WO2021172180A1

WO2021172180A1 - 加熱調理器

Info

Publication number: WO2021172180A1
Application number: PCT/JP2021/006255
Authority: WO
Inventors: 卓士岸本
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2020-02-26
Filing date: 2021-02-19
Publication date: 2021-09-02
Also published as: JPWO2021172180A1; TW202132727A; CN115103981A; US20230058275A1

Abstract

無負荷運転に起因する種々の問題を生じさせないこと。本発明の加熱調理器は、食品（４０）から読み取られた情報コードに基づき当該食品（４０）の加熱調理を行う加熱調理器（１）であって、加熱庫（１３）内に食品（４０）が存在しているとき受光できず、食品（４０）が存在しないとき受光できる位置に受光素子（３２）が設けられ、受光素子（３２）が受光可能なときには加熱調理しない。

Description

加熱調理器

　本発明は、加熱庫内部に配置された食品を加熱する加熱調理器に関する。

　従来、例えばコンビニエンスストアでは、販売した弁当等の食品を電子レンジ等の加熱調理器にて加熱し、客に手渡すサービスが行われている。

　食品を加熱する場合の好適な加熱温度や加熱時間は、食品の種類によって異なる。そこで、特許文献１および２に示す加熱調理器では、食品の容器に記された、食品の種類を示すバーコードを読取り装置にて読み取り、食品の種類に応じた加熱情報（加熱温度や加熱時間）に従って食品を加熱するようにしている。

　具体的には、特許文献１に記載の構成では、電子レンジにバーコードスキャナが接続され、ユーザがバーコードスキャナを手動操作して食品の容器に記されたバーコードを読み取るようになっている。

　また、特許文献２に記載の構成では、加熱調理器の前面の一方の側部に設けられた第１のバーコード読取り装置に、食品の容器に記されたバーコードをかざしてバーコードを読み取るようになっている。あるいは加熱調理器の加熱庫内部に、容器に収容された食品を配置し、加熱庫の天壁に設けられた第２のバーコード読取り装置にて食品の容器に記されたバーコードを読み取るようになっている。

日本国特開２００６－６４３６２号公報日本国実用新案登録第３０７６６４９号公報

　ところで、特許文献１、２の何れにおいても、バーコードスキャナや、第１あるいは第２のバーコード読取り装置が読み取りを行うタイミングについては記載されていない。しかしながら、これらの読取り装置が常に読み取りを行っている構成とすると、加熱庫内部から加熱後の食品を取り出す際、誤って当該食品の容器のバーコード読取る恐れがある。この場合、加熱庫から既に食品を取り出した後なので、加熱庫に食品が存在しない状態で加熱が行われることになる。つまり、無負荷運転を行うことになり、加熱調理器の加熱部、例えばマグネトロンに負担がかかり、機器寿命を短くするといいう問題が生じる。

　本発明の一態様は、無負荷運転を無くすことで、無負荷運転に起因する種々の問題が生じない加熱調理器の提供を目的とする。

　上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る加熱調理器は、加熱庫と、少なくとも食品の種類を示す情報コードを読み取る読取り装置と、前記読取り装置によって読み取られた情報コードに含まれる加熱調理に必要な加熱情報に基づいて、前記加熱庫内に配置された食品を加熱制御する加熱制御部と、前記加熱庫内に食品が配置されているか否かを判定する判定部と、を含み、前記加熱制御部は、前記判定部によって前記加熱庫内に食品が配置されていないと判定されたとき、前記加熱制御を行わないことを特徴としている。

　本発明の一態様によれば、無負荷運転に起因する種々の問題を生じさせないことができる。

本発明の実施形態の加熱調理器の前扉を閉じた状態を正面の斜め上方から見た場合の斜視図である。図１に示した加熱調理器の前扉を開放した状態の正面図である。図１に示した加熱調理器の前扉を開放した状態を右斜め下方から見た場合の斜視図である。図１に示した加熱調理器が備える読取り装置の設置状態を示すコントロールフレームの縦断面図である。図４に示した読取り装置の読取り領域を示す説明図である。図６の（ａ）は、図４に示した読取り装置が読み取る二次元コードからなる情報コードの例を示す説明図、図６の（ｂ）は、図４に示した読取り装置が読み取る一次元バーコードからなる情報コードの例を示す説明図である。図１に示す加熱調理器を模式的に示した模式図である。図１に示した加熱調理器が備える制御装置の構成を示すブロック図である。本発明の他の実施形態の加熱調理器を模式的に示した模式図である。本発明のさらに他の実施形態の加熱調理器を模式的に示した模式図である。

