WO2020188935A1

WO2020188935A1 - 建設機械のブーム取付装置

Info

Publication number: WO2020188935A1
Application number: PCT/JP2019/050520
Authority: WO
Inventors: 一朗和田; 幸雄宮野
Original assignee: コベルコ建機株式会社
Priority date: 2019-03-15
Filing date: 2019-12-24
Publication date: 2020-09-24
Also published as: US20220112680A1; AU2019435117A1; JP7200771B2; EP3896229A1; EP3896229B1; CA3126541A1; JP2020148075A; EP3896229A4

Abstract

建設機械のアッパーフレームに対してブームを取り付ける際に両者を容易に位置合わせすることが可能な建設機械のブーム取付装置を提供する。アッパーフレーム（３１）は、左右一対の縦板（４３Ｌ，４３Ｒ）を含むセンターセクション（４）を有する。縦板（４３Ｌ，４３Ｒ）は外側を向く外側面と当該外側面に配置されガイド穴が形成されたガイド部（４３１Ｌ、４３１Ｒ）とを有する。ブームの基端側には、ブームの基端部とブームシリンダの基端部とをそれぞれ回動可能に連結するアダプタ（７）が取り付けられている。アダプタは、左右一対のガイドピン（７５Ｌ、７５Ｒ）を有する。ブームがアッパーフレームに取り付けられる場合に、左右一対のガイドピンが左右一対のガイド部のガイド穴に挿通される。

Description

建設機械のブーム取付装置

　本発明は、建設機械のアッパーフレームにブームを取り付けるためのブーム取付装置に関する。

　従来、建設機械の上部旋回体に作業装置（ブーム等）を取り付けるための技術が知られている。例えば、特許文献１では、車体フレームの縦板と作業装置との間に中間結合体（アダプタ）を介在させる構成において、中間結合体を正確に位置決めするための技術が開示されている。

　具体的には、特許文献１に記載された技術では、上部旋回体の旋回フレームが左右の縦板を有し、ブームを含む作業装置は、中間結合体を介して旋回フレームの左右の縦板に取付けられる。中間結合体が上方から左右の縦板に向けて下ろされるときに、中間結合体に設けられた左右の結合体側ガイドの下向き突起部が、中間結合体の自重により、左右の縦板側のガイドの縦案内溝に沿って下方に移動した後、斜め下前方に移動する。これにより、左右の結合体側ガイドの前向き突起部が、左右の縦板側ガイドの前係合溝に自動的に係合する。

特許第４７１３５１６号明細書

　しかし、特許文献１に開示された技術では、左右の縦板側ガイドが左右の縦板の内側に形成されているため、これらの相対的な位置関係を作業者が建設機械の側方から視認することが難しく、中間結合体と左右の縦板との位置合わせ作業が難しいという問題があった。

　本発明の目的は、建設機械のアッパーフレームに対してブームを取り付ける際に両者を容易に位置合わせすることが可能な建設機械のブーム取付装置を提供することにある。

　本発明によって提供されるのは、アッパーフレームと前記アッパーフレームに起伏可能に支持されるブームと前記ブームを起伏させるように伸縮するブームシリンダとを含む建設機械において前記ブームを前記アッパーフレームに取り付けるためのブーム取付装置である。当該ブーム取付装置は、前記アッパーフレームに備えられ、底板と前記底板に立設される左右一対の縦板とを含むセンターセクションと、前記ブームと前記ブームシリンダとをそれぞれ前記センターセクションに回動可能に連結するアダプタと、を備え、前記アダプタは、前記ブームの基端部および前記ブームシリンダの基端部をそれぞれ左右方向に延びる回転中心軸周りに回動可能に支持するアダプタ本体と、前記アダプタ本体から下方に向かってそれぞれ延びる左右一対のガイドピンと、を有し、前記左右一対の縦板は、左右方向の外側を向く外側面と、前記外側面に配置され上面部を含むガイド部であって、当該ガイド部の前記上面部には前記ブームが前記アッパーフレームに装着される際に下方向に沿って前記ガイドピンを受け入れることが可能なガイド穴が開口されているガイド部と、をそれぞれ有する。

