WO2024106140A1 - 赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体 - Google Patents

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美香 岡田
啓一 佐藤
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Abstract

【課題】可視光領域の光に対して高い透過性を有し、近赤外線領域に吸収性を有すると共に、ブルー系とブロンズ系間のニュートラル色(黄色味と青味を抑えた淡い黄緑若しくは淡いブルー色)に調整可能な赤外線吸収材料微粒子分散液および分散体を提供する。 【解決手段】液状または固体媒体中に赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を含有する赤外線吸収材料微粒子分散液または分散体であって、赤外線吸収材料微粒子が、一般式MYWOZ(M元素は、Cs、Rb、K、Tl、In等から選択される元素、Wはタングステン、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で表記されかつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子で構成されると共に、液状または固体媒体中に含まれるオキシ水酸化鉄微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が0.01以上0.5以下であることを特徴とする。

Description

赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体
 本発明は、可視光領域の光に対して高い透過性を有し、近赤外線領域に吸収性を有すると共に、ブルー系とブロンズ系間のニュートラル色(黄色味と青味を抑えた淡い黄緑若しくは淡いブルー色)に調整可能な赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体の改良に関する。
 窓材等に使用される遮光部材として、一般式MYWOZで表記される複合タングステン酸化物微粒子を媒体中に分散させ、板状、フィルム状、薄膜状等に形成される赤外線吸収材料微粒子分散体が知られている(特許文献1)。
 上記複合タングステン酸化物微粒子は、可視光領域の光に対して透過性を有し、近赤外線領域に吸収性を有するため、上記赤外線吸収材料微粒子分散体は、日射遮蔽機能を有する窓材等に好適に用いられている。
 ところで、複合タングステン酸化物微粒子の透過色調はブルー系のものが多く、複合タングステン酸化物微粒子を用いた窓材も青味の強い色調になるが、意匠性や実用性の面から、彩度の低い黒色系やブロンズ系の色調が好まれることが多い。
 そこで、特許文献2は、複合タングステン酸化物微粒子と窒化チタン微粒子および酸化鉄(Fe23)微粒子とが固体媒体中に混合分散された車窓用日射遮蔽体を開示している(実施例11と実施例23参照)。上記日射遮蔽体に酸化鉄(Fe23)微粒子を含ませることでL***表色系のa*とb*をプラス側に持っていき、車窓用日射遮蔽体の色調をブロンズカラー側に調整可能としている(段落0035参照)。
特許第4096205号公報 国際公開第2009/054051号
 しかし、ブロンズ色に調整される反面、特許文献2に記載の車窓用日射遮蔽体においては、その可視光透過率が10.1%(実施例22)~31.9%(実施例25)と著しく低下してしまう問題が存在した。
 更に、ユーザーが嗜好する色の多様性から、ブルー系とブロンズ系間のニュートラル色(黄色味と青味を抑えた淡い黄緑若しくは淡いブルー色)の窓材も広く要望されており、特許文献2に記載された方法では対応しきれない問題が存在した。
 本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、可視光領域の光に対して高い透過性を有し、近赤外線領域に吸収性を有すると共に、ブルー系とブロンズ系間のニュートラル色(黄色味と青味を抑えた淡い黄緑若しくは淡いブルー色)に調整可能な赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体を提供することにある。
 上記課題を解決するため、本発明者等は、一般式MYWOZで表記される複合タングステン酸化物微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の組み合わせを選択し、これ等の微粒子を媒体中に分散させて赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体を調製すると共に、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[すなわち、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]を変えながら、赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体の各透過率[UV-A(315~400nm)平均、可視光、ST(日射)]を測定し、かつ、L***表色系による透過色の評価を行ったところ、上記質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]を0.01以上0.5以下に設定した場合、L***表色系で評価した赤外線吸収材料微粒子分散液における透過色のa*が-20以上0以下、b*が-3.5以上20以下になり、この赤外線吸収材料微粒子分散液を用いて得られる赤外線吸収材料微粒子分散体は、可視光領域の光に対して高い透過性を有し、近赤外線領域に吸収性を有すると共に、L***表色系で評価した透過色のa*が-20以上0以下、b*が-3.0以上20以下になって、ブルー系とブロンズ系間のニュートラル色(黄色味と青味を抑えた淡い黄緑若しくは淡いブルー色)に調整可能となることを見出すに至った。
 本発明は、このような技術的分析と発見により完成されたものである。
 すなわち、本発明に係る第1の発明は、
 液状媒体中に赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を含有する赤外線吸収材料微粒子分散液であって、
 上記赤外線吸収材料微粒子が、一般式MYWOZ(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で表記され、かつ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子で構成され、
 上記液状媒体中におけるオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が0.01以上0.5以下であることを特徴とする。
 また、本発明に係る第2の発明は、
 第1の発明に記載の赤外線吸収材料微粒子分散液において、
 上記複合タングステン酸化物微粒子の粒子径が、1nm以上200nm以下であることを特徴とし、
 第3の発明は、
 第1の発明に記載の赤外線吸収材料微粒子分散液において、
 上記オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の粒子径が、1nm以上200nm以下であることを特徴とし、
 第4の発明は、
 第1の発明に記載の赤外線吸収材料微粒子分散液において、
 上記液状媒体が、水、有機溶媒、植物油、植物油由来の化合物、石油系溶媒、油脂、液状樹脂、液状プラスチック用可塑剤から選択される1種、若しくは、2種以上の混合物であることを特徴とし、
 第5の発明は、
 第1の発明~第4の発明のいずれかに記載の赤外線吸収材料微粒子分散液において、
 L***表色系で評価したとき、a*が-20以上0以下、b*が-3.5以上20以下であることを特徴とする。
 次に、本発明に係る第6の発明は、
 固体媒体中に赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を含有する赤外線吸収材料微粒子分散体であって、
 上記赤外線吸収材料微粒子が、一般式MYWOZ(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で表記され、かつ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子で構成され、
 上記固体媒体中におけるオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が0.01以上0.5以下であることを特徴とする。
 また、本発明に係る第7の発明は、
 第6の発明に記載の赤外線吸収材料微粒子分散体において、
 上記複合タングステン酸化物微粒子の粒子径が、1nm以上200nm以下であることを特徴とし、
 第8の発明は、
 第6の発明に記載の赤外線吸収材料微粒子分散体において、
 上記オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の粒子径が、1nm以上200nm以下であることを特徴とし、
 第9の発明は、
 第6の発明に記載の赤外線吸収材料微粒子分散体において、
 上記固体媒体が樹脂若しくは金属アルコキシドであることを特徴とし、
 第10の発明は、
 第6の発明~第9の発明のいずれかに記載の赤外線吸収材料微粒子分散体において、
 L***表色系で評価したとき、a*が-20以上0以下、b*が-3.0以上20以下であることを特徴とする。
 本発明によれば、
 媒体中のオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が0.01以上0.5以下に設定されるため、
 可視光領域の光に対して高い透過性を有し、近赤外線領域に吸収性を有すると共に、ブルー系とブロンズ系間のニュートラル色(黄色味と青味を抑えた淡い黄緑若しくは淡いブルー色)に調整された赤外線吸収材料微粒子分散体を提供することが可能となる。
 以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
1.赤外線吸収材料微粒子分散液
 本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液は、一般式MYWOZで表記されかつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子で構成される赤外線吸収材料微粒子と、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と、液状媒体と、必要に応じ添加される添加剤を含み、液状媒体中に上記赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子が分散されて成るものである。以下、各成分について説明する。
(1)赤外線吸収材料微粒子
(1-1)本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子は、一般式MYWOZ(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で表記され、かつ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子で構成される微粒子で、好ましいM元素として、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snから選択される1種類以上を挙げることができ、各種窓材等に適用された場合、赤外線吸収成分として有効に機能する。
 上記M元素の添加量Yは、0.001以上1.0以下であることを要し、好ましくは0.33付近がよい。これは、六方晶の結晶構造から理論的に算出されるYの値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。典型的な例としてはCs0.33WO3、Rb0.33WO3、K0.33WO3、Ba0.33WO3等を挙げることができるが、Y、Zが上記の範囲に収まるものであれば、有用な赤外線吸収特性を得ることができる。
