WO2024024738A1 - 電極合材層の製造装置及び電極合材層の製造方法 - Google Patents

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Abstract

支持部と、前記支持部の上又は上方に造粒粒子を供給する供給部と、供給された前記造粒粒子を搬送する搬送部と、前記支持部と間隙を有するように設けられ、前記造粒粒子の通過部、及び、前記通過部の両端に設けられた造粒粒子の非通過部を含み、搬送された前記造粒粒子を均して造粒粒子層を形成するスキージ部と、前記造粒粒子層に荷重を加えることにより電極合材層を形成する成形部と、を備え、前記スキージ部は、前記通過部の幅方向の端部の間隙が中央部の間隙よりも狭くなるように、前記幅方向の間隙を連続的に変化させうる第一の調整機構を備える。

Description

電極合材層の製造装置及び電極合材層の製造方法
 リチウムイオン二次電池などの電池の構成要素である電極シートは、電極合材層を含みうる。電極合材層は、通常集電体である基材上に形成されている。電極合材層を形成する装置として、電極活物質を含む造粒粒子を、基材上に層状に堆積させ、造粒粒子の層に荷重を加えて成形する装置が知られている(特許文献1~7)。
特開2016-115569号公報 特開2016-018682号公報(対応公報:米国特許出願公開第2017/0179465号明細書) 特開2016-100067号公報 特開2016-018763号公報 特開2015-176772号公報 特開2021-068510号公報 特許第6922731号公報
 電極合材層の製造装置は、例えば、造粒粒子を供給する供給部と、供給された造粒粒子を搬送する搬送部と、搬送された造粒粒子を均して造粒粒子層を形成するスキージ部と、造粒粒子層に荷重を加えることにより、電極合材層を形成する成形部とを備える。電極性能を良好にするために、電極合材層は、単位面積当たりの造粒粒子の重量の割合、すなわち目付量の均一性が高いことが望ましい。しかしながら、前記構成を備える製造装置においては、造粒粒子層の幅方向の端部における目付量が高くなってしまう場合があり、成形部において造粒粒子の幅方向の端部に荷重が集中することで、電極シートに歪みを生じやすくなる場合や、それに伴う電極シートの製造工程での不良が発生しやすくなる場合がある。
 また、前記の造粒粒子の目付量に偏りを有する電極合材層を電池とした場合、電極面内の充放電反応が不均一になることで、サイクル特性、高い充電状態における保存特性が不十分になる場合がある。また、電池の安全性の観点からも、電極面内の充放電反応の均一性は高いことが望まれる。
 本発明は、前記の課題に鑑みてなされた発明であり、電極合材層の製造時おいて、電極合材層の幅方向の端部における、造粒粒子の過剰な目付を抑制し、造粒粒子の目付量の均一性が良好な電極合材層を製造しうる、電極合材層の製造装置、及びこれを用いた電極合材層の製造方法を提供することを目的とする。
 上述した課題は、以下に例示される発明によって解決される。
 〔1〕 支持部と、活物質及びバインダを含む造粒粒子を、前記支持部の上又は上方に供給する供給部と、前記支持部の上又は上方に供給された前記造粒粒子を搬送する搬送部と、前記支持部と間隙を有するように設けられ、前記造粒粒子を通過させる通過部、及び、前記通過部の両端に設けられ、前記造粒粒子の通過を遮る非通過部を含み、搬送された前記造粒粒子を均して造粒粒子層を形成するスキージ部と、前記造粒粒子層に荷重を加えることにより電極合材層を形成する成形部と、を備え、前記スキージ部は、前記通過部の幅方向における端部の間隙が中央部の間隙よりも狭くなるように、前記幅方向における前記間隙を連続的に変化させうる第一の調整機構を有する、電極合材層の製造装置。
 〔2〕 前記スキージ部と前記成形部との間に設けられたプレ成形部を備え、前記プレ成形部は、前記造粒粒子層の見かけ密度が、前記スキージ部で均された前記造粒粒子層の見かけ密度以上、前記成形部で形成された前記電極合材層の見かけ密度以下となるように、前記造粒粒子層を圧縮する本体部を含み、前記プレ成形部の前記本体部は、前記造粒粒子層を圧縮しうる間隙を設けて配置され、前記プレ成形部は、前記本体部の両端に設けられ、前記造粒粒子層の幅を規制する一対の幅規制治具を有する、〔1〕に記載の電極合材層の製造装置。
 〔3〕 前記一対の幅規制治具の幅は前記スキージ部の前記通過部の幅よりも広いことを特徴とする〔2〕に記載の電極合材層の製造装置。
 〔4〕 前記スキージ部と前記成形部との間に設けられたプレ成形部を備え、前記プレ成形部は、前記造粒粒子層の見かけ密度が、前記スキージ部で均された前記造粒粒子層の見かけ密度以上、前記成形部で形成された前記電極合材層の見かけ密度以下となるように、前記造粒粒子層を圧縮する本体部を含み、前記プレ成形部の前記本体部は、前記造粒粒子層を圧縮しうる間隙を設けて配置され、前記プレ成形部の前記本体部は、前記プレ成形部の幅方向における端部の間隙が中央部の間隙よりも狭くなるように、前記幅方向における前記間隙を連続的に変化させうる第二の調整機構を有する、〔1〕に記載の電極合材層の製造装置。
 〔5〕 前記スキージ部と前記成形部との間に設けられたプレ成形部を備え、前記プレ成形部は、前記造粒粒子層の見かけ密度が、前記スキージ部で均された前記造粒粒子層の見かけ密度以上、前記成形部で形成された前記電極合材層の見かけ密度以下となるように、前記造粒粒子層を圧縮する本体部を含み、前記プレ成形部の前記本体部は、前記造粒粒子層を圧縮しうる間隙を設けて配置され、前記プレ成形部の前記本体部は、前記プレ成形部の幅方向における端部の間隙が中央部の間隙よりも狭くなるように、前記幅方向における前記間隙を連続的に変化させうる第二の調整機構を有し、さらに、前記プレ成形部は、前記本体部の両端に設けられ、前記造粒粒子層の幅を規制する一対の幅規制治具を有する、〔1〕に記載の電極合材層の製造装置。
 〔6〕 前記一対の幅規制治具の間の幅は、前記スキージ部の前記通過部の幅よりも広い、〔5〕に記載の電極合材層の製造装置。
 〔7〕 前記第二の調整機構が、逆クラウンロール形状を有するロールである、〔4〕~〔6〕のいずれか1項に記載の電極合材層の製造装置。
 〔8〕 前記第一の調整機構が、ブレード形状を有し、前記通過部の幅方向における前記間隙の連続的な変化を任意に調整しうる調整機構(A)を有する、〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の電極合材層の製造装置。
 〔9〕 前記調整機構(A)が、押し引きボルト、及び、ヒートボルトからなる群から選択される1種以上である、〔8〕に記載の電極合材層の製造装置。
 〔10〕 前記造粒粒子層及び前記電極合材層の少なくともいずれか一方の幅方向の目付量を検査する目付量検査部を備える、〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載の電極合材層の製造装置。
 〔11〕 前記造粒粒子層の外観を検査する外観検査部を備える、〔1〕~〔10〕のいずれか1項に記載の電極合材層の製造装置。
 〔12〕 〔1〕~〔11〕のいずれか1項に記載の電極合材層の製造装置を用いた電極合材層の製造方法であって、前記供給部から前記支持部の上又は上方に供給された前記造粒粒子を、前記搬送部により搬送し、前記スキージ部を用いて搬送された前記造粒粒子を均すことにより、前記造粒粒子層を形成する工程と、前記成形部を用いて前記造粒粒子層に荷重を加えることにより、前記電極合材層を形成する工程と、を含む電極合材層の製造方法。
 〔13〕 〔10〕に記載の電極合材層の製造装置を用いた電極合材層の製造方法であって、前記供給部から前記支持部の上又は上方に供給された前記造粒粒子を、前記搬送部により搬送し、前記スキージ部を用いて搬送された前記造粒粒子を均すことにより、前記造粒粒子層を形成する工程と、前記成形部を用いて前記造粒粒子層に荷重を加えることにより、前記電極合材層を形成する工程と、前記目付量検査部を用いて、前記造粒粒子層及び前記電極合材層の少なくともいずれか一方の幅方向の目付量を検査し、前記幅方向の目付量が管理値外にある部位を検出した場合に、当該部位に対応する前記スキージ部の幅方向における前記間隙を調整する工程と、を含む電極合材層の製造方法。
 〔14〕 〔11〕に記載の電極合材層の製造装置を用いた電極合材層の製造方法であって、前記供給部から前記支持部の上又は上方に供給された前記造粒粒子を、前記搬送部により搬送し、前記スキージ部を用いて搬送された前記造粒粒子を均すことにより、前記造粒粒子層を形成する工程と、前記外観検査部を用いて前記造粒粒子層の外観を検査し、前記造粒粒子層に線状欠陥が生じた部位を検出した場合に、当該部位に対応する前記スキージ部の幅方向における前記間隙を一時的に広げて、前記線状欠陥を解消する工程と、前記成形部を用いて前記造粒粒子層に荷重を加えることにより、前記電極合材層を形成する工程と、を含む電極合材層の製造方法。
 本発明によれば、電極合材層の製造時において、電極合材層の幅方向の端部における、造粒粒子の過剰な目付を抑制し、造粒粒子の目付量の均一性が良好な電極合材層を製造しうる、電極合材層の製造装置、及びこれを用いた電極合材層の製造方法を提供することができる。
