JP2562241B2 - 防災監視装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は火災感知器等からの端末
情報を受信機において受信、処理を行い火災等の異常を
監視する防災監視装置に関し、特に受信機からのアドレ
ス指定により端末を順次呼出すことにより端末情報を受
信して警報等を行う防災監視装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の防災監視装置にあっては、受信機
からのアドレス指定により複数の端末を順次呼出すポー
リング方式を採用していた。即ち、各端末は各々固有の
アドレスを有しており、受信機は各端末に対してそのア
ドレスを指定した呼出信号を順次送出する。そして火災
等の異常を検出した端末は、呼出アドレスが自己アドレ
スに一致するまで待ち、アドレスの一致照合が得られる
と呼出しに続く応答タイミングで火災検出情報等を受信
機に送信する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようなポーリング
方式を採用した従来の防災監視装置にあっては、端末の
接続個数が少ない場合には火災警報時間の遅れ等の問題
は生じない。しかしながら、端末の数が多い場合には１
回のポーリングで全ての端末を呼出すまでに端末数に比
例した時間がかかる。従って、火災が生じてから受信機
側で火災を判断して警報するまでの時間遅れが大きくな
る問題があった。

【０００４】また火災発信機を端末側に接続した場合に
は誤報の恐れはほとんどない。しかし従来の防災監視装
置においては上述の場合と同様に火災発信機が押された
ことをポーリングにより検出し、その後に警報ベルの鳴
動制御を行っているため、火災発信機操作後ベル鳴動ま
でに時間がかかり過ぎ、火災通報者（操作者）に不安を
与えてしまう問題があった。

【０００５】特に誤報を防止するために連続して２回火
災検出情報を受信して初めて火災と判断する２連送照合
方式を採用していた場合には、２回の呼出しによる応答
信号を照合することから、更に時間がかかってしまう問
題があった。本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、緊急を要する情報の検出が端末側で
あった際には、順次呼出しに依存することなく短時間で
端末情報を受けて異常発生を判断できるようにした防災
監視装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の防災監視装置は次のように構成する。本発明
は、伝送路１４を介して複数の端末１２を受信機１０に
接続し、受信機１０からの呼出コマンド、アドレス等か
らなる呼出信号の送信で端末１２を電圧モードで順次呼
出し、端末１２側で呼出アドレスと自己アドレスとの一
致照合が得られた際に、端末応答信号を電流モードで順
次送信し、該端末応答信号を受信機１０で受信解読して
警報等を行う防災監視装置を対象とする。

【０００７】このような防災監視装置につき本発明にあ
っては、端末１２のそれぞれに、異常検出時に受信機１
０からの呼出信号中の呼出コマンドを検出した際に呼出
コマンド以降の呼出信号の送信中の所定の時間帯域での
み、割込信号を電流モードで送出する割込送信部１６を
設ける。また受信機１０には、呼出信号送信中の時間帯
域を監視して端末１２からの割込信号を検出する割込検
出部１８を設ける。

【０００８】更に受信機１０は、割込検出部１８の割込
検出出力を受けた際には、端末１２側に割込確認の呼出
信号を送出して割込発生原因を示す割込応答信号を返送
させ、割込応答信号に対応した処理を行い、更に端末１
２のグループ呼出を順次行って異常情報を検出した端末
を特定する。

【０００９】

【作用】このような構成を備えた本発明の防災監視装置
によれば、特定の端末で火災、ガス洩れ等の緊急を要す
る端末情報を検出した際には、受信機からの呼出信号送
信中の所定の時間帯域を使用して端末から割込信号が送
られる。従って、受信機では割込信号の受信に基づいて
異常を検出した端末を迅速に特定するためのグループ呼
出しに入ることができ、端末の異常検出から受信機の受
信判断までの処理時間を短縮できる。

【００１０】また、割込検出時に割込確認要求を行って
割込原因を示す詳細情報、即ち、それが火災発信機が操
作されたものによるのか、あるいは火災感知器からの火
災信号によるのか等の情報を返送させることで、割込原
因となった異常検出に合致した適切な対応策を取ること
ができる。例えば割込原因が火災発信機の検出情報であ
った場合には、割込受信でまずベル鳴動を行い、その後
にグループ呼出しによる異常検出を行った端末の特定に
入ることにより、火災発信機の操作に対し直ちにベル鳴
動が行われ、操作者に不安を与えることがない。

