JPWO2020149238A1 - 壁面用灯具 - Google Patents

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Abstract

壁面用灯具(1)は、航空機の機体(2)と機体(2)を覆う壁面シート(3)との双方に固定される。この壁面用灯具(1)は、光源(30)と、壁面シート(3)に取り付けられるとともに光源(30)を保持する光源ホルダ(50)と、光源ホルダ(50)及び機体(2)に取り付けられる取付部(60)と、を備える。取付部(60)は、光源ホルダ(50)を形成する材料よりも融点の低い材料で形成される。

Description

本発明は、壁面用灯具に関する。
壁面用灯具として、例えば、下記特許文献1に示すような壁面用灯具が知られている。この壁面用灯具は、航空機の貨物室の壁面に取り付けられる壁面用灯具とされ、貨物室の壁面とされる貨物室ライナに取り付けられるハウジングと、ハウジングの貨物室側の面に取り付けられる光源とを有している。
特開2011-003185号公報
本発明の第1の態様の壁面用灯具は、構造体本体と当該構造体本体を覆う壁面との双方に取り付けられる壁面用灯具であって、光源と、前記壁面に取り付けられて前記光源を保持する光源ホルダと、前記光源ホルダ及び前記構造体本体に取り付けられる取付部と、を備え、前記取付部は、前記光源ホルダを形成する材料よりも融点の低い材料で形成されることを特徴とするものである。
この壁面用灯具によれば、壁面に取り付けられる光源ホルダが、取付部よりも融点の高い材料から形成される。このため、当該壁面用灯具が火炎に晒されても、取付部に比べて光源ホルダは焼損しにくい。したがって、壁面用灯具の全体が取付部を形成する材料から形成される場合に比べて火炎が取付部側に回ることが抑止され、取付部の焼損が抑制される。また、この壁面用灯具の取付部は、上記のように、光源ホルダよりも融点の低い材料から形成されるため、取付部の形状が複雑である場合でも、容易に所望の形状に成型し得る。したがって、この壁面用灯具によれば、優れた耐火性及び製造容易性を実現することができる。
また、第1の態様の壁面用灯具において、前記取付部は、前記光源に電力を供給する給電配線の一部を収容する配線収容部を有することが好ましい。
このような配線収容部を設けることで、配線をコンパクトに収容し得、壁面用灯具の設置スペースを小さくし得る。
また、第1の態様の壁面用灯具において、上記取付部が上記配線収容部を有する場合、前記光源ホルダに固定されるとともに前記光源を実装する基板をさらに備え、前記光源ホルダには、前記配線収容部に連通する開口が形成され、前記開口は、前記配線収容部側とは反対側において前記基板によって塞がれることが好ましい。
この場合、光源は基板を介して光源ホルダに取り付けられる。また、この基板によって上記開口が塞がれるため、火炎が開口から取付部側に侵入することを抑制することができる。
第1の態様の壁面用灯具が上記基板を有する場合、前記基板は、配線層とは別に形成される金属層を含み、前記金属層は、前記開口の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
このような構成によれば、基板の絶縁層を形成する樹脂が火炎により焼損しても、上記金属層によって、上記開口が塞がれた状態が維持され得る。したがって、火炎が取付部側に侵入することをより効果的に抑制することができる。
また、第1の態様の壁面用灯具が上記基板を備える場合、前記配線収容部に収容される前記給電配線は、前記開口を介して前記基板に接続されることが好ましい。
この場合、給電配線を基板に短い距離で接続し得、給電配線の長さを短くし得る。
また、第1の態様の壁面用灯具が上記基板を備える場合、前記基板と前記光源ホルダとに挟み込まれて固定される放熱性を有する第1シート部材をさらに備えてもよい。
この場合、基板の熱を光源ホルダに効果的に放熱し得る。
また、第1の態様の壁面用灯具が上記基板を備える場合、前記取付部を形成する材料よりも融点の高い材料から形成されるリテーナをさらに備え、前記基板は、前記リテーナと前記光源ホルダとに挟み込まれて固定されることが好ましい。
