化し、排出口1
2から堆肥として定量ずつ連続的に搬出できる。
【0109】第7発明は、前記第6発明にかかる連続式
し尿または家畜の糞尿処理施設の使用方法である。先
ず、前記長尺な発酵槽1の発酵処理用床3を2/3〜4
/5の領域からなる混入処理部と1/3〜1/5の領域
からなる完熟処理部とに区分する。そして投入装置7に
より発酵処理用床3の2/3〜4/5の領域からなる混
入処理部に、し尿または家畜の糞尿を散布または混入し
て発酵条件調整手段4を作動させる。すると、し尿また
は家畜の糞尿を混入した処理媒体2内に自然界の土壌菌
や酵素等の微生物と、適度の暖かい温度と、豊富な空気
とを必要な給気ブロック支部44A,44B,44C…
毎に分割調整しながら供給し、これにより自然発酵が起
こし、発酵作用により発生した熱と蒸気は発酵槽1の上
面開口から大気中に自然放出され、発酵処理用床3の底
部より吹き出す空気によって処理媒体2の保水力を越え
た液体分の重力流下を促して水分を調整して発酵条件を
整える。更に所定の時間経過毎に切返し装置を用いて処
理媒体2を切返すことにより発酵作用を活性化させなが
らし尿または家畜の糞尿の混入した処理媒体2を排出口
12側へ所定距離づつ移動させる。
【0110】必要に応じて散水装置5により脱離液また
は水を発酵用処理床3に散水して水分調整を行う等の操
作により発酵を効率的に行い、切返し装置6の切返しに
より処理媒体2を1/3〜1/5の領域からなる完熟処
理部にまで移動する。すると、新たなし尿または家畜の
糞尿の追加混入がなくなって発酵と腐熟が進み、当該処
理媒体が切り返しにより排出口まで移動したときは、完
熟した堆肥となって処理媒体2と同化して排出口13よ
り排出される。当該排出された同化処理媒体13は、発
酵槽1の基端部の切返し移動によってできた空間部を主
体に再収納して発酵用処理床3を補修する。このように
することにより連続式に、し尿または家畜の糞尿を再生
処理する方法である。
【0111】本実施例の再生処理方法を用いると、15
000人の毎日のし尿を永続的に再生処理することがで
きるし、豚であれば、4000頭〜6000頭分が毎日
生産する生糞尿を処理できる能力がある。同化して少し
づつ増える処理媒体は、発酵槽が一杯になるまで約2年
間以上そのまま継続使用できるし、もし一杯になった場
合でも、その余剰分を除去してコンポストや土壌改良剤
として田畑や山林や公園など緑地に散布して還元使用す
ることができるので、心配がない。
【0112】
【効果】第1発明は、発酵槽内に前記堆肥化した処理媒
体を収納して発酵処理用床を構成しておき、し尿または
家畜の糞尿を混入し、発酵槽に装備した発酵条件調整手
段を作動させて、発酵処理用床内に自然界の土壌菌や酵
素等の微生物と温度と空気とを供給し水分を調整して発
酵環境を整え、発酵作用を活性化してし尿または家畜の
糞尿の発酵分解を強制的に促進させ、短時間に堆肥化し
て処理媒体と同化するようにしたのが特徴である。
【0113】本発明に係る処理方法は、し尿または家畜
の糞尿を処理媒体で発酵し易く調整したうえ、好気性発
酵により分解消化するものであるが、発酵によって60
℃〜80℃の熱が発生し、水分を蒸発して大気中に放散
させる。本発明は、このように発酵による有機物質の分
解消化作用と発酵熱による乾燥作用との複合作用による
処理であるため、簡単で効率がよい。しかも、発酵条件
調整手段により発酵条件を整えて強制的に発酵を促進す
るので、微生物の消化能力が高まり、短期間でし尿また
は家畜の糞尿を有益無害な堆肥に変質させて再生処理す
ることができる。つまり本発明は、微生物の発酵熱を利
用し、加熱することなく効率良く蒸発乾燥させるので、
極めて省エネルギーで経済的な処理法である。
【0114】更に、本発明は、堆肥化して処理媒体と同
化するが、その同化する処理媒体の量が量的に急速に増
えることはないので、長期間に渡って繰り返しし尿また
は家畜の糞尿の投入と処理とを行うことができる。しか
も長期間の繰り返し処理によって出来た堆肥は、処理媒
体と同化して発酵処理用床を強化補充するので、この再
生処理方法は処理を繰り返せば繰返すほど、その処理能
力が分解消化力的にも処理量的にも次第に向上発展する
素晴らしい処理方法である。
【0115】当該第2発明は、前記第1発明に係るし尿
または家畜の糞尿の再生処理方法を実行するための処理
