WO2022025077A1 - 光学フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明の光学フィルムは、シクロオレフィン樹脂を含む。光学フィルムの一方の面から厚みの30%の深さまでの領域を表層領域Sa、他方の面から厚みの30%の深さまでの領域を表層領域Sb、表層領域SaとSbとの間の領域を内層領域Cとしたとき、少なくとも表層領域Saの波長9.6μmの光の吸収係数Asと、内層領域Cの波長9.6μmの光の吸収係数Acとの比As/Acは、1.1~20であり、光学フィルムの波長9.6μmの光の吸収係数は、1.5×10-5/μm以上である。

Description

光学フィルム、偏光板および液晶表示装置
 本発明は、光学フィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
 液晶表示装置などの表示装置は、偏光板を含む。偏光板は、偏光子と、偏光子保護フィルムとを含む。偏光子保護フィルムとしては、優れた透明性と、高い耐湿性とを有することなどから、シクロオレフィン樹脂フィルムが用いられることがある。
 このような偏光板は、通常、偏光子と、偏光子保護フィルムとを接着剤などで貼り合わせた後、所定の大きさに切断して使用される。偏光板の切断は、例えば、ナイフを用いた機械的切断法やレーザー光を用いたレーザー切断法などで行われる。機械的な切断法では、微細な傷が付きやすく、残留応力も不均一になりやすいことから、近年では、レーザー切断法が採用されることが多くなっている。
 シクロオレフィン樹脂フィルムは、一般的に、レーザー光の吸収率が低いため、レーザー光での切断が難しかった。
 これに対し、レーザー切断法による切断を可能とするために、レーザー吸収剤を含む基材を含む偏光子保護フィルムを用いた偏光板が知られている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2018/139638号
 しかしながら、特許文献1のシクロオレフィン樹脂を含む偏光子保護フィルムのレーザー光による切断性は十分ではなかった。そのため、偏光子保護フィルムをレーザー光で切断するためには、高照度でのレーザー光の照射が必要であった。それにより、レーザー光の吸収率が高い偏光子は、焦げて煤が発生しやすく、偏光板が汚染されるという問題があった。一方で、レーザー光による切断性を高めるために、レーザー吸収剤(光吸収材料)を多く添加すると、光学フィルムの透明性が損なわれやすい。
 これに対し、本発明者らは、偏光子保護フィルム(光学フィルム)の表層領域のレーザー光の吸収率を局所的に高くすることで、光学フィルムの透明性を損なうことなく、レーザー光による切断性を高めうることを見出した。一方で、表層領域のレーザー光の吸収率を高くしすぎると、表示装置において光漏れを生じやすいという新たな問題があった。
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、表示装置において光漏れを生じることなく、レーザー光による切断性を高めることができる光学フィルム、偏光板および液晶表示装置を提供することを目的とする。
 本発明は、以下の光学フィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
 本発明の光学フィルムは、シクロオレフィン樹脂を含む光学フィルムであって、前記光学フィルムの一方の面から前記光学フィルムの厚みの30%の深さまでの領域を表層領域Sa、前記光学フィルムの他方の面から前記光学フィルムの厚みの30%の深さまでの領域を表層領域Sb、前記表層領域Saと前記表層領域Sbとの間の領域を内層領域Cとしたとき、少なくとも前記表層領域Saの、ATR法で測定される波長9.6μmの光の吸収係数Asと、前記内層領域Cの、ATR法で測定される波長9.6μmの光の吸収係数Acとの比As/Acは、1.1~20であり、前記光学フィルムの波長9.6μmの光の吸収係数は、1.5×10-5/μm以上である。
 本発明の偏光板は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された、本発明の光学フィルムとを有する。
 本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する第一偏光板および第二偏光板とを有し、第一偏光板および第二偏光板の少なくとも一方は、本発明の偏光板である。
 本発明によれば、表示装置において光漏れを生じることなく、レーザー光による切断性を高めることができる光学フィルム、偏光板および液晶表示装置を提供することができる。
図1は、光学フィルムの表層領域および内層領域を示す断面模式図である。 図2Aは、本実施の形態に係る光学フィルムの構成を示す断面図であり、図2Bは、変形例に係る光学フィルムの構成を示す断面図である。 図3は、本実施の形態に係る偏光板の構成を示す断面図である。 図4AおよびBは、図3の偏光板の製造方法を示す断面図である。
 前述の通り、光学フィルムの表層領域のレーザー光の吸収率を局所的に高くすることで、光学フィルムの透明性を損なうことなく、レーザー光による切断性を高めることができるものの、表示装置にしたときに光漏れを生じやすい。
 この理由は明らかではないものの、以下のように推測される。すなわち、光学フィルムの表層領域のレーザー光の吸収率を局所的に高くしすぎると、表層領域でのレーザー光の吸収による発熱量が、内層領域における発熱量よりも極端に大きくなり、応力差を生じやすいためと考えられる。
 これに対し、本発明では、光学フィルムの表層領域のレーザー光の吸収率を適度に高くする。すなわち、光学フィルム全体の波長9.6μmの光の吸収係数を一定以上としつつ、表層領域Saの波長9.6μmの光の吸収係数Asと、内層領域Cの波長9.6μmの光の吸収係数Acとの比As/Acを1.1~20、好ましくは3~15とする。それにより、レーザー光による切断性を高めつつ、表層領域Saと内層領域Cとでレーザー光の吸収による発熱に起因する応力差を少なくしうるため、表示装置における光漏れを抑制することができる。以下、本発明の構成について説明する。
 1.光学フィルム
 本発明の光学フィルムは、シクロオレフィン樹脂を含む。そして、光学フィルムの少なくとも一方の表層領域のレーザー光の吸収率が、局所的に高く(内層領域よりも高く)なっている。
 図1は、光学フィルム10の表層領域Sa、Sbおよび内層領域Cを示す断面模式図である。
 光学フィルム10の一方の面10aおよび他方の面10bから、光学フィルム10の厚みの30%の深さまでの領域をそれぞれ表層領域SaおよびSb、それらの間の領域を内層領域Cとしたとき、少なくとも一方の表層領域Saのレーザー光の吸収率は、内層領域Cのレーザー光の吸収率よりも高い。具体的には、少なくとも一方の表層領域Saの、波長9.6μmの光の吸収係数Asと、内層領域Cの波長9.6μmの光の吸収係数Acとの比As/Acは、1.1~20であることが好ましい。
 As/Acが1.1以上であると、表層領域Saのレーザー光の吸収率を相対的に高くしうるため、レーザー光による切断性を高めやすい。As/Acが20以下であると、表層領域Saにおけるレーザー光吸収による発熱量が、内層領域Cにおけるレーザー光吸収による発熱量よりも極端に大きくなりすぎないため、それによって生じる応力差を少なくすることができる。それにより、表示装置における光漏れを抑制することができる。同様の観点から、As/Acは、3~15であることがより好ましい。
 As/Acは、以下の方法で測定することができる。
 1)まず、顕微FTIR(Agilent製「UMA600」および「FTS3000」)を用いてATR法にて、入射光径:100μm、プリズム:Ge(入射角45°)、検出器:MCT-A、分解能:4.0cm-1、積算:64回の条件で、赤外吸収スペクトルを測定する。得られた赤外吸収スペクトルから、波長9.6μmに相当する部分(周波数1041cm-1)の吸光度を読み取り、光学フィルム10全体の吸光度Aを測定する。
 2)次いで、光学フィルム10の一方の面10aから、厚みの30%を削る。そして、削って得られた面の吸光度A1を、上記1)と同様に測定する。
 3)また、光学フィルム10の他方の面10bから、厚みの30%を削る。そして、削って得られた面の吸光度A2を、上記1)と同様に測定する。
 4)上記1)~3)で得られた吸光度A、A1およびA2を、下記式に当てはめて、表層領域Saの吸光係数Asおよび内層領域Cの吸光係数Acを、それぞれ算出する。
 表層領域Saの吸光係数As=(A-A1)×loge10÷(0.3T)
 内層領域Cの吸光係数Ac=A2×loge10÷(0.4T)(T:光学フィルム10の厚み
 A:光学フィルム10の吸光度
 A1:光学フィルム10の一方の面10aから光学フィルム10の厚みTの30%分を削って測定した吸光度
 A2:光学フィルム10の他方の面10bから光学フィルム10の厚みTの30%分を削って測定した吸光度)
 光学フィルム10の他方の表層領域Sbのレーザー光の吸収係数は、内層領域Cのレーザー光の吸収係数よりも高くてもよいし、同等であってもよい。すなわち、光学フィルム10の表層領域Sbの波長9.6μmの光の吸収係数Asと、内層領域Cの波長9.6μmの光の吸収係数Acとの比As/Acは、1~20であってよく、1.1~20であってもよい。
