WO2022059607A1 - 圧電式バルブ - Google Patents

Abstract

弁体を駆動するアクチュエータと、弁体と接離する弁座及び排出路を有する弁座プレートと、弁座プレートを収納する本体ケースと、を備える圧電式バルブであって、アクチュエータは、弁座プレートに固定される基部と、基部の取付け面に一端部が接続され、第１長手方向に延びる圧電素子と、基部と一体成形され、圧電素子と並んで第１長手方向と交差する第２長手方向に延びる支持部と、圧電素子の他端部及び支持部の先端部と接続され、圧電素子の伸縮に伴って第１長手方向及び第２長手方向それぞれと異なる方向に変位する作用部と、作用部の変位によって駆動される弁体と、を備え、本体ケースは、圧縮気体が供給される気体供給口と、気体供給口から供給された圧縮気体を弁体と弁座との離間によって弁座プレートの排出路を介して排出する気体排出口と、を備える。

Description

圧電式バルブ

　本発明は、圧電素子の変位を利用してバルブの開閉を行う圧電式バルブに関する。

　従来、圧電素子の変位を利用してバルブの開閉を行い、圧縮気体を噴出する圧電式バルブは、例えば特許文献１に記載されるように周知である。

　特許文献１に記載された圧電式バルブは、高速応答性能に優れる圧電素子の特性を利用するアクチュエータを備える。また、特許文献１に記載された圧電式バルブは、アクチュエータに圧電素子の小さな変位をテコの原理に基づき拡大する変位拡大機構を備えるものである。

　圧電式バルブは、応答性に優れる。そのため、米粒等の粒状物を対象とした光学式選別機のエジェクタバルブとして不良品を除去することに用いられる。この場合、良品が巻き添えとなって除去されることが少なく、除去された不良品側の不良品混入率が電磁式バルブに比べて高いとの知見を、試験からも、また経験則上も得られている。

　ところで、圧電式バルブは、光学式選別機のエジェクタバルブ等として用いる場合、例えば特許文献２に記載されるように、圧縮エア源から圧縮エアが供給される空間を内部に有するマニホールドに直接連続状に装着される。この場合、エジェクタの先端には多数のノズル孔が開口することとなる。

　ところが、特許文献１に記載された圧電式バルブは、アクチュエータを固定した弁座プレートをバルブ本体のケース内に収納するものであり、アクチュエータがアーム及び板バネ等を有する複雑な構造の変位拡大機構を備えている。したがって、アクチュエータの厚み幅の寸法を小さくできないために、複数のエア排出口を設ける場合、エア排出口のピッチを小さくすることが困難な問題があった。

特開２０１７－５１８９４号公報 特開２０１５－１３７６６４号公報

　そこで、本発明は、気体排出口のピッチを小さくすることが可能な圧電式バルブを提供することを目的とする。

　上記目的を達成するため、本発明の一実施形態は、
　複数の弁体をそれぞれ個別に平行な面内で駆動する複数のアクチュエータと、
　複数の弁体とそれぞれ個別に接離する弁座及び排出路を複数有し、複数のアクチュエータを固定する弁座プレートと、
　弁座プレートを収納する本体ケースと、を備える圧電式バルブであって、
　複数のアクチュエータのそれぞれは、
　弁座プレートに固定される基部と、
　基部の取付け面に一端部が接続され、第１長手方向に延びる圧電素子と、
　基部と一体成形され、圧電素子と並んで第１長手方向と交差する第２長手方向に延びる支持部と、
　圧電素子の他端部及び支持部の先端部と接続され、圧電素子の伸縮に伴って、第１長手方向及び第２長手方向それぞれと異なる変位方向に変位する作用部と、
　作用部の変位する方向の側に設けられ、作用部の変位によって駆動される弁体と、を備え、
　本体ケースは、
　当該本体ケース内に圧縮気体が供給される気体供給口と、
　気体供給口から供給された圧縮気体を複数の弁体と複数の弁座との離間によって弁座プレートの各排出路を介してそれぞれ個別に排出する複数の気体排出口と、
を備えることを特徴する。

