JP6340699B2 - コレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物、その製造方法及び当該化粧料用エマルジョン組成物を配合した毛髪化粧料 - Google Patents

コレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物、その製造方法及び当該化粧料用エマルジョン組成物を配合した毛髪化粧料 Download PDF

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本発明は、コレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物、その製造方法及び当該化粧料用エマルジョン組成物を配合した毛髪化粧料に関し、特に、常温では固体で油溶性物質であるコレステロールを水系化粧料に均一に配合することができる、コレステロール含有毛髪用化粧料用エマルジョン組成物、その製造方法及び当該コレステロール含有毛髪用化粧料用エマルジョン組成物を配合した毛髪化粧料に関する。
コレステロールは、毛髪においては、細胞膜複合体(CMC)の構成成分として、バリアー機能、保湿機能、細胞同士の接着等に重要な役割を果たしており、毛髪中に存在していることが知られている。
毛髪中に含まれるコレステロールは、紫外線、乾燥等の外部環境により損傷するだけでなく、パーマネントウェーブ剤や染毛剤等に含まれるアルカリ性物質により流出し易く、毛髪の損傷により毛髪のパサつきや枝毛等が問題となっている。
また、老化により、含有されるコレステロールが減少する。
このため、毛髪に外部からコレステロールを補充して、減少した部分や損傷した部分の柔軟性や損傷回復が期待されている。
そこで、化粧料にコレステロールを配合することが試みられているが、コレステロールは油溶性物質であり、一般に化粧品基剤への溶解性が低く、特に低温においては、分離・析出等していることが多く、また、水溶性の化粧品基剤に対しては著しく溶解性が悪く、均一に含有させることは困難である。
そこで、コレステロールを化粧料などの毛髪用化粧料中に容易に含有させるために、種々の化合物を組み合わせて溶解性を向上させる種々の提案がなされている。
例えば、特開2014−144923号公報(特許文献1)には、次の成分(A)〜(D);(A)ジェランガム、(B)リン脂質、(C)コレステロール、(D)板状粉体を配合したことを特徴とする水中油型メイクアップ化粧料が開示されている。
また、特開2013−227293号公報(特許文献2)には、(a)HLB11〜16の範囲にあるノニオン性界面活性剤、(b)モノイソステアリン酸ジグリセリル及び/又はモノオレイン酸ジグリセリル、(c)アニオン性界面活性剤、(d)コレステロール、(e)エタノールを必須成分とする可溶化組成物が開示されている。
また、特開2012−001497号公報(特許文献3)には、(A)塩型のD−アミノ酸、(B)N−アシルメチルタウリン塩、(C)高級アルコール、(D)水、及び(E)常温で液状の油分を含有し、前記(B)、(C)、(D)及び(E)成分で60℃以上の転移温度を持つゲルを形成する水中油型乳化組成物が記載されている。
特開2014−1962745号公報(特許文献4)には、難溶性アミノ酸と、カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類と、ジ脂肪酸グルタミン酸リシンと、非イオン界面活性剤であるコレステロールを含有する組成物が記載されている。
現在、パーマネントウェーブ剤、シャンプーやトリートメント剤、染毛料等の毛髪化粧料や、化粧水、乳液、クリーム等のスキンケア化粧料等の化粧料に容易にかつ均一に配合することができ、分離や析出等することなく、経時的安定性を有する、新規なコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物及び該化粧料用エマルジョン組成物を配合した化粧料の開発が期待されている。
特開2014−144923号公報 特開2013−227293号公報 特開2012−001497号公報 特開2014−1962745号公報
本発明の目的は、常温においては固体で油溶性物質であるため、水性の毛髪化粧料に配合が困難であったコレステロールを、化粧料、特に水性の化粧料にも均一に含有させることができ、コレステロールの結晶析出や分離が無く、経時的安定性に優れる、コレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を提供することである。
また本発明の他の目的は、上記本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を、効率よく製造することができる、コレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物の製造方法を提供することである。
更に、本発明の他の目的は、コレステロールを均一に配合させることができ、コレステロールが経時的に分離・析出することなく、経時的安定性にも優れる、本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を配合した毛髪化粧料、特に水性の毛髪化粧料を提供することである。
