WO2022209943A1 - 生体試料中のマイクロrnaの検出方法、中性アミノ酸の塩酸塩の組成物および容器 - Google Patents

生体試料中のマイクロrnaの検出方法、中性アミノ酸の塩酸塩の組成物および容器 Download PDF

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Abstract

マイクロRNAを含む生体試料を採取後、保存の工程を経ると、検出量が低下する。また、結晶である中性アミノ酸の塩酸塩は、水に溶解させるためには比較的時間を要する。中性アミノ酸の塩酸塩は、酸性物質であり、皮膚刺激性および粘膜刺激性を有することから、取扱いにおいては安全面で注意を要する。本発明は、生体試料に酸を混合する工程、所定時間保存する工程、生体試料中のマイクロRNAを回収する工程、検出する工程を含むことを特徴とする、生体試料中のマイクロRNAの検出方法である。また、本発明は、中性アミノ酸の塩酸塩、水およびアルコールからなる、均質な半固体状の組成物を提供する。

Description

生体試料中のマイクロRNAの検出方法、中性アミノ酸の塩酸塩の組成物および容器
 本発明は、生体試料中のマイクロRNAの検出方法に関する。また、本発明は、中性アミノ酸の塩酸塩を含む組成物に関する。
 近年の遺伝子解析技術の発展により、生体試料中のマイクロRNAを検出し、疾患の診断や治療等に役立てようとする試みがなされている。血液等の生体試料中から疾患に関連するマイクロRNAを検出することにより、疾患をより早期に発見できる可能性がある。
 一方、これまでも様々な研究が行われてきた一般的なRNAと比べて、血液等の生体試料に含まれるマイクロRNAは他のRNAと比べて極微量であり、かつ生体試料に含まれるRNA分解酵素よって容易に分解される。特に癌の診断においてマーカーとするマイクロRNAは、血清や体液中において細胞外に存在するため、一般的な細胞内のRNAと比較すると特にRNA分解酵素の影響を受けやすい。
 このため、マイクロRNAの検出に使用する生体試料は、通常、生体試料を取得後すぐに検出に使用する。または、生体試料を取得後、冷凍等の方法でマイクロRNAの分解を抑えた状態で保存した上で検出に使用する必要がある。このように、マイクロRNAの検出においては、他のRNAの場合と比べて生体試料の取り扱いに一層の注意を要する。
 産業現場においては生体試料を取得する臨床現場とマイクロRNAの検出を行う検査機関とが離れている場合が多く、生体試料を臨床現場から検査機関まで輸送する数時間から数日間という長期間、生体試料を保存する必要がある。
 マイクロRNAの検出に使用する生体試料は、一般的に、-70℃以下の超低温で冷凍保存される。しかしながら、生体試料を超低温に保つための冷凍設備および輸送資材は高額であり、マイクロRNAの検出に使用する生体試料を冷凍以外の方法で長期間保存する方法が求められている。
 生体試料中のRNAの分解を抑制する方法としては、冷凍以外に、生体試料にグアニジウム塩を加えてRNA分解酵素を変性させる方法や、合成小分子阻害剤を混合する方法が知られている。しかし、より効果的で簡便な方法として、RNA分解酵素の活性が低下するpH領域に、生体試料のpHを調節し、RNAの分解を抑制する方法が知られている。
 特許文献1には、生体試料のpHをRNA分解酵素の活性が低下する4.0以下に調節することで、RNAの分解を抑制した後に、RNA分解酵素を不活化させ、その後、生体試料のpHを6.0より大きく調節し、RNAを利用する方法が記載されている。
 グリシン塩酸塩を含む中性アミノ酸の塩酸塩は、主に生化学分野において使用される化合物である。特に、抗体と抗原の結合を可逆的に解離させる性質を有することから、例えば、抗体のアフィニティ精製における抗体の溶出や、多重免疫染色における1次抗体の洗浄、赤血球に結合した自己抗体の検査などにおいて使用される。
 また、生化学以外の分野においても使用されており、水に難溶性の物質を可溶化させる性質を有することから、例えば、難溶性の多糖の可溶化にも使用される(非特許文献1)。
特開平8-508637号公報
Jornal of Applied Polymer Science, 123, 3772-3780 (2011).
 マイクロRNAを用いた疾患の診断や治療を行うためには、ごく微量であり分解されやすいマイクロRNAを、検出量を落とすことなく検出する手法が求められている。本発明はこのようなニーズに応えるものであり、マイクロRNAを含む生体試料から、長時間保存する工程を経た後でも、マイクロRNAの検出量を落とすことなく検出する方法を提供するものである。
 また、グリシン塩酸塩は常温で結晶性の固体である。上記の用途に使用する場合、水溶液の状態で使用されることが多い。グリシン塩酸塩の水溶液は、グリシン塩酸塩の固体(結晶)を水(蒸留水等)に溶解して調製されるが、完全に溶解させるためには、比較的時間を要することから十分な攪拌が必要であった。また、グリシン塩酸塩は酸性物質であり、皮膚刺激性および粘膜刺激性を有することから、固体状態(粉状)での飛散や水溶液状態での飛び跳ねを防ぐ等の必要があるなど、特に移動等の際の取り扱いにおいて安全面で注意を要した。本発明は、上記マイクロRNAの検出方法において簡便かつ安全に使用できる組成物を提供するものである。
 本発明者らは、冷凍以外の方法で長期間保存した生体試料から、保存前と同等のマイクロRNAの検出が可能かを検証するため、まずは冷凍せずに長期間保存した生体試料中のマイクロRNAの検出量を保存前後で比較した。
 疾患の診断や治療を目的とした場合、特定のマイクロRNAの定量値または、それら定量値の組み合わせによって算出した値によって、診断や治療に供することが行われている。この際、例えば、各マイクロRNAの検出量が70%未満まで減少すると、疾患の判断や治療に著しい支障が生じるが、90%未満に減少しても支障が生じることがある。ここで、定量するマイクロRNAの組み合わせは、対象の疾患や治療によって異なるため、すべてのマイクロRNAについて蛍光強度が減少しない条件を見出すことは現実的ではない。このため、各々のマイクロRNAについて検出量の変化を測定する代わりに、マイクロアレイにて検出されるすべてのマイクロRNAの蛍光強度の和によって、マイクロアレイに配置されているすべてのマイクロRNAの検出量の変化を推定する方法が知られている。本発明者らは、マイクロアレイ上の全マイクロRNAの蛍光強度の和をマイクロRNAの検出量として用い、生体試料の保存前に対して70%の検出量を、疾患の判断や治療に供することができる閾値として設定して検討を行った。
 後述する比較例4のとおり、血清を調節した後に23℃で48時間保存し、その後、マイクロRNAの検出を行った結果、マイクロRNAの検出量が保存前(比較例5)の28.9%に減少した。つまり、冷凍せずに長期間保存した生体試料中は、RNA分解酵素による分解の結果、保存前と比較してマイクロRNAの検出量が大幅に減少することが判明した。
 本発明者らは、上記課題を克服するために鋭意検討した結果、生体試料に酸を混合した後に、所定時間保存し、その後にマイクロRNAを回収することで、保存前と同等または同等以上のマイクロRNAを検出できることを見出した。
 また、発明者らは、前述のグリシン塩酸塩における溶解速度と安全性の課題を解決するため、より溶解性の高い中性アミノ酸の塩酸塩の組成物を見いだすために鋭意検討を行った結果、中性アミノ酸の塩酸塩、水およびアルコールからなる、均質な半固体状の組成物を見いだし、この組成物が、従来の中性アミノ酸の塩酸塩の固体(結晶)と比べて水溶性が改善された組成物であることを見出した。
 すなわち、本発明は、以下の(1)~(18)を提供する。
(1)生体試料中のマイクロRNAを検出する方法であって、
(A)生体試料に酸を混合し、生体試料混合液を得る工程、
(B)工程(A)により得られた生体試料混合液を保存する工程、
(D)工程(B)により得られた生体試料混合液からマイクロRNAを回収する工程、
(E)工程(D)により回収したマイクロRNAを検出する工程、
を含む、検出方法。
(2) 工程(A)において、得られる生体試料混合液のpHが2.0~4.0である、(1)に記載の検出方法。
(3) 工程(D)の前に、工程(B)により得られた生体試料混合液に塩基を混合し、pH6.0~9.0に調節する工程(C)を含む、(1)または(2)に記載の検出方法。
(4) 工程(C)において、調節するpHが7.5~9.0である、(3)に記載の検出方法。
