JP2022156808A - 包装袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造が容易であり且つ広い開口部を形成可能な包装袋を提供する。【解決手段】本発明によれば、包装袋であって、前記包装袋は、フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部と、引裂開始部を備え、前記縦シール部は、前記フィルムを筒状に湾曲させて前記フィルムの一縁側の内面と他縁側の内面を重ね合わせて形成した合掌部において前記フィルム同士を溶着することによって形成され、前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、前記引裂開始部は、前記合掌部に設けられ、前記包装袋は、前記合掌部とそれ以外の本体部で構成され、前記フィルムは、前記縦シール部の長手方向の引裂強さである第1引裂強さをS1とし、前記長手方向に直交する直交方向の引裂強さである第2引裂強さをS2とすると、S2/S1が1.5~10である、包装袋が提供される。【選択図】図1
Description
本発明は、包装袋に関する。
特許文献1には、背貼り熱溶着部に平行して中間層に連続した直線状の開封切れ目を形成した包装袋において、開封切れ目に沿って開封することによって、広い開口部を形成することができる包装袋が開示されている。
特許文献1の構成の包装袋を製造するには、中間層を構成するフィルムに開封切れ目を形成した後に、このフィルムを別のフィルムとラミネートする必要があり、製造に手間がかかる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、製造が容易であり且つ広い開口部を形成可能な包装袋を提供するものである。
本発明によれば、包装袋であって、前記包装袋は、フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部と、引裂開始部を備え、前記縦シール部は、前記フィルムを筒状に湾曲させて前記フィルムの一縁側の内面と他縁側の内面を重ね合わせて形成した合掌部において前記フィルム同士を溶着することによって形成され、前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、前記引裂開始部は、前記合掌部に設けられ、前記包装袋は、前記合掌部とそれ以外の本体部で構成され、前記フィルムは、前記縦シール部の長手方向の引裂強さである第1引裂強さをS1とし、前記長手方向に直交する直交方向の引裂強さである第2引裂強さをS2とすると、S2/S1が1.5~10である、包装袋が提供される。
上記構成の包装袋は、S2/S1が1.5~10であるフィルムで形成されている。このため、引裂開始部の両側を両手でつまんで両手の間隔を縦シール部の長手方向に沿って広げると、引裂開始部で引き裂きが開始され、その引き裂きが本体部に到達した後に、本体部では、引き裂きが合掌部を挟んで両側に斜め方向に広がった状態で、縦シール部の長手方向に引き裂きが進行するので、引き裂きによって広い開口部を形成可能である。また、特許文献1のように中間層を構成するフィルムに開封切れ目を形成する必要がないので、製造が容易である。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載の包装袋であって、S2/S1が2~6である、包装袋である。
好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記包装袋内に内容物が充填された状態での、前記縦シール部の長手方向の中央での、前記長手方向に垂直な断面での真円度が0.5以上である、包装袋である。
好ましくは、前記記載の包装袋であって、S2/S1が2~6である、包装袋である。
好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記包装袋内に内容物が充填された状態での、前記縦シール部の長手方向の中央での、前記長手方向に垂直な断面での真円度が0.5以上である、包装袋である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.包装袋1
図1~図4に示すように、本発明の一実施形態の包装袋1は、フィルム2に縦シール部7を形成して構成された筒体3と、上側横シール部4と、下側横シール部5と、引裂開始部6を備える。包装袋1内には、通常、内容物が充填されているが、図1では、便宜上、内容物が充填されていない状態の包装袋1を示している。内容物の例としては、フラワーペースト、ジャム、餡等の粘稠性食品が挙げられる。