本発明者は前記課題を解決するため鋭意研究した結果、コレステロールを、特定の非イオン界面活性剤の組み合わせと配合させるとともに非イオン界面活性剤の平均HLBを特定の数値範囲内とし、更に油剤を含有することにより、コレステロールを含む均一なエマルジョン組成物を調製することがき、当該エマルジョン組成物を、化粧料、特に水性の化粧料に配合してもコレステロールが析出・分離することなく、容易かつ均一に配合された化粧料を得られることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような技術的特徴を有する。
(1)(A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤、(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤、及び、(F)水を必須成分として含み、前記非イオン界面活性剤((C)成分+(D)成分)の平均HLB値は10〜11であり、含有される前記(A)成分/((B)成分と(C)成分と(D)成分)の質量比が1/52〜1/60であり、含有される前記(B)成分/((C)成分と(D)成分)の質量比が1.5/1〜3/1であることを特徴とする、コレステロール含有毛髪粧料用エマルジョン組成物である。
(2)上記(1)に記載のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物において、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤はオレイン酸ソルビタンであり、(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤はC16〜C22のポリオキシエチレンアルキルエーテルであることを特徴とする、コレステロール含有毛髪粧料用エマルジョン組成物である。
(3)(A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤、(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤、及び、(F)水を必須成分として含み、前記非イオン界面活性剤((C)成分+(D)成分)の平均HLB値は10〜11であり、含有される前記(A)成分/((B)成分と(C)成分と(D)成分)の質量比が1/52〜1/60であり、含有される前記(B)成分/((C)成分と(D)成分)の質量比が1.5/1〜3/1である、コレステロール含有毛髪粧料用エマルジョン組成物を製造するにあたり、
(A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤及び(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤を加熱溶解する工程、前記(A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤及び(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤の加熱溶解混合物と、加熱した水(F)と混合する工程、次いで室温まで冷却する工程とを備えることを特徴とする、コレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物の製造方法である。
(4)上記(1)又は(2)に記載のコレステロール含有化粧料用エマルジョン組成物を、0.5〜10質量%含有することを特徴とする、毛髪化粧料である。
本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物は、常温においては固体で油溶性物質であり、水性の毛髪化粧料に配合が困難であったコレステロールを、化粧料、特に水性の化粧料にも容易かつ均一に含有させることができ、コレステロールが析出・分離することなく、水溶液の形態の均一な水中油性エマルジョンとすることが可能となり、該エマルジョンは保存安定性に優れるものである。
従って、本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を、任意の化粧料、特に水性のパーマネント剤やトリートメント剤等に配合して、均一にコレステロールを含有させた毛髪化粧料、特に水性の毛髪化粧料を得ることができる。
また、本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物の製造方法は、コレステロールが均一に乳化した本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を効率よく製造することができる。
更に、本発明の毛髪化粧料は、本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を含むため、コレステロールを、パーマネントウェーブ剤や染毛剤等の水性の化粧料にも均一に混合することができ、経時安定性に優れた、水性化粧料とすることができる。
本発明の一例のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物のエマルジョン浸透性を評価した写真図である。
