WO2021220947A1

WO2021220947A1 - 水中油型乳化組成物

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Publication number: WO2021220947A1
Application number: PCT/JP2021/016390
Authority: WO
Inventors: 涼子礒野; 章典中野
Original assignee: 第一三共ヘルスケア株式会社; 御木本製薬株式会社
Priority date: 2020-04-27
Filing date: 2021-04-23
Publication date: 2021-11-04
Also published as: KR20230005898A; CN115443122A; JPWO2021220947A1; TW202214209A

Abstract

保存安定性に優れた水中油型乳化組成物を提供する。　（ａ１）コレステロール、（ａ２）高級アルコール、および（ａ３）炭化水素を含む油性成分と、（ｂ１）ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む界面活性剤と、水性成分とを含み、　前記（ａ１）成分の含有量は、油性成分の全質量の０．７～１４質量％であり、　前記（ｂ１）成分の含有量は、乳化組成物の全質量の０．６～２．８質量％である、水中油型乳化組成物が提供される。

Description

水中油型乳化組成物

　本発明は、水中油型乳化組成物に関する。

　コレステロールは表皮の角層においてラメラ構造を形成する成分の1つであり、バリア機能の維持に重要な役割を担っている。表皮でのコレステロール合成能が低下するとバリア機能が低下して肌荒れからの回復力が低下すると考えられている。そのため、バリア機能を維持し、肌荒れなどを改善する効果を期待して、コレステロールは化粧品、医薬部外品、医薬品などに汎用的に配合されている。
　しかしながら、コレステロールは常温において固体の油溶性物質であり、化粧料基材（特に、水性の化粧料基材）への溶解性が低く、保存中に析出しやすいなどの問題があり、少量しか配合できないという課題があった。

　コレステロールを化粧料中に安定して配合させる方法が種々検討されている。例えば、特許文献１には、ＩＯＢ値が一定値以上の液状油を用いることで保存安定性に優れたコレステロール含有製剤ができることが開示されている。また、特許文献２には、コレステロールを特定の非イオン界面活性剤および油剤とともに配合した毛髪用化粧料が開示されている。しかし、これらの技術でも、長期の保存安定性が不十分であったり、使用可能な油性基材が制限される等の課題がある。

特開２０１２－８２１５０特開２０１６－１８８１８３

　このような状況のもと、コレステロールを含む新規な水中油型乳化組成物が望まれている。

　本発明は下記の実施形態を含む。
［１］　（ａ１）コレステロール、（ａ２）高級アルコール、および（ａ３）炭化水素を含む油性成分と、（ｂ１）ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む界面活性剤と、水性成分とを含み、
　前記（ａ１）成分の含有量は、油性成分の全質量の０．７～１４質量％であり
　前記（ｂ１）成分の含有量は、乳化組成物の全質量の０．６～２．８質量％である、水中油型乳化組成物。
［２］　前記（ｂ１）成分は、ＨＬＢ値が１０～２０であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含み、
　前記（ｂ１）成分の含有量は、乳化組成物の全質量の０．７～２．５質量％である、［１］に記載の乳化組成物。
［３］　前記（ａ１）成分の含有量は、油性成分の全質量の３～１２質量％の範囲である、［１］または［２］に記載の乳化組成物。
［４］　前記（ｂ１）成分が、炭素数１２～２４のアルキル基を有する、［１］～［３］のいずれかに記載の乳化組成物。
［５］　前記（ｂ１）成分が、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、およびポリオキシエチレンベヘニルエーテルからなる群より選ばれた１種以上の化合物である、［１］～［４］のいずれかに記載の乳化組成物。

［６］　前記（ａ２）成分は、炭素数１２～２４のアルキル基を有する、［１］～［５］のいずれかに記載の乳化組成物。
［７］　前記（ａ３）成分は、α―オレフィンオリゴマーである、［１］～［６］のいずれかに記載の乳化組成物。
［８］　前記（ａ１）成分の含有量は、乳化組成物の全質量の０．３～１．５質量％の範囲である、［１］～［７］のいずれかに記載の乳化組成物。
［９］　前記（ａ２）成分の含有量は、油性成分の全質量の０．２～６．５質量％であり、
　前記（ａ３）成分の含有量は、油性成分の全質量の１０質量％以上である、［１］～［８］のいずれかに記載の乳化組成物。
［１０］　前記（ａ３）成分は、２５℃で液状である炭化水素であり、乳化組成物中に含有される２５℃で液状の油性成分の全質量の１０質量％以上を占める、［１］～［９］のいずれかに記載の乳化組成物。

