WO2021200529A1 - 非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

非水電解質二次電池用負極は、負極活物質及びカーボンナノチューブを含む負極合剤層を備える。負極活物質は、第1負極活物質と、第2負極活物質とを含み、第1負極活物質及び第2負極活物質は、リチウムとケイ素と酸素とを含有するリチウムシリケート相と、リチウムシリケート相内に分散しているシリコン粒子とを含み、各々のリチウムシリケート相におけるケイ素に対する酸素のモル比(O/Si)が異なり、カーボンナノチューブの直径は、1nm~5nmであり、第1負極活物質及び第2負極活物質の総質量に対する第1負極活物質の質量の割合が、60%以下である。

Description

非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池
 本開示は、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池に関する。
 高容量の二次電池の負極活物質として、黒鉛等の炭素材料よりも多くのリチウムイオンを吸蔵、放出できるシリコン系材料が検討されている。しかし、シリコン系材料はリチウムイオンの吸蔵、放出に伴う体積変化が大きいため、充放電の繰り返しにより負極合剤層内部の導電パスが切断されてしまい、二次電池のサイクル特性が劣化するという課題がある。特許文献1には、所定の大きさのカーボンナノチューブを0.1質量~2質量%の割合で負極合剤層に含有することで、サイクル特性を向上させた二次電池が開示されている。
特開2016-110876号公報
 特許文献1に開示された二次電池は、負極合剤層において、カーボンナノチューブの直径が大きく、またカーボンナノチューブの含有量が多いことから、サイクル特性は向上しても初期の放電容量が低下する場合がある。特許文献1は、初期の放電容量とサイクル特性の両立という面では検討しておらず、未だ改善の余地がある。
 本開示の一態様である非水電解質二次電池用負極は、負極集電体と、負極集電体の表面に形成された、負極活物質及びカーボンナノチューブを含む負極合剤層と、を備える。負極活物質は、第1負極活物質と、第2負極活物質とを含み、第1負極活物質は、リチウムとケイ素と酸素とを含有する第1リチウムシリケート相と、第1リチウムシリケート相内に分散している第1シリコン粒子とを含み、第1リチウムシリケート相におけるケイ素に対する酸素のモル比(O/Si)を示すA1が、2<A1≦3の関係を満たし、第2負極活物質は、リチウムとケイ素と酸素とを含有する第2リチウムシリケート相と、第2リチウムシリケート相内に分散している第2シリコン粒子とを含み、第2リチウムシリケート相におけるケイ素に対する酸素のモル比(O/Si)を示すA2が、3<A2≦4の関係を満たし、カーボンナノチューブの直径は、1nm~5nmであり、第1負極活物質及び第2負極活物質の総質量に対する第1負極活物質の質量の割合が、60%以下である。
 本開示の一態様である非水電解質二次電池は、上記非水電解質二次電池用負極と、正極活物質を含む正極と、非水電解質とを備える。
 本開示の一態様によれば、二次電池の初期の放電容量を大きくしつつ、サイクル特性を向上させることができる。
図1は、実施形態の一例である非水電解質二次電池の縦方向断面図である。
 上記のように、シリコン系材料は、二次電池の高容量化が可能な負極活物質であるが、充放電による体積変化が大きいため、充放電サイクルによる放電容量の低下が問題となることがある。特許文献1に開示されるような負極合剤層に導電助剤としてのカーボンナノチューブを多量に含有させて充放電サイクル後も導電パスを確保する方法では、負極合剤層における負極活物質の含有率が減少するので、サイクル特性を向上させることができても、初期の放電容量が低下してしまう場合がある。また、負極合剤スラリーは、特許文献1に記載のように、直径が大きいカーボンナノチューブを多く含有すると、分散性が悪くなることもある。一方、シリコン系材料の内、リチウム、ケイ素、及び酸素を含有するリチウムシリケート相内にシリコン粒子を含む負極活物質は、多くのリチウムイオンを吸蔵、放出できるが、充放電サイクルにより割れてしまい、電解質との反応等の副反応が生じやすくなり、サイクル特性の低下が起こりやすい。そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、内部にシリコン粒子が分散したリチウムシリケート相を含む粒子を2種類用意し、これらを適当な割合で混合した負極活物質と、比較的直径が小さいカーボンナノチューブとを組み合わせて用いることで、特異的に、二次電池の初期の放電容量を大きくしつつ、サイクル特性を向上させることができることを見出した。
