WO2024009770A1

WO2024009770A1 - ワーク仮接着装置

Info

Publication number: WO2024009770A1
Application number: PCT/JP2023/022901
Authority: WO
Inventors: 隆之藤村; 仙伊勢; 弘喜高木; 公登森下
Original assignee: 日本メクトロン株式会社
Priority date: 2022-07-04
Filing date: 2023-06-21
Publication date: 2024-01-11
Also published as: JP2024006757A

Abstract

フレキシブルプリント回路基板の製造工程で、ベースシート部材にカバーシート部材を仮接着処理する際、ベースシート部材とカバーシート部材との位置決めを容易に、かつ、確実に行えるようにする。　ストリッパープレート２５にベースシート部材４を載置させ、カバーシート部材３とベースシート部材４とを下降させる際、ベースシート部材４の四隅の位置決め孔２４に長尺ピン２３ａを挿入させる。カバーシート部材３をベースシート部材４に被せる際に、長尺ピン２３ａをカバーシート部材３の四隅の位置決め孔２４に挿入させる。シート部材３、４をさらに下降させ、短尺ピン２３ｂをシート部材３、４の夫々の位置決め孔２４に挿入させる。押圧プレート２ｃでカバーシート部材３をベースシート部材４に押し付け、これらを仮接着させる。押圧プレート２ｃの突起部２ｄによりこれらは点接着される。

Description

ワーク仮接着装置

　本開示の一態様は、ワーク仮接着装置に関する。

　フレキシブルなベースシート部材による主ワークに、フレキシブルなカバーシート部材による副ワークを積層して製作される積層体として、例えば、フレキシブルプリント回路基板がある。このようなフレキシブルプリント回路基板は、回路パターンが形成されているベースフィルムにカバーフィルムが積層されて製作される。
　フレキシブルプリント回路基板の製作は、圧着積層工程のみの一工程による場合と、仮接着工程及び圧着積層工程の二工程による場合がある。圧着積層工程は、ベースフィルムにカバーフィルムを圧着して積層する工程である。仮接着工程は、圧着積層工程の前工程として、ベースフィルムにカバーフィルムを仮接着する仮接着工程である（特許文献１、特許文献２参照）。

　また、特許文献３には、挿入テーブルの左右両側において、位置決めピンを上下方向に出没させ、位置決めピンを挿入テーブルに載置されるプリント基板の基準孔に嵌合及び離脱可能としたプリント基板の加工機が開示されている。

　また、特許文献４には、ベースフィルムにカバーフィルムを仮接着させる作動を、圧縮空気によりダイヤフラムを膨出させて行う、ワーク貼合装置が開示されている。

特許第４０９７６７９号公報特許第４８９２５５１号公報特開２００７－２８８００５号公報特開２０２１－１７０３０号公報

　主ワークと副ワークとの位置決めに位置決めピンと基準孔とが利用される場合には、特許文献３に開示されているように、位置決めピンが上昇して基準孔に挿入されることによって、主ワークと副ワークとが位置決めされ、主ワークと副ワークとの位置関係が一定に保たれる。また、この位置決めピンは主ワークと副ワークとを仮接着する際に、ワークが撓むことを抑制している。
　ところで、主ワーク及び副ワークの寸法が大きくなると、ワークの撓みを十分に抑制するために、多数の位置決めピンを要する。このため、ワークの位置決め孔に位置決めピンを挿入する作業が繁雑となって、仮接着工程に時間を要することになる可能性がある。

　また、仮接着装置において主ワークと副ワークとを接着する際に、エアシリンダが用いられる場合には、ワークの全域に亘って一定の圧力分布を確保することが困難であり、均一な仮接着を行えない可能性が生じる。また、次工程の圧着積層工程において、主ワークと副ワークとの間の気泡を抜くために、加圧時間を長くしなければならない可能性が生じる。

　そこで、本開示における１つの目的は、主ワークと副ワークとを仮接着する仮接着工程における、主ワークと副ワークの位置決め作業を簡便に行うことができ、また、圧力分布の均一化を図り、次工程の圧着積層工程での気泡除去を容易にし、作業時間を短縮することができる、ワーク仮接着装置を提供することである。

　上述の課題を解決するための手段として、本開示に係るワーク仮接着装置は、シート状のフィルムからなる主ワークにシート状のフィルムからなる副ワークを仮接着するワーク仮接着装置であって、前記主ワーク及び前記副ワークは、前記主ワークと前記副ワークの位置を合致させるための複数の位置決め孔をそれぞれ有しており、前記ワーク仮接着装置は、位置決め基板と、押圧装置と、ストリッパープレートと、を備え、前記位置決め基板は、第１の位置決めピンと、前記第１の位置決めピンよりも短い第２の位置決めピンを有し、前記押圧装置は、前記位置決め基板の上方に設けられており、前記副ワークを前記主ワークに押圧する押圧プレートを有し、前記ストリッパープレートは、前記位置決め孔に合致する位置に逃げ孔を有し、前記主ワークと前記副ワークとを載置し、前記押圧装置と前記位置決め基板との間を昇降自在に構成されており、前記ストリッパープレートを下降させることにより、前記逃げ孔を介して、前記第１の位置決めピンが、前記第１の位置決めピンに対応する前記位置決め孔に挿入され、前記ストリッパープレートをさらに下降させることにより、前記逃げ孔を介して、前記第２の位置決めピンが、前記第２の位置決めピンに対応する前記位置決め孔に挿入されるように構成されている。

　なお、本開示における「適宜数」と「適宜位置」とは、主ワークと副ワークとが好適に位置決めされる「数」と「位置」である。”適宜数”と”適宜位置”は、ワークの大きさ及び形状等によって適宜設定される。

　また、上述のワーク仮接着装置であって、前記第１の位置決めピン及び前記第２の位置決めピンのそれぞれの先端部はテーパ形状を有し、前記押圧装置は、カバー体を有し、前記押圧プレートは、前記カバー体の下面に配されており、前記カバー体と前記押圧プレートの間には、作動空気が供給可能となっており、前記カバー体に配された前記押圧プレートを前記副ワークに被せて、前記副ワークを押し下げることにより、前記第１の位置決めピン及び前記第２の位置決めピンが、前記位置決め孔にそれぞれ挿入され、
　前記押圧プレートで前記副ワークを前記主ワークに押圧する際に、前記作動空気を供給して、前記主ワークと前記副ワークとを仮接着することが好ましい。

