WO2021241569A1

WO2021241569A1 - 包装袋

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Publication number: WO2021241569A1
Application number: PCT/JP2021/019784
Authority: WO
Inventors: 知宏上杉; 太郎鷲尾; 正人原; 孝輔三澤; 和人木村; 伸二松永
Original assignee: キョーラク株式会社
Priority date: 2020-05-28
Filing date: 2021-05-25
Publication date: 2021-12-02
Also published as: CN115667083A

Abstract

多重フィルムで構成された包装袋において、縦シール部での剥離性に優れるとともに内容物の漏出の虞を低減させる技術を提供する。　本発明によれば、包装袋であって、前記包装袋は、多重フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部を備え、前記多重フィルムは、互いに重ねられた内側フィルムと外側フィルムを備え、前記多重フィルムの最内層は、イージーピール樹脂層であり、前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、前記縦シール部は、前記外側フィルムが前記包装袋の外面側になるように前記多重フィルムを筒状に湾曲させて前記多重フィルムの一縁側の前記内側フィルムと他縁側の内側フィルムを重ね合わせて形成した合掌部において前記内側フィルム同士を溶着することによって形成され、前記包装袋は、前記合掌部とそれ以外の本体部で構成され、前記合掌部は、前記本体部の一側縁に向けて倒されており、前記合掌部の前記本体部側の面は、前記本体部の外面に溶着されている、包装袋が提供される。

Description

包装袋

　本発明は、包装袋、多重袋、フィルムロールと、このフィルムロールを用いて製造した包装袋内への内容物の充填方法、製袋充填方法に関する。

（第１観点）
　特許文献１には、多重フィルムで構成された包装袋が開示されている。

（第２観点）
　特許文献２には、フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体に横シール部を設けて構成された易開封性包装体が開示されている。

（第３観点）
　内側フィルムと外側フィルムとを重ね合わせた多重フィルムを筒状に湾曲させ、その重ね合わされた部位をシールすることにより構成される多重袋が知られている。

　例えば、特許文献１には、多重フィルムの供給系を二重ごとに１系統としてその装置の簡素化をはかることができる多重袋の製造方法が開示されている。

（第４観点）
　特許文献３には、フィルムロールから巻き戻された筒状長尺フィルムを用いて製造した包装袋に内容物を充填する技術が開示されている。

（第５観点）
　特許文献４には、内容物を変質させる可能性のある加熱工程を行うことなく、充填物を保護するために必要な張りを筒状フィルムに持たせることができる包装袋の製袋充填方法が開示されている。

（第６観点）
　特許文献５の包装袋では、合掌貼りシール部に易開封手段を設けるとともに、包装袋の本体部分にカット手段を設けることによって、包装袋の開封を容易にしている。

特開２００４－４３０２５号公報特開２０１３－６０２２７号公報特開２０１６－１１７５０５号公報特開２００３－２９１９０７号公報特開２０１３－２３７４５４号公報

（第１観点）
　特許文献１の図１の形態では、多重フィルムの両側縁部の内面同士を重ね合わせた合掌部に縦シール部が設けられている。このような形態では、包装袋に落下等による衝撃が加わったときに内容物による圧力によって縦シール部が剥離されて内容物が漏出する虞がある。このため、特許文献１では、ＬＬＤＰＥのような非常に溶着性に優れた樹脂を多重フィルムの最内層に配置して、縦シール部のシール強度を高めている。

　一方、縦シール部のシール強度が非常に高いので、縦シール部を剥離させて包装袋を開封することが困難であり、特許文献１のような包装袋は、ハサミなどで切断することによって開封することが想定されているが、開封に手間がかかるという問題がある。

　本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、多重フィルムで構成された包装袋において、縦シール部での剥離性に優れるとともに内容物の漏出の虞を低減させる技術を提供するものである。

（第２観点）
　特許文献２の易開封性包装体は、縦シール部を剥がす際に同時に横シール部も剥がすことが可能であり、このために、容易に開封可能となっている。

　しかし、特許文献２の構成では、縦シール部と横シール部が交差している部位が剥がしにくく、開封性をさらに向上させることが望まれている。

　本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、開封性に優れた包装袋を提供するものである。

（第３観点）
　しかし、このような多重袋において、ピンホールが発生しやすいなど強度の面で改善の余地があった。

　本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、強度がすぐれた多重袋を提供するものである。

（第４観点）
　内容物が充填された包装袋は、そのままの状態で輸送されるが、輸送の際に包装袋が損傷して内容物が漏出してしまう虞がある。

　本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、包装袋からの内容物の漏出を抑制することが可能な技術を提供するものである。

（第５観点）
　一方で、特許文献４のように非熱収縮性のラミネートフィルム等を用いて製造した包装袋の場合、ピンホールが発生するなど強度の点で改善の余地があった。

　本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より高い強度を備える包装袋の製袋充填方法を提供することである。

（第６観点）
　特許文献５の構成では、包装袋の本体部分のカット手段と、合掌貼りシール部の易開封手段が離れているので、カット手段から開始された切り裂きの方向が、易開封手段がある方向からずれてしまう場合があり、その場合、合掌貼りシール部を適切にカットできず、包装袋の開封が困難になる場合があるという問題がある。

（第１観点）
　本発明によれば、包装袋であって、前記包装袋は、多重フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部を備え、前記多重フィルムは、互いに重ねられた内側フィルムと外側フィルムを備え、前記多重フィルムの最内層は、イージーピール樹脂層であり、前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、前記縦シール部は、前記外側フィルムが前記包装袋の外面側になるように前記多重フィルムを筒状に湾曲させて前記多重フィルムの一縁側の前記内側フィルムと他縁側の内側フィルムを重ね合わせて形成した合掌部において前記内側フィルム同士を溶着することによって形成され、前記包装袋は、前記合掌部とそれ以外の本体部で構成され、前記合掌部は、前記本体部の一側縁に向けて倒されており、前記合掌部の前記本体部側の面は、前記本体部の外面に溶着されている、包装袋が提供される。

　本発明の包装袋は、最内層がイージーピール樹脂層である多重フィルムで構成されているので、縦シール部での剥離性に優れている。また、合掌部の本体部側の面が、本体部の外面に溶着されているので、包装袋に衝撃が加わったときに内容物による圧力が縦シール部に加わりにくい。従って、本発明の包装袋は、縦シール部の剥離性に優れるとともに内容物の漏出の虞を低減させることができる。

　以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記多重フィルムの最外層は、イージーピール樹脂層である、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記多重フィルムは、筒状フィルムが扁平化されて構成される、包装袋である。

（第２観点）
　本発明によれば、包装袋であって、前記包装袋は、フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、前記筒体を閉塞させる横シール部を備え、前記縦シール部は、前記フィルムを筒状に湾曲させて前記フィルムの一縁側の内面と他縁側の内面又は外面を重ね合わせて重ね合わせ部を形成した状態で前記重ね合わせ部において前記フィルムの対向する部位を溶着することによって形成され、前記縦シール部と前記横シール部の交差点では、前記縦シール部の波形状と前記横シール部の波形状が交差している、包装袋が提供される。

　本発明の包装袋では、縦シール部と横シール部の交差点では、縦シール部の波形状と横シール部の波形状が交差しているので、縦シール部と横シール部の両方において、開封の際に加えられる力が波形状の凸部に集中しやすく、開封性が向上する。

　以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記縦シール部の波形状と前記横シール部の波形状は、それぞれ、凸部の先端が丸まった形状である、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記縦シール部と前記横シール部は、それぞれ、全長に渡って前記波形状を有する、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記横シール部は、互いに離間されて設けられた第１及び第２横シール部を備え、第１横シール部は、第２横シール部よりも前記筒体の端部に近い位置に配置されている、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、第２横シール部は、第１及び第２線シール部を備え、第２横シール部の第１及び第２線シール部は、それぞれが前記波形状を有する、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記縦シール部は、第１及び第２線シール部を備え、前記縦シール部の第１及び第２線シール部は、それぞれが前記波形状を有する、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記縦シール部よりも前記フィルムの前記一縁に近い部位には、掴み部が設けられ、前記掴み部には、エンボス加工されたエンボス部が設けられている、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記フィルムは、多重フィルムである、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記横シール部は、上側横シール部と、下側横シール部を備え、前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、前記下側横シール部の溶着強度は、前記上側横シール部の溶着強度よりも高い、包装袋である。

（第３観点）
　本発明によれば、外側フィルムと内側フィルムが重ねられた多重フィルムを、前記外側フィルムが外面に露出するように筒状に湾曲させて重ね合わされた部位をヒートシールして構成される多重袋であって、前記外側フィルムは、前記包装袋の外面から順に、互いに剥離可能に密着された第１外側フィルム層及び第２外側フィルム層を備え、前記内側フィルムは、前記包装袋の内面から順に、互いに剥離可能に密着された第１内側フィルム層及び第２内側フィルム層を備える、多重袋が提供される。

　本発明では、第１外側フィルム層および第２外側フィルム層を備える外側フィルムと、第１内側フィルム層および第２内側フィルム層を備える内側フィルムとが一体化して多重構造を形成しているため、平常時の強度が確保されている。その一方で、第１外側フィルム層と第２外側フィルム層、および、第１内側フィルム層と第２内側フィルム層が剥離可能であることで、外側フィルムに加えられた衝撃が内側フィルムに伝搬しにくく、急な衝撃による破損を抑制することが可能となる。これにより、強度がすぐれた多重袋を実現することができる。

　以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
　好ましくは、前記多重フィルムは、筒状の積層フィルムを扁平化して形成されている。
　好ましくは、前記重ね合わされた部位では、前記多重フィルムの端部同士が合掌貼り形式に重ね合わされ、前記内側フィルム同士がヒートシールされている。

（第４観点）
　本発明によれば、筒状長尺フィルムがロール状に巻かれて構成されるフィルムロールであって、前記筒状長尺フィルムは、多重フィルムに縦シール部を形成して筒状にすることによって形成され、前記多重フィルムは、互いに重ねられた内側フィルムと外側フィルムを備える、フィルムロールが提供される。

　本発明のフィルムロールを構成する筒状長尺フィルムは、内側フィルムと外側フィルムを備える多重フィルムで構成されている。このため、このようなフィルムロールを用いて製造される包装袋も多重フィルムで構成されることになり、外側フィルムが損傷した場合でも、内側フィルムによって内容物の漏出が抑制される。

　以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
　好ましくは、前記記載のフィルムロールであって、前記縦シール部は、前記多重フィルムを筒状に湾曲させて前記多重フィルムの一縁側の内面と他縁側の外面又は内面を重ね合わせて重ね合わせ部を形成した状態で前記重ね合わせ部において前記フィルムの対向する部位を溶着することによって形成され前記重ね合わせ部の幅をＷＳ、前記筒状長尺フィルムの幅をＷＦ、前記フィルムロールの幅をＷＲとすると、｛（ＷＲ－ＷＦ）／ＷＳ｝の値が１以上である、フィルムロールである。
　好ましくは、前記記載のフィルムロールであって、前記筒状長尺フィルムは、軸芯の周りに巻かれ、前記軸芯の、前記筒状長尺フィルムが巻かれる部位の最大直径をＤ１とし、前記重ね合わせ部が巻かれる部位の最小直径をＤ２とすると、Ｄ２／Ｄ１は、１よりも小さい、フィルムロールである。
　好ましくは、前記記載のフィルムロールであって、前記多重フィルムは、筒状フィルムを扁平化した扁平化多重フィルムである、フィルムロールである。
　好ましくは、前記記載のフィルムロールであって、前記筒状長尺フィルムには、前記筒状長尺フィルムの長手方向に沿って等間隔に局所シール部を備え、前記局所シール部では、前記内側フィルムと前記外側フィルムが互いに溶着される、フィルムロールである。
　好ましくは、前記記載のフィルムロールを用いて製造した包装袋内への内容物の充填方法であって、下側横シール工程と、切断工程と、充填工程と、上側横シール工程を備え、下側横シール工程では、前記筒状長尺フィルムを横断するように下側横シール部を形成し、前記切断工程では、下側横シール部よりも上流側に設けられた局所シール部に、その上流側で隣接する位置で前記筒状長尺フィルムを切断して、上端が開口した包装袋を形成し、前記充填工程では、前記包装袋の上端から前記包装袋内に内容物を充填し、上側横シール工程では、前記包装袋の上側を閉塞するように上側横シール部を形成する、方法である。

（第５観点）
　本発明によれば、充填工程と、挟みこみ工程と、横シール工程と、切断工程を備える、製袋充填方法であって、前記充填工程では、熱収縮フィルムの下側を閉塞させた下側横シール部を備える筒体内に内容物を充填し、前記挟みこみ工程では、１対のシャッター部材で前記筒体の上方を挟みこみ、鉛直方向における前記シャッター部材と前記筒体との相対的な位置を変化させることにより、前記筒体の前記内容物を収容する部分に張りを持たせ、前記横シール工程では、前記内容物が充填された部位よりも高い位置において前記筒体に対して横シールを行うことによって横シール部を形成し、前記切断工程では、前記横シール部を切断して上下に分割することによって下流側の包装袋の上側横シール部と、上流側の筒体の下側横シール部を形成する、方法が提供される。

　このような構成とすることにより、熱収縮性フィルムで構成された包装袋に対して充填物を保護するための張りを持たせることができ、より強度が高い包装袋を製造することが可能となる。

（第６観点）
　本発明によれば、包装袋であって、前記包装袋は、フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部と、開封シール部を備え、前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、前記開封シール部は、前記包装袋の一側縁から延びるように設けられ、前記縦シール部は、前記フィルムの両側縁部の内面同士を重ね合わせた合掌部に設けられ、前記合掌部は、前記一側縁に向けて倒されており、前記開封シール部には、第１易開封部が設けられ、前記合掌部には、第２易開封部が設けられ、前記包装袋を平面視で見たときに、前記開封シール部が、前記縦シール部に連続するか、前記縦シール部から前記合掌部の側縁に向けて突出する突出シール部に連続する、包装袋が提供される。

　本発明の包装袋では、包装袋を平面視で見たときに開封シール部が縦シール部又は突出シール部に連続するので、第１易開封部で開始された切り裂きの方向が第２易開封部がある方向からずれてしまうことが抑制され、第１及び第２易開封部での切り裂きを連続して行うことが容易であり、開封性が向上する。

　以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、第１及び第２易開封部は、前記包装袋を平面視で見たときに、連続するように設けられる、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、第１及び第２易開封部は、それぞれ、ミシン目によって構成される、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記縦シール部は、前記合掌部の側縁から離れた位置に設けられ、前記合掌部には、前記縦シール部から前記合掌部の側縁に向けて突出する突出シール部が設けられ、第２易開封部の少なくとも一部は、前記突出シール部に設けられる、包装袋である。
　好ましくは、前記記載の包装袋であって、［第２易開封部の左右方向の長さ／前記合掌部の左右方向の長さ］の値は、０．５以上である、包装袋である。

（第１観点）本発明の一実施形態の包装袋１の斜視図である。図２Ａは、図１中のＡ－Ａ断面図であり、図２Ｂは、図２Ａ中の領域Ｂの拡大図である。製袋充填機１００の構成図である。製袋充填機１００の横シール機１１６近傍の拡大図であり、横シール機１１６で横シール部１１を形成している状態を示す。多重フィルム２の他縁２ｂ近傍に折り返し部２ｃを形成した状態を示す。（第２観点）内容物が入っていない状態の包装袋１の平面図である。図６中の領域Ａの拡大図である。図６中の領域Ｂの拡大図である。フィルム２０２を筒状に湾曲させた状態を示す。製袋充填機１００の構成図である。製袋充填機１００の横シール機１１６近傍の拡大図であり、横シール機１１６で横シール部１１を形成している状態を示す。図１０の状態から横シール機１１６が開き、横シール部１１がプレス兼カッター１１８の位置に移動した後の状態を示す。図１２の状態からプレス兼カッター１１８で横シール部１１を切断した後に、プレス兼カッター１１８及びしごきロール１１５が開いた後の状態を示す。図１３の状態から、内容物Ｗをさらに投入した後にしごきロール１１５を閉じ、その後、密着部３ａを横シール機１１６の位置に移動させた後の状態を示す。

