WO2019230606A1 - 車両の前部構造 - Google Patents

Abstract

車両の前部構造は、ボンネット（６）の下方に、エンジン上部から側方にかけて覆う、上壁（３０）、前壁としてのシュラウド（８）、後壁（１３）、および左右各側の側壁（１１，１２）から構成されるカバー部材（１）を備える。カバー部材は、上壁、前壁、後壁、及び左右両側の側壁から構成される。左右何れか一方の側壁の前方側を、後方側に対し、該後方側の主要部を成す高剛性部材よりも剛性の低い低剛性部材の占める割合を高く構成する。

Description

車両の前部構造

　ここに開示する技術は、ボンネットの下方に、エンジンの上部から側周面にかけて覆う、上壁、前壁、後壁、および左右両側の側壁から構成されるカバー部材を備えた車両の前部構造に関する。

　エンジンの次回運転時の暖機早期化等を目的とし、エンジンの熱を保温するためにエンジン上面から側周面にかけてカバー部材で覆う構造が知られている（例えば、特許文献１参照）。

　ところで、車両と歩行者との衝突時に、ボンネットの衝撃吸収の底突きによる、歩行者に対する傷害値の上昇を抑制して歩行者を保護するために、歩行者が傾倒してくるボンネット上の衝撃吸収性能を高めておくことが重要となる。

　ボンネットの衝撃吸収性を高める上で、カバー部材の側壁の高さを十分確保しておくことが有効である。しかしながら、ボンネットは通常、前方程高さが低く形成されており、それに伴ってカバー部材の側壁の高さも低くなる。

特開２０１７－１７７９６６号公報

　ここに開示する技術は、ボンネット前部の衝撃吸収性能を良好にする。

　ここに開示する技術は、ボンネットの下方に、エンジン上部から側周面にかけて覆う、上壁、前壁、後壁、および左右両側の側壁から構成されるカバー部材を備える車両の前部構造に係る。この構造は、少なくとも左右何れか一方の上記側壁の前方側を、後方側に対し、該後方側の主要部を成す高剛性部材よりも剛性の低い低剛性部材の占める割合を高く構成した。

　上記構成によれば、ボンネット前部の衝撃吸収性能を良好にできる。

　上記カバー部材は、上記上壁と左右各側の開閉側壁と開閉後壁とを有する開閉可能な開閉カバーを備え、上記左右各側の側壁は、上記左右各側の開閉側壁と、該左右各側の開閉側壁の下端をシール部材を介し上端で支持する左右各側の固定壁とから構成され、上記後壁は、上記開閉後壁と、該開閉後壁をヒンジを介し回動可能に支持する固定後壁とから構成され、上記固定側壁の前部を、上記高剛性部材と、該高剛性部材よりも上側に備えた上記低剛性部材とで構成してもよい。

　上記構成によれば、開閉カバーの剛性を確保した上でボンネット前部の衝撃吸収性能を良好にできる。

　上記高剛性部材は、ＰＰ材から形成されるとともに、上記低剛性部材は、上記ＰＰ材よりも剛性が低いエラストマー樹脂材から形成され、上記側壁は、その主要部が上記高剛性部材により構成されるとともに、該側壁の前方部が、後方部よりも上記低剛性部材の占める割合が高くなるように構成してもよい。

　上記構成によれば、ＰＰ材により側壁の基礎となる剛性を確保しつつ、エラストマー樹脂材により側壁の前部の剛性を部分的に下げることができる。

　上記側壁は上記高剛性部材と上記低剛性部材とが一体成形により構成されてもよい。

　上記構成によれば、部品点数及び組立工数を削減できる。

　上記側壁の内壁面側に保温部材が取付けられてもよい。

　上記構成によれば、側壁の内壁面側に保温部材を隙なく取り付けることができる。

　上記側壁の上部には、上記低剛性部材より剛性の高い車両部品を挿通する第１貫通部が設けられており、上記側壁における該第１貫通部の下方は、上記低剛性部材が占める割合が他部より高く設けられてもよい。

　上記構成によれば、剛性の高い車両部品のカバー部材の内外各間の配索とボンネット前部の衝撃吸収性能とを両立できる。

　上記側壁の上部には、上記高剛性部材よりも剛性が低い車両部品を挿通する第２貫通部が設けられており、上記第２貫通部に挿通した上記車両部品が上記低剛性部材を代用する構成としてもよい。

　上記構成によれば、上記第２貫通部に挿通した車両部品を利用してボンネット前部の衝撃吸収性能を良好にできる。

　上記第２貫通部に挿通する上記車両部品が、蛇腹形状の吸気ホースである、としてもよい。

　上記構成によれば、蛇腹、かつ、中空形状の吸気ホースを利用してボンネット前部の衝撃吸収性能を良好にできる。

　上記の車両の前部構造は、ボンネット前部の衝撃吸収性能を良好にすることができる。

図１は、車両の前部構造の要部を車両前側かつ右側から見た斜視図である。 図２は、車両の前部構造の要部を車両後側かつ左側から見た斜視図である。 図３は、車両の前部構造の平面図である。 図４は、図１中の要部拡大図である。 図５は、車両の前部構造の要部を示す車両左側から見た側面図である。 図６は、図３中のＡ－Ａ線断面図である。 図７は、図４中のＢ－Ｂ線断面図である。 図８は、図５中のＣ－Ｃ線断面図である。

