WO2023190805A1 - Prパルス電解用銅めっき液、及び、prパルス電解法に依る銅めっき方法 - Google Patents

Prパルス電解用銅めっき液、及び、prパルス電解法に依る銅めっき方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、新たに、PRパルス電解用銅めっき液、及び、PRパルス電解法に依る銅めっき方法を提供する事を目的とする。 銅(II)イオン、多価金属イオン(但し、銅(II)イオンを除く)、及び不飽和脂肪酸を含有する、PRパルス電解用銅めっき液。

Description

PRパルス電解用銅めっき液、及び、PRパルス電解法に依る銅めっき方法
 本発明は、PRパルス電解用銅めっき液、及び、PRパルス電解法に依る銅めっき方法に関する。
 特許文献1は、本出願人が開示する技術であり、(1)アルケン類から選ばれた少なくとも一種の成分からなる、PRパルス電解法に用いる銅めっき液用添加剤、(2)銅イオン、並びに有機酸及び無機酸から選ばれた少なくとも一種の酸成分を含有する酸性水溶液を基本めっき浴として、前記添加剤を含有するPRパルス電解法によるめっき用酸性銅めっき液、(3)前記酸性銅めっき液中で、被めっき物をカソードとして、PRパルス電流を通電して電解銅めっきを行うことを特徴とするPRパルス電解法による銅めっき方法を開示する。
 本出願人が開示する技術の添加剤を含む電解銅めっき液を用いて、PRパルス電解法により銅めっきを行うと、均一電着性が良好であるというPR電解銅めっき液の優れた点を維持した上で、形成されるめっき皮膜の外観、皮膜物性、フィリング性等を向上させる事が出来る。そして、この添加剤を含むPR電解銅めっき液は、電解銅めっき法に依って、ビアフィリング、スルーホールフィリング、スルーホールめっき等を行う際に特に有用である。
 特許文献2は、(1)隣接炭素原子に水酸基を有する多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールもしくはポリアルキレングリコールから選ばれるポリオールに、エピハロヒドリンを反応させてエポキシ化し、次いでアミンを反応させて得られる第3級アミン化合物を有効成分として含有するパルス銅めっき浴用添加剤、(2)隣接炭素原子に水酸基を有する多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールもしくはポリアルキレングリコールから選ばれるポリオールに、エピハロヒドリンを反応させてエポキシ化し、次いでアミンを反応させて得られる第3級アミン化合物に、更に化合物と反応させることにより得られる第4級アンモニウム化合物を有効成分として含有するパルス銅めっき浴用添加剤を開示する。
特許第5636633号 特開2008-266722号公報
 本発明は、新たに、PRパルス電解用銅めっき液、及び、PRパルス電解法に依る銅めっき方法を提供する事を目的とする。
 本発明者は、鋭意検討した結果、鉄(II)イオン等の多価金属イオンと不飽和脂肪酸とを併用し、硫酸銅等を用いる銅(II)イオン水溶液を用いて、パルス電解で銅皮膜を生成する技術を開発した。
 即ち、本発明は、次のPR(Periodic Reverse)パルス電解用銅めっき液、及び、PRパルス電解法に依る銅めっき方法を包含する。
 項1.
 PRパルス電解用銅めっき液であって、
 銅(II)イオン、
 多価金属イオン(但し、銅(II)イオンを除く)、及び
 不飽和脂肪酸
を含有する、PRパルス電解用銅めっき液。
 項2.
 前記多価金属イオンは、コバルト、鉄、及びセリウムから成る群から選ばれる少なくとも1種の多価金属のイオンである、前記項1に記載のPRパルス電解用銅めっき液。
 項3.
 前記多価金属イオンは、コバルト(II)、鉄(II)、及びセリウム(III)から成る群から選ばれる少なくとも1種の多価金属イオンである、前記項1又は2に記載のPRパルス電解用銅めっき液。
 項4.
 前記PRパルス電解用銅めっき液中、前記多価金属イオンを0.3g/L~3.0g/L含む、前記項1~3の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
 項5.
 前記不飽和脂肪酸は、アルケン類、及びアルキン類から成る群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸である、前記項1~4の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
 項6.
 前記不飽和脂肪酸は、カルボキシル基を二個又は三個有する、アルケン類、及びアルキン類から成る群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸である、前記項1~5の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
 項7.
 前記PRパルス電解用銅めっき液中、前記不飽和脂肪酸を0.5g/L~10g/L含む、前記項1~6の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
 項8.
