JP5302106B2 - 包装機における縦ヒートシールユニット - Google Patents

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この発明は、縦型製袋充填包装機のような包装機に用いられており、筒状包装材の重ね合わされた両側端縁部をヒートシールする包装機における縦ヒートシールユニットに関する。
従来、シート状の包装フィルムの両側端縁部を縦ヒートシールして筒状に曲成し、横ヒートシールして袋状とし、その袋内に包装物を充填して密封し、袋詰包装体を製作する自動包装機が実用化されている。かかる自動包装機においては、包装材の送りを縦方向とし、筒状の包装材の上方から包装物を投入・充填する縦型製袋充填機が知られている。
縦型製袋充填機の一例として、特許文献1に開示されているものがある。この縦型製袋充填機は、包装物が投入されるホッパーの下方に円筒形状の充填筒(ガイドパイプ)を接続し、充填筒はシート状の包装材を筒状の包装材に曲成するフォーマと組み合わされている。フォーマの正面の下方には、開閉作動する一対の縦ヒートシーラが充填筒の正面直立面に近接して配置され、フォーマの両側下には充填筒の両側に接して一対の送りベルトが設けられている。
かかる縦型製袋充填機によれば、シート状の包装フィルムは、フォーマと充填筒との間に送り込まれて筒状に曲成され、更に充填筒に沿って筒状に案内走行されて、その合わせ両側端部が合掌状に重ね合わされる。一対の縦ヒートシーラは、その両側端部を挟み込んで縦ヒートシールして筒状包装材を成形し、一対の送りベルトが充填筒の表面との間で筒状包装材を挟んで、その送り作用によって下方に送り出す。
一対の縦ヒートシーラを開閉可能に備える縦シールユニットは、取付け台の四隅に設けられた軸受けによって、縦シーラの側面に上下二対のスライド軸をスライド可能に支持し、取付け台の上下二対の中間位置にエアシリンダを備え、エアシリンダの作動軸の先端を縦ヒートシーラに連結して、エアシリンダの作動によって一対の縦ヒートシーラを開閉作動させている。また、取付け台を縦ヒートシーラごと充填筒に対して進退可能とすることによって、充填筒の大きさ(即ち、製造される袋の横幅の大きさ)に合わせて縦ヒートシーラの相対位置を調整することができるようにしている。
しかしながら、従来の縦ヒートシールユニットは、包装材の重ね合わされた両側端縁部を合掌状に挟み込んで圧力をかけた状態で熱を与えてヒートシールを行うものであり、ヒートシーラ間の厚みを精度良く管理しようとするものではなかった。また、別途センサを設けてヒートシーラブロック又はヒートシーラに設けたローラの位置を検出しようとしているが、微細な位置検出をすることまではできないものである。
即ち、縦ヒートシールユニットにおいては、図5に示すように、筒状包装材Ftの両側端縁部e,eを合掌状に挟む構造であって作動機構(ねじ作動機構)38が存在している部分では両側端縁部e,eが存在できないので、縦ヒートシーラ部35,35は通常、ヒータブロック33,33の本体において充填筒36に近接する側に偏って配置されており、縦ヒートシーラ部35,35が設けられる位置がヒータブロック33,33を開閉させる作動機構38が配設される位置からオフセットするのは避けられない。こうした配置により、縦ヒートシーラ部35,35は作動機構38によって片持ち状態にあるヒータブロック33,33の先端部に配置されているといえる。
このような構造においては、ヒータブロック33,33が作動機構38の作動によって互いに接近して両縦ヒートシーラ部35,35が筒状包装材Ftの両側端縁部e,eを合掌状に挟んでヒートシールをすると、両側端縁部e,eを押し付ける力が均一にならないとともに不安定化し、良好な縦シールを得ることができていないことが判ってきた。また、スライド軸の撓み等、各所のガタに起因した誤差が蓄積して、精度上、70〜100μm程度は誤差が生じるのは避けられないのが普通である。作動機構38を片側のみのボールねじ、或いは両側の左右ねじとしても、縦ヒートシーラ部35,35の位置がふらつくことは避けられなない。
実開昭58−16900号公報
