以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る天吊り装置1を用いてプロジェクター7を天井面Sに固定した状態を示す図であり、図1(a)は、天吊り装置1を前方向から見た正面図であり、図1(b)は、天吊り装置1を左方向から見た側面図である。図1を参照して、本実施形態の天吊り装置1を説明する。
本実施形態の天吊り装置1は、図1に示すように、プロジェクター7を天井面Sに吊り下げる装置である。また、天吊り装置1は、吊り下げたプロジェクター7の取り付け位置(姿勢)を調整し、スクリーン(図示省略)の所定の位置に、投写される画像の位置を合わせる装置である。
本実施形態のプロジェクター7は、光源(図示省略)から射出された光束を、画像信号に基づき、光変調素子(図示省略)で変調して光学像を形成し、形成した光学像を、投写レンズ702を介して画像光としてスクリーン等に投写する装置である。
なお、本実施形態を説明する図面(図1および以降で説明する図)において、天井面Sの法線方向をZ方向(上下方向)として、重力方向を−Z方向(下方向)、重力方向とは逆方向を+Z方向(上方向)とする。また、Z方向に直交し、プロジェクター7の投写レンズ702が画像光を投写する方向をX方向(前後方向)として、スクリーンが設置される方向を+X方向(前方向)、逆方向を−X方向(後方向)とする。また、Z方向(上下方向)とX方向(前後方向)とに直交する方向をY方向(左右方向)として、図1(a)に示す正面から見たプロジェクター7に向き合い、左手方向を−Y方向(左方向)、右手方向を+Y方向(右方向)とする。なお、方向を表すX(左右),Y(前後),Z(上下)は、以降の説明において適宜使用する。
プロジェクター7は、略直方体形状の外装筺体701で覆われている。外装筺体701内部には、上述した光変調素子等を収容する光学ユニット(図示省略)や、プロジェクター7の動作制御を行う制御部を含む回路構成部(図示省略)等を備えている。
プロジェクター7は、机上面に設置して使用される場合の姿勢に対して、天井面Sに設置(天吊り)して使用される場合には、上面7aと下面7bとが逆転した姿勢で天吊り装置1に設置される。詳細には、プロジェクター7の下面7bが上側(上面7aが下側)となり、下面7bに設置されている天吊り用の脚部707が天吊り装置1の第4プレート40とネジ固定されることで、天吊り装置1に固定される。また、天吊り装置1は、プロジェクター7の下面7bの略中央を保持し固定する。
なお、プロジェクター7の上面7aには、操作入力を行うスイッチ部(図示省略)等が設置されている。プロジェクター7の前面7cには、中央に投写レンズ702が設置されている。投写レンズ702から射出される画像光は、前方向に設置されたスクリーンに向かって投写される。
また、プロジェクター7が天吊りされた状態において、投写レンズ702の右側には、吸気口703が設置され、左側には、排気口704が設置されている。また、前面7cおよび後面7dには、リモートコントローラー(リモコン)からの操作信号を受信する信号受信部(図示省略)が設置されている。プロジェクター7の後面7dには、インターフェイス部705が備えられ、各種ケーブルCが接続されている。
なお、本実施形態では、天吊り装置1を設置する前の状態において、インターフェイス部705に接続する各種ケーブルCは、天井内部を経由して、天井面Sに開口された開口部(図示省略)から延出し、下方向(−Z方向)に垂れ下がった状態としている。この状態で、天吊り装置1は、天井面Sの開口部に合わせて設置される。また、開口部から垂れ下がっている各種ケーブルCは、天吊り装置1内部を挿通させた後、インターフェイス部705に接続される。なお、天吊り装置1内部でのケーブルCの引き回しに関しての詳細は後述する。
図2は、天吊り装置1を示す図であり、図2(a)は、天吊り装置1を天井面S側(+Z方向)から見た斜視図であり、図2(b)は、天吊り装置1を前方向(+X方向)から見た正面図であり、図2(c)は、天吊り装置1を左方向(−Y方向)から見た側面図である。図3は、カバー部材60を設置する前の天吊り装置1を示す図であり、図3(a)は、天吊り装置1を天井面S側(+Z方向)から見た斜視図であり、図3(b)は、天吊り装置1を前方向(+X方向)から見た正面図であり、図3(c)は、天吊り装置1を左方向(−Y方向)から見た側面図である。図2、図3を参照して、本実施形態の天吊り装置1の外観的構成を説明する。
図2に示すように、天吊り装置1は、第1プレート10、第2プレート20、第3プレート30、および第4プレート40の4つのプレートと、カバー部材60等により構成されている。また、4つのプレートは、略矩形状をなし、それぞれ金属板金の曲げ加工等により形成されている。
天吊り装置1は、第1プレート10、第2プレート20、第3プレート30が天井面S側に設置され、プロジェクター7を固定した第4プレート40を第3プレート30に引掛ける(係着する)構成となっている。なお、詳細は後述するが、第1プレート10と第2プレート20は、天井面Sに設置される。そして、第2プレート20は第1プレート10と係着する。また、第3プレート30は第2プレート20と係着する。そして、第4プレート40が第3プレート30に係着する。
そして、天吊り装置1は、詳細は後述するが、第1プレート10に対して後述する第1回動軸A1(図4、図6参照)を中心に第2プレート20を回動することで水平方向(XY平面方向)の調整を行う。また、第2プレート20に対して後述する第2回動軸A2(図4、図7(b)参照)を中心に第3プレート30を回動することで左右方向(YZ平面方向)の調整を行う。また、第3プレート30に対して後述する第3回動軸A3(図4参照)を中心に第4プレート40を回動することで上下方向(XZ平面方向)の調整を行う。