　また、上述のワーク仮接着装置であって、前記押圧装置は、前記押圧プレートの下面に複数の突起部を有し、前記押圧プレートで前記副ワークを前記主ワークに押圧する際に、前記突起部が前記副ワークを前記主ワークに押し付けることが好ましい。

　主ワークと副ワークとの位置決めを、長尺ピンが位置決め孔に挿入され、次いで短尺ピンが位置決め孔に挿入されるようにしたため、主ワークと副ワークとの位置決めを確実に行うことができ、主ワークと副ワークの位置関係を一定に保つことができる。このため、主ワークと副ワークとの仮接着を所定の位置関係で行って、後続する工程に給送することができる。
　したがって、後続する圧着工程において、主ワークと副ワークとの圧着を、所定の位置関係で確実に行うことができる。

　図１は、本開示の実施形態に係るワーク仮接着装置の概略構造を説明するための正面図である。
　図２は、押圧受け架台の仮接着領域を開閉するカバー体の揺動を説明する図である。
　図３は、本開示の実施形態に係るワーク仮接着装置の、仮接着領域における機構の構造を説明する正面図である。
　図４（Ａ）～図４（Ｄ）は、本開示の実施形態に係るワーク仮接着装置の、押圧装置の押圧プレートに形成された突起部を説明する図である。図４（Ａ）は突起部の配置の一例を示す図であり、図４（Ｂ）～図４（Ｄ）は突起部の形状を例示する図である。
　図５は、本開示の他の実施形態に係るワーク仮接着装置の、押圧装置と押圧プレートを示す正面図であり、一部を切断して示している。
　図６は、本開示の他の実施形態に係るワーク仮接着装置の、押圧装置と押圧プレートを示す正面図であり、一部を切断して示している。
　図７（Ａ）～図７（Ｆ）は、本開示の実施形態に係るワーク仮接着装置の、押圧装置の動作を説明する図である。図７（Ａ）は副ワークが主ワークに重ねられた状態の平面図であり、図７（Ｂ）～（Ｆ）は副ワークが主ワークに仮接着される動作を説明する正面図である。
　図８（Ａ）～図８（Ｄ）は、位置決めピンをカバーシート部材とベースシート部材とのそれぞれの位置決め孔に挿入して位置決めを行う状態を示す図である。図８（Ａ）は、ストリッパープレートが位置決めピンの上方に位置している状態を示す。図８（Ｂ）は、ストリッパープレートの下降に伴われてベースシート部材が下降した状態を示す。図８（Ｃ）は、カバーシート部材が位置決めピンの先端部に係合した状態で、押圧プレートをカバーシート部材に被せる状態を示す。図８（Ｄ）は、押圧プレートを押し下げてカバーシート部材をベースシート部材に接着する状態を示す。
　図９（Ａ）～図９（Ｄ）は、位置決めピンをカバーシート部材とベースシート部材とのそれぞれの位置決め孔に挿入して位置決めを行う状態を示す図である。図９（Ａ）は、ストリッパープレートが位置決めピンの上方に位置している状態を示す。図９（Ｂ）は、ストリッパープレートのみが下降した状態を示す。図９（Ｃ）は、カバーシート部材とベースシート部材とが位置決めピンの先端部に係合した状態で、押圧プレートをカバーシート部材とベースシート部材とに被せる状態を示す。図９（Ｄ）は、押圧プレートを押し下げてカバーシート部材とベースシート部材４とをベースシート部材に接着する状態を示す。
　図１０は、押圧受け架台に配されたピンベースを説明する図である。
　図１１は、ピンベースと位置決めピンとの関係を示す図である。

　以下、本開示に係るワーク仮接着装置の実施形態を、図面を参照して説明する。

　図１は、本開示に係るワーク仮接着装置として、ベースシート部材とカバーシート部材とを仮接着する、ワーク仮接着装置（カバーフィルム仮接着装置１）の概略構造を示す正面図であり、フレーム１ａの上面に押圧装置２が設けられている。また、フレーム１ａの一方の側方には、カバーシートロール３ａが配されている。カバーシートロール３ａは、副ワークとしてのフィルム状のカバーシート部材３が巻き取られて形成された副ワークロールである。カバーシートロール３ａは、回転自在な副ワークロール軸である、カバーシートロール軸３ｂに巻き取られて配されている。

　フレーム１ａの内部であって、カバーシートロール軸３ｂの側に、ベースシートロール４ａが配されている。ベースシートロール４ａは、主ワークであるベースシート部材４が巻き取られて形成された主ワークロールである。ベースシートロール４ａは、図示しない駆動機構によって回転自在に支持された主ワークロール軸である、ベースシートロール軸４ｂに巻き取られて配されている。フレーム１ａの内部であって、カバーシートロール軸３ｂとは反対側には、仮接着シートロール５ａが配されている。仮接着シートロール５ａは、カバーシート部材３とベースシート部材４とが仮接着された接着済みワークである仮接着シート５が巻き取られて形成されたロールである。仮接着シートロール５ａは、回転自在な接着済みワークロール軸である仮接着シートロール軸５ｂに巻き取られて配されている。

　そして、カバーシート部材３とベースシート部材４とは、カバーシートロール３ａとベースシートロール４ａとからそれぞれ引き出されて押圧装置２に給送され、押圧装置２において仮接着処理がなされて仮接着シート５とされる。この仮接着シート５が仮接着シートロール軸５ｂに巻き取られて、仮接着シートロール５ａが形成される。したがって、カバーシート部材３とベースシート部材４とは、図１において、矢標Ｐで示す方向に給送される。

