JP3419284B2 - 計器類の内器構造 - Google Patents

計器類の内器構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は計器類の内器構造に
係り、特に、計器類の前面蓋部材の背面側に回路基板を
着脱自在に配置し、例えば計器ケース内に挿入される計
器類の内器構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の内器構造としては、電子部品を
搭載した複数枚の回路基板を前面蓋部材の背面側に着脱
自在に取付けて構成する一方、有底箱型の計器ケース内
にそれら回路基板側から挿入するようにして計器ケース
の開口部を前面蓋部材で塞ぐとともに、計器ケースの底
部に形成した外部接続端子にそれら回路基板を電気的に
接続して製品化される。
【0003】そして、このような内器構造では、計器ケ
ースから回路基板ごと前面蓋部材を抜き取り、それら回
路基板を適当に選択組合せることによって多種類の制御
機能が得られるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た計器類の内器構造では、前面蓋部材の背面側に配置す
る回路基板の着脱作業が容易である一方、計器ケースか
ら前面蓋部材を抜取ったり挿入する際、回路基板が外れ
たり固定位置が動かないよう、回路基板を比較的強固に
固定する必要がある、といった相い反する要求がある。
そのため、計器類の内器構造にあっては回路基板の着脱
作業が容易で、取付けた後の固定強度を高く保てる構成
が要望されていた。
【0005】本発明はそのような状況の下になされたも
ので、前面蓋部材に回路基板を簡単に着脱可能であるう
え、取付けられた回路基板の取付け強度や取付位置決め
精度が良好な計器類の内器構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明の計器類の内器構造は、計器類の前面蓋
部材と、この前面蓋部材の背面側から間隔を置いて対向
するように突出する少なくとも1組以上の支持片と、そ
の計器類の電子回路が形成されそれら支持片間に縁辺を
圧入して支持された回路基板とを具備し、この回路基板
の縁辺にはロック爪が形成され、その支持片にはそのロ
ック爪の係止される係止孔が形成されるとともに当該支
持片の先端部には回路基板の縁辺近傍のはまる凹部が形
成され、その回路基板をそれら支持片間に圧入してロッ
ク爪を係止孔に係止させるとともにその凹部に回路基板
の縁辺近傍をはめて支持したものである。
【0007】また、本発明は、上記支持片にあってその
回路基板との当接面側には、その凹部から係止孔を通る
案内溝であって回路基板がはまってこれを凹部から係止
孔へ案内する案内溝を形成すると良い。さらに、本発明
は、上記支持片の凹部にはその回路基板の縁辺に形成さ
れた段部がはまる構成も可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明に係る計器類の内器
構造を示す断面図であり、便宜上からプラグイン形の計
器とともに示している。
【0009】図1において、計器ケース1は、従来公知
の構成を有し、合成樹脂又は金属材料で有底箱型に形成
されている。計器ケース1の片側の端面側には、前面開
放部3となって外周にフランジ5が一体的に形成されて
おり、背面側の有底部には図示を省略した外部接続端子
(後述する図5中の符号37参照)が配置されている。
【0010】内器7は、計器ケース1内に前面開放部3
側から挿入されるものであり、図示を省略した表示部や
操作部(後述する図4および図5中の符号33、35参
照)を有するとともにフランジ5の外周とほぼ同じ外形
寸法に形成された前面蓋部材9と、この背面側にて対面
して突出する上下の支持片11、13と、これら上下の
支持片11、13間に挟持するようにして支持された複
数の回路基板15とを有している。本発明はこれら支持
片11、13とこの間に支持される回路基板15の構成
に特徴がある。
【0011】すなわち、支持片11、13は、図2〜図
4に示すように、先端部に等間隔又は任意の間隔で複数
個(図4では3個)の凹部17を有している。これら上
下の凹部17は、上下で同じ位置関係で形成されるとと
もに、回路基板15の厚みと同等又は僅かに幅狭く形成
されており、後述するように回路基板15が挿入又は圧
入される。支持片11、13における回路基板15に当
接する面側には、凹部17から前面蓋部材9近傍まで回
路基板15の厚み又は僅かに幅広の案内溝19が形成さ
れており、その凹部17から前面蓋部材9に延びる案内
溝19の途中に係止孔21が貫通形成されている。
【0012】他方、支持片11、13間に支持される回
路基板15は、それら支持片11、13間に挿入される