 更に、酸成分を含有し、酸性水溶液である、前記項1~7の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
 項9.
 更に、ハロゲン化物イオンを含有する、前記項1~8の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
 項10.
 更に、含硫黄有機化合物を含有する、前記項1~9の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
 項11.
 前記PRパルス電解用銅めっき液中、第三級アミン化合物、及び第四級アミン化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物の合計含有量は、1mg/L未満である、前記項1~10の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
 項12.
 PRパルス電解法に依る銅めっき方法であって、
 (1)PRパルス電解用銅めっき液中で、被めっき物をカソードとして、PRパルス電流を通電して、電解銅めっきを行う工程、
を含み、
 前記PRパルス電解用銅めっき液は、
 銅(II)イオン、
 多価金属イオン(但し、銅(II)イオンを除く)、及び
 不飽和脂肪酸
を含有する、
PRパルス電解法に依る銅めっき方法。
 項13.
 前記工程(1)を、陽極/陰極の電流密度比(陽極の電流密度/陰極の電流密度)=0.2~0.85のPRパルスの電解条件で行う、前記項12に記載のPRパルス電解法に依る銅めっき方法。
 項14.
 前記工程(1)を、正電流印加時間を5ミリ秒~200ミリ秒とし、正電流/負電流の印加時間比(正電流印加時間/負電流印加時間)=5以上、50未満のPRパルスの電解条件で行う、前記項12又は13に記載のPRパルス電解法に依る銅めっき方法。
 従来、スルーホール及びビアの密集箇所が各所に点在する基板をめっき処理する場合、単位面積当たりの表面積変化が大きい為、めっき処理後の表面膜厚が不均一に成るという事が生じる。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、鉄(II)イオン等の多価金属イオンと不飽和脂肪酸を併用し、硫酸銅水溶液等の銅(II)イオンを含む。本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いる事に依り、パルス電解で、良好に、銅皮膜を、その表面膜厚を均一に、生成する事が出来る。本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いる事に依り、銅皮膜の表面膜厚分布を均一にする事を可能とする。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、好ましくは、第三級アミン化合物及び第四級アミン化合物を含まない態様を採る。
 本発明は、新たに、PRパルス電解用銅めっき液、及び、PRパルス電解法に依る銅めっき方法を提供する事が出来る。
 以下に本発明を詳細に説明する。
 本発明を表す実施の形態は、発明の趣旨がより良く理解出来る説明であり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
 本明細書において、「含む」及び「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみから成る(consist essentially of)」、及び「のみから成る(consist of)」の何れも包含する概念である。
 本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
 [1]PRパルス電解用銅めっき液
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、
 銅(II)イオン、
 多価金属イオン(但し、銅(II)イオンを除く)、及び
 不飽和脂肪酸を含有する。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、鉄(II)イオン等の多価金属イオンと不飽和脂肪酸を併用し、硫酸銅水溶液等の銅(II)イオンを含む。本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いる事に依り、パルス電解で、良好に、銅皮膜を、その表面膜厚を均一に、生成する事が出来る。本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いる事に依り、銅皮膜の表面膜厚分布を均一にする事を可能とする。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いる事に依り、PRパルス電解法で電解銅めっきを行う時に、形成されるめっき外観は良好であり、めっき皮膜の物性は良好であり、ビアフィリング性、スルーホールフィリング性等も良好である。本発明のPRパルス電解銅めっき方法は、ビアフィリング、スルーホールフィリング、スルーホールめっき等のめっき方法として有用である。