そこで、本発明者は、こうした現象の発生について、作動機構の作動によってヒータブロックに対して大きな押付け力が作用すると、作動機構による押付け力の作用位置と縦ヒートシーラ部とがオフセットしていることに起因して、図5に示すようにヒータブロック33,33が片持ち梁のように曲げ様の変形を生じることに原因があることを突き止めた(図5では変形が誇張して描かれている。また、図5でヒータブロックが曲げ変形をしないとする理想状態を想像線で示す)。ヒータブロック33,33の曲げ変形等が積み重なるため、サーボモータの回転出力に基づいて計算されるヒータブロック33,33の接近距離と縦ヒートシーラ部の実際のシール挟込み距離との間には大きな誤差が生じる。そこで、包装機の縦ヒートシールユニットにおいては、縦ヒートシール時にヒータブロックが片持ち梁のようにはならないように工夫を施した構造とする点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、筒状包装材の両側端縁部を合掌状に挟んでヒートシールをする際に、両側端縁部を押し付ける力を均一・安定化し、良好な縦シールを得ることができる包装機における縦ヒートシールユニットを提供することであり、また、縦ヒートシーラの微細な位置を検出可能にし、微小な異物の挟み込みや、包装材の存否、皺の発生、或いは側端縁部の重なり異常、厚み異常をも検出可能にする包装機における縦ヒートシールユニットを提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明による包装機における縦ヒートシールユニットは、縦方向に延びるヒートシーラ部を有する二つの対向するヒータブロックと、当該両ヒータブロックに駆動力を作用させて前記両ヒータブロックを互いに接離させる駆動機構とを備え、前記駆動機構による前記駆動力に基づいて前記両ヒートシーラ部間に挟み込んだ筒状包装材の重ね合わされた両側端縁部をヒートシールする包装機における縦ヒートシールユニットにおいて、前記両ヒータブロックには、前記両側端縁部のヒートシール時に、前記ヒートシーラ部との間で前記駆動機構による前記駆動力の作用位置を挟む位置に、互いに当接する当接部を設けたことを特徴としている。
この包装機における縦ヒートシールユニットによれば、両ヒータブロックには、縦シール面を与える縦ヒートシーラ部との間で駆動機構による駆動力の作用位置を挟む位置に、当たり面を設けているので、縦ヒートシーラ部によってフィルムを挟むときに、駆動力の作用位置の前方では縦ヒートシーラ部が筒状包装材の重ね合わされた両側端縁部を挟み込むが、駆動力の作用位置の後方では当たり面が互いに当接することになる。したがって、縦ヒートシーラ部は、駆動力の作用位置から見て片持ち状態の先端部に設けられることにはならずに、ヒータブロックの変形を大きく減じることができる。
この包装機における縦ヒートシールユニットにおいて、前記駆動機構は、前記両ヒータブロックに対して互いに逆方向にねじ係合する左右のボールねじであるとすることができる。
また、この包装機における縦ヒートシールユニットにおいて、前記各ヒータブロックに前記当接部を設けるとしたときには、当該当接部は前記各ヒータブロックの縦方向両端部にそれぞれ設けることができる。この場合、両当接部は前記ヒートシーラ部から最も離れた二つの部位に設けることができる。更に、固定フレームに対して前記各ヒータブロックの互いに接離する横方向の移動を案内する少なくとも一本の横スライド軸を設けることができる。前記横スライド軸は、前記ヒータブロックへの前記駆動力の前記作用位置よりも前記ヒートシーラ部から遠い側に置くことが好ましい。
この発明による包装機における縦ヒートシールユニットは、上記のように構成されているので、両ヒータブロックの縦ヒートシール部が筒状包装材の重なり合わされた両側端縁部を挟んでヒートシールをする時に、縦ヒートシール部と当接部とが駆動機構の押付け力の作用位置の前後両側で支えるため、ヒータブロックが片持ち状に曲げ変形するのを防止することができる。その結果、この包装機における縦ヒートシールユニットによれば、筒状包装材をヒートシールをする際に、両側端縁部を押し付ける力を均一・安定化し、良好な縦シールを得ることができる。
また、この包装機における縦ヒートシールユニットによれば、縦ヒートシーラ部の位置の誤差が非常に小さくなるので、駆動機構を駆動するサーボモータの出力を見ることなどによって縦ヒートシーラ部の微細な位置を検出可能にし、縦ヒートシーラ部間での微小な異物の挟み込みや、包装材の存否、皺の発生、或いは側端縁部の重なり異常、厚み異常をも検出可能にすることができる。
