WO2023095692A1 - シールドコネクタ - Google Patents

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宏弥 田中
潤一 椋野
ジェヨン キム
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株式会社オートネットワーク技術研究所
住友電装株式会社
住友電気工業株式会社
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    • H01R13/658High frequency shielding arrangements, e.g. against EMI [Electro-Magnetic Interference] or EMP [Electro-Magnetic Pulse]
    • H01R13/6581Shield structure

Abstract

環境温度変化による放熱性能の低下を抑制して、より短い放熱経路で所期の放熱性能を安定して発揮できる、新規な構造のシールドコネクタを開示する。 シールドコネクタ10が、相手方端子12と接続される端子接続部14を有する端子金具16と、端子金具16を収容する絶縁性のハウジング18と、ハウジング18の外面を覆うシールドシェル20と、ハウジング18において、外面側でシールドシェル20に接触し、内面側で端子接続部14に接触する放熱部22と、端子接続部14を放熱部22およびシールドシェル20に押圧するばね部材24と、を備えている。

Description

シールドコネクタ
 本発明は、シールドコネクタに関するものである。
 特許文献1には、相手方端子と接続される円筒状の端子接続部を有する端子金具と、端子金具を収容する絶縁性のハウジングと、ハウジングの外面を覆う金属製のシールドシェルを備え、円筒状の端子接続部の内部を絶縁樹脂で充填して端子接続部の先端部を保護する先端絶縁部と、接続端子部の基端部から外部に突出して軸直方向に広がる放熱部を形成したシールドコネクタが開示されている。このシールドコネクタでは、インサートモールド成形により円筒状の端子接続部内に充填された絶縁樹脂を利用して、接続端子部の基端部側に外部に突出した放熱部が一体形成されている。それゆえ、端子接続部で発生した熱が、端子接続部の外部で空気層を介することなく放熱部から速やかに放熱されることから、シールドコネクタの放熱性の向上を図ることができる。
特開2019-29179号公報
 ところが、特許文献1に記載のシールドコネクタでは、絶縁樹脂と金属製の端子金具との線膨張係数が異なることから、使用時の環境温度変化により絶縁樹脂と端子接続部との接触面間に空気層(空隙)が発生して、放熱性能が低下するおそれもあった。さらに、放熱部は、端子接続部の基端部から外部に突出して軸直方向に広がって形成されていることから、最も大きい発熱量が生じる端子接続部から放熱部までの距離が長く熱抵抗が大きいという問題も内在していた。
 そこで、環境温度変化による放熱性能の低下を抑制して、より短い放熱経路で所期の放熱性能を安定して発揮できる、新規な構造のシールドコネクタを開示する。
 本開示のシールドコネクタは、相手方端子と接続される端子接続部を有する端子金具と、前記端子金具を収容する絶縁性のハウジングと、前記ハウジングの外面を覆うシールドシェルと、前記ハウジングにおいて、前記外面側で前記シールドシェルに接触し、内面側で前記端子接続部に接触する放熱部と、前記端子接続部を前記放熱部および前記シールドシェルに押圧するばね部材と、を備えたシールドコネクタである。
 本開示のシールドコネクタによれば、環境温度変化による放熱性能の低下を抑制して、より短い放熱経路で所期の放熱性能を安定して発揮できる。
図1は、実施形態1に係るシールドコネクタの斜視図である。 図2は、図1も示されたシールドコネクタにおける正面図である。 図3は、図2におけるIII-III断面図である。 図4は、図3におけるIV-IV断面図である。 図5は、図1に示されたシールドコネクタにおける正面側からの分解斜視図である。 図6は、図1に示されたシールドコネクタにおける背面側からの分解斜視図である。 図7は、図1に示されたシールドコネクタにおける底面側からの分解斜視図であって、要部を拡大して示す図である。
<本開示の実施形態の説明>
 最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
 本開示のシールドコネクタは、
(1)相手方端子と接続される端子接続部を有する端子金具と、前記端子金具を収容する絶縁性のハウジングと、前記ハウジングの外面を覆うシールドシェルと、前記ハウジングにおいて、前記外面側で前記シールドシェルに接触し、内面側で前記端子接続部に接触する放熱部と、前記端子接続部を前記放熱部および前記シールドシェルに押圧するばね部材と、を備えたものである。
 本開示のシールドコネクタによれば、従来構造において端子接続部の内部にモールド成形により充填された絶縁樹脂を用いて形成された放熱部に代えて、外面側でシールドシェルに接触し、内面側で端子接続部に接触するハウジングの部位を放熱部として採用した。さらに、端子金具や放熱部とは別体のばね部材を用いて、端子接続部を放熱部とシールドシェルに押圧している。これにより、使用時の環境温度が変化しても、端子接続部とシールドシェルの間に介在する放熱部を、ばね部材の弾性力を利用して端子接続部とシールドシェルに接触した状態に安定して保持することができる。加えて、放熱部の端子金具への接触部位が端子接続部であることから、導電経路上で最も大きい発熱量が生じる端子接続部を放熱部を介して直接シールドシェルに接触させることができる。その結果、従来構造に比して、放熱経路を短くすることができ、所期の放熱性能を安定して発揮することが可能となる。
 なお、ばね部材は、端子接続部を放熱部とシールドシェルに押圧し、端子接続部を放熱部を介したシールドシェルへの接触状態に保持できるものであれば、任意の形状が採用可能である。同様に、ハウジングの放熱部は、ばね部材により端子接続部が内面に接触して押圧され、ばね部材により外面がシールドシェルに押圧される部位であれば、特に限定されない。