　〔実施形態１〕
　以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図１は、本実施形態の加熱調理器１の前扉１２を閉じた状態を正面の斜め上方から見た場合の斜視図である。図２は、図１に示した加熱調理器１の前扉１２を開放した状態を正面の斜め下方から見た場合の斜視図である。図３は、図１に示した加熱調理器１の前扉１２を開放した状態を右斜め下方から見た場合の斜視図である。

　（加熱調理器１の概要）
　図１から図３に示すように、加熱調理器は、例えば電子レンジであり、前面の上部に操作パネル（受付部）１１を有し、操作パネル１１の下に前扉１２を有している。前扉１２は、前扉１２の奥に設けられている加熱庫１３を開閉する扉であり、閉状態にて加熱庫１３の前面開口部１３ｂを覆う。前扉１２は、本実施形態において、向って左側の端部を中心として回転する横開き形式であり、右端付近に取手１４を有している。

　加熱庫１３内には、図２に示すように、天面１３ａに発光素子３１が設けられ、底面のフラットプレート１３ｃの下に、発光素子３１が照射した光を受光する受光素子３２が設けられている。フラットプレート１３ｃは、光透過性の素材で形成されているため、当該フラットプレート１３ｃの下に設けられた受光素子３２は発光素子３１が照射した光を受光できる。このように、発光素子３１と受光素子３２とを用いて、加熱庫１３内に載置される食品の有無を検知するようになっている。加熱庫１３内の食品の有無判定についての詳細は後述する。

　操作パネル１１は、コントロールフレーム（基板収容部）１５の前面に設けられており、加熱調理器１の前後方向において、操作パネル１１の前面位置は前扉１２の前面位置とほぼ一致している。

　コントロールフレーム１５の内部には、操作パネル１１の表示部の制御や、入力キー等に対するユーザ操作の受け付け等を行う制御基板（図示せず）が設けられている。

　（読取り装置１６）
　図４は、読取り装置１６の設置状態を示すコントロールフレーム１５の縦断面図である。図５は、読取り装置１６の読取り領域１９を示す説明図である。

　図４に示すように、コントロールフレーム１５は、加熱調理器１の前方へ突出状に設けられている。読取り装置１６は、読取り装置基板（回路基板）１７の下面に取り付けられ、コントロールフレーム１５の内部の下部に設けられている。読取り装置基板１７は、読取り装置１６の駆動回路を備えている。すなわち、読取り装置１６は、加熱庫１３の外部、かつ加熱庫１３の前面開口部１３ｂの上方位置（天面１３ａ側の位置）を設置位置とし、設置位置よりも下方に読取り領域１９を有するように設けられている。

　読取り装置１６は、例えばバーコードリーダであり、加熱調理器１にて加熱する食品あるいは食品の容器に付与された情報コード（例えばバーコード）を読み取るようになっている。

　読取り装置１６は、図５に示すように、読取り装置１６の下方領域を読取り領域１９としており、コントロールフレーム１５は、読取り装置１６と対向する下壁部の部分に、透明の読取り窓１８を有している。

　読取り装置１６の読取り領域１９は、ユーザが目視にて読取り領域１９を理解できるように、例えば赤色の光にて示すようになっている。この赤色の光は、読取り領域照明部２１（図８参照）が照射する。読取り領域照明部２１としては、例えば赤色ＬＥＤが用いられる。なお、読取り領域１９を示す光は赤色に限定されず、ユーザが目視可能な他の光、例えばレーザ等であってもよい。また、赤色ＬＥＤの個数は１個でもよいし、複数個であってもよい。

　また、読取り装置１６は、図２および図３に示すように、加熱庫１３の前面開口部１３ｂの幅方向（左右方向）の中央部に設けられている。

　（情報コード）
　図６の（ａ）は、二次元コード（ＱＲコード（登録商標））からなる情報コードの例を示す説明図、図６の（ｂ）は、一次元バーコードからなる情報コードの例を示す説明図である。図７の（ａ）は、読取り装置１６による情報コードの読み取りのための操作パネル１１での案内表示例を示す説明図、図７の（ｂ）は、読取り装置１６による情報コードの読み取りのための操作パネル１１での他の案内表示例を示す説明図である。

　情報コードは、食品の種類を示す情報であり、食品あるいは食品の容器に、例えば印刷あるいはシールによって付与されている。情報コードは、食品の種類、例えば食品が弁当であること（あるいはさらには弁当の種類）や、おにぎりであること（あるいはさらにはおにぎりの種類）を示す情報である。