図1は、この発明による包装機における縦ヒートシールユニットの正面図である。 図2は、図1に示す包装機における縦ヒートシールユニットの上面図である。 図3は、図1に示す包装機における縦ヒートシールユニットの主要部についての右側面図である。 図4は、図1に示す包装機における縦ヒートシールユニットの主要部についての左側面図である。 図5は、従来の包装機における縦ヒートシールユニットの説明図である。
以下、添付した図面に基づいて、この発明による包装機における縦ヒートシールユニットの実施例を説明する。なお、縦ヒートシールユニットにおいて、前方とは筒状包装材の両側端縁部を挟み込む側を言う。後方とは、その位置から遠ざかる方向を言う。
この縦ヒートシールユニットは、縦型製袋充填機に適用されており、縦型製袋充填機それ自体は、フォーマで筒状に曲成された包装材の重ね合わされた両側端縁部を縦ヒートシールユニットで挟み込みつつヒートシールして筒状包装材に成形し、フォーマ内を通して配置した充填筒に製品を投入し、製品が投入・充填された筒状包装材を、製品を縦方向に挟む二つの位置で横ヒートシーラによって横方向にヒートシールすることによって、袋を製作しつつ製品が充填された袋包装体を連続して製造する自動包装機として周知のものであるので、ここでの更に詳細な説明を省略する。
図1に示す縦ヒートシールユニット1は、一対の互いに対向配置されたヒータブロックホルダ2,2を備えており、各ヒータブロックホルダ2は、ボルト4,4によって一体的に固定されたヒータブロック3を備えている。ヒータブロック3の内部には図示をしないが、ヒータが埋設されており、自動包装機の運転状態では、ヒータブロック3をヒートシールに必要な温度に加熱している。両ヒータブロック3,3の対向する前方先端部は、縦ヒートシーラ部5,5となっており、筒状包装材Ftの重なり合わされた両側端縁部e,eを挟んで押付け力で加圧しながら熱を与えることにより、ヒートシールをする。
ヒータブロックホルダ2,2の後方と両側方を囲むように、自動包装機の固定フレーム20が配置されている。固定フレーム20の上下左右の四隅には横スライド軸21,21の支持部22〜22が設けられており、ヒータブロックホルダ2,2は、固定フレーム20に対して、上下の2本の横スライド軸21,21によって互いに接近離反する方向にガイドされる。固定フレーム20には、その一方側(図では向かって右側)にサーボモータ25が取り付けられており、その出力軸26には歯車減速機27が接続されている。歯車減速機27の減速された出力回転は、ボールねじ28に出力される。
ボールねじ28には、それぞれ逆方向にねじを切ったねじ部29a,29bが設けられており、一方のヒータブロックホルダ2にはねじ部29aが、また他方のヒータブロックホルダ2にはねじ切り方向が異なったねじ部29bが螺合している。したがって、ボールねじ28が回転すると、その回転方向に応じたねじ部29a,29bのねじ作用によって、ヒータブロックホルダ2,2は横スライド軸21,21に対して低摩擦で互いに接近又は離反する方向に案内・移動される。接近するヒータブロックホルダ2,2に固定されているヒータブロック3,3の縦ヒートシーラ部5,5間に筒状包装材Ftの側端縁部e,eを挟み込み、サーボモータ25の出力を制御することによって挟み込み圧力を調整することができる。
駆動機構の出力軸であるボールねじ28は、ヒータブロックホルダ2,2に対して押付け力を作用させる。ボールねじ28のねじ軸位置は、一対の横スライド軸21,21よりも前方、即ち、縦ヒートシーラ部5,5寄りの位置に配置されている。また、各ヒータブロック3の縦方向両端部であって且つ縦ヒートシーラ部5から最も離れた二つの部位に当接部6,6が設けられている。当接部6,6は、縦ヒートシーラ部5,5の位置L2との間にボールねじ28のねじ軸位置L1を挟む位置L3に置かれており、図の例では、ボールねじ28のねじ軸位置L1よりも僅かに後方の位置に置かれている。
ヒートシール時に、ヒータブロックホルダ2,2がサーボモータ25の動作によって互いに接近し、ヒータブロック3,3の縦ヒートシーラ部5,5で筒状包装材Ftの両側端縁e,eを挟み込むと、ヒータブロック3,3は上下の各当接部6,6においても互いに当接する。ヒータブロック3,3は、ボールねじ28のねじ軸位置L1を挟んで前後の二つの位置で当接することになる。したがって、従来のように、ヒータブロック3,3において縦ヒートシーラ部5,5が当接した後に、ヒータブロック3,3のうち駆動機構の強い押付け力が作用する後方寄りの部分が更に接近して曲げ変形をするようなことはない。
