WO2021054230A1 - 金属酸化物膜の形成方法及び成膜装置 - Google Patents

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    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/06Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of metallic material
    • C23C16/18Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of metallic material from metallo-organic compounds

Abstract

本開示の一態様による金属酸化物膜の形成方法は、基板を収容した処理容器内に金属錯体を含む前駆体ガスを供給することにより、前記基板に前駆体層を形成する工程と、前記処理容器内に酸化ガスを供給することにより、前記前駆体層を酸化して金属酸化物層を形成する工程であって、前記酸化ガスがHOを含むガスであるか、又は、前記金属錯体が水素原子を含む官能基を有し、且つ、前記酸化ガスが該官能基と反応してHOガスを生成する酸化剤を含むガスである工程と、前記処理容器内にアルコール類及びアミン類を除く複素環式化合物を含むHO除去ガスを供給することにより、前記金属酸化物層に吸着しているHOの少なくとも一部を除去する工程と、を有し、前記前駆体層を形成する工程と前記金属酸化物層を形成する工程とを含む複数回のサイクルを実行し、前記複数回のサイクルのうち少なくとも一部が、HOの少なくとも一部を除去する工程を含む。

Description

金属酸化物膜の形成方法及び成膜装置
 本開示は、金属酸化物膜の形成方法及び成膜装置に関する。
 チャンバに金属錯体を含む前駆体ガスを供給する工程とチャンバに酸化ガスを供給する工程とを含む複数回のサイクルを実行することで、チャンバ内に収容された基板に金属酸化物膜を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の方法では、複数回のサイクルのうち少なくとも一部が、アルコール類又はアミン類を含むHO除去ガスを供給する工程を含む。
特開2019-16778号公報
 本開示は、ALDプロセスにおける1サイクル中の多層成膜を抑制できる技術を提供する。
 本開示の一態様による金属酸化物膜の形成方法は、基板を収容した処理容器内に金属錯体を含む前駆体ガスを供給することにより、前記基板に前駆体層を形成する工程と、前記処理容器内に酸化ガスを供給することにより、前記前駆体層を酸化して金属酸化物層を形成する工程であって、前記酸化ガスがHOを含むガスであるか、又は、前記金属錯体が水素原子を含む官能基を有し、且つ、前記酸化ガスが該官能基と反応してHOガスを生成する酸化剤を含むガスである工程と、前記処理容器内にアルコール類及びアミン類を除く複素環式化合物を含むHO除去ガスを供給することにより、前記金属酸化物層に吸着しているHOの少なくとも一部を除去する工程と、を有し、前記前駆体層を形成する工程と前記金属酸化物層を形成する工程とを含む複数回のサイクルを実行し、前記複数回のサイクルのうち少なくとも一部が、HOの少なくとも一部を除去する工程を含む。
 本開示によれば、ALDプロセスにおける1サイクル中の多層成膜を抑制できる。
ALDプロセスの1サイクルにおけるHO濃度の測定結果を示す図 一実施形態の金属酸化物膜の形成方法を示すフローチャート O吸着表面にCOHを供給したときの反応を説明するための図 O吸着表面にNを供給したときの反応を説明するための図 一実施形態の金属酸化物膜の形成方法に用いられる成膜装置の一例を示す図 シミュレーションによる吸着エネルギーの算出結果を示す図
 以下、添付の図面を参照しながら、本開示の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
 〔ALDプロセスについて〕
 原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)プロセスにより金属酸化物膜を形成する場合、処理容器内に金属錯体を含む前駆体ガスと酸化ガスとをパージを挟んで交互に供給し、処理容器内の基板に金属酸化物膜を堆積させる。
 ALDプロセスでは、プロセスの低温化に伴い、酸化ガスにより金属錯体が酸化されて金属酸化物膜が形成される際に生じる副生成物HOが、基板上に吸着して滞留する傾向を示す。図1は、ALDプロセスにより酸化ジルコニウム(ZrO)膜を形成する場合の1サイクルにおけるHO濃度の測定結果を示す図である。図1中、横軸に時間を示し、縦軸に処理容器内を排気する配管に設けたHOモニタにより検出したHO濃度[mTorr]を示す。図1に示されるように、酸化ガスであるオゾン(O)ガスの供給(Flow)を開始した直後にHO濃度が急激に上昇していることが分かる。また、Oガスを供給した後、処理容器内を真空引き(VAC)及びパージ(PRG)した直後のHO濃度が、Oガスの供給を開始する直前のHO濃度よりも高いことが分かる。
 これは、HOは分子内の電荷の偏りが大きいため、該金属酸化物膜の表面に物理吸着しやすく、金属酸化物膜の表面に物理吸着したHOがパージにより除去されずに金属酸化物膜の表面に留まる場合があるためと考えられる。
