JPWO2003060116A1 - 核酸検出方法及びそのシステム - Google Patents

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Abstract

核酸増幅方法を用いて核酸の検出を行う際に、測定に要する時間を短縮し、遺伝子等の検査システムを総合的に効率化させるために、採取した生体試料の処理において、採取した生体試料を均質化する工程中あるいは工程を経た後に核酸の分解活性を阻害する手段を導入し、生体試料から核酸成分の単離精製をしないでおこなう直接核酸増幅方法を用いる。該核酸の分解活性を阻害する手段の導入が酸性pH、具体的にはpH2.5〜pH5でなされること、及び核酸増幅反応の反応阻害物及び/又は核酸成分と相互作用する塩を用いて処理することにより、核酸成分の単離精製をしないで直接核酸を増幅する。

Description

技術分野
本発明は、核酸増幅手段を用いて、腫瘍や癌の診断、ウイルス、バクテリア等の感染、ならびに各種遺伝子疾患の検出を行う分野において、核酸を含有する生体試料の処理法に関し、核酸成分を生体試料から抽出することなく、直接簡便かつ迅速に遺伝子の検出を可能とする核酸増幅方法に関する。
背景技術
近年の遺伝子工学及び分子生物学などの分野の進歩により、感染症や遺伝子疾患などについて、DNA又はRNAレベルで診断することが可能になった。特に、ポリメラーゼ・チェイン・リアクション法(PCR法、Science,230:1350−1354,1985)やNASBA法(Nucleic Acid Sequence Based Amplification法、Nature,350,91−92,1991、特許第2648802号公報及び特許第2650159号公報記載)及びLAMP法(Loop mediated isothermal amplification of DNA増幅法、特開2001−242169号公報)などの核酸増幅方法により、検出が非常に困難であった生物検体中の極微量の核酸の検出が可能となり、遺伝子解析が飛躍的に容易なものとなった。
PCR法は、DNA鎖の1本鎖への解離、DNA鎖の中の特定の領域をはさんだプライマーの結合、DNAポリメラーゼによるDNA合成反応を繰り返すことによって、目的のDNA断片を数十万倍にも増幅できる方法である。PCR法は、マリス氏らの発明で、特開昭61−274697号公報に述べられている。PCR法は種々の試料中の核酸の高感度分析法として使用可能で、特に動物体液由来の試料中の核酸の分析法に使用できる。従って、PCR法は感染症や遺伝病や癌の診断等に利用される。さらに、PCR法は移植や親子鑑定の際のDNAタイピングの検査にも適した方法である。これらの場合末梢血液が検査対象に選ばれる場合が多い。
PCR法の1つの欠点は色素、タンパク質、糖類あるいは未知の夾雑物が反応を阻害することである。すなわち、代表的な耐熱性DNAポリメラーゼであるThermus aquaticus由来のTaqDNAポリメラーゼをはじめ、多くのDNAポリメラーゼは、微量の体液由来の夾雑物がPCR反応液中に混在しても、PCRが強く阻害されることが広く知られている。
RT−PCR法は、例えば腫瘍のRNAを抽出し、オリゴ(dT)又はランダムヘキサマーをプライマーにして逆転写酵素(RT)によりcDNAを合成し、この一部をPCR法で増幅し、検出する方法である。この方法を用いた繊維芽細胞腫の診断の例が報告されている(北海道医学雑誌、p.135−141,Vol.66(2),1991)。RT−PCR法は、分解を受けやすいmRNAを対象としているため、検体採取後速やかに処理することが必要とされる。また、極めて鋭敏な検出方法なので、他検体とのコンタミネーションを防ぐ注意が大切である。
LAMP法は、鎖置換反応が進行すると増幅産物の末端にヘアピン構造を形成する特殊なプライマーを含む2組以上のプライマーによる遺伝子増幅法である。増幅産物は多数の繰り返し構造からなるが、繰り返し構造の単位はプライマーに挟まれた被増幅領域を構成する2本の核酸の塩基配列が逆向きになった同一鎖内の相補性領域からなる。LAMP法の増幅産物は公知の2本鎖DNAの検出法により検出することができるが、その独特な構造をいかした検出方法等が報告されている(特開2001−242169号公報、WO00/28082号国際公開公報)。
また、同じく遺伝子の増幅法であるTMA法、NASBA法、3SR法においては、2本のプライマーのうち一方にT7プロモーター配列を有するプライマーを用いることを特徴としている。このためこれらプライマーを標的DNA又はRNAにハイブリダイズさせ、逆転写酵素反応(RNA又はDNAを鋳型としてDNAを合成)を行うと、T7プロモーターを有する二本鎖DNAが合成される。この反応系にT7ポリメラーゼを添加すると、T7プロモーターが活性化し、その下流の遺伝子が発現し、増副産物として大量のRNAが合成される。TMA法、NASBA法、3SR法においては、以上のような増幅サイクルが一定温度で進行する。
核酸増幅手段を用いた核酸検出システムは、採取した生体試料を処理する工程、核酸抽出の工程、測定試薬分注工程、核酸増幅工程及び増幅産物の判定の工程から構成されるのが一般的である。PCR法等による核酸増幅に先立って、核酸を抽出する前処理工程が必要となる。その方法としては、酵素、界面活性剤、カオトロピック剤等により遺伝子包含体を分解し、その後、フェノール法(Biochimica et Biophysica Acta,72:619−629,1963)、アルカリ法(Nucleic Acid Research,7:1513−1523,1979)、あるいはフェノール・クロロホルム等を用いて、遺伝子包含体の分解物から核酸を抽出する方法が従来より使用されている。
最近では核酸抽出の過程において、イオン交換樹脂、ガラスフィルター、ガラスビーズあるいはタンパク凝集作用を有する試薬等が使用されている。
また核酸の抽出に核酸結合用担体を用いる系としては、ガラス粒子とヨウ化ナトリウムを用いる方法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76−2:615−619,1979)、ヒドロキシアパタイトを用いる方法(特開昭63−263093号公報)などが報告されている。これらの方法は有害な有機溶媒などはそれほど使用しないが、そのかわり工程中に遠心分離操作を多く含むため、多数の試料を一度に処理することが困難で、核酸を単離するのに長時間かかるという問題を含んでいる。