(2)前記ハウジングが、前記端子金具を収容するハウジング本体と、前記ばね部材を保持して前記ハウジング本体に組み付けられるばね保持部材と、を含む、ことが好ましい。ハウジングが、ハウジング本体とばね保持部材に分割されており、ハウジング本体が端子金具を収容し、ばね保持部材がばね部材を保持した状態で、相互に組み付けることができる。これにより、別体のばね部材のハウジングへの組み付けに際して、ばね保持部材に予めばね部材が保持されていることから、ばね部材の取扱性の向上や紛失の可能性を低減することができ、シールドコネクタの組み付け作業性の向上を図ることができる。
(3)前記ハウジング本体が、前記端子接続部に接触する前記放熱部と、前記端子接続部を間に挟んで第1方向で前記放熱部と対向する部位に設けられた開口部と、を有し、前記ばね保持部材が、前記ハウジング本体の前記開口部を覆って、前記放熱部と前記第1方向で対向する保持板部を含み、前記保持板部には、前記放熱部への対向面に、前記ばね部材の一部を保持する保持部が設けられており、前記ハウジング本体と前記ばね保持部材の組付状態で、前記開口部に配置された前記保持板部の保持部に保持された前記ばね部材の弾性復元力により、前記端子接続部が前記放熱部と前記シールドシェルに押圧されている、ことが好ましい。
 ハウジング本体が、端子接続部を間に挟んで第1方向で対向する部位に開口部を有しており、ハウジング本体に組み付けられるばね保持部材が開口部を覆って放熱部に対向する保持板部を有している。そして、保持板部に設けられた保持部に保持されたばね部材が、ハウジング本体とばね保持部材の組付状態で、付勢力を発揮して端子接続部を放熱部およびシールドシェルに押圧することができる。これにより、簡単且つ確実な構造で、端子接続部を放熱部に押圧するばね部材を、ハウジング内に収容保持することができ、シールドコネクタの放熱性能の安定化や維持を有利に図ることができる。
(4)前記シールドシェルが、前記ハウジング本体を収容する第1収容部と、前記ばね保持部材を収容する第2収容部と、を備え、前記シールドシェルが、前記第1収容部への前記ハウジング本体の挿入を許容する第1挿通孔と、前記第2収容部への前記ばね保持部材の挿入を許容する第2挿通孔と、を有している、ことが好ましい。シールドシェルが第1挿通孔と第2挿通孔を有し、それらを通じて各別にハウジング本体とばね保持部材をシールドシェルに対して組み付けることが可能となる。それゆえ、シールドシェルに対するハウジングの組付作業性の向上を図ることができる。
(5)前記ばね保持部材が、前記相手方端子が挿通される相手方端子挿通穴を有しており、前記ばね保持部材が嵌合部を有し、前記シールドシェルの前記第2収容部が前記嵌合部が嵌合される被嵌合部を有し、前記相手方端子挿通穴から前記相手方端子が引き抜かれる方向への、前記ばね保持部材の前記シールドシェルに対する変位が、前記嵌合部の前記被嵌合部への嵌合により制限されている、ことが好ましい。シールドシェルが、第2収容部へのばね保持部材の挿入を許容する第2挿通孔を有している場合であって、ばね保持部材が相手方端子挿通穴をさらに有している場合には、ばね保持部材の相手方端子挿通穴からの相手方端子の引き抜き方向への抜け出しが懸念されるが、ばね保持部材とシールドシェルの間に抜け出しを阻止する嵌合部と被嵌合部を設けることという、簡単な構造により、大型化を招くことなく抜け出しを阻止することができる。
(6)前記端子接続部が内孔を備えた矩形筒形状を有しており、前記端子接続部の前記内孔に前記相手方端子が挿入されるようになっており、前記端子接続部において、前記放熱部と対向する方向である第1方向で対向する一方の側面に前記ばね部材が当接し、他方の側面が前記放熱部に接触している、ことが好ましい。端子接続部からシールドシェルに向かう放熱経路を相手方端子を介在せずに設けることができることから、より短く熱抵抗の少ない放熱経路を構築して、シールドコネクタの放熱性の更なる向上を図ることができる。さらに、ばね部材の押圧力を、相手方端子と端子接続部との接圧の影響を受けることなく設計することができ、シールドコネクタの放熱性能の一層の安定化を図ることができる。
(7)前記シールドシェルの前記放熱部への接触部位が、他の部位よりも厚肉に形成されている、ことが好ましい。シールドシェルにおいて、ハウジングの放熱部の接触部位が、他の部位よりも厚肉であることから、接触部位における熱容量が増大して、ハウジングの放熱部からシールドシェルへの放熱をより速やかに行うことができる。
<本開示の実施形態の詳細>
 本開示のシールドコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
 以下、本開示の実施形態1のシールドコネクタ10について、図1から図7を参照しつつ説明する。このシールドコネクタ10は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車に適用され、パワーコントロールユニット(PCU)からバッテリに至る高圧コネクタの大電流領域に用いられるものである。なお、シールドコネクタ10は、任意の向きで配置することができるが、以下の説明では、上方とは図3中の上方、下方とは図3中の下方、前方とは図3中の右方、後方とは図3中の左方、左方とは図4中の左方、右方とは図4中の右方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
<シールドコネクタ10>
 シールドコネクタ10は、相手方端子12と接続される端子接続部14を有する端子金具16を備えている。端子金具16は、絶縁性を有するハウジング18に収容されているとともに、ハウジング18の外面はシールドシェル20によって覆われている。また、シールドコネクタ10は、ハウジング18において外面側でシールドシェル20に接触し、内面側で端子接続部14に接触する放熱部22を備えている。さらに、シールドコネクタ10は、端子接続部14を放熱部22およびシールドシェル20に押圧するばね部材24を備えている。