［１１］　前記（ａ３）成分は、乳化組成物中に含有される２５℃で液状の油性成分の全質量の１０～６０質量％の範囲である、［１０］に記載の乳化組成物。
［１２］　前記２５℃で液状の油性成分は、前記２５℃で液状の炭化水素とエステル油である、［１０］または［１１］に記載の乳化組成物。
［１３］　油性成分の含有量は、乳化組成物の全質量の７～４５質量％の範囲である、［１］～［１２］のいずれかに記載の乳化組成物。
［１４］　２５℃で液状の油性成分の含有量は、乳化組成物の全質量の５～４０質量％の範囲である、［１０］に記載の乳化組成物。
［１５］　前記（ｂ１）成分がオキシエチレン基の数平均付加モル数が１０～３０であるポリオキシエチレンアルキルエーテルである、［１］～［１４］のいずれかに記載の乳化組成物。
［１６］　（ａ１）コレステロール、（ａ２）高級アルコール、および（ａ３）炭化水素を含む油性成分と、（ｂ１－１）オキシエチレン基の数平均付加モル数が１０～３０であるポリオキシエチレンアルキルエーテルと、水性成分とを含み、
　前記（ａ１）成分の含有量は、油性成分の全質量の０．７～１４質量％であり、
　前記（ｂ１－１）成分の含有量は、乳化組成物の全質量の０．６～２．８質量％である、水中油型乳化組成物。
［１７］　化粧料である、［１］～［１５］のいずれかに記載の乳化組成物。
［１８］　皮膚外用剤である、［１］～［１５］のいずれかに記載の乳化組成物。

　本発明は以下の一以上の効果を有する。
　（１）本発明によれば、コレステロールを含む新規な水中油型乳化組成物が提供される。水中油型乳化組成物は、化粧料、医薬部外品、医薬品など（例えば、化粧料や皮膚外用剤）として好適に使用され得る。
　（２）保存安定性に優れる水中油型乳化組成物が提供される。好ましい態様において、水中油型乳化組成物は長期の保存安定性を有する。
　（３）低温における溶質の析出の抑制、低温における粘度変化の抑制、室温での粘度変化の抑制、高温での相分離の抑制などの良好な保存安定性を有する水中油型組成物が得られる。

＜＜水中油型乳化組成物＞＞
　本発明の一形態の水中油型（Ｏ／Ｗ）乳化組成物（以下、単に「乳化組成物」ともいう）は、（ａ１）コレステロール、（ａ２）高級アルコール、および（ａ３）炭化水素を含む油性成分と、（ｂ１）ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む、界面活性剤と、水性成分とを含む。一実施形態の水中油型乳化組成物は、前記（ａ１）成分の含有量は、油性成分の全質量の０．７～１４質量％であり、前記（ｂ１）成分（ポリオキシエチレンアルキルエーテル）の含有量は、乳化組成物の全質量の０．６～２．８質量％である。
　以下、本発明の水中油型乳化組成物における各構成要素について説明する。

＜＜油相添加成分＞＞
　本発明の一実施形態の水中油型乳化組成物における油相添加成分は、油性成分（Ａ成分）と、界面活性剤（油相添加界面活性剤）（Ｂ成分）と、を含む。
　本明細書において、油性成分とは、化粧料の分野で一般に油性成分として使用される成分を意味する。例えば、２５℃における水への溶解度が０．１質量％未満（１ｇ／Ｌ未満）のものをいう。本発明における油性成分（Ａ成分）としては、（ａ１）コレステロール、（ａ２）高級アルコール、および（ａ３）炭化水素、さらに、必要に応じて添加される、（ａ４）エステル油などの追加の油性成分が挙げられる。

　本発明における界面活性剤としては、例えば、（ｂ１）ポリオキシエチレンアルキルエーテルと必要に応じて添加される（ｂ２）任意のその他の界面活性剤が挙げられる。

＜Ａ　油性成分＞
［（ａ１）コレステロール］
　本発明における水中油型乳化組成物に含まれるコレステロールは、乳化組成物の全質量の０．１～２質量％であることが好ましく、より好ましくは０．２～２質量％であり、さらに好ましくは０．３～１．７質量％であり、一層好ましくは０．４～１．３質量％であり、特に好ましくは０．４～１．０質量％である。また、コレステロールは、油性成分の全質量の０．７～１４質量％であり、油性成分中の１．４～１４質量％の範囲であることが好ましく、油性成分中の２～１２質量％の範囲であることがより好ましく、油性成分中の３～１２質量％の範囲であることがさらに好ましく、一層好ましくは３～９質量％の範囲であり、特に好ましくは３～８質量％の範囲である。
　本発明における水中油型乳化組成物に含まれるコレステロールの含有量が、乳化組成物全体中の０．１～２質量％、または、油性成分の全質量の０．７～１４質量％であれば、肌のバリア機能を高め、肌内部からの水分蒸散を抑えて、保湿力を高めるなどのスキンケア効果を有し得る。