本発明の一実施形態に係る建設機械の一部を示す斜視図である。本発明の一実施形態に係る建設機械の上部旋回体のアッパーフレームを示す斜視図である。本発明の一実施形態に係る建設機械のアッパーフレームを機械左側から見た側面図である。本発明の一実施形態に係る建設機械のアッパーフレームを機械右側から見た側面図である。本発明の一実施形態に係る建設機械のブーム及びアダプタが分解された状態を示す側面図である。本発明の一実施形態に係る建設機械のブームにアダプタが装着された状態を機械左側から見た側面図である。本発明の一実施形態に係る建設機械のブームにアダプタが装着された状態を機械右側から見た側面図である。本発明の一実施形態に係る建設機械のアダプタがアッパーフレームに取り付けられる様子を示す平面図である。図８を矢印ＩＸに沿って見た側面図である。図８を矢印Ｘに沿って見た側面図である。本発明の一実施形態に係る建設機械のアダプタがアッパーフレームから離れた時点の状態を機械左側から見た側面図である。本発明の一実施形態に係る建設機械のアダプタがアッパーフレームに取り付けられた状態を機械左側から見た側面図である。

　本発明の一実施形態に係る建設機械のブーム取付装置１００について図１から図１２に基づき説明する。以下、本発明に係る建設機械として、図１に示される油圧ショベル１を例示する。図１は、本実施形態に係る油圧ショベル１の一部を示す斜視図である。

　図１に示されるように、油圧ショベル１は、図示しない下部走行体と、下部走行体上に旋回可能に搭載される上部旋回体３と、上部旋回体３に装着されるブーム５（作業アタッチメントを構成する一部品）とを備える。

　図２は、本実施形態に係る油圧ショベル１の上部旋回体３のアッパーフレーム３１を示す斜視図である。図３は、本実施形態に係る油圧ショベル１のアッパーフレーム３１を機械左側から見た側面図である。図４は、本実施形態に係る油圧ショベル１のアッパーフレーム３１を機械右側から見た側面図である。図２に示されるように、上部旋回体３は、キャビン（運転室）等の各種設備や機器類を搭載可能なアッパーフレーム３１を備えている。アッパーフレーム３１は、その車幅方向（左右方向）の中央部に位置するセンターセクション４を備えている。前記ブーム５は、アッパーフレーム３１に起伏可能に支持される。

　センターセクション４は、底板４１と、底板４１に立設する左右一対の縦板４３Ｌ，４３Ｒと、その内側に配置される左右一対の内側縦板４３ＬＳ，４３ＲＳ（図２）と、縦板４３Ｌ，４３Ｒの上端縁部にそれぞれ設けられる背板４５Ｌ，４５Ｒとを備えて構成される。左右一対の縦板４３Ｌ，４３Ｒの前端部および左右一対の内側縦板４３ＬＳ，４３ＲＳの前端部には、左右方向に沿って開口された連結用ピン孔４３ＬＱ，４３ＲＱがそれぞれ形成されている。また、左右一対の縦板４３Ｌ，４３Ｒの頂部には、連結用ピン孔４３ＬＰ，４３ＲＰがそれぞれ形成されている。これらの連結用ピン孔には、アッパーフレーム３１のセンターセクション４に、後記のアダプタ７が連結、固定されるための不図示のアダプタ用連結ピンがそれぞれ挿入される。

　図２及び図３に示されるように、センターセクション４は、左側の縦板４３Ｌのうち外側（左側）を向く面（外側面）に配置され、上面部を含むガイド部４３１Ｌを有する。ガイド部４３１Ｌの前記上面部には、上下方向を挿通方向とするガイド穴４３０Ｌが形成されている。ガイド穴４３０Ｌは、後述のガイドピン７５Ｌ（図５参照）が挿通可能な大きさを有している。

　また、センターセクション４は、左側の背板４５Ｌの上面に配置され、上方に向かって開口された凹部を含むブラケット４５０Ｌ（位置決め部）を有する。ブラケット４５０Ｌの凹部は、後述の位置決めピン７９（図８参照）の胴部の一部に面接触可能なＲ形状を有している。このため、ブラケット４５０Ｌは、前記凹部を画定するように前後方向において互いに対向して配置された前後一対の内壁面と当該一対の内壁面同士を接続する下面部とを含む。前記Ｒ形状は当該下面部に施されている。

　図４に示されるように、センターセクション４は、右側の縦板４３Ｒのうち外側（右側）を向く面（外側面）に配置され、上面部を含むガイド部４３１Ｒを有する。ガイド部４３１Ｒの前記上面部には、上下方向を挿通方向とするガイド穴４３０Ｒが形成されている。ガイド穴４３０Ｒは、後述のガイドピン７５Ｒ（図７参照）が挿通可能な大きさを有している。

