WO2023074559A1 - 蓄電素子 - Google Patents
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Abstract
本発明の一側面に係る蓄電素子は、正極活物質層を有する正極と負極活物質層を有する負極とがセパレータを介して重ね合わされている電極体と、上記電極体を収容する容器とを備え、上記セパレータの透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であり、上記容器における上記電極体の厚さ方向の内寸に対する上記電極体の放電状態かつ上記容器に挿入されていない状態における厚さの割合が、91.3%以上である。
Description
本発明は、蓄電素子に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。また、非水電解液二次電池以外の蓄電素子として、リチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタ等のキャパシタ、非水電解液以外の電解液が用いられた蓄電素子等も広く普及している。
上記蓄電素子としては、正極基材の表面に正極活物質層が積層された正極と負極基材の表面に負極活物質層が積層された負極とが電気絶縁性を有するセパレータを介して重ね合わされている電極体を備えるものが広く用いられている。このような電極体が電解質と共に容器に収納され、蓄電素子を構成している(特許文献1、2参照)。
このような蓄電素子は、充放電の繰り返しに伴って負極活物質層が膨張及び収縮を繰り返すため、電極体に隙間が形成されることにより電極間距離が大きくなる。また、電解質の分解等によりガスが電極間で発生した場合、上記ガスの存在により電極間にガス溜りが生じ、局所的に電極間距離が大きくなってしまう。電極間距離が大きくなった領域はリチウムイオン等の電荷担体イオンの拡散抵抗が増大するため、蓄電素子の充放電サイクル後の出力性能の低下が生じやすくなる。
本発明の目的は、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できる蓄電素子を提供することである。
本発明の一側面に係る蓄電素子は、正極活物質層を有する正極と負極活物質層を有する負極とがセパレータを介して重ね合わされている電極体と、上記電極体を収容する容器とを備え、上記セパレータの透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であり、上記容器における上記電極体の厚さ方向の内寸に対する、上記電極体の放電状態かつ上記容器に挿入されていない状態における厚さの割合が、91.3%以上である。
本発明の一側面によれば、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できる蓄電素子を提供することができる。
初めに、本明細書によって開示される蓄電素子の概要について説明する。
本発明の一側面に係る蓄電素子は、正極活物質層を有する正極と負極活物質層を有する負極とがセパレータを介して重ね合わされている電極体と、上記電極体を収容する容器とを備え、上記セパレータの透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であり、上記容器における上記電極体の厚さ方向の内寸に対する上記電極体の放電状態かつ上記容器に挿入されていない状態における厚さの割合(以下、「挿入比」とも称する。)が、91.3%以上である。
当該蓄電素子は、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できる。この理由は定かではないが、以下の理由が推測される。蓄電素子は、充放電の繰り返しに伴う負極活物質層の膨張及び収縮や、非水電解質の分解等で発生したガスの存在により、電極間距離が大きくなる。電極間距離が大きくなった領域は、電荷担体イオンの拡散抵抗が増大するため、蓄電素子の充放電サイクル後の出力性能の低下が生じやすくなる。そこで、容器内に挿入する電極体の挿入比を一定以上にすることにより、電極体の厚さ方向に圧力が加わり、電極間距離の増大を抑制できる。また、電荷担体イオンの透過性に優れるセパレータを用いることにより、電荷担体イオンの拡散抵抗の増大を抑制できる。一方、本発明者らは、容器内に挿入する電極体の挿入比を大きくすると、電極体内で過剰な圧力がかかることでセパレータが変形する結果、セパレータの空孔率の低下が生じ、電荷担体イオンの透過性が反って低下してしまうことを知見した。本発明者の知見によると、電荷担体イオンの透過性に優れるセパレータほど圧力に対する耐性が弱い。当該蓄電素子においては、透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であるセパレータと、容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の放電状態かつ容器に挿入されていない状態における厚さの割合が91.3%以上となる電極体とを組み合わせることで、電極間距離の増大を抑制しつつ、セパレータにおける電荷担体イオンの透過性及び耐圧性を良好にできる。従って、当該蓄電素子は、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できると推測される。
「透気度」とは、JIS-P8117(2009)に準拠する「ガーレー試験機法」により測定される値である。
ここでいう「放電状態」とは、電池設計で決められた定格容量を確保するための定格下限電圧(放電終止電圧)に達するまで蓄電素子が放電された状態をいう。「電極体の厚さ」とは、電極体の中心部(電極体の厚さ方向に直交する幅方向及び高さ方向の中心部)の厚さをいい、電極体と容器の内壁との間に電極体以外の部材(ただし電解質は除く)が配置されている場合は、当該電極体以外の部材を含む厚さ(すなわち、電極体と電極体以外の部材との合計厚さ)をいう。電極体以外の部材としては、例えば、容器の内壁と電極体とを隔離する絶縁フィルム等が挙げられる。「電極体の放電状態かつ上記容器に挿入されていない状態における厚さ」とは、以下の方法により求められる値である。蓄電素子を0.5mA/cm2の電流で定格下限電圧に達するまで定電流放電を行い、続けて定格下限電圧で2時間の定電圧放電を行うことで放電状態とする。この蓄電素子を解体して、電解質を含んだ状態の電極体を取り出し、電極体の厚さを測定する。「容器における上記電極体の厚さ方向の内寸」とは、電極体を挟んで対向する容器の内壁間の距離をいい、蓄電ユニットに組み込まれた蓄電素子のエックス線CT(Computed Tomography)画像を用いた断面観察により測定された容器の中心部(容器の厚さ方向に直交する幅方向及び高さ方向の中心部)の内寸である。
上記負極活物質層が負極活物質を含有し、上記負極活物質が黒鉛を含むことが好ましい。上記負極活物質が黒鉛を含むことで、高容量化を図ることができる。また、黒鉛は充電に伴う膨張率が高い負極活物質であるため、電極間距離が大きくなりやすい。従って、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できるという効果が顕著に表れる。
「黒鉛」とは、充放電前又は完全放電状態において、エックス線回折法により決定される(002)面の平均格子面間隔(d002)が0.33nm以上0.34nm未満の炭素材料をいう。炭素材料の「完全放電状態」とは、負極活物質である炭素材料から、充放電に伴い吸蔵放出可能なリチウムイオンが十分に放出されるように放電された状態を意味する。例えば、負極活物質として炭素材料を含む負極を作用極として、金属Liを対極として用いた単極電池において、開回路電圧が0.7V以上である状態である。
上記電極体は巻回型電極体であることが好ましい。上記電極体が巻回型電極体の場合は電極間距離が大きくなりやすいため、上記した効果をより効果的に奏することができる。
当該蓄電素子は、ハイブリッド自動車電源用であることが好ましい。当該蓄電素子は、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できるので、ハイブリッド自動車用電源に用いられる蓄電素子として有用である。
「ハイブリッド自動車」とは、2つ以上の動力源(原動機)を有する自動車であり、通常、内燃機関(エンジン)と電動機(モーター)とを動力源として有する。
本発明の一実施形態に係る蓄電素子の構成、蓄電装置の構成、及び蓄電素子の製造方法、並びにその他の実施形態について詳述する。なお、各実施形態に用いられる各構成部材(各構成要素)の名称は、背景技術に用いられる各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
<蓄電素子>
本発明の一実施形態に係る蓄電素子は、正極、負極及びセパレータを有する電極体と、非水電解質と、上記電極体及び非水電解質を収容する容器と、を備える。電極体は、通常、複数の正極及び複数の負極がセパレータを介して重ねられた積層型、又は、正極及び負極がセパレータを介して重ねられた状態で巻回された巻回型である。非水電解質は、正極、負極及びセパレータに含まれた状態で存在する。蓄電素子の一例として、非水電解質二次電池(以下、単に「二次電池」ともいう。)について説明する。
本発明の一実施形態に係る蓄電素子は、正極、負極及びセパレータを有する電極体と、非水電解質と、上記電極体及び非水電解質を収容する容器と、を備える。電極体は、通常、複数の正極及び複数の負極がセパレータを介して重ねられた積層型、又は、正極及び負極がセパレータを介して重ねられた状態で巻回された巻回型である。非水電解質は、正極、負極及びセパレータに含まれた状態で存在する。蓄電素子の一例として、非水電解質二次電池(以下、単に「二次電池」ともいう。)について説明する。
