WO2022264242A1 - 液滴吐出装置及び液滴吐出方法 - Google Patents

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    • B41J2/165Prevention or detection of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles

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  • the invention according to claim 5 is the droplet ejection device according to claim 3 or 4,
  • the control means controls the ejection operation so that the volume of the first droplet becomes a value corresponding to the material of the surface of the three-dimensional recording medium on which the droplet lands.
  • the conveying belt 23 is made of a material that bends flexibly at the contact surface with the drive roller 21 and the driven roller 22 and reliably supports the recording medium M.
  • a belt made of resin such as rubber, A steel belt or the like can be used.
  • the conveying belt 23 has a material and/or structure that attracts the recording medium M, so that the recording medium M can be stably placed on the conveying belt 23 .
  • An outer peripheral surface of the transport belt 23 is a mounting surface 23a on which the three-dimensional recording medium M is placed, and the transport belt 23 is an example of a mounting member having a mounting surface.
  • the six droplet ejection heads 41 in the first head unit 40 are arranged in a houndstooth pattern so that the arrangement range of the nozzles N in the X direction is continuous.
  • the arrangement range in the X direction of the nozzles N included in the first head unit 40 covers the width in the X direction of the area where an image can be formed on the upper surface of the recording medium M conveyed by the conveying belt 23 .
  • the number of droplet ejection heads 41 may be changed according to the recording width of the image.
  • the first head unit 40 is used at a fixed position when forming an image, and ejects ink from the nozzles N to each position at a predetermined interval in the transport direction (interval in the transport direction) as the recording medium M is transported. By doing so, an image is formed by a single pass method.
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Abstract

予備吐出における液滴の飛散を効果的に抑制することができる液滴吐出装置及び送液方法を提供する。液滴吐出装置は、揮発性を有する液滴を吐出するノズルが設けられた液滴吐出部と、液滴吐出部によるノズルからの液滴の吐出動作を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、ノズルの保守のために、立体の記録媒体に対してノズルから第1の液滴を吐出させる予備吐出制御と、形成対象の画像の画像データに基づいて、立体の記録媒体に対してノズルから第2の液滴を吐出させ、当該立体の記録媒体に画像を形成させる画像形成制御と、を行い、予備吐出制御では、第1の液滴の体積が第2の液滴の体積以下となり、かつ、第1の液滴の速度が第2の液滴の速度より速くなるように吐出動作を制御する。

Description

液滴吐出装置及び液滴吐出方法
 本発明は、液滴吐出装置及び液滴吐出方法に関する。
 従来、液滴を吐出するノズルが設けられた液滴吐出部から記録媒体に対して液滴を吐出して、当該記録媒体上に画像を形成する液滴吐出装置がある。液滴吐出装置のノズルの内部には、液滴として吐出される液体(例えばインク)が供給されて充填される。液滴が吐出されない状態でノズルの開口部において液体が空気と接触すると、開口部近傍における液体の一部が気化して液体の特性が変化する。この結果、徐々に適正な液滴吐出動作を行うことができなくなって画質が低下するという問題がある。
 これに対し、従来、画像を形成していないタイミングなどにおいてノズルから液滴を予備的に吐出させることにより、ノズル内の液体の特性変化を抑制してノズルの保守を行う技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。また、このようなノズルの保守のための予備吐出を記録媒体上に行うことも知られている。
 また、液滴吐出装置には、立体の記録媒体に対して液滴を吐出して画像を形成することが可能なものがある。
特開2004-299219号公報 特開2007-181972号公報
 しかしながら、記録媒体が立体である場合には、液滴吐出部と記録媒体との接触を確実に避けるために、液滴吐出部と記録媒体とのクリアランス(間隔)が大きく確保される傾向があり、記録媒体までの液滴の飛翔距離が長くなりやすくい。このため、立体の記録媒体に対して予備吐出を行う場合には、予備吐出された液滴が種々の要因によって飛散しやすく、ノズル面に付着して吐出不良が生じたり、装置が汚損したりする不具合が生じやすいという課題がある。例えば、予備吐出におけるインク消費量の節減のために液滴を小さくすると、長距離を飛翔する間に液滴が飛散しやすい。また、予備吐出を行うことの多い立体の端部の近傍などでは、立体の形状に起因して生じる気流により液滴が流されて飛散しやすい。また、ノズルが立体の記録媒体と対向していない期間には液滴が吐出されないため、予備吐出では、この不吐出期間における液体の気化の影響により液滴吐出方向が所望の方向からずれやすく、液滴が飛散しやすい。
 この発明の目的は、予備吐出における液滴の飛散を効果的に抑制することができる液滴吐出装置及び送液方法を提供することにある。
 上記目的を達成するため、請求項1に記載の液滴吐出装置の発明は、
 揮発性を有する液滴を吐出するノズルが設けられた液滴吐出部と、
 前記液滴吐出部による前記ノズルからの液滴の吐出動作を制御する制御手段と、
 を備え、
 前記制御手段は、
 前記ノズルの保守のために、立体の記録媒体に対して前記ノズルから第1の液滴を吐出させる予備吐出制御と、