本発明を以下の形態により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物は、(A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤、(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤、及び、(F)水を必須成分として含み、前記非イオン界面活性剤((C)成分+(D)成分)の平均HLB値は10〜11であり、含有される前記(A)成分/((B)成分と(C)成分と(D)成分)の質量比が1/52〜1/60であり、含有される前記(B)成分/((C)成分と(D)成分)の質量比が1.5/1〜3/1である、コレステロール含有毛髪粧料用エマルジョン組成物である。
以下、本発明について好適例を用いて詳細に説明する。
本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物に用いるコレステロール類(A成分)は、市場で入手しうる任意のコレステロール類の1種または2種以上を混合して用いることができる。
コレステロール類としては、例えば、動物油脂、植物油脂、魚油等からのコレステロール類を用いることができ、例えば、羊毛表面に付着したウールグリースを精製したラノリンから抽出・精製したコレステロール類や、魚油に微量に含まれているものを抽出したコレステロール等を例示することができる。
特に、動物由来のコレステロールよりも、魚油由来のコレステロールを使用することが望ましい。
また、本発明の毛髪化粧料用エマルジョン組成物には、更に、油剤(B成分)を必須構成成分として含有するものである。
かかる油剤としては、常温で液状の油剤であってコレステロールを溶解できる油剤であれば特に限定されず、任意の油剤を用いることができ、例えば、炭化水素類、油脂類、(高級)脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、揮発性油剤、スクワラン等を例示することができる。好ましくは、2−エチルヘキサン酸セチル、液状エステル及び流動パラフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種又は2種以上の油剤が、コレステロールを均一に溶解して乳化安定性を良好に維持できることから好適に使用することができる。
本発明で用いられる非イオン界面活性剤としては、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤、(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤とを組み合わせて用いる。
かかる(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤と(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤とを組み合わせて用いることで、また得られる全体の平均HLBが10〜11の範囲とすることで、乳化状態が良く経時安定性も良いエマルジョンを調製することができる。
ソルビタン系非イオン界面活性剤としては、オレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、等から成る群より選ばれる少なくとも1種又は2種以上の非イオン界面活性剤を例示することができ、好適にはオレイン酸を有するソルビタン系非イオン界面活性剤が油剤との相性が良い点から好ましく用いられる。
また、アルキルエーテル系非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、及びポリオキシエチレンオレイルエーテル等から成る群より選ばれる少なくとも1種又は2種の非イオン界面活性剤を例示することができ、好適にはC16〜C22のポリオキシエチレンアルキルエーテルが、乳化力にすぐれ、経時安定性の良いエマルジョンを得るのに優れている点から好ましく用いられる。
かかるアルキルエーテル系非イオン界面活性剤は1種又は2種以上を混合して用いることができ、好ましくは使用されるアルキルエーテルのそれぞれのHLB値は7〜14であることが望ましい。
本発明においては、非イオン界面活性剤は、ソルビタン系非イオン界面活性剤とアルキルエーテル系非イオン界面活性剤の組み合わせの全体平均HLB値が、10〜11であり、好ましくは10.5〜11.0である。
かかる値の平均HLB値を有するように、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤と(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤を含有させることにより、極めて乳化均質性状に優れることとなり、コレステロール類が経時的に分離することがなく、経時安定性に優れる化粧料用エマルジョン組成物が得られる。
本発明のエマルジョン組成物に含有される、上記(A)成分/((B)成分と(C)成分と(D)成分)の質量比は、1/52〜1/60であり、好ましくは1/55〜1/59
である。
かかる割合で配合することにより、経時安定性の良い、コレステロールを均一に乳化分散した水中油性のエマルジョン組成物を得ることが可能となる。