(5) 前記生体試料が血液、血清または血漿である、(1)~(4)のいずれかに記載の検出方法。に記載の検出方法。
(6) 工程(A)において、用いられる酸が、グリシン塩酸塩、アラニン塩酸塩、クエン酸、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸またはシュウ酸である、(1)~(5)のいずれかに記載の検出方法。
(7) 工程(A)において、用いられる酸が、中性アミノ酸の塩酸塩、水、アルコールからなる均質な組成物であって、23℃において半固体状の組成物である、(1)~(5)のいずれかに記載の検出方法。
(8) 工程(B)において、生体試料混合液を保存する時間が96時間以内である、(1)~(7)のいずれかに記載の検出方法。
(9) 工程(B)において、生体試料混合液を保存する温度が1~30℃である、(1)~(8)のいずれかに記載の検出方法。
(10) 工程(C)において、用いられる塩基がトリスヒドロキシメチルアミノメタン、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸または2-ヒドロキシ-3-[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-1-プロパンスルホン酸である、(3)または(4)に記載の検出方法。
(11) 工程(E)において、マイクロRNAを検出する方法がマイクロアレイ法である、(1)~(10)のいずれかに記載の検出方法。
(12) 前記マイクロRNAが疾患マーカーとして用いるマイクロRNAである、(1)~(11)のいずれかに記載の検出方法。
(13) 前記疾患が癌または認知症である、(12)に記載の検出方法。
(14) (1)に記載の検出方法の工程(A)で酸として使用する、中性アミノ酸の塩酸塩、水、アルコールからなる均質な組成物であって、23℃において半固体状である、組成物。
(15) 前記組成物中の中性アミノ酸の塩酸塩の重量比が65wt%以上、70wt%以下、アルコールの重量比が2wt%以上、6wt%以下である、(14)に記載の組成物。
(16) 前記中性アミノ酸の塩酸塩がグリシン塩酸塩またはアラニン塩酸塩である、(14)または(15)に記載の組成物。
(17) 前記アルコールがメタノールまたはエタノールである、(14)~(16)のいずれかに記載の組成物。
(18) (14)~(17)のいずれかに記載の組成物が封入された、生体試料を保存する容器。
 本発明によれば、マイクロRNAを含む生体試料を、採取後、例えば冷凍条件でなく、長時間保存した後であっても、検出量を低下させることなくマイクロRNAを検出することができる。
 また、本発明の組成物は、中性アミノ酸の塩酸塩の固体と比較して、水に速やかに溶解させることができる。また、均質な半固体状の組成物であるため、中性アミノ酸の塩酸塩の固体や水溶液で課題であった、固体状態(粉状)での飛散や水溶液の飛び跳ねによる安全面の懸念がなく、特に移動等の際の取り扱いが容易である。
 本発明は、生体試料中のマイクロRNA検出方法であって、次の工程を含む。
(A)生体試料に酸を混合し、生体試料混合液を得る工程、
(B)当該工程(A)により得られた生体試料混合液を所定時間保存する工程、
(D)当該工程(B)により得られた生体試料混合液からマイクロRNAを回収する工程、
(E)当該工程(D)により回収したマイクロRNAを検出する工程。
以下、上記工程ごとに、本発明を説明する。
 本発明の工程(A)は、酸を混合し、生体試料混合液を得る工程である。好ましくは生体試料のpHを2.0~4.0に、さらに好ましくは2.5~4.0に調節することで、生体試料中のRNA分解酵素の活性が低下し、生体試料中のマイクロRNAの分解が抑制される。生体試料のpHを2.0以上に調節すると、マイクロRNAのリン酸ジエステル結合が酸加水分解により切断されることを防げるため好ましい。また生体試料のpHを4.0以下に調節すると、生体試料に含まれるRNA分解酵素の酵素活性を十分に低下させることができるため、好ましい。
 本発明で使用される生体試料は、マイクロRNAを含む生体から得られる試料をいう。具体的には、例えば、血清、血漿、全血、骨髄液、リンパ液、唾液、胆汁、膵液、腹水、体液、分泌物等が挙げられる。その他生体から得られた組織や培養細胞等の培養物であってもよい。
 また、生体試料は、生物から採取されたものであれば特に限定されるものではないが、ヒト由来のものであることが好ましい。本発明で使用される生体試料としては、特にヒト由来の、血液、血清または血漿が好ましく、ヒト由来の血清または血漿がより好ましい。
 生体試料を収集するための方法は、当技術分野において周知である。例えば、熟練した医療専門家などの採血者によって、採血針を使用して血液が吸引取得され、その後遠心分離により血清や血漿が取得され得る。
 生体試料に混合する酸は、当該工程において、生体試料と混合することが可能な酸である。本発明で使用される酸としては、例えば、グリシン塩酸塩、アラニン塩酸塩、クエン酸、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、シュウ酸等が挙げられる。特に、グリシン塩酸塩またはクエン酸が好ましい。また、中性アミノ酸の塩酸塩、水、アルコールからなる均質な組成物であって、23℃において半固体状の組成物も好ましい。
 生体試料と酸を混合する方法は、特に限定されるものではない。例えば、予め酸を入れておいた容器に、生体試料を投入し、マイクロピペット等を用いて、ピペッティング混合してもよい。または、例えば、予め酸を入れておいた密閉可能な容器に、生体試料を投入し、密閉した後、該容器をボルテックス等の振とう機にかけることにより混合してもよく、または、該容器を上下に転倒させることにより混合してもよい。特に、該容器を上下に転倒させることによる混合方法は、例えば、定期検診等の場合で用いられる健診車等の特殊な装置のない環境においても迅速に混合することができる。
 本発明の工程(B)は、生体試料混合液を所定時間保存する工程である。当該工程における所定時間とは、酸の混合による生体試料内のマイクロRNAの分解抑制効果を奏し得る時間であり、工程(D)に至るまでの時間を考慮し適宜決定することができる。
 例えば、工程(A)の後、一時作業を中断し、工程(A)で得られた生体試料混合液を保存し、その後マイクロRNAの回収および検出操作を行う場合、この保存された時間を当該工程の所定時間とすることができる。また、例えば、工程(A)において得られた生体試料混合液を一時保存した後、輸送する場合には、この保存時間と輸送時間との合計時間を当該工程における所定時間とすることができる。
 より具体的には、例えば、定期健診等の場合のように、採血者が生体試料を取得する場所と、マイクロRNAの回収および検出操作を行う場所とが離れており、生体試料混合液が密閉可能な容器に入れられたまま取得する場所で保存され、その後に輸送される場合には、この保存時間と輸送時間を当該工程の所定時間とすることができる。
 具体的には、所定時間は、本発明の効果が得られる時間として、1時間以上が好ましく、特に、実際に運用された場合、採血者が生体試料を取得する場所とマイクロRNAの回収および検出操作を行う場所とが離れている場合を考慮すると、24時間以上がより好ましく、48時間以上がさらに好ましい。
 一方で、本発明の効果が得られる時間は、温度や生体試料の種類により変動し得るが、所定時間としてはおおむね96時間以内が好ましい。
 工程Bにおける生体試料混合液の保存は、通常、生体試料の採取や輸送等が行われる温度条件、例えば冷凍条件を必要とせずに行うことができる。具体的には1~30℃、好ましくは15~25℃である。特に、工程(E)のマイクロRNAの検出において、例えばマイクロアレイ法において70%以上のマイクロRNAの検出量が得られる保存条件が好ましい。さらに好ましくは、90%以上のマイクロRNAの検出量が得られる保存条件が良い。
 本工程において、工程(D)の前に、工程(C)として、生体試料混合液に塩基を混合しpHを調節する工程を加えると好ましい。工程(C)にて調節するpHは、保存前と比較して同等のマイクロRNAを検出できる6.0~9.0であるとよい。好ましいpHは、保存前と比較して同等以上のマイクロRNAの検出することができる7.5~9.0であり、さらに好ましくは、7.5~8.5である。生体試料混合液のpHを6.0未満または9.0より大きく調節した場合、マイクロRNAの検出量が保存前と比較して低下するおそれがある。