　情報コードは、例えば図６の（ａ）に示すように、二次元コードであってもよいし、図６の（ｂ）に示すように、一次元バーコードであってもよい。なお、情報コードは、食品の種類を示すことができるものであればよく、特にバーコード等に限定されない。

　（加熱庫１３内の食品の有無判定）
　図７は、図１に示す加熱調理器１を模式的に示した模式図である。図７では、加熱庫１３の前面開口部１３ｂを右側に示し、食品４０の出し入れを図中の右側から行うことを想定している。ここで、矢印Ｘ方向は、食品４０を加熱庫１３に入れる方向、矢印Ｙ方向は、食品４０を加熱庫１３から取り出す方向とする。

　図７に示すように、加熱庫１３内に食品４０を配置した状態では、発光素子３１から照射した光は食品４０に遮られて受光素子３２によって受光されない。すなわち、加熱庫１３内に食品４０が配置されている状態では、受光素子３２からは受光していないことを示す信号が後述する制御部２２に送られる。

　一方、図７に示すように、食品４０を加熱庫１３内に配置した状態から、前面開口部１３ｂから矢印Ｙ方向に取り出した場合、発光素子３１から照射された光は受光素子３２によって受光される。従って、受光素子３２からは受光していることを示す信号（受光信号）が後述する制御部２２に送られる。

　以上のように、制御部２２は、受光素子３２からの信号に基づいて、加熱庫１３内に食品４０が配置されているか否かを判定する。すなわち、発光素子３１と受光素子３２とを用いることで、加熱庫１３内に食品４０が配置されているか否かを判定することができる。加熱庫１３内に食品４０が配置されているか否かの判定の詳細は後述する。

　（制御装置）
　図８は、加熱調理器１が備える制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置は、加熱調理器１の動作を制御する制御部２２を備えている。制御部２２は、例えばマイクロコンピュータからなり、ＣＰＵ、ＲＯＭおよびＲＡＭを有する。

　図８に示すように、制御部２２には、操作パネル１１、加熱動作部２３、読取り装置１６、読取り領域照明部２１、読取り結果報知部２４および前扉開閉検知部２５、情報調整部２６およびメモリ（記憶部）３２が接続されている。前扉開閉検知部２５は、例えば前扉１２が閉じられたときにオンするスイッチからなり、前扉１２の開状態および閉状態を検知する。

　加熱動作部２３は、加熱庫１３に配置された食品を加熱する動作部であり、例えばマイクロ波出力装置やヒータである。読取り結果報知部２４は、ブザーや音声発生部であり、制御部２２に制御されて、読取り装置１６による情報コードの読み取りの成功または失敗をユーザに報知する。

　制御部２２は、例えばインターネット回線を使用してサーバ５１と通信可能である。サーバ５１には、各種食品の種類に応じた加熱情報が登録されている。制御部２２は、読取り装置１６が情報コードを読み取ることによって取得した食品の種類に応じた加熱情報をサーバ５１から取得し、取得した加熱情報に従って食品が加熱されるように、加熱動作部２３を制御する。なお、食品の種類に応じた加熱情報は、加熱調理器１自体が有していてもよい。この場合、加熱調理器１はサーバ５１との通信が不要である。

　また、制御部２２は、読取り結果報知部２４の動作を制御し、読取り装置１６による情報コードの読み取りの成功または失敗をユーザに報知させる。

　さらに、制御部２２は、加熱庫１３内に食品４０が存在しているか否かを判定する判定部２２ａ、判定部２２ａの判定結果に基づき加熱動作部２３の加熱動作を制御する加熱制御部２２ｂを含んでいる。

　判定部２２ａは、受光素子３２からの信号に基づいて、加熱庫１３内に食品４０が存在しているか否かを判定する。ここで、判定部２２ａは、受光素子３２から受光していることを示す信号を受け取ると、加熱庫１３内に食品４０が配置されていないと判定し、受光素子３２から受光していないことを示す信号を受け取ると、加熱庫１３内に食品４０が配置されていると判定する。

　加熱制御部２２ｂは、判定部２２ａの判定結果が加熱庫１３内に食品４０があることを示す結果であれば、加熱動作部２３による加熱動作を許可し、一方、加熱庫１３内に食品４０が無いことを示す結果であれば、加熱動作部２３による加熱動作を許可しない。

