WO2024062682A1

WO2024062682A1 - フレキシブル基板の固定構造、電子機器、並びにフレキシブル基板の固定方法

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Publication number: WO2024062682A1
Application number: PCT/JP2023/019080
Authority: WO
Inventors: 敏之高橋; 亮古川
Original assignee: 株式会社Ｊｖｃケンウッド
Priority date: 2022-09-21
Filing date: 2023-05-23
Publication date: 2024-03-28

Abstract

フレキシブル基板を位置決めして固定すること。フレキシブル基板（５）の固定構造は、第一部材である本体（２）と、第二部材である表示パネル（３Ｂ）と、第三部材であるサブパネル（３Ａ）と、本体（２）と表示パネル（３Ｂ）とを電気的に接続するフレキシブル基板（５）と、フレキシブル基板（５）の一部を本体（２）に仮固定する仮固定手段である開口部（６Ａ）、ヒンジ部材（６Ｂ）および突起部（９）と、フレキシブル基板（５）の前記一部を本体（２）に本固定する本固定手段である固定孔（６Ｃ）、固定孔（１０）および固定ネジ（４）と、フレキシブル基板（５）を挟み込んで本体（２）とサブパネル（３Ａ）と固定する主固定手段である固定孔（１１）および固定ネジ（４）と、を含む。

Description

フレキシブル基板の固定構造、電子機器、並びにフレキシブル基板の固定方法

　本発明は、フレキシブル基板の固定構造、電子機器、並びにフレキシブル基板の固定方法に関する。

　例えば、特許文献１には、フレキシブル基板を固定対象に固定する構造が示されている。この構造は、フレキシブル基板の部品を実装した個所の裏面に貼り付けた補強板と、補強板が嵌まり込む凹所を有する固定部材と、固定部材にフレキシブル基板を挟み込むように取り付けられる上部固定部材と、を含む。

特開２００８－２５８４９７号公報

　例えば、特許文献１に示される構成において、固定部材に補強板が支持されていない場合では、上部固定部材で挟み込む際に、フレキシブル基板の反力によってフレキシブル基板が浮いて位置がずれるおそれがある。このため、固定部材に対して補強板を人手で押さえながら固定する必要がある。

　本開示は、フレキシブル基板を位置決めして固定することのできるフレキシブル基板の固定構造、電子機器、並びにフレキシブル基板の固定方法を提供することを目的とする。

　上記の目的を達成するため、本開示の一態様のフレキシブル基板の固定構造は、第一部材と、第二部材と、第三部材と、前記第一部材と前記第二部材とを電気的に接続するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の一部を前記第一部材に仮固定する仮固定手段と、前記フレキシブル基板の前記一部を前記第一部材に本固定する本固定手段と、前記フレキシブル基板を挟み込んで前記第一部材と前記第三部材とを固定する主固定手段と、を含む。

　上記の目的を達成するため、本開示の一態様の電子機器は、本体と、表示パネルと、サブパネルと、前記本体と前記表示パネルとを電気的に接続するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の一部を前記本体に仮固定する仮固定手段と、前記フレキシブル基板の前記一部を前記本体に本固定する本固定手段と、前記フレキシブル基板を挟み込んで前記本体と前記サブパネルとを固定する主固定手段と、を含む。

　上記の目的を達成するため、本開示の一態様のフレキシブル基板の固定方法は、第一部材と第二部材とをフレキシブル基板を介して電気的に接続し、前記フレキシブル基板を挟み込んで前記第一部材と第三部材とを固定するためのフレキシブル基板の固定方法であって、前記フレキシブル基板側に固定された補強板に設けられる開口部の縁から内側に延びて先端が対向する一対のヒンジ部材と、前記第一部材側から突出して設けられて前記開口部に挿入される突起部と、を備え、前記開口部に前記突起部を挿入させて、前記突起部の先端部において前記ヒンジ部材を撓ませ通過させ、前記突起部の基端部において前記ヒンジ部材の一方を接触させつつ前記ヒンジ部材の他方を係止させる。