 工程(C)で混合する塩基は、生体試料混合液と混合することでpHを6.0~9.0にすることが可能な塩基である。例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(トリシン)、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン)、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、2-ヒドロキシ-3-[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-1-プロパンスルホン酸(TAPSO)等が挙げられる。本発明で使用される塩基としては、特に、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが好ましい。
 生体試料混合液と塩基を混合する方法は、特に限定されるものではない。例えば、予め生体試料混合液を入れておいた容器に、塩基を投入し、マイクロピペット等を用いて、ピペッティング混合してもよい。または、例えば、予め生体試料混合液を入れておいた密閉可能な容器に、塩基を投入し密閉した後、該容器をボルテックス等の振とう機にかけることにより混合してもよく、または、該容器を上下に転倒させることにより混合してもよい。
 本発明の工程(D)は、マイクロRNAを抽出し回収する工程である。用いる回収方法は、核酸回収に関する技術分野において周知の方法が適用できる。例えば、フェノール・クロロホルム抽出法やカラムクロマトグラフィー法、エタノール沈殿法、磁気ビーズ吸着法等が挙げられる。
 本発明の工程(E)は、回収したマイクロRNAを検出する工程である。用いる検出方法は、核酸検出に関する技術分野において周知の方法が適用できる。例えば、マイクロアレイ法、PCR法、ノーザンブロッティング法、シーケンス解析法等が挙げられる。本発明で用いる方法としては、特に、マイクロアレイ法が好ましい。
 本発明のマイクロRNAの例として、疾患マーカーとして用いるマイクロRNAが挙げられる。本発明は、疾患マーカーとなるマイクロRNAの検体中における発現量の検出値を提供することで、疾患を診断するための情報を提供することができる。本発明の疾患マーカーの例として、癌または認知症のマーカーが挙げられる。
 また、本発明は、中性アミノ酸の塩酸塩と水およびアルコールからなる組成物に関する。
 本発明の組成物は、中性アミノ酸の塩酸塩の固体(結晶)や、中性アミノ酸の塩酸塩の水溶液、中性アミノ酸の塩酸塩の固体が分散した懸濁液とは異なり、23℃で均質な半固体状であることを特徴とする。
 本発明の工程(A)において用いる酸として、中性アミノ酸の塩酸塩、水、アルコールからなる均質な組成物であって、23℃において半固体状の組成物は、生体試料混合液に速やかに溶解し、飛散しにくいという利点があるため好ましい
 半固体状とは、力を加えられることによって容易に変形し、力を取り除いた後も変形後の形状を保つ状態を指す。中性アミノ酸の塩酸塩(結晶)は固体であり、力による変形が容易でないため、本定義には当たらない。また、中性アミノ酸の塩酸塩の懸濁液は、変形後の形状を保たないため、本定義には当たらない。
 組成物が半固体状であるかの判断は、力を加えて変形させた後に、変形後の形状を保つかで判断できる。具体的には、組成物を両辺が0.5cm、高さが1.0cmの立方体状に変形させた後、23℃にて、10分間高さが0.8cm以上を保持できた場合に半固体状であると判断する。
 本発明の組成物は、中性アミノ酸の塩酸塩の固体と比較して、常温で、攪拌等の操作を必要とせず、水に速やかに溶解することを特徴とする。
 組成物が水に速やかに溶解するかの評価は、組成物を水に添加して溶解する様子を観察することにより行うことができる。組成物を封入した容器に組成物の10倍の重量の蒸留水を添加し、一定時間静置した後に、水中に固体の残留が見られなければ、速やかに溶解したと判断し、水中に固体の残留が見られる場合は、溶解しなかったと判断する。具体的には、0.1gの組成物を封入した2mLのPPチューブに、蒸留水1mLを添加し、23℃で1分間静置した後に、水溶液中に固体の残留が見られなければ、速やかに溶解したと判断し、水溶液中に固体の残留が見られる場合は、溶解しなかったと判断する。
 グリシン塩酸塩の固体(結晶)を上記方法で評価した場合、水溶液中に固体の残留が見られたため、溶解しなかったと判断された(比較例11を参照)。
 本発明の組成物は、中性アミノ酸の塩酸塩、水、アルコールを含み、23℃において半固体状の組成物である。
 本発明の組成物は、重量比が65wt%以上、70wt%以下の中性アミノ酸の塩酸塩、重量比が2wt%以上、6wt%以下のアルコール、および水を含むことが好ましい。組成物中の中性アミノ酸の塩酸塩およびアルコールの重量比は、組成物を水で希釈した後に、ガスクロマトグラフィーにより分析することで算出することができる。組成物中の水の重量比は、水分気化装置を用いて、加熱により組成物中の水分を気化させたのち、気化した水分量をカールフィッシャー水分計により測定することにより、算出することができる。
 本発明の組成物に用いる中性アミノ酸の塩酸塩は、分子内に含まれる酸性カルボキシ基と塩基性アミノ基が同数であるアミノ酸の塩酸塩を含む。例えば、タンパク質を構成するアミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン等の塩酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。コストおよび入手性の観点から、グリシン塩酸塩またはアラニン塩酸塩が好ましい。
 本発明の組成物に用いるアルコールは、例えば炭素数1~8のアルコールが好ましい。また、本発明のアルコールは、1価アルコール~3価アルコールが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、t-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、n-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、2-メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール等が挙げられるが、コストおよび入手性の観点から、メタノールまたはエタノールが好ましい。
 なお、グリシン塩酸塩および水のみからなる組成物(水溶液)の場合、グリシン塩酸塩の重量比が50wt%を超える組成物は、23℃において、グリシン塩酸塩が水に溶解せず、グリシン塩酸塩の固体が水中に分散した懸濁液となる。また、アラニン塩酸塩および水のみからなる組成物(水溶液)の場合も同様に、アラニン塩酸塩の重量比が50wt%を超える組成物は、23℃において、アラニン塩酸塩が水に溶解せず、アラニン塩酸塩の固体が水中に分散した懸濁液となる。本発明の組成物は、中性アミノ酸の塩酸塩と水に加えて、アルコールを含むものであり、その結果、懸濁液ではなく、均質な半固体状の組成物として得られる。
 本発明の組成物は、水に溶解させることで、所望の濃度の中性アミノ酸の塩酸塩の水溶液を簡便に調製することができる。また、水系の溶媒にも溶解させることができる。水系の溶媒としては、例えば、緩衝液や培地、液状の生体試料などが挙げられる。液状の生体試料としては、例えば、血液、血清、血漿、尿、唾液または涙液などが挙げられる。
 本発明の組成物を溶媒に溶解させる方法は、溶媒に組成物を添加する方法と、組成物を予め封入した容器に溶媒を添加する方法が挙げられる。組成物を予め封入する容器は、特に限定されないが、プラスチックチューブ、ガラスチューブなどが挙げられる。
 このように本発明の組成物をあらかじめ封入した容器は、生体試料を保存する容器とすることができる。このような容器は、開封しても組成物が飛散しにくく、生体試料を添加すると酸性化による安定化が迅速に行えるという利点を持つ。
 溶媒に溶解させる本発明の組成物の量は、目的とする濃度により適宜調節すればよいが、溶媒100mLに対して、組成物が0.01g~10.0gが好ましく、0.1g~1.0gがより好ましい。
 本発明の組成物の溶液は、酸性を示すことから、本発明の組成物は、従来の中性アミノ酸の塩酸塩と同様に、pH調節剤として使用することができる。
 本発明の組成物は、例えばグリシン塩酸塩、水およびメタノールまたはエタノールからなる組成物の場合、
工程(1):グリシン塩酸塩、水およびメタノールまたはエタノールを所定の重量比で混合し、グリシン塩酸塩の懸濁液を得る工程;