　本発明の一実施形態は、
　弁座プレートが、排出路と本体ケースの気体排出口が連通するように本体ケース内に固定されることが好ましい。

　本発明の一実施形態は、
　複数のアクチュエータのそれぞれは、作用部が、圧電素子の伸縮に伴って、第１長手方向及び第２長手方向それぞれと異なる方向であって、第１長手方向及び第２長手方向を含む平面に平行な面内における変位方向に変位することが好ましい。

　本発明の一実施形態は、
　弁座プレートが、弁座及び排出路が形成される弁座部を有し、複数の弁座は弁座部の相対する両側部に設けられ、
　複数のアクチュエータは、各弁体が各弁座にそれぞれ対峙すべく弁座プレートに固定されることが好ましい。

　本発明の一実施形態は、
　弁座プレートが、弁座及び排出路が形成される弁座部を有し、複数の弁座は幅方向が一部重合するように弁座部の相対する両側部に互いに齟齬して設けられ、
　複数のアクチュエータは、各弁体が各弁座にそれぞれ対峙すべく弁座プレートに固定されることが好ましい。

　本発明の一実施形態は、
　複数の弁座が、弁座部の各側において幅方向（弁座プレートの厚み幅の方向）に並設されることが好ましい。

　また、上記目的を達成するため、本発明の一実施形態は、
　弁体を駆動するアクチュエータと、
　弁体と接離する弁座及び排出路を有し、アクチュエータを固定する弁座プレートと、
　弁座プレートを収納する本体ケースと、を備える圧電式バルブであって、
　アクチュエータは、
　弁座プレートに固定される基部と、
　基部の取付け面に一端部が接続され、第１長手方向に延びる圧電素子と、
　基部と一体成形され、圧電素子と並んで第１長手方向と交差する第２長手方向に延びる支持部と、
　圧電素子の他端部及び支持部の先端部と接続され、圧電素子の伸縮に伴って、第１長手方向及び第２長手方向それぞれと異なる方向に変位する作用部と、
　作用部の変位する方向の側に設けられ、作用部の変位によって駆動される弁体と、を備え、
　本体ケースは、
　当該本体ケース内に圧縮気体が供給される気体供給口と、
　気体供給口から供給された圧縮気体を弁体と弁座との離間によって弁座プレートの排出路を介して排出する気体排出口と、
を備えることを特徴する。

　本発明の一実施形態は、
　弁座プレートが、排出路と本体ケースの気体排出口が連通するように本体ケース内に固定されることが好ましい。

　本発明の一実施形態は、
　アクチュエータは、作用部が、圧電素子の伸縮に伴って、第１長手方向及び第２長手方向それぞれと異なる方向であって、第１長手方向及び第２長手方向を含む平面に平行な面内における変位方向に変位することが好ましい。

　本発明の一実施形態は、
　支持部が、第２長手方向に延びる中間部分にくびれ部を有することが好ましい。

　本発明の一実施形態は、
　弁座が、複数の環状凸部内に排出路が開口する弁座面を有し、
　弁体が、弁座面の複数の環状凸部と接離することが好ましい。

　本発明の一実施形態の圧電式バルブは、複数のアクチュエータのそれぞれが、弁座プレートに固定される基部と、基部の取付け面に一端部が接続され、第１長手方向に延びる圧電素子と、基部と一体成形され、圧電素子と並んで第１長手方向と交差する第２長手方向に延びる支持部と、圧電素子の他端部及び支持部の先端部と接続され、圧電素子の伸縮に伴って、第１長手方向及び第２長手方向それぞれと異なる変位方向に変位する作用部と、作用部の変位する方向の側に設けられ、作用部の変位によって駆動される弁体と、を備えるので、アクチュエータがシンプルな構造の変位拡大機構を備え、アクチュエータの厚み幅の寸法を従来よりも小さくすることができる。
　したがって、本発明の一実施形態の圧電式バルブによれば、従来の圧電式バルブに比べ、気体排出口のピッチを小さくすることができる。

