WO2022230497A1

WO2022230497A1 - シール装置、多結晶シリコン充填物の製造装置および多結晶シリコン充填物の製造方法

Info

Publication number: WO2022230497A1
Application number: PCT/JP2022/014352
Authority: WO
Inventors: 康博水谷; 貴久今井; 正美藤井; 一博川口
Original assignee: 株式会社トクヤマ
Priority date: 2021-04-28
Filing date: 2022-03-25
Publication date: 2022-11-03
Also published as: TW202246131A

Abstract

収容袋の開口部をシールする際に、収容袋に生じるシワを低減する。シール装置（１）は、多結晶シリコン（Ｓ１）が収容された収容袋（Ｂ１）に挿入される接触部材（１０）と、シール箇所（ＳＥ）をシールするシール部材と、接触部材（１０）について、開口部（Ｂ２）を引っ張るように駆動する駆動機構（２０）と、収容袋（Ｂ１）における開口部（Ｂ２）に沿った長さである第１距離（Ｄ１）よりも短い第２距離（Ｄ２）に亘って収容袋（Ｂ１）を挟持することが可能な挟持部材（３０）と、を備える。

Description

シール装置、多結晶シリコン充填物の製造装置および多結晶シリコン充填物の製造方法

　本発明は、シール装置、多結晶シリコン充填物の製造装置および多結晶シリコン充填物の製造方法に関する。

　特許文献１には、多結晶シリコンを包装袋に包装する多結晶シリコンの包装方法が開示されている。特許文献１に開示の多結晶シリコンの包装方法では、包装袋に多結晶シリコンを充填した後、包装袋を溶着してシールするための溶着シール予定部よりも、多結晶シリコンが充填される充填部側の部位を挟持棒により挟持する。また、包装袋の部位を挟持棒により挟持した状態で、溶着シール予定部をシール棒により挟んで溶着する。

国際公開第２０１９／２０３３１６号公報

　しかしながら、特許文献１に開示の多結晶シリコンの包装方法では、前記包装袋の部位を挟持棒により挟持した状態で溶着シール予定部を溶着するところ、この挟持棒の長さが、包装袋における開口部に沿った長さの全域に及んでいる。このため、上記包装方法では、上方のシール棒と挟持棒との間に空気だまりができて、その空気だまりによる膨らみの影響で、溶着シール予定部も含めて包装袋のその周辺にシワが生じるという問題がある。本発明の一態様は、収容袋の開口部をシールする際に、収容袋に生じるシワを低減することを目的とする。

　上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る多結晶シリコン収容袋のシール装置は、多結晶シリコンが収容された収容袋の開口部の内側に上方から挿入され、前記収容袋の内側に接触する接触部材と、前記収容袋におけるシール箇所をシールするシール部材と、前記収容袋の前記開口部に挿入された前記接触部材について、前記シール箇所を平坦化するべく前記開口部における少なくとも２点を引っ張るように駆動する駆動機構と、前記シール箇所よりも下方の位置を挟持するとともに、前記駆動機構により前記シール箇所が平坦化された状態の前記収容袋における前記開口部に沿った長さである第１距離よりも短い第２距離に亘って前記収容袋を挟持することが可能な挟持部材と、を備える。

　本発明の一態様に係る多結晶シリコン充填物の製造方法は、多結晶シリコンが収容された収容袋の開口部の上方から接触部材を挿入し、前記収容袋の内側に前記接触部材を接触させる接触工程と、前記収容袋の前記開口部に挿入された前記接触部材について、前記収容袋のシール箇所を平坦化するべく前記開口部における少なくとも２点を引っ張るように駆動する駆動工程と、前記収容袋の前記シール箇所よりも下方の位置を、前記駆動工程により前記シール箇所が平坦化された状態の前記収容袋における前記開口部に沿った長さである第１距離よりも短い第２距離に亘って、挟持部材を用いて挟持する挟持工程と、前記シール箇所をシールして前記収容袋を前記多結晶シリコンの充填物とするシール工程と、を含む。

