JP2019016778A - 半導体装置の製造方法及び金属酸化物膜の形成方法 - Google Patents

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恒 樋口
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Kosuke Yamamoto
康介 山本
歩太 鈴木
Ayuta Suzuki
歩太 鈴木
和愛 松崎
Kazuyoshi Matsuzaki
和愛 松崎
裕志 瀬下
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裕志 瀬下
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奨 高田
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【課題】低温条件下においてもコンフォーマルな金属酸化物膜を形成する金属酸化物膜の形成方法及び半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】チャンバに金属錯体を含む前駆体ガスを供給する工程S1と、チャンバに酸化ガスを供給する工程であり、酸化ガスがH2Oを含むガスであるか又は金属錯体が水素原子を含む官能基を有し、且つ、酸化ガスが該官能基と反応してH2Oを生成する酸化剤を含むガスであり、該酸化ガスにより前駆体層が酸化して金属酸化物層が形成される工程S3と、チャンバにアルコール類又はアミン類を含むH2O除去ガスを供給する工程であり、金属酸化物層に吸着しているH2Oが該H2O除去ガスにより除去される工程SJ2と、を含む。各々が前駆体ガスを供給する工程と酸化ガスを供給する工程とを含む複数回のサイクルを実行し、複数回のサイクルのうち少なくとも一部が、H2O除去ガスを供給する工程を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、半導体装置の製造方法及び金属酸化物膜の形成方法に関する。
近年、半導体装置におけるゲート絶縁膜及びキャパシタ絶縁膜として、高誘電率絶縁膜(High−K絶縁膜)が用いられるようになってきている。このような高誘電率絶縁膜としては、例えば、HfO等の高い誘電率を有する金属酸化物からなる絶縁膜が知られている。
また、半導体装置では、トランジスタにおけるチャネル長の確保、キャパシタ容量の増大等の観点から、半導体基板の表面にトレンチが形成され、該トレンチが形成された表面に金属酸化物膜(ゲート絶縁膜及びキャパシタ絶縁膜)が形成されるようになってきている。そのため、良好な段差被覆性(ステップ・カバレッジ)でコンフォーマルな金属酸化物膜を形成することが重要な課題となってきている。
ところで、金属酸化物膜を形成する方法としては、化学的気相堆積(Chemical Vapor Deposition:CVD)法、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法等が知られている。これらの中でも、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られること等の理由から、ALD法が注目されている。ここで、「コンフォーマル」とは、ALD法によって処理される被処理体の処理面(金属酸化物膜が形成される面)の形状に対する追従性に優れており、金属酸化物膜内の厚さの差違が小さいことをいう。
例えば、非特許文献1には、ALD法による金属酸化物膜の形成方法として、TDMAH(Tetrakis(dimethylamino)hafnium)を前駆体(プリカーサ)として用いて基板上に前駆体層を形成した後、HOにより該前駆体層を酸化することでHfOからなる膜を形成する方法が開示されている。
Mahdi Shirazi and Simon D. Eliliott, Chem. Matter. (2013), 15, 878.
しかしながら、非特許文献1の方法では、低温条件下で金属酸化物膜の形成プロセス(ALDプロセス)を実行した場合に、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られないことがある。
そこで、本開示は、低温条件下においてもコンフォーマルな金属酸化物膜を形成することができる、金属酸化物膜の形成方法及び当該方法を用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ALD法において酸化剤としてHOを用いる場合にHOの一部が金属酸化物層に水素結合によって吸着することがあること、及び、プロセスの低温化に伴い、上記金属酸化物層に吸着したHOが除去されずに金属酸化物層上に留まることがあることを見出した。本発明者らは、このHOに起因してALD法特有の自己制御(Self−limitting)性が低下し、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られなくなっていると推察した。すなわち、金属酸化物層上に前駆体層を形成する際に、上記HOと前駆体である金属錯体とが反応(加水分解反応)することで金属錯体のリガンド交換が起こり、水酸基(OH基)を有する前駆体が生成する。この前駆体におけるOH基は、被処理体表面に形成されたOH基と同程度の反応性を有しているため、上記リガンド交換後の前駆体は前駆体層を構成する前駆体と反応する。このようにして、前駆体層上に更なる前駆体の堆積が起こるため、自己制御性が低下し、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られなくなっていると本発明者らは推察した。
そこで、本発明者らは、HOによる酸化に代えて、O等の酸化剤を用いて前駆体層の酸化を行うことを検討した。しかしながら、この方法では、金属錯体が水素原子を含む官能基を有する場合に、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られないことが明らかになった。これは、酸化剤によって金属錯体が有する上記官能基中の水素原子が引き抜かれることでHOが副生し、このHOに起因して自己制御性が低下したためと推察される。
