JP2000000392A - ハンガー等の吊り下げ用リール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定部間に架け渡す紐条の取り付け、取り外
しが簡単に行え、取り外し時にも嵩張ることがなく、取
り外しが手軽に行えることにより、マンション等の建物
の美観を損なうことのないハンガー等の吊り下げ用リー
ル装置を提供する。 【解決手段】 ケース４内に回転自在となるよう収納し
たリール３と、このリール３に巻回されてケース４から
外部に引出し可能となる紐条２と、ケース４内に設けら
れ、紐条２の引出し方向へのリール３の回転で該リール
３に対する紐条巻き取り方向の回転弾性を蓄積する回転
付与機構７と、ケース４外部からの操作によってリール
３の回転を阻止するロック機構８と、同じくケース４外
部からの操作によってロック機構８の作用を解除する解
除手段９とを有し、ケース４内から紐条２を所定長さだ
け引出し、前記紐条２の先端とケース４の外部適所とに
それぞれ設けた係止部１０又は１１と１２を建物の固定
部に係止すれば、紐条２の張設が行えると共に、紐条２
の取り外しも簡単に行える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、固定部間に張設
した紐条に洗濯物を干すためのハンガー等を吊り下げる
リール装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、マンションのベランダ等で洗濯
物を干すための手段として、建物や構造物である固定部
間に紐条を架け渡し、この紐条に洗濯物をかけたハンガ
ーを吊り下げることはすでに行われている。

【０００３】ところで、従来のハンガー吊り下げは、所
定の長さを有する単なる紐条を用い、その両端を固定部
に縛ることにより架け渡し、この紐条に洗濯物をかけた
ハンガーを吊り下げるようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、紐条を固定部
に縛ることによって架け渡す方法は、紐条の取り外し作
業が面倒で、取り外した紐は嵩張って収納に不便である
ため、洗濯物を干さない場合でも紐条を固定部間に架け
渡したままにしておくことが多く、このため、紐条が埃
や風水によって汚れ、この汚れが洗濯物に付着すること
があると共に、紐条の耐久性を低下させ、かつ、ベラン
ダ等において紐条の架け渡し状態が外部から見えること
により、不体裁となってマンション等の建物の美観を損
なうという問題がある。

【０００５】そこで、この発明の課題は、建物や構造物
である固定部間に架け渡す紐条の取り付け、取り外しが
簡単に行え、取り外し時には紐状を嵩張ることなく格納
でき、取り外しが手軽に行えることにより、紐状を架け
渡し状態にすることによるマンション等の建物の美観低
下を防ぐことができるハンガー等の吊り下げ用リール装
置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、請求項１の発明は、ケース内に回転自在とな
るよう収納したリールと、このリールに巻回されてケー
スから外部に引出し可能となる紐条と、ケース内に設け
られ、紐条の引出し方向へのリールの回転で該リールに
対する紐条巻き取り方向の回転弾性を蓄積する回転付与
機構と、ケース外部からの操作によってリールの回転を
阻止するロック機構と、同じくケース外部からの操作に
よってロック機構の作用を解除する解除手段とを有し、
前記紐条の先端とケースの外部適所とにそれぞれ係止部
を設けた構成を採用したものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示例と共に説明する。

【０００８】図示のように、リール装置１は、必要な長
さの紐条２を巻き取るリール３をケース４内に５軸を中
心として回転自在となるよう収納し、ケース４の下部で
一方の側面に紐条２の引出し口６を設け、該ケース４内
に、紐条２の引出し方向へのリール３の回転で該リール
３に対する紐条２巻き取り方向の回転弾性を蓄積する回
転付与機構７と、ケース４外部からの操作によってリー
ル３の回転を阻止するロック機構８と、同じくケース４
外部からの操作によってロック機構８の作用を解除する
解除手段９とが設けられている。

