WO2023157827A1 - ゴム組成物、加硫物、及び加硫成形体 - Google Patents

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Abstract

ゴム組成物の加硫物において、ブリードが観察されず、かつ、耐寒性、耐油性に優れるゴム組成物を提供する。 本発明によれば、塩素系ゴムと、アルキレンオキサイド含有化合物とを含むゴム組成物であって、前記ゴム組成物は、前記ゴム組成物に含まれる塩素系ゴム100質量部としたとき、前記ゴム組成物中に前記アルキレンオキサイド含有化合物を0.1~50質量部含有し、前記アルキレンオキサイド含有化合物は、前記アルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、分子中にアルキレンオキサイド構造を50質量%以上含み、前記アルキレンオキサイド含有化合物は、分子末端にアミノ基を1つ以上含む、ゴム組成物が提供される。

Description

ゴム組成物、加硫物、及び加硫成形体
本発明は、ゴム組成物、加硫物、及び加硫成形体に関する。
塩素系ゴムは、優れた機械的強度・耐候性・耐薬品性・耐熱性・耐寒性・耐油性を有するため、一般産業用の伝動ベルトやコンベアベルト、自動車用空気バネ、防振ゴム、ホース、ワイパー、浸漬製品、シール部品、接着剤、ブーツ、ゴム引布、ゴムロールなどの材料として広く使用されている。
例えば、特許文献1には、硫黄変性クロロプレンゴム、加硫促進剤、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなり、上記加硫促進剤の配合量が0.1~5重量部であり、酸化亜鉛の配合量及び酸化マグネシウムの配合量が、それぞれの配合量とムーニースコーチ時間tとの予め求めた関係式により特定される、硫黄変性クロロプレンゴム組成物に係る発明が開示されている。
また、特許文献2には、ムーニー粘度ML(1+4)100℃が20~80であり、特定の構造の官能基を有する、クロロプレン単量体と不飽和ニトリル化合物の共重合体に係る発明が開示されている。
特開平11-209522号公報 WO2020/044899
しかしながら、従来の塩素系ゴム組成物は、該塩素系ゴム組成物の加硫物において、ブリード、すなわち、可塑剤等の染み出しが生じる場合があった。また、ブリードの発生を抑制しつつ、耐寒性及び耐油性に優れた加硫物を得ることは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ゴム組成物の加硫物において、ブリードが観察されず、かつ、耐寒性、耐油性に優れるゴム組成物を提供するものである。
本発明によれば、塩素系ゴムと、アルキレンオキサイド含有化合物とを含む、ゴム組成物であって、前記ゴム組成物は、前記ゴム組成物に含まれる塩素系ゴム100質量部としたとき、前記ゴム組成物中に前記アルキレンオキサイド含有化合物を0.1~50質量部含有し、前記アルキレンオキサイド含有化合物は、前記アルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、分子中にアルキレンオキサイド構造を50質量%以上含み、前記アルキレンオキサイド含有化合物は、分子末端にアミノ基を1つ以上含む、ゴム組成物が提供される。
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、ゴム組成物に、塩素系ゴムと、特定の構造のアルキレンオキサイド含有化合物を特定の量配合することによって、ブリードが観察されず、かつ、耐寒性、耐油性に優れる加硫物を得ることができるゴム組成物を得ることができることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明の別の観点によれば、前記記載のゴム組成物の加硫物が提供される。
好ましくは、前記ゴム組成物に配合されるアルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、前記ゴム組成物の加硫物をメタノールで抽出した際に抽出されるアルキレンオキサイド含有化合物の量が20質量%以下である、前記記載の加硫物である。
また、本発明の別の観点によれば、前記記載のゴム組成物の加硫成形体が提供される。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
[1]塩素系ゴムと、アルキレンオキサイド含有化合物とを含む、ゴム組成物であって、前記ゴム組成物は、前記ゴム組成物に含まれる塩素系ゴム100質量部としたとき、前記ゴム組成物中に前記アルキレンオキサイド含有化合物を0.1~50質量部含有し、前記アルキレンオキサイド含有化合物は、前記アルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、分子中にアルキレンオキサイド構造を50質量%以上含み、前記アルキレンオキサイド含有化合物は、分子末端にアミノ基を1つ以上含む、ゴム組成物。
[2]前記塩素系ゴムと、前記アルキレンオキサイド含有化合物とがグラフト反応したグラフト反応体を含む、[1]に記載のゴム組成物。
[3]前記アルキレンオキサイド含有化合物が、エチレンオキサイド構造及びプロピレンオキサイド構造から選択される少なくとも1つを含む、[1]又は[2]に記載のゴム組成物。
[4]前記アルキレンオキサイド含有化合物の重量平均分子量が300~10000である、[1]~[3]のいずれかに記載のゴム組成物。
[5]前記アルキレンオキサイド含有化合物が、分子末端にアミノ基を1つのみ有する、[1]~[4]のいずれかに記載のゴム組成物。
[6]前記アルキレンオキサイド含有化合物の分子構造中に最も多く含有される繰り返し構造が、エチレンオキサイド構造である、[1]~[5]のいずれかに記載のゴム組成物。
[7]前記塩素系ゴムが、クロロプレン系ゴムである、[1]~[6]のいずれかに記載のゴム組成物。
[8]前記クロロプレン系ゴムが、不飽和ニトリル単量体単位を含有する、[7]に記載のゴム組成物。
[9]前記ゴム組成物に含まれる塩素系ゴムを100質量部としたとき、受酸剤を、0.1~20質量部含有する、[1]~[8]のいずれかに記載のゴム組成物。
[10]前記ゴム組成物に含まれる塩素系ゴムを100質量部としたとき、有機過酸化物を0.1~10質量部含有する[1]~[9]のいずれかに記載のゴム組成物。
[11][1]~[10]のいずれかに記載のゴム組成物の加硫物。
[12]前記ゴム組成物に配合されるアルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、前記ゴム組成物の加硫物をメタノールで抽出した際に抽出されるアルキレンオキサイド含有化合物の量が20質量%以下である、[11]に記載の加硫物。
[13][1]~[10]のいずれかに記載のゴム組成物の加硫成形体。
本発明に係るゴム組成物によれば、ブリードが観察されず、かつ、耐寒性、耐油性に優れる加硫物を得ることができる。さらに、得られた加硫物及び加硫成形体は、これらの特性が必要とされる様々な部材として用いることができる。具体的には、本発明の一実施形態に係る加硫物及び加硫成形体は、例えば、一般産業用の伝動ベルトやコンベアベルト、自動車用空気バネ、防振ゴム、ホース、ワイパー、浸漬製品、シール部品、接着剤、ブーツ、ゴム引布、ゴムロールなどの材料として、好適に用いることができる。特には、耐寒性及び/又は耐油性が要求される環境で使用される部材として用いることができる。
以下、本発明の実施形態を例示して本発明について詳細な説明をする。本発明は、これらの記載によりなんら限定されるものではない。以下に示す本発明の実施形態の各特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.ゴム組成物
本発明の第一の実施形態に係るゴム組成物は、塩素系ゴムと、アルキレンオキサイド含有化合物とを含み、ゴム組成物に含まれる塩素系ゴム100質量部としたとき、ゴム組成物中にアルキレンオキサイド含有化合物を0.1~50質量部含有する。
また、本発明の第一の実施形態に係るゴム組成物において、アルキレンオキサイド含有化合物は、アルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、分子中にアルキレンオキサイド構造を50質量%以上含み、アルキレンオキサイド含有化合物は、分子末端にアミノ基を1つ以上含む。
本発明の第二の実施形態に係るゴム組成物は、塩素系ゴム100質量部と、アルキレンオキサイド含有化合物0.1~50質量部とを含む原料を混合してなるゴム組成物である。
また、本発明の第二の実施形態に係るゴム組成物において、アルキレンオキサイド含有化合物は、アルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、分子中にアルキレンオキサイド構造を50質量%以上含み、アルキレンオキサイド含有化合物は、分子末端にアミノ基を1つ以上含む。