このようなリテーナが配置されることで、基板が光源ホルダに取り付けられる部分が焼損することが抑制され、基板が光源ホルダから脱落して上記開口が露出することが抑制される。したがって、火炎が上記開口から取付部側に侵入することを効果的に抑制することができる。
また、第1の態様の壁面用灯具が上記リテーナを備える場合、前記基板と前記リテーナとに挟み込まれて固定される放熱性を有する第2シート部材をさらに備えてもよい。
この場合、基板の熱をリテーナに効果的に放熱し得る。
また、第1の態様の壁面用灯具は、前記光源を覆う光透過性のカバー部材をさらに備えてもよい。
このようなカバー部材が設けられることで、光源や基板の配線層などが損傷することを抑制することができる。
また、第1の態様の壁面用灯具において、前記取付部は、前記光源ホルダの外周に向かって張り出して前記光源ホルダと面接触するフランジ部を有することが好ましい。
このように取付部のフランジ部が光源ホルダに面接触することによって、光源ホルダが火炎に晒された際に光源ホルダが反り返ることが抑制される。したがって、光源ホルダと取付部との間に隙間が生じることが抑制されて、火炎が取付部側に侵入することが抑制される。
第1の態様の壁面用灯具において、上記取付部が上記フランジ部を有する場合、前記取付部は、前記フランジ部から前記光源ホルダの外周に向かって延在する延在部をさらに有することが好ましい。
このような延在部によって、上記光源ホルダの反り返りが生じることをより効果的に抑制することができる。
以上のように、本発明の第1の態様の壁面用灯具によれば、耐火性と製造容易性とに優れた壁面用灯具が提供される。
本発明の第2の態様の壁面用灯具は、壁面に取り付けられる壁面用灯具であって、光源が実装される基板と、前記基板を保持する光源ホルダと、を備え、前記光源ホルダは、前記基板が固定される前記基板に平行な底部と、前記底部の外縁に立設され、前記底部とともに凹部を形成する側壁と、前記側壁を挟んで前記底部の反対側で前記光源ホルダを前記壁面に固定する壁面固定部と、を含み、前記基板に実装される前記光源は前記凹部内に収容されることを特徴とするものである。
この壁面用灯具によれば、当該壁面用灯具を壁面に固定する壁面固定部が、側壁を挟んで底部の反対側に設けられる。このため、底部と側壁とにより形成される凹部を、壁面よりも構造体本体側に位置させ、かつ、室内側に向けることができる。基板に実装される光源は、このような凹部内に収容される。したがって、この壁面用灯具によれば、上記光源が室内側にはみ出すことが抑制され、光源に物品などがぶつかって破損することが抑制される。また、上記のように、光源が室内側にはみ出すことが抑制されるため、美観にも優れる。
また、この壁面用灯具によれば、光源ホルダの底部が基板と平行であるため、基板のうち底部に対向する面の略全面を、底部に固定することができる。このため、光源や基板の熱を効果的に光源ホルダに放熱することができ、光源及び基板が高温化することを効果的に抑制することができる。なお、ここで言う固定には、基板が底部に直接固定される場合だけでなく、基板が他の部材を介して底部に固定される場合が含まれる。
なお、第2の態様の壁面用灯具において、前記光源ホルダは、前記側壁のうち前記底部側とは反対側の端部から径方向外側に張り出すフランジ部をさらに含み、前記フランジ部は前記壁面と面接触することが好ましい。
この場合、フランジ部が壁面と面接触するため、光源ホルダに放熱された上記熱が壁面に効果的に放熱され得る。
また、第2の態様の壁面用灯具において上記光源ホルダが上記フランジ部を含む場合、前記壁面固定部は前記フランジ部に設けられることが好ましい。
壁面固定部をフランジ部に設けることで、壁面固定部がフランジ部以外の部分に設けられる場合と比較して、フランジ部と壁面とが強固に面接触で固定され得る。
また、第2の態様の壁面用灯具は、前記基板に接続されて前記光源に電力を供給する給電配線をさらに備え、前記底部には、前記給電配線を前記基板に向かって挿通するための開口が形成されることが好ましい。