施設として基本的な構成を備えたものである。当該第2
発明の大きな特徴は、有底上面開口型の発酵槽内に堆肥
化した処理媒体を所要量だけ収納してなる発酵処理用床
を構成したことと、当該発酵処理用床の環境条件を整え
るための発酵条件調整手段を備えた点にある。このた
め、発酵処理用床による発酵堆肥化能力は、可及的に高
められ、し尿または家畜の糞尿を迅速にかつ効率良く堆
肥化して発酵処理用床に同化させることにより処分する
ことができるようにしたし尿または家畜の糞尿処理施設
である。
【0116】本発明の基本的設計思想は、微生物の発酵
処理能力を信じ、出来るだけ自然界の法則に添った基本
構成にし、その環境を自然界以上に整えることに留意し
たものである。具体的には、発酵処理用床を構成する処
理媒体として発酵を誘発し易い完熟した堆肥を採用し、
当該発酵処理用床では、水分は重力にそって上から下方
向へ移動するように、気体は下から上方向に移行するよ
うに、温熱は下から上方向へ移行するようになし、更に
上方は気体や熱が拡散するよう開放されており、下方に
流下した水分の水捌も良好となるように構成されてい
て、発酵処理用床での空気、水分、熱などの滞りや溜り
を一切なくし、常時盛んな新陳代謝を行いながら、自然
界以上に発酵に好適な状態が維持出来る環境造りを具現
化したものである。その結果、本発明に係るし尿または
家畜の糞尿処理施設では、微生物の活性化が著しく、発
酵作用の進行が素晴らしく速くなり、従来より短期間に
効率良く発酵処理により堆肥化できる性能を有すること
となった。
【0117】また、本発明は、有底上面開口型の発酵槽
を用いることにより当該蒸気が上面開口より大気に放出
され、人工的にエネルギーを用いなくてもし尿または家
畜の糞尿の大部分を自然に処分出来てしまう点を利用し
ているので、排水する必要がなく、周辺の環境の破壊を
しないものであり、また、本発明による発酵が、酸素を
大量に供給しての好気性発酵が主体なので、臭気も少な
く、蝿や蚊など公衆衛生の向上を害する虫も殆ど発生し
ない点も特長がある。
【0118】更に、本願発明は、自然界の土壌菌や酵素
等の微生物を取り込み、その微生物の分解消化力によっ
て処理するもので、人工的に調整した微生物を使用しな
いので、その面でも経済的である。
【0119】特許を受けようとする第3発明は、家畜の
糞尿、作物残渣、汚泥、食物残渣、有機性燃え殻など各
種の有機性廃棄物の1種または2種以上を混合し、養
分、水分、pHを調整して発酵用調整廃棄物にしたもの
を発酵処理して水分が30%〜50%の堆肥化した処理
媒体と、前記処理媒体を収納できる有底上面開口型の収
納槽で、その底面部には排水口を有する排水構造部を形
成する発酵槽と、当該発酵槽に装着され、収納槽内を発
酵に適した状態に保つよう自然界の土壌菌や酵素等の微
生物と温度と空気とを供給し水分を調整する発酵条件調
整手段と、運ばれてきたし尿または糞尿を貯留するとと
もに、前記発酵槽の排水口と連通し、収納槽内の処理媒
体の保水力を越えた液体が重力により底部まで流下して
きた脱離液を貯留するし尿または糞尿貯留槽と、当該し
尿または糞尿貯留槽から汲み上げる汲み上げ部とこれに
連続して形成された供給部とからなり、発酵槽に収納さ
れている処理媒体にし尿または家畜の糞尿を散布または
混入する投入装置と、発酵槽に収納されているし尿また
は家畜の糞尿の混入している処理媒体の腐熟をすすめる
ため切返しを行う切返し装置と、上面開口より発酵槽内
に収納された処理媒体に散水できるように構成された散
水装置とから構成されている。
【0120】この第3発明は、第2発明と同じで、し尿
または家畜の糞尿の混入した後、前記発酵条件調整手段
を作動させる簡単な操作をなすだけで微生物を活性化
し、発酵作用を盛んにし、時折切返し操作と、散水を行
うことによりし尿または家畜の糞尿は、微生物によりた
ちまち発酵分解されるとともに、高温になって水分を蒸
発拡散し、短期間に効率良く堆肥化し処理媒体と同化す
ることができる施設である。
【0121】また、本発明は、し尿または糞尿貯留槽が
装備されており、処理媒体や発酵条件調整手段の構成が
具体的になっているほか、発酵槽の底部まで重力流下し
てきた脱離液は排水構造部を介して排水されてし尿また
は糞尿貯留槽に貯留する構成になっているので、余分な
排水が一切出ないクローズドシステムとなっており、そ