本発明に係るゴム組成物によれば、ブリードが観察されず、かつ、耐寒性、耐油性に優れる加硫物を得ることができる。本発明に係るゴム組成物がこのような効果を奏する原理は、完全に解明されているわけではないが、以下のようなものと推測される。
従来のゴム組成物を用いて製造した加硫成形体は、表面からゴム組成物に配合した可塑剤等が染み出す、ブリード現象が生じる場合があった。本発明に係るゴム組成物は、アルキレンオキサイド含有化合物が有するアミノ基と、塩素系ゴムとが、混練中及び/又は加硫中に少なくとも一部グラフト反応し、グラフト反応体を形成するため、加硫成形体において、添加したアルキレンオキサイド含有化合物が染み出しにくいと考えられる。また、本発明に係るゴム組成物を用いて作製した加硫成形体内には、アルキレンオキサイド構造が維持され、加硫成形体の物性が向上に寄与すると考えられる。
1.1 塩素系ゴム
本発明に係る塩素系ゴムとしては、クロロプレン系ゴム、エピクロロヒドリン系ゴム、ポリオレフィンを塩素化又はクロロスルホン化したゴム、(例えば、塩素化ポリエチレンゴム、塩素化ポリプロピレンゴム、塩素化ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム)等を挙げることができる。この中でも、塩素系ゴムは、クロロプレン系ゴムを含むことが好ましい。塩素系ゴムは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、ゴム組成物に含まれる塩素系ゴムを100質量%としたときクロロプレン系ゴムを30~100質量%含むものとできる。クロロプレン系ゴムの含有量は、例えば、30、40、50、60、70、80、90、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。塩素系ゴムは、クロロプレン系ゴムからなるものとすることもできる。
1.2 クロロプレン系ゴム
本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムは、クロロプレン(2-クロロ-1,3-ブタジエン)を単量体単位(単量体単位=構造単位)として有するクロロプレン系重合体を含むゴムを示す。クロロプレン系重合体としては、クロロプレンの単独重合体、クロロプレンの共重合体(クロロプレンと、クロロプレンに共重合可能な単量体との共重合体)等が挙げられる。クロロプレン系重合体のポリマー構造は、特に限定されるものではない。
なお、市販品の2-クロロ-1,3ブタジエンには不純物として少量の1-クロロ-1,3-ブタジエンが含まれる場合がある。このような少量の1-クロロ-1,3-ブタジエンを含む2-クロロ-1,3ブタジエンを、本実施形態のクロロプレン単量体として用いることもできる。
本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムは、不飽和ニトリル単量体単位の含有率が25質量%未満であるクロロプレン系ゴムを含むことができる。
本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムは、当該ゴムを100質量%としたとき、不飽和ニトリル単量体単位の含有率を25質量%未満とでき、不飽和ニトリル単量体単位の含有率が1質量%以上、25質量%未満とできる。
本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムにおける不飽和ニトリル単量体単位の含有率は、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24質量%、25質量%未満であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。不飽和ニトリル単量体単位の含有率を25質量%未満とすることにより、得られるゴム組成物は十分な耐寒性を有するものとなる。また、特には、不飽和ニトリル単量体単位の含有率を1質量%以上とすることにより、得られるゴム組成物は十分な耐油性を有するものとなり、かつ、引張強度、及び耐寒性のバランスに優れる加硫成形体を得ることができる。
不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニトリル等が挙げられる。不飽和ニトリルは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。不飽和ニトリルは、優れた成形性が得られやすい観点、並びに、加硫成形体において優れた破断強度、破断伸び、硬さ、引き裂き強度、耐油性が得られやすい観点から、アクリロニトリルを含むことが好ましい。
クロロプレン系ゴムに含まれる不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、クロロプレン系ゴム中の窒素原子の含有量から算出することができる。具体的には、元素分析装置(スミグラフ220F:株式会社住化分析センター製)を用いて100mgのクロロプレン系ゴムにおける窒素原子の含有量を測定し、不飽和ニトリル単量体由来の構造単位の含有量を算出できる。元素分析の測定は次の条件で行うことができる。例えば、電気炉温度として反応炉900℃、還元炉600℃、カラム温度70℃、検出器温度100℃に設定し、燃焼用ガスとして酸素を0.2mL/min、キャリアーガスとしてヘリウムを80mL/minフローする。検量線は、窒素含有量が既知のアスパラギン酸(10.52%)を標準物質として用いて作成できる。
本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムは、ゴムを100質量%としたとき、クロロプレン単量体単位を60~100質量%含むことが好ましい。ゴムにおけるクロロプレン単量体単位の含有率は、例えば、60、65、70、75、80、85、90、95、99、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。クロロプレン単量体単位の含有率を上記数値範囲内とすることにより、硬度、引張強度、及び耐寒性のバランスに優れる成形体を得ることができるゴム組成物とすることができる。
本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムは、クロロプレン単量体及び不飽和ニトリル単量体以外の単量体単位を有するものとすることもできる。クロロプレン単量体及び不飽和ニトリル単量体以外の単量体単位としては、クロロプレン単量体、又は、クロロプレン単量体及び不飽和ニトリル単量体と共重合可能であれば特に制限はないが、(メタ)アクリル酸のエステル類((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等)、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等)、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、エチレン、スチレン、硫黄等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムは、クロロプレン系ゴムを100質量%としたとき、クロロプレン単量体及び不飽和ニトリル単量体以外の単量体単位を0~20質量%含むものとすることができる。ゴムおけるクロロプレン単量体及び不飽和ニトリル単量体以外の単量体単位の含有率は、例えば、0、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。クロロプレン単量体及び不飽和ニトリル単量体以外の単量体の共重合量をこの範囲に調整することで、得られるゴム組成物の特性を損なわずに、これら単量体を共重合させたことによる効果を発現することができる。
また、本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムは、クロロプレン単量体単位及び不飽和ニトリル単量体単位のみからなるものとすることもでき、クロロプレン単量体単位のみからなるものとすることもできる。
本発明に係るゴム組成物は、クロロプレン系ゴムを、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の一実施形態に係るゴム組成物が、2種以上のクロロプレン系ゴムを含む場合、ゴム組成物に含まれる2種以上のクロロプレン系ゴムに含まれる不飽和ニトリル単量体単位の合計含有率が25質量%未満であることが好ましい。
本発明に係るクロロプレン系ゴムに含まれるクロロプレン系重合体(クロロプレンの単独重合体、クロロプレンの共重合体等)は、硫黄変性クロロプレン重合体、メルカプタン変性クロロプレン重合体、キサントゲン変性クロロプレン重合体、ジチオカルボナート系クロロプレン重合体、トリチオカルボナート系クロロプレン重合体、カルバメート系クロロプレン重合体などであってよい。
1.3 クロロプレン系ゴムの製造方法