 以下、本開示に係る非水電解質二次電池の実施形態の一例について詳細に説明する。以下では、巻回型の電極体が円筒形の外装体に収容された円筒形電池を例示するが、電極体は、巻回型に限定されず、複数の正極と複数の負極がセパレータを介して交互に1枚ずつ積層されてなる積層型であってもよい。また、外装体は円筒形に限定されず、例えば角形、コイン形等であってもよく、金属層及び樹脂層を含むラミネートシートで構成された電池ケースであってもよい。
 図1は、実施形態の一例である円筒型の二次電池10の縦方向断面図である。図1に示す二次電池10は、電極体14及び非水電解質が外装体15に収容されている。電極体14は、正極11及び負極12がセパレータ13を介して巻回されてなる巻回型の構造を有する。なお、以下では、説明の便宜上、封口体16側を「上」、外装体15の底部側を「下」として説明する。
 外装体15の上部の開口端部が封口体16で塞がれることで、二次電池10の内部は、密閉される。電極体14の上下には、絶縁板17,18がそれぞれ設けられる。正極リード19は絶縁板17の貫通孔を通って上方に延び、封口体16の底板であるフィルタ22の下面に溶接される。二次電池10では、フィルタ22と電気的に接続された封口体16の天板であるキャップ26が正極端子となる。他方、負極リード20は絶縁板18の外側を通って、外装体15の底部側に延び、外装体15の底部内面に溶接される。二次電池10では、外装体15が負極端子となる。
 外装体15は、例えば有底の円筒形状の金属製外装缶である。外装体15と封口体16の間にはガスケット27が設けられ、二次電池10の内部の密閉性が確保されている。外装体15は、例えば側面部を外側からプレスして形成された、封口体16を支持する溝入部21を有する。溝入部21は、外装体15の周方向に沿って環状に形成されることが好ましく、その上面でガスケット27を介して封口体16を支持する。
 封口体16は、電極体14側から順に積層された、フィルタ22、下弁体23、絶縁部材24、上弁体25、及びキャップ26を有する。封口体16を構成する各部材は、例えば円板形状又はリング形状を有し、絶縁部材24を除く各部材は互いに電気的に接続されている。下弁体23と上弁体25とは各々の中央部で互いに接続され、各々の周縁部の間には絶縁部材24が介在している。異常発熱で電池の内圧が上昇すると、例えば、下弁体23が破断し、これにより上弁体25がキャップ26側に膨れて下弁体23から離れることにより両者の電気的接続が遮断される。さらに内圧が上昇すると、上弁体25が破断し、キャップ26の開口部26aからガスが排出される。
 以下、二次電池10を構成する正極11、負極12、セパレータ13、及び非水電解質について、特に負極12を構成する負極合剤層41について詳説する。
 [正極]
 正極11は、正極集電体30と、正極集電体30の表面に形成された正極合剤層31とを有する。正極集電体30には、アルミニウムなどの正極11の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。正極合剤層31は、正極活物質、結着剤、導電剤等を含んでもよい。正極11は、例えば正極集電体30の表面に正極活物質、結着剤、導電剤等を含む正極合剤スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧縮して正極合剤層31を正極集電体30の両面に形成することにより作製できる。
 正極合剤層31に含まれる正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物を主成分として含んでもよい。正極活物質は、実質的にリチウム遷移金属酸化物のみから構成されていてもよく、リチウム遷移金属酸化物の粒子表面に無機化合物粒子等が固着したものであってもよい。リチウム遷移金属酸化物は、1種類を用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
 リチウム遷移金属酸化物は、一般式LiNiCo1-x-y2―b(式中、0.97≦a≦1.2、0.8≦x≦1.0、0≦y≦0.1、0≦b<0.05、Mは、Ca、Mn、Al、B、W、Sr、Mg、Mo、Nb、Ti、Si、及びZrから選ばれる少なくとも1種の元素を含む)で表される酸化物とすることができる。
 正極合剤層31に含まれる導電剤としては、カーボンブラック(CB)、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、黒鉛等の炭素材料などが例示できる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
 正極合剤層31に含まれる結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが例示できる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
 [負極]
