WO2023281906A1 - 熱硬化性接着シート - Google Patents

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悠 立川
一之 木内
達也 熊田
悠祐 原
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日東電工株式会社
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    • C09J7/35Heat-activated

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  • thermosetting adhesive sheet of the present invention was evaluated as having excellent transferability, excellent handleability, and no separation. Also, the adhesive did not protrude.
  • the elastic modulus G' at 80°C was low (Comparative Examples 1 and 2), the paste was confirmed to protrude.
  • the elastic modulus G′ at 20° C. was high (Comparative Example 3)
  • the transferability was poor and the handleability was evaluated as poor.
  • the elastic modulus G′ at 20° C. was low (Comparative Examples 2, 4 to 6), tearing apart occurred and was evaluated as inferior in handleability.

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Abstract

接着面に貼り合わせられたはく離ライナーを剥離する際、接着面からはく離ライナーを剥離しやすく取り扱い性に優れ、且つ接着剤のはみ出しが生じにくい熱硬化性接着シートを提供する。 熱硬化性接着シート1は、20℃の弾性率G'は150~3000kPaであり、80℃の弾性率G'は1kPa以上である。熱硬化性接着シート1は、エポキシ当量が200~800g/eqであるエポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)を含有することが好ましい。

Description

熱硬化性接着シート
 本発明は熱硬化性接着シートに関する。
 近年、例えば金属製の部材を他の部材と貼り合わせるために、加熱により硬化して接着力を発揮し、部材同士を強固に接着することができる、熱硬化性の両面粘着シートが使用されることがある。このような熱硬化性接着シートとしては、例えば、熱硬化性樹脂および硬化剤を含む接着シートが知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
 部材同士の接着固定に用いられる両面接着シートは、通常、使用時まで両方の接着面にはく離ライナーが貼り合わせられて接着面が保護されている。そして、両面接着シートを使用する場合、まず、一方のはく離ライナーを剥離して露出した接着面を一方の部材に貼り合わせ、その後、他方のはく離ライナーを剥離して露出した接着面を他方の部材に貼り合わせて使用される。
特開2012-197427号公報 特開2019-39005号公報 特開平7-157535号公報
 熱硬化性を有する接着シートは、熱により硬化して部材に強固に接着するものの、熱硬化前はやわらかいものが多い。このため、例えば、熱硬化性を有する両面接着シートの両方の接着面がはく離ライナーで保護された状態から一方のはく離ライナーを剥がそうとした際、接着剤の一部がはく離ライナーに付着した状態で剥離して接着シート界面が破損する、いわゆる「泣き別れ」が生じやすいという問題があった。
 また、両面接着シートの一方の接着面を部材に貼り合わせ、その後他方の接着面に貼り合わせられたはく離ライナーを剥離しようとする際、はく離ライナーが接着シートの接着面から剥離せずに、接着シートがはく離ライナーとともに貼り合わせた部材から剥離してしまう、すなわち接着シートの転写性に劣る場合があるという問題がある。このため、熱硬化性接着シートは、接着面にはく離ライナーが貼り合わせられた状態からはく離ライナーを剥離しやすく、取り扱い性に優れることが求められる。
 さらに、熱硬化性接着シートは、上述のようにして部材に貼り合わせた後、加熱して接着シートを硬化させて部材に強固に接着する。しかし、被着体である部材同士を熱硬化性接着シートを介して貼り合わせた際や、熱硬化性接着シートを加熱して硬化させる際などにおいて圧力や熱により接着シート中の接着剤が流動して部材間からはみ出る、すなわち糊はみ出しが生じる場合がある。
 このため、熱硬化性接着シートには、はく離ライナーを剥離する際、接着シートの接着面からはく離ライナーを剥離しやすく取り扱い性に優れ、且つ接着剤のはみ出しが生じにくいことが求められる。なお、特許文献1~3に開示の接着シートは、これらの性質を全て備えることについては言及されておらず、また後述の本発明の熱硬化性接着シートが満たす性質を備える熱硬化性接着シートの開示はない。
 本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、その目的は、はく離ライナーを剥離する際、接着シートの接着面からはく離ライナーを剥離しやすく取り扱い性に優れ、且つ接着剤のはみ出しが生じにくい熱硬化性接着シートを提供することにある。
 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、20℃の弾性率G’および80℃の弾性率G’がそれぞれ特定の範囲内である熱硬化性接着シートは、接着面に貼り合わせられたはく離ライナーを剥離する際、接着面からはく離ライナーを剥離しやすく取り扱い性に優れ、且つ接着剤のはみ出しが生じにくいことを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
 すなわち、本発明は、20℃の弾性率G’は150~3000kPaであり、80℃の弾性率G’は1kPa以上である、熱硬化性接着シートを提供する。
 上記熱硬化性接着シートは、20℃の弾性率G’が150kPa以上であることにより、熱硬化前、室温付近において適度の硬さを有し、例えば両面接着シートの両方の接着面にはく離ライナーが貼り合わせられた状態から一方のはく離ライナーを剥離しようとした際の剥離性に優れ、泣き別れが起こりにくく取り扱い性に優れる。また、20℃の弾性率G’が3000kPa以下であることにより、熱硬化前の熱硬化性接着シートは室温付近において適度のやわらかさを有し、熱硬化性接着シートの一方の接着面を一方の部材に貼り合わせた状態から他方の接着面に貼り合わせられた剥離シートを剥離しようとした際の剥離性に優れ、接着シートとの界面に沿ってはく離ライナーを剥離しやすく、取り扱い性に優れる。