　本発明の一態様によれば、収容袋の開口部をシールする際に、収容袋に生じるシワを低減することができる。

本発明の実施形態１に係る多結晶シリコン充填物の製造装置の構成を示す斜視図である。図１に示す製造装置が備える多結晶シリコン収容袋のシール装置の構成を示す正面図である。図２に示すシール装置の右側面図である。図２に示すシール装置の平面図である。本発明の実施形態１に係る多結晶シリコン充填物の製造方法の手順を示す図である。本発明の実施形態２に係るシール装置の構成を示す正面図である。

　〔実施形態１〕
　＜多結晶シリコン充填物の製造装置の構成＞
　図１は、本発明の実施形態１に係る多結晶シリコン充填物の製造装置１００の構成を示す斜視図である。製造装置１００は、多結晶シリコンＳ１が充填された多結晶シリコン充填物ＦＩを製造する装置である。図１に示すように、製造装置１００は、シール装置１と、コンベアＣ１と、コンベアＣ２と、を備える。

　コンベアＣ１は、多結晶シリコンＳ１が充填された収容袋Ｂ１を収容する収容ケースＣＡをシール装置１に搬送する。つまり、コンベアＣ１は、シール装置１に多結晶シリコンＳ１が収容された収容袋Ｂ１を搬入する搬入手段である。

　シール装置１は、多結晶シリコンＳ１が収容された収容袋Ｂ１に対してシールを行う装置である。シール装置１の詳細については後述する。コンベアＣ２は、シール装置１においてシールされた収容袋Ｂ１を収容する収容ケースＣＡを製造装置１００の外部に搬送する。つまり、コンベアＣ２は、シール装置１においてシールされた収容袋Ｂ１を多結晶シリコン充填物ＦＩとして搬出する搬出手段である。

　＜シール装置の構成＞
　図２は、図１に示す製造装置１００が備える多結晶シリコン収容袋のシール装置１の構成を示す正面図であり、図３は、図２に示すシール装置１の右側面図であり、図４は、図２に示すシール装置１の平面図である。

　なお、図２では、シール部材４０を省略しており、図３では、接触部材１０および駆動機構２０を省略しており、図４では、収容ケースＣＡ、多結晶シリコンＳ１、接触部材１０、駆動機構２０およびシール部材４０を省略している。また、図２～図４において、第１駆動部２１および第２駆動部２２が並ぶ方向をＸ軸方向、第１挟持部材３１および第２挟持部材３２が並ぶ方向をＹ軸方向、収容ケースＣＡが載置される載置面ＳＦに垂直な方向をＺ軸方向とする。

　図２および図３に示すように、シール装置１は、接触部材１０と、駆動機構２０と、挟持部材３０と、シール部材４０と、を備える。シール装置１は、コンベアＣ１によって搬送される、多結晶シリコンＳ１が収容された収容袋Ｂ１に対してシールを行う。

　図２に示すように、接触部材１０は、多結晶シリコンＳ１が収容された収容袋Ｂ１の開口部Ｂ２の内側に上方から挿入され、収容袋Ｂ１の内側に接触する。具体的には、例えば、接触部材１０は、第１治具１１と、第２治具１２と、を含むものであり、第１治具１１および第２治具１２のそれぞれは、収容袋Ｂ１の開口部Ｂ２の内側に上方から挿入され、収容袋Ｂ１の内側に接触するものである。

　第１治具１１は、第１部分１１Ａおよび第２部分１１Ｂを含む。第１部分１１Ａは、後述する第１駆動部２１に接続され、Ｘ軸方向に延伸する。第２部分１１Ｂは、第１部分１１ＡにおけるＸ軸の正の方向側の端部に接続され、Ｚ軸における負の方向に向かって延伸する。

　第２治具１２は、第１部分１２Ａおよび第２部分１２Ｂを含む。第１部分１２Ａは、後述する第２駆動部２２に接続され、Ｘ軸方向に延伸する。第２部分１２Ｂは、第１部分１２ＡにおけるＸ軸の負の方向側の端部に接続され、Ｚ軸における負の方向に向かって延伸する。

