JPH11228270A - 有機質物のコンポスト製造施設と有機質物をコンポストに製造する方法 - Google Patents

有機質物のコンポスト製造施設と有機質物をコンポストに製造する方法

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JPH11228270A
JPH11228270A JP3553898A JP3553898A JPH11228270A JP H11228270 A JPH11228270 A JP H11228270A JP 3553898 A JP3553898 A JP 3553898A JP 3553898 A JP3553898 A JP 3553898A JP H11228270 A JPH11228270 A JP H11228270A
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JP
Japan
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fermentation
fermenter
blower
air
air supply
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JP3553898A
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Kishio Satou
希志男 佐藤
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SATO YOUTONJO KK
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SATO YOUTONJO KK
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/40Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】有機質を効率的に発酵分解して特殊肥料や堆肥
化(コンポスト化)する施設と製造方法を提供する。 【解決手段】上面に処理物の収納開口部を有する発酵槽
の基端部の投入口から先端部の取出口までを処理物が断
続的に移動して発酵開始から堆肥化までの各段階が連続
し得る長さにし、基端部に発酵槽と隣接する操作室を設
け、発酵槽と操作室に発酵促進給気系機構と脱臭給気系
機構と発酵促進換気機構水分調節機構とスクープ式撹拌
装置とを備えた堆肥製造施設と、これを用いて有機質の
水分と成分を調整して発酵槽内に投入し、発酵促進給気
系により温風を送って微生物を活性化し、脱臭給気系機
構の送風機により発酵槽上方の有臭空気を吸入し脱臭す
るとともに処理物全体を均一発酵状態にし、必要に応じ
発酵促進換気機構により処理物表面に送風して過剰水分
を乾燥し、水分調節機構により処理物表面に散水し、切
返し移送装置により槽内処理物を基端部から先端部方向
に移送しながら切返して発酵促進と一次・二次発酵さ
せ、発酵槽の終盤部までに完熟させる堆肥製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品工場等から排出す
る生ごみ、農業や林業から排出される植物性残渣、畜産
業から排出する家畜排泄物、屠殺場等から排出する動物
性残渣、下水道終末処理処理場から排出される汚泥など
の有機質物を効率的に発酵分解処理して短期間に特殊肥
料や堆肥化(コンポスト化)するための施設と当該有機
質物をコンポストに製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地球上で生成された有機質物は、古来よ
り微生物により発酵分解されコンポスト化して土壌を肥
沃にし、この肥沃な土壌は植物を発芽・育成し、微生物
や動物の生命を維持し、植物が枯れたり生物が死ぬと微
生物で発酵分解してコンポスト化する。このような有機
質物の生成還元作用を繰り返しながら地球上の大自然を
創ってきた。つまり、有機質物を微生物で発酵分解し、
コンポスト化する還元作用は、生物に満ちた地球上の自
然環境を生成発展するための最も重要な作用の一つであ
る。
【0003】しかるに、近代社会は、この自然界の有機
質物の生成還元の循環作用を軽視し、急速な工業経済社
会の発展を優先するようになったため、自然環境破壊や
農地の地力低下などの問題が生じはじめた。つまり有機
質物を、人間社会の価値観によって有用な有価物とし未
利用有の廃棄物に評価分類し、後者の未利用有機質物を
生活環境を害し公衆衛生を悪化させるものとして焼却処
分や埋立て処分などで廃棄処分するようになった。この
ため、自然環境を生成発展するために必要な有機質物が
不足し、自然環境破壊や農地の地力低下をもたらすこと
になった。
【0004】このため、工業だけでなく農業や畜産業に
ついても環境保全型に変更することが求められるように
なり、たとえば農業に伴って生じる植物性残渣や、畜産
業によって生じる家畜の糞尿についても、生活環境を害
し公衆衛生を悪化させるものとして環境保全を考慮した
廃棄物処分をすることが要求されるようになった。一
方、日本では、約半世紀前に外国より化学肥料農法が紹
介されるや、農作業の簡便化、一時的な収穫の増加、病
虫害の有効な駆除効果などの利点により瞬く間に普及し
た。その結果、農地土壌に有機性肥料や微生物が不足し
て地力が低下し、農産物の収量が減り、冷害や病虫害に
も弱くなって、農業の未来に不安が生じはじめた。この
ように環境保全型農畜産業の要請と、活力の減退してい
る農地の地力増強に伴う土壌改良策として、有機質物の
適量施用の重要性が見直され、そのための有機質物のコ
ンポスト化技術や施設の開発が望まれている。
【0005】このようなニーズの高まりから、近年各方
面で有機質物の発酵処理に関する技術の開発がおこなわ
れている。その開発の方向は、有機質物を急速に発酵分
解するための強力な菌の開発や、対象有機質物に最適な
組み合わせ菌の開発であったり、効率的な発酵装置の開
発、有機質物の成分を分析してその構成成分毎に分解し
たり、無害化したりする方法であったりする。
【0006】一方、我国における従来の有機質物の発酵
処理は、有機質物の一種であるし尿は、一般廃棄物に分
類され、生ごみや植物性残渣や家畜の糞尿等は、その他
は産業廃棄物に分類されており、廃棄物処理として生活
環境を害し公衆衛生を悪化させる有機質物を無害化する
ことが一義的目的となっていた。このため従来の有機質
物の発酵処理技術により発酵分解処理される場合には、
そのコンポストの腐熟度やその成分や地力増強効果につ
いてまでは充分な考慮がなされているものが少なかっ
た。多くの場合、従来の有機質物の発酵処理は、海洋投
棄処分や埋立て処分ができる程度に堆肥化処理法(中間
処理)されており無害化されていれば良いとされてい
た。このため、従来のコンポスト化技術や施設は、土壌
を肥沃にし、農産物の増産に効果のあるような完熟堆肥
や特殊肥料を製造することを目的として実施し、利用し
た場合には、その出来るコンポストの品質においても、
その製造方法における効率性、実用性、経済性において
も、満足できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】有機質物を発酵処理し
てコンポスト化するための技術課題は、有機質物にいか
にうまく微生物類を繁殖させ、発酵分解活動を活性化す
るかである。微生物類を盛んに繁殖させ活性化する条件
は、栄養分のある有機質物(繁殖媒体)の存在と、微生
物類の存在に加えて、適正な温度、適正な水分、酸素を
含んだ新鮮な空気が必要である。しかるに、繁殖媒体の
有機質物は、その種類によって、そのときの成分状態に
より、その処理を行う土地の土質条件や気候条件によ
り、その他の環境条件により微生物類の活性化と繁殖状
態が大きく変わるうえ、発酵処理の初期、中期、終期に
よっても逐次好適な発酵条件が変化するので、常に安定
して発酵分解させ、効率的に完熟したコンポストにする