の結果、本施設の周辺環境を排水で汚染することがない
特性がある。
【0122】また、本発明に係る前記発酵条件調整手段
は給気系機構に構成されており、これを発酵槽に装設
し、圧縮により自ら暖かくなった空気を底部より発酵処
理用床に吹き込むことにより、収納槽中の処理媒体に自
然界の土壌菌や酵素等の微生物と、適度の温度と、豊富
な空気とを調整しながら供給するとともに、余剰水分の
調整まですることができるようにしたもので、発酵槽内
の発酵条件造りを給気系機構という簡単な装置により同
時4役で効率的におこなっている点に特長がある。この
ため、加熱装置とか、水分調整装置などの余分な装置が
不用となり、しかもその構造が簡単となり、作動のため
のエネルギーが少なくて済む。このため、本発明の施設
は、設備投資が少なくて済むだけでなく、運転経費も省
力化されているので少なくて済み、非常に経済的で処理
能力の優れた処理施設となっている。
【0123】当該第4発明は、発酵処理用床を構成して
なる処理媒体を特定してなる発明である。処理媒体とな
る堆肥の原料として有機性廃棄物にペーパースラッジ
(製紙工場にかかる脱水汚泥)と植物性スラッジ燃え殻
(ペーパースラッジ焼却灰を含む)等を加えて混合した
発酵用調整廃棄物を用いたので、分解し易く完熟すると
小粒の土壌団粒が出来やすく、多量の有効な微生物を含
んだものとなっており、しかも、タンソ率(C/N)が
高く組成バランスが良いので腐植を増やす力の強いもの
となっている。このため、し尿または家畜の糞尿を発酵
処理する媒体として優れた性質がある。更に、植物性ス
ラッジ燃え殻は、炭を補給することになり、発酵の際の
脱臭効果を発揮するとともに、空気や水の通りを良くし
微生物の住みかとして好適な環境をつくり、病原菌の侵
入を阻止する効果のある菌根菌を良く繁殖させるなど、
発酵処理する媒体として優れた効果がある。
【0124】第5発明は、第2発明、第3発明に記載す
るし尿または家畜の糞尿処理施設を使用して、第1発明
に記載した再生処理方法を行ったし尿または家畜の糞尿
の再生処理方法である。従って、その目的、効果も第1
発明、第2発明、第3発明と共通している。
【0125】すなわち、本発明に係る再生処理方法は、
微生物による分解処理なので、人工的なエネルギー供給
が少なく、設備投資も運転経費も経済的であるし、臭気
や排水なども殆どないので再生処理に伴う周囲の生活環
境への影響も少ない優れた処理法である。更に、長期の
運転処理によって出来たコンポストは、有益な土壌や土
壌改良剤となって地球の生物連鎖環境を改善する効果が
あるので、地球環境の保全にも役立つ理想的な処理法で
ある。
【0126】特許を受けようとする第6発明は、処理媒
体と、発酵槽と、し尿または糞尿貯留槽と、投入装置
と、発酵条件調整手段と、切返し装置と、散水装置とか
らなる連続式のし尿または家畜の糞尿処理施設である。
【0127】発酵槽が、50m〜150mの長さを有す
る長尺な処理媒体を収納できる有底上面開口型の収納槽
となし、当該発酵槽の長尺な一方の側壁の外側には、運
ばれてきたし尿または家畜の糞尿を受け入れ、貯留出来
る長尺なし尿または糞尿貯留槽を当該側壁に沿って併設
するように構成し、当該し尿または糞尿貯留槽には前記
発酵槽内で重力流下してきた脱離液が貯留できるように
排水構造部と連通しており、当該発酵槽の長尺な他方の
側壁の外側には、当該側壁に沿って配管室が併設するよ
うに構成し、前記発酵槽の収納槽内には前記堆肥化した
処理媒体を所要量だけ収納して、発酵処理用床を構成し
てある点に特徴がある。
【0128】当該第6発明は、前記第1発明に係るし尿
または家畜の糞尿の再生処理方法を実行するための処理
施設として、特に連続式の大量処理施設として設計され
たものである。特に、第6発明では、発酵槽が複数列設
されているので、配置の無駄がなく、しかも、し尿また
は家畜の糞尿の供給作業や吸気系機構の調整や、メンテ
ナンス作業などが行い易く、合理的で使用し易いものと
なっている。
【0129】また、発酵条件調整手段は、吸入した外気
を圧縮するとともに適度に暖めこれを吐出す昇温調整機
能付き空気圧縮機と、当該空気圧縮機からの暖められた
吐出空気を発酵槽に導く給気導管部と、当該給気導管部
の先方に連結形成された空気を噴出する給気部と、給気
導管部に配設された噴出空気量調整装置とからなり、前
記給気部は前記給気導管の適所から分技した複数の給気