 また、上記複合タングステン酸化物において、酸素の一部が他の元素で置換されていてもよく、他の元素として、例えば、窒素や硫黄、ハロゲン等が挙げられる。
(1-2)本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子を構成する複合タングステン酸化物の粒子径は、該複合タングステン酸化物微粒子や、その分散液を用いて製造される赤外線吸収材料微粒子分散体の使用目的によって適宜選定することができるが、1nm以上200nm以下であることが好ましい。これは、粒子径が200nm以下であれば複合タングステン酸化物微粒子による強力な近赤外吸収能を発揮することができ、また、粒子径が1nm以上であれば工業的な製造が容易であるからである。尚、粒子径が200nmを超えて大き過ぎると、複合タングステン酸化物微粒子の赤外線吸収能そのものが減衰してしまうため好ましくない。
 ここで、粒子径とは、凝集していない個々の複合タングステン酸化物微粒子がもつ径、すなわち一次粒子径の平均値であり、後述する赤外線吸収材料微粒子分散体に含まれる複合タングステン酸化物微粒子の平均粒子径であり、複合タングステン酸化物微粒子の凝集体の径を含むものではなく、下記分散粒子径とは異なるものである。
 尚、粒子径は、電子顕微鏡像から測定、算出される平均粒径であり、粒子径は、微粒子を微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシートに加工しても変わることはない。
 また、透明性が求められる用途に赤外線吸収材料微粒子分散体を使用する場合、上記複合タングステン酸化物微粒子が40nm以下の分散粒子径を有していることが好ましい。複合タングステン酸化物微粒子が40nm以下の分散粒子径を有していれば、微粒子のミー散乱およびレイリー散乱による光の散乱が抑制され、可視光波長領域の視認性を保持し、同時に効率よく透明性を保持することができるからである。自動車の風防等、特に透明性が求められる用途に使用する場合は、更に散乱を抑制させるため、複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径を30nm以下、好ましくは25nm以下とするのがよい。
 尚、複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径とは、赤外線吸収材料微粒子分散体中に分散した複合タングステン酸化物微粒子の単体粒子および当該複合タングステン酸化物微粒子が凝集した凝集粒子の粒子径を意味する。
(1-3)赤外線吸収材料微粒子の製造方法
 以下、一般式MYWOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)の製造方法について説明する。
 複合タングステン酸化物微粒子は、当該複合タングステン酸化物の出発原料を所定量秤量して混合した後、不活性ガス雰囲気若しくは還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。また、複合タングステン酸化物の出発原料は、タングステン化合物と、M元素を含有する単体または化合物であるが、各成分が分子レベルで均一混合した出発原料であるタングステン化合物を製造するためには、各原料を溶液で混合することが好ましく、M元素を含有するタングステン化合物が、水や有機溶媒等の溶媒に溶解可能なものであることが好ましい。
 上記タングステン化合物は、3酸化タングステン粉末、2酸化タングステン粉末、若しくはタングステン酸化物の水和物、若しくは、6塩化タングステン粉末、若しくはタングステン酸アンモニウム粉末、若しくは、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、若しくは、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、若しくはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末から選ばれたいずれか一種類以上であることが好ましい。
 ここで、複合タングステン酸化物微粒子を製造する場合、出発原料が溶液であると、各元素は容易に均一混合可能となる観点より、タングステン酸アンモニウム水溶液や、6塩化タングステン溶液を用いることが更に好ましい。
 一方、M元素を含有する単体または化合物としては、M元素を含有するタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物、等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであれば好ましい。
 複合タングステン酸化物微粒子を製造する原料に関し、再度詳細に説明する。
 一般式MYWOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子を得るための出発原料には、3酸化タングステン粉末、2酸化タングステン粉末、若しくはタングステン酸化物の水和物、若しくは、6塩化タングステン粉末、若しくはタングステン酸アンモニウム粉末、若しくは、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、若しくは、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、若しくはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末から選ばれたいずれか一種類以上の粉末と、M元素を含有する単体または化合物の粉末とを混合した粉末を用いることができる。
 更に、複合タングステン酸化物微粒子を得るための出発原料であるタングステン化合物が、溶液または分散液であると、各元素は容易に均一混合可能となる。当該観点より、複合タングステン酸化物微粒子の出発原料が、6塩化タングステンのアルコール溶液またはタングステン酸アンモニウム水溶液と、M元素を含有する化合物の溶液とを混合した後、乾燥した粉末であることが更に好ましい。
 同様に、複合タングステン酸化物微粒子の出発原料が、6塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後、水を添加して沈殿を生成させた分散液と、M元素を含有する単体または化合物の粉末、または、M元素を含有する化合物の溶液とを、混合した後乾燥した粉末であることも好ましい。
 上記M元素を含有する化合物としては、M元素のタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物、等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであればよい。更に、複合タングステン酸化物微粒子を工業的に製造する場合に、タングステン酸化物の水和物粉末や3酸化タングステンと、M元素の炭酸塩や水酸化物とを用いると、熱処理等の段階で有害なガス等が発生することが無く、好ましい製造法である。
 ここで、複合タングステン酸化物微粒子の不活性雰囲気中における熱処理条件としては、650℃以上が好ましい。650℃以上で熱処理された出発原料は十分な赤外線吸収能を有し、赤外線吸収機能を有する微粒子として効率が良い。不活性ガスとしてはAr、N2等の不活性ガスを用いることがよい。また、還元性雰囲気中の熱処理条件としては、まず出発原料を還元性ガス雰囲気中にて100℃以上850℃以下で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で650℃以上1200℃以下の温度で熱処理することがよい。このときの還元性ガスは、特に限定されないがH2が好ましい。また、還元性ガスとしてH2を用いる場合は、還元雰囲気の組成として、H2が体積比で0.1%以上が好ましく、更に好ましくは2%以上がよい。H2が体積比で0.1%以上あれば効率よく還元を進めることができる。
(2)オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子
(2-1)本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体は、赤外線吸収材料微粒子(複合タングステン酸化物微粒子)とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を含有する。オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子は、UVA(波長315~400nm)を吸収する無機系の紫外線吸収剤として知られている。太陽光に含まれるUVAは、地球のオゾン層をほぼ通過し、地表にも届き、日焼けにより人体の皮膚を黒くする。そして、肌の真皮まで届き、肌の老化にも影響する。
 本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液を用いて得られる赤外線吸収材料微粒子分散体は、可視光領域の光に対して高い透過性を有し、近赤外線領域に吸収性を有すると共に、太陽光に含まれるUVAをも吸収して遮蔽し、更に、ブルー系とブロンズ系間のニュートラル色(黄色味と青味を抑えた淡い黄緑若しくは淡いブルー色)に調整可能となるようにオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を含有する。
(2-2)また、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の粒子径は、1nm以上200nm以下が望ましい。粒子径1nm以上のオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子は工業的に入手可能であることと、粒子径200nmを超えるオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を用いた場合、粒径200nmを超えた複合タングステン酸化物微粒子と同様の不具合が発生するからである。
 ここで、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の粒子径とは、凝集していない個々のオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子がもつ径、すなわち一次粒子径の平均値であり、後述する赤外線吸収材料微粒子分散体に含まれるオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の平均粒子径である。
(3)赤外線吸収材料微粒子分散液
 赤外線吸収材料微粒子(複合タングステン酸化物微粒子)とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を所定の割合で液状媒体中に分散させることで本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液を製造することができる。この場合、複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)を液状媒体中に分散させた複合タングステン酸化物微粒子分散液と、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を液状媒体中に分散させたオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子分散液を予め調製し、これら複合タングステン酸化物微粒子分散液とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子分散液を混合することで赤外線吸収材料微粒子分散液を製造してもよい。上記複合タングステン酸化物微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子は、液状媒体への粉砕や分散され方が異なるため、複合タングステン酸化物微粒子分散液とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子分散液を予め別々に製造しておくことが望ましい。