天吊り装置1は、第1プレート10から、プロジェクター7を固定した第4プレート40までをそれぞれ組み立てた後、プロジェクター7の位置調整を行う構成となっている。そして、天吊り装置1は、位置調整完了後、図2に示すように、第1プレート10から第3プレート30までの4方向の側面を覆うように、カバー部材60を設置する構成となっている。なお、カバー部材60に関しての詳細は後述する。
図4、図5は、天吊り装置1の分解図である。詳細には、図4は、第1プレート10から第3プレート30、およびカバー部材60を示す分解図である。図5は、第4プレート40と、プロジェクター7との分解図である。図5では、天吊り装置1(第4プレート40)に固定されるプロジェクター7も図示している。
図6は、第1プレート10と第2プレート20とを天井面Sに設置した斜視図である。なお、図6は、円筒部102と第1開口部202との係合(係着)関係を示す断面と、当接部109の周辺を示す断面とを併せて、拡大図Gとして図示している。図7は、第3プレート30を第2プレート20に設置(係着)する場合の設置方法を示す斜視図であり、図7(a)は、第3プレート30を第2プレート20に設置(係着)する途中の状態を示す斜視図であり、図7(b)は、第3プレート30を第2プレート20に設置(係着)した状態を示す斜視図である。
図4〜図7を参照して、天吊り装置1の構成と設置方法を説明する。
図4、図5に示すように、天吊り装置1は、4つのプレート(第1プレート10、第2プレート20、第3プレート30、第4プレート40)で構成されている。また、前述したように、第1プレート10、第2プレート20、第3プレート30が天井面S側に設置され、プロジェクター7を固定した第4プレート40を第3プレート30に引掛ける(係着する)構成となっている。
図4に示すように、第1プレート10は、天井面Sに設置され、天吊り装置1のベースとなる部材である。第1プレート10は、板金の曲げ加工等で略矩形状に構成されている。第1プレート10は、矩形状の第1プレート本体101の中央部に、下方向(−Z方向)に円筒状に突出する円筒部102が形成されている。なお、本実施形態の円筒部102は、バーリング加工により形成されている。また、第1プレート本体101には、円筒部102を中心としてその周囲に、円筒部102の中心を同心円の中心として同心円状に形成される長孔状の各種の貫通孔103が、所定のピッチで複数形成されている。
また、図4に示すように、第1プレート本体101の4つのコーナー部近傍には、プレス加工によって下方向(−Z方向)に一段下がって形成される当接部109がそれぞれ1つ形成されている。そして、4つの当接部109、詳細には、当接部109の端面109b(図6の拡大図G参照)は、第1プレート10が第2プレート20と係合する際に、第2プレート20の上面201aに当接する。
また、図4に示すように、第1プレート10は、第1プレート本体101の4つのコーナー部で、前後方向(X軸方向)には、下方向(−Z方向)に曲折された4つの片部104(前方向の片部104a、後方向の片部104b)が形成されている。この片部104のうち、前方向(+X方向)となる2つの片部104aには、ネジ孔105が1つずつ形成されている。ネジ孔105は、後述する第1回動軸A1(図6参照)に略垂直となる向きに形成されている。
図4に示すように、第2プレート20は、第1プレート10に重ねられて、天井面Sに固定される部材である。また、第2プレート20は、第1プレート10と共に、プロジェクター7の姿勢における水平方向の微調整を行う部材である。
図4に示すように、第2プレート20は、板金の曲げ加工等で略矩形状に構成されている。第2プレート20は、矩形状の第2プレート本体201の中央部に、円形状に開口する第1開口部202が形成されている。第1開口部202は、第1プレート10の円筒部102に相対して形成されている。
第2プレート本体201には、第1開口部202を中心としてその周囲に、第1開口部202の中心を同心円の中心として同心円状に形成される長孔状の各種の貫通孔203が、所定のピッチで複数形成されている。貫通孔203は、第1プレート10の貫通孔103に相対して形成されている。
また、第2プレート20は、第2プレート本体201の前後方向(X軸方向)の端部に、下方向(−Z方向)に曲折された2つの片部204が形成されている。この2つの片部204(前方向の片部204a、後方向の片部204b)には、第1開口部202の中心を通りXZ平面上に略一致する中央部に孔部205が形成されている。また、孔部205に対応する2つの片部204の内面側には、図6、図7(a)に示すように、ネジ切りされたナット206がそれぞれ溶接されている。
また、2つの片部204には、孔部205を中心として左右方向に略対称に、ネジ孔207がそれぞれ形成されている。図4、図6に示すように、前方向の片部204aには、ネジ孔207aが形成され、後方向の片部204bには、ネジ孔207bが形成される。なお、図7(a)に示すように、後方向の片部204bのネジ孔207bには、円柱状のネジ頭を有するネジ部材SC1が後方向から螺合された状態となっている。
なお、前方向の片部204aのネジ孔207aは、螺合部を構成している。そして、ネジ孔207aには、左右方向の調整を行う際に使用される後述するネジ部材SC3(図7(b)参照)が螺合される。なお、ネジ部材SC3と、螺合部としてのネジ孔207aは、後述する第2回動軸A2(図7(b)参照)に略平行に設置される。
また、図4に示すように、第2プレート本体201の左右方向(Y軸方向)の端部で、前後方向(X軸方向)には、第2プレート本体201から面方向に延出した後、下方向(−Z方向)に曲折された2つの片部208がそれぞれ形成されている。この片部208には、それぞれネジ孔209が1つずつ形成されている。この片部208とネジ孔209は、後述するカバー部材60を固定する固定部を構成している。
次に、図6を参照して、第1プレート10と第2プレート20との天井面Sへの設置方法に関して説明する。