【００１１】更に、電圧モードで送られる受信機からの
呼出信号に重複する時間帯域で電流モードにより割込デ
ータを受信機に送っているため、ポーリングのための呼
出信号と端末応答信号に加えて割込みのための時間帯域
を別途設ける必要がなく、ポーリング周期を短くでき
る。

【００１２】

【実施例】図１は本発明の全体構成を示した説明図であ
る。図１において、１０は受信機であり、受信機から引
き出された伝送路１４に端末として中継器２２、アナロ
グ感知器２８、火災発信機３０等を接続している。そし
て各端末は各々固有のアドレスを有している。中継器２
２からは電源兼用信号線２４が引き出され、オンオフ感
知器２６を接続している。受信機１０は端末としての中
継器２２、アナログ感知器２８及び火災発信機３０の個
々のアドレスを順次指定した呼出信号を送出する。

【００１３】本防災監視装置は、この呼出信号を受けた
端末側で自己アドレスと呼出アドレスとの一致照合が得
られたときに、そのときの端末検出情報を示す応答信号
を送出するポーリング方式を基本とする。本発明は、こ
のポーリング方式に、端末側で緊急を要する異常検出が
行われた場合に、割込信号を送出して異常発生を受信機
１０に知らせるようにしたものである。

【００１４】図２は本発明の一実施例を示した実施例構
成図である。図２において、受信機１０から引き出され
た伝送路１４に対しては複数の端末１２−１，１２−
２，・・・が接続されている。伝送路１４は呼出回線１
４−１と応答回線１４−２に見かけ上、分けて示すこと
ができる。即ち、本発明の実施例にあっては、受信機１
０から端末側に対する呼出信号を呼出回線１４−１を介
し電圧モードで送っている。一方、これに対し端末から
受信機１０に対する応答信号を応答回線１４−２を介し
て電流モードで送っている。従って、電圧モードの伝送
となる呼出信号については、見かけ上、呼出回線１４−
２として示すことができる。

【００１５】受信機１０にはＣＰＵを用いた制御部３２
が設けられ、制御部３２に対しては表示部３４、操作部
３６及び鳴動部３８が接続される。また、制御部３２と
伝送路１４の間にはＣＰＵを用いた伝送部４０が設けら
れる。尚、制御部３２と伝送部４０を１つのＣＰＵで構
成してもよい。一方、端末１２−１，１２−２，・・・
側は、端末１２−１に代表して示すようにＣＰＵを用い
た端末制御部４２、センサ部４４及び切替回路４６を備
える。センサ部４４は図１に示したオンオフ感知器２
６、アナログ感知器２８、火災発信機３０の検出部であ
り、それぞれ固有の検出原理あるいは操作に基づいた火
災検出信号を端末制御部４２に出力する。

【００１６】本発明にあっては、端末制御部４２にＣＰ
Ｕのプログラム制御により実現される割込送信部１６を
設けている。割込送信部１６はセンサ部４４より火災検
出出力やガス漏れ検出出力等の異常検出出力を受けた際
に、受信機１０に対し切替回路４６を介して割込信号を
送出する。切替回路４６は受信機１０からの呼出信号に
対する応答信号と割込送信部１６による割込信号とを切
替える。この割込送信部１６による割込信号の送信タイ
ミングは受信機１０からの呼出信号送信中の所定の時間
帯域を使用し、呼出信号の送信と重複して行われる。即
ち、呼出回線１４−１により受信機１０から呼出信号が
送信されている状態で、端末側より応答回線１４−２を
使用して受信機１０に割込信号を送信する。

【００１７】また、端末制御部４２にはグループアドレ
ス設定部５１が設けられている。このグループアドレス
設定部５１にはディップスイッチ等により形成された自
己アドレス設定部５２が接続されている。従って各端末
は自己アドレス設定部５２のディップスイッチを操作す
ることにより自己アドレスが決定される。さらにその自
己アドレスに対応してグループアドレスがグループアド
レス設定部５１によって決定される。

【００１８】端末側の割込送信部１６に対応して受信機
１０の伝送部４０には割込検出部１８が設けられる。割
込検出部１８は端末に対する呼出信号送信中に設定した
所定の時間帯域における応答回線１４−２からの信号を
監視し、割込信号を検出した際には割込検出出力を制御
部３２に与える。制御部３２にはＣＰＵのプログラム制
御で実現される呼出制御部２０が設けられる。呼出制御
部２０は定常監視状態にあっては、呼出コマンドに端末
１２−１，１２−２，・・・の呼出アドレスを加えた呼
出信号を順次送出している。