工程(2):(1)で得られた懸濁液を加熱し、グリシン塩酸塩を溶解させる工程;
工程(3):(2)で得られたグリシン塩酸塩の溶液を冷却し、組成物を得る工程;
により調製することができる。ここで、工程(1)で混合するグリシン塩酸塩の重量比は65wt%以上、70wt%以下、エタノールまたはメタノールの重量比は2wt%以上、6wt%以下、とする。
 上記の方法で調製する場合、工程(1)では、グリシン塩酸塩が溶解せずグリシン塩酸塩の固体が水中に分散した懸濁液の状態となるが、工程(2)で加熱することにより、グリシン塩酸塩を溶解させることで均質な溶液となり、工程(3)で冷却することで、目的とする均質な半固体状の組成物を得る。
 工程(1)で、グリシン塩酸塩、水およびエタノールまたはメタノールを混合する方法は、特に限定されない。例えば、ボルテックスミキサーを用いて23℃で1分間混合する方法、が挙げられる。
 工程(2)で、懸濁液を加熱する温度は、成分中で沸点の最も低い物質の沸点以下で、かつグリシン塩酸塩を溶解可能な温度であればよい。例えば、エタノール(沸点78.4℃)を用いる場合は75℃で、メタノール(沸点64.7℃)を用いる場合は60℃で加熱すればよい。加熱する方法は、特に限定されないが、ウォーターバスやブロックインキュベーターを用いればよい。また、加熱時間は、5分以上、30分以下が好ましい。加熱中は水およびエタノールまたはメタノールの蒸発を防ぐため、密封した状態で加熱することが好ましい。
 工程(2)で、グリシン塩酸塩が溶解したかの判断は目視観察により行うことができる。加熱後に、水溶液中に固体の残留がみられない場合は溶解したと、水溶液中に固体の残留が見られる場合は溶解しなかったと判断する。
 工程(3)で、冷却する方法は、汎用される冷却機器を用いてもよいが、加熱後の水溶液を、加熱した容器のまま、または、別の容器に移して、静置して放冷してもよい。放冷する時間は、10分間以上、60分以下が好ましい。放冷後の温度は、20~25℃が好ましい。
 グリシン塩酸塩と同様の工程で、アラニン塩酸塩についても、本発明の組成物とすることができる。
 グリシン塩酸塩、アラニン塩酸塩以外の中性アミノ酸の塩酸塩についても、同様の工程で、本発明の組成物とすることができる。
 実施例1  グリシン塩酸塩を混合後に保存した血清からのマイクロRNAの検出1
 (A)生体試料に酸を混合する工程
 健康被験者Xより採血し、血清を調製した。調製直後の血清300μLに対して、1Mグリシン塩酸塩水溶液(富士フイルム和光純薬工業株式会社)90μLを混合した。ハンディ型pHメーター(株式会社堀場製作所)を用いて血清のpHを測定した結果、酸の混合により、pHが7.5から2.8に低下したことを確認した。
 (B)生体試料混合液を所定時間保存する工程
 工程(A)で酸を混合した血清を23℃下で48時間静置保存した。
 (C)生体試料混合液に塩基を混合する工程
 工程(B)で保存した血清に、4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液(ナカライテスク株式会社)27μLを混合した。ハンディ型pHメーターを用いて、塩基の混合によりpHが2.8から7.5に上昇したことを確認した。
 (D)生体試料混合液からマイクロRNAを回収する工程
 工程(C)で塩基を混合した血清から、3D-Gene(登録商標)RNA extraction reagent from liquid sample kit(東レ株式会社)のRNA抽出用試薬を用いて、同社の定めるプロトコールに従ってマイクロRNAを回収した。
 (E)マイクロRNAを検出する工程
 工程(D)で血清中から回収したマイクロRNAを3D-Gene(登録商標)miRNA Labeling kit(東レ株式会社)を用いて同社が定めるプロトコールに基づいて蛍光標識した。DNAマイクロアレイチップとして、2,565種のマイクロRNAと相補的な配列を有するプローブを搭載した3D-Gene(登録商標) Human miRNA Oligo chip(東レ株式会社)を用い、同社が定めるプロトコールに基づいてハイブリダイゼーションを行った。DNAマイクロアレイチップを3D-Gene(登録商標)スキャナー(東レ株式会社)を用いてスキャンし、画像を取得した。3D-Gene(登録商標)Extraction(東レ株式会社)を用いて蛍光強度を数値化し、検出限界を超えて検出されたマイクロRNAの蛍光強度の合計値を算出し、マイクロRNAの検出量とした。表1にマイクロRNAの検出量を示す。
 実施例2~5  グリシン塩酸塩を混合後に保存した血清からのマイクロRNAの検出2
 塩基混合時に、
実施例2では4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液30μLを混合することでpHを7.7に、
実施例3では4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液36μLを混合することでpHを8.0に、
実施例4では4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液60μLを混合することでpHを8.5に、
実施例5では4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液120μLを混合することでpHを9.0に、
それぞれ調節したこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。表1に実施例2~5のそれぞれのマイクロRNAの検出量を示す。
 実施例6、7  グリシン塩酸塩を混合後に保存した血清からのマイクロRNAの検出3
 塩基混合時に、
実施例6では4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液21μLを混合することでpHを6.0に、
実施例7では4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液22.5μLを混合することでpHを7.0に、
それぞれ調節したこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。表1に実施例6,7のそれぞれのマイクロRNAの検出量を示す。
 実施例8  グリシン塩酸塩を混合後に保存した血清からの、塩基を混合せずに行ったマイクロRNAの検出
 実施例8では、塩基を混合しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。表1に実施例8のマイクロRNAの検出量を示す。
 比較例1  酸を混合せずに保存した血清から、塩基を混合せずに行ったマイクロRNAの検出
 比較例1では、酸および塩基を混合しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。表1および表2に比較例1のマイクロRNAの検出量を示す。
 比較例2  調製直後の血清からのマイクロRNAの検出1
 健康被験者Xより採取した血清300μLから、実施例1工程(A)~(C)を行うことなく、実施例1工程(D)と同様の方法でマイクロRNAを回収し、回収したマイクロRNA検出を、実施例1工程(E)と同様に行った。表1および表2にマイクロRNAの検出量を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 血清に酸を混合しpH2.8に調節した後に、23℃下で48時間保存し、その後、塩基を混合しpH7.5~8.5に調節した場合(実施例1~4)は、調製直後の血清を用いた場合(比較例2)と比較して、同等以上(100%以上)のマイクロRNAが検出された。塩基を混合し、pH9.0に調節した場合(実施例5)でも、調整直後の血清を用いた場合(比較例2)と比較して、90%以上のマイクロRNAが検出された。また、塩基を混合しpH6.0および7.0に調節した場合(実施例6,7)でも、調製直後の血清を用いた場合(比較例2)と比較して、同等(70%以上)のマイクロRNAが検出された。さらに、塩基を混合しなかった場合(実施例8)でも、調製直後の血清を用いた場合(比較例2)と比較して、同等(70%以上)のマイクロRNAが検出された。
 一方、血清に酸を混合することなく、23℃下で48時間保存した場合(比較例1)は、調製直後の血清を用いた場合(比較例2)と比較して、マイクロRNAの検出量が30%未満に低下した。これは、酸を混合しなかったことから、保存中にマイクロRNAが分解された結果と考えられる。