【０００９】上記ケース４は、例えば、合成樹脂等を用
い、リール３が回転自在に納まる大きさとデザインの二
つ割りでビスにより組立てるような構造に形成され、こ
のケース４の他方の側面側で上部寄りの外側位置に、フ
ック状の係止部１０と、紐条２を環状にしてこの係止部
１０上に取り付けた係止部１１とが設けられ、ケース４
の引出し口６から外部に引き出した紐条２の先端にも、
金属製のリングや紐を環状にした係止部１２が設けられ
ている。

【００１０】前記回転付与機構７は、リール３の内周側
に設けた筒状空間内にゼンマイ１３を収納し、このゼン
マイ１３の内端を軸５に固定すると共に外端をリール３
に固定し、該ゼンマイ１３は紐条２の引出し方向へのリ
ール３の回転で巻き締められ、該リール３に対する紐条
２巻き取り方向の回転弾性を蓄積するように形成されて
いる。また、紐条２は洗濯物を吊り下げても切断するこ
とのない強度を有するものであれば、その材質や太さ等
は問わないと共に、長さについても、建物や構造物であ
る固定部間に架け渡すことのできるように適宜設定すれ
ばよい。

【００１１】上記リール３の回転を阻止するロック機構
８は、リール３の一面側で外周部に多数の突部１４を一
定の間隔で設け、ケース４の他方の側面側で係止部１０
よりも上部寄りの外側部分に、該ケース４の周壁部分を
内外に貫通し、先端がリール３の外周から離反する退動
位置から、先端部がリール３の突部１４と係合する前進
位置との間を、リール３の半径方向に移動自在となるロ
ック操作杆１５を設け、このロック操作杆１５にバネ１
６で常時退動位置に復帰する弾性を付勢し、かつ、ロッ
ク操作杆１５の近接位置に、ロック操作杆１５の前進位
置を保持する係止部材１７を配置して構成されている。

【００１２】該係止部材１７は、先端の爪先１８がロッ
ク操作杆１５の側縁に向けて常時圧接する弾性がバネ１
９で付与され、ロック操作杆１５の側縁には、前進位置
に押し込んだとき、係止部材１７の先端爪先１８が係合
する係止溝２０が設けられ、従って、ロック操作杆１５
を前進位置に押し込むと、係止部材１７の先端爪先１８
が係止溝２０に係合して前進位置が保持され、ロック操
作杆１５の先端はリール３の突部１４と回転方向に対し
て係合し、該リール４の紐条２引出し方向の回転を阻止
することになる。

【００１３】前記、ロック機構８の解除手段は、図示の
場合、係止部材１７の一部に設けた操作ボタン２１をケ
ース４に設けた長孔２２から外部に突出させ、この操作
ボタン２１を介して係止部材１７をバネ１９に抗して引
下げ、先端爪先１８と係止溝２０の係合を解くようにな
っている。従って、先端爪先１８と係止溝２０の係合が
解かれたロック操作杆１５は、バネ１６の弾性で退動位
置へ自動的に復帰し、リール３のロックを解除すること
になる。

【００１４】なお、図示したロック機構と解除手段の構
造は一例であり、他の例として、ロック機構と解除手段
を一体化し、ロック操作杆をケースに対してスライドさ
せることにより、前進位置と退動位置の間を移動すると
共に、前進位置と退動位置で弾力的に係止でき、前進位
置でリールをロックし、退動位置へのスライドと退動位
置での係止が解除手段を構成するような構造を採用して
もよい。

【００１５】この発明のハンガー等の吊り下げ用リール
装置は、上記のような構成であり、洗濯物を干すとき、
図３のように、ケース４内に紐条２が収納された状態
で、ケース４の外部に位置する紐条２の先端係止部１２
を、ベランダ等における一方の固定部Ａに係止した後、
ケース４から紐条２を引出して両固定部Ａ、Ｂ間の長さ
になった時点で、ロック機構８のロック操作杆１５を前
進位置に押し込み、リール３をロックして紐条２の引出
し方向への回転を固定化し、この状態でケース４に設け
た係止部１０又は１１を他方の固定部Ｂに係止すれば、
両固定部Ａ、Ｂ間に紐条２を張設した状態となる。な
お、ベランダ等における両固定部Ａ、Ｂは、図示の場
合、一方壁面に固定したフツクと、他方壁面に設けた手
すりパイプを示している。