のは、技術的に大変難しい。
【0008】従来より、発酵槽に空気を供給する手段、
暖かく温度調整する手段、水分を調整する手段を備えた
ものがあったが、上記のような発酵分解中の有機質物の
多様な条件に広く対応して発酵条件を調整できる施設や
装置は、まだ開発されていない。
【0009】本発明者は、長年の養豚業の経験を生か
し、豚の糞尿処理をいかにして発酵分解してコンポスト
化するかを目指して研究開発を進め、発酵槽内の発酵条
件を細かく調整できる構造と各種の機構や装置を備え、
実験を繰り返して豚の糞尿処理は勿論のこと、各種の有
機質物を常に効率的に発酵分解処理して、短期間に完熟
したコンポストにする方法と、そのための施設を具現化
したものである。
【0010】その基本的原理は、自然界のなかには、そ
の地域に適したバクテリア菌などの微生物群が必ず存在
しているという事実に着目して、人工的に集められた
り、組み合わされたりした特殊な菌種を用意せず、微生
物が活性化する環境と条件を整えさえすればその地域の
環境下で必要且つ充分な発酵分解するための好気性発酵
菌や好熱性発酵菌等の微生物が集まり、活性化し、発酵
による堆肥化の時間を可及的に短くすることができる、
との考え方である。
【0011】
【課題を解決するための手段】特許を受けようとする第
1発明は、発酵槽用社屋内に、上面が開口し発酵処理物
を収納出来るように形成した発酵槽と操作室に、発酵促
進給気系機構と脱臭給気系機構と発酵促進換気機構と水
分調節機構と切返し移送装置とを装備したものである。
当該発酵槽は、その深さを2m50cm以内とし、その
基端部の投入口から先端部の取出口までの長さを、発酵
処理物が断続的に移動しながら発酵の開始からコンポス
ト化するまでの各段階が連続展開し得る長さに構成され
ている。当該発酵促進給気系機構は、操作室にブロワー
を備えるとともに当該ブロワーから延出する給気管を発
酵槽内の底面部に配設してあり、当該ブロワーで自然界
の微生物と酵素などの含有する大気中の空気を吸入し、
圧縮して温度を高めながら給気管内に送り、当該給気管
の吹出し孔から温風として発酵槽内に噴出供給して発酵
処理物内を温かな空気が底部より上部開口に向けて通気
するように構成してある。また、当該脱臭給気系機構
は、操作室に送風機を設け、その送風機の一方には通気
管を延出し、その先方を発酵槽用社屋内の発酵槽の開口
部上方に配し、当該開口部上方に配した通気管部分には
吸入口を開口して臭気吸入部となし、当該送風機の他方
には送風管を延出し、その先方に送風孔を穿設した送風
管を発酵槽内の底面部に配管して底部送風部となし、送
風機を駆動することにより発酵槽の開口部上方に配した
臭気吸入部の吸入口から臭気のある空気を吸入し、これ
を底部送風部の送風管を介して送風してこれを発酵槽内
の底部の送風孔より吹き出し発酵処理物内を通気させて
脱臭するように構成する。また、当該発酵促進換気機構
は、発酵槽用社屋内の上面が開口した発酵槽の中間部位
置の開口上方に換気ファンを配設し、発酵槽内に収納し
た発酵処理物の表面に風を送り、当該表面の水分の乾燥
を促進するように構成する。更に、当該水分調節機構
は、発酵槽用社屋内に上面が開口した発酵槽の側壁外側
に貯水槽を設けておき、取水口を有するポンプと、当該
ポンプから延出した給水管の先端部に散水部を設けてな
る散水装置を、当該散水部が発酵槽の中間部位置の開口
上方に配されるように装備しておき、当該散水部により
発酵槽内に収納した発酵処理物の表面に貯水槽内の水や
溶液を散水し、当該発酵処理物の水分を調整し得るよう
に構成する。更にまた、当該切返し移送装置は、発酵槽
の左右両縁部に沿って走行しながら発酵槽に収納されて
いる発酵処理物を基端部から先端部方向に順次移送しな
がら切返しを行うように構成してある。本発明は、以上
の構成要素を組み合わせ装備したことを特徴とする有機
質物のコンポスト製造施設である。
【0012】当該第1発明は、有機質物のコンポスト製
造施設の基本発明である。当該施設でコンポスト化出来
る発酵対象媒体である有機質物とは、工場若しくは事業
場から排出される排水、下水道終末処理場における下
水、し尿又は家畜排せつ物などの有価物である有機質物
は勿論のこと、汚泥、動植物性残さ、動物の糞尿、燃え
殻、紙屑、木くず、繊維くず、動物の死体などの有機性
廃棄物と称されるものを含むものである。
【0013】本発明に係る有機質物のコンポスト製造施
設は、その目的や用途や発酵処理対象となる有機質物の
種類によって、種々の装置や施設として応用できるもの
である。例えば、有機質物を発酵処理して特殊肥料化す
る装置、堆きゅう肥等生産施設、家畜糞尿処理施設、家
畜排せつ物土地還元施設、家畜排せつ物処理施設、有機
物供給施設、土壌土層改良施設、有機性廃棄物の高速発
酵処理施設、有機性廃棄物の再生利用処理施設、有機性
廃棄物の堆肥化処理施設等となり得るものである。
【0014】また、切返し移送装置は、走行チェーンス
クープ式、走行スクリュースクープ式、走行ドラムスク
ープ式、走行ロータリィクラシャー式のいずれでも良
い。
【0015】特許を受けようとする第2発明は、発酵槽
用社屋内に、上面が開口し発酵処理物を収納出来るよう
に形成した発酵槽は、その深さを2m50cm以内と
し、その基端部の投入口から先端部の取出口までの長さ
を、発酵処理物が断続的に移動しながら発酵の開始から
コンポスト化するまでの各段階が連続展開し得る長さに
し、その発酵槽の基端部には、当該発酵槽と隣接するよ
うに操作室を設けるとともに、発酵槽の左右両側部およ
び隣接して発酵槽が併設されている場合にはその境界部
に当該側壁に沿って空室を形成して、その空室の少なく
とも一を貯水槽とし、他の空室を給気管などの配管通路
や大気を操作室に吸い込む吸入通路となす。そして、当
該操作室内にはブロワーを設置し、当該ブロワーから延
出する給気管や電線などを配管通路を介して発酵槽内の
底面部に配設し、吸入通路を介して大気を熱交換しなが
ら操作室に吸い込んだうえ、当該ブロワーで自然界の微
生物と酵素などの含有する大気中の空気を吸入し、圧縮
して温度を高めながら給気管内に送り、当該給気管の吹
出し孔から温風として発酵槽内に噴出供給して発酵処理
物内を温かな空気が底部より上部開口に向けて通気する
ようにした発酵促進給気系機構を配設しておく。また、
前記操作室内には送風機を設置し、その送風機の一方側
には通気管を延出し、その先方を発酵槽用社屋内におけ
る前記発酵槽の開口部上方にまで延ばすように配設し、
当該開口部上方に配設した通気管部分には吸入口を開口
して臭気吸入部となし、当該送風機の他方側には送風管
を延出し、その先方に送風孔の穿孔した送風管を発酵槽
内の底面部に配管して底部送風部となし、送風機を順送
方向に駆動することにより臭気吸入部の吸入口から臭気
のある発酵槽の開口部上方の空気を吸入し、これを底部
送風部の送風管を介して送風してこれを発酵槽内の底部
の送風管の送風孔より吹き出し、当該空気を発酵処理物
内に通気させることにより脱臭し得るように構成した脱
臭給気系機構を配設したことを特徴とする有機質物のコ
ンポスト製造施設である。
【0016】当該第2発明に係る有機質物のコンポスト
製造施設は、発酵を促進するための基本的条件を調整で
きる手段と脱臭と給気とができる手段とを備えたコンポ
スト製造施設である。
【0017】特許を受けようとする第3発明は、発酵槽
用社屋内に、上面が開口し発酵処理物を収納出来るよう
に形成した発酵槽は、その深さを2m50cm以内と
し、その基端部の投入口から先端部の取出口までの長さ
を、発酵処理物が断続的に移動しながら発酵の開始から
コンポスト化するまでの各段階が連続展開し得る長さに
し、その発酵槽の基端部には、当該発酵槽と隣接するよ
うに操作室を設けておき、当該発酵槽と操作室に、発酵
促進給気系機構と脱臭給気系機構と発酵促進換気機構と
水分調節機構と切返し移送装置とを装備してなるコンポ
スト製造施設を用意し、有機質物は、必要に応じて副資
材を混合して水分および/または成分の調整をしたう