 また、光学フィルム10の波長9.6μmの光の吸収係数は、1.5×10-5/μm以上であることが好ましく、2.0×10-5~50×10-5/μmであることがより好ましい。
 光学フィルム10のAs/Acや吸収係数Aは、レーザー光を吸収する材料(光吸収材料)の分布や種類、含有量などによって調整することができる。すなわち、As/Acを一定以上と高くするためには、光学フィルム10は、表層領域Saおよび内層領域Cが、それぞれ光吸収材料を含み;表層領域Saにおける光吸収材料の含有量Msを、内層領域Cにおける光吸収材料の含有量Mcよりも多くすること(具体的には、Ms/Mcが2.5~20、好ましくは3.5~15とすること)が好ましい。光吸収材料については、後で詳細に説明する。
 そのような光学フィルム10は、基材層と表層とを有する積層フィルムであってもよいし、単層フィルムであってもよい。
 以下の実施の形態では、光学フィルムが、基材層と、表層とを有する積層フィルムである例で説明する。
 図2Aは、本実施の形態に係る光学フィルム10の構成を示す断面図である。
 図2Aに示されるように、本実施の形態に係る光学フィルム10は、基材層11と、それを挟む2つの表層12および13とを有する。
 基材層11は、シクロオレフィン樹脂と、光吸収材料とを含む。
 1-1.基材層
 1-1-1.シクロオレフィン樹脂
 シクロオレフィン樹脂は、ノルボルネン系単量体に由来する構造単位を含む重合体である。
 ノルボルネン系単量体は、下記式(1)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 式(1)のR~Rは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、または極性基を表す。
 ハロゲン原子の例には、フッ素原子、塩素原子などが含まれる。
 炭化水素基は、炭素原子数が1~10、好ましくは1~4、より好ましくは1または2の炭化水素基である。炭化水素基の例には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基が含まれる。炭化水素基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含む連結基(例えばカルボニル基、イミノ基、エーテル結合、シリルエーテル結合、チオエーテル結合など)の2価の連結基をさらに有していてもよい。
 極性基の例には、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、およびメチレン基などの連結基(-(CH-、nは1以上の整数)を介してこれらの基が結合した基が含まれる。中でも、アルコキシカルボニル基およびアリールオキシカルボニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基がより好ましい。
 中でも、R~Rのうち少なくとも1つは、極性基であることが好ましい。極性基を有するノルボルネン系単量体に由来する構造単位を含むシクロオレフィン樹脂は、例えば溶液流延法で製膜する際に、溶剤に溶解させやすく、得られるフィルムのガラス転移温度も高めやすいためである。一方、溶融製膜法では、極性基を有するノルボルネン系単量体に由来する構造単位を含まないシクロオレフィン樹脂であってよい。
 また、R~Rのうち、RおよびRの両方(またはRおよびRの両方)は、水素原子であってもよい。
 式(1)のpは、0~2の整数を示す。光学フィルムの耐熱性を高める観点では、pは、1~2であることが好ましい。
 式(1)で表されるノルボルネン系単量体の具体例を以下に示す。このうち、極性基を有するノルボルネン系単量体の例には、以下のものが含まれる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 極性基を有しないノルボルネン系単量体の例には、以下のものが含まれる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
 ノルボルネン系単量体に由来する構造単位の含有量は、シクロオレフィン樹脂を構成する全構造単位に対して50~100モル%でありうる。
 シクロオレフィン樹脂は、ノルボルネン系単量体に由来する構造単位と共重合可能な他の単量体に由来する構造単位をさらに含んでいてもよい。共重合可能な他の単量体の例には、(上記ノルボルネン系単量体が極性基を有する場合は)極性基を有しないノルボルネン系単量体や、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのノルボルネン骨格を有しないシクロオレフィン系単量体などが含まれる。
 シクロオレフィン樹脂としては、市販品を用いてもよい。市販品の例には、JSR社製のアートン(ARTON:登録商標)G、アートンF、アートンR、およびアートンRXが含まれる。
 シクロオレフィン樹脂の重量平均分子量Mwは、特に制限されないが、2万~30万であることが好ましく、3万~25万であることがより好ましく、4万~20万であることがさらに好ましい。シクロオレフィン樹脂の重量平均分子量Mwが上記範囲にあると、成形加工性を損なうことなく、光学フィルムの機械的特性を高めうる。
 シクロオレフィン樹脂の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
 具体的には、測定装置としては、ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー社製HLC8220GPC)、カラムとしては、東ソー社製 TSK-GEL G6000HXL-G5000HXL-G5000HXL-G4000HXL-G3000HXL直列を用いる。
 そして、試料20±0.5mgをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、0.45mmのフィルターで濾過する。この溶液を上記カラム(温度40℃)に100ml注入し、検出器RI、温度40℃で測定し、スチレン換算して、重量平均分子量を求める。
 シクロオレフィン樹脂のガラス転移温度Tgは、通常、110℃以上であることが好ましく、110~350℃であることがより好ましく、120~250℃であることがより好ましい。シクロオレフィン樹脂のTgが110℃以上であると、高温条件下でも変形が起こりにくい。Tgが350℃以下であると、成形加工性が損なわれにくく、成形加工時のシクロオレフィン樹脂の熱劣化をより抑制しうる。
 ガラス転移温度は、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS K 7121-2012に準拠した方法で測定することができる。
 シクロオレフィン樹脂の含有量は、特に制限されないが、光学フィルムに対して50質量%以上であることが好ましく、70~99質量%であることがより好ましい。
 1-1-2.光吸収材料
 光吸収材料は、波長9.0~11.0μmの光の吸光係数が4.0×10-3/μm以上の光吸収材料でありうる。そのような光吸収材料は、通常、カルボニル基を有する化合物であり、好ましくはエステル化合物、または、(メタ)アクリル重合体粒子である。
 <エステル化合物>
 エステル化合物は、糖エステル化合物、重縮合エステル化合物、多価アルコールエステル化合物のいずれであってもよい。
 (糖エステル化合物)
 糖エステル化合物は、単糖、二糖または三糖のOH基の全部または一部をエステル化した化合物である。そのような糖エステル化合物は、下記式(FA)で表される化合物であることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
 式(FA)のR~Rは、置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基、または置換もしくは無置換のアリールカルボニル基を表わす。R~Rは、互いに同じであっても、異なってもよい。
 置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基は、炭素原子数2以上の置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基であることが好ましい。置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基の例には、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基などが含まれる。アルキル基が有する置換基の例には、フェニル基などのアリール基が含まれる。
 置換もしくは無置換のアリールカルボニル基は、炭素原子数7以上の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であることが好ましい。アリールカルボニル基の例には、フェニルカルボニル基が含まれる。アリール基が有する置換基の例には、メチル基などのアルキル基が含まれる。
 式(FA)のR~Rの例には、以下のものが含まれる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 糖エステル化合物の平均置換度は、3~6であることが好ましい。糖エステル化合物の平均置換度は、原料となる糖のOH基の総数のうちエステル化された平均割合を示す。
 (多価アルコールエステル化合物)