［（ａ２）高級アルコール］
　高級アルコールとしては、例えば、炭素数１２～２２の高級アルコールを含むことが好ましく、より好ましくは炭素数１４～２２、さらに好ましくは炭素数１６～２２の高級アルコールを含む。
　高級アルコールとしては直鎖状のものが好ましく、より好ましくは、直鎖状の炭素数１２～２２（より好ましくは炭素数１４～２２、さらに好ましくは炭素数１６～２２）の高級アルコールである。具体的には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、等が挙げられる。この中でも、安定性または安全性の点から、ベヘニルアルコールを含むことがより好ましい。高級アルコールは、１種単独で用いてもよく、２種以上組み合わせて用いてもよい。
　水中油型乳化組成物に高級アルコールが含まれていれば、高温の際に粘度を保つことができ高温安定性が良好となる。

　本発明における水中油型乳化組成物に含まれる高級アルコールは、油性成分の全質量の０．２～６．５質量％が好ましく、０．５～５質量％がより好ましく、０．７～４．３質量％の範囲であることがさらに好ましく、１．４～４．３質量％の範囲であることが特に好ましく、１．４～２．９質量％であってもよい。
　本発明における水中油型乳化組成物に含まれる高級アルコールが上記範囲であれば、高温安定性および低温安定性の観点からバランスがよく、乳化組成物の安定性が向上する。

［（ａ３）炭化水素］
　本発明における水中油型乳化組成物に含まれる炭化水素としては、特に制限されず、例えば、流動パラフィン、スクワラン、α－オレフィンオリゴマー、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、などが例示できる。炭化水素は、１種単独で用いてもよく、２種以上組み合わせて用いてもよい。

　これら炭化水素の中でも、２５℃で液状の油性成分であることが好ましく、例えば、流動パラフィン、スクワラン、α－オレフィンオリゴマーから選択される少なくとも一種が好ましく、さらに安定性の点でα－オレフィンオリゴマーであることがより好ましい。
　本明細書において、「２５℃で液状」とは、２５℃、１気圧下において、Ｂ型粘度計（ローターＮｏ.２）で測定した時の粘度値が７０００ｍＰａ・ｓ以下のものを指す。

　本発明における水中油型乳化組成物に炭化水素が含まれていれば、室温（２５℃）における粘度の低下を抑制することができる。

　本発明における水中油型乳化組成物に含まれる炭化水素は、油性成分の全質量の１０質量％以上が好ましく、１０～９０質量％が好ましく、１０～５０質量％がより好ましく、１５～４０質量％がさらに好ましく、２０～３５質量％の範囲であることが特に好ましく、２０～２５質量％の範囲であってもよい。

　一実施形態において、炭化水素は、２５℃で液状の油性成分であり、２５℃で液状の油性成分の全質量の１０質量％以上であることが好ましく、２５℃で液状の油性成分の全質量の１０～９０質量％であることがより好ましく、２５℃で液状の油性成分の全質量の１０～７０質量％の範囲であることがより一層好ましく、２５℃で液状の油性成分の全質量の１０～６０質量％の範囲であることがさらに好ましく、２５℃で液状の油性成分の全質量の１５～４０質量％の範囲であることが特に好ましく、２５℃で液状の油性成分の全質量の２０～３０質量％の範囲であってもよく、２５℃で液状の油性成分の全質量の２２～２７質量％であってもよい。２５℃で液状の油性成分中の炭化水素の含有量が、上記範囲であれば、室温における粘度低下を抑制でき、低温、室温、高温において保存安定性が向上し得る。

［追加の油性成分］
［（ａ４）エステル油］
　本発明の水中油型乳化組成物は、エステル油を含んでもよい。
　本発明に用いられるエステル油は、例えば、２－エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸２－エチルヘキシル、２－エチルヘキサン酸２－ヘキシルデシル、ミリスチン酸２－オクチルドデシル、ミリスチン酸２－ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸２－エチルヘキシル、ピバリン酸イソデシル、ピバリン酸イソステアリル、ステアリン酸２－ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、トリ２－エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、等が挙げられる。エステル油は、１種単独で用いてもよく、２種以上組み合わせて用いてもよい。

　また、本発明に用いられるエステル油は、２５℃で液状の油性成分であることが好ましい。具体的には、上記に列挙したエステル油のうち、２－エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸２－エチルヘキシル、２－エチルヘキサン酸２－ヘキシルデシル、ミリスチン酸２－オクチルドデシル、ミリスチン酸２－ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸２－エチルヘキシル、ピバリン酸イソデシル、ピバリン酸イソステアリル、ステアリン酸２－ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、トリ２－エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルが挙げられる。

　２５℃で液状の油性成分の含有量は、安定性の観点から、油性成分の全質量の５０～１００質量％の範囲が好ましく、６０～９５質量％の範囲がより好ましく、６５～９０質量％の範囲がさらに好ましい。

　また、２５℃で液状の油性成分の含有量は、安定性の観点から、乳化組成物の全質量の５～４０質量％の範囲が好ましく、７～３５質量％の範囲がより好ましく、１０～３０質量％の範囲がさらに好ましい。
　なお、油性成分の含有量は、乳化組成物の全質量の７～４５質量％の範囲が好ましく、９～４０質量％の範囲がより好ましく、１２～３５質量％の範囲がさらに好ましい。