　駆動機構２０は、収容袋Ｂ１の開口部Ｂ２に挿入された接触部材１０について、収容袋Ｂ１におけるシール箇所ＳＥを平坦化するべく開口部Ｂ２における少なくとも２点を引っ張るように駆動する。具体的には、例えば、駆動機構２０は、第１治具１１と第２治具１２とを互いに離れるように移動させることにより、開口部Ｂ２の両端を引っ張りシール箇所ＳＥを平坦化するものである。

　上記構成によれば、収容袋Ｂ１の上部の膨らみを低減させることができ、収容袋Ｂ１の内部の余分な空気を外に排出することができる。また、第１治具１１および第２治具１２を移動させるという簡易な構成で、シール箇所ＳＥを平坦化することができる。これにより、シール装置１の低コスト化を実現することができる。

　また、駆動機構２０は、第１駆動部２１と、第２駆動部２２と、を含むものである。第１駆動部２１は、第１部分１１ＡをＸ軸方向に移動させる。第２駆動部２２は、第１部分１２ＡをＸ軸方向に移動させる。第１駆動部２１および第２駆動部２２は、Ｚ軸方向に移動する。

　第２部分１１Ｂ，１２Ｂが開口部Ｂ２の内側に挿入される前において、第２部分１１Ｂ，１２ＢがＸ軸方向に沿った開口部Ｂ２の略中心に位置するとともに互いに接触する状態である。この状態で、第１駆動部２１がＺ軸における負の方向に移動することにより、第２部分１１ＢもＺ軸における負の方向に移動して開口部Ｂ２の内側に挿入される。また、第２駆動部２２がＺ軸における負の方向に移動することにより、第２部分１２ＢもＺ軸における負の方向に移動して開口部Ｂ２の内側に挿入される。

　また、第１駆動部２１が第１部分１１ＡをＸ軸における負の方向に移動させることにより、第２部分１１Ｂが開口部Ｂ２の一端に接触する。第２駆動部２２が第１部分１２ＡをＸ軸における正の方向に移動させることにより、第２部分１２Ｂが開口部Ｂ２の他端に接触する。この状態からさらに、第１駆動部２１が第１部分１１ＡをＸ軸における負の方向に所定距離だけ移動させ、第２駆動部２２が第１部分１２ＡをＸ軸における正の方向に所定距離だけ移動させることにより、開口部Ｂ２の両端が第２部分１１Ｂ，１２Ｂによって引っ張られる。

　挟持部材３０は、収容袋Ｂ１におけるシール箇所ＳＥよりも下方の位置を挟持する。図３に示すように、挟持部材３０は、第１挟持部材３１および第２挟持部材３２を含む。第１挟持部材３１は、第１支持部３１Ａおよび第１接触部３１Ｂを含む。図４に示すように、第１接触部３１Ｂは、第１支持部３１Ａに固定されており、第１接触面ＣＦ１を有する。第２挟持部材３２は、第２支持部３２Ａおよび第２接触部３２Ｂを含む。第２接触部３２Ｂは、第２支持部３２Ａに固定されており、第２接触面ＣＦ２を有する。第１接触部３１Ｂおよび第２接触部３２Ｂは樹脂製であり、第１接触面ＣＦ１および第２接触面ＣＦ２も樹脂製である。

　上記構成によれば、駆動機構２０が開口部Ｂ２の両端を引っ張るだけの場合に比べて、収容袋Ｂ１の上部の膨らみをより低減させることができるとともに、収容袋Ｂ１の内部の余分な空気をより多く外に排出することができる。また、シール箇所ＳＥについてもより平坦化することができる。