図6は、天吊り装置1を下方向から見上げる状態の斜視図であり、天井面Sの図示は省いている。図6に示すように、第1プレート10は、第1プレート本体101の上面101aを天井面Sに接触させて設置される。なお、第1プレート10を設置する前の天井面Sには開口部(図示省略)が形成されており、天井内部を経由してきた各種のケーブルCが、この開口部から下方向に垂れ下がった状態となっている。
第1プレート10を天井面Sに設置する場合、最初に、図6に示すように、第2プレート20を第1プレート10の内側に重ね合わせる。その際、第2プレート20の第1開口部202は、第1プレート10の円筒部102を挿通させることにより、円筒部102の外周を摺動可能とする。なお、円筒部102と第1開口部202とが摺動可能に係合(係着)することで、上下方向(Z軸方向)に回動軸を有する第1回動軸A1が形成される。
次に、開口部から垂れ下がったケーブルCを、図6に示すように、円筒部102と第1開口部202とに挿通する。そして、第1プレート本体101の前方向端部に形成される切り欠き部108を前方向(+X方向)に向ける。そして、第1プレート10の円筒部102を天井面Sの開口部に合わせるようにして、第1プレート本体101の上面101aを天井面Sに接触させて設置する。
設置(固定)は、本実施形態では、開口部の周りの天井面Sに埋め込まれて天井面Sから延出しているアンカーボルトB1を用いて設置する。詳細には、最初に、アンカーボルトB1の位置に対応する第1プレート10の貫通孔103と、貫通孔103に対応する第2プレート20の貫通孔203とに、アンカーボルトB1を挿通する。次に、第2プレート本体201の下面201b側からナットN1をアンカーボルトB1に螺合させて締め付け、第1プレート10と第2プレート20とを天井面SにナットN1で挟み込むことで固定する。
次に、第1プレート10の2つの片部104aに形成されるそれぞれのネジ孔105に、第1ネジ部材106をそれぞれ螺合させ、第1ネジ部材106のネジ先端部を対向する第2プレート20の前方向の片部204aに突き当てた状態とさせる。この、第1ネジ部材106は、水平方向の調整を行う際に使用される。また、第1ネジ部材106は、ネジ孔105に螺合させた場合、第1回動軸A1に略垂直となる向きに螺合する。なお、第1ネジ部材106は、本実施形態では、六角穴付きボルトを使用している。
第1プレート10と第2プレート20とが天井面Sに設置された場合、図6の拡大図Gに示すように、4つの当接部109の端面109bは、それぞれ第2プレート20の上面201aに当接する。そして、円筒部102の先端面102aは、第2プレート20の下面201bと略同一の高さとなる。なお、水平方向の調整を行う際には、円筒部102の外周を第1開口部202が摺動し、また、第2プレート20の上面201aが当接部109の端面109bを摺動する。このような構成により、第1プレート10と第2プレート20とを重ねた場合にも、極力薄型化を図ると共に、係合および水平方向の調整を可能としている。
第3プレート30は、第2プレート20に係着され、また、第4プレート40を係着する部材である。第3プレート30は、図4に示すように、板金の曲げ加工等で略矩形状に構成されている。第3プレート30は、矩形状の第3プレート本体301の中央部に、第2プレート20の第1開口部202に相対する領域に、矩形状に開口する開口部302aが形成されている。また、第3プレート本体301には、この開口部302aに接続して、後方向に形成される半円形状の開口部302bが形成されている。
なお、開口部302aと開口部302bは、第2開口部302を構成している。従って、第2開口部302は、第1開口部202に相対する領域に開口部302aが形成され、また、後方向に偏って開口部302bが形成されている。なお、偏って形成された第2開口部302の後方向は、ケーブルCが延出される側となる。
第3プレート30は、開口部302aの左右方向(Y軸方向)の端部に、上方向(+Z方向)に曲折された片部304がそれぞれ形成されている。この2つの片部304の上端部には、後述する第4プレート40の支軸404を保持する円弧形状の切り欠きを有する保持部305と、支軸404を保持部305に案内する案内部306がそれぞれ形成されている。なお、案内部306は、保持部305の後方向から保持部305に接続して形成されている。また、案内部306は、保持部305に向って下方向に下がるように傾斜して形成されている。
第3プレート30は、第3プレート本体301の前後方向(X軸方向)の端部に、上方向(+Z方向)に曲折された2つの片部307が形成されている。この2つの片部307(前方向の片部307a、後方向の片部307b)には、第2プレート20の孔部205に相対する位置に、孔部308が形成されている。
2つの片部307には、孔部308を中心として左右方向に略対称に、また、孔部308を同心円の中心として同心円状に形成される長孔状の長孔部309がそれぞれ形成されている。詳細には、図4、図6に示すように、前方向の片部307aには、長孔部309aが形成され、後方向の片部307bには、長孔部309bが形成される。
長孔部309は、後述する第2回動軸A2を中心に同心円状に形成されている。また、孔部308と長孔部309とは、第2プレート20の孔部205とネジ孔207とに対応して形成されている。前方向の片部307aに形成される長孔部309aは、左右方向の調整を行う際に使用され、後述するネジ部材SC3を案内する。
第3プレート30は、第3プレート本体301の左右方向(Y軸方向)の端部に、上方向(+Z方向)に曲折された2つの片部310が形成されている。この2つの片部310には、片部304に有する円弧形状を有する保持部305の中心軸が片部310に交わる位置に丸形状の孔部311がそれぞれ形成されている。この孔部311は、保持部305に保持される後述する支軸404の位置を確認するための開口部として形成されている。また、2つの片部310には、孔部311を中心(保持部305の中心軸が片部310に交わる位置を中心)として、前後方向に対称にネジ孔312がそれぞれ形成されている。