え、これを発酵槽内にその基端部の投入口より投入し、
発酵促進給気系機構のブロワーを作動させることによ
り、ブロワーで自然界の微生物と酵素とを含有する大気
中の空気を吸入し、圧縮により温度を高めながら給気管
内に送り、当該給気管の吹出し孔から30〜40℃に調
整した温風として発酵槽内に噴出供給して発酵処理物内
を温かな空気が通気するようにして、温度と酸素と自然
界の微生物とを供給して微生物を活性化させ発酵促進す
るとともに、脱臭給気系機構の送風機を作動させること
により、発酵槽の開口部上方に配した臭気吸入部の吸入
口から臭気のある空気を吸入し、これを底部送風部の送
風管を介して送風し、これを発酵槽内の底部の送風管の
送風孔より吹き出し発酵処理物内を通気させて脱臭し、
同時に、発酵処理物の底面部に開口部上方の空気を供給
して、上面部と底面部の環境条件を出来るだけ同じよう
にして、発酵処理物全体が均一な発酵状態となるように
し、更に1日に1回または2回当該切返し移送装置を駆
動させることにより、発酵槽の縁に添って走行しながら
スクープにより発酵槽に収納されている発酵処理物を基
端部から先端部方向に順次移送しながら切返しを行うよ
うにして、発酵を促進し、上記の前処理と操作をするこ
とにより発酵を開始させ、次第に一次発酵作用が盛んに
なるにしたがて発酵処理物から蒸気が立ち昇り、発酵処
理物の温度が65〜95℃程度まで高くなるようにな
し、発酵時間が経過し切り返しを数回切り返すことによ
り順次先方に移送され、発酵処理物が発酵槽の中間部位
置にくるころには次第に発酵作用が不活性化してくる
が、そのように発酵作用が不活性状態になると温度が低
下し、発酵処理物の表面に結露水が付着して表面だけ水
分過多の状態になるので、そのような際には前記発酵促
進換気機構のた換気ファンを作動させ、発酵槽の中間部
位置の開口上方に配設した換気ファンにより発酵処理物
の表面に風を送り、当該表面の過剰水分を乾燥させて全
体が均一な条件での発酵作用となるようにし、更に発酵
時間が経過し、数回の切り返しにより順次先方に移送さ
れ発酵腐熟が進むと、発酵処理物全体の水分が蒸発して
少なくなり、発酵作用が殆ど停滞したような状態になる
ので、そのような際には、水分調節機構のポンプを作動
させ、発酵作用が静まった状態の発酵処理物の領域に散
水部で水や溶液を散水し、当該発酵処理物の水分を追加
すると微生物は再び活性化して二次発酵作用が起こり、
再度温度が高まり、湯気が立つて更に発酵腐熟の度合い
が進み、再び次第に発酵作用が鎮静化して温度も常温に
近付いてくるが、このような常温状態になる頃には、当
該発酵処理物は完熟したコンポストになっているととも
に、同時に切り返しにより発酵槽の終盤部にまで移送さ
れた際には完熟したコンポストが出来上がっており、こ
のコンポストを取出口より取り出すようにしたことを特
徴とする有機質物をコンポストに製造する方法である。
【0018】第3発明は、前記第1発明にかかるコンポ
スト製造施設を使用しての有機質物をコンポストに製造
する方法である。連続的に多量の有機質物を完熟したコ
ンポストに製造することのできる方法である。操作者
は、有機質物を投入後、水分、空気、温度、などを発酵
に適した状態に調整することにより発酵分解処理を効率
的に行うようにしたものである。
【0019】特許を受けようとする第4発明は、発酵槽
用社屋内に、上面が開口し発酵処理物を収納出来るよう
に形成した発酵槽は、その深さを2m50cm以内と
し、その基端部の投入口から先端部の取出口までの長さ
を、発酵処理物が断続的に移動しながら発酵の開始から
コンポスト化するまでの各段階が連続展開し得る長さに
し、その発酵槽の基端部には、当該発酵槽と隣接するよ
うに操作室を設けておき、当該発酵槽と操作室に、発酵
促進給気系機構と脱臭給気系機構とを装備したコンポス
ト製造施設において、前記脱臭給気系機構は、基端部の
操作室に送風機を設け、その送風機の一方には通気管を
延出し、その先方を前記発酵槽の開口部上方に配し、当
該開口部上方に配した通気管部分には吸入口を開口して
臭気吸入部となし、当該送風機の他方には送風管を延出
し、その先方に送風孔を穿設した送風管を発酵槽内の底
面部に配管して底部送風部となし、送風機を駆動するこ
とにより、発酵槽の開口部上方の臭気吸入部の吸入口か
ら臭気のあるの空気を吸入し、これを底部送風部の送風
管を介して送風し、これを発酵槽内の底部送風管の送風
孔より吹き出し、発酵処理物内を通気させるように構成
し、当該脱臭給気系機構の送風機を作動させ、発酵槽用
社屋内の臭気ある空気を吸い込み、送風して、これを発
酵槽内の底部より吹き出して、当該空気が発酵処理物内
を通気することにより脱臭するようにしたことを特徴と
するコンポスト製造施設の脱臭方法である。
【0020】第4発明は、環境保全型のコンポスト製造
施設における脱臭方法である。好気性発酵作用が盛んに
なれば、臭気は著しく低減し、発酵分解が進めば嫌な臭
気はなくなるだけでなく発酵処理物には数多くの微生物
が存在し、脱臭効果があることが解っている。そこで、
投入直後から発酵が盛んになるまでの間に生じる臭気の
ある空気を、発酵槽用社屋内から集めて、発酵槽へ送
り、その底部から吹き出し、脱臭効果がある発酵処理物
内を通気させることにより脱臭する。
【0021】
【実施例】以下、有機質物のコンポスト製造施設につい
て、図示実施例に基づいて詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明に係る有機質物のコンポス
ト製造施設の実施例を示す縦断説明図であり、図2は、
本発明に係る有機質物のコンポスト製造施設の実施例に
おける発酵槽用社屋の基本構造を示す斜視説明図であ
り、図3は、本発明に係る有機質物のコンポスト製造施
設の実施例における発酵槽用社屋内に装備された発酵槽
と操作室と取出し部を示す平面図である。図4は、前記
実施例における発酵槽と操作室と取出し部に発酵促進給
気系機構を配設した状態を示す平面説明図であり、図5
は、前記実施例における発酵槽と操作室と取出し部に脱
臭給気系機構を配設した状態を示す平面説明図であり、
図6は、前記実施例における発酵槽と操作室と取出し部
に発酵促進換気機構を配設した状態を示す平面説明図で
あり、図7は、前記実施例における発酵槽と操作室と取
出し部に水分調節機構を配設した状態を示す平面説明図
である。
【0023】図1、図2に示すように本発明に係る有機
質物のコンポスト製造施設は、発酵槽用社屋1内に、上
面が開口し発酵処理物を収納出来るように形成した発酵
槽2と基端部の操作室3と先端部の取出し部9が装備さ
れており、更に当該発酵槽2と操作室3とに、発酵促進
給気系機構4と脱臭給気系機構5と発酵促進換気機構6
と水分調節機構7と切返し移送装置8とを装備したもの
である。
【0024】上面が開口した発酵槽2は、その深さを2
m50cm以内とし、その基端部の投入口から先端部の
取出口までの長さを85mとした。当該発酵槽2の深さ
を2m50cm以内としたのは、有機質物である発酵処
理物Aの深さが2m50cm以上になると、積重なった
発酵処理物Aの重さにより内圧が変わり、発酵分解しよ
うとするバクテリアや土壌菌などの細菌類が活性化しに
くくなるためである。またその長さを85mとしたの
は、発酵処理物Aが断続的に移動しながら発酵の開始か
らコンポスト化するまでの各段階が連続展開し得る長さ
に構成したもので、図示実施例では、後述する切返し移
送装置8で、一回1m70cmづつ移送する構成にし、
1日2回切り返しを行い、25日間で完熟したコンポス
トにするとの設計に基づき、その長さを85mとしたの
である。
【0025】当該発酵槽2の基端部には、当該発酵槽2
と隣接するように操作室3を設けるとともに、発酵槽2
の左右両側部には、当該側壁に沿って空室を形成して、
その空室の少なくとも一を貯水槽10とし、他の空室を
給気管などの配管通路11aや大気を熱交換しながら操
作室に吸い込む吸入通路11bなどの補助通路11とな
す。すなわち、図11に示したように発酵槽2が一槽の