　第１接触部３１ＢにおけるＸ軸方向に沿った長さである第２距離Ｄ２は、駆動機構２０によりシール箇所ＳＥが平坦化された状態の収容袋Ｂ１における開口部Ｂ２に沿った長さである第１距離Ｄ１よりも短い。また、第２接触部３２ＢにおけるＸ軸方向に沿った長さは、第２距離Ｄ２に等しい。挟持部材３０は、第１挟持部材３１および第２挟持部材３２によって収容袋Ｂ１を挟持する。このとき、第１接触面ＣＦ１および第２接触面ＣＦ２が収容袋Ｂ１の外側面に接触する。よって、挟持部材３０は、第２距離Ｄ２に亘って収容袋Ｂ１を挟持することが可能なものである。

　図３に示すように、シール部材４０は、収容袋Ｂ１におけるシール箇所ＳＥをシールする。シール部材４０は、第１シール部材４１および第２シール部材４２を含む。シール部材４０は、第１シール部材４１および第２シール部材４２により、収容袋Ｂ１におけるシール箇所ＳＥに対して、Ｙ軸における正の方向側および負の方向側の両側からシールする。

　第１シール部材４１および第２シール部材４２のそれぞれにはヒーターが内蔵されており、シール部材４０は、ヒーターを用いてシール箇所ＳＥを融着することにより、シール箇所ＳＥをシールする。シール箇所ＳＥは、駆動機構２０および挟持部材３０により平坦化されているため、シール部材４０におけるシール箇所ＳＥのシールの精度を向上することができる。つまり、収容袋Ｂ１の密閉性を向上することができる。

　以上により、シール装置１では、挟持部材３０が収容袋Ｂ１を挟持する長さ（第２距離Ｄ２）が、収容袋Ｂ１における開口部Ｂ２に沿った長さ（第１距離Ｄ１）よりも短い。このため、図４に示すように、挟持部材３０が収容袋Ｂ１を挟持している状態で、挟持部材３０による挟持箇所Ｐ１と収容袋Ｂ１の外端Ｅ１との間に空気が流れるようにすることができる。よって、収容袋Ｂ１の開口部Ｂ２をシールする際に、収容袋Ｂ１に生じるシワを低減することができる。

　また、収容袋Ｂ１に多結晶シリコンＳ１のような不定形のものが収容されることにより、収容袋Ｂ１の外周部に凹凸が生じ、収容袋Ｂ１の形状が不定となる場合であっても、収容袋Ｂ１に生じるシワを低減することができる。さらに、シール箇所ＳＥを容易に平坦化することができ、収容袋Ｂ１に収容されるものについて流動性があって転がり崩れることにより、収容袋Ｂ１自体の位置ずれ等が発生する可能性も低減することができる。

　その上、収容袋Ｂ１にシワがある状態でシール箇所ＳＥをシールする場合に比べて、シール箇所ＳＥにシールされていない部分が生じることを低減し、収容袋Ｂ１の密閉性を保つことができる。よって、シール箇所ＳＥでのシール強度が向上し、収容袋Ｂ１の外部の清浄ではない空気が収容袋Ｂ１の中に入ることを低減することができるため、高純度が要求される多結晶シリコンＳ１の品質に影響が及ぶことを低減することができる。

　また、収容袋Ｂ１に生じるシワを低減できるため、不定形の多結晶シリコンＳ１の突起部が収容袋Ｂ１のシワに引っ掛かったりすることを防止することができる。よって、当該突起部が収容袋Ｂ１のシワに引っ掛かった状態で収容袋Ｂ１に外力がかかることを防止することができるため、上記突起部が収容袋Ｂ１を突き破ることを防止することができる。

　さらに、上記突起部が収容袋Ｂ１のシワに引っ掛かることを防止することができるため、上記突起部により収容袋Ｂ１のシワ部分などが削られることなどを防止することができる。このため、収容袋Ｂ１に強度が弱い部分ができたり、上記突起部によって削られた収容袋Ｂ１の樹脂が、製品に混入する異物となること等を防止することができる。

