WO2023286527A1 - ころ軸受用保持器およびころ軸受 - Google Patents

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    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
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    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/66Special parts or details in view of lubrication

Definitions

  • the rollers (not shown) simultaneously contact the first roller guide surface 23 provided on one side of the column portion 21 in the axial direction and the first roller guide surface 23 provided on the other side of the column portion 21 in the axial direction. It is oriented parallel to the axis.
  • the pocket surface 22 is always kept away from the rollers and does not touch them. As a result, the lubricating oil flows into the gap between the pocket surfaces 22 .
  • the value of the step formed at the boundary between the first roller guide surface 23 and the second roller guide surface 24 is represented by the dimension Cf.
  • the dimension Cf is 0.01 [mm] or less (Cf ⁇ 0.01). By doing so, the connection between the second roller guide surfaces 24 and the second roller guide surfaces 24 becomes inconspicuous, making it difficult to generate an edge. As a result, even if the rollers 40 are skewed as indicated by the two-dot chain line, the contact of the rollers 40 with the edges is eliminated.
  • roller bearing retainer 11 ring portion 21 column portion 22 pocket surface 23 first roller guide surface 24 second roller guide surface 23f axial outer edge of first roller guide surface 25 thinned portion 26 Inclined surface, 27 Boundary line, 28 Connection area, 31 Pocket, 32, 38 Roller stop projection, 33 First projection portion, 34 Second projection portion, 40 Roller, R edge angle, 123 Roller guide surface, 123f Edge, 132 Outside Claw 122 pocket surface, 133 excess meat.

Abstract