　情報調整部２６は、読取り装置１６によって読み取られた情報コードに含まれる加熱調理に必要な加熱情報を、食品それぞれに設定された変更情報に基づいて調整する。加熱情とは、加熱調理器１における加熱時間、高周波出力のワット数をいう。変更情報は、所望する加熱温度にするためのデフォルトの加熱情報（加熱時間、ワット数）を変更するための情報であり、デフォルトの加熱情報によって加熱された場合の加熱温度に対して、「あつめ」または「ぬるめ」に変更するための情報である。この「あつめ」または「ぬるめ」に変更するための情報は、上述した操作パネル１１に設けられた加熱変更ボタン１１ａの「あつめ」「ぬるめ」のボタンを操作することで設定される。

　前記変更情報は、前記情報コードに含まれていてもよいし、メモリ５２に食品毎に対応付けて記憶させていてもよいし、インターネット等のネットワークを介してサーバ５１に記憶させていてもよい。

　また、メモリ５２には、読取り装置１６が読み取った情報コードに含まれる加熱情報が記憶される。これにより、情報コードを一度読み取った食品に関しては、加熱情報が加熱調理器１のメモリ５２に登録されるので、加熱情報を加熱調理器１の外部から情報コードを読み取る都度取得する必要がなくなる。従って、情報調整部２６は、読取り装置１６によって読み取られた情報コードによって特定された食品が、メモリ５２に記憶されていれば、当該食品に対応付けられた加熱情報を読み出して、当該加熱情報を、前記変更情報に基づいて調整する。

　（加熱調理器１の動作）
　上記の構成において、加熱調理器１の動作について以下に説明する。ここでは、食品４０を、容器の上面に情報コードが付与された弁当とし、この弁当を加熱調理器１にて加熱する場合について説明する。

　まず、ユーザは、操作パネル１１の案内表示２０（例えば、「ドアを開けて赤色の光に情報コードをかざしてください」）を確認する。そして、ユーザは、この案内表示２０に従って、前扉１２を開ける。この前扉１２の開放状態を前扉開閉検知部２５が検知すると、制御部２２は、読取り装置１６および読取り領域照明部２１を動作させる。

　次に、ユーザは、操作パネル１１の案内表示２０に従って、読取り装置１６の読取り領域１９に情報コードが入るように（情報コードに赤色の光が当たるように）、弁当を移動させる。

　この動作により、読取り装置１６は弁当に付与された情報コードを読み取る。読取り装置１６による情報コードの読み取りが成功すると、制御部２２は、その読取り結果を読取り結果報知部２４にてユーザに報知させる。この場合の読取り結果報知部２４の動作は、例えば「ピー」という連続音を発する動作、「情報コードの読み取りが成功しました」という音声を発する動作、あるいはそれら両方である。

　ユーザは、読取り結果報知部２４にて情報コードの読み取りの成功が知らされると、弁当を加熱庫１３の内部へ配置した後、前扉１２を閉じ、操作パネル１１のスタートボタンを押す。この状態では、図７に示すように、加熱対象である弁当が加熱庫１３内の所定の位置に配置される。つまり、加熱庫１３内の発光素子３１からの光を受光素子３２が受光できない位置に弁当が配置される。このとき、制御部２２は、判定部２２ａによって食品４０が加熱庫１３内に配置されていることが判定され、この判定結果に基づき加熱制御部２２ｂによる加熱制御、すなわち加熱動作部２３による加熱動作が許可される。

　また、ユーザは、「ぬるめ」「あつめ」の何れかを好む場合には、操作パネル１１のスタートボタンを押す前に、操作パネル１１の加熱変更ボタン１１ａの何れかを操作する。

　制御部２２は、情報コードの読み取りが成功すると、サーバ５１と通信し、情報コードが示す食品の種類の応じた加熱情報をサーバ５１から取得する。その後、制御部２２は、ユーザが前扉１２を閉じ、操作パネル１１のスタートボタンを押と、取得した加熱情報に従って加熱庫１３内の弁当を加熱する。

　また、ユーザは、「ぬるめ」「あつめ」の何れかを好む場合、制御部２２は、情報コードの読み取りが成功すると、サーバ５１と通信し、情報コードが示す食品の種類の応じた加熱情報をサーバ５１から取得する。その後、制御部２２は、ユーザが前扉１２を閉じ、操作パネル１１の加熱変更ボタン１１ａが操作され、スタートボタンが押される。そして、スタートボタンの押下に伴って、取得した加熱情報を、食品それぞれに設定された変更情報（ぬるめ、あつめ）に基づいて調整し、調整後の加熱情報に従って加熱庫１３内の弁当を加熱する。