 多価アルコールエステルは、2価以上の脂肪族多価アルコール(好ましくは2~20価の脂肪族多価アルコール)とモノカルボン酸とのエステル化物である。
 多価アルコールの例には、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4-ブタントリオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3-メチルペンタン-1,3,5-トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトールなどが含まれ、好ましくはトリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールである。
 モノカルボン酸は、特に制限されず、酢酸、プロピオン酸などの脂肪族モノカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環族モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸のいずれであってもよい。
 多価アルコールエステル化合物に用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基として残っていてもよい。
 糖エステル化合物および多価アルコールエステル化合物の分子量は、光学フィルムの製造方法にもよるが、シクロオレフィン樹脂との良好な相溶性を得られやすくする観点では、適度に低いことが好ましい。具体的には、糖エステル化合物やエステル化合物の分子量は、例えば300~1500、好ましくは600~1200としうる。
 (重縮合エステル化合物)
 重縮合エステル化合物は、ジカルボン酸とジオールを反応させて得られる構造単位を含む重縮合体(重合体)である。
 ジカルボン酸は、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸のいずれであってもよく、好ましくは芳香族ジカルボン酸である。ジカルボン酸は、1種類であっても、2種類以上の混合物であってもよい。芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とを混合することが好ましい。
 ジオールは、芳香族ジオール、脂肪族ジオール、脂環式ジオールのいずれであってもよく、好ましくは脂肪族ジオール、より好ましくは炭素数1~4のジオールである。ジオールは、1種類であっても、2種類以上の混合物であってもよい。
 すなわち、重縮合エステル化合物は、芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、炭素数1~8のジオールとを反応させて得られる構造単位を含むことが好ましく、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とを含むジカルボン酸と、炭素数1~8のジオールとを反応させて得られる構造単位を含むことがより好ましい。重縮合エステルの分子の両末端は、封止されていても、封止されていなくてもよい。
 これらのエステル化合物のうち、分子量が適度に低く、シクロオレフィン樹脂との相溶性に優れる点では、糖エステル化合物が特に好ましい。
 <(メタ)アクリル重合体粒子>
 (メタ)アクリル重合体粒子は、(メタ)アクリレート類に由来する構造単位を含む重合体の粒子であり、好ましくはメチルメタクリレートに由来する構造単位を含む重合体の粒子である。
 メチルメタクリレートに由来する構造単位を含む重合体は、他の共重合モノマーに由来する構造単位をさらに含んでもよい。他の共重合モノマーの例には、メタクリル酸メチル以外の炭素原子数1~18のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸などのα,β-不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン類;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸エステル類;アリル(メタ)アクリレート、アリルアルキル(メタ)アクリレートなどのアリルアルキル(メタ)アクリレート類などの多官能モノマー類などが含まれる。
 中でも、上記重合体は、架橋重合体であること、すなわち、メチルメタクリレートに由来する構造単位と、多官能モノマーに由来する構造単位とを含む共重合体であることが好ましく;メチルメタクリレートに由来する構造単位と、スチレン類に由来する構造単位と、多官能モノマー類に由来する構造単位とを含む共重合体であることがより好ましい。
 基材層11のレーザー光の吸収率を高める観点では、カルボニル基を含む(メタ)アクリレート類に由来する構造単位の含有量が一定以上であることが好ましい。そのような観点から、メチルメタクリレートに由来する構造単位の合計は、重合体を構成する全構造単位に対して30モル%以上であることが好ましく、50~80モル%であることがより好ましい。
 多官能性モノマー由来の構造単位の含有量は、重合体を構成する全構造単位の合計に対して3~50モル%であることが好ましく、10~35モル%であることがより好ましい。
 (メタ)アクリル重合体粒子は、シクロオレフィン樹脂との屈折率差が0.01以下の重合体であることが好ましい。そのような(メタ)アクリル重合体粒子は、得られる光学フィルムの透明性を低下させにくい。
 シクロオレフィン樹脂と(メタ)アクリル重合体粒子の屈折率は、それぞれ波長550nmの光の屈折率でありうる。波長550nmの光の屈折率は、例えば、各成分を単独で含むサンプルフィルムを作製し、当該サンプルフィルムの波長550nmの光の屈折率を、堀場製分光エリプソメーターUVSELを用いて測定することにより求めることができる。
 (メタ)アクリル重合体粒子のTgは、80℃以上であることが好ましい。(メタ)アクリル重合体粒子のTgは、上記と同様に、JISK 7121-2012またはASTMD 3418-82に準拠して測定することができる。
 (メタ)アクリル重合体粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、例えば50~500nmであることが好ましい。平均粒子径が上記範囲内であると、レーザー光の吸収率を高めつつ、フィルムの表面に適度な大きさの凹凸を形成しうるため、滑り性を付与しうる。(メタ)アクリル重合体粒子の平均粒子径は、上記観点から、0.07~0.28μmであることがより好ましい。
 (メタ)アクリル重合体粒子の平均粒子径は、以下の手順で測定することができる。
 光学フィルムにおける(メタ)アクリル重合体粒子の平均粒子径は、以下の方法で測定することができる。まず、光学フィルムを切断し、得られる切断面をTEM観察する。そして、任意の粒子100個の粒子について、粒子径を測定する。粒子径は、前述と同様に、TEM撮影によって得た粒子100個の円相当径として測定する。そして、得られた粒子径の平均値を「平均粒子径」とする。なお、TEM画像において、明度が視野の平均明度×150%以上の部分を、粒子と判断する。
 基材層11における光吸収材料の含有量は、光学フィルム10のMs/Mc、ひいてはAs/Acが上記範囲を満たし、かつ光学フィルム10全体の吸光係数Aが上記範囲を満たすように設定されうる。
 すなわち、基材層11における光吸収材料の含有量Mc’は、表層12(または13)における光吸収材料の含有量Ms’よりも少ないことが好ましい。具体的には、基材層11における光吸収材料の含有量Mc’は、基材層11に対して0.1~4.5質量%であることが好ましく、0.3~3.5質量%であることがより好ましい。基材層11における光吸収材料の含有量Mc’が上記範囲であると、光学フィルム10全体の吸光係数Aを上記範囲にしつつ、Ms/Mc(またはMs’/Mc’)、ひいてはAs/Acを上記範囲に調整しやすい。それにより、光学フィルム10のレーザー光による切断性を高めつつ、基材層11と表層12(または13)との間でレーザー光の発熱量の差を少なくしうるため、表示装置における光漏れを抑制しやすい。
 1-1-3.他の成分
 基材層11は、必要に応じて無機微粒子などの他の成分をさらに含んでいてもよい。
 無機微粒子は、光学フィルムの滑り性を高める機能を有する。無機微粒子を構成する無機材料の例には、二酸化珪素(SiO)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物が含まれる。中でも、フィルムのヘイズの増大を少なくしうる点などから、二酸化ケイ素が好ましい。
 二酸化ケイ素粒子の市販品の例には、アエロジル R812、R972(日本アエロジル社製)、NanoTek SiO2(シーアイ化成社製)などが含まれる。
 無機微粒子の平均一次粒子径は、5~50nmであることが好ましい。無機微粒子の平均一次粒子径が5nm以上であると、フィルムの表面を粗面化することができるので、滑り性を付与しやすく、50nm以下であると、ヘイズの増大を抑制しやすい。無機微粒子の平均一次粒子径は、5~30nmであることがより好ましい。光学フィルム10における無機微粒子の平均一次粒子径は、上記と同様の方法で測定することができる。
 無機微粒子の含有量は、特に制限されないが、光学フィルムに対して0~5質量%、好ましくは0~2質量%としうる。
 1-1-4.物性