上述した知見に基づき更に検討を行った結果、本発明者らは、金属酸化物層の形成後、前駆体ガスを供給する前に、チャンバ内に特定のガスを導入することで上記金属酸化物層に吸着したHOを除去することができ、続く前駆体ガスを供給する工程において、前駆体層上への更なる前駆体の堆積が抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
一態様において、金属酸化物膜を有する半導体装置を製造する方法が提供される。この方法は、被処理体がチャンバ内に収容された状態で実行される。この方法は、チャンバに金属錯体を含む前駆体ガスを供給する工程であり、被処理体上に前駆体ガスから前駆体層が形成される、該工程と、チャンバに酸化ガスを供給する工程であり、酸化ガスがHOを含むガスであるか、又は、金属錯体が水素原子を含む官能基を有し、且つ、酸化ガスが該官能基と反応してHOを生成する酸化剤を含むガスであり、該酸化ガスにより前駆体層が酸化して金属酸化物層が形成される、該工程と、チャンバにアルコール類又はアミン類を含むHO除去ガスを供給する工程であり、金属酸化物層に吸着しているHOが該HO除去ガスにより除去される、該工程と、を含む。この方法では、各々が前駆体ガスを供給する工程と酸化ガスを供給する工程とを含む複数回のサイクルが実行される。複数回のサイクルのうち少なくとも一部は、HO除去ガスを供給する工程を含む。この方法によれば、HO除去ガスによって金属酸化物層に吸着したHOが除去されるため、コンフォーマルな金属酸化物膜を有する半導体装置が得られる。
一態様において、原子層堆積法により被処理体上に金属酸化物膜を形成する方法が提供される。この方法は、被処理体がチャンバ内に収容された状態で実行される。この方法は、チャンバに金属錯体を含む前駆体ガスを供給する工程であり、被処理体上に前駆体ガスから前駆体層が形成される、該工程と、チャンバに酸化ガスを供給する工程であり、酸化ガスがHOを含むガスであるか、又は、金属錯体が水素原子を含む官能基を有し、且つ、酸化ガスが該官能基と反応してHOを生成する酸化剤を含むガスであり、該酸化ガスにより前駆体層が酸化して金属酸化物層が形成される、該工程と、チャンバにアルコール類又はアミン類を含むHO除去ガスを供給する工程であり、金属酸化物層に吸着しているHOが該HO除去ガスにより除去される、該工程と、を含む。この方法では、各々が前駆体ガスを供給する工程と酸化ガスを供給する工程を含む複数回のサイクルが実行される。複数回のサイクルのうち少なくとも一部は、HO除去ガスを供給する工程を含む。この方法によれば、HO除去ガスによって金属酸化物層に吸着したHOが除去されるため、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られる。
一実施形態では、金属酸化物膜は、半導体基板上に設けられたキャパシタ絶縁膜を構成する。
一実施形態では、金属酸化物膜は、半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜を構成する。
一実施形態の方法は、前駆体ガスを供給する工程と酸化ガスを供給する工程との間において、チャンバにパージガスを供給する工程を更に含む。
一実施形態の方法は、酸化ガスを供給する工程とHO除去ガスを供給する工程との間において、チャンバにパージガスを供給する工程を更に含む。
一実施形態では、HO除去ガスを供給する工程の後、前駆体ガスを供給する工程を再び実行する前に、チャンバにパージガスが供給されない。
一実施形態では、複数回のサイクルのうち最終のサイクルは、HO除去ガスを供給する工程を含まない。
一実施形態では、HO除去ガスは、アルコール類として、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、及びt−ブチルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種を含む。
一実施形態では、金属錯体は、ハフニウム錯体、ジルコニウム錯体、アルミニウム錯体、タンタル錯体、タングステン錯体、チタン錯体、ニオブ錯体、モリブデン錯体、コバルト錯体、又はニッケル錯体である。
一実施形態では、金属錯体は、ハフニウム錯体として、Hf[N(CH、Hf[N(CHCH)(CH)]、Hf[N(CH[C]、Hf[N(CHCH及びHf[OC(CHからなる群より選択される少なくとも一種を含む。
一実施形態の酸化ガスを供給する工程では、酸化ガスとして、O、H/O混合気、Oプラズマ、O、及びHからなる群より選択される少なくとも一種を含むガスを供給する。
一実施形態の前駆体ガスを供給する工程では、前駆体ガスとともに、Heガス、Neガス、Arガス、Krガス、Xeガス、Nガス、COガス及びCOガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスを含む第1の希釈ガスをチャンバに供給する。
一実施形態の酸化ガスを供給する工程では、酸化ガスとともに、Heガス、Neガス、Arガス、Krガス、Xeガス、Nガス、COガス及びCOガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスを含む第2の希釈ガスをチャンバに供給する。
一実施形態のHO除去ガスを供給する工程では、HO除去ガスとともに、Heガス、Neガス、Arガス、Krガス、Xeガス、Nガス、COガス及びCOガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスを含む第3の希釈ガスをチャンバに供給する。
本開示によれば、低温条件下においてもコンフォーマルな金属酸化物膜を形成することができる、金属酸化物膜の形成方法及び当該方法を用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。また、本開示の方法によれば、キャパシタ絶縁膜の形成プロセスにおける半導体基板への熱によるダメージを低減しつつ、コンフォーマルなキャパシタ絶縁膜を形成することができる。すなわち、本開示の方法により得られる半導体装置は、コンフォーマルなキャパシタ絶縁膜を有する。