　例えば、本発明において、２５℃で液状の油性成分は、炭化水素とエステル油とから構成されていてもよい。例えば、２５℃で液状の油性成分が炭化水素とエステル油とから構成されているときは、２５℃で液状の油性成分の量は、炭化水素の量とエステル油の量との合計の量である。

　水中油型乳化組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記エステル油のほか、オリーブ油、シアバター、ブドウ種子油等の油脂、ホホバ油、ミツロウ、キャンデリラロウ等のロウ、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸、シリコーン油などのその他の追加の油性成分を含有してもよい。その他の追加の油性成分は２５℃で液状のものであっても、２５℃で固体状態のものあってもいずれでもよい。

＜Ｂ　界面活性剤（油相添加界面活性剤）＞
［（ｂ１）ポリオキシエチレンアルキルエーテル］
　本発明における水中油型乳化組成物は、界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは通常、油相に添加される。

　ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、例えば、炭素数１２～２４のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、炭素数１４～２２のアルキル基を有するものがより好ましい。アルキル基は、直鎖アルキルであっても分岐アルキルであってもよいが、直鎖アルキルが好ましい。
　具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル（Ｃ１２）、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル（Ｃ１４）、ポリオキシエチレンステアリルエーテル（Ｃ１８）、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル（Ｃ２２）などが例示できる。また、これらのポリオキシエチレンアルキルエーテルは、オキシエチレン基（以下、「Ｅ．Ｏ．」ともいう）の数平均付加モル数が２～３０のものが好ましく、５～３０のものがより好ましく、１０～３０のものがさらに好ましく、１５～３０のものが特に好ましい。
　ポリオキシエチレンアルキルエーテルは１種単独で用いてもよく、２種以上組み合わせて用いてもよい。
　この中でも、本発明における水中油型乳化組成物に含まれるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、安定性の点で、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルを含むことがさらに好ましく、Ｅ．Ｏ．の数平均付加モル数が１０～３０（より好ましくは１２～３０、さらに好ましくは１５～３０）のポリオキシエチレンベヘニルエーテルが特に好ましい。
　また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、ＨＬＢ（Ｈｙｄｒｏｐｈｉｌｅ－ＬｉｐｏｐｈｉｌｅＢａｌａｎｃｅ）値が、１０～２０（好ましくは１１～２０、より好ましくは１２～１８）であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むことが好ましい。一実施形態において、水中油型乳化組成物に含まれるポリオキシエチレンアルキルエーテルの全質量の５０質量％以上（例えば、６０質量％以上、または７０質量％以上、または８０質量％以上）が、上記範囲のＨＬＢ値を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルである。一実施形態において、水中油型乳化組成物に含まれるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、上記範囲のＨＬＢ値を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルのみからなる。本明細書において、特別に言及しない限りは、ＨＬＢ値は、標準試料と乳化力を比較することで実験的に定める。

　水中油型乳化組成物に界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルが含まれていれば、低温における溶質の析出を抑制し、かつ、高温における相分離を抑制でき、低温、および、高温の両方において、安定な水中油型乳化組成物が得られる。

　ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量は、乳化組成物の全質量の０．６～２．８質量％であり、０．７～２．５質量％であってよく、１．０～２．０質量％であることが好ましい。
　本発明における水中油型乳化組成物に含まれるポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が上記範囲であれば、低温における溶質の析出及び粘度変化を抑制し、かつ、高温における相分離を抑制できるという効果がより好適に得られる。
　また、本発明における水中油型乳化組成物に含まれるポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が０．７～２．５質量％、さらには１．０～２．０質量％であれば、低温、室温、および高温において、より長期間安定な組成物が得られる。

　（ｂ１）ポリオキシエチレンアルキルエーテルと油性成分との比率（質量比）［（ｂ１）／油性成分］は、０．０３５／１～０．２０／１の範囲が好ましく、０．０５／１～０．１８／１の範囲がより好ましく、０．０７／１～０．１４／１の範囲がさらに好ましい。
　本発明の一実施形態に係る水中油型乳化組成物は、例えば、（ａ１）コレステロール、（ａ２）高級アルコール、および（ａ３）炭化水素を含む油性成分と、（ｂ１－１）オキシエチレン基の数平均付加モル数が１０～３０であるポリオキシエチレンアルキルエーテルと、水性成分とを含み、前記（ａ１）成分の含有量は、油性成分の全質量の０．７～１４質量％であり、前記（ｂ１－１）成分の含有量は、乳化組成物の全質量の０．６～２．８質量％である、水中油型乳化組成物としてもよい。