この場合、基板の裏側から給電配線を基板に接続することができるため、給電配線が露出することが抑制される。したがって、壁面用灯具を壁面に取り付けた際の美観をより向上させることができる。また、給電配線を基板に短い距離で接続し得、給電配線の長さを短くし得る。
第2の態様の壁面用灯具が上記給電配線を備える場合、前記開口は前記基板によって塞がれることが好ましい。
この場合、開口を室内側から見えなくすることができ、壁面用灯具を壁面に取り付けた際の美観をより向上させることができる。また、開口から機体本体側にダストなどが入り込むことが抑制される。
また、第2の態様の壁面用灯具は、前記光源をカバーする光透過性のカバー部材をさらに備え、前記カバー部材のうち前記光源と対向する光源対向部が前記底部と平行に形成されることが好ましい。
この場合、カバー部材を偏平に形成することができ、凹部を薄くした場合でもカバー部材が凹部からはみ出し難い。このため、凹部を薄くした場合でも、カバー部材に物品などがぶつかることを効果的に抑制することができる。
第2の態様の壁面用灯具が上記カバー部材を備える場合、前記光源対向部は前記凹部内に収容されることが好ましい。
この場合、凹部を薄くしつつ、物品がカバー部材にぶつかることをより効果的に抑制することができる。
また、第2の態様の壁面用灯具は、前記底部と前記基板との間には、放熱性を有するシート部材が配置されてもよい。
この場合、基板は、シート部材を介して光源ホルダの底部に固定される。基板を放熱性のシート部材を介して底部に固定することで、基板や光源が高温化することをより効果的に抑制することができる。
以上のように、本発明の第2の態様の壁面用灯具によれば、破損し難く美観に優れた壁面用灯具が提供される。
本発明の第1実施形態に係る壁面用灯具の正面斜視図である。 図1に示す壁面用灯具が航空機の貨物室に取り付けられた様子を概略的に示す断面図である。 図1に示す壁面用灯具の背面図である。 図3に示すIV−IV線における断面図である。 図1に示す壁面用灯具のうちライトユニットを分解して示す斜視図である。 図5に示す基板の構造を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態に係る壁面用灯具が航空機の貨物室に取り付けられた様子を図2と同様の視点で示す断面図である。
以下、本発明に係る壁面用灯具を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。なお、以下に参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1の態様について、第1実施形態に係る壁面用灯具を例として説明する。図1は、第1実施形態に係る壁面用灯具1を示す正面斜視図である。本実施形態において、この壁面用灯具1は航空機の貨物室用の灯具とされる。図1に示すように、壁面用灯具1は、ライトユニット10と、ライトユニット10を保持する光源ホルダ50と、光源ホルダ50のライトユニット10を保持する側の面とは反対側の面に取り付けられる取付部60と、ライトユニット10に電力を供給する給電配線70とを主な構成として備える。後述するが、ライトユニット10は、LEDからなる光源と、当該光源を覆うカバー部材とを有している。上記光源には、上記給電配線70を介して電力が供給される。
光源ホルダ50は、ステンレス鋼から形成され、中央部が凹んだ概ね円盤状の外形を有している。具体的には、光源ホルダ50は、ライトユニット10が固定される底部51と、底部51の外縁に立設される側壁52とを含んでいる。側壁52は、底部51の外縁から次第に拡径しながら取付部60側とは反対側に延出している。このような側壁52と底部51とにより、光源ホルダ50の中央に凹部54が形成される。側壁52のうち径が最大となる端部からは、底部51と概ね平行に形成されたフランジ部53が径方向外側に張り出している。このフランジ部53の4か所には、留め具を挿入するための留め具孔55が形成されている。