　車両の前部構造を以下、図面に基づいて詳述する。図中、矢印Ｆは車両前方を示し、矢印Ｒは車両右方を示し、矢印Ｌは車両左方を示し、矢印Ｕは車両上方を示すものとする。

　図１～図３は、エンジンの保温構造を備えた車両の前部構造を示し、まず、エンジンの保温構造の説明に先立って、車両の前部構造について説明する。

　図１～図３に示すように、上述のエンジンルームの車両前方にはシュラウド８を設けている（図２参照）。

　図１、図２に示すように、上述のシュラウド８は、熱交換器としてのラジエータやコンデンサを覆うように、アッパメンバ８Ｕとロアメンバ８Ｌと、これら上下の各メンバ８Ｕ，８Ｌを上下方向に連結する左右のサイドメンバ８Ｓ，８Ｓとを略方形枠状に一体形成したものである。

　シュラウド８は、各メンバ８Ｕ，８Ｌ，８Ｓ，８Ｓ間に車両前後方向に貫通する開口８ａが設けられるとともに（図１参照）、該開口８ａを開閉可能に塞ぐシャッタ（図示略）を備えている。シュラウド８は、シャッタにより開口８ａを閉塞することにより、後述するカバー部材１の前壁として構成される。

　また、車両の前部のエンジンルームの上方には、該エンジンルームを開閉可能に覆うボンネット６が配設されており（図５参照）、このボンネット６は、前方程下方へ緩やかに傾斜して延びている。

　図１～図３に示すように、エンジンルームの左右両サイドにおいてダッシュロアパネル（ダッシュパネル）（図示略）から車両の前方に延びるフロントサイドフレーム７（車両右側のみ図示）を設けている。

　このフロントサイドフレーム７は、フロントサイドフレームインナ７ｉとフロントサイドフレームアウタ７ｏとを接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面を備えた車体強度部材であって、当該フロントサイドフレーム７の前端部には、クラッシュカン取付け用のセットプレート９を設けている。

　図２に示すように、車両右側のフロントサイドフレーム７におけるフロントサイドフレームインナ７ｉは、エンジンマウントブラケット９０を下側から支持している。

　このエンジンマウントブラケット９０は、図１に示すように、ボディ側ブラケット９１とエンジン側ブラケット９２と、両ブラケット９１，９２間に介設したマウントラバー９３とを備えている。

　図１に示すように、ボディ側ブラケット９１は、前後の脚部９１ａ，９１ｂと、これら前後の脚部９１ａ，９１ｂの下端に一体形成された取付け部としての取付け座９１ｃ，９１ｄと（図１、図２参照）、前後二箇所の取付け部間である取付け座９１ｃ，９１ｄ間を塞ぐ縦壁９１ｅ，９１ｆ，９１ｇとを備えている。

　上述のボディ側ブラケット９１の前後の取付け座９１ｃ，９１ｄが、ボルト１２０およびナット部材１３０を用いて、フロントサイドフレームインナ７ｉの上面に締結されるものである（図２、図７参照）。　

　なお、上述のボディ側ブラケット９１およびエンジン側ブラケット９２は何れもアルミダイカストにより形成されている。

　次に、車両の前部構造に備えたエンジンの保温構造について図１～図３に加えて図４～図８を用いて詳述する。なお、図４においては、エンジンマウントブラケット９０の図示を省略している。

　図１～図３に示すように、ボンネット６の下方に、エンジン上部から側方にかけて覆う、エンジンの保温構造としてのカバー部材１を備えている。

　上記カバー部材１は、カバー本体部２と、該カバー本体部２に対して開閉可能に取り付けられ、エンジンを覆う蓋部３とを備えている。

　カバー本体部２は、車両左右各側においてエンジンの側方を覆うカバー本体右側壁２１およびカバー本体左側壁２２と、エンジンの後方を覆うカバー本体後壁２３と、前壁としてのシュラウド８を備えている。

　蓋部３は、上壁３０と、車両左右各側においてエンジンの側方上部を覆う蓋部右側壁３１および蓋部左側壁３２と、エンジンの後方上部を覆う蓋部後壁３３とを備えている。

　蓋部右側壁３１、蓋部左側壁３２および蓋部後壁３３は、夫々上壁３０の右縁、左縁、後縁から下方に延びている。そして上壁３０は、その上面がボンネット６の形状に対応して、後部から前方に向けて徐々に低くなるように緩やかに傾斜して形成し、これに対応して蓋部右側壁３１、蓋部左側壁３２は、共に前方程上下幅（上下方向の長さ）が短くなるように形成している（図１、図２、図５参照）。

　蓋部３の下端周縁、すなわち、上壁３０の前縁と、蓋部後壁３３、蓋部右側壁３１および蓋部左側壁３２の各下縁とには、これら下端から平面視で外側へ延びるフランジ部３８（３８ｆ，３８ｒｉ，３８ｌ，３８ｒ）が一体形成されている（図３参照）。

　ここで、右側壁１１は、図１、図４、図６、図７に示すように、蓋部右側壁３１およびカバー本体右側壁２１によって、左側壁１２は、図２、図５、図８に示すように、蓋部左側壁３２およびカバー本体左側壁２２によって、後壁１３は、図２、図５に示すように、蓋部後壁３３およびカバー本体後壁２３によって、何れも縦壁状に構成している。

　上述のカバー本体部２および蓋部３は、何れも合成樹脂製の外皮部材４（例えば、４ｕ，４ｄ，４ｆ，４ｒ）と、当該外皮部材４の内面に一体的に配設された保温部材５（例えば、５ｕ，５ｄ，５ｆ，５ｒ）とを備えている（図６～図８参照）。

　保温部材５は、保温効果に加えて吸音効果を有するように、例えばグラスウール材やウレタン材等から形成されており、配設対象の外皮部材４の内面の適宜の部位にクリップ等により取り付けられている。

　図１、図３、図４に示すように、蓋部右側壁３１の前部には、車幅方向外側へ延び、フランジ部３８ｒｉに対して上方へ突出した半円筒状のガイド部３５が一体形成されている。

　ガイド部３５により囲まれた空間は、下方に開口するとともに右側壁１１を車幅方向に貫通し、金属パイプ６１の挿通を許容する第１貫通部３５ａとして形成されている。

　金属パイプ６１は、エンジンの駆動によって作動するようにカバー部材１の内部に配設された冷媒圧縮用のコンプレッサ６２０（図１、図２参照）と、車室側に備えた空調装置のエバポレータ（図示略）とを接続する冷媒パイプであって、カバー本体右側壁２１の主要部を成す、後述するＰＰ材から形成された高剛性部４１および外皮部材４ｄ（図４、図７参照）よりも高剛性としている。

　また図２、図３、図５に示すように、蓋部左側壁３２の前部にも、車幅方向外側へ延び、フランジ部３８ｌに対して上方へ突出した半円筒状のガイド部３７が一体形成されている。

　ガイド部３７により囲まれた空間は、下方に開口するとともに左側壁１２を車幅方向に貫通し、蛇腹形状の吸気ホース６２の挿通を許容する第２貫通部３７ａとして形成されている。

　図３に示すように、吸気ホース６２は、カバー部材１の外側に配設されたエアクリーナ６４と、該カバー部材１の内側に配設され、且つエンジン側に備えたインテークマニホールド（図示略）とを接続するものであり、これらの間の吸気通路を形成している。

　吸気ホース６２は、ゴム等の弾性（可撓性）素材により中空かつ蛇腹状に形成され、カバー本体左側壁２２の主要部を成す、後述するＰＰ材から形成された高剛性部４３，４５（図５参照）よりも低剛性としている。

　図１、図２に示すように、蓋部３の周縁、すなわち、蓋部３の下縁部に設けた各フランジ部３８の下面、金属パイプ挿通用のガイド部３５の下部、および左右各側の蓋部側壁３１，３２の上下方向に延びる後縁辺３１ａ，３２ａ等には、ラバー部材から成るシール部材７０（７１，７２）を備えている。このうち、蓋部３の下縁部に設けた各フランジ部３８の下面に備えたシール部材７１は、下方へ舌片状に取り付けられている。また図１、図４に示すように、金属パイプ挿通用のガイド部３５の下面（内面）に取り付けられたシール部材７２は、第１貫通部３５ａの上半分を占めるように配設される。

　蓋部３は、カバー本体後壁２３の上端から車幅方向に間隔を隔てて配設された左右一対のヒンジ２４（図２参照）を介して開閉可能に枢着されている。

　蓋部３が閉時においては、蓋部後壁３３は、カバー本体後壁２３によって、これらの間に備えたシール部材７１を介して弾性支持される（図２参照）。さらに蓋部３の前縁は、シュラウド８の上面に載置した状態で、これらの間に備えたシール部材７１を介して弾性支持され（図１参照）、蓋部右側壁３１は、エンジンマウントブラケット９０およびカバー本体右側壁２１によって、これらの間に備えたシール部材７１を介して弾性支持され（図１参照）、蓋部左側壁３２は、カバー本体左側壁２２によって、これらの間に備えたシール部材７１を介して弾性支持される（図２参照）。

　特に上述したように、蓋部３が閉時においては、カバー部材１は、例えば、左右各側の蓋部側壁３１，３２を、フランジ部３８に備えたシール部材７１が、左右各側のカバー本体側壁２１，２２の各上端に圧接するように、これら左右各側のカバー本体側壁２１，２２によって直下から支持することで、カバー本体部２による蓋部３の支持剛性を高めつつ、蓋部３の自重による、シール部材７１を介したカバー本体部２側への押圧力を利用して蓋部３とカバー本体部２との間のシール性を高めている。

　続いてカバー本体右側壁２１について主に図１、図４、図６、図７を用いて詳述する。　　　

　カバー本体右側壁２１は、エンジンの右側方（車両右側におけるエンジンの側方）の全体を覆うように配設しておらず、エンジンの右側方の車両前後方向の前側略半分に相当する領域に配設されている。

　すなわち、エンジンの右側方は、その後側略半分に相当する領域に、エンジンマウントブラケット９０を配設している。このエンジンマウントブラケット９０によって、後壁１３の右側の前縁辺と、カバー本体右側壁２１の後縁辺との間に相当する領域を塞ぐことでカバー部材１を代用している。これにより、カバー本体右側壁２１をコンパクト化してその重量およびコストの低減を図るよう構成している。