 従来の電流条件が直流電解で用いる銅めっき液では、添加剤として、ポリマー、硫黄系添加剤(ブライトナー)、三級アミン化合物、四級アミン化合物(レベラー)を含む銅めっき液を用いると、膜厚の均一性は良好でない。
 従来の電流条件がPRパルスで用いる銅めっき液では、添加剤として、ポリマー、硫黄系添加剤(ブライトナー)、三級アミン化合物、四級アミン化合物(レベラー)を含む銅めっき液を用いると、膜厚の均一性は十分でなく、皮膜物性も良好でない。
 従来の電流条件がPRパルスで用いる銅めっき液では、添加剤として、多価金属イオン、不飽和脂肪酸、ポリマー、硫黄系添加剤(ブライトナー)、三級アミン化合物、四級アミン化合物(レベラー)を含む銅めっき液を用いると、三級アミン化合物、四級アミン化合物(レベラー)の含有量が1mg/L以上であると、膜厚の均一性は十分でなく、皮膜物性も良好でない。
 本発明の電流条件がPRパルスで用いる銅めっき液では、添加剤として、多価金属イオン、不飽和脂肪酸、ポリマー、任意に硫黄系添加剤(ブライトナー)を含む銅めっき液を用いると、膜厚の均一性は良好であり、皮膜物性も良好である。
 本発明の電流条件がPRパルスで用いる銅めっき液では、添加剤として、多価金属イオン、不飽和脂肪酸、ポリマー、任意に硫黄系添加剤(ブライトナー)を含む銅めっき液を用いると、好ましくは、三級アミン化合物、四級アミン化合物(レベラー)の含有量が1mg/L未満であると、膜厚の均一性は良好であり、皮膜物性も良好である。
 [1-1]銅(II)イオン
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、銅(II)イオンを含有する。
 銅イオン(II)源は、めっき液中に可溶性の銅化合物であれば、特に限定なく使用出来る。銅イオン(II)源を提供する銅化合物は、好ましくは、硫酸銅(II)、酸化銅(II)、塩化銅(II)、炭酸銅(II)、ピロリン酸銅(II)、メタンスルホン酸銅(II)等のアルカンスルホン酸銅(II)、プロパノールスルホン酸銅(II)等のアルカノールスルホン酸銅(II)、カプリル酸銅(II)、ラウリン酸銅(II)、ステアリン酸銅(II)、ナフテン酸銅(II)等の有機酸銅(II)等である。
 銅イオン(II)源、及び銅化合物は、前記化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて良く、これらの銅イオン(II)源、及び銅化合物を1種単独で用いても良く、或は2種以上を混合(ブレンド)して用いても良い。
 PRパルス電解用銅めっき液中の銅(II)イオン濃度は、特に限定なく範囲とする事が出来る。PRパルス電解用銅めっき液中の銅(II)イオン濃度は、好ましくは、10g/L~300g/Lの範囲とする。
 [1-2]多価金属イオン(但し、銅(II)イオンを除く)
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、多価金属イオンを含有する。PRパルス電解用銅めっき液では、多価金属イオンは、銅(II)イオンを除く多価金属イオンである。PRパルス電解用銅めっき液では、多価金属イオンは、膜厚平均化剤として機能し、膜厚の均一性を向上させる事が出来る。
 多価金属イオン源を提供する多価金属化合物は、好ましくは、コバルト、鉄、セリウム等の硫酸塩、或いは硝酸塩である。
 多価金属イオンは、好ましくは、コバルト、鉄、及びセリウムから成る群から選ばれる少なくとも1種の多価金属のイオンである。多価金属イオンは、より好ましくは、コバルト(II)、鉄(II)、及びセリウム(III)から成る群から選ばれる少なくとも1種の多価金属イオンである。
 多価金属イオン源、及び多価金属は、前記化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて良く、これらの多価金属イオン源、及び多価金属を1種単独で用いても良く、或は2種以上を混合(ブレンド)して用いても良い。
 PRパルス電解用銅めっき液中の多価金属イオン濃度は、特に限定なく範囲とする事が出来る。PRパルス電解用銅めっき液中の多価金属イオン濃度は、好ましくは、0.3g/L~3.0g/Lの範囲とする。
 鉄(II)イオン等の多価金属イオンと不飽和脂肪酸との併用
 プリント基板及びIC基板の電子部品には、スルーホール(以下「TH」とも記す)を形成して、電気的及び熱的な導電性を付与する。電子部品におけるこの構造は、小型化が進んでおり、銅の電気めっきにおいても、TH(穴)の小径化、密集化が進んでいる。電子部品には、多層積層化が進み、板厚が増加しており、板厚に対する穴径を示すアスペクト比が増加している。高アスペクト比の基板に対し、穴が「密集した箇所」と「密集していない箇所」が多数存在してくると、基板内でも表面積に差が生じる。
 スルーホール(TH)が「密集していない箇所」(以下「TH疎部」とも記す)は、表面積が少ない為、比較的、電気が流れ易い。しかし、スルーホール(TH)が「密集している箇所」(以下「TH密部」とも記す)は、表面積が高い為、抵抗と成り、電流が流れ難い。直流電流を印加して処理する方法の場合、TH疎部は、電気が多く流れる為、基板表面の銅が厚く析出する。一方、TH密部は、電気が流れ難い為、基板表面の銅が薄く析出する。