 また、上記熱硬化性接着シートは、80℃の弾性率G’が1kPa以上であることにより、熱硬化前、圧力や熱が加わった際において、充分な硬さを有するため接着剤の流動性が低く部材間から接着剤がはみ出る現象が起こりにくい。
 上記熱硬化性接着シートは、エポキシ当量が200~800g/eqであるエポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)を含有することが好ましい。
 エポキシ樹脂(a)はビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、およびダイマー酸変性エポキシ樹脂からなる群より選択される一種以上であることが好ましい。
 エポキシ樹脂(a)とゴム変性エポキシ樹脂(b)の質量比は20:80~80:20であることが好ましい。
 上記熱硬化性接着シートは、エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部に対して、エポキシ硬化剤0.5~30質量部を含有することが好ましい。
 上記エポキシ硬化剤はジシアンジアミドを含有し、上記ジシアンジアミドの含有量は、エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部に対して0.5~20質量部であることが好ましい。
 上記エポキシ硬化剤は尿素系化合物および/またはイミダゾール系化合物を含有し、尿素系化合物および/またはイミダゾール系化合物の含有量は、エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部に対して1~10質量部であることが好ましい。
 上記熱硬化性接着シートは、フィラーを含むことが好ましい。
 上記フィラーの平均粒子径は7~50nmであることが好ましい。
 上記熱硬化性接着シート100gあたりの上記フィラーの比表面積は600~6000m2であることが好ましい。
 上記熱硬化性接着シートは、少なくとも一方の部材が金属製部材である部材同士の接着用途であることが好ましい。
 上記熱硬化性接着シートは、金属製部材同士、または、金属製部材と繊維強化樹脂製部材との接着に用いられることが好ましい。
 本発明の熱硬化性接着シートは、接着面に貼り合わせられたはく離ライナーを剥離する際、接着面からはく離ライナーを剥離しやすく取り扱い性に優れ、且つ接着剤のはみ出しが生じにくい。
本発明の一実施形態に係る熱硬化性接着シートの断面模式図である。
[熱硬化性接着シート]
 本発明の熱硬化性接着シートは、20℃の弾性率G’が150~3000kPaであり、80℃の弾性率G’は1kPa以上である。
 上記熱硬化性接着シートは、両面接着シートであることが好ましく、基材を有しないいわゆる「基材レス」の両面接着シートであることがより好ましい。基材レスの両面接着シートは、基材との層間破壊など基材を用いることにより生じる問題がなく、また、被着体に対する追従性に優れる。上記熱硬化性接着シートは、単層で部材同士の接着に用いてもよいし、複層を重ねて熱硬化性接着シートの積層体として部材同士の接着に用いてもよい。また、上記熱硬化性接着シートに基材層を貼り合わせて片面接着シートとして用いてもよい。
 図1は、本発明の熱硬化性接着シートの一実施形態を示す断面模式図である。図1に示す熱硬化性接着シート1は両面接着シートである。熱硬化性接着シート1の両方の接着面には、それぞれ、はく離ライナー2および3が貼り合わせられている。
 上記20℃の弾性率G’は、上述のように、150~3000kPaである。20℃の弾性率G’が150kPa以上であることにより、熱硬化前の熱硬化性接着シートは室温付近において適度の硬さを有し、例えば両面接着シートの両方の接着面にはく離ライナーが貼り合わせられた状態から一方のはく離ライナーを剥離しようとした際の剥離性に優れ、泣き別れが起こりにくく取り扱い性に優れる。20℃の弾性率G’が3000kPa以下であることにより、熱硬化前の熱硬化性接着シートは室温付近において適度のやわらかさを有し、熱硬化性接着シートの一方の接着面を一方の部材に貼り合わせた状態から他方の接着面に貼り合わせられた剥離シートを剥離しようとした際の剥離性に優れ、接着シートとの界面に沿ってはく離ライナーを剥離しやすく、取り扱い性に優れる。
 上記20℃の弾性率G’は、200kPa以上が好ましく、より好ましくは250kPa以上である。また、上記20℃の弾性率G’は、2000kPa以下が好ましく、より好ましくは900kPa以下である。
 本発明の熱硬化性接着シートは、上述のように、80℃の弾性率G’が1kPa以上である。上記80℃の弾性率G’が1kPa以上であることにより、熱硬化前の熱硬化性接着シートは、圧力や熱が加わった際において、充分な硬さを有するため接着剤の流動性が低く部材間から接着剤がはみ出る現象が起こりにくい。
 上記80℃の弾性率G’は、3kPa以上が好ましく、より好ましくは7kPa以上、さらに好ましくは10kPa以上である。また、上記80℃の弾性率G’は、500kPa以下が好ましく、より好ましくは300kPa以下、さらに好ましくは200kPa以下である。上記80℃の弾性率G’が500kPa以下(特に200kPa以下)であると、被着体の凹凸に対する追従性に優れ、せん断接着力に優れる。
 上記20℃の弾性率G’および上記80℃の弾性率G’は、熱硬化性接着シートの熱硬化前における接着シートの弾性率G’である。上記弾性率G’は、動的粘弾性(DMA)測定により、20℃または80℃での貯蔵弾性率として求められる。
 なお、本明細書において「熱硬化前」とは、熱硬化性接着シートについて硬化処理を行っていないか、または反応率が50%未満となるように部分的に硬化させた状態をいうものである。熱硬化性樹脂シートの反応率は、具体的には、示差走査熱量計(DSC)を用いて、対象の接着シート(対象物)および当該対象物を熱硬化可能な温度で加熱したもの(加熱物)においてそれぞれ0℃から300℃まで昇温速度10℃/minで昇温させた時の発熱量[J/g]を測定し、対象物の0℃から300℃までの発熱量を「対象物の発熱量」、加熱物の0℃から300℃までの発熱量を「加熱後の発熱量」とし、下記式から算出することができる。
 反応率=加熱後の発熱量[J/g]÷対象物の発熱量[J/g]×100
 上記熱硬化性接着シートは、熱により硬化する性質を有する。このため、上記熱硬化性接着シートは、熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。
 上記熱硬化性樹脂は熱硬化性の官能基を有する樹脂である。上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂などが挙げられる。上記熱硬化性樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
 上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、テルペン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリスグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、上記エポキシ樹脂は、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂であってもよい。また、上記エポキシ樹脂は、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂のいずれであってもよく、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。