本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムの製造方法は特に限定されないが、クロロプレン単量体を含む原料単量体を乳化重合する乳化重合工程を含む製造方法によって得ることができる。
本発明の一実施形態に係る乳化重合工程では、クロロプレン単量体、又は、クロロプレン単量体及び不飽和ニトリル単量体を含む単量体を、乳化剤や分散剤や触媒や連鎖移動剤等を適宜に用いて乳化重合させ、目的とする最終転化率に達した際に重合停止剤を添加してクロロプレン単量体単位を含むクロロプレン系重合体を含むラテックスを得ることができる。
次に、乳化重合工程により得られた重合液から、未反応単量体の除去を行うことができる。その方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スチームストリッピング法が挙げられる。
その後、pHを調整し、常法の凍結凝固、水洗、熱風乾燥などの工程を経て、クロロプレン系重合体を含むクロロプレン系ゴムを得ることができる。
乳化重合する場合に用いる重合開始剤としては、特に制限はなく、クロロプレンの乳化重合に一般に用いられる公知の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、t-ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物などが挙げられる。
乳化重合する場合に用いる乳化剤としては、特に制限はなく、クロロプレンの乳化重合に一般に用いられる公知の乳化剤を用いることができる。乳化剤としては、炭素数が6~22の飽和又は不飽和の脂肪酸のアルカリ金属塩、ロジン酸又は不均化ロジン酸のアルカリ金属塩(例えばロジン酸カリウム)、β-ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩)等が挙げられる。
乳化重合する場合に用いる分子量調整剤としては、特に制限はなく、クロロプレンの乳化重合に一般に用いられる公知の分子量調整剤を用いることができ、例えば、メルカプタン系化合物、キサントゲン系化合物、ジチオカルボナート系化合物、トリチオカルボナート系化合物及びカルバメート系化合物がある。本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムの分子量調整剤としては、キサントゲン系化合物、ジチオカルボナート系化合物、トリチオカルボナート系化合物及びカルバメート系化合物を好適に使用できる。
重合温度及び単量体の最終転化率は特に制限するものではないが、重合温度は、例えば0~50℃又は10~50℃であってよい。単量体の最終転化率が40~95質量%の範囲に入るように重合を行ってよい。最終転化率を調整するためには、所望する転化率になった時に、重合反応を停止させる重合停止剤を添加して重合を停止させればよい。
重合停止剤としては、特に制限はなく、クロロプレンの乳化重合に一般に用いられる公知の重合停止剤を用いることができる。重合停止剤としては、フェノチアジン(チオジフェニルアミン)、4-t-ブチルカテコール、2,2-メチレンビス-4-メチル-6-t-ブチルフェノール等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係るクロロプレン系ゴムは、例えば、スチームストリッピング法によって未反応の単量体を除去した後、上記ラテックスのpHを調整し、常法の凍結凝固、水洗、熱風乾燥等の工程を経て得ることができる。
クロロプレン系ゴムは、分子量調整剤の種類によりメルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ、硫黄変性タイプ、ジチオカルボナート系タイプ、トリチオカルボナート系タイプ及びカルバメート系タイプに分類される。
1.4 アルキレンオキサイド含有化合物
本発明において、アルキレンオキサイド含有化合物は分子中に、アルキレンオキサイドに基づく、アルキレンオキサイド構造を含む化合物を意味する。アルキレンオキサイド含有化合物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルキレンオキサイド含有化合物は、下記式(1)で表される構造を有するものとできる。
上記式中、nは1以上の整数を表し、3~1000とすることができる。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数1~5のアルキレン基であることが好ましい。
具体的には、アルキレンオキサイド構造は、メチレンオキサイド構造、エチレンオキサイド構造、プロピレンオキサイド構造、ブチレンオキサイド構造、トリメチレンオキサイド構造、テトラメチレンオキサイド構造、ペンタメチレンオキサイド構造、2-メチルペンタメチレンオキサイド構造、ヘキサメチレンオキサイド構造及びシクロヘキシレンオキサイド構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、メチレンオキサイド構造、エチレンオキサイド構造、プロピレンオキサイド構造、トリメチレンオキシド、テトラメチレンオキサイド構造、ペンタメチレンオキサイド構造、2-メチルペンタメチレンオキシド及びヘキサメチレンオキサイド構造から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、エチレンオキサイド構造及びプロピレンオキサイド構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが更に好ましい。本発明の一実施形態に係るアルキレンオキサイド含有化合物は、一分子に、アルキレンオキサイド構造を1種有することもでき、又は2種以上有することができる。一例として、本発明の一実施形態に係るアルキレンオキサイド含有化合物は、エチレンオキサイド構造及びプロピレンオキサイド構造を有するものとできる。上記のアルキレンオキサイド構造を含むアルキレンオキサイド含有化合物とすることにより、塩素系ゴムとの相溶性を維持しつつ、加硫物の耐寒性及び耐油性等の物性をより向上させることができる。
本発明に係るアルキレンオキサイド含有化合物は、分子末端にアミノ基を1つ以上含む。
本発明の一実施形態に係るアルキレンオキサイド含有化合物は、分子末端にアミノ基を例えば、1、2、又は3つ有してもよく、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。本発明に係るアルキレンオキサイド含有化合物は、分子末端にアミノ基を有することより、混練中及び/又は加硫中に塩素系ゴムと反応し、加硫体においてブリードが生じにくくなる。
本発明の一実施形態に係るアルキレンオキサイド含有化合物は、分子末端にアミノ基を1つのみ有することがより好ましい。分子末端に有するアミノ基を1つのみ有するアルキレンオキサイド含有化合物を用いることにより、加工中の架橋を抑制することができ、加工性と、ブリードの抑制のバランスに優れたゴム組成物となる。
アルキレンオキサイド含有化合物は、下記式(2)で表される構造を含むものとできる。
上記式中、Rは、H又はCHを表すものとでき、Hの割合が大きい方が好ましい。Rが、H又はCHを表す場合、上記構造は、エチレンオキサイド構造と、プロピレンオキサイド構造がランダムに繰り返される構造とできる。
yは整数を表し、例えば、3~1000とすることができる。
アルキレンオキサイド含有化合物は、下記式(3)で表される化合物を含むものとできる。
上記式中、Rは、H又はCHを表すものとでき、Hの割合が大きい方が好ましい。Rが、H又はCHを表す場合、上記構造は、エチレンオキサイド構造と、プロピレンオキサイド構造がランダムに繰り返される構造とできる。
はNH又はアルキル基を表すものとでき、アルキル基であることが好ましく、CHであることがより好ましい。
本発明に係るアルキレンオキサイド含有化合物は、アルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、分子中にアルキレンオキサイド構造を50質量%以上含む。アルキレンオキサイド含有化合物における、アルキレンオキサイド構造含有量は、例えば、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99.9質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、前記アルキレンオキサイド含有化合物の分子構造中に最も多く含有される繰り返し構造が、エチレンオキサイド構造であることが好ましい。本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、アルキレンオキサイド含有化合物1分子に含まれる、各アルキレンオキサイド構造の繰り替えし数の合計をzとし、エチレンオキサイド構造の繰り返し数をxとしたとき、x/zが0.5以上であることが好ましい。
x/zは、例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