　ここでは、「ぬるめ」「あつめ」の設定は、ワット数はそのままにして加熱時間を調整して行う。食品によって「ぬるめ」「あつめ」の設定は異なるが、例えばデフォルトの加熱時間を基準として、「ぬるめ」の場合、０．９倍の加熱時間に変更し、「あつめ」の場合、１．１倍の加熱時間に変更する。従って、この場合の変更情報は、基準の加熱時間に対する倍率情報である。

　一方、読取り装置１６による情報コードの読み取りが失敗すると、制御部２２は、その読取り結果を読取り結果報知部２４にてユーザに報知させる。この場合の読取り結果報知部２４の動作は、例えば「ピッ、ピッ、ピッ」という断続音を発する動作、「情報コードの読み取りが失敗しました」という音声を発する動作、あるいはそれら両方である。

　ユーザは、読取り結果報知部２４にて情報コードの読み取りの失敗が知らされると、読取り装置１６の読取り領域１９に情報コードが入るように（情報コードに赤色の光が当たるように）、再度、弁当を移動させる。これにより、情報コードの読み取りが成功した場合の動作は、前述のとおりである。

　以上のようにして、弁当の温めが完了すると、その旨がユーザに報知され、ユーザは、加熱庫１３内から弁当を取り出す。弁当を加熱庫１３内から取り出すことにより、発光素子３１から照射した光を受光素子３２によって受光されるようになるため、制御部２２の判定部２２ａは、弁当が加熱庫１３内に無いと判定する。この判定部２２ａの判定結果（弁当が加熱庫１３内に配置されていない）に基づき、加熱制御部２２ｂは、加熱動作部２３による加熱動作を許可しない。これにより、加熱庫１３内に弁当が配置されていない状態での加熱動作部２３による加熱動作は行われない。つまり、無負荷状態での加熱動作は行われない。例えば、弁当の取り出し中に、読取り装置１６が再び情報コードを読み取り、読取りが成功しても、加熱庫１３内には弁当が配置されていない状態なので、加熱動作は行われない。

　（効果）
　上記構成の加熱調理器１によれば、加熱庫１３内に食品４０が配置されているか否かを判定し、判定した結果、加熱庫１３内に食品４０が配置されていなければ、加熱動作部２３による加熱動作を許可しないようになっている。これにより、加熱庫１３内に加熱対象物が存在しない状態、すなわち無負荷状態での加熱動作部２３による加熱動作（無負荷運転）が許可されないので、無負荷運転に起因する問題が生じない。例えば、無負荷運転によってマグネトロンに負担がかかり、機器寿命を短くするといいう問題は生じない。

　つまり、従来のように、無負荷運転であることを判定するために、一度加熱制御を行ってからマグネトロンの温度を検出する場合に比べて、機器に負担をかけないで済むので、機器の寿命を延ばすことができる。

　なお、本実施形態では、発光素子３１を、食品４０の検知用に設けたが、発光素子３１が照射する光が可視光であれば、発光素子３１を設ける代わりに、加熱庫１３内に予め設けられている庫内灯（図示せず）を使用してもよい。この場合、加熱庫１３内に食品４０を配置したときに、庫内灯の光が遮られる位置に受光素子３２を配置すればよい。このように、発光素子３１が照射する光が可視光であれば、既存の庫内灯を用いることができる。

　しかしながら、発光素子３１が照射する光は、赤外光であってもよい。この場合、受光素子３２が受光する光も赤外光である必要がある。このように、赤外光を用いて、加熱庫１３内の食品４０の有無を判定する場合、可視光を用いる場合に比べて、外光等のノイズの影響を受けにくい。

　また、本実施形態では、受光素子３２を一つ用いた例について説明したが、以下の実施形態では、受光素子３２を二つ用いた例について説明する。

　〔実施形態２〕
　本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。

　（加熱調理器２）
　図９は、本実施形態に係る加熱調理器２を模式的に示した模式図である。図９においても、前記実施形態１の図７と同様に、加熱庫１３の前面開口部１３ｂを右側に示し、食品４０の出し入れを図中の右側から行うことを想定している。ここで、矢印Ｘ方向は、食品４０を加熱庫１３に入れる方向、矢印Ｙ方向は、食品４０を加熱庫１３から取り出す方向とする。

　図９に示す加熱調理器２は、受光素子を２つ（第１受光素子３２ａ、第２受光素子３２ｂ）を備えている点で、前記実施形態１の図７に示す加熱調理器１と異なるが、その他の構成について同じである。

　第１受光素子３２ａは、フラットプレート１３ｃの下であって、前面開口部１３ｂの近傍に配置され、第２受光素子３２ｂは、フラットプレート１３ｃの下であって、第１受光素子３２ａよりも加熱庫１３の中央側に配置されている。