図1は、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法を示す流れ図である。 図2は、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法に用いられる成膜装置を例示する模式断面図である。 図3は、一実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図である。 図4は、一実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本開示の実施形態について詳細に説明する。
図1は、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法を示す流れ図である。図1に示す方法は、原子層堆積法により被処理体上に金属酸化物膜を形成する方法である。方法MTは、被処理体がチャンバ内に収容された状態で実行される。方法MTは、被処理体をチャンバ内に収容する工程S0と、チャンバに金属錯体を含む前駆体ガスを供給する工程S1と、チャンバにパージガスを供給する工程S2と、チャンバに酸化ガスを供給する工程S3と、チャンバにパージガスを供給する工程S4と、チャンバにアルコール類又はアミン類を含むHO除去ガスを供給する工程S5と、方法MTを終了するか否かを判定する工程SJ1と、工程S5を実行するか否かを判定する工程SJ2と、を含む。
方法MTでは、各々が工程S1と、工程S2と、工程S3と、工程S4と、を含む複数回のサイクルが実行される。具体的には、まず、工程S1が実行され、次いで、工程S2が実行され、次いで、工程S3が実行され、次いで工程S4が実行され、次いで工程SJ1が実行される。工程SJ1では、複数回のサイクルの実行を終了するか否かが判定される。即ち、複数回且つ所定回数のサイクルが実行されていなければ、工程SJ1での判定結果はNOになる。また、工程SJ1での判定結果がNOである場合には、工程SJ2が実行される。工程SJ2では、工程S5を実行するか否かが判定される。なお、複数回のサイクルのうち少なくとも一部は、工程S5を含む。工程SJ2においてYESと判定された場合には工程S5を実行した後、再度上記サイクルを繰り返す。工程SJ2においてNOと判定された場合には、工程S5を実行せずに再度上記サイクルを繰り返す。
方法MTでは、スループット向上の観点から、工程S5の後、工程S1を再び実行する前に、チャンバにパージガスが供給されなくてもよい。
各サイクルにおいて工程S5は任意の工程であるが、よりコンフォーマルな金属酸化物膜を得る観点では、工程S5を実行することが好ましい。ただし、方法MTにおける複数回のサイクルのうち最終のサイクルは、スループット向上の観点から、工程S5を含まなくてもよい。なお、サイクルが工程S5を含まない場合、工程S4は、工程S3と、次のサイクルにおける工程S1との間において実行される。工程S3の後に方法MTを終了する場合には、工程S4は、工程S3と方法MTの終了までの間において実行される。
以上の方法MTでは、第1のサイクルで第1の金属酸化物層が形成された後、次のサイクルで第1の金属酸化物層上に第2の金属酸化物層が形成される。このように、複数のサイクルを繰り返し実行することにより、複数の金属酸化物層からなる金属酸化物膜が得られる。方法MTにおけるサイクルの繰り返し数は、目的とする酸化物膜の厚さが得られるように適宜設定してよい。
以下、図2を参照して、方法MTにおける工程S0〜工程S5の詳細について説明する。なお、一のサイクルにおける工程S1〜工程S5の内容は、他のサイクルにおける工程S1〜工程S5の内容と同一であってよく、異なっていてもよい。
図2は、一実施形態の金属酸化物膜の形成方法に用いられる成膜装置を例示する模式断面図である。図2の矢印はガス(前駆体ガス、酸化ガス、HO除去ガス、パージガス等)の供給方向を示す。成膜装置(ALD成膜装置)1は、チャンバ本体2、ステージ4、ガス供給部5、及び、排気装置6を備えている。チャンバ本体2は、その内部空間をチャンバ7として提供している。ステージ4は、チャンバ7内に設けられている。ステージ4は、その上に配置された被処理体3を支持するように構成されている。ガス供給部5及び排気装置6は、チャンバ本体2の外部に設けられており、チャンバ本体2に接続されている。ガス供給部5は、方法MTにおいて使用される複数種のガスをチャンバ7に供給するように構成されている。排気装置6は、ターボ分子ポンプ、ドライポンプといった一以上のポンプ、及び、圧力制御弁を有しており、チャンバ7を排気するように構成されている。図2において、ガス供給部5及び排気装置6は一つであるが、これらは複数であってもよい。
工程S0では、ステージ4上に被処理体3を配置する。被処理体3としては、ALD法を適用可能な基体(例えば基板)を広く用いることができる。ALD法を適用可能な基体は、例えば、シリコン等で構成された半導体基板である。このような被処理体としては、例えば、キャパシタ絶縁膜を有する半導体装置の製造に用いられる半導体基板、ゲート絶縁膜を有する半導体装置の製造に用いられる半導体基板等が挙げられる。
工程S1では、被処理体3上に前駆体ガス中の金属錯体が化学吸着することにより、前駆体ガスから前駆体層が形成される。具体的には、ガス供給部5よりチャンバ7に前駆体ガスが供給されると、前駆体ガスが被処理体3の表面(処理面)に接触し、金属錯体が被処理体3の表面に化学吸着する。つまり、金属錯体中の金属原子が被処理体3の表面に形成された水酸基等の官能基と反応することにより、金属錯体(前駆体)が被処理体3の表面に化学的に結合する。その結果、被処理体3の表面に結合した複数の前駆体からなる前駆体層が形成される。通常、金属錯体同士のリガンド交換は生じないため、被処理体3の表面に垂直な方向には、金属錯体一分子のみが化学吸着し、更なる金属原子の堆積は起こらない。そのため、工程S1では均一な厚さを有する前駆体層が得られる。なお、本明細書中、「前駆体ガス」とは、金属錯体を含む前駆体(プリカーサ)からなるガスを意味する。また、前駆体の構造は、被処理体に化学吸着する前後において異なるが、本明細書では便宜的にこれらを総称して前駆体という。