 負極12は、負極集電体40と、負極集電体40の表面に形成された負極合剤層41とを有する。負極集電体40には、銅などの負極12の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極合剤層41は、負極活物質及びカーボンナノチューブを含む。負極12は、例えば負極集電体40の表面に負極活物質、カーボンナノチューブ等を含む負極合剤スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧縮して負極合剤層41を負極集電体40の両面に形成することにより作製できる。
 カーボンナノチューブの直径は、1nm~5nmであり、好ましくは1nm~3nmである。このように比較的直径の小さいカーボンナノチューブを用いることで、直径の大きいカーボンナノチューブを用いる場合に比べて、少ない含有量で負極活物質間の導電パスを確保できるので、負極合剤層41における負極活物質の含有量を多くすることができる。また、当該カーボンナノチューブの使用により、負極合剤スラリーの分散性が向上する。負極合剤層41に含まれるカーボンナノチューブは、例えば、単層カーボンナノチューブであってもよい。
 カーボンナノチューブの長さは、5μm以上であってもよい。これにより、カーボンナノチューブは、アスペクト比が大きくなって導電性が向上するので、より少ない含有量で負極活物質間の導電パスを確保できる。
 負極合剤層41において、負極活物質の質量に対するカーボンナノチューブの質量の割合は、0.005%~0.05%であってもよい。カーボンナノチューブの質量の割合が0.005%以上であれば、負極活物質間の導電パスを確保することができるので、良好なサイクル特性が得られる。カーボンナノチューブの質量の割合が0.05%以下であれば、負極合剤層41に適当な量の負極活物質を含むことができるので放電容量の観点から有利である。
 負極合剤層41は、さらに、カーボンナノチューブ以外の導電助剤を含んでもよい。カーボンナノチューブ以外の導電助剤としては、カーボンブラック(CB)、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック、カーボンナノファイバーが例示できる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。カーボンナノチューブを含む導電助剤の総質量は、負極合剤層41に適当な量の負極活物質を含有させるとの観点から、含有量負極活物質の質量に対して、0.05%以下が好ましい。
 負極合剤層41は、さらに、結着剤を含んでもよい。結着剤としては、正極11の場合と同様に、フッ素樹脂、PAN、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等を用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なお、水系溶媒を用いて負極合剤スラリーを調製する場合は、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)又はその塩、ポリビニルアルコールなどを併用することが好ましい。
 負極合剤層41に含まれる負極活物質は、第1負極活物質と、第2負極活物質とを含む。第1負極活物質及び第2負極活物質は、いずれも、体積基準のメジアン径(D50)が、例えば1μm~25μm、好ましくは4μm~15μmの粒子である。負極活物質をボールミルで粉砕することで、D50の値を小さくすることができる。D50は、体積基準の粒度分布において頻度の累積が粒径の小さい方から50%となる粒径を意味し、中位径とも呼ばれる。負極活物質の粒度分布は、レーザー回折式の粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製LA-750)を用い、水を分散媒として測定できる。
 第1負極活物質は、リチウムとケイ素と酸素とを含有する第1リチウムシリケート相と、第1リチウムシリケート相内に分散している第1シリコン粒子とを含む。第1リチウムシリケート相におけるケイ素に対する酸素のモル比(O/Si)を示すA1が、2<A1≦3の関係を満たす。なお、第1負極活物質には、本開示の目的を損なわない範囲で第1リチウムシリケート相以外の相が含まれていてもよいが、本実施形態では、第1負極活物質には、相として第1リチウムシリケート相のみが含まれるものとする。
 第1負極活物質は、表面の少なくとも一部を被覆する導電層を有してもよい。導電層は、導電性材料を含む。これにより、第1負極活物質の導電性を向上させることができる。導電性材料としては、例えば、炭素材料を用いることができる。なお、導電層は、第1負極活物質の平均粒径に影響しない程度に薄くすることができる。