　上述のカバーシートロール３ａを形成するカバーシート部材３の一面側には、塗布された接着剤からなる接着性を備えた接着面が形成されている。カバーシート部材３が巻き取られてカバーシートロール３ａが形成された状態では、カバーシート部材３の一面側の接着面には、剥離紙３ｃが貼付されている。また、カバーシートロール３ａは、剥離紙３ｃの部分を残すように、いわゆるハーフカットされて、押圧装置２においてベースシートロール４ａに仮接着される長さに予めその一部が切断されている。カバーシートロール軸３ｂの下方には、カバーシート部材３から分離された剥離紙３ｃを巻き取るための剥離紙巻取軸３ｄが回転自在に支持されており、剥離紙巻取軸３ｄによって剥離紙３ｃが巻き取られて、剥離紙ロール３ｅが形成される。カバーシートロール３ａから引き出されたカバーシート部材３は、供給ローラとしてのカバーシート供給ローラ３ｆに案内されて、押圧装置２に供給される。また、カバーシート部材３がカバーシート供給ローラ３ｆを通過した後に剥離紙３ｃが分離され、剥離紙３ｃは剥離紙巻取軸３ｄに巻き取られて剥離紙ロール３ｅが形成される。

　上述のベースシート部材４は、ベースシートロール軸４ｂの回転によってベースシートロール４ａから送り出されて、第１ベースシート案内ローラ４ｃにより下方に案内される。この第１ベースシート案内ローラ４ｃの斜め下方には、第２ベースシート案内ローラ４ｄが、回転自在で、上下方向に移動自在に案内されて設けられている。この第２ベースシート案内ローラ４ｄの昇降は、待機位置４ｄ１と引き出し位置４ｄ２との間で行われる。送り出されたベースシート部材４は、第２ベースシート案内ローラ４ｄの自重により、引き出し位置４ｄ２まで下降する。第２ベースシート案内ローラ４ｄに案内されたベースシート部材４は、上方に向かって給送され、供給ローラ４ｆに案内されて、押圧装置２に供給される。

　カバーシート供給ローラ３ｆに案内されて剥離紙３ｃが分離されたカバーシート部材３は、供給ローラ４ｆの下流側の仮接着領域２１においてベースシート部材４の上面に載置されて、ベースシート部材４に重ねられて押圧装置２に供せられる。押圧装置２に供されたカバーシート部材３とベースシート部材４とは、後述するように、押圧装置２で仮接着されて仮接着シート５となって、押圧装置２から排出される。

　押圧装置２の下流側には、排出された仮接着シート５を下方に案内するガイドローラ５ｃが設けられている。このガイドローラ５ｃの下方には、主ワーク供給機構を構成する引き出しローラ５ｄが、回転自在で、かつ、図示しない駆動機構によって上下方向に移動自在に案内されて設けられている。この引き出しローラ５ｄは、上昇した際には待機位置５ｄ１に位置し、下降した際には引き出し位置５ｄ２に位置する。

　ガイドローラ５ｃにより下方に向かって案内されて引き出しローラ５ｄに至った仮接着シート５は、この引き出しローラ５ｄによって上方に案内されて、ワーク保持用第１ローラとしての仮接着シート保持用第１ローラ５ｆに至る。仮接着シート５は、この仮接着シート保持用第１ローラ５ｆでほぼ水平方向に案内され、ワーク保持用第２ローラである仮接着シート保持用第２ローラ５ｇに供される。仮接着シート５は、この仮接着シート保持用第２ローラ５ｇにより仮接着シートロール５ａの方向に案内されて、仮接着シートロール軸５ｂに巻き取られる。

　また、仮接着シート保持用第１ローラ５ｆと仮接着シート保持用第２ローラ５ｇとの間の位置にはクランプ機構５ｅが設けられている。このクランプ機構５ｅの作動時には、クランプ機構５ｅは、仮接着シート保持用第１ローラ５ｆと仮接着シート保持用第２ローラ５ｇとの間にある仮接着シート５を保持して該仮接着シート５を拘束し、仮接着シート５の移動を抑制する。
　すなわち、ガイドローラ５ｃ、引き出しローラ５ｄ、仮接着シート保持用第１ローラ５ｆ、仮接着シート保持用第２ローラ５ｇ、クランプ機構５ｅにより、主ワーク供給機構が構成されている。

　上述したカバーフィルム仮接着装置１におけるカバーシート部材３、ベースシート部材４、仮接着シート５の動作について、以下に説明する。なお、押圧装置２の作用については後述する。

　押圧装置２に供給されたカバーシート部材３とベースシート部材４とは、押圧装置２によって拘束され、仮接着されて仮接着シート５が形成される。なお、後述するように、仮接着シート５の仮接着が完了するまでに、引き出しローラ５ｄは、図示しない駆動機構により仮接着シート保持用第１ローラ５ｆの近傍まで上昇して、待機位置５ｄ１に位置している。また、第２ベースシート案内ローラ４ｄは、自重により下降して引き出し位置４ｄ２に位置している。押圧装置２により拘束された状態で、ベースシート部材４の、供給ローラ４ｆからベースシートロール４ａとの間の部分には、引き出し位置４ｄ２にある第２ベースシート案内ローラ４ｄにより、張力が付与されている。

　仮接着が完了したならば、押圧装置２による仮接着シート５の拘束が解除され、待機位置５ｄ１に位置している引き出しローラ５ｄが図示しない駆動機構により下降する。この下降の際には、クランプ機構５ｅが作動して、仮接着シート５が仮接着シートロール軸５ｂから引き出される方向へ移動することが抑制されている。このため、引き出しローラ５ｄの下降により、仮接着された仮接着シート５が押圧装置２から引き出される。また、押圧装置２から仮接着シート５が引き出されることにより、供給ローラ４ｆと引き出し位置４ｄ２に位置している第２ベースシート案内ローラ４ｄを経由してベースシートロール４ａに至る間のベースシート部材４が押圧装置２に引き込まれて、押圧装置２に供給される。このとき、引き出し位置４ｄ２に位置している第２ベースシート案内ローラ４ｄが、待機位置４ｄ１まで引き上げられる。

