WO2019207787A1

WO2019207787A1 - プロジェクタ及びプロジェクタの保持方法

Info

Publication number: WO2019207787A1
Application number: PCT/JP2018/017277
Authority: WO
Inventors: 孝幸岡元
Original assignee: Ｎｅｃディスプレイソリューションズ株式会社
Priority date: 2018-04-27
Filing date: 2018-04-27
Publication date: 2019-10-31
Also published as: US20210033951A1; US11281081B2

Abstract

落下の防止を図ることができ、かつノイズの放射を抑制できる、プロジェクタ及びプロジェクタの保持方法を提供する。本発明に係るプロジェクタ５０は、複数の取付け部５１１を有する樹脂製の筐体５１と、筐体５１の内部に配置される吊り用金属板５２と、筐体５１の内部に配置され、吊り用金属板５２とつながり、吊り用金属板５２と一体となることでループ形状を形成する、少なくとも１つの金属部材５３と、ループ形状とつながり、吊り用金属板５２を接地させる接地部材５４と、筐体５１を壁面又は天井に固定する吊り金具５５と、筐体５１の外部から吊り金具５５を複数の取付け部５１１に固定する固定部材５６と、を備え、吊り用金属板５２は、少なくとも１つの取付け部５１１において、固定部材５６を介して吊り金具５５に固定されている。

Description

プロジェクタ及びプロジェクタの保持方法

　本発明は、プロジェクタ及びプロジェクタの保持方法に関する。

　スクリーンに映像を投写するプロジェクタは、一般的にスクリーンの略正面において、床又は机の上に置かれるか、あるいは、天井や壁面等へ据付けられる。天井にプロジェクタを据付ける場合、吊り金具がプロジェクタの取付け部に雄ねじで固定された状態で、吊り金具を天井に固定する。ここで、プロジェクタの取付け部の雌ねじが、樹脂製の筐体に形成されたボスに金属ナットをインサートして形成されている場合、ケミカルクラックや経年劣化に基づくボスの破損に起因して、プロジェクタが落下するおそれがある。そこで、落下防止の対策が採られたプロジェクタの一例が特許文献１に記載されている。
　特許文献１に記載のプロジェクタは、樹脂製の筐体と、筐体の内部に配置される金属シールドと、筐体にインサートされ、外部の所定部材との固定に利用可能に構成されたインサートナットと、を有する。インサートナットは、筐体にインサートされた状態で、金属シールドに取付けられる固定部を備える。そして、プロジェクタを天井に吊るすための天吊金具がインサートナットに取付けられる。これにより、プロジェクタは、天吊金具を用いて天井に固定される。また、筐体の内部の金属シールドは、比較的大きなＬ字形状を有した板金部材である。金属シールドには、プロジェクタの主要な構成要素が固定されている。その結果、プロジェクタが天井等に吊り下げられた状態において、仮に火災によって樹脂製の筐体が焼失した場合や、過酷な使用環境を原因として樹脂製の筐体にクラックが発生した場合であっても、金属シールドだけで主要構成要素を天井から吊り下げられた状態に保持できる。つまり、プロジェクタの主要構成要素が落下するのを防止することができる。

特開２０１５－４７８０号公報

　特許文献１に記載のプロジェクタは金属シールドを備えるため、金属シールドがノイズ（不要輻射）を放射するアンテナとなり得る。さらに、金属シールドの形状や取付け方が悪い場合には、強いノイズが金属シールドから放射されるおそれがある。すなわち、プロジェクタの天井への固定に用いられる金属シールドは、ＥＭＩ（Ｅｌｅｃｔｒｏｍａｇｎｅｔｉｃ　Ｉｎｔｅｒｆｅｒｅｎｃｅ：電磁妨害）の原因と成るおそれがある。
　そこで、本発明の目的は、上述した課題に鑑み、プロジェクタの落下の抑制を図ることができ、かつノイズの放射を抑制できる、プロジェクタ及びプロジェクタの保持方法を提供することにある。