場合には、その左右両側部には、当該側壁に沿って空室
を形成しその一方を貯水槽10とし、他方を配管通路1
1aと吸入通路11bを兼ねた補助通路11となす。ま
た、図12に示すように発酵槽2が二槽の場合には、左
右側部のいずれか一方の空室を貯水槽10となし、他方
側部の空室を配管通路11aとなし、真ん中の空室を吸
入通路11bとなす。更に、図13に示すように発酵槽
2が三槽の場合には、左右両側部の空室を貯水槽10,
10となし、真ん中の発酵槽2に一方の隣接側部の空室
を配管通路11aとなし、他方の隣接側部の空室を吸入
通路11bとなす。なお、図中12は、吸入通路11b
に外気を取入れる取入れ口である。
【0026】図2に示す発酵槽用社屋1は、前記発酵槽
2(長さ85m)三槽と、その基端部の操作室3(長さ
6m)と先端部の取出し部9(長さ9m)が社屋1内に
装備できるようにその長さを100mに建設した。
【0027】図示実施例の本発明に係る有機質物のコン
ポスト製造施設は、図1乃至図10に示すように、発酵
槽用社屋1内に内装されている発酵槽2と操作室3とに
は、発酵促進給気系機構4と脱臭給気系機構5と発酵促
進換気機構6と水分調節機構7と切返し移送装置8とを
装備してある。
【0028】当該発酵促進給気系機構4は、図1,図
4,図8,図9,図10に示すように、操作室3にブロ
ワー13を備えるとともに当該ブロワー13から延出す
る給気管14を発酵槽2内の底面部に配設してある。当
該ブロワー13で自然界の微生物と酵素などの含有する
大気中の空気を吸入し、ブロワー13で圧縮して温度を
高めながら給気管14内に送り、当該給気管14の吹出
し孔15,15,…から温風として発酵槽2内に噴出供
給して発酵処理物A内を温かな空気が底部より上部開口
に向けて通気するように構成している。
【0029】図8に示すように、当該ブロワー13は、
エアーフィルターの付いた吸込サイレンサ13aから自
然界の微生物と酵素などの含有する大気中の空気を吸入
しモーター13cにて駆動するブロワー本体13bによ
り圧縮されて空気の温度が30〜40℃に高まり、給気
管14の基幹部14aに送られる。当該基幹部14a
は、図4に示すように基端部の操作室3から配管通路1
1aを介してその中を先端部まで延出配管されており、
その基幹部14aの6ケ所から支管14bが発酵槽2内
の底部に伸び、それが更に複数本に分技した給気細管1
4c,14c,14cとなって配管され6ブロックを形
成している。配管通路11aの基幹部14aより発酵槽
2内の底部に延びた支管14bと給気細管14c,14
c,14cの構成は、図4、図9、図10に示すよう
に、発酵槽2内の底部の所定の領域全体にほぼ均一とな
るように配管されており、その先端部は、配管通路11
aにまで延出し、その先端部には着脱自在な蓋体14d
が装着されている。これは、当該先端部の蓋体14dを
取り除いて、給気細管14c,14c,14c内に掃除
器を挿入し、管内を掃除したり、詰まりを解消するため
のものである。また、当該給気細管14c,14c,1
4cには、吹出し孔15,15,…が穿設されており、
その外側を断面形状が半円形状で長尺な通気性のあるカ
バー体16,16,16が、被覆されている。そのよう
に構成されている当該支管14bとそれから分技した給
気細管14c,14c,14cとで一つの給気ブロック
14Xが構成されている。そして給気管14の基幹部1
4aには、このような給気ブロック14Xが6組、所定
の間隔をもって配管構成されているのである。
【0030】また、当該脱臭給気系機構5は、図1、図
5、図8、図9、図10に示すように、操作室3に送風
機17を設け、その送風機17の一方には通気管18を
延出し、その先方を発酵槽用社屋1内の発酵槽2の開口
部上方に配し、当該開口部上方に配した通気管18部分
には吸入口を開口して臭気吸入部18aとなし、当該送
風機17の他方には3本の送風管19,19,19を延
出し、その先方に送風孔19a,19a,19a、…を
穿設したうえ、発酵槽2内の底面部に配管して底部送風
部20となす。そして、送風機17を駆動することによ
り発酵槽2の開口部上方に配した臭気吸入部18aの吸
入口から臭気のある空気を吸入し、これを底部送風部2
0の送風管19を介して送風し,これを発酵槽2内の底
部にある送風孔19a,19a,19a、…より吹き出
し発酵処理物A内を通気させて脱臭するように構成す
る。
【0031】図10は、当該発酵促進給気系機構4と脱
臭給気系機構5を配管装備した発酵槽2の断面図であ
り、図9は、発酵槽2内の底面部に配管した支管14b
とそれから分技した給気細管14c,14c,14cと
で構成される給気ブロック14Xと、発酵槽2内の底面
部に送風管19,19,19を配管して構成された底部
送風部20の状態を示す要部縦断斜視図である。図9に
示すように、発酵槽2の底面部に溝部2a,2aを穿設
した構造にした。そして、当該溝部2a,2aの底部に
は、送風管19が配管されており、その他の発酵槽2の
底面部には、支管14bとそれから分技した給気細管1
4c,14c,14cが配管されている。それらの溝部
2a,2aと発酵槽2の底面部と、そこに配管されてい
る送風管19、支管14b、給気細管14c,14c,
14cなどの周囲に砂利石21を投入し、これらが埋め
込まれるように敷き詰めた。当該敷き詰めた砂利石21
の上には籾殻22を積層した上で、有機質物である発酵
処理物Aを発酵槽2内に投入するのである。
【0032】発酵槽2の底部を上記のように構成する理
由は、当該送風管19、支管14b、給気細管14c,
14c,14cなどの周囲に砂利石21を敷き詰めたり
籾殻22が積層されていても石と石の間や、籾殻21と
籾殻22との間にすこしづつ透き間があり、通気性が確
保されているからである。その結果、砂利石21に埋れ
た送風管19や給気細管14c,14c,14cから空
気が吹き出されたり送風されたりしても通気性が確保さ
れているので、上層部にある発酵処理物A内に底部全面
から均一に且つ確実に通気することが出来るからであ
る。尚、砂利石21は保温性がよく、発酵処理物A内へ
供給する温風の温度の確保と、温まった発酵処理物Aの
温度低下を防ぐ効果があるので、微生物を活性化するの
に好ましい環境を維持する経費を軽減する効果がある。
【0033】また、砂利石21の上に籾殻22を積層し
たのは、後述する切返し移送装置7を運転した際、底部
に敷き詰めた砂利石21と接触して傷付かないようにす
るための緩衝材として機能させるためでもある。当該籾
殻22は、通気性と適度の弾力性とを有しながら、投入
されている発酵処理物Aの重さにも耐える強度を持って
いるうえ、有機物であっても腐敗しにくい性質をもって
いるので、緩衝材として好適である。
【0034】しかも、実施例では、30〜40℃に温め
られた空気を吹き出させる給気細管14c,14c,1
4cと、発酵槽2上部の大気と同じ温度の空気を吹出す
送風管19が配管されており、砂利石21と籾殻22を
介して多量の空気を発酵槽2内に供給するように構成し
ている。このようにすると、数センチメートルの厚さに
敷き詰められた領域の籾殻は長期間(数年間)腐敗した
り分解したりせず、通気性、弾力性を維持した緩衝材と
しての機能を果たす。その理由は、空気の流速が所定以
上になると、極小さい微生物類にとっては吹き飛ばされ
てしまって籾殻に付着していられないし、例え付着でき
たとしても極小さい微生物類にとっての生活環境が悪く
てほとんど活動が出来なくなったり、死滅するためと思
われる。つまり微生物類は、環境条件がよければ急速に
繁殖し、活性化して盛んに発酵分解作用を行うが、環境
が悪化すればたちまち失活し発酵分解作用を停止するの
である。
【0035】次に、当該発酵促進換気機構6は、図1,
図6に示すように発酵槽用社屋1内の上面が開口した発
酵槽2の中間部位置の開口上方にインバーター付きの換
気ファン23,23,…を配設し、発酵槽2内に収納し
た発酵処理物Aの表面に風を送り、当該表面の水分の乾
燥を促すように構成する。