 銅膜厚を均一にする技術
 一般に、プリント基板内に表面積差に由る電流分布を生じさせない為、PRパルス電解用銅めっき液に、銅の電析を抑制する窒素系化合物を使用する。窒素系化合物は、通常、第三級アミン化合物及び第四級アミン化合物で構成され、水溶液中で、正の電荷を帯びている。基板にマイナス電流が印加されると、第三級アミン化合物及び第四級アミン化合物は、正電荷を帯びている為、基板に吸着し、抵抗体と成り、銅の電析が抑制される。
 基板全体が高い抵抗下で処理される状態に成ると、表面積差が生じても電流分布を均一化出来、均一な膜厚分布で製膜出来る。しかし、TH疎部とTH密部との単位面積当たりのTHの数比が4以上に成ると、銅の表面膜厚の均一化に限界が生じる。プリント基板は、銅の表面膜厚が厚いと、微細回路の形成が困難に成る。また、TH内の銅膜厚が薄すぎると、接続信頼性が悪化する。
 TH密部は電流が流れ難い為、表面膜厚、スルーホール内の膜厚が共に薄く成ってしまう。接続信頼性を得るため、めっき処理時間、電流量を調整し、規定以上の膜厚にする事が求められるが、同じ基板内に存在する電気の流れ易いTH疎部において、銅の表面膜厚が肥大化してしまう。スルーホール内の銅皮膜も肥大化し、穴径が過剰に小さくなる為、後工程の基板製造過程において処理液の残渣残り等が発生し、不具合が発生する。
 TH疎部にビアが存在する場合、銅の充填過剰により凸形状に成る。凸形状に成ると、研磨若しくはエッチング工程を追加して表面形状を整える必要がある為、経済的、工程的に問題が生じる。
 本発明のPRパルス電解法に依る銅めっき方法の有用性
 PRパルス電解は、「銅を電析させる正パルス電解」と「銅を溶解させる負パルス電解」とを組み合わせ、非常に短い時間で正と負をサイクルさせる。PRパルス電解は、析出効率を向上させる為の手法として、ビア及びスルーホールを銅で効率浴充填する手法である。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、多価金属イオンを含み、負パルス時に犠牲酸化する事で銅の溶解が発生し難く成り、好ましくは、カルボキシル基を少なくとも二個有する、アルケン類、及びアルキン類から成る群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸、カルボキシル基を四個未満有する、アルケン類、及びアルキン類から成る群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸を含有する事に依り、銅の析出効率を向上させる事が出来る。
 多価金属イオン及び不飽和脂肪酸は、低い電流印加時に、その効果を発揮する。
 その理由で、TH密部では、多価金属イオンの犠牲酸化が有効に成り、溶解電流が適度に抑えられる事で銅の溶解が少なく成り、低い正パルスにおいて不飽和脂肪酸が銅の析出効率を向上させる事が出来る。
 一方、TH疎部は、高いパルス電流が印加される為、多価金属イオンと不飽和脂肪酸との効果が生じ難く、溶解と析出とが繰り返し発生し、徐々に銅が製膜される。その結果、TH密部とTH疎部との基板表面の銅膜厚は、均一に成り、TH密部のスルーホール銅皮膜も、接続信頼性を損なわない膜厚で処理する事が出来る。TH疎部では、余剰の電流処理をしない事に依り、THの銅皮膜が肥大化する事無く、処理する事が出来る。
 [1-3]不飽和脂肪酸
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、不飽和脂肪酸を含有する。PRパルス電解用銅めっき液では、不飽和脂肪酸は、外観向上剤として機能し、皮膜物性を向上させる事が出来る。
 不飽和脂肪酸は、好ましくは、アルケン類、及びアルキン類から成る群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸である。不飽和脂肪酸は、より好ましくは、カルボキシル基を二個又は三個有する、アルケン類、及びアルキン類から成る群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸である。不飽和脂肪酸は、更に好ましくは、フマル酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、アコニット酸等である。
 不飽和脂肪酸は、前記化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて良く、これらの不飽和脂肪酸を1種単独で用いても良く、或は2種以上を混合(ブレンド)して用いても良い。
 PRパルス電解用銅めっき液中の不飽和脂肪酸含有量は、特に限定なく範囲とする事が出来る。PRパルス電解用銅めっき液中の不飽和脂肪酸含有量は、好ましくは、0.5g/L~10g/Lの範囲とする。
 [1-4]酸成分
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液では、好ましくは、更に、酸成分を含有し、酸性水溶液である。
 酸成分は、好ましくは、有機酸、及び無機酸から成る群から選ばれる少なくとも1種の酸成分であり、PRパルス電解用銅めっき液を酸性銅めっき液とする事が出来る。