（第３観点）図１５は包装袋３１０の斜視図である。図１６Ａは図１５におけるＩＩ－ＩＩ断面図である。図１６Ｂは図１６Ａ中の領域Ｄ１の拡大図である。図１６Ｃは図１６Ｂ中の領域Ｄ２の拡大図である。図１７Ａはロール状原反Ｆから繰り出された多重フィルム３０１の斜視図である。図１７Ｂは図１７ＡにおけるＩＩＩｂ－ＩＩＩｂ断面図である。図１７Ｃは、図１７Ｂ中の領域Ｄ３の拡大図である。インフレーション成形を説明するための説明図である。製袋充填の方法を説明するための説明図である。図２０Ａは包装袋３１０を製造するための多重フィルム３０１の斜視図である。図２０Ｂは図２０Ａの多重フィルム３０１を筒状に湾曲させた図である。図２１Ａは図２０Ｂの多重フィルム３０１に縦シール部３２２を形成した図である。図２１Ｂは、図２１Ａの多重フィルム３０１に横シール部３２３，３２４を形成した包装袋３１０の斜視図である。図２２Ａ及び図２２Ｂは、他の実施形態における重ね合わせ部３１５の態様を説明するための説明図である。（第４観点）本発明の一実施形態のフィルムロール４０１の斜視図である。図２３のフィルムロール４０１の筒状長尺フィルム４０２の横断面図である。図２３のフィルムロール４０１の筒状長尺フィルム４０２を、図２３の下側から見た図である。筒状長尺フィルム４０２が軸芯１２に巻かれてフィルムロール４０１が構成されている状態を示す模式的な断面図である。内容物の充填工程を示し、図２７Ａは平面図、図２７Ｂは正面図、図２７Ｃは底面図である。図２７から続く内容物の充填工程を示し、図２８Ａは平面図、図２８Ｂは正面図、図２８Ｃは底面図である。筒状長尺フィルム４０２から分離された、上端４１２ａが開口した包装袋４１２の斜視図である。図２９の包装袋４１２に上側横シール部１４が形成された後の状態を示す斜視図である。筒状長尺フィルム４０２が合掌形式の縦シール部４０５を有する形態を示す、図２４に対応する図である。筒状長尺フィルム４０２が二つ折り形式の縦シール部４０５を有する形態を示す、図２４に対応する図である。（第５観点）内容物が入っていない状態の包装袋５０１の平面図である。内容物が入った状態の包装袋５０１の斜視図である。フィルム５０２の層構成図である。製袋充填機１００の構成図である。製袋充填機１００の横シール機１１６近傍の拡大図であり、横シール機１１６で横シール部１１を形成している状態を示す。図３７の状態から、横シール機１１６が開き、横シール部１１がプレス兼カッター１１８の位置に移動した後の状態を示す。図３８の状態から、プレス兼カッター１１８で横シール部１１を挟持している状態を示す。図３９の状態から、プレス兼カッター１１８及びしごきロール１１５が開いた後の状態を示す。図４０の状態から、内容物Ｗをさらに投入した後にしごきロール１１５が閉じた後の状態を示す。図４１の状態から、密着部３ａがシャッター部材１２４の位置に移動した後の状態を示す。図４２の状態から、シャッター部材１２４が筒体３を挟み込み、垂直方向下方へ移動した状態を示す。図４３の状態から、横シール機１１６で横シール部１１を形成している状態を示す。図４４の状態から、プレス兼カッター１１８で横シール部１１を挟持している状態を示す。図４５の状態から、プレス兼カッター１１８及びしごきロール１１５が開いた後の状態を示す。（第６観点）内容物が入っていない状態の包装袋６１の平面図である。図４８Ａは、図４７中のＡ－Ａ断面図であり、図４８Ｂは、図４７中のＢ－Ｂ断面図である。包装袋６１の変形例を示す、図４８Ａに対応する断面図である。製袋充填機１００の構成図である。製袋充填機１００の横シール機１１６近傍の拡大図であり、横シール機１１６で横シール部１１及び開封シール部６を形成している状態を示す。

　以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。さらに、以下に示す複数の観点での発明は、互いに組み合わせ可能である。

（第１観点）
１．包装袋１
　図１に示すように、本発明の一実施形態の包装袋１は、多重フィルム２に縦シール部７を形成して構成された筒体３と、上側横シール部４と、下側横シール部５を備える。包装袋１内には、内容物が充填されている。内容物の例としては、フラワーペースト、ジャム、餡等の粘稠性食品が挙げられる。

＜多重フィルム２＞
　多重フィルム２は、互いに重ねられた複数枚のフィルムで構成される。本実施形態では、図２に示すように、多重フィルム２は、互いに重ねられた内側フィルム２１と外側フィルム２２を備える。内側フィルム２１と外側フィルム２２は、一対のローラで挟圧する等の密着処理によって互いに剥離可能に密着した状態になっていてもよい。なお、図２等では、便宜上、内側フィルム２１と外側フィルム２２の間に間隔を開けて図示している。

　多重フィルム２は、分離可能な複数枚のフィルムを重ねた分離可能型多重フィルムであってもよく、筒状フィルムを扁平化した扁平化多重フィルムであってもよい。図２に示すように、扁平化多重フィルムでは、内側フィルム２１と外側フィルム２２は、幅方向の一縁２ａと他縁２ｂにおいて互いに繋がっている。分離可能型多重フィルムを構成する各フィルムや、筒状フィルムは、単層フィルムと積層フィルムの何れであってもよい。多重フィルム２の厚さは、例えば２０～３００μｍであり、７０～１４０μｍが好ましい。

　内側フィルム２１と外側フィルム２２は、それぞれ、単層フィルムであっても積層フィルムであってもよい。単層フィルムとしては、シーラント層で構成されるものが好ましい。積層フィルムとしては、複数のシーラント層が積層されたものや、基材層の両側にシーラント層が設けられたものが好ましい。

　基材層は、強度に優れて高い耐衝撃性を有する素材により形成される。基材層としては、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエステル、共重合体等が用いられる。接着層は、基材層とシーラント層を互いに積層するように接着するための層であり、接着層としては、例えば、ポリエチレン等が用いられる。

　シーラント層は、ヒートシール性に優れた樹脂で構成されることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン－酢酸ビニル共重合体、エチレン－プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系樹脂で形成することができる。

　シーラント層は、イージーピール樹脂で構成してもよい。イージーピール樹脂は、凝集破壊性を有することが好ましい。イージーピール樹脂は、例えばヒートシール可能な２種類以上の樹脂からなり、ＪＩＳ　Ｋ６８５４による剥離強度が概ね１０Ｎ／１５ｍｍ幅未満となるような弱シールを構成可能な樹脂である。イージーピール樹脂は、一例では、ポリエチレン（ＰＥ）系樹脂とポリプロピレン（ＰＰ）又はポリブテン（ＰＢ）系樹脂との混合樹脂で構成される。

　また、積層フィルムは、ラミネートフィルムと、共押出フィルムのどちらでもよいが、共押出フィルムは、ラミネートフィルムよりも安価に製造することができ、且つ柔軟性が高いのでピンホールが形成されにくいという点で、好ましい。共押出フィルムは、共押出インフレーションフィルムであることがさらに好ましい。筒状フィルムが共押出インフレーションフィルムであることが特に好ましい。ラミネートは、押出ラミネートであっても、ドライラミネートであってもよい。

　多重フィルム２の最内層（内側フィルム２１の最内層）は、イージーピール樹脂で構成されたイージーピール樹脂層である。これによって、縦シール部７の剥離性が高まるので、縦シール部７を剥離して包装袋１を開封することが容易になる。また、多重フィルム２の最外層（外側フィルム２２の最外層）は、イージーピール樹脂で構成されたイージーピール樹脂層であることが好ましい。筒状フィルムの最外層がイージーピール樹脂層である場合、扁平化多重フィルムの両面がイージーピール樹脂層となるので、多重フィルム２の最内層と最外層の両方がイージーピール樹脂層となる。

＜縦シール部７、合掌部８＞
　縦シール部７は、図２に示すように、外側フィルム２２が包装袋１の外面側になるように多重フィルム２を筒状に湾曲させて多重フィルム２の一縁２ａ側の内側フィルム２１と他縁２ｂ側の内側フィルム２１を重ね合わせて形成した合掌部８において内側フィルム２１同士を溶着することによって形成することができる。包装袋１のうち合掌部８以外の部位が本体部９である。本体部９は袋状である。

　合掌部８は、包装袋１の一縁１ａに向けて倒されており、合掌部８の本体部９側の面８ａは、本体シール部１０において、本体部９の外面９ａに溶着されている。この状態では、多重フィルム２の他縁２ｂの近傍に折り返し部２ｃが形成され、他縁２ｂと折り返し部２ｃの間が反転部２ｄとなる。反転部２ｄでは、内側フィルム２１が包装袋１の外面に向いている。本体シール部１０では、本体部９の外側フィルム２２と反転部２ｄの外側フィルム２２が溶着される。

　合掌部８が本体部９に溶着されていない場合は、包装袋１に衝撃が加わったときに、合掌部８が立ち上がって、内容物による圧力が縦シール部７に加わり、縦シール部７が剥離されやすい。一方、本実施形態では、本体シール部１０において合掌部８が本体部９に溶着されているので、包装袋１に衝撃が加わったときに、合掌部８が立ち上がることがなく、内容物による圧力が縦シール部７に加わりにくい。従って、縦シール部７の剥離による内容物の漏出が抑制される。縦シール部７は、合掌部８の全体に設けられていてもよく、合掌部８の一部に設けられていてもよい。

　合掌部８において縦シール部７に対向する領域８ｂでは、多重フィルム２の一縁２ａ又は他縁２ｂ側の内側フィルム２１と外側フィルム２２は溶着されていることが好ましい。また、本体部９において本体シール部１０に対向する領域９ｂでは、内側フィルム２１と外側フィルム２２が溶着されていることが好ましい。本体シール部１０を形成する領域は、縦シール部７を形成する領域と重なっていることが好ましく、一致していることがさらに好ましい。このような構成によれば、縦シール部７及び本体シール部１０を同時に形成することができ、縦シール部７又は本体シール部１０に対向する領域８ｂ，９ｂにおいて内側フィルム２１と外側フィルム２２を溶着することができる。

　縦シール部７及び本体シール部１０を形成した状態で、多重フィルム２の一縁２ａと他縁２ｂの位置は、揃っていてもいなくてもよい。後述するように、包装袋１を封筒貼り形式の包装袋であるかのように開封する場合は、一縁２ａが他縁２ｂよりも突出している方が一縁２ａを把持しやすいので、好ましい。

＜上側横シール部４及び下側横シール部５＞
　上側横シール部４及び下側横シール部５は、それぞれ、筒体３の上側及び下側を閉塞させるように設けられる。横シール部４，５は、それぞれ、筒体３の上端及び下端に沿って形成することが好ましい。横シール部４，５は、縦シール部７に直交するように形成することが好ましい。

２．包装袋１の開封方法
　包装袋１は、以下の２通りの方法で開封可能である。

　第１の方法では、最初に本体シール部１０を剥離させて合掌部８を立たせた後に、縦シール部７を剥離させる。この方法では、合掌部８の一縁２ａと他縁２ｂをそれぞれ把持して一縁２ａと他縁２ｂを逆方向に引っ張ることによって縦シール部７を剥離させることができるので、作業性に優れている。

　第２の方法では、本体シール部１０は剥離させずに、封筒貼り形式の包装袋であるかのように、本体部９を押さえた状態で、合掌部８の一縁２ａを把持して、一縁２ａを本体部９から引き離すことによって縦シール部７を剥離させる。縦シール部７の溶着強度が高い場合には、この方法の方が縦シール部７を剥離させやすい場合がある。

　このように、本実施形態の包装袋１は、２通りの方法で開封が可能であるので、開封性が優れている。

２．製袋充填方法
　次に、図３～図５を用いて、多重フィルム２を用いた製袋充填方法について説明する。この方法は、縦型の製袋充填機１００を用いて実施可能である。

＜Ｓ１：フィルム湾曲工程＞
　まず、ロール状原反Ｆから繰り出された多重フィルム２は、複数の繰り出しロール１２０、１２１を経てフォーマ１１２に導かれる。ロール状原反Ｆからフォーマ１１２までの経路途中にはセンサ１１９が配されており、多重フィルム２に長さ方向において一定間隔で印刷されたレジマークを検知して、製袋充填機１００の軌道上に一定の長さの多重フィルム２を一定の時間間隔で送り出せるようになっている。

　多重フィルム２は、図５に示すように、他縁２ｂ近傍に折り返し部２ｃが形成されるように折り返され、その後、フォーマ１１２において、筒状に湾曲されて、湾曲した先端の両側縁部がオーバーラップした合掌部８が形成される。多重フィルム２がフォーマ１１２で筒状に湾曲される際に、折り返し部２ｃと他縁２ｂの間の反転部２ｄが、フォーマ１１２のセーラに接触するので、フォーマ１１２において反転部２ｄが元に戻ることが抑制される。なお、多重フィルム２を筒状に湾曲させる前に、本体シール部１０を形成してもよい。

＜Ｓ２：縦シール工程＞
　次に、縦シール機１１３によるヒートシールによって、縦シール部７及び本体シール部１０を形成する。縦シール機１１３は、一対のシールロールを備え、多重フィルム２が一定の時間間隔で移動するタイミングに合わせて、多重フィルム２の合掌部８及び本体部９を一対のシールロールで挟持しながら一対のシールロールを互いに逆方向に回転させることで多重フィルム２を送り出しながらヒートシールを行う。これによって、縦シール部７と本体シール部１０が同時に形成される。多重フィルム２に縦シール部７を形成することによって、筒体３が形成される。

＜Ｓ３：横シール工程＞
　次に、送りロール１１４を回転させることで、筒体３を所定の長さだけ下流に移動させ、図４に示すように、筒体３の所定位置を横シール機１１６にてヒートシールし、横シール部１１を形成する。横シール部１１は、下流側の包装袋１の上側横シール部４と上流側の筒体３の下側横シール部５が繋がって構成されており、後述する切断工程において上下に分割される。横シール機１１６は、一対のシールバー１１６ａを備え、上記所定位置を一対のシールバー１１６ａで所定時間挟持することでヒートシールを行う。

＜Ｓ４：切断工程＞
　次に、送りロール１１４を回転させることで、横シール部１１をプレス兼カッター１１８の位置に移動させる。プレス兼カッター１１８は、一対のバー１１８ａを備える。

　次に、プレス兼カッター１１８を閉じて横シール部１１を挟圧して冷却するとともに、カッター刃（不図示）で横シール部１１を切断して上下に分割することによって、下流側の包装袋１の上側横シール部４と、上流側の筒体３の下側横シール部５を形成する。下流側の包装袋１は、横シール部１１の切断に伴って、コンベア１３０上へ落下する。

＜Ｓ５：充填工程＞
　次に、しごきロール１１５を開くと、以前の工程でホッパ１１１から投入されてしごきロール１１５の上側に溜まっている内容物Ｗがしごきロール１１５の下側に落下する。筒体３には下側横シール部５が形成されているので、落下した内容物Ｗは、筒体３内に充填される。筒体３の周囲には、成形装置１２３が配置されており、筒体３の周面が成形装置１２３に当接して筒体３の外形が規定されるようになっている。