【0036】更に、当該水分調節機構7は、図1,図7
に示すように発酵槽用社屋1内に上面が開口した発酵槽
2の側壁外側に貯水槽10を設けておき、取水口を有す
るポンプ24aと、当該ポンプ24aから延出した給水
管24bの先端部に散水部24cを設けてなる散水装置
24,24,24を、当該散水部24cが発酵槽2の中
間部位置の開口上方に配されるように装備しておく。そ
して、当該散水部24cにより発酵槽2内に収納した発
酵処理物Aの表面に貯水槽9内の水や溶液を散水し、当
該発酵処理物Aの水分を調整し得るように構成するので
ある。
【0037】更にまた、当該切返し移送装置7は、発酵
槽2の左右両縁部に沿って走行レールを設けておき、切
返し移送装置7を走行レールに沿って走行しながら発酵
槽2に収納されている発酵処理物Aを基端部から先端部
方向に順次移送しながら切返しを行うように構成してあ
る。
【0038】本発明は、叙上のように発酵槽用社屋1内
に、上面が開口し発酵処理物Aを収納出来るように形成
した発酵槽2と、その基端部に操作室3を設けておき、
当該発酵槽2と操作室3に、発酵促進給気系機構4と脱
臭給気系機構5とを設けるとともに、発酵槽用社屋1内
で発酵槽2の上部に発酵促進換気機構6と水分調節機構
7と切返し移送装置8とを装備してなるたコンポスト製
造施設である。
【0039】次に、当該コンポスト製造施設を用いてコ
ンポストを製造する方法について、説明する。
【0040】本実施例において用いた有機質物は、養豚
業として必然的に発生する豚の糞尿である。豚の糞尿な
どの家畜の糞尿は、汚濁負荷量が高い、汚濁物質は
ふんの中に圧倒的に多い、汚濁物質濃度が高い、
素濃度が高い、臭気が強いという特徴がある。特に、
豚の排泄物は人間の3.6倍、生物化学的酸素要求量
(BOD)で10倍と、汚濁負荷量が非常に大きく、こ
れを発酵分解するのは大変である。しかし、発明者は、
前記糞尿の特徴を検討した結果、化学的酸素要求量(C
OD)や全有機炭素量(TOC)に対する生物化学的酸
素要求量(BOD)の割合が高い点に着目した。つまり
糞尿は、生物的に酸化分解される物質が多く、生物的処
理に適していることが解った。また糞尿であるから、当
然臭気が強い。主要な悪臭成分は、アンモニア、硫化水
素、揮発性脂肪酸などが主なものである。これら悪臭成
分は、嫌気状態(空気のない状態)のところでは悪臭が
強くなるのに対し、好気状態(空気のある状態)で処理
すると酸化分解されて、悪臭を防除できる。つまり、当
該糞尿は、微生物による発酵分解作用、特に好気性発酵
をさせることにより臭気が少なく効率良くコンポスト化
が可能であることが解った。更にまた、好気性発酵によ
り製造されたコンポストは、数多くの好気性菌を含んで
いるし、水分も15〜25%と、かなり乾燥度が進んだ
土壌の状態となっており、悪臭吸着作用を有しているの
で、有機質物の発酵条件調整用の副資材として好適であ
ることを見出した。本発明に係るコンポストを製造する
方法は、これらの技術知見を踏まえて、大量の有機質物
を効率よく完熟した堆肥にする方法として開発した。
【0041】前処理工程:まず有機質物である豚の糞尿
を固液分離しながら集め、その尿汚水(液体)部分E
は、別途用意した浄化処理施設25にて浄化するように
なし、他方の糞・固形部分Bには、成分調整施設26に
て副資材として出来上がっているコンポスト(戻し堆
肥)Dや植物残渣などを混合して、その水分がほぼ60
〜70%になるよう調整する。なお、糞・固形部分Bに
コンポスト(戻し堆肥)Dを混合するのは、水分調整す
るためだけでなく、糞尿の悪臭を大幅に低減し、好気性
発酵菌を大量に供給する意味がある。このため、成分調
整糞尿は発酵開始し易い状態になっている。具体的に
は、生糞・固形部分Bが18.0m3 、戻し堆肥Dが2
4m3 、その他の副資材Cが18m3 を混合、撹拌して
60m3 の成分調整された糞尿を得る。
【0042】発酵初期工程:前処理工程で成分調整され
た糞尿を、発酵槽2内にその基端部の投入口より投入す
る。そのうえで、発酵促進給気系機構4と脱臭給気系機
構5を作動させて、好適な温度と豊富な酸素とを供給す
ることにより、投入された成分調整糞尿を早急に発酵開
始させる。
【0043】先ず、発酵促進給気系機構4のブロワー1
3を作動させることにより、ブロワー13で自然界の微
生物と酵素とを含有する大気中の空気を吸入し、圧縮に
より温度を高めながら給気管14内に送り、当該給気管
14の吹出し孔15,15,15…から30〜40℃に
調整した温風として発酵槽2内に噴出供給して発酵処理
物A内を温かな空気が通気するようにして、温度と酸素
と自然界の微生物とを供給して微生物を活性化させ発酵
促進する。30〜40℃に調整した温風は、吸入した大
気中の空気をブロワー13で圧縮するだけで温度を高め
るようにしたので、大気中の空気に含まれている微生物
類が減少したり死滅することなく、活性化した状態で供
給される。発酵処理物A内を温かな空気が通気すること
により、養分、水分、空気(酸素)、温度、微生物等の
発酵条件が好適に整うので、微生物類による発酵分解作
用が開始される。
【0044】同時に、脱臭給気系機構5の送風機17を
作動させると、発酵槽2の開口部上方に配した臭気吸入
部18aの吸入口から臭気のある空気を吸入し、これを
底部送風部20の送風管19を介して送風し、これを発
酵槽2内の底部の送風管19の送風孔19a,19a,
19aより吹き出し発酵処理物A内を通気させて脱臭す
る。同時に、発酵処理物Aの底面部に、開口部上方の空
気(酸素)を供給することになる。
【0045】尚、当該発酵促進給気系機構4の給気細管
14c,14c,14cや、脱臭給気系機構5の送風管
19は、砂利石21に埋れて配管されているが、当該砂
利石21は保温性がよく、発酵処理物A内へ供給される
温風の温度を維持し、温まった発酵処理物Aの温度低下
を防いで、発酵処理物Aの発酵分解する菌類が常に活性
化した状態にすることができる。
【0046】特に、脱臭給気系機構5を作動させ発酵槽
2の開口部上方の空気を供給することにより、上面部と
底面部の環境が同じようになり、発酵処理物Aの上部の
発酵状態と下部の発酵状態とが均一な発酵状態となる。
つまり、気温の高い地方であっても、低い地方であって
も、脱臭給気系機構5によってその地域の気候に適合し
たベースとなる条件を整えたうえ、これに発酵促進給気
系機構4で温風を供給して温度条件を調整し、これら二
重の給気機構を操作して最も好ましい発酵条件に調整で
きるので、その地域の大気に含まれる菌類など微生物を
利用した効率的な発酵分解処理が可能となる。そのう
え、1日に1回または2回当該切返し移送装置8を駆動
させることにより、スクープにより発酵槽に収納されて
いる発酵処理物Aを基端部から先端部方向に1.7mづ
つ移送するとともに切返されて、発酵処理物A内の養分
や空気の混合状態が均一になるため、発酵処理物Aの発
酵作用が盛んになり、急速に促進する。
【0047】このように、発酵促進給気系機構4と脱臭
給気系機構5とを操作をすると、30分程度で発酵を開
始し、次第に一次発酵作用が盛んになる。そうすると、
当該発酵処理物から盛んに蒸気が立ち昇り、発酵処理物
の温度が65〜95℃程度まで高くなり、好機性発酵を
する。
【0048】そうして、好機発酵作用が進み、約10〜
15日位まで経過すると、その間定期的に切り返しが繰
り返されるため、当該発酵処理物は、順次発酵槽の先方
に移送されていく。そして発酵処理物が発酵槽の中間部
位置にくるころには次第に一次発酵作用が不活性化して
くる。そのように発酵作用が不活性状態になると温度が
低下して発酵処理物の表面に結露水が付着して表面から
約15cm位まではベタベタした水分過多の状態にな
リ、部分的に発酵しにくくなる。そのような状態になっ
た場合には、前記発酵促進換気機構4の換気ファン2
3,23,23を作動させ、発酵槽2の中間部位置の開
口上方に配設した換気ファン23,23,23により発
酵処理物の表面に風を送り、当該表面の過剰水分を乾燥