ブロック支部で構成され、当該給気ブロック支部は空気
噴出孔を有する給気管部を分技配管したものであり、給
気導管の分技部分には噴出空気量調整装置が設けられ、
分技した各給気ブロック支部ごとに噴出空気量を調整で
きるような給気系機構に構成されている点にも特徴があ
る。
【0130】このように、発酵槽が長尺なものとなった
のに伴い、場所によって空気や温度の供給等の発酵条件
や環境が低下したり不適当にならないように、発酵槽の
底面部を長尺方向に数ブロックに分けて認識し、各ブロ
ック毎に分技した給気ブロック支部を配設するようにな
してあり、部分的に調整できるようにしたものである。
【0131】当該第7発明は、第6発明に係る連続式し
尿または家畜の糞尿処理施設を使用した再生処理方法で
あり、その基本的原理は、第1発明と同じである。第7
発明は、第6発明の長尺な発酵槽の発酵処理用床を2/
3〜4/5の領域からなる混入処理部と1/3〜1/5
の領域からなる完熟処理部とに区分した点に特徴があ
る。
【0132】即ち、本発明の特徴は、発酵槽を50m〜
150mと長尺にして、その供給側基端部より2/3〜
4/5という非常に広い範囲の発酵処理用床に大量のし
尿または家畜の糞尿を処分のため毎日散布混入すること
ができるようになし、連続的にかつ効率的に大量のし尿
または家畜の糞尿の処分をすることができるようにした
点にある。尚、収納槽の排出口側より1/3〜1/5の
領域にし尿または家畜の糞尿を混入しないのは、毎日の
発酵処理物の投入により発酵処理用床に不完全発酵消化
成分が堆積して処理能力が低下するのを防ぐためであ
る。つまり、処理媒体に所定期間の休息する時間と領域
を与え、その間に残存していた有機物質を完全発酵させ
て処理媒体としての発酵処理能力の復元と同化の完全性
を図ろうとするものである。尚発酵処理用床の処理媒体
は、切り返しにより少しずつ排出口側に移送されること
になっているが、排出口まで移送された処理媒体は、排
出口から一旦搬出された後、収納槽の投入口側における
移送後の空間その他に再収納して発酵処理用床を整備
し、次のし尿または家畜の糞尿の投入混合に備えるよう
にするのである。
【0133】また、本発明は、発酵条件調整手段は給気
導管の適所から分技した複数の給気ブロック支部を発酵
槽内の底面部適所に配置し、噴出空気量調整装置で給気
ブロック支部毎に暖たかく土壌菌や酵素等の微生物を含
んだ空気を供給し、これによって収納槽内のし尿または
家畜の糞尿の混入した処理媒体へ自然界の土壌菌や酵素
等の微生物と適度の温度と、豊富な空気量とを給気ブロ
ック支部毎に分割調整して供給するようにしたので、長
尺で広い範囲の発酵処理用床にし尿または家畜の糞尿が
不均一に混入されたり、何らかの条件により発酵の進行
状況に差異が生じた場合でも、状況に応じてきめ細かく
発酵管理を行うことができるので、常に完熟した堆肥と
して処理媒体と同化処分することができる。
【0134】このように第7発明は、第6発明にかかる
連続式し尿または家畜の糞尿処理施設を使用して、長期
間連続して大量の再生処理業務を行うための方法であ
る。長尺な発酵槽の発酵処理用床を混入処理部と完熟処
理部とに区分して、毎日のし尿または家畜の追加混入は
混入処理部だけとし、完熟処理部で処理媒体の処理能力
を復活させ、その復活した処理媒体を混入処理部に循環
移動投入するようにして、発酵処理用床の処理能力が低
下するのを防ぐようにしたものである。このため、毎日
発生するし尿または家畜の糞尿であっても永続的に処理
能力を低下することなく確実に再生処理業務を行うこと
が出来るようにした合理的な処理施設である。
【図面の簡単な説明】
【図1】特許を受けようとする第1発明に係るし尿また
は家畜の糞尿の再生処理方法を示す概念説明図である。
【図2】特許を受けようとする第2発明、第4発明に係
るし尿または家畜の糞尿処理施設の構成概要を示す説明
図である。
【図3】特許を受けようとする第3発明、第4発明に係
るし尿または家畜の糞尿処処理施設の一実施例を示す概
要説明図である。
【図4】第6発明に係る連続式し尿または家畜の糞尿処
理施設の発酵槽と発酵条件調整手段と切返し装置と脱離
液貯留槽と散水装置を示す縦断側面説明図である。
【図5】第6発明に係る連続式し尿または家畜の糞尿処
理施設の発酵槽と発酵条件調整手段と脱離液貯留槽とを
示す平面説明図である。