　カバー本体右側壁２１は、右側壁上部２１ｕと右側壁下部２１ｄとを上下各側に配設することで縦壁を成すパネル状に構成されている。このようにカバー本体右側壁２１は、１枚のパネル等により上下方向に一体に形成せずに右側壁上部２１ｕと右側壁下部２１ｄとの分割構造とすることで、カバー本体右側壁２１の上下各側２１ｕ，２１ｄのうち、必要に応じて一方の壁のみを取り外すことができ、カバー本体右側壁２１全体を取り外す構成と比してカバー部材１内部のサービス性（メンテナンス等の作業性）を高めている。

　右側壁上部２１ｕの下端と右側壁下部２１ｄの上端とは、共に車両前後方向の略全体に亘って水平に形成され、右側壁上部２１ｕの下端部が、その直下から右側壁下部２１ｄの上端部によって支持される（図７参照）。これにより右側壁上部２１ｕと右側壁下部２１ｄとは、夫々上下各側に略隙間なく配設された状態でクリップおよび係合構造２５（図４参照）を利用して互い結合されている。

　なお、図４に示すように、係合構造２５は、右側壁上部２１ｕの車両前後方向に水平に延びる下端の後部から右側壁下部２１ｄに向けて舌片状に突出する突起２５ａと、右側壁下部２１ｄの車両前後方向に水平に延びる上端における、該突起２５ａに対応する部位を下方に凹状に形成した溝部２５ｂとで構成され、突起２５ａは、右側壁上部２１ｕと右側壁下部２１ｄとをパネル状に一体構成した状態において溝部２５ｂに係合される。

　カバー本体右側壁２１は、右側壁上部２１ｕと右側壁下部２１ｄとに対応して、夫々独立して外皮部材４ｕ，４ｄ（図１、図４、図６、図７参照）と、これら外皮部材４ｕ，４ｄの内面に一体的に配設される保温部材５ｕ，５ｄ（図６、図７参照）とを備えている。

　右側壁下部２１ｄの外皮部材４ｄは、その全体を高剛性部材としてのＰＰ材から形成しており、該外皮部材４ｄの内面には、右側壁上部２１ｕに備えた保温部材５ｕとは別部材から成る保温部材５ｄを備えている（図６、図７参照）。

　また図１、図４、図６、図７に示すように、右側壁上部２１ｕの外皮部材４ｕは、高剛性部４１と、該高剛性部４１よりも上側に位置する低剛性部４２とで一体成形により縦壁状に構成されている。

　ここで当例では高剛性部４１は、右側壁下部２１ｄの外皮部材４ｄと同様にＰＰ材から成り、低剛性部４２は、ＰＰ部材よりも剛性が低い低剛性部材としてのエラストマー樹脂材から成る。

　なお、カバー部材１は、カバー本体右側壁２１以外についても、外皮部材４を適宜、ＰＰ材から形成しているが、例えば、カバー本体後壁２３や蓋部後壁３３等、エキゾーストマニホールドや触媒装置等の排気系部品（図示略）からの熱害の影響が懸念される部位においては、必要に応じてガラス繊維を含有してもよい。

　右側壁上部２１ｕの外皮部材４ｕを、上述したように高剛性部４１と低剛性部４２とで一体成形により構成することで、高剛性部４１と低剛性部４２との間に、両部４１，４２間に、互いを連結するための連結構造や隙間等が介在することがなく、両部材の少なくとも各内面（エンジンを臨む側の面）が上下方向に連続するように平坦に形成することができる（図６、図７の特に図７中のＸ部拡大部分参照）。

　よって、右側壁上部２１ｕの外皮部材４ｕを、上述したように高剛性部４１と低剛性部４２とで一体成形により構成することで、保温部材５ｕは、右側壁上部２１ｕの高剛性部４１と低剛性部４２とに対応して別々に形成することがなく（図６、図７参照）、右側壁上部２１ｕの略全体に亘って連続して一体に形成したものを、高剛性部４１と低剛性部４２との間（境界部）を跨ぐようにして右側壁上部２１ｕの外皮部材４ｕの内面に配設することができる（同図参照）。

　なお、図７中のＸ部拡大部分に示すように、低剛性部４２の下端部と高剛性部４１の上端部とには、それぞれ車幅方向に互い違いになるように相手側に向けて突き出す段部４２ｔ，４１ｔを設けることで、低剛性部４２と高剛性部４１とを上下各側に配置した状態において、互いの段部４２ｔ，４１ｔが係合し合うことで車幅方向のズレを抑制している。

　図１、図４に示すように、高剛性部４１は、右側壁上部２１ｕの外皮部材４ｕの下部において、低剛性部４２は、右側壁上部２１ｕの外皮部材４ｕの上部において、夫々右側壁上部２１ｕの車両前後方向の全体に亘って形成されている。

　すなわち、右側壁上部２１ｕの外皮部材４ｕの上下方向の少なくとも下端部は、その車両前後方向全体に亘って高剛性部４１が形成されるとともに、右側壁上部２１ｕの外皮部材４ｕの上端部は、該右側壁上部２１ｕの車両前後方向全体に亘って低剛性部４２が形成される。

　上記構成により、カバー本体右側壁２１は、縦壁を成すパネル状に構成されており、該カバー本体右側壁２１の外皮部材４（４ｕ，４ｄ）は、その略全体（詳しくは、右側壁上部２１ｕの高剛性部４１および右側壁下部２１ｄの外皮部材４ｄに相当する部位）が高剛性部材としてのＰＰ材によって形成される一方、該カバー本体右側壁２１の上端部に車両前後方向の全体に亘って低剛性部材としてのエラストマー樹脂材によって形成される。