 基材層11の厚みは、As/Acおよび光学フィルム全体の吸光係数が上記範囲となるように設定されればよく、特に制限されないが、例えば30~60μmであることが好ましく、35~55μmであることがより好ましい。
 1-2.表層12および13
 表層12は、光学フィルム10の一方の面10aから厚みの30%までの表層領域Saに含まれ;表層13は、光学フィルム10の他方の面10bから厚みの30%までの表層領域Sbに含まれる(図1および2A参照)。表層12および13は、それぞれ、熱可塑性樹脂と、光吸収材料とを含む熱可塑性樹脂組成物で構成されてもよいし(態様1)、光吸収性を有する硬化性化合物(光吸収材料としての硬化性化合物)と、硬化剤とを含む硬化性組成物の硬化物で構成されてもよい(態様2)。
 <態様1について>
 表層12および13は、それぞれ熱可塑性樹脂と、光吸収材料とを含む樹脂組成物で構成されうる。なお、熱可塑性樹脂が、光吸収材料を兼ねてもよい。
 (熱可塑性樹脂)
 熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂は、光透過性を有するものであれば特に制限されないが、シクロオレフィン樹脂や(メタ)アクリル樹脂などでありうる。
 表層12(または13)に含まれるシクロオレフィン樹脂は、基材層11に含まれるシクロオレフィン樹脂と同様のものを用いることができる。
 表層12(または13)に含まれる(メタ)アクリル樹脂は、熱可塑性樹脂としてだけではなく、光吸収材料としても機能しうる。
 (メタ)アクリル樹脂は、メチルメタクリレートに由来する構造単位を含む重合体であることが好ましい。当該重合体は、メチルメタクリレートと共重合可能なモノマーに由来する構造単位をさらに含んでもよい。メチルメタクリレートと共重合可能な他のモノマーの例には、2-エチルヘキシルメタクリレートなどのメチルメタクリレート以外の炭素原子数1~18のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸などのα,β-不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン類;無水マレイン酸;マレイミド、N-フェニルマレイミドなどのマレイミド類;グルタル酸無水物などが含まれる。
 上記共重合体を構成する全構造単位に対する、メタクリル酸メチル由来の構造単位の含有割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。また、(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は、4万~50万であることがさらに好ましい。
 中でも、基材層11との層間密着性がよく、透明性も損なわれにくい観点では、表層12(または13)に含まれる熱可塑性樹脂は、シクロオレフィン樹脂であることが好ましい。
 表層12(または13)に含まれるシクロオレフィン樹脂の組成は、基材層11に含まれるシクロオレフィン樹脂の組成と同じであってもよいし、異なってもよい。層間密着性や生産効率を高める点では、表層12(または13)に含まれるシクロオレフィン樹脂の組成と、基材層11に含まれるシクロオレフィン樹脂の組成とは同じであることが好ましい。
 (光吸収材料)
 表層12(または13)に含まれる光吸収材料としては、基材層11に含まれる光吸収材料と同様のものを用いることができる。
 表層12(または13)に含まれる光吸収材料の種類は、基材層11に含まれる光吸収材料の種類と同じであってもよいし、異なってもよい。製造効率を高める観点では、表層12(または13)に含まれる光吸収材料の種類と、基材層11に含まれる光吸収材料の種類とは同じであることが好ましい。
 表層12(または13)における光吸収材料の含有量は、光学フィルム10のMs/Mc、ひいてはAs/Acが上記範囲を満たし、かつ光学フィルム10全体の吸光係数Aが上記範囲を満たすように設定されることが好ましい。
 すなわち、表層12(または13)における光吸収材料の含有量Ms’は、基材層11における光吸収材料の含有量Mc’よりも多いことが好ましい。具体的には、表層12(または13)における光吸収材料の含有量Ms’にもよるが、Ms’/Mc’は、2.5~50であることが好ましく、7~15であることがより好ましい。例えば、表層12(または13)における光吸収材料の含有量Ms’は、表層12(または13)に対して1~30質量%であることが好ましく、3~10質量%であることがより好ましい。表層12(または13)における光吸収材料の含有量Ms’が上記範囲であると、光学フィルム10全体の吸光係数Aを上記範囲にしつつ、Ms/Mc(Ms’/Mc’)、ひいてはAs/Acを上記範囲に調整しやすい。それにより、光学フィルム10のレーザー光による切断性を高めつつ、基材層11と表層12(または13)との間でレーザー光の発熱量の差を少なくしうるため、表示装置における光漏れを抑制しやすい。すなわち、表示装置における光漏れを抑制する観点では、Ms’/Mc’が大きすぎず、かつMs’が多すぎないことが好ましい。
 (他の成分)
 表層12(または13)は、基材層11と同様に、無機微粒子などの他の成分をさらに含んでもよい。
 <態様2について>
 表層12(または13)は、光吸収性を有する硬化性化合物と、硬化剤とを含む硬化性組成物の硬化物で構成されうる。
 硬化性組成物に含まれる光吸収性の硬化性化合物は、硬化剤と反応する基を有するウレタン化合物であることが好ましい。
 (ウレタン化合物)
 硬化剤と反応する官能基を有するウレタン化合物は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる。ウレタン化合物は、モノマーであってもよいし、プレポリマーであってもよい。そのようなウレタン化合物は、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとの反応後、未反応として残った官能基(水酸基やアクリレート基、カルボキシル基、アクリルアミド基など)を、硬化剤と反応する基として有する。
 ポリオールの例には、ポリオール化合物(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなど)と、多塩基酸(例えばアジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの多価カルボン酸のジカルボン酸やトリメリット酸などのトリカルボン酸を含む多価カルボン酸またはその無水物など)との反応により得られるポリエステルポリオール;ポリエーテルポリオール(例えばポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオール、ポリ(オキシエチレン-プロピレンエーテル)ポリオール);ポリカーボネートポリオールなどが含まれる。中でも、ポリカーボネートポリウレタンが好ましい。
 硬化剤は、ウレタン化合物に含まれる(未反応の)官能基と反応する官能基を分子内に2個以上有する化合物である。例えば、(硬化剤と反応する基として)水酸基を含むウレタン化合物の硬化剤の例には、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、第3級アミン化合物、カルボジイミド化合物が含まれ;(硬化剤と反応する基として)アクリルアミド基を有するウレタン化合物の硬化剤の例には、ジカルボン酸などの活性水素化合物が含まれる。
 なお、(硬化剤と反応する基として)アクリレート基を有するウレタン化合物(ウレタンアクリレート)は、アクリレート基を有するポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させたものであるか、または、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させた後、得られたウレタン化合物の未反応のイソシアネート基を(メタ)アクリル酸でエステル化して得られるものでありうる。
 ウレタンアクリレートは、他の(メタ)アクリレート化合物とさらに併用されてもよい。他の(メタ)アクリレート化合物の例には、イソシアヌル酸ジアクリレート類、イソシアヌル酸トリアクリレート類などのイソシアヌル酸アクリレート類が含まれる。
 ウレタンアクリレートの硬化剤は、ラジカル硬化剤でありうる。ラジカル硬化剤の例には、α-ヒドロキシアルキルフェノンなどの分子内開裂型の開始剤が含まれる。
 (他の成分)
 硬化性組成物は、必要に応じて硬化促進剤、硬化助剤、微粒子などの他の成分をさらに含んでもよい。
 例えば、硬化剤としてエポキシ化合物を用いる場合、硬化促進剤としては、第3級アミン化合物や三弗化ホウ素錯化合物を用いることができる。微粒子の例には、シリカ粒子などの無機微粒子が含まれる。
 <態様1および2の共通事項>
 表層12(または13)は、上記の通り、熱可塑性樹脂と、光吸収材料とを含む熱可塑性樹脂組成物で構成されてもよいし(態様1)、光吸収性を有する硬化性化合物と、硬化剤とを含む硬化性組成物の硬化物で構成されてもよい(態様2)。中でも、基材層11との層間密着性がよく、剥がれにくい観点では、表層12(または13)は、態様1、すなわち、熱可塑性樹脂と、光吸収材料とを含む熱可塑性樹脂組成物で構成されることが好ましく;(基材層11と同様に)シクロオレフィン樹脂と、光吸収材料とを含む熱可塑性樹脂組成物で構成されることがより好ましい。