図1~図4に示すように、本発明の一実施形態の包装袋1は、フィルム2に縦シール部7を形成して構成された筒体3と、上側横シール部4と、下側横シール部5と、引裂開始部6を備える。包装袋1内には、通常、内容物が充填されているが、図1では、便宜上、内容物が充填されていない状態の包装袋1を示している。内容物の例としては、フラワーペースト、ジャム、餡等の粘稠性食品が挙げられる。
以下、図1の上下左右を包装袋1の上下左右として説明を進める。具体的には、筒体3の軸方向が上下方向である。縦シール部7を手前側に配置したときの左右が包装袋1の左右である。また、縦シール部7側の面を前面とし、その対向する面を背面とする。上下方向は、縦シール部7の長手方向D1であり、左右方向は、長手方向D1に直交する直交方向D2である。
包装袋1の左右方向の長さは、例えば、140~240mmであり、160~220mmが好ましい。この長さは、具体的には例えば、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。この値が小さすぎると、製袋充填の際に内容物が包装袋1の内面に付着してしまって充填しにくくなる場合がある。この問題は、内容物の粘稠性が高い場合に顕著である。[包装袋1の上下方向の長さ/包装袋1の左右方向の長さ]の値は、例えば、1.5~5であり、2~4が好ましい。この値は、具体的には例えば、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
図3に示すように、縦シール部7は、フィルム2を筒状に湾曲させてフィルム2の一縁2a側の内面と他縁2b側の内面を重ね合わせて形成した合掌部8においてフィルム2同士を溶着することによって形成される。縦シール部7は、合掌部8の全体に形成してもよく、合掌部8の一部に未シール部8aを設けてもよい。未シール部8aは、合掌部8の縁8bを含むように設けることが好ましい。包装袋1のうち合掌部8以外の部位が本体部9である。本体部9は袋状である。
合掌部8は、包装袋1の一縁1aに向けて倒されていることが好ましい。合掌部8の本体部9側の面は、本体部9の外面に溶着されていてもいなくてもよい。
合掌部8及び縦シール部7の左右方向の長さは、それぞれ、例えば5~50mmであり、10~30mmが好ましい。この長さは、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。{縦シール部7の左右方向の長さ/合掌部8の左右方向の長さ}の値は、例えば0.2~1.0であり、0.5~1.0が好ましい。この値は、具体的には例えば、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
上側横シール部4及び下側横シール部5は、それぞれ、筒体3の上側及び下側を閉塞させるように設けられる。横シール部4,5は、それぞれ、筒体3の上端及び下端に沿って形成することが好ましい。横シール部4,5は、縦シール部7に直交するように形成することが好ましい。横シール部4,5は、それぞれ、筒体3をヒートシールすることによって形成することができる。
横シール部4,5は、一例では、上下方向に並ぶ複数の線状シール部(図1の点線で示す部位)4a,5aで構成される。各線状シール部4a,5aは、横シール部4,5の左右方向に延びるように設けられる。複数の線状シール部4a,5aは、平行に配置されることが好ましい。線状シール部4a,5aを設けるピッチは、2~5mmであることが好ましい。このピッチは、具体的には例えば、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
引裂開始部6は、合掌部8に設けられている。引裂開始部6は、合掌部8の引き裂きを容易にするように構成された部位であり、例えば切り欠きや切り込みによって構成される。引裂開始部6は、合掌部8の縁8bから縦シール部7に到達するように設けることが好ましい。{引裂開始部6の左右方向の長さ/合掌部8の左右方向の長さ}は、例えば0.1~0.9であり、0.3~0.7が好ましい。この値は、具体的には例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
上側横シール部4の内縁4bから引裂開始部6までの、上下方向の長さは、例えば0~50mmであり、5~30mmであることが好ましい。この値が小さすぎると、引裂開始部6で引き裂きを開始しにくく、この値が大きすぎると、引裂開始部6を起点として形成される開口部の、上下方向の長さが短くなりすぎて、内容物を取り出しにくくなる。