　また、図２及び図４に示されるように、センターセクション４は、右側の背板４５Ｒの上面に配置され、上方に向かって開口された凹部を含むブラケット４５０Ｒ（位置決め部）を有する。ブラケット４５０Ｒの凹部は、後述の位置決めピン７９（図８参照）の胴部の一部に面接触可能なＲ形状を有している。このため、ブラケット４５０Ｒは、前記凹部を画定するように前後方向において互いに対向して配置された前後一対の内壁面と当該一対の内壁面同士を接続する下面部とを含む。前記Ｒ形状は当該下面部に施されている。

　図５は、本実施形態に係る油圧ショベル１のブーム５およびアダプタ７が分解された状態を示す側面図である。図５に示されるように、油圧ショベル１は、ブーム５に装着され、ブーム５を起伏させるために伸縮することが可能なブームシリンダ５１を更に有する。

　また、ブーム５の基端側には、ブーム５とブームシリンダ５１とを一体状態で分解・組立するためのアダプタ７（サブフレーム等とも称する）が取り付けられる。アダプタ７は、ブーム５およびブームシリンダ５１をセンターセクション４に回動可能に連結する。アダプタ７には、ブーム５の基端部を回動可能に連結する連結ピン（不図示）の挿通孔７１と、ブームシリンダ５１の基端部を回動可能に連結する連結ピン（不図示）の挿通孔７３とが形成されている。なお、前記センターセクション４およびアダプタ７は、本発明のブーム取付装置１００を構成する。ブーム取付装置１００は、油圧ショベル１においてブーム５をアッパーフレーム３１に取り付けるための構造である。

　図６は、本実施形態に係る油圧ショベル１のアダプタ７が装着された状態のブーム５を機械左側から見た側面図である。図６に示されるように、ブーム５の基端部及びブームシリンダ５１の基端部がアダプタ７に対して左右方向に延びる回転中心軸回りに回動可能に取り付けられ、アダプタ７によってブーム５とブームシリンダ５１とが一体状態で保持され、センターセクション４に回動可能に連結可能とされる。

　アダプタ７は、アダプタ本体７００と、アダプタ本体７００から下方に向かってそれぞれ延びる左右一対のガイドピン７５Ｌ、７５Ｒと、を有する。アダプタ本体７００は、前記ブーム５の基端部および前記ブームシリンダ５１の基端部をそれぞれ左右方向に延びる回転中心軸周りに回動可能に支持する。アダプタ本体７００は、後方に向かって先上がりの形状を有しているとともに、左右方向に間隔をおいて配置された左側板および右側板（左右一対の側板）を有する。これらの左右側板は、上側板７０１と下側板７０２とをそれぞれ有する。上側板７０１には、ブーム５の基端部５Ａ（図５）を回動可能に支持するための前記挿通孔７１と、ブームシリンダ５１の基端部５１Ａ（図５）を回動可能に支持するための前記挿通孔７３とが、それぞれ形成されている。一方、下側板７０２には、アダプタ７をセンターセクション４に連結するための連結用ピン孔７Ａ、７Ｂがそれぞれ形成されている。これらの連結用ピン孔には、アッパーフレーム３１のセンターセクション４にアダプタ７が連結、固定されるための前述のアダプタ用連結ピンがそれぞれ挿入される。

　図５に示されるように、アダプタ７のアダプタ本体７００の左側板（下側板７０２）のうち外側（左側）を向く面（外側面）には、上下方向に長尺なガイドピン７５Ｌが下方に向かって延びるように設けられている。ガイドピン７５Ｌは、上述したガイド穴４３０Ｌ（図２及び図３）に挿脱可能な太さで構成されている。

　図７は、本実施形態に係る油圧ショベル１のアダプタ７が装着された状態のブーム５を機械右側から見た側面図である。図７に示されるように、アダプタ７のアダプタ本体７００の右側板（下側板７０２）のうち外側（右側）を向く面（外側面）には、上下方向に長尺なガイドピン７５Ｒが下方に向かって延びるように設けられている。ガイドピン７５Ｒは、上述したガイド穴４３０Ｒ（図４）に挿脱可能な太さで構成されている。

　図８は、本実施形態に係る油圧ショベル１のアダプタ７がアッパーフレーム３１に取り付けられる様子を示す平面図である。図５～図８に示されるように、アダプタ７のアダプタ本体７００は、その後端側一部が機械後方に張り出した左右一対の後方張出部７７Ｌ，７７Ｒと、位置決めピン７９と、を有している。後方張出部７７Ｌ，７７Ｒには、当該後方張出部７７Ｌ，７７Ｒを左右方向に沿って貫通するピン孔７８Ｌ，７８Ｒ（位置決めピン孔）がそれぞれ形成（開口）されている。ピン孔７８Ｌ，７８Ｒには、図８に示される位置決めピン７９が挿入されて固定される。なお、左右一対の後方張出部７７Ｌ，７７Ｒは、それぞれ左右方向の外側を向く外側面（張出部外側面）を有する。