また、本発明のエマルジョン組成物に含有される、上記(B)成分/((C)成分と(D)成分)の質量比は、1.5/1〜3/1であり、好ましくは1.5/1〜2.5/1である。
かかる割合で配合することにより、ゲル化やクリーミングとなることなく、コレステロールを均一に乳化分散した水中油性のエマルジョン組成物を得ることが可能となる。
また更に、本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、例えば通常化粧料製品に用いられる他の成分、例えば、上記以外の他の界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、防腐剤、ビタミン類等を、本発明の上記効果を阻害しない割合で配合することができる。
本発明のコレステロール含有毛髪化粧料エマルジョン組成物には、上記配合割合で(A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤、(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤の必須成分、必要に応じて配合される上記他の成分の他、残部に水(F)を含有する水溶性組成物である。
また、本発明の化粧料用エマルジョン組成物は、例えば水酸化ナトリウムやクエン酸等によりpHを調整して、化粧料エマルジョン組成物の保存安定性を、更に良好にすることができる。
本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物は、エマルジョン粒子が小さくナノエマルジョン化しており、例えば平均粒径が約30〜80nm(レーザ回折式粒度分布測定装置 島津サイエンス製 SALD−7000にて測定)であり、例えば毛髪等への浸透性に優れ、外部から損傷した毛髪等へコレステロールを付与することが可能となる。
本発明の、(A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤、(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤、及び、(F)水を必須成分として含み、前記非イオン界面活性剤((C)成分+(D)成分)の平均HLB値は10〜11であり、含有される前記(A)成分/((B)成分と(C)成分と(D)成分)の質量比が1/52〜1/60であり、含有される前記(B)成分/((C)成分と(D)成分)の質量比が1.5/1〜3/1である、コレステロール含有毛髪粧料用エマルジョン組成物を製造方法は、(A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤及び(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤を加熱溶解する工程、前記(A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤及び(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤の加熱溶解混合物と、加熱した水(F)とを混合する工程、次いで室温まで冷却する工程とを備える、コレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物の製造方法である。
即ち、コレステロールである(A)成分、油剤である(B)成分と非イオン界面活性剤である(C)及び(D)成分、並びに水(F)成分と、必要に応じて配合される上記他の成分の各成分を秤量して、各成分を均一に混合して乳化させて調製する。乳化方法としては、液晶乳化法、D相乳化法、PIT乳化法などを用いることができる。
具体的には、例えば、コレステロールである(A)成分、油剤である(B)成分と非イオン界面活性剤である(C)及び(D)成分とを90〜95℃に加熱して均一に混合して油性混合物を調製した。該油性混合物を90〜95℃に維持し、別途加熱した90〜95℃の精製水(F)に該油性混合物を添加して、均一な混合物を調製し、次いで室温まで冷却して、各コレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を調製することができる。
なお、例えば、上記以外の他の界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、防腐剤、ビタミン類等の必要に応じて添加される任意の他の成分を配合する場合には、油性成分は、前記(A)〜(D)成分とともに混合され、水性成分は、水とともに混合されて、製造される。
このようにして製造されることにより、得られた本発明のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物は、エマルジョン粒子が小さく、例えば平均粒径が約30〜80nm(レーザ回折式粒度分布測定装置 島津サイエンス製 SALD−7000にて測定)であり、毛髪等への浸透性に優れ、外部から損傷した毛髪等へコレステロールを付与することが可能となる。
また本発明の化粧料は、上記本発明のコレステロール含有毛髪化粧料エマルジョン組成物を含有するものである。