 上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂などが挙げられる。上記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンなどが挙げられる。上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えばテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α-ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。上記エポキシ樹脂としては、中でも、取り扱い性に優れる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂が好ましく、より好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂である。また、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノール骨格の間に柔軟成分のブロック構造を有していてもよい。上記柔軟成分としては、直鎖状炭化水素基や、エチレングリコール基、プロピレングリコール基、ブチレングリコール基等のアルキレングリコール基などが挙げられる。
 上記熱硬化性樹脂としては、中でも、エポキシ樹脂が好ましい。上記エポキシ樹脂は、エポキシ当量が200~800g/eqであるエポキシ樹脂を含むことが好ましく、さらにゴム変性エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。なお、本明細書において、上記エポキシ当量が200~800g/eqであるエポキシ樹脂を「エポキシ樹脂(a)」、上記ゴム変性エポキシ樹脂を「ゴム変性エポキシ樹脂(b)」とそれぞれ称する場合がある。エポキシ樹脂(a)を含むと、エポキシ樹脂(a)中の架橋点同士が適度な距離を有するため、熱硬化性接着シートの20℃における弾性率G’を上述の範囲とすることが容易となる。また、エポキシ樹脂(a)とともにゴム変性エポキシ樹脂(b)を含むと、エポキシ樹脂(a)を含む熱硬化性接着シートを強靱化してシート形状をより安定的に維持することができる。エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
 なお、エポキシ樹脂(a)とゴム変性エポキシ樹脂(b)とは、互いに異なる樹脂である。例えば、エポキシ樹脂(a)はゴム変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂であってもよいし、ゴム変性エポキシ樹脂(b)のエポキシ当量が200g/eq未満または800g/eq超であってもよい。
(エポキシ樹脂(a))
 エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量は、200~800g/eqである。上記エポキシ当量は、好ましくは200~500g/eq、より好ましくは200~400g/eqである。また、上記エポキシ当量は、400~750g/eqまたは500~700g/eqであってもよい。エポキシ当量が200g/eq以上であると、熱硬化性接着シートが適度な硬さを有し、はく離ライナーを剥離する際の泣き別れがより起こりにくくなり、また接着剤のはみ出しがより起こりにくくなる。エポキシ当量が800g/eq以下であると、熱硬化性接着シートが適度なやわらかさを有し、熱硬化性接着シートの一方の接着面を被着体に貼り合わせた状態で被着体に対する粘着性に優れ、他方の接着面に貼り合わせられたはく離ライナーを剥離する際の転写性により優れる。
 エポキシ樹脂(a)は、常温で固体のエポキシ樹脂、常温で液体のエポキシ樹脂、あるいは常温で半固体のエポキシ樹脂であってもよいが、転写性に優れ、且つはみ出しが生じにくい熱硬化性接着シートを得られやすい観点から、半固体のエポキシ樹脂が好ましい。なお、「半固体」とは、20℃で固体であり、40℃で液状であることをいうものとする。また、エポキシ樹脂(a)は、転写性に優れ、且つはみ出しが生じにくい熱硬化性接着シートを得られやすい観点から、軟化点が70℃以下であることが好ましい。また、エポキシ樹脂(a)は、半固体または軟化点が70℃以下のエポキシ樹脂が好ましい。
 エポキシ樹脂(a)としては、中でも、取り扱い性や入手のしやすさに優れる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂が好ましく、より好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂である。
(ゴム変性エポキシ樹脂(b))
 ゴム変性エポキシ樹脂(b)は、エポキシ樹脂中にゴム成分を含む。上記ゴム成分としては、例えば、ブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、クロロプレンゴム、NBR、SBR、IR、EPR、末端カルボキシ変性ブタジエン・アクリロニトリル共重合体ゴム(CTBN)、スチレン・ブタジエン系エラストマーなどが挙げられる。上記ゴム成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。ゴム変性エポキシ樹脂(b)は、中でも、熱硬化性接着シートをより充分に強靱化できる観点から、CTBN変性エポキシ樹脂が好ましい。
 ゴム変性エポキシ樹脂(b)におけるエポキシ樹脂としては、上述のものが挙げられる。中でも、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、より好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
 ゴム変性エポキシ樹脂(b)のエポキシ当量は、1000~2000g/eqが好ましくより好ましくは1200~1800g/eqである。上記エポキシ当量が上記範囲内であると、熱硬化性接着シートの20℃における弾性率G’が上記範囲内となりやすい。また、上記エポキシ当量が1000g/eq以上であると、熱硬化性接着シートが適度な硬さを有し、はく離ライナーを剥離する際の泣き別れがより起こりにくくなり、また接着剤のはみ出しがより起こりにくくなる。
 ゴム変性エポキシ樹脂(b)は市販品を用いることができる。CTBN変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、商品名「HyPoxRK84L」、商品名「HyPoxRK820」、商品名「HyPoxRA1340」、商品名「HyPoxRA16213」、商品名「HyPoxRA840」、商品名「HyPoxRA95」(以上、HUNTSMAN社製)、商品名「EPR-1630」(株式会社ADEKA製)などが挙げられる。CTBN変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、商品名「HyPoxRF1320」、商品名「HyPoxRF1341」、商品名「HyPoxRF928」、商品名「HyPoxRF933」(以上、HUNTSMAN社製)などが挙げられる。CTBN変性グリコール型エポキシ樹脂の市販品としては、商品名「HyPoxRM20」、商品名「HyPoxRM22」(以上、HUNTSMAN社製)などが挙げられる。その他のゴム変性エポキシ樹脂(b)の市販品としては、商品名「TSR-960」(DIC株式会社製)、商品名「EPR-1415-1」、商品名「EPR-2000」、商品名「EPR-2007」(以上、株式会社ADEKA製、NBR変性エポキシ樹脂)などが挙げられる。