　図８に示されるように、位置決めピン７９は、左右一対の後方張出部７７Ｌ，７７Ｒの左右方向における間隔よりも大きな寸法を有し、その左右両端部がピン孔７８Ｌ，７８Ｒ（左右一対の後方張出部７７Ｌ，７７Ｒの外側面）から左右外側にそれぞれ突出するようにピン孔７８Ｌ，７８Ｒに挿通された状態で左右一対の後方張出部７７Ｌ，７７Ｒに取り付けられている（固定されている）。後に詳述するように、アダプタ７をアッパーフレーム３１に装着する際、位置決めピン７９の胴部のうちピン孔７８Ｌ，７８Ｒから左右外側に突出した部分（位置決めピン７９の両端部）が、係合ピンとしてブラケット４５０Ｌ，４５０Ｒの凹部にそれぞれ嵌合する。

　ブーム５（アダプタ７）をアッパーフレーム３１に装着する場合、まずは、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒが左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒに挿通するように図示しないクレーン等を用いてブーム５を徐々に下げていく。

　図９は、図８を矢印ＩＸに沿って見た側面図である。図１０は、図８を矢印Ｘに沿って見た側面図である。本実施形態では、左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒは略同じ高さに配置されているものの、左側のガイドピン７５Ｌが右側のガイドピン７５Ｒよりも長くなるように（下方に突出するように）構成されている。このため、ブーム５を徐々に下げていくと、図９及び図１０に示されるように、先に左側のガイドピン７５Ｌが左側のガイド穴４３０Ｌに挿通され、更にブーム５を下げていくと、反対側（右側）のガイドピン７５Ｒが右側のガイド穴４３０Ｒに挿通される。

　左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒが左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒにそれぞれ挿通されると、ブーム５（アダプタ７）のおよその位置が決まる。より詳しくは、アッパーフレーム３１のセンターセクション４に形成された連結用ピン孔４３ＬＱ，４３ＲＱとアダプタ７に形成された左右一対の連結用ピン孔７Ａとの前後方向および左右方向の相対位置が合致し、センターセクション４に形成された連結用ピン孔４３ＬＰ，４３ＲＰとアダプタ７に形成された左右一対の連結用ピン孔７Ｂとの前後方向および左右方向の相対位置が合致するように、センターセクション４に対するアダプタ７の相対位置が決定される（拘束される）。その後、ブーム５を更に下げていくと、最終的には、上述した位置決めピン７９（図８参照）が左右のブラケット４５０Ｌ，４５０Ｒの凹部に嵌合する。詳細には、位置決めピン７９の胴部のうちピン孔７８Ｌ，７８Ｒから左右外側に突出した部分（両端部、係合ピン）がブラケット４５０Ｌ，４５０Ｒの凹部にそれぞれ面接触して嵌合する。これにより、左右一対のブラケット４５０Ｌ，４５０Ｒ（位置決め部）が、アダプタ７の位置決めピン７９の両端部をそれぞれ上方から前記凹部に受け入れることで、アダプタ７が少なくとも下方向に移動することを阻止し、ブーム５の最終的な位置が決まる。より詳しくは、アッパーフレーム３１のセンターセクション４に形成された連結用ピン孔４３ＬＱ，４３ＲＱとアダプタ７に形成された左右一対の連結用ピン孔７Ａとの前後方向、左右方向および上下方向の相対位置が合致し、センターセクション４に形成された連結用ピン孔４３ＬＰ，４３ＲＰとアダプタ７に形成された左右一対の連結用ピン孔７Ｂとの前後方向、左右方向および上下方向の相対位置が合致するように、センターセクション４に対するアダプタ７の相対位置が決定される（拘束される）。そして、連結用ピン孔４３ＬＱ，４３ＲＱと左右一対の連結用ピン孔７Ａとに不図示のアダプタ連結ピンがそれぞれ挿入され、連結用ピン孔４３ＬＰ，４３ＲＰと左右一対の連結用ピン孔７Ｂとに不図示のアダプタ連結ピンがそれぞれ挿入されると、アダプタ７がアッパーフレーム３１に固定される。この結果、ブーム５がアッパーフレーム３１に回動可能に支持される。