このように、従来の核酸単離方法は有機溶媒やアルカリなどの危険な試薬を使用すること、遠心分離操作を必要とし、多数検体の処理が難しいことなどの難点があるが、多数の検体を再現性よく処理し、人的コストを低減させる自動機械化において、さらに大きな問題点が存在する。
核酸抽出の自動機械化を目指したものとして、核酸結合性シリカ粒子とカオトロピックイオンを用いた方法(非特許文献1、特許文献1)がある。これは、核酸結合性シリカ粒子と試料中の核酸を遊離する能力をもつカオトロピックイオンを試料と混合し、試料中の核酸を核酸結合性シリカ粒子に結合させ、固相と液相を分離して、試料中の夾雑物質を除去した後、核酸結合性シリカ粒子に結合した核酸を溶離するというものである。
核酸増幅妨害物質の除去方法として核酸を含有する生体材料を酸処理する方法が報告されている(特許文献2)。しかしながら、ここでは生物材料検体から核酸を抽出する任意の段階において当該検体を酸で処理しうることは記載するものの、試料中の核酸成分の単離精製を行わずに行うことについては記載されていないため、依然として迅速に核酸増幅方法を行うことは困難であった。
核酸増幅反応の阻害を減少する方法として、核酸増幅阻害物がアニオン性固相と結合するように、サンプルをアニオン性固相と接触させる方法が報告されている(特許文献3)。しかしながら、ここでも試料中の核酸成分の単離精製を行わずに行うことについては記載されていないため、依然として迅速に核酸増幅方法を行うことは困難であった。
腫瘍や癌の診断、ウイルス、バクテリア等の感染、ならびに各種遺伝子疾患の検出の分野では、以上説明したような核酸増幅方法が実用化されている(臨床検査法提要、第31版、金原出版株式会社、1998年9月20日発行)。
しかしながら、核酸増幅手段を用いた核酸検出において、測定に要する時間、感度等の面で改良すべき点は多く残されている。
(非特許文献1)J.Clinical Microbiology,28−3:p.495−503,1990年
(特許文献1)特許第2680462号公報
(特許文献2)国際公開WO01/00813号公報
(特許文献3)特開平09−173065号公報
発明の開示
本発明の課題は核酸増幅方法を用いて核酸の検出を行う際に、測定に要する時間を短縮し、遺伝子等の検査システムを総合的に効率化させることである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、生体試料の前処理工程を改善すれば、検査システム全体としての時間が短縮でき、測定感度が上昇することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
1.核酸の分解活性を阻害する手段を導入し、生体試料から核酸成分の単離精製をしないで核酸を増幅することを特徴とする直接核酸増幅法、
2.核酸の分解活性を阻害する手段が、RNAの分解活性を阻害する手段である前項1に記載の核酸増幅方法、
3.分解活性を阻害する手段の導入が酸性pHでなされる前項1又は2に記載の核酸増幅方法、
4.酸性pHがpH2.5〜pH5である前項3に記載の核酸増幅方法、
5.採取した生体試料を均質化する工程を経た後に、核酸成分の単離精製をしないで核酸を増幅する前項1〜4のいずれか1に記載の核酸増幅方法、
6.核酸増幅反応の反応阻害物及び/又は核酸成分と相互作用する塩を用いて生体試料を処理し、核酸成分の単離精製をしないで核酸を増幅することを特徴とする直接核酸増幅方法、
7.反応阻害物及び/又は核酸成分と塩との相互作用が、イオン結合及び/又は疎水結合による前項6に記載の核酸増幅方法、
8.塩がカオトロピック塩である前項6又は7に記載の核酸増幅方法、
9.塩がトリハロ酢酸のアルカリ金属塩である前項6又は7に記載の核酸増幅方法、
10.塩の種類が、NaCl、KCl、NaI、KI、TMACl(テトラメチルアンモニウムクロライド)、TEACl(テトラエチルアンモニウムクロライド)、KSCN、CsSCN、CsClのいずれか少なくとも1を含む前項8に記載の核酸増幅方法、
11.塩の種類が、CFCOOCs(トリフルオロ酢酸セシウム)を含む前項9に記載の核酸増幅方法、
12.塩濃度が1mM〜2000mMである前項6〜11のいずれか1に記載の核酸増幅方法、
13.核酸の分解活性を阻害する手段を導入し、さらに核酸増幅反応の反応阻害物と相互作用する塩を用いて生体試料を処理する前項6〜12のいずれか1に記載の核酸増幅方法、
14.核酸の分解活性を阻害する手段が、RNAの分解活性を阻害する手段である前項13に記載の核酸増幅方法、
15.分解活性を阻害する手段の導入が酸性pHでなされる前項12〜14のいずれか1に記載の核酸増幅方法、
16.酸性pHがpH2.5〜pH5である前項15に記載の核酸増幅方法、
17.採取した生体試料を均質化する工程を経た後に核酸成分の単離精製を行わずに行う前項6〜16のいずれか1に記載の核酸増幅方法、
18.反応阻害物及び/又は核酸成分と相互作用する塩を用いて処理した生体試料をさらにアニオン性の固体を用いて処理する前項6〜17のいずれか1に記載の核酸増幅方法、
19.反応阻害物及び/又は核酸成分と相互作用する塩を用いて処理した生体試料を、核酸成分の分解酵素阻害剤共存下で増幅させる前項6〜18のいずれか1に記載の核酸増幅方法、
20.核酸成分の分解酵素阻害剤が、RNaseインヒビターである前項19に記載の核酸増幅方法、
21.核酸増幅方法が、LAMP法、RT−LAMP法、PCR法又はRT−PCR法のいずれかである前項1〜20のいずれか1に記載の核酸増幅方法、
22.前項1〜20のいずれか1に記載の核酸増幅方法に使用する生体試料の処理方法、
23.前項1〜20のいずれか1に記載の核酸増幅方法に使用する核酸検出用試薬、
24.前項1〜20のいずれか1に記載の核酸増幅方法を使用する核酸検出システム、
25.前項24に記載の核酸検出システムを使用する核酸の検査装置、
26.前項24に記載の核酸検出システムを使用する癌転移の検査方法、
27.前項24に記載の核酸検出システムに使用する核酸検査キット、