<相手方端子12>
 相手方端子12の形状は限定されるものではないが、本実施形態では、略平板のタブ状とされている。なお、本実施形態では、後述するようにシールドコネクタ10の内部に相手方端子配置部40が設けられており、ハウジング18に設けられた相手方端子挿通穴78に相手方端子12が挿し入れられるようになっている。そして、相手方端子配置部40に配置された相手方端子12と、ハウジング18内に収容された端子金具16の端子接続部14とが接触して導通するようになっている。すなわち、本実施形態では、相手方端子12がオス端子であり、端子接続部14(端子金具16)がメス端子である。
<端子金具16>
 図4~6にも示されるように、端子金具16は、例えば1枚の金属平板を所定形状に折り曲げる等して形成されており、全体として上下方向に延びて形成されている。この端子金具16の上方部分が端子接続部14であるとともに、端子金具16の下方部分は電線26が固着される電線接続部28である。電線26は被覆電線であり、芯線30に対して合成樹脂製の絶縁被覆32が外挿されている。電線26の先端部分(上端部分)では絶縁被覆32が剥がされて芯線30が露出しており、露出された芯線30が端子金具16の電線接続部28に圧着や溶着等により固着されることで、電線26と端子金具16とが導通している。なお、電線26において芯線30が露出された部分よりも下方には、外形状が略矩形とされた環状の防水ゴム34が外挿されて取り付けられている。
<端子接続部14>
 端子接続部14は、内孔36を有する略筒形状であり、左右方向寸法に比して前後方向寸法が大きくされた略扁平な矩形状である。この略矩形筒形状を有する端子接続部14は、例えば金属平板を折り曲げて、前端における上下方向両端部分をかしめ固定すること等によって形成されている。これにより、内孔36は、上下方向両側に開口しているとともに、端子接続部14の前端における上下方向中間部分に設けられた前方開口部38を通じて、内孔36が外部空間と連通している。この端子接続部14の内孔36に相手方端子12が挿入されるようになっており、端子接続部14(内孔36)の内部空間が相手方端子配置部40である。
 なお、図示は省略するが、例えば相手方端子配置部40を構成する内孔36の内面において左右方向両側部分には、左右方向内方に突出する接点部が設けられている。そして、端子接続部14への相手方端子12の挿入時において、これらの接点部が相手方端子12に接触することで、相手方端子12と端子接続部14とが電気的に導通されるようになっている。接点部の形状は限定されるものではなく、点接触や線接触の態様であってもよいし、内孔36の左右内面のそれぞれにおいて、1つまたは複数の接点部が設けられてもよい。
 本実施形態では、端子接続部14において右方の壁部を構成する部分が下方に延び出して電線接続部28を構成しており、この電線接続部28に対して左方から電線26の芯線30が固着されている。これにより、図4や図6にも示されるように、端子接続部14および電線接続部28の右端面が、同一平面上を連続して広がっている。この結果、後述するように、シールドコネクタ10が組み立てられた際には、端子接続部14において第1方向である左右方向で対向する一方の側面(左端面)が、ばね部材24が当接するばね部材当接面42であるとともに、端子接続部14の他方の側面(右端面)を含んで構成される端子金具16の右端面が、放熱部22に接触する放熱部接触面44である。
<ハウジング18>
 ハウジング18は、端子金具16を収容するハウジング本体46と、ばね部材24を保持してハウジング本体46に組み付けられるばね保持部材48と、を含んでいる。これらハウジング本体46およびばね保持部材48はそれぞれ、例えば絶縁性を有する合成樹脂により形成される。
<ハウジング本体46>
 ハウジング本体46は、全体として下方に開口する略有底の筒形状であり、上端部において底壁に相当する略矩形状の上壁部50が設けられている。上壁部50の四方の周縁部からは下方に突出する略筒状の周壁部52が設けられている。したがって、周壁部52は、前方の前壁部54aと、後方の後壁部54bと、左右両側の左壁部54cおよび右壁部54dとを備えている。
 ここで、ハウジング本体46における前壁部54aには、切欠状の前側開口部56が設けられており、この前側開口部56を通じてハウジング本体46の内部空間と外部空間とが相互に連通している。前側開口部56は、前壁部54aにおいて所定の領域にわたって形成されており、本実施形態では、前壁部54aにおける上端部(上壁部50との接続部分)から上下方向の略中央部分にわたっているとともに、左右方向の全長にわたって形成されている。
 また、ハウジング本体46における左壁部54cには、切欠状の左側開口部58が設けられており、この左側開口部58を通じてハウジング本体46の内部空間と外部空間とが相互に連通している。左側開口部58は、左壁部54cにおいて所定の領域にわたって形成されており、本実施形態では、前側開口部56と略等しい上下方向寸法を有しているとともに、前後方向の略全長にわたって形成されている。具体的には、左側開口部58は、後壁部54bには至っておらず、左側開口部58の形成領域においても、ハウジング本体46の後壁部54bは、ハウジング本体46の左端にまで至っている。これにより、ハウジング本体46の正面視(前方から見た状態)において、ハウジング本体46の後壁部54bが、前後方向の他の部分に比べて左方に突出している。そして、この後壁部54bにおける左端部分(他の部分よりも左方に突出する部分)により、後述するようにばね保持部材48をハウジング本体46に組み付けた際に、ばね保持部材48の後方への移動を制限する移動制限部60が形成されている。
 さらに、左側開口部58は、前端部(前壁部54aとの接続部分)にまで至っており、前側開口部56と左側開口部58とが相互に連続している。これにより、本実施形態では、ハウジング本体46の上方部分において、前方および左方に開口する1つの開口部62が、前側開口部56と左側開口部58とにより構成されている。換言すれば、左壁部52cに設けられた左側開口部58が前壁部54aにわたって開口しており、1つの開口部62を構成している。