取付部60は、光源ホルダ50よりも融点の低い材料から形成され、本実施形態では、アルミニウムから形成される。この取付部60は、光源ホルダ50の底部51に取り付けられる本体部61と、本体部61の光源ホルダ50側とは反対側に取り付けられる構造体固定部62とを含んでいる。本体部61は、筒状に形成されており、本体部61の内部空間に給電配線70の一部が収容される。また、図1に示すように、構造体固定部62のうち本体部61を挟んだ両側の部分には、留め具を挿入するための留め具孔66が形成されている。なお、本体部61には、互いに反対方向に突出する1対の突出部69が形成されている。
図2は、このような壁面用灯具1が航空機の貨物室に取り付けられている様子を概略的に示す断面図である。なお、図2では上記給電配線70の図示が省略されている。
図2に示すように、壁面用灯具1が取り付けられる航空機は、構造体本体としての機体2を有している。この機体2によって、当該航空機の機内空間と外部空間とが隔てられる。機体2は、機内空間に向かって突出する複数の梁部2Aを有している。この梁部2Aには複数の壁面シート3が固定され、これら壁面シート3により機体2が覆われる。こうして、壁面シート3によって航空機の貨物室Rの壁面が形成される。すなわち、壁面シート3の外側には構造体本体としての機体2が位置しており、壁面シート3の内側には航空機の貨物室Rが位置している。なお、上記壁面を形成する部材はパネル状の部材であってもよい。
本実施形態において、上記壁面用灯具1は、複数の壁面シート3のうち天井シート3Aと、機体2との双方に取り付けられる。なお、壁面用灯具1を天井シート3A以外の壁面シート3に取り付けてもよい。天井シート3Aには、光源ホルダ50の側壁52の最大径よりも若干小さな径を有する開口が形成されている。また、天井シート3Aのうち上記開口の周囲の4か所には、留め具を挿入するための不図示の留め具孔が形成されている。本実施形態では、天井シート3Aの上記開口を光源ホルダ50の凹部54内に位置させるとともに、天井シート3Aの留め具孔と光源ホルダ50の上記留め具孔55とを連通させ、連通した天井シート3Aの留め具孔と光源ホルダ50の留め具孔55とに例えばネジ4などの留め具を挿入して締結する。こうして、光源ホルダ50が天井シート3Aに取り付けられる。具体的には、光源ホルダ50のフランジ部53と側壁52の略下半分とが天井シート3Aに概ね密着した状態となり、光源ホルダ50が天井シート3Aに固定される。一方、取付部60の構造体固定部62の上記留め具孔66に、例えばネジ5などの留め具を挿入して締結することによって、取付部60が機体2に固定される。こうして、壁面用灯具1が、壁面としての天井シート3Aと、構造体本体としての機体2とに取り付けられる。
なお、図2の例では、天井シート3Aがフランジ部53よりも貨物室R側に位置するように壁面用灯具1が天井シート3Aに取り付けられるが、天井シート3Aがフランジ部53よりも機体2側に位置するように壁面用灯具1が天井シート3Aに取り付けられてもよい。
次に、光源ホルダ50及び取付部60についてより詳細に説明する。図3は壁面用灯具1の背面図であり、図4は図3に示すIV−IV線における断面図である。
図3及び図4に示すように、取付部60の本体部61の光源ホルダ50側の端部には、光源ホルダ50の外周に向かって張り出すフランジ部63が形成されている。このフランジ部63の4か所には、留め具を挿入可能な留め具孔が形成されている。また、光源ホルダ50の底部51のうちフランジ部63の留め具孔と重なる部分にも留め具孔が形成されている。このように互いに連通するフランジ部63の留め具孔及び底部51の留め具孔に、留め具としてのネジ90が挿入されて締結される。こうして、フランジ部63は、光源ホルダ50の底部51のライトユニット10が取り付けられる側とは反対側の面と面接触した状態で、光源ホルダ50に固定される。
また、本体部61は、フランジ部63から光源ホルダ50の外周に向かって互いに反対方向に延在する1対の延在部64を有している。延在部64のそれぞれの端部には、留め具を挿入可能な留め具孔が形成されている。また、光源ホルダ50の底部51のうち延在部64の留め具孔と重なる部分にも留め具孔が形成されている。このように互いに連通する延在部64の留め具孔及び底部51の留め具孔に、留め具としてのネジ91が挿入されて締結される。こうして、延在部64は、光源ホルダ50の底部51のライトユニット10が取り付けられる側とは反対側の面と面接触した状態で、光源ホルダ50に固定される。