28.核酸成分を安定な状態に保つpHを有する生体試料処理溶液、
29.pHが2.5−5である前項28に記載の生体試料処理溶液、
30.さらに、核酸増幅反応の反応阻害物及び/又は核酸成分と相互作用する塩を含む前項28又は29に記載の生体処理溶液、からなる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の核酸増幅方法、生体試料の処理方法、核酸検出用試薬等について以下に説明する。
本発明における直接核酸増幅方法とは、被検試料である生体から採取した生体試料をブレンダー等で均質化した後、該生体試料中に含有する核酸を増幅させることが可能な核酸増幅方法をいい、均質化した生体試料から目的とする核酸成分を抽出しないで直接核酸を増幅させることが可能な核酸増幅方法をいう。
本発明における生体試料とは、目的とする核酸の増幅のために生体から得られる試料をいい、具体的には生体から採取した組織、全血、血清、血漿、尿、唾液、体液、分泌物などのヒト又は動物由来の生物材料、その他、植物、微生物などの動物以外の生物材料を包含する。
(生体試料の処理)
核酸の分解活性を阻害する手段を導入するとは、生体試料中に含有される核酸を分解する原因物質、例えば分解酵素の活性を阻害する物質や条件等を、生体試料処理の際に導入することをいう。ここで核酸とはDNA又はRNAをいい、例えば蛋白質の発現確認のためにはRNA、特にmRNAが好ましく適用される。RNAは、生体成分中に含有されるRNA分解酵素により分解されやすく、特に不安定である。本発明において核酸の分解活性を阻害する手段とは、具体的には例えばDNA分解酵素又はRNA分解酵素の活性を阻害する手段をいう。この場合において、一般的には核酸分解酵素阻害剤の添加等の方法が考えられるが、本発明では核酸の分解活性を阻害しうる手段であればどのような手段であっても良い。例えば、核酸分解酵素の活性を阻害する手段としては、酵素蛋白質の変性により酵素活性を阻害する手段を適用することができる。酵素蛋白質を変性させうる手段としては、蛋白質変性剤の添加、加熱処理、pHの変化に伴う変性処理などが挙げられる。本発明では、酵素蛋白質を変性させ、かつ目的とする核酸成分を安定な状態で確保することが必要である。
そこで、目的とする核酸成分を安定な状態で保つ条件を検討したところ、生体試料処理液のpHにより生体試料に含有される核酸の安定性が異なることがわかった。処理溶液は、試料に含まれる核酸分解酵素等の酵素活性が最も高い中性付近では好ましくなく、さらに酸性が強くなれば(pHが低くなれば)、核酸成分、とくにRNAはリン酸ジエステル結合の化学的な分解などにより短い断片に切断されるのでpH2以下も好ましくない。本発明は、中性又はそれより低いpHの条件で生体試料の処理を行い、目的とする核酸が安定な条件を見出したことが一つの特徴点である。具体的には、生体試料をpH2.5〜5、好ましくはpH3〜4、さらに好ましくはpH3付近の溶液で処理することで、目的とする核酸成分を安定な状態で確保することができる。
酸性pHの溶液とは、具体的にはグリシン−HCl、塩化カリウム−HClを含む溶液が挙げられる。
上記生体試料の処理は、核酸増幅反応の反応阻害物と相互に作用する塩の添加により行うこともできる。核酸増幅反応の反応阻害とは、例えばmRNAを鋳型としてDNAを増幅させる場合には、mRNAからの逆転写活性の抑制、DNAの複製の抑制等が挙げられる。このような増幅反応の抑制は、例えば目的とすべきDNA又はRNAなどの核酸が、試料中に含まれる蛋白質に結合する等により起こることが考えられる。
生体試料を酸性pHで処理すると、RNA等の核酸成分は(−)に荷電したままであるが、蛋白質は(+)に荷電する傾向にあるので、核酸成分と蛋白質がイオン結合や疎水結合によって結合する。このような核酸成分と蛋白質の結合を防止するために、核酸成分が蛋白質に結合する前に、蛋白質とイオン結合あるいは疎水結合する物質を処理液に添加すればよい。このような物質を、反応阻害物及び/又は核酸成分と相互に作用する塩ということができる。
反応阻害物及び/又は核酸成分と相互に作用する塩の具体例として、カオトロピックイオンを発生しうる塩、いわゆるカオトロピック塩及びトリハロ酢酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。カオトロピックイオンとは、イオン半径の大きな1価の陰イオンの総称であり、このイオンを水に加えると疎水性分子の水溶性が増加して、疎水性結合を弱める作用を有する。つまり、これらのイオンが、目的核酸成分が反応阻害物にイオン結合あるいは疎水結合するのを弱め、目的核酸成分が反応阻害物に吸着されることを防ぐことにより、核酸増幅反応が効率良く行われることとなる。カオトロピックイオンの具体例として、SCN、I、ClO 、NO 、Br、Cl、CHCO 、Fなどが挙げられる。このようなイオンを発生しうる塩としては、NaCl、KCl、LiCl、RbCl、NaI、KI、TMACl、TEACl、KSCN、CsSCN、CsCl等が挙げられ、好ましくはNaCl、KCl、NaI、KI、TMACl、TEACl、KSCN、CsSCN、CsClである。上記塩の添加は、上記の核酸分解活性を阻害する手段の導入に前後して行うこともでき、同時に行うこともできるが、同時に添加するのが効率良く最も好ましい。
また、トリハロ酢酸のアルカリ金属塩についてもカオトロピック塩と同様な効果により核酸増幅反応の効率化を行うことができる。トリハロ酢酸のアルカリ金属塩の具体例としてトリフルオロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸カリウム、トリフルオロ酢酸セシウム、トリフルオロ酢酸リチウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリクロロ酢酸カリウム、トリクロロ酢酸セシウム、トリクロロ酢酸リチウム、トリクロロ酢酸ルビジウム、トリクロロ酢酸フランシウム等が挙げられ、好ましくはトリフルオロ酢酸セシウムである。上記塩の添加は、上記の核酸分解活性を阻害する手段の導入に前後して行うこともでき、同時に行うこともできるが、同時に添加するのが効率良く最も好ましい。