図1は、第一実施形態に係る電極合材層の製造装置の一例を示す模式図である。 図2は、図1の製造装置に用いられるスキージ部を模式的に示す正面図である。 図3は、図1に示す製造装置に用いられるスキージ部を模式的に示す側面図である。 図4は、スキージ部の通過部の幅方向における間隙の連続的な変化について説明する模式図である。 図5は、スキージ部の通過部の幅方向における間隙の連続的な変化について説明する模式図である。 図6は、スキージ部の通過部の幅方向における間隙の連続的な変化について説明する模式図である。 図7は、スキージ部の通過部の幅方向における間隙の連続的な変化について説明する模式図である。 図8は、スキージ部の通過部の幅方向における間隙の連続的な変化について説明する模式図である。 図9は、プレ成形部の一例を模式的に示す正面図である。 図10は、スキージ部及びプレ成形部を製造装置の上流側の正面から見た位置関係の一例を模式的に示す正面図である。 図11は、目付量検査部の一例を模式的に示す正面図及び上面図である。 図12は、第二実施形態に係る電極合材層の製造装置の一例を示す模式図である。 図13は、第三実施形態に係る電極合材層の製造装置の一例を示す模式図である。 図14は、第四実施形態に係る電極合材層の製造装置の一例を示す模式図である。 図15は、従来からの電極合材層の製造装置に用いられるスキージ部の一例を示す正面図である。 図16は、造粒粒子の目付量の偏りを有する電極合材層を模式的に示す断面図である。 図17は、スキージ部における「造粒粒子を遮る段差」の一例を説明するための模式的な正面図である。
 以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。以下に示す実施形態の構成要素は、適宜組み合わせうる。また、図において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
 以下の説明において、「長尺」の基材とは、幅に対して、5倍以上の長さを有する基材をいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有する基材をいう。基材の長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍以下としうる。
 以下の説明において、要素の方向が「平行」、「垂直」及び「直交」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±3°、±2°又は±1°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
 以下の説明において、ある要素の上又は上方とは、ある要素に直接する場合及びある要素に間接する場合を包含する。
 以下の説明において、「上流」及び「下流」とは、別に断らない限り、造粒粒子、造粒粒子層又は電極合材層の流れ方向の上流及び下流を表す。
 本発明の一実施形態に係る製造装置により製造される電極合材層は、造粒粒子層に荷重を加えることにより得られる。電極合材層は、好ましくは、基材上に形成されている。基材は、長尺であることが好ましい。
 基材の例としては、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、銅、その他の合金で形成された金属箔;導電性材料(例、炭素、導電性高分子)を含むフィルム;紙;天然繊維、合成繊維などで形成された布帛;重合体を含む樹脂フィルム;が挙げられる。樹脂フィルムに含まれうる重合体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリイミド;ポリプロピレン;ポリフェニレンサルファイド;ポリ塩化ビニル;アラミド;PEN;PEEKが挙げられる。これらは、目的に応じて適宜選択されうる。
 これらの中でも、基材としては、好ましくは、金属箔、炭素材料を含むフィルム、及び導電性高分子材料を含むフィルムであり、より好ましくは金属箔であり、更に好ましくは導電性、耐電圧性の観点から、銅箔、アルミニウム箔、及びアルミニウム合金箔である。これらの基材は、リチウムイオン電池の電極シートの製造用として好適である。
 基材は、塗膜処理、穴あけ加工、バフ加工、サンドブラスト加工、エッチング加工などの表面処理が施されていてもよく、複数の表面処理が施されていてもよい。
 基材の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは800μm以下である。基材は、任意の幅を有しうる。
 造粒粒子は、通常、電極活物質及び結着材を含み、必要に応じて、分散剤、導電材、添加剤などの任意成分を含んでいてもよい。
 造粒粒子に含まれる電極活物質は、正極活物質であってもよく、負極活物質であってもよい。正極活物質及び負極活物質の例としては、リチウムイオン電池の電極活物質として用いうる材料が挙げられる。正極活物質の例としては、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能な金属酸化物が挙げられる。かかる金属酸化物の例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、リン酸鉄リチウム(LiFeO)、コバルト酸リチウムの一部をニッケルとマンガンで置換した三元系活物質(例えば、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3)が挙げられる。正極活物質は一種単独で使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
 負極活物質の例としては、低結晶性炭素(非晶質炭素)(例、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、熱分解炭素);グラファイト(例、天然黒鉛、人造黒鉛);スズやケイ素等を含む合金系材料;酸化物(例、ケイ素酸化物、スズ酸化物、チタン酸リチウム);等が挙げられる。負極活物質は一種単独で使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
 電極活物質の形状は、好ましくは粒状である。粒子の形状が粒状であると、電極活物質を成形して高密度な電極としうる。
 電極活物質の体積平均粒子径(D50)は、好ましくは0.1μm以上100μm以下、より好ましくは0.3μm以上50μm以下、更に好ましくは0.5μm以上30μm以下である。電極活物質の体積平均粒子径(D50)が、前記範囲内であると、リチウムイオン電池電極の材料として好適に用いうる。
 造粒粒子に含まれる結着材は、好ましくは、前記電極活物質を相互に結着させることができる化合物である。結着材は、より好ましくは、溶媒に分散する性質のある分散型結着材である。分散型結着材の例としては、シリコン原子含有重合体、フッ素原子含有重合体、共役ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子化合物が挙げられる。
 分散型結着材の形状は、特に制限はないが、好ましくは粒子状である。粒子状であることにより、結着性が向上し、作製された電極の、容量の低下及び充放電の繰り返しによる劣化を、低減しうる。粒子状の結着材の例としては、ラテックスのような結着材粒子の水系分散体、及びこのような水系分散体を乾燥して得られる粒子状の結着材が挙げられる。
 結着材の量は、得られる電極合材層と基材との密着性を充分に確保し、かつ、内部抵抗を低くすることができる観点から、電極活物質100重量部に対して、乾燥重量基準で、好ましくは0.1重量部以上50重量部以下、より好ましくは0.5重量部以上20重量部以下、更に好ましくは1重量部以上15重量部以下である。
 造粒粒子は、任意成分として分散剤を含みうる。分散剤の例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、及び、これらのアンモニウム塩又はアルカリ金属塩が挙げられる。これらの分散剤は、一種単独で使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
 造粒粒子は、任意成分として導電材を含みうる。導電材の例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベル ケミカルズ スローテン フェンノートシャップ社の登録商標)などの導電性カーボンブラックが挙げられ、好ましくは、アセチレンブラック及びケッチェンブラックである。また、VGCF(登録商標)、カーボンナノチューブなどの、気相成長炭素繊維;膨張黒鉛、黒鉛などの黒鉛系炭素材料、グラフェン;なども導電材として使用できる。これらの導電材は、一種単独で使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。
 造粒粒子は、電極活物質及び結着材、並びに必要に応じて含まれうる任意成分を造粒することにより製造されうる。造粒粒子の製造方法の例としては、特に制限されず、流動層造粒法、噴霧乾燥造粒法、転動層造粒法などの公知の造粒法が挙げられる。
 造粒粒子のそれぞれは、複数の一次粒子が集合して形成された二次粒子の形態であることが好ましい。
 具体的には、複数個(好ましくは数個から数十個)の電極活物質及び任意成分が、結着材により結着されて形成された二次粒子であることが好ましい。