 尚、本実施形態において、複合タングステン酸化物微粒子分散液とオキシ水酸化鉄微粒子分散液を混合したものを「微粒子分散液」と略称する場合がある。
(3-1)複合タングステン酸化物微粒子分散液とオキシ水酸化鉄微粒子分散液
 上記複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)と、所望により適量の分散剤、カップリング剤、および、界面活性剤等を、液状媒体へ添加し、分散処理を行うことにより本実施形態に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液を得ることができる。
 また、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と、所望により適量の分散剤、カップリング剤、および、界面活性剤等を、液状媒体へ添加し、分散処理を行うことにより本実施形態に係るオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子分散液を得ることができる。
 上記複合タングステン酸化物微粒子分散液、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子分散液それぞれの液状媒体には、複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)およびオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の分散性を保つための機能と、赤外線吸収材料微粒子分散液(複合タングステン酸化物微粒子とFeOOH微粒子が液状媒体に分散された分散液)を塗布する際に塗布欠陥を生じさせないための機能が要求される。また、複合タングステン酸化物微粒子分散液およびオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子分散液のそれぞれに用いられる液状媒体は、同じ溶媒、または、相溶性を有する溶媒が望ましい。
(3-1-1)液状媒体
 上記液状媒体としては、水、有機溶媒、植物油、植物油由来の化合物、石油系溶媒、油脂、液状樹脂、液状のプラスチック用可塑剤、あるいは、これらの混合物を選択することができる。
 そして、上述した要求を満たす有機溶媒としては、アルコール系、ケトン系、炭化水素系、グリコール系、水系等、種々のものを選択することが可能である。具体的には、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤;3-メチル-メトキシ-プロピオネート等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体;フォルムアミド、N-メチルフォルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等を挙げることができる。これらの中でも極性の低い有機溶剤が好ましく、特に、イソプロピルアルコール、エタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸n-ブチル等がより好ましい。これらの溶媒は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
 上記植物油としては、アマニ油、ヒマワリ油、桐油、ゴマ油、綿実油、菜種油、大豆油、米糠油、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、脱水ヒマシ油等が好ましい。
 植物油由来の化合物としては、植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステル、エーテル類等の植物油等が好ましい。
 石油系溶剤としては、アイソパーE、エクソールHexane、エクソールHeptane、エクソールE、エクソールD30、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(以上、エクソンモービル社製)等が好ましい。
 液状樹脂としては、メタクリル酸メチル等が好ましい。また、液状のプラスチック用可塑剤としては、一価アルコールと有機酸エステルとの化合物である可塑剤や、多価アルコール有機酸エステル化合物等のエステル系である可塑剤、有機リン酸系可塑剤等のリン酸系である可塑剤等が好ましい例として挙げられる。中でもトリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサオネート、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルヘキサオネートは、加水分解性が低いため更に好ましい。
(3-1-2)分散剤、カップリング剤、界面活性剤
 上記分散剤、カップリング剤、界面活性剤は用途に合わせて選定可能であるが、アミンを含有する基、水酸基、カルボキシル基、または、エポキシ基を官能基として有することが好ましい。これらの官能基は、複合タングステン酸化物微粒子の表面に吸着し、複合タングステン酸化物微粒子、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の凝集を防ぎ、本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散膜)中でも赤外線吸収材料微粒子、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を均一に分散させる効果を持つ。
 好適に用いることのできる分散剤としては、リン酸エステル化合物、高分子系分散剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。高分子系分散剤としては、アクリル系高分子分散剤、ウレタン系高分子分散剤、アクリル・ブロックコポリマー系高分子分散剤、ポリエーテル類分散剤、ポリエステル系高分子分散剤等がある。
 また、分散剤の添加量は、複合タングステン酸化物微粒子100質量部に対し10質量部~1000質量部、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子100質量部に対し10質量部~1000質量部の範囲であることが望ましく、より好ましくは各微粒子100質量部に対し20質量部~200質量部の範囲である。分散剤の添加量が上記範囲にあれば、複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子が液状媒体中で凝集を起こすことがなく、分散安定性が保たれる。
 分散処理の方法は、複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)およびオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子が液状媒体中へ均一に分散する方法であれば公知の方法から任意に選択でき、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散等の方法を用いることができる。
 また、均一な複合タングステン酸化物微粒子分散液、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子分散液を得るために、各種添加剤を添加したり、pHを調整したりしてもよい。
(3-1-3)各微粒子の含有量
 上述した複合タングステン酸化物微粒子分散液、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子分散液それぞれにおける各微粒子の含有量は、0.01質量%~75質量%であることが好ましく、更に好ましくは1質量%以上35質量%以下である。各微粒子の含有量が0.01質量%以上であれば後述するコーティング膜やプラスチック成型体(本発明に係る赤外線吸収材料微粒子分散体の一形態)等の製造に好適に用いることができ、75質量%以下であれば工業的な生産が容易だからである。
(3-2)赤外線吸収材料微粒子分散液の製造法
 赤外線吸収材料微粒子(複合タングステン酸化物微粒子)とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子が、下記質量比となるように複合タングステン酸化物微粒子分散液とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子分散液を混合することにより本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液を製造することができる。
 そして、液状媒体中におけるオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]は0.01以上0.5以下、好ましくは0.01以上0.3以下、より好ましくは0.01以上0.13以下、更に好ましくは0.01以上0.1以下である。
(3-2-1)上記質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が0.5を超えた場合、以下のような不都合を生ずる。例えば、可視光透過率が60%以上80%以下となるよう調整された本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液を用いて得られた赤外線吸収材料微粒子分散体において、当該分散体の色調をL***表色系で評価したとき、b*が20を超えて黄色味が強くなる不都合を生ずる。尚、上記赤外線吸収材料微粒子分散体の色調をL***表色系で評価したときのb*を5以下にできると、複合タングステン酸化物微粒子に起因する青味を抑えた自然な色味(淡い黄緑若しくは淡いブルー色)となる。そして、上記質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]を0.13以下にした場合、当該赤外線吸収材料微粒子分散液を用いて得られる赤外線吸収材料微粒子分散体の色調について、L***表色系で評価したときのb*を5以下にすることが可能となる。
 また、上記質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が0.01未満の場合、複合タングステン酸化物微粒子に起因する青味を抑えることができなくなり、当該赤外線吸収材料微粒子分散液を用いて得られる赤外線吸収材料微粒子分散体の色調は青味がかった色調になり色合いが好ましくない。
(3-2-2)他方、液状媒体中におけるオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が上述の0.01以上0.5以下に設定された場合、当該赤外線吸収材料微粒子分散液から得られる赤外線吸収材料微粒子分散体の色調が、L***表色系で評価したとき、a*が-20以上0以下、b*が-3.0以上20以下の範囲に入るため、上述した黄色味と青味を抑えたブルー系とブロンズ系間のニュートラル色(淡い黄緑若しくは淡いブルー色)に調整することが可能となる。また、上記色調について、L***表色系における彩度c*=[(a*2+(b*21/2も考慮すれば、彩度c*は20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。尚、L***表色系における彩度c*は、a*やb*成分の含まれる度合いを示す指標で、無彩色が0であり、彩度c*が小さい方がニュートラルな色調となる。
(3-2-3)そして、彩度に優れたニュートラルな色調を有する赤外線吸収材料微粒子分散体は、a*が-7.5以上0以下、b*が-3.0以上10以下、c*が10以下の範囲に入っており、また、彩度に優れたニュートラル色を有する赤外線吸収材料微粒子分散体を得るには、液状媒体中におけるオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]を0.13以下、更に0.1以下に設定することで達成される。
2.赤外線吸収材料微粒子分散体
(1)赤外線吸収材料微粒子分散体