【００１９】なお、制御部３２にはグループ検索及び当
該グループ内の個別アドレス検索により異常を検出した
端末を特定するための特定手段５３が設けられている。
これに対し受信機１０は、端末における異常検出で伝送
部４０より割込検出出力を受けた際には、端末側に対し
割込確認コマンドを含む呼出信号を送信する。そして端
末側より割込原因を示す詳細情報、即ち割込確認信号を
返送させて割込原因を判断し、割込原因に合致した適切
な受信処理を行う。この実施例において、割込原因は割
込レベル１〜３の３つに分けられている。

【００２０】即ち、割込レベル１は火災発信機の火災検
出出力、割込レベル２は火災感知器やガス漏れセンサに
よる検出出力、更に割込レベル３はアナログ感知器のア
ナログ検出信号が受信機側での火災判断を開始させるた
めのプリアラームレベルを超えたことを示す情報であ
る。また、割込レベル１〜３は同時に割込優先レベルを
示しており、例えば同時にレベルの異なる２以上の割込
確認情報が得られた場合には、優先度の高い割込レベル
から受信処理を優先して行うようになる。即ち、割込レ
ベル１と２の情報が同時に得られたときには割込レベル
１を優先する。

【００２１】図３は図２の実施例における定常監視状態
の呼出及び応答のタイミングチャートである。図３にお
いて、受信機１０は呼出コマンドＣ１及び端末アドレス
Ａ１，Ａ２，Ａ３，Ａ４，・・・を含む呼出信号を順次
送信している。この呼出信号は、図４に取り出して示す
ように、８ビットのコマンドフィールド、８ビットのア
ドレスフィールド、更にチェックサムフィールドの３バ
イトで構成され、各バイトの前後にスタートビット、パ
リティービット及びストップビットを設けている。コマ
ンドフィールドはアドレスとは無関係に全端末に対し受
信機１０からの呼出信号が何を意味するか示すために使
用される。

【００２２】この場合８ビット中の上位４ビットをコマ
ンド表示に、また下位４ビットを当該コマンドの内容を
示すバイナリーコードに割当てている。具体的には図３
に示す呼出コマンド及び図６のタイミングチャートで明
らかにする割込確認コマンドＣ２及び検索コマンドＣ３
が用いられる。勿論、コマンドデータとしては必要に応
じて警報ベル鳴動等の適宜のコマンドを定めることがで
きる。

【００２３】再び図３を参照するに、受信機１０からの
呼出信号に対し呼出信号に含まれるアドレスの一致照合
が得られた場合には該端末より、端末１２−１，１２−
２，１２−３，・・・に示すように端末応答信号が送出
される。端末応答信号は図５に取り出して示すように、
８ビットのデータフィールドとチェックサムフィールド
の２バイトで構成され、各バイトの前後にはスタートビ
ット、パリティービット及びストップビットが設けられ
ている。

【００２４】定常監視状態において、図４に示す端末応
答信号のデータＤ１，Ｄ２，Ｄ３，・・・には定常監視
状態における端末の状態を示す適宜のデータが入る。図
６は図２の実施例において、端末１２−ｎで火災検出、
例えば火災発信機の検出出力が得られたときの呼出と応
答のタイミングチャートである。図６において、端末１
２−ｎで火災発信機のスイッチ操作により火災検出が行
われると、火災検出後に受信機１０から最初に送出され
る呼出信号、即ち呼出コマンドＣ１、アドレスＡ２を持
つ呼出信号の送信に対し、この送信時間帯域を使用して
割込データを送出する。

【００２５】即ち、この実施例にあっては、呼出信号の
２バイト目のアドレスフィールドと３バイト目のチェッ
クサムフィールドに一致する時間帯域を使用して火災検
出が行われた端末１２−ｎより割込データを送信する。
この割込データとしては、２バイト領域をオール１とす
るような通常の端末応答信号から区別できるようなビッ
トデータを使用する。

