JP2019099895A - 電気銅亜鉛合金めっき膜の形成方法 - Google Patents
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本発明に係る銅亜鉛合金めっき膜の形成方法は、銅イオンと、亜鉛イオンと、添加剤とを少なくとも有する銅亜鉛合金めっき液を用いる銅亜鉛合金めっき膜の形成方法であって、その添加剤が、イミダゾール基を少なくとも1つ以上有し且つ親水性基を有する複素環式化合物と、クアドロールとを併用したことに特徴がある。
銅亜鉛合金めっき液(以下、単に「めっき液」ということがある。)は、銅イオンと、亜鉛イオンと、添加剤とを少なくとも有する非シアン系の銅亜鉛合金めっき液であり、添加剤として、イミダゾール基を少なくとも1つ以上有し且つ親水性基を有する複素環式化合物と、クアドロールとを併用していることに特徴がある。これらを併用することにより、上記本発明の効果を奏することができる。後述の比較例で説明するように、そうした複素環式化合物とクアドロールとを併用せずに、一方だけを添加しても本発明の効果を奏することはできなかった。
めっき条件としては、15〜40A/dm2の範囲内の高い電流密度であっても、本発明の効果を奏するムラのない均一な銅亜鉛合金めっき膜をその各部で得ることができる。また、めっき液温度としては、例えば30〜55℃とすることができる。実際の生産設備においては、後述の被めっき材を連続して搬送している過程で高電流密度を印加してめっきしたり、めっき液の循環や撹拌を行いながら高電流密度を印加してめっきすることができる。めっき手段も特に限定されないが、直流めっきであってもよいし、パルスめっきであってもよい。また、めっき膜は、被めっき材の一方の面に形成してもよいし、両面に形成してもよい。なお、銅亜鉛合金めっき膜の厚さも特に限定されないが、例えば、0.1〜12μm程度の範囲で形成することができる。
被めっき材は特に限定されないが、例えば、銅箔、アルミニウム箔、ステンレススチール等の金属材料又は表面に金属材料を有する樹脂やセラミックス等を挙げることができる。これらの被めっき材は、めっき処理前には、例えば脱脂、酸洗等の必要な前処理が施されてめっきに供される。
本発明に係る銅亜鉛合金めっき膜は、上記本発明に係る銅亜鉛合金めっき膜の形成方法によって得られためっき膜であって、各部の表面には、平均粒径0.03〜0.2μmの球状又は略球状粒子、又は、平均長さ0.5〜1.5μmで平均アスペクト比が5〜20の針状又は略針状粒子が堆積されている。こうした粒子は、電子顕微鏡等で拡大して確認でき、その平均粒径、平均長さ、平均アスペクト比も電子顕微鏡等での観察像から測定することができる。本発明では、後述の実施例に示すように、上記範囲の粒子が銅亜鉛合金めっき膜の表面に現れている。なお、銅亜鉛合金めっき膜には、微量の不可避不純物が含まれていてもよい。
ピロリン酸第二銅(ピロリン酸銅(II):Cu2P2O7・3H2O)をピロリン酸銅イオン源として準備し、ピロリン酸亜鉛(二リン酸亜鉛:Zn2P2O7・3H2O)をピロリン酸亜鉛イオン源として準備し、ピロリン酸カリウム(ピロリン酸四カリウム:K4P2O7)をピロリン酸イオンとして準備した。また、L−ヒスチジン塩酸塩・一水和物(CAS登録番号:5934−29−2、C6H10ClN3O2・H2O)をL−ヒスチジン源として準備し、クアドロール(CAS登録番号:102−60−3 分、C14H32N2O4)をクアドロールとして準備した。これらを表1及び表2に示す組成比にした銅亜鉛合金めっき液を準備した。
(表面観察)
図1は実施例1〜3で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真であり、図2は実施例4〜6で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真であり、図3は実施例7で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真であり、図4は比較例1,2で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真であり、図5は比較例3,4で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真であり、図6は比較例5,6で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真である。実施例1〜7のように、イミダゾール基を少なくとも1つ以上有し且つ親水性基を有する複素環式化合物と、クアドロールとを併用しためっき液を用いた場合においては、めっき膜の各部でムラのない均一な光沢表面になっていた。一方、比較例1〜6のように、イミダゾール基を少なくとも1つ以上有し且つ親水性基を有する複素環式化合物と、クアドロールとを併用しないめっき液を用いた場合においては、全体的にムラややけが見られたり、部分的にムラがあったりした。
図7に示すめっき膜各部において、銅:亜鉛の質量比を測定した。銅亜鉛合金めっき膜の組成の定性(同定)及び定量分析は、エネルギー分散型X線分析装置(株式会社堀場製作所製、型番:EMAX−5770)を利用し、加速電圧15kV、プローブ電流0.2nAで行った。図7(A)は、実施例1〜6及び比較例1,3〜5で測定した位置であり、図7(B)は実施例7で測定した位置である。その結果を表1及び表2に示した。