アルキレンオキサイド構造の種類及び各構造の含有率を上記の態様とすることにより、塩素系ゴムとの相溶性を維持しつつ、加硫物の耐寒性及び耐油性等の物性をより向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るアルキレンオキサイド含有化合物の重量平均分子量は、300~10000とできる。アルキレンオキサイド含有化合物の重量平均分子量は、例えば、300、500、700、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。アルキレンオキサイド含有化合物の重量平均分子量を上記数値範囲内とすることにより、より加工性と、加硫物の物性のバランスに優れたゴム組成物となる。
本発明の第一の実施形態に係るゴム組成物は、ゴム組成物に含まれる塩素系ゴム100質量部としたとき、ゴム組成物中にアルキレンオキサイド含有化合物を0.1~50質量部含有する。アルキレンオキサイド含有化合物の含有量は、例えば、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明の第二の実施形態に係るゴム組成物は、塩素系ゴム100質量部と、アルキレンオキサイド含有化合物0.1~50質量部とを含む原料を混合してなる。原料は、塩素系ゴム100質量部に対し、アルキレンオキサイド含有化合物を、例えば、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50質量部含有することができ、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明に係るゴム組成物は、塩素系ゴム100gに対する、アルキレンオキサイド含有化合物の配合量をa(g)、重量平均分子量をb、1分子当たりのアミノ基数をcとしたとき、a×c/bは、0.0005~0.030とでき、好ましくは0.001~0.020である。a×c/bは、例えば、0.0005、0.001、0.002、0.004、0.006、0.008、0.010、0.012、0.014、0.016、0.018、0.020、0.022、0.024、0.026、0.028、0.030であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明に係るゴム組成物は、塩素系ゴムに対するアルキレンオキサイド含有化合物の配合量を上記数値範囲とすることにより、加硫物におけるブリードの抑制と、物性の向上を両立することができる。
1.5 グラフト反応体
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、塩素系ゴムと、アルキレンオキサイド含有化合物とがグラフト反応したグラフト反応体を含むことができる。
上記したように、本発明に係るアルキレンオキサイド含有化合物はアミノ基を含み、該アミノ基と、塩素系ゴムは、混練中及び/又は加硫中にグラフト反応し、塩素系ゴムと、アルキレンオキサイド含有化合物とがグラフト反応したグラフト反応体が形成されると考えられる。グラフト反応は、その多くが加硫中に生じるものと考えられるが、混練中に生じても良い。すなわち、本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、原料として添加した塩素系ゴムと、アルキレンオキサイド含有化合物が、一部グラフト反応したグラフト反応体を含んでいても良い。一例として、本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、原料として添加したアルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、その50質量%以下が、グラフト反応して、グラフト反応体として存在するものとできる。本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、ゴム組成物に配合されるアルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、前記ゴム組成物をメタノールで抽出した際に抽出されるアルキレンオキサイド含有化合物の量を、例えば、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100質量%とでき、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
グラフト反応体の形成は、ゴム組成物及び加硫物からメタノールで抽出されるアルキレンオキサイド含有化合物の量により評価することができる。
1.6 受酸剤
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、受酸剤を含むことができる。
受酸剤としては、金属酸化物、ハイドロタルサイトを挙げることができる。金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛、四酸化三鉛、三酸化鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム等を挙げることができる。金属酸化物は、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムのうち少なくとも一つを含むことが好ましく、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムを含むこともできる。
ハイドロタルサイトとしては、下記式で表されるものを用いることができる。
[M2+ 1-x3+ (OH)x+[An-x/n・mHO]x-
上記式において、
 M2+:Mg2+、Zn2+などから選ばれる少なくとも一つの2価金属イオン
 M3+:Al3+、Fe3+などから選ばれる少なくとも一つの3価金属イオン
 An-:Co 2-、Cl、NO 2-などから選ばれる少なくとも一つのn型アニオン
 X:0<X≦0.33とすることができる。
ハイドロタルサイトとしては、Mg4.3Al(OH)12.6CO・3.5HO、MgZnAl(OH)12CO・3HO、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Mg4.5Al(OH)13CO、MgAl(OH)12CO・3.5HO、MgAl(OH)16CO・4HO、MgAl(OH)14CO・4HO、MgAl(OH)10CO・1.7HOなどがあげられ、特に好ましくは、Mg4.3Al(OH)12.6CO・3.5HO、MgZnAl(OH)12CO・3HOである。
本発明に係るゴム組成物は、塩素系ゴムを100質量部としたとき、受酸剤を、0.1~20質量部含有することができる。受酸剤の含有率は、例えば、0.1、0.2、0.3、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。受酸剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
1.6 有機過酸化物
本発明に係るゴム組成物は、塩素系ゴムの種類に応じて、有機過酸化物を含むことができる。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4-t-ブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジコハク酸パーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(4-メチルベンゾイル)パーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(3-メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3-メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-2-メチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ジ(4,4-ジ-(t-ブチルパーオキシ)シクロへキシル)プロパン、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジ-メチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシアセテート、2,2-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ブタン、t-ブチルパーオキシベンゾエート、n-ブチル4,4-ジ-(t-ブチルパーオキシ)バレレート、1,4-ビス[(t-ブチルパーオキシ)イソプロピル]ベンゼン、ジ-t-ヘキシルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、p-メンタンヒドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどがある。この中でも、ジクミルパーオキサイド、1,4-ビス[(t-ブチルパーオキシ)イソプロピル]ベンゼン、t-ブチルα-クミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特に好ましくは1,4-ビス[(t-ブチルパーオキシ)イソプロピル]ベンゼンである。