 1-1-4.物性
 表層12(または13)の厚みは、As/Acおよび光学フィルム全体の吸光係数Aが上記範囲となるように設定されればよく、特に制限されないが、基材層11と表層12(または13)の合計厚みに対して0.3~30%であることが好ましく、2~10%であることがより好ましい。具体的には、基材層11と表層12(または表層13)の合計厚みは、20~100μmであることが好ましく、35~60μmであることがより好ましい。また、基材層11の厚みは、15~60μmであることが好ましく、30~50μmであることがより好ましい。
 1-3.光学フィルムの物性
 (全光線透過率)
 光学フィルムの全光線透過率は、十分な光透過性を有していれば特に制限されないが、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、88%以上であることがさらに好ましい。光学フィルムの全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠して測定することができる。
 光学フィルムの全光線透過率は、例えば光吸収材料の含有量などによって調整されうる。光学フィルムの全光線透過率を高くするためには、例えば光吸収材料の含有量を一定以下とすることが好ましい。
 (吸光係数)
 光学フィルムの吸光係数Aは、上記の通り、波長9.6μmの光の吸光係数Aは、1.5×10-5/μm以上であることが好ましい。光学フィルムの吸光係数Aが1.5×10-5/μm以上であると、レーザー光を適度に吸収しうるため、レーザー光による切断性を高めることができる。光学フィルムの吸光係数Aは、透明性が損なわれにくく、かつ表示装置における光漏れを生じにくくする観点では、2.0×10-5~50×10-5/μmであることがより好ましく、5.0×10-5~20×10-5/μmであることがより好ましい。光学フィルムの吸光係数Aは、上記の通り、ATR法にて、上記条件にて吸光度を測定し、そこから算出することができる。
 光学フィルムの吸光係数Aは、光吸収材料の種類や含有量などによって調整することができる。光学フィルムの吸光係数Aを高くする観点では、光吸収材料の含有量を多くすることが好ましい。
 (位相差RoおよびRt)
 光学フィルムは、その用途に応じた位相差値RoおよびRtを有しうる。例えば、光学フィルムが偏光板のゼロ位相差フィルムとして用いられる場合、測定波長590nm、23℃55%RHの環境下で測定される面内方向の位相差Roは、0nm≦Ro≦5nmを満たすことが好ましく、厚み方向の位相差Rtは、-5nm≦Rt≦5nmを満たすことが好ましい。
 光学フィルムのRoおよびRtは、それぞれ下記式で定義される。
 式(2a):Ro=(nx-ny)×d
 式(2b):Rt=((nx+ny)/2-nz)×d(式中、
 nxは、光学フィルムの面内遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率を表し、
 nyは、光学フィルムの面内遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、
 nzは、光学フィルムの厚み方向の屈折率を表し、
 dは、光学フィルムの厚み(nm)を表す。)
 光学フィルムの面内遅相軸とは、フィルム面において屈折率が最大となる軸をいう。光学フィルムの面内遅相軸は、自動複屈折率計アクソスキャン(AxoScanMueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)により確認することができる。
 光学フィルムのRoおよびRtの測定は、以下の方法で行うことができる。
 1)光学フィルムを23℃55%RHの環境下で24時間調湿する。この光学フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定し、厚みdを市販のマイクロメーターを用いて測定する。
 2)調湿後の光学フィルムの、測定波長590nmにおけるリターデーションRo及びRtを、それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン(AxoScanMueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定する。
 光学フィルムの位相差RoおよびRtは、主として延伸倍率によって調整することができる。光学フィルムの位相差RoおよびRtを高くするためには、延伸倍率を高くすることが好ましい。
 (厚み)
 光学フィルムの厚みは、特に制限されないが、20~100μmであることが好ましく、35~70μmであることがより好ましい。
 1-4.製造方法
 本発明の光学フィルムは、任意の方法で製造することができる。例えば、表層12(または13)を有する光学フィルム10は、基材層11と表層12(または13)とを共流延して得てもよいし(共流延法)、基材層11を製造した後、表層12(または13)を塗布および硬化させて得てもよい(塗布法)。
 <共流延法>
 上記態様1の光学フィルム10は、共流延法で製造されることが好ましい。共流延法は、溶液共流延法であってもよいし、溶融共流延法であってもよい。
 (溶融共流延法)
 溶融共流延では、基材層用の熱可塑性樹脂組成物の熱溶融物と、表層用の熱可塑性樹脂組成物の熱溶融物とを共流延した後、冷却固化させて、共流延膜を得る。具体的には、本発明の光学フィルムは、A1)基材層用の熱可塑性樹脂組成物および表層用熱可塑性樹脂組成物を準備する工程、A2)基材層用の熱可塑性樹脂組成物の熱溶融物と、表層用の熱可塑性樹脂組成物の熱溶融物とを共流延した後、冷却固化する工程、および、必要に応じてA3)得られた膜状物を延伸する工程を経て得ることができる。
 A1)の工程では、各成分をドライブレンド後、二軸押出機などで溶融混練して、ペレットを得る。
 A2)の工程では、準備した基材層用の熱可塑性樹脂組成物および表層用熱可塑性樹脂組成物のペレットを、それぞれ二軸押出機などで溶融混練した後、共流延ダイから共流延させる。溶融共流延における熱溶融温度は、樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、(Tg+30)~(Tg+70)℃としうる。
 A3)の工程では、延伸は、求められる光学特性に応じて行えばよく、幅方向(TD方向)、搬送方向(MD方向)、斜め方向のうち一以上の方向に延伸することが好ましい。
 延伸倍率は、求められる光学性能に応じて設定され、例えば低位相差のフィルムとして機能させる観点では、1.01~1.3倍とすることができる。延伸倍率は、(延伸後のフィルムの延伸方向大きさ)/(延伸前のフィルムの延伸方向大きさ)として定義される。延伸温度(延伸時の乾燥温度)は、(Tg-20)~(Tg+30)℃であることが好ましい。
 (溶液共流延法)
 溶液共流延では、基材層用の成分を溶剤に溶解させた溶液(ドープ)と、表層用の成分を溶剤に溶解させた溶液(ドープ)とを共流延した後、乾燥させて、共流延膜を得る。具体的には、本発明の光学フィルムは、B1)シクロオレフィン樹脂、光吸収材料、および溶剤を含むドープを準備する工程、B2)得られたドープを支持体上に流延した後、乾燥および剥離して流延膜を得る工程、および必要に応じてB3)得られた流延膜を延伸する工程、を経て製造されうる。
 B1)の工程では、シクロオレフィン樹脂および光吸収材料を、溶媒に溶解または分散させて、ドープを調製する。
 用いられる溶媒は、少なくともシクロオレフィン樹脂を溶解させうる有機溶媒(良溶媒)を含む。良溶媒の例には、メチレンクロライドなどの塩素系有機溶媒や;酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフランなどの非塩素系有機溶媒が含まれ、好ましくはメチレンクロライドである。
 用いられる溶媒は、貧溶媒をさらに含んでいてもよい。貧溶媒の例には、メタノール、エタノールなどの炭素原子数1~4の脂肪族アルコールが含まれ、好ましくはエタノールである。脂肪族アルコールをさらに含むドープはゲル化しやすいため、金属支持体から剥離しやすくしうる。
 B2)の工程では、得られたドープを、流延ダイから吐出させるなどして、支持体上に流延する。支持体上に流延されたドープを、支持体から剥離ロールによって剥離可能になるまで、溶媒を蒸発させる。
 その後、溶媒を蒸発させて得られた流延膜を、剥離ロールによって剥離する。剥離時の支持体上の流延膜の残留溶媒量は、乾燥条件や支持体の長さなどにもよるが、例えば50~120質量%でありうる。残留溶媒量は、下記式で定義される。
 残留溶媒量(質量%)=(流延膜の加熱処理前質量-流延膜の加熱処理後質量)/(流延膜の加熱処理後質量)×100
 残留溶媒量を測定する際の加熱処理は、115℃で1時間の加熱処理である。
 B3)の工程では、流延膜を延伸する。延伸倍率や延伸温度は、上記A3)の工程と同様としうる。
 延伸開始時の流延膜中の残留溶媒量は、剥離時の流延膜中の残留溶媒量と同程度であることが好ましく、例えば20~30質量%であることが好ましく、25~30質量%であることがより好ましい。
 <塗布法>
 上記態様2の光学フィルム10は、塗布法で製造されることが好ましい。具体的には、態様2の光学フィルム10は、C1)基材層11を製造する工程、C2)得られた基材層11上に、光吸収性を有する硬化性化合物と硬化剤とを含む硬化性組成物を付与し、硬化させて表層12(または13)を形成する工程を経て得ることができる。