 本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散体は、一般式MYWOZで表記されかつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子で構成される赤外線吸収材料微粒子と、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と、必要に応じ添加される添加剤が、固体媒体中に分散されたもので、本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液を固体媒体へ分散させることで得ることができる。尚、本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液から上記赤外線吸収材料微粒子分散体に加工する際に、赤外線吸収材料微粒子分散液に含まれる液状媒体は一部または全部が揮発等で除去される。
(1-1)オキシ水酸化鉄微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比
 そして、本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散体は、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が上述したように0.01以上0.5以下であることを要する。
 上記質量比が0.01以上0.5以下に設定された場合、赤外線吸収材料微粒子分散体の色調が、L***表色系で評価したとき、a*が-20以上0以下、b*が-3.0以上20以下の範囲に入るため、黄色味と青味を抑えたブルー系とブロンズ系間のニュートラル色(淡い黄緑若しくは淡いブルー色)に調整することが可能になるからである。
(1-2)複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)の含有量
 また、本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散体に含まれる単位投影面積当たりの複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)の含有量は、0.1g/m2以上5.0g/m2以下が好ましい。赤外線吸収材料微粒子分散体に含まれる単位投影面積当たりの複合タングステン酸化物微粒子の含有量が上記範囲にあれば、可視光透過性と日射遮蔽性(赤外線遮蔽性)を実現できるからである。
 尚、上記「単位投影面積当たりの含有量」とは、本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散体において、光が通過する単位面積(m2)当たり、その厚み方向に含有されている複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)の質量(g)を意味する。
(1-3)固体媒体
 複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子が分散される上記固体媒体として、例えば、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂、常温硬化樹脂、熱可塑樹脂等が目的に応じて選定可能である。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ふっ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独使用であっても混合使用であってもよい。
 また、金属アルコキシドを用いたバインダーの利用も可能である。上記金属アルコキシドとしては、Si、Ti、Al、Zr等のアルコキシドが代表的である。これら金属アルコキシドを用いたバインダーは、加熱等により加水分解・縮重合させることで、固体媒体としての酸化物被膜を形成することが可能である。
 そして、赤外線吸収材料微粒子分散体を得るに際し、本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液を、分散粉、マスターバッチ、フィルム、プラスチック成形体等に加工することができる。
(1-4)添加剤
 本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散体へ、更に紫外線遮蔽機能を付与させるため、無機系の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の粒子、有機系のベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等の少なくとも1種以上を添加してもよい。
 また、本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散体の可視光透過率を向上させるため、固体媒体中へ、ATO、ITO、アルミニウム添加酸化亜鉛、インジウム錫複合酸化物等の透明粒子を、更に混合してもよい。これらの透明粒子が固体媒体中に添加されることで、波長750nm付近の透過率が増加する一方、1200nmより長波長の赤外光を遮蔽するため、可視光領域の光に対して高い透過性を有し、近赤外線領域に吸収性を有する赤外線吸収材料微粒子分散体が得られる。
(2)赤外線吸収材料微粒子分散体の実施形態
 本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液を用いて、以下に示す各種形態の赤外線吸収材料微粒子分散体を得ることができる。
(2-1)基材とコーティング膜とで構成される微粒子分散フィルム
 赤外線吸収材料微粒子分散液をプラスチックあるいはモノマーと混合して微粒子塗布液を調製し、得られた微粒子塗布液を公知の方法で基材上に塗布してコーティング膜を形成することにより微粒子分散フィルムを作製することができる。
 上記基材としては、フィルム、所望によってはボード等が挙げられ、形状は限定されない。また、透明の基材材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、ふっ素樹脂等が、各種目的に応じて使用可能である。また、樹脂以外ではガラスを用いることができる。
(2-2)粉粒体状の微粒子分散体
 本実施形態に係る赤外線吸収材料微粒子分散液から揮発成分を除去することで、粉粒体状の微粒子分散体(分散粉や可塑剤分散液)を作製することができる。
 尚、「分散粉」とは、赤外線吸収材料微粒子分散液(樹脂成分と可塑剤が含まれる)から揮発成分を除去することで、樹脂中および/または赤外線吸収材料微粒子分散液由来の分散剤中に赤外線吸収材料微粒子が高濃度に分散した分散体を意味し、また、上記「可塑剤分散液」とは、揮発成分を除去することで、可塑剤中に赤外線吸収材料微粒子が高濃度に分散した分散液を意味する。
 赤外線吸収材料微粒子分散液から揮発成分を除去する方法としては、当該微粒子分散液を減圧乾燥することが好ましい。具体的には、赤外線吸収材料微粒子分散液を攪拌しながら減圧乾燥し、赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の組成物と揮発成分とを分離する。減圧乾燥に用いる装置としては、真空攪拌型の乾燥機が挙げられるが、上記機能を有する装置であればよく、特に限定されない。また、乾燥工程の減圧の際の圧力値は適宜選択される。
 当該減圧乾燥法を用いることにより、赤外線吸収材料微粒子分散液からの揮発成分の除去効率が向上し、かつ、上記「分散粉」や「可塑剤分散液」が長時間高温に曝されることがないので、「分散粉」や「可塑剤分散液」中に分散している赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の凝集が起こらず好ましい。更に、上記「分散粉」や「可塑剤分散液」の生産性も上がり、蒸発した揮発成分を回収することも容易なため、環境的配慮からも好ましい。
 本実施形態に係る「分散粉」や「可塑剤分散液」において、残留する揮発成分は5質量%以下であることが好ましい。残留する揮発成分が5質量%以下であれば、当該「分散粉」や「可塑剤分散液」を後述する「合わせ透明基材」に加工した際に気泡が発生せず、外観や光学特性が良好に保たれるからである。
 また、本実施形態に係る「分散粉」や「可塑剤分散液」と、熱可塑性樹脂の粉粒体またはペレット、および、必要に応じて他の添加剤を均一に混合した後、ベント式一軸若しくは二軸押出機で混練し、一般的な溶融押出されたストランドをカットする方法でペレット状に加工することにより、本実施形態に係るマスターバッチを得ることができる。この場合、その形状としては円柱状や角柱状のものを挙げることができる。また、溶融押出物を直接カットするいわゆるホットカット法を採ることも可能である。この場合には球状に近い形状をとることが一般的である。
 透明な熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体といった樹脂群から選択される樹脂、または当該樹脂群から選択される2種以上の樹脂の混合物、または、当該樹脂群から選択される2種以上の樹脂の共重合体から、好ましい樹脂の選択を行うことができる。
(2-3)微粒子分散シート、微粒子分散フィルム
 上述した「分散粉」や「可塑剤分散液」またはマスターバッチを透明樹脂中へ均一に混合することにより、透明樹脂中に赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子が分散されたシート状の微粒子分散シートまたはフィルム状の微粒子分散フィルムを製造することができる。
 本実施形態に係る微粒子分散シートや微粒子分散フィルムを製造する場合、当該シートやフィルムを構成する樹脂には多様な熱可塑性樹脂を用いることができる。そして、本実施形態に係る微粒子分散シートや微粒子分散フィルムが各種の窓材に適用されることを考慮すると、十分な透明性を持った熱可塑性樹脂であることが好ましい。
 具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体といった樹脂群から選択される樹脂、または当該樹脂群から選択される2種以上の樹脂の混合物、または、当該樹脂群から選択される2種以上の樹脂の共重合体から、好ましい樹脂の選択を行うことができる。
 また、本実施形態に係る微粒子分散シートをそのままボード状の窓材として使用する場合、透明性が高く、かつ窓材として要求される一般的な特性、すなわち剛性、軽量性、長期耐久性、コスト等の点を考慮すると、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂であることが好ましく、ポリカーボネート樹脂であることが更に好ましい。
 一方、本実施形態に係る微粒子分散シートや微粒子分散フィルムを後述する「合わせ透明基材」の中間層として用いる場合、透明基材との密着性、耐候性、耐貫通性等の観点から、ポリビニルアセタール樹脂やエチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましく、ポリビニルブチラール樹脂であることが更に好ましい。
 また、微粒子分散シートまたは微粒子分散フィルムを中間層として用いる場合であって、当該シートやフィルムを構成する熱可塑性樹脂が単独では柔軟性や透明基材との密着性を十分に有しない(例えば熱可塑性樹脂がポリビニルアセタール樹脂である)場合は、更に可塑剤を添加することが好ましい。
 上記可塑剤としては、本実施形態に係る熱可塑性樹脂に対し可塑剤として用いられる物質を用いることができる。例えばポリビニルアセタール樹脂で構成された微粒子分散フィルムに用いられる可塑剤としては、一価アルコールと有機酸エステルとの化合物である可塑剤、多価アルコール有機酸エステル化合物等のエステル系である可塑剤、有機リン酸系可塑剤等のリン酸系である可塑剤等が挙げられる。いずれの可塑剤も、室温で液状であることが好ましい。中でも、多価アルコールと脂肪酸から合成されたエステル化合物である可塑剤が好ましい。
 上述した「分散粉」や「可塑剤分散液」またはマスターバッチと、熱可塑性樹脂と、所望に応じて可塑剤その他添加剤とを混練した後、当該混練物を、押出成形法、射出成形法等の公知の方法により、例えば、平面状や曲面状のシート材に成形することにより、微粒子分散シートを製造することができる。