 更にまた、図4や図6にも示されるように、右壁部54dの上下方向中間部分には段差状部分64が設けられており、この段差状部分64が設けられることで、ハウジング本体46の内部空間は、上方部分に比べて下方部分の方が大きくされている。換言すれば、右壁部54dにおいて、段差状部分64よりも上方の部分は、段差状部分64よりも下方の部分に比べて、左右方向内側(左側)に位置している。後述するように、右壁部54dにおいて、段差状部分64よりも上方の部分が放熱部22である。そして、放熱部22に対して内側(左側)から端子接続部14が接触することから、端子接続部14を間に挟んで第1方向である左右方向で放熱部22と対向する部位に設けられる開口部が、開口部62の特に左側開口部58により構成されている。
 そして、段差状部分64が設けられることで下方部分よりも左側に位置する放熱部22の外面側に対して、後述するシールドシェル20とハウジング本体46との組付時において、シールドシェル20の右端壁部92dの内面に設けられた厚肉部98が接触するようになっている。また、本実施形態では、段差状部分64が右壁部54dの上下方向中間部分に設けられることで放熱部22が所定の上下方向寸法を有しており、後述するシールドコネクタ10の組付時において、電線接続部28を含む端子金具16の右端面(放熱部接触面44)が全面にわたって放熱部22に接触するようになっている。
<ばね保持部材48>
 ばね保持部材48は、ハウジング本体46に組み付けられることで、ハウジング本体46における開口部62を覆う形状を有している。すなわち、ばね保持部材48は、ハウジング本体46に組み付けられた際に、開口部62における前側開口部56を覆う前側壁部66と、開口部62における左側開口部58を覆う左側壁部68と、を備えている。これら前側壁部66と左側壁部68とは相互に連結しており、ハウジング本体46は、平面視(上下方向の投影)において全体としてL字形状を有しつつ、所定の上下方向寸法を有している。
 本実施形態では、前述のように、放熱部22と第1方向である左右方向で対向する開口部が、開口部62の特に左側開口部58により構成されている。そして、ばね保持部材48において、左側開口部58を覆って、放熱部22と第1方向(左右方向)で対向する保持板部が、左側壁部68により構成されている。
 保持板部(左側壁部68)には、放熱部22への対向面となる内面(右面)に、ばね部材24の一部を保持する保持部70が設けられている。保持部の形状は採用されるばね部材の形状によって変更され得るが、本実施形態では、保持部70が、左側壁部(保持板部)68と左右方向で対向する平板部72を備えている。この平板部72は、左側壁部68に対して所定の離隔距離を有しているとともに、平板部72の上下方向両端が前後方向の略全長にわたって左側壁部68に対して連結部74,74によって連結されている。これにより、左側壁部68、平板部72および連結部74,74で囲まれる領域に、所定の大きさの空間が形成されている。なお、図4や図6にも示されるように、左側壁部68の上端部分には、他の部分より厚肉とされた厚肉部76が、前後方向の略全長にわたって設けられている。
 また、前側壁部66の略中央部分には、相手方端子12が挿通される相手方端子挿通穴78が板厚方向(前後方向)で貫通して形成されている。相手方端子挿通穴78は、挿通される相手方端子12よりも大きい大きさで形成されており、本実施形態では、左右方向寸法に比して上下方向寸法の大きな縦長の矩形状とされている。さらに、前側壁部66には、後述するシールドシェル20への組付時において、シールドシェル20の被嵌合部102と嵌合する嵌合部80が設けられている。本実施形態では、嵌合部80が、前側壁部66の上端における左右方向略中央部分から後方に突出して上下方向で弾性変形可能な弾性突片82と、この弾性突片82の突出先端において上方に突出する係止凸部84と、を有している。図3にも示されるように、係止凸部84は、前面が上下方向に広がる鉛直面であるとともに、後面が後方に向かって上方への突出寸法が次第に小さくなる湾曲面である。
<シールドシェル20>
 シールドシェル20は、放熱性に優れる金属により形成されている。シールドシェル20の全体の外形状はハウジング本体46と略同様であり、第1挿通孔としての下方開口部86を有する略有底の筒形状である。すなわち、シールドシェル20は、略矩形状の上端壁部88を備えているとともに、上端壁部88の四方の周縁部からは後方に突出する筒状壁部90が設けられている。したがって、筒状壁部90は、前方の前端壁部92aと、後方の後端壁部92bと、左右両側の左端壁部92cおよび右端壁部92dとを備えている。
 シールドシェル20は、ハウジング本体46とばね保持部材48とを組み付けてなるハウジング18を収容可能な大きさで形成されている。すなわち、シールドシェル20は、ハウジング本体46を収容する第1収容部94と、ばね保持部材48を収容する第2収容部96とを備えている。なお、シールドシェル20において、第1収容部94と第2収容部96とは明確に区別されるものではないが、例えばシールドシェル20の筒状壁部90において、後述する第2挿通孔100よりも下方の領域が第1収容部94とされるとともに、第2挿通孔100を通じてばね保持部材48が挿入される、第1収容部94よりも上方の領域が第2収容部96とされる。具体的には、例えば第1収容部94が、前端壁部92a、後端壁部92b、左端および右端壁部92c,92dのそれぞれの下方部分により囲まれる領域によって構成される。また、第2収容部96が、上端壁部88と、後端壁部92b、左端および右端壁部92c,92dのそれぞれの上方部分とにより囲まれる領域によって構成される。