 エポキシ樹脂(a)とゴム変性エポキシ樹脂(b)の質量比[前者:後者]は、20:80~80:20が好ましく、より好ましくは30:70~70:30、さらに好ましくは40:60~60:40である。エポキシ樹脂(a)の割合が20以上であると、熱硬化性接着シートの転写性により優れる。ゴム変性エポキシ樹脂(b)の割合が20以上であると、熱硬化性接着シートから一方のはく離ライナーを剥離する際の剥離性により優れる。
 上記熱硬化性接着シート中の上記熱硬化性樹脂(特に、エポキシ樹脂)の含有割合は、熱硬化性接着シートの総量(100質量%)に対して、60質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上である。上記含有割合は、95質量%以下が好ましく、より好ましくは90質量%以下である。また、エポキシ樹脂(a)とゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計の含有割合が上記範囲内であることが好ましい。
(エポキシ硬化剤)
 上記熱硬化性接着シートが上記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(特に、エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b))を含む場合、上記熱硬化性接着シートは、エポキシ硬化剤を含むことが好ましい。上記エポキシ硬化剤は、加熱時にエポキシ樹脂中のエポキシ基の重合を促進する。上記エポキシ硬化剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
 上記エポキシ硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化に使用される公知乃至慣用の硬化剤を用いることができ、例えば、尿素系化合物、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、ヒドラジド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、イミダゾリン系化合物、トリフェニルホスフィン系化合物、熱塩基発生剤、トリハロゲンボラン系化合物、カルボン酸系化合物、フェノール樹脂系化合物、ポリメルカプタン系硬化剤などが挙げられる。
 尿素系化合物としては、例えば、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素(DCMU)、N’-フェニル-N,N-ジメチル尿素、1、1’-(メチル-1,3-フェニレン)ビス(3,3’-ジメチル尿素)、3-(4-クロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、N’-[3-[[[(ジメチルアミノ)カルボニル]アミノ]メチル]-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル]-N,N’-ジメチル尿素、3,3’-[メチレンビス-(1,3-フェニレン)]ビス(1,1-ジメチル尿素)などが挙げられる。
 アミン系化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、これらのアミンアダクト、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどが挙げられる。
 酸無水物系化合物としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(4-メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3-メチルテトラヒドロ無水フタル酸等)、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等)、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、水素化メチルナジック酸無水物、4-(4-メチル-3-ペンテニル)テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、無水セバシン酸、無水ドデカン二酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体、アルキルスチレン-無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
 アミド系化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、ポリアミドなどが挙げられる。
 ヒドラジド系化合物としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジドなどのジヒドラジドなどが挙げられる。
 イミダゾール系化合物としては、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。
 イミダゾリン系化合物としては、例えば、メチルイミダゾリン、2-エチル-4-メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリン、イソプロピルイミダゾリン、2,4-ジメチルイミダゾリン、フェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダゾリン、2-フェニル-4-メチルイミダゾリンなどが挙げられる。
 トリフェニルホスフィン系化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p-メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、ジフェニルトリルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウムクロライド、メトキシメチルトリフェニルホスホニウム、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライドなどが挙げられる。トリフェニルホスフィン系化合物には、トリフェニルホスフィン構造とトリフェニルボラン構造とを併有する化合物も含まれるものとする。そのような化合物としては、例えば、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリボレート、ベンジルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボランなどが挙げられる。