させて発酵条件のバランスが崩れたのを修正し、全体が
均一で順調な発酵状態となるようにする。
【0049】更に発酵時間が経過し、数回の切り返しに
より順次先方に移送され発酵腐熟が進むと、発酵処理物
全体の水分が蒸発して少なくなり、養分が少し残ってい
るが、水分不足により発酵作用が殆ど停滞したような状
態になる。そのような際には、水分調節機構7のポンプ
24aを作動させ、発酵作用が静まった状態の発酵処理
物の領域に散水部24cで水や溶液を散水する。この際
の散水用液体として、尿の浄化処理途中の汚水を散水し
てもよい。尚、当該汚水には、有機性の養分がふくまれ
ているので、清水よりかえって発酵を促進するのにより
好ましい。このように、一次発酵を完了した発酵処理物
Aに水分を追加すると微生物は再び活性化して二次発酵
作用を起こす。このように、二次発酵作用を開始する
と、再度温度が高まり、湯気が立つて更に発酵腐熟の度
合いが進む。更に発酵時間が進み、17〜20日目頃に
なると、次第に発酵作用が鎮静化して温度も常温に近付
いてくる。
【0050】このような経過を経て、20日前後になる
とほぼ常温状態になるが、その頃には当該発酵処理物A
の発酵分解が完了し、完熟したコンポスト(堆肥)にな
っている。尚、20〜25日は、それまでの発酵の進行
状態が遅れた場合とか、一部に分解し難い物質が含まれ
ているような場合にも、確実に完熟した発酵状態のコン
ポストになるための熟成期間であり、予備期間である。
同時に、このころには当該コンポストは、切り返しによ
り発酵槽の終盤部にまで移送され、取出し部9より取り
出すことができる状態になっている。以上のようにし
て、コンポスト製造施設を使用して連続的に多量の有機
質物を完熟したコンポストに製造することのできる方法
である。操作者は、有機質物を投入後、水分、空気、温
度、などを発酵に適した状態に調整することが可能なの
で、発酵分解処理を効率的に行うようにしたものであ
る。
【0051】次に、本発明の実施により出来たコンポス
トを収去し、これを「豚ぷん堆肥」として肥料分析法に
より分析検査をした結果は、次の通りであった。
【0052】
【表1】 豚ぷん堆肥の分析結果
【0053】有害成分(ひ素、カドミウム、水銀)につ
いても、分析した結果、下記の通り異常なしであった。 ひ素 3.36 ppm、 カドミウム、 0.81 ppm、 水銀 0.08 ppm、 (*乾物当たり ppm)
【0054】当該豚ぷん堆肥は、分析結果の通り、窒
素、りん酸、加里の含量が多く、有効な肥料として優れ
た品質を有している。しかも、当該豚ぷん堆肥は、その
有害成分の含有量が、肥料取締法第二条第二項の特殊肥
料等の指定における基準以下であり、かつ金属等を含む
産業廃棄物に係る判定基準にも適合するものであり、異
常がない。このため、本発明に実施例として製造された
コンポストは、特殊肥料として生産、販売が可能となっ
た。
【0055】
【効果】本発明は、食品工場等から排出する生ごみ、農
業や林業から排出される植物性残渣、畜産業から排出す
る家畜排泄物、屠殺場等から排出する動物性残渣、下水
道終末処理処理場から排出される汚泥などの有機質物を
効率的に発酵分解処理して短期間に特殊肥料や堆肥化
(コンポスト化)するための施設とその製造方法であ
る。
【0056】第1発明、第2発明にかかる有機質物のコ
ンポスト製造施設は、発酵槽用社屋内に、上面が開口し
発酵処理物を収納出来るように形成した発酵槽と基端部
の操作室先端部の取出し部が装備されており、更に当該
発酵槽と操作室とに、発酵促進給気系機構と脱臭給気系
機構と発酵促進換気機構と水分調節機構と切返し移送装
置とを装備したもので、発酵槽内の発酵条件を細かく調
整できる構造にすることにより、各種の有機質物を常に
効率的に発酵分解処理して短期間に完熟したコンポスト
にするものである。
【0057】その基本的原理は、自然界のなかにはその
地域に適したバクテリア菌などの微生物群が必ず存在し
ているという事実に着目して、微生物が活性化する環境
と条件を整えさえすれば、その設置地域の環境下で充分
発酵分解することのできる好気性発酵菌や好熱性発酵菌
等の微生物が集まり、活性化して、盛んな発酵分解作用
をおこし、完熟したコンポストになる時間を可及的に短
くしたものである。
【0058】第1発明、第2発明にかかる有機質物のコ
ンポスト製造施設は、発酵の進行に従って長く展開した
発酵槽を中心に、その底部から空気を通気しコントロー
ルする発酵促進給気系機構と脱臭給気系機構の二重の給
気機構が装備してあり、更に発酵槽の上面から発酵促進
換気機構と水分調節機構の二種類のコントロール機構が
装備されており、更に、発酵槽の内部を撹拌し移送する
切返し移送装置が装備されている。このように本発明に
係る有機質物のコンポスト製造施設は、5種類のコント
ロール手段を備えているので、発酵分解作用を可及的に
コントロールすることが可能になった。
【0059】第1発明、第2発明にかかるコンポスト製
造施設は、発酵促進給気系機構と脱臭給気系機構とを設
け、発酵槽内の発酵処理物内に自然界のなかの微生物を
含む空気を二重に通気するようにして、発酵に必要な豊
富な空気を供給するとともに、発酵促進給気系機構で
は、温めた空気を供給して発酵処理物を温めて発酵作用
を盛んにし、脱臭給気系機構で発酵槽上方の空気を発酵
槽の底部より供給して発酵処理物の下部に豊富な空気を
接触させ、可及的に上部と同じような環境条件にするこ
とにより、均一な発酵分解作用が起こるようにしたもの
である。
【0060】第3発明は、発酵の進行に従って長く展開
した発酵槽を中心に、その底部から空気を通気し、コン
トロールする発酵促進給気系機構と脱臭給気系機構の二
重の給気機構を装備するとともに、当該発酵槽の上面か
ら発酵促進換気機構と水分調節機構の二種類のコントロ
ール機構を装備されており、更に、発酵槽の内部を撹拌
し移送する切返し移送装置が装備されている有機質物の
コンポスト製造施設を用意し、当該コンポスト製造施設
の5種類のコントロール手段を駆使して、有機質物を効
率的に発酵分解処理して短期間にコンポストを製造する
方法である。この有機質物を発酵処理してコンポスト化
する方法は、微生物が活性化する環境と条件を整えるこ
とにより、有機質物を分解するに適した微生物類を自然
に付着、繁殖させ、好気性発酵菌や好熱性発酵菌等の微
生物を可及的に活性化させることにより、短時間に効率
よく発酵分解させるものである。本発明は有機質物を発
酵分解させるのは微生物であり、人間は、微生物の活動
に適した条件を随時整えることにより、その効率を可及
的に高めることにあるとの基本思想に基づき、5種類の
コントロール手段を駆使して行う製造法である。
【0061】その特徴は、第1は、人為的に微生物を加
えないで自然に集まり増殖するのを待つようにするの
で、その発酵処理を行う土地の土質条件や気候条件に適
合しており、条件設定が容易で経済的である。第2に、
温める熱源を空気の圧縮により得るようにし、他に電熱
等の外熱を用いないので経済的なうえ微生物の活性化に
優れている。第3に、発酵槽を発酵の進行に沿って長く
展開形成し、発酵度合いに応じて位置が移動するので、
発酵の初期、中期、後期に応じた最適な発酵条件のコン
トロールをその位置毎に変えながらきめ細かく調整出来
る。そのため出来るコンポストの完熟度が高く効率的で
ある。第4に、脱臭給気系機構により、発酵槽用社屋内
の発酵槽の上方の臭気ある空気を発酵槽の底部より発酵
処理物内に供給還流して脱臭するとともに、発酵処理物
の上部と下部の発酵条件を可及的に同じ様にして、ムラ
のない発酵分解が行われるようにした。第5に、発酵に
より発酵処理物が60〜90℃に上昇すると、上昇して
きた湯気が表面部で温度の低い大気と接触して結露し、
発酵処理物の表面が水分過剰になる現象が起きるが、こ
のような現象が起きた際は、発酵促進換気機構の換気フ
ァンを駆動して発酵処理物の表面に風を送り、当該表面
の水分の乾燥を促進して水分過剰現象を速やかに解消す
ることができるようにした。つまり、このような結露現