 形成対象の画像の画像データに基づいて、前記立体の記録媒体に対して前記ノズルから第2の液滴を吐出させ、当該立体の記録媒体に前記画像を形成させる画像形成制御と、
 を行い、
 前記予備吐出制御では、前記第1の液滴の体積が前記第2の液滴の体積以下となり、かつ、前記第1の液滴の速度が前記第2の液滴の速度より速くなるように前記吐出動作を制御する。
 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液滴吐出装置において、
 前記制御手段は、前記予備吐出制御において、前記第1の液滴の体積が前記第2の液滴の体積未満となるように前記吐出動作を制御する。
 請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の液滴吐出装置において、
 前記制御手段は、前記画像形成制御による前記画像の形成期間内に前記予備吐出制御による前記吐出動作を行わせ、前記予備吐出制御においては、前記画像形成制御による前記画像の形成領域の少なくとも一部と重なる領域内に、複数の前記第1の液滴を分散して吐出させる。
 請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の液滴吐出装置において、
 前記制御手段は、前記画像形成制御において形成する前記画像に文字が含まれている場合には、前記予備吐出制御において、前記文字が小さいほど前記第1の液滴の体積が小さくなるように前記吐出動作を制御する。
 請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の液滴吐出装置において、
 前記制御手段は、予備吐出制御において、前記第1の液滴の体積が、前記立体の記録媒体のうち液滴が着弾する表面の材質に応じた値となるように前記吐出動作を制御する。
 請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置において、
 前記立体の記録媒体の表面の材質は繊維を含む。
 請求項7に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置において、
 前記立体の記録媒体は段ボールである。
 請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の液滴吐出装置において、
 前記立体の記録媒体が載置される載置面を有する載置部材を備え、
 前記立体の記録媒体は、前記載置面からの高さが5mm以上であり、
 前記液滴吐出部は、前記載置面に載置された前記立体の記録媒体に対する液滴の吐出時に、当該立体の記録媒体と前記ノズルの開口部との距離が5mm以上となる位置に配置されている。
 請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか一項に記載の液滴吐出装置において、
 前記液滴吐出部は、所定の配列方向に配列された複数の前記ノズルを有し、
 前記配列方向は鉛直方向成分を有する。
 また、上記目的を達成するため、請求項10に記載の液滴吐出方法の発明は、
 揮発性を有する液滴を吐出するノズルが設けられた液滴吐出部を備えた液滴吐出装置における液滴吐出方法であって、
 前記ノズルの保守のために、立体の記録媒体に対して前記ノズルから第1の液滴を吐出させる予備吐出ステップと、
 形成対象の画像の画像データに基づいて、前記立体の記録媒体に対して前記ノズルから第2の液滴を吐出させ、当該立体の記録媒体に前記画像を形成させる画像形成ステップと、
 を含み、
 前記予備吐出ステップでは、前記第1の液滴の体積が前記第2の液滴の体積以下となり、かつ、前記第1の液滴の速度が前記第2の液滴の速度より速くなるように、前記液滴吐出部による前記ノズルからの液滴の吐出動作を制御する。
 本発明によれば、予備吐出における液滴の飛散を効果的に抑制することができる。
液滴吐出装置の概略構成を示す図である。 第1ヘッドユニットの構成を示す図である。 第2ヘッドユニットの構成を示す図である。 第1ヘッドユニット及び第2ヘッドユニットと記録媒体との位置関係を示す模式図である。 液滴吐出装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 第1ヘッドユニットによる予備吐出動作の例を説明する図である。 第2ヘッドユニットによる予備吐出動作の例を説明する図である。 第1ヘッドユニットにより、予備吐出動作として分散吐出を行う例を説明する図である。 第2ヘッドユニットにより、予備吐出動作として分散吐出を行う例を説明する図である。 画像形成処理の制御手順を示すフローチャートである。 実施形態の効果を確認するために行った実験の内容及び結果を示す図である。 実験における予備吐出時及び画像形成時の吐出状態を示す模式図である。
 以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
 <液滴吐出装置の構成>
 図1は、液滴吐出装置1の概略構成を示す図である。
 液滴吐出装置1は、搬送部20と、媒体検出部30と、第1ヘッドユニット40(液滴吐出部)と、第2ヘッドユニット50(液滴吐出部)などを備える。本実施形態の液滴吐出装置1は、液体としてのインクの液滴を立体の記録媒体Mに吐出して画像を形成するインクジェット記録装置である。
 搬送部20は、図1のX方向に延びる回転軸を中心に回転する駆動ローラー21及び従動ローラー22と、これらの駆動ローラー21及び従動ローラー22により内側が支持された輪状の搬送ベルト23と、駆動ローラー21を回転させる搬送モーター24と、駆動ローラー21に取り付けられたロータリーエンコーダー25と、搬送モーター24の動作を制御する搬送制御部26(図5参照)などを備える。駆動ローラー21は、搬送モーター24の駆動によって回転軸を中心に回転する。搬送ベルト23は、駆動ローラー21及び従動ローラー22により内側が支持された輪状のベルトであり、駆動ローラー21が回転動作するのに従って周回移動する。従動ローラー22は、搬送ベルト23の周回移動に伴って駆動ローラー21の回転軸と平行な回転軸を中心に回転する。搬送ベルト23としては、駆動ローラー21及び従動ローラー22との接触面で柔軟に屈曲し、かつ確実に記録媒体Mを支持する材質のものが用いられ、例えば、ゴムなどの樹脂製のベルトや、スチールベルトなどを用いることができる。この搬送ベルト23は、記録媒体Mが吸着される材質及び/又は構成を有することで、より記録媒体Mを安定して搬送ベルト23に載置可能とすることができる。搬送ベルト23の外周面は、立体の記録媒体Mが載置される載置面23aであり、搬送ベルト23は、載置面を有する載置部材の一例である。
 本実施形態において、立体の記録媒体Mは、搬送ベルト23の載置面23aからの最大高さが5mm以上である物体である。立体の記録媒体Mは、例えば、搬送ベルト23の載置面23aに載置したときに、載置面23aに対して交差する向きの面を有していてもよい。当該面は、法線方向が載置面23aの法線方向とは異なる面であり、第1ヘッドユニット40又は第2ヘッドユニット50から吐出されたインクの液滴が着弾可能な面積を有する。また、立体の記録媒体Mは、載置面23aからの高さが5mm以上である位置に面を有していてもよく、当該面が、インクの液滴が着弾可能な面積を有していてもよい。立体の記録媒体Mの一例は、段ボールである。段ボールは、組み立て済のものであってもよいし、組み立て前のものであってもよい。本実施形態では、直方体形状に組み立てられた段ボールが記録媒体Mとして用いられている。なお、液滴吐出装置1は、立体でない記録媒体、例えば紙などのシート状の記録媒体に対して画像を形成することも可能である。
 搬送モーター24は、搬送制御部26からの制御信号に応じた回転速度で駆動ローラー21を回転動作させる。搬送ベルト23の載置面23a上に記録媒体Mが載置された状態で、駆動ローラー21の回転速度に応じた速度で搬送ベルト23が周回移動することで、記録媒体Mが搬送ベルト23の移動方向(搬送方向:図1のY方向)に搬送される。
 ロータリーエンコーダー25は、駆動ローラー21に取り付けられており、駆動ローラー21が所定の角度回転するごとにパルス信号(検出信号)を制御部10及びヘッド制御部42(図5参照)に出力する。よって、ロータリーエンコーダー25からのパルス信号の数に基づいて、搬送ベルト23及び記録媒体Mの移動量を特定することができる。ロータリーエンコーダー25の構成は、特には限られないが、例えば、所定の円周上に配列された複数のスリットが設けられ駆動ローラー21とともに回転するコードホイールと、当該コードホイールのスリットに光を照射する発光部と、発光部から射出されスリットを通過した光を検出する受光部とを備え、受光部による光の検出結果に基づくパルス信号を制御部10及びヘッド制御部42に出力する構成とすることができる。