工程S1では、目的とする金属酸化物膜を構成する金属の種類に応じて種々の金属錯体を用いることができる。金属錯体は、被処理体3の表面に化学吸着し得るものであればよい。金属錯体は、例えば、下記式(1)で表される。
Figure 2019016778

[式(1)中、Mは中心金属を示し、L〜Lは各々独立してリガンド(配位子)を示す。L〜Lは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
中心金属は、ハフニウム、ジルコニウム、アルミニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ、モリブデン、コバルト、ニッケル等であってよい。すなわち、金属錯体は、ハフニウム錯体、ジルコニウム錯体、アルミニウム錯体、タンタル錯体、タングステン錯体、チタン錯体、ニオブ錯体、モリブデン錯体、コバルト錯体、ニッケル錯体等であってよい。金属錯体は、高い誘電率を有する金属酸化物膜が得られる観点から、ハフニウム錯体、ジルコニウム錯体、アルミニウム錯体、タンタル錯体、又はタングステン錯体であることが好ましい。
リガンドとしては、t−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、t−ブチルアミン等のアミン、シクロペンタジエン、ブタジエン、ベンゼンなどが挙げられる。
リガンドは水素原子を含む官能基を有していてよい。リガンドが水素原子を含む官能基を有する場合、後述する工程S3において供給する酸化ガス中の酸化剤が該官能基と反応してHOを生成する場合がある。そのため、リガンドが水素原子を含む官能基を有し、且つ、酸化ガスが該官能基と反応してHOを生成する酸化剤を含むガスである場合、本発明の効果が顕著に奏されることとなる。水素原子を含む官能基としては、例えば、炭化水素基が挙げられる。
金属錯体の具体例としては、Hf[N(CH、Hf[N(CHCH)(CH)]、Hf[N(CH[C]、Hf[N(CHCH、及びHf[OC(CHが挙げられる。これらの中でも、蒸気圧確保の観点から、Hf[N(CH、Hf[N(CHCH)(CH)]、及びHf[N(CH[C]からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく用いられる。
工程S1において前駆体ガスを供給する条件は、特に限定されず、ALD法により前駆体層を形成する条件として従来公知の条件を適用可能である。ただし、チャンバ7内の温度が高い場合には、前駆体の分解(例えば被処理体と前駆体との結合の切断、リガンドの脱離等)が生じ、コンフォーマルな金属酸化物膜が得られにくくなることがある。また、被処理体となる半導体基板等の精密化に伴い、プロセスの低温化が求められている。そのため、前駆体ガスを供給する際のチャンバ7内の温度は、700℃以下であることが好ましい。前駆体ガスを供給する際のチャンバ7内の温度は、例えば、100℃以上であってよい。前駆体ガスを供給する際のチャンバ7内の圧力は、例えば、10Pa以上であってよく、50000Pa以下であってよい。前駆体ガスの供給量(供給時間及び流量)は被処理体の大きさ等に応じて調整してよい。前駆体ガスの供給量は、例えば、0.1sccm以上であってよく、1000sccm以下であってよい。工程S1では、被処理体3の表面の全てのOH基が金属錯体と反応するように、前駆体ガスを連続してパルス供給してよい。
前駆体ガスの供給は、希釈ガス(第1の希釈ガス)環境下実行してよい。例えば、チャンバ7内を第1の希釈ガスで置換した後に前駆体ガスを供給してよい。また、例えば、前駆体ガスとともに、第1の希釈ガスをチャンバ7に供給してもよい。この場合、チャンバ7に第1の希釈ガスを供給しながら前駆体ガスを供給してよく、前駆体ガスと第1の希釈ガスとを混合し、第1の希釈ガスによって希釈された前駆体ガス(混合ガス)をチャンバ7に供給してもよい。第1の希釈ガスとしては、例えば、窒素(N)ガス、希ガスなどの不活性ガス、二酸化炭素(CO)ガス及び一酸化炭素(CO)ガスが挙げられる。第1の希釈ガスは、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガス、Nガス、COガス及びCOガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスを含むことが好ましい。
工程S2では、パージガスにより前駆体ガスがチャンバ7から除去される。具体的には、ガス供給部5よりチャンバ7にパージガスが供給されることで、パージガスとともに、チャンバ7内の前駆体ガスが排気装置6によりチャンバ7から除去される。パージガスとしては、例えば、窒素ガス、希ガス(例えばアルゴンガス等)などの不活性ガス、二酸化炭素ガス及び一酸化炭素ガスが挙げられる。前駆体ガス、酸化ガス及びHO除去ガスに該当するガスはパージガスには含まれない。工程S2においてパージガスを供給する条件は、特に限定されないが、前駆体の分解を抑制する観点及び被処理体への熱ダメージを低減する観点から、700℃以下であることが好ましい。パージガスを供給する際のチャンバ7内の温度は、例えば、100℃以上であってよい。パージガスを供給する際のチャンバ7内の圧力は、例えば、10Pa以上であってよく、50000Pa以下であってよい。パージガスの供給量(供給時間及び流量)は、前駆体ガスが完全に除去されるように適宜設定してよい。パージガスの供給量は、例えば、0.1sccm以上であってよく、1000sccm以下であってよい。
工程S3では、酸化ガスにより前駆体層が酸化して金属酸化物層が形成される。具体的には、ガス供給部5よりチャンバ7に酸化ガスが供給されると、酸化ガス中の酸化剤が前駆体層と接触し、前駆体層を構成する前駆体と酸化剤とが反応する。これにより、前駆体が酸化され、金属酸化物からなる金属酸化物層が形成される。この際、前駆体からリガンドが脱離する。