 熱塩基発生剤としては、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)またはその塩、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)またはその塩などが挙げられる。
 トリハロゲンボラン系化合物としては、トリクロロボランなどが挙げられる。
 上記エポキシ硬化剤は、潜在型硬化剤であることが好ましい。潜在型硬化剤は、熱硬化時の熱により硬化剤としての作用を発揮するため、熱硬化前の状態における熱硬化性接着シートの保存安定性および粘着性、転写性に優れる。また、上記エポキシ硬化剤はマイクロカプセル型の硬化剤であってもよい。
 上記エポキシ硬化剤としては、中でも、熱硬化性接着シートの硬化後の接着力がより高くなる観点から、アミド系化合物が好ましく、より好ましくはジシアンジアミドである。また、上記エポキシ硬化剤としては、尿素系化合物および/またはイミダゾール系化合物を含むことが好ましい。さらに、アミド系化合物に加えて、尿素系化合物および/またはイミダゾール系化合物を含むことが特に好ましい。尿素系化合物およびイミダゾール系化合物(特に、尿素系化合物)は、エポキシ樹脂がアミド系化合物と反応する際に硬化促進剤として作用し、その反応速度を促進する機能を有する。
 上記熱硬化性接着シート中の上記エポキシ硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂の総量100質量部(特に、エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部)に対して、0.5~30質量部が好ましく、より好ましくは1~20質量部、さらに好ましくは4~16質量部、特に好ましくは4.5~15質量部である。上記含有量が上記範囲内であると、熱硬化性接着シートの硬化後の接着力がより高くなる。
 上記熱硬化性接着シート中のアミド系化合物の含有量は、エポキシ樹脂の総量100質量部(特に、エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部)に対して、0.5~20質量部が好ましく、より好ましくは1~15質量部、さらに好ましくは2~10質量部である。上記含有量が上記範囲内であると、熱硬化性接着シートの硬化後の接着力がより高くなる。
 上記熱硬化性接着シート中の尿素系化合物および/またはイミダゾール系化合物の含有量は、エポキシ樹脂の総量100質量部(特に、エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部)に対して、1~10質量部が好ましく、より好ましくは1.5~8質量部、さらに好ましくは2~7質量部である。上記含有量が上記範囲内であると、熱硬化性接着シートの硬化後の接着力がより高くなる。
(フィラー)
 上記熱硬化性接着シートは、フィラーを含むことが好ましい。フィラーを含むと、熱硬化性接着シートの80℃における弾性率G’を上述の範囲とすることが容易となる。上記フィラーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。フィラーとしては、無機フィラーおよび有機フィラーが挙げられる。
 上記無機フィラーの構成材料としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミニウムウィスカ、窒化ホウ素、シリカ(結晶質シリカ、非晶質シリカ等)などが挙げられる。また、上記無機フィラーの構成材料としては、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル等の金属単体や、合金、アモルファスカーボンブラック、グラファイトなども挙げられる。
 上記無機フィラーとしては、上記構成材料のフィラーの他、雲母、タルク、カオリン、珪灰石、長石、閃長岩、緑泥石、ベントナイト、モンモリロナイト、ドロマイト、石英、クリストバライト、中空セラミックビーズ、中空ガラスビーズ、ガラスビーズなどが挙げられる。
 上記有機フィラーの構成材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミドなどが挙げられる。
 上記フィラーの形状は、特に限定されず、球状、フレーク状(鱗片状)、樹枝状、繊維状、不定形(多面体)等の各種形状を有していてもよい。
 上記フィラーとしては、中でも、無機フィラーが好ましく、より好ましくはシリカフィラーである。
 シリカフィラーは、疎水化処理等の表面処理が施されていてもよい。疎水化処理に用いられる処理剤としては、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルアルコキシシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、長鎖アルキルトリクロロシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリアルコキシシラン、メタクリルシラン、フルオロアルキルシラン、ペルフルオロアルキルシランなどの有機シリル化合物;ジメチルポリシロキサン(シリコーンオイル)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アミノ変性シリコーンなどのシリコーン化合物などが挙げられる。
 上記フィラーの平均粒子径は、50nm以下が好ましく、より好ましくは40nm以下である。上記平均粒子径が50nm以下であると、接着剤のはみ出しがより生じにくい。上記フィラーの平均粒子径は、7nm以上が好ましく、より好ましくは10nm以上である。上記平均粒子径が7nm以上であると、嵩密度が高く取り扱い性に優れる。なお、上記無機フィラーの平均粒子径は、例えば、光度式の粒度分布計(例えば、商品名「LA-910」、株式会社堀場製作所製)を用いて求めることができる。
 上記フィラーの比表面積は、30m2/g以上が好ましく、より好ましくは100m2/g以上である。上記比表面積が30m2/g以上であると、接着剤のはみ出しがより生じにくい。上記フィラーの比表面積は、嵩密度が高く取り扱い性に優れる粒子を選択することができる観点から、500m2/g以下が好ましく、より好ましくは350m2/g以下である。
 上記熱硬化性接着シート100gあたりの上記フィラーの比表面積は、600~6000m2が好ましく、より好ましくは800~5000m2である。上記比表面積が600m2以上であると、接着剤のはみ出しがより生じにくい。上記比表面積が6000m2以下であると、被着体の凹凸に対する追従性に優れ、せん断接着力に優れる。
 上記熱硬化性接着シート中の上記フィラーの含有量は、エポキシ樹脂の総量100質量部(特に、エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部)に対して、5~40質量部が好ましく、より好ましくは6~35質量部、さらに好ましくは8~30質量部である。上記含有量が5質量部以上であると、熱硬化性接着シートの80℃における弾性率G’を高くすることができ、接着剤のはみ出しをより抑制することができる。上記含有量が40質量部以下であると、熱硬化性接着シートの転写性により優れる。
 上記熱硬化性接着シートは、着色剤を含有していてもよい。上記着色剤は、顔料であってもよいし、染料であってもよい。着色剤としては、例えば、黒系着色剤、シアン系着色剤、マゼンダ系着色剤、イエロー系着色剤等が挙げられる。上記着色剤は、一種のみを含有していてもよいし、二種以上を含有していてもよい。上記熱硬化性接着シート中の上記着色剤の割合は、上記熱硬化性接着シートの総量(100質量%)に対して、0.05~5質量%が好ましく、より好ましくは0.1~2質量%である。