【００２６】尚、端末１２−ｎからの割込データの送信
は呼出コマンドＣ１を有する呼出信号に対してのみ行わ
れることになる。即ち、他のコマンド、例えば割込確認
コマンドＣ２等に対しては割込データの送信は行わな
い。この端末１２−ｎから送出された割込データは受信
機１０側で検出され、この割込検出に対し次の呼出信号
のコマンドフィールドに呼出コマンドＣ１の代わりに割
込確認コマンドＣ２を入れた呼出信号を受信機１０は送
出する。割込確認コマンドＣ２は全ての端末１２−１〜
１２−ｎで判別され、このとき火災を検出している端末
１２−ｎは割込確認コマンドに基づき端末応答信号とし
て割込応答データを送信する。この割込応答データは割
込発生原因を示すもので、図６の場合には火災発信機の
火災検出出力であることを示す割込レベル１の割込応答
データを送信する。

【００２７】勿論、火災感知器やガス漏れ感知器の検出
出力による割込みであれば、割込レベル２の割込応答デ
ータを送信する。更にアナログ感知器の検出出力がプリ
アラームレベルを超えていた場合には割込レベル３の割
込応答データを送信する。端末１２−ｎからの割込応答
データを受信した受信機１０側にあっては、割込原因を
知ってそれに応対する処理を行う。即ち、例えば割込レ
ベル１であれば火災発信機の火災検出出力であることか
ら、直ちにベル鳴動を行って次の異常検出端末を特定す
るためのグループ呼出しに入る。これに対し割込レベル
２や割込レベル３にあっては、警報を行うことなく直ち
に異常検出端末を特定するためのグループ呼出しに入
る。

【００２８】割込応答データの受信により割込原因が判
明した後のグループ呼出しは、呼出信号のコマンドフィ
ールドに検索コマンドＣ３を入れ、呼出信号毎にグルー
プアドレスＧ１，Ｇ２，Ｇ３，・・・を順次入れてグル
ープ呼出しを行う。本発明におけるグループ呼出しの第
１実施例としては、端末１２−１〜１２−ｎを例えば８
台ずつのグループに分けて各グループに固有のグループ
アドレスＧ１，Ｇ２，Ｇ３，・・・を設定して行う方法
がある。この場合このグループアドレスを順次指定して
グループ呼出しを行い、割込パルスを送出した端末１２
−ｎを含むグループアドレスが指定され、当該端末がグ
ループ内に存在する旨のグループ応答が得られれば、そ
のグループを異常検出グループと指定する。そしてこの
応答が得られたグループを対象としてグループに含まれ
る端末の個別アドレスを順次指定して呼出すことにより
異常検出を行った端末を特定する。

【００２９】また、本発明のグループ呼出しの第２実施
例としては、図７に示す２分法に従ったグループ呼出し
を行ってもよい。図７の２分法は１６台の端末を例にと
っており、１６台の端末には図示のようにアドレス１〜
１６が割り当てられている。２分法による異常検出端末
の特定は、１６台の端末８台、４台、２台、１台といよ
うに順次絞り込んで応答の有無を確認する。

【００３０】例えば図７に示すように、まずアドレス
１〜８の端末を１グループとして呼び出す。応答が得ら
れれば下側のに示すようにアドレス１〜４の４つに絞
り込んで呼び出し、応答が得られなければ下側のに進
んでアドレス５，６の呼出しを行う。それでも応答が得
られなければ下側ののアドレス７、更にのアドレス
８の呼出しを行い、アドレス８の異常検出であれば５回
の呼出しで端末を特定できる。

【００３１】また、のアドレス１〜８の呼出しに対し
応答が得られなければ、横のに示すように他の４つの
アドレス９〜１２の端末を呼び出す。応答が得られなけ
れば横のに示すアドレス１３，１４を呼び出し、それ
でも応答が得られなければ横に示すのアドレス１５、
更にのアドレス１６の呼出しを行う。このように２分
法による呼出しにあっては、１６端末の場合、最大で５
段階に亘る呼出しを行うことで、異常検出を行っている
端末を特定することができる。

【００３２】次に図８，９のフローチャートを参照して
図２の受信機の制御処理を説明する。図８において、受
信機の電源を投入するとまずステップＳ１（以下、「ス
テップ」は省略）でイニシャライズを行い、呼出アドレ
スＡをＡ＝１にセットする。続いてＳ２で呼出コマンド
Ｃ１、初期アドレスＡ＝１とした呼出信号を送信し、Ｓ
３で呼出信号のアドレスフィールド及びチェックサムフ
ィールドのタイミングで割込データが受信されるか否か
チェックする。