　本発明のプロジェクタは、複数の取付け部を有する樹脂製の筐体と、前記筐体の内部に配置される吊り用金属板と、前記筐体の内部に配置され、前記吊り用金属板とつながることでループ形状を形成する、少なくとも１つの金属部材と、前記ループ形状とつながり、前記吊り用金属板を接地させる接地部材と、前記筐体を壁面又は天井に固定する吊り金具と、前記筐体の外部から前記吊り金具を前記複数の取付け部に固定する固定部材と、を備え、前記吊り用金属板は、少なくとも１つの前記取付け部において、前記固定部材を介して前記吊り金具に固定されている。
　本発明のプロジェクタの保持方法は、複数の取付け部を有する樹脂製の筐体と、前記筐体の内部に配置される吊り用金属板と、前記筐体の内部に配置され、前記吊り用金属板とつながることでループ形状を形成する、少なくとも１つの金属部材と、前記ループ形状とつながり、前記吊り用金属板を接地させる接地部材と、吊り金具と、を備えるプロジェクタの吊り方法であって、前記吊り金具を前記複数の取付け部に固定し、少なくとも１つの前記取付け部において、固定部材を用いて、前記吊り金具を前記吊り用金属板に固定し、前記筐体を壁面又は天井に固定する。

　本発明によれば、プロジェクタの落下の抑制を図ることができ、かつノイズの放射を抑制できる。

本発明の第１実施形態であるプロジェクタの構成を示す組立斜視図である。図１に示したプロジェクタを別角度から見た斜視図である。図１に示したプロジェクタから吊り金具を取外した分解斜視図である。図１に示したプロジェクタ内部の底面の部分の構成を示す分解斜視図である。図４に示した電源以外の各構成部品を組み付けた構成を示す斜視図である。図１に示したプロジェクタの背面の側の取付け部の構成を示す断面図である。図５に示したプロジェクタを筐体の内部側から見た平面図である。説明のために簡略化した、ループを形成していない板金部材を示す正面図である。説明のために簡略化した、ループを形成している板金部材を示す正面図である。図５から端子パネルを取外した構成を示す斜視図である。本発明の第２実施形態であるプロジェクタの構成を示す正面図である。

　以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
　［第１実施形態］
　＜構成＞
　図１は、本発明の第１実施形態であるプロジェクタの構成を示す組立斜視図である。図２は、図１に示したプロジェクタを別角度から見た斜視図であって、端子口が形成された面の側から見た図である。図３は、図１に示したプロジェクタから吊り金具を取外した分解斜視図である。
　図１を参照すると、プロジェクタ１０は、平たい略長方体の箱型の形状を有し、筐体２１０、吊り金具２６０、複数の固定部材１９０及び投写レンズ１８０を備える。プロジェクタ１０は、吊り金具２６０を用いて天井又は壁面に固定され、スクリーンに映像を投写する。プロジェクタ１０の箱型の形状を構成し、スクリーンに向けられる面（以下正面４３と呼ぶ。）には、投写レンズ１８０が配置されている。正面４３の反対側の面（以下背面４２と呼ぶ。）には、電源インレット２０１が露出し、入力端子をつなぐための複数の端子口１７０が形成されている（図２参照）。なお、背面４２は、第１の面と呼ぶことができる。正面４３と背面４２とに隣接し、プロジェクタ１０が固定される天井又は壁面に向けられる面には、４つの取付け部２５１，２５２，２５３，２５４が形成されている（図３参照）。取付け部２５１，２５２，２５３，２５４が形成された面を底面４１と呼ぶ。なお、底面４１は、プロジェクタ１０を床又は机の上に置くときに重力方向下側の面であり、第２の面と呼ぶことができる。プロジェクタ１０を天井に吊る場合には、プロジェクタ１０は上下反転させられて、図１から図３に示すように底面４１は重力方向上側となる。