　発光素子３１は、第１受光素子３２ａと第２受光素子３２ｂとの両方が受光できる位置に設けられていればよい。図９では、前面開口部１３ｂよりの天面１３ａに発光素子３１が設けられている例を示している。

　（加熱庫１３内の食品の有無判定）
　図９に示す加熱調理器２では、食品４０を前面開口部１３ｂから加熱庫１３に入れるとき、最初に、発光素子３１から照射した光が当該食品４０によって一時的に遮られて第１受光素子３２ａは受光できない状態となる。さらに、食品４０が加熱庫１３に入れられると、発光素子３１から照射した光が当該食品４０によって一時的に遮られて第２受光素子３２ｂは受光できない状態となる。食品４０が加熱庫１３内の所定の位置に配置された状態では、少なくとも第２受光素子３２ｂが受光できない状態であればよい。つまり、食品４０が加熱庫１３内の所定の位置に配置された状態では、第２受光素子３２ｂが受光できない状態、第１受光素子３２ａが受光できる状態であってもよい。

　次に、加熱庫１３内の食品４０を取り出す際には、最初に、第２受光素子３２ｂが受光できる状態となり、発光素子３１から照射された光を受光する。さらに、加熱庫１３内から取り出すように前面開口部１３ｂに向かって食品４０を移動させれば、第１受光素子３２ａが受光できる状態となり、発光素子３１から照射された光を受光する。

　制御部２２の判定部２２ａは、最初、第２受光素子３２ｂからの受光信号を受信し、次に、第１受光素子３２ａからの受光したことを示す信号を受信することで、食品４０が加熱庫１３から取り出されたと判定、すなわち、加熱庫１３内に食品４０が配置されていないと判定する。ここで、食品４０が加熱庫１３から確実に取り出されたことを判定するには、第１受光素子３２ａの配置位置をできるだけ、前面開口部１３ｂ側にするのが好ましい。

　以上のように、制御部２２は、２つの受光素子（第１受光素子３２ａ、第２受光素子３２ｂ）からの受光したことを示す信号の有無により、加熱庫１３内に食品４０が配置されているか否かを判定する。すなわち、発光素子３１と第１受光素子３２ａおよび第２受光素子３２ｂを用いることで、加熱庫１３内の食品４０の検知を行うことができる。

　前記実施形態１、２では、食品４０が加熱庫１３内に配置されていないときに、受光素子３２（第１受光素子３２ａ、第２受光素子３２ｂ）が、天面１３ａの発光素子３１と対向する側のフラットプレート１３ｃの下に配置されていた。しかしながら、これに限定されるものではなく、発光素子３１を加熱庫１３の側面に設けてもよいし、受光素子３２（第１受光素子３２ａ、第２受光素子３２ｂ）を側面に設けてもよい。要するに、発光素子３１が照射した光を配置された食品４０によって受光素子３２（第１受光素子３２ａ、第２受光素子３２ｂ）が受光する光が遮光される位置に、発光素子３１および受光素子３２（第１受光素子３２ａ、第２受光素子３２ｂ）を配置すればよい。

　さらに、受光素子３２を発光素子３１と同じ側の天面１３ａに配置してもよい。この例について、以下の実施形態３で説明する。

　〔実施形態３〕
　本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。

　（加熱調理器３）
　図１０は、本実施形態に係る加熱調理器３を模式的に示した模式図である。図１０においても、前記実施形態１の図７と同様に、加熱庫１３の前面開口部１３ｂを右側に示し、食品４０の出し入れを図中の右側から行うことを想定している。ここで、矢印Ｘ方向は、食品４０を加熱庫１３に入れる方向、矢印Ｙ方向は、食品４０を加熱庫１３から取り出す方向とする。

　図１０に示す加熱調理器３は、発光素子３１と受光素子３２とを加熱庫１３の天面１３ａに配置している点で、前記実施形態１の図７に示す加熱調理器１と異なるが、その他の構成について同じである。

　ここで、加熱調理器３において、受光素子３２は、発光素子３１が照射した光がフラットプレート１３ｃまたは、フラットプレート１３ｃ上に配置された食品４０に当たって反射した光を受光できる位置に配置されている。

　すなわち、フラットプレート１３ｃ上に食品４０が配置されたときの受光素子３２の受光強度と、食品４０が配置されていないときの受光素子３２の受光強度とが異なることを利用して、加熱庫１３内の食品４０の有無を判定しいている。