 本発明者らは、このHOに起因してALDプロセスにおける自己制御(Self-limiting)性が低下し、1サイクル中に金属酸化物層が多層に成膜され、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られなくなっていると推察した。すなわち、金属酸化物層の上に前駆体層を形成する際に、HOと金属錯体とが反応(加水分解反応)することで金属錯体のリガンド交換が起こり、水酸基(OH基)を有する前駆体が生成する。この前駆体におけるOH基は、基板表面に形成されたOH基と同程度の反応性を有しているため、上記リガンド交換の後の前駆体は前駆体層を構成する前駆体と反応する。このようにして、前駆体層の表面に更なる前駆体の堆積が起こるため、自己制御性が低下し、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られなくなっていると本発明者らは推察した。なお、「コンフォーマル」とは、ALDプロセスによって処理される基板の処理面(金属酸化物膜が形成される面)の形状に対する追従性に優れており、金属酸化物膜内の厚さの差違が小さいことをいう。
 そこで本発明者らは、処理容器内にアルコール類、アミン類又は複素環式化合物を含むHO除去ガスを供給して金属酸化物層に吸着しているHOの少なくとも一部を除去することで、前駆体層の表面への更なる前駆体の堆積が抑制されることを見出した。以下、詳細に説明する。
 〔金属酸化物膜の形成方法〕
 一実施形態の金属酸化物膜の形成方法は、ALDプロセスにより基板上に金属酸化物膜を形成する方法であり、基板が処理容器内に収容された状態で実行される。基板としては、ALDプロセスを適用可能な基板を広く用いることができる。ALDプロセスを適用可能な基板は、例えばシリコン等で構成された半導体基板である。基板としては、例えばキャパシタ絶縁膜やゲート絶縁膜を有する半導体装置の製造に用いられる半導体基板が挙げられる。
 図2は、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法を示すフローチャートである。一実施形態の金属酸化物膜の形成方法では、前駆体ガスを供給する工程S1と、パージする工程S2と、酸化ガスを供給する工程S3と、HO除去ガスを供給する工程S5と、パージする工程S6と、を含む複数回のサイクルが実行される。
 工程S1では、基板を収容した処理容器内に金属錯体を含む前駆体ガスを供給する。これにより、基板上に前駆体ガスに含まれる金属錯体が化学吸着することにより、前駆体ガスから前駆体層が形成される。具体的には、処理容器内に前駆体ガスが供給されると、前駆体ガスが基板の表面(処理面)に接触し、金属錯体が基板の表面に化学吸着する。つまり、金属錯体に含まれる金属原子が基板の表面に形成された水酸基等の官能基と反応することにより、金属錯体(前駆体)が基板の表面に化学的に結合する。その結果、基板の表面に結合した複数の前駆体からなる前駆体層が形成される。通常、金属錯体同士のリガンド交換は生じないため、基板の表面に垂直な方向には、金属錯体一分子のみが化学吸着し、更なる金属原子の堆積は起こらない。そのため、工程S1では均一な厚さを有する前駆体層が得られる。なお、本明細書において、「前駆体ガス」とは、金属錯体を含む前駆体(プリカーサ)からなるガスを意味する。また、前駆体の構造は、基板に化学吸着する前後において異なるが、本明細書では便宜的にこれらを総称して前駆体という。
 工程S1では、目的とする金属酸化物膜を構成する金属の種類に応じて種々の金属錯体を利用できる。金属錯体は、基板の表面に化学吸着し得るものであればよい。金属錯体は、例えば下記式(1)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
[式(1)中、Mは中心金属を示し、L~Lは各々独立してリガンド(配位子)を示す。L~Lは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
 中心金属は、ハフニウム、ジルコニウム、アルミニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ、モリブデン、コバルト、ニッケル等であってよい。すなわち、金属錯体は、ハフニウム錯体、ジルコニウム錯体、アルミニウム錯体、タンタル錯体、タングステン錯体、チタン錯体、ニオブ錯体、モリブデン錯体、コバルト錯体、ニッケル錯体等であってよい。金属錯体は、高い誘電率を有する金属酸化物膜が得られる観点から、ハフニウム錯体、ジルコニウム錯体、アルミニウム錯体、タンタル錯体、又はタングステン錯体であることが好ましい。金属錯体の具体例としては、トリス(ジメチルアミノ)シクロペンタジエニル・ジルコニウム(Zr[N(CH[C])が挙げられる。
 リガンドとしては、t-ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、t-ブチルアミン等のアミン、シクロペンタジエン、ブタジエン、ベンゼン等が挙げられる。
 リガンドは水素原子を含む官能基を有していてよい。リガンドが水素原子を含む官能基を有する場合、後述する工程S3において供給する酸化ガスに含まれる酸化剤が該官能基と反応してHOを生成する場合がある。そのため、リガンドが水素原子を含む官能基を有し、且つ、酸化ガスが該官能基と反応してHOを生成する酸化剤を含むガスである場合、本開示の効果が顕著に奏される。水素原子を含む官能基としては、例えば、炭化水素基が挙げられる。