　次に、内容物Ｗをさらに筒体３内に投入し、筒体３内の内容物Ｗがセンサ１２２の位置にまで到達すると、しごきロール１１５を閉じることによって、内容物Ｗをしごきロール１１５の上側部分と下側部分に分断する。しごきロール１１５の下側部分の内容物が包装袋１の一袋分の内容物である。また、しごきロール１１５を閉じることによって筒体３に密着部３ａが形成され、密着部３ａと下側横シール部５の間に袋部３ｂが形成される。袋部３ｂの上側に上側横シール部４が形成されることによって包装袋１が形成される。

＜Ｓ６：送り工程＞
　次に、しごきロール１１５を閉じたまま、送りロール１１４を回転させることで、密着部３ａを横シール機１１６の位置にまで移動させる。その後は、Ｓ３と同様に横シール工程を実施することで、内容物Ｗが充填された部位（袋部３ｂ）よりも高い位置（密着部３ａ）において横シール部１１を形成することができる。

　この後は、Ｓ１～Ｓ６の工程を繰り返すことによって、内容物Ｗが充填された包装袋１を連続的に製造することができる。

　以上の工程により、内容物Ｗが充填された包装袋１が製造される。なお、上記形態では、一対のシールバー１１６ａを用いて、横シール部４，５が合わさった横シール部１１を形成しているが、横シール部４と横シール部５を別々のシールバーで形成してもよい。

（第２観点）
１．包装袋１
　図６～図９に示すように、本発明の一実施形態の包装袋１は、フィルム２０２に縦シール部７を形成して構成された筒体３と、筒体３を閉塞させる横シール部１１を備える。包装袋１内には、通常、内容物が充填されているが、図６では、便宜上、内容物が充填されていない状態の包装袋１を示している。内容物の例としては、フラワーペースト、ジャム、餡等の粘稠性食品が挙げられる。

　以下、図６の上下左右を包装袋１の上下左右として説明を進める。具体的には、筒体３の軸方向が上下方向であり、縦シール部７を手前側に配置したときの左右が包装袋１の左右である。また、縦シール部７側の面を前面とし、その対向する面を背面とする。

　包装袋１の左右方向の長さは、例えば、１４０～４００ｍｍであり、１６０～３００ｍｍが好ましい。この長さは、具体的には例えば、１４０、１５０、１６０、１７０、１８０、１９０、２００、２１０、２２０、２３０、２４０、２５０，３６０，２７０，２８０，２９０，３００、３１０、３２０、３３０、３４０、３５０、３６０、３７０、３８０、３９０，４００であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。この値が小さすぎると、製袋充填の際に内容物が包装袋１の内面に付着してしまって充填しにくくなる場合がある。この問題は、内容物の粘稠性が高い場合に顕著である。［包装袋１の上下方向の長さ／包装袋１の左右方向の長さ］の値は、例えば、１．１～５であり、２～４が好ましい。この値は、具体的には例えば、１．１、１．２、１．３、１．４、１．５、２、２．５、３、３．５、４、４．５、５であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　縦シール部７は、図９に示すように、フィルム２０２を筒状に湾曲させてフィルム２０２の一縁２０２ａ側の内面２０２ｂと他縁２０２ｃ側の外面２０２ｄを重ね合わせて重ね合わせ部２０２ｇを形成した状態で、重ね合わせ部２０２ｇにおいてフィルム２０２の対向する部位（より詳しくは内面２０２ｂと外面２０２ｄ）を溶着することによって形成される。本実施形態では、縦シール部７は、封筒貼り形式の縦シール部である。フィルム２０２の一縁２０２ａは、包装袋１の外側に露出する。

　縦シール部７は、好ましくは、一縁２０２ａから離れた位置に設けられる。縦シール部７と一縁２０２ａの間が掴み部２０２ｅとなる。掴み部２０２ｅを掴んで引っ張ることによって、縦シール部７と横シール部１１を剥離させることができる。掴み部２０２ｅの左右方向の長さＬ１は、例えば１０～７０ｍｍであり、好ましくは２０～６０ｍｍであり、具体的には例えば、１０、２０、３０、４０、５０、６０、７０ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　掴み部２０２ｅには、エンボス加工されたエンボス部２０２ｆが設けられることが好ましい。これによって、掴み部２０２ｅを掴んで引っ張る際の滑りが抑制される。エンボス部２０２ｆは、横シール部１１に隣接した位置又は横シール部１１に重なるように設けることが好ましい。

　縦シール部７は、波形状７ａを有する。波形状７ａとは、凸部７ｂと凹部７ｃが交互に並ぶ形状である。この場合、開封の際に加えられる力が波形状７ａの凸部７ｂに集中しやすいので、開封性が向上する。波形状７ａは、縦シール部７の両縁に設けられていることが好ましいが、開封の際に力が加えられる一縁２０２ａ側の縁のみに設けられていてもよい。縦シール部７の波形状７ａは、横シール部１１と交差する部位にのみ設けてもよく、縦シール部７の全長に渡って設けてもよい。縦シール部７の全長に渡って波形状７ａを設けることによって、縦シール部７の開封性がさらに向上する。

　波形状７ａの振幅（つまり、凸部７ｂの先端と凹部７ｃの底の間の左右方向の長さＬ２）は、例えば１～１０ｍｍであり、好ましくは２～６ｍｍであり、具体的には例えば、１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　縦シール部７の幅は、その長手方向に沿って一定であることが好ましい。縦シール部７の幅が長手方向に沿って変化すると、縦シール部７の幅が狭い部位で、包装袋１が不意に開封されてしまう虞があるからである。縦シール部７の幅は、例えば１～１０ｍｍであり、好ましくは２～６ｍｍであり、具体的には例えば、１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。なお、縦シール部７が互いに離間された複数のシール部で構成されている場合、縦シール部７の幅とは、各シール部の幅の合計を意味する。

　縦シール部７のうち、一縁２０２ａに最も近い部位と、一縁２０２ａから最も離れた部位の間の左右方向の長さＬ３は、例えば２～２０ｍｍであり、好ましくは４～１６ｍｍであり、具体的には例えば、２、４、６、８、１０、１２、１４、１６、１８、２０ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　波形状７ａとしては、正弦波形状、三角波形状などが挙げられるが、三角波形状のように凸部７ｂの先端が尖っていると、包装袋１が不意に開封されてしまう虞があるので、正弦波形状のように凸部７ｂの先端が丸まっていることが好ましい。

　凸部７ｂの曲率半径は、例えば３～３０ｍｍであり、好ましくは５～２０ｍｍであり、具体的には例えば、３、５、１０、１５、２０、２５、３０であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　波形状７ａは、縦シール部７の長手方向に沿って凸部７ｂを等間隔で備えることが好ましく、この場合、隣接する凸部７ｂの間の上下方向の長さＬ４は、例えば５～４０ｍｍであり、好ましくは１０～３０ｍｍであり、具体的には例えば、５、１０、１５、２０、２５、３０、３５、４０ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　縦シール部７は、１つのシール部で構成されていてもよく、複数のシール部で構成されていてもよい。縦シール部７は、第１及び第２線シール部７１，７２を備えることが好ましい。線シール部７１は、線シール部７２よりも一縁２０２ａに近い位置に配置される。線シール部とは、線状のシール部であり、例えば、幅が４ｍｍ以下であり、３ｍｍ以下が好ましい。線シール部の幅は、例えば０．１～４ｍｍであり、具体的には例えば、０．１、０．５、１．０、１．５、２．０、２．５、３．０、３．５、４．０ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　線シール部７１，７２は、それぞれ、波形状７１ａ，７２ａを有することが好ましい。波形状７１ａ，７２ａは、横シール部１１と交差する部位にのみ設けてもよく、線シール部７１，７２の全長に渡って設けてもよい。線シール部７１，７２は、その長手方向に沿って幅が一定であることが好ましい。この場合、線シール部７１，７２のそれぞれの両側に波形状７１ａ，７２ａが形成される。線シール部７１，７２は、互いに平行であることが好ましい。また、線シール部７１，７２は、その長手方向に沿って、間隔が一定であることが好ましい。線シール部７１，７２の間の間隔は、例えば、０．５～８ｍｍであり、好ましくは１～６ｍｍであり、具体的には例えば、０．５、１、２、３、４、５、６、７、８ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　波形状７１ａの凸部７１ａｂの曲率半径は、波形状７２ａの凸部７２ａｂの曲率半径よりも大きいことが好ましい。この場合、線シール部７１，７２の間隔を狭くしやすい。凸部７１ａｂの曲率半径は、凸部７ｂについて述べた通りである。凸部７２ａｂの曲率半径は、凸部７１ａｂの曲率半径から、凸部７１ａｂの先端と凸部７２ａｂの先端の間の左右方向の長さを引いた値にすることが好ましい。この場合、凸部７１ａｂ，７２ａｂを相似形状にすることができ、線シール部７１，７２の間の間隔を一定にすることができる。

　横シール部１１は、波形状１１ａを有する。波形状１１ａは、凸部１１ｂと凹部１１ｃが交互に並ぶ形状である。この場合、開封の際に加えられる力が波形状１１ａの凸部１１ｂに集中しやすいので、開封性が向上する。波形状１１ａは、横シール部１１の両縁に設けられていることが好ましいが、開封の際に力が加えられる側の縁のみに設けられていてもよい。横シール部１１の波形状１１ａは、縦シール部７と交差する部位にのみ設けてもよく、横シール部１１の全長に渡って設けてもよい。横シール部１１の全長に渡って波形状１１ａを設けることによって、横シール部１１の開封性がさらに向上する。また、縦シール部７と横シール部１１の交差点２１０で、縦シール部７の波形状７ａと横シール部１１の波形状１１ａが交差することによって、縦シール部７と横シール部１１の両方において、開封の際に加えられる力が凸部７ｂ，１１ｂに集中しやすく、開封性が著しく向上する。

　横シール部１１は、上側横シール部４と、下側横シール部５を備える。横シール部４，５は、それぞれ、筒体３の上側及び下側を閉塞させるように設けられる。横シール部４，５は、それぞれ、筒体３の上端及び下端に沿って形成することが好ましい。横シール部４，５は、縦シール部７に直交するように形成することが好ましい。横シール部４，５は、それぞれ、筒体３をヒートシールすることによって形成することができる。横シール部５の溶着強度は、横シール部４の溶着強度よりも高くすることが好ましい。この場合、製袋充填において内容物を投入する際に横シール部５が剥離して内容物が抜け落ちることが抑制される。

　横シール部４，５は、それぞれ、１つのシール部で構成されていてもよく、複数のシール部で構成されていてもよい。横シール部４，５は、それぞれ、複数の線シール部を備えることが好ましい。横シール部４，５の線シール部の幅は、縦シール部７の線シール部の幅よりも小さいことが好ましい。一般に、製袋充填において縦シールをする際にはフィルムの内面に内容物は付着していないが、横シールをする際にはフィルムの内面に内容物がうっすらと付着しているので、横シール部４，５の線シールは、フィルムの内面に付着して内容物を押しのけて行う必要がある。このため、横シール部４，５の線シールの際の押圧力は、縦シール部７の線シールの際の押圧力よりも高くすることが好ましい。線シール部の幅を小さくすると押圧力が高くなるので、横シール部４，５の線シール部の幅を、縦シール部７の線シール部の幅よりも小さくすることが好ましい。[横シール部４，５の線シール部の幅／縦シール部７の線シール部の幅]の値は、例えば０．１～０．９であり、好ましくは０．２～０．８であり、具体的には例えば、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　横シール部４は、互いに離間されて設けられた第１及び第２横シール部４１，４２を備えることが好ましい。横シール部４１は、横シール部４２よりも筒体３の端部（上端３ｃ）に近い位置に配置される。横シール部４１，４２の間には、横シール部が配置されていない非シール部２０８が配置されている。非シール部２０８の上下方向の長さＬ５は、例えば１０～６０ｍｍであり、好ましくは２０～５０ｍｍであり、具体的には例えば、１０、２０、３０、４０、５０、６０ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。横シール部４１，４２を設けることによって、包装袋１に衝撃が加わって横シール部４２が剥離したとしても横シール部４１によって内容物の漏出が阻止される。また、非シール部２０８を設けることによって、非シール部２０８において掴み部２０２ｅを掴んで引っ張ることにより、縦シール部７と横シール部４１，４２を同時に剥離することができる。また、非シール部２０８にエンボス部２０２ｆを設けることが好ましい。

　横シール部４１は、線シール部４１１を備える。線シール部４１１は、波形状４１１ａを備える。横シール部４２は、線シール部４２１，４２２を備える。線シール部４２１，４２２は、波形状４２１ａ，４２２ａを備える。

　横シール部５は、互いに離間されて設けられた第１及び第２横シール部５１，５２を備えることが好ましい。横シール部５１，５２の間には、横シール部が配置されていない非シール部２０９が配置されている。非シール部２０９の説明は、非シール部２０８と同様である。

　横シール部５１は、横シール部５２よりも筒体３の端部（下端３ｄ）に近い位置に配置される。横シール部５１は、線シール部５１１を備える。線シール部５１１は、波形状５１１ａを備える。横シール部５２は、線シール部５２１，５２２，５２３を備える。線シール部５２３は、線シール部５２１，５２２よりも下端３ｄから離れた位置に配置される。線シール部５２１，５２２は、波形状５２１ａ，５２２ａを備える。一方、線シール部５２３は、直線状であり、波形状を備えない。線シール部５２３を備えることによって、製袋充填において内容物を投入する際に横シール部５が剥離して内容物が抜け落ちることが抑制される。線シール部５２１，５２２，５２３のうちの隣接する線シール部間の間隔の説明は、例えば、０．５～８ｍｍであり、好ましくは１～６ｍｍであり、具体的には例えば、０．５、１、２、３、５、５、６、７、８ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　波形状４１１ａ、５１１ａの説明は、波形状７ａの説明と同様である。波形状４２１ａ，４２２ａ，５２１ａ，５２２ａの説明は、波形状７１ａ，７２ａの説明と同様である。線シール部４２１，４２２，５２１，５２２の説明は、幅以外の点については、線シール部７１，７２の説明と同様である。

　フィルム２０２は、縦シール部７及び横シール部１１を形成可能なものであればよい。フィルム２０２としては、１枚の単層又は積層フィルムであってもよく、多重フィルムであってもよい。多重フィルムの場合、外側のフィルムが破れても内容物が漏出しないので、好ましい。

　単層フィルムとしては、シーラント層で構成されるものが好ましい。積層フィルムとしては、基材層の両側にシーラント層が設けられたものが好ましい。

　多重フィルムは、分離可能な複数枚のフィルムを重ねた分離可能型多重フィルムであってもよく、筒状フィルムを扁平化した扁平化多重フィルムであってもよい。扁平化多重フィルムは、互いに重なった外側フィルムと内側フィルムを備え、これらの幅方向の両縁が繋がっている。分離可能型多重フィルムを構成する各フィルムや、筒状フィルムは、上述の単層フィルムと積層フィルムの何れであってもよい。

　基材層は、強度に優れて高い耐衝撃性を有する素材により形成される。基材層としては、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン等が用いられる。接着層は、基材層とシーラント層を互いに積層するように接着するための層であり、接着層としては、例えば、ポリエチレン等が用いられる。