　仮接着シート５が排出されて次に仮接着されるベースシート部材４の部分が押圧装置２に供給されたならば、作業員がカバーシート部材３をカバーシートロール３ａから引き出し、カバーシート部材３をベースシート部材４に被せる。なお、作業員がカバーシート部材３を引き出す際には、カバーシート部材３が予めハーフカットされているため、カバーシート部材３のハーフカットされている切断部までが引き出される。また、カバーシート供給ローラ３ｆを通過したカバーシート部材３から剥離紙３ｃが分離されて、剥離紙巻取軸３ｄの回転によって剥離紙３ｃは剥離紙ロール３ｅに巻き取られて、回収される。

　カバーシート部材３がベースシート部材４に被せられた状態で、押圧装置２を作動させると、これらカバーシート部材３とベースシート部材４とが仮接着される。このとき、カバーシート部材３とベースシート部材４とは押圧装置２に拘束されているので、仮接着処理が行われている間に仮接着シートロール軸５ｂを回転させて、仮接着シート５を巻き取る。なお、このときにはクランプ機構５ｅは解放されており、仮接着シート５の拘束が解除されている。また、仮接着シート５を巻き取る際には、引き出し位置５ｄ２にある引き出しローラ５ｄを図示しない駆動機構によって待機位置５ｄ１まで上昇させることによって、仮接着シート５の円滑な巻き取り動作を助力する。それと共に、押圧装置２から仮接着シート５を引き出す工程のために、引き出しローラ５ｄは、待機位置５ｄ１で待機する。仮接着シートロール軸５ｂの回転によって、先に押圧装置２から引き出されて、ガイドローラ５ｃから仮接着シート保持用第２ローラ５ｇに至る間に存している部分の仮接着シート５が巻き取られるため、仮接着シートロール５ａの径は徐々に大きくなる。

　一方、上述したように、押圧装置２による仮接着処理が行われている間に、ベースシートロール軸４ｂの回転によって送り出されたベースシート部材４は、待機位置４ｄ１に引き上げられていた第２ベースシート案内ローラ４ｄの、自重による引き出し位置４ｄ２までの下降によって、張力が付与された状態で吊下される。この引き出し位置４ｄ２に位置した第２ベースシート案内ローラ４ｄによってベースシート部材４は、張力が付与された状態となる。押圧装置２までベースシート部材４を引き出す工程のために、第２ベースシート案内ローラ４ｄは引き出し位置４ｄ２で待機する。

　次に、本開示に係るカバーフィルム仮接着装置１が備えている押圧装置２を、図３～図６を参照して説明する。

　図３は実施形態に係る押圧装置２の正面図であり、押圧装置２の一部を切断して示す。フレーム１ａの上面には位置決め基板としての押圧受け架台２０が設置されており、この押圧受け架台２０の上面の上方が仮接着領域２１とされている。この押圧受け架台２０にはヒータが組み込まれている。仮接着領域２１に供給されたベースシート部材４は押圧受け架台２０の上面に載置され、このベースシート部材４の上面にカバーシート部材３が重ねられる。なお、カバーシート部材３は、ポリイミド樹脂（ＰＩ）、ポリエチレンナフタレート樹脂（ＰＥＮ）、ポリエチレンテレフタレート樹脂（ＰＥＴ）等の樹脂フィルム３１に、塗布された接着剤から成る接着剤層３２が設けられた構造を有している。また、ベースシート部材４は、ＰＩ、ＰＥＮ、ＰＥＴ等の樹脂フィルム４１に、銅箔により回路パターン４２が形成された構造を有している。

　押圧受け架台２０の上方には、仮接着領域２１を挟んでカバー体２２が配されている。このカバー体２２の押圧受け架台２０に対向した面に、枠状の押さえ枠２２ａが取り付けられている。なお、このカバー体２２は、図２（Ａ）に示すように、ヒンジ２０ａによって揺動自在に設けられている。図２（Ｂ）に示すように、カバー体２２は、揺動によって押圧受け架台２０に被せられることにより、仮接着領域２１が開閉自在とされている。あるいは押圧受け架台２０に立設させたガイドポールにカバー体２２が案内されて上下動自在とすることにより、仮接着領域２１が開閉自在とされている。

　カバー体２２の押さえ枠２２ａには弾性シート２ａが収容されている。また、この弾性シート２ａの背面側、すなわちカバーシート部材３に対向する面の側とは反対側の面側には、第２弾性シート２ｂが配されている。この第２弾性シート２ｂは、押さえ枠２２ａの背面側に伸張して配され、カバー体２２にはこの第２弾性シート２ｂを収容する凹部２２ｂが形成されている。さらに、この凹部２２ｂの底面と、第２弾性シート２ｂとの間に、作動空気が供給されるように構成されている。

　カバー体２２の下面、すなわち、カバーシート部材３に対向する面には、このカバー体２２に対して接触し、離脱することが自在な押圧プレート２ｃが、押さえ枠２２ａと弾性シート２ａとを覆う状態に配されている。押圧プレート２ｃのカバーシート部材３に対向する面には、適宜数の突起部２ｄが設けられている。この突起部２ｄは、図４（Ａ）に示すように、格子の交点、又は、千鳥状の位置に配される。突起部２ｄは、後述するように、カバーシート部材３とベースシート部材４との仮接着を確実に行える位置に設けられている。また、図４（Ｂ）～図４（Ｄ）に例示するように、突起部２ｄの断面形状は、カバーシート部材３とベースシート部材４とを確実に仮接着させることができる構成であればよく、例えば、円形や方形、その他の形状とすることができる。

　図５と図６とは、弾性シート２ａと押圧プレート２ｃの他の実施形態を示す図であり、実施形態の図３に相当する図である。
　図５に示す他の実施形態では、実施形態における弾性シート２ａと第２弾性シート２ｂとを一体として、弾性シート２ｅとしている。すなわち、弾性シート２ｅは、押さえ枠２２ａ内に収容されて押圧プレート２ｃと接触する、当接部２ｅ１と、カバー体２２の凹部２２ｂに収容されて周縁部が押さえ枠２２ａに接触している押圧部２ｅ２とが一体となった構造を有している。
　また、図６に示す他の実施形態では、実施形態における押圧プレート２ｃの一部を、押さえ枠２２ａの内部に収容させた形状としたものである。すなわち、押圧プレート２ｆは、押さえ枠２２ａの内部に収容された受圧部２ｆ１と、突起部２ｄが形成された作用部２ｆ２とが一体となった構造を有している。なお、この押圧プレート２ｆが用いられる場合には、弾性シート２ｇは、上述した実施形態における第２弾性シート２ｂに相当するものとなり、弾性シート２ｇの周縁部が押さえ枠２２ａに係合するように配される。
　なお、押圧部２ｅ２及び弾性シート２ｇはカバー体２２の凹部２２ｂに収容されており、これら押圧部２ｅ２及び弾性シート２ｇのそれぞれと、凹部２２ｂとの間に、作動空気が供給されるように構成されている。