容器としては、非水電解質二次電池の容器として通常用いられる公知の金属容器、樹脂容器等を用いることができる。上記金属としては、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼等が例示される。本実施形態に係る容器はアルミニウム若しくはアルミニウムを主体とする合金によって構成されていることが好ましい。容器の板厚は特に限定されないが、概ね0.2mmから2mm(例えば0.3mmから1.5mm、典型的には0.35mmから1mm)であり得る。電極体の厚さ方向における容器の内寸としては、前記挿入比が91.3%以上を満たす限りにおいて特に制限されないが、例えば5mm以上30mm以下に設定され得る。上記容器の内寸は、好ましくは8mm以上25mm以下、より好ましくは10mm以上20mm以下である。
上記容器が金属容器の場合、上記蓄電素子は、上記電極体と上記容器の内壁とを隔離する絶縁フィルムを備えていてもよい。絶縁フィルムは、上記電極体と上記容器との間を電気的に絶縁する機能を有する。上記絶縁フィルムは、上記電極体を囲む箱状又は袋状(例えば一端が開口した有底の箱状又は袋状)に形成されていてもよい。上記絶縁フィルムは、上記容器の側面(例えば角型の容器の場合、容器の幅広な側面)の内壁と接していてもよい。また、上記絶縁フィルムは、上記電極体の外面(例えば扁平状の巻回電極体の場合、巻回電極体の扁平面)と接していてもよい。絶縁フィルムを構成する材料としては、特に限定されず、樹脂、紙、無機材料等の電気絶縁性の材料を好適に用いることができ、樹脂が好ましい。絶縁フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリイミド、アラミド等が挙げられ、ポリオレフィンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
上記容器が金属容器の場合、上記蓄電素子は、上記電極体と上記容器の内壁とを隔離する絶縁フィルムを備えていてもよい。絶縁フィルムは、上記電極体と上記容器との間を電気的に絶縁する機能を有する。上記絶縁フィルムは、上記電極体を囲む箱状又は袋状(例えば一端が開口した有底の箱状又は袋状)に形成されていてもよい。上記絶縁フィルムは、上記容器の側面(例えば角型の容器の場合、容器の幅広な側面)の内壁と接していてもよい。また、上記絶縁フィルムは、上記電極体の外面(例えば扁平状の巻回電極体の場合、巻回電極体の扁平面)と接していてもよい。絶縁フィルムを構成する材料としては、特に限定されず、樹脂、紙、無機材料等の電気絶縁性の材料を好適に用いることができ、樹脂が好ましい。絶縁フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリイミド、アラミド等が挙げられ、ポリオレフィンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
(正極)
正極は、正極基材と、当該正極基材に直接又は中間層を介して配される正極活物質層とを有する。
正極は、正極基材と、当該正極基材に直接又は中間層を介して配される正極活物質層とを有する。
正極基材は、導電性を有する。「導電性」を有するか否かは、JIS-H-0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が107Ω・cmを閾値として判定する。正極基材の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はこれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ、及びコストの観点からアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。正極基材としては、箔、蒸着膜、メッシュ、多孔質材料等が挙げられ、コストの観点から箔が好ましい。したがって、正極基材としてはアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が好ましい。アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS-H-4000(2014年)又はJIS-H-4160(2006年)に規定されるA1085、A3003、A1N30等が例示できる。
正極基材の平均厚さは、3μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上40μm以下がより好ましく、8μm以上30μm以下がさらに好ましく、10μm以上25μm以下が特に好ましい。正極基材の平均厚さを上記の範囲とすることで、正極基材の強度を高めつつ、二次電池の体積当たりのエネルギー密度を高めることができる。
中間層は、正極基材と正極活物質層との間に配される層である。中間層は、炭素粒子等の導電剤を含むことで正極基材と正極活物質層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば、バインダ及び導電剤を含む。
正極活物質層は、正極活物質を含む。正極活物質層は、必要に応じて、導電剤、バインダ、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
正極活物質としては、公知の正極活物質の中から適宜選択できる。リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材料が用いられる。正極活物質としては、例えば、α-NaFeO2型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物、スピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物、ポリアニオン化合物、カルコゲン化合物、硫黄等が挙げられる。α-NaFeO2型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物として、例えば、Li[LixNi(1-x)]O2(0≦x<0.5)、Li[LixNiγCo(1-x-γ)]O2(0≦x<0.5、0<γ<1)、Li[LixCo(1-x)]O2(0≦x<0.5)、Li[LixNiγMn(1-x-γ)]O2(0≦x<0.5、0<γ<1)、Li[LixNiγMnβCo(1-x-γ-β)]O2(0≦x<0.5、0<γ、0<β、0.5<γ+β<1)、Li[LixNiγCoβAl(1-x-γ-β)]O2(0≦x<0.5、0<γ、0<β、0.5<γ+β<1)等が挙げられる。スピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物として、LixMn2O4、LixNiγMn(2-γ)O4等が挙げられる。ポリアニオン化合物として、LiFePO4、LiMnPO4、LiNiPO4、LiCoPO4、Li3V2(PO4)3、Li2MnSiO4、Li2CoPO4F等が挙げられる。カルコゲン化合物として、二硫化チタン、二硫化モリブデン、二酸化モリブデン等が挙げられる。これらの材料中の原子又はポリアニオンは、他の元素からなる原子又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。これらの材料は表面が他の材料で被覆されていてもよい。正極活物質層においては、これら材料の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
正極活物質は、通常、粒子(粉体)である。正極活物質の平均粒径は、例えば、0.1μm以上20μm以下とすることが好ましい。正極活物質の平均粒径を上記下限以上とすることで、正極活物質の製造又は取り扱いが容易になる。正極活物質の平均粒径を上記上限以下とすることで、正極活物質層の電子伝導性が向上する。なお、正極活物質と他の材料との複合体を用いる場合、該複合体の平均粒径を正極活物質の平均粒径とする。「平均粒径」とは、JIS-Z-8825(2013年)に準拠し、粒子を溶媒で希釈した希釈液に対しレーザ回折・散乱法により測定した粒径分布に基づき、JIS-Z-8819-2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値を意味する。
粉体を所定の粒径で得るためには粉砕機や分級機等が用いられる。粉砕方法として、例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェットミル、旋回気流型ジェットミル又は篩等を用いる方法が挙げられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の非水溶媒を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、篩や風力分級機等が、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
正極活物質層における正極活物質の含有量は、50質量%以上99質量%以下が好ましく、70質量%以上98質量%以下がより好ましく、80質量%以上95質量%以下がさらに好ましい。正極活物質の含有量を上記の範囲とすることで、正極活物質層の高エネルギー密度化と製造性を両立できる。