　シーラント層は、ヒートシール性に優れた樹脂で構成可能であり、イージーピール樹脂で構成されることが好ましい。イージーピール樹脂は、凝集破壊性を有することが好ましい。イージーピール樹脂は、例えばヒートシール可能な２種類以上の樹脂からなり、ＪＩＳ　Ｋ６８５４による剥離強度が概ね１０Ｎ／１５ｍｍ幅未満となるような弱シールを構成可能な樹脂である。イージーピール樹脂は、一例では、ポリエチレン（ＰＥ）系樹脂とポリプロピレン（ＰＰ）又はポリブテン（ＰＢ）系樹脂との混合樹脂で構成される。なお、筒状フィルムの最外層がイージーピール樹脂で構成されたシーラント層（以下、「イージーピール層」）である場合、扁平化多重フィルムの両面がイージーピール層となるので、扁平化多重フィルムの内面同士を溶着する横シール部１１と、扁平化多重フィルムの内面と外面を溶着する縦シール部７のどちらも易開封性となる。

２．製袋充填方法
　次に、図１０～図１４を用いて、フィルム２０２を用いた製袋充填方法について説明する。この方法は、縦型の製袋充填機１００を用いて実施可能である。

＜Ｓ１：フィルム湾曲工程＞
　まず、ロール状原反Ｆから繰り出されたフィルム２０２は、複数の繰り出しロール１２０、１２１を経てフォーマ１１２に導かれる。ロール状原反Ｆからフォーマ１１２までの経路途中にはセンサ１１９が配されており、フィルム２０２に長さ方向において一定間隔で印刷されたレジマークを検知して、製袋充填機１００の軌道上に一定の長さのフィルム２０２を一定の時間間隔で送り出せるようになっている。フィルム２０２は、フォーマ１１２を通過する間に筒状に湾曲されて、湾曲した先端の両側縁部がオーバーラップした形態となる。オーバーラップした部分には重ね合わせ部が形成される。

＜Ｓ２：縦シール工程＞
　次に、フィルム２０２の重ね合わせ部を縦シール機１１３にてヒートシールし、縦シール部７を形成する。縦シール機１１３は、一対のシールロールを備え、フィルム２０２が一定の時間間隔で移動するタイミングに合わせて、フィルム２０２の重ね合わせ部を一対のシールロールで挟持しながら一対のシールロールを互いに逆方向に回転させることでフィルム２０２を送り出しながらヒートシールを行う。フィルム２０２に縦シール部７を形成することによって、筒体３が形成される。

＜Ｓ３：横シール工程＞
　次に、送りロール１１４を回転させることで、筒体３を所定の長さだけ下流に移動させ、図１１に示すように、筒体３の所定位置を横シール機１１６にてヒートシールし、横シール部１１を形成する。横シール部１１は、下流側の包装袋１の上側横シール部４と上流側の筒体３の下側横シール部５が繋がって構成されており、後述する切断工程において上下に分割される。横シール機１１６は、一対のシールバー１１６ａを備え、上記所定位置を一対のシールバー１１６ａで所定時間挟持することでヒートシールを行う。

＜Ｓ４：切断工程＞
　次に、送りロール１１４を回転させることで、図１２に示すように、横シール部１１をプレス兼カッター１１８の位置に移動させる。プレス兼カッター１１８は、一対のバー１１８ａを備える。

　次に、プレス兼カッター１１８を閉じて横シール部１１を挟圧して冷却するとともに、カッター刃（不図示）で横シール部１１を切断して上下に分割することによって、図１３に示すように、下流側の包装袋１の上側横シール部４と、上流側の筒体３の下側横シール部５を形成する。下流側の包装袋１は、横シール部１１を切断すると、コンベア１３０上へ落下する。

＜Ｓ５：充填工程＞
　次に、図１３に示すように、しごきロール１１５を開くと、以前の工程でホッパ１１１から投入されてしごきロール１１５の上側に溜まっている内容物Ｗがしごきロール１１５の下側に落下する。筒体３には下側横シール部５が形成されているので、落下した内容物Ｗは、筒体３内に充填される。筒体３の周囲には、成形装置１２３が配置されており、筒体３の周面が成形装置１２３に当接して筒体３の外形が規定されるようになっている。

＜Ｓ６：送り工程＞
　次に、しごきロール１１５を閉じたまま、送りロール１１４を回転させることで、図１４に示すように、密着部３ａを横シール機１１６の位置にまで移動させる。その後は、Ｓ３と同様に横シール工程を実施することで、内容物Ｗが充填された部位（袋部３ｂ）よりも高い位置（密着部３ａ）において横シール部１１を形成することができる。なお、密着部３ａの内面には、内容物Ｗがうっすらと付着しているが、横シール部１１が幅の狭い線シール部で構成されている場合、シールバー１１６ａには線シール部に対応する細幅の凸条が設けられ、この凸条が高い圧力で密着部３ａに押し付けられるので、密着部３ａの内面に付着した内容物Ｗを押しのけて横シール部１１が適切に形成される。

　以上の工程により、内容物Ｗが充填された包装袋１が製造される。

３．その他の実施形態
　縦シール部７は、フィルム２０２を筒状に湾曲させてフィルム２０２の一縁２０２ａ側の内面２０２ｂと他縁２０２ｃ側の内面２０２ｂを重ね合わせて重ね合わせ部２０２ｇを形成した状態で、重ね合わせ部２０２ｇにおいてフィルム２０２の対向する部位（より詳しくは、一縁２０２ａ側の内面２０２ｂと他縁２０２ｃ側の内面２０２ｂ）を溶着することによって形成してもよい。この場合、縦シール部７は、合掌形式の縦シール部となる。

（第３観点）
＜１．包装袋３１０＞
　図１５および図１６に示すように、本発明の一実施形態の包装袋３１０は、多重フィルム３０１が袋状にされて構成される。

　包装袋３１０は、縦シール部３２２と、横シール部３２３，３２４を備える。縦シール部３２２は、外側フィルム３１２が外面に露出するように多重フィルム３０１を筒状に湾曲させて、端部同士を合掌貼り形式に重ね合わせることにより重ね合わせ部３１５を形成し、端縁部を除いて帯状にヒートシール（熱溶着）することによって形成することができる（図１９Ａ～図２０Ｂ参照）。上記端縁部が、縦シール部３２２に隣接した引き剥がし部３１６，３１７となる。引き剥がし部３１６，３１７を把持して引っ張ることによって縦シール部３２２を容易に剥離させることができる。

　なお、包装袋３１０は、縦シール部３２２又は横シール部３２３，３２４を切り裂くことによって開封するようにしてもよい。この場合、引き剥がし部３１６，３１７は省略可能である。また、縦シール部３２２又は横シール部３２３，３２４に、切り込み又は切り欠きを設けて、切り裂きやすくしてもよい。

　図１６Ａおよび図１６Ｂに示すように、包装袋３１０は、内側に配置された内側フィルム３１１と、外側に配置された外側フィルム３１２を備える。内側フィルム３１１は、互いに熱溶着されることにより、縦シール部３２２を形成する。

　図１６Ｃに示すように、外側フィルム３１２は、包装袋３１０の外面から順に、第１外側フィルム層３１２ａ及び第２外側フィルム層３１２ｂを備える。第１外側フィルム層３１２ａ及び第２外側フィルム層３１２ｂは、互いに剥離可能に密着されている。

　内側フィルム３１１は、包装袋３１０の内面から順に、第１内側フィルム層３１１ａ及び第２内側フィルム層３１１ｂを備える。第１内側フィルム層３１１ａ及び第２内側フィルム層３１１ｂは、互いに剥離可能に密着されている。内側フィルム３１１と外側フィルム３１２は、多重フィルム３０１を構成している。

＜２．多重フィルム３０１＞
　図１７Ａは、ロール状原反Ｆから繰り出された多重フィルム３０１を示す図である。多重フィルム３０１は、図１７Ｂに示すように、筒状の積層フィルムが扁平化されたものであり、第１フィルム層３０１ａと第２フィルム層３０１ｂを備える。第１フィルム層３０１ａと第２フィルム層３０１ｂの境界面Ｌには接着層はもうけられておらず、第１フィルム層３０１ａと第２フィルム層３０１ｂは剥離可能に密着されている。

　第１フィルム層３０１ａと第２フィルム層３０１ｂは、幅方向の端部においてそれぞれ繋がるように環状に形成されている。図１７Ｃに示すように、第１フィルム層３０１ａは、内側フィルム３１１においては第１内側フィルム層３１１ａを構成し、外側フィルム３１２においては第１外側フィルム層３１２ａを構成する。また、第２フィルム層３０１ｂは、内側フィルム３１１においては第２内側フィルム層３１１ｂを構成し、外側フィルム３１２においては第２外側フィルム層３１２ｂを構成する。

　多重フィルム３０１は、一例では、共押出成形によって成形された筒状パリソンを膨張させて（つまり、インフレーション成形によって）成形された筒状フィルムを、扁平化することによって製造することができる。この扁平化の工程において内側フィルム３１１と外側フィルム３１２が互いに圧着されるので、内側フィルム３１１と外側フィルム３１２とは互いに剥離可能に密着される。ここで、内側フィルム３１１と外側フィルム３１２とは、圧着前は剥離されていることが好ましい。なお、図１７Ａ～図１７Ｃでは、図示の便宜上、内側フィルム３１１と外側フィルム３１２を離間させて表している。

　図１８は本発明の多重袋に使用される多重フィルム３０１を得るインフレーション成形を例示する説明図である。図１８において、３０は押出機、３１はインフレーション用ダイであり、押出機３０からダイ３１を経てチューブ状に押し出された溶融樹脂は垂直方向に引き上げられる過程でエア供給パイプ３２から供給される空気により膨らませ、空冷しながらフラットにして巻取装置３３に巻き取り、チューブ状のフィルムを扁平状に巻いてあるロール状原反Ｆを得るものである。図１８において、３４は空冷用エアリング、３５はガイドローラ、３７はピンチロール、３８はガイド板である。

　このように、多重フィルム３０１は、ロール状に巻かれて図１７Ａに示すロール状原反Ｆとなる。このように、多重フィルム３０１を用いた製袋充填方法では、多重フィルム３０１はロール状原反Ｆが巻き戻されて供給されることが好ましい。多重フィルム３０１の厚さは、例えば２０～３００μｍであり、７０～１４０μｍが好ましい。

　第１フィルム層３０１ａ（すなわち、第１内側フィルム層３１１ａおよび第１外側フィルム層３１２ａ）は、いわゆるシーラント層であり、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂で構成されることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン－酢酸ビニル共重合体、エチレン－プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系樹脂で形成することができる。シーラント層を構成するフィルムとしては、ＭＤ方向（製造時においてフィルムが流れる方向）の直線カット性を有しても良い。なお、第１フィルム層３０１ａは多層構造を備えていてもよい。この場合、第１フィルム層３０１ａの最外層がシーラント層であればよい。

　また、シーラント層は、複数樹脂を混合させて構成してもよい。特に、相溶性の低い樹脂を組み合わせることで、易開封性（イージーピール性）を付与することができる。具体的には、以下の樹脂組成物Ａと樹脂組成物Ｂとを組み合わせることが考えられる。

　樹脂組成物Ａ：主成分として、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン－酢酸ビニル共重合体、エチレン－アクリル酸共重合体、エチレン－アクリル酸エチル共重合体、エチレン－メタクリル酸共重合体、エチレン－メタクリル酸メチル共重合体、エチレン－アクリル酸メチル共重合体およびこれらのアイオノマーからなる群から選ばれる少なくとも１種である樹脂組成物。
　樹脂組成物Ｂ：主成分がポリプロピレンまたはポリブチレンである樹脂組成物。

　第２フィルム層３０１ｂ（すなわち、第２内側フィルム層３１１ｂおよび第２外側フィルム層３１２ｂ）は、いわゆる基材層であり、強度に優れて高い耐衝撃性を有する素材により形成されるのが好ましい。基材層としては、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエステル、エチレンービニルアルコール共重合体等が用いられる。基材層を構成するフィルムについても、ＭＤ方向（製造時においてフィルムが流れる方向）の直線カット性を有しても良い

　また、第２フィルム層３０１ｂは、ヒートシール性を有していてもよい。この場合、多重フィルム３０１に対してヒートシールを行って多重フィルム３０１を袋状にしたときに、ヒートシール部（例えば縦シール部３２２）において近傍の第２フィルム層３０１ｂ同士の密着面（例えば図１６Ｂにおける密着面３２２ａ）が溶着されて、ヒートシール部の剛性が向上する。なお、第２フィルム層３０１ｂは多層構造を備えていてもよい。また、第１フィルム層３０１ａの最内層と第２フィルム層３０１ｂの最外層は、溶着しない材料を選定することが好ましい。具体的には、例えば、第１フィルム層３０１ａの最内層を上記樹脂組成物Ａとした場合、第２フィルム層３０１ｂの最外層は上記樹脂組成物Ｂとする。またはその逆としてもよい。あるいは、他の樹脂で接着性の低い樹脂（エチレンービニルアルコール共重合体とポリオレフィンなど）と組み合わせても良い。

　多重フィルム３０１を用いて製袋充填したときに、第２フィルム層３０１ｂは内容物に接触することがなく、第１フィルム層３０１ａは内容物に接触する。このため、内容物へ添加剤が移行することを抑制すべく、第１フィルム層３０１ａを構成する材料は無添加であることが好ましい。特に、内容物が、牛乳のように、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」の対象となっているものである場合には、第１フィルム層３０１ａを構成する材料を無添加にする技術的意義が顕著である。一方、多重フィルム３０１の柔軟性を向上させる等の目的で、第２フィルム層３０１ｂには柔軟剤などの添加剤を添加してもよい。

＜３．製袋充填工程＞
　次に、図１９を用いて、多重フィルム３０１を用いた製袋充填工程について説明する。この工程は、製袋充填機１００を用いて実施可能である。製袋充填工程では、ロール状原反Ｆから繰り出された多重フィルム３０１をヒートシールすることによって、下端が閉じた筒状にして形成した筒状体３１３内に内容物Ｗを充填した後、筒状体３１３の上端をヒートシールして密閉する。以下、各工程について詳細に説明する。

（１．多重フィルム３０１を筒状にする第１工程）
　ロール状原反Ｆから繰り出された多重フィルム３０１は、複数の繰り出しロール１２０、１２１を経てフォーマ１１２に導かれる。多重フィルム３０１は、フォーマ１１２を通過する間に筒状に湾曲されて、両側縁部が重ね合わされた形態（図２０Ｂ参照）となる。重ね合わされた部分には重ね合わせ部３１５が形成される。

（２．縦シール部３２２を形成する第２工程）
　次に、多重フィルム３０１の重ね合わせ部３１５を縦シール機１１３にてヒートシールし、縦シール部３２２を形成する（図２１Ａ参照）。縦シール機１１３は、一対のシールバーを備え、多重フィルム３０１が一定の時間間隔で移動するタイミングに合わせて、重ね合わせ部３１５を一対のシールバーで所定時間挟持することでヒートシールを行う。

（３．下側の横シール部３２３を形成する第３工程）
　次に、開閉自在なしごきロール１１５を閉じて、多重フィルム３０１から形成された筒状体３１３をしごく。これにより筒状体３１３が扁平化する。そして、扁平化した筒状体３１３の所定位置を横シール機１１６にてヒートシールし、横シール部３２３を形成する。横シール機１１６は、一対のシールバーを備え、上記所定位置を一対のシールバーで所定時間挟持することでヒートシールを行う。これによって、筒状体３１３の下端が閉じられる。

（４．内容物を充填する第４工程）
　次に、しごきロール１１５を開いたのち、ホッパ１１１により所定量の内容物Ｗを投入して筒状体３１３に充填する。

（５．袋上部の横シール部３２４を形成する第５工程）
　次に、送りロール１１４を回転させることで、分離前の包装袋３１０ａとともに筒状体３１３及びこれに続く多重フィルム３０１を所定の長さだけ繰り出す。横シール機１１６の一対のシールバーを所定時間閉じて、所定位置をヒートシールすることで、上側の横シール部３２４を形成して包装袋３１０を密閉するとともに、上流に位置する次の包装袋の下側の横シール部３２３を形成する。