 黒系着色剤としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト(黒鉛)、酸化銅、二酸化マンガン、アゾメチンアゾブラック等のアゾ系顔料、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色染料、アゾ系有機黒色染料等が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。黒系着色剤としては、C.I.ソルベントブラック3、同7、同22、同27、同29、同34、同43、同70;C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71;C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同48、同52、同107、同109、同110、同119、同154;C.I.ディスパーズブラック1、同3、同10、同24;C.I.ピグメントブラック1、同7なども挙げられる。
 シアン系着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95;C.I.アシッドブルー6、同45;C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同17:1、同18、同22、同25、同56、同60、同63、同65、同66;C.I.バットブルー4;同60、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
 マゼンダ系着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同52、同58、同63、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同111、同121、同122;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、同13、同14、同21、同27;C.I.ディスパースバイオレット1;C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40;C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同7、同10、同14、同15、同21、同25、同26、同27、28などが挙げられる。また、マゼンダ系着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同42、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49、同49:1、同50、同51、同52、同52:2、同53:1、同54、同55、同56、同57:1、同58、同60、同60:1、同63、同63:1、同63:2、同64、同64:1、同67、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同92、同101、同104、同105、同106、同108、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同146、同147、同149、同150、同151、同163、同166、同168、同170、同171、同172、同175、同176、同177、同178、同179、同184、同185、同187、同190、同193、同202、同206、同207、同209、同219、同222、同224、同238、同245;C.I.ピグメントバイオレット3、同9、同19、同23、同31、同32、同33、同36、同38、同43、同50;C.I.バットレッド1、同2、同10、同13、同15、同23、同29、同35などが挙げられる。
 イエロー系着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162;C.I.ピグメントオレンジ31、同43;C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同23、同24、同34、同35、同37、同42、同53、同55、同65、同73、同74、同75、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同98、同100、同101、同104、同108、同109、同110、同113、同114、同116、同117、同120、同128、同129、同133、同138、同139、同147、同150、同151、同153、同154、同155、同156、同167、同172、同173、同180、同185、同195;C.I.バットイエロー1、同3、同20などが挙げられる。
 上記熱硬化性接着シートは、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の各種成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、その他の硬化促進剤、熱可塑性樹脂、粘着付与樹脂(ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール等)、老化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤、表面潤滑剤、レベリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤、箔状物などが挙げられる。上記その他の成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
 上記熱硬化性接着シートの厚さは、特に限定されないが、10~1000μmが好ましく、より好ましくは30~750μm、さらに好ましくは50~500μmである。上記厚さが10μm以上であると、上記熱硬化性接着シートを部材同士の接着に用いた際の接着性により優れる。
 上記熱硬化性接着シートは、接着部分を粒度100の紙やすりで研磨した2枚のAL合金A5052で挟むようにして両方の接着面を貼り合わせて熱硬化した後の、引張速度1.3mm/分、剥離角度0°の条件で測定した際のせん断接着力が、1MPa以上であることが好ましく、より好ましくは5MPa以上、より好ましくは10MPa以上である。上記せん断接着力が1MPa以上であると、部材同士の接着性に優れる。
 本発明の熱硬化性接着シートは、部材同士の接着に用いられることが好ましい。上記熱硬化性接着シートは、金属に対する接着性に優れるため、金属製部材の接着に用いられることが好ましい。また、金属製部材同士の接着に用いられることが好ましい。また、本発明の熱硬化性樹脂シートは、異種材料の部材同士の接着性にも優れる。このため、本発明の熱硬化性接着シートは、金属製部材と繊維強化樹脂製部材との接着にも好ましく用いられる。上記強化繊維としては、公知乃至慣用の強化繊維が挙げられ、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、高強度ポリエチレン繊維、タングステンカーバイド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維(PBO繊維)などが挙げられる。