 媒体検出部30は、搬送方向について第1ヘッドユニット40及び第2ヘッドユニット50の上流側に設けられている。媒体検出部30は、センサーにより記録媒体Mを検出して、検出結果に係る信号を制御部10に出力する。センサーの構成は、特には限られないが、本実施形態では、載置面23aから所定の高さでX方向にレーザー光を射出する射出部と、当該レーザー光を幅方向について載置面23aの反対側で検出することで、記録媒体Mによるレーザー光の遮断を検出する検出部と、を備えたものが用いられている。媒体検出部30により記録媒体Mが検出されたタイミングを起点として、ロータリーエンコーダー25からのパルス信号を計数することで、記録媒体Mの位置を特定することができる。
 第1ヘッドユニット40及び第2ヘッドユニット50は、インクの液滴を吐出する複数のノズルNを有する。第1ヘッドユニット40及び第2ヘッドユニット50は、制御部10からの制御信号等に基づくタイミングでノズルNからインクの液滴を吐出することにより、搬送部20により搬送される記録媒体M上に画像を形成する。
 第1ヘッドユニット40は、例えば直方体形状の記録媒体Mの上面(載置面23aに平行な2面のうち、載置面23aと対向する面とは反対側の面)に対して、鉛直下方(-Z方向)に向けてインクを吐出する。第1ヘッドユニット40は、ノズルNの配列方向が横方向(水平方向)であることから、「横置きヘッド」とも呼ばれる。
 第2ヘッドユニット50は、例えば直方体形状の記録媒体Mの側面(上面に隣接し当該上面に垂直な面)に対して、水平方向(図1では-X方向)に向けてインクを吐出する。第2ヘッドユニット50は、ノズルNの配列方向が縦方向(鉛直方向)であることから、「縦置きヘッド」とも呼ばれる。なお、図1では、第2ヘッドユニット50が1つだけ描かれているが、直方体形状の記録媒体Mの4つの側面のうち2つ以上の面にそれぞれインクを吐出するための、2以上の第2ヘッドユニット50が設けられていてもよい。
 第1ヘッドユニット40及び第2ヘッドユニット50は、図示略のヘッドユニット移動機構により、X方向、Y方向及びZ方向の位置を調整できるようになっている。これにより、記録媒体Mの形状に応じた適切な位置からインクを吐出することができる。
 図1では、単色(例えば、ブラック(K))のインクを吐出する1つの第1ヘッドユニット40及び1つの第2ヘッドユニット50が描かれているが、異なる色のインクを吐出する複数の第1ヘッドユニット40及び/又は複数の第2ヘッドユニット50を設けて、カラー画像を形成可能な構成としてもよい。例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクにそれぞれ対応する4つの第1ヘッドユニット40及び/又は4つの第2ヘッドユニット50を記録媒体Mの搬送方向上流側からY、M、C、Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配置してもよい。
 図2は、第1ヘッドユニット40の構成を示す図であり、第1ヘッドユニット40を-Z方向から見た平面図である。
 第1ヘッドユニット40は、複数のノズルNをそれぞれ有する複数の(本実施形態では6個の)液滴吐出ヘッド41を備える。第1ヘッドユニット40は、XY平面に平行な板状の支持部40aと、支持部40aに設けられた貫通孔に篏合した状態で支持部40aに固定された6個の液滴吐出ヘッド41とを有する。液滴吐出ヘッド41は、ノズルNの開口部が設けられたノズル開口面41aが支持部40aの貫通孔から-Z方向に向けて露出した状態で支持部40aに固定されている。よって、液滴吐出ヘッド41のノズル開口面41aは、鉛直下方に向いており、液滴吐出ヘッド41のノズルNは、鉛直下方にインクの液滴を吐出する。
 液滴吐出ヘッド41では、複数のノズルNが記録媒体Mの搬送方向と交差する配列方向(図2では搬送方向と直交するX方向)に等間隔に配置されて、ノズル列を形成している。本実施形態では、各液滴吐出ヘッド41は、ノズル列を4つ有している。これらのノズル列は、ノズルNのX方向についての位置が重ならないようにX方向の位置が互いにずらされている。なお、液滴吐出ヘッド41が有するノズル列の数は4つに限られず、3つ以下又は5つ以上であってもよい。
 第1ヘッドユニット40における6つの液滴吐出ヘッド41は、ノズルNのX方向についての配置範囲が連続するように千鳥格子状に配置されている。第1ヘッドユニット40に含まれるノズルNのX方向についての配置範囲は、搬送ベルト23により搬送される記録媒体Mの上面のうち画像が形成可能な領域のX方向の幅をカバーしている。液滴吐出ヘッド41の数は、画像の記録幅などに応じて変更してもよい。第1ヘッドユニット40は、画像の形成時には位置が固定されて用いられ、記録媒体Mの搬送に応じて搬送方向についての所定間隔(搬送方向間隔)の各位置に対してノズルNからインクを吐出することで、シングルパス方式で画像を形成する。
 図3は、第2ヘッドユニット50の構成を示す図であり、第2ヘッドユニット50を-X方向から見た平面図である。
 第2ヘッドユニット50は、複数のノズルNをそれぞれ有する複数の(本実施形態では4個の)液滴吐出ヘッド51を備える。第2ヘッドユニット50は、YZ平面に平行な板状の支持部50aと、支持部50aに設けられた貫通孔に篏合した状態で支持部50aに固定された4個の液滴吐出ヘッド51とを有する。液滴吐出ヘッド51は、ノズルNの開口部が設けられたノズル開口面51aが支持部50aの貫通孔から-X方向に向けて露出した状態で支持部50aに固定されている。よって、図1及び図3に示す液滴吐出ヘッド51のノズル開口面51aは、水平方向(X方向)に向いており、液滴吐出ヘッド51のノズルNは、-X方向に向けてインクの液滴を吐出する。液滴吐出ヘッド51におけるノズルNの配置は、液滴吐出ヘッド41と同一である。
 液滴吐出ヘッド51では、複数のノズルNが記録媒体Mの搬送方向と交差する配列方向(図3ではZ方向)に等間隔に配置されて、ノズル列を形成している。すなわち、ノズル列におけるノズルNの配列方向は、鉛直方向成分を有する。本実施形態では、各液滴吐出ヘッド51は、ノズル列を4つ有している。これらのノズル列は、ノズルNのZ方向についての位置が重ならないようにZ方向の位置が互いにずらされている。なお、液滴吐出ヘッド51が有するノズル列の数は4つに限られず、3つ以下又は5つ以上であってもよい。
 第2ヘッドユニット50における4つの液滴吐出ヘッド51は、ノズルNのZ方向についての配置範囲が連続するように千鳥格子状に配置されている。第2ヘッドユニット50に含まれるノズルNのZ方向についての配置範囲は、搬送ベルト23により搬送される記録媒体Mの側面のうち画像が形成可能な領域のZ方向の幅をカバーしている。液滴吐出ヘッド51の数は、画像の記録幅などに応じて変更してもよい。第2ヘッドユニット50は、画像の形成時には位置が固定されて用いられ、記録媒体Mの搬送に応じて搬送方向についての所定間隔(搬送方向間隔)の各位置に対してノズルNからインクを吐出することで、シングルパス方式で画像を形成する。
 図4は、第1ヘッドユニット40及び第2ヘッドユニット50と記録媒体Mとの位置関係を示す模式図である。
 第1ヘッドユニット40は、ノズルNの開口部が記録媒体Mの上面と対向するときに、当該ノズルNの開口部と記録媒体Mとの距離d1(すなわち、ノズル開口面41aと記録媒体Mとの距離d1)が所定の基準距離以上確保される位置に配置される。また、第2ヘッドユニット50は、ノズルNの開口部が記録媒体Mの側面と対向するときに、当該ノズルNの開口部と記録媒体Mとの距離d2(すなわち、ノズル開口面51aと記録媒体Mとの距離d2)が所定の基準距離以上確保される位置に配置される。本実施形態では、上記の基準距離はいずれも5mmであり、距離d1、d2は、いずれも5mm以上とされる。言い換えると、第1ヘッドユニット40及び第2ヘッドユニット50は、記録媒体Mの表面から5mm以上のクリアランスを確保した状態で、ノズルNから記録媒体Mにインクの液滴を吐出する。この距離d1、d2は、記録媒体がシート状である場合の記録媒体とヘッドユニットとの距離よりも大きい。これは、記録媒体Mが立体である場合には、搬送中の振動や気流などの影響により、立体の記録媒体Mが揺れたり変形したりしやすいことを考慮したものである。すなわち、搬送中に立体の記録媒体Mの表面位置が変動した場合においても、第1ヘッドユニット40のノズル開口面41aと記録媒体Mとの接触、及び第2ヘッドユニット50のノズル開口面51aと記録媒体Mとの接触を確実に回避するためである。また、図4に示す立体の記録媒体Mの高さhは、上述のとおり、5mm以上である。