 C1)の工程では、基材層11は、上記と同様に、溶融流延法で製造してもよいし、溶液流延法で製造してもよい。
 C2)の工程では、基材層11の表面に、光吸収性の硬化性化合物と、硬化剤とを含む硬化性組成物を付与する。硬化性組成物の付与は、任意の塗布法で行うことができ、例えばロール塗布などで行うことができる。
 そして、硬化性組成物を硬化させて、表層12(または13)を得る。硬化性組成物の硬化は、熱硬化であってもよいし、光硬化であってもよく、好ましくは光硬化である。
 1-5.変形例
 なお、上記実施の形態では、光学フィルム10が、2つの表層を有する例を示したが(図2A参照)、これに限定されず、1つの表層を有してもよい(図2B参照)。
 図2Bは、変形例に係る光学フィルム10の構成を示す図である。図2Bに示されるように、光学フィルム10は、1つの表層12のみを有してもよい。特に、表層12(または13)が、硬化性組成物の架橋物を含む場合(上記態様2)、光学フィルム10は、1つの表層のみを有することが好ましい。
 2.偏光板
 図3は、本実施の形態に係る偏光板100の構成を示す断面図である。本実施の形態では、光学フィルム10として、図2Aの光学フィルム10を用いた例を示す。
 図3に示されるように、本実施の形態に係る偏光板100は、偏光子20と、その一方の側に配置された本発明の光学フィルム10と、他方の側に配置された他の光学フィルム30と、偏光子20と光学フィルム10との間、および、偏光子20と他の光学フィルム30との間にそれぞれ配置された複数の接着層40とを有する。
 2-1.偏光子20
 偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、ポリビニルアルコール系偏光フィルムである。ポリビニルアルコール系偏光フィルムには、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものとがある。
 ポリビニルアルコール系偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後、ヨウ素または二色性染料で染色したフィルム(好ましくはさらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよいし;ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素または二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルム(好ましくは、さらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよい。偏光子の吸収軸は、最大延伸方向と平行である。
 偏光子の厚みは、5~30μmであることが好ましく、偏光板を薄型化するため等から、5~20μmであることがより好ましい。
 2-2.光学フィルム10
 本発明の光学フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面(少なくとも液晶セルと対向する面)に配置されている。具体的には、本発明の光学フィルム10は、表層12または13(図3では表層12)が、偏光子20側となるように配置される。
 2-3.他の光学フィルム30
 他の光学フィルムは、本発明の光学フィルム10を用いてもよいし、他の光学フィルム、例えば偏光子保護フィルムなどを用いることができる。他の光学フィルムの例には、ポリエステルフィルムやセルロースエステルフィルム(TACフィルムなど)が含まれる。
 2-4.接着層40
 接着層は、光学フィルム10(または他の光学フィルム30)と偏光子20との間に配置されており、それらを接着させる。接着層を構成する接着剤は、特に制限されず、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(水糊)を乾燥させたものであるか、または、活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化物でありうる。活性エネルギー線硬化性接着剤は、光ラジカル重合を利用した光ラジカル重合型組成物、光カチオン重合を利用した光カチオン重合型組成物、またはそれらの併用物のいずれであってもよい。
 接着層の厚みは、例えば0.01~10μm、好ましくは0.03~5μm程度でありうる。
 2-5.製造方法
 図4AおよびBは、図3の偏光板の製造方法を示す断面図である。
 図4AおよびBに示されるように、本実施の形態に係る偏光板100は、偏光子20と、その一方の面に配置された(貼り合わされた)本発明の光学フィルム10と、他方の面に配置された(貼り合わされた)他の光学フィルム30とを含む積層物200を得た後(図4A参照)、得られた積層物200の光学フィルム10側からレーザー光Lを照射して、積層物200を所定の大きさに切断して得ることができる(図4B参照)。
 偏光子20と本発明の光学フィルム10との貼り合わせは、レーザー光による切断性を高める観点では、本発明の光学フィルム10の吸光係数が高い表層12または13(図2では、表層12)が、偏光子20側となるように貼り合わせた後、所定の大きさにレーザー光により切断する。また、貼り合わせは、接着剤を介して行うことができる。
 レーザー光による切断は、レーザー光を光学フィルム10側(図4Aでは、光学フィルム10の表層13側)から照射して行う。このとき、光学フィルム10は、表層12および13のレーザー光の吸収性が高いため、少ない照射エネルギーで光学フィルム10を切断することができる。それにより、偏光子20が、レーザー光を過剰に晒されずに済むため、偏光子20がレーザー光を過剰に吸収することにより焦げて煤が発生するのを抑制することができる。それにより、偏光板の汚染を抑制することができる。
 3.液晶表示装置
 本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、液晶セルの一方の面に配置された第一偏光板と、液晶セルの他方の面に配置された第二偏光板とを含む。
 液晶セルの表示モードは、特に制限されず、例えばSTN(Super-Twisted Nematic)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensated Bend)、HAN(Hybridaligned Nematic)、VA(Vertical Alignment、MVA(Multi-domain Vertical Alignment)、PVA(Patterned Vertical Alignment))、IPS(In-Plane-Switching)などでありうる。中でも、IPSモードが好ましい。
 第一偏光板および第二偏光板のうち一方または両方が、本発明の偏光板である。本発明の偏光板は、本発明の光学フィルムが液晶セル側となるように配置されることが好ましい。
 本発明の偏光板100は、上記の通り、レーザー光による切断性が良好であり、偏光板の汚染が低減されているだけでなく、As/Acが適度な範囲に調整されている。そのため、光学フィルム10の表層12(または13)におけるレーザー光の吸収による発熱量が、基材層11におけるレーザー光の吸収による発熱量に対して大きくなりすぎないため、それによる応力差を生じにくい。それにより、表示装置にしたときの光漏れを抑制することができる。
 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
 1.光学フィルムの材料
 (1)シクロオレフィン樹脂
 シクロオレフィン樹脂として、以下のCOP1~6を準備した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 なお、単量体に由来する構造単位A~Dは、それぞれ以下を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 COP1~6のTgおよびMwは、以下の方法で測定した。
 〔ガラス転移温度(Tg)〕
 樹脂のガラス転移温度を、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS K 7121-2012に準拠して測定した。
 〔重量平均分子量(Mw)〕
 樹脂の重量平均分子量(Mw)を、ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー社製HLC8220GPC)、カラム(東ソー社製 TSK-GEL  G6000HXL-G5000HXL-G5000HXL-G4000HXL-G3000HXL  直列)を用いて測定した。試料20±0.5mgをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、0.45mmのフィルターで濾過した。この溶液をカラム(温度40℃)に100ml注入し、検出器RI温度40℃で測定し、スチレン換算して、重量平均分子量を求めた。
 (2)光吸収材料
 <光吸収材料A>
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 <光吸収材料B>