導電剤は、導電性を有する材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、例えば、炭素質材料、金属、導電性セラミックス等が挙げられる。炭素質材料としては、黒鉛、非黒鉛質炭素、グラフェン系炭素等が挙げられる。非黒鉛質炭素としては、カーボンナノファイバー、ピッチ系炭素繊維、カーボンブラック等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。グラフェン系炭素としては、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレン等が挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。導電剤としては、これらの材料の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの材料を複合化して用いてもよい。例えば、カーボンブラックとCNTとを複合化した材料を用いてもよい。これらの中でも、電子伝導性及び塗工性の観点よりカーボンブラックが好ましく、中でもアセチレンブラックが好ましい。
正極活物質層における導電剤の含有量は、1質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上9質量%以下がより好ましい。導電剤の含有量を上記の範囲とすることで、二次電池のエネルギー密度を高めることができる。
バインダとしては、例えば、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子等が挙げられる。
正極活物質層におけるバインダの含有量は、1質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上9質量%以下がより好ましい。バインダの含有量を上記の範囲とすることで、正極活物質を安定して保持することができる。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。増粘剤がリチウム等と反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させてもよい。
フィラーは、特に限定されない。フィラーとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、アルミノケイ酸塩等の無機酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、炭酸カルシウム等の炭酸塩、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウム等の難溶性のイオン結晶、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、タルク、モンモリロナイト、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、マイカ等の鉱物資源由来物質又はこれらの人造物等が挙げられる。
正極活物質層は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge、Sn、Sr、Ba等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Nb、W等の遷移金属元素を正極活物質、導電剤、バインダ、増粘剤、フィラー以外の成分として含有してもよい。
(負極)
負極は、負極基材と、当該負極基材に直接又は中間層を介して配される負極活物質層とを有する。中間層の構成は特に限定されず、例えば上記正極で例示した構成から選択することができる。
負極は、負極基材と、当該負極基材に直接又は中間層を介して配される負極活物質層とを有する。中間層の構成は特に限定されず、例えば上記正極で例示した構成から選択することができる。
負極基材は、導電性を有する。負極基材の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、アルミニウム等の金属又はこれらの合金、炭素質材料等が用いられる。これらの中でも銅又は銅合金が好ましい。負極基材としては、箔、蒸着膜、メッシュ、多孔質材料等が挙げられ、コストの観点から箔が好ましい。したがって、負極基材としては銅箔又は銅合金箔が好ましい。銅箔の例としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられる。
負極基材の平均厚さは、2μm以上35μm以下が好ましく、3μm以上30μm以下がより好ましく、4μm以上25μm以下がさらに好ましく、5μm以上20μm以下が特に好ましい。負極基材の平均厚さを上記の範囲とすることで、負極基材の強度を高めつつ、二次電池の体積当たりのエネルギー密度を高めることができる。
負極活物質層は、負極活物質を含む。負極活物質層は、必要に応じて導電剤、バインダ、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。導電剤、バインダ、増粘剤、フィラー等の任意成分は、上記正極で例示した材料から選択できる。
負極活物質としては、公知の負極活物質の中から適宜選択できる。リチウムイオン二次電池用の負極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材料が用いられる。負極活物質としては、例えば、金属Li;Si、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Ti酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;Li4Ti5O12、LiTiO2、TiNb2O7等のチタン含有酸化物;ポリリン酸化合物;炭化ケイ素;黒鉛(グラファイト)、非黒鉛質炭素(易黒鉛化性炭素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料等が挙げられる。負極活物質層においては、これら材料の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
「非黒鉛質炭素」とは、充放電前又は完全放電状態においてエックス線回折法により決定される(002)面の平均格子面間隔(d002)が0.34nm以上0.42nm以下の炭素材料をいう。非黒鉛質炭素としては、難黒鉛化性炭素や、易黒鉛化性炭素が挙げられる。非黒鉛質炭素としては、例えば、樹脂由来の材料、石油ピッチまたは石油ピッチ由来の材料、石油コークスまたは石油コークス由来の材料、植物由来の材料、アルコール由来の材料等が挙げられる。
「難黒鉛化性炭素」とは、上記d002が0.36nm以上0.42nm以下の炭素材料をいう。
「易黒鉛化性炭素」とは、上記d002が0.34nm以上0.36nm未満の炭素材料をいう。
上記負極活物質が黒鉛を含むことが好ましい。上記負極活物質が黒鉛を含むことで、高容量化を図ることができる。また、黒鉛は充電に伴う膨張率が高い負極活物質であるため、電極間距離が大きくなりやすい。従って、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できるという効果が顕著に表れる。上記黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。充電に伴う膨張率が高いという観点で、天然黒鉛が好ましい。
負極活物質は、通常、粒子(粉体)である。負極活物質の平均粒径は、例えば、1nm以上100μm以下とすることができる。負極活物質が炭素材料、チタン含有酸化物又はポリリン酸化合物である場合、その平均粒径は、1μm以上100μm以下であってもよい。負極活物質が、Si、Sn、Si酸化物、又は、Sn酸化物等である場合、その平均粒径は、1nm以上1μm以下であってもよい。負極活物質の平均粒径を上記下限以上とすることで、負極活物質の製造又は取り扱いが容易になる。負極活物質の平均粒径を上記上限以下とすることで、活物質層の電子伝導性が向上する。粉体を所定の粒径で得るためには粉砕機や分級機等が用いられる。粉砕方法及び分級方法は、例えば、上記正極で例示した方法から選択できる。
負極活物質層は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge、Sn、Sr、Ba等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を負極活物質、導電剤、バインダ、増粘剤、フィラー以外の成分として含有してもよい。
負極活物質層が負極活物質として黒鉛を含む場合、負極活物質層に含まれる全ての負極活物質に対する黒鉛の含有量の下限としては、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましい。負極活物質層に含まれる負極活物質が実質的に黒鉛のみからなっていてよい。このような場合、負極活物質として黒鉛を用いることによる利点を十分に発揮することができる。一方、黒鉛の含有量が多い場合、負極活物質層の充電に伴う膨張率が高くなるため、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できるという効果が顕著に表れる。
負極活物質層における黒鉛の含有量は、60質量%以上99質量%以下が好ましく、90質量%以上98質量%以下がより好ましい。黒鉛の含有量を上記の範囲とすることで、負極活物質層の高エネルギー密度化と製造性を両立できる。また、黒鉛の含有量が上記下限以上である場合、負極活物質層の充電に伴う膨張率が高くなるため、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できるという効果が顕著に表れる。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、60質量%以上99質量%以下が好ましく、90質量%以上98質量%以下がより好ましい。負極活物質の含有量を上記の範囲とすることで、負極活物質層の高エネルギー密度化と製造性を両立できる。