 造粒粒子の体積平均粒子径(D50)は、所望の厚みの電極合材層を容易に得る観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは250μm以下である。
 造粒粒子の体積平均粒子径(D50)は、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラックMT3300EX II;マイクロトラック・ベル株式会社製)にて乾式で測定し、算出される50%体積平均粒子径である。50%体積平均粒子径は、得られた粒度分布(体積基準)において、小径側から積算した累積頻度が50%となる地点の粒子径である。
〔1.電極合材層の製造装置の概要〕
 本発明の一実施形態に係る電極合材層の製造装置は、支持部と、活物質及びバインダを含む造粒粒子を、支持部の上又は上方に供給する供給部と、支持部の上又は上方に供給された造粒粒子を搬送する搬送部と、支持部と間隙を有するように設けられ、造粒粒子を通過させる通過部、及び、通過部の両端に設けられ、造粒粒子の通過を遮る非通過部を含み、搬送された造粒粒子を均して造粒粒子層を形成するスキージ部と、造粒粒子層に荷重を加えることにより電極合材層を形成する成形部と、を備える。また、スキージ部は、通過部の幅方向における端部の間隙が中央部の間隙よりも狭くなるように、幅方向における間隙を連続的に変化させうる第一の調整機構を有する。
 本発明によれば、前記のスキージ部を備えることにより、電極合材層の幅方向の端部における、造粒粒子の過剰な目付を抑制し、造粒粒子の目付量の均一性が良好な電極合材層を製造しうる。
 ここで、図15に示すように、電極合材層の製造装置において、従来から用いられているスキージ部520は、通常、基材1の主面との間隙が、その端部及び中央部によらず一定の距離となるように設けられている。このようなスキージ部を備える製造装置を用いて電極合材層を製造した場合、図16に示すように、電極合材層3の幅方向の端部における造粒粒子の目付量が、中央部における造粒粒子の目付量よりも高くなってしまう場合がある。電極合材層の製造装置においては、スキージ部520の両端に、電極合材層の幅を規制するためのストックガイド523等の幅規制治具を配置して非通過部を設ける場合があるが、本発明者は、前記幅規制治具の有無による程度の違いはあるものの、幅規制治具を有する場合、及び、幅規制治具を有しない場合のいずれの場合も、造粒粒子の端部の目付量が高くなる傾向にあることを知見した。
 本発明者は、電極合材層の幅方向端部の造粒粒子の目付量が高くなる仕組み、及び本発明において前記目付量の偏りを抑制しうる仕組みを、下記のように推察する。ただし、本発明の技術的範囲は、下記に説明する仕組みによって制限されるものではない。
 図15に示すように、従来のスキージ部520を用いた場合、スキージ部520の間隙を造粒粒子Pが通過する際に、造粒粒子Pがスキージ部520を上方に押し上げる様な力X1が働き、その反力X2による荷重によって造粒粒子Pが両幅方向に流動するため、造粒粒子層の端部の目付が高まると本発明者は推察する。さらに、スキージ部が幅規制治具を備える場合、幅規制治具の周囲に位置する造粒粒子は、幅規制治具により移動が制限されることで端部に溜まりやすくなり、その結果、端部の目付がさらに高まると考えられる。
 これに対し、本発明によれば、スキージ部が、通過部の幅方向における端部の間隙を、中央部の間隙よりも狭くなるように、幅方向の間隙を連続的に変化させうる第一の調整機構を備えることにより、造粒粒子がスキージ装置を上方に押し上げるような力を分散させうる。その結果、その反力による荷重によって造粒粒子が両幅方向に流動することを抑制しうる。
 本発明の一実施形態に係る電極合材層の製造装置は、支持部、供給部、搬送部、スキージ部及び成形部を少なくとも備える。また、任意の構成として、プレ成形部、目付量検査部及び外観検査部を備えうる。このような製造装置について、以下、より具体的な実施形態を挙げて説明するが、本発明は以下の具体的な実施形態に限られない。
 また、製造装置においては、その装置の形態により、例えば、基材を搬送する第二の搬送部及び第三の搬送部を備える場合がある。以下、造粒粒子を搬送する搬送部を、前記の第二の搬送部及び第三の搬送部と区別するため、第一の搬送部と称して説明する場合がある。
〔2.第一実施形態〕
 図1は、第一実施形態に係る電極合材層の製造装置の一例を示す模式図である。図2は、図1の製造装置に用いられるスキージ部を模式的に示す正面図である。図3は、図1に示す製造装置に用いられるスキージ部を模式的に示す側面図である。図4~図8は、スキージ部の通過部の幅方向における間隙の連続的な変化について説明する模式図である。
 図1に示すように、第一実施形態に係る電極合材層の製造装置100(100A)は、第二の搬送部102、供給部104、支持ロール101、スキージ部120(120A)、目付量検査部150、外観検査部160、プレ成形部140、及び成形部130を備える。支持ロール101は、支持部及び第一の搬送部として機能する。
 支持ロール101は、円柱状の部材であり、軸R101を中心として方向DR101に回転可能に支持されている。支持部及び第一の搬送部としての支持ロール101へ、第二の搬送部102が基材1を搬送し、支持ロール101は、方向DR101に回転しながら、基材1を下流に搬送する。第二の搬送部102は、例えば、搬送ロールである。支持ロール及び搬送ロールの表面の材質は、例えば、後述する成形ロールの表面の材質と同様の材質を用いうる。
 支持ロール101の上方であって、支持ロール101に支持される基材1の主面上に、供給部104が造粒粒子Pを供給する。供給部104として、任意の粉体供給装置を用いてよい。粉体供給の機構の例としては、圧送式、回転羽根式、スクリュー式、回転ドラム式が挙げられる。
 供給部104は、造粒粒子投入口及び造粒粒子排出口を備えたホッパ部を備えている。造粒粒子投入口から造粒粒子Pを投入し、造粒粒子排出口から造粒粒子Pを支持ロール101に支持される基材1の主面上に供給する。すなわち、造粒粒子Pが供給される面は、基材1の主面である。
 第一の搬送部としての支持ロール101は、方向DR101に回転することにより、基材1の主面上に供給された造粒粒子Pを、基材1と共に下流に搬送する。
 スキージ部120は、支持ロール101により搬送された造粒粒子Pを均して、造粒粒子層2を形成するための部材である。図1においては、スキージ部120として、ブレード形状を有するスキージ部120Aを用いている。
 図2及び図3に示すように、スキージ部120Aは、支持ロール101と間隙Gを有するように設けられ、造粒粒子を通過させる通過部p、及び、通過部pの両端に設けられ、造粒粒子の通過を遮る非通過部nを含む。
 スキージ部120Aは、通過部pに第一の調整機構121が設けられており、非通過部nに幅規制治具としてのストックガイド123が設けられている。
 第一の調整機構121は、通過部pの幅方向における端部eの間隙が中央部cの間隙よりも狭くなるように、幅方向における間隙Gを連続的に変化させうる構造を有する。
 第一の調整機構121は、支持部としての支持ロール101の周面と基材1を介して対向する、第一の面F1を有する。支持ロール101の周面は、通常、スキージ部の幅方向において平坦であり、間隙の広狭に影響する程の高低差を有さない。一方、第一の調整機構121における第一の面F1は、通過部pの幅方向における端部eの間隙が相対的に低く、中央部cの間隙が相対的に高くなるような高低差を備える。見方を変えると、第一の面F1は、その中央部cを基準としたとき、端部eが相対的に高くなる高低差を備える。したがって、第一の調整機構121は、その第一の面F1の中央部c及び端部eの高低差が連続的に変化した構造を有する。中央部cを基準としたときの端部eの高さは、中央部cを基準として支持部側の方向(下方向)に見たときの端部の高さ方向の距離を指す。以下の説明における、中央部を基準としたときの端部の高さについても同様とする。
 スキージ部において、通過部の幅方向における中央部とは、通過部の幅方向の両端部から略等距離にある部分をいう。通過部の幅方向の両端部から略等距離にあるとは、一方の端部からの距離d1と、他方の端部からの距離d2とが全く同じになる場合(d1=d2)だけでなく、距離d1及びd2の差の絶対値が、幅方向の距離に対して±3%程度の誤差を有する場合も含む。
 「連続的な変化」とは、通過部の幅方向において、造粒粒子の流動を妨げる段差を持たない変化をいう。「造粒粒子を遮る段差」とは、スキージ部の造粒粒子との接触部分において、造粒粒子の流動が妨げられることにより、幅方向の造粒粒子の目付量が局所的に増加する部分を生じさせる段差をいう。このような段差は、例えば、図17に示すように、ブレード形状のスキージ部620において、支持ロール601の基材1を介して対向する第一の面f1が、少なくとも隣り合う二つの平面f11及びf12を有する場合、平面f11及びf12のなす角度θが、135°未満でありえる。面f11及びf12のなす角θは、平面f11及びf12がなす二つの角度のうち、小さい方の角度をいう。
 第一の調整機構121における具体的な第一の面F1の形状としては、曲面を含む形状をとりうる。第一の面F1が曲面を含む場合、例えば、図4に示すように、第一の面F1は、中央部cから端部eにかけて面の高さが弧状に高くなる形状をとりうる。この場合、第一の調整機構121は、通過部pの幅方向における間隙を、中央部の間隙G(c)から端部の間隙G(e)にかけて弧状に狭くさせうる。