 そして、シールドシェル20にハウジング18を収容した際には、シールドシェル20の内面とハウジング18の外面とが、左右方向で略密接するようになっている。特に、前述のようにハウジング本体46の右壁部54dにおいて上方部分(放熱部22)は下方部分に比べて左右方向内方(左方)に位置しているとともに、図4に示されるように、シールドシェル20の右端壁部92dの内面には、他の部位よりも厚肉に形成された厚肉部98が設けられている。これにより、放熱部22の外面と厚肉部98の内面とが略密接するようになっている。なお、シールドシェル20において、左端壁部92cは、前端壁部92aや後端壁部92b、右端壁部92dの下方部分よりも厚肉に形成されているが、右端壁部92dの上方部分に設けられた厚肉部98は、左端壁部92cよりもさらに厚肉に形成されている。
 なお、シールドシェル20の前端壁部92aは上方部分が左右方向の全長にわたって切り欠かれており、これにより、前端壁部92aの上方部分において前後方向で貫通する第2挿通孔100が形成されている。この結果、第2挿通孔100を通じてシールドシェル20の内部空間と外部空間が相互に連通している。この第2挿通孔100は、ばね保持部材48を挿入可能な大きさで形成されており、ばね保持部材48と略等しい上下方向寸法および左右方向寸法を有している。また、図3や図7にも示されるように、シールドシェル20において、上端壁部88の内面(下面)には、ハウジング本体46における嵌合部80に対応する被嵌合部102が形成されている。本実施形態では、被嵌合部102が、係止凸部84に対応する形状の凹部として形成されている。
<ばね部材24>
 ばね部材24は、端子接続部14を放熱部22およびシールドシェル20に押圧する機能を有していれば形状は限定されるものではないが、本実施形態では、金属製の板ばねにより構成されている。すなわち、ばね部材24は、金属製の平板を略U字状に折り曲げること等によりばね性が付与されており、ばね保持部材48の保持部70に保持される基部104と、基部104に対して折り返されて基部104に対する接近または離隔方向で弾性変形可能な弾性変形部106と、を有している。換言すれば、基部104と弾性変形部106とが折り返し部108を介して連結されており、これら基部104と弾性変形部106とが所定の距離を隔てて相互に対向している。シールドコネクタ10の組立時には、基部104の後端部において弾性変形部106が前方に折り返されて、基部104と弾性変形部106とが左右方向で対向しており、弾性変形部106が、基部104に対して左右方向で弾性変形可能とされている。
<シールドコネクタ10の組み付け工程>
 続いて、シールドコネクタ10の組み付け工程の具体的な一例について説明する。なお、シールドコネクタ10の組み付け工程は、以下の記載に限定されない。
 先ず、端子金具16を準備して、端子金具16の電線接続部28に電線26を固着する。なお、防水ゴム34は、電線接続部28に電線26を固着する前に電線26に外挿されてもよいし、電線接続部28に電線26を固着した後に電線26に外挿されてもよい。
 また、シールドシェル20、ハウジング本体46、ばね部材24およびばね保持部材48をそれぞれ別個に形成して準備する。その後、シールドシェル20の第1挿通孔である下方開口部86からハウジング本体46を挿入して、シールドシェル20の第1収容部94へハウジング本体46を組み付ける。ハウジング本体46の外面は、シールドシェル20の内面に対して左右方向で略密接することから、ハウジング本体46はシールドシェル20に対して略がたつくことなく挿入される。なお、シールドシェル20とハウジング本体46との組付けの時点では、ハウジング本体46における右壁部54dの上方部分(放熱部22)の外面とシールドシェル20の右端壁部92d(厚肉部98)とは、接触していてもよいし、僅かな離隔距離をもって左右方向で対向していてもよい。
 そして、このシールドシェル20とハウジング本体46との組付体に対して、電線26が固着された端子金具16を下方から挿入して組み付ける。なお、電線26が固着された端子金具16は、シールドシェル20とハウジング本体46との組付体に対して、端子接続部14がハウジング本体46における前側開口部56およびシールドシェル20における第2挿通孔100を通じて外部に露出するまで上方に挿入される。この状態では、シールドシェル20の下方開口部(第1挿通孔)86に対して、電線26に外挿された防水ゴム34が圧入されて、シールドシェル20の下方開口部86を液密的に封止する。
 このように、シールドシェル20とハウジング本体46と端子金具16とを組み付けた状態では、前述のように端子接続部14が、ハウジング本体46における前側開口部56およびシールドシェル20における第2挿通孔100を通じて外部に露出している。すなわち、端子接続部14の内孔36内の空間が、前方開口部38、前側開口部56および第2挿通孔100を通じて外部空間に連通している。また、シールドシェル20の内部空間において、端子接続部14の左端面であるばね部材当接面42が、開口部62における左側開口部58を通じて露出している。さらに、端子接続部14の右端面を含む端子金具16の右端面である放熱部接触面44が、ハウジング本体46における右壁部54dの上方部分(放熱部22)に接触するか、僅かな離隔距離をもって左右方向で対向している。
 次に、ばね保持部材48に対してばね部材24を組み付ける。換言すれば、ばね保持部材48における保持部70によりばね部材24を保持させる。具体的には、ばね保持部材48において、左側壁部(保持板部)68、平板部72および連結部74,74で囲まれる領域に、ばね部材24の基部104を、例えば略圧入状態で挿入する。これにより、ばね保持部材48によりばね部材24が保持されて、ばね保持部材48からのばね部材24の脱落が防止される。ばね部材24がばね保持部材48に組み付けられることにより、ばね部材24における弾性変形部106が、ばね保持部材48における平板部72よりも右方に位置している。
 そして、ばね部材24が組み付けられたばね保持部材48を、シールドシェル20、ハウジング本体46および端子金具16の組付体に組み付ける。具体的には、シールドシェル20、ハウジング本体46および端子金具16の組付体に対して、シールドシェル20における第2挿通孔100を通じて、ばね部材24が組み付けられたばね保持部材48を前方から挿入する。これにより、シールドシェル20内で開口するハウジング本体46の開口部62(前側開口部56および左側開口部58)を、ばね保持部材48における前側壁部66および左側壁部68で覆って閉塞する。