負極活物質層の密度としては特に限定されないが、概ね0.8g/cm3以上とすることが適当であり、好ましくは1g/cm3以上、より好ましくは1.1g/cm3以上である。負極活物質層の密度を上記下限以上することで、負極活物質層の高エネルギー密度化を実現できる。負極活物質層の密度の上限は特に限定されないが、概ね2.5g/cm3以下とすることが適当である。充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できる等の観点から、負極活物質層の密度は、好ましくは2g/cm3以下、より好ましくは1.8g/cm3以下(例えば1.6g/cm3以下)である。
負極活物質層の片面当たりの塗工量(固形分換算)としては特に限定されないが、概ね3mg/cm2以上とすることが適当であり、好ましくは3.5mg/cm2以上、より好ましくは4mg/cm2以上である。負極活物質層の塗工量の上限は特に限定されないが、概ね8mg/cm2以下することが適当であり、好ましくは7mg/cm2以下、より好ましくは6mg/cm2以下(例えば5.5mg/cm2以下)である。
(セパレータ)
セパレータは、透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下である。セパレータは、透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下のものであれば特に限定されず、公知のセパレータの中から適宜選択できる。セパレータとして、例えば、基材層のみからなるセパレータ、基材層の一方の面又は双方の面に無機粒子とバインダとを含む無機層(典型的には多孔質の無機層)が形成されたセパレータ等を使用することができる。セパレータの基材層の形状としては、例えば、織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が挙げられる。これらの形状の中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観点から不織布が好ましい。セパレータの基材層の材料としては、シャットダウン機能の観点から例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。セパレータの基材層として、これらの樹脂を複合した材料を用いてもよい。好ましい一態様では、セパレータの基材層はポリエチレン系樹脂によって構成されている。ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体やエチレンの共重合体が好ましく用いられる。エチレンの共重合体としては、エチレンから誘導される繰り返し単位を50質量%以上含有する樹脂であって、エチレンと共重合可能なオレフィンを重合した共重合体や、エチレンと共重合可能な少なくとも一種の他のモノマーを重合した共重合体を用いることができる。エチレンと共重合可能なオレフィンとして、プロピレン等が例示される。他のモノマーとして共役ジエン(例えばブタジエン)、アクリル酸等が例示される。セパレータの基材層としては、一軸延伸または二軸延伸された多孔質樹脂フィルムを好適に用いることができる。中でも、長手方向(MD方向:Machine Direction)に一軸延伸された多孔性樹脂フィルムを好適に用いることができる。ここで「一軸延伸」とは、樹脂フィルムをガラス転移温度以上で引き延ばし分子を配向させるプロセスにおいて、一方向(例えば、長手方向)にのみ延伸することをいい、「二軸延伸」とは、直交する二方向(例えば、長手方向および幅方向)に延伸することをいう。幅方向とは樹脂フィルムの搬送面に平行であり、長手方向と直交する方向をいう。また、セパレータの基材層の製造工程における多孔化の手段としては特に限定されない。例えば、基材層の原料となる樹脂を乾燥した状態で延伸(例えば一軸延伸)を行う乾式延伸が採用された乾式の基材層や、湿式状態(例えば基材層の原料となる樹脂と被抽出剤とを混合した状態)で延伸(例えば二軸延伸)を行う湿式延伸が採用された湿式の基材層を用いることができる。なかでも、乾式の基材層が好ましい。乾式延伸は、加熱しながらロール延伸等により行うことができる。乾式延伸された基材層は、セパレータの透気度をここに開示される好適な数値に調整することが容易であり、かつ適度な強度を備えるため、特に好ましい。セパレータの基材層として、これらの樹脂を複合した材料を用いてもよい。例えば、基材層の構造は、単層構造であってもよく、混合構造であってもよく(例えばPPとPEの混合構造)、多層構造(例えばPP/PE/PPの三層構造やPP/PEの二層構造)であってもよい。なかでも、PEの単層構造もしくはPP/PE/PPの三層構造が好ましい。
セパレータは、透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下である。セパレータは、透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下のものであれば特に限定されず、公知のセパレータの中から適宜選択できる。セパレータとして、例えば、基材層のみからなるセパレータ、基材層の一方の面又は双方の面に無機粒子とバインダとを含む無機層(典型的には多孔質の無機層)が形成されたセパレータ等を使用することができる。セパレータの基材層の形状としては、例えば、織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が挙げられる。これらの形状の中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観点から不織布が好ましい。セパレータの基材層の材料としては、シャットダウン機能の観点から例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。セパレータの基材層として、これらの樹脂を複合した材料を用いてもよい。好ましい一態様では、セパレータの基材層はポリエチレン系樹脂によって構成されている。ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体やエチレンの共重合体が好ましく用いられる。エチレンの共重合体としては、エチレンから誘導される繰り返し単位を50質量%以上含有する樹脂であって、エチレンと共重合可能なオレフィンを重合した共重合体や、エチレンと共重合可能な少なくとも一種の他のモノマーを重合した共重合体を用いることができる。エチレンと共重合可能なオレフィンとして、プロピレン等が例示される。他のモノマーとして共役ジエン(例えばブタジエン)、アクリル酸等が例示される。セパレータの基材層としては、一軸延伸または二軸延伸された多孔質樹脂フィルムを好適に用いることができる。中でも、長手方向(MD方向:Machine Direction)に一軸延伸された多孔性樹脂フィルムを好適に用いることができる。ここで「一軸延伸」とは、樹脂フィルムをガラス転移温度以上で引き延ばし分子を配向させるプロセスにおいて、一方向(例えば、長手方向)にのみ延伸することをいい、「二軸延伸」とは、直交する二方向(例えば、長手方向および幅方向)に延伸することをいう。幅方向とは樹脂フィルムの搬送面に平行であり、長手方向と直交する方向をいう。また、セパレータの基材層の製造工程における多孔化の手段としては特に限定されない。例えば、基材層の原料となる樹脂を乾燥した状態で延伸(例えば一軸延伸)を行う乾式延伸が採用された乾式の基材層や、湿式状態(例えば基材層の原料となる樹脂と被抽出剤とを混合した状態)で延伸(例えば二軸延伸)を行う湿式延伸が採用された湿式の基材層を用いることができる。なかでも、乾式の基材層が好ましい。乾式延伸は、加熱しながらロール延伸等により行うことができる。乾式延伸された基材層は、セパレータの透気度をここに開示される好適な数値に調整することが容易であり、かつ適度な強度を備えるため、特に好ましい。セパレータの基材層として、これらの樹脂を複合した材料を用いてもよい。例えば、基材層の構造は、単層構造であってもよく、混合構造であってもよく(例えばPPとPEの混合構造)、多層構造(例えばPP/PE/PPの三層構造やPP/PEの二層構造)であってもよい。なかでも、PEの単層構造もしくはPP/PE/PPの三層構造が好ましい。
無機層に含まれる無機粒子としては、例えば、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、アルミノケイ酸塩等の酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物;炭酸カルシウム等の炭酸塩;硫酸バリウム等の硫酸塩;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、チタン酸バリウム等の難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶;タルク、モンモリロナイト、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、マイカ等の鉱物資源由来物質又はこれらの人造物等の無機化合物の粒子が挙げられる。無機化合物として、これらの物質の単体又は複合体を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの無機化合物の中でも、蓄電素子の安全性の観点から、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、又はアルミノケイ酸塩が好ましい。