 有機酸は、好ましくは、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、2-プロパンスルホン酸等のアルカンスルホン酸、2-ヒドロキシエタン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、1-ヒドロキシプロパン-2-スルホン酸、3-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸等のアルカノールスルホン酸等である。
 無機酸は、好ましくは、硫酸、塩酸等である。
 酸成分は、前記化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて良く、これらの酸成分を1種単独で用いても良く、或は2種以上を混合(ブレンド)して用いても良い。
 PRパルス電解用銅めっき液中の酸成分含有量は、特に限定なく範囲とする事が出来る。PRパルス電解用銅めっき液中の酸成分含有量は、好ましくは、20g/L~300g/Lの範囲とする。
 [1-5]ハロゲン化物イオン
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液では、好ましくは、更に、ハロゲン化物イオンを含有する。
 ハロゲン化物イオンは、好ましくは、塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)等である。
 ハロゲン化物イオンは、前記化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて良く、これらのハロゲン化物イオンを1種単独で用いても良く、或は2種以上を混合(ブレンド)して用いても良い。
 PRパルス電解用銅めっき液中のハロゲン化物イオン含有量は、特に限定なく範囲とする事が出来る。PRパルス電解用銅めっき液中のハロゲン化物イオン含有量は、好ましくは、5mg/L~200mg/Lの範囲とする。ハロゲン化物イオン含有量は、必要に応じて、塩酸、塩化ナトリウム等を用いて、PRパルス電解用銅めっき液中のハロゲン化物イオン濃度を調整する。
 [1-6]含硫黄有機化合物
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液では、好ましくは、更に、含硫黄有機化合物を含有する。
 含硫黄有機化合物は、ブライトナーと称されているものである。含硫黄有機化合物は、好ましくは、スル-ホールめっき用の硫酸銅めっき液に配合されている添加剤やブラインドビアホール用の硫酸銅めっきに配合されている添加剤等を用いる。
 含硫黄有機化合物は、好ましくは、3-メルカプトプロパンスルホン酸、そのナトリウム塩、ビス(3-スルホプロピル)ジスルフィド、その2ナトリウム塩、N,N-ジメチルジチオカルバミン酸(3-スルホプロピル)エステル、そのナトリウム塩等の硫黄化合物を用いる。
 含硫黄有機化合物は、前記化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて良く、これらの含硫黄有機化合物を1種単独で用いても良く、或は2種以上を混合(ブレンド)して用いても良い。
 PRパルス電解用銅めっき液中の含硫黄有機化合物含有量は、特に限定なく範囲とする事が出来る。PRパルス電解用銅めっき液中の含硫黄有機化合物含有量は、好ましくは、0.1mg/L~50mg/Lの範囲とする。
 [1-7]第三級アミン化合物、及び第四級アミン化合物
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液では、好ましくは、前記PRパルス電解用銅めっき液中、第三級アミン化合物、及び第四級アミン化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物(窒素系化合物)の合計含有量は、1mg/L未満である。
 窒素系化合物を少濃度にする技術
 PRパルス電解用銅めっき液は、第三級アミン化合物及び第四級アミン化合物を、多く含有すると、銅の電析を抑制してしまう為、多価金属イオン及び不飽和脂肪酸の効果が得られ難く成る為、第三級アミン化合物及び第四級アミン化合物を、好ましくは、1mg/L未満で含有し、若しくは含有しない。
 パルス電解処理は、負パルス時に銅を溶解させる処理だけでなく、同時に皮膜物性の改善因子である硫黄系添加剤もはぎ取ってしまう。硫黄系添加剤が吸着せず、窒素系化合物が銅表面に吸着し、皮膜が製膜されると皮膜の展延性は悪化する。
 基板に使用されるエポキシ樹脂は、銅との熱膨張係数が大きく異なる為、展延性の悪い銅めっき皮膜を形成してしまうと、基板に熱膨張が発生した際、樹脂の膨張に追従出来ず、銅めっき皮膜にクラックが発生し、電気的に断線してしまうという事が生じる。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、好ましくは、酸性硫酸銅めっきにおいて一般に使用される窒素系化合物を多量に必要としない。その為、PRパルス電解処理を用いるが、皮膜物性に対する懸念がシステム的に発生し無く成り、物性の良い銅皮膜を得る事が出来る。