【図6】第6発明に係る連続式し尿または家畜の糞尿処
理施設を複数列設した状態を示す斜視図である。
【主な符合の説明】
1 発酵槽 2 処理媒体 3 発酵処理用床 4 発酵条件調整手段 5 散水装置 6 切返し装置 7 投入装置 8 排水構造部 11 し尿または糞尿貯留槽 13 配管室 21 収納槽 41 昇温調整機能 42 空気圧縮機 43 給気導管部 44 給気管部 45 噴出空気量調整装置 47 空気噴出孔 48 通気・通水床層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C05F 17/02 C09K 17/32 H 9451−4H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発酵槽内を発酵に適した状態に保つよう
    自然界の土壌菌や酵素等の微生物と温度と空気と水分と
    を供給調整する発酵条件調整手段を装着してなる発酵槽
    内に、有機性廃棄物を発酵処理して堆肥化した処理媒体
    を収納して発酵処理用床を構成しておき、当該発酵処理
    用床にし尿または家畜の糞尿を混入したうえ、発酵条件
    調整手段を作動させて、発酵処理用床内に自然界の土壌
    菌や酵素等の微生物と温度と空気とを供給し水分を調整
    して、し尿または家畜の糞尿を発酵させて堆肥化し処理
    媒体と同化するようにしたことを特徴とするし尿または
    家畜の糞尿の再生処理方法。
  2. 【請求項2】 有底上面開口型の収納槽で、その底面部
    には重力流下水を排水する排水構造部を形成するととも
    に、自然界の土壌菌や酵素等の微生物を空気とともに吸
    入し、温度を高めながら温風として供給する給気系機構
    の給気部が底面部に配設されるように発酵条件調整手段
    を装着し、収納槽内には有機性廃棄物を発酵処理して堆
    肥化した処理媒体を収納して発酵処理用床を構成してな
    る発酵槽と、発酵槽に収納されている処理媒体にし尿ま
    たは糞尿を散布または混入する投入装置と、発酵槽に収
    納されている処理媒体の腐熟をすすめるため切返しを行
    う切返し装置と、必要に応じて設けた、上面開口より発
    酵槽内に収納された処理媒体に散水できるように構成さ
    れた散水装置と、からなるし尿または家畜の糞尿処理施
    設。
  3. 【請求項3】 家畜の糞尿、農作物残渣、汚泥、食物残
    渣、有機性燃え殻など各種の有機性廃棄物の1種または
    2種以上を混合し、養分、水分、pHを調整して発酵用
    調整廃棄物にしたものを発酵処理して水分が30%〜5
    0%の堆肥にした処理媒体と、前記処理媒体を収納でき
    る有底上面開口型の収納槽で、その底面部には排水口を
    有する排水構造部を形成する発酵槽と、当該発酵槽に装
    着され、収納槽内を発酵に適した状態に保つよう自然界
    の土壌菌や酵素等の微生物と温度と空気とを供給し水分
    を調整する発酵条件調整手段と、運ばれてきたし尿また
    は糞尿を貯留するとともに、前記発酵槽の排水口と連通
    し、収納槽内の処理媒体の保水力を越えた液体が重力に
    より底部まで流下してきた脱離液を貯留するし尿または
    糞尿貯留槽と、当該し尿または糞尿貯留槽から汲み上げ
    る汲み上げ部とこれに連続して形成された供給部とから
    なり、発酵槽に収納されている処理媒体にし尿または家
    畜の糞尿を散布または混入する投入装置と、発酵槽に収
    納されているし尿または家畜の糞尿の混入している処理
    媒体の腐熟をすすめるため切返しを行う切返し装置と、
    上面開口より発酵槽内に収納された処理媒体に散水でき
    るように構成された散水装置とからなり、前記堆肥化し
    た処理媒体を前記発酵槽内に所要量だけ収納して、発酵
    処理用床を構成し、前記発酵条件調整手段は、吸入した
    外気を圧縮するとともに適度に暖めこれを吐出す昇温調
    整機能付き空気圧縮機と、当該空気圧縮機からの暖めら
    れた吐出空気を発酵槽に導く給気導管部と、当該給気導
    管部の先方に連結形成された空気噴出孔を有する給気部
    と、給気導管部に配設された噴出空気量調整装置とから