　取付け部２５１，２５２，２５３，２５４は、雌ねじを有している。底面４１において、正面４３に近い側に位置する取付け部２５１，２５２の雌ねじは、樹脂製の筐体２１０に設けられた貫通孔にインサートナットが熱圧入されることで形成されている。他方、取付け部２５３，２５４の雌ねじの構成は後述する。取付け部２５３及び取付け部２５４は、背面４２までの距離が略等しく、４つの取付け部２５１，２５２，２５３，２５４の中で最も背面４２の近くに位置している。換言すると、取付け部２５１及び取付け部２５２は、取付け部２５３及び取付け部２５４よりも、端子口１７０を有する背面４２から遠い。また、取付け部２５４は、底面４１の取付け部２５３の上を通る直線であって、背面４２と底面４１を繋ぐ直線状の辺と略平行な直線上に位置している。
　固定部材１９０は、吊り金具２６０を各取付け部２５１，２５２，２５３，２５４へ固定する。本実施形態では、一例として固定部材１９０は雄ねじである。
　吊り金具２６０は、詳述しないが、公知の天井又は壁面への保持機構を有している。また、吊り金具２６０は、図３に示すように、固定部材１９０を取外すことで、筐体２１０から取外しできる。吊り金具２６０は、天井又は壁面に取付けられた際、充分な面積で天井又は壁面と接触することでグランドプレーンとなる。

　次に、図４及び図５を参照して、プロジェクタ１０の内部の構成を説明する。図４は、プロジェクタ１０の内部の底面４１の部分の構成を示す分解斜視図である。図５は、図４に示した電源以外の各構成部品を組み付けた構成を示す斜視図である。なお、図１から図３では、プロジェクタ１０が天井に吊られる向きに示されているが、図４及び図５では、プロジェクタ１０が図１から図３とは反対向き、すなわち床に置かれる向きに示されている。図４を参照すると、プロジェクタ１０は、吊り用金属板２２０、金属板アース１３０、端子パネル１５０、電源２７０、及び接地部材２００をさらに備える。接地部材２００は、電源インレット２０１及びアース端子２０３を備える。
　吊り用金属板２２０、端子パネル１５０及び金属板アース１３０は、いずれも導電性の板金部材である。図５を参照すると、吊り用金属板２２０、端子パネル１５０及び金属板アース１３０は、数珠つなぎとなってループ形状を形成する。別の見方をすると、吊り用金属板２２０の端部２２１が端子パネル１５０の端部１５１とつながり、端子パネル１５０の別の端部１５２が金属板アース１３０の端部１３１とつながり、金属板アース１３０の別の端部１３２が吊り用金属板２２０の別の端部２２２とつながる。これにより、吊り用金属板２２０、端子パネル１５０及び金属板アース１３０は、一体となった環状の導体を形成している。
　端子パネル１５０には、筐体２１０の外部に端子口１７０が露出するように、コネクタ端子が取付けられる。端子パネル１５０は、プロジェクタ１０の背面４２の近傍に位置して、プロジェクタ１０の背面４２に複数の端子口１７０を有する面を形成している（図２参照）。

　吊り用金属板２２０は、筐体２１０の外部に取付けられる吊り金具２６０の取付けに使用される。吊り用金属板２２０は、筐体２１０の取付け部２５３の位置にカシメナット２３１を有し、取付け部２５４の位置にカシメナット２３２を有する（図４参照）。ここで、図６は、取付け部２５３の構成を示す断面図である。図６を参照すると、筐体２１０には、孔２１１とザグリ２１２とが形成されている。ザグリ２１２には、雌ねじ部２３１ａが形成された前述のカシメナット２３１が嵌り込んでいる。なお、ザグリ２１２の内径とカシメナット２３１の外径とは、略一致している。これにより、取付け部２５３には、雌ねじが形成されている。換言すると、取付け部２５３は、吊り用金属板２２０に固定されたカシメナット２３１と、孔２１１と、ザグリ２１２とを有することで、雌ねじを形成している。また、雌ねじ部２３１ａには、前述した固定部材１９０が螺合される（図３参照）。これにより、固定部材１９０は、吊り金具２６０を筐体２１０の外側から、筐体２１０の内部の吊り用金属板２２０に固定している。このとき、吊り用金属板２２０、吊り金具２６０及び固定部材１９０は導電性の高い材料から構成されている。つまり、吊り用金属板２２０と吊り金具２６０とは、電気的に低抵抗でつながれている。なお、取付け部２５４も取付け部２５３と同一の構成を有している。これにより、取付け部２５４においても、吊り金具２６０は、吊り用金属板２２０に固定されている。