上記セパレータの透気度の上限としては、195秒/100cm3であり、192秒/100cm3が好ましく、190秒/100cm3がより好ましい。いくつかの態様において、上記セパレータの透気度は、180秒/100cm3以下であってもよく、160秒/100cm3以下であってもよく、140秒/100cm3以下(例えば120秒/100cm3以下)であってもよい。セパレータの透気度が上記上限以下であることで、電荷担体イオンの透過性を高めることができる。一方、セパレータの透気度の下限としては、セパレータの耐圧性を担保する観点から65秒/100cm3であり、70秒/100cm3がより好ましい。いくつかの態様において、上記セパレータの透気度は、80秒/100cm3以上であってもよく、100秒/100cm3以上であってもよく、120秒/100cm3以上(例えば150秒/100cm3以上であってもよい。上記セパレータの透気度は、上記したいずれかの下限以上且つ上記したいずれかの上限以下であってもよい。セパレータの透気度は、セパレータの空孔率、平均厚さ、延伸の程度等によって調整される。また、このような透気度を有するセパレータは、市販品を用いることができる。ここに開示される技術は、セパレータの透気度が70秒/100cm3以上190秒/100cm3以下(例えば80秒/100cm3以上160秒/100cm3以下、例えば120秒/100cm3以上195秒/100cm3以下)である態様で好ましく実施され得る。
セパレータの平均厚さ(無機層を含む場合は、基材層と無機層との合計厚さ)は特に限定されないが、その下限としては、概ね5μm程度が適当であり、10μmが好ましく、12μmがより好ましい。上記平均厚さの上限としては、概ね25μm程度が適当であり、22μmが好ましく、20μmがより好ましい。いくつかの態様において、上記セパレータの平均厚さは、19μm以下であってもよく、18μm以下(例えば16μm以下)であってもよい。上記セパレータの平均厚さを上記下限以上とすることで、十分な機械強度を得ることができる。また、上記セパレータの平均厚さを上記上限以下とすることで、電荷担体イオンの透過性を高めることができる。上記セパレータの平均厚さは、上記したいずれかの下限以上且つ上記したいずれかの上限以下であってもよい。
上記基材層の平均厚さは特に限定されないが、その下限としては、2μmが好ましく、4μmがより好ましく、6μmがより好ましい。いくつかの態様において、上記基材層の平均厚さは、例えば7μm以上であってもよく、典型的には9m以上であってもよい。上記基材層の平均厚さを上記下限以上とすることで、セパレータの強度を良好にできる。一方、上記基材層の平均厚さの上限としては、30μmが好ましく、25μmがより好ましい。上記基材層の平均厚さを上記下限以上とすることで、セパレータの強度を良好にできる。上記基材層の平均厚さを上記上限未満とすることで、電荷担体イオンの透過性を高めることができる。上記基材層の平均厚さは、上記したいずれかの下限以上且つ上記したいずれかの上限以下であってもよい。
無機層の一層の平均厚さは特に限定されないが、その下限としては、0μmである。すなわち、無機層はなくてもよい。いくつかの態様において、上記無機層の一層の平均厚さは、1μm以上であってもよく、2μm以上であってもよい。無機層の一層の平均厚さを上記下限以上とすることで、セパレータの耐圧性、耐熱性等を高めることができる。上記無機層の一層の平均厚さの上限としては、8μmが好ましく、6μmがより好ましい。上記無機層の一層の平均厚さを上記上限以下とすることによって、二次電池の高エネルギー密度化ができる。上記無機層の平均厚さは、上記したいずれかの下限以上且つ上記したいずれかの上限以下であってもよい。
セパレータの基材層の空孔率は特に限定されないが、その上限としては、セパレータの強度維持の観点から80体積%が好ましく、70体積%がより好ましく65体積%がさらに好ましく、60体積%が特に好ましい。いくつかの態様において、上記基材層の空孔率は、58体積%以下であってもよく、56体積%以下(例えば55体積%以下)であってもよい。一方、セパレータの空孔率の下限としては、電荷担体イオンの透過性を良好にする等の観点から、30体積%が好ましく、40体積%がより好ましい。いくつかの態様において、上記基材層の空孔率は、45体積%以上であってもよく、50体積%以上(例えば52体積%以上)であってもよい。上記基材層の空孔率は、上記したいずれかの下限以上且つ上記したいずれかの上限以下であってもよい。ここで、「空孔率」とは、体積基準の値であり、水銀ポロシメータでの測定値を意味する。
(非水電解質)
非水電解質としては、公知の非水電解質の中から適宜選択できる。非水電解質には、非水電解液を用いてもよい。非水電解液は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解されている電解質塩とを含む。
非水電解質としては、公知の非水電解質の中から適宜選択できる。非水電解質には、非水電解液を用いてもよい。非水電解液は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解されている電解質塩とを含む。
非水溶媒としては、公知の非水溶媒の中から適宜選択できる。非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、カルボン酸エステル、リン酸エステル、スルホン酸エステル、エーテル、アミド、ニトリル等が挙げられる。非水溶媒として、これらの化合物に含まれる水素原子の一部がハロゲンに置換されたものを用いてもよい。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、スチレンカーボネート、1-フェニルビニレンカーボネート、1,2-ジフェニルビニレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でもECが好ましい。
鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジフェニルカーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネート、ビス(トリフルオロエチル)カーボネート等が挙げられる。これらの中でもEMCが好ましい。
非水溶媒として、環状カーボネート又は鎖状カーボネートを用いることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用することがより好ましい。環状カーボネートを用いることで、電解質塩の解離を促進して非水電解液のイオン伝導度を向上させることができる。鎖状カーボネートを用いることで、非水電解液の粘度を低く抑えることができる。環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用する場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの体積比率(環状カーボネート:鎖状カーボネート)としては、例えば、5:95から50:50の範囲とすることが好ましい。
電解質塩としては、公知の電解質塩から適宜選択できる。電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等が挙げられる。これらの中でもリチウム塩が好ましい。
リチウム塩としては、LiPF6、LiPO2F2、LiBF4、LiClO4、LiN(SO2F)2等の無機リチウム塩、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロオキサレートボレート(LiFOB)、リチウムビス(オキサレート)ジフルオロホスフェート(LiFOP)等のシュウ酸リチウム塩、LiSO3CF3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(SO2C4F9)、LiC(SO2CF3)3、LiC(SO2C2F5)3等のハロゲン化炭化水素基を有するリチウム塩等が挙げられる。これらの中でも、無機リチウム塩が好ましく、LiPF6がより好ましい。
非水電解液における電解質塩の含有量は、20℃1気圧下において、0.1mol/dm3以上2.5mol/dm3以下であると好ましく、0.3mol/dm3以上2.0mol/dm3以下であるとより好ましく、0.5mol/dm3以上1.7mol/dm3以下であるとさらに好ましく、0.7mol/dm3以上1.5mol/dm3以下であると特に好ましい。電解質塩の含有量を上記の範囲とすることで、非水電解液のイオン伝導度を高めることができる。