ころ軸受用保持器の柱部は、該柱部の軸線方向中央領域に形成されてポケットに臨むポケット面(22)と、柱部の軸線方向一方領域および他方領域にそれぞれ形成されてポケット面(22)よりもポケットへ向かって突出し、ころを案内する第1ころ案内面(23)と、柱部の軸線方向両端部にそれぞれ形成されてポケット面(22)よりもポケットから後退する肉ぬすみ部(25)と、柱部の軸線方向両端領域のうち第1ころ案内面(23)と肉ぬすみ部(25)との間に設けられて、ポケット面(22)よりもポケットへ向かって突出するとともに第1ころ案内面(23)よりもポケットから後退する第2ころ案内面(24)と有する。

Description

ころ軸受用保持器およびころ軸受
 本発明は、複数のころを整列させるころ軸受用保持器に関する。
 リング部と柱部とポケットを備え、該ポケットにころが配置されるころ軸受用保持器として従来、特開平8-312650号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1では、外径案内形式の保持器にあっては、柱部の外径側の面に、リング部の外径面よりも凹んだ面を設け、該面に外径爪部を形成し、内径案内形式の保持器にあっては、柱部の内径側の面に、リング部の内径面よりも凹んだ面を設け、該面に内径爪部を形成し、針状ころを保持する外径爪部および内径爪部が油膜を切ることを防止するというものである。
 特許文献1にあっては、ポケットの周方向寸法が、軸線方向中央部で大きく、軸線方向両端部で小さいため、針状ころの両端部が柱部と常時当接しているにも拘わらず該当接箇所に潤滑油が十分に供給されず、油膜切れが懸念される。そこで特開2001-041250号公報(特許文献2)に記載の技術が知られている。
 特許文献2では、ころの両端が先細になるようクラウニングを設けておき、ポケットの軸線方向両端部に油溝を設けておき、ころの両端部と柱部の両端部が接触しないようにするというものである。
 また特開2009-079674号公報(特許文献3)では、ころ止め突起を、丸みを帯びた形状とする。これによりころ止め突起に尖ったエッジが形成されず、エッジ接触が防止されるというものである。 
特開平8-312650号公報 特開2001-041250号公報 特開2009-079674号公報
 しかし、上記従来のようなころ軸受用保持器にあっては、以下に説明するような問題を生ずる。つまり特許文献1の保持器のように、柱部の両端部分および中央領域にはポケットに臨むポケット面を形成し、柱部の両端領域のうち中央寄りにはころ案内面を形成する場合、両端部分のポケット面ところ案内面の境界線がエッジのように屹立した稜線になってしまう。そうするところの両端が保持器の周方向に遅れ進みとなってころが傾くスキュー現象の際に、上述した境界のエッジがころとエッジ接触してしまい、油膜が切れてしまう。
 本発明は、上述の実情に鑑み、ころのスキュー現象の際のエッジ接触を解消させる技術を提供することを目的とする。
 この目的のため本発明によるころ軸受用保持器は、互いに対向する1対のリング部と、リング部の軸線方向に延びてリング部同士を連結する複数の柱部と、周方向に隣り合う柱部同士間および1対のリング部によって区画される空所であってころが配置されるポケットとを備える。柱部は、該柱部の軸線方向中央領域に形成されてポケットに臨むポケット面と、柱部の軸線方向一方領域および他方領域にそれぞれ形成されてポケット面よりもポケットへ向かって突出し、ころを案内する第1ころ案内面と、柱部の軸線方向両端部にそれぞれ形成されてポケット面よりもポケットから後退する肉ぬすみ部と、柱部の軸線方向両端領域のうち第1ころ案内面と肉ぬすみ部との間に設けられて、ポケット面よりもポケットへ向かって突出するとともに第1ころ案内面よりもポケットから後退する第2ころ案内面とを有する。
 かかる本発明によれば、ころがスキューする際、第1ころ案内面に代わり、第2ころ案内面がころを案内するため、第1ころ案内面の軸線方向外側縁のエッジがころに当接せず、ころ表面の油膜切れが防止される。また第2ころ案内面によってころのスキュー角度が従来よりも小さくされる。