片部310のネジ孔312は、螺合部を構成している。そして、ネジ孔312には、上下方向の調整を行う際に使用される後述するネジ部材SC4が螺合される。なお、ネジ部材SC4と、螺合部としてのネジ孔312は、後述する第3回動軸A3に略平行に設置される。
第3プレート30は、第3プレート本体301の前方向(+X方向)の左右方向(Y軸方向)のコーナー部に、ネジ孔313(図7(b)参照)がそれぞれ形成されている。このネジ孔313には、第2ネジ部材315がそれぞれ螺合される。
第2ネジ部材315は、左右方向の調整を行う際に使用される部材である。第2ネジ部材315は、本実施形態では、ネジ加工されたネジ部316と、ネジ部316の一方の端部316a側に設置されてネジ部316を回動させるダイヤル部317とで構成されている。なお、ネジ部316の一方の端部316aは、端面が曲面形状に形成されている。また、ダイヤル部317は、詳細には、ネジ部316の径より大きい径の円板状で、外周面が凹凸状に形成されている。
第2ネジ部材315は、第3プレート本体301の上方向(+Z方向)からネジ部316をネジ孔313に螺合させる。従って、ダイヤル部317は、第3プレート本体301の上方向(+Z方向)に位置する。そして、左右方向の調整を行う際には、このダイヤル部317を指先で回動させる。なお、第2ネジ部材315は、後述する第2回動軸A2を中心とする左右方向で、第2回動軸A2に略垂直となるように設置される。
第3プレート30は、第3プレート本体301の前方向(+X方向)で、片部307aの内側の一部に、プレス加工を行い、上方向(+Z方向に)に隆起させた隆起部320が形成されている。この隆起部320の上部にネジ孔321が形成されている。このネジ孔321には、第3ネジ部材325が螺合される。
なお、第3ネジ部材325は、上下方向の調整を行う際に使用される部材である。第3ネジ部材325は、第2ネジ部材315と略同様に構成されている。詳細には、ネジ加工されたネジ部326と、ネジ部326の一方の端部326a側に設置されてネジ部326を回動させるダイヤル部327とで構成されている。なお、ネジ部326の一方の端部326aは、端面が曲面形状に形成されている。
第3ネジ部材325は、第3プレート本体301の下方向(−Z方向)からネジ部326をネジ孔321に螺合させる。従って、ダイヤル部327は、第3プレート本体301の下方向(−Z方向)に位置する。そして、上下方向の調整を行う際には、このダイヤル部327を指先で回動させる。なお、第3ネジ部材325は、後述する第3回動軸A3に略垂直となるように設置される。
次に、図7(a),(c)を参照して、第3プレート30を第2プレート20に設置する設置方法に関して説明する。
第3プレート30を第2プレート20に設置する場合、最初に、図7(a)に示すように、第1プレート10と第2プレート20の円筒部102と第1開口部202を挿通させたケーブルCを、第3プレート30の第2開口部302に挿通させる。次に、第3プレート30の第2ネジ部材315が設置される側を前方向(+X方向)に向ける。そして、第2プレート20の後方向の片部204bのネジ孔207bに螺合させた2つのネジ部材SC1のネジ頭に、図7(a)に矢印で示すように、第3プレート30の後方向の片部307bに形成した2つの長孔部309bを引掛ける。
次に、第3プレート30の孔部308を、第2プレート20の孔部205に一致させ、孔部308および孔部205にネジ部材SC2を挿通させ、ネジ部材SC2を孔部205の内側に設置されるナット206にそれぞれ螺合させて固定する。孔部308および孔部205は貫通孔であり、第3プレート30は、第2プレート20に螺合して固定され、ネジ部材SC2を基準として回動可能となる。これにより、第3プレート30は、第2プレート20とのネジ部材SC2の係合(係着)により、前後方向(X方向)に回動軸を有する第2回動軸A2が形成される。
次に、図7(b)に示すように、第3プレート30の長孔部309aにそれぞれネジ部材SC3を挿通し、第2プレート20のネジ孔207a(図6参照)に螺合させる。以上により、図7(b)に示すように、第3プレート30を第2プレート20に設置することができる。
第4プレート40は、プロジェクター7を固定し、第3プレート30に係着する部材である。第4プレート40は、図5に示すように、板金の曲げ加工等で略矩形状に構成されている。第4プレート40は、矩形状の第4プレート本体401の中央部に、矩形状に開口する開口部402が形成されている。
第4プレート40は、開口部402の左右方向(Y軸方向)の端部に、上方向(+Z方向)に曲折された片部403がそれぞれ形成されている。この片部403の先端部には、左右方向(Y軸方向)に軸を有し、円柱状に形成され、それぞれの片部403の外側に突出する支軸404が、それぞれ固着されている。この支軸404が、図4に示す、第3プレート30の保持部305に回動可能に保持される。
また、開口部402の前後方向(X軸方向)の端部に、上方向(+Z方向)に曲折された片部405がそれぞれ形成されている。この片部405は、第4プレート40の剛性を向上させる目的で形成されており、第4プレート本体401からの突出量は少なく形成されている。
第4プレート本体401には、開口部402の左右方向(Y軸方向)で、切り起こし加工により、上方向(+Z方向)に曲折された片部406がそれぞれ形成されている。それぞれの片部406の中央部には、上端から下方に切り欠かれた切り欠き部407が形成されている。切り欠き部407は、左右方向でそれぞれの内側に位置する支軸404が左右方向から見た場合、視認できる大きさで形成されている。
2つの片部406には、支軸404を中心として前後方向に略対称に、また、支軸404を同心円の中心として同心円状に形成される長孔状の長孔部408が一対それぞれ形成されている。なお、長孔部408は、第3回動軸A3を中心に同心円状に形成されている。また、第4プレート40の長孔部408は、第3プレート30のネジ孔312に対応している。また、長孔部408は、上下方向の調整を行う際に使用され、後述するネジ部材SC4を案内する。