 なお、ばね保持部材48のシールドシェル20への第2挿通孔100を通じた前方からの挿入は、例えばばね保持部材48の左側壁部68における後端部が、ハウジング本体46の左端部に位置する移動制限部60に当接することによって制限される。ばね保持部材48のシールドシェル20への挿入完了時には、ばね保持部材48の前側壁部66がシールドシェル20の前端壁部92aよりも後方に位置しており、ばね保持部材48の全体がシールドシェル20における第2収容部96に収容されるようになっている。
 また、ばね保持部材48のシールドシェル20への組付けに際して、ばね保持部材48の嵌合部80とシールドシェル20の被嵌合部102とが嵌合する。具体的には、嵌合部80における係止凸部84がシールドシェル20の上端壁部88に当接して弾性突片82が下方に弾性変形させられるとともに、係止凸部84が凹状の被嵌合部102の形成位置に至ることによって、弾性突片82が弾性的に復元変形して係止凸部84が被嵌合部102に係止される。これにより、相手方端子挿通穴78から相手方端子12が引き抜かれる方向(後方から前方に向かう方向)への、ばね保持部材48のシールドシェル20に対する変位が制限される。このようにして、シールドシェル20、ハウジング本体46および端子金具16の組付体に対して、ばね部材24が組み付けられたばね保持部材48を組み付けて、シールドコネクタ10が完成する。
 このようにして組み立てられたシールドコネクタ10では、端子接続部14における前方開口部38とばね保持部材48における相手方端子挿通穴78とが相互に位置合わせされている。すなわち、ハウジング本体46における前側開口部56は、ばね保持部材48が組み付けられることにより前側壁部66により覆われることとなるが、端子接続部14の内孔36内の空間が、前方開口部38、相手方端子挿通穴78、第2挿通孔100を通じて外部空間に連通している。
 また、ハウジング本体46の開口部(開口部62の特に左側開口部58)に配置されたばね部材24は、ハウジング18の内部において端子接続部14に対して左側から接触する。その際、ばね部材24は、弾性変形部106が端子接続部14により押圧されて、端子接続部14に接触する前の自然状態に対して、基部104へ接近する方向へ弾性変形させられる。この弾性変形部106における基部104から離隔する方向への弾性的な復元力が端子接続部14に対して付勢力として及ぼされて、ハウジング本体46の右壁部54dが、端子接続部14の右端面(放熱部接触面44)により内面側から押圧される。さらに、このように内面側から押圧されたハウジング本体46の右壁部54dにより、シールドシェル20の右端壁部92dにおける厚肉部98が、内面側から押圧される。
 すなわち、組立状態のシールドコネクタ10では、ばね部材24の付勢力が常時端子接続部14に及ぼされており、端子接続部14がハウジング本体46に押圧されるとともに、ハウジング本体46がシールドシェル20に押圧されている。要するに、端子接続部14はハウジング本体46を介してシールドシェル20に押圧されており、ばね部材24により、端子接続部14がハウジング本体46およびシールドシェル20に押圧されている。
 このようなシールドコネクタ10に対して、図1等に二点鎖線で示されるように、相手方端子挿通穴78を通じて相手方端子12が挿入される。これにより、端子接続部14の内孔36内における相手方端子配置部40に相手方端子12が配置されて、相手方端子12が端子接続部14の内面に設けられた図示しない接点部に当接することにより、端子接続部14と相手方端子12とが電気的に導通する。そして、これら端子接続部14と相手方端子12とが通電状態になることに伴う発熱が、端子接続部14、ハウジング本体46の右壁部54d、シールドシェル20の右端壁部92dを介して外部へと放熱される。したがって、本実施形態では、ハウジング18において外面側でシールドシェル20に接触し、内面側で端子接続部14に接触する放熱部22が、ハウジング本体46における右壁部54dの上方部分により構成されている。
 本実施形態のシールドコネクタ10では、ハウジング18の内部にばね部材24が組み付けられており、ばね部材24の組付けに伴って生じる付勢力が、端子接続部14をハウジング18における放熱部22に押圧しているとともに、放熱部22をシールドシェル20に押圧している。これにより、例えば環境温度が大きく変化した場合、線膨張係数の違いにより異なる材質間では隙間が発生し易いが、本実施形態のシールドコネクタ10では、環境温度が大きく変化する場合にも、隙間(空気層)の発生が抑制される。この結果、放熱性能の低下が抑制されて、所期の放熱性能をもって放熱することができる。また、端子接続部14と相手方端子12との接点部が通電により比較的高く発熱することとなるが、この接点部に対して放熱部22およびシールドシェル20のみを介して外部へ放熱されることから、放熱経路を短く設定することができて、放熱性能の向上が図られる。このように、本実施形態では、放熱性能の向上が達成されることから、例えば端子金具16自体を小さくすることも可能であり、ひいてはシールドコネクタ10全体の小型化やコストの削減が図られる。
 特に、本実施形態では、端子接続部14の右側の壁部が下方へ延び出しており、電線接続部28が構成されて、電線26における芯線30が固着されている。そして、放熱部22は、端子接続部14と相手方端子12との接点部だけでなく、電線接続部28と芯線30との固着部にもわたって延びている。それゆえ、端子接続部14と相手方端子12との間の発熱に加えて、比較的発熱量の大きい電線接続部28と芯線30との接続部分における発熱も、放熱部22およびシールドシェル20を介して放熱されることから、放熱性能の一層の向上が図られる。