 工程S1において前駆体ガスを供給する条件は、特に限定されず、ALDプロセスにより前駆体層を形成する条件として従来公知の条件を適用可能である。ただし、処理容器内の温度が高い場合には、前駆体の分解(例えば基板と前駆体との結合の切断、リガンドの脱離等)が生じ、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られにくい場合がある。また、基板となる半導体基板等の精密化に伴い、プロセスの低温化が求められている。そのため、前駆体ガスを供給する際の処理容器内の温度は、700℃以下であることが好ましい。前駆体ガスを供給する際の処理容器内の温度は、例えば100℃以上であってよい。前駆体ガスを供給する際の処理容器の圧力は、例えば10Pa以上であってよく、50000Pa以下であってよい。前駆体ガスの供給量(供給時間及び流量)は基板の大きさ等に応じて調整してよい。前駆体ガスの供給量は、例えば0.1sccm以上であってよく、1000sccm以下であってよい。工程S1では、基板の表面の全てのOH基が金属錯体と反応するように、前駆体ガスを連続してパルス供給してよい。
 前駆体ガスの供給は、希釈ガス(第1の希釈ガス)環境下で実行してよい。例えば、処理容器内を第1の希釈ガスで置換した後に前駆体ガスを供給してよい。また、例えば前駆体ガスと共に、第1の希釈ガスを処理容器内に供給してもよい。この場合、処理容器内に第1の希釈ガスを供給しながら前駆体ガスを供給してよく、前駆体ガスと第1の希釈ガスとを混合し、第1の希釈ガスによって希釈された前駆体ガス(混合ガス)を処理容器内に供給してもよい。第1の希釈ガスとしては、例えば窒素(N)ガス、希ガス等の不活性ガス、二酸化炭素(CO)ガス及び一酸化炭素(CO)ガスが挙げられる。第1の希釈ガスは、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガス、Nガス、COガス及びCOガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスを含むことが好ましい。
 工程S2では、処理容器内にパージガスを供給する。これにより、処理容器内に残存する前駆体ガスが処理容器内から除去される。具体的には、処理容器内にパージガスが供給されることで、パージガスと共に、処理容器内の前駆体ガスが排気されて処理容器内から除去される。
 パージガスとしては、例えば、窒素ガス、希ガス(例えばアルゴンガス等)等の不活性ガス、二酸化炭素ガス及び一酸化炭素ガスが挙げられる。前駆体ガス、酸化ガス及びHO除去ガスに該当するガスは、パージガスには含まれない。工程S2においてパージガスを供給する条件は、特に限定されないが、前駆体の分解を抑制する観点及び基板への熱ダメージを低減する観点から、700℃以下であることが好ましい。パージガスを供給する際の処理容器内の温度は、例えば100℃以上であってよい。パージガスを供給する際の処理容器内の圧力は、例えば10Pa以上であってよく、50000Pa以下であってよい。パージガスの供給量(供給時間及び流量)は、前駆体ガスが完全に除去されるように適宜設定してよい。パージガスの供給量は、例えば0.1sccm以上であってよく、1000sccm以下であってよい。
 なお、工程S2は、例えば処理容器内にパージガスを供給することなく、処理容器内を真空引きすることにより行われてもよい。また、工程S2は、処理容器内にパージガスを供給した後、処理容器内にパージガスを供給することなく、処理容器内の真空引きすることにより行われてもよい。さらに、工程S2は、パージガスの供給と真空引きとを繰り返すサイクルパージにより行われてもよい。
 工程S3では、処理容器内に酸化ガスを供給する。これにより、酸化ガスにより前駆体層が酸化して金属酸化物層が形成される。具体的には、処理容器内に酸化ガスが供給されると、酸化ガスに含まれる酸化剤が前駆体層と接触し、前駆体層を構成する前駆体と酸化剤とが反応する。これにより、前駆体が酸化され、金属酸化物からなる金属酸化物層が形成される。この際、前駆体からリガンドが脱離する。
 酸化ガスは、HOを含むガス(例えばHOのガス)、又は、金属錯体が有する水素原子を含む官能基と反応してHOを生成する酸化剤を含むガス(例えば金属錯体が有する水素原子を含む官能基と反応してHOを生成する酸化剤のガス)である。なお、HO除去ガスに該当するガスは酸化ガスには含まれない。金属錯体が有する水素原子を含む官能基と反応してHOを生成する酸化剤としては、例えば、O、H/O混合気、Oプラズマ、O、H等が挙げられる。酸化ガスとしてHOを含むガスを用いる場合、酸化ガス由来のHOが金属酸化物膜に水素結合によって吸着する。酸化ガスとしてO、H/O混合気、Oプラズマ、O、H等の酸化剤を含むガスを用いる場合、該酸化剤と金属錯体が有する水素原子を含む官能基との反応由来のHOが金属酸化物膜に水素結合によって吸着する。酸化ガスは、低温条件下で金属酸化物層を形成できるという観点から、O、H/O混合気、Oプラズマ、O及びHからなる群より選択される少なくとも一種を含むガスであることが好ましく、O、H/O混合気、及びOプラズマからなる群より選択される少なくとも一種を含むガスであることがより好ましい。
 工程S3において酸化ガスを供給する条件は、特に限定されない。酸化ガスを供給する際の処理容器内の温度は、前駆体層及び金属酸化物層における金属と処理面との結合を維持するという観点、並びに、基板への熱ダメージを低減するという観点から、700℃以下であることが好ましい。酸化ガスを供給する際の処理容器内の温度は、例えば100℃以上であってよい。酸化ガスを供給する際の処理容器内の圧力は、例えば10Pa以上であってよく、50000Pa以下であってよい。酸化ガスの供給量(供給時間及び流量)は、前駆体層を構成する前駆体が完全に酸化されるように適宜設定してよい。酸化ガスの供給量は、例えば0.1sccm以上であってよく、1000sccm以下であってよい。