 以上の結果より、酸を混合した後に血清を保存することが、マイクロRNAの検出に重要であり、特に保存後に塩基を混合してpHを7.5~9.0に調節することが、マイクロRNAの検出に重要であることが明らかになった。
 実施例9  グリシン塩酸塩を混合後に保存した血清からのマイクロRNAの検出4
 酸混合時に、1Mグリシン塩酸塩水溶液45μLを混合することでpHを4.0に、調節したこと、塩基混合時に4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液10μLを混合し、pH7.7に調節したこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。表2にマイクロRNAの検出量を示す。
 比較例3  酸を混合せずに保存した血清からのマイクロRNAの検出
 比較例3では、酸を混合しなかったこと、塩基混合時に4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液0.75μLを混合することでpHを7.7に調節したこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。表2にマイクロRNAの検出量を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 血清に酸を混合しpH4.0に調節した後に、23℃下で48時間保存し、その後、塩基を混合しpH7.7に調節した場合(実施例9)は、調製直後の血清を用いた場合(比較例2)と比較して、同等以上(90%以上)のマイクロRNAが検出された。
 一方、血清に酸を混合することなく、23℃下で48時間保存した後に、塩基を混合しpH7.7に調節した場合(比較例3)および塩基を混合しなかった場合(比較例1)は、調製直後の血清を用いた場合(比較例2)と比較して、マイクロRNAの検出量が30%未満に低下した。これは、酸を混合しなかったことから、保存中にマイクロRNAが分解された結果と考えられる。
 以上の結果より、保存前に血清に酸を混合し、pH4.0以下に調節することが、マイクロRNAの検出に重要であることが明らかとなった。
 実施例10~12  グリシン塩酸塩を混合後に保存した血清からのマイクロRNAの検出5
 生体試料混合液の保存時間を、
実施例10では2時間と、
実施例11では6時間と、
実施例12では96時間と、
したことと、実施例10~12において、塩基混合時に、4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液30μLを混合することでpHを7.7に調節したこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。表3に実施例10~12のそれぞれのマイクロRNAの検出量を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 血清に酸を混合しpH2.8に調節した後に、23℃下で2,6および96時間保存し、その後、塩基を混合しpH7.7に調節した場合(実施例10~12)、調製直後の血清を用いた場合(比較例2)と比較して、同等以上(100%以上)のマイクロRNAが検出された。
 以上より、本手法を用いることで、23℃下で少なくとも2~96時間保存した血清からマイクロRNA検出できることが明らかとなった。
 実施例13  クエン酸を混合後に保存した血清からのマイクロRNAの検出1
 健康被験者Yより採取した血清を用いたこと、酸混合時に、1Mクエン酸水溶液(Sigma-Aldrich Co.LLC.)90μLを混合することでpHを3.1に調節したこと、塩基混合時に、4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液90μLを混合することでpH7.8に調節したこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。表4にマイクロRNAの検出量を示す。
 実施例14、15  クエン酸を混合後に保存した血清からのマイクロRNAの検出2
 塩基混合時に、
実施例14では、4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液63μLを混合し、pH6.0に調節したこと、
実施例15では、4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液67.5μLを混合し、pH7.0に調節したこと、
以外は、実施例13と同様の方法で実施した。表4にマイクロRNAの検出量を示す。
 実施例16  クエン酸を混合後に保存した血清からの、塩基を混合せずに行ったマイクロRNAの検出
 塩基を混合しなかったこと以外は、実施例13と同様の方法で実施した。表4にマイクロRNAの検出量を示す。
 比較例4  調製直後の血清からのマイクロRNAの検出2
 健康被験者Yより採取した血清300μLから、実施例1工程(A)~(C)を行うことなく、実施例1工程(D)と同様の方法でマイクロRNAを回収し、回収したマイクロRNA検出を、実施例1工程(E)と同様に行った。表4にマイクロRNAの検出量を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 血清にクエン酸を混合した後に、23℃下で48時間保存し、その後、塩基を混合しpH7.8に調節した場合(実施例13)は、調製直後の血清を用いた場合(比較例4)と比較して、同等以上(100%以上)のマイクロRNAが検出された。また、保存後に、塩基を混合しpH6.0または7.0に調節した場合(実施例14、15)および塩基を混合しなかった場合(実施例16)でも、調製直後の血清を用いた場合(比較例4)と比較して、同等(70%以上)のマイクロRNAが検出された。
 以上の結果より、血清に混合する酸は、種類によらず、グリシン塩酸塩でも、クエン酸でも効果が得られることが明らかとなった。
 実施例17  グリシン塩酸塩を混合後に保存した血清からのマイクロRNAの検出6
 健康被験者Zより採取した血清を用いたこと、酸混合時に、1Mグリシン塩酸塩水溶液180μLを混合することでpHを2.0に、調節したこと、塩基混合時に4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液60μLを混合し、pH7.7に調節したこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。表5にマイクロRNAの検出量を示す。
 比較例5  調製直後の血清からのマイクロRNAの検出3
 健康被験者Zより採取した血清300μLから、実施例1工程(A)および工程(B)を行うことなく、実施例1工程(D)と同様の方法でマイクロRNAを回収し、回収したマイクロRNA検出を、実施例1工程(E)と同様に行った。表5および表6にマイクロRNAの検出量を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 血清に酸を混合しpH2.0に調節した後に、23℃下で48時間保存し、その後、塩基を混合しpH7.7に調節した場合(実施例17)は、調製直後の血清を用いた場合(比較例5)と比較して、同等以上(100%以上)のマイクロRNAが検出された。
 以上の結果より、保存前に血清に酸を混合し、少なくともpH2.0~4.0に調節することが、マイクロRNAの検出に重要であることが明らかとなった。
実施例18 グリシン塩酸塩を混合後に保存した血清からのマイクロRNAの検出7
 健康被験者Zより採取した血清を用いたこと、酸混合時に、後述の実施例19に記載の組成物2を混合することでpHを2.8に調節したこと、塩基混合時に4Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液30μLを混合し、pH7.7に調節したこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。表6にマイクロRNAの検出量を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 血清に中性アミノ酸の塩酸塩、水、アルコールからなる均質な23℃において半固体状の組成物2を混合しpH2.8に調節した後に、23℃下で48時間保存し、その後、塩基を混合しpH7.7に調節した場合(実施例18)は、調製直後の血清を用いた場合(比較例4)と比較して、同等以上(100%以上)のマイクロRNAが検出された。