本発明に係るゴム組成物は、加工安全性が確保され、良好な加硫物を得ることができる観点から、塩素系ゴム100質量部に対して、有機過酸化物を0.1~10質量部含むことができる。有機過酸化物の添加量は、例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、本発明に係るゴム組成物は、有機過酸化物を含まないものとすることもできる。
1.7 充填材(補強材)
本発明に係るゴム組成物は、充填材を含むことができる。
充填材・補強材としては、SAF、ISAF、HAF、EPC、XCF、FEF、GPF、HMF、SRFなどのファーネスカーボンブラック、親水性カーボンブラックなどの改質カーボンブラック、チャンネルブラック、油煙ブラック、FT、MTなどのサーマルカーボン、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムを挙げることができる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、ゴム組成物に含まれる塩素系ゴムを100質量部としたとき、充填材・補強材を20~90質量部含むことができ、35~80質量部含むことが好ましい。充填材・補強材の含有量は、例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、充填材の含有率を上記数値範囲内含有することにより、加硫物・加硫成形体の硬度を向上させることができる。
1.8 滑剤・加工助剤
本発明に係るゴム組成物は、さらに滑剤・加工助剤を含むこともできる。滑剤・加工助剤は、主に、ゴム組成物がロールや成形金型、押出機のスクリューなどから剥離しやすくなるようにするなど、加工性を向上させるために添加する。滑剤・加工助剤としては、ステアリン酸等の脂肪酸、ポリエチレン等のパラフィン系加工助剤、脂肪酸アミド、ワセリン、ファクチス等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明に係るゴム組成物は、ゴム組成物に含まれる塩素系ゴムを100質量部としたとき、滑剤・加工助剤を15質量部以下含むことができ、10質量部以下とすることもできる。滑剤・加工助剤の含有量は、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。本発明に係るゴム組成物は、滑剤・加工助剤を含まないこともできる。
1.9 硫黄・加硫促進剤
本発明に係るゴム組成物は、硫黄及び加硫促進剤を含むことができる。また、本発明に係るゴム組成物は、硫黄及び加硫促進剤を含まないものとすることもできる。ゴム組成物に含まれる塩素系ゴムを100質量部としたとき、硫黄・加硫促進剤を5.0質量部以下含むことができる。硫黄・加硫促進剤の含有量は、例えば、0、0.1、0.05、0.1、0.3、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
加硫促進剤の種類は、本発明の効果を損なわなければ特に限定されない。加硫促進剤は、各塩素系ゴムの加硫に用いることができる加硫促進剤であることが好ましい。加硫促進剤は、1種又は2種以上自由に選択して用いることができる。
加硫促進剤としては、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系、チオウレア系、グアニジン系、キサントゲン酸塩系、チアゾール系等が挙げられる。
チウラム系の加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
ジチオカルバミン酸塩系の加硫促進剤としては、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、N-エチル-N-フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等が挙げられる。
チオウレア系の加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア(N,N'-ジエチルチオウレア)、トリメチルチオウレア、ジフェニルチオウレア(N,N'-ジフェニルチオウレア)、1、3-トリメチレン-2-チオウレア等のチオウレア化合物が挙げられる。
グアニジン系の加硫促進剤としては、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩等が挙げられる。
キサントゲン酸塩系の加硫促進剤としては、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛等が挙げられる。
チアゾール系の加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、2-メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2-(4'-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、N-シクロヘキシルベンゾチアゾール-2-スルフェンアミド等が挙げられる。
また、トリアジン系の加硫促進剤としては、2,4,6-トリメルカプト-s-トリアジン等が挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
1.10 可塑剤・軟化剤
本発明に係るゴム組成物は、可塑剤・軟化剤を含むことができる。可塑剤・軟化剤は、未加硫ゴム組成物の加工性並びに加硫後の加硫物及び加硫成形体の柔軟性を調整するために添加される。可塑剤・軟化剤は、ゴムと相溶性のある可塑剤・軟化剤であれば特に制限はない。可塑剤・軟化剤としては、菜種油、アマニ油、ヒマシ油、ヤシ油などの植物油、フタレート系可塑剤、DUP(フタル酸ジウンデシル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DOTP(テレフタル酸ジオクチル)、DOS(セバシン酸ジオクチル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOA(アジピン酸ジオクチル)、DINCH(1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル)、TOP(トリオクチルフォスフェート)、TBP(トリブチルフォスフェート)等のエステル系可塑剤、エーテルエステル系化合物、チオエーテル系可塑剤、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、潤滑油、プロセスオイル、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、石油アスファルトなどの石油系可塑剤などがある。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、ゴム組成物に含まれる塩素系ゴムを100質量部としたとき、可塑剤・軟化剤を50質量部以下含むことができる。可塑剤・軟化剤の含有量は、例えば、0、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、可塑剤を含まないものとすることもできる。
1.11 その他
本発明に係るゴム組成物は、上記した成分に加え、老化防止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、共架橋剤、安定剤、難燃剤、加硫遅延剤等の成分を、本発明の効果を阻害しない範囲でさらに含むことができる。
老化防止剤及び酸化防止剤としては、オゾン老化防止剤、フェノール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、アクリレート系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、カルバミン酸金属塩、ワックス、リン系老化防止剤、硫黄系老化防止剤などを挙げることができる。イミダゾール系老化防止剤としては、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール及び2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩を挙げることができる。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム組成物に含まれる塩素系ゴムを100質量部としたとき、老化防止剤及び酸化防止剤を0.1~10質量部含むことができる。
2.ゴム組成物の製造方法