 酸化ガスの供給は、希釈ガス(第2の希釈ガス)環境下で実行してよい。例えば、処理容器内を第2の希釈ガスで置換した後に酸化ガスを供給してよい。また、例えば酸化ガスと共に、第2の希釈ガスを処理容器内に供給してもよい。この場合、処理容器内に第2の希釈ガスを供給しながら酸化ガスを供給してもよく、酸化ガスと第2の希釈ガスとを混合し、第2の希釈ガスによって希釈された酸化ガス(混合ガス)を処理容器内に供給してもよい。第2の希釈ガスの詳細は、上述した第1の希釈ガスの詳細と同じである。
 工程S4では、処理容器内にパージガスを供給する。これにより、処理容器内に残存する酸化ガス及び前駆体由来のリガンドが排気されて処理容器内から除去される。工程S4におけるパージガスの詳細及びパージガスを供給する際の条件は、前述した工程S2と同じであってよい。
 工程S5では、処理容器内に、金属酸化物層の表面に吸着したHOを除去するHO除去ガスを供給する。これにより、金属酸化物層に吸着しているHOの少なくとも一部がHO除去ガスにより除去される。具体的には、処理容器内にHO除去ガスが供給されると、HO除去ガスが金属酸化物層に接触し、HO除去ガスに含まれるアルコール類、アミン類又は複素環式化合物によって金属酸化物層に吸着したHOが置換される。これにより、HOが金属酸化物層の表面から脱着する。脱着したHOは、HO除去ガスを連続的に供給することにより、処理容器内から除去される。
 工程S5におけるHOの置換の起こり易さは、例えば置換化合物(例えば、アルコール類、アミン類及び複素環式化合物)の金属酸化物層の表面(表面サイト)に対する吸着エネルギーを評価することにより予測可能である。なお、「吸着エネルギー」は、置換化合物が表面サイトに吸着したときのエネルギーから吸着する前のエネルギーを減算した値で与えられ、負の値は吸着状態が安定であることを意味する。また、吸着エネルギー(負の値)が大きいほど、置換化合物が表面サイトに吸着しやすく、吸着力が強いことを意味する。すなわち、置換化合物の金属酸化物層の表面(表面サイト)に対する吸着エネルギーがHOの金属酸化物層の表面(表面サイト)に対する吸着エネルギーと略同じか大きい場合には、HOが置換化合物によって置換され易いと予測される。アルコール類、アミン類及び複素環式化合物は極性が高く、金属酸化物層の表面サイトに対してHOと略同じか大きい吸着エネルギーを示す。そのため、アルコール類、アミン類又は複素環式化合物と、金属酸化物層に吸着したHOとが表面サイトの取り合いを起こす。その結果、一定の確率でHOがアルコール類、アミン類、又は複素環式化合物によって置換され、HOが金属酸化物層の表面から脱着すると推察される。上記吸着エネルギーは、例えば、ソフトウェアMaterials StudioのDMol3モジュールを用いた密度汎関数法(PBE/DNP)により求められる。
 図3は、HO吸着表面にCOHを供給したときの反応を説明するための図であり、図4は、HO吸着表面にNを供給したときの反応を説明するための図である。図3に示されるように、ガス供給部302から処理容器301内に極性分子であるCOHを含むHO除去ガスが供給されると、金属酸化物層303の表面に吸着したHOの少なくとも一部がCOHに置換される。すなわち、HO吸着表面にCOHを含むHO除去ガスが供給されると、HOが金属酸化物層の表面から脱着する。一方、図4に示されるように、ガス供給部402から処理容器401内に無極性分子であるNガスが供給された場合、金属酸化物層403の表面に吸着したHOは置換されない。すなわち、HO吸着表面にNガスが供給されても、HOが金属酸化物層の表面から脱着しない。
 金属酸化物層に吸着したアルコール類、アミン類又は複素環式化合物は、HOと同様に、再び工程S1を行う際に前駆体である金属錯体と反応し得るが、その立体障害により他の前駆体とは反応しない。そのため、一実施形態では、従来のALDプロセスにおいて懸念される、二以上の前駆体の堆積が起こり難い。すなわち、一実施形態では、工程S5を実行することにより、ALD特有の自己制御性を維持することができ、コンフォーマルな金属酸化物膜を得ることができる。
 HO除去ガスは、アルコール類、アミン類及び複素環式化合物の少なくとも一種を含む。
 アルコール類は、式ROH(式中、Rは、1価の炭化水素基を示す。)で表されるアルコール化合物であり、アミン類は、式R-N(式中、R、R及びRは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、R、R及びRのうちの少なくとも一つは1価の炭化水素基を示す。R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)で表されるアミン化合物である。R、R、R及びRの炭素数は、例えば、1~8であってよい。R、R、R及びRの炭化水素基は、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。R、R、R及びRは、本開示の効果を阻害しない限り、置換基を有していてもよい。R、R、R及びRの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、イソブチル基等のアルキル基、アリル基、フェニル基等が挙げられる。
 アルコール類の具体例としては、メチルアルコール(メタノール)、エチルアルコール(エタノール)、n-プロピルアルコール(1-プロパノール)、イソプロピルアルコール(2-プロパノール)、t-ブチルアルコール(2-メチル-2-プロパノール)、イソブチルアルコール(2-メチル-1-プロパノール)等のアルキルアルコール、アリルアルコール、フェノール等が挙げられる。これらの中でも、金属酸化物に吸着したHOを除去し易いという観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びt-ブチルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく用いられる。