非水電解液は、非水溶媒及び電解質塩以外に、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロオキサレートボレート(LiFOB)、リチウムビス(オキサレート)ジフルオロホスフェート(LiFOP)等のシュウ酸塩;リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)等のイミド塩;ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t-ブチルベンゼン、t-アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2-フルオロビフェニル、o-シクロヘキシルフルオロベンゼン、p-シクロヘキシルフルオロベンゼン等の上記芳香族化合物の部分ハロゲン化物;2,4-ジフルオロアニソール、2,5-ジフルオロアニソール、2,6-ジフルオロアニソール、3,5-ジフルオロアニソール等のハロゲン化アニソール化合物;ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物;亜硫酸エチレン、亜硫酸プロピレン、亜硫酸ジメチル、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、トルエンスルホン酸メチル、硫酸ジメチル、硫酸エチレン、スルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジフェニルスルフィド、4,4’-ビス(2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)、4-メチルスルホニルオキシメチル-2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン、チオアニソール、ジフェニルジスルフィド、ジピリジニウムジスルフィド、1,3-プロペンスルトン、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、1,4-ブテンスルトン、パーフルオロオクタン、ホウ酸トリストリメチルシリル、リン酸トリストリメチルシリル、チタン酸テトラキストリメチルシリル、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム等が挙げられる。これら添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
非水電解液に含まれる添加剤の含有量は、非水電解液全体の質量に対して0.01質量%以上10質量%以下であると好ましく、0.1質量%以上7質量%以下であるとより好ましく、0.2質量%以上5質量%以下であるとさらに好ましく、0.3質量%以上3質量%以下であると特に好ましい。添加剤の含有量を上記の範囲とすることで、高温保存後の容量維持性能又はサイクル性能を向上させたり、安全性をより向上させたりすることができる。
(蓄電素子の構成)
本発明の一実施形態に係る蓄電素子は、通常、角型電池である。また、電極体が巻回型電極体の場合は電極間距離が大きくなりやすいため、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できるという効果が顕著に表れる。図1に角型電池の一例として、巻回型の電極体2を備える蓄電素子1を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。セパレータを挟んで巻回された正極及び負極を有する電極体2が角型の容器3に収容される。正極は正極リード41を介して正極端子4と電気的に接続されている。負極は負極リード51を介して負極端子5と電気的に接続されている。
本発明の一実施形態に係る蓄電素子は、通常、角型電池である。また、電極体が巻回型電極体の場合は電極間距離が大きくなりやすいため、充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できるという効果が顕著に表れる。図1に角型電池の一例として、巻回型の電極体2を備える蓄電素子1を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。セパレータを挟んで巻回された正極及び負極を有する電極体2が角型の容器3に収容される。正極は正極リード41を介して正極端子4と電気的に接続されている。負極は負極リード51を介して負極端子5と電気的に接続されている。
上記容器における上記電極体の厚さ方向の内寸に対する上記電極体の放電状態かつ上記容器に挿入されていない状態における厚さの割合(挿入比)の下限としては、91.3%である。いくつかの態様において、上記電極体の挿入比は、93%以上であってもよく、95%以上(例えば98%以上)であってもよい。上記容器における上記電極体の厚さ方向の内寸に対する上記電極体の放電状態かつ上記容器に挿入されていない状態における厚さの割合が上記下限以上であることで、電極間距離の増大を抑制し、蓄電素子の充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できる。一方、上記容器における上記電極体の厚さ方向の内寸に対する上記電極体の放電状態かつ上記容器に挿入されていない状態における厚さの割合の上限としては、セパレータにかかる圧力を低減し、電荷担体イオンの透過性の低下を抑制する等の観点から、100%が好ましい。いくつかの態様において、上記電極体の挿入比は、100%未満(例えば、99.8%以下)であってもよく、99.5%以下であってもよく、99%以下であってもよい。上記電極体の挿入比は、上記したいずれかの下限以上且つ上記したいずれかの上限以下であってもよい。
ここに開示される蓄電素子の好適例として、上記電極体の挿入比が91.3%以上100%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が92%以上99%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が65秒/100cm3以上100秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が95%以上98.5%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が70秒/100cm3以上80秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が95%以上97%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が65秒/100cm3以上75秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が91.3%以上100%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が150秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が91.3%以上100%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が120秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が95.2%以上(例えば95.5%以上)100%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が150秒/100cm3以上180秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が91.3%以上95%以下(例えば93.5%以下、典型的には92%以下)であり、かつ、上記セパレータの透気度が170秒/100cm3以上190秒/100cm3以下であるもの;等が例示される。
ここに開示される蓄電素子の好適例として、上記電極体の挿入比が91.3%以上100%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が92%以上99%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が65秒/100cm3以上100秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が95%以上98.5%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が70秒/100cm3以上80秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が95%以上97%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が65秒/100cm3以上75秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が91.3%以上100%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が150秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が91.3%以上100%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が120秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が95.2%以上(例えば95.5%以上)100%以下であり、かつ、上記セパレータの透気度が150秒/100cm3以上180秒/100cm3以下であるもの;上記電極体の挿入比が91.3%以上95%以下(例えば93.5%以下、典型的には92%以下)であり、かつ、上記セパレータの透気度が170秒/100cm3以上190秒/100cm3以下であるもの;等が例示される。
本実施形態の蓄電素子は、大電流での充放電サイクル後の出力性能の低下が抑制できる。このため、本実施形態の蓄電素子は、エネルギー密度が高く、大電流で充放電が行われる用途、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源等に好適に用いられ、中でもHEV用電源に特に好適に用いられる。
<蓄電装置>
本実施形態の蓄電素子は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器用電源、又は電力貯蔵用電源等に、複数の蓄電素子を集合して構成した蓄電ユニット(バッテリーモジュール)を備える蓄電装置として搭載することができる。この場合、蓄電装置に含まれる少なくとも一つの蓄電素子に対して、本発明の技術が適用されていればよい。