 ノズルNからインクを吐出させるために液滴吐出ヘッド41及び液滴吐出ヘッド51に設けられるインク吐出機構は、特には限られないが、圧電体を用いたピエゾ式のものを用いることができる。ピエゾ式のインク吐出機構としては、シアモード及びベントモードが知られている。シアモードのインク吐出機構は、駆動信号に応じて、ノズルNに連通する圧力室の壁面の圧電体にシアモード型の変位を生じさせて圧力室内のインクの圧力を変動させるものである。また、ベントモードのインク吐出機構は、圧力室の壁面を構成する振動板に固着された圧電体を駆動信号に応じて変形させることで圧力室内のインクの圧力を変動させてインクを吐出させるものである。
 本実施形態では、液滴吐出ヘッド41及び液滴吐出ヘッド51から吐出されるインクとして水性インクが用いられている。水性インクは、例えば、分散媒としての水と、着色剤としての顔料又は染料とを含み、この他に各種の水溶性有機溶剤や疎水性高分子などを含有していてもよい。なお、液滴吐出ヘッド41から吐出されるインクは水性インクに限られず、有機溶剤を分散媒とする溶剤インクなどであってもよい。これらの水性インクや溶剤インクは、分散媒である水や有機溶剤が気化し得るため、揮発性を有する。
 図5は、液滴吐出装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
 液滴吐出装置1は、制御部10(制御手段)と、搬送モーター24、ロータリーエンコーダー25及び搬送制御部26を有する搬送部20と、媒体検出部30と、液滴吐出ヘッド41及びヘッド制御部42を有する第1ヘッドユニット40と、液滴吐出ヘッド51及びヘッド制御部52を有する第2ヘッドユニット50と、操作表示部61と、通信部62と、バス63などを備える。以下では、既に説明した構成については説明を省略する。
 制御部10は、CPU11(Central Processing Unit)、RAM12(Random Access Memory)、ROM13(Read Only Memory)及び記憶部14を有する。制御部10は、CPU11がプログラム131に従って各種処理を実行することにより、液滴吐出装置1の各部の動作を統括制御する。
 CPU11は、ROM13に記憶された各種制御用のプログラム131や設定データを読み出してRAM12に記憶させ、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。
 RAM12は、CPU11に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。RAM12は、不揮発性メモリーを含んでいてもよい。
 ROM13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、CPU11により実行される各種制御用のプログラム131や設定データ等を格納する。なお、ROM13に代えてフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
 記憶部14には、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、通信部62を介して外部装置から入力されたプリントジョブ(画像記録命令)及び当該プリントジョブにおける形成対象の画像の画像データ(以下、「形成画像データ」と記す)などが記憶される。記憶部14としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。
 搬送制御部26は、制御部10から供給される制御信号に基づいて搬送モーター24に搬送駆動信号を供給して駆動ローラー21を所定の回転速度で回転させることにより、搬送ベルト23を所定の移動速度で移動させる。
 ヘッド制御部42は、制御部10から送信される制御信号並びに画像データ、及びロータリーエンコーダー25から送信されるパルス信号などに基づいて、液滴吐出ヘッド41に対して適切なタイミングで、インク吐出機構を駆動するための駆動信号(駆動波形の電圧信号)を出力する。ヘッド制御部42の構成は、特には限られないが、例えば制御部10から送信される制御信号及び画像データに応じて駆動波形パターンを生成する駆動波形生成部と、駆動波形パターンをアナログ駆動波形に変換するDACと、アナログ駆動波形を増幅して駆動信号を生成する増幅回路などを含む構成とすることができる。
 液滴吐出ヘッド41は、ヘッド制御部42から送信された駆動信号、及び制御部10又はヘッド制御部42から送信された画像データなどに基づいて、画像データに応じた吐出対象のノズルNのインク吐出機構に駆動信号を供給することで、当該ノズルNからインクの液滴を吐出する吐出動作を行う。ここで、画像データが形成画像データである場合には、吐出動作によって記録媒体Mに形成対象の画像が形成される。また、画像データが、後述する予備吐出を行わせるための予備吐出画像データである場合には、予備吐出画像データで指定されたノズルNにより、指定されたタイミングで、予備吐出が行われる。吐出動作においてノズルNから吐出されるインクの液滴の体積(液滴量)及び速度は、供給される駆動信号の駆動波形パターン及び/又は電圧信号の大きさに応じて定まる。言い換えると、制御部10及びヘッド制御部42は、液滴吐出ヘッド41に対して駆動信号を送信することで、所望の体積及び所望の速度のインクの液滴をノズルNから吐出させることができる。インクの液滴の体積の調整方法は、ノズルNから吐出される1つの液滴の大きさを調整する方法であってもよいし、ノズルNから連続して2以上のインクの液滴を吐出させて飛翔中に合一させる吐出方法において、連続して吐出する液滴数及び/又は各液滴の体積を調整する方法であってもよい。
 ヘッド制御部52及び液滴吐出ヘッド51の動作は、インクの吐出方向を除いてヘッド制御部42及び液滴吐出ヘッド41の動作と同一であるので、説明は省略する。以下では、ヘッド制御部42及びヘッド制御部52の任意の一方を指す場合には、符号を付さずに「ヘッド制御部」と記す。
 本実施形態では、第1ヘッドユニット40については、制御部10及びヘッド制御部42により、吐出動作を制御する「制御手段」が構成される。また、第2ヘッドユニット50については、制御部10及びヘッド制御部42により、吐出動作を制御する「制御手段」が構成される。このように、制御手段は、2以上の別個のハードウェアプロセッサー(IC等)を有していてもよい。なお、制御手段の構成は本実施形態に例示したものに限られず、例えば制御部10のみによって制御手段が構成されていてもよく、1つハードウェアプロセッサーにより制御手段が構成されていてもよい。
 操作表示部61は、液晶ディスプレイなどの表示装置と、操作キーや、表示装置の画面に重ねられて配置されたタッチパネルといった入力装置とを備える。操作表示部61は、表示装置において各種情報を表示させ、また入力装置に対するユーザーの入力操作を操作信号に変換して制御部10に出力する。
 通信部62は、外部機器との間のデータ通信を制御する通信インターフェースである。通信インターフェースとしては、例えば、LANボードやLANカードなど、各種通信プロトコルに対応したものが一又は複数含まれる。通信部62は、制御部10による制御に基づいて外部装置から形成画像データやプリントジョブに係る設定データ(ジョブデータ)を取得し、また、外部機器に対してステータス情報などを送信する。
 バス63は、制御部10と他の構成との間で信号の送受信を行うための経路である。
 <液滴吐出装置の動作>
 次に、液滴吐出装置1の動作について、ノズルNの保守のための予備吐出に係る動作を中心に説明する。
 液滴吐出装置1のノズルNの内部には、インクが供給されて充填される。インクの液滴が吐出されない状態でノズルNの開口部においてインクが空気と接触すると、開口部近傍におけるインクの一部が気化してインクの特性(例えば、粘度や比重)が変化する。この結果、ノズルNから吐出されるインクの飛翔方向、飛翔速度及びインクの量などが本来の設定からずれる吐出不良(インク吐出動作の不具合)が生じ、画質低下に繋がる。特に、本実施形態の液滴吐出装置1では、第1ヘッドユニット40及び第2ヘッドユニット50と、記録媒体Mとの距離d1、d2が大きく確保されるため、インクの飛翔方向や飛翔速度の僅かなずれが大きな着弾位置ずれに繋がりやすく、画質が低下しやすい。