 上記微粒子分散シートや微粒子分散フィルムの形成方法には、公知の方法を用いることができる。例えば、カレンダーロール法、押出法、キャスティング法、インフレーション法等を用いることができる。
(2-4)合わせ透明基材
 板ガラス若しくはプラスチックの材質からなる複数枚の透明基材間に、本実施形態に係る微粒子分散シートや微粒子分散フィルムを中間層として介在させた「合わせ透明基材」について説明する。
 この「合わせ透明基材」は、中間層をその両側から透明基材を用いて挟み合わせたものである。当該透明基材としては、可視光領域において透明な板ガラス、または、板状のプラスチック若しくはフィルム状のプラスチックが用いられる。プラスチックの材質は、特に限定されるものではなく用途に応じて選択可能であるが、例えば、自動車等の輸送機器に用いる場合は、当該輸送機器の運転者や搭乗者の透視性を確保する観点から、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂といった透明樹脂が好ましく、他にも、PET樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、等が使用可能である。
 また、本実施形態に係る「合わせ透明基材」は、上記微粒子分散シートや微粒子分散フィルムが挟み込まれた複数枚の無機ガラスを、公知の方法で張り合わせて一体化することによっても得ることができる。得られた「合わせ透明基材」は、主に自動車のフロント用の無機ガラスや、建物の窓として使用することができる。
 上記微粒子分散シート、微粒子分散フィルム、および、「合わせ透明基材」に含まれる赤外線吸収材料微粒子(複合タングステン酸化物微粒子)の濃度は特に限定されないが、シート/フィルムの単位投影面積当たりの複合タングステン酸化物微粒子(赤外線吸収材料微粒子)の含有量が上述した0.1g/m2以上5.0g/m2以下であることが好ましい。これは、上記含有量が0.1g/m2以上であれば赤外線吸収材料微粒子を含まない場合と比較して赤外線吸収特性を有意に発揮でき、含有量が5.0g/m2以下であれば微粒子分散シート/フィルムにおける可視光の透過性を維持できるからである。
 以下、本発明に係る実施例について比較例も挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体の透過率
 実施例と比較例に係る赤外線吸収材料微粒子分散液の波長300~2100nmの光に対する透過率は、分光光度計用セル(ジーエルサイエンス株式会社製、型番:S10-SQ-1、材質:合成石英、光路長:1mm)に上記分散液を保持して、日立製作所(株)社製の分光光度計U-4100を用いて測定した。当該測定の際、上記分散液の溶媒(メチルイソブチルケトン:MIBKと略称する)を上記セルに満たした状態で透過率を測定し、透過率測定のベースラインを求めた。この結果、以下に説明する分光透過率および可視光透過率は、分光光度計用セル表面の光反射や、溶媒の光吸収による寄与が除外され、微粒子による光吸収のみが算出されることとなる。
 また、実施例と比較例に係る赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシート)の波長300~2100nmの光に対する透過率も日立製作所(株)社製の分光光度計U-4100を用いて測定した。可視光透過率は、波長380~780nmの光に対する透過率から、JIS A5759に基づいて算出した。
(2)赤外線吸収材料微粒子、オキシ水酸化鉄微粒子の粒子径
 実施例と比較例に係る赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の平均分散粒子径(分散粒子径の平均値)は、日機装(株)社製のマイクロトラック粒度分布計を用いて測定した。また、粒子径は各分散液の溶媒を除去して得られた粉末を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して算出した。
(3)赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体の色調
 実施例と比較例に係る赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシート)の色調については、JIS Z 8701に基づくL***表色系(D65光源/10度視野)を用い、a*とb*の値を測定し、かつ、彩度c*=[(a*2+(b*21/2も算出した。
(4)微粒子分散フィルム
 実施例と比較例に係る「微粒子分散フィルム」(表1-1、表1-2、表1-3参照)は、基材(PETフィルム)と該基材上に形成されたコーティング膜[赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄微粒子(比較例1はオキシ水酸化鉄微粒子を含まず)が分散された赤外線吸収被膜]とで構成される赤外線吸収材料微粒子分散体を意味する。
(5)微粒子分散シート
 実施例と比較例に係る「微粒子分散シート」(表1-1、表1-2、表1-3参照)は、赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄微粒子(比較例1はオキシ水酸化鉄微粒子を含まず)が分散されたポリカーボネートシートで構成される赤外線吸収材料微粒子分散体を意味する。
(6)合わせガラスシート
 実施例と比較例に係る「合わせガラスシート」(表1-1、表1-2、表1-3参照)は、2枚のガラスと該ガラス間に挟み込まれた赤外線吸収フィルム[赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄微粒子(比較例1はオキシ水酸化鉄微粒子を含まず)が分散されたポリビニルブチラールフィルム]とで構成される赤外線吸収材料微粒子分散体を意味する。
[実施例1]
(1)赤外線吸収材料微粒子分散液
(1-1)複合タングステン酸化物(Cs0.33WO3)微粒子
 タングステン酸(H2WO4)と、水酸化セシウム(CsOH)との各粉末を、Cs/W(モル比)=0.33/1.00相当となる割合で秤量し、メノウ乳鉢で十分混合して混合粉末とした。N2ガスをキャリアーとした5%H2ガスを供給しながら上記混合粉末を加熱し、600℃の温度で1時間の還元処理を行った後、N2ガス雰囲気下で800℃、30分間焼成して、実施例1に係る複合タングステン酸化物(Cs0.33WO3)微粒子(以下、「粉末A」と略称する)を得た。
 粉末AをX線回折法で測定し、粉末Aは六方晶単相であると判断した。
(1-2)複合タングステン酸化物微粒子分散液
 上記粉末A20質量%、官能基としてアミンを含有する基を有するアクリル系高分子分散剤(アミン価48mgKOH/g、分解温度250℃のアクリル系分散剤:以下、「分散剤a」と略称する)10質量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)70質量%を秤量した。これらを、0.3mmφZrO2ビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、15時間粉砕・分散処理し、複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、「分散液A」と略称する)を得た。ここで、分散液A内における赤外線吸収材料微粒子(複合タングステン酸化物微粒子)の平均分散粒子径を測定したところ26nmであり、TEM像より求めた粒子径は19nmであった。
(1-3)FeOOH微粒子分散液
 FeOOH微粒子15質量%と、MIBK80質量%と、上記分散剤a5質量%を秤量した。これらを、0.3mmφZrO2ビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理し、FeOOH微粒子分散液(以下、「分散液a」と略称する)を得た。ここで、分散液a内におけるFeOOH微粒子の平均分散粒子径を測定したところ32nmであり、TEM像より求めた粒子径は35nmであった。
(1-4)赤外線吸収材料微粒子分散液の製造
 上記分散液Aと分散液aを、FeOOH微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比が[FeOOH微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]=0.03となるように混合し、実施例1に係る赤外線吸収材料微粒子分散液(以下、「微粒子分散液A」と略称する)を製造した。
(1-5)赤外線吸収材料微粒子分散液の光学特性
 そして、上記微粒子分散液Aを、適宜MIBKで希釈して10mm厚の矩形容器に入れ、分光透過率を測定した。
 波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように希釈率を調整して測定した微粒子分散液Aの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は49.3%、可視光透過率は80.6%、日射(ST)透過率は43.2%、CIE1976L***色空間のa*値は-5.1、b*値は-3.5、c*値は6.2であった。
 実施例1に係る微粒子分散液Aの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(2)微粒子分散フィルム
(2-1)微粒子分散フィルムの製造
 上記微粒子分散液A100質量部に対し、ハードコート用紫外線硬化樹脂である東亜合成製「アロニックスUV-3701」(以下、UV-3701と記載する)を50質量部混合して微粒子塗布液とし、この微粒子塗布液を、バーコーターを用いてPETフィルム(帝人製HPE-50)上へ塗布し、コーティング膜を形成した。
 尚、他の実施例、比較例においても同様のPETフィルムを用いた。
 次いで、コーティング膜が設けられたPETフィルムを、80℃で60秒間乾燥し、溶剤を蒸発させた後、高圧水銀ランプで硬化させることで、赤外線吸収材料微粒子(複合タングステン酸化物微粒子)とFeOOH微粒子を含むコーティング膜が設けられた実施例1に係る微粒子分散フィルム(以下、「微粒子分散フィルムA」と略称する)を作製した。
(2-2)微粒子分散フィルムの光学特性
 実施例1に係る微粒子分散フィルムAにおいて、上記微粒子塗布液の微粒子濃度やコーティング膜の膜厚を調整し、波長1000nmにおける透過率が10%未満になるようにして測定した実施例1に係る微粒子分散フィルムAの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は39.6%、可視光透過率は71.9%、日射(ST)透過率は38.4%、CIE1976L***色空間のa*値は-5.0、b*値は-2.7、c*値は5.7であった。
 実施例1に係る微粒子分散フィルムAの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(3)微粒子分散シート
(3-1)微粒子分散シートの製造
 微粒子分散液Aへ、更に上記分散剤aを添加し、分散剤aと複合タングステン酸化物微粒子との質量比が[分散剤a/複合タングステン酸化物微粒子]=3となるように調製した後、スプレードライヤーを用いてこの微粒子分散液AからMIBKを除去し、微粒子分散粉(以下、「微粒子分散粉A」と略称する)を得た。
 次いで、熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂に対し、製造される微粒子分散シート(2.0mm厚)の波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように上記微粒子分散粉Aを添加し、微粒子分散シートの製造用組成物を調製した。
 調製された微粒子分散シートの製造用組成物を、二軸押出機を用いて280℃で混練し、Tダイより押出して、カレンダーロール法により2.0mm厚のシート材とし、実施例1に係る微粒子分散シート(以下、「微粒子分散シートA」と略称する)を得た。
(3-2)微粒子分散シートの光学特性
 実施例1に係る微粒子分散シートAの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は38.9%、可視光透過率は72.5%、日射(ST)透過率は38.6%、CIE1976L***色空間のa*値は-5.1、b*値は-2.8、c*値は5.8であった。
 実施例1に係る微粒子分散シートAの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(4)合わせガラスシート
(4-1)2枚のガラス間に挟み込む赤外線吸収フィルムの製造
 ポリビニルブチラール樹脂に、可塑剤のトリエチレングリコ-ル-ジ-2-エチルブチレ-トを添加し、ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤との質量比が[ポリビニルブチラール樹脂/可塑剤]=100/40となるように調製した混合物を作製した。
 この混合物に、上記微粒子分散粉Aを所定量添加し、赤外線吸収フィルム(赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄微粒子が分散されたポリビニルブチラールフィルム)の製造用組成物を調製した。尚、上記所定量とは、製造される合わせガラスシートの波長1000nmにおける透過率が10%未満になる量である。
 次いで、3本ロールのミキサーを用いて赤外線吸収フィルムの製造用組成物を、70℃で30分練り込み混合し、混合物とした。当該混合物を、型押出機で180℃に昇温し、厚み1mm程度にフィルム化してロールに巻き取ることで、赤外線吸収フィルム(赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄微粒子が分散されたポリビニルブチラールフィルム)を得た。
(4-2)合わせガラスシートの製造
 得られた赤外線吸収フィルムを10cm×10cmに裁断し、同寸法を有する厚さ3mmの無機クリアガラス板2枚の間に挟み込み、積層体とした。
 次に、この積層体をゴム製の真空袋に入れ、袋内を脱気して90℃で30分保持した後、常温まで戻して袋から取り出した。
 そして、当該積層体をオートクレーブ装置に入れ、圧力12kg/cm2、温度140℃で20分加圧加熱して、実施例1に係る合わせガラスシート(以下、「合わせガラスシートA」と略称する)を作製した。
(4-3)合わせガラスシートの光学特性
 実施例1に係る合わせガラスシートAの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は34.7%、可視光透過率は71.4%、日射(ST)透過率は36.8%、CIE1976L***色空間のa*値は-6.5、b*値は-2.2、c*値は6.9であった。
 実施例1に係る合わせガラスシートAの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
[実施例2]
(1)赤外線吸収材料微粒子分散液
(1-1)赤外線吸収材料微粒子分散液の製造
 上記分散液A(実施例1に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液、以下同様)と分散液a(実施例1に係るFeOOH微粒子分散液、以下同様)を、FeOOH微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比が[FeOOH微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]=0.1となるように混合し、実施例2に係る赤外線吸収材料微粒子分散液(以下、「微粒子分散液B」と略称する)を製造した。
(1-2)赤外線吸収材料微粒子分散液の光学特性
 実施例2に係る微粒子分散液Bを、適宜MIBKで希釈して10mm厚の矩形容器に入れ、分光透過率を測定した。
 波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように希釈率を調整して測定した微粒子分散液Bの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は33.6%、可視光透過率は79.3%、日射(ST)透過率は41.5%、CIE1976L***色空間のa*値は-5.8、b*値は-0.1、c*値は5.8であった。
 実施例2に係る微粒子分散液Bの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(2)微粒子分散フィルム
(2-1)微粒子分散フィルムの製造
 上記微粒子分散液Bを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る微粒子分散フィルム(以下、「微粒子分散フィルムB」と略称する)を作製した。
(2-2)微粒子分散フィルムの光学特性
 実施例2に係る微粒子分散フィルムBにおいて、微粒子塗布液の微粒子濃度やコーティング膜の膜厚を調整し、波長1000nmにおける透過率が10%未満になるようにして測定した実施例2に係る微粒子分散フィルムBの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は27.2%、可視光透過率は70.7%、日射(ST)透過率は36.9%、CIE1976L***色空間のa*値は-5.7、b*値は0.6、c*値は5.7であった。
 実施例2に係る微粒子分散フィルムBの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(3)微粒子分散シート
(3-1)微粒子分散シートの製造
 微粒子分散液Bへ、更に上記分散剤aを添加した以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る微粒子分散粉(以下、「微粒子分散粉B」と略称する)を得た。
 次いで、ポリカーボネート樹脂に対し、製造される微粒子分散シート(2.0mm厚)の波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように上記微粒子分散粉Bを添加した以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る微粒子分散シート(以下、「微粒子分散シートB」と略称する)を得た。
(3-2)微粒子分散シートの光学特性
 実施例2に係る微粒子分散シートBの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は26.8%、可視光透過率は71.3%、日射(ST)透過率は37.1%、CIE1976L***色空間のa*値は-5.7、b*値は0.5、c*値は5.7であった。
 実施例2に係る微粒子分散シートBの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(4)合わせガラスシート
(4-1)合わせガラスシートの製造
 ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤との質量比が[ポリビニルブチラール樹脂/可塑剤]=100/40となるように調製した実施例1に係る混合物に、上記微粒子分散粉Bを添加した以外は実施例1と同様にして赤外線吸収フィルム(赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄微粒子が分散されたポリビニルブチラールフィルム)を製造し、かつ、この赤外線吸収フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして実施例2に係る合わせガラスシート(以下、「合わせガラスシートB」と略称する)を作製した。
(4-2)合わせガラスシートの光学特性
 実施例2に係る合わせガラスシートBの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は24.2%、可視光透過率は70.3%、日射(ST)透過率は35.4%、CIE1976L***色空間のa*値は-7.1、b*値は1.1、c*値は7.2であった。
 実施例2に係る合わせガラスシートBの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
[実施例3]
(1)赤外線吸収材料微粒子分散液
(1-1)赤外線吸収材料微粒子分散液の製造
 上記分散液Aと分散液aを、FeOOH微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比が[FeOOH微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]=0.3となるように混合し、実施例3に係る赤外線吸収材料微粒子分散液(以下、「微粒子分散液C」と略称する)を製造した。
(1-2)赤外線吸収材料微粒子分散液の光学特性
 実施例3に係る微粒子分散液Cを、適宜MIBKで希釈して10mm厚の矩形容器に入れ、分光透過率を測定した。
 波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように希釈率を調整して測定した微粒子分散液Cの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は15.9%、可視光透過率は77.4%、日射(ST)透過率は39.3%、CIE1976L***色空間のa*値は-7.6、b*値は6.9、c*値は10.2であった。
 実施例3に係る微粒子分散液Cの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(2)微粒子分散フィルム
(2-1)微粒子分散フィルムの製造
 上記微粒子分散液Cを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る微粒子分散フィルム(以下、「微粒子分散フィルムC」と略称する)を作製した。
(2-2)微粒子分散フィルムの光学特性
 実施例3に係る微粒子分散フィルムCにおいて、微粒子塗布液の微粒子濃度やコーティング膜の膜厚を調整し、波長1000nmにおける透過率が10%未満になるようにして測定した実施例3に係る微粒子分散フィルムCの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は13.1%、可視光透過率は69.0%、日射(ST)透過率は35.0%、CIE1976L***色空間のa*値は-7.2、b*値は7.2、c*値は10.2であった。
 実施例3に係る微粒子分散フィルムCの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(3)微粒子分散シート
(3-1)微粒子分散シートの製造
 微粒子分散液Cへ、更に上記分散剤aを添加した以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る微粒子分散粉(以下、「微粒子分散粉C」と略称する)を得た。
 次いで、ポリカーボネート樹脂に対し、製造される微粒子分散シート(2.0mm厚)の波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように上記微粒子分散粉Cを添加した以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る微粒子分散シート(以下、「微粒子分散シートC」と略称する)を得た。
(3-2)微粒子分散シートの光学特性
 実施例3に係る微粒子分散シートCの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は13.0%、可視光透過率は69.6%、日射(ST)透過率は35.1%、CIE1976L***色空間のa*値は-7.3、b*値は7.1、c*値は10.2であった。
 実施例3に係る微粒子分散シートCの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(4)合わせガラスシート
(4-1)合わせガラスシートの製造
 ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤との質量比が[ポリビニルブチラール樹脂/可塑剤]=100/40となるように調製した実施例1に係る混合物に、上記微粒子分散粉Cを添加した以外は実施例1と同様にして赤外線吸収フィルム(赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄微粒子が分散されたポリビニルブチラールフィルム)を製造し、かつ、この赤外線吸収フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして実施例3に係る合わせガラスシート(以下、「合わせガラスシートC」と略称する)を作製した。
(4-2)合わせガラスシートの光学特性
 実施例3に係る合わせガラスシートCの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は12.0%、可視光透過率は68.6%、日射(ST)透過率は33.5%、CIE1976L***色空間のa*値は-8.6、b*値は7.6、c*値は11.5であった。
 実施例3に係る合わせガラスシートCの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
[実施例4]
(1)赤外線吸収材料微粒子分散液
(1-1)赤外線吸収材料微粒子分散液の製造
 上記分散液Aと分散液aを、FeOOH微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比が[FeOOH微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]=0.5となるように混合し、実施例4に係る赤外線吸収材料微粒子分散液(以下、「微粒子分散液D」と略称する)を製造した。
(1-2)赤外線吸収材料微粒子分散液の光学特性
 実施例4に係る微粒子分散液Dを、適宜MIBKで希釈して10mm厚の矩形容器に入れ、分光透過率を測定した。
 波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように希釈率を調整して測定した微粒子分散液Dの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は5.5%、可視光透過率は74.2%、日射(ST)透過率は36.5%、CIE1976L***色空間のa*値は-7.5、b*値は16.6、c*値は18.2であった。
 実施例4に係る微粒子分散液Dの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(2)微粒子分散フィルム
(2-1)微粒子分散フィルムの製造
 上記微粒子分散液Dを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4に係る微粒子分散フィルム(以下、「微粒子分散フィルムD」と略称する)を作製した。
(2-2)微粒子分散フィルムの光学特性
 実施例4に係る微粒子分散フィルムDにおいて、微粒子塗布液の微粒子濃度やコーティング膜の膜厚を調整し、波長1000nmにおける透過率が10%未満になるようにして測定した実施例4に係る微粒子分散フィルムDの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は4.6%、可視光透過率は66.2%、日射(ST)透過率は32.6%、CIE1976L***色空間のa*値は-7.1、b*値は16.6、c*値は18.0であった。
 実施例4に係る微粒子分散フィルムDの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(3)微粒子分散シート
(3-1)微粒子分散シートの製造
 微粒子分散液Dへ、更に上記分散剤aを添加した以外は実施例1と同様にして、実施例4に係る微粒子分散粉(以下、「微粒子分散粉D」と略称する)を得た。
 次いで、ポリカーボネート樹脂に対し、製造される微粒子分散シート(2.0mm厚)の波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように上記微粒子分散粉Dを添加した以外は実施例1と同様にして、実施例4に係る微粒子分散シート(以下、「微粒子分散シートD」と略称する)を得た。
(3-2)微粒子分散シートの光学特性
 実施例4に係る微粒子分散シートDの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は4.6%、可視光透過率は66.8%、日射(ST)透過率は32.7%、CIE1976L***色空間のa*値は-7.2、b*値は16.5、c*値は18.0であった。
 実施例4に係る微粒子分散シートDの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(4)合わせガラスシート
(4-1)合わせガラスシートの製造
 ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤との質量比が[ポリビニルブチラール樹脂/可塑剤]=100/40となるように調製した実施例1に係る混合物に、上記微粒子分散粉Dを添加した以外は実施例1と同様にして赤外線吸収フィルム(赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄微粒子が分散されたポリビニルブチラールフィルム)を製造し、かつ、この赤外線吸収フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして実施例4に係る合わせガラスシート(以下、「合わせガラスシートD」と略称する)を作製した。
(4-2)合わせガラスシートの光学特性
 実施例4に係る合わせガラスシートDの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は4.3%、可視光透過率は65.8%、日射(ST)透過率は31.1%、CIE1976L***色空間のa*値は-8.4、b*値は16.8、c*値は18.8であった。
 実施例4に係る合わせガラスシートDの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
[比較例1]
(1)赤外線吸収材料微粒子分散液
(1-1)赤外線吸収材料微粒子分散液の製造
 FeOOH微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比が[FeOOH微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]=0.0となる、すなわち、分散液aを混合せずに分散液Aのみから成る比較例1に係る赤外線吸収材料微粒子分散液(以下、「微粒子分散液E」と略称する)を製造した。
(1-2)赤外線吸収材料微粒子分散液の光学特性
 比較例1に係る微粒子分散液Eを、適宜MIBKで希釈して10mm厚の矩形容器に入れ、分光透過率を測定した。
 波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように希釈率を調整して測定した微粒子分散液Eの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は56.6%、可視光透過率は81.3%、日射(ST)透過率は44.1%、CIE1976L***色空間のa*値は-4.8、b*値は-4.8、c*値は6.8であった。
 比較例1に係る微粒子分散液Eの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(2)微粒子分散フィルム
(2-1)微粒子分散フィルムの製造
 上記微粒子分散液Eを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る微粒子分散フィルム(以下、「微粒子分散フィルムE」と略称する)を作製した。
(2-2)微粒子分散フィルムの光学特性
 比較例1に係る微粒子分散フィルムEにおいて、微粒子塗布液の微粒子濃度やコーティング膜の膜厚を調整し、波長1000nmにおける透過率が10%未満になるようにして測定した比較例1に係る微粒子分散フィルムEの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は45.3%、可視光透過率は72.5%、日射(ST)透過率は39.1%、CIE1976L***色空間のa*値は-4.7、b*値は-3.9、c*値は6.1であった。
 比較例1に係る微粒子分散フィルムEの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(3)微粒子分散シート
(3-1)微粒子分散シートの製造
 微粒子分散液Eへ、更に上記分散剤aを添加した以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る微粒子分散粉(以下、「微粒子分散粉E」と略称する)を得た。
 次いで、ポリカーボネート樹脂に対し、製造される微粒子分散シート(2.0mm厚)の波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように上記微粒子分散粉Eを添加した以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る微粒子分散シート(以下、「微粒子分散シートE」と略称する)を得た。
(3-2)微粒子分散シートの光学特性
 比較例1に係る微粒子分散シートEの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は44.5%、可視光透過率は73.1%、日射(ST)透過率は39.3%、CIE1976L***色空間のa*値は-4.8、b*値は-4.0、c*値は6.2であった。
 比較例1に係る微粒子分散シートEの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(4)合わせガラスシート
(4-1)合わせガラスシートの製造
 ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤との質量比が[ポリビニルブチラール樹脂/可塑剤]=100/40となるように調製した実施例1に係る混合物に、上記微粒子分散粉Eを添加した以外は実施例1と同様にして赤外線吸収フィルム(オキシ水酸化鉄微粒子を含まず赤外線吸収材料微粒子が分散されたポリビニルブチラールフィルム)を製造し、かつ、この赤外線吸収フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして比較例1に係る合わせガラスシート(以下、「合わせガラスシートE」と略称する)を作製した。
(4-2)合わせガラスシートの光学特性
 比較例1に係る合わせガラスシートEの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は39.6%、可視光透過率は72.1%、日射(ST)透過率は37.5%、CIE1976L***色空間のa*値は-6.2、b*値は-3.4、c*値は7.1であった。
 比較例1に係る合わせガラスシートEの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
[比較例2]
(1)赤外線吸収材料微粒子分散液
(1-1)赤外線吸収材料微粒子分散液の製造
 上記分散液Aと分散液aを、FeOOH微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比が[FeOOH微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]=0.8となるように混合し、比較例2に係る赤外線吸収材料微粒子分散液(以下、「微粒子分散液F」と略称する)を製造した。
(1-2)赤外線吸収材料微粒子分散液の光学特性
 比較例2に係る微粒子分散液Fを、適宜MIBKで希釈して10mm厚の矩形容器に入れ、分光透過率を測定した。