本発明に係る銅亜鉛合金めっき膜の形成方法は、銅イオンと、亜鉛イオンと、添加剤とを少なくとも有する銅亜鉛合金めっき液を用いる銅亜鉛合金めっき膜の形成方法であって、その添加剤が、イミダゾール基を少なくとも1つ以上有し且つ親水性基を有する複素環式化合物と、クアドロール(登録商標)とを併用したことに特徴がある。
銅亜鉛合金めっき液(以下、単に「めっき液」ということがある。)は、銅イオンと、亜鉛イオンと、添加剤とを少なくとも有する非シアン系の銅亜鉛合金めっき液であり、添加剤として、イミダゾール基を少なくとも1つ以上有し且つ親水性基を有する複素環式化合物と、クアドロール(登録商標)とを併用していることに特徴がある。これらを併用することにより、上記本発明の効果を奏することができる。後述の比較例で説明するように、そうした複素環式化合物とクアドロール(登録商標)とを併用せずに、一方だけを添加しても本発明の効果を奏することはできなかった。
ピロリン酸第二銅(ピロリン酸銅(II):Cu2P2O7・3H2O)をピロリン酸銅イオン源として準備し、ピロリン酸亜鉛(二リン酸亜鉛:Zn2P2O7・3H2O)をピロリン酸亜鉛イオン源として準備し、ピロリン酸カリウム(ピロリン酸四カリウム:K4P2O7)をピロリン酸イオンとして準備した。また、L−ヒスチジン塩酸塩・一水和物(CAS登録番号:5934−29−2、C6H10ClN3O2・H2O)をL−ヒスチジン源として準備し、クアドロール(登録商標)(CAS登録番号:102−60−3 分、C14H32N2O4)をクアドロール(登録商標)として準備した。これらを表1及び表2に示す組成比にした銅亜鉛合金めっき液を準備した。
(表面観察)
図1は実施例1〜3で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真であり、図2は実施例4〜6で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真であり、図3は実施例7で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真であり、図4は比較例1,2で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真であり、図5は比較例3,4で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真であり、図6は比較例5,6で得られた銅亜鉛合金めっき膜の表面写真と拡大写真である。実施例1〜7のように、イミダゾール基を少なくとも1つ以上有し且つ親水性基を有する複素環式化合物と、クアドロール(登録商標)とを併用しためっき液を用いた場合においては、めっき膜の各部でムラのない均一な光沢表面になっていた。一方、比較例1〜6のように、イミダゾール基を少なくとも1つ以上有し且つ親水性基を有する複素環式化合物と、クアドロール(登録商標)とを併用しないめっき液を用いた場合においては、全体的にムラややけが見られたり、部分的にムラがあったりした。
Claims (5)
- 銅イオンと、亜鉛イオンと、添加剤とを少なくとも有する銅亜鉛合金めっき液を用いる銅亜鉛合金めっき膜の形成方法であって、前記添加剤が、イミダゾール基を少なくとも1つ以上有し且つ親水性基を有する複素環式化合物と、クアドロールとを併用したことを特徴とする銅亜鉛合金めっき膜の形成方法。
- 前記複素環式化合物がL−ヒスチジンである、請求項1に記載の銅亜鉛合金めっき膜の形成方法。
- 前記複素環式化合物がL−ヒスチジンである場合において、前記L−ヒスチジンの含有量が0.05〜0.15mol/Lの範囲内であり、前記クアドロールの含有量が0.01〜0.02mol/Lの範囲内である、請求項1又は2に記載の銅亜鉛合金めっき膜の形成方法。
- 前記銅イオンがピロリン酸銅イオンであり、前記亜鉛イオンがピロリン酸亜鉛イオンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅亜鉛合金めっき膜の形成方法。
- 各部の表面には、平均粒径0.03〜0.2μmの球状又は略球状粒子、又は、平均長さ0.5〜1.5μmで平均アスペクト比が5〜20の針状又は略針状粒子が堆積されていることを特徴とする銅亜鉛合金めっき膜。
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JP2000114678A (ja) * | 1998-09-29 | 2000-04-21 | Ibiden Co Ltd | プリント配線板 |
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Non-Patent Citations (1)
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藤原 裕、榎本 英彦: "Quadrolを含むピロリン酸浴からの銅−亜鉛合金めっき", 金属表面技術, vol. 36, no. 2, JPN6018009806, 16 July 1984 (1984-07-16), JP, pages 77 - 81, ISSN: 0003760923 * |
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