    なる給気系機構であり、当該給気系機構の給気部は発酵
    槽の底面部にほぼ全面にわたって配設され、当該配設さ
    れた給気部の周辺またはその近傍上部には通気・通水床
    層を形成して、これが収納槽の底部となるように構成し
    てあり、し尿または糞尿貯留槽から投入装置で発酵処理
    用床の処理媒体内にし尿または家畜の糞尿を混入した
    後、前記発酵条件調整手段を作動させることにより、空
    気圧縮機は外界から自然界の土壌菌や酵素等の微生物を
    含んだ空気を吸入し、圧縮するとともに適度な温度に暖
    めて吐出し、給気導管部はこの吐出し圧縮空気を発酵槽
    に送り、噴出空気量調整装置で供給される空気量を調整
    しながら給気部の空気噴出孔から発酵槽内に噴出され、
    この暖たかく土壌菌や酵素等の微生物を含んだ空気は通
    気・通水床層を介して底部のほぼ全面から発酵処理用床
    内に吹き出すように供給され、これによってし尿や家畜
    の糞尿の混入した処理媒体中に自然界の土壌菌や酵素等
    の微生物と、適度の温度と、豊富な空気とを供給すると
    ともに、吹き出し空気が処理媒体の保水力を越えた液体
    分の重力流下を促して水分の調整をなして微生物による
    発酵作用を活性化させ、発酵作用により発生した熱と蒸
    気は発酵槽の上面開口から大気中に自然放出され、発酵
    槽の底部まで重力流下してきた脱離液は排水構造部を介
    して排水されてし尿または糞尿貯留槽に貯留し、必要に
    応じて散水装置により発酵槽内の発酵処理用床に散水す
    ることにより発酵に必要な水分の補充を行ない、必要に
    応じて切返し装置を作動させることにより発酵槽内に収
    納されているし尿または家畜の糞尿の混入した処理媒体
    の腐熟をすすめるための切返しを行えるようにしたこと
    を特徴とするし尿または家畜の糞尿処理施設。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載する処理
    媒体と、発酵槽と、投入装置と、発酵条件調整手段と、
    し尿または糞尿貯留槽と、切返し装置と、散水装置とか
    らなり、前記処理媒体が前記発酵槽の収納槽内に所要量
    だけ収納して発酵処理用床を構成してなるし尿または家
    畜の糞尿処理施設において、処理媒体として、有機性廃
    棄物にペーパースラッジ(製紙工場にかかる脱水汚泥)
    と植物性スラッジ燃え殻(ペーパースラッジ焼却灰を含
    む)等を加えて混合した発酵用調整廃棄物を発酵槽にて
    発酵処理して水分が30%〜50%の堆肥にしたものを
    用いたことを特徴とするし尿または家畜の糞尿処理施
    設。
  5. 【請求項5】 請求項2、請求項3または請求項4に記
    載するような、処理媒体と、発酵槽と、投入装置と、発
    酵条件調整手段と、し尿または糞尿貯留槽と、切返し装
    置と、散水装置とからなり、前記処理媒体が前記発酵槽
    の収納槽内に所要量だけ収納して発酵処理用床を構成し
    てなるし尿または家畜の糞尿処理施設の使用方法であっ
    て、投入装置によりし尿または家畜の糞尿を収納槽内に
    構成された発酵処理用床に混入したうえ、発酵条件調整
    手段を作動させて、収納槽内のし尿または家畜の糞尿の
    混入した処理媒体に自然界の土壌菌や酵素等の微生物
    と、適度の暖かい温度と、豊富な空気とを調整しながら
    供給するとともに、吹き出し空気が処理媒体の保水力を
    越えた液体の重力流下を促して水分を調整して自然発酵
    を開始させ、発酵作用により発生した熱と蒸気は発酵槽
    の上面開口から大気中に自然放出され、発酵が起こりは
    じめたし尿または家畜の糞尿の混入した処理媒体は、所
    定の時間経過毎に切返し装置を用いて切返して発酵作用
    を活性化するとともに、必要に応じて散水装置により脱
    離液または水を散水して水分調整を行うことにより発酵
    を効率的に促進させ、し尿または家畜の糞尿を混入した
    処理媒体を完熟した堆肥となすことによって処理媒体と
    同化するようにしたことを特徴とするし尿または家畜の
    糞尿の再生処理方法。
  6. 【請求項6】 処理媒体と、発酵槽と、し尿または糞尿