添加する塩の濃度は、1mM〜2000mM、好ましくは50mM〜500mMより好ましくは100mM〜300mMである。
核酸増幅反応の反応阻害物と相互に作用する塩により処理した上記生体試料は、アニオン性の固体、すなわち陰性に荷電した固体で処理することができる。アニオン性の固体として、カチオン交換樹脂、例えばカルボキシメチル、ホスホ又はスルホプロピル誘導体化イオン交換マトリックス又はその他のあらゆる陰性に荷電した表面を有する固体、例えば陰性に荷電したシリカ物質を使用することができる。カチオン交換樹脂等のアニオン性の固体で生体試料を処理する方法は公知の方法によることができ、具体的には、カラムクロマトグラフィー法及びバッチ法を適用することができる。例えば試料とアニオン性の粒子を混合し、遠心、静置、磁気分離又は同様の手段によってアニオン性の粒子を上記反応阻害物とともに目的とする核酸成分から分離することができる。
さらに安定性の効果を高めるために、自体公知の界面活性剤を併用して用いても良い。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤などがあり、好ましくは非イオン界面活性剤を使用する。非イオン界面活性剤としては、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのエチレングリコール、多価アルコールの部分エステル、高級脂肪酸グリセロールエステル、ソルビトールの脂肪酸エステル、ポリプロピレングルコールを疎水性基とし両端にエチレングリコールを親水性基として付加重合させたものなどがある。これらの界面活性剤は単独で又は2種以上併用してもよい。
生体試料は、ホモジナイザー及び/又はブレンダー等を用いて粉砕して均質化させた後、上記の核酸分解活性を阻害する手段及び/又は核酸増幅反応の反応阻害物と相互に作用する塩による処理、及び/又はアニオン性の固体で処理し、測定試料を調製することができる。このようにして得た測定試料は、そのまま本発明の測定方法に使用することができ、この点が本発明の直接核酸増幅方法ということを示す主な特徴点である。均質化した生体試料は、細胞破砕物を除去するために必要に応じて、ろ過、遠心分離等の処理を施すこともできる。
(核酸の増幅工程)
本発明の核酸の増幅法は、公知のものが適用され、特に限定されない。例えば、PCR法、RT−PCR法、LAMP法、RT−LAMP法、TMA(Transcription Mediated Amplification)法(特表平4−500759号公報)、NASBA法、3SR法、SDA(Strand Displacement Amplification)法、ICAN(Isothermal and Chimeric primerinitiated Amplification of Nucleic acids)法等の核酸増幅法及びRCA(Rolling Circle Amplification)法、INVADER法、CPT(Cycling Probe Technology)法、PALSAR法等の核酸増幅法の一種であるシグナル増幅法にも適用することができる。好ましくはPCR法、RT−PCR法、LAMP法、RT−LAMP法であり、より好ましくはRNAを増幅するRT−PCR法、RT−LAMP法において、特に効果的に適用される。
(増幅産物の検出)
通常反応終了後の増幅産物は、自体公知の方法によって検出することができ、特に限定されない。例えば、アガロースゲル電気泳動法、蛍光標識を使用したプローブにより検出するリアルタイム検出法、DNA合成の際の副生成物の濁りによる検出等、必要に応じて制限酵素による切断パターンの確認や、直接シークエンス解析で塩基配列を決定する方法、その他多くの方法から選択して適用することができる。また、非特異的な増幅バンドが多くて特異バンドの判別が困難な場合は、目的とする増幅域内のプローブを用いたサザンブロット法等により特異バンドを確認することができる。本発明においても、これらの公知の方法を適用することができる。
(対象核酸)
上記の手段を適用しうる目的の核酸は特に限定されないが、微量の核酸成分を増幅させることにより、疾患の有無を判断する臨床検査の場において広く適用される。例えば、癌あるいは腫瘍関連マーカーの発現の確認、遺伝子関連の疾患、ウイルス又は微生物の感染の有無の判断等に適用される。
癌あるいは腫瘍関連マーカーとしては、例えば癌患者の癌組織及び癌の発生した臓器の正常部位において同等に発現しているが診断対象の組織では癌の転移がない限りその発現が認められないもの、あるいは癌組織において発現が強く認められるもの等が挙げられる。癌患者の癌組織及び癌の発生した臓器の正常部位において同等に発現しているものの例として、サイトケラチン類、具体的にはサイトケラチン18、サイトケラチン19、サイトケラチン20等が挙げられる。また、癌組織において発現が強く認められるものの例としてCEAなどの腫瘍マーカーが挙げられる。診断対象の組織中の各蛋白質に由来するmRNAを確認することにより癌細胞の転移を確認することができる。
上記の特定患者に認められる癌組織由来のmRNAを確認するためには、癌組織、癌の発生した臓器の正常部位あるいは診断対象の組織のいずれにおいても同等に発現している蛋白質のmRNAの量を指標とする場合がある。このような例として具体的にはβ−アクチン、GAPDHのmRNAなどが挙げられる。
本発明の方法を適用することにより、迅速に癌のリンパ節転移や腹腔内転移等を診断することが可能となる。例えば、乳癌などは、QOL(生活の質:Quality of life)の向上のため、手術におけるリンパ節郭清範囲は可能な限り小さくすることが望ましい。また、食道癌では、リンパ節転移の部位により開腹、開胸、頚部切開の選択が必要になる。前立腺癌では、リンパ節転移があれば摘出手術は中止し、ホルモン療法を行うなどの手術の続行あるいは中止の意思決定がなされる。さらに、胃癌では、リンパ節への癌転移の有無により郭清範囲が異なり、術式が大きく変動し、術後の治療方針の指針、例えば抗癌剤の投与あるいは放射線療法の選択の指針となる。このような場合に、術中に採取した生体組織を用いて癌転移を迅速に診断することができれば、短い時間の手術においてもリンパ節郭清範囲決定、術式の変更、補助療法の選択などを行うことができ、患者にとって最適な治療を受けることが可能となる。本発明の検査システムを癌転移の術中迅速診断方法として適用することができる。