縁辺23間の幅が若干狭くなって段部25が形成されて
おり、その縁辺23には段部25から先端までの途中に
支持片11、13の係止孔21にはまって係止されるロ
ック爪27が突設されている。ロック爪27は、挿入方
向の先端側で斜面27a又はアール面となっており、後
述するように回路基板15の挿入を容易にしている。
【0013】そして、回路基板15は、互いの縁辺23
を支持片11、13の上下の案内溝19にはめるととも
に、ロック爪27を係止孔21にはめ込み係止させる一
方、段部25を凹部17にはめ込んで支持片11、13
間に挟持するようにして支持され、本発明の内器構造が
形成されている。従って、支持片11、13において凹
部17と係止孔21間の寸法と、回路基板15のロック
爪27と段部25間はほぼ等長になっている。
【0014】そして、本発明の計器類の内器構造は、図
4および図2Bのように回路基板15の互いの縁辺23
を支持片11、13の上下の案内溝19に合せ、図2C
のように支持片11、13を拡開変形させて回路基板1
5を圧入すれば、図2Aのようにロック爪27が係止孔
21にはめ込み係止されるとともに、段部25が凹部1
7にはめ込まれた状態で支持片11、13間に挟持する
ように支持される。
【0015】図4および図5において符号33は計器類
の動作・設定状態等を表示する液晶表示器等の表示部で
あり、符号35は計器類の操作するタッチ式スイッチ等
の操作部である。このような本発明の内器7は、図5に
示すように、計器ケース1内に前面開放部3側から挿入
し、図1に示すように、内器7を最も奥まで押込んで前
面開放部3を前面蓋部材9で塞ぎ、図示しない適当な固
定手段で着脱可能に固定し、プラグイン形計器として製
品化される。図5中の符号37は計器ケース1の底部に
貫通固定された外部接続端子である。なお、支持片1
1、13から回路基板15を外す場合には、図示しない
適当なジグを用いて支持片11、13先端側を浮せ(図
2C参照)、ロック爪27の係止孔21との係止を外し
て引抜けば良い。
【0016】ところで、このプラグイン形計器は、図1
に示すように、パネル29の取付孔31にこの前面側す
なわち外部接続端子側(背面側)から挿入され、計器ケ
ース1のフランジ5と締付け金具間でパネル29を挟持
するようにしてこれに固定される。このように構成され
た計器類の内器構造では、前面蓋部材9の背面側に形成
した支持片11、13の先端に凹部17を形成するとと
もにこの凹部17から前面蓋部材9近傍まで案内溝19
を形成し、この案内溝19の途中に係止孔21を貫通形
成する一方、回路基板15にはその縁辺23に段部25
を形成するとともにその段部25から先端までの途中に
ロック爪27を突設し、互いの縁辺23を支持片11、
13の上下の案内溝19にはめるとともにロック爪27
を係止孔21にはめ込み係止させ、段部25を凹部17
にはめ込んで支持片11、13間に回路基板15を挟持
するよう構成した。
【0017】そのため、ロック爪27を係止孔21には
め込み係止させて回路基板15を支持片11、13間で
挟持支持させるだけの構成に比べ、支持強度が極めて向
上するし、固定位置も正確になる。すなわち、単に、ロ
ック爪27を係止孔21にはめ込み係止させて回路基板
15を支持片11、13間で挟持支持する構成では、回
路基板15の引抜き力にはある程度の固定力を発揮でき
るが、回路基板15と交差する方向への曲げに対しては
弱くなり易く、外れてしまう難点がある。
【0018】この点、本発明の計器類の内器構造では、
回路基板15の段部25が支持片11、13の凹部17
にはめ込まれて包むように又は挟持するように固定され
ているから、回路基板15と交差する方向への曲げに対
しても極めて強くなり、固定強度が向上する。しかも、
支持片11、13の離れた係止孔21および凹部17の
2箇所ではめて回路基板が固定されるから、回路基板1
5の位置決め精度も正確となる。
【0019】ところで、上述した本発明に係る実施の形
態では、支持片11、13における回路基板15の当接
する面側に、これをスライド案内する案内溝19を形成
する形態例を示したが、本発明では回路基板15の固定
強度や組立て具合によっては必須のものではなく、目的
に応じて任意に構成可能である。また、前面蓋部材9の
背面側から突設した支持片11、13も、各々1個のも
のである必要はなく、1枚又は複数の回路基板15毎に
1組の支持片11、13として複数個設けることが可能
である。もっとも、それら複数個分割して設ける場合で
も支持片11、13のように上下で対になるよう形成す
ることが必要であり、少なくとも1組以上設ければ良
い。
【0020】さらに、上述した実施の形態では、回路基
板15にあって支持片11、13間に挿入される部分の