　また、本発明の一実施形態の圧電式バルブは、アクチュエータが、基部と一体成形される支持部を備えるので、部品点数が削減され、アクチュエータの組立てが容易となる。

　本発明の一実施形態の圧電式バルブは、弁座プレートが、弁座及び排出路が形成される弁座部を有し、複数の弁座は弁座部の相対する両側部に設けられ、複数のアクチュエータは、各弁体が各弁座にそれぞれ対峙すべく弁座プレートに固定されることとすれば、複数のアクチュエータが固定された弁座プレートの厚み幅の寸法を小さくできるので、従来の圧電式バルブに比べ、気体排出口のピッチを小さくすることができる。

　本発明の一実施形態の圧電式バルブは、弁座プレートが、弁座及び排出路が形成される弁座部を有し、複数の弁座は幅方向が一部重合するように弁座部の相対する両側部に互いに齟齬して設けられ、複数のアクチュエータは、各弁体が各弁座にそれぞれ対峙すべく弁座プレートに固定されることとすれば、弁座プレートには、弁座部の両側部において、複数のアクチュエータが弁座プレートの厚み幅の方向に一部重合した状態で固定されることとなり、複数のアクチュエータが固定された弁座プレートの厚み幅の寸法をさらに小さくできるので、従来の圧電式バルブに比べ、気体排出口のピッチをさらに小さくすることができる。

　本発明の一実施形態の圧電式バルブは、複数の弁座が、弁座部の両側部それぞれにおいて、弁座プレートの厚み幅の方向に並設されることとすれば、１つの弁座プレートに少なくとも４つのアクチュエータを固定することができるので、アクチュエータ１つ当たりの弁座プレートの厚み幅の寸法を小さくすることができ、従来の圧電式バルブに比べ、気体排出口のピッチを小さくすることができる。

　本発明の一実施形態の圧電式バルブは、アクチュエータが、弁座プレートに固定される基部と、基部の取付け面に一端部が接続され、第１長手方向に延びる圧電素子と、基部と一体成形され、圧電素子と並んで第１長手方向と交差する第２長手方向に延びる支持部と、圧電素子の他端部及び支持部の先端部と接続され、圧電素子の伸縮に伴って、第１長手方向及び第２長手方向それぞれと異なる方向に変位する作用部と、作用部の変位する方向の側に設けられ、作用部の変位によって駆動される弁体と、を備えるので、アクチュエータがシンプルな構造の変位拡大機構を備え、アクチュエータの厚み幅の寸法を従来よりも小さくすることができる。
　したがって、本発明の圧電式バルブによれば、複数のアクチュエータを備えることとした場合、従来の圧電式バルブに比べ、気体排出口のピッチを小さくすることが可能となる。

　本発明の一実施形態の圧電式バルブは、支持部が、第２長手方向に延びる中間部分にくびれ部を有することとすれば、作用部の変位を拡大することができる。

　本発明の一実施形態の圧電式バルブは、弁座が、複数の環状凸部内に排出路が開口する弁座面を有し、弁体が、弁座面の複数の環状凸部と接離することとすれば、排出路における開口の全体の周長を長くすることで、弁体と弁座の離間時に、排出路を介して本体ケースの気体排出口から排出される気体の排出量を増加させることができる。

圧電式バルブの斜視図である。 圧電式バルブの説明図である。 アクチュエータの説明図である。 第１弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の斜視図である。 第１弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の説明図である。 第１弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の説明図である。 弁座面の説明図である。 第２弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の斜視図である。 第２弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の説明図である。 第２弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の説明図である。

　本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
＜実施形態１＞
　図１は圧電式バルブの斜視図を示す。図２は圧電式バルブの説明図であって側面側から見た図を示す。
　本発明の実施形態１において、圧電式バルブ１は、バルブ本体２、後述するアクチュエータ３、及びアクチュエータ３が固定された状態でバルブ本体２の内部に配設される後述する弁座プレート４を備える。