　また、ブーム５をアッパーフレーム３１から取り外す場合、図示しないクレーン等を用いてブーム５を徐々に持ち上げていく。ブーム５を徐々に持ち上げていくと、ブーム５に装着されたアダプタ７がアッパーフレーム３１から離れる時点がある。なお、アダプタ７がアッパーフレーム３１から離れる時点とは、アダプタ７のアダプタ本体７００の左右側板と、センターセクション４を構成する左右の縦板４３Ｌ，４３Ｒとが機械幅方向（左右方向）において重ならなくなった時点をいう。

　図１１は、本実施形態に係る油圧ショベル１のアダプタ７がアッパーフレーム３１から離れた時点の状態を機械左側から見た側面図である。図１２は、本実施形態に係る油圧ショベル１のアダプタ７がアッパーフレーム３１に取り付けられた状態を機械左側から見た側面図である。本実施形態では、図１１に示されるように、アダプタ７がアッパーフレーム３１から離れた時点において、左側のガイドピン７５Ｌは、左側のガイド穴４３０Ｌに挿通された状態を維持している。なお、図示は省略するが、反対側（右側）のガイドピン７５Ｒも右側のガイド穴４３０Ｒに挿通された状態を維持している。すなわち、アダプタ７がアッパーフレーム３１から離れた時点において、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒは左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒに挿通された状態を維持する長さで構成されている。なお、アダプタ７がアッパーフレーム３１から脱離される場合に、左右方向から見てアダプタ本体７００の下端部がセンターセクション４の左右一対の縦板４３Ｌ，４３Ｒの上端部に合致したときに、前記左右一対のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒのうちの少なくとも一方のガイドピンが、左右一対の縦板４３Ｌ，４３Ｒのガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒのうちの少なくとも一方のガイド穴に挿入されているように、左右一対のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒの長さが設定されていてもよい。

　また、図１２に示されるように、左側のガイド部４３１Ｌは、側面視（左側方から見た場合）において油圧ショベル１の機械外側（左側）から視認可能な位置に配置される。詳細には、左側のガイド部４３１Ｌは、前後方向に関して、図示しないキャビンが設置されるチルトデッキ８１と作動油タンク８３との間に配置される。この際、作業者がガイド部４３１Ｌを左側方から視認できれば、ガイドピン７５Ｌの挿入状態を充分確認可能であるが、作業者の目線から見て、ガイド部４３１Ｌに形成されたガイド穴４３０Ｌが更に視認可能であれば、ガイドピン７５Ｌの挿入作業を更に容易かつ確実に行うことができる。なお、右側のガイド部４３１Ｒについても同様である。

　また、本実施形態では、図２に示すように、ガイド部４３１Ｌの左右方向の反対側には、アッパーフレーム３１上の構造物８５が配置されている。このため、ガイド部４３１Ｒは前記構造物８５よりも前方に配置されており、上記と同様に、油圧ショベル１の右側方からガイド部４３１Ｒが視認可能である。なお、ガイド部４３１Ｌは、連結用ピン孔４３ＬＰの後方に配置され（図３）、ガイド部４３１Ｒは連結用ピン孔４３ＲＰの前方に配置されている（図４）。なお、連結用ピン孔４３ＬＰ、４３ＲＰは同じ軸線上に配置されている。

　以上、本実施形態では、縦板４３Ｌのうち外側（左側）を向く面に配置されたガイド部４３１Ｌにガイド穴４３０Ｌ（図２及び図３参照）が形成され、縦板４３Ｒのうち外側（右側）を向く面に配置されたガイド部４３１Ｒにガイド穴４３０Ｒ（図４参照）が形成されている。また、アダプタ７のアダプタ本体７００の左側板のうち外側（左側）を向く面にガイドピン７５Ｌ（図５参照）が下方に延びるように設けられ、アダプタ７のアダプタ本体７００の右側板のうち外側（右側）を向く面にガイドピン７５Ｒ（図７参照）が下方に延びるように設けられている。このため、アダプタ７をセンターセクション４に取り付ける際に、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒと左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒとの挿通状況を機械側方からそれぞれ視認することができる。したがって、センターセクション４に対してブーム５（アダプタ７）を取り付ける際に両者を容易に位置合わせすることが可能である。なお、左右のガイドピン７５Ｌ、７５Ｒは、アダプタ７のアダプタ本体７００の下面部などから突出するものでもよい。

　また、本実施形態では、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒが左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒにそれぞれ挿通されると、ブーム５のおよその位置（前後方向および左右方向の位置）が決まる。そして、位置決めピン７９の胴部のうちピン孔７８Ｌ，７８Ｒから左右外側に突出した部分（係合ピン）がブラケット４５０Ｌ，４５０Ｒの凹部にそれぞれ上方から嵌合すると、ブーム５の最終的な位置（前後方向、左右方向および上下方向の位置）が決まる。すなわち、本実施形態では、ブーム５が２段階で順に位置決めされる構成となっている。よって、ブームが１段階で位置決めされる構成のものに比べ、より簡易にブーム５を位置合わせすることが可能である。