（６．連続状の袋の境界線を切断する第６工程）
　プレス兼カッター１１８を閉じて分離前の包装袋３１０ａの下側の横シール部３２３及びそれに連続する上側の横シール部３２４を挟圧するとともに、カッター刃１１８ｂで両者の境界を二分割して包装袋３１０をコンベア１３０上へ落下させる。

　これにより、内容物Ｗが充填された包装袋３１０（図２１Ｂ参照）が製造される。製造直後の状態では、包装袋３１０を構成する内側フィルム３１１と外側フィルム３１２は、密着された状態であり、このままでは、包装袋３１０に強い衝撃が加わったときに内側フィルム３１１と外側フィルム３１２が同時に損傷して内容物Ｗが漏出されやすい。しかし、時間の経過と共に、内容物Ｗが内側フィルム３１１に染み込むことによって、内側フィルム３１１と外側フィルム３１２の密着状態が緩和され、外部からの衝撃を受けた際に、両者の間に隙間ができやすくなる。この状態では、内側フィルム３１１と外側フィルム３１２が同時に損傷しにくいので、内容物Ｗの漏出が抑制される。

　さらに、本実施形態における包装袋３１０では、第１外側フィルム層３１２ａおよび第２外側フィルム層３１２ｂを備える外側フィルム３１２と、第１内側フィルム層３１１ａおよび第２内側フィルム層３１１ｂを備える内側フィルム３１１とが一体化して多重構造を形成しているため、平常時の強度が確保されている。その一方で、第１外側フィルム層３１２ａと第２外側フィルム層３１２ｂ、および、第１内側フィルム層３１１ａと第２内側フィルム層３１１ｂが（すなわち、第１フィルム層３０１ａと第２フィルム層３０１ｂとが）剥離可能に密着していることで、外側フィルム３１２に加えられた衝撃が内側フィルム３１１に伝搬しにくく、急な衝撃による破損を抑制することが可能となる。

　さらに、包装袋３１０では、第２フィルム層３０１ｂを構成する第２内側フィルム層３１１ｂと第２外側フィルム層３１２ｂも（すなわち、第２フィルム層３０１ｂ同士も）剥離可能に密着されている。ここで、第１フィルム層３０１ａと第２フィルム層３０１ｂとの密着の度合いと、第２フィルム層３０１ｂ同士の密着の度合いは異なるため、包装袋３１０に加えられる様々な衝撃に対して、伝搬を抑えることが可能になる。

＜４．その他の実施形態＞
・多重フィルム３０１の層構成は、適宜変更可能である。例えば、多重フィルム３０１は、第１フィルム層３０１ａ及び第２フィルム層３０１ｂの間に、第１フィルム層３０１ａ及び第２フィルム層３０１ｂの少なくとも一方と剥離可能に密着された中間層を備えていてもよい。
・中間層を備える場合は、第１フィルム層３０１ａ及び第２フィルム層３０１ｂよりも融点が高い材料で構成されることが好ましい。この場合、第１フィルム層３０１ａ及び第２フィルム層３０１ｂは溶融するが、中間層が溶融しない温度でヒートシールすることによって、安定してヒートシールを行うことができる。このような材料としては、ポリアミドを含有する樹脂が挙げられる。この場合、ポリアミドのみであってもよく、その他の樹脂を含有していてもよい。その他の樹脂としては、中間層の剛性を高める樹脂が好ましい。中間層を構成する全樹脂に対するポリアミドの含有量は、５０質量％以上であることが好ましい。この含有量は、具体的には例えば、５０、６０、７０、８０、９０、１００質量％であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。
・上記実施形態では、筒状の積層フィルムが扁平化された多重フィルム３０１を用いて包装袋３１０を形成しているが、この形態に限定されることはない。すなわち、外側フィルムと内側フィルムが重ねられた多重フィルムであれば、上記実施形態と同様の効果を奏する包装袋３１０を構成することができる。
・多重フィルム３０１をヒートシールして包装袋３１０とする形式は、適宜変更可能である。上記実施形態では、重ね合わせ部３１５は合掌貼り形式であるが、図２２Ａおよび図２２Ｂに示すように、重ね合わせ部３１５を封筒貼り形式としてもよい。

（第４観点）
１．フィルムロール４０１
　図２３に示すように、本発明の一実施形態のフィルムロール４０１は、筒状長尺フィルム４０２がロール状に巻かれて構成される。筒状長尺フィルム４０２は、筒状長尺フィルム４０２の長手方向に沿って連続的に延びるフィルムである。筒状長尺フィルム４０２に対して溶着や切断などの加工を行うことによって多数の包装袋４１２（図３０参照）が形成される。

１－１．筒状長尺フィルム４０２の構成
　筒状長尺フィルム４０２は、筒状であり、多重フィルム４０４に縦シール部４０５を形成して筒状にすることによって形成される。

　多重フィルム４０４は、互いに重ねられた複数枚のフィルムで構成される。本実施形態では、図２４に示すように、多重フィルム４０４は、互いに重ねられた内側フィルム４０７と外側フィルム４０８を備える。内側フィルム４０７と外側フィルム４０８は、一対のローラで挟圧する等の密着処理によって互いに剥離可能に密着した状態になっていてもよい。なお、図２４等では、便宜上、内側フィルム４０７と外側フィルム４０８の間に間隔を開けて図示している。

　多重フィルム４０４は、分離可能な複数枚のフィルムを重ねた分離可能型多重フィルムであってもよく、筒状フィルムを扁平化した扁平化多重フィルムであってもよい。図２４に示すように、扁平化多重フィルムでは、内側フィルム４０７と外側フィルム４０８は、幅方向の一縁４０４ａと他縁４０４ｂにおいて互いに繋がっている。分離可能型多重フィルムを構成する各フィルムや、筒状フィルムは、単層フィルムと積層フィルムの何れであってもよい。多重フィルム４０４の厚さは、例えば２０～３００μｍであり、７０～１４０μｍが好ましい。

　内側フィルム４０７と外側フィルム４０８は、それぞれ、単層フィルムであっても積層フィルムであってもよい。単層フィルムとしては、シーラント層で構成されるものが好ましい。積層フィルムとしては、基材層の両側にシーラント層が設けられたものが好ましい。基材層とシーラント層の間に接着層を設けてもよい。

　基材層は、強度に優れて高い耐衝撃性を有する素材により形成される。基材層としては、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン（例：ポリエチレン）、ポリエステル等が用いられる。

　なお、基材層は、易引裂樹脂からなる易引裂樹脂層とするようにしてもよい。これによって、多重フィルム４０４に易開封性を付与することができる。易引裂樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、環状ポリオレフィン樹脂を含有する混合樹脂を用いることができる。

　環状ポリオレフィン樹脂は、一般に、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平１－２４０５１７号公報、特開平３－１４８８２号公報、特開平３－１２２１３７号公報等に記載されている。本発明にあっては、環状オレフィンをメタセシス開環重合反応によって重合した開環メタセシス重合体（シクロオレフィンポリマー（ＣＯＰ：Ｃｙｃｌｏ－Ｏｌｅｆｉｎ　Ｐｏｌｙｍｅｒ）とも呼ばれる。）はもちろんのこと、環状オレフィンとα－オレフィン（鎖状オレフィン）等との共重合体である、いわゆる環状オレフィンコポリマー（シクロオレフィンコポリマー（ＣＯＣ：Ｃｙｃｌｏ－Ｏｌｅｆｉｎ　Ｃｏｐｏｌｙｍｅｒ）とも呼ばれる。）や、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びに、それらの水素化物等を含むものとする。

　上記混合樹脂において、環状ポリオレフィン樹脂と組み合わせて用いることができる樹脂としては、前記したポリエチレンや、ポリプロピレン等のポリオレフィンを用いることができる。この中でも、ポリエチレンが好ましく、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）がさらに好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）が特に好ましい。

　易引裂樹脂層を構成する混合樹脂における環状ポリオレフィン樹脂の含有量は、混合樹脂全体（環状ポリオレフィン樹脂及び当該環状ポリオレフィン樹脂と組み合わせて用いられる樹脂との合計を指す。）に対して３～９９質量％とすることが好ましい。環状ポリオレフィン樹脂の含有量をかかる範囲とすることにより、易引裂性が良好に実施されることになる。環状ポリオレフィン樹脂の含有量は、混合樹脂全体に対して６０～９０質量％とすることがさらに好ましく、６０～８０質量％とすることが特に好ましい。

　接着層は、基材層とシーラント層を互いに積層するように接着するための層であり、接着層としては、例えば、ポリエチレン等が用いられる。

　シーラント層は、イージーピール樹脂で構成してもよい。イージーピール樹脂は、凝集破壊性を有することが好ましい。イージーピール樹脂は、例えばヒートシール可能な２種類以上の樹脂からなり、ＪＩＳ　Ｋ６８５４による剥離強度が概ね１０Ｎ／１５ｍｍ幅未満となるような弱シールを構成可能な樹脂である。イージーピール樹脂は、一例では、ポリエチレン（ＰＥ）系樹脂とポリプロピレン（ＰＰ）又はポリブテン（ＰＢ）系樹脂との混合樹脂で構成される。なお、筒状フィルムの最外層がイージーピール樹脂で構成されたシーラント層（以下、「イージーピール層」）である場合、扁平化多重フィルムの両面がイージーピール層となるので、扁平化多重フィルムの内面同士を溶着する横シール部と、扁平化多重フィルムの内面と外面を溶着する縦シール部４０５のどちらも易開封性となる。

　図２４に示すように、縦シール部４０５は、外側フィルム４０８が外面に露出するように多重フィルム４０４を筒状に湾曲させて多重フィルム４０４の一縁４０４ａ側の内面と他縁４０４ｂ側の外面を重ね合わせて重ね合わせ部４０５ａを形成した状態で重ね合わせ部４０５ａにおいて多重フィルム４０４の対向する部位を溶着することによって形成することができる。縦シール部４０５では、一縁４０４ａ側の内側フィルム４０７と外側フィルム４０８が溶着され、他縁４０４ｂ側の内側フィルム４０７と外側フィルム４０８が溶着され、一縁４０４ａ側の内側フィルム４０７と他縁４０４ｂ側の外側フィルム４０８が溶着される。本実施形態では、縦シール部４０５は、封筒貼り形式の縦シール部である。

　図２５に示すように、筒状長尺フィルム４０２には、筒状長尺フィルム４０２の長手方向に沿って等間隔に局所シール部４０９を備える。局所シール部４０９では、内側フィルム４０７と外側フィルム４０８が互いに溶着される。図２９に示すように、筒状長尺フィルム４０２から製造した上端４１２ａが開口した包装袋４１２内に内容物を充填する際に、包装袋４１２の上端４１２ａにおいて内側フィルム４０７と外側フィルム４０８の間に空間ができると、充填工程の実施に支障がでる虞があるが、上端４１２ａの近傍に局所シール部４０９を設けて内側フィルム４０７と外側フィルム４０８を溶着することによって、内側フィルム４０７と外側フィルム４０８の間に空間ができることが抑制される。

　局所シール部４０９を設ける間隔は、包装袋４１２の高さに一致することが好ましい。これによって、包装袋４１２の上端４１２ａ近傍の特定位置に局所シール部４０９が配置された状態で充填工程を実施することができる。局所シール部４０９は、スポット状に形成してもよく、帯状に形成してもよい。局所シール部４０９は、筒状長尺フィルム４０２の周方向の全体に設けてもよく、一部に設けてもよい。局所シール部４０９を筒状長尺フィルム４０２の周方向の一部に設ける場合、局所シール部４０９は縦シール部４０５から離れた位置に設けることが好ましく、縦シール部４０５の反対側（例えば、筒状長尺フィルム４０２の全周の１／２だけずれた位置）に設けることが好ましい。このような位置で内側フィルム４０７と外側フィルム４０８の間に空間ができやすいからである。

１－２．筒状長尺フィルム４０２の巻き取り方法
　筒状長尺フィルム４０２がロール状に巻かれることによってフィルムロール４０１が構成される。筒状長尺フィルム４０２が幅方向に変位することなく巻かれると、重ね合わせ部４０５ａが重なるように巻かれることになり、重ね合わせ部４０５ａにおいてフィルムロール４０１が局所的に厚くなって盛り上がってしまう。

　フィルムロール４０１が局所的に厚くなることを抑制するために、図２６に示すように、筒状長尺フィルム４０２を幅方向に変位させながら筒状長尺フィルム４０２を巻くことが好ましい。これによって、重ね合わせ部４０５ａの位置が分散するので、フィルムロール４０１の局所的な盛り上がりが緩和される。

　重ね合わせ部４０５ａの幅をＷＳ、筒状長尺フィルム４０２の幅をＷＦ、フィルムロール４０１の幅をＷＲとすると、変位量＝｛（ＷＲ－ＷＦ）／ＷＳ｝と定義することができる。筒状長尺フィルム４０２が変位することなく巻かれると、ＷＲ＝ＷＦとなり、変位量が０となる。一方、筒状長尺フィルム４０２の変位が大きくなるほど、フィルムロール４０１の幅ＷＲが大きくなる。変位量は、１以上が好ましい。この場合、重ね合わせ部４０５ａがその幅の２倍の範囲に渡って分散して配置されることになるので、フィルムロール４０１の局所的な盛り上がりが大幅に緩和される。変位量は、例えば１～１００であり、具体的には例えば、１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０、２０、３０、４０、５０、６０、７０、８０、９０、１００であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　筒状長尺フィルム４０２は、通常、軸芯１２の周りに巻かれるので、軸芯１２の軸方向Ｘに沿って軸芯１２を変位させながら軸芯１２の周りに筒状長尺フィルム４０２を巻き取ることによって、ＷＲ＞ＷＦとすることができる。

　軸芯１２の、筒状長尺フィルム４０２が巻かれる部位１２ａの最大直径をＤ１とし、重ね合わせ部４０５ａが巻かれる部位１２ｂの最小直径をＤ２とすると、Ｄ２／Ｄ１は、１よりも小さいことが好ましい。つまり、重ね合わせ部４０５ａが巻かれる部位において軸芯１２が細くなっていることが好ましい。これによって、フィルムロール４０１の局所的な盛り上がりが緩和される。Ｄ２／Ｄ１は、例えば０．１～０．９９であり、０．５～０．９が好ましい。Ｄ２／Ｄ１は、具体的には例えば、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９、０．９５、０．９９であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。なお、軸芯１２の断面が非円形である場合には、「直径」は、断面の円相当径を意味する。縦シール部４０５は、軸芯１２の軸方向の中央に巻かれることが好ましく、部位１２ｂは、軸方向の中央に設けられることが好ましい。軸芯１２の端から部位１２ｂに向かって軸芯１２の直径が徐々に小さくなるように構成してもよく、部位１２ｂとそれに隣接する部位の間に段差を設けて、部位１２ｂの直径が小さくなるようにしてもよい。

２．内容物の充填方法
　次に、図２７～図３０を用いて、フィルムロール４０１を用いて製造した包装袋４１２内への内容物の充填方法について説明する。

　この方法は、下側横シール工程と、切断工程と、充填工程と、上側横シール工程を備える。これらの工程を繰り返し行うことで、多数の包装袋４１２を効率的に製造することができる。