 第1リチウムシリケート相は、例えば、一般式LiSi2x+1(x≧1)で表すことができる。xは、第1リチウムシリケート相の安定性やリチウムイオン伝導性の観点から、1≦x≦2の関係を満たすことが好ましい。なお、第1リチウムシリケート相におけるケイ素に対するリチウムのモル比(Li/Si)を示すB1は、0<B1≦2の関係を満たしてもよく、1≦B1≦2であってもよい。
 第1リチウムシリケート相は、さらに、Na、K、Mg、Ca、Ba、Zr、Nb、Ta、V、Ti、P、Bi、Zn、Sn、Pb、Sb、Co、F、W、Al、La、及びBからなる群より選択された少なくとも1種の元素を含んでもよい。第1リチウムシリケート相におけるこれらの元素の含有量は、放電容量に影響を与えない程度であることが好ましく、例えば、第1リチウムシリケート相におけるLi、Si、Oの合計に対して、モル比で、0.01以下であってもよい。第1リチウムシリケート相における上記のNa等の元素の含有量は、熱フッ硝酸(熱したフッ化水素酸と硝酸の混酸)で負極活物質を全溶解し、溶解残渣の炭素をろ過して除去後、得られたろ液を誘導結合プラズマ発光分光法(ICP-AES)で分析することで測定できる。
 第1リチウムシリケート相に分散している第1シリコン粒子は、充放電時の第1負極活物質の体積変化を抑制する。第1シリコン粒子は、結晶子サイズが例えば、10nm以上であってもよい。これにより、第1シリコン粒子の表面積が小さくなり、第1シリコン粒子の劣化を抑制できる。第1シリコン粒子の結晶子サイズは、第1シリコン粒子のX線回折(XRD)パターンのSi(111)面に帰属される回析ピークの半値幅からシェラーの式(Scherrer equation)により算出される。
 第1シリコン粒子は、複数の結晶子の集合体である。第1シリコン粒子の割れを抑制する観点から、第1シリコン粒子の平均粒径は、初回充電前において、500nm以下が好ましく、200nm以下がさらに好ましく、50nm以下が特に好ましい。初回充電後においては、第1シリコン粒子の平均粒径は、400nm以下が好ましく、100nm以下がさらに好ましい。第1シリコン粒子の微細化により、充放電時の体積変化をより抑制することができる。第1シリコン粒子の平均粒径は、第1負極活物質の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した断面SEM画像を解析することにより求められる。具体的には、この断面SEM画像から、ランダムに選択した100個の一次粒子の粒界を観察し、一次粒子の外形を特定した上で、100個の一次粒子それぞれの長径(最長径)を求め、それらの平均値を第1シリコン粒子の平均粒径とする。
 第1負極活物質中の第1シリコン粒子の含有量は、リチウムイオンの拡散性を高めて高容量化するために、例えば、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、55質量%以上が特に好ましい。一方、第1シリコン粒子の表面を第1リチウムシリケート相で覆うことで電解液と第1シリコン粒子との反応を抑制するために、第1負極活物質中の第1シリコン粒子の含有量は、例えば、95質量%以下であることが好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、75質量%以下が特に好ましい。
 第1シリコン粒子の含有量は、Si-NMR(バリアン社製、INOVA‐400)を用いて、下記測定条件で測定できる。
 プローブ:Varian7mmCPMAS-2
 MAS:4.2kHz
 MAS速度:4kHz
 パルス:DD(45°パルス+シグナル取込時間1Hデカップル)
 繰り返し時間:1200sec
 観測幅:100kHz
 観測中心:-100ppm付近
 シグナル取込時間:0.05sec
 積算回数:560
 試料量:207.6mg
 第1リチウムシリケート相LiSi2x+1(x≧1)の組成は、例えば、以下の方法により分析することができる。なお、以下では、第1リチウムシリケート相に上記のNa等の元素が含まれない場合について記載するが、Na等の元素を含む場合には、予め、それらの含有量を減じて計算する。
(1)第1負極活物質の試料の質量を測定する。
(2)以下のように、試料に含まれる炭素、酸素、及びリチウムの含有量を算出する。
(3)試料の質量から、炭素含有量及びケイ素含有量を減じ、残量に占めるリチウム及び酸素の含有量を算出し、リチウムと酸素のモル比から2と(2x+1)の比を求め、xを計算する。
 試料の炭素含有量は、炭素・硫黄分析装置(株式会社堀場製作所製のEMIA-520型)を用いて測定できる。磁性ボードに試料を測り取り、助燃剤を加え、1350℃に加熱された燃焼炉(キャリアガス:酸素)に挿入し、燃焼時に発生した二酸化炭素ガス量を赤外線吸収により検出する。例えば、Bureau of Analysed Sampels Ltd.製の炭素鋼(炭素含有量0.49%)を用いて検量線を作成し、試料の炭素含有量を算出する。なお、試料の炭素含有量は主に導電層に由来する。