象のため、不用意に発酵分解作用が低減したり、停止し
たりすることがないようにした。第6に、発酵処理物が
完全に発酵分解する前に水分が蒸発して少なくなり、こ
れによって微生物の活動が弱くなったり、停止してしま
ったような場合には、水分調節機構により水分の不足し
ている部分に散水して、微生物を再度活性化したり、二
次発酵させることができる。第7、更に本発明では、切
返し移送装置により発酵槽内の発酵処理物を切返し、発
酵処理物の均一化と活性化を図りながら、所定距離だけ
移送するようにしたので、発酵処理物の発酵が進むに従
って取り出し口に近くなる。このため、切り返し操作の
度に新しい有機質物を投入することができ、連続的に大
量な完熟コンポストを製造することができる。
【0062】第4発明は、コンポスト製造施設に脱臭給
気系機構を装備するが、当該脱臭給気系機構は、基端部
の操作室に送風機を設け、その送風機の一方には通気管
を延出し、その先方を前記発酵槽の開口部上方に配し、
当該開口部上方に配した通気管部分には吸入口を開口し
て臭気吸入部となし、当該送風機の他方には送風管を延
出し、その先方に送風孔を穿設した送風管を発酵槽内の
底面部に配管して底部送風部となしておき、送風機を駆
動することにより、発酵槽の開口部上方の臭気吸入部の
吸入口から臭気のあるの空気を吸入し、これを底部送風
部の送風管を介して送風し、これを発酵槽内の底部送風
管の送風孔より吹き出し、発酵処理物内を通気させるこ
とにより脱臭するようにしたコンポスト製造施設の脱臭
方法である。発酵処理物自体に脱臭力のある事実に着目
して、発酵槽用社屋内の臭気ある発酵槽の開口部上方の
空気を底部より発酵処理物内に還流させることにより脱
臭させるようにする方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る有機質物のコンポスト製造施設
の実施例を示す縦断説明図である。
【図2】 本発明に係る有機質物のコンポスト製造施設
の実施例における発酵槽用社屋の基本構造を示す斜視説
明図である。
【図3】 本発明に係る有機質物のコンポスト製造施設
の実施例における発酵槽用社屋内に装備された発酵槽と
操作室と取出し部を示す平面図である。
【図4】 前記実施例における発酵槽と操作室と取出し
部に発酵促進給気系機構を配設した状態を示す平面説明
図である。
【図5】 前記実施例における発酵槽と操作室と取出し
部に脱臭給気系機構を配設した状態を示す平面説明図で
ある。
【図6】 前記実施例における発酵槽と操作室と取出し
部に発酵促進換気機構を配設した状態を示す平面説明図
である。
【図7】 前記実施例における発酵槽と操作室と取出し
部に水分調節機構を配設した状態を示す平面説明図であ
る。
【図8】 前記実施例における操作室内に発酵促進給気
系機構のブロワーと、脱臭給気系機構の送風機を備えた
状態を示す縦断側面図である。
【図9】 前記実施例における発酵槽内の底部構造とそ
こに配管された発酵促進給気系機構の給気管と給気細管
及び脱臭給気系機構の通気管の配管状態を示す要部縦断
斜視図である。
【図10】 前記実施例における発酵槽とその底部構造
と、そこに配管された発酵促進給気系機構の給気管と給
気細管及び脱臭給気系機構の通気管の配管状態を示す縦
断側面図である。
【図11】 発酵槽用社屋内に内装されている発酵槽が
1槽の場合のコンポスト製造施設の実施例を示す縦断側
面説明図である。
【図12】 発酵槽用社屋内に内装されている発酵槽が
2槽の場合のコンポスト製造施設の実施例を示す縦断側
面説明図である。
【図13】 発酵槽用社屋内に内装されている発酵槽が
3槽の場合のコンポスト製造施設の実施例を示す縦断側
面説明図である。
【図14】 本発明に係る有機質物のコンポスト製造施
設を利用して豚の糞尿からコンポストを製造する方法を
示す説明図である。
【主な符合の説明】
1:発酵槽用社屋 2:発酵槽 2a:溝部 3:操作室 4:発酵促進給気系機構 5:脱臭給気系機構 6:発酵促進換気機構 7:水分調節機構 8:切返し移送装置 9:取出し部 10:貯水槽 11:補助通路 11a:配管通路 11b:吸入通路 12:取入れ口 13:ブロワー 13a:吸込サイレンサ 13b:ブロワー本体 13c:モーター 14:給気管 14a:基幹部 14b:支管 14c:給気細管 14d:蓋体 14X:給気ブロック 15:吹出し孔 16:カバー体 17:送風機 18:通気管 19:送風管 19a:送風孔 20:送風部 21:砂利石 22:籾殻 23:換気ファン 24:散水装置 24a:ポンプ 24b:給水管 24c:散水部 25:浄化処理施設 26:成分調整施設 A:発酵処理物 B:糞・固形部分 C:副資材 D:コンポスト(戻し堆肥) E:尿汚水(液体)部分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発酵槽用社屋内に、上面が開口し発酵処理
    物を収納出来るように形成した発酵槽と操作室に、発酵
    促進給気系機構と脱臭給気系機構と発酵促進換気機構と
    水分調節機構と切返し移送装置とを装備したもので、当
    該発酵槽は、その深さを2m50cm以内とし、その基
    端部の投入口から先端部の取出口までの長さを、発酵処
    理物が断続的に移動しながら発酵の開始からコンポスト
    化するまでの各段階が連続展開し得る長さにし、当該発
    酵促進給気系機構は、操作室にブロワーを備えるととも
    に当該ブロワーから延出する給気管を発酵槽内の底面部
    に配設してあり、当該ブロワーで自然界の微生物と酵素
    などの含有する大気中の空気を吸入し、圧縮して温度を
    高めながら給気管内に送り、当該給気管の吹出し孔から
    温風として発酵槽内に噴出供給して発酵処理物内を温か
    な空気が底部より上部開口に向けて通気するように構成
    し、当該脱臭給気系機構は、操作室に送風機を設け、そ
    の送風機の一方には通気管を延出し、その先方を発酵槽
    用社屋内の発酵槽の開口部上方に配し、当該開口部上方
    に配した通気管部分には吸入口を開口して臭気吸入部と
    なし、当該送風機の他方には送風管を延出し、その先方
    に送風孔を穿設した送風管を発酵槽内の底面部に配管し
    て底部送風部となし、送風機を駆動することにより発酵
    槽の開口部上方に配した臭気吸入部の吸入口から臭気の
    ある空気を吸入し、これを底部送風部の送風管を介して
    送風してこれを発酵槽内の底部の送風孔より吹き出し発
    酵処理物内を通気させて脱臭するように構成し、当該発
    酵促進換気機構は、発酵槽用社屋内の上面が開口した発
    酵槽の中間部位置の開口上方に換気ファンを配設し、発
    酵槽内に収納した発酵処理物の表面に風を送り、当該表
    面の水分の乾燥を促進するように構成し、当該水分調節
    機構は、発酵槽用社屋内に上面が開口した発酵槽の側壁
    外側に貯水槽を設けておき、取水口を有するポンプと、
    当該ポンプから延出した給水管の先端部に散水部を設け
    てなる散水装置を、当該散水部が発酵槽の中間部位置の
    開口上方に配されるように装備しておき、当該散水部に
    より発酵槽内に収納した発酵処理物の表面に貯水槽内の
    水や溶液を散水し、当該発酵処理物の水分を調整し得る
    ように構成し、当該切返し移送装置は、発酵槽の左右両
    縁部に沿って走行しながら発酵槽に収納されている発酵
    処理物を基端部から先端部方向に順次移送しながら切返
    しを行うように構成し、以上の構成要素を組み合わせ装
    備したことを特徴とする有機質物のコンポスト製造施
    設。
  2. 【請求項2】発酵槽用社屋内に、上面が開口し発酵処理
    物を収納出来るように形成した発酵槽は、その深さを2
    m50cm以内とし、その基端部の投入口から先端部の
    取出口までの長さを、発酵処理物が断続的に移動しなが