 また、第一の面F1の形状が曲面を含む場合、さらに支持ロール(支持部)と平行な平面を含みうる。この場合、例えば、図5に示すように、第一の面F1は、中央部cを含み、中央部cから端部eの間の任意の位置aまで支持ロール101と平行な平面で構成され、位置aから端部eまで弧状に高くなる形状をとりうる。この場合、第一の調整機構121は、通過部pの幅方向における間隙を、中央部cを含む位置aまでの間隙G(c)を一定とし、位置aの間隙G(c)から端部eの間隙G(e)にかけて弧状に狭くさせうる。
 また、第一の面の形状が曲線を含む場合、図示はしないが、第一の面は曲面で構成される凹凸を有していてもよい。
 また、第一の調整機構における具体的な第一の面の形状としては、少なくとも隣り合う二つの平面を含む形状をとりうる。この場合、隣り合う二つの平面のなす角度Θは、例えば、135°以上、180°以下でありえる。隣合う二つの平面のなす角度Θは、前記二つの平面がなす2つの角度のうち、小さい方の角度をいい、造粒粒子と接触する界面になる側で測った場合の角度をいう。
 第一の面の形状が、少なくとも隣り合う二つの平面を含む場合、例えば、図6に示すように、第一の面F1は隣り合う二つの平面F11及びF12を含みうる。この場合、第一の面F1は、中央部cから端部eにかけて面の高さが直線状に高くなる形状をとりうる。また、平面F11及びF12のなす角度Θは、前述の数値範囲をとる。この場合、第一の調整機構121は、通過部pの幅方向における間隙を、中央部の間隙G(c)から端部の間隙G(e)にかけて直線状に狭くさせうる。
 第一の面が少なくとも隣り合う二つの平面を含む場合、第一の面は、隣り合う二つの平面に加えて、さらに支持部と平行な平面を含みうる。この場合、例えば、図7に示すように、第一の面F1は、平面F14、F15及びF16を含む形状をとりうる。第一の面F1において、平面F15は、中央部cを含み、中央部cから端部eの間の任意の位置aまで支持ロール101と平行な平面で構成され、位置aから端部eまで直線状に高さが高くなる平面F14及びF16を有する。平面F14及びF15のなす角度Θ1、及び、平面F15及びF16のなす角度Θ2は、前述の数値範囲をとる。この場合、第一の調整機構121は、通過部pにおける間隙を、中央部cを含む位置aまでの間隙G(c)を一定とし、位置aの間隙G(c)から端部eの間隙G(e)にかけて直線状に狭くさせうる。
 また、第一の面の形状が隣り合う二つの平面を含む場合、図示はしないが、第一の面は複数の平面から構成される凹凸を有していてもよい。この場合、各凹凸を構成する、隣り合う二つの平面のなす角は、いずれも135°以上、180°以下をとる。
 さらにまた、図8に示すように、第一の調整機構121は、上述した間隙の連続的な変化を損なわない範囲で、例えば、間隙の端部e及び中央部cの間の任意の位置iにおける間隙G(i)が、中央部cの間隙G(c)よりも広くなるように、間隙を変化させうる。例えば、第一実施形態に係る製造装置において、間隙への造粒粒子の詰まり等の不具合が生じた場合に、対応する部位の間隙をピンポイントで広げて前記不具合の解消を図ることができる。
 図2及び図3に示す第一の調整機構121は、ブレード形状を有する部材121aである。第一の調整機構121は、通過部pの幅方向における間隙Gの連続的な変化を任意に調整しうる調整機構(A)122を有する。図2及び図3においては、調整機構(A)122が押し引きボルトである例を示している。
 調整機構(A)122に用いうる押し引きボルトは、例えば、樹脂フィルムの押出成形装置に用いられるTダイに用いられるものを応用して用いうる。押出成形装置のTダイにおいては、そのリップ隙間を調整する際に、押し引きボルトをリップ部に当接させて、ボルトを締めてリップ部を押し下げたり、ボルトを緩めてリップ部を押し上げたりすることによりリップ隙間の調整しうる。第一実施形態においても、調整機構(A)122である押し引きボルトを、第一の調整機構121の第一の面F1を含む部位(例えば、第一の面F1の裏面)に当接させて、ボルトを締めたり緩めたりすることで、第一の面F1の形状を、上述した図4~図8に示す形状に調整しうる。また、調整機構(A)としては、押し引きボルトの代わりに、Tダイのヒートボルトを用いうる。したがって、調整機構(A)は、押し引きボルト、及び、ヒートボルトからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
 スキージ部120は、非通過部nを備えることにより、基材1上に、造粒粒子Pが堆積されない部分を帯状に形成しうる。これにより、形成された造粒粒子層2から帯状に造粒粒子を除去する部分と比較して、電極製造における造粒粒子のロスを減量しうる。例えば、非通過部は、基材と接触する接触面を有しうる。また、例えば、非通過部は、造粒粒子を遮ることができる程度に基材と間隙を設けて配置しうる。
 図2及び図3に示すように、スキージ部120Aの非通過部nは、幅規制治具としてのストックガイド123を第一の調整機構121の幅方向の両端に配置することで設けうる。また、図示はしないが、スキージ部の非通過部が、第一の調整機構と一体的に設けうる。第一実施形態においては、非通過部nにおいては、ストックガイド123が配置されることが好ましい。ストックガイド123は、板状の部材であり、その厚みを調整することで、非通過部の幅を調整できるからである。ストックガイド123は、通常、スキージ部120Aの第一の調整機構121に対して、固定具を用いて固定しうる。ストックガイド123は、例えば、支持部としての支持ロール101に供給された基材1と接触する接触面を有するように、配置されうる。
 ストックガイド123を構成する材料は、特に限定されない。ストックガイドの材料としては、例えば四フッ化エチレン(PTFE)、アクリルニトリルブダジエンスチレン(ABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、超高分子ポリエチレン、モノマーキャスティングナイロン(UMC)、塩化ビニル(PVC)、ポリアセタール、メタクリル樹脂などの樹脂;アルミニウム、ステンレス鋼などの金属;が挙げられる。ストックガイドの動摩擦係数を小さくできることから、ストックガイド110の材料としては、樹脂が好ましく、PTFEなどのフッ素樹脂がより好ましい。
 ストックガイド123の少なくとも表面は、好ましくは、フッ素樹脂などの摺動性を良好とする材料により形成されている。これにより、ストックガイド123とスキージ部120Aとの間の摩擦力が小さくなる。また、ストックガイド123が基材1と接触しても、基材1の歪みを低減して、基材1の破断を抑制しうる。その結果、電極合材層3を安定的に製造しうる。
 ストックガイド123は、基材1との動摩擦が小さいことが好ましい。具体的には、ストックガイド123の動摩擦係数は、好ましくは、0.50以下、好ましくは0.40以下である。ストックガイド110の動摩擦係数は、理想的には0であり、下限として0.04以上をとりえる。ストックガイド110と基材1との動摩擦係数は、JIS K7125に準拠して測定しうる。
 また、ストックガイド123の動摩擦係数が小さいほど、造粒粒子Pとストックガイド123との密着性も低下しやすくなることから、ストックガイド123へ造粒粒子が付着することによる電極合材層の端部平滑性の低下を抑制しうる。
 また、ストックガイド123は動摩擦係数を低下させるために表面処理がされていてもよい。かかる表面処理としては、例えばフッ素樹脂コーティング処理、潤滑剤の塗布、めっき処理などが挙げられる。
 また、スキージ部の非通過部が第一の調整機構と一体的に設けられている場合、非通過部を構成する部位は、例えば、基材と平行な面と、当該面と隣り合う面であって、通過部側に位置する面との角度が、135°未満の角度をとりうる。
 成形部130は、一対の成形ロール107及び108から構成されている。成形ロール107及び108は、円柱状の部材であり、軸R107及びR108を中心として、基材1及び造粒粒子層2を下流に搬送する方向DR107及びDR108に一定の速度で回転駆動されている。軸R107及び軸R108は、互いに平行となるように配置されている。一対の成形ロール107及び108の間には、隙間が設けられている。造粒粒子層2は、一対の成形ロール107及び108の隙間に案内される。製造装置100では、基材1と造粒粒子層2との積層体が、一対の成形ロール107及び108の隙間に案内される。基材1上に積層された造粒粒子層2は、一対の成形ロール107及び108の隙間を通過する際に、荷重が加わることにより、基材1と密着し、基材1上に所定の厚みを有する電極合材層3が形成される。造粒粒子層2は、通常、一対の成形ロール107及び108の隙間を通過する際に圧延されることにより電極合材層3として成形されることから、成形部130は圧延部とも捉えうる。
 一対の成形ロール107及び108の隙間(各ロールの周面の間の距離)は、所望とする電極合材層の厚み、空隙率などに応じて適宜調整しうる。
 成形ロール107及び108の周面を構成する材料の例としては、ゴム、金属、無機物材料が挙げられる。