 試料の酸素含有量は、酸素・窒素・水素分析装置(株式会社堀場製作所製のEGMA-830型)を用いて測定できる。Niカプセルに試料を入れ、フラックスとなるSnペレット及びNiペレットとともに、電力5.75kWで加熱された炭素坩堝に投入し、放出される一酸化炭素ガスを検出する。標準試料Yを用いて検量線を作成し、試料の酸素含有量を算出する。
 試料のリチウム含有量は、熱フッ硝酸(熱したフッ化水素酸と硝酸の混酸)で試料を全溶解し、溶解残渣の炭素をろ過して除去後、得られたろ液を誘導結合プラズマ発光分光法(ICP-AES)で分析することで測定できる。市販の標準溶液を用いて検量線を作成し、試料のリチウム含有量を算出する。
 第1負極活物質の試料の質量から、炭素含有量、酸素含有量、及びリチウム含有量を減じた量が、試料のケイ素含有量である。このケイ素含有量には、シリコン粒子の形で存在するケイ素と、リチウムシリケートの形で存在するケイ素との両方が含まれている。このケイ素含有量から、上記のSi-NMR測定により求めたシリコン粒子の含有量を減じることで、リチウムシリケートの形で存在するケイ素の含有量を求めることができる。
 第2負極活物質は、リチウムとケイ素と酸素とを含有する第2リチウムシリケート相と、第2リチウムシリケート相内に分散している第2シリコン粒子とを含む。第2リチウムシリケート相におけるケイ素に対する酸素のモル比(O/Si)を示すA2が、3<A2≦4の関係を満たす。なお、第2負極活物質には、本開示の目的を損なわない範囲で第2リチウムシリケート相以外の相が含まれていてもよいが、本実施形態では、第2負極活物質には、相として第2リチウムシリケート相のみが含まれるものとする。第2負極活物質は、表面の少なくとも一部を被覆する、炭素材料等の導電性材料を含む導電層を有してもよい。なお、導電層は、第2負極活物質の平均粒径に影響しない程度に薄くすることができる。
 第2リチウムシリケート相は、例えば、一般式LiSi2y+1(y<1)で表すことができる。yは、0.5≦y<1の関係を満たすことが好ましい。なお、第2リチウムシリケート相におけるケイ素に対するリチウムのモル比(Li/Si)を示すB2は、2<B2≦4の関係を満たしてもよい。また、第2リチウムシリケート相は、リチウム、ケイ素、酸素以外に、第1リチウムシリケート相で例示したNa等の元素を微量含んでもよい。
 第2リチウムシリケート相に分散している第2シリコン粒子は、充放電時の第2負極活物質の体積変化を抑制する。第2シリコン粒子は、結晶子サイズが例えば、10nm以上であってもよい。第2シリコン粒子は、複数の結晶子の集合体である。第2シリコン粒子の割れを抑制する観点から、第2シリコン粒子の平均粒径は、初回充電前において、500nm以下が好ましく、200nm以下がさらに好ましく、50nm以下が特に好ましい。初回充電後においては、第2シリコン粒子の平均粒径は、400nm以下が好ましく、100nm以下がさらに好ましい。
 第2負極活物質中の第2シリコン粒子の含有量の下限値は、高容量化の観点から、例えば、30質量%が好ましく、50質量%がさらに好ましく、55質量%が特に好ましい。また、第1負極活物質中の第1シリコン粒子の含有量の上限値は、副反応抑制の観点から、例えば、95質量%が好ましく、80質量%がさらに好ましく、75質量%が特に好ましい。第2シリコン粒子の含有量は、第1シリコン粒子の含有量と同様にして測定することができる。また、第2リチウムシリケート相の組成も、第1リチウムシリケート相の組成と同様にして算出することができる。
 第2負極活物質は、最初の充電前には、第2負極活物質の前駆体を含んでもよい。第2負極活物質の前駆体の組成は、例えば、SiO(0.5≦Z≦1.5)で表すことができる。SiOは、SiO相と、SiO相内に分散しているシリコン粒子とを含んでもよい。最初の充電によって、SiO相は、リチウムイオンを吸蔵して第2リチウムシリケート相を生成する。第2リチウムシリケート相は、例えば、LiSiOであってもよい。これにより、第2リチウムシリケート相と、第2リチウムシリケート相内に分散している第2シリコン粒子とを含む第2負極活物質が形成される。
 第1負極活物質及び第2負極活物質の総質量に対する第1負極活物質の質量の割合は、60%以下であり、より好適には20%以下であってもよい。2種類の負極活物質を混合することで、二次電池の初期の放電容量を大きくしつつ、サイクル特性を向上させることができる。第1負極活物質と第2負極活物質は、充放電の時にリチウムイオンを吸蔵、放出するタイミングが異なるので、この2種類の負極活物質を適切な割合で混合することで、上記の効果が得られる。また、第1負極活物質と第2負極活物質は、硬さも異なるので、上記の割合で混合することで、負極活物質間の導電パスを良好に維持することができる。