 上記熱硬化性接着シートは、使用時まで、接着シートの表面(接着面)にはく離ライナー(セパレータ)が貼り合わせられていてもよい。なお、上記熱硬化性接着シートにおける両面の各接着面は、2枚のはく離ライナーによりそれぞれ保護されていてもよいし、両面が剥離面となっているはく離ライナー1枚により、ロール状に巻回される形態(巻回体)で保護されていてもよい。はく離ライナーは接着シートの保護材として用いられ、被着体に貼付する際に剥がされる。なお、はく離ライナーは必ずしも設けられなくてもよい。
 上記はく離ライナーとしては、慣用の剥離紙などを使用でき、特に限定されないが、例えば、剥離処理層を有する基材、フッ素ポリマーからなる低接着性基材や無極性ポリマーからなる低接着性基材などが挙げられる。上記剥離処理層を有する基材としては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙などが挙げられる。上記フッ素ポリマーからなる低接着性基材におけるフッ素系ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン-フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。また、上記無極性ポリマーとしては、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)などが挙げられる。なお、はく離ライナーは公知乃至慣用の方法により形成することができる。また、はく離ライナーの厚さも特に限定されない。
 上記熱硬化性接着シートは、例えば、接着シートを形成するための接着剤組成物をはく離ライナー上に塗布(塗工)し、得られた接着剤組成物層を必要に応じて乾燥して固化して製造することができる。上記接着剤組成物は、例えば、エポキシ樹脂(a)、ゴム変性エポキシ樹脂(b)、上記エポキシ硬化剤、上記フィラーなど、上述の各種成分を有機溶剤等の溶媒に溶解・分散させ混合して作製することができる。
 本発明の熱硬化性接着シートは、接着面に貼り合わせられたはく離ライナーを剥離する際、接着面からはく離ライナーを剥離しやすく取り扱い性に優れ、且つ接着剤のはみ出しが生じにくい。このため、例えば、熱硬化性接着シートの両方の接着面がはく離ライナーで保護された状態から一方のはく離ライナーを剥がす際、いわゆる「泣き別れ」を生じずさせずに、接着シート界面を破損せずはく離ライナーを剥離することができる。また、また、熱硬化性両面接着シートの一方の接着面を部材に貼り合わせ、その後他方の接着面に貼り合わせられたはく離ライナーを剥離する際、接着シートの転写性に優れ、接着シートがはく離ライナーとともに貼り合わせた部材から剥離させずに、はく離ライナーを接着シートの接着面から容易に剥離することができる。さらに、本発明の熱硬化性接着シートは、被着体に貼り合わせた後、加熱して接着シートを硬化させて部材に強固に接着する。被着体である部材同士を熱硬化性接着シートを介して貼り合わせた際や、熱硬化性接着シートを加熱して硬化させる際などにおいて圧力や熱により接着シート中の接着剤が部材間からはみ出にくい。
 以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例における接着シートを構成する各成分の組成を表に示す。但し、表において、接着シートの組成を表す各数値の単位は、当該接着シート内での相対的な“質量部”である。
 実施例1
 ゴム変性エポキシ樹脂(商品名「HyPoxRK84L」、HUNTSMAN社製)に固形分比率50wt%となるようにメチルエチルケトン(MEK)を加え、充分に撹拌してゴム変性エポキシ樹脂溶液を得た。そして、上記ゴム変性エポキシ樹脂溶液80質量部(ゴム変性エポキシ樹脂として40質量部)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「jER-834」、三菱ケミカル株式会社製)60質量部、シリカフィラー(商品名「Aerosil RY-200」、日本アエロジル株式会社製)5質量部、ジシアンジアミド系硬化剤(商品名「Omicure DDA-50」、HUNTSMAN社製)5質量部、および3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素(DCMU)(東京化成品工業株式会社製)2質量部を混合し、固形分比率45wt%となるようにMEKを加えた。そして、高速ミキサー(商品名「ホモディスパー」、プライミックス社製)で2000rpm、1分間撹拌し、さらに遊星撹拌装置(商品名「あわとり練太郎」、株式会社シンキー製)にて2000rpm、1分間脱泡することによって接着剤組成物を作製した。
 次に、離型処理の施された面を有する厚さ75μmのPET製セパレータ(2面セパレータ)の離型処理面上にアプリケーターを使用して、乾燥時の厚さが0.1mmとなるように上記接着剤組成物を塗布して接着剤組成物層を形成した。次に、60℃で10分間加熱し溶媒を乾燥させて接着剤層を形成した。そして、接着剤層表面に、離型処理の施された面を有する厚さ38μmのPET製セパレータ(1面セパレータ)の離型処理面を貼り合わせ、接着シートを作製した。
 実施例2~18、比較例1~6
 接着剤組成物の作製に用いた各種原料の種類および配合量を表1および表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを作製した。
 表1および表2に示す各種原料は以下の通りである。
(エポキシ樹脂(a))
 jER-828:商品名「jER-828」、常温液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184~194g/eq、三菱ケミカル株式会社製
 jER-834:商品名「jER-834」、半固体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量230~270g/eq、三菱ケミカル株式会社製
 jER-1001:商品名「jER-1001」、固体ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量450~500g/eq、三菱ケミカル株式会社製
 jER-872:商品名「jER-872」、半固体ダイマー酸変性エポキシ樹脂、エポキシ当量600~700g/eq、三菱ケミカル株式会社製
 jER-157S65B80:商品名「jER-157S65B80」、固体特殊ノボラック型エポキシ樹脂の溶液タイプ、エポキシ当量200~220g/eq、三菱ケミカル株式会社製
 jER-YX7105:商品名「jER-YX7105」、常温液状超可撓性エポキシ樹脂、エポキシ当量440~520g/eq、三菱ケミカル株式会社製
(ゴム変性エポキシ樹脂(b))
 EPR-1630:商品名「EPR-1630」、エポキシとCTBNを反応させたエポキシ樹脂、エポキシ当量900g/eq、株式会社ADEKA製
 HyPoxRK84L:商品名「HyPoxRK84L」、ビスフェノールA型エポキシとCTBNを反応させたエポキシ樹脂、エポキシ当量1250~1500g/eq、HUNTSMAN社製
(エポキシ硬化剤)