 本発明の一局面として、柱部は、第1ころ案内面と第2ころ案内面の間に形成されて、これらのころ案内面と接続する傾斜面をさらに有する。かかる局面によれば、第1ころ案内面と第2ころ案内面の間にエッジが立たないため、ころがスキューして傾斜面に当接しても、ころ表面の油膜切れが防止される。なお傾斜面は第2ころ案内面に含まれてもよい。あるいは、第1ころ案内面および第2ころ案内面の間に配置される第3ころ案内面であってもよく、例えば、第1ころ案内面および第2ころ案内面が軸線と平行な面であり、第3ころ案内面が軸線と不平行な傾斜面である。
 本発明の好ましい局面として、肉ぬすみ部の表面と第2ころ案内面が隣接し、これらの面の境界線が稜線を構成し、稜線の稜角が100°以上180°以下の範囲に含まれる。かかる局面によれば、境界線が鈍角になり、境界線にエッジが立たないため、ころがスキューして境界線に当接しても、ころ表面の油膜切れが防止される。
 本発明のころ軸受用保持器は、ころの径方向移動を規制するころ止め突起をさらに有してもよい。本発明のさらに好ましい局面として、柱部はポケットへ向かって突出するころ止め突起をさらに有し、ころ止め突起は、第1ころ案内面の軸線方向位置と同じ軸線方向位置に配置される第1突起部分と、第2ころ案内面の軸線方向位置と同じ軸線方向位置に配置される第2突起部分を含み、第1ころ案内面から周方向に突出する第1突起部分の第1突出量が、第2ころ案内面から周方向に突出する第2突起部分の第2突出量よりも大きい。かかる局面によればころ止め突起のエッジがころに当接し難くなり、ころがスキューする際、ころ止め突起ところがエッジ接触して油膜切れが生じる懸念が低減される。
 本発明のころ軸受は、上述したころ軸受用保持器と、当該ころ軸受用保持器のポケットに配置されるころを具備する。
 このように本発明によれば、ころのスキュー現象の際、ころと柱部のエッジ接触が防止されることから、ころ表面の油膜切れが解消される。
本発明の一実施形態を示す全体斜視図である。 同実施形態を示す拡大斜視図である。 同実施形態から1本の柱部を取り出して示す拡大図である。 同実施形態から1本の柱部を取り出して示す拡大図である。 同実施形態から1本のポケットを取り出して示す断面図である。 同実施形態の第1ころ案内面の断面形状を示す拡大図である。 同実施形態の第1ころ案内面の断面形状を示す拡大図である。 同実施形態を示す拡大画像である。 従来例のポケットを取り出して示す断面図である。 従来例の保持器のポケット面およびころ案内面を取り出して示す図である。
 以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になるころ軸受用保持器を示す全体斜視図である。図2は、同実施形態を示す拡大斜視図である。ころ軸受用保持器10は、2個1対のリング部11,11と、リング部11の軸線方向に延びてリング部11,11同士を連結する複数の柱部21と、周方向に隣り合う柱部21,21同士間および1対のリング部11,11によって区画される空所であるポケット31とを備える。以下の説明において、ころ軸受用保持器10(リング部11)の軸線方向を単に軸線方向といい、ころ軸受用保持器10(リング部11)の周方向を単に周方向といい、ころ軸受用保持器10(リング部11)の半径方向を単に径方向という。
 柱部21は、ころ軸受用保持器10の周方向における両側面で、ポケット31に臨む。柱部21のかかる側面には、ポケット面22と、第1ころ案内面23と、第2ころ案内面24と、肉ぬすみ部25が形成される。肉ぬすみ部25はポケット31へ潤滑油を導入する。各ポケット31には、図示しないころがそれぞれ配置される。ころは、例えば針状ころである。ポケット31の周方向寸法は、ころの直径よりも大きい。
 図3は、同実施形態から1本の柱部を取り出して示す拡大図であって、ころ軸受用保持器10の径方向外側からみた状態を表す。図4は、同実施形態から1本の柱部を取り出して示す拡大図であって、ころ軸受用保持器10の周方向にみた状態を表す。ポケット面22はポケット31から後退する平面であるのに対し、第1ころ案内面23はポケット31へ向かって突出する平面である。つまり第1ころ案内面23は、図3に示すようにポケット面22よりもポケット31へ向かって突出する面であり、ころ(図略)の表面に接触してこれを周方向に案内する。ころ(図略)は、柱部21の軸線方向一方に設けられた第1ころ案内面23と、柱部21の軸線方向他方に設けられた第1ころ案内面23に同時に接触することにより、軸線と平行な姿勢にされる。ポケット面22は、ころから常時離れており、接触しない。これによりポケット面22ところの隙間に潤滑油が流れる。