本実施形態において、このような本体部61は、例えばダイキャストによって成型される。
図3に示すように、取付部60の構造体固定部62には、ネジ93を締結するための留め具孔が形成されている。これら留め具孔は本体部61の上記突出部69と重なる位置に形成されており、当該突出部69にも留め具孔が形成されている。したがって、互いに連通する構造体固定部62の留め具孔と突出部69の留め具孔とにネジ93を挿通して締結することによって、本体部61と構造体固定部62とが固定される。
なお、本実施形態では、取付部60の本体部61と構造体固定部62とが別体として形成されているが、本体部61と構造体固定部62とを一体成型してもよい。
上述のように、取付部60の本体部61は筒状に形成されており、図4に示すように、本体部61の内部には、上記内部空間としての配線収容部67が形成されている。この配線収容部67に、上述した給電配線70の一部が収容される。本体部61のうち構造体固定部62との境界部には切り欠き68が形成されており、この切り欠き68を介して給電配線70が配線収容部67の外部に導出される。一方、給電配線70のうち外部に導出されない側の端部には、コネクタ71が取り付けられている。
図5は、ライトユニット10を分解した状態の壁面用灯具1を図1と同様の視点で示す図である。図5に示すように、光源ホルダ50の底部51の概ね中央部には、開口59が形成されている。この開口59は、機体2側において取付部60の配線収容部67に連通しており、配線収容部67側とは反対側の貨物室R側においてライトユニット10によって塞がれている。
以下、ライトユニット10について詳細に説明する。
図5に示すように、ライトユニット10は、2つの光源30が実装される基板20と、基板20と光源ホルダ50との間に配置される第1シート部材11と、基板20のうち光源30が実装される面に配置される第2シート部材12と、第2シート部材12の基板20側とは反対側に配置されるリテーナ13と、リテーナ13の第2シート部材12側とは反対側に配置される光透過性のカバー部材14と、を主な構成として備える。このように、ライトユニット10は、光源ホルダ50側から貨物室R側に向かって、第1シート部材11、基板20、第2シート部材12、リテーナ13、及びカバー部材14が重なった構成とされる。なお、基板20に実装される光源30の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
第1シート部材11、基板20、第2シート部材12、及びリテーナ13は、それぞれ概ね同じ外径に形成され、カバー部材14は、第1シート部材11、基板20、第2シート部材12、及びリテーナ13よりも小さな外径に形成される。
本実施形態において、光源ホルダ50の底部51、第1シート部材11、基板20、第2シート部材12、及びリテーナ13には、互いに連通する留め具孔がそれぞれ4つ形成されている。これら留め具孔に留め具としてのネジ95が挿入されて締結されることにより、第1シート部材11、基板20、第2シート部材12、及びリテーナ13が上記のように重なった状態で光源ホルダ50に固定される。一方、カバー部材14は、樹脂を介してリテーナ13に固定される。
次に、第1シート部材11、第2シート部材12、リテーナ13、及びカバー部材14について詳細に説明する。
第1シート部材は、放熱性を有する部材とされ、本実施形態ではシリコンから形成される。この第1シート部材11は、上述のように、基板20と光源ホルダ50との間に配置され、基板20と光源ホルダ50とに挟み込まれて固定される。第1シート部材11には開口11Aが形成されており、この開口11Aは、光源ホルダ50の開口59及び取付部60の配線収容部67に連通している。給電配線70は、この連通開口59,11Aを介して基板20側に導出される。