本発明のコレステロール含有毛髪化粧料エマルジョン組成物は、コレステロール類を均質に含有しているものであり、例えば、パーマネントウェーブ剤、染毛剤、ヘアシャンプー剤、ヘアトリートメント剤、化粧水等の水性の材料に配合した場合においても、成分が分離したり析出したりすることなく、均質な水性の化粧料を得ることができる。化粧料中のその含有量は所望に応じて変化させることができ、好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは2〜5質量%であり、含有されるエマルジョン粒子は、例えば平均粒径が約30〜80nm(レーザ回折式粒度分布測定装置 島津サイエンス製SALD−7000にて測定)と小さいため、化粧料に含まれるコレステロールを、外部から毛髪等の内部へ浸透させることが可能となる。
本発明を次の実施例、比較例及び試験例により説明する。
A:コレステロール含有化粧料用組成物
(実施例1〜5、比較例1〜12)
下記表1〜2の各配合成分を下記表1〜2に示す配合割合で均一に混合して各コレステロール含有毛髪化粧料用組成物を調製した。
具体的には、コレステロールであるマリンコレステロールの(A)成分と、油剤である(B)成分と、非イオン界面活性剤である(C)及び(D)成分とを90〜95℃に加熱して均一に混合した油性混合物を調製した。該油性混合物を90〜95℃に維持し、別途加熱した90〜95℃の水に該油性混合物を添加して、均一な混合物を調製し、次いで室温まで冷却して、各コレステロール含有毛髪化粧料用組成物を製造した。
(試験例1)調時油性成分の溶解混合性
得られた実施例1〜5及び比較例1〜12の各化粧料組成物の調製時における90℃の乳化性状(エマルジョン状態)を目視により評価した。
これらの結果を下記表1〜2に示す。
また、試験の評価は、下記の評価基準にしたがっておこなった。
○・・・90℃での調製時において油相部分(A+B+C+D成分)が化粧料組成物中に均一に相溶して均一にエマルジョン化している。
×・・・油相部分(A+B+C+D成分)が化粧料組成物中に90℃の調製時において均一に相溶しておらず、多少の析出等が見られる。
(試験例2)経時安定性
実施例1〜5及び比較例1〜12の各コレステロール含有毛髪化粧料用組成物を水に添加して1質量%水溶液を調製し、室温で1週間経過後の乳化性状(エマルジョン状態)を目視により評価した。
これらの結果を下記表1〜2に示す。
また、試験の評価は、下記の評価基準にしたがっておこなった。
〇・・・析出・分離なく均一にエマルジョン化している
△・・・析出・分離は無いが、均一にエマルジョン化していない
×・・・析出・分離があり、均一ではなく、エマルジョン状態を維持することができない
(試験例3)外観(乳化性状)
実施例1〜5及び比較例1〜12の各コレステロール含有毛髪化粧料用組成物の外観を目視により観察し、その結果を表1〜2に示す。
なお、試験の評価は、下記の評価基準にしたがっておこなった。
均一に乳化・・・析出・分離がなく均一にエマルジョン化している。
クリーミング・・・濃厚なエマルジョンと連続相(水相)とに分離している。
ゲル化・・・極めて粘性がたかく、水性の化粧料への均質配合は困難である。
(試験例4)浸透性
本発明の実施例のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を代表して、実施例4のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物に蛍光染料ナイルレッド(和光純薬工業(株))を添加して赤色に染色し、該染色したエマルジョン組成物に、アジア人毛(スタッフス製)を40℃で1時間浸漬した。その後アジア人毛を水洗し、乾燥後、該アジア人毛をエポキシ樹脂により包埋させ、ミクロトーム(ライカ製)にて該毛髪の断面片を作成し、該断面片を蛍光顕微鏡(オリンパス製)にて200倍で観察し、写真を撮影した。
その結果を、図1に示す。
図1中、赤色染色部分は本発明のエマルジョン組成物が毛髪内部に浸透したことを示し、黒色の部分は毛髪を包理しているエポキシ樹脂を示す。
また実施例4のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物のエマルジョンの平均粒径を、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津サイエンス製SALD−7000)にて測定したところ、平均粒径は52nmであった。
上記表1〜2の結果より、実施例1〜5の本発明の実施例のコレステロール毛髪化粧料用エマルジョン組成物は、水溶性に優れており、経時安定性にも良好であることがわかる。
また、エマルジョン粒子が小さいため、毛髪への浸透性に優れることもわかる。
一方、本発明の範囲外となる比較例のコレステロール含有組成物は、均一にコレステロールを含有させたエマルジョンとすることができず、経時安定性に劣り、所望するコレステロール毛髪化粧料用エマルジョン組成物が得ることができないことがわかる。
B:毛髪用化粧料:パーマI剤及びパーマII剤
実施例1〜5、比較例1〜12で得られた各毛髪化粧料組成物を用いて、下記表3〜4に示す各成分を表3〜4に示す配合割合で均一に混合して、それぞれパーマI剤、パーマII剤をそれぞれ調製した。
(試験例5〜6)経時安定性