　バルブ本体２は、後面（図１及び図２では下面）が開口するケースであって、内部には、外部の圧縮気体供給源（図示せず）から圧縮気体の供給を受ける気体圧力室を備える。
　また、バルブ本体２の前面（図１及び図２では上面）には、圧縮気体源から圧縮気体が供給される空間を内部に有するマニホールド（図示せず）に装着するためのコネクタ部５が設けられる。

　コネクタ部５の前面には、バルブ本体２内に圧縮気体を吸入する気体吸入口５１及び圧縮気体を排出する複数の気体排出口５２が開口する。
　また、バルブ本体２の前面には、コネクタ部５の気体吸入口５１と連通する気体供給口（図示せず）、及び各気体排出口５２と連通する複数の気体排出口（図示せず）が開口する。
　バルブ本体２の後面はカバー体６により閉鎖される。カバー体６には圧電素子に給電するための配線コネクタ６１が配設される。

　図３はアクチュエータの説明図を示す。
　アクチュエータ３は、弁座プレートに固定される基部３１と、基部３１の取付け面に一端部が接続され、第１長手方向に延びる圧電素子３２と、基部３１と一体成形され、圧電素子３２と並んで第１長手方向と交差する第２長手方向に延びる支持部３３を備える。

　また、アクチュエータ３は、圧電素子３２の他端部及び支持部３３の先端部と接続され、圧電素子３２の伸縮に伴って、第１長手方向及び第２長手方向それぞれと異なる方向に変位する作用部３４を備える。また、アクチュエータ３は、作用部３４の先端側であって変位する方向の一側面に設けられ、作用部３４の変位によって駆動される弁体３５を備える。

　アクチュエータ３は、圧電素子３２の伸縮に伴い、作用部３４が第１長手方向及び第２長手方向を含む平面に略平行な面内で、第１長手方向及び第２長手方向それぞれと異なる変位方向に変位する。
　また、支持部３３の第２長手方向に延びる中間部分にくびれ部３３１を設けることで、圧電素子３２の伸縮に伴う作用部３４の変位を拡大することができる。

　ここで、基部３１及び支持部３３は、例えばインバー材を含むステンレス材等の金属材料を打ち抜いて一体成形することができる。
　基部３１及び支持部３３を、金属材料を打ち抜いて一体成形すれば、部品点数が削減され、アクチュエータ３の組立てが容易となる。

　また、基部３１の取付け面には、例えばアルミブロック等からなる連結部材３１１を取付けることができる。
　基部３１の取付け面に、支持部３３よりも線膨張係数の大きな材料からなる連結部材３１１を取付け、圧電素子３２を、連結部材３１１を介して基部３１に取付けることとすれば、温度変化による圧電素子３２の熱膨張又は熱収縮の影響を軽減し、又は無くすことができる。
　なお、連結部材３１１は、基部３１の取付け面でなく、圧電素子３２と作用部３４の間に取り付けることもできる。

　作用部３４は、例えばアルミニウム材等の軽量材料により形成することができる。作用部３４をアルミニウム材等の軽量材料により形成することとすれば、作用部３４を変位させるうえで好ましい。
　また、弁体３５は、ゴム製等であって、好ましくは滑性ゴムとすることができる。

　なお、アクチュエータ３は、基部３１と作用部３４の間を圧縮部材３６で連結することができる。
　圧電素子は引張方向の荷重に対し損傷しやすい。しかし、基部３１と作用部３４の間を圧縮部材３６で連結することとすれば、圧電素子３２を第１長手方向に圧縮することができる。そのため、圧電素子３２の損傷を防止できる。