　また、本実施形態では、左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒは略同じ高さに配置される一方、左側のガイドピン７５Ｌが右側のガイドピン７５Ｒよりも長くなるように構成され、より下方に延びている。このため、ブーム５を徐々に下げていくと、図９及び図１０に示されるように、先にガイドピン７５Ｌがガイド穴４３０Ｌに挿通され、更にブーム５を下げていくと、反対側のガイドピン７５Ｒがガイド穴４３０Ｒに挿通されるように、左右一対のガイドピン７５Ｒ，７５Ｌおよび左右一対のガイド部のガイド穴４３０Ｒ，４３０Ｌの互いの相対位置が設定されている。したがって、ガイドピン７５Ｌ，７５Ｒがガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒに同時に挿通されるものに比べて、挿通作業が容易になり、作業性が高い。

　また、本実施形態では、アダプタ７のアダプタ本体７００がアッパーフレーム３１から離れた時点において、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒは、左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒにそれぞれ挿通された状態を維持している。すなわち、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒが、左右の前記ガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒに挿入された状態で、左右方向から見てアダプタ７のアダプタ本体７００がセンターセクション４の左右一対の縦板４３Ｌ，４３Ｒから上方に離間するように、左右一対のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒの長さが設定されている。このため、アダプタ７がアッパーフレーム３１から離れたことに起因するアダプタ７の荷振れを抑制し、周辺に配置されたタンクやガードにアダプタ７が接触するのを防止することが可能である。なお、上記において、アダプタ７がアッパーフレーム３１から離れた時点において、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒのうちの一方のガイドピンが、左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒのうち対応するガイド穴に挿通された状態が維持されてもよい。

　また、本実施形態によれば、左側のガイド部４３１Ｌは、前後方向に関して、図示しないキャビンが設置されるチルトデッキ８１と作動油タンク８３との間に配置される。このため、作業者は、少なくとも左側のガイドピン７５Ｌに関しては左側のガイド部４３１Ｌのガイド穴４３０Ｌへの挿通状況を機械側方から確実に視認することが可能である。

　本発明による建設機械のブーム取付装置は上述した実施形態に限定されず、以下に例示されるように種々の変形や改良が可能である。

　例えば、上記実施形態では、左右のブラケット４５０Ｌ，４５０Ｒが左右の背板４５Ｌ，４５Ｒに設けられる場合を例示したが、これに限定されず、左右のブラケット４５０Ｌ，４５０Ｒが左右の縦板４３Ｌ，４３Ｒの上端縁部に直接設けられる態様でもよい。

　また、上記実施形態では、左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒは略同じ高さに配置され、左側のガイドピン７５Ｌが右側のガイドピン７５Ｒよりも長く、より下方に突出するように構成される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。

　例えば、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒを略同じ長さに構成し、左側のガイド穴４３０Ｌが右側のガイド穴４３０Ｒよりも高い位置に配置されるように構成されてもよい。かかる変形実施形態においても、先にガイドピン７５Ｌがガイド穴４３０Ｌに挿通され、その後、反対側のガイドピン７５Ｒがガイド穴４３０Ｒに挿通されることが可能である。

　また、上記実施形態では、アダプタ７がアッパーフレーム３１から離れた時点において、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒが左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒにそれぞれ挿通された状態を維持している場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。

　例えば、アダプタ７がアッパーフレーム３１から離れた時点において、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒのうち一方が左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒの一方に挿通された状態を維持するようにしてもよい。すなわち、アダプタ７がアッパーフレーム３１から離れた時点において、左右のガイドピン７５Ｌ，７５Ｒのうち一方が左右のガイド穴４３０Ｌ，４３０Ｒの一方に挿通された状態を維持する長さを有するように構成してもよい。