　なお、第２距離Ｄ２は、第１距離Ｄ１に対して、６０％以上９５％以下の長さであってもよく、好ましくは６５％以上９０％以下の長さである。これにより、挟持部材３０による挟持箇所Ｐ１と収容袋Ｂ１の外端Ｅ１との間に流れる空気の量が適正化され、収容袋Ｂ１の開口部Ｂ２をシールする際に、収容袋Ｂ１に生じるシワを効果的に低減することができる。

　また、上述した通り、挟持部材３０における収容袋Ｂ１との接触面が樹脂製であるだけではなく、接触部材１０における収容袋Ｂ１との接触面も樹脂製であってもよく、シール部材４０における収容袋Ｂ１との接触面も樹脂製であってもよい。つまり、接触部材１０、挟持部材３０およびシール部材４０のうち少なくとも１つは、収容袋Ｂ１との接触面が樹脂製であってもよい。

　接触部材１０における収容袋Ｂ１との接触面が樹脂製である場合、接触部材１０の当該接触面は、収容袋Ｂ１の内側面と接触する。シール部材４０における収容袋Ｂ１との接触面が樹脂製である場合、シール部材４０の当該接触面は、収容袋Ｂ１の外側面と接触する。これにより、収容袋Ｂ１に接する接触面について樹脂製とされているので、収容袋Ｂ１の破れを防止することができる。特に接触部材１０を、樹脂製にしていることで、収容袋Ｂ１内の金属汚染を防止し、収容される多結晶シリコンＳ１をより清浄に保つことができる。

　さらに、第１治具１１および第２治具１２について、第２部分１１Ｂ，１２ＢにおけるＺ軸方向に沿った長さが、第２部分１１Ｂ，１２Ｂの下端が挟持部材３０よりも下方に位置する程度の長さであってもよい。この場合、図４に示す挟持箇所Ｐ１と収容袋Ｂ１の外端Ｅ１との間に、第２部分１１Ｂ，１２Ｂが挿入された状態となる。挟持部材３０によって収容袋Ｂ１が挟持された状態で、第１駆動部２１および第２駆動部２２がＺ軸における正の方向に移動することにより、第２部分１１Ｂ，１２Ｂがシール箇所ＳＥよりも上の位置まで移動する。このとき、第２部分１１Ｂ，１２Ｂの間の距離は維持される。この後、シール部材４０によりシール箇所ＳＥがシールされる。

　＜多結晶シリコン充填物の製造方法＞
　図５は、本発明の実施形態１に係る多結晶シリコン充填物の製造方法の手順を示す図である。図５の符号１０１は、Ｚ軸における負の方向に向かって収容袋Ｂ１を見たときの図を示し、図５の符号１０２は、Ｙ軸における正の方向に向かって収容袋Ｂ１を見たときの図を示す。符号１０１では、収容ケースＣＡ、多結晶シリコンＳ１および駆動機構２０を省略しており、符号１０２では、駆動機構２０を省略している。

　符号１０１Ａおよび符号１０２Ａに示すように、収容袋Ｂ１に多結晶シリコンＳ１が収容されているものとする。このとき、駆動機構２０は、符号１０１Ｂおよび符号１０２Ｂに示すように、多結晶シリコンＳ１が収容された収容袋Ｂ１の開口部Ｂ２の上方から接触部材１０を挿入し、収容袋Ｂ１の内側に接触部材１０を接触させる。

　また、駆動機構２０は、収容袋Ｂ１の開口部Ｂ２に挿入された接触部材１０について、収容袋Ｂ１のシール箇所ＳＥを平坦化するべく開口部Ｂ２における少なくとも２点を引っ張るように駆動する。挟持部材３０は、収容袋Ｂ１のシール箇所ＳＥよりも下方の位置を挟持する。

　挟持部材３０が収容袋Ｂ１の挟持を解除した後、符号１０１Ｃおよび符号１０２Ｃに示すように、シール部材４０は、収容袋Ｂ１のシール箇所ＳＥをシールする。多結晶シリコンＳ１を収容し、シール箇所ＳＥがシールされた収容袋Ｂ１を多結晶シリコン充填物ＦＩとする。具体的には、シール部材４０は、挟持部材３０が収容袋Ｂ１の挟持を解除した後、所定時間以内に、シール箇所ＳＥをシールしてもよい。