 メタクリル酸メチル(MMA)/スチレン(St)/エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)(70/10/20モル比)共重合体粒子(屈折率1.51、平均粒子径0.14μm)
 <光吸収材料C>
 メタクリル酸メチル(MMA)/スチレン(St)/エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)(70/10/20モル比)共重合体粒子(屈折率1.51、平均粒子径0.35μm)
 <光吸収材料D>
 ペンタエリスリトールテトラベンゾエート(分子量552)
 <光吸収材料E>
 メタクリル酸メチル(MMA)/スチレン(St)/エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)(70/10/20モル比)共重合体粒子(屈折率1.51、平均粒子径0.3μm)
 <光吸収材料F>
 水系ウレタン樹脂(第一工業製薬社製スーパーフレックス210)
 <光吸収材料G>
 ウレタンアクリレート(新中村化学(株)製UA-1100)
 イソシアヌル酸EO変性ジおよびトリアクリレート
 <光吸収材料H>
 (メタ)アクリル樹脂(MMA/N-フェニルマレイミド/メタクリル酸2-エチルヘキシル重合体、Mw800000)
 <光吸収材料I>
 ペンタエリスリトールテトラベンゾエート(分子量552)
 光吸収材料A~Iの波長9.0~11.0μmの光の吸光係数を、ATR法により測定したところ、4.0×10-3~6.0×10-3/μmであった。
 2.光学フィルムの作製
 <実施例1>
 (基材フィルムの作製)
 表2の樹脂と、当該樹脂に対して2質量%の添加剤とを溶融混錬し、単軸押出機(φ=20mm、L/D=25)を用いて、コートハンガータイプTダイ(幅150mm)から溶融押出を行ってフィルム上に成型し、搬送しながら延伸して厚さ50μmの基材フィルム(基材層)を作製した。
 (表層の形成)
 まず、第一工業製薬社製スーパーフレックス210(水系ウレタン樹脂、光吸収材料F)と、硬化剤としてのアジピン酸とエポキシ樹脂とを純水に溶解させて、スーパーフレックス210の濃度10質量%の硬化性組成物を得た。
 次いで、得られた基材フィルムの表面に、上記作製した硬化性組成物を、押し出しコーターを用いて塗布した後、80℃で5分間乾燥させて、厚み0.2μmの表層を形成した。それにより、基材フィルム(基材層)/表層の2層構造を有する光学フィルムを得た。
 <実施例2>
 (基材フィルムの作製)
 実施例1と同様にして、厚み50μmの基材フィルム(基材層)を得た。
 (表層の形成)
 まず、下記材料を攪拌、混合した後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、硬化性組成物とした。
 ウレタンアクリレート(新中村化学(株)製UA-1100):12質量%
 イソシアヌル酸EO変性ジおよびトリアクリレート(東亜合成(株)製M-315):8質量%(以上、光吸収材料G)
 シリカ微粒子分散液(日揮触媒化成社製V-8804):60質量部
 イルガキュア184(BASFジャパン社製):2.4質量%
 KF-351A(ポリエーテル変性シリコーンオイル、信越化学工業社製)0.4質量%
 メタノール18質量%
 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGME):12質量%
 次いで、基材フィルムの表面に、上記調製した硬化性組成物を、押し出しコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用いて、照射部の照度100mW/cm、照射量0.2J/cmの条件で紫外線照射し、硬化させて、厚み0.5μmの表層を形成した。それにより、基材フィルム/表層の2層構造を有する光学フィルムを得た。
 <実施例3>
 (基材層用ペレットの調製)
 光吸収材料Aの含有量が0.5質量%となるように、COP1と光吸収材料Aとを、真空ナウターミキサーで混合し、乾燥した後、2軸式押し出し機を用いて溶融し、樹脂混合物のペレットを得た。
 (表層用ペレットの調製)
 光吸収材料H((メタ)アクリル樹脂)を用いた以外は上記と同様にして、樹脂混合物のペレットを得た。
 (共流延)
 得られた基材層用ペレットと、表層用ペレットとを、それぞれ窒素雰囲気下、2つの2軸押出し機にそれぞれ供給し、溶融させて共流延させた。すなわち、共押出しダイを使用し、基材層が中心に、表層がその両側に位置するように溶融共流延した。2軸押出し機の設定温度は、すべて180℃とし、共押出しダイを190℃に設定した。共押出しダイは、コートハンガータイプ3層積層型マルチマニフォールドダイとした。そして、溶融押出したフィルムを、冷却ロールと弾性タッチロールとの間で挟圧して成形し、さらに冷却ロールで冷却した後、剥離ロールで剥離し、基材層/表層の2層構造を有する光学フィルムを得た。
 <実施例4~17および比較例1>
 基材層および表層の組成および厚みを表2に示されるように変更した以外は実施例3と同様にして、表層/基材層/表層の3層構造を有する光学フィルムを得た。
 <実施例18>
 (光吸収材料添加液の調製)
 メチレンクロライド95質量部を密閉容器に投入し、撹拌しながら光吸収材料B((メタ)アクリル重合体粒子)を5質量部加えた。その後、ディゾルバーで50分間撹拌混合した。得られた混合液2000gを、高圧分散装置(商品名:超高圧ホモジナイザーM110-E/H、Microfluidics Corporation 製)に通し、175MPaで1回処理することで、光吸収材料分散液を調製した。これを、日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、光吸収材料添加液を調製した。
 (表層用ドープの調製)
 下記組成のドープを調製した。まず、加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。これに、COP6(シクロオレフィン樹脂)、上記光吸収材料添加液(光吸収材料)を撹拌しながら投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解させた。これを、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープを調製した。
 ジクロロメタン:300質量部
 エタノール:19質量部
 COP6(シクロオレフィン樹脂):100質量部
 光吸収材料添加液(光吸収材料B):75質量部
 (基材層用ドープの調製)
 上記ドープの調製において、光吸収材料添加液を添加しなかった以外は同様にして、ドープを調製した。
 (製膜)
 次いで、無端ベルト流延装置を用い、表層用ドープおよび基材層用ドープを、温度33℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に共流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。ステンレスベルト支持体上に共流延したドープ中の残留溶媒量が30質量%になるまで溶媒を蒸発させた後、剥離張力130N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
 剥離して得られた流延膜を、160℃(樹脂のTg-10℃)の条件下で幅方向(TD方向)に延伸率50%で延伸した。延伸開始時の残留溶剤は10質量%であった。次いで、乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら、130℃で乾燥させた。その後、巻き取り、表層/基材層/表層の3層構造を有する光学フィルムを得た。
 <実施例19~21>
 基材層と表層の組成を、表2に示されるように変更した以外は実施例18と同様にして光学フィルムを得た。
 <実施例22~26、比較例10>
 基材層および表層の光吸収材料の種類および厚みを、表3に示されるように変更した以外は実施例4と同様にして、表層/基材層/表層の3層構造を有する光学フィルムを得た。
 <比較例2~4>
 国際公開第2018/139638号の製造例3、4および7と同様にして、光学フィルムを得た。
 <比較例5>
 国際公開第2015/098956号の実施例4と同様にして、光学フィルムを得た。
 <比較例6>
 基材層における光吸収材料Eの含有量を表3に示されるように変更し、かつ表層を形成しなかった以外は実施例12と同様にして、光学フィルム(単層フィルム)を得た。
 <比較例7>
 光吸収材料Bの含有量を表3に示されるように変更した以外は比較例6と同様にして、光学フィルム(単層フィルム)を得た。
 <比較例8>
 国際公開第2018/139638号の製造例1で使用した熱可塑性樹脂(J0)を、100℃で5時間乾燥させた。乾燥させた熱可塑性樹脂(J0)を、押出機に供給し、押出機内で溶融させた。溶融した熱可塑性樹脂(J0)を、ポリマーパイプおよびポリマーフィルターを通し、Tダイからキャスティングドラム上にシート状に押し出した。押し出された熱可塑性樹脂(J0)を冷却して、厚み70μmの延伸前基材を得た。得られた基材を1.4倍に延伸して、厚み50μmの光学フィルムを得た。
 <比較例9>
 比較例8の光学フィルム上に、光吸収材料を含有しない以外は実施例2の硬化性組成物と同様の硬化性組成物を塗布した後、乾燥および硬化させて、表層を形成し、光学フィルムを得た。