 成形ロール108は、その周面を加熱する機構を有していてもよい。これにより、造粒粒子層2を加熱しながら圧延しうる。造粒粒子層2を加熱しながら圧延することにより、造粒粒子Pに含まれる結着材を軟化又は溶融して、造粒粒子Pを互いにより強固に結着しうる。
 製造装置100は、必要に応じて、プレ成形部140を備えうる。プレ成形部140は、成形部130において造粒粒子層2に荷重を加えて電極合材層3を成形する前に、造粒粒子層2を圧縮する部材である。プレ成形部140において造粒粒子層2を圧縮することにより、成形部130にて造粒粒子層2を圧縮する際の造粒粒子層中の空気の排出量を減らすことができる。これにより、生産速度を上げて電極合材層を製造した場合に電極合材層の面状が悪化する不具合を改善することができる。プレ成形部140は、通常、少なくとも造粒粒子層2を圧縮する本体部141を含む。
 プレ成形部140は、スキージ部120と成形部130との間に設けられる。また、プレ成形部の本体部141は、造粒粒子層2を圧縮しうる間隙を設けて配置される。図1においては、成形ロール107の周面と所定の間隙を有するように、プレ成形部140の本体部141が配置されている。図示はしないが、プレ成形部が支持部の上方に配置されている場合は、プレ成形部は、支持部と所定の間隙を有するように配置される。
 プレ成形部140の本体部141は、造粒粒子層2の見かけ密度が、スキージ部120で均された造粒粒子層2の見かけ密度以上、成形部130で形成された電極合材層3の見かけ密度以下となるように、造粒粒子層2を圧縮する。造粒粒子層2をどの程度圧縮するかは、特に制限されず、電極合材層の厚み、空隙率、造粒粒子の材料等に応じて適宜調整しうる。
 プレ成形部の本体部による圧縮前の造粒粒子層の見かけ密度(ad1)に対する、プレ成形部の本体部による圧縮後の造粒粒子層の見かけ密度(ad2)の比率(ad2/ad1)は、好ましくは1.1以上であり、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.3以上、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.7以下である。また、プレ成形部の本体部による圧縮後の造粒粒子層の見かけ密度(ad2)に対する、電極合材層の見かけ密度(ad3)の比率(ad3/ad2)は、好ましくは1.1以上であり、より好ましくは1.2以上、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.8以下である。前記比率(ad2/ad1)及び前記比率(ad3/ad2)が前記範囲にあることにより、成形部130にて造粒粒子層2を圧縮する際の造粒粒子層中の空気の排出量を減らすことができる。これにより、生産速度を上げて電極合材層を製造した場合に電極合材層の面状が悪化する不具合を改善できる。
 造粒粒子層の見かけ密度とは、造粒粒子層が空隙を含む場合は、空隙を含む造粒粒子層の単位体積当たりの重量をいう。また、電極合材層の見かけ密度は、電極合材層が空隙を含む場合は、空隙を含む電極合材層の単位体積当たりの重量をいう。
 ここで、造粒粒子層の見かけ密度は、造粒粒子層の単位体積当たりの重量であることから、造粒粒子層における目付量を造粒粒子層の厚さで除することによって求められる。同様に、電極合材層の見かけ密度は、電極合材層の単位体積当たりの重量であることから、電極合材層における目付量を、電極合材層の厚さで除することによって求められる。
 より具体的に、プレ成形部の本体部による圧縮前の造粒粒子層の見かけ密度(ad1)は、スキージ部通過後における造粒粒子層の目付量を、造粒粒子層の厚さで除することにより求められる。また、プレ成形部による圧縮後の造粒粒子層の見かけ密度(ad2)は、プレ成形部通過後における造粒粒子層の目付量を、造粒粒子層の厚さで除することにより求められる。ここで、造粒粒子層の目付量は、通常、スキージ部で調整され、スキージ部よりも下流では変化しない場合もあることから、電極合材層の目付量と同視しうる場合もある。その場合、造粒粒子層の見かけ密度は、成形部通過後の目付量を、スキージ部通過後、あるいは、プレ成形部通過後の造粒粒子層の厚さで除することにより求められる。スキージ部後、およびプレ成形後の造粒粒子層の厚さは接触式の膜厚計で厚さを測定するとその荷重により厚さが変動してしまうため、非接触式の膜厚計で測定することが望ましい。非接触式の膜厚計としては特に限定するものではないが、例として挙げるならば、レーザー変位計等が挙げられる。造粒粒子層の目付量は、例えば、後述する目付量検査部を用いて検査しうる。
 電極合材層の見かけ密度(ad3)は、成形部通過後の電極合材層の目付量を、電極合材層の厚さで除することで求められる。電極合材層の厚さの測定方法は接触式、非接触式を問わず、いずれも可能であるが、電極合材層の見かけ密度が低く、接触式の膜厚計を用いることで電極合材層の厚みが変動してしまう場合には造粒粒子層の厚さの測定同様非接触式の膜厚計を使用することが好ましい。電極合材層の目付量は、例えば、後述する目付量検査部を用いて検査しうる。
 プレ成形部の本体部としては、造粒粒子層を圧縮しうる形態であれば制限されない。このような本体部の形態としては、例えば、ロールであることが好ましい。ロールトゥロールで連続的に搬送される造粒粒子層に対し良好に荷重を加えうるからである。
 プレ成形部の本体部としては、例えば、その幅方向における端部の間隙が中央部の間隙よりも狭くなるように、連続的に変化させうる第二の調整機構を有する形態でありえる。このような本体部の好ましい例としては、例えば、第二の調整機構を有するロールが挙げられる。プレ成形部の本体部が第二の調整機構を有するロールである場合、例えば、基材の搬送方向と同方向(図1における方向DR141A)に回転することにより、支持ロールに支持された基材の主面上に形成された造粒粒子層を圧縮しうる。
 プレ成形部の本体部が第二の調整機構を有するロールである場合について、図を用いて説明する。図9は、プレ成形部の一例を模式的に示す正面図である。図9に示すプレ成形部140(140A)の本体部141(141A)は、ロール形状の部材である。また、プレ成形部140Aは、通常、本体部141Aの回転軸142を有する。このような本体部141Aは、その幅方向における端部e(pre)の間隙が中央部c(pre)の間隙よりも狭くなるように、連続的に変化させうる第二の調整機構105を有する。具体的には、本体部141Aは第二の調整機構105として、ロールの周面が、本体部141Aの幅方向における端部e(pre)の間隙が相対的に低く、中央部c(pre)の間隙が相対的に高くなるような高低差を備える。プレ成形部140の本体部141Aのロールの周面は、図9に示される形状に限らず、例えば、本体部における幅方向の間隙を観察した際に、図4~図8で説明した形状となるような形状を有する。本体部141Aが第二の調整機構105を有する場合、そのロールの周面は、本体部141Aの幅方向におけるロールの径を変化させることにより調整しうる。
 例えば、図9に示すように、第二の調整機構105を備えるロールである、本体部141Aの形状としては、幅方向における中央部c(pre)から端部e(pre)にかけて周面の高さが弧状に高くなるといった逆クラウンロール形状であることが好ましい。すなわち、第二の調整機構を有する本体部は、逆クラウンロール形状を有するロールであることが好ましい。軸方向における中央部の高さ及び端部の高さは、中央部及び端部における、回転軸からの径の大きさとも捉えうる。このようなプレ成形部の本体部は、通常、固定具により、回転可能に固定される。
 また、プレ成形部の本体部の他の形態としては、例えば、幅方向の間隙を一定としうる形態でありえる。このようなプレ成形部の本体部としては、例えば、円柱状のロールでありえる。
 プレ成形部の本体部の形態としては、前述した各形態の中でも、第二の調整機構を備えるロールであることがより好ましい。プレ成形部140において造粒粒子層2を圧縮することによる造粒粒子層中の両幅方向への造粒粒子の流動を抑制して、造粒粒子層の目付量の均一性をより良好にしうる。
 図1及び図9に示すように、プレ成形部140は、本体部141の両端に設けられ、造粒粒子層2の幅を規制する一対の幅規制治具としてのサブストックガイド106を含むことが好ましい。スキージ部120を通過した後の造粒粒子層は、造粒粒子同士の密着性が十分ではないため、造粒粒子が流動しやすい傾向にある。そのため、プレ成形部で造粒粒子層に圧縮操作を加えた場合に、造粒粒子層の両端部においては、造粒粒子が一部基材上の電極合材層の未形成部の方へ流れてしまうために、造粒粒子層の両端部は荷重がかかり難い。これにより、電極合材層の両端部の基材と電極合材層、および電極合材層中の造粒粒子同士の密着が不十分になり易い。そして、これが起因となって、この電極合材層を有する電極を電池の製造に用いた場合には、電池製造工程での歩留りが低下し易い。また、本発明の効果による電極合材層の幅方向の目付量の均一性を良好な電極合材層とした場合に上記不具合はより顕著になる。これに対し、幅規制治具を有することにより、上記両端部の造粒粒子層中の造粒粒子の一部が基材上の電極合材層の未形成部の方へ流れることを抑止できるので造粒粒子層の両端部にまで荷重をしっかりと加えることができる。これにより、上記密着性の低下を抑制し、これに起因する電池製造工程での歩留りの低下を抑制することができる。また、プレ成形部に上記幅規制治具を備えることに加えて、プレ成形部の本体部に上記第二の調整機構を備えるロールを用いることで上記効果を更に高めることができる。