 ハウジング18は、端子金具16が収容されるハウジング本体46と、ばね部材24が組み付けられるばね保持部材48を含んで構成されており、ばね部材24がばね保持部材48に組み付けられた状態で、ばね保持部材48がハウジング本体46に組み付けられるようになっている。これにより、ばね部材24が小さな部材であっても、より大きなばね保持部材48に組み付けた状態でハウジング本体46に組み付けることができることから、ばね部材24の紛失の可能性が低減されたり、取扱性を向上することができて、組付作業性の向上が図られる。
 特に、ばね部材24が組み付けられたばね保持部材48をハウジング本体46に組み付けることで、ばね部材24が初期状態から圧縮されて、その弾性的な復元力により端子接続部14が放熱部22およびシールドシェル20に押圧されるようになっている。これにより、簡単な構造でばね部材24を圧縮状態とすることができて、ばね部材24の変形に伴う弾性的な復元力を、端子接続部14を放熱部22およびシールドシェル20に押圧するための付勢力として、より確実に利用することができる。
 シールドシェル20は、ハウジング本体46を収容する第1収容部94とばね保持部材48を収容する第2収容部96とを有しており、第1収容部94に対してハウジング本体46が第1挿通孔(下方開口部86)から挿入されるとともに、第2収容部96に対してばね保持部材48が第2挿通孔100から挿入されるようになっている。本実施形態では、第1収容部94へのハウジング本体46の挿入方向(下方から上方へ向かう方向)と、第2収容部96へのばね保持部材48の挿入方向(前方から後方へ向かう方向)とが異ならされている。特に、本実施形態では、第2収容部96へばね保持部材48を挿入する際には、ばね部材24の弾性変形部106が端子接続部14に押圧されながら挿入されることとなる。したがって、本実施形態において、第1収容部94へハウジング本体46を挿入する際には、比較的長い距離であっても小さい挿入抵抗で挿入可能であるとともに、第2収容部96へばね保持部材48を挿入する際には、比較的大きい挿入抵抗であっても短い距離で挿入することが可能となる。これにより、シールドシェル20に対してハウジング本体46およびばね保持部材48を容易に組み付けることができて、シールドコネクタ10の組立作業性の向上が図られる。
 特に、ばね保持部材48には嵌合部80が設けられているとともに、シールドシェル20には被嵌合部102が設けられており、ばね保持部材48とシールドシェル20との組付時には、これら嵌合部80と被嵌合部102とが嵌合するようになっている。それゆえ、例えばシールドコネクタ10において相手方端子配置部40に配置された相手方端子12を相手方端子挿通穴78を通じて引き抜いた際に、相手方端子12と共にシールドシェル20からばね保持部材48が脱落することが防止される。また、本実施形態のように、嵌合部80を、係止凸部84を有する弾性突片82で構成するとともに、被嵌合部102を係止凸部84が嵌まり込む凹部とすることで、係止凸部84が被嵌合部102に嵌合する際の音や振動(感触)等により、ばね保持部材48がシールドシェル20に組み付けられたことを確認することもできる。
 端子接続部14が矩形筒形状であり、一方の側面である左端面がばね部材当接面42とされてばね部材24が当接するとともに、他方の側面である右端面が放熱部接触面44とされて放熱部22が接触するようになっている。これにより、ばね部材24により付勢力が及ぼされる端子接続部14が放熱部22に直接押圧されることとなり、ばね部材24の付勢力を放熱部22への押圧力として効率的に利用することができる。また、矩形筒形状とされた端子接続部14の内孔36内に相手方端子12が挿入されることから、放熱経路上に相手方端子12が配置されることがなく、放熱経路を短くして放熱性能の向上を図ることができる。さらに、相手方端子12と端子接続部14との接圧と、ばね部材24の付勢力(放熱部22への押圧力)とを独立して各別に設定することも可能であり、相手方端子12と端子接続部14とをより確実に導通させつつ、放熱性能の向上を図ることもできる。
 シールドシェル20の右端壁部92dには他の部位より厚肉とされた厚肉部98が設けられており、放熱部22が外面側において厚肉部98に接触するようになっている。すなわち、端子接続部14において発生した熱が、放熱部22および厚肉部98を介して放熱されることとなり、放熱部分におけるシールドシェル20の熱容量を増大させることができて、放熱性能の向上が図られる。特に、ハウジング18における放熱部22を厚肉とするのではなく、シールドシェル20に厚肉部98を設けることで、放熱経路上においてシールドシェル20に比して伝熱性に劣る合成樹脂製の放熱部22の距離を短く設定することができて、放熱性能の一層の向上が図られる。
<他の実施形態>
 本明細書に記載された技術は上記記述および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
(1)ばね部材は、端子接続部を放熱部とシールドシェルに押圧し得るものであれば、例示の実施形態のような略U字状に折り曲げた形状に限定されるものではない。例えば、コイルばねや、平板部材の中央部分を板厚方向の一方側に切り起こした弾性舌片等であってもよい。また、採用されるばね部材の形状に伴って、ばね保持部材における保持部の形状は適宜設計、変更され得る。
(2)前記実施形態では、シールドシェル20の第1収容部94へのハウジング本体46の挿入を許容する第1挿通孔が下方に開口する下方開口部86によって構成されているとともに、第2収容部96へのばね保持部材48の挿入を許容する第2挿通孔100が前方に開口していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、ばね部材が保持されたばね保持部材をハウジング本体に組み付けた後に、これらばね保持部材とハウジング本体との組付体をシールドシェルの下方開口部から挿入してもよい。すなわち、第1収容部へのハウジング本体の挿入を許容する第1挿通孔と、第2収容部へのばね保持部材の挿入を許容する第2挿通孔とは、何れも下方開口部によって構成されてもよい。