酸化ガスは、HOを含むガス(例えばHOのガス)、又は、金属錯体が有する水素原子を含む官能基と反応してHOを生成する酸化剤を含むガス(例えば金属錯体が有する水素原子を含む官能基と反応してHOを生成する酸化剤のガス)であり、HO除去ガスに該当するガスは酸化ガスには含まれない。金属錯体が有する水素原子を含む官能基と反応してHOを生成する酸化剤としては、例えば、O、H/O混合気、Oプラズマ、O、H等が挙げられる。酸化ガスとしてHOを含むガスを用いる場合、酸化ガス由来のHOが金属酸化物膜に水素結合によって吸着する。酸化ガスとしてO、H/O混合気、Oプラズマ、O、H等の酸化剤を含むガスを用いる場合、該酸化剤と金属錯体が有する水素原子を含む官能基との反応由来のHOが金属酸化物膜に水素結合によって吸着する。酸化ガスは、低温条件下で金属酸化物層を形成することができる観点から、O、H/O混合気、Oプラズマ、O及びHからなる群より選択される少なくとも一種を含むガスであることが好ましく、O、H/O混合気、及びOプラズマからなる群より選択される少なくとも一種を含むガスであることがより好ましい。
工程S3において酸化ガスを供給する条件は、特に限定されないが、酸化ガスを供給する際のチャンバ7内の温度は、前駆体層及び金属酸化物層における金属と処理面との結合を維持する観点、並びに、被処理体3への熱ダメージを低減する観点から、700℃以下であることが好ましい。酸化ガスを供給する際のチャンバ7内の温度は、例えば、100℃以上であってよい。酸化ガスを供給する際のチャンバ7内の圧力は、例えば、10Pa以上であってよく、50000Pa以下であってよい。酸化ガスの供給量(供給時間及び流量)は、前駆体層を構成する前駆体が完全に酸化されるように適宜設定してよい。酸化ガスの供給量は、例えば、0.1sccm以上であってよく、1000sccm以下であってよい。
酸化ガスの供給は、希釈ガス(第2の希釈ガス)環境下実行してよい。例えば、チャンバ7内を第2の希釈ガスで置換した後に酸化ガスを供給してよい。また、例えば、酸化ガスとともに、第2の希釈ガスをチャンバ7に供給してもよい。この場合、チャンバ7に第2の希釈ガスを供給しながら酸化ガスを供給してもよく、酸化ガスと第2の希釈ガスとを混合し、第2の希釈ガスによって希釈された酸化ガス(混合ガス)をチャンバ7に供給してもよい。第2の希釈ガスの詳細は、上述した第1の希釈ガスの詳細と同じである。
工程S4では、ガス供給部5よりチャンバ7にパージガスを供給することにより、酸化ガス及び前駆体由来のリガンドが排気装置6によりチャンバ7から除去される。工程S4におけるパージガスの詳細及びパージガスを供給する際の条件は、上述した工程S2と同じであってよい。
工程S5では、金属酸化物層に吸着しているHOがHO除去ガスにより除去される。具体的には、ガス供給部5よりチャンバ7にHO除去ガスが供給されると、HO除去ガスが金属酸化物層に接触し、HO除去ガス中のアルコール類又はアミン類によって金属酸化物層に吸着したHOが置換される。これにより、HOが金属酸化物層の表面から脱着する。脱着したHOは、HO除去ガスを連続的に供給することにより、チャンバ7から除去される。
工程S5におけるHOの置換の起こり易さは、例えば、置換化合物(例えば、アルコール類及びアミン類)の金属酸化物層の表面(表面サイト)に対する吸着エネルギーを評価することにより予測可能である。すなわち、置換化合物の金属酸化物層の表面(表面サイト)に対する吸着エネルギーがHOの金属酸化物層の表面(表面サイト)に対する吸着エネルギーよりも大きい場合には、HOが置換化合物によって置換され易いと予測される。アルコール類及びアミン類は極性が高く、金属酸化物層の表面サイトに対してHOよりも大きい吸着エネルギーを示すため、本実施形態では、アルコール類又はアミン類と、金属酸化物層に吸着したHOとが表面サイトの取り合いを起こし、その結果、一定の確率でHOがアルコール類又はアミン類によって置換され、HOが金属酸化物層の表面から脱着すると推察される。上記吸着エネルギーは、例えば、ソフトウェアMaterials StudioのDMolモジュールを用いた密度汎関数法(PBE/DN)により求められる。
金属酸化物層に吸着したアルコール類又はアミン類は、HOと同様に、再度工程S1を行う際に前駆体である金属錯体と反応し得るが、その立体障害により他の前駆体とは反応しない。そのため、本実施形態では、従来のALD法において懸念される、二以上の前駆体の堆積が起こり難い。すなわち、本実施形態では、工程S5を実行することにより、ALD特有の自己制御性を維持することができ、コンフォーマルな金属酸化物膜を得ることができる。
O除去ガスは、アルコール類及びアミン類の少なくとも一種を含んでおり、アルコール類及びアミン類の両方を含んでいてもよい。
アルコール類は、式ROH(式中、Rは、1価の炭化水素基を示す。)で表されるアルコール化合物であり、アミン類は、式R−N(式中、R、R及びRは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、R、R及びRのうちの少なくとも一つは1価の炭化水素基を示す。R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)で表されるアミン化合物である。R、R、R及びRの炭素数は、例えば、1〜8であってよい。R、R、R及びRの炭化水素基は、直鎖状、分枝状又は環状のいずれであってもよく、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。R、R、R及びRは、本発明の効果を阻害しない限り、置換基を有していてもよい。R、R、R及びRの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、イソブチル基等のアルキル基、アリル基、フェニル基などが挙げられる。