　ここで、フラットプレート１３ｃが光を透過する素材であれば、フラットプレート１３ｃ上に食品４０が配置されていないときは、発光素子３１から照射された光は当該フラットプレート１３ｃを透過してしまい、受光素子３２が受光する反射光の受光強度は弱い。一方、フラットプレート１３ｃ上に食品４０が配置されたときには、発光素子３１から照射された光は、当該食品４０に当たり反射して受光素子３２が受光する。このときの受光素子３２の受光強度は、フラットプレート１３ｃ上に食品４０が配置されたときの受光素子３２の受光強度よりも強い。

　従って、制御部２２の判定部２２ａでは、フラットプレート１３ｃ上に食品４０が配置されたときの受光素子３２の受光強度を基準値（第１受光強度）として、受光素子３２の受光強度が基準値よりも強ければ、加熱庫１３内に食品４０が存在していると判定する。

　（加熱庫１３内の食品の有無判定）
　図１０に示す加熱調理器３では、食品４０を前面開口部１３ｂから加熱庫１３に入れると、受光素子３２の受信強度が基準値よりも強くなり、食品４０を前面開口部１３ｂから取り出すと、受光素子３２の受光強度が基準値に戻る。

　以上のように、制御部２２は、受光素子３２の受信強度によって、加熱庫１３内に食品４０が配置されているか否かを判定する。

　ここで、加熱庫１３内の食品４０の有無の判定を精度よく行うには、受光素子３２が受光する光の色変化を検知することが考えられる。例えば、発光素子３１において、ＲＧＢを単色で発光して、受光素子３２にてＲＧＢそれぞれの受光強度の変化から、食品４０の有無を検知する。

　なお、本実施形態では、発光素子３１と受光素子３２とを加熱庫１３の天面１３ａに設けた例について説明したが、これに限定されるものでなく、発光素子３１と受光素子３２とを加熱庫１３のフラットプレート１３ｃの下に配置してもよい。この場合、フラットプレート１３ｃの発光素子３１の光の照射部に対向する位置と、受光素子３２の光の受光部に対向する位置とに孔を設けて、加熱調理器３が加熱時に発生するマイクロ波の影響を、発光素子３１および受光素子３２が受けないようにする。

　〔ソフトウェアによる実現例〕
　制御部２２の制御ブロック（特に判定部２２ａ、加熱制御部２２ｂ）は、集積回路（ＩＣチップ）等に形成された論理回路（ハードウェア）によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。

　後者の場合、制御部２２は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも１つのプロセッサ（制御装置）を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも１つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばＣＰＵ（Central Processing Unit）を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ＲＯＭ（Read Only Memory）等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するＲＡＭ（Random Access Memory）などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体（通信ネットワークや放送波等）を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。

　〔まとめ〕
　本発明の態様１に係る加熱調理器は、加熱庫（１３）と、少なくとも食品（４０）の種類を示す情報コードを読み取る読取り装置（１６）と、前記読取り装置（１６）によって読み取られた情報コードに含まれる加熱調理に必要な加熱情報に基づいて、前記加熱庫（１３）内に配置された食品（４０）を加熱制御する加熱制御部（２２ｂ）と、前記加熱庫（１３）内に食品が配置されているか否かを判定する判定部（２２ａ）と、を含み、前記加熱制御部（２２ｂ）は、前記判定部（２２ａ）によって前記加熱庫（１３）内に食品（４０）が配置されていないと判定されたとき、前記加熱制御を行わないことを特徴としている。

　上記の構成によれば、食品を加熱庫から取り出す際に、読取り装置が情報コードを読み取ったとしても、加熱庫内に食品が配置されていなければ、加熱制御を行わない。つまり、加熱調理器における無負荷運転を行わない。従って、無負荷運転に起因する種々の問題、例えば、加熱調理器の加熱部、例えばマグネトロンに負担がかかり、機器寿命を短くするという問題は生じない。

　本発明の態様２に係る加熱調理器は、上記態様１において、前記加熱庫（１３）内の、前記食品（４０）が配置されたときに遮光される位置に受光素子（３２）が設けられ、前記判定部（２２ａ）は、前記受光素子（３２）から受光していることを示す信号を受信しているとき、前記加熱庫（１３）内に食品（４０）が配置されていないと判定し、前記受光素子（３２）から受光していないことを示す信号を受信しているとき、前記加熱庫（１３）内に食品（４０）が配置されていると判定してもよい。

　上記の構成によれば、加熱庫内に食品が配置されているか否かを受光素子の受光の有無で判定できるので、無負荷運転を確実にしないようにできる。つまり、従来のように、無負荷運転であることを判定するために、一度加熱制御を行ってからマグネトロンの温度を検出する場合に比べて、機器に負担をかけないで済むので、機器の寿命を延ばすことができる。