 肉ぬすみ部25は、図3に示すように第1ころ案内面23およびポケット面22よりも、ポケット31から後退する凹部である。つまり柱部21の周方向寸法は、肉ぬすみ部25における寸法Csが最も小さく、第1ころ案内面23における寸法Caが最も大きい。
 図3に示すように、ポケット面22は柱部21の軸線方向中央領域に配置される。第1ころ案内面23は、柱部21の軸線方向一方領域および他方領域にそれぞれ配置される。第2ころ案内面24は、一方の第1ころ案内面23よりも軸線方向外側と、他方の第1ころ案内面23よりも軸線方向外側にそれぞれ配置される。肉ぬすみ部25は、柱部21の端部とリング部11の結合箇所に設けられ、具体的には柱部21の両端部に設けられる。
 第2ころ案内面24は、第1ころ案内面23よりもポケット31から後退するが、ポケット面22よりもポケット31へ向かって突出する。つまり柱部21の周方向寸法は、第2ころ案内面24における寸法Cbが、寸法Caよりも小さく、ポケット面22における周方向寸法Cdよりも大きい(Cs<Cd<Cb<Ca)。
 本願発明の第1ころ案内面23および第2ころ案内面24は、ポケット31に臨む平面である。第1ころ案内面23の軸線方向寸法Waは第2ころ案内面24の軸線方向寸法Wbよりも大きい(Wa>Wb)。
 図5は、第2ころ案内面24がころを案内する様子を示す断面図であり、ポケットを径方向にみた状態を表す。ころ40がスキューしている状態で、第2ころ案内面24はころ40に接触してこれを案内し、このとき第1ころ案内面23の軸線方向外側縁23fは、ころ40と接触しない。本実施形態によれば、第2ころ案内面24によって、ころ40のスキュー角度が小さくされる。また第2ころ案内面24によって、軸線方向外側縁23fところ40が接触することを防止され、あるいはころ40が軸線方向外側縁23fに接触しても、ころ40から軸線方向外側縁23fに作用する荷重が小さくされる。
 図5を参照して本実施形態では、第1ころ案内面23と第2ころ案内面24の境界に形成される両者の段差の値を寸法Cfで表す。寸法Cfは0.01[mm]以下である(Cf≦0.01)。このようにすると、第2ころ案内面24と第2ころ案内面24の接続が目立たなくなってエッジが生成し難くなる。これにより二点鎖線で示すようにころ40がスキューしても、ころ40がエッジに接触することが解消される。なお寸法Cfと、寸法Caおよび寸法Cb(図3)の寸法関係は下記のとおりである。
[式1]  Cf=(Ca+Cb)/2
 図6Aおよび図6Bは、第1ころ案内面23と第2ころ案内面24の間を示す拡大図であって、径方向にみた状態を表す。図7は本実施形態を示す画像であり、斜め外径側からみた状態を表す。本実施形態では、図6Aに示すように第1ころ案内面23および第2ころ案内面24が軸線と平行な平面あるいは曲面であり、第1ころ案内面23と第2ころ案内面24の間に傾斜面26が形成される。傾斜面26は軸線と不平行であり、第1ころ案内面23および第2ころ案内面24と滑らかに接続する。あるいは図示しない変形例として、傾斜面26は、曲面を介して、第1ころ案内面23および/または第2ころ案内面24と滑らかに接続してもよい。
 図6Bは本実施形態の変形例であり、変形例の第2ころ案内面24は、軸線と不平行な傾斜面である。本実施形態および変形例によれば、軸線方向外側縁23fにおける稜角が鈍角にされ、第1ころ案内面23と第2ころ案内面24の境界に段差が形成されない。したがって軸線方向外側縁23fにエッジが立たず、たとえころ40がスキューして軸線方向外側縁23fに接触しても、ころ40表面の油膜切れが回避される。あるいは図示しない変形例として軸線方向外側縁23fは曲面とされ、傾斜面である第2ころ案内面24は、当該曲面を介して、第1ころ案内面23と滑らかに接続してもよい。
 図5中の丸囲みは、第2ころ案内面24と肉ぬすみ部25の境界を示し、径方向にみた状態を表す。肉ぬすみ部25の表面と第2ころ案内面24は隣接し、これらの面の境界線27が稜線を構成する。この稜線は径方向に延びる。この稜線と直交する断面において、肉ぬすみ部25の表面と第2ころ案内面24がなす稜角Rは、100°以上で、180°以下(好ましくは180°未満)の範囲に含まれる鈍角である。本実施形態によれば、境界線27における稜角が鈍角であることから、エッジが立たず、たとえころ40がスキューして境界線27に接触しても、ころ40表面の油膜切れが回避される。