 負極活物質は、第1負極活物質及び第2負極活物質以外に、第3負極活物質として、リチウムイオンの吸蔵、放出が可能な、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)等の炭素材料や、スズ等のリチウムと合金化する金属、スズ等を含む金属化合物、リチウムチタン複合酸化物等の非炭素系材料を含んでもよい。第3負極活物質としては、充放電時の体積変化が小さいので、黒鉛が好ましい。負極活物質全体における第3負極活物質の割合は、例えば、80質量%~95質量%であってもよい。この範囲であれば、シリコン系負極活物質の充放電時の体積変化を緩和して、サイクル特性を向上させることができる。
 [セパレータ]
 セパレータ13には、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータ13の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、セルロースなどが好適である。セパレータ13は、単層構造、積層構造のいずれであってもよい。セパレータ13の表面には、耐熱性材料を含む耐熱層が形成されていてもよい。耐熱性材料としては、脂肪族系ポリアミド、芳香族系ポリアミド(アラミド)等のポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド等のポリイミド樹脂などが例示できる。
 [非水電解質]
 非水電解質の非水溶媒(有機溶媒)としては、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、エステル類等を用いることができ、これらの溶媒は2種以上を混合して用いることができる。非水電解質の電解質塩としては、LiPF、LiBF、LiCFSO等及びこれらの混合物を用いることができる。非水溶媒に対する電解質塩の溶解量は、例えば0.5~2.0モル/Lとすることができる。
 <実施例>
 以下、実施例により本開示をさらに説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
 <実施例1>
 [第1負極活物質の合成]
 二酸化ケイ素と炭酸リチウムとを、Si/Liがモル比で1.05となるように混合し、この混合物を950℃空気中で10時間焼成することにより、LiSiで表わされるリチウムシリケートを得た。得られたリチウムシリケートは平均粒径10μmになるように粉砕した。その後、LiSiと、原料シリコン(3N、平均粒径10μm)とを、45:55の質量比で混合し、この混合物を遊星ボールミル(フリッチュ社製、P-5)のポット(SUS製、容積:500mL)に充填し、ポットにSUS製ボール(直径20mm)を24個入れて蓋を閉め、不活性雰囲気中において200rpmで50時間粉砕処理した。
 次に、粉砕処理した粉末状の混合物を取り出し、不活性雰囲気中、ホットプレス機による圧力を印加した状態で、800℃で4時間焼成して、混合物の焼結体を得た。その後、この焼結体を粉砕し、40μmのメッシュに通した後に石炭ピッチ(JFEケミカル株式会社製、MCP250)と混合し、この混合物を不活性雰囲気で、800℃で焼成して、表面に導電性炭素で被覆して導電層を形成した。導電層の被覆量は、第1負極活物質の質量に対して5質量%とした。その後、篩にかけて、表面に導電層を有する平均粒径5μmの第1負極活物質を得た。
 第1負極活物質のシリコン粒子の結晶子サイズは15nmであった。第1リチウムシリケート相において、O/Si比は2.5であり、Si/Li比は1.0であった。第1負極活物質において、第1リチウムシリケート相LiSiの含有量は45質量%で、シリコン粒子の含有量は55質量%であった。なお、第1負極活物質には、Na等の元素は含有されていなかった。
 [第2負極活物質の前駆体の作製]
 SiO相内にシリコン粒子が分散しているSiO粒子(平均粒径5μm)を石炭ピッチ(JFEケミカル株式会社製、MCP250)と混合し、混合物を不活性雰囲気で、800℃で焼成し、SiO粒子の表面を導電性炭素で被覆して導電層を形成した。導電層の被覆量は、SiO粒子と導電層との総質量に対して5質量%とした。このようにして、表面に導電層を有する平均粒径5μmのSiO粒子(第2負極活物質の前駆体)を得た。
 初回の充電により、SiO粒子のSiO相は主に第2リチウムシリケート相LiSiOとなり、前駆体は、LiSiO及びLiSiO内に分散しているシリコン粒子を含む第2負極活物質となる。初回の充電後の第2負極活物質において、LiSiOの含有量は42質量%で、リチウムイオンを吸蔵したシリコン粒子の含有量は58質量%であった。なお、内部に吸蔵されたリチウムイオンを除いたシリコン粒子の含有量は29質量%であった。なお、第1負極活物質には、Na等の元素は含有されていなかった。
 [負極の作製]