　本発明の態様３に係る加熱調理器は、上記態様２において、前記加熱庫（１３）内に前記受光素子（３２）を複数個備え、前記判定部（２２ａ）は、前記受光素子（３２）の全てから受光していることを示す信号を受信することで、前記加熱庫（１３）内に食品（４０）が配置されていないと判定するようにしてもよい。

　上記構成によれば、加熱庫内に配置された食品の有無をより正確に判定することが可能となる。

　本発明の態様４に係る加熱調理器は、上記態様１において、前記加熱庫（１３）内の、前記食品（４０）が配置されたときに当該食品（４０）からの反射光を受光する受光素子（３２）が設けられ、前記判定部（２２ａ）は、前記受光素子（３２）からの反射光の受光強度が予め設定した第１受光強度（基準値）を越えているとき、前記加熱庫（１３）内に食品（４０）が配置されていると判定し、前記受光素子（３２）からの反射光の受光強度が前記第１受光強度（基準値）以下であるとき、前記加熱庫（１３）内に食品（４０）が配置されていないと判定してもよい。

　上記構成によれば、加熱庫内に食品が配置されているか否かを受光素子の受光強度で判定できるので、無負荷運転を確実にしないようにできる。つまり、従来のように、無負荷運転であることを判定するために、一度加熱制御を行ってからマグネトロンの温度を検出する場合に比べて、機器に負担をかけないで済むので、機器の寿命を延ばすことができる。

　本発明の態様５に係る加熱調理器は、上記態様４において、前記加熱庫（１３）内に前記受光素子（３２）を複数個備え、前記判定部（２２ａ）は、前記受光素子（３２）全ての反射光の受光強度が前記第１受光強度（基準値）以下であるとき、前記加熱庫（１３）内に食品（４０）が配置されていないと判定してもよい。

　本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。

１、２、３　加熱調理器
１１　操作パネル
１１ａ　加熱変更ボタン
１２　前扉
１３　加熱庫
１３ａ　天面
１３ｂ　前面開口部
１３ｃ　フラットプレート
１４　取手
１５　コントロールフレーム
１６　装置
１７　装置基板
１９　領域
２０　案内表示
２１　領域照明部
２２　制御部
２２ａ　判定部
２２ｂ　加熱制御部
２３　加熱動作部
２４　結果報知部
２５　前扉開閉検知部
２６　情報調整部
３１　発光素子
３２　受光素子
３２ａ　第１受光素子
３２ｂ　第２受光素子
４０　食品
５１　サーバ
５２　メモリ

Claims

　加熱庫と、
　少なくとも食品の種類を示す情報コードを読み取る読取り装置と、
　前記読取り装置によって読み取られた情報コードに含まれる加熱調理に必要な加熱情報に基づいて、前記加熱庫内に配置された食品を加熱制御する加熱制御部と、
　前記加熱庫内に食品が配置されているか否かを判定する判定部と、を含み、
　前記加熱制御部は、
　前記判定部によって前記加熱庫内に食品が配置されていないと判定されたとき、前記加熱制御を行わないことを特徴とする加熱調理器。
　前記加熱庫内の、前記食品が配置されたときに遮光される位置に受光素子が設けられ、
　前記判定部は、
　前記受光素子から受光していることを示す信号を受信しているとき、前記加熱庫内に食品が配置されていないと判定し、
　前記受光素子から受光していないことを示す信号を受信しているとき、前記加熱庫内に食品が配置されていると判定することを特徴とする請求項１に記載の加熱調理器。
　前記加熱庫内に前記受光素子を複数個備え、
　前記判定部は、
　前記受光素子の全てから受光していることを示す信号を受信することで、前記加熱庫内に食品が配置されていないと判定することを特徴とする請求項２に記載の加熱調理器。
　前記加熱庫内の、前記食品が配置されたときに当該食品からの反射光を受光する受光素子が設けられ、
　前記判定部は、
　前記受光素子からの反射光の受光強度が予め設定した第１受光強度を越えているとき、前記加熱庫内に食品が配置されていると判定し、
　前記受光素子からの反射光の受光強度が前記第１受光強度以下であるとき、前記加熱庫内に食品が配置されていないと判定することを特徴とする請求項１に記載の加熱調理器。
　前記加熱庫内に前記受光素子を複数個備え、
　前記判定部は、
　前記受光素子全ての反射光の受光強度が前記第１受光強度以下であるとき、前記加熱庫内に食品が配置されていないと判定することを特徴とする請求項４に記載の加熱調理器。