図2に、電気的に接続された二以上の蓄電素子1が集合した蓄電ユニット20をさらに集合した蓄電装置30の一例を示す。蓄電装置30は、二以上の蓄電素子1を電気的に接続するバスバ(図示せず)、二以上の蓄電ユニット20を電気的に接続するバスバ(図示せず)等を備えていてもよい。蓄電ユニット20又は蓄電装置30は、一以上の蓄電素子1の状態を監視する状態監視装置(図示せず)を備えていてもよい。当該蓄電素子は、図示しない拘束板等を用いて容器の厚さ方向(電極体の厚さ方向)に拘束圧(荷重)が付与された状態で蓄電ユニットに組み込まれていてもよい。この場合、前述した「容器における電極体の厚さ方向の内寸」とは、上記拘束圧が付与された状態での容器における電極体の厚さ方向の内寸である。
本実施形態の蓄電素子は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器用電源、又は電力貯蔵用電源等に、複数の蓄電素子を集合して構成した蓄電ユニット(バッテリーモジュール)を備える蓄電装置として搭載することができる。この場合、蓄電装置に含まれる少なくとも一つの蓄電素子に対して、本発明の技術が適用されていればよい。
図2に、電気的に接続された二以上の蓄電素子1が集合した蓄電ユニット20をさらに集合した蓄電装置30の一例を示す。蓄電装置30は、二以上の蓄電素子1を電気的に接続するバスバ(図示せず)、二以上の蓄電ユニット20を電気的に接続するバスバ(図示せず)等を備えていてもよい。蓄電ユニット20又は蓄電装置30は、一以上の蓄電素子1の状態を監視する状態監視装置(図示せず)を備えていてもよい。当該蓄電素子は、図示しない拘束板等を用いて容器の厚さ方向(電極体の厚さ方向)に拘束圧(荷重)が付与された状態で蓄電ユニットに組み込まれていてもよい。この場合、前述した「容器における電極体の厚さ方向の内寸」とは、上記拘束圧が付与された状態での容器における電極体の厚さ方向の内寸である。
<蓄電素子の製造方法>
本実施形態の蓄電素子の製造方法は、公知の方法から適宜選択できる。当該製造方法は、例えば、電極体を準備することと、非水電解質を準備することと、電極体及び非水電解質を容器に収容することと、を備える。電極体を準備することは、正極及び負極を準備することと、透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であるセパレータを介して正極及び負極を重ねる又は巻回することにより電極体を形成することとを備える。
本実施形態の蓄電素子の製造方法は、公知の方法から適宜選択できる。当該製造方法は、例えば、電極体を準備することと、非水電解質を準備することと、電極体及び非水電解質を容器に収容することと、を備える。電極体を準備することは、正極及び負極を準備することと、透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であるセパレータを介して正極及び負極を重ねる又は巻回することにより電極体を形成することとを備える。
正極の作製は、例えば正極基材に直接又は中間層を介して、正極合剤ペーストを塗布し、乾燥させることにより行うことができる。乾燥後、必要に応じてプレス等を行ってもよい。正極合剤ペーストには、正極活物質、及び任意成分である導電剤、バインダ等、正極活物質層を構成する各成分が含まれる。正極合剤ペーストには、通常さらに分散媒が含まれる。
負極の作製は、例えば負極基材に直接又は中間層を介して、負極合剤ペーストを塗布し、乾燥させることにより行うことができる。乾燥後、必要に応じてプレス等を行ってもよい。負極合剤ペーストには、負極活物質、及び任意成分である導電剤、バインダ、増粘剤等、負極活物質層を構成する各成分が含まれる。負極合剤ペーストには、通常さらに分散媒が含まれる。
非水電解質を容器に収容することは、公知の方法から適宜選択できる。例えば、非水電解質に非水電解液を用いる場合、容器に形成された注入口から非水電解液を注入した後、注入口を封止すればよい。
正極、負極、セパレータ及び容器の具体的態様は、本発明の一実施形態に係る蓄電素子の構成部材として上記した通りである。上記製造方法においては、上記容器における上記電極体の厚さ方向の内寸に対する上記電極体の放電状態かつ上記容器に挿入されていない状態における厚さの割合が、91.3%以上となるように、電極体及び容器が設計される。
<その他の実施形態>
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成又は周知技術に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。また、ある実施形態の構成に対して周知技術を付加することができる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成又は周知技術に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。また、ある実施形態の構成に対して周知技術を付加することができる。
上記実施形態では、蓄電素子が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類、形状、寸法、容量等は任意である。本発明は、種々の二次電池、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタ等のキャパシタにも適用できる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
[実施例1]
(正極の作製)
正極活物質であるLi(NiCoMn)O2、導電剤であるアセチレンブラック、バインダであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)及び分散媒であるN-メチルピロリドン(NMP)を用いて正極合剤ペーストを調製した。なお、正極活物質、導電剤及びバインダの質量比率は93:4.5:2.5(固形分換算)とした。正極基材としてのアルミニウム箔の両面に正極合剤ペーストを塗布し、乾燥した。その後、ロールプレスを行い、正極を得た。
(正極の作製)
正極活物質であるLi(NiCoMn)O2、導電剤であるアセチレンブラック、バインダであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)及び分散媒であるN-メチルピロリドン(NMP)を用いて正極合剤ペーストを調製した。なお、正極活物質、導電剤及びバインダの質量比率は93:4.5:2.5(固形分換算)とした。正極基材としてのアルミニウム箔の両面に正極合剤ペーストを塗布し、乾燥した。その後、ロールプレスを行い、正極を得た。
(負極の作製)
負極活物質である黒鉛、バインダであるスチレンブタジエンゴム(SBR)、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)、及び分散媒である水を混合して負極合剤ペーストを調製した。なお、負極活物質、バインダ及び増粘剤の質量比率は98:1:1(固形分換算)とした。負極基材としての銅箔の両面に負極合剤ペーストを塗布し、乾燥した。その後、ロールプレスを行い、負極を得た。
負極活物質である黒鉛、バインダであるスチレンブタジエンゴム(SBR)、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)、及び分散媒である水を混合して負極合剤ペーストを調製した。なお、負極活物質、バインダ及び増粘剤の質量比率は98:1:1(固形分換算)とした。負極基材としての銅箔の両面に負極合剤ペーストを塗布し、乾燥した。その後、ロールプレスを行い、負極を得た。
(電解液)
エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)を30:35:35の体積比率で混合した溶媒に、1.1mol/dm3の濃度でLiPF6を溶解させ、電解液を得た。
エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)を30:35:35の体積比率で混合した溶媒に、1.1mol/dm3の濃度でLiPF6を溶解させ、電解液を得た。
(セパレータ)
セパレータとして、PE製の単層構造の多孔質樹脂フィルム(湿式膜)からなる基材層及び上記基材層の片面に形成された無機層からなり、表1に記載の透気度、平均厚さ及び空孔率を有するセパレータを用いた。
セパレータとして、PE製の単層構造の多孔質樹脂フィルム(湿式膜)からなる基材層及び上記基材層の片面に形成された無機層からなり、表1に記載の透気度、平均厚さ及び空孔率を有するセパレータを用いた。
(蓄電素子の組み立て)
上記正極と負極とセパレータとを用いて扁平状の巻回型の電極体を得た。その際、容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の放電状態かつ容器に挿入されていない状態における厚さの割合が96.9%になるように、巻回数により電極体の平均厚さを調整した。電極体を角型容器に収容し、電解液を注入して封口し、実施例1の蓄電素子を得た。当該蓄電素子の定格下限電圧は3.0V、定格上限電圧は4.1Vとした。
上記正極と負極とセパレータとを用いて扁平状の巻回型の電極体を得た。その際、容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の放電状態かつ容器に挿入されていない状態における厚さの割合が96.9%になるように、巻回数により電極体の平均厚さを調整した。電極体を角型容器に収容し、電解液を注入して封口し、実施例1の蓄電素子を得た。当該蓄電素子の定格下限電圧は3.0V、定格上限電圧は4.1Vとした。