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、塩素系ゴム、アルキレンオキサイド含有化合物、及び必要とされるその他の成分を加硫温度以下の温度で混練することで得られる。原料成分を混練する装置としては、従来公知のミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、オープンロールなどの混練装置を挙げることができる。
混練は、2段階で行うことが好ましく、一例としては、1段階目の混練では、塩素系ゴム、アルキレンオキサイド含有化合物を少なくとも含む原料を混練し、2段階目の混練では、有機過酸化物や硫黄、加硫促進剤を含む成分を添加することができる。
3.ゴム組成物の特性
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、JIS K6299に基づき成形して得た加硫物にブリードが目視で観察されないことが好ましい。
(加硫成形体の耐寒性)
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、JIS K 6261に基づき、ゲーマンねじり試験により求めた、ゴム組成物をJIS K6299に基づき加硫した加硫物のT10が-10℃未満であることが好ましく、-20℃未満であることがより好ましく、-30℃未満であることが更により好ましい。T10は、例えば、-40、-35、-30、-25、-20、-15℃、-10℃未満であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
(加硫成形体の耐寒性)
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、JIS K 6261に基づき、ゲーマンねじり試験により求めた、ゴム組成物をJIS K6299に基づき加硫した加硫物のT10が-10℃未満であることが好ましく、-20℃未満であることがより好ましく、-30℃未満であることが更により好ましい。T10は、例えば、-50、-45、-40、-35、-30、-25、-20、-15℃、-10℃未満であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
(加硫成形体の耐油性)
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、JIS K6299に基づき成形して得た加硫物を、130℃の試験油に72時間浸漬し、JIS K 6258に基づき算出される体積変化率ΔVが、例えば、0、5、10、15、20、25、30%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
(メタノールで抽出される、アルキレンオキサイド含有化合物の量)
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、JIS K6299に基づき成形して得た加硫物を、メタノールに浸漬した際抽出されるアルキレンオキサイド含有化合物の量が、ゴム組成物に配合したアルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、20質量%以下であることが好ましい。加硫物から抽出されるアルキレンオキサイド含有化合物の量は、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11,12、13,14、15、16、17、18、19、20質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、加硫物から抽出されず、加硫物中に維持されるアルキレンオキサイド含有化合物は、塩素系ゴムとグラフト反応していると考えられる。
4.未加硫成形体、加硫物及び加硫成形体
本実施形態に係る未加硫成形体は、本実施形態に係るゴム組成物を用いており、本実施形態に係るゴム組成物(未加硫状態)の成形体(成形品)である。本実施形態に係る未加硫成形体の製造方法は、本実施形態に係るゴム組成物(未加硫状態)を成形する工程を備える。本実施形態に係る未加硫成形体は、本実施形態に係るゴム組成物(未加硫状態)からなる。
本実施形態に係る加硫物は、本実施形態に係るゴム組成物の加硫物である。本実施形態に係る加硫物の製造方法は、本実施形態に係るゴム組成物を加硫する工程を備える。
本実施形態に係る加硫成形体は、本実施形態に係るゴム組成物の加硫成形体である。本実施形態に係る加硫成形体は、本実施形態に係る加硫物を用いており、本実施形態に係る加硫物の成形体(成形品)である。本実施形態に係る加硫成形体は、本実施形態に係る加硫物からなる。
本実施形態に係る加硫成形体は、本実施形態に係るゴム組成物(未加硫状態)を加硫して得られる加硫物を成形することにより得ることが可能であり、本実施形態に係るゴム組成物(未加硫状態)を成形して得られる成形体を加硫することにより得ることもできる。本実施形態に係る加硫成形体は、本実施形態に係るゴム組成物を成形後又は成形時に加硫することにより得ることができる。本実施形態に係る加硫成形体の製造方法は、本実施形態に係る加硫物を成形する工程、又は、本実施形態に係る未加硫成形体を加硫する工程を備える。
本発明の一実施形態に係る加硫物及び加硫成形体は、アルキレンオキサイド含有化合物と、塩素系ゴムとが、グラフト反応したグラフト反応体を含むことが好ましい。本発明の一実施形態に係る加硫物及び加硫成形体は、メタノールに浸漬した際抽出されるアルキレンオキサイド含有化合物の量が、ゴム組成物に配合したアルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、20質量%以下であることが好ましい。加硫物から抽出されるアルキレンオキサイド含有化合物の量は、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11,12、13、14、15、16、17、18、19、20質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本実施形態に係る未加硫成形体、加硫物及び加硫成形体は、建築物、構築物、船舶、鉄道、炭鉱、自動車等の各種工業分野のゴム部品として利用可能である。本発明の一実施形態に係るゴム組成物による加硫物は、ブリードの発生が観察されず、かつ、耐寒性及び耐油性に優れるため、これらの特性が必要とされる様々な部材として用いることができる。本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、建築物、構築物、船舶、鉄道、炭鉱、自動車等の各種工業分野のゴム部品として利用可能であり、自動車用ゴム部材(例えば自動車用シール材)、ホース材、ゴム型物、ガスケット、ゴムロール、産業用ケーブル、産業用コンベアベルト、スポンジ等のゴム部品として利用することができる。
(自動車用ゴム部材)
自動車用ゴム部材は、ガスケット、オイルシール及びパッキンなどがあり、機械や装置において、液体や気体の漏れや雨水や埃などのごみや異物が内部に侵入するのを防ぐ部品である。具体的には、固定用途に使われるガスケットと、運動部分・可動部分に使用されるオイルシール及びパッキンがある。シール部分がボルトなどで固定されているガスケットでは、Oリングやゴムシートなどのソフトガスケットに対して、目的に応じた各種材料が使用されている。また、パッキンは、ポンプやモーターの軸、バルブの可動部のような回転部分、ピストンのような往復運動部分、カプラーの接続部、水道蛇口の止水部などに使われる。本発明の一実施形態に係るゴム組成物による加硫物は、ブリードの発生が観察されず、かつ、耐寒性及び耐油性に優れ、例えば、これらの特性を活かして使用されるシールを製造することが可能である。
(ホース材)
ホース材は、屈曲可能な管であり、具体的には、送水用、送油用、送気用、蒸気用、油圧用高・低圧ホースなどがある。本発明の一実施形態に係るゴム組成物による加硫物は、ブリードの発生が観察されず、かつ、耐寒性及び耐油性に優れ、例えば、これらの特性を活かして使用されるホース材を製造することができる。
(ゴム型物)
ゴム型物は、防振ゴム、制振材、ブーツなどがある。防振ゴム及び制振材は、振動の伝達波及を防止するゴムのことであり、具体的には、自動車や各種車両用のエンジン駆動時の振動を吸収して騒音を防止するためのトーショナルダンパー、エンジンマウント、マフラーハンガーなどがある。本発明のゴム組成物は、防振ゴム及び制振材の引張強度を高めることが可能である。これにより、従来のゴム組成物では困難であった高負荷がかかる用途でも使用できる防振ゴム及び制振材を製造することができる。
また、ブーツは、一端から他端に向けて外径が次第に大きくなる蛇腹状をなす部材であり、具体的には、自動車駆動系などの駆動部を保護するための等速ジョイントカバー用ブーツ、ボールジョイントカバー用ブーツ(ダストカバーブーツ)、ラックアンドピニオンギア用ブーツなどがある。本発明の一実施形態に係るゴム組成物による加硫物は、ブリードの発生が観察されず、かつ、耐寒性及び耐油性に優れ、例えば、これらの特性を活かして使用されるブーツを製造することが可能である。