アルコール類の具体例としては、メチルアルコール(メタノール)、エチルアルコール(エタノール)、n−プロピルアルコール(1−プロパノール)、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、t−ブチルアルコール(2−メチル−2−プロパノール)、イソブチルアルコール(2−メチル−1−プロパノール)等のアルキルアルコール、アリルアルコール、フェノールなどが挙げられる。これらの中でも、金属酸化物に吸着したHOを除去し易い観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びt−ブチルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく用いられる。
アミン類の具体例としては、ジエチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、アニリン等が挙げられる。これらの中でも、金属酸化物に吸着したHOを除去し易い観点から、ジエチルアミン、エチルアミン及びメチルアミンからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく用いられる。
工程S5においてHO除去ガスを供給する条件は、特に限定されないが、HO除去ガスを供給する際のチャンバ7内の温度は、金属酸化物層における金属と処理面との結合を維持する観点、及び、被処理体へのダメージを低減する観点から、700℃以下であることが好ましい。HO除去ガスを供給する際のチャンバ7内の温度は、例えば、100℃以上であってよい。HO除去ガスを供給する際のチャンバ7内の圧力は、例えば、10Pa以上であってよく、50000Pa以下であってよい。HO除去ガスの供給量(供給時間及び流量)は、金属酸化物層に水素結合によって吸着した全てのHOが除去されるように適宜設定してよい。HO除去ガスの供給量は、例えば、0.1sccm以上であってよく、1000sccm以下であってよい。
O除去ガスの供給は、希釈ガス(第3の希釈ガス)環境下実行してよい。例えば、チャンバ7内を第3の希釈ガスで置換した後にHO除去ガスを供給してよい。また、例えば、HO除去ガスとともに、第3の希釈ガスをチャンバ7に供給してもよい。この場合、チャンバ7に第3の希釈ガスを供給しながらHO除去ガスを供給してもよく、HO除去ガスと第3の希釈ガスとを混合し、第3の希釈ガスによって希釈されたHO除去ガス(混合ガス)をチャンバ7に供給してもよい。第3の希釈ガスの詳細は、上述した第1の希釈ガスの詳細と同じである。
以上説明した方法MTは、例えば、ゲート絶縁膜、キャパシタ絶縁膜を形成する用途において、好適に用いることができる。特に、3DNAND、DRAM等のメモリセルを有する半導体装置では、トレンチ構造の複雑化、トレンチのアスペクト比の増加等に伴い絶縁膜の段差被覆性が重要な課題となってきているところ、上述した方法MTによれば、高ステップ・カバレッジ及び低ローディング効果の理想的なコンフォーマル成膜が可能である。
方法MTは低温条件下で実行することができるため、方法MTによれば、低温条件下においてもコンフォーマルな金属酸化物膜を形成することができる。また、半導体装置の製造方法において方法MTを適用することにより、キャパシタ絶縁膜、ゲート絶縁膜等の金属酸化物膜の形成プロセスにおける半導体基板への熱によるダメージを低減しつつ、コンフォーマルな絶縁膜(キャパシタ絶縁膜、ゲート絶縁膜等)を形成することができる。すなわち、方法MTによれば、コンフォーマルな絶縁膜(キャパシタ絶縁膜、ゲート絶縁膜等)を有する半導体装置が得られる。
次に、図3及び図4を参照して、上述した方法MTを用いた半導体装置の製造方法について説明する。
図3は、一実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図である。本実施形態の製造方法は、キャパシタ絶縁膜を有する半導体装置の製造に関する。本実施形態の製造方法では、まず、図3(a)に示すように、被処理体として、半導体基板11を用意する。半導体基板11は、基板12、第1の電極(プレート電極)13、酸化膜14、及び、窒化膜15を有する。基板12は、窒化ケイ素等のシリコン(Si)を含有する材料から形成されている。酸化膜14は基板12上に形成されており、窒化膜15は酸化膜14上に形成されている。基板12、酸化膜14、及び、窒化膜15を含む積層体には、幾つかのトレンチ16が形成されている。トレンチ16に沿って延在する基板12の一部領域は、第1の電極13を構成している。第1の電極13は、ヒ素(As)、リン(P)等のドーパントを含んでいる。
本実施形態では、半導体基板11の表面が、その上に金属酸化物膜が形成される面(処理面)となる。半導体基板11は、例えば、以下の方法で得られる。まず、基板12上に酸化膜14及び窒化膜15を順に形成する。次いで、基板12、酸化膜14、及び、窒化膜15を含む積層体に、エッチング等によってトレンチ16を形成する。次いで、気相拡散等の方法により、トレンチ16に沿った基板12の一部領域に、ドーパントを注入して、第1の電極13を形成する。以上の工程により、半導体基板11が得られる。次いで、図3(b)に示すように、半導体基板11の処理面に対して本実施形態の金属酸化物膜の形成方法を適用することにより、半導体基板11上に金属酸化物膜からなるキャパシタ絶縁膜17を形成する。次いで、図3(c)に示すように、キャパシタ絶縁膜17上に第2の電極(ノード電極)18を形成する。第2の電極18は、例えば、所定の伝導型を有する不純物を含んだアモルファスシリコン、ポリシリコン等によって形成される。以上の工程により、優れた段差被覆性で、コンフォーマルなキャパシタ絶縁膜17を有する半導体装置19を得ることができる。
半導体基板11におけるトレンチ16の形状及び大きさ(幅、深さ等)は特に限定されない。トレンチ16の深さは、例えば、0.1〜10μmであってよく、トレンチ16の幅は5〜500nmであってよく、トレンチ16のアスペクト比(トレンチの深さ/トレンチの幅)は、例えば0.2〜80であってよい。本実施形態の方法によれば、トレンチ16のアスペクト比が大きい場合(例えば80以上)であっても、優れた段差被覆性が得られる。
キャパシタ絶縁膜17の厚さは、例えば、1Å以上であってよく、10000Å以下であってよい。