　図４は第１弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の斜視図を示す。図５は第１弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の説明図であって、第１弁座プレートの側面側から見た図を示す。図６は第１弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の説明図であって、第１弁座プレートの前面側から見た図を示す。
　本発明の実施形態１における圧電式バルブ１は、アクチュエータ３を固定した第１弁座プレート４をバルブ本体２の内部に収納するものである。
　第１弁座プレート４は、２つのアクチュエータを取り付けることが可能な弁座プレートの一例である。第１弁座プレート４は、中央部分に弁座部４１を有する。弁座部４１の相対する両側面にはそれぞれアクチュエータ３の弁体３５が当接する弁座４２が設けられる。

　第１弁座プレート４の一面側には、弁座部４１の一方の側面に対向する位置にアクチュエータ３の取り付け部４３が形成される。
　また、第１弁座プレート４の他面側には、弁座部４１の他方の側面に対向する位置にアクチュエータ３の取り付け部４４が形成される。
　２つのアクチュエータ３は、各弁体３５が各弁座４２に対峙するよう、第１弁座プレート４の各取り付け部４３，４４に配設されネジにより固定される。

　弁座部４１には、各弁座４２の弁座面に開口する複数の排出路４５が形成される。各排出路４５は第１弁座プレート４の前面（図５では上面）に開口する。
　第１弁座プレート４は、２つのアクチュエータ３が固定された状態でバルブ本体２の内部に配設される。第１弁座プレート４は、バルブ本体２の前面側から前面がネジにより固定されることで、各排出路４５がバルブ本体２の前面に開口する各気体排出口と連通する。

　圧電式バルブ１は、閉弁状態においてアクチュエータ３の圧電素子３２に通電すると、圧電素子３２が伸長し、作用部３４が変位して、弁体３５が弁座４２から離間して開弁する。これにより、圧電式バルブ１は、バルブ本体２に気体供給口から供給される圧縮気体を、第１弁座プレート４の弁座部４１に形成される排出路４５を介してバルブ本体２の前面に開口する気体排出口から排出する。
　他方、圧電式バルブ１は、アクチュエータ３の圧電素子３２への通電が解除されると、圧電素子３２が収縮し、作用部３４が反対方向へ変位して、弁体３５が弁座４２に着座して閉弁する。

　本発明の実施形態１における圧電式バルブ１は、第１弁座プレート４がバルブ本体２のケース内に幅方向に並んで２つ収納されるものであり、バルブ本体２の前面に４つの気体排出口が開口する。

　本発明の実施形態１における圧電式バルブ１は、アクチュエータ３がシンプルな構造の変位拡大機構を備え、アクチュエータ３の厚み幅の寸法を従来よりも小さくすることができる。
　したがって、本発明の実施形態１における圧電式バルブ１によれば、従来の圧電式バルブに比べ、バルブ本体２の前面に開口する気体排出口のピッチを小さくすることができる。

　また、本発明の実施形態１における圧電式バルブ１は、アクチュエータ３が、基部３１と一体成形される支持部３３を備えるので、部品点数が削減され、アクチュエータ３の組立てが容易となる。

　本発明の実施形態１における圧電式バルブ１は、第１弁座プレート４が弁座部４１を有し、弁座部４１の両側面に弁座４２が設けられ、２つのアクチュエータ３が、各弁体３５が各弁座４２にそれぞれ対峙するように第１弁座プレート４に固定される。そのため、２つのアクチュエータ３が固定された第１弁座プレート４の厚み幅の寸法を小さくできる。
　したがって、本発明の実施形態１における圧電式バルブ１によれば、従来の圧電式バルブに比べ、バルブ本体２の前面に開口する気体排出口のピッチを小さくすることができる。

　ここで、第１弁座プレート４は、各弁座４２が、幅方向が一部重合するように弁座部４１の両側面に互いに齟齬して設けられる。２つのアクチュエータ３は、各弁体３５が各弁座４２にそれぞれ対峙するように第１弁座プレート４に固定されている。