(ガスケットなど)
ガスケットや、オイルシール及びパッキンは、機械や装置において、液体や気体の漏れや雨水や埃などのごみや異物が内部に侵入するのを防ぐ部品であり、具体的には、固定用途に使われるガスケットと、運動部分・可動部分に使用されるオイルシール及びパッキンがある。シール部分がボルトなどで固定されているガスケットでは、Oリングやゴムシートなどのソフトガスケットに対して、目的に応じた各種材料が使用されている。また、パッキンは、ポンプやモーターの軸、バルブの可動部のような回転部分、ピストンのような往復運動部分、カプラーの接続部、水道蛇口の止水部などに使われる。本発明の一実施形態に係るゴム組成物による加硫物は、ブリードの発生が観察されず、かつ、耐寒性及び耐油性に優れ、例えば、これらの特性を活かして使用されるシールを製造することが可能である。
(ゴムロール)
ゴムロールは、鉄芯などの金属製の芯をゴムで接着被覆することによって製造されるものであり、一般に金属鉄芯にゴムシートを渦巻き状に巻き付けて製造される。ゴムロールには、製紙、各種金属製造、フィルム製造、印刷、一般産業用、籾摺りなどの農機具用、食品加工用などの種々の用途の要求特性に応じて、NBRやEPDM、CRなどのゴム材料が用いられている。CRは搬送する物体の摩擦に耐え得る良好な機械的強度を有していることから、幅広いゴムロール用途に使用されている。一方で、製鉄用、製紙用の工業用材料や製品の製造時など、油が付着する環境下で用いられるゴムロールには耐油性が不十分であり、改良が求められている。また、金、銀、ニッケル、クロム及び亜鉛など、製品にメッキ処理を施す際に酸やアルカリに晒される場合もあり、これらに対する耐性も求められている。さらに、重量物を搬送するゴムロールは荷重により変形するという課題があり、改良を求められている。本発明の一実施形態に係るゴム組成物による加硫物は、ブリードの発生が観察されず、かつ、耐寒性及び耐油性に優れ、例えば、これらの特性を活かして使用されるゴムロールを製造することが可能である。
(産業用ケーブル)
産業用ケーブルは、電気や光信号を伝送するための線状の部材である。銅や銅合金などの良導体や光ファイバなどを絶縁性の被覆層で被覆したものであり、その構造や設置個所によって、多岐にわたる産業用ケーブルが製造されている。本発明の一実施形態に係るゴム組成物による加硫物は、ブリードの発生が観察されず、かつ、耐寒性及び耐油性に優れ、例えば、これらの特性を活かして使用される産業用ケーブルを製造することができる。
(産業用コンベアベルト)
産業用コンベアベルトは、ゴム製、樹脂製、金属製のベルトがあり、多種多様な使用方法に合わせて選定されている。これらの中でもゴム製のコンベアベルトは、安価で多用されているが、特に搬送物との摩擦や衝突の多い環境下で使用すると、劣化による破損などが発生していた。本発明の一実施形態に係るゴム組成物による加硫物は、ブリードの発生が観察されず、かつ、耐寒性及び耐油性に優れ、例えば、これらの特性を活かして使用される産業用コンベアベルトを製造することができる。
(スポンジ)
スポンジは、内部に細かい孔が無数に空いた多孔質の物質であり、具体的には、防振部材、スポンジシール部品、ウェットスーツ、靴などに利用されている。本発明のゴム組成物は、スポンジの引張強度を高めることが可能である。また、塩素系ゴムを用いているためスポンジの難燃性を高めることも可能である。本発明の一実施形態に係るゴム組成物による加硫物は、ブリードの発生が観察されず、かつ、耐寒性及び耐油性に優れ、例えば、これらの特性を活かして使用されるスポンジや、難燃性に優れたスポンジを製造することができる。さらに、発泡剤の含有量などの調整により得られるスポンジの硬度も適宜調整可能である。
本実施形態に係るゴム組成物(未加硫状態)及び加硫物を成形する方法としては、プレス成形、押出成形、カレンダー成形等が挙げられる。ゴム組成物を加硫する温度は、ゴム組成物の組成に合わせて適宜設定すればよく、140~220℃、又は、160~190℃であってよい。ゴム組成物を加硫する加硫時間は、ゴム組成物の組成、未加硫成形体の形状等によって適宜設定すればよく、10~60分であってよい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
<不飽和ニトリル含有クロロプレン系ゴムの製造方法>
加熱冷却ジャケット及び攪拌機を備えた内容積3Lの重合缶に、クロロプレン(単量体)24質量部、アクリロニトリル(単量体)24質量部、ジエチルキサントゲンジスルフィド0.5質量部、純水200質量部、ロジン酸カリウム(ハリマ化成株式会社製)5.00質量部、水酸化ナトリウム0.40質量部、及び、β-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王株式会社製)2.0質量部を添加した。次に、重合開始剤として過硫酸カリウム0.1質量部を添加した後、重合温度40℃にて窒素気流下で乳化重合を行った。上述のクロロプレンは、重合開始20秒後から分添し、重合開始からの10秒間の冷媒の熱量変化を元に分添流量を電磁弁で調整し、以降10秒毎に流量を再調節することで連続的に行った。クロロプレン及びアクリロニトリルの合計量に対する重合率が50%となった時点で、重合停止剤であるフェノチアジン0.02質量部を加えて重合を停止させた。その後、減圧下で反応溶液中の未反応の単量体を除去することでクロロプレン-アクリロニトリル共重合体を含む、不飽和ニトリル含有クロロプレン系ラテックスを得た。
不飽和ニトリル含有クロロプレン系ラテックスの上述の重合率[%]は、クロロプレン系ラテックスを風乾したときの乾燥質量から算出した。具体的には、下記式(A)より計算した。式中、「固形分濃度」とは、サンプリングしたクロロプレン系ラテックス2gを130℃で加熱して、溶媒(水)、揮発性薬品、原料等の揮発成分を除いた固形分の濃度[質量%]である。「総仕込み量」とは、重合開始からある時刻までに重合缶に仕込んだ原料、試薬及び溶媒(水)の総量[g]である。「蒸発残分」とは、重合開始からある時刻までに仕込んだ薬品及び原料のうち、130℃の条件下で揮発せずにポリマーと共に固形分として残留する薬品の質量[g]である。「単量体の仕込み量」とは、重合缶に初期に仕込んだ単量体、及び、重合開始からある時刻までに分添した単量体の量の合計[g]である。なお、ここでいう「単量体」とは、クロロプレン及びアクリロニトリルの合計量である。
 重合率={[(総仕込み量×固形分濃度/100)-蒸発残分]/単量体の仕込み量}×100   ・・・(A)
上述の不飽和ニトリル含有クロロプレン系ラテックスのpHを、酢酸又は水酸化ナトリウムを用いて7.0に調整した後、-20℃に冷やした金属板上で不飽和ニトリル含有クロロプレン系ラテックスを凍結凝固させることで乳化破壊することによりシートを得た。このシートを水洗した後、130℃で15分間乾燥させることにより固形状の不飽和ニトリル含有クロロプレン系ゴムを得た。
不飽和ニトリル含有クロロプレン系ゴムに含まれるアクリロニトリルの単量体単位の含有量を、クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴム中の窒素原子の含有量から算出した。具体的には、元素分析装置(スミグラフ220F:株式会社住化分析センター製)を用いて、100mgのクロロプレン系ゴム中における窒素原子の含有量を測定し、アクリロニトリルの単量体単位の含有量を算出した。
上述の元素分析は次のとおり行った。電気炉温度として反応炉900℃、還元炉600℃、カラム温度70℃、検出器温度100℃に設定し、燃焼用ガスとして酸素ガスを0.2mL/min、キャリアーガスとしてヘリウムガスを80mL/minフローした。検量線は、窒素含有量が既知のアスパラギン酸(10.52%)を標準物質として用いて作成した。
以上の製造方法で得られた、不飽和ニトリル含有クロロプレン系ゴムのアクリロニトリルの単量体単位の含有量は10.0質量%であった。
<ゴム組成物の作製>
表1、2に記載のように各成分を混合し、8インチオープンロールで混練することにより実施例及び比較例のゴム組成物を得た。
ゴム組成物を得るために用いた各成分は以下のとおりである。
<塩素系ゴム>
・不飽和ニトリル含有クロロプレン系ゴム:上述の製造方法で調製した、不飽和ニトリル含有クロロプレン系ゴム
・メルカプタン変性クロロプレン系ゴム:メルカプタン変性クロロプレン系ゴム、デンカ株式会社製「S-40V」
・エピクロロヒドリンゴム:日本ゼオン株式会社製「HydrinT-3102」
・塩素化ポリエチレン:昭和電工株式会社製「エラスレン401A」
・クロロスルホン化ポリエチレン:東ソー株式会社製「TS-530」
・塩素化ブチルゴム:JSR株式会社製「CHLOROBUTYL1066」
<非塩素系ゴム>
・スチレンブタジエンゴム:日本ゼオン株式会社製「Nipol1502」
<アルキレンオキサイド含有化合物>