　上記構成によれば、シール部材４０がシールする前に挟持部材３０が収容袋Ｂ１の挟持を解除する。このため、収容袋Ｂ１において、挟持部材３０に挟持されている箇所よりも上方に存在する空気が、当該箇所よりも下側に流れるので、収容袋Ｂ１に生じるシワを低減することができる。

　第１駆動部２１および第２駆動部２２がＺ軸における正の方向に移動することにより、符号１０１Ｄおよび符号１０２Ｄに示すように、接触部材１０が引き上げられ、シール部材４０が収容袋Ｂ１から離される。

　＜第１変形例＞
　第１駆動部２１がＺ軸方向に移動する代わりに、第１駆動部２１は、第２部分１１Ｂを第１部分１１Ａに対してＺ軸方向に移動させてもよい。また、第２駆動部２２がＺ軸方向に移動する代わりに、第２駆動部２２は、第２部分１２Ｂを第１部分１２Ａに対してＺ軸方向に移動させてもよい。

　この場合、第１駆動部２１が第２部分１１ＢをＺ軸における負の方向に移動させ、第２駆動部２２が第２部分１２ＢをＺ軸における負の方向に移動させることにより、第２部分１１Ｂ，１２Ｂが開口部Ｂ２の内側に挿入される。また、第１駆動部２１が第２部分１１ＢをＺ軸における正の方向に移動させ、第２駆動部２２が第２部分１２ＢをＺ軸における正の方向に移動させることにより、第２部分１１Ｂ，１２Ｂがシール箇所ＳＥよりも上の位置まで移動する。

　＜第２変形例＞
　第２部分１１Ｂ，１２Ｂが開口部Ｂ２の内側に挿入される前において、第２部分１１Ｂ，１２ＢがＸ軸方向に沿った開口部Ｂ２の略中心に位置するとともに互いに離れている状態であってもよい。この状態で、第１駆動部２１がＺ軸における負の方向に移動することにより、第２部分１１ＢもＺ軸における負の方向に移動して開口部Ｂ２の内側に挿入される。また、第２駆動部２２がＺ軸における負の方向に移動することにより、第２部分１２ＢもＺ軸における負の方向に移動して開口部Ｂ２の内側に挿入される。

　＜第３変形例＞
　第２部分１１Ｂ，１２Ｂが開口部Ｂ２の内側に挿入される前において、第２部分１１Ｂ，１２ＢがＸ軸方向に沿った開口部Ｂ２の略中心から、Ｘ軸における正の方向または負の方向のいずれかにずれた位置にあるとともに互いに接触する状態であってもよい。この状態で、第２部分１１ＢがＺ軸における負の方向に移動して開口部Ｂ２の内側に挿入され、第２部分１２ＢがＺ軸における負の方向に移動して開口部Ｂ２の内側に挿入される。

　また、第１駆動部２１が第１部分１１ＡをＸ軸における負の方向に移動させることにより、第２部分１１Ｂが開口部Ｂ２の一端に接触する。第２駆動部２２が第１部分１２ＡをＸ軸における正の方向に移動させることにより、第２部分１２Ｂが開口部Ｂ２の他端に接触する。このとき、第２部分１１Ｂが開口部Ｂ２の一端に接触すると同時に、第２部分１２Ｂが開口部Ｂ２の他端に接触するように、第１駆動部２１および第２駆動部２２はそれぞれ、第１部分１１Ａ，１２ＡをＸ軸方向に移動させる速度を調整する。

　なお、第３変形例では、第２部分１１Ｂ，１２Ｂが開口部Ｂ２の内側に挿入される前において、第２部分１１Ｂ，１２ＢがＸ軸方向に沿った開口部Ｂ２の略中心から、Ｘ軸における正の方向または負の方向のいずれかにずれた位置にあるとともに互いに離れている状態であってもよい。