[実施例2、実施例3、比較例1、比較例3及び比較例4]
セパレータの透気度及び空孔率、並びに容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の放電状態かつ容器に挿入されていない状態における厚さの割合を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2、実施例3、比較例1、比較例3及び比較例4の蓄電素子を得た。
セパレータの透気度及び空孔率、並びに容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の放電状態かつ容器に挿入されていない状態における厚さの割合を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2、実施例3、比較例1、比較例3及び比較例4の蓄電素子を得た。
[実施例4、比較例2及び比較例5]
セパレータの基材層としてPP/PE/PP製の三層構造の多孔質樹脂フィルム(乾式膜)を用い、セパレータの透気度、平均厚さ及び空孔率、並びに容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の放電状態かつ容器に挿入されていない状態における厚さの割合を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4、比較例2及び比較例5の蓄電素子を得た。
セパレータの基材層としてPP/PE/PP製の三層構造の多孔質樹脂フィルム(乾式膜)を用い、セパレータの透気度、平均厚さ及び空孔率、並びに容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の放電状態かつ容器に挿入されていない状態における厚さの割合を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4、比較例2及び比較例5の蓄電素子を得た。
[実施例5]
無機層を有さないセパレータを用い、セパレータの透気度及び容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の放電状態かつ容器に挿入されていない状態における厚さの割合を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例4と同様にして、実施例5の蓄電素子を得た。
無機層を有さないセパレータを用い、セパレータの透気度及び容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の放電状態かつ容器に挿入されていない状態における厚さの割合を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例4と同様にして、実施例5の蓄電素子を得た。
[評価]
(初期充放電)
実施例及び比較例の各蓄電素子について、25℃の温度環境下、1Cの電流で4.1Vまで定電流充電した後、4.1Vで定電圧充電した。充電の終了条件は、総充電時間が3時間となるまでとした。10分間の休止を設けた後に、1Cの電流で3.0Vまで定電流放電を行い、10分間の休止を設けた。これらの充電及び放電の工程を1サイクルとして、2サイクルを実施した。
(初期充放電)
実施例及び比較例の各蓄電素子について、25℃の温度環境下、1Cの電流で4.1Vまで定電流充電した後、4.1Vで定電圧充電した。充電の終了条件は、総充電時間が3時間となるまでとした。10分間の休止を設けた後に、1Cの電流で3.0Vまで定電流放電を行い、10分間の休止を設けた。これらの充電及び放電の工程を1サイクルとして、2サイクルを実施した。
(充放電サイクル試験)
60℃において、10Cの電流でSOC(State of Charge:充電状態)80%まで定電流充電した後、休止を挟まずに10Cの電流でSOC40%まで定電流放電する操作を1サイクルとして、250サイクル行った。
60℃において、10Cの電流でSOC(State of Charge:充電状態)80%まで定電流充電した後、休止を挟まずに10Cの電流でSOC40%まで定電流放電する操作を1サイクルとして、250サイクル行った。
(出力維持率)
上記充放電サイクル試験前及び後の蓄電素子について、25℃にて1Cの電流でSOC50%に調整し、-10℃の恒温槽に6時間保管した後、7.5C、15C、30C又は45Cの定電流でそれぞれ12秒間放電した。各放電終了後には、1Cの電流で定電流充電を行い、SOCを50%にした。各放電における電流と放電開始後10秒後の電圧との関係から、電流が0Cのときの電圧(V0)と電圧が0Vのときの電流(A0)とを算出し、これらの積(V0×A0)を求めた。充放電サイクル試験前のV0×A0に対する充放電サイクル試験後のV0×A0の比を出力維持率とした。
また、出力維持率の結果に基づいて、3段階評価を行った。103%以上をA(優れる)、出力維持率99%以上103%未満をB(良好)、出力維持率99%未満をC(不良)とした。
結果を表1に示す。
上記充放電サイクル試験前及び後の蓄電素子について、25℃にて1Cの電流でSOC50%に調整し、-10℃の恒温槽に6時間保管した後、7.5C、15C、30C又は45Cの定電流でそれぞれ12秒間放電した。各放電終了後には、1Cの電流で定電流充電を行い、SOCを50%にした。各放電における電流と放電開始後10秒後の電圧との関係から、電流が0Cのときの電圧(V0)と電圧が0Vのときの電流(A0)とを算出し、これらの積(V0×A0)を求めた。充放電サイクル試験前のV0×A0に対する充放電サイクル試験後のV0×A0の比を出力維持率とした。
また、出力維持率の結果に基づいて、3段階評価を行った。103%以上をA(優れる)、出力維持率99%以上103%未満をB(良好)、出力維持率99%未満をC(不良)とした。
結果を表1に示す。
表1に示されるように、セパレータの透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であり、容器における上記電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の放電状態かつ容器に挿入されていない状態における厚さの割合(挿入比)が、91.3%以上である実施例1から実施例5の蓄電素子においては、出力維持率が良好となり、充放電サイクル後の出力性能の低下が抑制できることがわかる。
一方、セパレータの透気度が65秒/100cm3未満である比較例1及び上記透気度が195秒/100cm3超である比較例2は、上記電極体の挿入比が91.3%以上であるにもかかわらず、出力維持率が90%以下となり、充放電サイクル後の出力性能の低下の抑制効果が得られなかった。また、上記容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の厚さの割合が91.3%未満である比較例3、比較例4及び比較例5は、セパレータの透気度の大小にかかわらず、いずれも出力維持率が劣っており、充放電サイクル後の出力性能の低下の抑制効果が得られなかった。
一方、セパレータの透気度が65秒/100cm3未満である比較例1及び上記透気度が195秒/100cm3超である比較例2は、上記電極体の挿入比が91.3%以上であるにもかかわらず、出力維持率が90%以下となり、充放電サイクル後の出力性能の低下の抑制効果が得られなかった。また、上記容器における電極体の厚さ方向の内寸に対する電極体の厚さの割合が91.3%未満である比較例3、比較例4及び比較例5は、セパレータの透気度の大小にかかわらず、いずれも出力維持率が劣っており、充放電サイクル後の出力性能の低下の抑制効果が得られなかった。
以上の結果、当該蓄電素子は充放電サイクル後の出力性能の低下を抑制できることが示された。
1 蓄電素子
2 電極体
3 容器
4 正極端子
41 正極リード
5 負極端子
51 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置
2 電極体
3 容器
4 正極端子
41 正極リード
5 負極端子
51 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置
Claims (5)
- 正極活物質層を有する正極と負極活物質層を有する負極とがセパレータを介して重ね合わされている電極体と、
上記電極体を収容する容器と
を備え、
上記セパレータの透気度が65秒/100cm3以上195秒/100cm3以下であり、
上記容器における上記電極体の厚さ方向の内寸に対する、上記電極体の放電状態かつ上記容器に挿入されていない状態における厚さの割合が、91.3%以上である蓄電素子。 - 上記負極活物質層が負極活物質を含有し、
上記負極活物質が黒鉛を含む請求項1に記載の蓄電素子。 - 上記電極体が巻回型電極体である請求項1又は請求項2に記載の蓄電素子。
- ハイブリッド自動車電源用である請求項1又は請求項2に記載の蓄電素子。
- ハイブリッド自動車電源用である請求項3に記載の蓄電素子。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
121 | Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application |
Ref document number: 22886886 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |