WO2020031887A1

WO2020031887A1 - 打込機

Info

Publication number: WO2020031887A1
Application number: PCT/JP2019/030466
Authority: WO
Inventors: 大塚　和弘; 義光飯島
Original assignee: 工機ホールディングス株式会社
Priority date: 2018-08-06
Filing date: 2019-08-02
Publication date: 2020-02-13
Also published as: EP3834991A1; JP7031749B2; TW202007497A; JPWO2020031887A1; US11623330B2; US20210308851A1; CN112533733A; EP3834991A4

Abstract

アクチュエータ専用の配置スペースを確保せずに済む打込機を提供する。止具（７３）を打撃するように作動可能な打撃部（１３）と、打撃部（１３）を支持するハウジング（１１）と、ハウジング（１１）に設けられたトリガ（１４）と、ハウジング（１１）に設けられたプッシュレバー（１６）と、トリガバルブ（５１）と、を有する、打込機（１０）であって、トリガ（１４）に設けたスライド部材（８１）と、トリガ（１４）に設けられ、スライド部材（８１）を作動させるソレノイド（４６）と、を備えている。

Description

打込機

本発明は、所定方向に作動して止具を打撃する打撃部と、打撃部を作動させる駆動部と、を有する、打込機に関する。

打撃部及び駆動部を有する打込機が特許文献１に記載されている。特許文献１に記載された打込機は、ハウジング、蓄圧室、圧力室、打撃部、プッシュレバー、シリンダ、トリガ、トリガバルブ、アクチュエータとしてのディレイバルブを有する。蓄圧室はハウジング内に設けられ、圧縮空気が蓄圧室に供給される。

特許文献１に記載された打込機を作業者が使用する場合、作業者がトリガに操作力を付加した時点から所定時間内であると、ディレイバルブは、蓄圧室の圧縮気体を圧力室に供給する経路を接続している。このため、トリガに操作力を付加した時点から、所定時間内にプッシュレバーに操作力を付加すると、圧縮空気が圧力室に供給され、打撃部は止具を打撃する方向に作動する。

これに対して、トリガに操作力を付加した時点から、所定時間を超えると、ディレイバルブは、蓄圧室の圧縮気体を圧力室に供給する経路を遮断する。このため、トリガに操作力を付加した時点から、所定時間を超えた後にプッシュレバーに操作力を付加しても、圧縮空気は圧力室に供給されない。つまり、打撃部は、止具を打撃する方向に作動しない。

国際公開第２０１７－１１５５９３号

本願発明者は、アクチュエータ専用の配置スペースを確保する必要があることを認識した。

本発明の目的は、アクチュエータ専用の配置スペースを確保せずに済む打込機を提供することである。

一実施形態の打込機は、止具を打撃するように作動可能な打撃部と、前記打撃部を支持するハウジングと、前記ハウジングに設けられ、かつ、作業者の操作力で作動する操作部材と、前記ハウジングに設けられ、かつ、前記止具を打ち込む相手材に接触して作動可能な接触部材と、前記打撃部を停止させておく待機状態、及び前記打撃部を作動させる作動状態を備え、かつ、切替部材が作動すると前記待機状態と前記作動状態とが切り替わる駆動部と、を有する、打込機であって、前記操作部材に作動可能に設けられ、かつ、前記操作部材の作動力及び前記接触部材の作動力を前記切替部材に伝達可能な伝達状態、及び前記操作部材の作動力及び前記接触部材の作動力を前記切替部材に伝達不可能な遮断状態を有する伝達機構と、前記操作部材に設けられ、前記伝達機構を前記伝達状態と前記遮断状態とで切り替えるアクチュエータと、を備えている。

一実施形態の打込機によれば、アクチュエータを配置するために専用の配置スペースを確保せずに済む。

本発明の実施形態である打込機の全体構造を示す正面断面図である。（Ａ）は、打込機に設けるトリガ及びスライド部材を示す断面図、（Ｂ）は、図２（Ａ）のＩＩ－ＩＩ線における側面断面図である。図１の打込機の制御部系統を示すブロック図である。（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）は、トリガの作動を示す断面図である。（Ａ）、（Ｂ）は、トリガの作動を示す断面図である。（Ａ）、（Ｂ）は、トリガの作動であり、第２モードに対応する断面図である。打込機で行われる制御例を含むフローチャートである。（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）は、トリガの作動を示す断面図である。（Ａ）、（Ｂ）は、トリガの作動を示す断面図である。（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）は、トリガの作動を示す断面図である。（Ａ）、（Ｂ）は、トリガの作動を示す断面図である。（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）は、トリガの作動を示す断面図である。（Ａ）、（Ｂ）は、トリガの作動を示す断面図である。打込機で行われる他の制御例を含むフローチャートである。（Ａ）は、打込機に設けた電源部の他の例を示す縦断面図、（Ｂ）は、図（Ａ）のIII －III 線における側面断面図である。

次に、本発明の実施形態に含まれるいくつかの打込機を、図面を参照して説明する。

図１及び図２に示す打込機１０は、ハウジング１１、シリンダ１２、打撃部１３、トリガ１４、射出部１５及びプッシュレバー１６を有する。また、マガジン１７が打込機１０に取り付けられている。ハウジング１１は、筒形状の本体１８と、本体１８に固定したヘッドカバー２１と、本体１８に接続されたハンドル１９と、を有する。

蓄圧室２０が、ハンドル１９の内部、本体１８の内部、ヘッドカバー２１の内部に亘って形成されている。ハンドル１９において本体１８とは反対に位置する端部にエンドカバー２２が固定されている。プラグ２３がエンドカバー２２に取り付けられている。エアホースがプラグ２３に接続される。圧縮性気体としての圧縮空気は、エアホースを介して蓄圧室２０に供給される。シリンダ１２は本体１８内に設けられている。ヘッドカバー２１は、排気通路２４を有する。排気通路２４は、ハウジング１１の外部Ｂ１につながっている。

ヘッドバルブ３１がヘッドカバー２１内に設けられている。ヘッドバルブ３１は、シリンダ１２の中心線Ａ１方向に移動可能である。ヘッドカバー２１内に制御室２７が形成されている。付勢部材２８が、制御室２７に設けられている。付勢部材２８は、一例として、金属製の圧縮コイルスプリングである。付勢部材２８は、ヘッドバルブ３１を中心線Ａ１方向でシリンダ１２に近付ける向きで付勢する。ストッパ２９がヘッドカバー２１内に設けられている。シリンダ１２において、中心線Ａ１方向でヘッドバルブ３１に最も近い箇所の端部に、バルブシート３２が取り付けられている。

打撃部１３は、ピストン３４と、ピストン３４に固定されたドライバブレード３５と、を有する。ピストン３４は、シリンダ１２内に配置されている。打撃部１３は、中心線Ａ１方向に作動及び停止可能である。ピストン３４の外周面にシール部材３０が取り付けられている。ピストン上室３６が、ストッパ２９とピストン３４との間に形成される。ヘッドバルブ３１とバルブシート３２との間に通路１１０が形成される。