　フィルムロール４０１から巻き戻された筒状長尺フィルム４０２は、搬送装置１５によって下流方向に向かって搬送可能になっており、筒状長尺フィルム４０２の所定位置が下側横シール装置１６又は切断装置１７が設けられている位置に到達した時点で、下側横シール工程又は切断工程が実施される。また、切断工程において切り離された上端が開口した包装袋４１２に対して、不図示の充填装置及び上側横シール装置を用いて、充填工程及び上側横シール工程が実施される。

　搬送装置１５は、筒状長尺フィルム４０２を下流方向に向かって搬送するための装置であり、一例では、一対のローラ１５ａを備え、一対のローラ１５ａが筒状長尺フィルム４０２を挟んだ状態で互いに逆方向に回転することによって筒状長尺フィルム４０２を下流方向に向かって搬送可能に構成されている。下側横シール装置１６は、下側横シール部１３を形成するための装置であり、一例では、一対のシールバー１６ａを備え、一対のシールバー１６ａで筒状長尺フィルム４０２を挟んで加熱することによって、図２８に図示する下側横シール部１３を形成可能に構成されている。切断装置１７は、筒状長尺フィルム４０２を切断するための装置であり、一例では、一対のブレード１７ａで筒状長尺フィルム４０２を挟むことによって筒状長尺フィルム４０２を切断するように構成されている。

以下、各工程について説明する。

２－１．下側横シール工程
　下側横シール工程では、図２７の状態で、下側横シール装置１６において、筒状長尺フィルム４０２を横断するように下側横シール部１３を形成する。下側横シール部１３では、対向する内側フィルム４０７同士が溶着され、かつ対向する内側フィルム４０７と外側フィルム４０８が溶着される。下側横シール部１３は、好ましくは、筒状長尺フィルム４０２の長手方向に垂直に延びるように形成される。

２－２．切断工程
　次に、搬送装置１５は、１ピッチ（包装袋４１２の高さに相当）分だけ、筒状長尺フィルム４０２を下流に向かって搬送する。搬送後の状態を図２８に示す。

　切断工程では、図２８の状態で、切断装置１７において、下側横シール部１３よりも上流側の位置で筒状長尺フィルム４０２を切断して、図２９に図示する上端４１２ａが開口した包装袋４１２を形成する。筒状長尺フィルム４０２に局所シール部４０９が設けられている場合には、下側横シール部１３よりも上流側に設けられた局所シール部４０９に、その上流側で隣接する位置で筒状長尺フィルム４０２を切断することが好ましい。筒状長尺フィルム４０２の切断は、好ましくは、筒状長尺フィルム４０２の長手方向に垂直な方向に沿って行う。切断工程は、上流側の包装袋４１２用の下側横シール部１３を形成した後に行ってもよい。この場合、上流側の包装袋４１２用の下側横シール部１３に、その下流側で隣接する位置で筒状長尺フィルム４０２を切断する。

２－３．充填工程
　充填工程では、図２９の状態で、包装袋４１２の上端４１２ａから包装袋４１２内に内容物を充填する。包装袋４１２の上端４１２ａにおいて内側フィルム４０７と外側フィルム４０８の間に空間ができると、充填工程の実施に支障がでる虞があるが、上端４１２ａの近傍に局所シール部４０９を設けることによって、内側フィルム４０７と外側フィルム４０８の間に空間ができることが抑制され、充填工程をスムーズに行うことができる。

２－４．上側横シール工程
　上側横シール工程では、図３０に示すように、内容物の充填後に、包装袋４１２の上側を閉塞するように上側横シール部１４を形成する。これによって、内容物を包装袋４１２内に密閉することができる。

３．その他の実施形態
　本発明は、以下の対応でも実施可能である。
・縦シール部４０５は、図３１に示すように、多重フィルム４０４を筒状に湾曲させて多重フィルム４０４の一縁４０４ａ側の内面と他縁４０４ｂ側の内面を重ね合わせて重ね合わせ部４０５ａを形成した状態で、重ね合わせ部４０５ａにおいて多重フィルム４０４の対向する部位を溶着することによって形成してもよい。多重フィルム４０４は、他縁４０４ｂ近傍の折り返し部４０４ｃで折り返されており、他縁４０４ｂと折り返し部４０４ｃの間の部位が一縁４０４ａ側の多重フィルム４０４に重ね合わされて重ね合わせ部４０５ａとなっている。この場合、縦シール部４０５は、合掌形式の縦シール部となる。また、他縁４０４ｂと折り返し部４０４ｃの間の部位では、対向する外側フィルム４０８同士が溶着されていてもよい。

・縦シール部４０５は、図３２に示すように、多重フィルム４０４を二つ折りにした状態で、一縁４０４ａ及び他縁４０４ｂの近傍において、多重フィルム４０４の対向する内面同士を溶着することによって形成してもよい。多重フィルム４０４は、他縁４０４ｂ近傍で折り返されていない。このような構成では、縦シール部４０５において、筒状長尺フィルム４０２が厚くならないので、フィルムロール４０１の局所的な盛り上がりが発生しないという利点がある。

（第５観点）
１．包装袋５０１
　図３３～図３５に示すように、本発明の一実施形態の包装袋５０１は、フィルム５０２に縦シール部７を形成して構成された筒体３と、上側横シール部４と、下側横シール部５を備える。包装袋５０１内には、通常、内容物が充填されているが、図３３では、便宜上、内容物が充填されていない状態の包装袋５０１を示している。内容物の例としては、フラワーペースト、ジャム、餡等の粘稠性食品が挙げられる。

　以下、図３３の上下左右を包装袋５０１の上下左右として説明を進める。具体的には、筒体３の軸方向が上下方向である。縦シール部７を手前側に配置したときの左右が包装袋５０１の左右である。また、縦シール部７側の面を前面とし、その対向する面を背面とする。

　包装袋５０１の左右方向の長さは、例えば、１４０～２４０ｍｍであり、１６０～２２０ｍｍが好ましい。この長さは、具体的には例えば、１４０、１５０、１６０、１７０、１８０、１９０、２００、２１０、２２０、２３０、２４０であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。この値が小さすぎると、製袋充填の際に内容物が包装袋５０１の内面に付着してしまって充填しにくくなる場合がある。この問題は、内容物の粘稠性が高い場合に顕著である。［包装袋５０１の上下方向の長さ／包装袋５０１の左右方向の長さ］の値は、例えば、１．５～５であり、２～４が好ましい。この値は、具体的には例えば、１．５、２、２．５、３、３．５、４、４．５、５であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　筒体３は、フィルム５０２を筒状に湾曲させてフィルム５０２の両端を重ね合わせた状態でヒートシールすることによって形成することができる。ヒートシールによって、縦シール部７が形成される。

　上側横シール部４及び下側横シール部５は、それぞれ、筒体３の上側及び下側を閉塞させるように設けられる。横シール部４，５は、それぞれ、筒体３の上端及び下端に沿って形成することが好ましい。横シール部４，５は、縦シール部７に直交するように形成することが好ましい。横シール部４，５は、それぞれ、筒体３をヒートシールすることによって形成することができる。

　横シール部４，５は、一例では、上下方向に並ぶ複数の線状シール部（図３３の点線で示す部位）４ａ，５ａで構成される。各線状シール部４ａ，５ａは、横シール部４，５の左右方向に延びるように設けられる。複数の線状シール部４ａ，５ａは、平行に配置されることが好ましい。線状シール部４ａ，５ａを設けるピッチは、２～５ｍｍであることが好ましい。このピッチは、具体的には例えば、２、２．５、３、３．５、４、４．５、５ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　フィルム５０２は、熱収縮性フィルム（いわゆるシュリンクフィルム）を用いる。熱収縮性フィルムとは、たとえば延伸処理（一軸延伸または二軸延伸）を行うことで熱収縮性を備えた樹脂製のフィルムである。

　包装袋５０１の横シール部４，５に近い部位では、包装袋５０１が膨らみにくいために、包装袋５０１が扁平な形状になり、包装袋５０１の転がし搬送を阻害する。この傾向は、横シール部４，５の内縁の両端に、外側に向かって凸となる湾曲部が設けられていなかったり、湾曲部が設けられていても、その左右方向の長さが小さかったりする場合に特に顕著になる。

　そこで、本実施形態では、横シール部４，５の内縁の両端に外側に向かって凸となる左湾曲部４ｌ，５ｌ及び右湾曲部４ｒ，５ｒを設けている。また、横シール部４，５の左右方向の長さをＷｓとし、左湾曲部４ｌ，５ｌ及び右湾曲部４ｒ，５ｒの左右方向の長さをＷｌ，Ｗｒとすると、Ｗｒ／Ｗｓ及びＷｌ／Ｗｓを、それぞれ、０．１～０．４としている。このような湾曲部を形成することで、図３４に示すように、横シール部４，５の近傍においても包装袋５０１が膨らみやすくなり、その外形が略円柱になるので、包装袋５０１の転がし搬送がスムーズになる。ＷｒとＷｌは同じであることが好ましいが、互いに異なっていてもよい。Ｗｒ／Ｗｓ及びＷｌ／Ｗｓは、具体的には例えば、０．１、０．１５、０．２、０．２５、０．３、０．３５、０．４であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。Ｗｓは、包装袋５０１の左右方向の長さと同様である。Ｗｌ，Ｗｒは、例えば１０～１００ｍｍであり、２０～５０ｍｍが好ましい。Ｗｌ，Ｗｒは、具体的には例えば、１０、２０、３０、４０、５０、６０、７０、８０、９０、１００ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　また、左湾曲部４ｌ，５ｌ及び右湾曲部４ｒ，５ｒは円弧状であることが好ましく、その曲率半径をＲｌ，Ｒｒとすると、Ｒｌ／Ｗｓ及びＲｒ／Ｗｓは、それぞれ、０．１～０．４であることが好ましい。Ｒｌ／Ｗｓ及びＲｒ／Ｗｓは、具体的には例えば、０．１、０．１５、０．２、０．２５、０．３、０．３５、０．４であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。Ｒｌ，Ｒｒは、例えば２０～６０ｍｍであり、３０～５０ｍｍが好ましい。Ｒｌ，Ｒｒは、具体的には例えば、具体的には例えば、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０ｍｍであり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　図３５に示すように、フィルム５０２は、基材層５０２ａとシーラント層５０２ｂを有する積層フィルムであることが好ましく、基材層５０２ａとシーラント層５０２ｂの間に接着層５０２ｃを備えることがさらに好ましい。

　基材層５０２ａは、包装袋５０１の外表面に露出するように配置され、シーラント層５０２ｂは、包装袋５０１の内表面に露出するように配置される。シーラント層５０２ｂ同士がヒートシールされることによって、縦シール部７及び横シール部４，５が形成される。

　基材層５０２ａは、強度に優れて高い耐衝撃性を有する素材により形成されている。基材層５０２ａとしては、例えば、熱収縮性のポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン等が用いられる。接着層５０２ｃは、基材層５０２ａとシーラント層５０２ｂを互いに積層するように接着するための層であり、接着層５０２ｃとしては、例えば、ポリエチレン等が用いられる。

　基材層５０２ａのポリアミドは、芳香族ポリアミドを含むものが好ましい。この場合、基材層５０２ａがＭＤ方向の直線カット性を有し、かつバリア性に優れるからである。芳香族ポリアミドとしては、特に制限はないが、キシリレンジアミンと炭素数が６～１２のα，ω脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド構成単位を分子鎖中に７０モル％以上含有している樹脂等が使用できる。具体的には、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンデカナミドなどの単独重合体、メタキシリレン／パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン／パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン／パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレン／パラキシリレンセパカミド共重合体などの共重合体が挙げられるが、ポリメタキシリレンアジパミド（以下、「ＭＸＤ６」という）が強度やガスバリア性等の基本特性に優れ、工業的にも比較的入手しやすい点から好ましい。

　シーラント層５０２ｂは、ヒートシール性に優れた樹脂で形成可能である。シーラント層５０２ｂとしては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンで形成することができる。シーラント層５０２ｂを構成するフィルムとしては、ＭＤ方向の直線カット性を有するものが好ましい。

　また、基材層５０２ａとシーラント層５０２ｂの少なくとも一方が直線カット性を有することが好ましい。シーラント層５０２ｂの厚さは、基材層５０２ａの厚さの２倍以上であることが好ましく、フィルム５０２全体の厚さの半分以上であることが好ましい。

　フィルム５０２は、厚さ１０μｍ～２０μｍ、例えば１５μｍの基材層５０２ａと、厚さ１０μｍ～３０μｍ、例えば２０μｍの接着層５０２ｃと、厚さ３０μｍ～５０μｍ、例えば４０μｍのシーラント層５０２ｂを積層して形成することができ、フィルム５０２として、通常は５０μｍ～１００μｍの厚さを有する。

　また、基材層５０２ａとシーラント層５０２ｂとは、接着層５０２ｃにより互いに積層するように接着されているが、例えば、接着層５０２ｃとしてポリエチレンを使用し、押し出しラミネート法を用いて基材層５０２ａとシーラント層５０２ｂとを互いに接着することができる。また、接着層５０２ｃとしてポリエチレン以外の材料を使用し、ドライラミネート法を用いて基材層５０２ａとシーラント層５０２ｂとを互いに接着することもできる。あるいは、接着層５０２ｃを用いない融着を利用することもできる。このようにして、基材層５０２ａ、接着層５０２ｃ、シーラント層５０２ｂから形成されるフィルム５０２は、高い強度、耐衝撃性、密封性、防気性等を有している。

２．製袋充填方法
　次に、図３６～図４６を用いて、フィルム５０２を用いた製袋充填方法について説明する。この方法は、縦型の製袋充填機１００を用いて実施可能である。

＜Ｓ１：フィルム湾曲工程＞
　図３６に示すように、ロール状原反Ｆから繰り出されたフィルム５０２は、複数の繰り出しロール１２０、１２１を経てフォーマ１１２に導かれる。ロール状原反Ｆからフォーマ１１２までの経路途中にはセンサ１１９が配されており、フィルム５０２に長さ方向において一定間隔で印刷されたレジマークを検知して、製袋充填機１００の軌道上に一定の長さのフィルム５０２を一定の時間間隔で送り出せるようになっている。フィルム５０２は、フォーマ１１２を通過する間に筒状に湾曲されて、湾曲した先端の両側縁部がオーバーラップした形態となる。オーバーラップした部分には重ね合わせ部が形成される。

　なお、フォーマ１１２の手前の位置で、フィルム５０２に印字を行う印字工程を備えてもよい。この印字は、包装袋５０１の前面（縦シール部７側の面）となる領域に行うことが好ましい。この場合、後述する切断工程でコンベア１３０上に落下した包装袋５０１を、縦シール部７が上側になるようにした状態で搬送する際に、印字が適切になされているかどうかを確認することができる。

＜Ｓ２：縦シール工程＞
　次に、フィルム５０２の重ね合わせ部を縦シール機１１３にてヒートシールし、縦シール部７を形成する。縦シール機１１３は、一対のシールロールを備え、フィルム５０２が一定の時間間隔で移動するタイミングに合わせて、フィルム５０２の重ね合わせ部を一対のシールロールで挟持しながら一対のシールロールを互いに逆方向に回転させることでフィルム５０２を送り出しながらヒートシールを行う。フィルム５０２に縦シール部７を形成することによって、筒体３が形成される。その後、送りロール１１４を回転させることで、筒体３を所定の長さだけ下流に移動させる。

＜Ｓ３：横シール工程＞
　図３７に示すように、筒体３の所定位置を横シール機１１６にてヒートシールし、横シール部１１を形成する。横シール部１１は、下流側の包装袋５０１の上側横シール部４と上流側の筒体３の下側横シール部５が繋がって構成されており、後述する切断工程において上下に分割される。横シール機１１６は、一対のシールバー１１６ａを備え、上記所定位置を一対のシールバー１１６ａで所定時間挟持することでヒートシールを行う。