　以上のように本発明にかかる建設機械のブーム取付装置は、油圧ショベル等においてブームをアッパーフレームに装着するのに適している。

　本発明によって提供されるのは、アッパーフレームと前記アッパーフレームに起伏可能に支持されるブームと前記ブームを起伏させるように伸縮するブーム起伏シリンダとを含む建設機械において前記ブームを前記アッパーフレームに取り付けるためのブーム取付装置である。当該ブーム取付装置は、前記アッパーフレームに備えられ、底板と前記底板に立設される左右一対の縦板とを含むセンターセクションと、前記ブームと前記ブームシリンダとをそれぞれ前記センターセクションに回動可能に連結するアダプタと、を備え、前記アダプタは、前記ブームの基端部および前記ブームシリンダの基端部をそれぞれ左右方向に延びる回転中心軸周りに回動可能に支持するアダプタ本体と、前記アダプタ本体から下方に向かってそれぞれ延びる左右一対のガイドピンと、を有し、前記左右一対の縦板は、左右方向の外側を向く外側面と、前記外側面に配置され上面部を含むガイド部であって、当該ガイド部の前記上面部には前記ブームが前記アッパーフレームに装着される際に下方向に沿って前記ガイドピンを受け入れることが可能なガイド穴が開口されているガイド部と、をそれぞれ有する。

　このような構成によれば、センターセクションを構成する左右一対の縦板のうち外側を向く面にガイド部がそれぞれ配置され、アダプタに左右一対のガイドピンが設けられているため、アダプタをセンターセクションに取り付ける際に、作業者は左右のガイドピンと左右のガイド部のガイド穴との挿通状況を機械側方から視認することができる。また、左右のガイドピンが左右のガイド穴に挿通されると、ブームを支持するアダプタをセンターセクションに対して前後方向および左右方向において位置決めすることができる。したがって、建設機械のアッパーフレームに対してブームを取り付ける際に両者を水平方向において容易に位置合わせすることが可能となる。

　上記の構成において、前記アダプタの前記アダプタ本体は、機械後方に張り出した左右一対の後方張出部であって、それぞれ左右方向の外側を向く張出部外側面を有する左右一対の後方張出部と、前記左右一対の後方張出部の前記張出部外側面から左右方向の外側に向かって延びる左右一対の係合ピンと、を有し、前記センターセクションは、上方に向かって開口された凹部を画定するように前後方向において互いに対向して配置された前後一対の内壁面と当該一対の内壁面同士を接続する下面部とをそれぞれ含む左右一対の位置決め部であって、前記ブームが前記アッパーフレームに装着される際に前記アダプタ本体の前記左右一対の係合ピンをそれぞれ上方から前記凹部に受け入れることで前記アダプタが少なくとも下方向に移動することを阻止する、左右一対の位置決め部を有することが望ましい。

　本構成によれば、左右の係合ピンが左右の位置決め部の凹部にそれぞれ嵌まり込むと、ブームを支持するアダプタをセンターセクションに対して下方向において位置決めすることができる。この際、左右の係合ピンは左右の後方張出部の外側面から外側に突出しているため、係合ピンが作業者によって視認されやすい。したがって、建設機械のアッパーフレームに対してブームを取り付ける際に両者を上下方向においても容易に位置合わせすることが可能となる。

　上記の構成において、前記左右一対の後方張出部には、当該後方張出部を左右方向に沿って貫通する位置決めピン孔がそれぞれ開口されており、前記アダプタ本体は、前記左右一対の後方張出部の左右方向における間隔よりも大きな寸法を有する位置決めピンを更に有し、当該位置決めピンは、その両端部が前記左右一対の後方張出部から左右方向の外側にそれぞれ突出するように前記左右一対の位置決めピン孔にそれぞれ挿通された状態で前記左右一対の後方張出部に固定されており、前記位置決めピンの前記両端部が前記左右一対の係合ピンを構成することが望ましい。

　本構成によれば、１本の位置決めピンの両端部によって一対の係合ピンを構成することができるため、一対の係合ピンの相対位置を安定して維持することができる。また、位置決めピンが左右の後方張出部同士を接続し、アダプタ本体の剛性を高めることができる。

　上記の構成において、前記ブームが前記アッパーフレームに装着される際に、前記左右一対のガイドピンのうちの一方のガイドピンが他方のガイドピンに先立って前記左右一対の縦板の前記ガイド穴のうちの一方のガイド穴に挿入されるように、前記左右一対のガイドピンおよび前記左右一対の縦板の前記ガイド部の相対位置が設定されていることが望ましい。

　本構成によれば、左右一対のガイドピンが左右一対のガイド穴に同時に挿通されるものに比べて、挿通作業が容易になり、作業性を高めることができる。

　上記の構成において、前記アダプタが前記アッパーフレームから脱離される場合に、左右方向から見て前記アダプタ本体の下端部が前記センターセクションの前記左右一対の縦板の上端部と合致したときに、前記左右一対のガイドピンのうちの少なくとも一方のガイドピンが、前記左右一対の縦板の前記ガイド穴のうちの少なくとも一方のガイド穴に挿入されているように前記左右一対のガイドピンの長さがそれぞれ設定されていることが望ましい。