実施例1〜6、比較例1〜12の各毛髪化粧料用組成物を用いて調製して得られた各パーマI剤(試験例5)及びパーマII剤(試験例6)の双方について、室温で3ヶ月間保持した後の乳化性状(エマルジョン状態)を目視により評価した。
これらの結果を上記表1〜2に示す。
また、試験の評価は、下記の評価基準にしたがっておこなった。
〇・・・パーマ剤において、析出・分離なく均一にエマルジョン化している
×・・・パーマ剤において、3か月未満で析出・分離が観察され、均一なエマルジョン状態を維持することができない
(試験例7)
実施例4のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を用いて、表3及び表4に示す配合例で調製したパーマI剤とパーマII剤と、実施例4の処方からコレステロールを除いた以外は同様にして調製した参考例の毛髪化粧料用組成物を用いて表3及び表4に示す配合割合で調製したパーマI剤とパーマII剤を用いて、へアカラー処理ウィッグ((株)レジーナ製 ウィッグNo.337A)の毛髪に、パーマを施した。実施例4のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を用いたパーマ剤によるパーマ後の毛髪のダメージとリッジ性能(ウェーブ性能)を、参考例によるパーマ剤によるパーマ後の毛髪のダメージとリッジ性能(ウェーブ性能)と、目視により比較して評価した。
実施例4のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物を配合したパーマ剤(パーマI剤とパーマII剤)によるパーマ後の毛髪は、参考例のパーマ後の毛髪と比較して、ダメージが少なく、リッジ性能も良好であった。
また、同様にして、実施例4のエマルジョン組成物に代えて、他の実施例で得られたエマルジョン組成物を用いて、表3〜4に示す各成分と表3〜4に示す配合割合で均一に混合して、各パーマI剤とパーマII剤とをそれぞれ調製し、上記試験例7を実施したところ、参考例のパーマ後の毛髪と比較して、ダメージが少なく、リッジ性能も良好であった。
本発明によれば、コレステロールの析出、分離が起こらず、保存安定性に優れるため、パーマネントウェーブ剤、染毛料、シャンプー、ヘアトリートメント、養毛・育毛剤、ヘアミス等の毛髪化粧料、特に水性の化粧料に、コレステロールを均一に含有させることに有効に利用することができる。

Claims (4)

  1. (A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤、(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤、及び、(F)水を必須成分として含み、前記非イオン界面活性剤((C)成分+(D)成分)の平均HLB値は10〜11であり、含有される前記(A)成分/((B)成分と(C)成分と(D)成分)の質量比が1/52〜1/60であり、含有される前記(B)成分/((C)成分と(D)成分)の質量比が1.5/1〜3/1であることを特徴とする、コレステロール含有毛髪粧料用エマルジョン組成物。
  2. 請求項1記載のコレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物において、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤はオレイン酸ソルビタンであり、(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤はC16〜C22のポリオキシエチレンアルキルエーテルであることを特徴とする、コレステロール含有毛髪粧料用エマルジョン組成物。
  3. (A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤、(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤、及び、(F)水を必須成分として含み、前記非イオン界面活性剤((C)成分+(D)成分)の平均HLB値は10〜11であり、含有される前記(A)成分/((B)成分と(C)成分と(D)成分)の質量比が1/52〜1/60であり、含有される前記(B)成分/((C)成分と(D)成分)の質量比が1.5/1〜3/1である、コレステロール含有毛髪粧料用エマルジョン組成物を製造するにあたり、
    (A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤及び(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤を加熱溶解する工程、前記(A)コレステロール類、(B)油剤、(C)ソルビタン系非イオン界面活性剤及び(D)アルキルエーテル系非イオン界面活性剤の加熱溶解混合物と、加熱した水(F)と混合する工程、次いで室温まで冷却する工程とを備えることを特徴とする、コレステロール含有毛髪化粧料用エマルジョン組成物の製造方法。
  4. 請求項1又は2記載のコレステロール含毛髪粧料用エマルジョン組成物を含む、毛髪化粧料。
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