 説明を図3および図4に戻すと、柱部21の軸線方向端部領域にはころ止め突起32が設けられる。ころ止め突起32は、第1ころ案内面23および第2ころ案内面24よりも外径側に配置され、ころが外径側へ移動することを規制する。ころ止め突起32は、柱部21の径方向外側に配置され、ポケット31へ向かって突出し、隣り合う柱部21にも同様に設けられるころ止め突起32と対向する。かかるころ止め突起32,32間の距離は、ころの直径よりも小さいことから、ころはポケット31から脱落することを防止される。
 ころ止め突起32の軸線方向位置は、第1ころ案内面23の軸線方向位置と同じ軸線方向位置に配置される第1突起部分33と、第2ころ案内面24の軸線方向位置と同じ軸線方向位置に配置される第2突起部分34を含む。第1ころ案内面23から周方向に突出する第1突起部分33の第1突出量Paが、第2ころ案内面24から周方向に突出する第2突起部分34の第2突出量Pbよりも大きい。本実施形態によれば、ころのスキュー現象において、ころ止め突起32ところが当接する場合であっても、接触面積が大きくなることから、ころ表面の油膜切れが回避される。
 本実施形態の理解を容易にするために、従来例につき説明する。図8および図9は従来例のポケットを取り出して示す図であって、図8は、図9中のVIII―VIIIで表される面(保持器の径に垂直な平面)で柱部を切断し、その切断面を径方向にみた状態を表す断面図である。図9は従来例のポケット面およびころ案内面を示す拡大図であって、1の柱部を取り出して保持器の周方向にみた状態を表す。図8を参照して、従来例のころ案内面123は、柱部121の軸線方向両端領域にそれぞれ設けられていた。ころ案内面123の軸線方向外側縁123fは、エッジになっており、屹立した稜線を構成していた。このためころ40がスキューして軸線方向外側縁123fに接触すると、ころ40表面の油膜切れが生じていた。
 この理由として、柱部121の側面の一部である余肉133に、バニシ加工が施され、このバニシ加工によって柱部121の外径側には外爪132が形成される。バニシ加工とは、バニシ治具(図略)を径方向に移動させて柱部121の周方向側面(ポケット面122に連続する面(余肉133の表面))に押し付けて、柱部121の周方向側面の一部の余肉133を径方向に削ぐように塑性変形させ、ポケットに向かって外爪132を突出させる加工をいう。かかるバニシ加工の際、従来例では余肉133を削いでころ案内面123を形成すると、ころ案内面123の軸線方向外側縁123fには鋭利に突出したエッジが形成されていた。
 本実施形態では、第1ころ案内面23の軸線方向外側に第2ころ案内面24を形成することから、従来例のようなエッジ123fが生じないし、軸線方向外側縁23fがエッジにならない。
 本実施形態では、柱部21の径方向内側にころ止め突起38が設けられる。ころ止め突起38は、柱部21の軸線方向中央領域に間隔を空けて2か所配置され、ポケット面22よりもポケット31へ向かって突出する。ころ止め突起38は、ころが内径側へ移動することを規制する。ころ止め突起38は、隣り合う柱部21にも同様に設けられるころ止め突起38と対向する。かかるころ止め突起38,38間の距離は、ころの直径よりも小さいことから、ころはポケット31から脱落することを防止される。
 ころ止め突起38は、柱部21の周方向側面を外径側から内径側へしごくバニシ加工によって作成される。しごかれた後のポケット面39は、ころ止め突起38よりも外径側に位置し、ポケット面22よりもポケット31へ向かって突出するが、第2ころ案内面24よりもポケット31から後退する。
 本実施形態では、図4に示すように柱部21の軸線方向中央領域が軸線方向両端部よりも内径側に位置するよう、軸線方向中央領域と軸線方向端部領域の接続領域28,28が斜め形状とされる。これらの接続領域28,28はプレス加工によって形成される。
 ここで附言すると接続領域28,28は、帯鋼の圧延工程において、帯鋼の幅方向中央領域と幅方向端部領域を互い違いになるようプレス加工することによって現れる。そしてポケット31と同じ輪郭のポンチで帯鋼を打ち抜くことによって、柱部21とポケット31が同時に形成される。帯鋼は、適切な長さに裁断され、丸められ、その両端が溶接によって結合される。