 以上の結果より、保存前に血清に混合する酸は、中性アミノ酸の塩酸塩、水、アルコールからなる均質な組成物であって23℃において半固体状である組成物であっても効果が得られることが明らかとなった。
 実施例19
 グリシン塩酸塩、水およびエタノールからなる組成物(組成物1~6)
 (1)組成物の調製
 2mLのPPチューブに、総量が1.0gとなるように、グリシン塩酸塩(富士フィルム和光純薬工業株式会社)650mg(65.0wt%)、エタノール(富士フィルム和光純薬工業株式会社)20mg(2.0wt%)および蒸留水330mg(33.0wt%)を添加し、ボルテックスミキサーを用いて23℃で1分間混合し懸濁液を得た。懸濁液の入ったチューブを、ブロックインキュベーターを用いて75℃で10分間加熱した。加熱後にグリシン塩酸塩の溶解状態を目視観察で評価した結果、水溶液中に固体の残留が見られず、グリシン塩酸塩が溶解したことを確認した。チューブをブロックインキュベーターから取り出し後、23℃で30分間静置し、組成物1を得た。
 上記と同様の操作で、総量が1.0gとなるように、表7に記載された重量比のグリシン塩酸塩、エタノールおよび蒸留水を用いて、組成物2~6を調製した。
 組成物2~6の調製工程において、加熱後にグリシン塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。
 (2)形状の評価
 (1)で得られた組成物1を、プラスチックシャーレ上で、スパーテルを用いて、両辺が0.5cm、高さ1.0cmの立方状に変形し、変形後に23℃にて10分間静置後に高さを測定した結果、高さが0.8cm以上であり、変形後の形状を保っていたことから、組成物1は半固体状と判断した。
 上記と同様の方法で組成物2~6の状態を評価した結果、いずれの組成物も、変形後の形状を保っていたことから、組成物1は半固体状と判断した。
 (3)溶解性の評価
 (1)で得られた組成物1の溶解性を評価した。0.1gの組成物1が入った2mLのPPチューブに蒸留水1mLを添加し、23℃で1分間静置後に溶解状態を目視観察で評価した結果、水溶液中に固体の残留が見られなかったことから、速やかに溶解したと判断した。
 上記と同様の方法で組成物2~6の溶解性を評価した結果、水溶液中に固体の残留が見られなかったことから、速やかに溶解したと判断した。
 比較例6
 グリシン塩酸塩、水およびエタノールからなる組成物(組成物7~20)
 (1)組成物の調製
 実施例19(1)と同様の操作で、表7に記載された重量比のグリシン塩酸塩、エタノールおよび蒸留水を用いて、組成物7~20を調製した。
 組成物7~15の調製工程において、加熱後にグリシン塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。一方、組成物16~20の調製工程において、加熱後も水溶液中に固体の残留が見られことから、グリシン塩酸塩の一部が溶解しなかったと判断し、以降の評価を実施しなかった。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物7~15の状態を評価した結果、いずれもの組成物も、変形後の形状を保たず、目視観察でも溶液中に固体が分散した様子が確認されたことから、半固体状ではなく、懸濁液と判断した。
 (3)溶解性の評価
 実施例19(3)と同様の方法で、(1)で得られた組成物7~15の溶解性を評価した結果、水溶液中に固体の析出が見られたことから、溶解しなかったと判断した。
 実施例19および比較例6で得られた結果を表7に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 実施例19の組成物1~6は、半固体状で、蒸留水に速やかに溶解した。一方、比較例11の組成物7~15は、析出したグリシン塩酸塩の固体が水溶液中に分散した懸濁液の状態であり、さらに蒸留水を加えても速やかに溶解しなかった。また、比較例6の組成物16~20は、加熱してもグリシン塩酸塩が溶解しなかった。
 以上の結果から、組成物中のグリシン塩酸塩の重量比が65wt%以上、70wt%以下であり、エタノールの重量比が2wt%以上、6wt%以下の場合に、半固体状で、水に速やかに溶解する目的の組成物が得られることが明らかとなった。
 実施例20
 グリシン塩酸塩、水およびメタノールからなる組成物(組成物21~26)
 (1)組成物の調製
 実施例19(1)において、エタノールをメタノール(富士フイルム和光純薬)に、加熱温度を75℃から60℃にそれぞれ変更し、表8に記載された重量のグリシン塩酸塩、メタノールおよび蒸留水を用いて、組成物21~26を調製した。
 組成物21~26の調製工程において、加熱後にグリシン塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物21~26の状態を評価した結果、いずれの組成物も、変形後の形状を保っていたことから、半固体状と判断した。
 (3)溶解性の評価
 実施例19(3)と同様の方法で、(1)で得られた組成物21~26の溶解性を評価した結果、水溶液中に固体の析出が見られなかったことから、溶解したと判断した。
 比較例7
 グリシン塩酸塩、水およびメタノールからなる組成物(組成物27~40)
 (1)組成物の調製
 実施例20(1)と同様の操作で、表8に記載された重量のグリシン塩酸塩、メタノールおよび蒸留水を用いて、組成物27~40を調製した。
 組成物27~35の調製工程において、加熱後にグリシン塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。一方、組成物36~40の調製工程において、加熱後も水溶液中に固体の残留が見られことから、グリシン塩酸塩が溶解しなかったと判断し、以降の操作を実施しなかった。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物27~35の状態を評価した結果、いずれもの組成物も、変形後の形状を保たず、目視観察でも溶液中に固体が分散した様子が確認されたことから、半固体状ではなく、懸濁液と判断した。
 (3)溶解性の評価
 実施例19(3)と同様の方法で、(1)で得られた組成物27~35の溶解性を評価した結果、水溶液中に固体の析出が見られたことから、溶解しなかったと判断した。
 実施例20および比較例7で得られた結果を表8に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 実施例20の組成物21~26は、半固体状で、蒸留水に速やかに溶解した。一方、比較例7の組成物27~35は、析出したグリシン塩酸塩の固体が水溶液中に分散した懸濁液の状態であり、さらに蒸留水を加えても速やかに溶解しなかった。また、比較例7の組成物36~40は、加熱してもグリシン塩酸塩が溶解しなかった。
 以上の結果から、エタノールの場合と同様に、メタノールの場合も組成物中のグリシン塩酸塩の重量比が65wt%以上、70wt%以下であり、メタノールの重量比が2wt%以上、6wt%以下の場合に、半固体状で、水に速やかに溶解する目的の組成物が得られることが明らかとなった。
 比較例8
 グリシン塩酸塩、水およびアセトンからなる組成物(組成物41~52)の調製と評価
 (1)組成物の調製
 実施例19(1)において、エタノールをアセトン(富士フイルム和光純薬)に、加熱温度を75℃から60℃にそれぞれ変更し、表9に記載された重量のグリシン塩酸塩、アセトンおよび蒸留水を用いて、組成物41~52を調製した。
 組成物41~49の調製工程において、加熱後にグリシン塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。一方、組成物50~52の調製工程においては、加熱後も水溶液中に固体の残留が見られことから、グリシン塩酸塩が溶解しなかったと判断し、以降の操作を実施しなかった。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物41~49の状態を評価した結果、いずれもの組成物も、変形後の形状を保たず、目視観察でも溶液中に固体が分散した様子が確認されたことから、半固体状ではなく、懸濁液と判断した。
 (3)溶解性の評価
 実施例19(3)と同様の方法で、(1)で得られた組成物41~49の溶解性を評価した結果、水溶液中に固体の析出が見られたことから、溶解しなかったと判断した。