図4は、他の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図である。本実施形態の製造方法は、ゲート絶縁膜を有する半導体装置の製造に関する。本実施形態の製造方法では、まず、図4(a)に示すように、被処理体として、半導体基板21を用意する。半導体基板21は、酸化物絶縁膜22、酸化物半導体膜23、第1の電極(ソース電極)24、及び、第2の電極(ドレイン電極)25を有する。酸化物絶縁膜22は、シリコン等からなる基板(例えば半導体基板、図示せず)上に設けられている。酸化物半導体膜23は、酸化物絶縁膜22上に設けられている。酸化物絶縁膜22及び酸化物半導体膜23を含む積層体は、トレンチ26を提供している。具体的には、トレンチ26は酸化物半導体膜23の表面によって画成されている。第1の電極24及び第2の電極25は、酸化物半導体膜23上に設けられている。第1の電極24及び第2の電極25は、トレンチ26の両側にそれぞれ設けられている。
本実施形態では、半導体基板21のトレンチ26を画成する面が金属酸化物膜が形成される面(処理面)となる。半導体基板21は、例えば、以下の方法で得られる。まず、スパッタリング法等によって、基板上に酸化シリコン等からなる酸化物絶縁膜22を形成する。次いで、酸化物絶縁膜22の表面をエッチングしてトレンチを形成した後、スパッタリング法等によって、酸化物絶縁膜22の表面に酸化物半導体膜23を形成する。最後に、酸化物半導体膜23上に、Al等の導電材料からなる導電膜を形成した後、導電膜をフォトリグラフィ法等によりエッチングすることで第1の電極24及び第2の電極25を形成する。以上の工程により、半導体基板21が得られる。次に、図4(b)に示すように、半導体基板21の処理面に対して本実施形態の金属酸化物膜の形成方法を適用することにより、半導体基板21上に金属酸化物膜からなるゲート絶縁膜27を形成する。次いで、図4(c)に示すように、トレンチ26内のゲート絶縁膜27上に第3の電極(ゲート電極)28を形成する。第3の電極28は、例えば、インジウムスズ酸化物等の導電材料により形成される。以上の工程により、優れた段差被覆性で、コンフォーマルなゲート絶縁膜27を有する半導体装置29を得ることができる。
半導体基板21におけるトレンチ26の形状及び大きさ(幅、深さ等)は特に限定されない。トレンチ26の深さ、幅及びアスペクト比は、上述した半導体基板11におけるトレンチ16の深さ、幅及びアスペクト比と同様であってよい。
ゲート絶縁膜27の厚さは、例えば、1Å以上であってよく、10000Å以下であってよい。
以上、本発明の実施形態の金属酸化物膜の形成方法及び該方法を用いた半導体装置の製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、各サイクルは工程S2及び工程S4を含まなくてもよい。よりコンフォーマルな金属酸化物膜を得る観点では、工程S2及び工程S4を実行することが好ましい。
また、金属酸化物膜の形成方法では、工程S2及び工程S3を実行した後、前駆体層が完全に酸化されるように、工程S2及び工程S3を繰り返し実行してもよい。
また、複数回のサイクルのうち最終のサイクルは、工程S5を含んでいてもよい。
また、金属酸化物膜の形成方法は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、上述した工程以外の他の工程を含んでいてもよい。例えば、金属酸化物膜の形成方法は、工程S5の後、工程S1を再び実行する前に、チャンバにパージガスを供給する工程S6を含んでいてもよい。また、各サイクルは、工程S1と工程S3との間において、工程S2に加えて、又は、工程S2に代えて、チャンバ内を真空引きする工程S7を含んでいてもよい。工程S7を実行することにより、パージガスをチャンバから確実に除去することができる。同様に、各サイクルは、工程S3と工程S5との間において、工程S4に加えて、又は、工程S4に代えて、チャンバ内を真空引きする工程S8を含んでいてもよく、工程S5の後、工程S1を再び実行する前に、工程S6に加えて、又は、工程S6に代えて、チャンバ内を真空引きする工程S9を含んでいてもよい。
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ソフトウェアMaterials StudioのDMolモジュールを用い、密度汎関数法(PBE/DN)により、水(HO)及びメチルアルコール(CHOH)のハフニウム酸化物(HfO)基板に対する吸着エネルギーを算出した。ハフニウム酸化物(HfO)基板は、単斜晶系のハフニウム酸化物(HfO)結晶を(111)面で切り出し、Hf−OH終端を形成した基板(unit cell=2×2×1.5)とした。吸着エネルギーの算出は、Shallow Adsorption、1H−bonded Adsorption及び2H−bonded Adsorptionの3つの吸着様式について行った。結果を以下に示す。
[HOの吸着エネルギー]
Shallow Adsorptionにおける吸着エネルギーは−0.41eVであり、1H−bonded Adsorptionにおける吸着エネルギーは−0.83eVであり、2H−bonded Adsorptionにおける吸着エネルギーは−1.23eVであった。
[CHOHの吸着エネルギー]
Shallow Adsorptionにおける吸着エネルギーは−0.61eVであり、1H−bonded Adsorptionにおける吸着エネルギーは−0.97eVであり、2H−bonded Adsorptionにおける吸着エネルギーは−1.34eVであった。
以上のとおり、CHOHがHOよりもハフニウム酸化物基板に対する高い吸着エネルギーを有していることが確認された。
3…被処理体、7…チャンバ、11,21…半導体基板、17…キャパシタ絶縁膜(金属酸化物膜)、19,29…半導体装置、27…ゲート絶縁膜(金属酸化物膜)。

Claims (15)

  1. 金属酸化物膜を有する半導体装置を製造する方法であって、