 幅規制治具としては、造粒粒子層の幅を規制しうる治具であれば制限されないが、サブストックガイドであることが好ましい。サブストックガイドは、上述したスキージ部に用いられるストックガイドと同様の材料を含み、同様の物性を有しうる。図1に示すサブストックガイド106は、基材1と接触する接触面を有する。また、サブストックガイド106の接触面は、基材1を介して、成形ロール107の周面に沿った形状を有する。前記の接触面は、成形ロール107の曲率半径と略同一の曲率半径、好ましくは、成形ロール101の曲率半径の、95%以上110%以下の曲率半径を有する、凹状の曲面である。
 プレ成形部における一対の幅規制治具は、通常、スキージ部よりも下流側に配置されることから、一対の幅規制治具の間の幅は、スキージ部の通過部の幅に合わせて調整される。
 図10は、スキージ部及びプレ成形部を製造装置の上流側の正面から見た位置関係の一例を模式的に示す正面図である。図10においては、スキージ部120を破線を用いて表している。また、プレ成形部140(140B)が、円柱状のロール形状を有する本体部141Bを有する例について示している。図10に示すように、プレ成形部140は、一対の幅規制治具106の間の幅w2が、スキージ部120の通過部pの幅w1よりも広いことが好ましい。より具体的に、一対の幅規制治具106の間の幅w2と、スキージ部120の通過部pの幅w1との差(w2-w1)は、例えば、0.1mm以上であることが好ましく、0.3mm以上であることがより好ましく、0.5mm以上であることがさらに好ましい。また、前記の幅の差(w2-w1)は、例えば、10mm以下であることが好ましく、6mm以下であることがより好ましく、2mm以下であることがさらに好ましい。一対の幅規制治具の間の幅と、スキージ部の通過部の幅とが同等である場合、スキージ部を通過した造粒粒子層が、幅規制治具に削りとられるおそれがある。これに対し、前記の幅の差を前記下限値以上とすることにより、造粒粒子層に幅規制治具が接触することによる削れ、破損等を抑制し、造粒粒子層の幅方向の寸法を安定にしうるからである。一方、前記の幅の差を前記上限値以下とすることにより、造粒粒子層の端部における強度を高める効果を高く発揮しうるからである。一対の幅規制治具106の間の幅w2と、スキージ部120の通過部pの幅w1との差とは、一対の幅規制治具106の間の幅方向の距離と、スキージ部120の通過部pの幅方向の距離との差を指す。また、前記の幅の差(w2-w1)は、両幅方向で均等であることがこのましい。前記の幅の差(w2-w1)は、両幅方向で均等であるとは、幅方向における一方の幅規制治具から通過部までの幅w3の距離と、他方の幅規制治具から通過部までの幅w4の距離とが略均等であることをいう。また、二つの幅の距離が略均等であるとは、二つの幅の距離が厳密に均等な場合だけでなく、一方の幅が他方の幅に対して、±5%以内の距離の誤差を含みうることをいう。
 また、図1に示すように、製造装置100は、必要に応じて、造粒粒子層2及び電極合材層3の少なくともいずれか一方の幅方向の目付量を検査する目付量検査部150を備えうる。目付量検査部150を備えることにより、造粒粒子層2や電極合材層3の幅方向の目付量を検査することができ、仮に、目付量が管理値外の部位を検出した場合、その部位における不具合を早期に発見し、対処しうるからである。
 図11(a)は、目付量検査部の一例を模式的に示す正面図であり、図11(b)は、図1の製造装置における目付量検査部が配置された箇所を模式的に示す上面図(図11(a)のα-α部分の上面図)である。目付量検査部150は、支持体151と、支持体151に配置された発信部152と、支持体151に配置され、発信部152と対向する検出部153とを有する。発信部152は、例えば、X線、β線等の測定用の放射線の線源を有する。目付量検査部においては、例えば、発信部152から基材1及び造粒粒子層2の積層体、または基材及び電極合材層の積層体(図示せず)に対し、測定用の放射線を照射し、検出部153により、前記の積層体を透過した放射線量を検出し、検出量に基づいて目付量を求めうる。
 図1の製造装置100においては、スキージ部120及びプレ成形部140の間に目付量検査部150が配置されている例を示しているが、これに限定されず、図示はしないが、例えば、目付量検査部は、プレ成形部と成形部との間に配置しうる。また、例えば、目付量検査部は成形部の下流に配置しうる。
 図1に示すように、製造装置100は、必要に応じて、造粒粒子層2の外観を検査する外観検査部160を備えうる。外観検査部160を備えることにより、造粒粒子層2における線状欠陥を早期に検出することができ、仮に線状欠陥を検出した場合に、その部位における不具合を早期に発見し、対処しうるからである。外観検査部160としては、例えば、大塚電子株式会社製のラインスキャン膜厚計(インラインタイプ)を用いうる。外観検査部160は、必要に応じて、造粒粒子層の幅方向に複数個配置しうる。
 図1の製造装置100においては、スキージ部120及びプレ成形部140の間に外観検査部160が配置されている例を示しているが、これに限定されず、図示はしないが、例えば、外観検査部は、プレ成形部と成形部との間に配置しうる。
 また、図示はしないが、第一実施形態に係る電極合材層の製造装置は、必要に応じて、上述した外観検査部を成形部の下流に配置し、電極合材層の欠陥検出に用いうる。
 また、製造装置は、必要に応じて、その供給部よりも上流側に配置され、基材上に接着材塗工液を塗工、乾燥する塗工部を備えうる。製造装置が塗工部を備える場合、接着材塗工液を基材上に塗工、乾燥して接着材層を形成し、接着材層上に造粒粒子を供給することができるため、基材上へ造粒粒子を定着させることができる。塗工部としては、例えば、スロットダイヘッド、グラビアヘッド、バーコートヘッド、ナイフコートヘッドなどを備えうる。接着材層は、集電体と電極合材層とを接着する接着材層としても捉えうる。基材を集電体として用いる場合は、接着材層を介して電極合材層を集電体に固定することが好ましいことから、製造装置は塗工部を備えることが望ましい。
 また、製造装置は、成形部よりも下流側に、基材上に電極合材層が形成された電極を巻き取る巻取部を備えうる。巻取部としては、例えば、電極を巻回する巻取装置でありえる。
 また、製造装置は、供給部よりも上流側に、基材を下流側に向かって供給する巻出部を備えうる。巻出部としては、例えば、基材を巻き出す巻出装置でありえる。
〔3.第二実施形態〕
 次に、第二実施形態に係る電極合材層の製造装置について説明する。図12は、第二実施形態に係る電極合材層の製造装置を示す模式図である。
 図12に示すように、第二実施形態に係る電極合材層の製造装置200は、第二の搬送部202、供給部204、成形ロール207、スキージ部220、及び成形ロール208を備える。成形ロール207は、支持部及び第一の搬送部として機能し、成形ロール207及び成形ロール208は、成形部230として機能する。
 製造装置200において、成形ロール207は、軸R207を中心として方向DR207に回転可能に支持されている。支持部としての成形ロール207に、第二の搬送部202が基材を搬送し、成形ロール207は、方向DR207に回転しながら、基材1を下流に搬送する。また、供給部204は、支持部としての成形ロール上に供給された基材1の主面に造粒粒子Pを供給し、供給された造粒粒子Pは、第一の搬送部としての成形ロール207により基材1と共に下流に搬送される。第二の搬送部202及び供給部204については、第一実施形態に係る第二の搬送部102及び供給部104と同様としうる。
 製造装置200において、スキージ部220は、成形ロール207と間隙を有するように設けられる。図12においては、スキージ部220が、通過部に設けられ、調整機構(A)222を有する第一の調整機構221と、非通過部に設けられたストックガイド223とを有する。図12においては、ストックガイド223が、基材1と接触する接触面を有し、接触面が、基材を介して成形ロールの周面に沿った形状を有する例を示している。前記の接触面は、成形ロール207の曲率半径と略同一の曲率半径を有する凹状の曲面を有する。その他の点以外について、スキージ部220の第一の調整機構221、調整機構(A)222、及びストックガイド223については、第一実施形態におけるスキージ部120Aの第一の調整機構121、調整機構(A)122、及びストックガイド123で説明した内容と同様としうる。
 製造装置200において、成形部230は、成形ロール207と成形ロール208とから構成される。成形部230、並びに成形ロール207及び208(軸R207及びR208、方向DR207及びDR208の関係性を含む)については、第一実施形態に係る成形部130、並びに成形ロール107及び108(軸107及びR108、方向DR107及びDR108の関係性を含む)で説明した内容と同様としうる。
 第二実施形態に係る電極合材層の製造装置は、必要に応じて、巻出部、塗工部、プレ成形部、目付量検査部、外観検査部、及び巻取部を備えうる。これらの構成については、第一実施形態において説明した内容と同様としうる。