　本開示によれば、フレキシブル基板を位置決めして固定できる。

図１は、実施形態の電子機器を表す斜視図である。図２は、実施形態の電子機器を表す斜視図である。図３は、実施形態のフレキシブル基板の固定構造を表す平面図である。図４は、実施形態のフレキシブル基板の固定構造を表す斜視図である。図５は、実施形態のフレキシブル基板の固定構造を表す断面図である。図６は、実施形態のフレキシブル基板の固定方法を表すフローチャートである。図７は、図６のフレキシブル基板の固定方法を表す工程図である。図８は、図６のフレキシブル基板の固定方法を表す工程図である。図９は、実施形態のフレキシブル基板の固定方法を表すフローチャートである。図１０は、図９のフレキシブル基板の固定方法を表す工程図である。図１１は、図９のフレキシブル基板の固定方法を表す工程図である。図１２は、図９のフレキシブル基板の固定方法を表す工程図である。

　以下、本開示を実施するための形態（以下、実施形態という）につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本開示が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。

　実施形態のフレキシブル基板５の固定構造およびフレキシブル基板５の固定方法は、例えば、図１に示す電子機器１に適用される。電子機器１は、移動体である車両（自動車）の車室内部に搭載されるものであって、例えば、車載装置であるナビゲーションシステムやオーディオシステムである。電子機器１は、本体（第一部材ともいう）２と、表示パネル（第二部材ともいう）３Ｂと、サブパネル（第三部材ともいう）３Ａと、を有する。

　本体２は、上側、下側、右側、左側、および後側が板金で塞がれた筐体構造である。従って、本体２は、その外殻を構成する外筐部材である上板２Ａと、下板２Ｂと、右板２Ｃと、左板２Ｄと、後板２Ｅと、を有し、全体として直方体形状に形成される。ここで、電子機器１の前側、上側、下側、右側、左側、および後側は、電子機器１を車両の運転席前方に搭載した状態で各方向を定義する。即ち、運転席側に向く側を「前側」、車両前方のウインドシールド側に向く側を「後側」とし、右側および左側は、電子機器１を前側から視た方向である。本体２は、前側が車両クラスター（ダッシュボードともいう）の外部に表れるように、車両クラスターの内部に配置される。

　サブパネル３Ａと、表示パネル３Ｂとは、パネル３を構成する。パネル３は、パネル面を前側に向けて本体２の前側に設置される。サブパネル３Ａは、本体２の前側を覆う。サブパネル３Ａは、本実施形態では、本体２よりも上下方向および左右方向で若干大きい。表示パネル３Ｂは、サブパネル３Ａの上下方向および左右方向において小さく、サブパネル３Ａの上下方向および左右方向の枠の内側に収納される。表示パネル３Ｂは、パネル３のパネル面をなし、例えば、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ：Liquid　Crystal　Display）または有機ＥＬ（Electro-Luminescence）ディスプレイで構成される。表示パネル３Ｂは、タッチパネルとして構成できる。なお、図には明示しないが、表示パネル３Ｂは、上下方向や左右方向に、電子機器１の各種操作を行うための操作ボタンを設けることができる。

　電子機器１は、パネル３の表示パネル３Ｂが可動パネルとして構成される場合がある。表示パネル３Ｂは、通常使用時には図１に示すように表示面が前面を向くようにサブパネル３Ａの枠内に収納されて配置される。一方、表示パネル３Ｂは、図２に示すように、表示面が通常使用時の前面から上側を向くようにチルト移動が可能に構成される。サブパネル３Ａは、図２に示すように、前面に、ＤＶＤ（Digital　Versatile　Disc）やＣＤ（Compact　Disc）を挿入するディスクスロット３Ａａや、メモリーカードなどの記憶媒体を挿入するカードスロット３Ａｂが設けられている。これら、ディスクスロット３Ａａやカードスロット３Ａｂは、表示パネル３Ｂがチルト移動することで、アクセスが可能になる。

　電子機器１は、本体２によってパネル３の表示パネル３Ｂが電気的に制御される。そのため、電子機器１は、本体２と表示パネル３Ｂとが図３に示すフレキシブル基板５によって電気的に接続される。