遺伝子関連の疾患としては、遺伝性疾患の検査、例えば加齢に伴い発症する遺伝性疾患の発症リスクの予測、具体的には緑内障、家族性大腸癌、高血圧、糖尿病などの発症リスクを判断する場合に適用される。また、ウイルス又は微生物の感染の有無の判断は、生体組織、例えば血液などに含まれる感染原因物質の核酸配列の有無を迅速に検査することができる。
(試薬、検査キット及び検査システム)
本発明は、直接核酸増幅方法を行うために必要な各種の試薬類、具体的には、生体試料処理液、逆転写酵素、相補鎖合成の基質となるdNTP、鎖置換型の相補鎖合成を行うDNAポリメラーゼ、本発明のために使用されるプライマーとして必要な各種のオリゴヌクレオチド、酵素反応に好適な条件を与える緩衝液、さらに必要に応じて反応生成物の検出のために必要な試薬類を提供することができる。さらに、これらの試薬のうち生体試料処理液及び他の少なくとも1つの試薬を組み合わせてキットとして提供することができる。
本発明は、直接核酸増幅方法の他、生体試料処理方法、処理方法を含む核酸検出用試薬、キット及び核酸検出システム全体に及ぶ。また、本システムを適用する装置、癌転移の検査方法にも及ぶ。具体的には、例えば癌患者の手術中に、生体から採取した組織について本システムを適用することが可能であり、手術の間に他の組織への癌転移の確認をすることができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
RNAを安定に保つ条件について検討した。
1)材料及び方法
(1)試料の調製
マウスからリンパ節をとり、ホモジナイザー及びブレンダーを用いて組織を粉砕し、均質化した組織を4℃で遠心分離(12000rpm×5分)して上清をとった。市販の抽出用試薬(TRIZOL:Gibco BRL社製)を用いて上清からRNAを抽出した。
抽出して得たRNA 513μg/mlの水溶液について、以下の各種緩衝液注での保存安定性を調べた。各種緩衝液7μlに、上記マウスRNA溶液2μlを加え、室温で10分間静置した。その後、電気泳動用緩衝液1μlを加えてアガロースゲル電気泳動により、RNAの安定性を調べた。
(2)緩衝液
▲1▼200mM塩化カリウム−HCl(pH1.0)+0.1%ノニデットP−40(非イオン性界面活性剤:Calbiochem社製)
▲2▼200mM塩化カリウム−HCl(pH2.2)+0.1%ノニデットP−40
▲3▼200mM塩化カリウム−HCl(pH3.0)+0.1%ノニデットP−40
▲4▼200mMグリシン−HCl(pH3.0)+0.1%ノニデットP−40
▲5▼酢酸緩衝液(pH5.2)+0.1%ノニデットP−40
▲6▼50mMTris−HCl(pH7.4)+0.1%ノニデットP−40
▲7▼緩衝液を加えない場合(HO)
(3)RNAの検出(アガロース電気泳動)
アガロースゲル電気泳動は、1%アガロース、TEA緩衝液を用い、1レーンあたり1μgとなるようにRNAを添加し、通常の手法で行った。
2)結果
その結果を図1に示した。pH3.0より中性側の緩衝液中では、RNAは分解されず、安定であることが示された。pH2.2より酸性の緩衝液中では、RNAは分解され、RNAのバンドが認められなかった。
pH3.0の緩衝液がRNAを安定化し、RNA試料調製用緩衝液として最も効果的であることがわかった。
(実施例2)
乳癌患者からリンパ節を採取し、サイトケラチン(CK18及びCK19)のmRNAの有無を、ヒト粗製RNA試料及び精製RNA試料についてRT−PCR法で確認した。
1)材料及び方法
(1)試料の調製
ヒトリンパ節を50mM塩化カリウム−HCl(pH3.0)+0.1%ノニデットP−40の緩衝液に懸濁し、ホモジナイザー及びブレンダーを用いて該ヒトリンパ節の組織を粉砕し、均質化した組織を4℃で遠心分離(12000rpm×5分)して上清をとり、粗製RNA試料とした。さらに、実施例1と同様に、市販の抽出用試薬(TRIZOL:Gibco BRL社製)を用いて粗製RNA試料からRNAを抽出し、精製RNA試料とした。
(2)使用したプライマー又はプローブの配列
Figure 2003060116
Figure 2003060116
(3)RT−PCR法
RT−PCRは、アプライドバイオシステムズ社のRT−PCRマスター試薬を用いて行った。
測定キット:TaqMan One−step RT−PCR Master Mix Reagents(アプライドバイオシステムズ社製)
cDNA合成:MultiScribe逆転写酵素を用いて合成した。
▲1▼CK18の増幅
逆転写用プライマー:配列番号1に記載のプライマーを用いた。
PCR用プライマー:配列番号1及び2に記載のプライマーを各々最終濃度300nMとなるように用いた。
DNAポリメラーゼ:Ampli Taq Gold DNAポリメラーゼを用いた。
▲2▼CK19の増幅
逆転写用プライマー:配列番号3に記載のプライマーを用いた。
PCR用プライマー:配列番号3に記載のプライマーを最終濃度300nM及び配列番号4に記載のプライマーを最終濃度900nMとなるように用いた。
DNAポリメラーゼ:Ampli Taq Gold DNAポリメラーゼを用いた。
▲3▼PCR処理
48℃で30分間逆転写反応後、95℃で10分間保持した。
その後、95℃:15秒間、60℃:1分間のPCR操作を40サイクル行った。
(4)核酸の検出
ヒトCK18及びCK19mRNAの増幅産物を標的2本鎖DNAに特異的にハイブリダイズするTaqManプローブによる蛍光法により検出した。TaqManプローブは、CK18には配列番号5、CK19には配列番号6のオリゴヌクレオチドで、各々5’末端にFAM、3’末端にTAMRAをラベルしたものを用いた。アプライドバイオシステムズ社製PRISM7700を用いて、反応液中の蛍光強度の増加をリアルタイムで測定した。
Figure 2003060116
Figure 2003060116
2)結果
以上の結果、臨床的な結果(HE染色組織診)とRT−PCRによる測定結果が一致し、CK18及びCK19のmRNAについて各々増幅が認められた。また、粗製RNA試料についてもmRNAから300及び1900コピーの核酸の増幅が認められた(表1)。