　次に、図７（Ａ）～図７（Ｆ）を参照して、カバーシート部材３とベースシート部材４との位置決めの機構を説明する。なお、図７（Ａ）～図７（Ｆ）はカバーシート部材３とベースシート部材４とが仮接着領域２１に位置した状態を示しており、図７（Ａ）は概略の平面図であり、図７（Ｂ）～図７（Ｆ）は概略の正面図である。

　前述した押圧受け架台２０には、図７（Ｂ）～図７（Ｆ）に示すように、ピンベース２６を介して、複数本の位置決めピン２３が、押圧受け架台２０の上方、すなわち、仮接着領域２１に向かって突設されている。一方、カバーシート部材３及びベースシート部材４のそれぞれには、これら複数本の位置決めピン２３が挿入される複数の位置決め孔２４が形成されている。
　押圧受け架台２０に設けられている位置決めピン２３は、長尺ピン２３ａ（第１の位置決めピン）と、短尺ピン２３ｂ（第２の位置決めピン）とを含む。長尺ピン２３ａは、カバーシート部材３とベースシート部材４とが仮接着される領域（仮接着領域２１）の四隅に位置する位置決め孔２４に挿入される。短尺ピン２３ｂは、この四隅に位置する位置決め孔２４以外の位置決め孔２４に挿入される。なお、図７（Ｂ）～図７（Ｆ）に示すように、長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂは、その先端部が先細となるように、テーパ形状を有している。
　以下の説明では、長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂとを区別する必要がない場合は、単に位置決めピン２３と称する場合がある。
　また、仮接着領域２１には、ストリッパープレート２５が昇降自在に配されている。詳しくは、ストリッパープレート２５は、押圧受け架台２０の上面から押圧プレート２ｃの下面の間を昇降自在に構成されている。このストリッパープレート２５には、図８（Ａ）～図８（Ｄ）、図９（Ａ）～図９（Ｄ）に示すように、逃げ孔２５ａが形成されている。逃げ孔２５ａは、カバーシート部材３及びベースシート部材４をストリッパープレート２５に載置した状態において、位置決め孔２４と重なる部分に、位置決めピン２３との干渉を避けるために設けられている。

　上述した位置決めの機構の動作を、以下に説明する。

　カバーシート部材３とベースシート部材４との仮接着処理は、押圧受け架台２０（位置決め基板）の上方の、仮接着領域２１において行われる。
　図７（Ｂ）に示すように、仮接着処理に先立って、ストリッパープレート２５は、すべての位置決めピン２３よりも上方に位置している。この状態にあるストリッパープレート２５に、仮接着領域２１に供給されたベースシート部材４が載置される。このとき、押圧受け架台２０の位置決めピン２３の位置と、ベースシート部材４の位置決め孔２４の位置とを一致させる。
　この状態で、図７（Ｃ）に示すように、ストリッパープレート２５を僅かに下降させると、ベースシート部材４の四隅の位置決め孔２４に、位置決めピン２３の長尺ピン２３ａが挿入される。なお、この状態では、位置決めピン２３の短尺ピン２３ｂは、いずれの位置決め孔２４にも挿入されていない。
　次に、ベースシート部材４の位置決め孔２４に長尺ピン２３ａが挿入された状態で、図７（Ｄ）に示すように、カバーシート部材３の位置決め孔２４に長尺ピン２３ａを挿入させる。カバーシート部材３は作業員によってカバーシート供給ローラ３ｆから引き出される。なお、カバーシート部材３がカバーシート供給ローラ３ｆから引き出される際には、カバーシート部材３から剥離紙３ｃが分離される。

　続いて、ベースシート部材４及びカバーシート部材３の位置決め孔２４に長尺ピン２３ａが挿入された状態で、ストリッパープレート２５を長尺ピン２３ａに沿って下降させると、ストリッパープレート２５の逃げ孔２５ａに短尺ピン２３ｂ挿入される。さらにストリッパープレート２５を下降させると、ストリッパープレート２５は、長尺ピン２３ａ及び短尺ピン２３ｂに沿って下降する。
　ストリッパープレート２５の下降によって、ベースシート部材４がストリッパープレート２５と共に下降する。また、カバーシート部材３の位置決め孔２４が、長尺ピン２３ａ及び短尺ピン２３ｂのそれぞれと合致した位置にあれば、図７（Ｅ）に示すように、ベースシート部材４の下降と共にカバーシート部材３も下降する。この状態では、ベースシート部材４とカバーシート部材３とが、長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂとによって確実に所定の関係に位置決めされた状態にある。そのため、この状態でベースシート部材４にカバーシート部材３を仮接着することができる。

　なお、ストリッパープレート２５に設けられた逃げ孔２５ａには、長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂとが確実に挿入される。一方、ベースシート部材４の位置決め孔２４及びカバーシート部材３の位置決め孔２４は、長尺ピン２３ａ又は短尺ピン２３ｂに対してずれてしまう場合があり得る。この場合には、ストリッパープレート２５が下降した際に、ベースシート部材４の位置決め孔２４又はカバーシート部材３の位置決め孔２４に、長尺ピン２３ａ又は短尺ピン２３ｂが適切に挿入されない可能性がある。
　このようなずれが生じる場合については、後述する。

　そして、位置決めピン２３と位置決め孔２４との係合によって位置決めされた状態にあるカバーシート部材３を、押圧装置２のカバー体２２を被せる動作により押圧プレート２ｃで押し下げる。
　その後、凹部２２ｂの底面と第２弾性シート２ｂとの間に作動空気を供給して、カバーシート部材３をベースシート部材４に押圧する。