［（ｂ）任意のその他の界面活性剤］
　本発明の水中油型乳化組成物は、上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルに加えて、任意のその他の界面活性剤（ポリオキシエチレンアルキルエーテル以外の界面活性剤）を含んでよい。
　本発明に用いられる任意のその他の界面活性剤は、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル以外のアルキルエーテル系界面活性剤；ポリオキシエチレン脂肪酸エステル；ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノパルミチン酸ソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類；ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトステロール、親油型モノステアリン酸グリセリルおよびモノステアリン酸テトラグリセリルのようなグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどのグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、などを、１種単独で用いてもよく、２種以上組み合わせて用いてもよい。この中でも、モノパルミチン酸ソルビタン、親油型モノステアリン酸グリセリル、およびモノステアリン酸テトラグリセリルの少なくとも1種を用いることが好ましい。

　これらその他の界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとともに、水中油型乳化組成物の乳化のために用いてよい。

　一実施形態において、水中油型乳化組成物は、上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルに加えて、ソルビタン脂肪酸エステル類を含む。ソルビタン脂肪酸エステル類の含有量は特に制限されないが、例えば、安定性または安全性の観点で、乳化組成物の全質量の０～１．５質量％が好ましい。

　一実施形態において、水中油型乳化組成物は、上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルに加えて、グリセリン脂肪酸エステル類を含む。グリセリン脂肪酸エステル類の含有量は特に制限されないが、例えば、安定性または安全性の観点で、乳化組成物の全質量の０～１質量％が好ましい。

　その他の界面活性剤の含有量は特に制限されないが、安定性または安全性の観点で、乳化組成物の全質量の０～７質量％が好ましく、０．１～５質量％がより好ましい。

＜Ｃ　水性成分（水相添加成分）＞
　本発明の水中油型乳化組成物において水相に用いられる水性成分（水相添加成分、Ｂ成分）として、水を含んでもよい。水は、水中油型乳化組成物とするために含有され、化粧料に一般に用いられるものであれば、特に制限されない。例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水等を使用することができる。

　水の含有量は、特に制限されないが、安定性の観点で、乳化組成物の全質量の５０～９５質量％が好ましく、６０～９０質量％がより好ましく、６５～９０質量％がさらに好ましい。

　水中油型乳化組成物は、水性成分として、水の他に、例えば、以下の成分を用いることができる。
　本発明の水性成分として湿潤剤を用いてもよい。本発明に用いられる湿潤剤は、特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、１，３－プロパンジオール、１，３－ブチレングリコール、イソペンチルジオール、ペンチレングリコール、ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンメチルグルコシドなどの多価アルコール、ソルビトール、マンニトール、グルコース、キシリトール、マルチトール、トレハロース等の糖類、アルギニン、プロリン、セリン、リシンＨＣｌ、トレオニン、バリン、ロイシン、ヒスチジン、アラニン、グリシン、カルノシン等のアミノ酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、尿素、乳酸ナトリウムや植物エキス、海藻エキス等などを用いることができる。

　このほか、本発明の水性成分として、特に限定されないが、グアーガム、カラギナン、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウム、プルラン、カンテン、アルギン酸塩等の天然系高分子や、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体などの合成高分子、防腐剤などを用いてもよい。

　このほか必要に応じて原料を選択して水中油型乳化組成物を作成してよい。
　本発明における水中油型乳化組成物は、上記成分に加えて、通常の化粧料、医薬部外品、または医薬品に含有される任意成分を含有し得る。例えば、保湿剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、ｐＨ調整剤、粉末成分、金属封鎖剤、色材、各種の皮膚栄養剤や薬剤等を、必要に応じて適宜含有することができる。

　本発明の水中油型乳化組成物は、定法に従って製造することができる。
　例えば、（ａ１）コレステロール、（ａ２）高級アルコール、および（ａ３）炭化水素を含む油性成分と、（ｂ１）ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む界面活性剤と、水などの水性成分と、を、適当な順番で撹拌混合し、エマルションを生成させればよい。
　例えば、以下の実施例においても説明するように、Ａ成分およびＢ成分を含む油相部（上記油相添加成分）とＣ成分の水相部（上記水性成分）を各々加熱し均一に溶解させた後、Ｃ成分の水相部にＡ成分およびＢ成分を含む油相部を加えて乳化機で乳化する。乳化後、水酸化ナトリウム水溶液などのｐＨ調整剤を添加し均一混合し、その後冷却することによって、エマルションを生成させることができる。

　本発明の水中油型乳化組成物は、種々の剤型とすることもできる。具体的には、液状、ゲル状、ペースト状、クリーム状、固形状等、種々の剤型にて実施することができる。

　本発明の水中油型乳化組成物は、種々の用途の化粧料として利用できる。例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、マッサージ料、パック料、ハンドクリーム、ボディローション、ボディクリーム、日焼け止めなどのスキンケア化粧料、ファンデーション、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、コンシーラー、口紅、リップクリーム等の仕上げ用化粧料ヘアミスト、トリートメント、ヘアクリーム、等の頭髪用化粧料などを例示することができる。その使用方法は、手や指、コットンで使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。