【００３３】割込データが受信されなければＳ４に進ん
で応答信号の受信を待ち、応答信号を受信するとＳ５で
アドレスＡを１つインクリメントし、Ｓ６で受信データ
を制御部３２に転送し必要な処理を行わせる。続いてＳ
７で最終アドレスか否かチェックし、最終アドレスでな
ければＳ２に戻り、最終アドレスであればＳ８でアドレ
スＡをＡ＝１にイニシャライズした後、Ｓ２に戻る。

【００３４】Ｓ３で呼出信号のアドレスフィールド及び
チェックサムフィールドのタイミングで割込データが受
信されると、Ｓ９の割込確認処理に進み、端末に対し割
込確認コマンドＣ２を持つ呼出信号を送出する。この割
込確認コマンドに対しＳ１０で割込信号を送出した端末
から割込応答データが受信されるとＳ１１の割込検索ル
ーチンに進む。この割込検索ルーチンは図９にサブルー
チンとして示される。

【００３５】図９にあっては、まずＳ１３で火災発信機
の火災検出出力を示す割込レベル１か否かチェックす
る。割込レベル１であればＳ１４に進み、割込確認回数
を示すカウンタＮを１つインクリメントする。尚、初期
状態でＮはＮ＝０となっている。続いてＳ１５でＮ＝
３、即ち割込レベル１が３回検出されたか否かチェック
し、３回未満であればＳ１３に戻って割込応答信号が割
込レベル１か否かをチェックする。

【００３６】尚、Ｓ１５で割込みレベル１が３回検出さ
れたかチェックするのは、１回の検出では伝送路上に生
じる一過性のノイズの可能性もあることから、３回チェ
ックすることでデータの信頼性を高めている。割込レベ
ル１の検出回数が３回に達するとＳ１５からＳ１６に進
んでベル鳴動を行い、Ｓ１７のグループ検索に進む。

【００３７】一方、Ｓ１３で割込レベル１以外であった
場合、即ち割込レベル２あるいは割込レベル３であった
場合にはＳ１４〜Ｓ１６の処理は行わずに直ちにＳ１７
のグループ呼出しに入る。これらの割込レベルの確認及
び各レベルにおけるグループ呼出しについての処理を図
１０に示す。即ち、Ｓ２１で割込確認コマンドを送信し
Ｓ２２で割込レベル１の応答割込があった場合には割込
レベル１の検索処理を行う（Ｓ２５）。割込レベル１の
応答割込がなく、割込レベル２の応答割込があった場合
には前記の場合と同様に割込レベル２の検索処理を行う
（Ｓ２６）。更にＳ２４，Ｓ２７も同様に割込レベル３
の処理を行う。

【００３８】尚、Ｓ１７のグループ呼出しで最終グルー
プアドレスの呼出しに対して応答がない場合はリターン
され図８のメインルーチンに戻る。又、Ｓ１９のグルー
プ内検索で個別の最終アドレスの呼出しに対して応答が
ない場合はリターンされ図８のメインルーチンに戻る。
次に各割込レベルにおけるグループアドレス及び個別ア
ドレスの検索処理について図９、図１１に基づいて説明
する。

【００３９】ここで図９のサブルーチンにあっては、端
末を所定数毎のグループに分けた場合のグループ呼出し
を例にとっている。従ってＳ１７でグループアドレスを
順次更新しながらＳ１８でグループ応答の有無をチェッ
クする。Ｓ１８でグループ応答が得られるとＳ１９で特
定できたグループ内の端末アドレスの検索を順次行い、
Ｓ２０で応答が得られれば応答が得られた端末を異常検
出を行った端末と特定し、図８のメインルーチンに戻
る。

【００４０】また、図１１は図１０におけるＳ２５，Ｓ
２６，Ｓ２７のサブルーチンであり、図９におけるＳ１
７，Ｓ１８，Ｓ１９，Ｓ２０をさらに詳細に記載したフ
ローチャートである。従って、本フローチャートの手順
に従ってグループアドレス及び個別アドレスの検索処理
がなされる。図１１にあっては、まずＳ３１によりグル
ープアドレス検索のためカウンタを１にセットする。そ
してＳ３２でグループアドレスの検索コマンドを送信す
る。即ち、グループ１に異常検出を行った端末があるか
否かの応答をグループ１の端末に求めることになる。