 比較例8で得られた結果を表9に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 エタノールまたはメタノールの代わりにアセトンを使用した場合、得られた組成物はグリシン塩酸塩の固体が水溶液中に分散した懸濁液の形態であり、本発明の目的とする組成物は得られなかった。
 比較例9
 グリシン塩酸塩、水およびアセトニトリルからなる組成物(組成物53~64)
 (1)組成物の調製
 実施例19(1)において、エタノールをアセトニトリル(富士フイルム和光純薬)に変更し、表10に記載された重量のグリシン塩酸塩、アセトニトリルおよび蒸留水を用いて、組成物53~64を調製した。
 組成物53~61の調製過程において、加熱後にグリシン塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。一方、組成物62~64の調製過程において、加熱後も水溶液中に固体の残留が見られことから、グリシン塩酸塩が溶解しなかったと判断し、以降の操作を実施しなかった。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物53~61の状態を評価した結果、いずれもの組成物も、変形後の形状を保たず、目視観察でも溶液中に固体が分散した様子が確認されたことから、半固体状ではなく、懸濁液と判断した。
 (3)溶解性の評価
 実施例19(3)と同様の方法で、(1)で得られた組成物53~61の溶解性を評価した結果、水溶液中に固体の析出が見られたことから、溶解しなかったと判断した。
 比較例9で得られた結果を表10に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
 アセトニトリルを使用した場合、得られた組成物はグリシン塩酸塩の固体が水溶液中に分散した懸濁液の形態であり、本発明の目的とする組成物は得られなかった。
 比較例10
 グリシン塩酸塩および水からなる組成物(組成物65~68)
 (1)組成物の調製
 実施例19(1)において、エタノールを使用しない方法に変更し、表11に記載された重量比のグリシン塩酸塩および蒸留水を用いて、組成物65~68を調製した。
 組成物65~67の調製過程において、加熱後にグリシン塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。一方、組成物68の調製過程において、加熱後も水溶液中に固体の残留が見られことから、グリシン塩酸塩が溶解しなかったと判断し、以降の操作を実施しなかった。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物65~67の状態を評価した結果、いずれもの組成物も、変形後の形状を保たず、目視観察でも溶液中に固体が分散した様子が確認されたことから、半固体状ではなく、懸濁液と判断した。
 (3)溶解性の評価
 実施例19(3)と同様の方法で、(1)で得られた組成物65~67の溶解性を評価した結果、水溶液中に固体の析出が見られたことから、溶解しなかったと判断した。
 比較例10で得られた結果を表11に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000011
 グリシン塩酸塩および水のみでは、得られた組成物はグリシン塩酸塩の固体が水溶液中に分散した懸濁液の形態であり、本発明の目的とする組成物は得られなかった。
 以上、比較例8~10で得られた結果より、本発明の目的とする、半固体状で、水に速やかに溶解する組成物は、グリシン塩酸塩および水に加えて、エタノールまたはメタノールが必要であることが明らかとなった。
 比較例11
 グリシン塩酸塩の固体の溶解性の評価
 0.1gのグリシン塩酸塩が入った2mLのPPチューブに蒸留水1mLを添加し、23℃で1分間静置後に溶解状態を目視観察で評価した結果、水溶液中に固体の残留が見られたことから、溶解しなかったと判断した。
 実施例21
 グリシン塩酸塩、水およびエタノールからなる組成物(組成物1~6)を用いた血清のpH調節
 実施例19(1)で調製した、0.1gの組成物1を封入した2mLPPチューブに、ヒト健常者より採血し、調整した血清1mLを添加し、23℃で1分間静置後に、溶解状態を目視観察で評価した結果、血清中固体はみられず、各組成物が速やかに溶解したと判断した。チューブ内の血清の上層より0.1mLを回収し、ハンディ型pHメーター(株式会社堀場製作所)を用いてpHを測定した結果、pHは2.7であり、添加前の血清のpH(7.7)と比較して大きく低下した。
 上記と同様の方法で、0.1gの組成物2~6を封入したチューブに、血清1mLを添加し溶解状態を目視で評価した結果、血清中に固体はみられず、組成物2~6が速やかに溶解したと判断した。静置後のpH測定した結果、組成物2および3を封入したチューブではpHは2.7、組成物4~6を封入したチューブではpHは2.6であり、添加前の血清のpH7.7)と比較して大きく低下した。
 比較例12
 グリシン塩酸塩の固体を用いた血清のpH調節
 実施例21と同様の方法で、65mgのグリシン塩酸塩の固体(結晶)を封入した2mLPPチューブに、血清1mLを添加し溶解状態を目視で評価した結果、血清中に固体がみられ、グリシン塩酸塩の固体は速やかに溶解しなかったと判断した。静置後、血清のpHを測定した結果、pHは4.5であり、組成物1~6を添加した実施例21の場合と比較して、その低下幅は小さかった。
 実施例21および比較例12の結果を表12に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000012
 グリシン塩酸塩、水およびエタノールからなる組成物(組成物1~6)は血清に速やかに溶解し、血清のpHを低下させた。一方、グリシン塩酸塩の固体は、静置のみでは、血清に速やかに溶解せず、血清のpHを十分に低下させることができなかった。
 以上より、本発明の組成物がpHを調節剤としても使用できることが明らかとなった。
実施例22
 アラニン塩酸塩、水およびエタノールからなる組成物(組成物69、70)
 実施例19(1)において、グリシン塩酸塩をアラニン塩酸塩(シグマ社)に変更し、表13に記載された重量のアラニン塩酸塩、エタノールおよび蒸留水を用いて、組成物69および70を調製した。
 組成物69および70の調製工程において、加熱後にアラニン塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物69および70の状態を評価した結果、いずれの組成物も、変形後の形状を保っていたことから、半固体状と判断した。
 (3)溶解性の評価
 実施例19(3)と同様の方法で、(1)で得られた組成物69および70の溶解性を評価した結果、水溶液中に固体の析出が見られなかったことから、溶解したと判断した。
 比較例13
 アラニン塩酸塩、水およびエタノールからなる組成物(組成物71~80)
 (1)組成物の調製
 実施例20(1)と同様の操作で、表13に記載された重量のアラニン塩酸塩、エタノールおよび蒸留水を用いて、組成物71~80を調製した。
 組成物71~77の調製工程において、加熱後にアラニン塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。一方、組成物78~80の調製工程において、加熱後も水溶液中に固体の残留が見られことから、アラニン塩酸塩が溶解しなかったと判断し、以降の操作を実施しなかった。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物71~77の状態を評価した結果、いずれもの組成物も、変形後の形状を保たず、目視観察でも溶液中に固体が分散した様子が確認されたことから、半固体状ではなく、懸濁液と判断した。
 (3)溶解性の評価
 実施例19(3)と同様の方法で、(1)で得られた組成物71~77の溶解性を評価した結果、水溶液中に固体の析出が見られたことから、溶解しなかったと判断した。
 実施例22および比較例13で得られた結果を表13に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000013
 アラニン塩酸塩を用いた実施例22の組成物69および70は、半固体状で、蒸留水に速やかに溶解した。一方、比較例13の組成物71~77は、析出したアラニン塩酸塩の固体が水溶液中に分散した懸濁液の状態であり、さらに蒸留水を加えても速やかに溶解しなかった。また、比較例13の組成物78~80は、加熱してもアラニン塩酸塩が溶解しなかった。