第4プレート本体401には、4つのコーナー部に、複数の孔部410が、それぞれ形成されている。図5に示すように、プロジェクター7の下面7bに備える天吊り用の4つの脚部707に対応する孔部410に、上方向(+Z方向)からネジ部材SC5を挿通して、脚部707と螺合させて締め付けることにより、第4プレート40にプロジェクター7を固定することができる。
第4プレート本体401には、前後方向(X軸方向)で、内側に入った部分に、上方向(+Z方向)に曲折された片部411がそれぞれ2ずつ形成されている。この片部411は、片部405と同様に、第4プレート40の剛性を向上させる目的で形成されており、第4プレート本体401からの突出量は少なく形成されている。なお、この片部411は、後述する隙間確保部を構成している。
図8は、プロジェクター7を固定した第4プレート40を第3プレート30に設置(係着)する場合の設置方法を示す斜視図であり、図8(a)は、第4プレート40を第3プレート30の開口部302aに挿入する状態の斜視図であり、図8(b)は、支軸404を案内部306に案内させる状態の斜視図であり、図8(c)は、支軸404を保持部305に保持させた状態の斜視図である。図8を参照して、第4プレート40を第3プレート30に設置する設置方法に関して説明する。
第4プレート40を第3プレート30に設置する場合、第4プレート40に固定されたプロジェクター7を持ち上げて移動させることにより、第3プレート30に設置する設置方法となる。最初に、図8(a)に示すように、第3プレート30の第2開口部302から延出しているケーブルCが、第4プレート40の後方向(−X方向)となる状態で、第4プレート40に固定したプロジェクター7を持ち上げていく。これにより、ケーブルCは、第2開口部302の後側となる開口部302bと、第4プレート40の後側の片部411との隙間から後方向(プロジェクター7の後面7d側)に延出した状態となる。
プロジェクター7を持ち上げて、図8(a)に矢印で示すように、第4プレート40の2つの片部403を、第3プレート30の片部304の後方向となる開口部302bの領域に挿入する。次に、図8(b)に示すように、第3プレート30の開口部302aに下方向から挿入した片部403に設置する支軸404を、前方向(+X方向)に移動させ、第3プレート30(片部304)の案内部306にそれぞれ載せる。次に、図8(b)に矢印で示すように、支軸404を案内部306に沿って前方向に滑らせる。
支軸404を案内部306に沿って前方向に滑らせることにより、図8(c)に示すように、支軸404が、保持部305にそれぞれ保持された状態となる。このように、保持部305に、支軸404を保持(係着)させることにより、左右方向(Y軸と平行方向)に回動軸を有する第3回動軸A3が形成される。
次に、図8(c)、図3(c)に示すように、第4プレート40のそれぞれの長孔部408を、第3プレート30のそれぞれ対応するネジ孔312(図7参照)に合わせ、長孔部408にそれぞれネジ部材SC4を挿通させて、ネジ部材SC4をネジ孔312に螺合して固定する。これにより、図8(c)、図3(c)に示すように、プロジェクター7を固定した第4プレート40を第3プレート30に設置することができる。
上述した第1プレート10から第4プレート40までの設置方法により、天吊り装置1を介して、プロジェクター7を天井面Sに固定することができる。
なお、支軸404を保持部305に保持させるまでの動作は、目隠し状態で行われる。このため、本実施形態では、支軸404が保持部305の適正な位置(支軸404の中心軸と保持部305の中心軸とが略一致する位置)に保持されているか否かを目視で確認できるように構成されている。
具体的には、天吊り装置1を構成する4つのプレートは金属製で、外面の色は黒色に加工されている。そして、2つの支軸404の外側の端面には、支軸404の中心軸に同心円で形成される白色の部材(図示省略)がそれぞれ貼着(または塗布)されている。そして、この白色の部材が、保持部305の中心軸の左右方向に形成される開口部としての孔部311(図4、図3(c))を介して目視できるか否かを確認することで行われる。孔部311を介して白色の部材が確認できた場合には、支軸404は、保持部305の適正な位置に保持されていることになる。なお、孔部311の径は、白色の部材の径よりも小さく形成されている。
この状態で、ケーブルCは、第3プレート30と第4プレート40との後方向(−X方向)で、上下方向(Z方向)の隙間から延出した状態となっている。詳細には、図8(a)、図3(c)に示すように、第3プレート30の第2開口部302の周辺となる第3プレート本体301と、第4プレート40の片部411との隙間D(図3(c)参照)から後方向(−X方向)に延出した状態となっている。なお、この隙間Dの領域が、隙間確保部となる。
この状態のケーブルCを、図1(b)に示すように、後方向(−X方向)となるプロジェクター7の後面7dのインターフェイス部705に設置されるコネクト部706(図8(a)参照)に接続する。なお、ケーブルCは、電源ケーブルの他、アナログRGBケーブル、ビデオケーブル、DVIケーブル、HDMIケーブル、ネットワークケーブル等、各種ケーブルが用いられ、映像機器、パソコン、またはネットワーク等に接続されている。
次に、天吊り装置1に設置されたプロジェクター7の位置(姿勢)を調整する調整方法に関して説明する。
本実施形態の天吊り装置1は、水平方向(XY平面方向)と、左右方向(YZ平面方向)と、上下方向(XZ平面方向)の調整を行うことができる。なお、調整を行う際は、プロジェクター7から映像を投写させて行う。そして、調整は、プロジェクター7から投写された投写映像の位置が、スクリーンに設定される投写位置と合致するように、プロジェクター7の位置(姿勢)を移動させて行う。