縁辺23間を幅狭に形成して段部25を設け、これを支
持片11、13の凹部17にはめるが、本発明ではこれ
に限定されない。要は、回路基板15の縁辺23近傍が
支持片11、13の凹部17にはまる構成であれば良
い。例えば、ロック爪27のように支持片11、13の
凹部17にはまる凸部(図示せず)を設けて段部を形成
することも可能である。もっとも、凸部を突設するより
も、縁辺23間を幅狭に形成して段部25を設けた方が
回路基板15の製造が簡単で固定強度もより一層向上す
る。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の計器類の内
器構造は、計器類を構成する前面蓋部材の背面側から対
向突出する支持片間に回路基板を挟持するように支持す
る内器において、その回路基板の縁辺にロック爪を形成
し、その支持片にはロック爪が係止する係止孔を形成す
るとともに当該支持片の先端部に回路基板の縁辺近傍の
はまる凹部を形成し、その回路基板をそれら支持片間に
圧入してロック爪を係止孔に係止させるとともにその凹
部に回路基板の縁辺近傍をはめて挟持する構成としたか
ら、取付けられた回路基板の取付け強度が良好で、位置
決め精度も良好となるうえ、回路基板を簡単に着脱可能
である。また、上記支持片にあってその回路基板に案内
溝を形成する構成では、この案内溝に沿って回路基板を
挿入すれば、自動的にロック爪が係止孔に係止されると
ともに凹部に回路基板の縁辺近傍がはまり、取付けが極
めて簡単となる。さらに、上記支持片の凹部に回路基板
の縁辺に形成した段部をはめる構成では、回路基板の製
造が簡単で固定強度もより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る計器類の内器構造の実施の形態を
プラグイン型計器とともに示す断面図(図3中のI−I
間断面であり、一部側面で示す。)である。
【図2】図1の支持片および回路基板の関係を示す概略
図である。
【図3】図1の前面蓋部材の背面側を示す図である。
【図4】図1の前面蓋部材と回路基板の関係を示す要部
斜視図である。
【図5】図1の内器を用いたプラグイン形計器の組立て
工程を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 計器ケース 3 前面開放部 5 フランジ 7 内器 9 前面蓋部材 11、13 支持片 15 回路基板 17 凹部 19 案内溝 21 係止孔 23 縁辺 25 段部 27 ロック爪 27a 斜面 29 パネル 31 取付孔 33 表示部 35 操作部 37 外部接続端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広田 則夫 東京都大田区久が原5丁目16番6号 理 化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−123210(JP,A) 特開 平7−162170(JP,A) 実開 昭57−141348(JP,U) 実開 昭60−183493(JP,U) 実開 昭56−132790(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 11/24 G01R 1/04 H05K 7/14 H05K 5/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計器類の前面蓋部材と、 この前面蓋部材の背面側から間隔を置いて対向するよう
    に突出する少なくとも1組以上の支持片と、 前記計器類の電子回路が形成され前記支持片間に縁辺を
    圧入して支持された回路基板と、 を具備する計器類の内器構造において、 前記回路基板の縁辺にはロック爪が形成され、前記支持
    片には前記ロック爪の係止される係止孔が形成されると
    ともに当該支持片の先端部には前記回路基板の縁辺近傍
    のはまる凹部が形成され、 前記回路基板を前記支持片間に圧入して前記ロック爪を
    前記係止孔に係止させるとともに前記凹部に前記回路基
    板の縁辺近傍をはめて支持されてなることを特徴とする
    計器類の内器構造。
  2. 【請求項2】 前記支持片にあって前記回路基板との当
    接面側には、前記凹部から係止孔を通る案内溝であって
    前記回路基板がはまってこれを前記凹部から係止孔へ案
    内する案内溝が形成されてなる請求項1記載の計器類の
    内器構造。
  3. 【請求項3】 前記支持片の凹部には前記回路基板の縁
    辺に形成された段部がはまる請求項1又は2記載の計器
    類の内器構造。
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