 上記の第1負極活物質1質量部と、上記の第2負極活物質の前駆体4質量部と、第3負極活物質としての黒鉛95質量部とを混合して混合負極活物質を得た。次に、この混合負極活物質と、直径が1.2~2nm、平均直径が1.6nm、長さが5μmのカーボンナノチューブと、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)と、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)を質量比で100:0.01:1:1となるよう用意し、これとN-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶液と練合して負極合剤スラリーを調製した。当該負極合剤スラリーを銅製の負極集電体上に塗布し、塗膜を乾燥させた後、ローラーを用いて塗膜を圧延し、所定の電極サイズに切断して、負極集電体の両面に負極合剤層が形成された負極を得た。
 [正極の作製]
 リチウムニッケル複合酸化物(LiNi0.8Co0.18Al0.02)を正極活物質として使用した。この正極活物質と、アセチレンブラックと、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、95:2.5:2.5の固形分質量比で混合し、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を適量加えた後、これを混練して正極合剤スラリーを調製した。当該正極合剤スラリーをアルミニウム製の正極集電体上の両面に塗布し、塗膜を乾燥させた後、ローラーを用いて塗膜を圧延し、所定の電極サイズに切断して、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極を得た。
 [非水電解質の作製]
 エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:3で混合させた非水溶媒に、電解質塩としてのLiPFを1.0mol/L溶解させ液状の非水電解質である非水電解液とした。
 [電池の作製]
 上記正極にアルミニウムリードを、上記負極にニッケルリードをそれぞれ取り付け、ポリオレフィン製のセパレータを介して正極と負極を渦巻き状に巻回した後、径方向にプレス成形して扁平状の巻回型電極体を作製した。この電極体をアルミラミネートシートで構成される外装体内に収容し、上記非水電解質を注入した後、外装体の開口部を封止して、評価用の電池を得た。
 <実施例2>
 負極の作製において、第1負極活物質3質量部と、第2負極活物質の前駆体3質量部と、第3負極活物質としての黒鉛94質量部とを混合して混合負極活物質を得たこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
 <実施例3>
 負極の作製において、第1負極活物質6質量部と、第2負極活物質の前駆体4質量部と、第3負極活物質としての黒鉛90質量部とを混合して混合負極活物質を得たこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
 <比較例1>
 負極の作製において、第1負極活物質4.5質量部と、第2負極活物質の前駆体2.5質量部と、第3負極活物質としての黒鉛93質量部とを混合して混合負極活物質を得たこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
 <比較例2>
 負極の作製において、第2負極活物質の前駆体4質量部と、第3負極活物質としての黒鉛96質量部とを混合して混合負極活物質を得たこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
 上記各電池について以下の方法で初期放電容量と容量維持率の評価を行った。初期放電容量は、比較例1の値を100としたときの相対値を示す。容量維持率は、比較例2の値を1としたときの相対値を示す。実施例及び比較例の電池は、初期放電容量と容量維持率の積で評価した。表1には、評価結果と共に、第1負極活物質及び第2負極活物質の各々の含有量と、第1負極活物質及び第2負極活物質の総質量に対する第1負極活物質の質量の割合とを示す。
 [初期放電容量の測定]
 実施例及び比較例の電池について、25℃の温度環境下、電池電圧が0Vに達するまで0.05Cの定電流で充電を行った後、0.05Cの定電流で電池電圧が1Vに達するまで放電を行い、初期放電容量を測定した。なお、ここでの放電とは、実施例及び比較例の負極とLiNiO等で例示される一般に用いられる正極とを組み合わせた電池における放電のことをいう。実施例及び比較例の電池は負極を作用極とし金属リチウム(Li)を対極としていることから、本来ならば、充電というべきであるが、一般に用いられる正極と負極とを組み合わせた電池における負極の充放電挙動に合わせて、逆の充放電方向の表現をしている。つまり、充電とは作用極となる負極の電位を降下させるように電流を流すことであり、放電とは作用極となる負極の電位を上昇させるように電流を流すことである。