このことから、試料調製用液としてノニデットP−40を含むpH3.0の緩衝液を使用すると、RNAを抽出することなくRT−PCR法において増幅が認められ、結果としてRNA検出に要する時間が短縮可能となった。
(実施例3)
乳癌患者からヒトリンパ節を採取し、HE染色により臨床的に癌転移が認められている検体について乳癌のマーカーであるCK19mRNAをRT−LAMP法で検出した。
1)材料及び方法
(1)試料の調製
ヒトリンパ節を緩衝液に懸濁し、ホモジナイザー及びブレンダーを用いて組織を可溶化した。均質化した組織を4℃で遠心分離(12000rpm×5分)して上清(ライセート)をとり、粗製RNA試料とした。組織の懸濁に50mM塩化カリウム−HCl(pH3.0)+0.1%ノニデットP−40の緩衝液又は50mMグリシン−HCl(pH2.2)緩衝液を用いた。さらに実施例1及び2と同様に、市販の抽出用試薬(TRIZOL:Gibco BRL社製)を用いて粗製RNA試料からRNAを抽出し、精製RNA試料とした。
(2)RT−LAMP法による増幅
CK19の増幅は、次の配列:7〜12に示す6種のプライマーを含む以下の組成に粗製RNA溶液あるいは精製RNA溶液2μlを添加し、65℃で1時間加温して行った。
(3)プライマー
Figure 2003060116
(4)反応液組成
Figure 2003060116
Figure 2003060116
(5)核酸の検出
ヒトCK19mRNAの増幅産物を2本鎖DNAに特異的に結合するエチジウムブロマイドによる蛍光法により検出した。反応液中の蛍光強度の変化はプライドバイオシステムズ社製PRISM7700を用いてリアルタイムに測定した。
2)結果
調製用緩衝液として、塩化カリウム−HCl(pH3.0)+ノニデットP−40を使用した場合の結果及びグリシン−HCl(pH2.2)緩衝液を使用した場合の、各RT−LAMP法により核酸増幅処理を行った結果を図2及び図3に示した。
グリシン−HCl(pH2.2)緩衝液の場合は、精製したRNA試料では増幅が認められたが、粗製RNA試料の場合には増幅されなかった。一方、塩化カリウム−HCl(pH3.0)+ノニデットP−40緩衝液の場合は、精製RNA試料及び粗製RNA試料のいずれにおいても増幅が認められた。
このことから、調製用緩衝液として、ノニデットP−40を含むpH3.0の緩衝液を使用すると、RNAを精製することなくRT−LAMP法において増幅が認められ、結果としてRNA検出に要する時間が短縮可能となった。
(実施例4)
リンパ節検体を破砕して可溶化する際に塩類を添加し、粗製RNA試料を用いて増幅反応を行う際の夾雑物による増幅の阻害を低減する条件について検討した。
1)材料および方法
(1)試料の調製
マウスリンパ節を緩衝液中でブレンダーを用いて破砕し、均質化した。また、これとは別に培養細胞(KATOIII)を緩衝液中で可溶化し、均質化した。均質化したこれらの溶液を混合し、粗製RNA試料として用いた。これらの均質化には、100mMのトリフルオロ酢酸セシウムを含むあるいは含まない1%ノニデットP−40含有200mMグリシン−HCl(pH3.0)緩衝液を用いた。
(2)RT−LAMPによる増幅
CK19mRNAの増幅は、次の配列:7〜10に示す4種のプライマーを含む以下の組成にて、65℃で1時間加温して行った。各反応液には、上記KATOIII細胞培養細胞可溶化試料およびマウスリンパ節可溶化試料を適当な比率で混合し、一反応液にKATOIII細胞20個に相当する試料が入り、また、夾雑物量のパラメーターとして共存タンパク量が設定した量になるように調製した。
(3)プライマー
Figure 2003060116
Figure 2003060116
(4)反応液組成
Figure 2003060116
(5)核酸の検出
反応系に共存させたエチジウムブロマイドの蛍光により検出した。アプライドバイオシステムズ社製PRISM7700を用いて、反応液中の蛍光強度の変化をリアルタイムに測定した。
2)結果
粗製RNA試料を調製するための緩衝液として、100mMトリフルオロ酢酸セシウムおよび1%ノニデットP−40を含む200mMグリシン−HCl(pH3.0)緩衝液を使用した場合の結果およびトリフルオロ酢酸セシウムを含まず1%ノニデットP−40を含む200mMグリシン−HCl(pH3.0)緩衝液を使用した場合の結果を図4に示す。横軸には、一反応液中に含まれる夾雑タンパク量を示し、縦軸にはDNA増幅の立ち上がり時間を示す。粗製RNA試料を調製するための緩衝液中に100mMのトリフルオロ酢酸セシウムが存在する場合には、一反応液中の夾雑タンパク量が8μg近くにまで増えてもDNA増幅の立ち上がり時間はほとんど変化しない。これに対し、トリフルオロ酢酸セシウムが存在しない場合は、夾雑タンパクの量が増えるにつれて明らかにDNA増幅の立ち上がり時間は遅延する。すなわち、核酸増幅反応が夾雑タンパクにより阻害されていることを示す。これらのことから粗製RNA試料調製用緩衝液に100mMトリフルオロ酢酸セシウムを含有させることで夾雑タンパクによる増幅反応の阻害を低減することができ、結果として一反応液に添加できる粗製RNA試料溶液を増やすことができ、感度の向上が可能となった。
(実施例5)
リンパ節検体から調製した粗製RNA試料を用いて増幅反応を行う際にRNaseインヒビターを添加することでRNaseによる標的mRNAの分解を防ぎ、検出感度の向上を図ることを検討した。
1)材料および方法
(1)試料の調製
乳癌患者リンパ節を100mMのトリフルオロ酢酸セシウムを含むあるいは含まない1%ノニデットP−40含有200mMグリシン−HCl(pH3.0)緩衝液中でブレンダーを用いて破砕し、均質化した。均質化したこの溶液をそのままあるいは、均質化に用いた緩衝液を用いて5倍、あるいは50倍に希釈して粗製RNA試料として用いた。
(2)RT−LAMP法による増幅
β−アクチンの増幅は、次の配列番号13〜18に示す6種のプライマーを含む以下の組成に上記粗製RNA試料2μlを添加し、65℃で1時間加温して行った。
(3)プライマー
Figure 2003060116
(4)反応液組成
Figure 2003060116
Figure 2003060116
(5)核酸の検出