 アミン類の具体例としては、ジエチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、アニリン等が挙げられる。これらの中でも、金属酸化物に吸着したHOを除去し易いという観点から、ジエチルアミン、エチルアミン及びメチルアミンからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく用いられる。
 複素環式化合物は、環の中に少なくとも2種類の異なる元素を含む環式化合物である。複素環式化合物の具体例としては、ピリジン、オキサゾール、テトラヒドロフラン、キヌクリジン等が挙げられる。
 工程S5においてHO除去ガスを供給する条件は、特に限定されない。HO除去ガスを供給する際の処理容器内の温度は、金属酸化物層における金属と処理面との結合を維持する観点、及び、基板へのダメージを低減する観点から、700℃以下であることが好ましい。HO除去ガスを供給する際の処理容器内の温度は、例えば100℃以上であってよい。HO除去ガスを供給する際の処理容器内の圧力は、例えば10Pa以上であってよく、50000Pa以下であってよい。HO除去ガスの供給量(供給時間及び流量)は、金属酸化物層に水素結合によって吸着した全てのHOが除去されるように適宜設定してよい。HO除去ガスの供給量は、例えば0.1sccm以上であってよく、1000sccm以下であってよい。
 HO除去ガスの供給は、希釈ガス(第3の希釈ガス)環境下で実行してよい。例えば、処理容器内を第3の希釈ガスで置換した後にHO除去ガスを供給してよい。また、例えば、HO除去ガスと共に、第3の希釈ガスを処理容器に供給してもよい。この場合、処理容器に第3の希釈ガスを供給しながらHO除去ガスを供給してもよく、HO除去ガスと第3の希釈ガスとを混合し、第3の希釈ガスによって希釈されたHO除去ガス(混合ガス)を処理容器に供給してもよい。第3の希釈ガスの詳細は、上述した第1の希釈ガスの詳細と同じである。
 工程S6では、処理容器内にパージガスを供給する。これにより、処理容器内に残存するHO除去ガスが排気されて処理容器内から除去される。工程S6におけるパージガスの詳細及びパージガスを供給する際の条件は、前述した工程S2と同じであってよい。なお、工程S6は、スループットを向上するという観点から省略してもよい。
 工程S7では、工程S1~S6のサイクルの繰り返し数が所定回数に到達したか否かを判定する。工程S7において、工程S1~S6のサイクルの繰り返し数が所定回数に到達したと判定された場合、処理を終了する。一方、工程S7において、工程S1~S6のサイクルが所定回数に到達していないと判定された場合、工程S1へ戻る。なお、所定回数は、目的とする金属酸化物膜の膜厚に応じて定められる。
 以上に説明したように、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法では、工程S1~S4で金属酸化物層が形成された後、工程S5~S6において金属酸化物膜の表面に吸着したHOの少なくとも一部を除去してから次のサイクルの工程S1を開始する。これにより、HOに起因してALDプロセスにおける自己制御性が低下し、1サイクル中に金属酸化物層が多層に成膜されることを抑制できる。その結果、例えばトレンチ、ホール等の窪みパターンに金属酸化物膜を形成する場合、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られる。
 また、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法は、例えばゲート絶縁膜、キャパシタ絶縁膜を形成する用途において、好適に用いることができる。特に、3DNAND、DRAM等のメモリセルを有する半導体装置では、トレンチ構造の複雑化、トレンチのアスペクト比の増加等に伴い絶縁膜の段差被覆性が重要な課題となってきている。そこで、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法によれば、高ステップカバレッジ及び低ローディング効果の理想的なコンフォーマル成膜が可能である。
 また、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法は低温条件下で実行できるため、低温条件下においてもコンフォーマルな金属酸化物膜を形成できる。また、半導体装置の製造方法において前述の金属酸化物膜の形成方法を適用することにより、キャパシタ絶縁膜、ゲート絶縁膜等の金属酸化物膜の形成プロセスにおける半導体基板への熱によるダメージを低減し、且つコンフォーマルな絶縁膜を形成できる。すなわち、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法によれば、コンフォーマルな絶縁膜(キャパシタ絶縁膜、ゲート絶縁膜等)を有する半導体装置が得られる。
 なお、図2の例では、複数回のサイクルのうち全てのサイクルが、HOの少なくとも一部を除去する工程S5を含む場合を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、複数回のサイクルのうち少なくとも一部が、HOの少なくとも一部を除去する工程S5を含んでいればよい。言い換えると、複数回のサイクルのうち少なくとも一部のサイクルにおいて、HOの少なくとも一部を除去する工程S5を省略してもよい。ただし、よりコンフォーマルな金属酸化物膜を得るという観点から、HOの少なくとも一部を除去する工程S5を行うことが好ましい。また、複数回のサイクルのうち最終のサイクルは、スループット向上の観点から、HOの少なくとも一部を除去する工程S5を含まなくてもよい。