 そこで、本実施形態の液滴吐出装置1では、この問題を避けるために、搬送中の立体の記録媒体Mに対して、ノズルの保守のためにノズルNからインクを予備的に吐出する予備吐出が行われる。以下では、制御手段としての制御部10及びヘッド制御部が、ノズルNの保守のために、立体の記録媒体Mに対してノズルNから液滴を予備的に吐出させる制御を「予備吐出制御」と記す。また、予備吐出制御によりノズルNから吐出されるインクの液滴を、「予備吐出液滴」と記す。また、制御手段としての制御部10及びヘッド制御部が、形成対象の画像の形成画像データに基づいて、立体の記録媒体Mに対してノズルNから液滴を吐出させ、当該立体の記録媒体Mに画像を形成させる制御を「画像形成制御」と記す。また、画像形成制御によりノズルNから吐出されるインクの液滴を、「画像形成用液滴」と記す。予備吐出液滴及び画像形成用液滴は、ノズルNから連続して吐出させた複数の液滴を飛翔中に合一させたものであってもよい。予備吐出液滴が「第1の液滴」に相当し、画像形成用液滴が「第2の液滴」に相当する。以下では、予備吐出液滴の体積を「第1の体積」とも記し、画像形成用液滴の体積を「第2の体積」とも記す。また、予備吐出液滴の速度を「第1の速度」とも記し、画像形成用液滴の速度を「第2の速度」とも記す。
 また、本実施形態では、第1ヘッドユニット40及び第2ヘッドユニット50と、立体の記録媒体Mとの距離d1、d2が大きく確保されるため、ノズルNから吐出された液滴の、記録媒体Mまでの飛翔距離が長くなる。このため、立体の記録媒体Mに対して予備吐出を行う場合には、予備吐出液滴が種々の要因により飛散しやすい。
 例えば、予備吐出におけるインク消費量の節減などの目的で、予備吐出液滴の第1の体積を画像形成用液滴の第2の体積未満とした場合には、予備吐出液滴の飛翔の安定性が低下し、気流の影響を受けて飛翔方向が変わりやすくなる。このため、長距離を飛翔している間に予備吐出液滴が飛散しやすい。また、特に立体の記録媒体Mの端部近傍では、立体の形状に起因して気流が生じやすいため、記録媒体Mの端部近傍に後述する吐き捨て帯71(図6、図7参照)を形成する場合などにおいて、予備吐出液滴が気流により流されて飛散しやすい。また、複数の立体の記録媒体Mに対して続けて画像形成や予備吐出を行う場合であっても、ノズルNが立体の記録媒体Mと対向していない期間には液滴が吐出されないため、予備吐出では、この不吐出期間におけるインクの気化の影響により液滴吐出方向が所望の方向からずれやすく、液滴が飛散しやすい。
 飛散した予備吐出液滴がノズル開口面41a、51aに付着して、ノズルNの開口部の一部を塞いだ状態で固着すると、ノズルNからのインクの液滴の吐出不良に繋がる。また、飛散した予備吐出液滴が液滴吐出装置1の各部に付着して汚損する問題も生じる。特に、縦置きの第2ヘッドユニット50から水平に吐出された予備吐出液滴が記録媒体Mに着弾せずに飛散すると、搬送ベルト23の載置面23aに着弾せずに広範囲に飛散してしまうため、汚損などの影響が大きくなりやすい。また、ノズルNから予備吐出液滴が吐出される際に、主液滴に伴って微小な霧状の液滴(以下、「微小液滴と記す」)が生じることがある。この微小液滴が飛散して装置内に付着することによっても、ノズルNの吐出不良や装置の汚損が生じる。以下では、記録媒体Mに着弾せずに飛散した予備吐出液滴(微小液滴を含む)を、「インクミスト」とも記す。
 そこで、本実施形態の制御部10及びヘッド制御部は、予備吐出制御において、予備吐出液滴の第1の速度が画像形成用液滴の第2の速度より速くなるように吐出動作を制御する。これにより、予備吐出液滴の飛翔の安定性が高まるため、より確実に記録媒体Mの表面に着弾させることができる。よって、予備吐出液滴の飛散を抑制することができる。また、予備吐出液滴の主液滴の速度を増大させることにより、付随する微小液滴の速度や体積が増大する。このため、微小液滴の飛翔の安定性も高めることができ、微小液滴がインクミストとして飛散することによる不具合の発生も抑制できる。
 以下では、液滴吐出装置1が行う予備吐出動作の具体例について説明する。
 図6は、第1ヘッドユニット40による予備吐出動作の例を説明する図である。図6では、第2ヘッドユニット50の記載が省略されている。
 図6では、制御部10及びヘッド制御部42が画像形成制御を行って、Y方向に搬送される記録媒体Mの上面S1に対し、第1ヘッドユニット40のノズルNから画像形成用液滴を吐出させることで、プリントジョブに係る画像80が形成されている。また、この画像80の形成に先立つタイミングで、制御部10及びヘッド制御部42が予備吐出制御を行って、上面S1の+Y方向側の端部近傍に各ノズルNから予備吐出を行わせることで、X方向に長い帯状の吐き捨て帯71が形成されている。吐き捨て帯71は、第1ヘッドユニット40の全ノズルNから、吐き捨て帯71の形成位置に対して予備吐出液滴を所定回数吐出することにより形成される。このように、画像80の形成領域外に行う予備吐出を、「吐き捨て」とも呼ぶ。吐き捨ては、画像80を形成する記録媒体Mのうち、画像80の形成領域の搬送方向下流側に対して行うことが好ましい。これにより、予備吐出を行った直後のノズルNにより画像80を形成できるため、インクの気化に起因する画質低下を効果的に抑制することができる。
 図7は、第2ヘッドユニット50による予備吐出動作の例を説明する図である。図7では、第1ヘッドユニット40の記載が省略されている。
 図7では、制御部10及びヘッド制御部52が画像形成制御を行って、Y方向に搬送される記録媒体Mの側面S2に対し、第2ヘッドユニット50のノズルNから画像形成用液滴を吐出させることで、プリントジョブに係る画像80が形成されている。また、この画像80の形成に先立つタイミングで、制御部10及びヘッド制御部52が予備吐出制御を行って、側面S2の+Y方向側の端部近傍に各ノズルNから予備吐出を行わせることで、Z方向に長い帯状の吐き捨て帯71が形成されている。このように、縦置きの第2ヘッドユニット50についても、記録媒体Mの側面S2を利用して予備吐出を行うことができる。
 吐き捨て帯71を形成する場合の予備吐出液滴の第1の体積は、画像形成用液滴の第2の体積以下に設定される。特に、第1の体積を第2の体積未満とすることにより、予備吐出制御におけるインクの消費量を低減できる。なお、画像形成制御において、体積が異なる複数の画像形成用液滴が用いられる場合には、予備吐出液滴の第1の体積は、画像形成用液滴の最小の体積以下に設定される。
 また、吐き捨て帯71を形成する場合の予備吐出液滴の第1の速度は、画像形成用液滴の第2の速度より速くなるように設定される。これにより、予備吐出液滴の飛翔の安定性を高めて、立体の記録媒体Mの端部近傍で生じやすい気流の影響を受けにくくすることができる。
 図8は、第1ヘッドユニット40により、予備吐出動作として分散吐出を行う例を説明する図である。
 図8では、図6と同様に上面S1に画像80が形成されている。また、制御部10及びヘッド制御部42は、画像形成制御による画像80の形成期間内に予備吐出制御による吐出動作を行わせ、画像80の形成領域の少なくとも一部と重なる領域内に、複数の予備吐出液滴を分散して吐出させている。この結果、上面S1には複数の分散ドット72が形成されている。1つの分散ドット72は、1つのノズルNから吐出された予備吐出液滴により形成される。ここで、画像80の形成領域は、画像80を形成するための形成画像データに対応する領域であり、画像80がインクの非吐出領域(白地の領域)を含む場合には、当該非吐出領域を含む。図8では、画像80の形成領域を含む上面S1の略全面に、予備吐出液滴が分散して吐出され、分散ドット72が形成されている。このように、プリントジョブに係る形成対象の画像の形成領域の少なくとも一部と重なる領域内に予備吐出液滴を分散して吐出させることを、「分散吐出」とも呼ぶ。分散吐出では、全てのノズルNから予備吐出液滴を吐出させてもよいし、画像形成用液滴を吐出しないノズルNのみから予備吐出液滴を吐出させてもよい。分散吐出により形成される分散ドット72は、吐き捨て帯71よりも視認されにくい。よって、分散吐出によれば、予備吐出が行われていることをより視認されにくくすることができる。
 図9は、第2ヘッドユニット50により、予備吐出動作として分散吐出を行う例を説明する図である。