　したがって、本発明の実施形態１における圧電式バルブ１は、第１弁座プレート４には、弁座部４１の両側面において、２つのアクチュエータ３を第１弁座プレート４の厚み幅の方向に一部重合した状態で固定することとなる。そのため、２つのアクチュエータ３が固定された第１弁座プレート４の厚み幅の寸法をさらに小さくできるので、従来の圧電式バルブに比べ、バルブ本体２の前面に開口する気体排出口のピッチをさらに小さくすることができる。

　なお、図６に示すように、第１弁座プレート４の前面に開口する各排出路４５は、第１弁座プレート４の厚み幅の方向（図６の上下方向）に一列に開口するものではない。しかし、一面において各排出路４５の開口と連通し、他面において一列に開口する複数の流路を内部に有する中間部材を利用することで、バルブ本体２の前面に開口する複数の気体排出口を横一列に揃えることができる。

　また、バルブ本体２の前面に開口する複数の気体排出口が、バルブ本体２の厚み幅の方向に一列に開口するものでない場合、一面において各気体排出口の開口と連通し、他面において一列に開口する複数の流路を内部に有する中間部材を利用することで、コネクタ部５に開口する複数の気体排出口５２を横一列に揃えることができる。

　図７は弁座面の説明図であって、弁座面を正面側から見た図を示す。
　第１弁座プレート４の弁座部４１に設けられる弁座４２には、複数の環状凸部４２１が設けられる。弁座４２は、各環状凸部４２１内に排出路４５が開口する弁座面を有するものとすることができる。ここでは、弁座面に２つの環状凸部４２１を設けた例を示す。また、環状凸部４２１内に開口する各排出路４５は、弁座部４１の内部において１つの排出路４５に合流する。

　アクチュエータ３は、作用部３４を安定して変位動作させるため、作用部３４及び弁体３５の長さを短くすることが好ましいが、その場合、弁座４２の長さも短くする必要がある。
　そこで、アクチュエータ３の弁体３５が、弁座面の複数の環状凸部４２１と接離することとすれば、バルブ本体２内から圧縮気体が排出される排出路４５の開口の全体の周長を長くし、必要な周長を確保することができる。その結果、弁体３５と弁座４２の離間時に、排出路４５からの圧縮気体の排出量を増加させ、必要な圧縮気体の排出量を確保することができる。

＜実施形態２＞
　図８は第２弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の斜視図を示す。図９は第２弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の説明図であって、第２弁座プレートの側面側から見た図を示す。図１０は第２弁座プレートにアクチュエータを固定した状態の説明図であって、第２弁座プレートの前面側から見た図を示す。
　本発明の実施形態２における圧電式バルブ１は、アクチュエータ３を固定した第２弁座プレート８をバルブ本体２の内部に収納するものである。
　第２弁座プレート８は、４つのアクチュエータを取り付けることが可能な弁座プレートの一例である。第２弁座プレート８は、中央部分に弁座部８１を有し、弁座部８１の相対する両側面にそれぞれアクチュエータ３の弁体３５が当接する弁座８２が設けられる。

　第２弁座プレート８の一面側には、弁座部８１の両方の側面に対向する位置にそれぞれアクチュエータ３の取り付け部８３が形成される。
　また、第２弁座プレート８の他面側には、弁座部８１の両方の側面に対向する位置にそれぞれアクチュエータ３の取り付け部８４が形成される。
　４つのアクチュエータ３は、各弁体３５が各弁座８２に対峙するよう、第２弁座プレート８の各取り付け部８３，８４に配設されネジにより固定される。

　弁座部８１には、弁座８２の弁座面に開口する複数の排出路８５が形成される。各排出路８５は第２弁座プレート８の前面（図９では上面）に開口する。
　第２弁座プレート８は、４つのアクチュエータ３が固定された状態でバルブ本体２の内部に配設され、バルブ本体２の前面側から前面がネジにより固定される。これにより、各排出路８５がバルブ本体２の前面に開口する各気体排出口と連通する。

　本発明の実施形態２における圧電式バルブ１は、第２弁座プレート８がバルブ本体２のケース内に１つ収納されるものであり、バルブ本体２の前面に４つの気体排出口が開口する。