 含窒素有機化合物は、通常、レベラーと称されているものである。第三級アミン化合物、及び第四級アミン化合物は、好ましくは、スル-ホールめっき用の硫酸銅めっき液に配合されている添加剤やブラインドビアホール用の硫酸銅めっきに配合されている添加剤等を用いる。
 第三級アミン化合物、及び第四級アミン化合物は、好ましくは、フェナジン化合物、サフラニン化合物、ポリアルキレンイミン、チオ尿素誘導体、ポリアクリル酸アミド等の窒素化合物を用いる。
 第三級アミン化合物、及び第四級アミン化合物(含窒素有機化合物)は、前記化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて良く、これらの第三級アミン化合物、及び第四級アミン化合物(含窒素有機化合物)を1種単独で用いても良く、或は2種以上を混合(ブレンド)して用いても良い。
 PRパルス電解用銅めっき液中の第三級アミン化合物、及び第四級アミン化合物(含窒素有機化合物)含有量は、特に限定なく範囲とする事が出来る。PRパルス電解用銅めっき液中の第三級アミン化合物、及び第四級アミン化合物(含窒素有機化合物)含有量は、好ましくは、1mg/L未満の範囲とする。
 [1-8]非イオン系ポリエーテル高分子界面活性剤
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液では、好ましくは、更に、非イオン系ポリエーテル高分子界面活性剤を含有する。
 非イオン系ポリエーテル高分子界面活性剤は、ポリマー成分と称されているものである。非イオン系ポリエーテル高分子界面活性剤は、好ましくは、スル-ホールめっき用の硫酸銅めっき液に配合されている添加剤やブラインドビアホール用の硫酸銅めっきに配合されている添加剤等を用いる。
 非イオン系ポリエーテル高分子界面活性剤は、好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリオキシアルキレングリコール等のポリエーテル化合物等である。
 非イオン系ポリエーテル高分子界面活性剤は、前記化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて良く、これらの非イオン系ポリエーテル高分子界面活性剤を1種単独で用いても良く、或は2種以上を混合(ブレンド)して用いても良い。
 PRパルス電解用銅めっき液中の非イオン系ポリエーテル高分子界面活性剤含有量は、特に限定なく範囲とする事が出来る。PRパルス電解用銅めっき液中の非イオン系ポリエーテル高分子界面活性剤含有量は、好ましくは、0.01g/L~10g/Lの範囲とする。
 [1-9]好ましいPRパルス電解用銅めっき液
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、特に、基本浴を硫酸銅めっき液とする場合に良好な効果を得る事が出来る。以下、硫酸銅めっき液の組成の具体例を示す。
 PRパルス電解用硫酸銅めっき液
 銅(II)イオン:硫酸銅五水塩を20g/L~300g/L含む。
 多価金属イオン:鉄イオン(Fe2+)を0.3g/L~3g/L含む。
 不飽和脂肪酸:フマル酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、アコニット酸等を0.5g/L~10g/L含む。
 硫酸:20g/L~300g/L含む。
 塩化物イオン:5mg/L~200mg/L含む。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、PRパルス電流を通電して電解銅めっきを行う際に用いる電解銅めっき液である。
 [2]PRパルス電解法に依る銅めっき方法
 本発明のPRパルス電解法に依る銅めっき方法は、
 (1)PRパルス電解用銅めっき液中で、被めっき物をカソードとして、PRパルス電流を通電して、電解銅めっきを行う工程、を含み、
 前記PRパルス電解用銅めっき液は、
 銅(II)イオン、
 多価金属イオン(但し、銅(II)イオンを除く)、及び
 不飽和脂肪酸を含有する。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、PRパルス電流を通電して電解銅めっきを行う際に用いる電解銅めっき液である。
 [2-1]陽極/陰極の電流密度比
 電解銅めっき液を用いる際のPRパルス電流の通電条件は、銅めっき皮膜析出の為の正電解の電流密度を、好ましくは、0.1A/dm2(ASD)~10A/dm2(ASD)とし、より好ましくは、1A/dm2(ASD)~5A/dm2(ASD)程度とする。
 電解銅めっき液を用いる際のPRパルス電流の通電条件は、銅めっき皮膜を溶解するための負(逆)電解の電流密度を、好ましくは、0.1A/dm2(ASD)~100A/dm2(ASD)とし、より好ましくは、1A/dm2(ASD)~80A/dm2(ASD)とする。
 PRパルス電解法に依る銅めっき方法では、工程(1)を、好ましくは、陽極/陰極の電流密度比(陽極の電流密度/陰極の電流密度)=0.2~0.85のPRパルスの電解条件で行う。
 [2-2]正電流/負電流の印加時間比
 正電流印加時間:被めっき物に銅を析出させる電流時間。正電解時間は、好ましくは、5ミリ秒(msec)~200ミリ秒(msec)とし、より好ましくは、10ミリ秒(msec)~100ミリ秒(msec)とする。
 負電流印加時間:被めっき物から銅を溶出させる電流時間。負(逆)電解時間は、好ましくは、0.1ミリ秒(msec)~10ミリ秒(msec)とする。
 本発明のPRパルス電解法に依る銅めっき方法では、工程(1)を、好ましくは、正電流印加時間を5ミリ秒~200ミリ秒とし、正電流/負電流の印加時間比(正電流印加時間/負電流印加時間)=5以上、50未満のPRパルスの電解条件で行う。
 [2-3]電解銅めっき
 めっき液の液温は、好ましくは、10℃~40℃とする。
 めっき液の攪拌方法は、好ましくは、空気攪拌、噴流攪拌等を行い、両者を併用しても良い。
 めっき処理を行う際に、アノードは、好ましくは、可溶性アノード及び不溶性アノードの何れも用いる。可溶性アノード、好ましくは、リン含有量0.02質量%~0.06質量%の含リン銅を用いる。また、不溶性アノードは、好ましくは、チタンに酸化イリジウムをコーティングしたもの、チタンに白金めっきしたもの等を用いる。アノードの形状は、好ましくは、棒状、球状、板状等の各種形状のアノードを用いる。
 PRパルス電解用銅めっき液の被めっき物(カソード)の種類は、特に限定はない。被めっき物は、スルーホール及びビアホールの微小孔を有する基板を被めっき物とする場合、良好な均一電着性により、微小孔の内部にまで均一にめっき皮膜を形成する事ができる。形成されるめっき皮膜の外観は良好であり、伸び、抗張力等のめっき皮膜の物性も良好である。
 めっき処理を行う場合、前処理方法は、特に限定はない。前処理方法は、スルーホール及びビアホールを形成したプリント配線板を被めっき物とする場合、(1)プリント基板製造に用いられる無電解銅めっきを施した被めっき物を、脱脂を行い、前工程で付着した汚れ等を除去した後、(2)酸洗を行って酸化皮膜を除去、活性化した後、(3)本発明のPRパルス電解用銅めっき液に浸漬して、PRパルス電流を通電して電解めっきを行う。
 従来、スルーホール及びビアの密集箇所が各所に点在する基板をめっき処理する場合、単位面積当たりの表面積変化が大きい為、めっき処理後の表面膜厚が不均一に成るという事が生じる。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、鉄(II)イオン等の多価金属イオンと不飽和脂肪酸を併用し、硫酸銅水溶液等の銅(II)イオンを含む。本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いる事に依り、パルス電解で、良好に、銅皮膜を、その表面膜厚を均一に、生成する事が出来る。本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いる事に依り、表面膜厚分布を均一にする事を可能とする。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、好ましくは、第三級アミン化合物及び第四級アミン化合物を含まない態様である。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いて、PRパルス電解法により銅めっきを行う事に依って、均一電着性が良好であり、形成されるめっき皮膜の外観、皮膜物性、フィリング性等を向上させる事が出来る。
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、電解銅めっき法によって、ビアフィリング、スルーホールフィリング、スルーホールめっき等を行う際に有用である。
 以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
 本発明は、以下の具体的な実施例に限定されない。
 [1]硫酸銅めっき液組成
 表1に示すPRパルス電解用銅めっき液(硫酸銅めっき液)を調製した。
 めっき時間は、TH疎部の表面膜厚40μmと成る様に調整した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 [2]硫酸銅めっき工程
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 直径0.3mm、深さ1.6mmの多数のスルーホールを有し、厚さ1μmの無電解銅めっき皮膜を全面に形成した基板を被めっき物として用い、これを脱脂液(商品名:DP-320クリーン奥野製薬工業(株)製、100mL/L水溶液)に、45℃で5分間浸漬した後、1分間水洗し、100g/Lの希硫酸に、1分間浸漬して前処理を行った。
 次いで、PRパルス電解用銅めっき液を用いて、各めっき条件にてPRパルス電解法に依って、電解銅めっきを行い、膜厚40μmの銅めっき皮膜を形成した。
 PRパルス電流を通電して電解銅めっきを行った後、被めっき物のスルーホール部分について、疎密膜厚差の評価(均一電着性)を評価した。
 めっき条件(表3、4、及び6~8)
  正電流密度:3.6A/dm2
  負電流密度:7.2A/dm2
  正電解時間:10msec
  負電解時間:0.6msec
  浴温:25℃
  撹拌:噴流攪拌
 めっき条件(表5)
  正電流密度:3.6A/dm2
  負電流密度:7.2A/dm2、10.8A/dm2、18.0A/dm2
  正電解時間:10msec
  負電解時間:0.3msec、0.6msec、1.0msec
  浴温:25℃
  撹拌:噴流攪拌
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いると、形成されためっき皮膜の疎密膜厚差は10μm未満であり、均一電着性に優れ、良好な外観及び皮膜物性を有する銅めっき皮膜を形成出来た。
 これに対して、比較例のPRパルス電解用銅めっき液を用いると、形成されためっき皮膜の疎密膜厚差は10μmを超え、均一電着性が良好でなかった。
 [3]産業上の利用可能性
 本発明のPRパルス電解用銅めっき液は、鉄(II)イオン等の多価金属イオンと不飽和脂肪酸を併用し、硫酸銅水溶液等の銅(II)イオンを含む。本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いる事に依り、パルス電解で、良好に、銅皮膜を、その表面膜厚を均一に、生成する事が出来る。本発明のPRパルス電解用銅めっき液を用いる事に依り、銅皮膜の表面膜厚分布を均一にする事を可能とする。

Claims (14)

  1.  PRパルス電解用銅めっき液であって、
     銅(II)イオン、
     多価金属イオン(但し、銅(II)イオンを除く)、及び
     不飽和脂肪酸
    を含有する、PRパルス電解用銅めっき液。
  2.  前記多価金属イオンは、コバルト、鉄、及びセリウムから成る群から選ばれる少なくとも1種の多価金属のイオンである、請求項1に記載のPRパルス電解用銅めっき液。
  3.  前記多価金属イオンは、コバルト(II)、鉄(II)、及びセリウム(III)から成る群から選ばれる少なくとも1種の多価金属イオンである、請求項1又は2に記載のPRパルス電解用銅めっき液。
  4.  前記PRパルス電解用銅めっき液中、前記多価金属イオンを0.3g/L~3.0g/L含む、請求項1~3の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
  5.  前記不飽和脂肪酸は、アルケン類、及びアルキン類から成る群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸である、請求項1~4の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
  6.  前記不飽和脂肪酸は、カルボキシル基を二個又は三個有する、アルケン類、及びアルキン類から成る群から選ばれる少なくとも1種の不飽和脂肪酸である、請求項1~5の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
  7.  前記PRパルス電解用銅めっき液中、前記不飽和脂肪酸を0.5g/L~10g/L含む、請求項1~6の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
  8.  更に、酸成分を含有し、酸性水溶液である、請求項1~7の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
  9.  更に、ハロゲン化物イオンを含有する、請求項1~8の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
  10.  更に、含硫黄有機化合物を含有する、請求項1~9の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
  11.  前記PRパルス電解用銅めっき液中、第三級アミン化合物、及び第四級アミン化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物の合計含有量は、1mg/L未満である、請求項1~10の何れかに記載のPRパルス電解用銅めっき液。
  12.  PRパルス電解法に依る銅めっき方法であって、
     (1)PRパルス電解用銅めっき液中で、被めっき物をカソードとして、PRパルス電流を通電して、電解銅めっきを行う工程、
    を含み、
     前記PRパルス電解用銅めっき液は、
     銅(II)イオン、
     多価金属イオン(但し、銅(II)イオンを除く)、及び
     不飽和脂肪酸
    を含有する、
    PRパルス電解法に依る銅めっき方法。
  13.  前記工程(1)を、陽極/陰極の電流密度比(陽極の電流密度/陰極の電流密度)=0.2~0.85のPRパルスの電解条件で行う、請求項12に記載のPRパルス電解法に依る銅めっき方法。
  14.  前記工程(1)を、正電流印加時間を5ミリ秒~200ミリ秒とし、正電流/負電流の印加時間比(正電流印加時間/負電流印加時間)=5以上、50未満のPRパルスの電解条件で行う、請求項12又は13に記載のPRパルス電解法に依る銅めっき方法。
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