ヘッドバルブ３１がバルブシート３２から離間していると通路１１０が開き、蓄圧室２０はピストン上室３６に接続される。ヘッドバルブ３１がバルブシート３２に押し付けられていると通路１１０が閉じ、蓄圧室２０はピストン上室３６から遮断される。また、ピストン上室３６は排気通路２４を介して、ハウジング１１の外部Ｂ１につながる。

射出部１５は、本体１８に対して、中心線Ａ１方向でヘッドカバー２１が設けられている個所とは反対の端部に固定されている。射出部１５は射出路７２を有する。射出路７２内に中心線Ａ１が位置し、ドライバブレード３５は射出路７２内で中心線Ａ１方向に移動可能である。

バンパ３７が、シリンダ１２内に設けられている。バンパ３７は、シリンダ１２内において、中心線Ａ１方向で射出部１５に最も近い位置に配置されている。バンパ３７は軸孔３８を有し、ドライバブレード３５は軸孔３８内で中心線Ａ１方向に作動可能である。シリンダ１２内において、ピストン３４とバンパ３７との間にピストン下室３９が形成されている。

トリガバルブ５１が、本体１８とハンドル１９との接続箇所に設けられている。トリガバルブ５１は、プランジャ５２、弁体５５、通路５６，９０及び付勢部材６９を有する。プランジャ５２は、中心線Ａ２方向に作動及び停止可能である。中心線Ａ１と中心線Ａ２とは平行である。通路５６は、通路５７を介して制御室２７に接続されている。通路９０は、ハウジング１１の外部Ｂ１につながっている。付勢部材６９は、一例として圧縮スプリングであり、付勢部材６９は、プランジャ５２を中心線Ａ２方向で蓄圧室２０から離間させる向きで付勢している。

マガジン１７は、射出部１５及びハンドル１９により支持されている。マガジン１７は止具７３を収容する。マガジン１７は、フィーダ７４を有し、フィーダ７４はマガジン１７内の止具７３を射出路７２に送る。

図１のように、プッシュレバー１６は、射出部１５に取り付けられている。プッシュレバー１６は、射出部１５及びハウジング１１に対して、中心線Ａ１方向に作動可能である。図２のように、ホルダ４８が本体１８に設けられ、伝達部材７５が、ホルダ４８により支持されている。伝達部材７５は中心線Ａ２方向に作動可能である。付勢部材７６が、ホルダ４８と伝達部材７５との間に設けられている。付勢部材７６は、一例として金属製のスプリングである。付勢部材７６は、中心線Ａ２方向において、伝達部材７５をトリガバルブ５１から離間する向きで付勢する。

図４（Ａ）のように、モード選択部材８４が、ハウジング１１に取り付けられている。モード選択部材８４は、ハウジング１１に対して所定角度の範囲内で作動可能である。作業者はモード選択部材８４を操作して回転させ、かつ、停止させる。モード選択部材８４は、一例として、レバーまたはノブである。作業者は、打込機１０を使用するモードとして、第１モードまたは第２モードの何れかを選択する。作業者は打込機１０を使用前に、モード選択部材８４を、第１モードに対応する位置、または第２モードに対応する位置で停止させる。

作業者がトリガ１４に操作力を加えている状態で、作業者がプッシュレバー１６を相手材７７に押し付ける手順で打撃部１３を作動させるモードが、第１モードである。作業者がプッシュレバー１６を相手材７７に押し付けた状態で、作業者がトリガ１４に操作力を付加する手順で打撃部１３を作動させるモードが、第２モードである。

トリガ１４は支持軸４０を介してモード選択部材８４に取り付けられている。支持軸４０は、モード選択部材８４の回転中心から偏心した位置に配置されている。作業者がモード選択部材８４を回転させると、支持軸４０は中心線Ａ２に対して交差する方向に移動する。また、トリガ１４は、支持軸４０を中心として所定角度の範囲内で回転可能である。付勢部材４１が設けられ、付勢部材４１は、トリガ１４を図４（Ａ）で時計回りに付勢する。付勢部材４１は、一例として金属製のスプリングである。

トリガアーム４２が、トリガ１４に対して支持軸４３を介して取り付けられている。トリガアーム４２は、トリガ１４に対して支持軸４３を中心として所定角度の範囲内で作動可能である。トリガ１４に付勢部材４４が設けられている。付勢部材４４は、トリガアーム４２を、トリガ１４に対して反時計回りに付勢する。付勢部材４４は、一例として金属製のスプリングである。トリガ１４の一部及びトリガアーム４２の一部は、中心線Ａ２方向で、トリガバルブ５１とホルダ４８との間に配置されている。図３に示す電源スイッチ４５がトリガアーム４２に取り付けられている。

（アクチュエータ及びスライド部材の具体例１）　ソレノイド４６がトリガアーム４２に取り付けられている。図４（Ａ）に示すソレノイド４６は、アクチュエータの具体例１である。中心線Ａ２に対して交差する方向で、プランジャ５２は、ソレノイド４６と本体１８との間に配置されている。ソレノイド４６は、コイル及びプランジャ４７を有する。プランジャ４７は、プランジャ５２に対して接近及び離間可能である。プランジャ４７は磁性材料製、例えば、鉄製である。ソレノイド４６のコイルに電流が流れると、コイルは磁気吸引力を発生する。コイルは磁気吸引力により、プランジャ４７をプランジャ５２から離間させる向きに付勢する。コイルは、プランジャ４７を図４（Ａ）で右方向に付勢する。

付勢部材８０がプランジャ４７の外周に設けられている。付勢部材８０は、プランジャ４７をプランジャ５２に接近させる向きで付勢する。付勢部材８０は、プランジャ４７を図４（Ａ）で左方向に付勢する。付勢部材８０は、一例として金属製のスプリングである。ここでは、コイルの磁気吸引力でプランジャ４７に作用する作動力は、付勢部材８０からプランジャ４７に加わる作動力よりも大きいものとする。

スライド部材８１がプランジャ４７に固定されている。スライド部材８１は、接触部８３及び切り欠き８２を有する。スライド部材８１は、トリガアーム４２によってガイドさ、かつ、プランジャ４７と一体で作動または停止する。ソレノイド４６及びスライド部材８１は、支持軸４０に対して垂直な平面内で、トリガ１４の配置領域内に配置されている。

図１、図２（Ａ）及び図２（Ｂ）に示すように、電源部１０６がハウジング１１、一例としてハンドル１９に取り付けられている。ハンドル１９の外面において、トリガバルブ５１とエンドカバー２２との間に凹部８５が設けられている。凹部８５は、ハンドル１９のうち、中心線Ａ２方向でマガジン１７に近い箇所に設けられている。電源部１０６は凹部８５に配置されている。

電源部１０６は、容器８６及び電池セル８７を有する。容器８６は、絶縁性の材料、例えば合成樹脂製である。容器８６は、凹部８５に対して出入り可能である。電池セル８７は容器８６内に収容されている。電池セル８７は円柱形状であり、複数の電池セル８７が、径方向に並べられている。電池セル８７は、充電及び放電が可能な二次電池であり、電池セル８７は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケルカドミウム電池の何れかを用いることができる。電池セルは一次電池であってもよい。さらに、電源部１０６は、ソレノイド４６に電力を供給するための電源ケーブル１０９を有する。

グリップ８８がハンドル１９及び電源部１０６の外面を覆っている。グリップ８８は、一例として合成ゴム製であり、かつ、筒形状である。グリップ８８が、ハンドル１９及び電源部１０６の外面を覆っていると、電源部１０６は凹部８５から脱落しない。作業者がグリップ８８をハンドル１９から取り外すと、電源部１０６を凹部８５に対して出し入れ可能である。

容器８６の外面に突部８９が設けられている。電源スイッチ４５が突部８９に接触すると、電源スイッチ４５がオンする。電源スイッチ４５が突部８９から離間すると、電源スイッチ４５がオフする。

図３は、打込機１０の制御系統を示すブロック図である。制御部９１及びターミナル１０７が容器８６内に設けられている。ターミナル１０７は、複数の電池セル８７にそれぞれ電気的に接続されている。制御部９１は、入力インタフェース、出力インタフェース、演算処理装置、メモリ及びタイマーを有するマイクロコンピュータである。制御部９１と電源部１０６との間に電気回路９２が設けられている。

電源スイッチ４５のオンは、電気回路９２を接続することである。電源スイッチ４５のオフは、電気回路９２を遮断することである。電源スイッチ４５がオンすると、電源部１０６の電力が制御部９１に供給され、制御部９１が起動する。電源スイッチ４５がオフすると、電源部１０６の電力は制御部９１に供給されず、制御部９１が停止する。プッシュレバースイッチ９３が、射出部１５に設けられている。

作業者がプッシュレバー１６を相手材７７に押し付けると、プッシュレバー１６に設けれている、伝達部材７５がトリガバルブ５１に近づく。作業者がプッシュレバー１６を相手材７７から離間させると、伝達部材７５がトリガバルブ５１から遠ざかる。電源部１０６とソレノイド４６との間に電気回路９４が設けられている。電気回路９４を接続及び遮断するソレノイドスイッチ９５が設けられている。

制御部９１は、ソレノイドスイッチ９５をオン及びオフする。ソレノイドスイッチ９５のオンは、電気回路９４を接続することである。ソレノイドスイッチ９５のオフは、電気回路９４を遮断することである。電源部１０６の電圧を検出する電圧検出センサ６２が設けられている。電圧検出センサ６２の信号は制御部９１に入力される。

次に、打込機１０の使用例を、図７のフローチャートを参照して説明する。

（作業者が第１モードを選択する例）　作業者が、モード選択部材８４を操作して、モード選択部材８４を第１モードに相当する位置で停止させると、図４（Ａ）のように、トリガ１４は、中心線Ａ２に交差する方向で本体１８に最も接近する。また、トリガアーム４２は、中心線Ａ２に交差する方向で支持軸４０に最も接近する。

作業者がトリガ１４に対する操作力を解除し、かつ、プッシュレバー１６を相手材７７から離間させている状態が、図７のステップＳ１０における打込機１０の初期状態である。トリガ１４がホルダ４８に接触して、トリガ１４及びトリガアーム４２が、それぞれ初期位置で停止している。プッシュレバー１６も初期位置で停止し、プッシュレバースイッチ９３はオフしている。トリガ１４が初期位置で停止していると、電源スイッチ４５はオフしている。このため、電源部１０６の電力は制御部９１に供給されず、制御部９１は停止している。

また、ソレノイドスイッチ９５はオフし、電源部１０６の電力はソレノイド４６に供給されていない。したがって、プランジャ４７は初期位置で停止し、スライド部材８１は初期位置で停止している。プランジャ４７の初期位置は、プランジャ５２に最も接近した位置である。スライド部材８１の初期位置は、スライド部材８１の作動方向で、スライド部材８１が伝達部材７５に最も接近した位置である。つまり、プランジャ４７が、付勢部材８０の力で伝達部材７５に最も接近した位置で停止している。

また、トリガバルブ５１は待機状態で停止している。トリガバルブ５１の待機状態では、蓄圧室２０と通路５６とが接続されており、制御室２７に圧縮空気が供給されている。このためヘッドバルブ３１がバルブシート３２に押し付けられている。したがって、蓄圧室２０とピストン上室３６とが遮断され、打撃部１３は、図１に示す初期位置、つまり、上死点で停止している。

作業者がトリガ１４に操作力を加えると、トリガ１４は図４（Ａ）において反時計方向に作動し、かつ、図４（Ｂ）のように電源スイッチ４５がオンし、トリガ１４が作動位置で停止する。ステップＳ１１で電源スイッチ４５がオンすると、電源部１０６の電力が制御部９１に供給され、制御部９１が起動する。制御部９１は、タイマーをスタートさせ、かつ、ソレノイドスイッチ９５をオンする。電源部１０６の電力が電源ケーブル１０９を介してソレノイド４６に供給され、コイルが磁気吸引力を発生する。

スライド部材８１が、図４（Ｂ）に示す初期位置から、図４（Ｃ）に示す作動位置へ作動し、かつ、停止する。スライド部材８１の作動位置は、スライド部材８１の作動方向で、スライド部材８１が伝達部材７５から最も離間した位置である。

制御部９１は、ステップＳ１３において、タイマーがスタートした時点から、所定時間内にプッシュレバースイッチ９３がオンしたか否かを判断する。所定時間は、一例として３秒である。制御部９１がステップＳ１３でＹｅｓと判断すると、制御部９１はステップＳ１４でタイマーをリセットし、ソレノイドスイッチ９５をオフする。このため、電源部１０６の電力はソレノイド４６に供給されなくなる。

また、プッシュレバー１６の作動力は、伝達部材７５を介してトリガアーム４２に伝達される。トリガアーム４２は、図４（Ａ）で支持軸４３を中心として時計回りに作動し、図５（Ａ）のように、電源スイッチ４５がオフする。ステップＳ１４で電源スイッチ４５がオフすると、電源部１０６の電力は制御部９１に供給されなくなり、制御部９１は停止する。

さらに、トリガアーム４２が時計回りに作動すると、スライド部材８１の接触部８３が、図５（Ａ）のようにトリガバルブ５１のプランジャ５２に押し付けられる。すると、トリガバルブ５１は待機状態から作動状態に切り替わる。トリガバルブ５１が作動状態であると、蓄圧室２０と通路５６とが遮断され、通路５６と通路９０とが接続される。このため、制御室２７の圧縮性気体は、通路９０を介して外部Ｂ１に排出される。また、ヘッドバルブ３１はバルブシート３２から離間し、蓄圧室２０とピストン上室３６とがつながる。その結果、蓄圧室２０の圧縮性気体がピストン上室３６に供給され、打撃部１３は上死点から下死点に向けて作動し、ドライバブレード３５が止具７３を打撃する。止具７３は、ステップＳ１４において相手材７７に打ち込まれる。

また、作業者がプッシュレバー１６を相手材７７に押し付けている状態において、図５（Ａ）のように、伝達部材７５はプランジャ５２に押し付けられている。このため、電源部１０６の電力がソレノイド４６に供給されていない状態で、スライド部材８１とプランジャ５２との接触箇所の摩擦力により、スライド部材８１は作動位置で停止している。

作業者がトリガ１４に操作力を付加した状態を保ち、かつ、プッシュレバー１６を相手材７７から離間させると、ステップＳ１５でプッシュレバースイッチ９３がオフする。また、伝達部材７５は、作動位置から初期位置に戻って停止する。トリガアーム４２は、付勢部材４４の力で反時計回りに作動して停止し、ステップＳ１５で電源スイッチ４５がオンする。

ステップＳ１５で電源スイッチ４５がオンすると、電源部１０６の電力が制御部９１に供給され、制御部９１が起動する。また、制御部９１は、ステップＳ１５でタイマーをスタートし、かつ、ソレノイドスイッチ９５をオンする。このため、電源部１０６の電力がソレノイド４６に供給され、スライド部材８１が初期位置から作動位置へ作動して停止する。トリガバルブ５１は、ステップＳ１５で作動状態から待機状態に戻る。制御部９１は、ステップＳ１５に次いでステップＳ１２に進む。

一方、制御部９１がステップＳ１３でＮｏと判断すると、ステップＳ１６において、ソレノイドスイッチ９５をオフし、かつ、タイマーをリセットする。このため、電源部１０６の電力はソレノイド４６に供給されず、ソレノイド４６は初期位置に戻って停止する。つまり、プランジャ４７は付勢部材８０の力で作動し、プランジャ４７は伝達部材７５に最も近づいた位置で停止する。スライド部材８１は、プランジャ４７と共に、図４（Ｃ）に示す作動位置から、図４（Ｂ）に示す初期位置に戻って停止する。

ここで、プッシュレバー１６が相手材７７以外の異物に接触して伝達部材７５が作動し、トリガアーム４２が図４（Ｂ）で時計回りに作動すると、プランジャ５２は、図５（Ｂ）のように切り欠き８２に進入する。このため、トリガアーム４２の作動力はトリガバルブ５１に伝達されず、トリガバルブ５１は待機状態に保持される。

このように、トリガ１４に操作力が付加された時点から、所定時間を超えた時点でプッシュレバー１６が異物に接触しても、トリガバルブ５１は待機状態に維持され、打撃部１３は上死点に停止している。したがって、止具７３が異物に打ち込まれることを防止可能である。

制御部９１は、ステップＳ１６に次ぐステップＳ１７で電源スイッチ４５がオフしたか否かを判断する。制御部９１は、ステップＳ１７でＮｏと判断すると、ステップＳ１７の判断を繰り返す。制御部９１は、ステップＳ１７でＹｅｓと判断すると、ステップＳ１０に進む。

本実施形態の打込機１０は、スライド部材８１が、プッシュレバー１６からトリガアーム４２に伝達された作動力を、トリガバルブ５１のプランジャ５２に伝達する。スライド部材８１を作動及び停止させるソレノイド４６は、トリガ１４に設けられている。したがって、ソレノイド４６を配置するためのスペースを専用で設けずに済む。

（アクチュエータ及びスライド部材の具体例２）　スライド部材８１を作動及び停止させるため、ソレノイド４６に代えてソレノイド６０を設ける。ソレノイド６０は、アクチュエータの具体例２であり、ソレノイド６０は、コイル及びプランジャ４７を有する。ソレノイドに電流を供給すると吸着力を発生するが、付勢部材８０の力に抗してプランジャ４７及びスライド部材８１を作動させることはできない。つまり、ソレノイド６０は電磁石である。中心線Ａ２に対して交差する方向で、プランジャ５２は、ソレノイド６０と本体１８との間に配置されている。

ソレノイド６０を設けると、図７のステップＳ１１でソレノイド６０に電力が供給されても、プランジャ４７及びスライド部材８１は初期位置で停止している。作業者がステップＳ１２において、プランジャ４７及びスライド部材８１を手動により初期位置から作動位置へ作動させる。すると、ソレノイド６０は、プランジャ４７及びスライド部材８１を作動位置に保持する。

さらに、ステップＳ１５でソレノイド６０に電力が供給されても、プランジャ４７及びスライド部材８１は初期位置で停止している。そして、作業者がステップＳ１５において、プランジャ４７及びスライド部材８１を手動により初期位置から作動位置へ作動させる。すると、ソレノイド６０は、プランジャ４７及びスライド部材８１を作動位置に保持し、ステップＳ１２に進む。ソレノイド６０を用いた場合の他の制御は、図７のフローチャートに対応する他の制御と同じである。

（アクチュエータ及びスライド部材の具体例３）　スライド部材８１を作動及び停止させるため、ソレノイド４６に代えてキープソレノイド６１を設ける。キープソレノイド６１は、アクチュエータの具体例３であり、キープソレノイド６１は、コイル及び永久磁石を有する。この場合、付勢部材８０は設けない。ソレノイドスイッチ９５はオンオフが可能であることに加え、キープソレノイド６１に供給する電流の向きを切り替え可能である。電源部１０６からキープソレノイド６１に電力を供給すると、プランジャ４７が作動する。

キープソレノイド６１に供給する電流の向きを切り替えると、プランジャ４７が作動する向きが切り替わる。電源部１０６からキープソレノイド６１に対する電力の供給を停止すると、プランジャ４７は永久磁石の吸引力で、初期位置または作動位置でそれぞれ停止する。中心線Ａ２に対して交差する方向で、プランジャ５２は、キープソレノイド６１と本体１８との間に配置されている。

キープソレノイド６１を用いた場合の制御例を、図７のフローチャートを参照して説明する。ステップＳ１０ではキープソレノイド６１に電力が供給されておらず、プランジャ４７は初期位置で停止している。制御部９１は、ステップＳ１１でソレノイドスイッチ９５をオンし、キープソレノイド６１に電力を供給させる。キープソレノイド６１に供給される電流の向きは、ステップＳ１２でスライド部材８１が初期位置から作動位置向けて作動する向きである。また、制御部９１は、ステップＳ１２において、キープソレノイド６１に対する電力の供給を停止させ、スライド部材８１が作動位置で停止する。

制御部９１は、ステップＳ１３でＹｅｓと判断してステップＳ１４を経てステップＳ１５に進み、キープソレノイド６１に電力を供給する。このため、スライド部材８１は作動位置から初期位置に戻る。制御部９１はステップＳ１５からステップＳ１２に進んでキープソレノイド６１に電力を供給及び停止する。このため、スライド部材８１は初期位置から作動位置に作動し、かつ、作動位置で停止する。

制御部９１は、ステップＳ１３でＮｏと判断すると、制御部９１は、ステップＳ１６でキープソレノイド６１に電力を供給及び停止する。このため、スライド部材８１は作動位置から初期位置に作動し、かつ、初期位置で停止する。キープソレノイド６１を用いた場合の他の制御は、図７のフローチャートに対応する他の制御と同じである。

（作業者が第２モードを選択する例）　まず、ソレノイド４６が設けられている例を説明する。作業者が、モード選択部材８４を第２モードに相当する位置で停止させると、図６（Ａ）のように、トリガ１４及びトリガアーム４２は、中心線Ａ２に対して交差する方向で、本体１８から最も離間した位置に停止する。作業者がトリガ１４に対する操作力を解除し、かつ、プッシュレバー１６を相手材７７から離間させた初期状態において、電源スイッチ４５はオフし、かつ、ソレノイドスイッチ９５はオフしている。ソレノイド４６に電力は供給されず、スライド部材８１は初期位置で停止している。また、トリガバルブ５１は待機状態で停止しており、蓄圧室２０の圧縮空気はピストン上室３６に供給されない。このため、打撃部１３は初期位置、つまり、上死点で停止している。

作業者が、トリガ１４に操作力を付加することなく、プッシュレバー１６を相手材７７に押し付けると、伝達部材７５が作動する。伝達部材７５の作動力はプランジャ５２に伝達されない。作業者がプッシュレバー１６を相手材７７に押し付けた状態で、トリガ１４に操作力を付加すると、トリガ１４が図６（Ａ）で反時計回りに作動する。すると、トリガ１４が作動位置に到達して停止するが、電源スイッチ４５はオフに維持される。

また、トリガアーム４２は反時計回りに作動し、図６（Ｂ）のように、スライド部材８１の接触部８３が、プランジャ５２に押し付けられる。このため、トリガバルブ５１が待機状態から作動状態に切り替わり、打撃部１３が上死点から下死点に向けて作動する。さらに、作業者がプッシュレバー１６を相手材７７から離間させ、かつ、トリガ１４に対する操作力を解除すると、トリガバルブ５１は作動状態から待機状態に切り替わる。また、トリガ１４は作動状態から、図６（Ａ）に示す初期状態に戻って停止する。

作業者が第２モードを選択し、かつ、作業者がプッシュレバー１６を相手材７７から離間させた状態で、トリガ１４に操作力を付加すると、トリガ１４は反時計回りに作動して、作動位置で停止する。しかし、電源スイッチ４５はオフを保持する。また、トリガアーム４２の全部は、伝達部材７５の作動範囲外で停止する。このため、作業者がトリガ１４に操作力を付加した状態で、プッシュレバー１６を相手材７７に押し付けても、伝達部材７５の作動力はトリガアーム４２に伝達されない。つまり、トリガバルブ５１は待機状態に保たれ、打撃部１３は上死点で停止している。

なお、ソレノイド４６に代えて、ソレノイド６０を設けた場合も、電源部１０６の電力はソレノイド６０に供給されず、スライド部材８１は初期位置に停止している。また、ソレノイド４６に代えて、キープソレノイド６１を設けた場合も、電源部１０６の電力はキープソレノイド６１に供給されず、スライド部材８１は初期位置に停止している。

（アクチュエータ及びスライド部材の具体例４）　図８（Ａ）に示すソレノイド４６は、アクチュエータの具体例４である。図８（Ａ）に示す要素において、図２に示す要素と同じ要素は、図２と同じ符号を付してある。ソレノイド４６は、図８（Ａ）の中心線Ａ２に対して交差する方向で、プランジャ５２と本体１８との間に配置されている。ソレノイド４６のコイルに電流を供給すると、プランジャ４７はプランジャ５２に接近する。つまり、ソレノイド４６は、プランジャ４７を図８（Ａ）で左方向に付勢する。付勢部材８０は、プランジャ４７をプランジャ５２から離間するように付勢する。つまり、付勢部材８０は、プランジャ４７を図８（Ａ）で右方向に付勢する。

作業者が第１モードを選択し、かつ、トリガ１４に対する操作力を解除し、かつ、図１に示すプッシュレバー１６が相手材７７から離間させていると、トリガ１４、トリガアーム４２及びトリガバルブ５１は、図８（Ａ）に示す初期状態にある。すなわち、電源スイッチ４５はオフし、かつ、プッシュレバースイッチ９３はオフしている。

作業者が第１モードを選択し、かつ、トリガ１４に対する操作力を付加し、かつ、プッシュレバー１６が相手材７７から離間させていると、図８（Ｂ）に示すように、電源スイッチ４５がオンする。また、ソレノイド４６に電流が供給されスライド部材８１が初期位置から作動位置へ作動して停止する。さらに、プッシュレバースイッチ９３はオフしている。

そして、作業者が第１モードを選択し、かつ、トリガ１４に対して操作力を付加した時点から所定時間内にプッシュレバー１６が相手材７７に押し付けられると、伝達部材７５が図８（Ｃ）のように作動位置へ移動して停止する。伝達部材７５の作動力は、トリガアーム４２及びスライド部材８１を介してプランジャ５２に伝達され、トリガバルブ５１は待機状態から作動状態に切り替わる。したがって、図１に示す打撃部１３は上死点から下死点に向けて作動する。

これに対して、作業者が第１モードを選択し、かつ、トリガ１４に対して操作力を付加した時点から、プッシュレバー１６を相手材７７から離間した状態で所定時間を超えると、ソレノイド４６に対する電流の供給が停止し、スライド部材８１は作動位置から図９（Ａ）に示す初期位置へ移動し、かつ、初期位置で停止する。

このため、作業者が第１モードを選択し、かつ、トリガ１４に対して操作力を付加した時点から、プッシュレバー１６を相手材７７から離間した状態で所定時間を超えた後、プッシュレバー１６が異物に接触して伝達部材７５が作動すると、プランジャ５２は図９（Ｂ）のように、スライド部材８１の切り欠き８２に進入する。このため、トリガバルブ５１は待機状態に保持され、打撃部１３は上死点で停止している。

図８（Ａ）に示すソレノイド４６及びスライド部材８１の配置構造を、図１に示す打込機１０に設けると、図７の制御例が当てはまる。また、図８（Ａ）に示すソレノイド４６に代えて、ソレノイド６０またはキープソレノイド６１を設けることも可能である。図８（Ａ）に示すソレノイド４６に代えて、ソレノイド６０またはキープソレノイド６１を設けた場合も、図７の制御例が当てはまる。

なお、図８（Ａ）に示すソレノイド４６、または、ソレノイド６０またはキープソレノイド６１を設けた場合に、作業者が第２モードを選択すると、プランジャ４７及びスライド部材８１の作動向きが逆になることを除き、図２に示すソレノイド４６を有する打込機１０において、作業者が第２モードを選択した場合の作用及び制御と同じである。

（アクチュエータ及びスライド部材の具体例５）　スライド部材８１を作動させる機構の他の例は、図１０（Ａ）に示されている。図１０Ａに示す支持軸４０は、ハウジング１１に取り付けられている。図２に示すモード選択部材８４は、図１０（Ａ）では設けられていない。図１０（Ａ）において、図２及び図４（Ａ）と同様の構成は、図２及び図４（Ａ）と同じ符号を付してある。トリガ１４は支持軸４０を介してハウジング１１に取り付けられている。モード選択部材８４は設けられていない。

ソレノイド１０４がトリガアーム４２に取り付けられている。ソレノイド１０４は、コイル及びプランジャ４７を有する。付勢部材１０５がプランジャ４７に取り付けられている。付勢部材１０５は、プランジャ４７をプランジャ５２から離間する向き、つまり、図１０（Ａ）で右方向に付勢する。付勢部材１０５は、一例として金属製である。プランジャ４７にスライド部材８１が固定されており、プランジャ４７が作動すると、スライド部材８１はトリガアーム４２に対して作動する。

ソレノイド１０４に対する電流の供給が停止していると、プランジャ４７は、付勢部材１０５の付勢力でプランジャ５２から最も離間した初期位置で停止している。ソレノイド１０４に電流を供給すると、プランジャ４７は付勢部材１０５の付勢力に抗してプランジャ５２に接近する向き、つまり、図１０（Ａ）で左方向に作動し、プランジャ４７は作動位置で停止する。プランジャ４７が作動位置で停止している状態で、ソレノイド１０４に対する電流の供給を停止すると、プランジャ４７は、付勢部材１０５の付勢力でプランジャ５２にから離間する向きで作動し、プランジャ４７は初期位置で停止する。

ソレノイド１０４を有する打込機１０は、図３の制御系統により制御可能である。制御部９１がソレノイドスイッチ９５をオンすると、ソレノイド１０４に対して電流が供給される。制御部９１がソレノイドスイッチ９５をオフすると、ソレノイド１０４に対する電流の供給が停止される。

（作業者が第１モードを選択する例）　作業者がトリガ１４に対する操作力を解除し、かつ、作業者がプッシュレバー１６を相手材７７から離間させている状態が、図１０（Ａ）に示す打込機１０の初期状態である。電源スイッチ４５はオフしている。このため、電源部１０６の電力は制御部９１に供給されず、制御部９１は停止している。

また、電源部１０６の電力はソレノイド１０４に供給されず、プランジャ４７は初期位置で停止している。さらに、トリガバルブ５１は待機状態で停止している。したがって、打撃部１３は、図１に示す上死点で停止している。

作業者が図１０（Ｂ）のようにトリガ１４に操作力を加え、かつ、トリガ１４を停止させると、電源スイッチ４５がオンする。電源スイッチ４５がオンすると、制御部９１が起動し、制御部９１は、タイマーをスタートさせる。また、電源部１０６の電力がソレノイド１０４に供給され、プランジャ４７が初期位置から作動し、図１０（Ｂ）に示す作動位置で停止する。スライド部材８１は、プランジャ４７と共に、初期位置から作動位置へ作動して停止する。作動位置に停止したスライド部材８１の先端は、伝達部材７５の作動範囲内に位置する。

制御部９１がタイマーをスタートさせてから所定時間内に、作業者がプッシュレバー１６を相手材７７に押し付けると、伝達部材７５が図１０（Ｃ）のようにスライド部材８１に押し付けられる。このため、トリガアーム４２がトリガ１４に対して時計回りに作動し、トリガアーム４２の作動力は、スライド部材８１を介してプランジャ５２に伝達される。したがって、トリガバルブ５１は待機状態から作動状態に切り替わる。また、図１に示す打撃部１３は、上死点から下死点に向けて作動する。

さらに、電源スイッチ４５が、図１０（Ｃ）のようにオフし、かつ、制御部９１はタイマーをリセットし、かつ、制御部９１が停止し、かつ、ソレノイド１０４に対する電流の供給が停止する。

ここで、スライド部材８１はプランジャ５２に押し付けられている。このため、ソレノイド１０４に対する電流の供給は停止しているが、スライド部材８１とプランジャ５２との接触箇所の摩擦力により、スライド部材８１は作動位置で停止している。

作業者がトリガ１４に操作力を付加した状態を保ち、かつ、プッシュレバー１６を相手材７７から離間させると、プッシュレバースイッチ９３がオフする。また、伝達部材７５は、作動位置から初期位置に戻って停止する。トリガバルブ５１は、作動状態から待機状態に戻り、打撃部１３は下死点から上死点に戻って停止する。また、プランジャ４７及びスライド部材８１は、作動位置から初期位置に戻ってそれぞれ停止する。さらに、トリガアーム４２は、反時計回りに作動して停止し、電源スイッチ４５がオンする。

電源スイッチ４５がオンすると、制御部９１が起動し、かつ、タイマーをスタートさせる。また、ソレノイド１０４に対して電流が供給される。このため、プランジャ４７及びスライド部材８１が初期位置から作動位置へ作動して停止する。

制御部９１がタイマーをスタートさせてから所定時間を超えると、制御部９１はソレノイド１０４に対する電流の供給を停止する。このため、プランジャ４７は図１０（Ｂ）で右方向に作動し、図１１（Ａ）に示す初期位置で停止する。スライド部材８１の全部及びトリガアーム４２の全部は、伝達部材７５の作動範囲外に位置する。

ここで、プッシュレバー１６が相手材７７以外の異物に接触して伝達部材７５が作動しても、伝達部材７５は、図１１（Ｂ）のように、スライド部材８１及びトリガアーム４２の何れにも接触しない。つまり、伝達部材７５の作動力はトリガバルブ５１に伝達されず、トリガバルブ５１は待機状態に保持される。このように、図１０（Ａ）のソレノイド１０４を有する打込機１０は、図７に示す制御を行うことができる。

（作業者が第２モードを選択する例）　打込機１０が図１０（Ａ）に示す初期状態である場合において、作業者がトリガ１４に操作力を付加することなく、かつ、プッシュレバー１６を相手材７７に押し付けると、伝達部材７５が作動する。また、プッシュレバースイッチ９３がオンする。伝達部材７５の作動力はトリガアーム４２に伝達され、トリガアーム４２が時計回りに作動するが、トリガアーム４２の作動力はプランジャ５２に伝達されない。

作業者がプッシュレバー１６を相手材７７に押し付けた状態で、トリガ１４に操作力を付加すると、トリガ１４が反時計回りに作動し、かつ、トリガ１４が停止する。すると、電源スイッチ４５はオンし、制御部９１が起動する。制御部９１が起動した時点で、プッシュレバースイッチ９３がオンしているため、制御部９１はソレノイド１０４に対して電流を供給しない。このため、スライド部材８１は初期位置で停止している。

また、トリガアーム４２はトリガ１４と共に時計回りに作動し、スライド部材８１がプランジャ５２に押し付けられる。この時、トリガアーム４２は支持軸４３を中心として回転し、スライド部材８１の先端１１０は、伝達部材７５の作動範囲内に位置している。したがって、スライド部材８１と伝達部材７５とが係合した状態に保持される。

このため、トリガバルブ５１が待機状態から作動状態に切り替わり、打撃部１３が上死点から下死点に向けて作動する。さらに、作業者がプッシュレバー１６を相手材７７から離間させ、かつ、トリガ１４に対する操作力を解除すると、トリガバルブ５１は作動状態から待機状態に切り替わる。また、トリガ１４は作動状態から、初期状態に戻って停止する。

（アクチュエータ及びスライド部材の具体例６）　ソレノイド及びスライド部材の他の例を、図１２（Ａ）を参照して説明する。図１２（Ａ）に示す構成において、図２（Ａ）及び図４（Ａ）に示す構成と同じ構成は、図２（Ａ）及び図４（Ａ）と同じ符号を付してある。

ソレノイド６０が、トリガアーム４２に取り付けられている。また、スライド部材８１は突出部１０８を有する。さらに、図１２（Ａ）の機構を有する打込機１０は、図３に示す制御系統を有する。

（作業者が第１モードを選択する例）　作業者が第１モードを選択する例を、図１４のフローチャートを参照して説明する。作業者はモード選択部材８４を操作して、モード選択部材８４を第１モードに相当する位置で停止させる。作業者がトリガ１４に対する操作力を解除し、かつ、プッシュレバー１６を相手材７７から離間させている状態が、ステップＳ２０における打込機１０の初期状態である。また、突出部１０８がホルダ４８に係合してスライド部材８１が停止している。スライド部材８１は付勢部材８０の力に抗して停止している。さらに、電源スイッチ４５はオフしている。このため、制御部９１は停止しており、ソレノイド６０に対する電力の供給は停止している。

また、トリガバルブ５１は待機状態で停止している。したがって、蓄圧室２０とピストン上室３６とが遮断され、打撃部１３は、図１に示す初期位置、つまり、上死点で停止している。この時、スライド部材８１の突出部１０８が、ホルダ４８の先端１１１に乗り上げていることがある。この場合は、突出部１０８が、図１２（Ａ）で示す先端１１１の側方に位置するように、スライド部材８１を初期位置にセットする。

そこで、作業者がトリガ１４に操作力を加えると、トリガ１４は図１２（Ａ）において反時計方向に作動し、かつ、電源スイッチ４５がオンし、トリガ１４が作動位置で停止する。ステップＳ２１で電源スイッチ４５がオンすると、制御部９１が起動する。また、突出部１０８がホルダ４８から解放されるため、スライド部材８１は付勢部材８０の力で作動し、スライド部材８１は、図１２（Ｂ）に示す初期位置で停止する。

作業者が、ステップＳ２２でトリガ１４に対する操作力を一旦解除すると、トリガ１４は、図１２（Ｂ）において時計回りに作動し、電源スイッチ４５がオフする。また、突出部１０８がホルダ４８に係合すると、スライド部材８１は、付勢部材８０の力に抗して初期位置から作動位置へ作動し、スライド部材８１は作動位置で停止する。さらに、制御部９１は、ステップＳ２２でトリガ１４に対する操作力を解除して電源スイッチ４５がオフした時点から、ソレノイド６０に一定時間に亘って電力を供給するため、ソレノイド６０が吸着力を一定時間維持する。

作業者がステップＳ２３において、トリガ１４に操作力を付加すると、突起部８１がホルダ４８から解放される。ソレノイド６０は、スライド部材８１を作動位置に保持している。また、トリガ１４が作動すると、図１２（Ｃ）のように電源スイッチ４５がオンする。このため制御部９１が起動し、制御部９１は、ステップＳ２３でタイマーをスタートさせる。

制御部９１は、タイマーをスタートさせた時点から所定時間内にプッシュレバースイッチ９３がオンしたか否かを、ステップＳ２４で判断する。制御部９１がステップＳ２４でＹｅｓと判断すると、制御部９１はステップＳ２５でタイマーをリセットする。また、プッシュレバー１６の作動力は、伝達部材７５を介してトリガアーム４２に伝達される。トリガアーム４２は、図１２（Ｃ）で時計回りに作動し、ステップＳ２５で電源スイッチ４５がオフする。電源スイッチ４５がオフすると、制御部９１は停止する。

さらに、トリガアーム４２が時計回りに作動すると、スライド部材８１の接触部８３が、図１３（Ａ）のようにトリガバルブ５１のプランジャ５２に押し付けられる。すると、トリガバルブ５１は待機状態から作動状態に切り替わる。したがって、打撃部１３は上死点から下死点に向けて作動する。

作業者がトリガ１４に操作力を付加した状態を保ち、かつ、プッシュレバー１６を相手材７７から離間させると、ステップＳ２６でプッシュレバースイッチ９３がオフする。また、伝達部材７５は、作動位置から初期位置に戻って停止する。トリガアーム４２は、反時計回りに作動して初期位置で停止し、ステップＳ２６で電源スイッチ４５がオンする。電源スイッチ４５がオンすると、制御部９１が起動する。制御部９１は、ステップＳ２６でタイマーをスタートさせ、ステップＳ２４に進む。

一方、制御部９１がステップＳ２４でＮｏと判断すると、ステップＳ２７において、ソレノイド６０に対する電力の供給を停止する。すると、スライド部材８１は、図１２（Ｃ）に示す作動位置から付勢部材８０の力で作動し、スライド部材８１は、図１２（Ｂ）に示す初期位置で停止する。

トリガ１４に操作力が付加され、かつ、スライド部材８１が初期位置で停止している状態において、プッシュレバー１６が相手材７７以外の異物に接触すると、伝達部材７５が作動し、トリガアーム４２が図１２（Ｂ）で時計回りに作動する。すると、プランジャ５２は、図１３（Ｂ）のように切り欠き８２に進入する。このため、トリガアーム４２の作動力はトリガバルブ５１に伝達されず、トリガバルブ５１は待機状態に保持される。

制御部９１は、ステップＳ２７に次ぐステップＳ２８で電源スイッチ４５がオフしたか否かを判断する。制御部９１は、ステップＳ２８でＮｏと判断すると、ステップＳ２８の判断を繰り返す。制御部９１は、ステップＳ２８でＹｅｓと判断すると、ステップＳ２３に進む。

（作業者が第２モードを選択する例）　作業者が、図１２（Ａ）の機構を有する打込機１０において、モード選択部材８４を操作して第２モードを選択すると、打込機１０は、次の状態にある。トリガ１４及びトリガアーム４２は、中心線Ａ２に対して交差する方向で、本体１８から最も離間した位置で停止する。突出部１０８はホルダ４８から離間している。

作業者がトリガ１４に対する操作力を解除し、かつ、プッシュレバー１６を相手材７７から離間させた初期状態において、電源スイッチ４５はオフし、かつ、ソレノイド４６に電力は供給されない。スライド部材８１は、付勢部材８０の付勢力で付勢され、かつ、スライド部材８１は、初期位置で停止している。また、トリガバルブ５１は待機状態で停止しており、蓄圧室２０の圧縮空気はピストン上室３６に供給されない。このため、打撃部１３は初期位置、つまり、上死点で停止している。作業者が、トリガ１４に操作力を付加することなく、プッシュレバー１６を相手材７７に押し付けると、伝達部材７５が作動する。伝達部材７５の作動力がトリガアーム４２に伝達され、トリガアーム４２は時計回りに作動するが、トリガアーム４２の作動力は、プランジャ５２に伝達されない。

作業者がプッシュレバー１６を相手材７７に押し付けた状態で、トリガ１４に操作力を付加すると、トリガ１４が反時計回りに作動する。すると、トリガ１４が作動位置に到達して停止するが、電源スイッチ４５はオフに維持される。また、トリガアーム４２は反時計回りに作動し、スライド部材８１の接触部８３が、プランジャ５２に押し付けられる。このため、トリガバルブ５１が待機状態から作動状態に切り替わり、打撃部１３が上死点から下死点に向けて作動する。

さらに、作業者がプッシュレバー１６を相手材７７から離間させ、かつ、トリガ１４に対する操作力を解除すると、トリガバルブ５１は作動状態から待機状態に切り替わる。また、トリガ１４は作動状態から、初期状態に戻って停止する。

このように、作業者が第２モードを選択すると、作業者がトリガ１４に操作力を付加している場合、または、作業者がトリガ１４に対する操作力を解除している場合の何れにおいても、突出部１０８はホルダ４８から離間し、かつ、電源スイッチ４５はオフしている。したがって、スライド部材８１は、常に、初期位置で停止している。