 [サイクル試験後の容量維持率の評価]
 上記の初期状態の電池について、下記サイクル試験を行なった。サイクル試験の1サイクル目の放電容量と、300サイクル目の放電容量を求め、下記式により、容量維持率を算出した。
  容量維持率(%)=(300サイクル目放電容量÷1サイクル目放電容量)×100
 <サイクル試験>
 まず、初期状態の電池に、25℃の温度環境下、電池電圧が設定電圧0Vになるまで0.05Cで定電流充電を行い、その後、0.05Cの定電流で、電池電圧が1Vになるまで定電流放電を行った。この充放電サイクルを300サイクル繰り返した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示すように、実施例の電池は、比較例の電池と比べて、初期放電容量と容量維持率の積の値が大きく、総合的に優れることがわかった。第1負極活物質は高容量であるが含有量が多くなると容量維持率が低下する傾向があるが、実施例1で比較例2と同等の容量維持率が得られており、第1負極活物質及び第2負極活物質の総質量に対する第1負極活物質の質量の割合が20%以下の範囲では、容量維持率はほぼ一定であり、サイクル特性に優れると推察される。
10  二次電池
11  正極
12  負極
13  セパレータ
14  電極体
15  外装体
16  封口体
17,18  絶縁板
19  正極リード
20  負極リード
21  溝入部
22  フィルタ
23  下弁体
24  絶縁部材
25  上弁体
26  キャップ
26a  開口部
27  ガスケット
30  正極集電体
31  正極合剤層
40  負極集電体
41  負極合剤層

Claims (7)

  1.  負極集電体と、前記負極集電体の表面に形成された、負極活物質及びカーボンナノチューブを含む負極合剤層と、を備える非水電解質二次電池用負極であって、
     前記負極活物質は、第1負極活物質と、第2負極活物質とを含み、
     前記第1負極活物質は、リチウムとケイ素と酸素とを含有する第1リチウムシリケート相と、前記第1リチウムシリケート相内に分散している第1シリコン粒子とを含み、前記第1リチウムシリケート相におけるケイ素に対する酸素のモル比(O/Si)を示すA1が、2<A1≦3の関係を満たし、
     前記第2負極活物質は、リチウムとケイ素と酸素とを含有する第2リチウムシリケート相と、前記第2リチウムシリケート相内に分散している第2シリコン粒子とを含み、前記第2リチウムシリケート相におけるケイ素に対する酸素のモル比(O/Si)を示すA2が、3<A2≦4の関係を満たし、
     前記カーボンナノチューブの直径は、1nm~5nmであり、
     前記第1負極活物質及び前記第2負極活物質の総質量に対する前記第1負極活物質の質量の割合が、60%以下である、非水電解質二次電池用負極。
  2.  前記第1負極活物質及び前記第2負極活物質の総質量に対する前記第1負極活物質の質量の割合が、20%以下である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極。
  3.  前記第1リチウムシリケート相は、さらに、Na、K、Mg、Ca、Ba、Zr、Nb、Ta、V、Ti、P、Bi、Zn、Sn、Pb、Sb、Co、F、W、Al、La、及びBからなる群より選択された少なくとも1種の元素を含む、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用負極。
  4.  前記負極合剤層において、前記負極活物質の質量に対する前記カーボンナノチューブの質量の割合は、0.005%~0.05%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極。
  5.  前記カーボンナノチューブの長さが、5μm以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極。
  6.  請求項1~5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極と、
     正極活物質を含む正極と、
     非水電解質と、
     を備えた、非水電解質二次電池。
  7.  前記正極活物質は一般式LiNiCo1-x-y2―b(式中、0.97≦a≦1.2、0.8≦x≦1.0、0≦y≦0.1、0≦b<0.05、Mは、Ca、Mn、Al、B、W、Sr、Mg、Mo、Nb、Ti、Si、及びZrから選ばれる少なくとも1種の元素を含む)で表されるリチウム遷移金属酸化物を含む、請求項6に記載の非水電解質二次電池。
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