　シールバー１１６ａは、一例では、図３３の左右方向に延びる凸条と凹条が上下方向に交互に並ぶ形状を有する。この場合、凸条が押圧された部位において、線状シール部（図３３の点線で示す部位）４ａ，５ａが形成される。

＜Ｓ４：切断工程＞
　次に、図３８に示すように、送りロール１１４をさらに回転させることで、横シール部１１をプレス兼カッター１１８の位置に移動させる。プレス兼カッター１１８は、一対のバー１１８ａを備える。

　次に、図３９に示すように、プレス兼カッター１１８を閉じて横シール部１１を挟圧して冷却するとともに、カッター刃（不図示）で横シール部１１を切断して上下に分割することによって、下流側の切断片Ｕの上側横シール部と、上流側の筒体３の下側横シール部５を形成する。切断片Ｕは、横シール部１１を切断すると、コンベア１３０上へ落下する。

＜Ｓ５：充填工程＞
　次に、図４０に示すように、しごきロール１１５を開くと、以前の工程でホッパ１１１から投入されてしごきロール１１５の上側に溜まっている内容物Ｗがしごきロール１１５の下側に落下する。筒体３には下側横シール部５が形成されているので、落下した内容物Ｗは、筒体３内に充填される。筒体３の周囲には、１対のシャッター部材１２４が配置されている。シャッター部材１２４は、水平方向および垂直方向に移動可能に構成されている。

　内容物Ｗをさらに筒体３内に投入し、筒体３内の内容物Ｗがセンサ１２２の位置にまで到達すると、図４１に示すように、しごきロール１１５を閉じることによって、内容物Ｗをしごきロール１１５の上側部分と下側部分に分断する。しごきロール１１５の下側部分の内容物が包装袋５０１の一袋分の内容物である。また、しごきロール１１５を閉じることによって筒体３に密着部３ａが形成され、密着部３ａと下側横シール部５の間に内容物が収容された部分である袋部３ｂが形成される。

＜Ｓ６：送り工程＞
　次に、しごきロール１１５を閉じたまま、送りロール１１４を回転させることで、図４２に示すように、密着部３ａをシャッター部材１２４の位置にまで移動させる。

＜Ｓ７：挟み込み工程＞
　次に、図４３に示すように、シャッター部材１２４を水平方向に移動させて筒体上方の密着部３ａを挟みこみ、さらに、シャッター部材１２４を鉛直方向下方へ移動させる（図４３における矢印参照）ことで、袋部３ｂに対して張りを持たせることができる。ここで、シャッター部材１２４は、横シール機１１６よりも下方まで移動させることが好ましい。このようにすることで、袋部３ｂに持たせた張りを維持したまま、横シールを行うことが可能となる。

　その後、図４４に示すように、シャッター部材１２４を袋部３ｂの上方に維持したまま横シール工程（Ｓ３）を実施することで、内容物Ｗが充填された部位（袋部３ｂ）よりも高い位置（密着部３ａ）において、袋部３ｂに張りを持たせたまま横シール部１１を形成することができ、包装袋５０１が形成される。

　そして、図４５に示すように、シャッター部材１２４をもとの位置に戻し、後続の切断工程（Ｓ４）を行う。これにより、図４６に示すように、包装袋５０１がコンベア１３０上へ落下する。

　このようにして、Ｓ３～Ｓ７の工程を繰り返すことによって、内容物Ｗが充填された包装袋５０１を連続的に製造することができる。なお、本実施形態における包装袋５０１の製造において、熱処理工程は行わない。

　以上のようにして、本実施形態における製袋充填方法では、熱収縮フィルムで構成される筒体３に対して上述した挟みこみ工程を行うことによって包装袋５０１に必要な張りを持たせている。このようにすることで、非熱収縮性のラミネートフィルムに比べて、ピンホールなどが発生しにくいより高い強度を備える包装袋を製造することが可能となる。

３．他の実施形態
　上記実施形態では、シャッター部材１２４を鉛直方向下方へ移動させているが、この態様に限定されることはない。例えば、シャッター部材１２４が筒体３を挟みこんだ状態で、筒体３を鉛直方向上方へ移動させることにより、筒体３に張りを持たせてもよい。このように、筒体３を挟みこんだシャッター部材１２４と筒体３との鉛直方向における相対的な位置を変化させることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。

（第６観点）
１．包装袋６１
　図４７～図４８に示すように、本発明の一実施形態の包装袋６１は、フィルム６２に縦シール部７を形成して構成された筒体３と、上側横シール部４と、下側横シール部５と、開封シール部６を備える。各種シール部は、フィルム６２の対向する内面同士をヒートシールすることによって形成することができる。包装袋６１内には、通常、内容物が充填されているが、図４７では、便宜上、内容物が充填されていない状態の包装袋６１を示している。内容物の例としては、フラワーペースト、ジャム、餡等の食品が挙げられる。

　以下、図４７の上下左右を包装袋６１の上下左右として説明を進める。具体的には、筒体３の軸方向が上下方向であり、縦シール部７を手前側に配置したときの左右が包装袋６１の左右である。また、縦シール部７側の面を前面とし、その対向する面を背面とする。

　包装袋６１の左右方向の長さは、例えば、１４０～４００ｍｍであり、１６０～３００ｍｍが好ましい。この長さは、具体的には例えば、１４０、１５０、１６０、１７０、１８０、１９０、２００、２１０、２２０、２３０、２４０、２５０、２６０、２７０、２８０、２９０、３００、３１０、３２０、３３０、３４０、３５０、３６０、３７０、３８０、３９０、４００であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。この値が小さすぎると、製袋充填の際に内容物が包装袋６１の内面に付着してしまって充填しにくくなる場合がある。この問題は、内容物の粘稠性が高い場合に顕著である。［包装袋６１の上下方向の長さ／包装袋６１の左右方向の長さ］の値は、例えば、１．１～５であり、２～４が好ましい。この値は、具体的には例えば、１．１、１．２、１．３、１．４、１．５、２、２．５、３、３．５、４、４．５、５であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　上側横シール部４及び下側横シール部５は、それぞれ、筒体３の上側及び下側を閉塞させるように設けられる。横シール部４，５は、それぞれ、筒体３の上端及び下端に沿って形成することが好ましい。横シール部４，５は、縦シール部７に直交するように形成することが好ましい。

　開封シール部６は、包装袋６１の一側縁６１ａから延びるように設けられる。縦シール部７は、図４８に示すように、フィルム６２を筒状に湾曲させて、フィルム６２の両側縁部６２ａ，６２ｂの内面同士を重ね合わせた合掌部６８に設けられる。合掌部６８は、一側縁６１ａに向けて倒されている。図４８Ａに示すように、開封シール部６の合掌部６８側の側縁６ａが合掌部６８の側縁６８ａと平面視において一致するか、図４９に示すように、開封シール部６が合掌部６８と平面視において重なることが好ましい。平面視とは、図４７に示すように、包装袋６１内に内容物が含まれていない状態で包装袋６１を平たくし、その状態で包装袋６１の主面６１ｂに垂直な方向から見ることを意味する。

　換言すると、合掌部６８を倒した状態での合掌部６８の左右方向の長さをＬ１とし、開封シール部６の左右方向の幅をＬ２とし、合掌部６８の根本から一側縁６１ａまでの左右方向の長さをＬ３とすると、図４８Ａに示すようにＬ３＝Ｌ１＋Ｌ２であるか、図４９に示すようにＬ３＜Ｌ１＋Ｌ２であることが好ましい。なお、図４８～図４９では、図示の便宜上、合掌部６８を筒体３から少し浮かせた状態を図示し、この図にＬ１等の各種長さを示しているが、各種長さは、包装袋６１内に内容物が含まれない状態で包装袋６１を平たくし、合掌部６８を筒体３にできるだけ密着させた状態での長さを意味する。開封シール部６は、図４７に示すように、横シール部４，５から離れていてもよく、横シール部４，５の何れかと一体化されていてもよい。

　包装袋６１の左右方向の長さをＬとすると、Ｌ３／Ｌは０．５～０．１が好ましい。この場合、合掌部６８の左右方向の長さＬ１を小さくしやすいという利点がある。Ｌ３／Ｌは、具体的には例えば、０．１、０．２、０．３、０．４、０．４５、０．５であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　開封シール部６には、第１易開封部６ｂが設けられている。第１易開封部６ｂは、易開封部で構成される。易開封部とは、包装袋６１の開封を容易にするように加工された部位である。易開封部は、例えば、フィルム６２がすでにカットされている部位（例：切り込み、切り欠き）であるか、フィルム６２がカットしやすくなるように加工されている部位（例：ハーフカット、ミシン目）である。易開封部が前者の場合、易開封部で不意にフィルム６２の引き裂きが進行してしまう虞があるので、易開封部が後者であることが好ましく、ミシン目は容易に形成可能であるので、易開封部はミシン目であることがさらに好ましい。

　合掌部６８には、第２易開封部６８ｂが設けられている。第２易開封部６８ｂは、易開封部で構成される。易開封部の説明は、上述した通りである。易開封部６８ｂの左右方向の長さをＬ４とすると、Ｌ４／Ｌ１は、０．２以上が好ましく、０．５以上がさらに好ましい。この値が小さすぎると、合掌部６８を引き裂きにくい場合があるからである。Ｌ４／Ｌ１は、例えば０．２～０．９であり、具体的には例えば、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　易開封部６ｂ，６８ｂは、包装袋６１を平面視で見たときに、連続するように設けられることが好ましい。「連続するように」とは、易開封部６ｂが平面視で易開封部６８ｂに接触することを意味する。易開封部６ｂが易開封部６８ｂに平面視で接触する形態としては、図４７及び図４８Ａに示すように、易開封部６ｂの端点６ｃと易開封部６８ｂの端点６８ｃが平面視で接触する形態や、図４９に示すように、易開封部６ｂと易開封部６８ｂが部分的に重なる形態が挙げられる。易開封部６ｂ，６８ｂは、平行であることが好ましいが、非平行であってもよい。さらに、易開封部６ｂ，６８ｂは、一直線上であることが好ましいが、多少ずれていてもよい。多少ずれていても、開封時に包装袋６１を歪めて易開封部６ｂ，６８ｂの上下方向の位置を調整して一直線上になるようにすることができるからである。易開封部６ｂ，６８ｂの上下方向のズレは、１５ｍｍ以下が好ましく、１０ｍｍ以下がさらに好ましく、５ｍｍ以下がさらに好ましい。

　ところで、縦シール部７は、合掌部６８の全体に設けてもよいが、縦シール部７の面積が増大するにつれて、縦シール部７を形成するためのヒートシールにかかる時間が長くなってしまうという問題がある。このため、縦シール部７は、合掌部６８の一部に設けることが好ましい。帯状の縦シール部７の左右方向の長さをＬ５とすると、Ｌ５／Ｌ１は、０．９以下が好ましく、例えば０．１～０．９であり、具体的には例えば、０．１、０．２、０．３、０．４、０．５、０．６、０．７、０．８、０．９であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　縦シール部７が合掌部６８の側縁６８ａに到達していない場合、易開封部６８ｂの少なくとも一部がシールされず、フィルム６２の両側縁部６２ａ，６２ｂが互いに分離された状態であるので取り扱い性が悪い。そこで、縦シール部７から合掌部６８の側縁６８ａに向けて突出する突出シール部６９を設け、易開封部６８ｂの少なくとも一部を突出シール部６９に設けることが好ましい。これによって、易開封部６８ｂの端点６８ｃにおいて両側縁部６２ａ，６２ｂが溶着された状態となり、取り扱い性が向上する。突出シール部６９は、縦シール部７から垂直に延びるように設けることが好ましいが、非垂直に延びるように設けてもよい。

　包装袋６１を平面視で見たときに、開封シール部６が突出シール部６９に連続することが好ましい。開封シール部６が突出シール部６９に連続する形態としては、包装袋６１を平面視で見たときに、図４７及び図４８Ａに示すように開封シール部６の側縁６ａと突出シール部６９の側縁６９ａに重なる形態や、図４９に示すように、開封シール部６と突出シール部６９が重なる形態が挙げられる。なお、縦シール部７が合掌部６８の側縁６８ａに到達している場合は、包装袋６１を平面視で見たときに、開封シール部６の側縁６ａと縦シール部７の側縁が重なる形態や、開封シール部６と縦シール部７が重なる形態が挙げられる。このような場合に、易開封部６ｂでの切り裂きの方向が易開封部６８ｂがある方向からずれにくく、易開封部６ｂ，６８ｂでの切り裂きを連続して行いやすい。

　突出シール部６９の上下方向の長さをＬ６とすると、Ｌ６／Ｌ５は、例えば０．２～３であり、０．５～２が好ましい。この値は、具体的には例えば、０．２、０．５、０．８、１．０、１．２、１．５、２．０、２．５、３．０であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　開封シール部６の上下方向の長さをＬ７とすると、Ｌ７／Ｌ６は、例えば０．２～３であり、０．５～２が好ましい。この値は、具体的には例えば、０．２、０．５、０．８、１．０、１．２、１．５、２．０、２．５、３．０であり、ここで例示した数値の何れか２つの間の範囲内であってもよい。

　フィルム６２の説明は、フィルム５０２の説明と同様である。

３．包装袋６１の開封方法
　包装袋６１を開封する際は、包装袋６１の一側縁６１ａ側から易開封部６ｂに沿って開封シール部６のフィルム６２を引き裂き、引き裂きが合掌部６８の側縁６８ａに到達すると、易開封部６８ｂに沿って合掌部６８のフィルム６２を引き裂くとともに、易開封部６ｂ又はその延長線に沿ったフィルム６２の引き裂きを継続する。易開封部６８ｂに沿った引き裂きが、易開封部６８ｂの、縦シール部７側の端点６８ｄに到達するとそのまま易開封部６８ｂの延長線に沿って縦シール部７及び筒体３のフィルム６２を引き裂いて、包装袋６１を開封する。開封シール部６が突出シール部６９に平面視で連続しているので、易開封部６ｂでの引き裂きと易開封部６８ｂの切り裂きを連続して行うことができ、開封性に優れている。また、フィルム６２が直線カット性を有するものである場合、易開封部６ｂ，６８ｂの延長線に沿って包装袋６１を切り裂くことが容易になる。また、易開封部６ｂ，６８ｂの一部を互いに重ねて切り裂いてもよい。

３．製袋充填方法
　次に、図５０～図５１を用いて、フィルム６２を用いた製袋充填方法について説明する。この方法は、縦型の製袋充填機１００を用いて実施可能である。

＜Ｓ１：フィルム湾曲工程＞
　まず、ロール状原反Ｆから繰り出されたフィルム６２は、複数の繰り出しロール１２０、１２１を経てフォーマ１１２に導かれる。ロール状原反Ｆからフォーマ１１２までの経路途中にはセンサ１１９が配されており、フィルム６２に長さ方向において一定間隔で印刷されたレジマークを検知して、製袋充填機１００の軌道上に一定の長さのフィルム６２を一定の時間間隔で送り出せるようになっている。フィルム６２は、フォーマ１１２を通過する間に筒状に湾曲されて、湾曲した先端の両側縁部がオーバーラップした形態となる。オーバーラップした部分には重ね合わせ部が形成される。

＜Ｓ２：縦シール工程＞
　次に、フィルム６２の重ね合わせ部を縦シール機１１３にてヒートシールし、縦シール部７及び突出シール部６９を形成する。縦シール機１１３は、一対のシールロールを備え、フィルム６２が一定の時間間隔で移動するタイミングに合わせて、フィルム６２の重ね合わせ部を一対のシールロールで挟持しながら一対のシールロールを互いに逆方向に回転させることでフィルム６２を送り出しながらヒートシールを行う。フィルム６２に縦シール部７を形成することによって、筒体３が形成される。また、縦シール部７及び突出シール部６９を形成した後に、易開封部６８ｂを形成することができる。易開封部６８ｂは、後述する切断工程において易開封部６ｂと同時に形成してもよい。