　本発明の水中油型乳化組成物は、医薬部外品、医薬品などにも好適に使用される。
　例えば、本発明の水中油型乳化組成物は、皮膚外用剤の用途としても利用可能である。例えば、外用液剤、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、ハップ剤、硬膏剤、噴霧剤、エアゾール剤等が挙げられる。またその使用方法は、前記した化粧料と同様に挙げることができる。

　本発明の水中油型乳化組成物は、保存安定性に優れる。好ましくは、水中油型乳化組成物は長期間の保存安定性を有する。一実施形態において、水中油型乳化組成物は、低温安定性、室温安定性、および高温安定性に優れる。一実施形態において、水中油型乳化組成物は、低温（例えば、１０℃以下、特に５℃）下において、例えば、１週間以上、または、１カ月以上、または２カ月以上の期間保存した後に、溶質の析出や表面析出が抑制される。析出とは、乳化組成物全体から固体（溶質）が析出している状態であり、マイクロスコープを用いた観察により確認することができる。表面析出とは、乳化物の表面に固体(溶質)が析出している状態であり、目視により確認することができる。一実施形態において、水中油型乳化組成物は、低温（例えば、１０℃以下、特に５℃）下において、例えば１週間以上、または、１カ月以上、または２カ月以上の期間保存した後に、粘度変化が１０％以下である。一実施形態において、水中油型乳化組成物は、室温（例えば、２０～３０℃、特に２５℃）下において、例えば１週間以上の期間保存した後に、粘度変化が１０％以下である。一実施形態において、水中油型乳化組成物は、高温（例えば、４０℃以上、特に５０℃）下において、例えば１週間以上、または、１カ月以上、または２カ月以上の期間保存した後に、相分離が抑制または防止される。

　以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ
限定されるものではない。
　なお、表中の各成分の配合量及び含有量は純分に換算した量であり、特記しない限り「質量％」を表す。

＜水中油型乳化組成物の調製＞
［実施例１～１８、比較例１～１４］
　表１～表８に示す組成となるように、油相添加成分（油性成分Ａおよび界面活性剤Ｂ）として、以下の成分を混合し、８０～９０℃で加熱溶解して油性成分溶液を調製した。

　（界面活性剤Ｂ）
　（ｂ１－１）ポリオキシエチレン（Ｅ．Ｏ．２０）ベヘニルエーテル（（ｂ１）成分）（ＨＬＢ値　１６．５、実験による測定値）
　（ｂ１－２）ポリオキシエチレン（Ｅ．Ｏ．２）ステアリルエーテル（（ｂ１）成分）（ＨＬＢ値　４、小田法により算出）
　（ｂ２－１）グリセリン脂肪酸エステル（（ｂ２）成分）
　（ｂ２－２）ポリオキシエチレン（Ｅ．Ｏ．２０）ヤシ油脂肪酸ソルビタン（ｂ２）成分）
　（ｂ２－３）ポリオキシエチレン（Ｅ．Ｏ．２０）ポリオキシプロピレン（Ｐ．Ｏ．４）セチルエーテル（（ｂ２）成分）
　（ｂ２－４）モノステアリン酸ポリエチレングリコール（Ｅ．０．４０）（（ｂ２）成分）
　（ｂ２－５）ポリオキシエチレン（Ｅ．Ｏ．１００）硬化ヒマシ油（（ｂ２）成分）
　（ｂ２－６）モノパルミチン酸ソルビタン（（ｂ２）成分）
　（ｂ２－７）親油型モノステアリン酸グリセリル（（ｂ２）成分）
　（ｂ２－８）ジステアリン酸ポリエチレングリコール（Ｅ．Ｏ．４）（（ｂ２）成分）
　（ｂ２－９）イソステアリン酸ポリオキシエチレン（Ｅ．Ｏ．５）硬化ヒマシ油（（ｂ２）成分）
　（ｂ２－１０）ポリオキシエチレン（Ｅ．Ｏ．５）硬化ヒマシ油（（ｂ２）成分）
　（ｂ２－１１）モノステアリン酸テトラグリセリル（（ｂ２）成分）
　（油性成分Ａ）
　（ａ１）コレステロール（（ａ１）成分、２５℃で固体）
　（ａ２－１）ベヘニルアルコール（（ａ２）成分、２５℃で固体）
　（ａ３－１）α－オレフィンオリゴマー（（ａ３）成分、２５℃で液状）
　（ａ４－１）２－エチルヘキサン酸セチル（（ａ４）成分、２５℃で液状）

　また、表１に示す組成となるように、水相添加成分（水性成分Ｃ）として、以下の成分を混合し、８０～９０℃で加熱溶解して水性成分溶液Ｃを調製した。

　（水性成分Ｃ）
　（ｃ１）アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体（合成高分子）
　（ｃ２）グリセリン（湿潤剤）
　（ｃ３）１，３－ブチレングリコール（湿潤剤）
　（ｃ４）防腐剤
　（ｃ５）精製水