　特に右側壁１１（カバー本体右側壁２１）は、その車両前後方向における、低剛性部４２の占有率が、該右側壁１１の後方側よりも前方側が高くなるように構成されている。

　具体的に図４に示すように、カバー本体右側壁２１の上下方向の少なくとも上端部において、車両前後方向に沿って延びる低剛性部４２は、幅小部４２ｒと、第１拡幅部４２ｍと、第２拡幅部４２ｆとで、該カバー本体右側壁２１の後端から前端に亘ってこの順に一体に構成される。

　幅小部４２ｒは、右側壁１１の後端から金属パイプ挿通用のガイド部３５の後縁手前まで右側壁１１の上端部に沿って延びており、その車両前後方向に亘って、蓋部右側壁３１の下縁のフランジ部３８ｒｉの下面に沿って取り付けた舌片状のシール部材７１と略同じ上下幅（上下方向の長さ）を有している。

　第１拡幅部４２ｍは、ガイド部３５の後縁から前縁まで車両前後方向に沿って延びている。すなわち、この第１拡幅部４２ｍはガイド部３５の直下に配設されている。第１拡幅部４２ｍは、その下端部が車両前方程下方へ傾斜状に延びている。

　これにより、第１拡幅部４２ｍは、右側壁上部２１ｕの上端部に沿って配設される幅小部４２ｒの上下幅と略同じ上下幅を有する後端部から車両前方程徐々に上下幅が長くなり、前端が右側壁上部２１ｕの下部を除く上下幅となるまで拡幅される。

　第１拡幅部４２ｍの上端には、車両右側から見てガイド部３５に囲まれた内部領域（第１貫通部３５ａ）のうち、略下半分に相当する領域に達するまで延出する低剛性上方延出部４２ａが一体形成されている（図４参照）。

　そして、低剛性上方延出部４２ａと、第１貫通部３５ａの略上半分に備えたシール部材７２とで、該第１貫通部３５ａに挿通された金属パイプ６１を上下両側から挟み込むようにして弾性支持している（図４、図６参照）。

　第２拡幅部４２ｆは、第１拡幅部４２ｍの前端の上下幅、すなわち、右側壁上部２１ｕの下部を除いた上下幅を維持しつつ、第１拡幅部４２ｍの前端から右側壁上部２１ｕの前端まで前方に延びている。

　上述したように、カバー本体右側壁２１は、その車両前後方向における、幅小部４２ｒを備えた後部が、第１貫通部３５ａに対して後方に配設されるとともに、第１拡幅部４２ｍを備えた中間部が、第１貫通部３５ａの直下に配設され、さらに第２拡幅部４２ｆを備えた前部が第１貫通部３５ａに対して前方に配設される。これにより、カバー本体右側壁２１は、後方よりも前方において低剛性部４２（低剛性部材）の占有率が高くなるように構成されている。

　さらに、カバー本体右側壁２１は、上述したように、その車両前後方向における、特に、中間部に、後部に備えた幅小部４２ｒよりも上下幅を有する第１拡幅部４２ｍを（低剛性上方延出部４２ａも含めて）備えることで、第１貫通部３５ａの直下に位置する中間部を、第１貫通部３５ａに対して後方に位置する後部と比して低剛性部４２が占める割合を高めた構成、すなわち上下方向に撓み易い構成としている。

　これにより、高剛性の金属パイプ６１を第１貫通部３５ａに挿通することにより、ボンネット６上方からの衝撃吸収性能が低下することが懸念される当該部位における衝撃吸収性を担保する構成としている。

　また図３に示すように、カバー本体右側壁２１の後側かつ車両右側にはサブタンク６３が隣接配置されている。

　サブタンク６３は、不図示のラジエータと、配管を介して接続され、ラジエータ内の冷却水の温度上昇に伴うオーバーフロー分が流入して貯留する一方、ラジエータ内の冷却水が蒸発等により損失すると、貯留する冷却水をラジエータ側へ戻すことで、ラジエータ内の冷却水を所定量に保つものである。

　カバー本体右側壁２１は、その少なくとも右側壁下部２１ｄがラジエータサブタンク６３に取り付けられ、該ラジエータサブタンク６３を介してカバー本体右側壁２１の下方に配設された車両右側のフロントサイドフレーム７等によって下側から支持されている。

　続いてカバー本体左側壁２２について主に図２、図５、図８を用いて詳述する。カバー本体左側壁２２は、エンジンの左側方（車両左側におけるエンジンの側方）の両前後方向の前側略半分に相当する領域に配設される左側壁前部２２ｆと、後側略半分に相当する領域に配設される左側壁後部２２ｒとで構成され、夫々外皮部材４ｆ，４ｒと、当該外皮部材４ｆ，４ｒの内面に配設された保温部材５ｆ，５ｒ（図８参照）とを備えている。

　左側壁前部２２ｆの外皮部材４ｆは、高剛性部４３と、該高剛性部４３よりも上側に位置する前低剛性部４４とで構成されている（図２、図５参照）。左側壁後部２２ｒの外皮部材４ｒは、高剛性部４５と、該高剛性部４５よりも上側に位置する後低剛性部４６とで構成されている（図２、図５、図８参照）。

　ここで、左側壁前部２２ｆの上縁に備えた上記の前低剛性部４４と、左側壁後部２２ｒの上縁に備えた上記の後低剛性部４６とでもって車両前後方向に連続する低剛性部４７が一体に形成されている。

　そして、カバー本体左側壁２２においてもカバー本体右側壁２１と同様に、高剛性部４３，４５はＰＰ材から成り、低剛性部４７は、ＰＰ部材よりも剛性が低いエラストマー樹脂材から成る。

　また当例のカバー本体左側壁２２においては、カバー本体右側壁２１と同様に、吸音効果を有する保温部材５ｆ，５ｒを備えているが、該保温部材５ｆ，５ｒは、前後各側の壁２２ｆ，２２ｒの高剛性部４３，４５の内面にのみ備え、低剛性部４７の内面には備えずに構成している（図８参照）。　

　但し、本発明は、言うまでもなく保温部材５を低剛性部４７の内面に備えた構成を排除せず、また、その場合には、高剛性部４３，４５と低剛性部４７との夫々に備えた保温部材５を一体に形成してもよい。

　また図２、図５に示すように、左側壁前部２２ｆの上端かつ、車両前後方向の中間位置は、第２貫通部３７ａの略下半分に対応して、下方に半円状に凹んだ逃げ部２２ａが形成され、この逃げ部２２ａは、上方に半円状に突出したガイド部３７と共に略円形状の上記第２貫通部３７ａを形造っている。

　吸気ホース６２における、第２貫通部３７ａへの挿通部分には、弾性体から成る鍔状のシールリップ６２ａが一体形成されている。そして、このシールリップ６２ａがガイド部３７の下面および左側壁前部２２ｆの逃げ部２２ａの上面に圧接することで、第２貫通部３７ａにおける、ガイド部３７および左側壁前部２２ｆとの隙間を閉塞している。

　また、左側壁前部２２ｆの高剛性部４３の後端と、左側壁後部２２ｒの高剛性部４５の前端とは、車両前後方向にオーバーラップしており、該オーバーラップ部分においてクリップによって互いに連結している。

　さらにまた、上記の低剛性部４７は、左側壁前部２２ｆの逃げ部２２ａの後縁から左側壁後部２２ｒの車両前後方向の中間位置まで車両前後方向に延びている。すなわち、低剛性部４７は、左側壁前部２２ｆと左側壁後部２２ｒとを跨ぐように配設されている（図２、図５参照）。

　カバー本体左側壁２２においては、蓋部左側壁３２を、その直下側から低剛性部４７を含めた上端によって、シール部材７１を介して支持している。

　特に、カバー本体左側壁２２の左側壁前部２２ｆは、車両前後方向の第２貫通部３７ａに対応する部位に、該第２貫通部３７ａに挿通された吸気ホース６２がシールリップ６２ａを含めて介在するため、該吸気ホース６２によって蓋部３のガイド部３７を、その直下から支持する構成を採用している。

　このように吸気ホース６２によって蓋部３のガイド部３７を支持することで、左側壁前部２２ｆの車両前後方向の第２貫通部３７ａに対応する部位おいては、上述したように低剛性部４７を設けずに高剛性部材としてのＰＰ材よりも低剛性である（上下方向の弾性に優れた）吸気ホース６２によって代用している。

　また図３に示すように、左側壁前部２２ｆの前部外側には、吸気系部品としてのエアクリーナ６４とフレッシュエアダクト６５とが隣接配置されている。

　カバー本体左側壁２２の左側壁前部２２ｆは、その少なくとも下側に位置する高剛性部４３がエアクリーナ６４に取り付けられ、該エアクリーナ６４を介して左側壁前部２２ｆよりも下方に配設された車両左側のフロントサイドフレーム（図示省略）等によって下側から支持されている。

　カバー本体左側壁２２の左側壁後部２２ｒは、その後縁がカバー本体後壁２３の左縁にクリップ等によって取り付けられるとともに、その前縁が上述したように、左側壁前部２２ｆの後縁にクリップ等によって取り付けられている。すなわち、カバー本体左側壁２２の左側壁後部２２ｒは、カバー本体後壁２３や左側壁前部２２ｆ等を介して車両左側のフロントサイドフレーム（図示省略）等によって下側から支持されている。

　図１～図３に示すように、上述した車両の前部構造は、ボンネット６の下方に、エンジン上部から側方にかけて覆う、上壁３０、前壁としてのシュラウド８、後壁１３、および左右各側の側壁１１，１２から構成されるカバー部材１を備える車両の前部構造であって、右側壁１１の前方側に、該前方側が後方側に対し剛性が低い低剛性部材としてのエラストマー樹脂から形成される低剛性部４２を備えるとともに（図１、図４、図６、図７参照）、左側壁１２の前方側に、該前方側が後方側に対し剛性が低い低剛性部材としてのエラストマー樹脂から形成される低剛性部４７（４４および４６）、６２を備えたものである（図２、図５、図８参照）。

　上記構成によれば、ボンネット６前部の衝撃吸収性能を高めることで、車両と歩行者との衝突時に、ボンネット６に上方から傾倒する歩行者が該ボンネット６前部から受ける衝撃を緩和して歩行者の保護に寄与することができる。

　この発明の態様として、カバー部材１は、上壁３０と左右各側の蓋部側壁３１，３２（開閉側壁）と蓋部後壁３３（開閉後壁）とを有する開閉可能な蓋部３（開閉カバー）を備え（図１～図３参照）、左右各側の側壁１１，１２は、左右各側の蓋部側壁３１，３２と、該左右各側の蓋部側壁３１，３２の下端をシール部材７０（７１，７２）を介し上端で支持する左右各側のカバー本体側壁２１，２２（左右各側の固定側壁）とから構成され（図１、図２等参照）、後壁１３は、蓋部後壁３３（開閉後壁）と、該蓋部後壁３３をヒンジ２４を介し回動可能に支持するカバー本体後壁２３（固定後壁）とから構成され（図２参照）、左右各側のカバー本体側壁２１，２２の前部の上側部を下側部に対し剛性の低い低剛性部４２，４７（４４，４６），６２によって構成したものである（図１、図２等参照）。

　上記構成によれば、カバー部材１にカバー本体部２（左右各側のカバー本体側壁２１，２２およびカバー本体後壁２３）に対して開閉可能な蓋部３を備え、カバー本体部２と蓋部３との間のシール性を確保するために蓋部３の下端部をカバー本体部２の上端部によって下側から支持する構成において、カバー本体部２による、蓋部３の支持剛性を確保した上でボンネット６前部の衝撃吸収性能を良好にできる。

　詳しくは、カバー部材にカバー本体部に対して開閉可能な蓋部を備えたものとして、例えば、上述した特許文献１（特開２０１７－１７７９６６号公報）のカバー部材が開示されている。

　この特許文献１のカバー部材は、蓋部が閉時に、カバー本体部の上部にシール部材を介して車両側方から当接するようになっている。

　この構成においては、蓋部を、その下側からカバー本体部によってダイレクトに受け止めて支持する構成ではないことから、上方からの衝撃に対して蓋部の下方へのズレを許容し易くなり、結果的にボンネット前部の衝撃吸収性能を確保し易い構成といえるものの、カバー本体部による蓋部の支持剛性や、これら両部材間のシール性について懸念される。

　この構成とは異なり、カバー部材は、蓋部の下端部をカバー本体部の上端によってシール部材を介して直接下側から支持する構造とした場合に、蓋部からの自重による押圧をカバー本体部によってダイレクトに受け止めることが可能となるため、蓋部とカバー本体との間のシール性確保の点からは有効である。

　前記のカバー部材１は、左右各側のカバー本体側壁２１，２２（固定側壁）の全体を低剛性部４２，４７により構成せずに、該カバー本体側壁２１，２２の前部の上側部を下側部に対し剛性が低くなるように低剛性部４２，４７を配設したため、蓋部３の支持剛性を確保した上でボンネット６前部の衝撃吸収性能を良好にできる。

　特に、左右各側のカバー本体側壁２１，２２（固定側壁）の前部の上側部を下側部に対し剛性が低くなるように低剛性部４２，４７を配設することで、該低剛性部４２，４７の下方に、高剛性部４１や高剛性部材（ＰＰ材）により形成した外皮部材４ｄを配設することができ、これら低剛性部４２，４７と高剛性部４１等とを上下逆に配設した構成と比して低剛性部４２，４７に加わる上方からの荷重を低減してカバー本体側壁２１，２２の前部においても、蓋部３の支持剛性を極力確保することができる。

　高剛性部４１，４３，４５および外皮部材４ｄは、ＰＰ材から形成されるとともに、低剛性部４２，４７（４４，４６），６２は、ＰＰ材よりも剛性が低いエラストマー樹脂材やゴム等から形成され、右側壁１１に備えたカバー本体右側壁２１はその主要部が外皮部材４ｄおよび高剛性部４１により構成され、カバー本体側壁２１の前部は、後部と比して低剛性部４２の占める割合が高くなるように構成されたものであり（図１、図４、図６、図７参照）、また、左側壁１２に備えたカバー本体左側壁２２はその主要部が高剛性部４３，４５により構成され、カバー本体左側壁２２の前部は、後部と比して低剛性部４７（４４，４６），６２の占める割合が高くなるように構成されたものである（図２、図５、図８参照）。

　上記構成によれば、ＰＰ材により側壁１１，１２の基礎となる剛性を確保しつつ、エラストマー樹脂材により側壁１１，１２の前部の剛性を部分的に下げることができる。

　右側壁１１に備えた右側壁上部２１ｕの外皮部材４ｕは、高剛性部４１と低剛性部４２とが一体成形により構成されたものであり（図１、図４、図６、図７参照）、また、左側壁１２に備えた左側壁前部２２ｆの外皮部材４ｆは、高剛性部４３と前低剛性部４４とが一体成形により構成されるとともに（図２、図５参照）、左側壁１２に備えた左側壁後部２２ｒの外皮部材４ｒは、高剛性部４５と後低剛性部４６とが一体成形により構成されたものである（図２、図５、図８参照）。

　上記構成によれば、例えば、高剛性部材から成る側壁と低剛性部材から成る側壁とを別々に構成し、互いに連結する場合のように連結部材や連結作業が不要となるため、部品点数および組立工数を削減できる。

　右側壁１１に備えた右側壁上部２１ｕの外皮部材４ｕの内壁面側に、保温部材５ｕが取付けられるとともに、高剛性部４１と低剛性部４２とを一体形成されたものである（図１、図４、図６、図７参照）。

　上述したように、右側壁上部２１ｕは高剛性部４１と低剛性部４２とが一体成形されたものであるため、これら４１，４２の間において略隙間なく滑らかに連続する面状に形成することができる（図７中のＸ部分拡大図参照）。

　このため、高剛性部４１と低剛性部４２とが一体成形により構成された右側壁上部２１ｕの内壁面側に対して、上下各側に保温部材５ｕを、これら４１，４２の間を跨ぐようにして隙なく取り付けることができる（図６、図７参照）。

　右側壁１１の上部には、低剛性部４２より剛性の高い車両部品としての金属パイプ６１を挿通する第１貫通部３５ａが設けられており（図１、図４、図６参照）、右側壁１１における第１貫通部３５ａの下方に有するカバー本体右側壁２１は、低剛性部４２が占める割合が車両前後方向の他部（特に車両後部）より高く設けられたものである（図１、図４参照）。

　上記構成によれば、剛性の高い金属パイプ６１の、カバー部材１の右側壁１１に対して内外各側を跨ぐ配索と、ボンネット６前部の衝撃吸収性能とを両立できる。

　左側壁１２の上部には、高剛性部４３，４５よりも剛性が低い車両部品としての吸気ホース６２を挿通する第２貫通部３７ａが設けられており（図２、図５参照）、第２貫通部３７ａに挿通した吸気ホース６２が低剛性部４６を代用する構成としたものである。

　上記構成によれば、第２貫通部３７ａに挿通した吸気ホース６２は、蛇腹かつ中空形状であり、上方からの衝撃に対して上下方向に圧縮変形（弾性変形）可能であるため、この吸気ホース６２を利用してボンネット６前部の衝撃吸収性能を良好にできる。

　ここに開示する技術は、上述の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。　

１…カバー部材
３…蓋部（開閉カバー）
５ｕ…保温部材
６…ボンネット
８…シュラウド（前壁）
１３…後壁
１１，１２…左右各側の側壁
２１，２２…左右各側のカバー本体側壁（左右各側の固定側壁）
２３…カバー本体後壁（固定後壁）
２４…ヒンジ
３０…上壁
３１，３２…左右各側の蓋部側壁（左右各側の開閉側壁）
３３…蓋部後壁（開閉後壁）
３５ａ…第１貫通部
３７ａ…第２貫通部
４１，４３，４５…高剛性部（高剛性部材、ＰＰ材）
４７（４４および４６）、６２…低剛性部（低剛性部材、エラストマー樹脂材）
４２…低剛性部（低剛性部材）
６１…金属パイプ（低剛性部材より剛性の高い車両部品）
６２…吸気ホース（高剛性部材よりも剛性が低い車両部品）
７０（７１，７２）…シール部材

Claims (8)

1. 　車両の前部構造であって、
   　エンジンルームと、
   　上記エンジンルーム内に配設されるエンジンと、
   　上記エンジンルームの上方を開閉可能に覆うボンネットと、
   　上記エンジンルーム内でかつ、前記ボンネットの下方において、上記エンジンの上部から側周面にかけて上記エンジンを覆うカバー部材を備え、
   　上記カバー部材は、上壁、前壁、後壁、及び左右両側の側壁から構成され、
   　上記左右何れか一方の上記側壁の前方側を、後方側に対し、該後方側の主要部を成す高剛性部材よりも剛性の低い低剛性部材の占める割合を高く構成した
   車両の前部構造。
2. 　上記カバー部材は、上記上壁と左右各側の開閉側壁と開閉後壁とを有する開閉可能な開閉カバーを備え、
   　上記左右各側の側壁は、上記左右各側の開閉側壁と、該左右各側の開閉側壁の下端をシール部材を介し上端で支持する左右各側の固定側壁とから構成され、
   　上記後壁は、上記開閉後壁と、該開閉後壁をヒンジを介し回動可能に支持する固定後壁とから構成され、
   　上記固定側壁の前部を、上記高剛性部材と、該高剛性部材よりも上側に備えた上記低剛性部材とで構成した
   請求項１に記載の車両の前部構造。
3. 　上記高剛性部材は、ＰＰ材から形成されるとともに、上記低剛性部材は、上記ＰＰ材よりも剛性が低いエラストマー樹脂材から形成され、
   　上記側壁は、その主要部が上記高剛性部材により構成されるとともに、該側壁の前方部が、後方部よりも上記低剛性部材の占める割合が高くなるように構成された
   請求項１又は２に記載の車両の前部構造。
4. 　上記側壁は上記高剛性部材と上記低剛性部材とが一体成形により構成された
   請求項３に記載の車両の前部構造。
5. 　上記側壁の内壁面側に保温部材が取付けられた
   請求項４に記載の車両の前部構造。
6. 　上記側壁の上部には、上記低剛性部材より剛性の高い車両部品を挿通する第１貫通部が設けられており、上記側壁における該第１貫通部の下方は、上記低剛性部材が占める割合が他部より高く設けられた
   請求項１乃至５のいずれか１項に記載の車両の前部構造。
7. 　上記側壁の上部には、上記高剛性部材よりも剛性が低い車両部品を挿通する第２貫通部が設けられており、
   　上記第２貫通部に挿通した上記車両部品が上記低剛性部材を代用する構成とした
   請求項１乃至６のいずれか１項に記載の車両の前部構造。
8. 　上記第２貫通部に挿通する上記車両部品が、蛇腹形状の吸気ホースである
   請求項７に記載の車両の前部構造。

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