【００１６】上記紐条２の引出し時にリール３が回転す
ると、回転付与機構７のゼンマイ１３は巻き締められて
弾性を蓄積すると共に、固定部Ａ、Ｂ間に張設した紐条
２にハンガーＣを吊り下げて洗濯物Ｄを干せばよく、張
設した紐条２に荷重がかかることになるが、この紐条２
を巻き取るリール３は紐条２の引出し方向に固定化され
ているため、ハンガーＣで洗濯物Ｄを吊り下げても、引
き出した長さ以上に弛むことはない。

【００１７】洗濯物Ｄが乾燥して紐条２からハンガーＣ
を取り外した後、紐条２の先端係止部１２とケース４の
係止部１０又は１１をそれぞれの固定部Ａ、Ｂから取り
外し、ケース４の解除手段９を操作すると、ロック機構
８のリール３に対するロックが解除され、回転付与機構
７の弾性でリール３が回転し、紐条２をケース４内に引
き込んでこれをリール３に巻き取り、紐条２の収納状態
になる。

【００１８】このように、洗濯物Ｄを干すときは、紐条
２を弛まないように張設できると共に、洗濯物Ｄの取り
入れ後は、固定部Ａ、Ｂ間から取り外し、紐条２をケー
ス４内に引き込んで収納状態にすることができ、建物の
美観を損なうことがないと共に、紐条２が埃や雨水等で
汚れるのを防ぐことができる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、この発明によると、ケー
ス内に回転自在となるよう収納したリールに紐条を外部
に引出し可能となるよう巻回し、ケース内に、紐条の引
出し方向へのリールの回転で該リールに対する紐条巻き
取り方向の回転弾性を蓄積する回転付与機構と、ケース
外部からの操作によってリールの回転を阻止するロック
機構と、同じくケース外部からの操作によってロック機
構の作用を解除する解除手段とを設け、前記紐条の先端
とケースの外部適所とにそれぞれ係止部を設けたので、
建物の固定部間への紐条の張設と取り外しが簡単手軽に
億劫なく行えるようになり、従って、洗濯物を干すとき
は、固定部間に紐条を弛まないように張設できると共
に、洗濯物の取り入れ後は、固定部間から取り外し、紐
条をケース内に引き込んで収納状態にすれば、紐条を張
設したままの状態が外部から見えることによる建物の美
観低下を防ぐことができ、しかも紐条をケース内に巻き
取って収納できるので、全体が嵩低くなって保管に便利
であるだけでなく、紐条が埃や雨水で汚れることがなく
なり、洗濯物が紐条に接触して汚れるような事態も防止
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ケースにおける一方を取り外した状態を示すリ
ール装置の一部切り欠き正面図

【図２】リール装置のロック機構の部分を示す拡大正面
図

【図３】リール装置の使用状態を示す斜視図

【符号の説明】

１ リール装置 ２ 紐条 ３ リール ４ ケース ５ 軸 ７ 回転付与機構 ８ ロック機構 ９ 解除手段 １０ 係止部 １１ 係止部 １２ 係止部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケース内に回転自在となるよう収納した
   リールと、このリールに巻回されてケースから外部に引
   出し可能となる紐条と、ケース内に設けられ、紐条の引
   出し方向へのリールの回転で該リールに対する紐条巻き
   取り方向の回転弾性を蓄積する回転付与機構と、ケース
   外部からの操作によってリールの回転を阻止するロック
   機構と、同じくケース外部からの操作によってロック機
   構の作用を解除する解除手段とを有し、前記紐条の先端
   とケースの外部適所とにそれぞれ係止部を設けたハンガ
   ー等の吊り下げ用リール装置。