図9は、プロジェクター7の設置位置(姿勢)に対する上下方向の調整方法を示す図であり、図9(a)は、天吊り装置1を左方向(−Y方向)から見た側面図であり、図9(b)は、天吊り装置1を前方向(+X方向)から見た正面図であり、図9(c)は、天吊り装置1を斜め前方向(+X方向)から見た斜視図である。図9を参照して、上下方向の調整方法を説明する。
最初に、図9(a)に示すように、第4プレート40の左側面の2つのネジ部材SC4を回動して緩める。併せて、逆側(右側面)の2つのネジ部材SC4も緩める。次に、プロジェクター7を保持して上下方向(矢印Aで示す)に移動させて、おおよその位置を合わせる。なお、後述する第3ネジ部材325で下方向に微調整を行うため、やや上側に合わせる。おおよその位置を合わせた後、4つのネジ部材SC4を締めて仮固定する。
次に、図9(c)に示すように、第3ネジ部材325のダイヤル部327を矢印で示すように回動させて、ネジ部326の一方の端部326a端面を、第4プレート本体401の上面401aに突き当てる。そして、更に同方向に回動することにより、プロジェクター7を下方向(−Z方向)に移動させる。
なお、詳細には、第3ネジ部材325を回動して、第4プレート本体401の上面401aに突き当てた後、更に同方向に回動することにより、第4プレート40(プロジェクター7)を、第3回動軸A3(図9(b)に示す)を中心として、図9(a),(c)に矢印Bで示すように、下方向(−Z方向)に回転させて調整を行う。このように、上下方向の調整は、第3ネジ部材325の回動量により調整するため、微調整を行うことができる。本実施形態の第3ネジ部材325による上下方向の調整範囲は、約0°〜−8°としている。
第3ネジ部材325を回動して、下方向の微調整を行うことで、上下方向の位置を合わせた後、4つのネジ部材SC4を締め付けて本固定する。なお、調整終了後のネジ部材SC4による締め付けは、第4プレート40に第3ネジ部材325を突き当てていることにより、調整後の位置ズレを防止するため、位置ズレを気にせずに容易に行うことができる。以上の方法により、上下方向の調整が完了する。
図10は、プロジェクター7の設置位置(姿勢)に対する水平方向の調整方法を示す図であり、図10(a)は、天吊り装置1を前方向(+X方向)から見た正面図であり、図10(b)は、天吊り装置1を斜め前方向(+X方向)から見た斜視図である。図10を参照して、水平方向の調整方法を説明する。
最初に、図10に示すように、第1プレート10の2つの前方向の片部104a(ネジ孔105)に螺合する第1ネジ部材106を回動して緩める。次に、プロジェクター7を保持して水平方向(図10(b)に矢印Eで示す)に回転させて、おおよその位置を合わせる。なお、この回転は、第1回動軸A1を中心とした水平方向の回転となる。
おおよその位置を合わせた後、2つの第1ネジ部材106を締めて、対向する第2プレート20の前方向の片部204aにネジ先端部を突き当てる。次に、第1ネジ部材106を更に同方向に回動することにより、第2プレート20(結果的に、プロジェクター7)を、第1回動軸A1を中心として、水平方向(図10(b)に矢印Cで示す)に回転させて調整を行う。このように、水平方向の調整は、第1ネジ部材106の回動量により調整するため、微調整を行うことができる。
なお、本実施形態の天吊り装置1は、左方向の第1ネジ部材106を回動する(締める)ことで、プロジェクター7を水平に左方向に回転させ、右方向の第1ネジ部材106を回動する(締める)ことで、プロジェクター7を水平に右方向に回転させる。なお、本実施形態の第1ネジ部材106による水平方向の調整範囲は、約−3°〜+3°としている。
なお、調整終了後は、第2プレート20に第1ネジ部材106を突き当てていることにより、調整後の位置ズレを防止して固定することができる。以上の方法により、水平方向の調整が完了する。
図11は、プロジェクター7の設置位置(姿勢)に対する左右方向の調整方法を示す図であり、図11(a)は、天吊り装置1を左方向(−Y方向)から見た側面図であり、図11(b)は、天吊り装置1を前方向(+X方向)から見た正面図であり、図11(c)は、天吊り装置1を斜め前方向(+X方向)から見た斜視図である。図11を参照して、左右方向の傾きの調整方法を説明する。
最初に、図11(b)に示すように、第3プレート30の前方向の片部307aの2つのネジ部材SC3を回動して緩める。次に、図11(a)に示すように、第2ネジ部材315のダイヤル部317を、図11(c)に矢印で示すように回動させて、ネジ部316の一方の端部316a端面を、第2プレート本体201の下面201bに突き当てる。そして、更に同方向に回動することにより、第3プレート30(結果的に、プロジェクター7)を、第2回動軸A2(図11(a)参照)を中心として、左右方向(図11(b),(c)に矢印Fで示す)に回転させて調整を行う。このように、左右方向の傾きの調整は、第2ネジ部材315の回動量により調整するため、微調整を行うことができる。
なお、本実施形態の天吊り装置1は、プロジェクター7を正面方向(+X方向)から見た場合、左方向の第2ネジ部材315を回動する(締める)ことで、プロジェクター7を時計回転方向とは逆方向に回転させ、右方向の第1ネジ部材106を回動する(締める)ことで、プロジェクター7を時計回転方向に回転させる。なお、本実施形態の第2ネジ部材315による左右方向の傾きの調整範囲は、約−2.5°〜+2.5°としている。
第2ネジ部材315を回動して、左右方向の傾きの微調整を行うことで、左右方向の位置を合わせた後、2つのネジ部材SC3を締め付けて固定する。なお、調整終了後のネジ部材SC3による締め付けは、第2プレート20に第2ネジ部材315を突き当てていることにより、調整後の位置ズレを防止するため、位置ズレを気にせずに容易に行うことができる。以上の方法により、左右方向の傾きの調整が完了する。