増幅産物は反応系に共存させたエチジウムブロマイドの蛍光により検出した。アプライドバイオシステムズ社製PRISM7700を用いて、反応液中の蛍光強度の変化をリアルタイムに測定した。
2)結果
増幅反応液にRNaseインヒビターを添加した場合と添加していない場合の結果を図5及び図6に示す。横軸には、反応時間を示し、縦軸には蛍光強度を示す。反応液中にRNaseインヒビターを含む場合にはヒトリンパ節を均質化して調製した粗製RNA試料、5倍希釈した試料、50倍希釈した試料についても阻害がかからず、増幅反応が起こることがわかる。これに対して、反応液中にRNaseインヒビターが含まれない場合には、増幅反応に阻害がかかり、特に希釈していない粗製RNA試料を用いた場合には、増幅がほとんど起こらないことがわかる。これらのことから反応液中に25UのRNaseインヒビターを添加させることで粗製RNA試料中に含まれる夾雑物による増幅反応の阻害を低減することができ、結果として一反応液に添加できる粗製RNA試料溶液を増やすことができ、感度の向上が可能となった。
(実施例6)
リンパ節検体を破砕し、均質化する緩衝液中に100mMトリフルオロ酢酸セシウムを含み、増幅反応液中に25UのRNaseインヒビターを含む条件で実際に乳癌患者リンパ節を用いてこれらを添加することの効果を確認した。
1)材料および方法
(1)試料の調製
乳癌患者リンパ節を100mMのトリフルオロ酢酸セシウムを含むあるいは含まない1%ノニデットP−40含有200mMグリシン−HCl(pH3.0)緩衝液中でブレンダーを用いて破砕し、均質化した。均質化したこの溶液を均質化に用いた緩衝液を用いて5倍希釈し粗製RNA試料として用い、RT−LAMPによる増幅反応を行った。また、粗製RNA試料中に含まれるCK19mRNAのコピー数を測定するために粗製RNA試料から実施例1と同様に、市販の抽出用試薬(TRIZOL:Gibco BRL社製)を用いてRNAを抽出精製し、精製RNA試料としてRT−PCRを行った。RT−PCRは実施例1と同様の条件にて行った。
(2)RT−LAMPによる増幅
CK19mRNAの増幅は、次の配列:7〜12に示す6種のプライマーを含む以下の組成にて、65℃で1時間加温して行った。トリフルオロ酢酸セシウム共存下で均質化した粗製RNA試料を用いる場合には反応液中にRNaseインヒビターを添加して増幅反応を行った。
(3)プライマー
Figure 2003060116
Figure 2003060116
(4)反応液組成
Figure 2003060116
(5)核酸の検出
増幅産物は反応系に共存させたエチジウムブロマイドの蛍光により検出した。アプライドバイオシステムズ社製PRISM7700を用いて、反応液中の蛍光強度の変化をリアルタイムに測定した。
2)結果
増幅反応液にトリフルオロ酢酸セシウムおよびRNaseインヒビターを添加した場合と添加していない場合の結果を表2に示す。表の左半分にはトリフルオロ酢酸セシウムおよびRNaseを含まない場合の結果を示す。右半分にはトリフルオロ酢酸セシウムおよびRNaseの両者を用いた場合の結果を示す。両者を持ちない場合には4検体についてRT−LAMPによりCK19mRNAを検出することができなかったが、両者を用いた場合には4検体中3検体についてCK19mRNAを増幅して検出することができた。このことから実際のヒトリンパ節検体について破砕・可溶化する際にトリフルオロ酢酸を共存させ、反応液中にRNaseインヒビターを添加することが検出感度の向上に有効であることが確認できた。
Figure 2003060116
(実施例7)
血清検体を直接用いたRT−PCRを用いてトリフルオロ酢酸セシウムの効果を確認した。
1)材料及び方法
(1)試料の調製
ヒト血清にpH8.0の200mM Tris−HCl緩衝液あるいは100mMトリフルオロ酢酸セシウムを含む200mMグリシン−HCl緩衝液(pH3.0)を加え、さらにKATOIII細胞由来の精製RNA試料を添加しRNA試料として用いた。試料中のタンパク量は0から33μg/μlとなるように調整した。また、CK19mRNAは全てのRNA試料中5000コピー/μlとなるように調整した。
(2)使用したプライマーおよびプローブの配列
Figure 2003060116
(3)RT−PCR法
RT−PCRは、アプライドバイオシステムズ社のRT−PCRマスター試薬を用いて行った。
測定キット :TaqMan One−step RT−PCR Master Mix Reagents(アプライドバイオシステムズ社製)
cDNA合成:MultiScribe逆転写酵素を用いて合成した。
▲1▼CK19の増幅
逆転写用プライマー:配列番号19に記載のプライマーを用いた。
PCR用プライマー:配列番号19に記載のプライマーを最終濃度300nM及び配列番号20に記載のプライマーを最終濃度900nMとなるように用いた。
DNAポリメラーゼ:Ampli Taq Gold DNAポリメラーゼを用いた。
▲3▼PCR処理
48℃で30分間逆転写反応後、95℃で10分間保持した。
その後、95℃:15秒間、60℃:1分間のPCR操作を40サイクル行った。
(4)核酸の検出
ヒトCK19mRNAの増幅産物を標的2本鎖DNAに特異的にハイブリダイズするTaqManプローブによる蛍光法により検出した。TaqManプローブは、CK19には配列番号21のオリゴヌクレオチドで、各々5’末端にFAM、3’末端にTAMRAをラベルしたものを用いた。アプライドバイオシステムズ社製PRISM7700を用いて、反応液中の蛍光強度の増加をリアルタイムで測定した。
2)結果
血清成分を含むRNA試料をトリフルオロ酢酸セシウム含有緩衝液(pH3)で調製した場合の結果、及び中性緩衝液(pH8)で調製した場合のRT−PCRの結果を図7に示す。図中の四角のプロットはトリフルオロ酢酸セシウムを含む酸性緩衝液(pH3)を用いた場合、ひし形のプロットは中性緩衝液(pH8)を用いた場合の結果を示す。また、縦軸にはRT−PCR反応における増幅の立ち上がりサイクル数、横軸には反応液中に存在する血清タンパク量を示す。血清タンパクが含まれる場合、中性緩衝液で調製したRNA試料では増幅反応の阻害が起こり増幅の立ち上がりサイクル数が増えるが、トリフルオロ酢酸セシウムを含む酸性緩衝液で調製したRNA試料では阻害の程度が小さくサイクル数はあまり増えないことがわかる。これらのことからトリフルオロ酢酸セシウムを含有する酸性緩衝液(pH3)を用いてRNA試料を調製することはRT−LAMPによる増幅における反応阻害の防止に有効であるだけにとどまらず、RT−PCR反応にも有効であることが確認できた。