 図9では、図7と同様に側面S2に画像80が形成されている。また、制御部10及びヘッド制御部52は、画像形成制御による画像80の形成期間内に予備吐出制御による吐出動作を行わせ、画像80の形成領域の少なくとも一部と重なる領域内に、複数の予備吐出液滴を分散して吐出させている。この結果、側面S2には複数の分散ドット72が形成されている。図9では、画像80の形成領域を含む側面S2の略全面に、予備吐出液滴が分散して吐出され、分散ドット72が形成されている。このように、縦置きの第2ヘッドユニット50についても、記録媒体Mの側面S2を利用して分散吐出を行うことができる。
 分散吐出を行う場合においても、予備吐出液滴の第1の体積は、画像形成用液滴の第2の体積以下に設定される。特に、第1の体積を第2の体積未満とすることにより、予備吐出制御におけるインクの消費量を低減できる。
 図8及び図9に示すように、画像80に文字が含まれる場合には、文字が小さいほど、分散ドット72によって文字の視認性が低下しやすくなり、また分散ドット72が視認されやすくなる。このため、制御部10及びヘッド制御部は、画像形成制御において形成する画像に文字が含まれている場合には、予備吐出制御において、当該文字が小さいほど予備吐出液滴の体積が小さくなるようにノズルNからの吐出動作を制御してもよい。ここで、文字には、数字及び記号が含まれるものとする。また、画像80内に大きさの異なる複数の文字が含まれる場合には、このうち最小の文字の大きさに応じて予備吐出液滴の体積を設定してもよい。
 また、分散ドット72は、立体の記録媒体Mのうち予備吐出液滴が着弾する表面の材質に応じて、視認されやすさが異なる。このため、予備吐出液滴の体積を、予備吐出液滴が着弾する表面の材質に応じて、視認されにくい所定値に設定してもよい。例えば、記録媒体Mの表面が布帛である場合など、表面の材質に繊維が含まれる場合には、着弾した予備吐出液滴(分散ドット72)が視認されにくいため、表面の材質に繊維が含まれない場合よりも予備吐出液滴の体積を大きくしてもよい。
 また、予備吐出液滴の体積は、着弾から所定時間内に乾燥して定着するように、着弾した予備吐出液滴の乾燥のしやすさに応じて設定してもよい。液滴の乾燥のしやすさは、着弾する表面の材質、気温及び湿度などに影響される。例えば、予備吐出液滴が着弾後に乾燥しにくい場合ほど体積を小さくしてもよい。
 また、分散吐出を行う場合も、予備吐出液滴の第1の速度は、画像形成用液滴の第2の速度より速くなるように設定される。これにより、液滴の不吐出期間におけるノズルN内のインクの気化の影響により液滴の吐出方向がずれやすい状態であっても、吐出方向のずれを最小限に抑えることができる。
 予備吐出として、吐き捨て及び分散吐出のうちいずれを実行するかについては、いずれか一方に設定が固定されていてもよいし、ユーザーが所定の操作により任意の一方を選択して設定できるようになっていてもよい。予備吐出の方法を選択可能とする場合には、予備吐出方法を指定する設定データを記憶部14に記憶させておき、予備吐出制御の実行時に、この設定データに応じて吐き捨て又は分散吐出を制御部10が選択すればよい。また、1つの記録媒体Mに対し、図6又は図8に示す上面S1への予備吐出、及び図7又は図9に示す側面S2への予備吐出を並行して行ってもよい。
 予備吐出液滴の第1の速度は、画像形成用液滴の第2の速度より速くなる範囲でさらに調整してもよい。
 例えば、予備吐出液滴の第1の体積が小さいほど、第1の速度を大きくしてもよい。これにより、飛翔の安定性が低下しやすい小体積の予備吐出液滴の飛散を効果的に抑制できる。
 また、予備吐出液滴の吐出位置が、立体の記録媒体Mの端部に近いほど、第1の速度を大きくしてもよい。これにより、立体の記録媒体Mの端部近傍で生じやすい気流の影響による飛散を効果的に抑制できる。
 また、ノズルNからのインクの液滴の不吐出期間が長いほど、第1の速度を大きくしてもよい。これにより、不吐出期間におけるインクの特性変化に起因する吐出方向や吐出量のずれを効果的に抑制できる。
 次に、上記の予備吐出制御及び画像形成制御を行うための画像形成処理の制御手順について説明する。
 図10は、画像形成処理の制御手順を示すフローチャートである。
 画像形成処理は、制御部10が通信部62を介して外部装置からプリントジョブを受信した場合に実行される。
 画像形成処理が開始されると、制御部10は、予め設定された予備吐出の実行タイミングであるか否かを判別する(ステップS101)。予備吐出の実行タイミングは、任意に定めることが可能であるが、例えば、最後に予備吐出を行ってから所定時間が経過した場合、又は最後に予備吐出を行ってから所定個数の記録媒体Mに対して画像形成を行った場合などを、予備吐出の実行タイミングとすることができる。あるいは、全ての記録媒体Mに対して毎回予備吐出を行うこととしてもよい。
 予備吐出の実行タイミングであると判別された場合には(ステップS101で“YES”)、制御部10は、記憶部14の設定データを参照して、予備吐出の方法が分散吐出に設定されているか否かを判別する(ステップS102)。
 予備吐出の方法が分散吐出に設定されていると判別された場合には(ステップS102で“YES”)、制御部10は、プリントジョブで指定されている立体の記録媒体Mの表面の材質を特定し、当該材質に応じて、予備吐出液滴の第1の体積を設定する(ステップS103)。本ステップにおける第1の体積の設定方法は、特には限られないが、例えば、材質ごとに第1の体積が対応付けられている図示略のテーブルデータを参照して、材質に対応する第1の体積を選択して設定する方法とすることができる。
 制御部10は、プリントジョブで指定された形成画像に文字が含まれるか否かを判別する(ステップS104)。形成画像に文字が含まれると判別された場合には(ステップS104で“YES”)、制御部10は、形成画像に含まれる文字の大きさに応じて、予備吐出液滴の第1の体積の設定を調整する(ステップS105)。本ステップにおける第1の体積の設定方法は、特には限られないが、例えば、文字の大きさごとに第1の体積が対応付けられている図示略のテーブルデータを参照して、形成画像における文字の大きさに対応する第1の体積を選択して設定する方法とすることができる。また、テーブルデータにおいて、第1の体積そのものに代えて、第1の体積の低減率を対応付けておき、その時点における第1の体積の設定値に対して、当該低減率を乗じることで設定を調整してもよい。また、ステップS103において材質に応じて第1の体積を調整済である場合には、ステップS103、S105でそれぞれ特定した調整後の第1の体積のうち、小さい方を設定値として選択してもよい。
 ステップS105の処理が終了した場合、又はステップS104において形成画像に文字が含まれないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、制御部10及びヘッド制御部は、形成画像データに基づいて立体の記録媒体M上に画像を形成させるとともに、当該記録媒体M上に分散吐出を行わせる(ステップS106:予備吐出ステップ、画像形成ステップ)。すなわち、制御部10及びヘッド制御部は、立体の記録媒体Mにおける画像の形成位置がノズルNと対向したタイミングで、形成画像データに基づいて、第2の体積及び第2の速度の画像形成用液滴をノズルNから吐出させて記録媒体Mに画像を形成させる。また、制御部10及びヘッド制御部は、当該画像の形成と並行して、画像の形成領域の少なくとも一部と重なる領域内に、第1の体積及び第1の速度の予備吐出液滴をノズルNから吐出させて分散吐出を行わせる(ステップS106)。ここでは、例えば、形成画像データと、分散ドット72を形成するための予備吐出画像データとを合成した合成画像データに基づいて、各ノズルNから画像形成用液滴及び/又は予備吐出液滴を吐出させてもよい。
 ステップS102において、予備吐出の方法が分散吐出に設定されていない(すなわち、予備吐出の方法が吐き捨てに設定されている)と判別された場合には(ステップS102で“NO”)、制御部10及びヘッド制御部は、吐き捨て帯71を形成する方法で予備吐出を行わせる。すなわち、制御部10及びヘッド制御部は、立体の記録媒体Mにおける画像の形成位置がノズルNと対向したタイミングで、吐き捨て帯71の予備吐出画像データに基づいて、第1の体積及び第1の速度の予備吐出液滴をノズルNから吐出させて吐き捨て帯71を形成させる(ステップS107:予備吐出ステップ)。なお、吐き捨て帯71の予備吐出画像データに基づいて吐出動作を行わせる態様に代えて、画像データに基づかずに全ノズルを対象に駆動信号を供給することで吐き捨て帯71を形成させてもよい。
 吐き捨て帯71の形成後に、制御部10及びヘッド制御部は、立体の記録媒体Mにおける画像の形成位置がノズルNと対向したタイミングで、形成画像データに基づいて、第2の体積及び第2の速度の画像形成用液滴をノズルNから吐出させて記録媒体Mに画像を形成させる(ステップS108:画像形成ステップ)。