　〔実施形態２〕
　本発明の実施形態２について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態１にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図６は、本発明の実施形態２に係るシール装置２の構成を示す正面図である。製造装置１００は、シール装置１に代えてシール装置２を備えてもよい。

　図６に示すように、シール装置２は、シール装置１に比べて、接触部材１０および駆動機構２０がそれぞれ、接触部材１０Ａおよび駆動機構２０Ａに変更されている点が異なる。接触部材１０Ａは、単一の部材であり、Ｘ軸方向に伸縮可能なものである。接触部材１０Ａは、多結晶シリコンＳ１が収容された収容袋Ｂ１の開口部Ｂ２の内側に上方から挿入され、収容袋Ｂ１の内側に接触する。

　駆動機構２０Ａは、接触部材１０Ａと電気的に接続されており、接触部材１０Ａに制御信号を送信することにより、接触部材１０Ａを伸縮させる。駆動機構２０Ａは、接触部材１０Ａを伸ばすように駆動することにより、収容袋Ｂ１の開口部Ｂ２に挿入された接触部材１０Ａについて、シール箇所ＳＥを平坦化するべく開口部Ｂ２における少なくとも２点を引っ張るように駆動する。

　〔まとめ〕
　本発明の一態様に係る多結晶シリコン収容袋のシール装置は、多結晶シリコンが収容された収容袋の開口部の内側に上方から挿入され、前記収容袋の内側に接触する接触部材と、前記収容袋におけるシール箇所をシールするシール部材と、前記収容袋の前記開口部に挿入された前記接触部材について、前記シール箇所を平坦化するべく前記開口部における少なくとも２点を引っ張るように駆動する駆動機構と、前記シール箇所よりも下方の位置を挟持するとともに、前記駆動機構により前記シール箇所が平坦化された状態の前記収容袋における前記開口部に沿った長さである第１距離よりも短い第２距離に亘って前記収容袋を挟持することが可能な挟持部材と、を備える。

　前記構成によれば、挟持部材が収容袋を挟持する長さ（第２距離）が、収容袋における開口部に沿った長さ（第１距離）よりも短いため、挟持部材が収容袋を挟持している状態で、挟持部材による挟持箇所と収容袋の外端との間に空気が流れるようにすることができる。よって、収容袋の開口部をシールする際に、収容袋に生じるシワを低減することができる。

　前記接触部材は、第１治具と、第２治具とを含むものであり、前記第１治具および前記第２治具のそれぞれは、前記収容袋の前記開口部の内側に上方から挿入され、前記収容袋の内側に接触するものであり、前記駆動機構は、前記第１治具と前記第２治具とを互いに離れるように移動させることにより、前記開口部の両端を引っ張り前記シール箇所を平坦化するものであってもよい。前記構成によれば、第１治具および第２治具を移動させるという簡易な構成で、シール箇所を平坦化することができる。これにより、シール装置の低コスト化を実現することができる。

　前記シール部材は、前記挟持部材が前記収容袋の挟持を解除した後、所定時間以内に、前記シール箇所をシールするものであってもよい。前記構成によれば、シール部材がシールする前に挟持部材が収容袋の挟持を解除するので、収容袋において、挟持部材に挟持されている箇所よりも上方に存在する空気が、当該箇所よりも下側に流れるので、収容袋に生じるシワを低減することができる。

　前記第２距離は、前記第１距離に対して、６０％以上９５％以下の長さであってもよい。前記構成によれば、挟持部材による挟持箇所と収容袋の外端との間に流れる空気の量が適正化され、収容袋の開口部をシールする際に、収容袋に生じるシワを効果的に低減することができる。

　前記接触部材、前記シール部材および前記挟持部材のうち少なくとも１つは、前記収容袋との接触面が樹脂製であってもよい。前記構成によれば、収容袋に接する接触面について樹脂製とされているので、収容袋の破れを防止することができる。特に接触部材を、樹脂製にしていることで、収容袋内の金属汚染を防止し、収容される多結晶シリコンをより清浄に保つことができる。