＜Ｓ３：横シール工程＞
　次に、送りロール１１４を回転させることで、筒体３を所定の長さだけ下流に移動させ、図５１に示すように、筒体３の所定位置を横シール機１１６にてヒートシールし、横シール部１１及び開封シール部６を形成する。横シール部１１は、下流側の包装袋６１の上側横シール部４と上流側の筒体３の下側横シール部５が繋がって構成されており、後述する切断工程において上下に分割される。横シール機１１６は、一対のシールバー１１６ａを備え、上記所定位置を一対のシールバー１１６ａで所定時間挟持することでヒートシールを行う。

　次に、プレス兼カッター１１８を閉じて横シール部１１を挟圧して冷却するとともに、カッター刃（不図示）で横シール部１１を切断して上下に分割することによって、下流側の包装袋６１の上側横シール部４と、上流側の筒体３の下側横シール部５を形成する。下流側の包装袋６１は、横シール部１１の切断に伴って、コンベア１３０上へ落下する。この工程において、易開封部６ｂを形成することができる。易開封部６ｂは、横シール部１１を切断する際に同時に形成してもよく、易開封部６ｂを形成した後に横シール部１１の切断を行ってもよい。

　次に、内容物Ｗをさらに筒体３内に投入し、筒体３内の内容物Ｗがセンサ１２２の位置にまで到達すると、しごきロール１１５を閉じることによって、内容物Ｗをしごきロール１１５の上側部分と下側部分に分断する。しごきロール１１５の下側部分の内容物が包装袋６１の一袋分の内容物である。また、しごきロール１１５を閉じることによって筒体３に密着部３ａが形成され、密着部３ａと下側横シール部５の間に袋部３ｂが形成される。袋部３ｂの上側に上側横シール部４が形成されることによって包装袋６１が形成される。

　この後は、Ｓ３～Ｓ６の工程を繰り返すことによって、内容物Ｗが充填された包装袋６１を連続的に製造することができる。

　以上の工程により、内容物Ｗが充填された包装袋６１が製造される。なお、上記形態では、一対のシールバー１１６ａを用いて、横シール部４，５が合わさった横シール部１１及び開封シール部６を形成しているが、横シール部４，５と開封シール部を別々のシールバーで形成してもよく、横シール部４と横シール部５を別々のシールバーで形成してもよい。

１：包装袋、１ａ：一縁、２：多重フィルム、２ａ：一縁、２ｂ：他縁、２ｃ：折り返し部、２ｄ：反転部、３：筒体、３ａ：密着部、３ｂ：袋部、３ｃ：上端、３ｄ：下端、４：上側横シール部、４ａ：線状シール部、４ｌ：左湾曲部、４ｒ：右湾曲部、５：下側横シール部、５ａ：線状シール部、５ｌ：左湾曲部、５ｒ：右湾曲部、６：開封シール部、６ａ：側縁、６ｂ：第１易開封部、６ｃ：端点、７：縦シール部、７ａ：波形状、７ｂ：凸部、７ｃ：凹部、８：合掌部、８ａ：面、８ｂ：領域、９：本体部、９ａ：外面、９ｂ：領域、１０：本体シール部、１１：横シール部、１１ａ：波形状、１１ｂ：凸部、１１ｃ：凹部、１２：軸芯、１２ａ：部位、１２ｂ：部位、１３：下側横シール部、１４：上側横シール部、１５：搬送装置、１５ａ：ローラ、１６：下側横シール装置、１６ａ：シールバー、１７：切断装置、１７ａ：ブレード、２１：内側フィルム、２２：外側フィルム、３０：押出機、３１：ダイ、３２：エア供給パイプ、３３：巻取装置、４１：第１横シール部、４２：第２横シール部、５１：第１横シール部、５２：第２横シール部、６１：包装袋、６１ａ：一側縁、６１ｂ：主面、６２：フィルム、６２ａ：側縁部、６２ｂ：側縁部、６８：合掌部、６８ａ：側縁、６８ｂ：第２易開封部、６８ｃ：端点、６８ｄ：端点、６９：突出シール部、６９ａ：側縁、７１：第１線シール部、７１ａ：波形状、７１ａｂ：凸部、７２：第２線シール部、７２ａ：波形状、７２ａｂ：凸部、１００：製袋充填機、１１１：ホッパ、１１２：フォーマ、１１３：縦シール機、１１４：送りロール、１１５：ロール、１１６：横シール機、１１６ａ：シールバー、１１８：プレス兼カッター、１１８ａ：バー、１１８ｂ：カッター刃、１１９：センサ、１２０：繰り出しロール、１２１：繰り出しロール、１２２：センサ、１２３：成形装置、１２４：シャッター部材、１３０：コンベア、２０２：フィルム、２０２ａ：一縁、２０２ｂ：内面、２０２ｃ：他縁、２０２ｄ：外面、２０２ｅ：掴み部、２０２ｆ：エンボス部、２０２ｇ：重ね合わせ部、２０８：非シール部、２０９：非シール部、２１０：交差点、３０１：多重フィルム、３０１ａ：第１フィルム層、３０１ｂ：第２フィルム層、３１０：包装袋、３１０ａ：包装袋、３１１：内側フィルム、３１１ａ：第１内側フィルム層、３１１ｂ：第２内側フィルム層、３１２：外側フィルム、３１２ａ：第１外側フィルム層、３１２ｂ：第２外側フィルム層、３１３：筒状体、３１５：重ね合わせ部、３１６：引き剥がし部、３１７：引き剥がし部、３２２：縦シール部、３２２ａ：密着面、３２３：横シール部、３２４：横シール部、４０１：フィルムロール、４０２：筒状長尺フィルム、４０４：多重フィルム、４０４ａ：一縁、４０４ｂ：他縁、４０４ｃ：折り返し部、４０５：縦シール部、４０５ａ：重ね合わせ部、４０７：内側フィルム、４０８：外側フィルム、４０９：局所シール部、４１１：線シール部、４１１ａ：波形状、４１２：包装袋、４１２ａ：上端、４２１：線シール部、４２１ａ：波形状、４２２：線シール部、４２２ａ：波形状、５０１：包装袋、５０２：フィルム、５０２ａ：基材層、５０２ｂ：シーラント層、５０２ｃ：接着層、５１１：線シール部、５１１ａ：波形状、５２１：線シール部、５２１ａ：波形状、５２２：線シール部、５２２ａ：波形状、５２３：線シール部、Ｄ１：領域、Ｄ２：領域、Ｄ３：領域、Ｆ：ロール状原反、Ｌ：境界面、Ｕ：切断片、Ｗ：内容物、Ｘ：軸方向、

Claims

　包装袋であって、
　前記包装袋は、多重フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部を備え、
　前記多重フィルムは、互いに重ねられた内側フィルムと外側フィルムを備え、
　前記多重フィルムの最内層は、イージーピール樹脂層であり、
　前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、
　前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、
　前記縦シール部は、前記外側フィルムが前記包装袋の外面側になるように前記多重フィルムを筒状に湾曲させて前記多重フィルムの一縁側の前記内側フィルムと他縁側の内側フィルムを重ね合わせて形成した合掌部において前記内側フィルム同士を溶着することによって形成され、
　前記包装袋は、前記合掌部とそれ以外の本体部で構成され、
　前記合掌部は、前記本体部の一側縁に向けて倒されており、
　前記合掌部の前記本体部側の面は、前記本体部の外面に溶着されている、包装袋。
　請求項１に記載の包装袋であって、
　前記多重フィルムの最外層は、イージーピール樹脂層である、包装袋。
　請求項１又は請求項２に記載の包装袋であって、
　前記多重フィルムは、筒状フィルムが扁平化されて構成される、包装袋。
　包装袋であって、
　前記包装袋は、フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、前記筒体を閉塞させる横シール部を備え、
　前記縦シール部は、前記フィルムを筒状に湾曲させて前記フィルムの一縁側の内面と他縁側の内面又は外面を重ね合わせて重ね合わせ部を形成した状態で前記重ね合わせ部において前記フィルムの対向する部位を溶着することによって形成され、
　前記縦シール部と前記横シール部の交差点では、前記縦シール部の波形状と前記横シール部の波形状が交差している、包装袋。
　請求項４に記載の包装袋であって、
　前記縦シール部の波形状と前記横シール部の波形状は、それぞれ、凸部の先端が丸まった形状である、包装袋。
　請求項４又は請求項５に記載の包装袋であって、
　前記縦シール部と前記横シール部は、それぞれ、全長に渡って前記波形状を有する、包装袋。
　請求項４～請求項６の何れか１つに記載の包装袋であって、
　前記横シール部は、互いに離間されて設けられた第１及び第２横シール部を備え、
　第１横シール部は、第２横シール部よりも前記筒体の端部に近い位置に配置されている、包装袋。
　請求項７に記載の包装袋であって、
　第２横シール部は、第１及び第２線シール部を備え、
　第２横シール部の第１及び第２線シール部は、それぞれが前記波形状を有する、包装袋。
　請求項４～請求項８の何れか１つに記載の包装袋であって、
　前記縦シール部は、第１及び第２線シール部を備え、
　前記縦シール部の第１及び第２線シール部は、それぞれが前記波形状を有する、包装袋。
　請求項４～請求項９の何れか１つに記載の包装袋であって、
　前記縦シール部よりも前記フィルムの前記一縁に近い部位には、掴み部が設けられ、
　前記掴み部には、エンボス加工されたエンボス部が設けられている、包装袋。
　請求項４～請求項１０の何れか１つに記載の包装袋であって、
　前記フィルムは、多重フィルムである、包装袋。
　請求項４～請求項１１の何れか１つに記載の包装袋であって、
　前記横シール部は、上側横シール部と、下側横シール部を備え、
　前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、
　前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、
　前記下側横シール部の溶着強度は、前記上側横シール部の溶着強度よりも高い、包装袋。
　外側フィルムと内側フィルムが重ねられた多重フィルムを、前記外側フィルムが外面に露出するように筒状に湾曲させて重ね合わされた部位をヒートシールして構成される多重袋であって、
　前記外側フィルムは、前記包装袋の外面から順に、互いに剥離可能に密着された第１外側フィルム層及び第２外側フィルム層を備え、
　前記内側フィルムは、前記包装袋の内面から順に、互いに剥離可能に密着された第１内側フィルム層及び第２内側フィルム層を備える、多重袋。
　請求項１３に記載の多重袋であって、
　前記多重フィルムは、筒状の積層フィルムを扁平化して形成されている、多重袋。
　請求項１３または請求項１４に記載の多重袋であって、
　前記重ね合わされた部位では、前記多重フィルムの端部同士が合掌貼り形式に重ね合わされ、前記内側フィルム同士がヒートシールされている、多重袋。
　筒状長尺フィルムがロール状に巻かれて構成されるフィルムロールであって、
　前記筒状長尺フィルムは、多重フィルムに縦シール部を形成して筒状にすることによって形成され、
　前記多重フィルムは、互いに重ねられた内側フィルムと外側フィルムを備える、フィルムロール。
　請求項１６に記載のフィルムロールであって、
　前記縦シール部は、前記多重フィルムを筒状に湾曲させて前記多重フィルムの一縁側の内面と他縁側の外面又は内面を重ね合わせて重ね合わせ部を形成した状態で前記重ね合わせ部において前記フィルムの対向する部位を溶着することによって形成され
　前記重ね合わせ部の幅をＷＳ、前記筒状長尺フィルムの幅をＷＦ、前記フィルムロールの幅をＷＲとすると、
　｛（ＷＲ－ＷＦ）／ＷＳ｝の値が１以上である、フィルムロール。
　請求項１６又は請求項１７に記載のフィルムロールであって、
　前記筒状長尺フィルムは、軸芯の周りに巻かれ、
　前記軸芯の、前記筒状長尺フィルムが巻かれる部位の最大直径をＤ１とし、前記重ね合わせ部が巻かれる部位の最小直径をＤ２とすると、
　Ｄ２／Ｄ１は、１よりも小さい、フィルムロール。
　請求項１６～請求項１８の何れか１つに記載のフィルムロールであって、
　前記多重フィルムは、筒状フィルムを扁平化した扁平化多重フィルムである、フィルムロール。
　請求項１６～請求項１９の何れか１つに記載のフィルムロールであって、
　前記筒状長尺フィルムには、前記筒状長尺フィルムの長手方向に沿って等間隔に局所シール部を備え、
　前記局所シール部では、前記内側フィルムと前記外側フィルムが互いに溶着される、フィルムロール。
　請求項２０に記載のフィルムロールを用いて製造した包装袋内への内容物の充填方法であって、
　下側横シール工程と、切断工程と、充填工程と、上側横シール工程を備え、
　下側横シール工程では、前記筒状長尺フィルムを横断するように下側横シール部を形成し、
　前記切断工程では、下側横シール部よりも上流側に設けられた局所シール部に、その上流側で隣接する位置で前記筒状長尺フィルムを切断して、上端が開口した包装袋を形成し、
　前記充填工程では、前記包装袋の上端から前記包装袋内に内容物を充填し、
　上側横シール工程では、前記包装袋の上側を閉塞するように上側横シール部を形成する、方法。
　充填工程と、挟みこみ工程と、横シール工程と、切断工程を備える、製袋充填方法であって、
　前記充填工程では、熱収縮フィルムの下側を閉塞させた下側横シール部を備える筒体内に内容物を充填し、
　前記挟みこみ工程では、１対のシャッター部材で前記筒体の上方を挟みこみ、鉛直方向における前記シャッター部材と前記筒体との相対的な位置を変化させることにより、前記筒体の前記内容物を収容する部分に張りを持たせ、
　前記横シール工程では、前記内容物が充填された部位よりも高い位置において前記筒体に対して横シールを行うことによって横シール部を形成し、
　前記切断工程では、前記横シール部を切断して上下に分割することによって下流側の包装袋の上側横シール部と、上流側の筒体の下側横シール部を形成する、方法。
　包装袋であって、
　前記包装袋は、フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部と、開封シール部を備え、
　前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、
　前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、
　前記開封シール部は、前記包装袋の一側縁から延びるように設けられ、
　前記縦シール部は、前記フィルムの両側縁部の内面同士を重ね合わせた合掌部に設けられ、
　前記合掌部は、前記一側縁に向けて倒されており、
　前記開封シール部には、第１易開封部が設けられ、
　前記合掌部には、第２易開封部が設けられ、
　前記包装袋を平面視で見たときに、前記開封シール部が、前記縦シール部に連続するか、前記縦シール部から前記合掌部の側縁に向けて突出する突出シール部に連続する、包装袋。
　請求項２３に記載の包装袋であって、
　第１及び第２易開封部は、前記包装袋を平面視で見たときに、連続するように設けられる、包装袋。
　請求項２３又は請求項２４に記載の包装袋であって、
　第１及び第２易開封部は、それぞれ、ミシン目によって構成される、包装袋。
　請求項２３～請求項２５の何れか１つに記載の包装袋であって、
　前記縦シール部は、前記合掌部の側縁から離れた位置に設けられ、
　前記合掌部には、前記縦シール部から前記合掌部の側縁に向けて突出する突出シール部が設けられ、
　第２易開封部の少なくとも一部は、前記突出シール部に設けられる、包装袋。
　請求項２３～請求項２６の何れか１つに記載の包装袋であって、
　［第２易開封部の左右方向の長さ／前記合掌部の左右方向の長さ］の値は、０．５以上である、包装袋。