　本発明の実施形態２における圧電式バルブ１も、実施形態１における圧電式バルブ１と同様、アクチュエータ３を備えるものであり、従来の圧電式バルブに比べ、バルブ本体２の前面に開口する気体排出口のピッチを小さくすることができる。

　また、本発明の実施形態２における圧電式バルブ１も、アクチュエータ３の組立てが容易となる。

　本発明の実施形態２における圧電式バルブ１は、第２弁座プレート８が弁座部８１を有し、弁座部８１の両側面に弁座８２が設けられ、４つのアクチュエータ３が、各弁体３５が各弁座８２にそれぞれ対峙するように第２弁座プレート８の両面に２つずつ固定される。そのため、４つのアクチュエータ３が固定された第２弁座プレート８の厚み幅の寸法を小さくできる。
　したがって、本発明の実施形態２における圧電式バルブ１によっても、従来の圧電式バルブに比べ、バルブ本体２の前面に開口する気体排出口のピッチを小さくすることができる。

　ここで、第２弁座プレート８においても、第１弁座プレート４と同様に、各弁座８２を、幅方向が一部重合するように弁座部８１の両側面に互いに齟齬して並設し、４つのアクチュエータ３を、各弁体３５が各弁座８２にそれぞれ対峙するように第２弁座プレート８に固定することができる。

　本発明の実施形態２における圧電式バルブ１によっても、第２弁座プレート８には、弁座部８１の両側面において、４つのアクチュエータ３を第２弁座プレート８の厚み幅の方向に一部重合した状態で固定することができる。そのため、４つのアクチュエータ３が固定された第２弁座プレート８の厚み幅の寸法をさらに小さくすることができ、従来の圧電式バルブに比べ、バルブ本体２の前面に開口する気体排出口のピッチをさらに小さくすることができる。

　なお、その場合、第２弁座プレート８の前面に開口する各排出路８５は、第２弁座プレート８の厚み幅の方向（図１０の上下方向）に一列に開口するものとはならない。しかし、第１弁座プレート４と同様、中間部材を利用することで、バルブ本体２の前面に開口する各気体排出口、又は、コネクタ部５に開口する各気体排出口５２を横一列に揃えることができる。

　上記本発明の実施形態において、圧電式バルブは、圧電素子に電圧が印加されていない状態で、弁体が弁座に着座することとした。しかし、駆動部から供給される電圧等の極性を変更することで、圧電素子に電圧が印加されていない状態で、弁体が弁座から離間した状態とすることもできる。

　上記本発明の実施形態において、圧電式バルブは、バルブ本体のケース内に４つのアクチュエータを配設し、バルブ本体の前面に４つの気体排出口が開口することとした。しかし、これに限定されるものでなく、バルブ本体内に１つ以上のアクチュエータを配設することができる。

　上記本発明の実施形態では、２つの弁座プレートを例として説明したが、弁座プレートはこれに限定されるものでなく、例えば、第２弁座プレート８において一面側にのみ２つのアクチュエータの取り付け部を形成することもできる。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいてその構成を適宜変更することができる。

　本発明の一実施形態の圧電式バルブは、従来の圧電式バルブに比べ、本体ケースが備える気体排出口のピッチを小さくすることが可能であり、例えば粒状物を対象とした光学式選別機のエジェクタバルブなど、様々な用途に利用することができる。

１　　　圧電式バルブ
２　　　バルブ本体
３　　　アクチュエータ
３１　　　基部
３１１　　　連結部材
３２　　　圧電素子
３３　　　支持部
３３１　　　くびれ部
３４　　　作用部
３５　　　弁体
３６　　　圧縮部材
４　　　第１弁座プレート
４１　　　弁座部
４２　　　弁座
４２１　　　環状凸部
４３　　　取り付け部
４４　　　取り付け部
４５　　　排出路
５　　　コネクタ部
５１　　　気体吸入口
５２　　　気体排出口
６　　　カバー体
６１　　　配線コネクタ
８　　　第２弁座プレート
８１　　　弁座部
８２　　　弁座
８３　　　取り付け部
８４　　　取り付け部
８５　　　排出路