図12は、カバー部材60を第2プレート20に設置する方法を示す斜視図である。詳細には、図12(a)は、第2カバー62を第2プレート20に設置する状態を示す斜視図であり、図12(b)は、第2カバー62を第2プレート20に設置した状態を示す斜視図であり、図12(c)は、第1カバー61を第2プレート20に設置する状態を示す斜視図であり、図12(d)は、第1カバー61を第2プレート20に設置した状態を示す斜視図である。図1〜図4、図12を参照して、カバー部材60の構成と、カバー部材60を天吊り装置1に設置する設置方法に関して説明する。
カバー部材60は、天吊り装置1の化粧用および第1プレート10から第4プレート40までの機構の保護を目的に設置される部材である。カバー部材60は、第1プレート10から、プロジェクター7を固定した第4プレート40までが天井面Sに設置され、プロジェクター7の設置位置の微調整が完了した後に取り付けられる。カバー部材60は、本実施形態では、第1プレート10から第3プレート30までの外周部となる側面を、天井面Sからプロジェクター7までの範囲で覆う。
図1、図2に示すように、カバー部材60は、天吊り装置1の第1プレート10から第4プレート40までの調整による可動範囲を避ける大きさで構成されている。また、カバー部材60は、天吊り装置1の調整を行う際に操作する部材を覆う大きさで構成されている。なお、調整する際に操作を行う部材とは、図4、図5に示すように、水平方向の調整を行う第1ネジ部材106と、左右方向の傾きの調整を行う第2ネジ部材315およびネジ部材SC3と、上下方向の調整を行う第3ネジ部材325およびネジ部材SC4である。
図4に示すように、カバー部材60は、本実施形態では、天吊り装置1(第1プレート10〜第3プレート30)の前方向の側面と左右方向の前側略半分の側面とを覆う第1カバー61と、後方向の側面と左右方向の後側略半分の側面とを覆う第2カバー62とで構成されている。第1カバー61と第2カバー62とは、本実施形態では、合成樹脂材料で形成される。第1カバー61と第2カバー62とは、どちらも平面視でU字形状に形成され、また、略対称に形成されている。
第1カバー61は、図4に示すように、U字形状に曲折された略板状の第1カバー本体611を有している。この第1カバー本体611の下端部には、内側に湾曲しながら下方向(−Z方向)に延出するスカート部612が形成されている。また、第1カバー本体611の後方向(−X方向)の両端部近傍には、第1カバー61を固定部に固定する際に、ネジ部材SC6を挿通する孔部613が1つずつ形成されている。
第2カバー62は、第1カバー61に対してYZ面に略対称となるように構成されている。第2カバー62は、図4に示すように、U字形状に曲折された略板状の第2カバー本体621を有している。この第2カバー本体621の下端部には、内側に湾曲しながら下方向(−Z方向)に延出するスカート部622が形成されている。また、第2カバー本体621の前方向(+X方向)に延びる左右方向の側面には、第2カバー62を固定部に固定する際に、ネジ部材SC6を挿通する孔部623が1つずつ形成されている。
なお、第2カバー本体621およびスカート部622の前方向(+X方向)の両端部には、それぞれの外面から内側に入った凹部624が形成されている。凹部624は、第1カバー61を第2カバー62に合わせて設置した場合、第1カバー61の内面側に重なる部分となり、第1カバー61と第2カバー62との合わせ目の隙間を隠している。
次に、カバー部材60の設置方法に関して説明する。
カバー部材60は、プロジェクター7の位置調整完了後に設置される。そして、カバー部材60を設置する際は、プロジェクター7からの画像光の投写を終了させた後に行う。
カバー部材60は、本実施形態では、第2プレート20に構成される固定部に固定される。固定部は、図4に示すように、第2プレート20の左右方向(Y軸方向)端部に2つずつ形成される片部208と、片部208に形成されるネジ孔209とで構成されている。また、カバー部材60の設置は、最初に第2カバー62を設置して、次に第1カバー61を設置する。
図12(a)に示すように、第2カバー62の設置は、天吊り装置1(第1プレート10〜第3プレート30)に対して、後方向(第2プレート20の片部307b方向)から、第2カバー62を、両端部を前方向(+X方向)に向けて、矢印で示すように移動させる。前方向に向けて移動させた場合、第2カバー62は、孔部623が、第2プレート20の後側の片部208のネジ孔209に相対する位置で止まる。
次に、図12(b)に示すように、ネジ部材SC6を孔部623に挿通して、内面側に相対する2つの片部208のネジ孔209に螺合させて締め付ける。これにより、第2カバー62が、左右方向で第2プレート20に固定(設置)される。なお、第2カバー62を設置することにより、天吊り装置1(第1プレート10〜第3プレート30)の後方向の側面と左右方向の後側略半分の側面が覆われる。
第1カバー61の設置は、図12(c)に示すように、天吊り装置1(第1プレート10〜第3プレート30)に対して、前方向(第2プレート20の片部307a方向)から、第1カバー61を、両端部を後方向(−X方向)に向けて、矢印で示すように移動させる。後方向に向けて移動させた場合、第1カバー61は、孔部613が、第2プレート20の前側の片部208のネジ孔209に相対する位置で止まる。このとき、第1カバー61の両端部は、第2カバー62の凹部624の外面側に重なる。
次に、図12(d)に示すように、ネジ部材SC6を孔部613に挿通して、内面側に相対する2つの片部208のネジ孔209に螺合させて締め付ける。これにより、第1カバー61が、左右方向で第2プレート20に固定(設置)される。なお、第1カバー61を設置することにより、天吊り装置1(第1プレート10〜第3プレート30)の前方向の側面と左右方向の前側略半分の側面が覆われる。