 Omicure DDA-50:商品名「Omicure DDA-50」、ジシアンジアミド、HUNTSMAN社製
 DCMU:3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、東京化成品株式会社製
 Omicure U-24M:商品名「Omicure U-24M」、1,1’-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス(3,3’-ジメチル尿素)、HUNTSMAN社製
 2PHZ-PW:商品名「2PHZ-PW」、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製
(フィラー)
 Aerosil RY-50:商品名「Aerosil RY-50」、疎水化処理されたフュームドシリカ、比表面積35~65m2/g、平均粒子径40nm、日本アエロジル株式会社製
 Aerosil RY-200:商品名「Aerosil RY-200」、疎水化処理されたフュームドシリカ、比表面積175~225m2/g、平均粒子径12nm、日本アエロジル株式会社製
<評価>
 実施例および比較例で得られた接着シートについて、以下の評価を行った。結果を表に示す。
(1)弾性率G’
 実施例および比較例で作製した接着シートの接着剤層を厚さ1mm以上になるまで積層し、Φ8mmとなるように切り出した。レオメーター(商品名「ARES G2」、TAインスツルメント社製)を用いて、周波数1Hz、昇温速度5℃/分、測定温度0~100℃の条件で動的粘弾性を測定した。測定の際、弾性率G’が1MPa以下となった場合は、100℃以下でも測定を中止した。また、弾性率G’が1MPa以下となった温度が80℃以下となった場合は、80℃の弾性率G’は1MPa以下と記録した。以上のようにして、20℃および80℃の弾性率G’を測定した。
(2)泣き別れ
 実施例および比較例で作製した接着シートを幅10mm×長さ50mmに切り出した。セパレータを端部から10mm/分の速さで剥離し、片方のセパレータにのみ接着剤が残る場合を「〇」、両方のセパレータに接着剤が残る場合を「×」として評価した。
(3)転写性
 実施例および比較例で作製した接着シートを幅10mm×長さ50mmに切り出した。酢酸エチルで洗浄したSUS304BAを被着体とした。切り出した接着シートの1面セパレータを剥離し、接着面を被着体に貼付した。室温で5分静置した後、2面セパレータを剥離する時、被着体に接着剤が残る場合を「〇」、2面セパレータに残るまたは被着体と2面セパレータの両方に残る場合を「×」として評価した。
(4)糊はみ出し
 上記せん断接着力の測定において作製した試験片を観察し、2枚の被着体の間からはみ出ている接着剤の量を観察した。はみ出した接着剤が1mmよりも小さい場合を「〇」、1mm以上2mm未満の場合を「△」、2mm以上の場合を「×」として評価した。
(5)せん断接着力
 基本的な操作はJIS K6850:1999に準じて実施した。具体的には、まず、幅25mm×長さ100mm×厚さ1.6mmのAL合金A5052を長さ方向に45°および135°の方向に粒度100の紙やすりで3回ずつ研磨した。研磨した面を酢酸エチルを用いて洗浄し、30分風乾することで被着体を得た。他方、実施例および比較例で作製した接着シートを幅25mm×長さ12.5mmに切り出した。切り出した接着シートの1面セパレータを剥離し、接着面を被着体に貼付した。次いで、2面セパレータを剥離し、もう一枚の被着体に貼付した。2面セパレータを剥離した時、接着シートが転写しない場合は60℃で10秒ラミネートして転写した。2枚の被着体を約2~7kPaで仮固定した。仮固定した状態で150℃のオーブンにて1時間加熱して接着シートを硬化させ、放冷後に仮固定を解除して試験片とした。得られた試験片の両端25mmを引張試験機のチャックで固定し、1.3mm/分の速さで破断するまで試験機を動かし、最大応力をせん断接着力とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表1および表2に示すように、本発明の熱硬化性接着シートは、泣き別れが生じず、転写性に優れ、取り扱い性に優れると評価された。また、接着剤のはみ出しが生じなかった。一方、80℃の弾性率G’が低い場合(比較例1,2)、糊はみ出しが確認された。20℃の弾性率G’が高い場合(比較例3)、転写性に劣っており、取り扱い性に劣ると評価された。20℃の弾性率G’が低い場合(比較例2,4~6)、泣き別れが生じ、取り扱い性に劣ると評価された。
1 熱硬化性接着シート
2,3 はく離ライナー

Claims (12)

  1.  20℃の弾性率G’は150~3000kPaであり、80℃の弾性率G’は1kPa以上である、熱硬化性接着シート。
  2.  エポキシ当量が200~800g/eqであるエポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)を含有する請求項1に記載の熱硬化性接着シート。
  3.  エポキシ樹脂(a)はビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、およびダイマー酸変性エポキシ樹脂からなる群より選択される一種以上である請求項2に記載の熱硬化性接着シート。
  4.  エポキシ樹脂(a)とゴム変性エポキシ樹脂(b)の質量比は20:80~80:20である請求項2または3に記載の熱硬化性接着シート。
  5.  エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部に対して、エポキシ硬化剤0.5~30質量部を含有する、請求項2~4のいずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
  6.  前記エポキシ硬化剤はジシアンジアミドを含有し、前記ジシアンジアミドの含有量は、エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部に対して0.5~20質量部である、請求項5に記載の熱硬化性接着シート。
  7.  前記エポキシ硬化剤は尿素系化合物および/またはイミダゾール系化合物を含有し、尿素系化合物および/またはイミダゾール系化合物の含有量は、エポキシ樹脂(a)およびゴム変性エポキシ樹脂(b)の合計100質量部に対して1~10質量部である、請求項5または6に記載の熱硬化性接着シート。
  8.  フィラーを含む請求項1~7のいずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
  9.  前記フィラーの平均粒子径は7~50nmである請求項8に記載の熱硬化性接着シート。
  10.  前記熱硬化性接着シート100gあたりの前記フィラーの比表面積は600~6000m2である請求項8または9に記載の熱硬化性接着シート。
  11.  少なくとも一方の部材が金属製部材である部材同士の接着用途である請求項1~10のいずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
  12.  金属製部材同士、または、金属製部材と繊維強化樹脂製部材との接着に用いられる、請求項11に記載の熱硬化性接着シート。
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