【００４１】ここでＳ３３により応答データの有無がチ
ェックされ応答データがなければＳ４０によりカウンタ
を１つインクリメントし、さらにＳ４１でカウンタがグ
ループ数以下かどうかを確認する。カウンタがグループ
数以下であればＳ３２の処理に戻り、次のグループを検
索する。また、カウンタがグループ数に達すればこの割
込レベルにおけるグループアドレスの検索処理は終了す
る。

【００４２】一方、Ｓ３３において当該グループから応
答データがあった場合には個別アドレスの検索へと進
む。個別アドレスの検索もカウンタを１つずつインクリ
メントすることにより、グループ内の各端末の応答を求
める処理を行う。即ち、当該グループ内のいずれの端末
が異常検出を行ったのかを特定する。Ｓ３４では個別ア
ドレスの検索を行うため当該グループにおいてグループ
内の先頭個別アドレスをカウンタにセットする。

【００４３】この場合グループ１は１〜７の７つの端末
からなり、グループ２以降は８つの端末で構成される
（グループ１：１〜７、グループ２：８〜１５、グルー
プ３：１６〜２３・・・）。従ってカウンタには、グル
ープアドレス検索カウンタ（Ｓ３１）にセットされたナ
ンバから１を引いたものを８倍した数がセットされる。
即ち、 先頭個別アドレス＝（グループアドレス検索カウンタ−
１）×８ となる。

【００４４】但し、その数が０の場合には１をセットす
る。Ｓ３４でカウンタがセットされるとＳ３５で個別ア
ドレスの検索コマンドを送信する。そしてＳ３６で応答
データの有無がチェックされ、応答があった場合には当
該アドレス及びそのデータを記録する（Ｓ３７）。一
方、応答データがなかった場合及びＳ３７によりアドレ
ス等を記録した後はＳ３８でカウンタを１つインクリメ
ントする。そしてＳ３９で当該カウンタのナンバをグル
ープ内の最大アドレスと比較し、それが最大アドレス以
下であれば次のナンバ、即ち次の個別アドレスを有する
端末の検索を行う（Ｓ３９）。また、カウンタのナンバ
が最大アドレスに達した場合には当該グループの個別ア
ドレス検索を終了してＳ４０へ進み、次のグループにつ
いて検索を行う。

【００４５】なお、これらの処理を行うため、図４に示
すコマンドフィールドの上位４ビットには検索コマンド
が、また下位４ビットには例えば割込レベル１のグルー
プアドレス検索であれば「００００」、さらにその個別
アドレス検索であれば「００１１」等というようにその
内容を示すバイナリーコードが配される。一方、次に端
末側の制御処理について説明する。

【００４６】図１２は図２の端末の制御処理を示したフ
ローチャートである。図１２において、まずＳ１で受信
機からの呼出信号を受信すると、Ｓ２で受信データをデ
ータバッファにラッチし、Ｓ３で呼出コマンドか否かチ
ェックする。呼出コマンドであればＳ４で異常検出が行
われていることを条件にＳ５で割込信号を受信機に送出
する。Ｓ４で異常検出が行われていなければＳ５１にて
受信機よりの呼出しアドレスデータ及びチェックサムデ
ータを受信しＳ６で呼出アドレスと自己アドレスのアド
レス一致が得られればＳ７で応答信号を送信する。

【００４７】受信機で割込信号に基づき割込確認コマン
ドが送られてきた場合にはＳ３からＳ８に進んで割込確
認コマンドを判別する。そして更にＳ９で異常検出を判
別すればＳ１０に進んで割込確認情報として、そのとき
の検出状態に応じた割込レベルを送信する。この割込レ
ベルの送信に対し、受信機よりグループ呼出しのための
検索コマンド及びグループアドレスが送られてくるとＳ
１１で検索コマンドを判別する。そして更にＳ１２で異
常検出の有無を判別し、異常検出有りをＳ１２で判別す
ればＳ１３に進み、Ｓ１３でグループアドレスの一致が
得られれば１０と同じ割込みレベルデータをグループ応
答信号として送信する。

【００４８】グループ応答に対し、更に受信機よりグル
ープ内の端末アドレスを検索する検索コマンドが送られ
てくると、Ｓ１４で検索コマンドを判別し、検索コマン
ドを判別した後Ｓ１５で異常状態を検出した場合は、検
索コマンドに続くアドレスの一致照合をＳ１６で行い、
Ｓ１６でアドレス一致を判別したときにＳ１７に進んで
応答信号を送信し、これにより受信機側での異常検出を
生じた端末の特定ができる。