　図３に示す実施形態に係る押圧装置２では、凹部２２ｂと第２弾性シート２ｂとの間に作動空気を供給すると、空気圧によって、周縁部が押さえ枠２２ａに係合している第２弾性シート２ｂが撓むことになる。このとき、作動空気の圧力は第２弾性シート２ｂの全域に作用することになるので、第２弾性シート２ｂは広範囲で撓むことになる。
　第２弾性シート２ｂが撓むと、弾性シート２ａが押圧されて押圧プレート２ｃの側に撓み、押圧プレート２ｃを押し下げる。押し下げられた押圧プレート２ｃの突起部２ｄの先端部がカバーシート部材３に当接し、この当接した位置に対応するカバーシート部材３の部分が押し下げられる。押圧受け架台２０にはヒータが組み込まれているため、この押し下げられたカバーシート部材３の部分がベースシート部材４に当接すると、接着剤が加熱されて融解し、当該部分がベースシート部材４に加熱接着される。突起部２ｄは、図４（Ａ）に示すように、多数の点状に形成されているので、カバーシート部材３とベースシート部材４とは点状に仮接着される。

　カバーシート部材３とベースシート部材４とが突起部２ｄに対応して点接着されているので、接着されない部分のカバーシート部材３とベースシート部材４との間には、間隙が形成される。カバーシート部材３とベースシート部材４とが後続する圧着工程に供せられた場合、この間隙が逃げ道となって気泡の除去が容易となるため、圧着工程の加熱時間を短縮できる。
　なお、突起部２ｄの断面形状は、図４（Ｂ）～図４（Ｄ）に示す形状、又は、その他の形状とすることができる。突起部２ｄの形状は、カバーシート部材３とベースシート部材４の仮接着を確実に行えて、後続する圧着工程で気泡を除去するのに適した逃げ道が確実に形成される形状とすることが好ましい。

　また、図５に示す他の実施形態に係る弾性シート２ｅでは、作動空気が供給されると弾性シート２ｅが撓んで当接部２ｅ１が押さえ枠２２ａから下方へ突出し、当接部２ｅ１が押圧プレート２ｃを押し下げて、突起部２ｄに対応したカバーシート部材３の部分がベースシート部材４に点で接触して、カバーシート部材３とベースシート部材４とが点状に仮接着される。

　また、図６に示す他の実施形態に係る弾性シート２ｇでは、作動空気が供給されると弾性シート２ｇが撓んでその圧力が押圧プレート２ｆの受圧部２ｆ１に作用し、作用部２ｆ２を押し下げる。これにより、押圧プレート２ｆの突起部２ｄがカバーシート部材３を押し下げて、突起部２ｄに対応したカバーシート部材３の部分がベースシート部材４に点で接触して、点状に仮接着される。

　押圧プレート２ｃでカバーシート部材３を押し付ける際に、カバーシート部材３とベースシート部材４とを位置決めしている長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂとは、これらカバーシート部材３及びベースシート部材４の位置決め孔２４を貫通して、上方に突出している。そこで、図７（Ｆ）に示すように、押圧プレート２ｃには、これら長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂの突出している部分を受容する受容部２ｃ１が形成されている。なお、図７（Ｆ）には、これら受容部２ｃ１は、長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂとで同じ大きさとしてあるが、受容部２ｃ１の大きさは、受容する長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂにそれぞれ応じた大きさとしてもよい。

　ベースシート部材４の位置決め孔２４とカバーシート部材３の位置決め孔２４のいずれか一方、又は両方が、長尺ピン２３ａ及び短尺ピン２３ｂに対してずれている場合がある。以下、位置決め孔２４と、長尺ピン２３ａ及び短尺ピン２３ｂとがずれている場合について説明する。

　図８（Ａ）に、カバーシート部材３の位置決め孔２４が、短尺ピン２３ｂに対してずれている場合を示す。この場合に、ベースシート部材４の位置決め孔２４は、短尺ピン２３ｂに対してずれていないため、ストリッパープレート２５の下降に伴い、ベースシート部材４は下降する。しかしながら、カバーシート部材３の位置決め孔２４は、短尺ピン２３ｂに対してずれているため、カバーシート部材３の位置決め孔２４には短尺ピン２３ｂが挿入されず、図８（Ｂ）に示すように、カバーシート部材３は短尺ピン２３ｂの先端部に係合して留まる状態となる。
　この状態で、図８（Ｃ）に示すように、押圧装置２のカバー体２２を閉じて、押圧プレート２ｃをカバーシート部材３に被せて押し付けると、図８（Ｄ）に示すように、短尺ピン２３ｂがカバーシート部材３の位置決め孔２４に挿入されて、カバーシート部材３が押し下げられる。

　また、図９（Ａ）に、ベースシート部材４の位置決め孔２４及びカバーシート部材３の位置決め孔２４の両方が、短尺ピン２３ｂに対してずれている場合を示す。
　図９（Ｂ）には、ストリッパープレート２５が下降した場合であっても、ベースシート部材４とカバーシート部材３とは下降することなく、短尺ピン２３ｂの先端部に係合して留まっている状態が示してある。
　この状態で、図９（Ｃ）に示すように、押圧装置２のカバー体２２を閉じて、押圧プレート２ｃをカバーシート部材３に被せて押し付けると、短尺ピン２３ｂがベースシート部材４とカバーシート部材３とのそれぞれの位置決め孔２４に挿入され、ベースシート部材４とカバーシート部材３とが押し下げられる。
　図８（Ａ）～図８（Ｄ）及び図９（Ａ）～図９（Ｄ）では、短尺ピン２３ｂの場合について説明したが、長尺ピン２３ａの場合でも同様である。