包装袋1の横シール部4,5に近い部位では、包装袋1が膨らみにくいために、包装袋1が扁平な形状になり、包装袋1の転がし搬送を阻害する。この傾向は、横シール部4,5の内縁の両端に、外側に向かって凸となる湾曲部が設けられていなかったり、湾曲部が設けられていても、その左右方向の長さが小さかったりする場合に特に顕著になる。
そこで、本実施形態では、横シール部4,5の内縁の両端に外側に向かって凸となる左湾曲部4l,5l及び右湾曲部4r,5rを設けている。また、横シール部4,5の左右方向の長さをWsとし、左湾曲部4l,5l及び右湾曲部4r,5rの左右方向の長さをWl,Wrとすると、Wr/Ws及びWl/Wsを、それぞれ、0.1~0.4としている。このような湾曲部を形成することで、図2に示すように、横シール部4,5の近傍においても包装袋1が膨らみやすくなり、その外形が略円柱になるので、包装袋1の転がし搬送がスムーズになる。WrとWlは同じであることが好ましいが、互いに異なっていてもよい。Wr/Ws及びWl/Wsは、具体的には例えば、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。Wsは、包装袋1の左右方向の長さと同様である。Wl,Wrは、例えば10~100mmであり、20~50mmが好ましい。Wl,Wrは、具体的には例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
また、左湾曲部4l,5l及び右湾曲部4r,5rは円弧状であることが好ましく、その曲率半径をRl,Rrとすると、Rl/Ws及びRr/Wsは、それぞれ、0.1~0.4であることが好ましい。Rl/Ws及びRr/Wsは、具体的には例えば、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。Rl,Rrは、例えば20~60mmであり、30~50mmが好ましい。Rl,Rrは、具体的には例えば、具体的には例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
内容物が充填された包装袋1は、略楕円筒状である。図3に示すように、包装袋1内に内容物が充填された状態での、縦シール部7の長手方向D1の中央での、長手方向D1に垂直な断面での真円度が0.5以上であることが好ましい。真円度の値が大きいほど、断面形状が円に近いことを意味する。前記断面での内接円径及び外接円形をそれぞれ、D1及びD2とすると、本明細書では、真円度は、D1/D2で定義される。D1/D2は、例えば0.5~1.0であり、具体的には例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
引裂開始部6は、左湾曲部4lと右湾曲部4rの間に設けることが好ましい。この場合、略楕円筒状の包装袋1の端に近い位置に引裂開始部6を設けると、略楕円筒のほぼ全長に渡って開口部を形成されるので、内容物の取り出しが容易になる。
フィルム2は、基材層とシーラント層を有する積層フィルムであることが好ましく、基材層とシーラント層の間に接着層を備えることがさらに好ましい。
基材層は、包装袋1の外表面に露出するように配置され、シーラント層は、包装袋1の内表面に露出するように配置される。シーラント層同士がヒートシールされることによって、縦シール部7及び横シール部4,5が形成される。
基材層は、強度に優れて高い耐衝撃性を有する素材により形成されている。基材層としては、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン等が用いられる。接着層は、基材層とシーラント層を互いに積層するように接着するための層であり、接着層としては、例えば、ポリエチレン等が用いられる。
基材層のポリアミドは、芳香族ポリアミドを含むものが好ましい。この場合、基材層がMD方向の直線カット性を有し、かつバリア性に優れるからである。芳香族ポリアミドとしては、特に制限はないが、キシリレンジアミンと炭素数が6~12のα,ω脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モル%以上含有している樹脂等が使用できる。具体的には、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンデカナミドなどの単独重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンセパカミド共重合体などの共重合体が挙げられるが、ポリメタキシリレンアジパミド(以下、「MXD6」という)が強度やガスバリア性等の基本特性に優れ、工業的にも比較的入手しやすい点から好ましい。
シーラント層は、ヒートシール性に優れた樹脂で形成可能である。シーラント層としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンで形成することができる。シーラント層を構成するフィルムとしては、MD方向の直線カット性を有するものが好ましい。
また、基材層とシーラント層の少なくとも一方が直線カット性を有することが好ましい。シーラント層の厚さは、基材層の厚さの2倍以上であることが好ましく、フィルム2全体の厚さの半分以上であることが好ましい。
フィルム2は、厚さ10μm~20μm、例えば15μmの基材層と、厚さ10μm~30μm、例えば20μmの接着層と、厚さ30μm~50μm、例えば40μmのシーラント層を積層して形成することができ、フィルム2として、通常は50μm~100μmの厚さを有する。
また、基材層とシーラント層とは、接着層により互いに積層するように接着されているが、例えば、接着層としてポリエチレンを使用し、押し出しラミネート法を用いて基材層とシーラント層とを互いに接着することができる。また、接着層としてポリエチレン以外の材料を使用し、ドライラミネート法を用いて基材層とシーラント層とを互いに接着することもできる。あるいは、接着層を用いない融着を利用することもできる。このようにして、基材層、接着層、シーラント層から形成されるフィルム2は、高い強度、耐衝撃性、密封性、防気性等を有している。
フィルム2は、長手方向D1の引裂強さである第1引裂強さをS1とし、直交方向D2の引裂強さである第2引裂強さをS2とすると、S2/S1が1.5~10であり、好ましくは2~6である。引裂強さは、JIS K7128に従って測定することができる。引裂強さとは、フィルム2の引き裂きに必要な力の大きさを示す指標であり、引裂強さの値が大きいほど、フィルム2が引き裂きにくいことを意味する。S2/S1は、長手方向D1に比べて直交方向D2がどの程度引き裂きにくいのかを示す指標であり、この値が大きいほど、フィルム2が長手方向D1に引き裂きやすいことを意味する。そして、S2/S1の値によって、引裂開始部6からフィルム2の引き裂きを開始した場合に、フィルム2がどのように引き裂かれるのかが影響される。
引裂開始部6の両側を両手でつまんで両手の間隔を縦シール部7の長手方向に沿って広げると、図4に示すように、一点鎖線12に示すように、合掌部8が引き裂かれる。引き裂きが本体部9に到達すると、一点鎖線13,14に示すように、引き裂きが合掌部8を挟んで両側に斜め方向に広がり、その後に長手方向D1にほぼ平行な方向に引き裂きが進行する。このため、一点鎖線13,14の間の中間領域15に幅広の開口部が形成され、この開口部を通じて、包装袋1内の内容物を容易に取り出すことができる。
S2/S1の値によって、引き裂きの初期段階での、長手方向D1に対する引き裂きが延びる方向(つまり、一点鎖線13,14が延びる方向)の角度αが影響される。S2/S1が大きいほど、角度αが小さくなる。S2/S1が小さすぎると、角度αが大きくなりすぎるために、フィルム2が周方向に裂けるようになってしまうので、長手方向D1の広い範囲に延在する開口部が形成されにくくなる。S2/S1が大きすぎると、角度αが小さくなりすぎるために、開口部の幅が狭くなりすぎて、内容物を取り出しにくくなる。
S2/S1は、具体的には例えば、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
中間領域15の幅が最大になる部位での幅をWcとすると、Wc/Wsは、例えば、0.3~1.0であり、0.4~0.8が好ましく、具体的には例えば、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。この値が小さすぎると内容物が取り出しにくく、この値が大きすぎると長手方向D1の広い範囲に延在する開口部が形成されにくくなる。
2.製袋充填方法
次に、図5~図9を用いて、フィルム2を用いた製袋充填方法について説明する。この方法は、縦型の製袋充填機100を用いて実施可能である。
次に、図5~図9を用いて、フィルム2を用いた製袋充填方法について説明する。この方法は、縦型の製袋充填機100を用いて実施可能である。
<S1:フィルム湾曲工程>
まず、ロール状原反Fから繰り出されたフィルム2は、複数の繰り出しロール120、121を経てフォーマ112に導かれる。ロール状原反Fからフォーマ112までの経路途中にはセンサ119が配されており、フィルム2に長さ方向において一定間隔で印刷されたレジマークを検知して、製袋充填機100の軌道上に一定の長さのフィルム2を一定の時間間隔で送り出せるようになっている。フィルム2は、フォーマ112を通過する間に筒状に湾曲されて、フィルム2の一縁2a側の内面と他縁2b側の内面が重ね合わされて合掌部8が形成される。
まず、ロール状原反Fから繰り出されたフィルム2は、複数の繰り出しロール120、121を経てフォーマ112に導かれる。ロール状原反Fからフォーマ112までの経路途中にはセンサ119が配されており、フィルム2に長さ方向において一定間隔で印刷されたレジマークを検知して、製袋充填機100の軌道上に一定の長さのフィルム2を一定の時間間隔で送り出せるようになっている。フィルム2は、フォーマ112を通過する間に筒状に湾曲されて、フィルム2の一縁2a側の内面と他縁2b側の内面が重ね合わされて合掌部8が形成される。
なお、フォーマ112の手前の位置で、フィルム2に印字を行う印字工程を備えてもよい。この印字は、包装袋1の前面(縦シール部7側の面)となる領域に行うことが好ましい。この場合、後述する切断工程でコンベア130上に落下した包装袋1を、縦シール部7が上側になるようにした状態で搬送する際に、印字が適切になされているかどうかを確認することができる。
<S2:縦シール工程>
次に、縦シール機113によるヒートシールによって、縦シール部7を形成する。縦シール機113は、一対のシールロールを備え、フィルム2が一定の時間間隔で移動するタイミングに合わせて、フィルム2の合掌部8を一対のシールロールで挟持しながら一対のシールロールを互いに逆方向に回転させることでフィルム2を送り出しながらヒートシールを行う。これによって、縦シール部7が形成される。フィルム2に縦シール部7を形成することによって、筒体3が形成される。合掌部8には、縦シール機113の下流に配置されたカッター131を用いて、引裂開始部6を形成することができる。引裂開始部6は、製袋充填の完了後に形成してもよい。
次に、縦シール機113によるヒートシールによって、縦シール部7を形成する。縦シール機113は、一対のシールロールを備え、フィルム2が一定の時間間隔で移動するタイミングに合わせて、フィルム2の合掌部8を一対のシールロールで挟持しながら一対のシールロールを互いに逆方向に回転させることでフィルム2を送り出しながらヒートシールを行う。これによって、縦シール部7が形成される。フィルム2に縦シール部7を形成することによって、筒体3が形成される。合掌部8には、縦シール機113の下流に配置されたカッター131を用いて、引裂開始部6を形成することができる。引裂開始部6は、製袋充填の完了後に形成してもよい。
<S3:横シール工程>
次に、送りロール114を回転させることで、筒体3を所定の長さだけ下流に移動させ、図6に示すように、筒体3の所定位置を横シール機116にてヒートシールし、横シール部11を形成する。横シール部11は、下流側の包装袋1の上側横シール部4と上流側の筒体3の下側横シール部5が繋がって構成されており、後述する切断工程において上下に分割される。横シール機116は、一対のシールバー116aを備え、上記所定位置を一対のシールバー116aで所定時間挟持することでヒートシールを行う。
次に、送りロール114を回転させることで、筒体3を所定の長さだけ下流に移動させ、図6に示すように、筒体3の所定位置を横シール機116にてヒートシールし、横シール部11を形成する。横シール部11は、下流側の包装袋1の上側横シール部4と上流側の筒体3の下側横シール部5が繋がって構成されており、後述する切断工程において上下に分割される。横シール機116は、一対のシールバー116aを備え、上記所定位置を一対のシールバー116aで所定時間挟持することでヒートシールを行う。
シールバー116aは、一例では、図1の左右方向に延びる凸条と凹条が上下方向に交互に並ぶ形状を有する。この場合、凸条が押圧された部位において、線状シール部(図1の点線で示す部位)4a,5aが形成される。
<S4:切断工程>
次に、送りロール114をさらに回転させることで、横シール部11をプレス兼カッター118の位置に移動させる。プレス兼カッター118は、一対のバー118aを備える。
次に、送りロール114をさらに回転させることで、横シール部11をプレス兼カッター118の位置に移動させる。プレス兼カッター118は、一対のバー118aを備える。
次に、図7に示すように、プレス兼カッター118を閉じて横シール部11を挟圧して冷却するとともに、カッター刃(不図示)で横シール部11を切断して上下に分割することによって、下流側の包装袋1の上側横シール部と、上流側の筒体3の下側横シール部5を形成する。下流側の包装袋1は、横シール部11を切断すると、コンベア130上へ落下する。
<S5:充填工程>
次に、図7に示すように、以前の工程で閉じた状態になっているしごきロール115を開くと、以前の工程でホッパ111から投入されてしごきロール115の上側に溜まっている内容物Wがしごきロール115の下側に落下する。筒体3には下側横シール部5が形成されているので、落下した内容物Wは、筒体3内に充填される。筒体3の周囲には、1対のシャッター部材123が配置されている。シャッター部材123は、水平方向および垂直方向に移動可能に構成されている。
次に、図7に示すように、以前の工程で閉じた状態になっているしごきロール115を開くと、以前の工程でホッパ111から投入されてしごきロール115の上側に溜まっている内容物Wがしごきロール115の下側に落下する。筒体3には下側横シール部5が形成されているので、落下した内容物Wは、筒体3内に充填される。筒体3の周囲には、1対のシャッター部材123が配置されている。シャッター部材123は、水平方向および垂直方向に移動可能に構成されている。
内容物Wをさらに筒体3内に投入し、筒体3内の内容物Wがセンサ122の位置にまで到達すると、図8に示すように、しごきロール115を閉じることによって、内容物Wをしごきロール115の上側部分と下側部分に分断する。しごきロール115の下側部分の内容物が包装袋1の一袋分の内容物である。また、しごきロール115を閉じることによって筒体3に密着部3aが形成され、密着部3aと下側横シール部5の間に内容物が収容された部分である袋部3bが形成される。
<S6:送り工程>
次に、しごきロール115を閉じたまま、送りロール114を回転させることで、図8に示すように、密着部3aをシャッター部材123の位置にまで移動させる。
次に、しごきロール115を閉じたまま、送りロール114を回転させることで、図8に示すように、密着部3aをシャッター部材123の位置にまで移動させる。
<S7:挟み込み工程>
次に、図9に示すように、シャッター部材123を水平方向に移動させて袋部3bの上方の密着部3aを挟みこみ、さらに、シャッター部材123を鉛直方向下方へ移動させる(図9における矢印参照)ことで、袋部3bに対して張りを持たせることができる。ここで、シャッター部材123は、横シール機116よりも下方まで移動させることが好ましい。このようにすることで、袋部3bに持たせた張りを維持したまま、横シールを行うことが可能となる。
次に、図9に示すように、シャッター部材123を水平方向に移動させて袋部3bの上方の密着部3aを挟みこみ、さらに、シャッター部材123を鉛直方向下方へ移動させる(図9における矢印参照)ことで、袋部3bに対して張りを持たせることができる。ここで、シャッター部材123は、横シール機116よりも下方まで移動させることが好ましい。このようにすることで、袋部3bに持たせた張りを維持したまま、横シールを行うことが可能となる。
その後、シャッター部材123を袋部3bの上方に維持したまま横シール工程(S3)を実施することで、内容物Wが充填された部位(袋部3b)よりも高い位置(密着部3a)において、袋部3bに張りを持たせたまま横シール部11を形成することができ、包装袋1が形成される。
そして、図7に示すように、シャッター部材123をもとの位置に戻し、後続の切断工程(S4)を行う。これにより、図7に示すように、包装袋1がコンベア130上へ落下する。
このようにして、S3~S7の工程を繰り返すことによって、内容物Wが充填された包装袋1を連続的に製造することができる。なお、本実施形態における包装袋1の製造において、熱処理工程は行わない。
以上のようにして、本実施形態における製袋充填方法では、筒体3に対して上述した挟みこみ工程を行うことによって包装袋1に必要な張りを持たせている。
3.他の実施形態