 〔成膜装置〕
 一実施形態の金属酸化物膜の形成方法に用いられる成膜装置について、バッチ式の縦型熱処理装置を例に挙げて説明する。図5は、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法に用いられる成膜装置の一例を示す図である。
 縦型熱処理装置1は、全体として縦長の鉛直方向に延びた形状を有する。縦型熱処理装置1は、縦長で鉛直方向に延びた処理容器10を有する。
 処理容器10は、例えば石英により形成される。処理容器10は、例えば円筒体の内管11と、内管11の外側に同心的に載置された有天井の外管12との2重管構造を有する。処理容器10の下端部は、例えばステンレス鋼製のマニホールド20により気密に保持される。
 マニホールド20は、例えばベースプレート(図示せず)に固定される。マニホールド20は、インジェクタ30と、ガス排気部40とを有する。
 インジェクタ30は、処理容器10内に各種のガスを導入するガス供給部である。各種のガスは、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法において使用されるガスを含む。すなわち、各種のガスは、前駆体ガス、酸化ガス、HO除去ガス、パージガスを含む。
 インジェクタ30には、各種のガスを導入するための配管31が接続される。配管31には、ガス流量を調整するためのマスフローコントローラ等の流量調整部(図示せず)やバルブ(図示せず)等が介設される。なお、インジェクタ30は、例えば1つであってよく(図1参照)、複数(図示せず)であってもよい。
 ガス排気部40は、処理容器10内を排気する。ガス排気部40には、配管41が接続されている。配管41には、処理容器10内を減圧制御可能な開度可変弁42、真空ポンプ43等が介設されている。
 マニホールド20の下端部には、炉口21が形成されている。炉口21には、例えばステンレス鋼製の円盤状の蓋体50が設けられている。
 蓋体50は、昇降機構51により昇降可能に設けられており、炉口21を気密に封止可能に構成されている。蓋体50の上には、例えば石英製の保温筒60が設置されている。
 保温筒60の上には、複数のウエハWを水平状態で所定間隔を有して多段に保持する、例えば石英製のウエハボート70が載置されている。
 ウエハボート70は、昇降機構51を用いて、蓋体50を上昇させることで処理容器10内へと搬入され、処理容器10内に収容される。また、ウエハボート70は、蓋体50を下降させることで処理容器10内から搬出される。ウエハボート70は、長手方向に複数のスロット(支持溝)を有する溝構造を有し、ウエハWはそれぞれ水平状態で上下に間隔をおいてスロットに積載される。ウエハボート70に載置される複数のウエハは、1つのバッチを構成し、バッチ単位で各種の熱処理が施される。
 処理容器10の外側には、ヒータ80が設けられる。ヒータ80は、例えば円筒形状を有し、処理容器10を所定の温度に加熱する。
 縦型熱処理装置1には、例えばコンピュータからなる制御部100が設けられている。制御部100はプログラム、メモリ、CPUからなるデータ処理部等を備えている。プログラムには、制御部100から縦型熱処理装置1の各部に制御信号を送り、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法を実行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。プログラムは、コンピュータ記憶媒体例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)及びメモリーカード等の記憶媒体に格納されて制御部100にインストールされる。
 〔成膜装置の動作〕
 成膜装置の動作について、前述の縦型熱処理装置1を例に挙げて説明する。
 まず、制御部100は、昇降機構51を制御して、複数のウエハWを保持したウエハボート70を処理容器10内に搬入し、処理容器10の下端の開口を蓋体50で気密に塞ぎ密閉する。
 続いて、制御部100は、開度可変弁42を制御して処理容器10内を設定圧力に調整し、ヒータ80を制御してウエハWを設定温度に調整する。また、制御部100は、ウエハボート70を回転させる。
 続いて、制御部100は、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法を実行するように、インジェクタ30から処理容器10内に所定のタイミングで前駆体ガス、酸化ガス、HO除去ガス及びパージガスを供給する。これにより、複数のウエハWの各々の表面に金属酸化物膜が形成される。
 続いて、制御部100は、処理容器10内を大気圧まで昇圧した後、昇降機構51を制御して、蓋体50と共に処理が終了したウエハWを保持したウエハボート70を処理容器10内から搬出する。
 以上により、縦型熱処理装置1を用いて、複数のウエハWに対して一度に金属酸化物膜を形成できる。
 〔シミュレーション結果〕
 ソフトウェアMaterials StudioのDMol3モジュールを用い、密度汎関数法(PBE/DNP)により、HO及び種々の有機化合物の正方晶ジルコニウム酸化物(t-ZrO)の(111)面に対する吸着エネルギーを算出した。