【００４９】尚、上記の実施例は割込確認データとして
割込レベル１〜３を送っているが、割込確認データとし
ては割込原因を示す適宜の情報を送ることができる。ま
た、上記の実施例では火災発信機の火災検出出力を示す
割込レベル１の割込確認を３回行ったときに警報ベルを
鳴動しているが、１回でもよいし２以上の複数回でもよ
い。

【００５０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、特
定の端末で火災、ガス洩れ等の緊急を要する端末情報を
検出した際には、受信機からの呼出信号送信中の所定の
時間帯域を使用して端末から割込信号が送られる。従っ
て、受信機では割込信号の受信に基づいて異常を検出し
た端末を迅速に特定するためのグループ呼出しに入るこ
とができ、端末の異常検出から受信機の受信判断までの
処理時間を短縮できる。

【００５１】また、割込検出時に割込確認要求を行って
割込原因を示す詳細情報、即ち、それが火災発信機が操
作されたものによるのか、あるいは火災感知器からの火
災信号によるのか等の情報を返送させることで、割込原
因となった異常検出に合致した適切な対応策を取ること
ができる。更に、電圧モードで送られる受信機からの呼
出信号に重複する時間帯域で電流モードにより割込デー
タを受信機に送っているため、ポーリングのための呼出
信号と端末応答信号に加えて割込みのための時間帯域を
別途設ける必要がなく、ポーリング周期を短くできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体説明図

【図２】本発明の実施例構成図

【図３】本発明の定常監視状態における呼出応答のタイ
ミングチャート

【図４】本発明の呼出信号のフォーマット説明図

【図５】本発明の応答信号のフォーマット説明図

【図６】本発明の火災検出時の呼出応答のタイミングチ
ャート

【図７】本発明のグループ検索に用いる２分法の説明図

【図８】本発明の受信機制御処理を示したフローチャー
ト

【図９】図８の割込・検索ルーチンをサブルーチンとし
て示したフローチャート

【図１０】割込レベルの確認及び各レベルにおけるグル
ープ呼出しの処理を示すフローチャート

【図１１】グループアドレス及び個別アドレスの検索処
理を示すフローチャート

【図１２】本発明の端末制御処理を示したフローチャー
ト

【符号の説明】

１０：受信機 １２，１２−１〜１２−４：端末 １４：伝送路 １４−１：呼出回線（電圧モード） １４−２：応答回線（電流モード） １６：割込送信部 １８：割込検出部 ２０：呼出制御部 ２２：中継器 ２４：電源兼用信号線 ２６：オンオフ火災感知器 ２８：アナログ感知器 ３０：火災発信機 ３２：制御部 ３４：表示部 ３６：操作部 ３８：鳴動部 ４０：伝送部 ４２：端末制御部 ４４：センサ部 ４６：切替回路 ５１：グループアドレス設定部 ５２：自己アドレス設定部 ５３：特定手段

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】伝送路を介して複数の端末を受信機に接続
   し、受信機からの呼出コマンド、アドレス等からなる呼
   出信号の送信で端末を電圧モードで順次呼び出し、端末
   側で呼出アドレスと自己アドレスとの一致照合が得られ
   た際に、端末応答信号を電流モードで順次送信し、該端
   末応答信号を受信機で受信解読して警報等を行う防災監
   視装置に於いて、 前記端末のそれぞれに、異常検出時に受信機からの呼出
   信号中の呼出コマンドを検出した際に呼出コマンド以降
   の呼出信号の送信中の所定の時間帯域でのみ割込信号を
   電流モードで送出する割込送信部を設け、 前記受信機に、呼出信号送信中の前記時間帯域を監視し
   て前記端末からの割込信号を検出する割込検出部を設け
   たことを特徴とする防災監視装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の防災監視装置に於いて、 前記受信機は、前記割込検出部の割込検出出力を受けた
   際には、端末側に割込確認の呼出信号を送出して割込発
   生原因を示す割込応答信号を返送させ、前記割込応答信
   号に対応した処理を行い、更に端末のグループ呼出を順
   次行って異常情報を検出した端末を特定することを特徴
   とする防災監視装置。