 ステップS106又はステップS108が終了すると、制御部10は、プリントジョブで指定された全ての画像形成が完了したか否かを判別する(ステップS109)。全ての画像形成が完了していないと判別された場合には(ステップS109で“NO”)、制御部10は、処理をステップS101に戻し、次の記録媒体Mに対してステップS101~S109の処理を実行する。全ての画像形成が完了したと判別された場合には(ステップS109で“YES”)、制御部10は、画像形成処理を終了させる。
 <実施例>
 次に、上記実施形態の効果を確認するために行った実験について説明する。
 図11は、実験の内容及び結果を示す図である。
 図12は、実験における予備吐出時及び画像形成時の吐出状態を示す模式図である。
 上記実施形態に対応する実施例と、3つの比較例1~3の、計4つの実験を行った。実施例及び比較例1~3では、第1ヘッドユニット40を用いて互いに異なる条件で予備吐出を行い、その後、当該第1ヘッドユニット40を用いて、各実験で共通の条件で画像形成を行った。また、各実験について、予備吐出の安定性及び画像形成の安定性を評価した。予備吐出の安定性については、吐出した予備吐出液滴の主液滴及び微小液滴がノズル開口面41aに付着しているか否かによって、予備吐出液滴の飛散の有無を評価した。画像形成の安定性については、液滴の着弾位置にずれが生じているか否かを評価した。
 実施例及び比較例1~3における画像形成では、いずれも、画像形成用液滴D2の第2の体積を25plとし、第2の速度を8m/sとした。
 実施例では、予備吐出液滴D1の第1の体積を5plとし、第1の速度を9m/sとした。すなわち、第1の速度を第2の速度より速くした。また、立体の記録媒体Mの表面に対して予備吐出を行った。
 比較例1では、予備吐出を行わずに画像形成を行った。
 比較例2では、予備吐出液滴D1の第1の体積を5plとし、第1の速度を7m/sとした。すなわち、第1の速度を第2の速度より遅くした。また、立体の記録媒体Mの表面に対して予備吐出を行った。比較例2は、実施例において予備吐出液滴の第1の速度を遅くしたものに相当する。
 比較例3では、予備吐出液滴D1の第1の体積を5plとし、第1の速度を9m/sとした。また、予備吐出液滴を立体の記録媒体Mに着弾させずに、搬送ベルト23の表面に着弾させた。比較例3は、実施例において予備吐出液滴の吐出対象を搬送ベルト23に変更したものに相当する。
 実施例では、ノズル開口面41aへの予備吐出液滴の付着は見られず、予備吐出の安定性評価は「○」となった。また、画像形成時に着弾ずれは確認されず、画像形成の安定性評価も「○」となった。
 比較例1では、予備吐出を行わないことに起因して、使用率の低いノズルNでインクの特性変化が生じた。これにより、図12の下段に示すように、画像形成時に当該ノズルNからの画像形成用液滴D2の吐出乱れ、及び着弾ずれが確認された。この結果、図11に示すように、画像形成の安定性評価は「×」となった。
 比較例2では、予備吐出液滴D1の速度が遅いことに起因して、図12の上段に示すように、予備吐出液滴D1の主液滴及び微小液滴がインクミストとして飛散し、ノズル開口面41aに付着した。この結果、図11に示すように、予備吐出の安定性評価は「×」となった。また、画像形成時には、図12の下段に示すように、ノズル開口面41aに付着したインクIn(インクミストが固化したもの)に起因して画像形成用液滴D2の液滴曲がり、及び着弾ずれが確認された。この結果、図11に示すように、画像形成の安定性評価は「×」となった。
 比較例3では、図12の上段に示すように、予備吐出液滴D1が搬送ベルト23までの長距離を飛翔する間にインクミストとして飛散し、ノズル開口面41aに付着した。この結果、図11に示すように、予備吐出の安定性評価は「×」となった。また、画像形成時には、図12の下段に示すように、ノズル開口面41aに付着したインクInに起因して画像形成用液滴D2の液滴曲がり、及び着弾ずれが確認された。この結果、図11に示すように、画像形成の安定性評価は「×」となった。
 以上の実験から、予備吐出液滴D1の第1の体積を画像形成用液滴D2の第2の体積未満とし、予備吐出液滴D1の第1の速度を画像形成用液滴D2の第2の速度未満とし、かつ立体の記録媒体Mに対して予備吐出を行った場合(実施例)に、予備吐出液滴D1の飛散を抑制できることが確認された。
 <効果>
 以上のように、本実施形態に係る液滴吐出装置1は、揮発性を有するインクの液滴を吐出するノズルNが設けられた第1ヘッドユニット40と、第1ヘッドユニット40によるノズルNからの液滴の吐出動作を制御する制御手段としての制御部10及びヘッド制御部42と、を備える。制御部10及びヘッド制御部42は、ノズルNの保守のために、立体の記録媒体Mに対してノズルNから第1の液滴としての予備吐出液滴を吐出させる予備吐出制御を行う。また、制御部10及びヘッド制御部42は、形成対象の画像の画像データに基づいて、立体の記録媒体Mに対してノズルNから第2の液滴としての画像形成用液滴を吐出させ、当該立体の記録媒体Mに画像を形成させる画像形成制御を行う。制御部10及びヘッド制御部42は、予備吐出制御では、予備吐出液滴の体積が画像形成用液滴の体積以下となり、かつ、予備吐出液滴の速度が画像形成用液滴の速度より速くなるように吐出動作を制御する。このように予備吐出液滴の速度を画像形成用液滴の速度より速くすることで、予備吐出液滴の飛翔の安定性を高めて、より確実に記録媒体Mの表面に着弾させることができる。よって、予備吐出液滴の飛散を抑制することができる。また、予備吐出液滴の主液滴の速度を増大させることにより、付随する微小液滴の速度や体積が増大する。このため、微小液滴の飛翔の安定性も高めることができ、微小液滴の飛散も抑制することができる。予備吐出液滴の飛散が抑制される結果、予備吐出液滴がノズル開口面41aに付着することに起因する吐出安定性の低下や吐出不良が生じにくくなり、画質の低下を抑えることができる。また、装置の汚損を抑制することができるため、メンテナンスの頻度を抑えて生産性を向上させることができる。また、立体の記録媒体Mに対して予備吐出を行うことで、例えば予備吐出液滴を専用のインク受容部に吐出させるための特別な機構を設けることなく、ノズルNの保守を行うことができる。
 また、予備吐出制御において、予備吐出液滴の体積が画像形成用液滴の体積未満となるように吐出動作を制御することにより、予備吐出制御におけるインクの消費量を低減できる。このように予備吐出液滴の体積を小さくした場合にも、予備吐出液滴の速度を速めていることで、予備吐出液滴の飛散を抑制することができる。
 また、制御部10及びヘッド制御部42は、画像形成制御による画像の形成期間内に予備吐出制御による吐出動作を行わせ、予備吐出制御においては、画像形成制御による画像の形成領域の少なくとも一部と重なる領域内に、複数の予備吐出液滴を分散して吐出させる。このような分散吐出を行うことで、予備吐出が行われていることを視認されにくくすることができる。
 また、制御部10及びヘッド制御部42は、画像形成制御において形成する画像に文字が含まれている場合には、予備吐出制御において、文字が小さいほど予備吐出液滴の体積が小さくなるように吐出動作を制御する。これにより、分散ドット72による文字の視認性の低下を抑制できるとともに、分散ドット72を視認されにくくすることができる。
 また、制御部10及びヘッド制御部42は、予備吐出制御において、予備吐出液滴の体積が、立体の記録媒体Mのうち液滴が着弾する表面の材質に応じた値となるように吐出動作を制御する。これにより、分散ドット72を視認されにくくすることができる。
 また、立体の記録媒体Mの表面の材質が繊維を含んでいる場合には、視認されにくい態様で予備吐出を行うことができる。
 また、立体の記録媒体Mは段ボールであってもよい。この場合には、予備吐出液滴の飛散を抑制しつつ段ボールに予備吐出を行うことができる。
 また、液滴吐出装置1は、立体の記録媒体Mが載置される載置面23aを有する搬送ベルト23を備え、立体の記録媒体Mは、載置面23aからの高さが5mm以上であり、第1ヘッドユニット40は、載置面23aに載置された立体の記録媒体Mに対する液滴の吐出時に、当該立体の記録媒体MとノズルNの開口部との距離が5mm以上となる位置に配置されている。ノズルNの開口部と記録媒体Mとの距離が5mm以上である場合には、吐出された液滴が空気抵抗によってインクミストとして飛散しやすくなるが、上記実施形態の構成とすることにより、予備吐出液滴の飛散を抑制することができる。また、立体の記録媒体Mの高さが5mm以上であると、ノズルNから載置面23aまでの距離が10mm以上となり、予備吐出液滴が記録媒体Mに着弾しなかった場合の飛散の影響が大きくなるが、上記実施形態の構成とすることにより、予備吐出液滴の飛翔の安定性を高めて記録媒体Mに着弾させることができる。