 図6は、シミュレーションによる吸着エネルギーの算出結果を示す図である。図6では、左側から順に、トリメチルアミン〔NMe(upside down)〕、トリメチルアミン〔NMe(TMA)〕、エタン〔C〕、ジエチルエーテル〔DEE〕、ジメチルエーテル〔DME〕、テトラヒドロフラン〔THF〕、水〔HO〕、オキサゾール〔oxazole〕、ピリジン〔Py〕、ジメチルアミン〔DMA〕、メタノール〔MeOH〕、エタノール〔EtOH〕、キヌクリジン〔Quinuclidine〕、1-プロパノール〔1-PrOH〕及びt-ブタノール〔t-BuOH〕のt-ZrOの(111)面に対する吸着エネルギーの算出結果を示す。なお、トリメチルアミン〔NMe(upside down)〕とトリメチルアミン〔NMe(TMA)〕は、t-ZrOの(111)面に対する吸着の態様が異なる場合を示している。具体的には、トリメチルアミン〔NMe(TMA)〕は窒素(N)をt-ZrOの(111)面側に向けて吸着する場合を示し、トリメチルアミン〔NMe(upside down)〕は窒素(N)をt-ZrOの(111)面と反対側に向けて吸着する場合を示す。
 図6に示されるように、トリメチルアミン〔NMe(upside down)〕、トリメチルアミン〔NMe(TMA)〕及びエタン〔C〕の吸着エネルギーは、-1.00eV~-0.50eVであり、t-ZrOの(111)面に対する吸着が弱い。また、ジエチルエーテル〔DEE〕、ジメチルエーテル〔DME〕、テトラヒドロフラン〔THF〕、水〔HO〕及びオキサゾール〔oxazole〕の吸着エネルギーは、-1.50eV~-1.00eVであった。また、ピリジン〔Py〕、ジメチルアミン〔DMA〕、メタノール〔MeOH〕、エタノール〔EtOH〕、キヌクリジン〔Quinuclidine〕、1-プロパノール〔1-PrOH〕及びt-ブタノール〔t-BuOH〕の吸着エネルギーは、-1.50eVよりも高い値であった。
 ALDプロセスによりt-ZrOを形成する場合、吸着エネルギーがHOと同程度であるジエチルエーテル〔DEE〕、ジメチルエーテル〔DME〕、テトラヒドロフラン〔THF〕、オキサゾール〔oxazole〕等の有機化合物や、吸着エネルギーがHOよりも高いピリジン〔Py〕、ジメチルアミン〔DMA〕、メタノール〔MeOH〕、エタノール〔EtOH〕、キヌクリジン〔Quinuclidine〕、1-プロパノール〔1-PrOH〕、t-ブタノール〔t-BuOH〕等の有機化合物を含むHO除去ガスを用いることが好ましい。これにより、ZrO層の表面に物理吸着したHOの少なくとも一部が該有機化合物により置換されて除去される。そのため、HOに起因するALDプロセスにおける自己制御性の低下を抑制できる。その結果、1サイクル中にZrO層が多層に成膜されることが抑制され、コンフォーマルなZrO膜を形成できる。
 また、ZrO層の表面に物理吸着したHOの除去を促進するという観点から、吸着エネルギーがHOよりも特に高いピリジン〔Py〕、ジメチルアミン〔DMA〕、メタノール〔MeOH〕、エタノール〔EtOH〕、キヌクリジン〔Quinuclidine〕、1-プロパノール〔1-PrOH〕、t-ブタノール〔t-BuOH〕等の有機化合物を含むHO除去ガスを用いることが好ましい。
 今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
 上記の実施形態では、成膜装置が複数のウエハに対して一度に処理を行うバッチ式の装置である場合を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、成膜装置はウエハを1枚ずつ処理する枚葉式の装置であってもよい。ただし、バッチ式の装置は枚葉式の装置よりもウエハを収容する処理容器の容積が大きいため、バッチ式の装置を用いて成膜処理を行う場合、枚葉式の装置を用いて成膜処理を行うよりも処理容器内に生じるHOの量が多くなる。そのため、本開示の技術はバッチ式の装置の場合に特に有効である。
 本国際出願は、2019年9月20日に出願した日本国特許出願第2019-172301号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。
1   縦型熱処理装置
10  処理容器
30  インジェクタ
40  ガス排気部
100 制御部

Claims (18)

  1.  基板を収容した処理容器内に金属錯体を含む前駆体ガスを供給することにより、前記基板に前駆体層を形成する工程と、
     前記処理容器内に酸化ガスを供給することにより、前記前駆体層を酸化して金属酸化物層を形成する工程であって、前記酸化ガスがHOを含むガスであるか、又は、前記金属錯体が水素原子を含む官能基を有し、且つ、前記酸化ガスが該官能基と反応してHOガスを生成する酸化剤を含むガスである工程と、
     前記処理容器内にアルコール類及びアミン類を除く複素環式化合物を含むHO除去ガスを供給することにより、前記金属酸化物層に吸着しているHOの少なくとも一部を除去する工程と、
     を有し、
     前記前駆体層を形成する工程と前記金属酸化物層を形成する工程とを含む複数回のサイクルを実行し、
     前記複数回のサイクルのうち少なくとも一部が、HOの少なくとも一部を除去する工程を含む、
     金属酸化物膜の形成方法。
  2.  前記複素環式化合物は、ピリジン、オキサゾール、テトラヒドロフランのうちの少なくとも1つである、
     請求項1に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  3.  前記金属錯体は、ハフニウム錯体、ジルコニウム錯体、アルミニウム錯体、タンタル錯体、タングステン錯体、チタン錯体、ニオブ錯体、モリブデン錯体、コバルト錯体、又はニッケル錯体である、
     請求項1又は2に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  4.  前記金属錯体は、Zr[N(CH[C]である、