 図4に示すように、柱部21の外径面は、リング部11の外径面12よりも内径側に窪んだ面とされる。具体的には、柱部21の軸線方向端部の外径面35が、外径面12と同一面(平面あるいは円筒面)とされる。また、外径面35よりも軸線方向内側かつ接続領域28よりも軸線方向外側に位置する外径面36が、外径面35よりも内径側に後退した平面とされる。これによりころ軸受用保持器10の外径面ところ止め突起32の間で潤滑油が流れ、ころ止め突起32が潤滑される。かかる構成は、ころ軸受用保持器10が、特に外径案内とされる場合において有益である。また柱部21の軸線方向中央領域の外径面37が、外径面35よりも内径側に後退した平面とされる。本実施形態のころ軸受用保持器10は、V型保持器とされる。
 以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
 10 ころ軸受用保持器、   11 リング部、   21 柱部、   22 ポケット面、   23 第1ころ案内面、   24 第2ころ案内面、 23f 第1ころ案内面の軸線方向外側縁、   25 肉ぬすみ部、   26 傾斜面、   27 境界線、   28 接続領域、   31 ポケット、   32,38 ころ止め突起、   33 第1突起部分、 34 第2突起部分、   40 ころ、   R 稜角、   123 ころ案内面、   123f エッジ、    132 外爪122 ポケット面、   133 余肉。

Claims (5)

  1.  1対のリング部と、前記リング部の軸線方向に延びて前記リング部同士を連結する複数の柱部と、周方向に隣り合う前記柱部同士間および前記1対のリング部によって区画される空所であってころが配置されるポケットとを備え、
     前記柱部は、
      該柱部の軸線方向中央領域に形成されて前記ポケットに臨むポケット面と、
      前記柱部の軸線方向一方領域および他方領域にそれぞれ形成されて前記ポケット面よりも前記ポケットへ向かって突出し、前記ころを案内する第1ころ案内面と、
      前記柱部の軸線方向両端部にそれぞれ形成されて前記ポケット面よりも前記ポケットから後退する肉ぬすみ部と、
      前記柱部の軸線方向両端領域のうち前記第1ころ案内面と前記肉ぬすみ部との間に設けられて、前記ポケット面よりも前記ポケットへ向かって突出するとともに前記第1ころ案内面よりも前記ポケットから後退する第2ころ案内面とを有する、ころ軸受用保持器。
  2.  前記柱部は、前記第1ころ案内面と前記第2ころ案内面の間に形成されて、これらのころ案内面と接続する傾斜面をさらに有する、請求項1に記載のころ軸受用保持器。
  3.  前記肉ぬすみ部の表面と前記第2ころ案内面が隣接し、これらの面の境界線が稜線を構成し、前記稜線の稜角が100°以上180°以下の範囲に含まれる、請求項1に記載のころ軸受用保持器。
  4.  前記柱部は、前記ポケットへ向かって突出するころ止め突起をさらに有し、
     前記ころ止め突起は、前記第1ころ案内面の軸線方向位置と同じ軸線方向位置に配置される第1突起部分と、前記第2ころ案内面の軸線方向位置と同じ軸線方向位置に配置される第2突起部分を含み、
     前記第1ころ案内面から周方向に突出する前記第1突起部分の第1突出量が、前記第2ころ案内面から周方向に突出する前記第2突起部分の第2突出量よりも大きい、請求項1に記載のころ軸受用保持器。
  5.  請求項1~4のいずれかに記載のころ軸受用保持器と、
     前記ポケットに配置されるころを具備する、ころ軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01168014U (ja) * 1988-05-16 1989-11-27
JPH08270658A (ja) * 1995-01-30 1996-10-15 Koyo Seiko Co Ltd 針状ころ軸受用の保持器および針状ころ軸受
JP2019120353A (ja) * 2018-01-09 2019-07-22 Ntn株式会社 保持器付きころおよび遊星歯車支持構造

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