産業上の利用可能性
以上説明したように、核酸を増幅してRNAを検出する方法において、本発明の検体の調製条件により、RT−PCR法及びRT−LAMP法において、粗製RNA試料でも測定可能であることが確認され、核酸増幅手段を用いた測定時間の短縮化が達成できた。
【配列表】
Figure 2003060116
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【図面の簡単な説明】
第1図は、抽出したRNAの安定性を示した説明図である(実施例1)。
第2図は、塩化カリウム−HCl(pH3.0)+0.1%ノニデットP−40緩衝液で調製した検体について、RT−LAMP法によるCK19mRNAの遺伝子産物増幅タイムコースを示した説明図である(実施例3)。
第3図は、グリシン−HCl(pH2.2)緩衝液で調製した検体について、RT−LAMP法によるCK19mRNAの遺伝子産物増幅タイムコースを示した説明図である(実施例3)。
第4図は、トリフルオロ酢酸セシウム添加の有無によるCK19mRNAの遺伝子産物の増幅立ち上がり時間を比較した図である(実施例4)。
第5図および第6図は、RNaseインヒビターの添加の有無によるβ−アクチンmRNAの遺伝子産物増幅を比較した図である(実施例5)。
第7図は、緩衝液のpHの違いによるCK19mRNAの遺伝子産物の増幅立ち上がりサイクル数を比較した図である(実施例7)。

Claims (30)

  1. 核酸の分解活性を阻害する手段を導入し、生体試料から核酸成分の単離精製をしないで核酸を増幅することを特徴とする直接核酸増幅法。
  2. 核酸の分解活性を阻害する手段が、RNAの分解活性を阻害する手段である請求の範囲第1項に記載の核酸増幅方法。
  3. 分解活性を阻害する手段の導入が酸性pHでなされる請求の範囲第1項又は第2項に記載の核酸増幅方法。
  4. 酸性pHがpH2.5〜pH5である請求の範囲第3項に記載の核酸増幅方法。
  5. 採取した生体試料を均質化する工程を経た後に、核酸成分の単離精製をしないで核酸を増幅する請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1に記載の核酸増幅方法。
  6. 核酸増幅反応の反応阻害物及び/又は核酸成分と相互作用する塩を用いて生体試料を処理し、核酸成分の単離精製をしないで核酸を増幅することを特徴とする直接核酸増幅方法。
  7. 反応阻害物及び/又は核酸成分と塩との相互作用が、イオン結合及び/又は疎水結合による請求の範囲第6項に記載の核酸増幅方法。
  8. 塩がカオトロピック塩である請求の範囲第6項又は第7項に記載の核酸増幅方法。
  9. 塩がトリハロ酢酸のアルカリ金属塩である請求の範囲第6項又は第7項に記載の核酸増幅方法。
  10. 塩の種類が、NaCl、KCl、NaI、KI、TMACl(テトラメチルアンモニウムクロライド)、TEACl(テトラエチルアンモニウムクロライド)、KSCN、CsSCN、CsClのいずれか少なくとも1を含む請求の範囲第8項に記載の核酸増幅方法。
  11. 塩の種類が、CFCOOCs(トリフルオロ酢酸セシウム)を含む請求の範囲第9項に記載の核酸増幅方法。
  12. 塩濃度が1mM〜2000mMである請求の範囲第6項〜第11項のいずれか1に記載の核酸増幅方法。
  13. 核酸の分解活性を阻害する手段を導入し、さらに核酸増幅反応の反応阻害物と相互作用する塩を用いて生体試料を処理する請求の範囲第6項〜第12項のいずれか1に記載の核酸増幅方法。
  14. 核酸の分解活性を阻害する手段が、RNAの分解活性を阻害する手段である請求の範囲第13項に記載の核酸増幅方法。
  15. 分解活性を阻害する手段の導入が酸性pHでなされる請求項の範囲第12項〜第14項のいずれか1に記載の核酸増幅方法。
  16. 酸性pHがpH2.5〜pH5である請求の範囲第15項に記載の核酸増幅方法。
  17. 採取した生体試料を均質化する工程を経た後に核酸成分の単離精製を行わずに行う請求の範囲第6項〜第16項のいずれか1に記載の核酸増幅方法。
  18. 反応阻害物及び/又は核酸成分と相互作用する塩を用いて処理した生体試料をさらにアニオン性の固体を用いて処理する請求の範囲第6項〜第17項のいずれか1に記載の核酸増幅方法。
  19. 反応阻害物及び/又は核酸成分と相互作用する塩を用いて処理した生体試料を、核酸成分の分解酵素阻害剤共存下で増幅させる請求の範囲第6項〜第18項のいずれか1に記載の核酸増幅方法。
  20. 核酸成分の分解酵素阻害剤が、RNaseインヒビターである請求項の範囲第19項に記載の核酸増幅方法。
  21. 核酸増幅方法が、LAMP法、RT−LAMP法、PCR法又はRT−PCR法のいずれかである請求の範囲第1項〜第20項のいずれか1に記載の核酸増幅方法。
  22. 請求の範囲第1項〜第20項のいずれか1に記載の核酸増幅方法に使用する生体試料の処理方法。
  23. 請求の範囲第1項〜第20項のいずれか1に記載の核酸増幅方法に使用する核酸検出用試薬。
  24. 請求の範囲第1項〜第20項のいずれか1に記載の核酸増幅方法を使用する核酸検出システム。
  25. 請求の範囲第24項に記載の核酸検出システムを使用する核酸の検査装置。
  26. 請求の範囲第24項に記載の核酸検出システムを使用する癌転移の検査方法。
  27. 請求の範囲第24項に記載の核酸検出システムに使用する核酸検査キット。
  28. 核酸成分を安定な状態に保つpHを有する生体試料処理溶液。
  29. pHが2.5−5である請求の範囲第28項に記載の生体試料処理溶液。
  30. さらに、核酸増幅反応の反応阻害物及び/又は核酸成分と相互作用する塩を含む請求の範囲第28項又は第29項に記載の生体処理溶液。
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