    貯留槽と、投入装置と、発酵条件調整手段と、切返し装
    置と、散水装置とからなるし尿または家畜の糞尿処理施
    設において、処理媒体は、家畜の糞尿、農作物残渣、汚
    泥、食物残渣、有機性燃え殻など各種の有機性廃棄物の
    1種または2種以上を混合し、養分、水分、pHを調整
    して発酵用調整廃棄物にしたものを発酵処理して水分が
    30%〜50%の堆肥になったものとなし、発酵槽は、
    50m〜150mの長さを有する長尺な処理媒体を収納
    できる有底上面開口型の収納槽となし、その先端部には
    排出口を設け、その底面部には排水口を有する排水構造
    部を形成してなるものであり、当該発酵槽の長尺な一方
    の側壁の外側には、運ばれてきたし尿または家畜の糞尿
    を受け入れ、貯留できる長尺なし尿または糞尿貯留槽を
    当該側壁に沿って併設するように構成し、当該し尿また
    は糞尿貯留槽には前記発酵槽内で重力流下してきた脱離
    液が貯留できるように排水構造部と連通しており、当該
    発酵槽の長尺な他方の側壁の外側には、当該側壁に沿っ
    て配管室が併設するように構成し、前記発酵槽の収納槽
    内には前記堆肥化した処理媒体を所要量だけ収納して、
    発酵処理用床を構成してあり、投入装置は、発酵槽の縁
    を長尺方向に走行しながらし尿または糞尿貯留槽からし
    尿または家畜の糞尿を吸い上げて発酵槽内の処理媒体に
    散布または混入し得るように構成した装置であり、発酵
    条件調整手段は、吸入した外気を圧縮するとともに適度
    に暖めこれを吐出す昇温調整機能付き空気圧縮機と、当
    該空気圧縮機からの暖められた吐出空気を発酵槽に導く
    給気導管部と、当該給気導管部の先方に連結形成された
    空気を噴出する給気部と、給気導管部に配設された噴出
    空気量調整装置とからなり、前記給気部は前記給気導管
    部の適所から分技した複数の給気ブロック支部で構成さ
    れ、当該給気ブロック支部は空気噴出孔を有する給気管
    部を分技配管したものであり、給気導管部の分技部分に
    は噴出空気量調整装置が設けられ、分技した各給気ブロ
    ック支部ごとに噴出空気量を調整できるような給気系機
    構に構成されており、当該給気系機構の空気圧縮機は前
    記配管室の近傍で外気の吸入出来る適所に設置され、当
    該空気圧縮機の吐出空気を発酵槽に導く給気導管部と給
    気支部の分技部分に配設された噴出空気量調整装置とは
    前記配管室内に配設され、当該給気導管の適所から分技
    した複数の給気ブロック支部は側壁を貫通して発酵槽内
    の底面部適所に配置されているが、この複数の給気ブロ
    ック支部の配置は、発酵槽の底面部を発酵段階に合わせ
    て長尺方向に数ブロックに分けて認識し、各ブロック毎
    に分技した給気ブロック支部を配設するようになしたも
    ので、発酵槽の底面部に配設した各給気ブロック支部の
    周辺またはその近傍上部には通気・通水床層を形成し
    て、これが収納槽の底部となるように構成してあり、前
    記給気系機構の空気圧縮機を作動させることにより外気
    から自然界の土壌菌や酵素等の微生物を含んだ空気を吸
    入し、圧縮するとともに適度な温度に暖めて吐出し、給
    気導管部はこの吐出し圧縮空気を発酵槽に送り、噴出空
    気量調整装置で給気ブロック支部毎に供給される空気量
    が調整されながら給気部から発酵槽内に噴出され、この
    暖たかく土壌菌や酵素等の微生物を含んだ空気は通気・
    通水床層を介して収納槽内の発酵処理用床に吹き出すよ
    うに供給されるが、これによって収納槽内のし尿または
    家畜の糞尿の混入した処理媒体には、自然界の土壌菌や
    酵素等の微生物と、適度の温度と、豊富な空気とを給気
    ブロック支部毎に分割調整して供給するとともに、吹き
    出し空気が処理媒体の保水力を越えた液体分の重力流下
    を促して水分の調整をなして微生物による発酵作用を活
    性化させ、発酵作用により発生した熱と蒸気は発酵槽の
    上面開口から大気中に自然放出され、発酵槽の底部まで
    重力流下してきた脱離液は排水構造部を介して排水され