 波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように希釈率を調整して測定した微粒子分散液Fの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は1.5%、可視光透過率は70.9%、日射(ST)透過率は34.1%、CIE1976L***色空間のa*値は-6.8、b*値は28.3、c*値は29.1であった。
 比較例2に係る微粒子分散液Fの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(2)微粒子分散フィルム
(2-1)微粒子分散フィルムの製造
 上記微粒子分散液Fを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る微粒子分散フィルム(以下、「微粒子分散フィルムF」と略称する)を作製した。
(2-2)微粒子分散フィルムの光学特性
 比較例2に係る微粒子分散フィルムFにおいて、微粒子塗布液の微粒子濃度やコーティング膜の膜厚を調整し、波長1000nmにおける透過率が10%未満になるようにして測定した比較例2に係る微粒子分散フィルムFの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は1.3%、可視光透過率は63.2%、日射(ST)透過率は30.5%、CIE1976L***色空間のa*値は-6.5、b*値は27.7、c*値は28.5であった。
 比較例2に係る微粒子分散フィルムFの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(3)微粒子分散シート
(3-1)微粒子分散シートの製造
 微粒子分散液Fへ、更に上記分散剤aを添加した以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る微粒子分散粉(以下、「微粒子分散粉F」と略称する)を得た。
 次いで、ポリカーボネート樹脂に対し、製造される微粒子分散シート(2.0mm厚)の波長1000nmにおける透過率が10%未満になるように上記微粒子分散粉Fを添加した以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る微粒子分散シート(以下、「微粒子分散シートF」と略称する)を得た。
(3-2)微粒子分散シートの光学特性
 比較例2に係る微粒子分散シートFの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は1.3%、可視光透過率は63.8%、日射(ST)透過率は30.6%、CIE1976L***色空間のa*値は-6.6、b*値は27.7、c*値は28.5であった。
 比較例2に係る微粒子分散シートFの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
(4)合わせガラスシート
(4-1)合わせガラスシートの製造
 ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤との質量比が[ポリビニルブチラール樹脂/可塑剤]=100/40となるように調製した実施例1に係る混合物に、上記微粒子分散粉Fを添加した以外は実施例1と同様にして赤外線吸収フィルム(赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄微粒子が分散されたポリビニルブチラールフィルム)を製造し、かつ、この赤外線吸収フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして比較例2に係る合わせガラスシート(以下、「合わせガラスシートF」と略称する)を作製した。
(4-2)合わせガラスシートの光学特性
 比較例2に係る合わせガラスシートFの透過率プロファイルから、UV-A(波長315-400nm)における透過率の平均値は1.2%、可視光透過率は62.8%、日射(ST)透過率は29.0%、CIE1976L***色空間のa*値は-7.9、b*値は27.9、c*値は29.0であった。
 比較例2に係る合わせガラスシートFの測定結果を表1-1、表1-2、表1-3に記載する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
[確  認]
(1)実施例1~4
(1-1)可視光透過率
 実施例1~4に係る赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシート)の可視光透過率は、65.8%(実施例4の合わせガラスシートD)~72.5%(実施例1の微粒子分散シートA)の範囲に入っており、実施例1~4に係る赤外線吸収材料微粒子分散体は可視光領域の光に対して高い透過性を有することが確認される。
(1-2)日射(ST)透過率
 実施例1~4に係る赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシート)の日射(ST)透過率は、31.1%(実施例4の合わせガラスシートD)~38.6%(実施例1の微粒子分散シートA)の範囲に入っており、実施例1~4に係る赤外線吸収材料微粒子分散体は近赤外線領域に吸収性を有することも確認される。
(1-3)CIE1976L***色空間のa*値とb*値とc*
 実施例1~4に係る赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシート)の色調について、L***表色系で評価したとき、a*が-20以上0以下、b*が-3.0以上20以下の範囲に入っており、実施例1~4に係る赤外線吸収材料微粒子分散体の色調はブルー系とブロンズ系間のニュートラル色に調整されていることが確認される。
 特に、オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が0.1以下に設定された実施例1~2に係る赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシート)の色調は、L***表色系で評価したときのb*が5以下であり、更に、彩度に優れたニュートラルな色調を有する赤外線吸収材料微粒子分散体に調整可能な上述した要件、すなわち、a*が―7.5以上0以下、b*が-3.0以上10以下、c*が10以下の範囲に入っているため、ブルー系とブロンズ系間の彩度に優れたニュートラル色に調整されていることが確認される。
(2)比較例1~2
(2-1)可視光透過率
 比較例1~2に係る赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシート)の可視光透過率は、62.8%(比較例2の合わせガラスシートF)~73.1%(比較例1の微粒子分散シートE)の範囲に入っており、比較例1~2に係る赤外線吸収材料微粒子分散体は可視光領域の光に対して実施例と略同等の透過性を有することが確認される。
(2-2)日射(ST)透過率
 比較例1~2に係る赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシート)の日射(ST)透過率は、29.0%(比較例2の合わせガラスシートF)~39.3%(比較例1の微粒子分散シートE)の範囲に入っており、比較例1~2に係る赤外線吸収材料微粒子分散体も近赤外線領域に吸収性を有することが確認される。
(2-3)CIE1976L***色空間のa*値とb*値とc*
(2-3-1)比較例1に係る赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシート)の色調については、L***表色系で評価したとき、a*とb*が共に「マイナス」側で複合タングステン酸化物微粒子によるブルー色を示しており、ブルー系とブロンズ系間のニュートラル色に調整されていないことが確認される。
(2-3-2)比較例2に係る赤外線吸収材料微粒子分散体(微粒子分散フィルム、微粒子分散シート、合わせガラスシート)の色調については、L***表色系で評価したときのb*が20を超えているため黄色味が強くなり、比較例1と同様、ブルー系とブロンズ系間のニュートラル色に調整されていないことが確認される。
 本発明の赤外線吸収材料微粒子分散液と赤外線吸収材料微粒子分散体によれば、可視光領域の光に対して高い透過性を有し、近赤外線領域に吸収性を有すると共に、ブルー系とブロンズ系間のニュートラル色に調整可能なため、自動車、電車、建物等の窓材として使用される産業上の利用可能性を有している。

Claims (10)

  1.  液状媒体中に赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を含有する赤外線吸収材料微粒子分散液であって、
     上記赤外線吸収材料微粒子が、一般式MYWOZ(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で表記され、かつ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子で構成され、
     上記液状媒体中におけるオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が0.01以上0.5以下であることを特徴とする赤外線吸収材料微粒子分散液。
  2.  上記複合タングステン酸化物微粒子の粒子径が、1nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線吸収材料微粒子分散液。
  3.  上記オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の粒子径が、1nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線吸収材料微粒子分散液。
  4.  上記液状媒体が、水、有機溶媒、植物油、植物油由来の化合物、石油系溶媒、油脂、液状樹脂、液状プラスチック用可塑剤から選択される1種、若しくは、2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線吸収材料微粒子分散液。
  5.  L***表色系で評価したとき、a*が-20以上0以下、b*が-3.5以上20以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の赤外線吸収材料微粒子分散液。
  6.  固体媒体中に赤外線吸収材料微粒子とオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子を含有する赤外線吸収材料微粒子分散体であって、
     上記赤外線吸収材料微粒子が、一般式MYWOZ(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で表記され、かつ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子で構成され、
     上記固体媒体中におけるオキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子/複合タングステン酸化物微粒子]が0.01以上0.5以下であることを特徴とする赤外線吸収材料微粒子分散体。
  7.  上記複合タングステン酸化物微粒子の粒子径が、1nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の赤外線吸収材料微粒子分散体。
  8.  上記オキシ水酸化鉄(FeOOH)微粒子の粒子径が、1nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の赤外線吸収材料微粒子分散体。
  9.  上記固体媒体が樹脂若しくは金属アルコキシドであることを特徴とする請求項6に記載の赤外線吸収材料微粒子分散体。
  10.  L***表色系で評価したとき、a*が-20以上0以下、b*が-3.0以上20以下であることを特徴とする請求項6~9のいずれかに記載の赤外線吸収材料微粒子分散体。
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