　そして水性成分溶液Ｃに、油性成分溶液を撹拌しながら徐々に添加し乳化機で撹拌した。
　乳化後、ｐＨ調整剤として、（ｃ６）水酸化ナトリウム水溶液（１質量％）を添加し、均一混合し、その後冷却することによって、エマルションを生成させ、水中油型乳化組成物を得た。

　上記で調製した実施例および比較例で調製した水中油型乳化組成物について、以下のとおり、保存試験を行い、結果を表１～表８にまとめた。
＜水中油型乳化組成物の保存安定性に関する評価：保存試験＞
　（ｉ）低温安定性
　上記実施例および比較例で調製した水中油型乳化組成物を、５℃条件で２ヵ月間静置した。静置後の水中油型乳化組成物について、以下の項目を評価した。

　（粘度変化）
　静置前（初期）および静置後の水中油型乳化組成物の粘度を測定して、初期からの粘度上昇率を算出し、以下に示す指標に基づいて評価した。粘度測定には粘度計ＴＶＢ２５Ｌ（東機産業製）を用い、３号ローターで１２ｒｐｍさせ、１分後の粘度値を計測した。
　○：粘度上昇率が１０％未満
　△：粘度上昇率が１０％以上３０％未満
　×：粘度上昇率が３０％以上

　（表面析出）
　静置前（初期）および静置後の水中油型乳化組成物の外観を目視にて観察し、以下に示す指標に基づいて評価した。
　◎: 表面析出なし
　○: ごくわずかに表面析出あり
　△: やや表面析出あり
　×: 明らかに表面析出あり

　（析出）
　静置前（初期）および静置後の水中油型乳化組成物について、デシタルマイクロスコープ（ＶＨＸ－１０００、キーエンス製）を用いて偏光観察を行い、以下の指標に基づいて評価した。
　○: 析出なし
　△: わずかに析出あり
　×: 明らかに析出あり

　粘度変化が小さく、表面析出や析出が観察されない、あるいは、析出量が小さいものであるほど、結晶化が抑制され、低温安定性に優れるといえる。

　（ｉｉ）室温安定性
　上記実施例および比較例で調製した水中油型乳化組成物を、２５℃湿度６０％の条件で１週間静置した。
　（粘度変化）
　静置前（初期）および静置後の水中油型乳化組成物の粘度を測定して、初期からの粘度低下率を算出し、以下に示す指標に基づいて評価した。粘度測定には粘度計ＴＶＢ２５Ｌ（東機産業製）を用い、３号ローターで１２ｒｐｍさせ、１分後の粘度値を計測した。
　○：粘度低下率が１０％未満　
　△：粘度低下率が１０％以上３０％未満　
　×：粘度低下率が３０％以上

　（ｉｉｉ）高温安定性
　上記実施例および比較例で調製した水中油型乳化組成物を、５０℃条件で２カ月静置した。
　（相分離）
　静置前（初期）および静置後の水中油型乳化組成物の外観を目視にて観察し、以下に示す指標に基づいて評価した。
　〇：相分離なし
　×：相分離あり

　表１～８から、特定量のコレステロール（ａ１）を、高級アルコール（ａ２）と、炭化水素（ａ３）と、特定量のポリオキシエチレンアルキルエーテル（ｂ１）とともに配合した実施例１～１８の乳化組成物は、低温における析出や表面析出の抑制（結晶化の抑制）、低温における粘度変化の抑制、室温での粘度変化の抑制、および高温での相分離の抑制などの良好な保存安定性を有することが確認される。

　表１～２から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル（（ｂ１）成分）を含まない場合（比較例１～５）、（ｂ１）成分の含有量が少ない場合（比較例６～７）、（ｂ１）成分の含有量が多い場合（比較例８）には、低温下での析出（結晶化）、低温における粘度変化、および／または高温での相分離などが確認され、低温安定性や高温安定性に劣っていた。

　表５に示すように、コレステロールを含み、かつ、（ｂ１）成分を含まない場合（比較例１２～１４）には、コレステロールの含有量を低減した場合であっても、低温下での粘度変化や高温下での相分離が生じた。
　表３に示すように、高級アルコール（（ａ２）成分）を含まない場合（比較例９）には、高温での相分離が観察され、高温安定性に劣ることが確認された。
　表４に示すように、炭化水素（（ａ３）成分）を含まない場合（比較例１０）には、室温安定性に劣っていた。