    て、発酵処理用床が常に発酵に良好な環境が維持できる
    ようになし、切返し装置は、発酵槽の縁を長尺方向に走
    行しながら発酵槽に収納されている処理媒体と混入する
    し尿または家畜の糞尿の腐熟をすすめるための切返しを
    行うとともに、先端部の排出口側へし尿または家畜の糞
    尿を混入した処理媒体を所定距離づつ移動するように構
    成し、散水装置は、必要に応じて上面開口より発酵槽内
    に収納された処理媒体に脱離液または水を散水して水分
    調整を行うことができるように構成したものであり、前
    記投入装置により、長尺な発酵槽の発酵処理用床に、し
    尿または家畜の糞尿を混入して発酵条件調整手段を作動
    させると、し尿または家畜の糞尿を混入した処理媒体内
    に自然界の土壌菌や酵素等の微生物と、適度の暖かい温
    度と、豊富な空気とを必要な給気ブロック支部毎に分割
    調整しながら供給し、これにより自然発酵が起こり、発
    酵作用により発生した熱と蒸気は発酵槽の上面開口から
    大気中に自然放出され、発酵処理用床の底部より吹き出
    す空気によって処理媒体の保水力を越えた液体分の重力
    流下を促して水分を調整して発酵条件を整え、更に所定
    の時間経過毎に切返し装置を用いて処理媒体を切返すこ
    とにより発酵作用を活性化させながらし尿または家畜の
    糞尿の混入した処理媒体を排出口側へ所定距離づつ移動
    させ、必要に応じて散水装置により発酵用処理床に散水
    して水分調整を行う操作により発酵を効率的に促進さ
    せ、し尿または家畜の糞尿を混入した処理媒体を完熟し
    た堆肥となすことによって処理媒体と同化するようにな
    したことを特徴とする連続式し尿または家畜の糞尿処理
    施設。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載する処理媒体と、発酵槽
    と、投入装置と、発酵条件調整手段と、し尿または糞尿
    貯留槽と、切返し装置と、散水装置とからなり、前記処
    理媒体が前記発酵槽の収納槽内に所要量だけ収納して発
    酵処理床を構成してなるし尿または家畜の糞尿処理施設
    の使用方法であって、前記長尺な発酵槽の発酵処理用床
    を2/3〜4/5の領域からなる混入処理部と1/3〜
    1/5の領域からなる完熟処理部とに区分し、投入装置
    により発酵処理用床の2/3〜4/5の領域からなる混
    入処理部に、し尿または家畜の糞尿を散布または混入し
    て発酵条件調整手段を作動させると、し尿または家畜の
    糞尿を混入した処理媒体内に自然界の土壌菌や酵素等の
    微生物と、適度の暖かい温度と、豊富な空気とを必要な
    給気ブロック支部毎に分割調整しながら供給し、これに
    より自然発酵を起こし、発酵作用により発生した熱と蒸
    気は発酵槽の上面開口から大気中に自然放出され、発酵
    処理用床の底部より吹き出す空気によって処理媒体の保
    水力を越えた液体分の重力流下を促して水分を調整して
    発酵条件を整え、更に所定の時間経過毎に切返し装置を
    用いて処理媒体を切返すことにより発酵作用を活性化さ
    せながらし尿または家畜の糞尿の混入した処理媒体を排
    出口側へ所定距離づつ移動させ、必要に応じて散水装置
    により脱離液または水を発酵用処理床に散水して水分調
    整を行う等の操作により発酵を効率的に行い、切返し装
    置の切返しにより処理媒体が1/3〜1/5の領域から
    なる完熟処理部にまで移動すると、新たなし尿または家
    畜の糞尿の追加混入がなくなって発酵と腐熟が進み、当
    該処理媒体が切り返しにより先端部の排出口まで移動し
    たときは、完熟した堆肥となって処理媒体と同化して排
    出口より排出され、当該排出された同化処理媒体は、収
    納槽の基端部の切返し移動によってできた空間部を主体
    に再収納して発酵用処理床を補修するようにしたことを
    特徴とする連続式し尿または家畜の糞尿の再生処理方
    法。
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