上記実施形態では、シャッター部材123を鉛直方向下方へ移動させているが、この態様に限定されることはない。例えば、シャッター部材123が筒体3を挟みこんだ状態で、筒体3を鉛直方向上方へ移動させることにより、筒体3に張りを持たせてもよい。このように、筒体3を挟みこんだシャッター部材123と筒体3との鉛直方向における相対的な位置を変化させることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態では、シャッター部材123を鉛直方向下方へ移動させているが、この態様に限定されることはない。例えば、シャッター部材123が筒体3を挟みこんだ状態で、筒体3を鉛直方向上方へ移動させることにより、筒体3に張りを持たせてもよい。このように、筒体3を挟みこんだシャッター部材123と筒体3との鉛直方向における相対的な位置を変化させることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
1.包装袋1の製造
<実施例1>
以下の構成のフィルム2を用いて、上記実施形態の製袋充填方法に従って、図1~図4に示す構成及び以下に示す寸法の包装袋1を製造した。包装袋1内にはフラワーペーストを充填した。フィルム2のS2/S1は、約3.3であった。
<実施例1>
以下の構成のフィルム2を用いて、上記実施形態の製袋充填方法に従って、図1~図4に示す構成及び以下に示す寸法の包装袋1を製造した。包装袋1内にはフラワーペーストを充填した。フィルム2のS2/S1は、約3.3であった。
・フィルム2(基材層/接着層/シーラント層で構成される3層ラミネートフィルム)
基材層:ポリアミド(ユニチカ株式会製、エンブレムNC-15、厚さ15μm)
接着層:無水マレイン酸変性ポリエチレン、厚さ5μm
シーラント層:LLDPE(スカイフィルム株式、HR543、厚さ50μm)
基材層:ポリアミド(ユニチカ株式会製、エンブレムNC-15、厚さ15μm)
接着層:無水マレイン酸変性ポリエチレン、厚さ5μm
シーラント層:LLDPE(スカイフィルム株式、HR543、厚さ50μm)
・包装袋1
包装袋1の左右方向の長さ:200mm
包装袋1の上下方向の長さ:600mm
合掌部8の左右方向の長さ:20mm
縦シール部7の左右方向の長さ:10mm
開封開始部(切り込み)の左右方向の長さ:15mm
上側横シール部4の内縁4bから引裂開始部6までの上下方向の長さ:5mm
包装袋1の左右方向の長さ:200mm
包装袋1の上下方向の長さ:600mm
合掌部8の左右方向の長さ:20mm
縦シール部7の左右方向の長さ:10mm
開封開始部(切り込み)の左右方向の長さ:15mm
上側横シール部4の内縁4bから引裂開始部6までの上下方向の長さ:5mm
<比較例1>
実施例1のフィルム2の代わりに、S2/S1=1である等方性のフィルムを用いた以外は、実施例1と同様の方法でフィルム2を製造した。
実施例1のフィルム2の代わりに、S2/S1=1である等方性のフィルムを用いた以外は、実施例1と同様の方法でフィルム2を製造した。
2.開封試験
実施例・比較例の包装袋1において、引裂開始部6の両側を両手でつまんで両手の間隔を縦シール部7の長手方向に沿って広げて、引裂開始部6からフィルム2の引き裂きを開始し、その後、フィルム2がどのように引き裂かれるのかを比較した。
実施例・比較例の包装袋1において、引裂開始部6の両側を両手でつまんで両手の間隔を縦シール部7の長手方向に沿って広げて、引裂開始部6からフィルム2の引き裂きを開始し、その後、フィルム2がどのように引き裂かれるのかを比較した。
実施例1の包装袋では、合掌部8が引き裂かれた後に、本体部9では引き裂きが合掌部を挟んで両側に斜め方向に広がり、その後、縦シール部7の長手方向D1にほぼ平行な方向に引き裂きが進行し、包装袋1の下端まで本体部9が引き裂かれ、長手方向D1に沿った幅広(幅が約10cm)の開口部が形成された。
比較例1の包装袋では、合掌部8が引き裂かれた後、本体部9では、本体部9の周方向に沿って延びるようにフィルム2が引き裂かれた。このため、長手方向D1に沿った幅広の開口部が形成されなかった。
1 :包装袋
1a :一縁
2 :フィルム
2a :一縁
2b :他縁
3 :筒体
3a :密着部
3b :袋部
4 :上側横シール部
4a :線状シール部
4l :左湾曲部
4r :右湾曲部
5 :下側横シール部
5a :線状シール部
5l :左湾曲部
5r :右湾曲部
6 :引裂開始部
7 :縦シール部
8 :合掌部
8a :未シール部
8b :縁
9 :本体部
11 :横シール部
12 :一点鎖線
13 :一点鎖線
14 :一点鎖線
15 :中間領域
100 :製袋充填機
111 :ホッパ
112 :フォーマ
113 :縦シール機
114 :送りロール
115 :ロール
116 :横シール機
116a :シールバー
118 :プレス兼カッター
118a :バー
119 :センサ
120 :繰り出しロール
121 :繰り出しロール
122 :センサ
123 :シャッター部材
130 :コンベア
131 :カッター
D1 :長手方向
D2 :直交方向
F :ロール状原反
W :内容物
1a :一縁
2 :フィルム
2a :一縁
2b :他縁
3 :筒体
3a :密着部
3b :袋部
4 :上側横シール部
4a :線状シール部
4l :左湾曲部
4r :右湾曲部
5 :下側横シール部
5a :線状シール部
5l :左湾曲部
5r :右湾曲部
6 :引裂開始部
7 :縦シール部
8 :合掌部
8a :未シール部
8b :縁
9 :本体部
11 :横シール部
12 :一点鎖線
13 :一点鎖線
14 :一点鎖線
15 :中間領域
100 :製袋充填機
111 :ホッパ
112 :フォーマ
113 :縦シール機
114 :送りロール
115 :ロール
116 :横シール機
116a :シールバー
118 :プレス兼カッター
118a :バー
119 :センサ
120 :繰り出しロール
121 :繰り出しロール
122 :センサ
123 :シャッター部材
130 :コンベア
131 :カッター
D1 :長手方向
D2 :直交方向
F :ロール状原反
W :内容物
Claims (3)
- 包装袋であって、
前記包装袋は、フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部と、引裂開始部を備え、
前記縦シール部は、前記フィルムを筒状に湾曲させて前記フィルムの一縁側の内面と他縁側の内面を重ね合わせて形成した合掌部において前記フィルム同士を溶着することによって形成され、
前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、
前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、
前記引裂開始部は、前記合掌部に設けられ、
前記包装袋は、前記合掌部とそれ以外の本体部で構成され、
前記フィルムは、前記縦シール部の長手方向の引裂強さである第1引裂強さをS1とし、前記長手方向に直交する直交方向の引裂強さである第2引裂強さをS2とすると、
S2/S1が1.5~10である、包装袋。 - 請求項1に記載の包装袋であって、
S2/S1が2~6である、包装袋。 - 請求項1又は請求項2に記載の包装袋であって、
前記包装袋内に内容物が充填された状態での、前記縦シール部の長手方向の中央での、前記長手方向に垂直な断面での真円度が0.5以上である、包装袋。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021060685A JP2022156808A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 包装袋 |
PCT/JP2021/039697 WO2022092164A1 (ja) | 2020-10-30 | 2021-10-27 | 包装袋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021060685A JP2022156808A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 包装袋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022156808A true JP2022156808A (ja) | 2022-10-14 |
Family
ID=83559876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021060685A Pending JP2022156808A (ja) | 2020-10-30 | 2021-03-31 | 包装袋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022156808A (ja) |
-
2021
- 2021-03-31 JP JP2021060685A patent/JP2022156808A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20240123 |