 また、第2ヘッドユニット50は、所定の配列方向に配列された複数のノズルNを有し、上記配列方向は鉛直方向成分を有する。このような縦置きの第2ヘッドユニット50からの予備吐出液滴が立体の記録媒体Mに着弾せずに飛散すると、搬送ベルト23の載置面23aに着弾せずに広範囲に飛散してしまうため、汚損などの問題が大きくなりやすいが、上記実施形態の構成とすることにより、この問題を生じにくくすることができる。
 また、本実施形態に係る液滴吐出方法は、ノズルNの保守のために、立体の記録媒体Mに対してノズルNから予備吐出液滴を吐出させる予備吐出ステップと、形成対象の画像の画像データに基づいて、立体の記録媒体Mに対してノズルNから画像形成用液滴を吐出させ、当該立体の記録媒体Mに画像を形成させる画像形成ステップと、を含む。また、予備吐出ステップでは、予備吐出液滴の体積が画像形成用液滴の体積以下となり、かつ、予備吐出液滴の速度が画像形成用液滴の速度より速くなるように、第1ヘッドユニット40によるノズルNからの液滴の吐出動作を制御する。このように予備吐出液滴の速度を画像形成用液滴の速度より速くすることで、予備吐出液滴の飛翔の安定性を高めて、より確実に記録媒体Mの表面に着弾させることができる。よって、予備吐出液滴の飛散を抑制することができる。
 なお、以上の効果記載において、「第1ヘッドユニット40」、「ヘッド制御部42」及び「ノズル開口面41a」をそれぞれ「第2ヘッドユニット50」、「ヘッド制御部52」及び「ノズル開口面51a」と置き換えた場合にも同様の効果を奏する。
 <その他>
 なお、本発明は、上記実施形態及び変形例に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
 例えば、第1ヘッドユニット40及び第2ヘッドユニット50は、インク以外の液体、例えば記録媒体上に回路パターンなどを形成するための機能液を吐出してもよい。
 また、上記実施形態では、予備吐出液滴の第1の体積を画像形成用液滴の第2の体積未満とする例を用いて説明したが、第1の体積は、第2の体積と同一としてもよい。この場合にも、予備吐出液滴の第1の速度を、画像形成用液滴の第2の速度より速くすることで、予備吐出液滴の飛翔の安定性を高めて飛散を抑制する効果が得られる。
 また、予備吐出として吐き捨てを行う場合に、吐き捨て帯71を形成する方法を例示したが、吐き捨てにより形成されるパターンは吐き捨て帯71に限られず、任意のパターンとすることができる。
 また、液滴吐出部として、横置きの第1ヘッドユニット40及び縦置きの第2ヘッドユニット50を有する構成を例示したが、これに限られず、例えば第1ヘッドユニット40及び第2ヘッドユニット50のうちの一方を有する構成としてもよい。
 また、液滴吐出部として、複数の液滴吐出ヘッド41、51を並べたラインヘッド(第1ヘッドユニット40、第2ヘッドユニット50)を例示したが、これに限られず、単一の液滴吐出ヘッド41、51により液滴吐出部が構成されていてもよい。
 また、シングルパス形式の液滴吐出装置1を例に挙げて説明したが、ヘッドユニット又は液滴吐出ヘッドを走査させながら画像の記録を行う液滴吐出装置に本発明を適用してもよい。
 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
 本発明は、液滴吐出装置及び液滴吐出方法に利用することができる。
1 液滴吐出装置
10 制御部(制御手段)
11 CPU
12 RAM
13 ROM
131 プログラム
14 記憶部
20 搬送部
21 駆動ローラー
22 従動ローラー
23 搬送ベルト(載置部材)
23a 載置面
24 搬送モーター
25 ロータリーエンコーダー
26 搬送制御部
30 媒体検出部
40 第1ヘッドユニット(液滴吐出部)
50 第2ヘッドユニット(液滴吐出部)
40a、50a 支持部
41、51 液滴吐出ヘッド
41a、51a ノズル開口面
42、52 ヘッド制御部(制御手段)
61 操作表示部
62 通信部
63 バス
71 吐き捨て帯
72 分散ドット
80 画像
D1 予備吐出液滴(第1の液滴)
D2 画像形成用液滴(第2の液滴)
In インク
M 記録媒体
N ノズル
S1 上面
S2 側面

Claims (10)

  1.  揮発性を有する液滴を吐出するノズルが設けられた液滴吐出部と、
     前記液滴吐出部による前記ノズルからの液滴の吐出動作を制御する制御手段と、
     を備え、
     前記制御手段は、
     前記ノズルの保守のために、立体の記録媒体に対して前記ノズルから第1の液滴を吐出させる予備吐出制御と、
     形成対象の画像の画像データに基づいて、前記立体の記録媒体に対して前記ノズルから第2の液滴を吐出させ、当該立体の記録媒体に前記画像を形成させる画像形成制御と、
     を行い、
     前記予備吐出制御では、前記第1の液滴の体積が前記第2の液滴の体積以下となり、かつ、前記第1の液滴の速度が前記第2の液滴の速度より速くなるように前記吐出動作を制御する、液滴吐出装置。
  2.  前記制御手段は、前記予備吐出制御において、前記第1の液滴の体積が前記第2の液滴の体積未満となるように前記吐出動作を制御する、請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3.  前記制御手段は、前記画像形成制御による前記画像の形成期間内に前記予備吐出制御による前記吐出動作を行わせ、前記予備吐出制御においては、前記画像形成制御による前記画像の形成領域の少なくとも一部と重なる領域内に、複数の前記第1の液滴を分散して吐出させる、請求項1又は2に記載の液滴吐出装置。
  4.  前記制御手段は、前記画像形成制御において形成する前記画像に文字が含まれている場合には、前記予備吐出制御において、前記文字が小さいほど前記第1の液滴の体積が小さくなるように前記吐出動作を制御する、請求項3に記載の液滴吐出装置。
  5.  前記制御手段は、予備吐出制御において、前記第1の液滴の体積が、前記立体の記録媒体のうち液滴が着弾する表面の材質に応じた値となるように前記吐出動作を制御する、請求項3又は4に記載の液滴吐出装置。
  6.  前記立体の記録媒体の表面の材質は繊維を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
  7.  前記立体の記録媒体は段ボールである、請求項1~5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
  8.  前記立体の記録媒体が載置される載置面を有する載置部材を備え、
     前記立体の記録媒体は、前記載置面からの高さが5mm以上であり、
     前記液滴吐出部は、前記載置面に載置された前記立体の記録媒体に対する液滴の吐出時に、当該立体の記録媒体と前記ノズルの開口部との距離が5mm以上となる位置に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
  9.  前記液滴吐出部は、所定の配列方向に配列された複数の前記ノズルを有し、
     前記配列方向は鉛直方向成分を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
  10.  揮発性を有する液滴を吐出するノズルが設けられた液滴吐出部を備えた液滴吐出装置における液滴吐出方法であって、
     前記ノズルの保守のために、立体の記録媒体に対して前記ノズルから第1の液滴を吐出させる予備吐出ステップと、
     形成対象の画像の画像データに基づいて、前記立体の記録媒体に対して前記ノズルから第2の液滴を吐出させ、当該立体の記録媒体に前記画像を形成させる画像形成ステップと、
     を含み、
     前記予備吐出ステップでは、前記第1の液滴の体積が前記第2の液滴の体積以下となり、かつ、前記第1の液滴の速度が前記第2の液滴の速度より速くなるように、前記液滴吐出部による前記ノズルからの液滴の吐出動作を制御する、液滴吐出方法。
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