　フレキシブル基板５は、図３において、上下方向に連続する帯状の基部５Ａを有する。基部５Ａは、図３のＡ－Ａ断面図である図５に示すように、可撓性を有するベースフィルム５Ａａと、導電性を有する銅箔などからなる導電層５Ａｂと、導電層５Ａｂを電気的、機械的、化学的、熱的に保護するカバー層５Ａｃとが厚さ方向に積層されてなる。また、基部５Ａは、本体２と表示パネル３Ｂとを電気的に接続するため、図３に示すように、一端部および他端部において導電層５Ａｂがカバー層５Ａｃから表出された端子部５Ｂがそれぞれ形成される。基部５Ａは、一端部の端子部５Ｂが本体２に接続され、他端部の端子部５Ｂが表示パネル３Ｂに接続される。従って、フレキシブル基板５は、基部５Ａが一端部と他端部との間で湾曲自在に構成される。

　実施形態のフレキシブル基板５は、図３に示すように、フレキシブル基板５の固定構造として、基部５Ａの連続する途中に補強板６が設けられる。補強板６は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの可撓性を有する樹脂材で形成される。補強板６は、両面粘着テープなどの粘着層５０を介して基部５Ａのベースフィルム５Ａａに貼り付けられる。補強板６が設けられた部分は、基部５Ａの導電層５Ａｂおよびカバー層５Ａｃが設けられており、一部分がカバー層５Ａｃを除去されて導電層５Ａｂが表出されたグランド接続部（導電部）５Ｃを構成する。グランド接続部５Ｃは、幅方向の両側の２個所に矩形状に設けられる。各グランド接続部５Ｃは、図５に示すように、ベースフィルム５Ａａ、導電層５Ａｂ、および粘着層５０を共に厚さ方向に貫通して開口部６Ａが形成される。従って、開口部６Ａは、複数（実施形態では２箇所）形成される。また、グランド接続部５Ｃは、開口部６Ａの上下方向の縁から開口部６Ａの内側に延びて先端が対向する一対のヒンジ部材６Ｂが形成される。ヒンジ部材６Ｂは、ベースフィルム５Ａａ、導電層５Ａｂ、および粘着層５０を有さず補強板６のみで構成される。また、グランド接続部５Ｃは、開口部６Ａの左右方向の縁から開口部６Ａの内側に延びて先端が対向する一対の凸部６Ａａが形成される。凸部６Ａａは、一対のヒンジ部材が対向する上下方向と直交する左右方向に先端が対向する。凸部６Ａａは、ベースフィルム５Ａａ、導電層５Ａｂ、粘着層５０、および補強板６で構成される。また、各グランド接続部５Ｃは、開口部６Ａに隣接する位置に、ベースフィルム５Ａａ、導電層５Ａｂ、粘着層５０、および補強板６を共に厚さ方向に貫通して固定孔６Ｃが形成される。従って、固定孔６Ｃは、開口部６Ａと同じく複数（実施形態では２箇所）形成される。

　また、実施形態のフレキシブル基板５は、図３に示すように、表示パネル３Ｂに接続される他端部の端子部５Ｂ（図３下側）の近傍に、幅方向の両側の２箇所にそれぞれ突き出して端部がカバー層５Ａｃを除去されて導電層５Ａｂが表出されたグランド接続部５Ｄを構成する。グランド接続部５Ｄは、ベースフィルム５Ａａおよび導電層５Ａｂで構成される。グランド接続部５Ｄは、ベースフィルム５Ａａおよび導電層５Ａｂを厚さ方向に貫通した係止孔７Ａが形成される。また、グランド接続部５Ｄは、係止孔７Ａに隣接する位置に、ベースフィルム５Ａａおよび導電層５Ａｂを厚さ方向に貫通した固定孔７Ｂが形成される。グランド接続部５Ｄは、上記グランド接続部５Ｃと導電層５Ａｂで電気的に接続される。

　また、実施形態の本体２は、図４に示すように、フレキシブル基板５の固定構造として、突起部９および固定孔１０が設けられる。ここで、図４では、パネル３を外した状態であって、本体２の前側が表出して示されている。本体２は、その前側に導電性の板金からなるブラケット（導通部材）８が固定される。突起部９は、ブラケット８の前面８Ａから前側に突出するように、ブラケット８の板金が切り起こしされて形成される。突起部９は、フレキシブル基板５の各開口部６Ａに挿入されるように複数（実施形態では２個所）に形成される。突起部９は、図５に示すように、ブラケット８の前面８Ａから前側に突出して基端部９Ａおよび先端部９Ｂを有する。また、突起部９は、基端部９Ａの上端において先端部９Ｂに傾斜して下がる段部９Ｃを有する。突起部９は、その下端において、基端部９Ａと先端部９Ｂとの間に先端部９Ｂにおいて下方に延びる鉤部９Ｄを有する。従って、突起部９は、全体として、基端部９Ａに対して先端部９Ｂが下方にずれるように形成される。

　突起部９は、図５に示すように、各ヒンジ部材６Ｂの対向する先端の間の上下寸法Ｔ１に対し、先端部９Ｂの先端の上下寸法Ｔ２が先端部９Ｂを挿入できるように小さく形成される。また、突起部９は、各ヒンジ部材６Ｂの対向する先端の間の上下寸法Ｔ１に対し、段部９Ｃの下部と鉤部９Ｄの下部との間の上下寸法Ｔ３が各ヒンジ部材６Ｂの少なくとも一つを撓ませるように大きく形成される。また、突起部９は、各ヒンジ部材６Ｂの対向する先端の間の上下寸法Ｔ１に対し、基端部９Ａの上下寸法Ｔ４が各ヒンジ部材６Ｂの少なくとも一つを撓ませるように大きく形成される。また、突起部９は、グランド接続部５Ｃの厚さ寸法Ｗ１に対し、基端部９Ａのブラケット８の前面８Ａから鉤部９Ｄまでの突出寸法Ｗ２がグランド接続部５Ｃを配置できるように同等以上に形成される。また、突起部９は、基端部９Ａの中心Ｃ１と先端部９Ｂの中心Ｃ２とが、各ヒンジ部材６Ｂが対向する方向にずれるように配置される。基端部９Ａの中心Ｃ１は、上下寸法Ｔ４の中央を突起部９の突出方向で通過する直線に沿う部分であり、先端部９Ｂの中心Ｃ２は、上下寸法Ｔ２の中央を突起部９の突出方向で通過する直線に沿う部分である。中心Ｃ１は、中心Ｃ２よりも上側にずれる。

　固定孔１０は、突起部９に隣接する位置に、ブラケット８の板金を前後方向に貫通して形成される。固定孔１０は、フレキシブル基板５の各固定孔６Ｃに合致されるように複数（実施形態では２個所）に形成される。固定孔１０は、固定ネジ４が締め込まれる（図８参照）。

　なお、本体２は、図４に示すように、その前面に固定孔１１が貫通して形成される。固定孔１１は、ブラケット８や、その他に本体２に固定された板金に形成され、本体２の矩形状の前側の角部の４個所と、本体２の前側の中央部の１箇所の計５箇所に形成される。固定孔１１は、固定ネジ４が締め込まれる（図８参照）。また、本体２は、その前側の下部がブラケット８によって覆われ、上部が表出される。本体２は、この表出された部分に、ＤＶＤやＣＤを挿入するディスク挿入部１２や、メモリーカードなどの記憶媒体を挿入するカード挿入部１３や、フレキシブル基板５の一端部の端子部５Ｂが挿入される接続部１４が設けられる。

　ここで、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造において、開口部６Ａおよび一対のヒンジ部材６Ｂと、突起部９が仮固定手段を構成する。また、フレキシブル基板５の固定構造において、固定孔６Ｃ、固定孔１０および固定ネジ４は、本固定手段を構成する。また、フレキシブル基板５の固定構造において、固定孔１１および固定ネジ４は、主固定手段を構成する。

　以下、実施形態のフレキシブル基板５の固定方法について、図６から図８を参照して説明する。

　フレキシブル基板５の固定方法は、図６に示すように、ステップＳ１において、本体２にフレキシブル基板５を仮固定する。ステップＳ１では、図７に示すように、仮固定手段（開口部６Ａ、ヒンジ部材６Ｂ、突起部９）によって、本体２の突起部９にフレキシブル基板５の補強板６の開口部６Ａを仮固定する。仮固定されたフレキシブル基板５は、補強板６が設けられた部分にあるグランド接続部５Ｃがブラケット８の前面８Ａに対面する。そして、フレキシブル基板５の固定方法は、フレキシブル基板５を仮固定した状態で、フレキシブル基板５の一端部の端子部５Ｂを本体２の接続部１４に接続する。

　次に、フレキシブル基板５の固定方法は、図６に示すように、ステップＳ２において、本体２にサブパネル３Ａを固定する。ステップＳ２では、図８に示すように、主固定手段（固定孔１１、固定ネジ４）によって、サブパネル３Ａの図示しない貫通孔を固定孔１１に合わせ、固定ネジ４を締め込んで固定する。フレキシブル基板５の固定構造において、サブパネル３Ａは、その一部が仮固定手段（開口部６Ａ、ヒンジ部材６Ｂ、突起部９）および本固定手段（固定孔１０）を表出して緩衝しない切欠部３Ａｃが形成される。また、フレキシブル基板５の固定構造において、切欠部３Ａｃの周縁の一部は、補強板６の一部に被さるように形成される。従って、フレキシブル基板５の固定方法では、主固定手段（固定孔１１、固定ネジ４）によってサブパネル３Ａを本体２に固定することで、ブラケット８の前面８Ａとサブパネル３Ａとの間に補強板６を挟み込むことができる。

　次に、フレキシブル基板５の固定方法は、図６に示すように、ステップＳ３において、本体２にフレキシブル基板５を固定する。ステップＳ３では、図８に示すように、本固定手段（固定孔６Ｃ、固定孔１０、固定ネジ４）によって、固定孔６Ｃを固定孔１０に合致させ、固定ネジ４を締め込んで固定する。従って、フレキシブル基板５の固定方法では、本固定手段（固定孔６Ｃ、固定孔１０、固定ネジ４）によって、ブラケット８の前面８Ａに対面するグランド接続部５Ｃをブラケット８の前面８Ａに押し付けて接触させるように本固定することができる。

　その後、フレキシブル基板５の固定方法は、図６に示すように、ステップＳ４において、表示パネル３Ｂにフレキシブル基板５を固定し接続する。ステップＳ４では、フレキシブル基板５の基部５Ａを湾曲させて他端部を上方に向け、グランド接続部５Ｄを表示パネル３Ｂの図示しない板金に押し付けて接触させるように、当該板金の突起に係止孔７Ａで位置決めし、当該板金の固定孔に固定孔７Ｂを合わせてネジを締め込んで固定する。さらに、ステップＳ４では、フレキシブル基板５の他端部の端子部５Ｂを表示パネル３Ｂの図示しない接続部に接続する。従って、フレキシブル基板５の固定方法では、フレキシブル基板５を介して本体２と表示パネル３Ｂとを電気的に接続するとともに、グランド接続することができる。

　以下、実施形態のフレキシブル基板５の固定方法について、ステップＳ１の工程の詳細を図９から図１２を参照して説明する。

　フレキシブル基板５の固定方法は、上述したステップＳ１で本体２にフレキシブル基板５を仮固定する。このステップＳ１では、フレキシブル基板５の固定方法は、図９に示すように、ステップＳ１１において、仮固定手段の開口部６Ａに突起部９を挿入する。ステップＳ１１では、図１０に示すように、開口部６Ａに突起部９を挿入する際に補強板６を前側から見て若干下側に傾ける。また、突起部９は、基端部９Ａに対して先端部９Ｂが下方にずれて形成されている。これにより、フレキシブル基板５の固定方法は、ステップＳ１１において、開口部６Ａの下側ヒンジ部材（他方のヒンジ部材）６Ｂを突起部９の先端部９Ｂの下側に接触させながら挿入する。

　次に、フレキシブル基板５の固定方法は、図９に示すように、ステップＳ１２において、下側ヒンジ部材６Ｂを撓ませて鉤部９Ｄに係止する。ステップＳ１２では、ステップＳ１１から開口部６Ａに突起部９をさらに挿入することで、図１１に示すように、突起部９の先端部９Ｂの下側に接触する下側ヒンジ部材６Ｂが撓み、鉤部９Ｄを超えて基端部９Ａ側に移動して撓みが元に戻る。これにより、フレキシブル基板５の固定方法は、ステップＳ１２において、下側ヒンジ部材６Ｂを鉤部９Ｄに係止させる。

　次に、フレキシブル基板５の固定方法は、図９に示すように、ステップＳ１３において、上側ヒンジ部材（一方のヒンジ部材）６Ｂを撓ませて段部９Ｃに乗り上げる。ステップＳ１３では、ステップＳ１２から補強板６の傾きをブラケット８の前面８Ａと平行になるように立てて開口部６Ａに突起部９をさらに挿入することで、図１２に示すように、突起部９の先端部９Ｂの上側に上側ヒンジ部材６Ｂが接触して撓みながら段部９Ｃに乗り上がる。これにより、フレキシブル基板５の固定方法は、ステップＳ１３において、下側ヒンジ部材６Ｂを鉤部９Ｄに係止させつつ、上側ヒンジ部材６Ｂを段部９Ｃに乗り上げさせ、両ヒンジ部材６Ｂを撓ませ、突起部９に嵌合させる。この結果、フレキシブル基板５は、補強板６が突起部９に仮固定され、下側ヒンジ部材６Ｂが鉤部９Ｄにオーバーラップして係止されているため、表示パネル３Ｂ側に接続される基部５Ａの他端側が引っ張られても外れることを抑制される。なお、ステップＳ１１からステップＳ１３の工程において、フレキシブル基板５は、開口部６Ａの一対の凸部６Ａａと突起部９によってフレキシブル基板５の左右方向の位置が規制されながら案内される。

　なお、補強板６を突起部９から外す場合は、上記図９のフローチャートの工程をステップＳ１３から逆に行い、補強板６を前側から見て下側に傾けるように突起部９から引き抜けばよい。ここで、フレキシブル基板５は、基部５Ａの一端側が本体２の接続部１４に接続されるため、基部５Ａの一端側が前側に引っ張られることはなく、このような補強板６を突起部９から外す作用は生じ難い。

　このように、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造は、第一部材である本体２と、第二部材である表示パネル３Ｂと、第三部材であるサブパネル３Ａと、本体２と表示パネル３Ｂとを電気的に接続するフレキシブル基板５と、フレキシブル基板５の一部を本体２に仮固定する仮固定手段である開口部６Ａ、ヒンジ部材６Ｂおよび突起部９と、フレキシブル基板５の前記一部を本体２に本固定する本固定手段である固定孔６Ｃ、固定孔１０および固定ネジ４と、フレキシブル基板５を挟み込んで本体２とサブパネル３Ａとを固定する主固定手段である固定孔１１および固定ネジ４と、を含む。

　このフレキシブル基板５の固定構造によれば、本体２とサブパネル３Ａとを固定する前に、予めフレキシブル基板５の一部を本体２に仮固定し、本体２とサブパネル３Ａとを固定する際にフレキシブル基板５の一部を本体２に本固定できる。従って、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造は、フレキシブル基板５を位置決めして固定できる。この結果、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造によれば、フレキシブル基板５が反力で浮くことを防ぎ、本体２とサブパネル３Ａとの固定を容易にできる。しかも、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造によれば、本体２とサブパネル３Ａとの固定と共にフレキシブル基板５の本固定を自動固定機によって実現できる。

　また、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造では、仮固定手段は、フレキシブル基板５側に固定された補強板６の開口部６Ａの縁から内側に延びて先端が対向する一対のヒンジ部材６Ｂと、本体２側から突出して設けられて開口部６Ａに挿入される突起部９と、を含み、突起部９は、先端部９Ｂと基端部９Ａとを有し、開口部６Ａに挿入される場合に、先端部９Ｂにてヒンジ部材６Ｂを撓ませて通過させ、基端部９Ａにてヒンジ部材６Ｂの一方を接触させつつヒンジ部材６Ｂの他方を係止する。

　このフレキシブル基板５の固定構造によれば、フレキシブル基板５を本体２に位置決めできる。

　また、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造では、開口部６Ａと突起部９は各々複数あり双方が対応する位置に配置され、突起部９の先端部９Ｂと基端部９Ａとは、一対のヒンジ部材６Ｂが対向する方向に中心Ｃ１，Ｃ２がずれるように配置される。

　このフレキシブル基板５の固定構造によれば、突起部９の先端部９Ｂと基端部９Ａとが開口部６Ａに挿入される場合、中心Ｃ１，Ｃ２のずれによって、先端部９Ｂにてヒンジ部材６Ｂを撓ませて通過させ、基端部９Ａにてヒンジ部材６Ｂの一方を接触させつつヒンジ部材６Ｂの他方を係止する動作を確実に行わせることができる。

　また、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造では、開口部６Ａは、一対のヒンジ部材６Ｂが対向する方向と直交する方向に先端が対向する一対の凸部６Ａａを有する。

　このフレキシブル基板５の固定構造によれば、突起部９とフレキシブル基板５との相対位置が一対の凸部６Ａａにより規制されつつ挿入を案内できるため、フレキシブル基板５がローテーションすることを防止できる。

　また、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造では、開口部６Ａと突起部９が複数ある場合、本固定手段である固定孔６Ｃ、固定孔１０および固定ネジ４も同じく複数ある。

　このフレキシブル基板５の固定構造によれば、フレキシブル基板５の本固定を確実に行える。

　また、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造では、補強板６が設けられた部分に導通部であるグランド接続部５Ｃが形成され、フレキシブル基板５が本体２に仮固定された場合、グランド接続部５Ｃが本体２の導通部材であるブラケット８に対して接触する位置に支持される。

　このフレキシブル基板５の固定構造によれば、フレキシブル基板５のグランド接続部５Ｃをブラケット８に接触できるように仮固定できる。この結果、実施形態のフレキシブル基板５の固定構造は、ＥＭＣ（Electro　Magnetic　Compatibility：電磁両立性）対策を行える。

　実施形態の電子機器１は、本体２と、表示パネル３Ｂと、サブパネル３Ａと、本体２と表示パネル３Ｂとを電気的に接続するフレキシブル基板５と、フレキシブル基板５の一部を本体２に仮固定する仮固定手段である開口部６Ａ、ヒンジ部材６Ｂおよび突起部９と、フレキシブル基板５の前記一部を本体２に本固定する本固定手段である固定孔６Ｃ、固定孔１０および固定ネジ４と、フレキシブル基板５を挟み込んで本体２とサブパネル３Ａとを固定する主固定手段である固定孔１１および固定ネジ４と、を含む。

　この電子機器１によれば、本体２とサブパネル３Ａとを固定する前に、予めフレキシブル基板５の一部を本体２に仮固定し、本体２とサブパネル３Ａとを固定する際にフレキシブル基板５の一部を本体２に本固定できる。従って、実施形態の電子機器１は、フレキシブル基板５を位置決めして固定できる。この結果、実施形態の電子機器１によれば、フレキシブル基板５が反力で浮くことを防ぎ、本体２とサブパネル３Ａとの固定を容易にできる。しかも、実施形態の電子機器１によれば、本体２とサブパネル３Ａとの固定と共にフレキシブル基板５の本固定を自動固定機によって実現できる。

　実施形態のフレキシブル基板５の固定方法は、第一部材である本体２と第二部材である表示パネル３Ｂとをフレキシブル基板５を介して電気的に接続し、フレキシブル基板５を挟み込んで本体２と第三部材であるサブパネル３Ａとを固定するためのフレキシブル基板５の固定方法であって、フレキシブル基板５側に固定された補強板６に設けられる開口部６Ａの縁から内側に延びて先端が対向する一対のヒンジ部材６Ｂと、本体２側から突出して設けられて開口部６Ａに挿入される突起部９と、を備え、開口部６Ａに突起部９を挿入させて、突起部９の先端部９Ｂにおいてヒンジ部材６Ｂを撓ませて通過させ、突起部９の基端部９Ａにおいてヒンジ部材６Ｂの一方を接触させつつヒンジ部材６Ｂの他方を係止させる。

　このフレキシブル基板５の固定方法によれば、本体２とサブパネル３Ａとを固定する前に、予めフレキシブル基板５の一部を本体２に仮固定し、本体２とサブパネル３Ａとを固定する際にフレキシブル基板５の一部を本体２に本固定できる。従って、実施形態のフレキシブル基板５の固定方法は、フレキシブル基板５を位置決めして固定できる。この結果、実施形態のフレキシブル基板５の固定方法によれば、フレキシブル基板５が反力で浮くことを防ぎ、本体２とサブパネル３Ａとの固定を容易にできる。しかも、実施形態のフレキシブル基板５の固定方法によれば、本体２とサブパネル３Ａとの固定と共にフレキシブル基板５の本固定を自動固定機によって実現できる。

　本開示は、フレキシブル基板を位置決めして固定することができる。

　１　電子機器
　２　本体（第一部材）
　３　パネル
　３Ａ　サブパネル（第三部材）
　３Ｂ　表示パネル（第二部材）
　４　固定ネジ（本固定手段、主固定手段）
　５　フレキシブル基板
　５Ｃ　グランド接続部（導電部）
　６Ａ　開口部（仮固定手段）
　６Ａａ　凸部
　６Ｂ　ヒンジ部材（仮固定手段）
　６Ｃ　固定孔（本固定手段）
　６　補強板
　８　ブラケット（導通部材）
　９　突起部（仮固定手段）
　９Ａ　基端部
　９Ｂ　先端部
　１０　固定孔（本固定手段）
　１１　固定孔（主固定手段）

Claims

　第一部材と、
　第二部材と、
　第三部材と、
　前記第一部材と前記第二部材とを電気的に接続するフレキシブル基板と、
　前記フレキシブル基板の一部を前記第一部材に仮固定する仮固定手段と、
　前記フレキシブル基板の前記一部を前記第一部材に本固定する本固定手段と、
　前記フレキシブル基板を挟み込んで前記第一部材と前記第三部材とを固定する主固定手段と、
　を含む、フレキシブル基板の固定構造。
　前記仮固定手段は、
　前記フレキシブル基板側に固定された補強板の開口部の縁から内側に延びて先端が対向する一対のヒンジ部材と、
　前記第一部材側から突出して設けられて前記開口部に挿入される突起部と、
　を含み、
　前記突起部は、先端部と基端部とを有し、前記開口部に挿入される場合に、前記先端部にて前記ヒンジ部材を撓ませて通過させ、前記基端部にて前記ヒンジ部材の一方を接触させつつ前記ヒンジ部材の他方を係止する、請求項１に記載のフレキシブル基板の固定構造。
　前記開口部と前記突起部は各々複数あり双方が対応する位置に配置され、前記先端部と前記基端部とは、前記一対のヒンジ部材が対向する方向に中心がずれるように配置される、
請求項２に記載のフレキシブル基板の固定構造。
　前記開口部は、前記一対のヒンジ部材が対向する方向と直交する方向に先端が対向する一対の凸部を有する、請求項２または３に記載のフレキシブル基板の固定構造。
　前記開口部と前記突起部が複数ある場合、前記本固定手段も同じく複数ある、請求項２に記載のフレキシブル基板の固定構造。
　前記補強板が設けられた部分に導通部が形成され、前記フレキシブル基板が前記第一部材に仮固定された場合、前記導通部が前記第一部材の導通部材に対して接触する位置に支持される、請求項２に記載のフレキシブル基板の固定構造。
　本体と、
　表示パネルと、
　サブパネルと、
　前記本体と前記表示パネルとを電気的に接続するフレキシブル基板と、
　前記フレキシブル基板の一部を前記本体に仮固定する仮固定手段と、
　前記フレキシブル基板の前記一部を前記本体に本固定する本固定手段と、
　前記フレキシブル基板を挟み込んで前記本体と前記サブパネルとを固定する主固定手段と、
　を含む、電子機器。
　第一部材と第二部材とをフレキシブル基板を介して電気的に接続し、前記フレキシブル基板を挟み込んで前記第一部材と第三部材とを固定するためのフレキシブル基板の固定方法であって、
　前記フレキシブル基板側に固定された補強板に設けられる開口部の縁から内側に延びて先端が対向する一対のヒンジ部材と、前記第一部材側から突出して設けられて前記開口部に挿入される突起部と、を備え、
　前記開口部に前記突起部を挿入させて、前記突起部の先端部において前記ヒンジ部材を撓ませ通過させ、前記突起部の基端部において前記ヒンジ部材の一方を接触させつつ前記ヒンジ部材の他方を係止させる、フレキシブル基板の固定方法。