　図７は、図５に示したプロジェクタ１０を筐体２１０の内部側から見た平面図である。取付け部２５４と取付け部２５３とは、吊り用金属板２２０に覆われている。すなわち、吊り用金属板２２０は、筐体２１０の取付け部２５３及び取付け部２５４の位置に覆いかぶさっているが、取付け部２５１及び取付け部２５２を覆っていない。また、別の見方をすると、吊り用金属板２２０の一端２４１は取付け部２５３及び取付け部２５４よりも背面４２の近傍に位置する。他方、吊り用金属板２２０の他端２４２は、取付け部２５３及び取付け部２５４よりも背面４２から遠方で、かつ取付け部２５１及び取付け部２５２よりも背面４２の近傍に位置する。また、吊り用金属板２２０は、筐体２１０の内部に配置される任意の部品（図示省略）を取付けることができる。特に吊り用金属板２２０には、筐体２１０の内部で比較的重い部品が取付けられる。
　再び図５を参照する。アース端子２０３は、金属板アース１３０に取付けられている。これにより、アース端子２０３は、金属板アース１３０を接地させている。つまり、吊り用金属板２２０、端子パネル１５０及び金属板アース１３０を用いて形成されるループ、すなわち環状の導体が接地される。換言すると、吊り用金属板２２０は、金属板アース１３０を介して接地される。なお、金属板アース１３０は、接地されることで、筐体２１０の内部にグランドを構成している。

＜作用・効果＞
　次に、第１実施形態の作用・効果について説明する。
　電装機器では、板金部材に意図しないノイズ電流が流れて、板金部材がアンテナとして機能してノイズが放射されるおそれがある。図５を参照すると、吊り用金属板２２０は、金属板アース１３０を介してアース端子２０３につながれている。これにより、吊り用金属板２２０に意図しないノイズ電流の入力があった場合でも、ノイズ電流は、アース端子２０３を伝って外部へと放出される。したがって、吊り用金属板２２０は、ノイズを放射するアンテナとして振る舞いにくく、プロジェクタ１０はノイズの放射を抑制できる。
　また、上述したように、吊り用金属板２２０は、吊り金具２６０と電気的に低抵抗で接続されている（図３及び図６参照）。さらに、プロジェクタ１０を据付けたときに、吊り金具２６０は、グランドプレーンとして機能する。したがって、吊り用金属板２２０は、アース端子２０３と電気的に接続されるだけではなく、グランドプレーンである吊り金具２６０とも電気的に接続されている。すなわち、プロジェクタ１０は、上述したアース端子２０３だけではなく、吊り金具２６０からもノイズ電流を外部へと放出できる。したがって、吊り用金属板２２０は、ノイズを放射するアンテナとして振る舞いにくく、プロジェクタ１０はノイズの放射を抑制できる。

　さらに、プロジェクタ１０では、図５に示したように、吊り用金属板２２０を含むループが形成されている。これにより、吊り用金属板２２０のノイズを放射するアンテナとしての機能が抑制されている。その理由を以下に説明する。まず、ループが形成されることで、板金部材が、ノイズを放射しにくくなる理由を説明する。図８は、説明のために簡略化した、ループを形成していない板金部材を示す正面図である。図９は、図８と同様に簡略化した、ループを形成している板金部材を示す正面図である。図８を参照すると、板金部材８０は、端部８０１と端部８０２とを有する。端部８０１と端部８０２とには、何も接続されていないため、それぞれの端部８０１，８０２は電気が流れない開放端である。したがって、板金部材８０では、導体の先端に開放端を有するために、端部８０１及び端部８０２を開放端とするダイポールアンテナが構成されている。そして、ダイポールアンテナが構成されると、導体の部材はノイズを放射しやすくなる。しかし、図９に示すように、ループ形状を有する板金部材８５は、図８に示す板金部材８０の端部８０１，８０２と同様な開放端を有さない。したがって、板金部材８５は、図８に示す板金部材８０のような開放端（端部８０１，８０２）を有するダイポールアンテナを構成しない。これにより、ノイズ電流が流れた場合に、ループ形状を有する板金部材８５は、板金部材８０よりもノイズを放射しにくい。