図１２（Ａ）の機構を有する打込機１０は、トリガ１４に操作力を付加した状態から、トリガ１４に対する操作力を解除した状態に切り替わると、突出部１０８がホルダ４８に係合することで、スライド部材８１及びプランジャ４７が、付勢部材８０の力に抗して作動し、かつ、スライド部材８１及びプランジャ４７が作動位置で停止する。したがって、作業者がスライド部材８１に操作力を付加せずに、スライド部材８１を作動させることができ、打込機１０の操作性が向上する。

（電源部の他の例）　図１５（Ａ）、図１５（Ｂ）は、電源部１０６の他の例である。エンドカバー２２に保持孔１００が設けられ、電源部１０６がハンドル１９の内部、つまり、蓄圧室２０に設けられている。電源部１０６は、容器１０１及び電池セル８７を有する。容器１０１は筒形状であり、容器１０１は、保持孔１００及び蓄圧室２０の両方に配置されている。キャップ１０２が容器１０１の開口部を塞いでいる。キャップ１０２の一部は、外部Ｂ１に配置されている。

電池セル８７及び制御部９１が、容器１０１内に配置されている。電池セル８７は円柱形状であり、複数の電池セル８７が同心状に配置されている。容器１０１内において、キャップ１０２と１個の電池セル８７との間にスプリング１０３が配置されている。スプリング１０３は、電池セル８７の端子と、電池セル８７の端子とを、電気的に接続させる。作業者はキャップ１０２を容器１０１から取り外し、電池セル８７を容器１０１内に挿入すること及び取り出すことが可能である。

実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。トリガ１４は、操作部材の一例であり、プッシュレバー１６は、接触部材の一例である。トリガアーム４２及びスライド部材８１は、伝達機構の一例である。ソレノイド４６，６０，１０４は、アクチュエータの一例であり、プランジャ４７は、可動部材の一例である。トリガバルブ５１は、駆動部及びバルブの一例である。プランジャ５２は、切替部材の一例である。キープソレノイド６１は、アクチュエータの一例である。通路１１０は、経路の一例である。スライド部材８１がプランジャ５２に押し付けられている状態が、伝達状態である。スライド部材８１が、プランジャ５２から離間している状態、または、プランジャ５２が切り欠き８２に進入した状態が、遮断状態である。切り欠き８２は、非接触部である。ピストン上室３６は、圧力室の一例である。

打込機は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、電源スイッチは、モード切り替え部材の操作によりオンとオフとが切り替わる構成でもよい。電源スイッチは、第１モードが選択されるとオンし、第２モードが選択されるとオフする構成である。電源部及び制御部は、マガジンに設けられていてもよい。操作部材に設けるアクチュエータは、ソレノイドに代えて空気圧シリンダでもよい。空気圧シリンダは、蓄圧室の圧縮性気体により作動する。

１０…打込機、１３…打撃部、１１…ハウジング、１４…トリガ、１６…プッシュレバー、１８…本体、１９…ハンドル、２０…蓄圧室、３６…ピストン上室、４２…トリガアーム、４６，６０，１０４…ソレノイド、４７，５２…プランジャ、４８…ホルダ、５１…トリガバルブ、６１…キープソレノイド、８１…スライド部材、８６，１０１…容器、９１…制御部、１０６…電源部、１１０…通路

Claims

止具を打撃するように作動可能な打撃部と、
前記打撃部を支持するハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、かつ、作業者の操作力で作動する操作部材と、
前記ハウジングに設けられ、かつ、前記止具を打ち込む相手材に接触して作動可能な接触部材と、
前記打撃部を停止させておく待機状態、及び前記打撃部を作動させる作動状態を備え、かつ、切替部材が作動すると前記待機状態と前記作動状態とが切り替わる駆動部と、
を有する、打込機であって、
前記操作部材に作動可能に設けられ、かつ、前記操作部材の作動力及び前記接触部材の作動力を前記切替部材に伝達可能な伝達状態、及び前記操作部材の作動力及び前記接触部材の作動力を前記切替部材に伝達不可能な遮断状態を有する伝達機構と、
前記操作部材に設けられ、前記伝達機構を前記伝達状態と前記遮断状態とで切り替えるアクチュエータと、
を備えている、打込機。
前記駆動部を前記待機状態から前記作動状態に切り替えるモードとして、前記操作部材を作動させた状態で前記接触部材を作動させる第１モードと、前記接触部材を作動させた状態で前記操作部材を作動させる第２モードと、を選択可能であり、
前記アクチュエータは、前記第１モードが選択され、かつ、前記操作部材を作動させた時点から所定時間内であると、前記伝達機構を前記伝達状態とし、
前記アクチュエータは、前記第１モードが選択され、かつ、前記操作部材を作動させた時点から所定時間を超えると、前記伝達機構を前記遮断状態とする、請求項１記載の打込機。
前記伝達機構は、
前記操作部材に対して作動可能に設けられたトリガアームと、
前記トリガアームに設けられ、かつ、前記アクチュエータと共に作動するスライド部材と、
を有し、
前記スライド部材は、前記トリガアームに対して移動可能である、請求項１または２記載の打込機。
前記アクチュエータは、作動及び停止が可能な可動部材を有し、
前記アクチュエータに電力を供給または停止すると、前記可動部材が作動または停止し、
前記可動部材が作動すると、前記伝達機構が作動して前記伝達状態と前記遮断状態とが切り替わる、請求項１乃至３の何れか１項記載の打込機。
前記ハウジングは、
前記打撃部を支持する本体と、
前記本体に接続され、かつ、作業者が前記操作部材を操作する場合に手で握るハンドルと、
を有し、
前記ハンドルに電源部が設けられ、前記電源部から前記アクチュエータに電力を供給可能である、請求項４記載の打込機。
前記電源部の電力を前記アクチュエータに対して供給または遮断する制御部と、
前記電源部及び前記制御部を収容可能な容器と、
が更に設けられ、
前記容器は、前記ハンドルに対して取り付け及び取り外しが可能である、請求項５記載の打込機。
前記ハウジングに設けられ、かつ、圧縮性気体を収容する蓄圧室と、
前記蓄圧室から前記圧縮性気体が供給されると、前記打撃部を作動させる圧力室と、
前記蓄圧室の前記圧縮性気体を前記圧力室に供給する経路と、
が更に設けられ、
前記駆動部の前記待機状態は、前記経路を遮断することであり、
前記駆動部の前記作動状態は、前記経路を接続することである、請求項１乃至６の何れか１項記載の打込機。
前記駆動部は、前記経路を接続及び遮断するバルブを有し、
前記バルブは、前記伝達機構から伝達される作動力で作動する前記切替部材を有し、
前記伝達機構は、前記切替部材に接触可能な接触部と、前記切替部材に接触しない非接触部と、を有する、請求項７記載の打込機。
前記アクチュエータは、前記電力が供給されると前記可動部材が作動し、かつ、前記電力の供給が停止されると前記可動部材が停止するキープソレノイドである、請求項４乃至６の何れか１項記載の打込機。
前記伝達機構を作動可能に支持するホルダが、前記ハウジングに設けられ、
作業者が前記トリガに対する操作力を解除すると、前記スライド部材が前記ホルダに接触して作動する、請求項３記載の打込機。