　上述のように、本開示によれば、ベースシート部材４の位置決め孔２４とカバーシート部材３の位置決め孔２４のいずれか一方、又は両方が、長尺ピン２３ａ又は短尺ピン２３ｂに対してずれている場合であっても、ベースシート部材４及びカバーシート部材３を下降させることができる。これは、押圧プレート２ｃがベースシート部材４とカバーシート部材３とを押し下げる際、長尺ピン２３ａ及び短尺ピン２３ｂの先端部に形成されたテーパ形状によって、長尺ピン２３ａ及び短尺ピン２３ｂが位置決め孔２４の中心部に案内されて、長尺ピン２３ａ及び短尺ピン２３ｂが位置決め孔２４に挿入されるためである。このため、カバーシート部材３とベースシート部材４との位置決めが確実に行われる。

　また、位置決めピン２３が突設されたピンベース２６は、図１０に示すように、複数に分割して押圧受け架台２０に設けることが好ましい。カバーシート部材３とベースシート部材４の寸法が大きい場合には、これらカバーシート部材３及びベースシート部材４とが伸縮して、位置決め作業が円滑に行われない可能性がある。このような場合に、ピンベース２６が分割されていることで、位置決めピン２３同士の位置関係を調整できるため、伸縮したカバーシート部材３及びベースシート部材４の位置決め孔２４に、位置決めピン２３の位置を一致させることができる。なお、このピンベース２６の位置調整は、仮接着処理が行われる前の準備の時点で行うことになる。
　また、位置決めピン２３は、図１１に２７として示すように、ピン部２７ａと円盤状の頭部２７ｂとから構成されている。ピンベース２６は、図１１に２８として示すように、ベースプレート部２８ａと支持プレート部２８ｂとから構成されている。支持プレート部２８ｂには、位置決めピン２７のピン部２７ａが遊挿される支持孔２８ｂ１が形成されている。位置決めピン２７のピン部２７ａをこの支持孔２８ｂ１に遊挿させ、頭部２７ｂを、ベースプレート部２８ａと支持プレート部２８ｂとの間の位置に位置させる。これにより、ピン部２７ａは、遊挿された支持孔２８ｂ１内で僅かに移動可能とされ、位置決めピン２７はピンベース２８に沿って移動可能とされている。
　この位置決めピン２７の僅かな移動によって、カバーシート部材３及びベースシート部材４に形成された位置決め孔２４に対する僅かなずれを吸収できる。さらに、上述したように、ピンベース２８を複数に分割した構造とすれば、吸収できるずれの範囲を大きくできるため、カバーシート部材３とベースシート部材４との位置決め作業を円滑に行うことができる。

　以上に説明したように、本開示に係るワーク仮接着装置は、シート状のフィルムからなるベースシート部材４にシート状のフィルムからなるカバーシート部材３を仮接着するワーク仮接着装置であって、ベースシート部材４とカバーシート部材３とを仮接着させる仮接着領域２１に対向して、ベースシート部材４とカバーシート部材３とを載置させて昇降自在なストリッパープレート２５を設け、前記ベースシート部材４とカバーシート部材３とのそれぞれに、ベースシート部材４にカバーシート部材３を載置させた状態で合致する位置に、適宜数の位置決め孔２４を適宜位置に設け、前記ストリッパープレート２５の、前記位置決め孔２４に合致する位置に逃げ孔２５ａを設け、前記仮接着領域２１の下方に押圧受け架台２０を設け、前記押圧受け架台２０の上面に前記位置決め孔２４に挿抜する位置決めピン２３を設け、前記位置決めピン２３の長さを少なくとも長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂとの二種類の長さとして設け、ベースシート部材４とカバーシート部材３とを位置決め孔２４に沿って下降させて押圧する押圧プレート２ｃを有する押圧装置２を備え、前記ベースシート部材４とカバーシート部材３の下降により、長尺ピン２３ａが対応する位置決め孔２４に挿入され、さらにベースシート部材４とカバーシート部材３の下降により短尺ピン２３ｂが対応する位置決め孔２４に挿入される。

　ベースシート部材４とカバーシート部材３との位置決めを行う際に、ベースシート部材４の位置決め孔２４に長尺ピン２３ａを挿通させた後、このベースシート部材４から突出した長尺ピン２３ａに、カバーシート部材３の位置決め孔２４を挿通させる。
　このため、位置決めピン２３が確実にベースシート部材４及びカバーシート部材３の位置決め孔２４に挿入されて、これらベースシート部材４とカバーシート部材３との位置関係を確実に一定にできる。
　また、長尺ピン２３ａが短尺ピン２３ｂに先んじて位置決め孔２４に挿入され、かつ、この長尺ピン２３ａはベースシート部材４とカバーシート部材３の四隅に配される。これにより、ベースシート部材４とカバーシート部材３とを安定させて位置させた後に、短尺ピン２３ｂが挿入することができる。そのため、より確実に、かつ、良好に位置決め作業を行える。

　また、上述のワーク仮接着装置であって、前記長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂのそれぞれの先端部がテーパ形状に形成され、前記押圧装置２の前記押圧プレート２ｃに、前記カバーシート部材３に被せるカバー体２２を配し、前記カバー体２２と押圧プレート２ｃの間に作動空気を供給可能とし、前記カバー体２２を前記カバーシート部材３に被せてカバーシート部材３を押し下げて前記長尺ピン２３ａと短尺ピン２３ｂとのそれぞれの先端部を通過させ、前記作動空気を供給して、押圧プレート２ｃでカバーシート部材３をベースシート部材４に押圧して、ベースシート部材４とカバーシート部材３とを仮接着させることが好ましい。

　カバーシート部材３及びベースシート部材４の位置決め孔２４に位置決めピン２３を挿通させる際に、位置決め孔２４と位置決めピン２３との位置にずれが生じて、位置決め孔２４に位置決めピン２３が円滑に挿入できない可能性がある。しかし、カバー体２２をカバーシート部材３に被せて押し下げると、押圧プレート２ｃがカバーシート部材３及びベースシート部材４を押し下げて、位置決め孔２４が位置決めピン２３のテーパ形状の先端部を容易に通過するため、位置決め孔２４に位置決めピン２３を確実に挿通することができる。

　また、上述のワーク仮接着装置であって、前記カバーシート部材３をベースシート部材４に押し付けて押圧する押圧装置２を備え、前記押圧装置２は、カバーシート部材３の接着面と反対側の反接着面に対向させて配され、副ワークに対向する面に複数の突起部２ｄが設けられて、カバーシート部材３をベースシート部材４に押し付ける押圧プレート２ｃを備え、押圧プレート２ｃで押圧してカバーシート部材３をベースシート部材４に押し付けるようにすることが好ましい。