第2シート部材12は、放熱性を有する部材とされ、本実施形態ではシリコンから形成される。この第2シート部材12は、上述のように、基板20とリテーナ13との間に配置され、基板20とリテーナ13とに挟み込まれて固定される。この第2シート部材12は、中央部に開口12Aが形成された概ねリング状の外形を有しており、基板20に実装された光源30が開口12Aの内側に位置するように基板20の外周縁に配置される。
リテーナ13は、取付部60を形成する材料よりも融点の高い材料から形成され、本実施形態では、ステンレス鋼から形成される。リテーナ13は、中央部に開口13Aが形成された概ねリング状の外形を有している。リテーナ13の開口13Aは、第2シート部材12の開口12Aと概ね同じ外形及び寸法に形成されている。したがって、リテーナ13が第2シート部材12上に配置されると、リテーナ13の概ね全体と第2シート部材12の概ね全体とが重なるとともに、リテーナ13の開口13Aの概ね全体と第2シート部材12の開口12Aの概ね全体とが連通する。こうして、リテーナ13は、第2シート部材12を介して基板20の外周縁に固定され、その結果、基板20は、リテーナ13と光源ホルダ50とに挟み込まれて固定される。
カバー部材14は、光透過性の樹脂から形成され、本実施形態では、ポリカーボネートから形成される。このカバー部材14は、光源ホルダ50の底部51と概ね平行に延在して光源30に対向する光源対向部14Aと、光源対向部14Aの外周に沿って立設された側壁14Bと、側壁14Bの光源対向部14A側とは反対側の端部から径方向外側に張り出すフランジ部14Cとを含んでいる。本実施形態では、フランジ部14Cとリテーナ13とが樹脂を用いて固定される。こうして、光源30がカバー部材14によって覆われる。なお、光源対向部14Aにはシボ加工が施されている。
次に、基板20について詳細に説明する。
図6は、基板20の構造を説明するための断面図である。なお、図6では、各部材の厚みが誇張されて示されている。図6に示すように、基板20は、多層基板とされ、絶縁層21,22,23と、金属層24,25と、配線層26とを含んでいる。すなわち、基板20は、配線層26とは別に形成される金属層24,25を含んでいる。
本実施形態において、絶縁層21,22,23は、いずれもガラスエポキシから形成される。絶縁層21は、絶縁層21,22,23のうち最も配線収容部67側に形成され、第1シート部材11に密着している。絶縁層22は、絶縁層21よりも貨物室R側に形成され、絶縁層23は、絶縁層22よりも貨物室R側に形成される。
金属層24は、絶縁層21と絶縁層22との間に形成され、金属層25は、絶縁層22と絶縁層23との間に形成される。金属層24,25は、絶縁層21,22,23を形成する樹脂であるエポキシ樹脂よりも融点の高い金属から形成される。金属層24,25のそれぞれは、光源ホルダ50の開口59の少なくとも一部を覆っている。これら金属層24,25の厚みは、例えば70μmとされる。
金属層24,25は、配線層26と同じ金属から形成されてもよく、配線層26よりも融点の高い金属から形成されてもよい。例えば、配線層26が銅から形成される場合には、金属層24,25は銅から形成されてもよいし、銅よりも融点の高い例えばニッケルから形成されてもよい。
配線層26は、絶縁層23のうち金属層25側とは反対側の面に形成されている。この配線層26上に2つの光源30が実装される。
基板20を構成する上記絶縁層21,22,23、金属層24,25、及び配線層26には、互いに連通する不図示の開口が形成されている。基板20のこれら開口は、第1シート部材11の開口11A、光源ホルダ50の開口59、及び取付部60の配線収容部67に連通している。配線層26からは、不図示の電極が基板20の上記開口を貫通して配線収容部67側に向かって延びている。この電極が給電配線70の上記コネクタ71に接続されることによって、光源30に電力が供給される。なお、本実施形態において、配線層26から延びる上記電極は、金属層24,25と電気的に接続していない。
上記のような構成を有する壁面用灯具1は、以下のように動作する。