・ポリ(プロピレンオキサイド(PO)/エチレンオキサイド(EO))共重合体:HUNTSMAN社製、 「JEFFAMINE M-1000」(重量平均分子量1000、末端アミノ基1、PO/EO mol ratio=3/19)
・ポリ(プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド)共重合体:HUNTSMAN社製、「JEFFAMINE M-2070」(重量平均分子量2000、末端アミノ基1、PO/EO mol ratio=10/31)
・ポリ(プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド)共重合体:HUNTSMAN社製、「JEFFAMINE M-3085」(重量平均分子量3000、末端アミノ基1、PO/EO mol ratio=8/58)
・ポリプロピレンオキサイド単独重合体:三井化学ファイン株式会社製、ポリエーテルアミンD2000(重量平均分子量2000、末端アミノ基2)
・ポリプロピレンオキサイド単独重合体:三井化学ファイン株式会社製、ポリエーテルアミンT5000、(重量平均分子量5000、末端アミノ基3)
・ポリエチレンオキサイド単独重合体:東京化成工業株式会社製、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(重量平均分子量1000、末端アミノ基無し)
受酸剤:酸化亜鉛:堺化学工業株式会社製、「酸化亜鉛2種」
受酸剤:酸化マグネシウム:協和化学工業株式会社製「キョーワマグ(登録商標)150」
有機過酸化物:1,4-ビス[(t-ブチルパーオキシ)イソプロピル]ベンゼン、日本油脂株式会社製、「パーブチルP-40」
有機過酸化物:1'1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、日本油脂株式会社製、「パーヘキサC-40」
加硫促進剤:トリメチルチオ尿素、大内新興化学工業製、「ノクセラーTMU」
加硫促進剤:2,4,6-トリメルカプト-s-トリアジン、三協化成株式会社製、「ジスネットF」
加硫促進剤:1,3-ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、「ノクセラーD」
加硫促進剤:ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、「ノクセラー TRA」
加硫促進剤:ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、「ノクセラーDM」
加硫促進剤:テトラメチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、「ノクセラーTT」、
硫黄:硫黄、細井化学工業株式会社製、「微粉硫黄200メッシュ」
共架橋剤:トリアリルイソシアヌレート、三菱ケミカル株式会社製、「TAIC」
安定剤:ペンタエリスリトール、三菱ケミカル株式会社製、「ノイライザ―P」
滑剤:ステアリン酸:新日本理化株式会社製、「ステアリン酸50S」
充填材:カーボンブラックFEF、旭カーボン株式会社製、「旭#60UG」
老化防止剤:4,4'-ビス(α、α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、大内新興化学工業株式会社製、「ノクラックCD」
老化防止剤:ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、大内新興化学工業株式会社製、「ノクラックNBC」
<加硫成形体の作製>
得られたゴム組成物をJIS K6299に基づき、170℃×20分の条件でプレス加硫することにより厚さ2mmのシート状の加硫成形体を作製した。
<加硫成形体の評価>
上述の加硫成形体の評価を以下のとおり行った。結果を表1及び表2に示す。
(加硫物のブリードの有無)
上述の加硫成形体を目視で観察し、ブリードの有無、すなわち、可塑剤等の染み出しの有無を評価した。なお、比較例7~9に係るゴム組成物の加硫成形体はブリードが有り、その他の物性の確認が困難であった。
(耐寒性)
JIS K 6261に基づき、ゲーマンねじり試験を行い、T10を求めた。上述の加硫成形体について、180°ねじりモジュラスが、常温における180°ねじりモジュラスの10倍になる温度(T10)を求めた。
(耐油性)
上述のシート状の加硫成形体から縦25mm、横20mmの試験片を打ち抜くことにより試験片を得た。得られた試験片を、130℃の試験油(自動車用高潤滑油、ASTM No.3、IRM 903 oil)に72時間浸漬した。ただし、塩素系ゴムとして、他の塩素系ゴムに比べて耐油性が低い塩素化ブチルゴムを用いた実施例11及び比較例6のみ、低膨潤油であるIRM 901オイルを用いた。JIS K 6258に準拠して体積変化率ΔVを算出した。
(メタノールで抽出される、アルキレンオキサイド含有化合物量)
上述のシート状の加硫成形体を2mm角以下に切り出して3gの粒状試験体を得た。得られた試験体を、50℃のメタノールに24時間浸漬することで、未反応のアルキレンオキサイド含有化合物を抽出した。メタノールを蒸発、乾燥し、抽出物であるアルキレンオキサイド含有化合物の質量を測定した。ゴム組成物中に添加したアルキレンオキサイド含有化合物の質量を100質量%とし、加硫物から抽出されたアルキレンオキサイド含有化合物の質量からメタノールで抽出された割合を算出した。
いずれの塩素系ゴムについても、特定の構造のアルキレンオキサイド含有化合物を特定の量配合した実施例の配合において、加硫物のブリードが観察されず、加硫物の物性が向上することが確認された。

Claims (13)

  1. 塩素系ゴムと、アルキレンオキサイド含有化合物とを含む、ゴム組成物であって、
     前記ゴム組成物は、前記ゴム組成物に含まれる塩素系ゴム100質量部としたとき、前記ゴム組成物中に前記アルキレンオキサイド含有化合物を0.1~50質量部含有し、
     前記アルキレンオキサイド含有化合物は、前記アルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、分子中にアルキレンオキサイド構造を50質量%以上含み、
     前記アルキレンオキサイド含有化合物は、分子末端にアミノ基を1つ以上含む、ゴム組成物。
  2. 前記塩素系ゴムと、前記アルキレンオキサイド含有化合物とがグラフト反応したグラフト反応体を含む、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記アルキレンオキサイド含有化合物が、エチレンオキサイド構造及びプロピレンオキサイド構造から選択される少なくとも1つを含む、請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 前記アルキレンオキサイド含有化合物の重量平均分子量が300~10000である、請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
  5. 前記アルキレンオキサイド含有化合物が、分子末端にアミノ基を1つのみ有する、請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
  6. 前記アルキレンオキサイド含有化合物の分子構造中に最も多く含有される繰り返し構造が、エチレンオキサイド構造である、請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
  7. 前記塩素系ゴムが、クロロプレン系ゴムである、請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
  8. 前記クロロプレン系ゴムが、不飽和ニトリル単量体単位を含有する、請求項7に記載のゴム組成物。
  9. 前記ゴム組成物に含まれる塩素系ゴムを100質量部としたとき、受酸剤を、0.1~20質量部含有する、請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
  10. 前記ゴム組成物に含まれる塩素系ゴムを100質量部としたとき、有機過酸化物を0.1~10質量部含有する請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
  11. 請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物の加硫物。
  12. 前記ゴム組成物に配合されるアルキレンオキサイド含有化合物を100質量%としたとき、前記ゴム組成物の加硫物をメタノールで抽出した際に抽出されるアルキレンオキサイド含有化合物の量が20質量%以下である、請求項11に記載の加硫物。
  13. 請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物の加硫成形体。
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