Claims (6)

1. 　複数の弁体をそれぞれ個別に平行な面内で駆動する複数のアクチュエータと、
   　前記複数の弁体とそれぞれ個別に接離する弁座及び排出路を複数有し、前記複数のアクチュエータを固定する弁座プレートと、
   　前記弁座プレートを収納する本体ケースと、を備える圧電式バルブであって、
   　前記複数のアクチュエータのそれぞれは、
   　前記弁座プレートに固定される基部と、
   　前記基部の取付け面に一端部が接続され、第１長手方向に延びる圧電素子と、
   　前記基部と一体成形され、前記圧電素子と並んで前記第１長手方向と交差する第２長手方向に延びる支持部と、
   　前記圧電素子の他端部及び前記支持部の先端部と接続され、前記圧電素子の伸縮に伴って、前記第１長手方向及び前記第２長手方向それぞれと異なる変位方向に変位する作用部と、
   　前記作用部の前記変位する方向の側に設けられ、前記作用部の変位によって駆動される前記弁体と、を備え、
   　前記本体ケースは、
   　圧縮気体が供給される気体供給口と、
   　前記気体供給口から供給された圧縮気体を前記複数の弁体と前記複数の弁座との離間によって前記弁座プレートの前記各排出路を介してそれぞれ個別に排出する複数の気体排出口と、
   を備えることを特徴する圧電式バルブ。
2. 　前記弁座プレートは、前記弁座及び前記排出路が形成される弁座部を有し、前記複数の弁座は前記弁座部の両側部に設けられ、
   　前記複数のアクチュエータは、前記各弁体が前記各弁座にそれぞれ対峙すべく前記弁座プレートに固定される請求項１に記載の圧電式バルブ。
3. 　前記弁座プレートは、前記弁座及び前記排出路が形成される弁座部を有し、前記複数の弁座は幅方向が一部重合するように前記弁座部の両側部に互いに齟齬して設けられ、
   　前記複数のアクチュエータは、前記各弁体が前記各弁座にそれぞれ対峙すべく前記弁座プレートに固定される請求項２に記載の圧電式バルブ。
4. 　弁体を駆動するアクチュエータと、
   　前記弁体と接離する弁座及び排出路を有し、前記アクチュエータを固定する弁座プレートと、
   　前記弁座プレートを収納する本体ケースと、を備える圧電式バルブであって、
   　前記アクチュエータは、
   　前記弁座プレートに固定される基部と、
   　前記基部の取付け面に一端部が接続され、第１長手方向に延びる圧電素子と、
   　前記基部と一体成形され、前記圧電素子と並んで前記第１長手方向と交差する第２長手方向に延びる支持部と、
   　前記圧電素子の他端部及び前記支持部の先端部と接続され、前記圧電素子の伸縮に伴って、前記第１長手方向及び前記第２長手方向それぞれと異なる方向に変位する作用部と、
   　前記作用部の前記変位する方向の側に設けられ、前記作用部の変位によって駆動される前記弁体と、を備え、
   　前記本体ケースは、
   　圧縮気体が供給される気体供給口と、
   　前記気体供給口から供給された圧縮気体を前記弁体と前記弁座との離間によって前記弁座プレートの前記排出路を介して排出する気体排出口と、
   を備えることを特徴する圧電式バルブ。
5. 　前記支持部は、前記第２長手方向に延びる中間部分にくびれ部を有する請求項１乃至４のいずれかに記載の圧電式バルブ。
6. 　前記弁座は、複数の環状凸部内に前記排出路が開口する弁座面を有し、
   　前記弁体は、前記弁座面の前記複数の環状凸部と接離する請求項１乃至５のいずれかに記載の圧電式バルブ。

Images