 <評価>
 得られた光学フィルムの吸光係数およびブリードアウトの有無を、以下の方法で評価した。ブリードアウトは、一部の実施例および比較例のみについて行った。
 (1)吸光係数の比(As/Ac)
 1)まず、顕微FTIR(Agilent製「UMA600」および「FTS3000」)を用いてATR法にて、入射光径:100μm、プリズム:Ge(入射角45°)、検出器:MCT-A、分解能:4.0cm-1、積算:64回の条件で、赤外吸収スペクトルを測定した。得られた赤外吸収スペクトルから、波長9.6μmに相当する部分(周波数1041cm-1)の吸光度を読み取り、光学フィルム全体の吸光度Aを得た。
 2)次いで、光学フィルムの一方の面aから、厚みの30%を削った。そして、削って得られた面の吸光度A1を、上記1)と同様に測定した。
 3)また、光学フィルムの他方の面bから、厚みの30%を削った。そして、削って得られた面の吸光度A2を、上記1)と同様に測定した。
 4)上記1)~3)で得られた吸光度A、A1およびA2を、下記式に当てはめて、表層領域の吸光係数Asおよび内層領域の吸光係数Acを、それぞれ算出した。
 表面吸光係数As=(A-A1)×loge10÷(0.3T)
 内部吸光係数Ac=A2×loge10÷(0.4T)
 (T:光学フィルムの厚み
  A:光学フィルムの吸光度
  A1:光学フィルムの一方の面10aから光学フィルムの厚みTの30%分を削って測定した吸光度
  A2:光学フィルムの他方の面10bから光学フィルムの厚みTの30%分を削って測定した吸光度)
 (2)ブリードアウト
 得られたフィルムを、90℃の高温サーモと、80℃90%RHの湿熱サーモに3000時間投入した。随時取り出して、フィルムの表面析出物の有無を観察した。観察は、暗室でグリーンランプに照らして行った。
 そして、析出物が観察されるまでに要した時間を、表2および3に示す。
 また、得られた光学フィルムを用いて偏光板および表示装置を作製した。そして、偏光板品位および光漏れを、以下の方法で評価した。
 (3)偏光板の評価(偏光板品位)
 (偏光子の作製)
 重合度2400、ケン化度99.7モル%、厚さ75μmのPVA樹脂フィルムを準備した。当該フィルムを、30℃のヨウ素水溶液中で染色しながらフィルム搬送方向に3倍に延伸し、次いで、60℃の4質量%ホウ酸、5質量%のヨウ化カリウム水溶液中で、総延伸倍率が元長の6倍となるように延伸した。さらに、延伸したフィルムを30℃の2質量%のヨウ化カリウム水溶液中に数秒浸漬することで洗浄した。得られた延伸フィルムを90℃で乾燥し、偏光子を得た。
 (偏光板の作製)
 光学フィルムの表層(または光吸収層)に、接着剤を介して偏光子を貼り合わせ、裏面に、接着剤を介してPETフィルムを貼り合わせて、偏光板を作製した。
 (レーザー切断性)
 得られた偏光板を、波長9.6μmの炭酸ガスレーザーを、光学フィルムに照射して偏光板を切断した。切断条件は、周波数20kHz、出力:59W、速度:60m/minのとした。顕微鏡で切断長さ10cmに渡る表面近傍を確認して評価した。
 S:汚れや煤が全く無い
 A:汚れや煤が僅かに切断部に僅かに見える
 B:汚れや煤が切断部周辺に僅かに見える
 C:汚れや煤が顕著だが、クリーニング可能
 ×:汚れがひどく使用できない
 C以上であれば良好と判断した。
 (4)表示装置の評価(光漏れ)
 まず、IPS型液晶表示装置である日立製液晶表示装置Wooo W32L-H90にあらかじめ貼合されていた偏光板を注意深く剥がした。そして、もともと貼られていた偏光板の透過軸と一致するように、レーザカットした偏光板を貼り付け、液晶表示装置を作製した。レーザカットした偏光板の貼り付けは、本発明の光学フィルムが液晶セル側となるように行った。
 そして、得られた液晶表示装置を、全面黒表示させた状態で暗室にて目視観察し、端部の光漏れを10人で評価した。
 SS:10人とも光漏れがまったく見えない 
 S:10人中1人に弱い光漏れが見えた
 A:10人中2~3人に弱い光漏れが見えた
 B:10人中4~6人に弱い光漏れが見えた
 C:10人中に7人以上に弱い光漏れが見えた。実用上は問題ない。 
 ×:10人とも強い光漏れが見えた
 C以上であれば良好と判断した。
 実施例1~21の光学フィルムの組成および評価結果を表2に示し、実施例22~26および比較例1~10の光学フィルムの組成および評価結果を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
 表2および3に示されるように、吸光係数比As/Acが1.1~20に調整された実施例1~26の光学フィルムは、レーザー切断性が良く、偏光板の品位に優れる(汚染が少ない)ことがわかる。また、得られる表示装置も光漏れがないことがわかる。
 これに対して、吸光係数比As/Acが1.1未満である比較例1~3および6~8の光学フィルムは、レーザー切断性が悪く、偏光板の品位が劣ることがわかる。一方、As/Scが20を超える比較例4、5、9および10の光学フィルムは、表示装置の光漏れが生じることがわかる。
 本出願は、2020年7月29日出願の特願2020-128426に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
 本発明によれば、表示装置において光漏れを生じることなく、レーザー光による切断性を高めることができる光学フィルム、偏光板および液晶表示装置を提供することができる。
 10 光学フィルム
 11 基材層
 12、13 表層
 20 偏光子
 30 他の光学フィルム
 40 接着層
 100 偏光板
 200 積層物
 Sa、Sb 表層領域
 C 内層領域
 L レーザー光

Claims (13)

  1.  シクロオレフィン樹脂を含む光学フィルムであって、
     前記光学フィルムの一方の面から前記光学フィルムの厚みの30%の深さまでの領域を表層領域Sa、前記光学フィルムの他方の面から前記光学フィルムの厚みの30%の深さまでの領域を表層領域Sb、前記表層領域Saと前記表層領域Sbとの間の領域を内層領域Cとしたとき、
     少なくとも前記表層領域Saの、ATR法で測定される波長9.6μmの光の吸収係数Asと、前記内層領域Cの、ATR法で測定される波長9.6μmの光の吸収係数Acとの比As/Acは、1.1~20であり、
     前記光学フィルムの波長9.6μmの光の吸収係数は、1.5×10-5/μm以上である、
     光学フィルム。
  2.  前記比As/Acは、3~15である、
     請求項1に記載の光学フィルム。
  3.  前記表層領域Saおよび前記内層領域Cは、波長9.6μmの光の吸光係数が4.0×10-3/μm以上の光吸収材料をそれぞれ含む、
     請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4.  前記表層領域Saにおける前記光吸収材料の含有量Msは、前記内層領域Cにおける前記光吸収材料の含有量Mcよりも多い、
     請求項3に記載の光学フィルム。
  5.  Ms/Mcは、2.5~20である、
     請求項4に記載の光学フィルム。
  6.  シクロオレフィン樹脂と、前記光吸収材料とを含む基材層と、
     前記基材層の少なくとも一方の面に積層され、シクロオレフィン樹脂と、前記光吸収材料とを含むか、または、前記光吸収材料として(メタ)アクリル樹脂を含む表層とを有し、
     前記表層における前記光吸収材料Ms’の含有量は、前記基材層における前記光吸収材料の含有量Mc’よりも多い、
     請求項3~5のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  7.  Ms’/Mc’は、2.5~50である、
     請求項6に記載の光学フィルム。
  8.  前記シクロオレフィン樹脂と、前記光吸収材料とを含む基材層と、
     前記基材層の少なくとも一方の面に積層され、前記光吸収材料としての硬化性化合物と、硬化剤とを含む硬化性組成物の硬化物からなる表層と、を有し、
     前記硬化性化合物は、硬化剤と反応する基を有するウレタン化合物である、
     請求項3~5のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  9.  前記光吸収材料は、エステル化合物または(メタ)アクリル重合体粒子を含む、
     請求項8に記載の光学フィルム。
  10.  前記光吸収材料は、糖エステル化合物である、
     請求項9に記載の光学フィルム。
  11.  偏光子と、
     前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された、請求項1~10のいずれか一項に記載の光学フィルムとを有する、
     偏光板。
  12.  前記光学フィルムの前記表層領域Saに含まれる面は、前記偏光子と接着されている、
     請求項11に記載の偏光板。
  13.  液晶セルと、
     それを挟持する第一偏光板および第二偏光板とを有し、
     第一偏光板および第二偏光板の少なくとも一方は、請求項11または12に記載の偏光板である、
     液晶表示装置。
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