(3)前記実施形態では、端子金具16において端子接続部14の右壁部分が下方に延び出して電線接続部28を構成し芯線30が固着されているとともに、端子金具16において電線接続部28と芯線30の接続部分も放熱部22に接触し、且つ放熱部22がシールドシェル20に接触することで、電線接続部28と芯線30の接続部分の熱も放熱することが可能とされていたが、この態様に限定されるものではない。すなわち、端子接続部の左壁部分が下方に延びて電線接続部を構成して芯線が固着され、且つ電線接続部は放熱部に接触しなくてもよい。したがって、電線接続部と芯線の接続部分の熱は放熱部およびシールドシェルを介しては放熱されないか、放熱されにくい態様であってもよく、電線接続部と芯線の接続部分の熱は別の放熱経路を通じて放熱されるようになっていてもよい。
(4)ばね保持部材とシールドシェルとの組付時における嵌合構造は必須なものではない。嵌合構造が設けられる場合でも、例えば前記実施形態とは反対に、シールドシェルに係止凸部が設けられて、ばね保持部材に凹部状の被嵌合部が設けられてもよい。さらに、ばね保持部材がハウジング本体に嵌合されるようになっていてもよい。
(5)シールドシェルの右端壁部の内面における厚肉部は必須なものではない。例えば、シールドシェルは全体にわたって略一定の厚さ寸法とされてもよいし、放熱部を厚肉としてシールドシェルの右端壁部に接触するようになっていてもよい。
(6)前記実施形態において、ばね部材24が組み付けられる前の状態、すなわちシールドシェル20、ハウジング本体46および端子金具16の組付体に対してばね保持部材48が組み付けられる前の状態では、端子接続部14と放熱部22との間、および/または放熱部22とシールドシェル20との間は接触していてもよいし、僅かに離隔していてもよく、ばね部材24(ばね保持部材48)が組み付けられることで、端子接続部14が放熱部22およびシールドシェル20に押圧されるようになっていればよい。
10 シールドコネクタ
12 相手方端子
14 端子接続部
16 端子金具
18 ハウジング
20 シールドシェル
22 放熱部
24 ばね部材
26 電線
28 電線接続部
30 芯線
32 絶縁被覆
34 防水ゴム
36 内孔
38 前方開口部
40 相手方端子配置部
42 ばね部材当接面
44 放熱部接触面
46 ハウジング本体
48 ばね保持部材
50 上壁部
52 周壁部
54a 前壁部
54b 後壁部
54c 左壁部
54d 右壁部
56 前側開口部
58 左側開口部
60 移動制限部
62 開口部
64 段差状部分
66 前側壁部
68 左側壁部(保持板部)
70 保持部
72 平板部
74 連結部
76 厚肉部
78 相手方端子挿通穴
80 嵌合部
82 弾性突片
84 係止凸部
86 下方開口部(第1挿通孔)
88 上端壁部
90 筒状壁部
92a 前端壁部
92b 後端壁部
92c 左端壁部
92d 右端壁部
94 第1収容部
96 第2収容部
98 厚肉部
100 第2挿通孔
102 被嵌合部
104 基部
106 弾性変形部
108 折り返し部

Claims (7)

  1.  相手方端子と接続される端子接続部を有する端子金具と、
     前記端子金具を収容する絶縁性のハウジングと、
     前記ハウジングの外面を覆うシールドシェルと、
     前記ハウジングにおいて、前記外面側で前記シールドシェルに接触し、内面側で前記端子接続部に接触する放熱部と、
     前記端子接続部を前記放熱部および前記シールドシェルに押圧するばね部材と、
     を備えたシールドコネクタ。
  2.  前記ハウジングが、前記端子金具を収容するハウジング本体と、前記ばね部材を保持して前記ハウジング本体に組み付けられるばね保持部材と、を含む、請求項1に記載のシールドコネクタ。
  3.  前記ハウジング本体が、前記端子接続部に接触する前記放熱部と、前記端子接続部を間に挟んで第1方向で前記放熱部と対向する部位に設けられた開口部と、を有し、
     前記ばね保持部材が、前記ハウジング本体の前記開口部を覆って、前記放熱部と前記第1方向で対向する保持板部を含み、
     前記保持板部には、前記放熱部への対向面に、前記ばね部材の一部を保持する保持部が設けられており、
     前記ハウジング本体と前記ばね保持部材の組付状態で、前記開口部に配置された前記保持板部の保持部に保持された前記ばね部材の弾性復元力により、前記端子接続部が前記放熱部と前記シールドシェルに押圧されている、請求項2に記載のシールドコネクタ。
  4.  前記シールドシェルが、前記ハウジング本体を収容する第1収容部と、前記ばね保持部材を収容する第2収容部と、を備え、
     前記シールドシェルが、前記第1収容部への前記ハウジング本体の挿入を許容する第1挿通孔と、前記第2収容部への前記ばね保持部材の挿入を許容する第2挿通孔と、を有している、請求項3に記載のシールドコネクタ。
  5.  前記ばね保持部材が、前記相手方端子が挿通される相手方端子挿通穴を有しており、
     前記ばね保持部材が嵌合部を有し、前記シールドシェルの前記第2収容部が前記嵌合部が嵌合される被嵌合部を有し、
     前記相手方端子挿通穴から前記相手方端子が引き抜かれる方向への、前記ばね保持部材の前記シールドシェルに対する変位が、前記嵌合部の前記被嵌合部への嵌合により制限されている、請求項4に記載のシールドコネクタ。
  6.  前記端子接続部が内孔を備えた矩形筒形状を有しており、前記端子接続部の前記内孔に前記相手方端子が挿入されるようになっており、
     前記端子接続部において、前記放熱部と対向する方向である第1方向で対向する一方の側面に前記ばね部材が当接し、他方の側面が前記放熱部に接触している、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシールドコネクタ。
  7.  前記シールドシェルの前記放熱部への接触部位が、他の部位よりも厚肉に形成されている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシールドコネクタ。
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