　押圧装置２の作動により押圧プレート２ｃが押し下げられ、カバーシート部材３がベースシート部材４に押し付けられる。これにより、押圧プレート２ｃからの押圧力を受けて、カバーシート部材３がベースシート部材４に接着される。また、ベースシート部材４が載置されている押圧受け架台２０にヒータが組み込まれている場合には、ヒータの加熱によって、カバーシート部材３とベースシート部材４とが仮接着する。
　しかも、押圧プレート２ｃには突起部２ｄが形成されており、仮接着工程において、この突起部２ｄがカバーシート部材３をベースシート部材４に押し付ける。接着部は点状に配される。そして、接着されない部分、すなわち、カバーシート部材３の押圧されない部分が、この仮接着工程に後続する圧着工程における処理の際に、気泡の逃げ道となるため、気泡が円滑に除去される。

　本開示に係るワーク仮接着装置によれば、長尺ピンによって主ワークと副ワークとの位置関係を定めた後に、短尺ピンによってさらに主ワークと副ワークとの位置決めを行うため、位置決めに要する時間を短縮でき、ワークの仮接着処理が迅速となる。そのため、仮接着装置の生産性が向上する。

　１　カバーフィルム仮接着装置（ワーク仮接着装置）
　　１ａ　フレーム
　２　押圧装置
　　２ａ　弾性シート
　　２ｂ　第２弾性シート
　　２ｃ　押圧プレート
　　　２ｃ１　受容部
　　２ｄ　突起部
　　２ｅ　弾性シート
　　　２ｅ１　当接部
　　　２ｅ２　押圧部
　　２ｆ　押圧プレート
　　　２ｆ１　受圧部
　　　２ｆ２　作用部
　　２ｇ　弾性シート
　　２０　押圧受け架台（位置決め基板）
　　２１　仮接着領域
　　２２　カバー体
　　　２２ａ　押さえ枠
　　　２２ｂ　凹部
　　２３　位置決めピン
　　　２３ａ　長尺ピン
　　　２３ｂ　短尺ピン
　　２４　位置決め孔
　　２５　ストリッパープレート
　　　２５ａ　逃げ孔
　　２６　ピンベース
　　２７　位置決めピン
　　　２７ａ　ピン部
　　　２７ｂ　頭部
　　２８　ピンベース
　　　２８ａ　ベースプレート部
　　　２８ｂ　支持プレート部
　　　　２８ｂ１　支持孔
　３　カバーシート部材（副ワーク）
　　３ａ　カバーシートロール
　　３ｂ　カバーシートロール軸
　　３ｃ　剥離紙
　　３ｄ　剥離紙巻取軸
　　３ｅ　剥離紙ロール
　　３ｆ　カバーシート供給ローラ
　　３１　樹脂フィルム
　　３２　接着剤層
　４　ベースシート部材（主ワーク）
　　４ａ　ベースシートロール
　　４ｂ　ベースシートロール軸
　　４ｃ　第１ベースシート案内ローラ
　　４ｄ　第２ベースシート案内ローラ
　　４ｆ　供給ローラ
　　４１　樹脂フィルム
　　４２　回路パターン
　５　仮接着シート
　　５ａ　仮接着シートロール
　　５ｂ　仮接着シートロール軸
　　５ｃ　ガイドローラ
　　５ｄ　引き出しローラ
　　　５ｄ１　待機位置
　　　５ｄ２　引き出し位置
　　５ｅ　クランプ機構
　　５ｆ　仮接着シート保持用第１ローラ
　　５ｇ　仮接着シート保持用第２ローラ

Claims

　シート状のフィルムからなる主ワークにシート状のフィルムからなる副ワークを仮接着するワーク仮接着装置であって、
　前記主ワーク及び前記副ワークは、前記主ワークと前記副ワークの位置を合致させるための複数の位置決め孔をそれぞれ有しており、
　前記ワーク仮接着装置は、位置決め基板と、押圧装置と、ストリッパープレートと、を備え、
　前記位置決め基板は、第１の位置決めピンと、前記第１の位置決めピンよりも短い第２の位置決めピンを有し、
　前記押圧装置は、前記位置決め基板の上方に設けられており、前記副ワークを前記主ワークに押圧する押圧プレートを有し、
　前記ストリッパープレートは、前記位置決め孔に合致する位置に逃げ孔を有し、前記主ワークと前記副ワークとを載置し、前記押圧装置と前記位置決め基板との間を昇降自在に構成されており、
　前記ストリッパープレートを下降させることにより、前記逃げ孔を介して、前記第１の位置決めピンが、前記第１の位置決めピンに対応する前記位置決め孔に挿入され、
　前記ストリッパープレートをさらに下降させることにより、前記逃げ孔を介して、前記第２の位置決めピンが、前記第２の位置決めピンに対応する前記位置決め孔に挿入されるように構成されている、
ワーク仮接着装置。
　前記第１の位置決めピン及び前記第２の位置決めピンのそれぞれの先端部はテーパ形状を有し、
　前記押圧装置は、カバー体を有し、前記押圧プレートは、前記カバー体の下面に配されており、
　前記カバー体と前記押圧プレートの間には、作動空気が供給可能となっており、
　前記カバー体に配された前記押圧プレートを前記副ワークに被せて、前記副ワークを押し下げることにより、前記第１の位置決めピン及び前記第２の位置決めピンが、前記位置決め孔にそれぞれ挿入され、
　前記押圧プレートで前記副ワークを前記主ワークに押圧する際に、前記作動空気を供給して、前記主ワークと前記副ワークとを仮接着する、請求項１に記載のワーク仮接着装置。
　前記押圧装置は、前記押圧プレートの下面に複数の突起部を有し、
　前記押圧プレートで前記副ワークを前記主ワークに押圧する際に、前記突起部が前記副ワークを前記主ワークに押し付ける、請求項１または請求項２に記載のワーク仮接着装置。