　以上のことを踏まえて、次に、プロジェクタ１０において、吊り用金属板２２０のノイズを放射するアンテナとしての機能が抑制される理由を説明する。図１０は、図５から端子パネル１５０を取外した構成を示す斜視図である。図１０を参照すると、吊り用金属板２２０の端部２２１には何も接続されていない。すなわち、端部２２１は、電流の流れない開放端となっている。図１０に示す状態で端子パネル１５０が吊り用金属板２２０に接続されないと、吊り用金属板２２０は、図８に示す模式的な板金部材８０と同様に導体の先端に開放端を有するダイポールアンテナを構成する。しかし、本実施形態では、図５に示したように、吊り用金属板２２０の端部２２１に端子パネル１５０の端部１５１が繋がれている。これにより、端部２２１の位置に開放端が形成されない。また、吊り用金属板２２０に接続されている端子パネル１５０の他の端部１５２には、金属板アース１３０の端部１３１が接続されているため、端部１５２が開放端になることはない。さらに、金属板アース１３０の他の端部１３２が吊り用金属板２２０の他の端部２２２に接続されている。その結果、吊り用金属板２２０と端子パネル１５０と金属板アース１３０とは、一体となってループ形状を形成している（図５参照）。ループすることにより、吊り用金属板２２０の端部２２１，２２２と端子パネル１５０の端部１５１，１５２と金属板アース１３０の端部１３１，１３２は、いずれも、電流の流れない開放端にはならない。よって、ループ形状を形成することで、前述した各端部２２１，２２２，１５１，１５２，１３１，１３２を開放端とするダイポールアンテナは構成されず、吊り用金属板２２０から放射されるノイズを低減することができる。すなわち、プロジェクタ１０は、ノイズの放射を抑制できる。

　次にプロジェクタ１０の落下が抑制される理由を説明する。すべての取付け部において、吊り金具が樹脂製の筐体内部の板金部材に固定されずに、吊り金具が取付け部に埋め込まれたインサートナットに固定される構成では、取付け部の樹脂の経年劣化やケミカルクラックの発生で、取付け部が破損してプロジェクタが落下するおそれがある。しかし、プロジェクタ１０では、図６に示したように、吊り金具２６０は、樹脂製の筐体２１０の内部の吊り用金属板２２０に固定される。したがって、取付け部２５１，２５２，２５３，２５４を含む樹脂製の筐体が破損した場合でも、吊り用金属板２２０は、吊り金具２６０を用いて天井又は壁面に保持された状態を維持できる。この吊り用金属板２２０に、図示しない各種部品（主要構成部品）が搭載されていると、これらの各種部品は、樹脂製の筐体が破損しても、天井又は壁面から吊り下げられた状態で保持される。このような構成により、プロジェクタ１０の落下の抑制を図ることができる。
　また、プロジェクタ１０では、吊り金具２６０は、取付け部２５３及び取付け部２５４の２箇所で、吊り用金属板２２０に固定されている（図４参照）。したがって、吊り金具２６０が１箇所で吊り用金属板２２０に固定される場合よりも、プロジェクタ１０は落下しにくい。

　また、取付け部２５３及び取付け部２５４の位置では、吊り金具２６０は吊り用金属板２２０に固定されるが、取付け部２５１及び取付け部２５２の位置では、吊り金具２６０は吊り用金属板２２０に固定されない。これにより、プロジェクタ１０は、大きな吊り用金属板２２０を備える必要がない（図７参照）。仮に取付け部２５１及び取付け部２５２でも、吊り金具２６０が吊り用金属板２２０に固定される場合、取付け部２５１及び取付け部２５２の位置にカシメナットを配置する必要がある。このため、カシメナットを有する吊り用金属板２２０は、取付け部２５１及び取付け部２５２の位置まで延びる必要がある。したがって、背面４２の側に配置されている端子パネル１５０と、正面４３の側の取付け部２５１及び取付け部２５２の位置にカシメナットを有する吊り用金属板２２０でループ形状を形成する必要がある。この場合、ループ形状が大型化してしまい、吊り用金属板２２０や端子パネル１５０等も大型化してしまう。しかし、プロジェクタ１０では、取付け部２５１及び取付け部２５２の位置において、吊り金具２６０は、吊り用金属板２２０に固定されていない。これにより、吊り用金属板２２０の小型化ができる。吊り用金属板２２０や端子パネル１５０等の導電性の板金部材が小型化すると、これらの板金部材から放射されるノイズの低減ができ、さらに、板金部材に使用される材料も削減できる。つまり、プロジェクタ１０は、取付け部２５１，２５２，２５３，２５４の中で、端子パネル１５０に最も近い位置である取付け部２５３及び取付け部２５４に吊り用金属板２２０に固定されたカシメナット２３１，２３２を備えることで、落下防止を図りつつ、かつノイズの放射を抑制し、材料の削減が可能である。
　また、取付け部２５４は、底面４１の取付け部２５３の上を通る直線であって、背面４２と底面４１を繋ぐ直線状の辺と略平行な直線上に位置している（図３参照）。これにより、取付け部２５３と取付け部２５４との背面４２からの距離は略等しくなる。取付け部２５３と取付け部２５４との背面４２からの距離が略等しいために、取付け部２５３と取付け部２５４との２箇所で吊り金具２６０を吊り用金属板２２０に固定した場合でも、吊り用金属板２２０を正面４３の側に延ばす必要がない。吊り用金属板２２０を大型にしなくても、吊り用金属板２２０は、２箇所で吊り金具２６０を固定できる。

　＜変形例＞
　なお、上記実施形態で説明したプロジェクタの構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内においてその構成を変更してもよいことは言うまでもない。
　例えば、前述した構成では、吊り金具２６０の固定のために、吊り用金属板２２０は、カシメナット２３１，２３２を有しているが、カシメナットのかわりにバーリングや溶接ナットを有してもよい。
　また、前述した構成では、ループ形状を形成するために吊り用金属板２２０、端子パネル１５０及び金属板アース１３０の三種類の板金材料を用いたが、端子パネル１５０及び金属板アース１３０は、金属部材の一例である。他の金属部材が、吊り用金属板２２０とつながることでループ形状を形成する構成であってもよい。

　［第２実施形態］
　＜構成＞
　図１１は、本発明の第２実施形態であるプロジェクタの構成を示す正面図である。図１１を参照すると、プロジェクタ５０は、筐体５１、吊り用金属板５２、金属部材５３、接地部材５４、吊り金具５５及び固定部材５６を備える。
　筐体５１は、複数の取付け部５１１を有する。また、筐体５１は、樹脂製である。
　吊り用金属板５２は、筐体５１の内部に配置されている。
　金属部材５３は、筐体５１の内部に配置され、吊り用金属板５２とつながることでループ形状を形成する。
　接地部材５４は、ループ形状とつながり、吊り用金属板５２を接地させる。
　吊り金具５５は、筐体５１を壁面又は天井に固定する。
　固定部材５６は、筐体５１の外部から吊り金具５５を複数の取付け部５１１に固定する。
　また、吊り用金属板５２は、少なくとも１つの取付け部５１１において、固定部材５６を介して吊り金具５５に固定されている。

　＜作用・効果＞
　次に、第２実施形態の作用・効果について説明する。
　プロジェクタ５０では、吊り金具５５は、樹脂製の筐体５１の内部の金属製の吊り用金属板５２に固定されている。したがって、取付け部５１１の樹脂が破損した場合でも、吊り金具５５は、吊り用金属板５２を用いて、プロジェクタ５０を支えられる。すなわち、プロジェクタ５０は、落下の防止を図ることができる。
　また、金属部材５３は、吊り用金属板５２とつながることでループ形状を形成している。また、このループ形状は、接地部材５４を用いて、接地されている。したがって、吊り用金属板５２の端部が開放端となってダイポールアンテナを構成することを防止している。ダイポールアンテナが構成されないために、プロジェクタ５０は、吊り用金属板５２から放射されるノイズを低減することができる。すなわち、プロジェクタ５０は、ノイズの放射を抑制できる。

１０：プロジェクタ、１３０：金属板アース、１３１：端部、１３２：端部、１５０：端子パネル、１５１：端部、１５２：端部、１７０：端子口、１８０：投写レンズ、１９０：固定部材、２００：接地部材、２０１：電源インレット、２０３：アース端子、２１０：筐体、２１１：孔、２１２：ザグリ、２２０：吊り用金属板、２２１：端部、２２２：端部、２３１：カシメナット、２３１ａ：雌ねじ部、２３２：カシメナット、２４１：一端、２４２：他端、２５１：取付け部、２５２：取付け部、２５３：取付け部、２５４：取付け部、２６０：金具、２７０：電源、４１：底面、４２：背面、４３：正面、５０：プロジェクタ、５１：筐体、５１１：取付け部、５２：吊り用金属板、５３：金属部材、５４：接地部材、５５：吊り金具、５６：固定部材

Claims

　複数の取付け部を有する樹脂製の筐体と、
　前記筐体の内部に配置される吊り用金属板と、
　前記筐体の内部に配置され、前記吊り用金属板とつながることでループ形状を形成する、少なくとも１つの金属部材と、
　前記ループ形状とつながり、前記吊り用金属板を接地させる接地部材と、
　前記筐体を壁面又は天井に固定する吊り金具と、
　前記筐体の外部から前記吊り金具を前記複数の取付け部に固定する固定部材と、
　を備え、
　前記吊り用金属板は、少なくとも１つの前記取付け部において、前記固定部材を介して前記吊り金具に固定されている、
　プロジェクタ。
　請求項１に記載のプロジェクタにおいて、
　前記接地部材は、電源インレットを有し、
　前記筐体は、略長方体の構造を有し、第１の面に前記電源インレットが露出し、前記第１の面に隣接する第２の面に前記複数の取付け部が配置され、
　前記固定部材が前記吊り金具を前記吊り用金属板に固定している取付け部は、前記複数の取付け部のうちで、前記第２の面において、前記第１の面に最も近い位置にある、
　プロジェクタ。
　請求項２に記載のプロジェクタにおいて、
　前記固定部材は、前記第１の面に最も近い位置にある前記取付け部の上を通る直線であって、前記第１の面と前記第２の面とを繋ぐ直線状の辺と略平行な直線上に位置している取付け部においても、前記筐体を貫通し、前記吊り金具を前記吊り用金属板に固定する、
　プロジェクタ。
　請求項１から３に記載のプロジェクタにおいて、
　前記固定部材は、前記吊り用金属板と前記吊り金具とを導通させ、
　前記吊り金具は、壁面又は天井に接触することでグランドプレーンを構成する、
　プロジェクタ。
　請求項１から４に記載のプロジェクタにおいて、
　前記金属部材は、前記筐体の前記第１の面に端子口を形成する端子パネルと、筐体の内部のグランドとなる金属板アースと、を含み、
　前記吊り用金属板が前記端子パネルとつながり、前記端子パネルが前記金属板アースとつながり、前記金属板アースが前記吊り用金属板とつながり、
　前記吊り用金属板と、前記端子パネルと、前記金属板アースとは、ループ形状を形成する、
　プロジェクタ。
　複数の取付け部を有する樹脂製の筐体と、
　前記筐体の内部に配置される吊り用金属板と、
　前記筐体の内部に配置され、前記吊り用金属板とつながることでループ形状を形成する、少なくとも１つの金属部材と、
　前記ループ形状とつながり、前記吊り用金属板を接地させる接地部材と、
　吊り金具と、
　を備えるプロジェクタの吊り方法であって、
　前記吊り金具を前記複数の取付け部に固定し、
　少なくとも１つの前記取付け部において、固定部材を用いて、前記吊り金具を前記吊り用金属板に固定し、
　前記筐体を壁面又は天井に固定する、
　プロジェクタの保持方法。