    該方法は、被処理体がチャンバ内に収容された状態で実行され、
    前記チャンバに金属錯体を含む前駆体ガスを供給する工程であり、前記被処理体上に前記前駆体ガスから前駆体層が形成される、該工程と、
    前記チャンバに酸化ガスを供給する工程であり、前記酸化ガスがHOを含むガスであるか、又は、前記金属錯体が水素原子を含む官能基を有し、且つ、前記酸化ガスが該官能基と反応してHOを生成する酸化剤を含むガスであり、該酸化ガスにより前記前駆体層が酸化して金属酸化物層が形成される、該工程と、
    前記チャンバにアルコール類又はアミン類を含むHO除去ガスを供給する工程であり、前記金属酸化物層に吸着しているHOが該HO除去ガスにより除去される、該工程と、
    を含み、
    各々が前駆体ガスを供給する前記工程と酸化ガスを供給する前記工程とを含む複数回のサイクルが実行され、
    前記複数回のサイクルのうち少なくとも一部が、HO除去ガスを供給する前記工程を含む、
    方法。
  2. 前記金属酸化物膜は、半導体基板上に設けられたキャパシタ絶縁膜を構成する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属酸化物膜は、半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜を構成する、請求項1に記載の方法。
  4. 原子層堆積法により被処理体上に金属酸化物膜を形成する方法であって、
    該方法は、前記被処理体がチャンバ内に収容された状態で実行され、
    前記チャンバに金属錯体を含む前駆体ガスを供給する工程であり、前記被処理体上に前記前駆体ガスから前駆体層が形成される、該工程と、
    前記チャンバに酸化ガスを供給する工程であり、前記酸化ガスがHOを含むガスであるか、又は、前記金属錯体が水素原子を含む官能基を有し、且つ、前記酸化ガスが該官能基と反応してHOを生成する酸化剤を含むガスであり、該酸化ガスにより前記前駆体層が酸化して金属酸化物層が形成される、該工程と、
    前記チャンバにアルコール類又はアミン類を含むHO除去ガスを供給する工程であり、前記金属酸化物層に吸着しているHOが該HO除去ガスにより除去される、該工程と、
    を含み、
    各々が前駆体ガスを供給する前記工程と酸化ガスを供給する前記工程を含む複数回のサイクルが実行され、
    前記複数回のサイクルのうち少なくとも一部が、HO除去ガスを供給する前記工程を含む、
    方法。
  5. 前駆体ガスを供給する前記工程と酸化ガスを供給する前記工程との間において、前記チャンバにパージガスを供給する工程を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 酸化ガスを供給する前記工程とHO除去ガスを供給する前記工程との間において、前記チャンバにパージガスを供給する工程を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. O除去ガスを供給する前記工程の後、前駆体ガスを供給する前記工程を再び実行する前に、前記チャンバにパージガスが供給されない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記複数回のサイクルのうち最終のサイクルは、HO除去ガスを供給する前記工程を含まない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記HO除去ガスは、前記アルコール類として、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、及びt−ブチルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記金属錯体は、ハフニウム錯体、ジルコニウム錯体、アルミニウム錯体、タンタル錯体、タングステン錯体、チタン錯体、ニオブ錯体、モリブデン錯体、コバルト錯体、又はニッケル錯体である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記金属錯体は、前記ハフニウム錯体として、Hf[N(CH、Hf[N(CHCH)(CH)]、Hf[N(CH[C]、Hf[N(CHCH及びHf[OC(CHからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 酸化ガスを供給する前記工程では、前記酸化ガスとして、O、H/O混合気、Oプラズマ、O、及びHからなる群より選択される少なくとも一種を含むガスを供給する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前駆体ガスを供給する前記工程では、前記前駆体ガスとともに、Heガス、Neガス、Arガス、Krガス、Xeガス、Nガス、COガス及びCOガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスを含む第1の希釈ガスを前記チャンバに供給する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 酸化ガスを供給する前記工程では、前記酸化ガスとともに、Heガス、Neガス、Arガス、Krガス、Xeガス、Nガス、COガス及びCOガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスを含む第2の希釈ガスを前記チャンバに供給する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. O除去ガスを供給する前記工程では、前記HO除去ガスとともに、Heガス、Neガス、Arガス、Krガス、Xeガス、Nガス、COガス及びCOガスからなる群より選択される少なくとも一種のガスを含む第3の希釈ガスを前記チャンバに供給する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。

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