     請求項3に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  5.  前記酸化ガスは、O、H/O、Oプラズマ、O及びHのうちの少なくとも1つを含む、
     請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  6.  前記前駆体層を形成する工程と前記金属酸化物層を形成する工程との間に、前記処理容器内にパージガスを供給することにより、前記処理容器内に残存する前記前駆体ガスをパージする工程を更に有する、
     請求項1乃至5のいずれか一項に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  7.  前記金属酸化物層を形成する工程と前記HOの少なくとも一部を除去する工程との間に、前記処理容器内にパージガスを供給することにより、前記処理容器内に残存する前記酸化ガスをパージする工程を更に有する、
     請求項1乃至6のいずれか一項に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  8.  前記処理容器は、複数の前記基板を収容する、
     請求項1乃至7のいずれか一項に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  9.  前記金属酸化物膜は、キャパシタ絶縁膜である、
     請求項1乃至8のいずれか一項に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  10.  前記金属酸化物膜は、ゲート絶縁膜である、
     請求項1乃至8のいずれか一項に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  11.  基板を収容した処理容器内にZr[N(CH[C]を含む前駆体ガスを供給することにより、前記基板に前駆体層を形成する工程と、
     前記処理容器内に酸化ガスを供給することにより、前記前駆体層を酸化して金属酸化物層を形成する工程であって、前記酸化ガスがZr[N(CH[C]と反応してHOガスを生成する酸化剤を含むガスである工程と、
     前記処理容器内にアルコール類、アミン類又は複素環式化合物を含むHO除去ガスを供給することにより、前記金属酸化物層に吸着しているHOの少なくとも一部を除去する工程と、
     を有し、
     前記前駆体層を形成する工程と前記金属酸化物層を形成する工程とを含む複数回のサイクルを実行し、
     前記複数回のサイクルのうち少なくとも一部が、HOの少なくとも一部を除去する工程を含む、
     金属酸化物膜の形成方法。
  12.  前記酸化ガスは、O、H/O、Oプラズマ、O及びHのうちの少なくとも1つを含む、
     請求項11に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  13.  前記前駆体層を形成する工程と前記金属酸化物層を形成する工程との間に、前記処理容器内にパージガスを供給することにより、前記処理容器内に残存する前記前駆体ガスをパージする工程を更に有する、
     請求項11又は12に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  14.  前記金属酸化物層を形成する工程と前記HOの少なくとも一部を除去する工程の間に、前記処理容器内にパージガスを供給することにより、前記処理容器内に残存する前記酸化ガスをパージする工程を更に有する、
     請求項11乃至13のいずれか一項に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  15.  前記処理容器は、複数の前記基板を収容する、
     請求項11乃至14のいずれか一項に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  16.  前記金属酸化物膜は、キャパシタ絶縁膜である、
     請求項11乃至15のいずれか一項に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  17.  前記金属酸化物膜は、ゲート絶縁膜である、
     請求項11乃至15のいずれか一項に記載の金属酸化物膜の形成方法。
  18.  複数の基板を収容する処理容器と、
     前記処理容器内にガスを供給するガス供給部と、
     制御部と、
     を備え、
     前記制御部は、
     前記処理容器内に金属錯体を含む前駆体ガスを供給することにより、前記基板に前駆体層を形成する工程と、
     前記処理容器内に酸化ガスを供給することにより、前記前駆体層を酸化して金属酸化物層を形成する工程であって、前記酸化ガスがHOを含むガスであるか、又は、前記金属錯体が水素原子を含む官能基を有し、且つ、前記酸化ガスが該官能基と反応してHOガスを生成する酸化剤を含むガスである工程と、
     前記処理容器内に複素環式化合物を含むHO除去ガスを供給することにより、前記金属酸化物層に吸着しているHOの少なくとも一部を除去する工程と、
     を実行するように前記ガス供給部を制御し、
     前記制御部は、
     前記前駆体層を形成する工程と前記金属酸化物層を形成する工程とを含む複数回のサイクルを実行し、
     前記複数回のサイクルのうち少なくとも一部が、HOの少なくとも一部を除去する工程を含むように、前記ガス供給部を制御する、
     成膜装置。
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