 第二実施形態によれば、成形ロール207が、支持部、第一の搬送部、及び成形部の一部を兼ねるため、製造装置の構成を簡素化しうる。
〔4.第三実施形態〕
 次に、第三実施形態に係る電極合材層の製造装置について説明する。図13は、第三実施形態に係る電極合材層の製造装置を示す模式図である。
 図13に示すように、第三実施形態に係る電極合材層の製造装置300は、成形ロール307、堰止板310、供給部304、スキージ部320、成形ロール308、及び第三の搬送部303を備える。成形ロール307は、支持部及び第一の搬送部として機能し、成形ロール307及び成形ロール308は、成形部330として機能する。
 製造装置300においては、成形ロール307の上方に配置された供給部304から、成形ロール307の周面上に、直接、造粒粒子Pを供給し、成形ロール307が、軸R307を中心として方向DR307に回転することにより造粒粒子Pを下流へ搬送する。供給部304については、第一実施形態に係る供給部104と同様としうる。また、製造装置300には、造粒粒子Pが成形ロール307の下方(成形ロール307の回転方向DR307とは反対方向)に流れ落ちることを防ぐために、堰止板310が成形ロール307と接触する位置であって、供給部304の下方に配置される。
 また、スキージ部320は、成形ロール307により搬送された造粒粒子Pを、調整機構(A)322を有する第一の調整機構321によって均すことにより、造粒粒子層2を形成する。スキージ部320については、ストックガイド323が、堰止板310及び第一の調整機構321の幅方向の両端に配置されている点、及び成形ロール307に接触し、その周面に沿った形状を有する接触面を有する点以外は、第二実施形態において説明したスキージ部220と同様としうる。
 製造装置300において、成形部330は、成形ロール307と成形ロール308とから構成されている。第三実施形態においては、第三の搬送部303から成形ロール308に対して基材1が供給され、成形ロール307及び成形ロール308の隙間において、造粒粒子層2が圧延されて電極合材層3が成形される際に、基材1の主面上に電極合材層3を転写して密着させることで、電極シートとして、基材1及び電極合材層3の積層体が形成される。成形部330、並びに成形ロール307及び308(軸R307及びR308、方向DR307及びDR308の関係性を含む)については、第一実施形態に係る成形部130、並びに成形ロール107及び108(軸107及びR108、方向DR107及びDR108の関係性を含む)で説明した内容と同様としうる。
 第三実施形態に係る電極合材層の製造装置は、必要に応じて、巻出部、塗工部、プレ成形部、目付量検査部、外観検査部、及び巻取部を備えうる。第三実施形態においては、塗工部は、通常、第三の搬送部と成形部との間に配置しうる。これらの構成については、第一実施形態において説明した内容と同様としうる。
 第三実施形態によれば、成形部において、電極合材層を成形するとともに、基材に対して電極合材層を転写することができるため、電極合材層の製造時における基材への負担を少なくすることができる。
〔5.第四実施形態〕
 次に、第四実施形態に係る電極合材層の製造装置を説明する。
 図14は、第四実施形態に係る電極合材層の製造装置の一例を示す模式図である。
 図14に示すように、第四実施形態に係る製造装置400は、第二の搬送部402と、支持部401と、供給部404と、スキージ部420と、第一の搬送部及び成形部430としての一対の成形ロール430a、430bとを備える。
 支持部401は盤状である。供給部404は、支持部401の上方であって、支持部401に支持される基材1の主面上に造粒粒子Pを供給する。すなわち、造粒粒子Pが供給される面は、基材1の主面である。第一の搬送部としての成形ロール430a、430bは互いに逆方向に回転することにより、基材及び基材1の主面上に供給された造粒粒子Pを搬送する。スキージ部420は、支持部401の上方に間隙を設けて配置され、調整機構(A)422を有する第一の調整機構421によって造粒粒子Pを均すことにより、造粒粒子層2を形成する。供給部404、及び成形部430における一対の成形ロール430a、430bについて、上記の点以外は、第一実施形態に係る供給部104、及び成形部130における一対の成形ロール107及び108と同様としうる。また、第四実施形態に係るスキージ部420及びその各構成については、ストックガイド423が基材1に対し、造粒粒子Pを通過させない程度の間隙を設けて配置されていること以外は、第一実施形態に係るスキージ部120A及びその各構成と同様としうる。
 第四実施形態に係る電極合材層の製造装置は、必要に応じて、巻出部、塗工部、プレ成形部、目付量検査部、外観検査部、及び巻取部を備えうる。これらの構成については、第一実施形態において説明した内容と同様としうる。
〔6.電極合材層の製造方法〕
 本発明の一実施形態に係る電極合材層の製造方法は、前記の電極合材層の製造装置を用いた製造方法であって、以下の工程(1)及び(2)をこの順に含む。
 (1)供給部から支持部の上又は上方に供給された造粒粒子を、搬送部により搬送し、スキージ部を用いて搬送された造粒粒子を均すことにより、造粒粒子層を形成する工程。
 (2)成形部を用いて造粒粒子層に荷重を加えることにより、電極合材層を形成する工程。
 本発明によれば、前記の製造装置を用いて前記工程(1)及び(2)を行うことにより、電極合材層の製造時おいて、電極合材層の幅方向の端部における、造粒粒子の過剰な目付を抑制し、造粒粒子の目付量の均一性が良好な電極合材層を製造することができる。
 本発明の一実施形態の製造方法において、例えば、製造装置が、目付量検査部を備える場合、好ましくは、前記の工程(1)及び(2)に加えて、下記の工程(3)を含む。
 (3)目付量検査部を用いて、造粒粒子層及び電極合材層の少なくともいずれか一方の幅方向の目付量を検査し、幅方向の目付量が管理値外にある部位を検出した場合に、当該部位に対応するスキージ部の幅方向における間隙を調整する工程。
 工程(3)を含むことにより、製造工程において、幅方向の目付量が多すぎる、または少なすぎるといった管理値外の部位に対して、スキージ部の幅方向における間隙を調整することで、不具合を解消したり、廃棄が必要な管理値外の部位を最小限にとどめたりすることができる。
 目付量が管理値外の部位に対応する、スキージ部の幅方向における間隙の調整方法としては、例えば、支持部に対するスキージ部全体の相対的な位置を変化さることで、当該部位を含む幅方向における間隙全体の幅を調整する方法が挙げられる。また、スキージ部として、調整機構(A)を有する第一の調整機構を備えるスキージ部を用いる場合、当該部位、または当該部位およびその周辺の間隙の幅をピンポイントで調整しうる。
 また、本発明の一実施形態の製造方法において、例えば、製造装置が、外観検査部を備える場合、好ましくは、前記の工程(1)及び(2)の間に、下記の工程(4)を含む。
 (4)外観検査部を用いて造粒粒子層の外観を検査し、造粒粒子層に線状欠陥が生じた部位を検出した場合に、当該部位に対応するスキージ部の幅方向における間隙を一時的に広げて、線状欠陥を解消する工程。
 造粒粒子層の線状欠陥の要因の一つとして、線状欠陥が生じた部位に該当するスキージ部への造粒粒子の付着や、当該部位に該当する間隙に造粒粒子が詰まる(引っ掛かる)ことが挙げられる。本発明の一実施形態によれば、工程(4)を含むことにより、造粒粒子層に線状欠陥が生じた部位に対応する、スキージ部の幅方向における間隙を一時的に広げることで、造粒粒子の付着、詰まり等の不具合による線状欠陥を解消することができる。また、工程(4)を含むことにより、線状欠陥の発生部位を早期に発見、解消することができるため、電極合材層の欠陥を少なくすることができる。
〔7.変形例〕
 上述した説明においては、支持部、供給部、搬送部、スキージ部及び成形部を備える電極合材層の製造装置について説明したが、本発明においては、変形例の電極合材層の製造装置として、以下の構成を含む製造装置を提供しうる。
 支持部と、活物質及びバインダを含む造粒粒子を、前記支持部の上又は上方に供給する供給部と、前記支持部の上又は上方に供給された前記造粒粒子を搬送する搬送部と、前記支持部と間隙を有するように設けられ、前記造粒粒子を通過させる通過部、及び、前記通過部の両端に設けられ、前記造粒粒子の通過を遮る非通過部を含み、搬送された前記造粒粒子を均して造粒粒子層を形成するスキージ部と、前記造粒粒子層に荷重を加えることにより電極合材層を形成する成形部と、前記スキージ部と前記成形部との間に設けられたプレ成形部を備え、前記プレ成形部は、前記造粒粒子層の見かけ密度が、前記スキージ部で均された前記造粒粒子層の見かけ密度以上、前記成形部で形成された前記電極合材層の見かけ密度以下となるように、前記造粒粒子層を圧縮する本体部と、前記本体部の両端に設けられ、前記造粒粒子層の幅を規制する一対の幅規制治具とを含み、前記プレ成形部の本体部は、前記造粒粒子層を圧縮しうる間隙を設けて配置される、電極合材層の製造装置。
 従来の電極合材層の製造装置においては、スキージ部により目付された造粒粒子層に含まれる空気により、成形部にて造粒粒子層を圧延するに際して、造粒粒子が前記空気により流動したり吹き飛ばされたりして、良好な面状が得られない場合がある。特に生産速度を上げて電極合材層を製造した場合に、前記の現象が生じやすい傾向にある。さらに、造粒粒子が流動しやすいことにより、特に、造粒粒子層の端部において造粒粒子が流れてしまう場合があった。