以上により、図12(d)、図1、図2に示すように、天吊り装置1(第2プレート20)へのカバー部材60の設置(固定)が完了する。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の天吊り装置1は、第1プレート10から第4プレート40までの4つのプレートにより構成されており、プロジェクター7を天井面Sに設置する。また、第1プレート10と第2プレート20は、天井面Sに設置される。そして、第2プレート20は、第1プレート10に係着されて上下方向に回動軸を有して形成される第1回動軸A1を中心に水平方向の調整を行う。また、第3プレート30は、第2プレート20に係着されて前後方向に回動軸を有して形成される第2回動軸A2を中心に左右方向の調整を行う。第4プレート40は、プロジェクター7を固定し、第3プレート30に係着されて左右方向に回動軸を有して形成される第3回動軸A3を中心に上下方向の調整を行う。このように、第1プレート10から第4プレート40までの4つのプレートがそれぞれ係着して天吊り装置1が構成されることにより、天吊り装置1の薄型化を実現することができる。また、第1プレート10と第2プレート20との係着で水平方向の調整を行い、第2プレート20と第3プレート30との係着で左右方向の調整を行い、第3プレート30と第4プレート40との係着で上下方向の調整を行う。従って、プロジェクター7の位置(姿勢)に対し、水平方向、左右方向(左右方向の傾き)、上下方向の微調整を容易で確実に行うことができる。
また、カバー部材60は、第1プレート10と第2プレート20と第3プレート30との側面を覆うことにより、第1プレート10、第2プレート20、第3プレート30の露出した状態を防ぐことができるため、天吊り装置1の見栄えを向上させることができる。
本実施形態の天吊り装置1によれば、プロジェクター7の位置(姿勢)に対して、水平方向、左右方向、上下方向の調整を行うことにより、第2プレート20から第4プレート40までのそれぞれのプレートが移動した場合も、カバー部材60が、それぞれのプレートの可動範囲を避ける大きさで構成されていることにより、調整後に、プレートにぶつかることなくカバー部材60を設置することができる。従って、調整により各プレートが移動しても、各プレートを隠すことができるため、天吊り装置1の見栄えを向上させることができる。
本実施形態の天吊り装置1によれば、カバー部材60は、調整を行う際に操作する部材を覆うことにより、調整を行う際に操作する部材を隠すことができる。従って、天吊り装置1の見栄えを向上させることができる。
本実施形態の天吊り装置1によれば、カバー部材60を備えることにより、第1プレート10から第3プレート30に塵埃が付着することを防止できるため、見栄えを維持することができる。また、天吊り装置1は、カバー部材60を備えることにより、調整を行う際に操作する部材にも埃や油分等が進入することを防止できるため、天吊り装置1に固定されたプロジェクター7の調整後の位置を維持することができる。
本実施形態の天吊り装置1を清掃する場合、天吊り装置1にカバー部材60が備えられていることにより、引っ掛かり易い部分(調整を行う際に操作する部材等)が少なくなるため、清掃を容易で安全に行うことができる。
本実施形態の天吊り装置1によれば、カバー部材60は、前方向の側面を覆う第1カバー61と、後方向の側面を覆う第2カバー62とを備え、それぞれのカバーは、左右方向で固定部に固定される。これにより、第1カバー61と第2カバー62との合わせ目を前方向や後方向ではなく、左右方向に位置させることができる。また、ネジ部材SC6を用いて固定部に各カバーを固定する場合にも、ネジ部材SC6の位置を左右方向に位置させることができる。これにより、見栄えを損なう可能性がある、合わせ目やネジ部材SC6等を左右方向に位置させることにより、前方向や後方向の見栄えを向上させることができる。
本実施形態の天吊り装置1によれば、カバー部材60は、プロジェクター7の位置調整完了後に設置される。そして、カバー部材60を設置する際は、プロジェクター7からの画像光の投写を終了させて行う。しかし、投写を終了させずにカバー部材60の設置作業が行われた場合、本実施形態のように左右方向でネジ部材SC6による固定が行える場合には、例えば、前方向(投写レンズ702側)でネジ部材SC6を固定する場合に比べて、安全性を確保することができる。また、左右方向でネジ部材SC6による固定が行える場合には、例えば、後方向でネジ部材SC6を固定する場合に比べて、各種ケーブルCに影響されずにカバー部材60の固定作業を容易に行うことができる。
本実施形態の天吊り装置1によれば、カバー部材60は、合成樹脂材料で構成されていることにより、カバー部材60の加工性を向上させることができる。また、カバー部材60のデザインの自由度を向上させることができる。
なお、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良などを加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
前記実施形態の天吊り装置1において、カバー部材60は、第1プレート10と第2プレート20と第3プレート30との側面を覆う構成としている。しかし、第4プレート40も含めて覆う構成としてもよい。
前記実施形態の天吊り装置1において、カバー部材60を固定する固定部は、第2プレート20に構成されている。しかし、固定部は、第1プレート10から第4プレート40までのいずれかのプレートに構成されることでよい。
前記実施形態の天吊り装置1において、カバー部材60は、第1カバー61と第2カバー62との2つに分割されて構成されている。しかし、カバー部材60は3つ以上に分割されて構成されていてもよい。
前記実施形態の天吊り装置1において、カバー部材60は合成樹脂材料で構成されている。しかし、これには限られず、例えば、金属材料で構成されていてもよい。また、カバー部材60は木製であってもよい。
前記実施形態の天吊り装置1において、カバー部材60は、ネジ部材SC6により、固定部に固定される構成としている。しかし、ネジ部材SC6を用いずに、例えば、カバー部材60と固定部との互いの係合により固定する構成としてもよい。