ヒータブロック3,3の縦ヒートシーラ部5,5と当接部6,6とは、面一になるように面精度管理をしておけば、筒状包装材Ftの両側端縁e,eの厚み分に応じて、シール圧力を管理することができる。この構造においては、ヒータブロックホルダ2,2がボールねじ28の作動によって互いに接近し、両ヒータブロック3,3が筒状包装材Ftの両側端縁部e,eを合掌状に挟んでヒートシールをするときには、両側端縁部e,eへの押付け力が均一になって安定化し、良好な縦シールを得ることができる。また、この構造によればヒータブロックホルダ2,2の変形量が極めて少なくなるので、サーボモータ25の出力がヒータブロック3,3の位置を精度良く反映し、5〜10μm程度の精度を出すことができる。したがって、縦ヒートシーラ部5,5間に微小な異物を挟み込んだ場合、又は筒状包装材Ftの両側端縁部e,eに皺が生じる場合、包装材が欠けていて存在しない場合、或いは側端縁部の重なり異常、厚み異常がある場合も、それぞれ精度良く検出可能である。
本発明による縦ヒートシールユニットを筒状包装材の送り方向には不動のもの、即ち、縦方向には間欠動作をする自動包装機として説明したが、本発明はこれに限らず、固定フレーム10を筒状包装材の送りに応じて上下に往復運動をさせる、包装材が連続送りされる自動包装機についても適用可能であることは明らかである。また、本発明による縦ヒートシールユニットを縦型の製袋充填包装機のような自動包装機に適用した例について説明したが、本発明は、縦型の自動包装機のみならず、筒状包装材が包装時に横方向に移動される横型の自動包装機に適用可能であることも明らかである。
1 縦ヒートシールユニット 2,2 ヒータブロックホルダ
3 ヒータブロック 4,4 ボルト
5,5 縦ヒートシーラ部 6,6 当接部
20 固定フレーム 21,21 横スライド軸
22 支持部
25 サーボモータ 26 出力軸
27 歯車減速機 28 ボールねじ
29a,29b ねじ部

Claims (5)

  1. 縦方向に延びるヒートシーラ部を有する二つの対向するヒータブロックと、当該両ヒータブロックに駆動力を作用させて前記両ヒータブロックを互いに接離させる駆動機構とを備え、前記駆動機構による前記駆動力に基づいて前記両ヒートシーラ部間に挟み込んだ筒状包装材の重ね合わされた両側端縁部をヒートシールする包装機における縦ヒートシールユニットにおいて、
    前記両ヒータブロックには、前記両側端縁部のヒートシール時に、前記ヒートシーラ部との間で前記駆動機構による前記駆動力の作用位置を挟む位置に、互いに当接する当接部を設けたことを特徴とする包装機における縦ヒートシールユニット。
  2. 前記駆動機構は、前記両ヒータブロックに対して互いに逆方向にねじ係合する左右のボールねじであることを特徴とする請求項1に記載の包装機における縦ヒートシールユニット。
  3. 前記当接部は、前記各ヒータブロックの縦方向両端部であって且つ前記ヒートシーラ部から最も離れた二つの部位に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装機における縦ヒートシールユニット。
  4. 固定フレームに対して前記各ヒータブロックの互いに接離する横方向の移動を案内する少なくとも一本の横スライド軸が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装機における縦ヒートシールユニット。
  5. 前記両側端縁部のヒートシール時における前記ヒートシーラ部の微細な位置を検出可能にし、前記両ヒートシーラ部間における微小な異物の挟み込みや前記両ヒートシーラ部間に挟み込んだ前記筒状包装材の存否、皺、或いは重なりの厚み異常等の前記両ヒートシーラ部間のシール異常状態を検出可能にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装機における縦ヒートシールユニット。
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