 これに対し、変形例によれば、前記のプレ成形部を有することにより、成形部にて造粒粒子層を圧縮する際の空気の排出量を減らすことができるため、生産速度を上げて電極合材層を製造した場合に、電極合材層の面状が悪化する不具合を改善することができる。また、前記プレ成形部が一対の幅規制治具を有することにより、造粒粒子層の両端部における造粒粒子の流動を抑制しうる。その結果、プレ成形部の本体部を用いて、造粒粒子層の両端部を含む全体に良好に荷重を加えることができるため、その後の成形部にて造粒粒子層を圧縮する場合においても両端部を含む全体に良好に荷重を加えることが可能になり、基材及び造粒粒子層の密着性を良好にしうる。そのため、電池製造の歩留まりを良好にしうる。
 変形例の製造装置は、支持部、供給部、搬送部、スキージ部、プレ成形部及び成形部を少なくとも備える。さらに任意の構成として、目付量検査部及び外観検査部を備えうる。このような製造装置の一例としては、図1に示される製造装置100において、スキージ部の形態が、スキージ部120に限定されない製造装置が挙げられるがこれに限定されない。
 変形例におけるプレ成形部の本体部の形態、及び一対の幅規制治具に関しては、前述の第一実施形態の製造装置において説明した内容と同様としうる。
 変形例においては、スキージ部の形態としては特に限定されないが、好ましい例としては、第一実施形態におけるスキージ部の形態が挙げられる。また、スキージ部以外の製造装置の各構成については、第一実施形態~第四実施形態に係る製造装置の各構成として説明した内容と同様としうる。
 また、本発明においては、上述した変形例の製造装置を用いた電極合材層の製造方法として、以下の工程(5)~(7)をこの順に含む、製造方法を提供しうる。
 (5)供給部から支持部の上又は上方に供給された造粒粒子を、搬送部により搬送し、スキージ部を用いて搬送された造粒粒子を均すことにより、造粒粒子層を形成する工程。
 (6)プレ成形部を用いて造粒粒子層を圧縮する工程。
 (7)成形部を用いて造粒粒子層に荷重を加えることにより、電極合材層を形成する工程。
 変形例の製造装置用いて、工程(5)~(7)を行うことにより、電極合材層の面状が良好であり、基材及び造粒粒子層の密着性が良好な電極合材層を製造することができる。
 1:基材
 2:造粒粒子層
 3:電極合材層
 P:造粒粒子
 100、100A、100B:製造装置
 101:支持ロール(支持部及び第一の搬送部)
 102:第二の搬送部
 104:供給部
 105:第二の調整機構
 106:サブストックガイド
 107及び108:成形ロール
 120、120A:スキージ部
 121、124:第一の調整機構
 122:調整機構(A)
 123:ストックガイド
 p:通過部
 n:非通過部
 c:中央部
 e:端部
 G:間隙
 130:成形部
 140:プレ成形部
 141、141A、141B:本体部
 150:目付量検査部
 160:外観検査部

Claims (14)

  1.  支持部と、
     活物質及びバインダを含む造粒粒子を、前記支持部の上又は上方に供給する供給部と、
     前記支持部の上又は上方に供給された前記造粒粒子を搬送する搬送部と、
     前記支持部と間隙を有するように設けられ、前記造粒粒子を通過させる通過部、及び、前記通過部の両端に設けられ、前記造粒粒子の通過を遮る非通過部を含み、搬送された前記造粒粒子を均して造粒粒子層を形成するスキージ部と、
     前記造粒粒子層に荷重を加えることにより電極合材層を形成する成形部と、を備え、
     前記スキージ部は、前記通過部の幅方向における端部の間隙が中央部の間隙よりも狭くなるように、前記幅方向における前記間隙を連続的に変化させうる第一の調整機構を有する、電極合材層の製造装置。
  2.  前記スキージ部と前記成形部との間に設けられたプレ成形部を備え、
     前記プレ成形部は、前記造粒粒子層の見かけ密度が、前記スキージ部で均された前記造粒粒子層の見かけ密度以上、前記成形部で形成された前記電極合材層の見かけ密度以下となるように、前記造粒粒子層を圧縮する本体部を含み、
     前記プレ成形部の前記本体部は、前記造粒粒子層を圧縮しうる間隙を設けて配置され、
     前記プレ成形部は、前記本体部の両端に設けられ、前記造粒粒子層の幅を規制する一対の幅規制治具を有する、請求項1に記載の電極合材層の製造装置。
  3.  前記一対の幅規制治具の間の幅は、前記スキージ部の前記通過部の幅よりも広い、請求項2に記載の電極合材層の製造装置。
  4.  前記スキージ部と前記成形部との間に設けられたプレ成形部を備え、
     前記プレ成形部は、前記造粒粒子層の見かけ密度が、前記スキージ部で均された前記造粒粒子層の見かけ密度以上、前記成形部で形成された前記電極合材層の見かけ密度以下となるように、前記造粒粒子層を圧縮する本体部を含み、
     前記プレ成形部の前記本体部は、前記造粒粒子層を圧縮しうる間隙を設けて配置され、
     前記プレ成形部の前記本体部は、前記プレ成形部の幅方向における端部の間隙が中央部の間隙よりも狭くなるように、前記幅方向における前記間隙を連続的に変化させうる第二の調整機構を有する、請求項1に記載の電極合材層の製造装置。
  5.  前記スキージ部と前記成形部との間に設けられたプレ成形部を備え、
     前記プレ成形部は、前記造粒粒子層の見かけ密度が、前記スキージ部で均された前記造粒粒子層の見かけ密度以上、前記成形部で形成された前記電極合材層の見かけ密度以下となるように、前記造粒粒子層を圧縮する本体部を含み、
     前記プレ成形部の前記本体部は、前記造粒粒子層を圧縮しうる間隙を設けて配置され、前記プレ成形部の前記本体部は、前記プレ成形部の幅方向における端部の間隙が中央部の間隙よりも狭くなるように、前記幅方向における前記間隙を連続的に変化させうる第二の調整機構を有し、
     さらに、前記プレ成形部は、前記本体部の両端に設けられ、前記造粒粒子層の幅を規制する一対の幅規制治具を有する、請求項1に記載の電極合材層の製造装置。
  6.  前記一対の幅規制治具の間の幅は、前記スキージ部の前記通過部の幅よりも広い、請求項5に記載の電極合材層の製造装置。
  7.  前記第二の調整機構を有する本体部が、逆クラウンロール形状を有するロールである、請求項4~6のいずれか1項に記載の電極合材層の製造装置。
  8.  前記第一の調整機構が、ブレード形状を有し、前記通過部の幅方向における前記間隙の連続的な変化を任意に調整しうる調整機構(A)を有する、請求項1に記載の電極合材層の製造装置。
  9.  前記調整機構(A)が、押し引きボルト、及び、ヒートボルトからなる群から選択される1種以上である、請求項8に記載の電極合材層の製造装置。
  10.  前記造粒粒子層及び前記電極合材層の少なくともいずれか一方の幅方向の目付量を検査する目付量検査部を備える、請求項1に記載の電極合材層の製造装置。
  11.  前記造粒粒子層の外観を検査する外観検査部を備える、請求項1に記載の電極合材層の製造装置。
  12.  請求項1に記載の電極合材層の製造装置を用いた電極合材層の製造方法であって、
     前記供給部から前記支持部の上又は上方に供給された前記造粒粒子を、前記搬送部により搬送し、前記スキージ部を用いて搬送された前記造粒粒子を均すことにより、前記造粒粒子層を形成する工程と、
     前記成形部を用いて前記造粒粒子層に荷重を加えることにより、前記電極合材層を形成する工程と、を含む電極合材層の製造方法。
  13.  請求項10に記載の電極合材層の製造装置を用いた電極合材層の製造方法であって、
     前記供給部から前記支持部の上又は上方に供給された前記造粒粒子を、前記搬送部により搬送し、前記スキージ部を用いて搬送された前記造粒粒子を均すことにより、前記造粒粒子層を形成する工程と、
     前記成形部を用いて前記造粒粒子層に荷重を加えることにより、前記電極合材層を形成する工程と、
     前記目付量検査部を用いて、前記造粒粒子層及び前記電極合材層の少なくともいずれか一方の幅方向の目付量を検査し、前記幅方向の目付量が管理値外にある部位を検出した場合に、当該部位に対応する前記スキージ部の幅方向における前記間隙を調整する工程と、を含む電極合材層の製造方法。
  14.  請求項11に記載の電極合材層の製造装置を用いた電極合材層の製造方法であって、
     前記供給部から前記支持部の上又は上方に供給された前記造粒粒子を、前記搬送部により搬送し、前記スキージ部を用いて搬送された前記造粒粒子を均すことにより、前記造粒粒子層を形成する工程と、
     前記外観検査部を用いて前記造粒粒子層の外観を検査し、前記造粒粒子層に線状欠陥が生じた部位を検出した場合に、当該部位に対応する前記スキージ部の幅方向における前記間隙を一時的に広げて、前記線状欠陥を解消する工程と、
     前記成形部を用いて前記造粒粒子層に荷重を加えることにより、前記電極合材層を形成する工程と、を含む電極合材層の製造方法。
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