 以上の結果から、グリシン塩酸塩の場合と同様に、アラニン塩酸塩の場合も組成物中のアラニン塩酸塩の重量比が65wt%以上、70wt%以下であり、エタノールの重量比が5wt%の場合に、半固体状で、水に速やかに溶解する目的の組成物が得られることが明らかとなった。
 比較例14
 グルタミン酸塩酸塩、水およびエタノールからなる組成物(組成物81~92)
 (1)組成物の調製
 実施例19(1)において、グリシン塩酸塩をグルタミン酸塩酸塩(富士フイルム和光純薬)に変更し、表14に記載された重量のグルタミン酸塩酸塩、エタノールおよび蒸留水を用いて、組成物81~92を調製した。
 組成物81~86の調製過程において、加熱後にグルタミン酸塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。一方、組成物87~92の調製過程において、加熱後も水溶液中に固体の残留が見られことから、グルタミン酸塩酸塩が溶解しなかったと判断し、以降の操作を実施しなかった。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物81~86の状態を評価した結果、いずれもの組成物も、変形後の形状を保たず、目視観察でも溶液中に固体が観察されなかったことから、半固体状ではなく、グルタミン酸塩酸塩が完全に溶解した溶液と判断した。グルタミン酸塩酸塩が溶解していることから、実施例19の(3)に示すような溶解性の評価は実施しなかった。
 比較例14で得られた結果を表14に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000014
 グルタミン酸塩酸塩を使用した場合、得られた組成物はグルタミン酸塩酸塩が完全に溶解した溶液の形態であり、本発明の目的とする組成物は得られなかった。
 比較例15
 リジン・1塩酸塩、水およびエタノールからなる組成物(組成物93~104)
 (1)組成物の調製
 実施例19(1)において、グリシン塩酸塩をリジン・1塩酸塩(富士フイルム和光純薬)に変更し、表15に記載された重量のリジン・1塩酸塩、エタノールおよび蒸留水を用いて、組成物93~104を調製した。
 組成物93~98の調製過程において、加熱後にリジン・1塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。一方、組成物99~104の調製過程において、加熱後も水溶液中に固体の残留が見られことから、リジン・1塩酸塩が溶解しなかったと判断し、以降の操作を実施しなかった。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物93~98の状態を評価した結果、いずれもの組成物も、変形後の形状を保たず、目視観察でも溶液中に固体が観察されなかったことから、半固体状ではなく、リジン・1塩酸塩が完全に溶解した溶液と判断した。リジン・1塩酸塩が溶解していることから、実施例19の(3)に示すような溶解性の評価は実施しなかった。
 比較例15で得られた結果を表15に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000015
 リジン・1塩酸塩を使用した場合、得られた組成物はリジン・1塩酸塩が完全に溶解したに溶液の形態であり、本発明の目的とする組成物は得られなかった。
 比較例16
 リジン・2塩酸塩、水およびエタノールからなる組成物(組成物105~116)
 (1)組成物の調製
 実施例19(1)において、グリシン塩酸塩をリジン・2塩酸塩(富士フイルム和光純薬)に変更し、表16に記載された重量のリジン・2塩酸塩、エタノールおよび蒸留水を用いて、組成物105~116を調製した。
 組成物105~113の調製過程において、加熱後にリジン・2塩酸塩が溶解したことを目視観察で確認した。一方、組成物114~116の調製過程において、加熱後も水溶液中に固体の残留が見られことから、リジン・2塩酸塩が溶解しなかったと判断し、以降の操作を実施しなかった。
 (2)形状の評価
 実施例19(2)と同様の方法で、(1)で得られた組成物105~113の状態を評価した結果、いずれもの組成物も、変形後の形状を保たず、目視観察でも溶液中に固体が観察されなかったことから、半固体状ではなく、リジン・2塩酸塩が完全に溶解した溶液と判断した。リジン・2塩酸塩が溶解していることから、実施例19の(3)に示すような溶解性の評価は実施しなかった。
 比較例16で得られた結果を表16に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000016
 リジン・2塩酸塩を使用した場合、得られた組成物はリジン・2塩酸塩が溶完全に溶解したに溶液の形態であり、本発明の目的とする組成物は得られなかった。
 

Claims (18)

  1. 生体試料中のマイクロRNAを検出する方法であって、
    (A)生体試料に酸を混合し、生体試料混合液を得る工程、
    (B)工程(A)により得られた生体試料混合液を保存する工程、
    (D)工程(B)により得られた生体試料混合液からマイクロRNAを回収する工程、
    (E)工程(D)により回収したマイクロRNAを検出する工程、
    を含む、検出方法。
  2.  工程(A)において、得られる生体試料混合液のpHが2.0~4.0である、請求項1に記載の検出方法。
  3.  工程(D)の前に、工程(B)により得られた生体試料混合液に塩基を混合し、pH6.0~9.0に調節する工程(C)を含む、請求項1または2に記載の検出方法。
  4.  工程(C)において、調節するpHが7.5~9.0である、請求項3に記載の検出方法。
  5.  前記生体試料が血液、血清または血漿である、請求項1~4のいずれかに記載の検出方法。に記載の検出方法。
  6.  工程(A)において、用いられる酸が、グリシン塩酸塩、アラニン塩酸塩、クエン酸、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸またはシュウ酸である、請求項1~5のいずれかに記載の検出方法。
  7.  工程(A)において、用いられる酸が、中性アミノ酸の塩酸塩、水、アルコールからなる均質な組成物であって、23℃において半固体状の組成物である、請求項1~5のいずれかに記載の検出方法。
  8.  工程(B)において、生体試料混合液を保存する時間が96時間以内である、請求項1~7のいずれかに記載の検出方法。
  9.  工程(B)において、生体試料混合液を保存する温度が1~30℃である、請求項1~8のいずれかに記載の検出方法。
  10.  工程(C)において、用いられる塩基がトリスヒドロキシメチルアミノメタン、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸または2-ヒドロキシ-3-[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-1-プロパンスルホン酸である、請求項3または4に記載の検出方法。
  11.  工程(E)において、マイクロRNAを検出する方法がマイクロアレイ法である、請求項1~10のいずれかに記載の検出方法。
  12.  前記マイクロRNAが疾患マーカーとして用いるマイクロRNAである、請求項1~11のいずれかに記載の検出方法。
  13.  前記疾患が癌または認知症である、請求項12に記載の検出方法。
  14.  請求項1に記載の検出方法の工程(A)で酸として使用する、中性アミノ酸の塩酸塩、水、アルコールからなる均質な組成物であって、23℃において半固体状である、組成物。
  15.  前記組成物中の中性アミノ酸の塩酸塩の重量比が65wt%以上、70wt%以下であり、アルコールの重量比が2wt%以上、6wt%以下である、請求項14に記載の組成物。
  16.  前記中性アミノ酸の塩酸塩がグリシン塩酸塩またはアラニン塩酸塩である、請求項14または15に記載の組成物。
  17.  前記アルコールがメタノールまたはエタノールである、請求項14~16のいずれかに記載の組成物。
  18.  請求項14~17のいずれかに記載の組成物が封入された、生体試料を保存する容器。
     
     
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