　本構成によれば、アダプタがアッパーフレームから離れる際にアダプタの荷振れを抑制し、周辺に配置されたタンクやガードにアダプタが接触することを防止することが可能となる。

　上記の構成において、前記左右一対のガイド部のうちの少なくとも一方のガイド部は、側面視において前記建設機械の外側から視認可能な位置に配置されていることが望ましい。

　本構成によれば、作業者は、少なくとも一方のガイドピンがガイド部のガイド穴に挿通される様子を機械側方から確実に視認することが可能となる。

Claims

　アッパーフレームと前記アッパーフレームに起伏可能に支持されるブームと前記ブームを起伏させるように伸縮するブームシリンダとを含む建設機械において前記ブームを前記アッパーフレームに取り付けるためのブーム取付装置であって、
　前記アッパーフレームに備えられ、底板と前記底板に立設される左右一対の縦板とを含むセンターセクションと、
　前記ブームと前記ブームシリンダとをそれぞれ前記センターセクションに回動可能に連結するアダプタと、
を備え、
　前記アダプタは、
　　前記ブームの基端部および前記ブームシリンダの基端部をそれぞれ左右方向に延びる回転中心軸周りに回動可能に支持するアダプタ本体と、
　　前記アダプタ本体から下方に向かってそれぞれ延びる左右一対のガイドピンと、
　を有し、
　前記左右一対の縦板は、
　　左右方向の外側を向く外側面と、
　　前記外側面に配置され上面部を含むガイド部であって、当該ガイド部の前記上面部には前記ブームが前記アッパーフレームに装着される際に下方向に沿って前記ガイドピンを受け入れることが可能なガイド穴が開口されているガイド部と、
　をそれぞれ有する、建設機械のブーム取付装置。
　前記アダプタの前記アダプタ本体は、
　　機械後方に張り出した左右一対の後方張出部であって、それぞれ左右方向の外側を向く張出部外側面を有する左右一対の後方張出部と、
　　前記左右一対の後方張出部の前記張出部外側面から左右方向の外側に向かって延びる左右一対の係合ピンと、
　を有し、
　前記センターセクションは、上方に向かって開口された凹部を画定するように前後方向において互いに対向して配置された前後一対の内壁面と当該一対の内壁面同士を接続する下面部とをそれぞれ含む左右一対の位置決め部であって、前記ブームが前記アッパーフレームに装着される際に前記アダプタ本体の前記左右一対の係合ピンをそれぞれ上方から前記凹部に受け入れることで前記アダプタが少なくとも下方向に移動することを阻止する、左右一対の位置決め部を有する、
請求項１に記載の建設機械のブーム取付装置。
　前記左右一対の後方張出部には、当該後方張出部を左右方向に沿って貫通する位置決めピン孔がそれぞれ開口されており、
　前記アダプタ本体は、前記左右一対の後方張出部の左右方向における間隔よりも大きな寸法を有する位置決めピンを更に有し、当該位置決めピンは、その両端部が前記左右一対の後方張出部から左右方向の外側にそれぞれ突出するように前記左右一対の位置決めピン孔にそれぞれ挿通された状態で前記左右一対の後方張出部に固定されており、前記位置決めピンの前記両端部が前記左右一対の係合ピンを構成する、請求項２に記載の建設機械のブーム取付装置。
　前記ブームが前記アッパーフレームに装着される際に、前記左右一対のガイドピンのうちの一方のガイドピンが他方のガイドピンに先立って前記左右一対の縦板の前記ガイド穴のうちの一方のガイド穴に挿入されるように、前記左右一対のガイドピンおよび前記左右一対の縦板の前記ガイド部の相対位置が設定されている、請求項１乃至３の何れか１項に記載の建設機械のブーム取付装置。
　前記アダプタが前記アッパーフレームから脱離される場合に、左右方向から見て前記アダプタ本体の下端部が前記センターセクションの前記左右一対の縦板の上端部と合致したときに、前記左右一対のガイドピンのうちの少なくとも一方のガイドピンが、前記左右一対の縦板の前記ガイド穴のうちの少なくとも一方のガイド穴に挿入されているように、前記左右一対のガイドピンの長さがそれぞれ設定されている、請求項１乃至４の何れか１項に記載の建設機械のブーム取付装置。
　前記左右一対のガイド部のうちの少なくとも一方のガイド部は、側面視において前記建設機械の外側から視認可能な位置に配置されている、請求項１乃至５の何れか１項に記載の建設機械のブーム取付装置。