　表４に示すように、炭化水素（（ａ３）成分）の、乳化組成物中に含有される２５℃で液状の油性成分（全質量）に対する割合（Ｘ１）が１５～４０質量％の範囲である実施例１（Ｘ１＝２７質量％）および実施例８（Ｘ１＝２２質量％）は、当該割合が２０質量％未満である実施例７（Ｘ１＝１１質量％）と比較して室温安定性（室温下保存による粘度変化）により優れ、当該割合が５０質量％を超える実施例９（Ｘ１＝５５質量％）、実施例１０（Ｘ１＝７６質量％）、実施例１１（Ｘ１＝１００質量％）と比較して低温安定性（低温下保存による表面析出）により優れていた。
　表６、表７に示すように、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを２種用いた場合（実施例１２）やポリオキシエチレンアルキルエーテルと組み合わせる界面活性剤の種類を変更した場合（実施例１３～１６）にも、安定性に優れる乳化組成物が得られた。
　表８に示すように、種々のコレステロール含有量に変更した場合（実施例１７、１８）でも、安定性に優れる乳化組成物が得られた。

　以上、本発明の好ましい実施形態および実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
　本明細書に記載した全ての文献及び刊行物は、その目的にかかわらず参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。また、本明細書は、本願の優先権主張の基礎となる日本国特許出願である特願2020-078175号(2020年4月27日出願)の特許請求の範囲、明細書の開示内容を包含する。

　本発明の水中油型乳化組成物は、コレステロールを含有しながらも優れた保存安定性を有し、例えば、化粧料、皮膚外用剤として好適に使用することができる。

Claims

　（ａ１）コレステロール、（ａ２）高級アルコール、および（ａ３）炭化水素を含む油性成分と、（ｂ１）ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む界面活性剤と、水性成分とを含み、
　前記（ａ１）成分の含有量は、油性成分の全質量の０．７～１４質量％であり
　前記（ｂ１）成分の含有量は、乳化組成物の全質量の０．６～２．８質量％である、水中油型乳化組成物。
　前記（ｂ１）成分は、ＨＬＢ値が１０～２０であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含み、
　前記（ｂ１）成分の含有量は、乳化組成物の全質量の０．７～２．５質量％である、請求項１に記載の乳化組成物。
　前記（ａ１）成分の含有量は、油性成分の全質量の３～１２質量％の範囲である、請求項１または２に記載の乳化組成物。
　前記（ｂ１）成分が、炭素数１２～２４のアルキル基を有する、請求項１～３のいずれか一項に記載の乳化組成物。
　前記（ｂ１）成分が、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、およびポリオキシエチレンベヘニルエーテルからなる群より選ばれた１種以上の化合物である、請求項１～４のいずれか一項に記載の乳化組成物。
　前記（ａ２）成分は、炭素数１２～２４のアルキル基を有する、請求項１～５のいずれか一項に記載の乳化組成物。
　前記（ａ３）成分は、α－オレフィンオリゴマーである、請求項１～６のいずれか一項に記載の乳化組成物。
　前記（ａ１）成分の含有量は、乳化組成物の全質量の０．３～１．５質量％の範囲である、請求項１～７のいずれか一項に記載の乳化組成物。
　前記（ａ２）成分の含有量は、油性成分の全質量の０．２～６．５質量％であり、
　前記（ａ３）成分の含有量は、油性成分の全質量の１０質量％以上である、請求項１～８のいずれか一項に記載の乳化組成物。
　前記（ａ３）成分は、２５℃で液状である炭化水素であり、乳化組成物中に含有される２５℃で液状の油性成分の全質量の１０質量％以上を占める、請求項１～９のいずれか一項に記載の乳化組成物。
　前記（ａ３）成分は、乳化組成物中に含有される２５℃で液状の油性成分の全質量の１０～６０質量％の範囲である、請求項１０に記載の乳化組成物。
　前記２５℃で液状の油性成分は、前記２５℃で液状の炭化水素とエステル油である、請求項１０または１１に記載の乳化組成物。
　油性成分の含有量は、乳化組成物の全質量の７～４５質量％の範囲である、請求項１～１２のいずれか一項に記載の乳化組成物。
　２５℃で液状の油性成分の含有量は、乳化組成物の全質量の５～４０質量％の範囲である、請求項１０に記載の乳化組成物。
　前記（ｂ１）成分がオキシエチレン基の数平均付加モル数が１０～３０であるポリオキシエチレンアルキルエーテルである、請求項１～１４のいずれか一項に記載の乳化組成物。
　（ａ１）コレステロール、（ａ２）高級アルコール、および（ａ３）炭化水素を含む油性成分と、（ｂ１－１）オキシエチレン基の数平均付加モル数が１０～３０であるポリオキシエチレンアルキルエーテルと、水性成分とを含み、
　前記（ａ１）成分の含有量は、油性成分の全質量の０．７～１４質量％であり、
　前記（ｂ１－１）成分の含有量は、乳化組成物の全質量の０．６～２．８質量％である、水中油型乳化組成物。
　化粧料である、請求項１～１６のいずれか一項に記載の乳化組成物。
　皮膚外用剤である、請求項１～１６のいずれか一項に記載の乳化組成物。