　本発明の一態様に係る多結晶シリコン充填物の製造装置は、前記シール装置と、前記シール装置に多結晶シリコンが収容された収容袋を搬入する搬入手段と、前記シール装置においてシールされた前記収容袋を多結晶シリコン充填物として搬出する搬出手段とを備えてもよい。

　本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

　１、２　シール装置
　１０、１０Ａ　接触部材
　１１　第１治具
　１２　第２治具
　２０、２０Ａ　駆動機構
　３０　挟持部材
　４０　シール部材
　１００　製造装置
　Ｂ１　収容袋
　Ｂ２　開口部
　Ｃ１　コンベア（搬入手段）
　Ｃ２　コンベア（搬出手段）
　ＣＦ１　第１接触面（接触面）
　ＣＦ２　第２接触面（接触面）
　Ｄ１　第１距離
　Ｄ２　第２距離
　ＦＩ　多結晶シリコン充填物
　Ｓ１　多結晶シリコン
　ＳＥ　シール箇所

Claims

　多結晶シリコンが収容された収容袋の開口部の内側に上方から挿入され、前記収容袋の内側に接触する接触部材と、
　前記収容袋におけるシール箇所をシールするシール部材と、
　前記収容袋の前記開口部に挿入された前記接触部材について、前記シール箇所を平坦化するべく前記開口部における少なくとも２点を引っ張るように駆動する駆動機構と、
　前記シール箇所よりも下方の位置を挟持するとともに、前記駆動機構により前記シール箇所が平坦化された状態の前記収容袋における前記開口部に沿った長さである第１距離よりも短い第２距離に亘って前記収容袋を挟持することが可能な挟持部材と、を備えることを特徴とする、多結晶シリコン収容袋のシール装置。
　前記接触部材は、第１治具と、第２治具とを含むものであり、
　前記第１治具および前記第２治具のそれぞれは、前記収容袋の前記開口部の内側に上方から挿入され、前記収容袋の内側に接触するものであり、
　前記駆動機構は、前記第１治具と前記第２治具とを互いに離れるように移動させることにより、前記開口部の両端を引っ張り前記シール箇所を平坦化するものであることを特徴とする請求項１に記載のシール装置。
　前記シール部材は、前記挟持部材が前記収容袋の挟持を解除した後、所定時間以内に、前記シール箇所をシールするものであることを特徴とする請求項１または２に記載のシール装置。
　前記第２距離は、前記第１距離に対して、６０％以上９５％以下の長さであることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載のシール装置。
　前記接触部材、前記シール部材および前記挟持部材のうち少なくとも１つは、前記収容袋との接触面が樹脂製であることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載のシール装置。
　請求項１から５のいずれか１項に記載のシール装置と、
　前記シール装置に多結晶シリコンが収容された収容袋を搬入する搬入手段と、
　前記シール装置においてシールされた前記収容袋を多結晶シリコン充填物として搬出する搬出手段とを備えていることを特徴とする多結晶シリコン充填物の製造装置。
　多結晶シリコンが収容された収容袋の開口部の上方から接触部材を挿入し、前記収容袋の内側に前記接触部材を接触させる接触工程と、
　前記収容袋の前記開口部に挿入された前記接触部材について、前記収容袋のシール箇所を平坦化するべく前記開口部における少なくとも２点を引っ張るように駆動する駆動工程と、
　前記収容袋の前記シール箇所よりも下方の位置を、前記駆動工程により前記シール箇所が平坦化された状態の前記収容袋における前記開口部に沿った長さである第１距離よりも短い第２距離に亘って、挟持部材を用いて挟持する挟持工程と、
　前記シール箇所をシールして前記収容袋を前記多結晶シリコンの充填物とするシール工程と、を含む多結晶シリコン充填物の製造方法。