    ら発酵の開始からコンポスト化するまでの各段階が連続
    展開し得る長さにし、その発酵槽の基端部には、当該発
    酵槽と隣接するように操作室を設けるとともに、発酵槽
    の左右両側部および隣接して発酵槽が併設されている場
    合にはその境界部に当該側壁に沿って空室を形成して、
    その空室の少なくとも一を貯水槽とし、他の空室を給気
    管などの配管通路や大気を操作室に吸い込む吸入通路と
    なし、当該操作室内にはブロワーを設置し、当該ブロワ
    ーから延出する給気管や電線などを配管通路を介して発
    酵槽内の底面部に配設し、吸入通路を介して大気を熱交
    換しながら操作室に吸い込んだうえ、当該ブロワーで自
    然界の微生物と酵素などの含有する大気中の空気を吸入
    し、圧縮して温度を高めながら給気管内に送り、当該給
    気管の吹出し孔から温風として発酵槽内に噴出供給して
    発酵処理物内を温かな空気が底部より上部開口に向けて
    通気するようにした発酵促進給気系機構を配設し、ま
    た、前記操作室内には送風機を設置し、その送風機の一
    方側には通気管を延出し、その先方を発酵槽用社屋内に
    おける前記発酵槽の開口部上方にまで延ばすように配設
    し、当該開口部上方に配設した通気管部分には吸入口を
    開口して臭気吸入部となし、当該送風機の他方側には送
    風管を延出し、その先方に送風孔の穿孔した送風管を発
    酵槽内の底面部に配管して底部送風部となし、送風機を
    順送方向に駆動することにより臭気吸入部の吸入口から
    臭気のある発酵槽の開口部上方の空気を吸入し、これを
    底部送風部の送風管を介して送風してこれを発酵槽内の
    底部の送風管の送風孔より吹き出し、当該空気を発酵処
    理物内に通気させることにより脱臭し得るように構成し
    た脱臭給気系機構を配設したことを特徴とする有機質物
    のコンポスト製造施設。
  3. 【請求項3】発酵槽用社屋内に、上面が開口し発酵処理
    物を収納出来るように形成した発酵槽は、その深さを2
    m50cm以内とし、その基端部の投入口から先端部の
    取出口までの長さを、発酵処理物が断続的に移動しなが
    ら発酵の開始からコンポスト化するまでの各段階が連続
    展開し得る長さにし、その発酵槽の基端部には、当該発
    酵槽と隣接するように操作室を設けておき、当該発酵槽
    と操作室に、発酵促進給気系機構と脱臭給気系機構と発
    酵促進換気機構と水分調節機構とスクープ式撹拌装置と
    を装備してなるコンポスト製造施設を用意し、有機質物
    は、必要に応じて副資材を混合して水分および/または
    成分の調整をしたうえ、これを発酵槽内にその基端部の
    投入口より投入し、発酵促進給気系機構のブロワーを作
    動させることにより、ブロワーで自然界の微生物と酵素
    とを含有する大気中の空気を吸入し、圧縮により温度を
    高めながら給気管内に送り、当該給気管の吹出し孔から
    30〜40℃に調整した温風として発酵槽内に噴出供給
    して発酵処理物内を温かな空気が通気するようにして、
    温度と酸素と自然界の微生物とを供給して微生物を活性
    化させ発酵促進するとともに、脱臭給気系機構の送風機
    を作動させることにより、発酵槽の開口部上方に配した
    臭気吸入部の吸入口から臭気のある空気を吸入し、これ
    を底部送風部の送風管を介して送風し、これを発酵槽内
    の底部の送風管の送風孔より吹き出し発酵処理物内を通
    気させて脱臭し、同時に、発酵処理物の底面部に開口部
    上方の空気を供給して、上面部と底面部の環境条件を出
    来るだけ同じようにして、発酵処理物全体が均一な発酵
    状態となるようにし、1日に1回または2回当該切返し
    移送装置を駆動させることにより、発酵槽の縁に添って
    走行し発酵槽に収納されている発酵処理物を基端部から
    先端部方向に順次移送しながら切返しを行うようにし
    て、発酵を促進し、上記の前処理と操作をすることによ
    り発酵を開始させ、次第に一次発酵作用が盛んになるに
    したがて発酵処理物から蒸気が立ち昇り、発酵処理物の
    温度が65〜95℃程度まで高くなるようになし、発酵
    時間が経過し切り返しを数回切り返すことにより順次先
    方に移送され、発酵処理物が発酵槽の中間部位置にくる
    ころには次第に発酵作用が不活性化してくるが、そのよ
    うに発酵作用が不活性状態になると温度が低下し、発酵
    処理物の表面に結露水が付着して表面だけ水分過多の状
    態になるので、そのような際には前記発酵促進換気機構
    の換気ファンを作動させ、発酵槽の中間部位置の開口上
    方に配設した換気ファンにより発酵処理物の表面に風を
    送り、当該表面の過剰水分を乾燥させて全体が均一な条
    件での発酵作用となるようにし、更に発酵時間が経過
    し、数回の切り返しにより順次先方に移送され発酵腐熟
    が進むと、発酵処理物全体の水分が蒸発して少なくな
    り、発酵作用が次第に停滞したような状態になるので、
    そのような際には、水分調節機構のポンプを作動させ、
    発酵作用が静まった状態の発酵処理物の領域に散水部で
    水や溶液を散水し、当該発酵処理物の水分を追加する
    と、微生物は再び活性化して二次発酵作用を起こし、再
    度温度が高まり湯気が立つて更に発酵腐熟の度合いが進
    み、再び次第に発酵作用が鎮静化して温度も常温に近付
    いてくるが、このような常温状態になる頃には、当該発
    酵処理物は完熟したコンポストになっているとともに、
    切り返しにより発酵槽の終盤部にまで移送された際には
    完熟したコンポストが出来上がっており、このコンポス
    トを取出口より取り出すようにしたことを特徴とする有
    機質物をコンポストに製造する方法。
  4. 【請求項4】発酵槽用社屋内に、上面が開口し発酵処理
    物を収納出来るように形成した発酵槽は、その深さを2
    m50cm以内とし、その基端部の投入口から先端部の
    取出口までの長さを、発酵処理物が断続的に移動しなが
    ら発酵の開始からコンポスト化するまでの各段階が連続
    展開し得る長さにし、その発酵槽の基端部には、当該発
    酵槽と隣接するように操作室を設けておき、当該発酵槽
    と操作室に、発酵促進給気系機構と脱臭給気系機構とを
    装備したコンポスト製造施設において、前記脱臭給気系
    機構は、基端部の操作室に送風機を設け、その送風機の
    一方には通気管を延出し、その先方を前記発酵槽の開口
    部上方に配し、当該開口部上方に配した通気管部分には
    吸入口を開口して臭気吸入部となし、当該送風機の他方
    には送風管を延出し、その先方に送風孔を穿設した送風
    管を発酵槽内の底面部に配管して底部送風部となし、送
    風機を駆動することにより、発酵槽の開口部上方の臭気
    吸入部の吸入口から臭気のあるの空気を吸入し、これを
    底部送風部の送風管を介して送風し、これを発酵槽内の
    底部送風管の送風孔より吹き出し、発酵処理物内を通気
    させるように構成し、当該脱臭給気系機構の送風機を作
    動させ、発酵槽用社屋内の臭気ある空気を吸い込み、送
    風して、これを発酵槽内の底部より吹き出して、当該空
    気が発酵処理物内を通気することにより脱臭するように
    したことを特徴とするコンポスト製造施設の脱臭方法。
JP3553898A 1998-02-18 1998-02-18 有機質物のコンポスト製造施設と有機質物をコンポストに製造する方法 Pending JPH11228270A (ja)

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