給電配線70に電流が流れると、当該電流は、コネクタ71に接続された上記電極を介して配線層26に通電し、その結果、配線層26に実装された光源30に電力が供給される。こうして、光源30において光が生成されて、当該光が光源30から出射する。上述のように、光源30は、第2シート部材12の開口12A及びリテーナ13の開口13Aの内側に配置されている。このため、光源30から出射する光が第2シート部材12及びリテーナ13に遮蔽されることが抑制される。こうして、光源30から出射する光は、貨物室R側に向かって伝搬し、カバー部材14の光源対向部14Aに入射する。上述のように、光源対向部14Aにはシボ加工が施されているため、光源対向部14Aに入射した上記光は、光源対向部14Aで散乱されて、散乱された光が光源対向部14Aから貨物室Rに出射する。このように散乱された光が貨物室Rに出射することにより、貨物室Rの広範囲が明るく照らされる。
ところで、航空機の貨物室等に取り付けられる上記特許文献1に記載されたような壁面用灯具は、防火性の観点等から耐火性に優れる必要がある。このため、ハウジングを融点の高い材料から形成することが好ましい。しかし、ハウジングには、光源用の配線を収容する配線収容部などが設けられる場合があり、ハウジングの形状は複雑化する傾向にある。一般的に、融点の高い材料は加工が難しい傾向にあるため、形状の複雑なハウジングをこのような融点の高い材料で製造することは困難である。
なお、上記問題は、航空機の貨物室の壁面に取り付けられる壁面用灯具だけでなく、例えば、劇場の壁面に取り付けられる壁面用灯具等、その他の壁面用灯具にも生じ得る。
この点に関し、本実施形態における壁面用灯具1によれば以下のような効果を得ることができる。
上述のように、壁面用灯具1によれば、光源ホルダ50が、取付部60を形成するアルミニウムよりも融点の高いステンレス鋼から形成される。このため、壁面用灯具1が火炎に晒されても、光源ホルダ50は取付部60に比べて焼損し難い。したがって、壁面用灯具1の全体が取付部60を形成する材料から形成される場合に比べて、火炎が取付部60側に回ることが抑止され、取付部60の焼損が抑制される。一方、取付部60は、上述のように、フランジ部63や延在部64、あるいは1対の突出部69等を有しており、光源ホルダ50に比べて複雑な外形を有している。しかし、上述のように、取付部60は光源ホルダ50を形成するステンレス鋼に比べて融点の低いアルミニウムで形成されるため、光源ホルダ50に比べて容易に成型することができる。例えば、ダイキャストを用いて容易に所望の形状に成型し得る。したがって、壁面用灯具1によれば、優れた耐火性及び製造容易性を実現することができる。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、取付部60が光源ホルダ50を形成するステンレス鋼よりも比重の軽いアルミニウムから形成されるため、壁面用灯具1の全体をステンレス鋼から形成する場合に比べて、壁面用灯具1を軽量化することができる。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、取付部60は、光源30に電力を供給する給電配線70を収容する配線収容部67を有している。したがって、給電配線70をコンパクトに収容することができ、壁面用灯具の設置スペースを小さくし得る。
また、上述のように、壁面用灯具1は、光源ホルダ50に固定されるとともに光源30を実装する基板20を備えており、この基板20によって光源ホルダ50に形成された開口59が塞がれる。したがって、火炎が開口59から取付部60側に侵入することをより効果的に抑制することができる。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、基板20は、配線層26とは別に形成される金属層24,25を含んでいる。また、これら金属層24,25は、絶縁層21,22,23を形成するエポキシ樹脂よりも融点の高い金属から形成され、光源ホルダ50の開口59の少なくとも一部を覆っている。したがって、壁面用灯具1が火炎に晒されて基板20のエポキシ樹脂が焼損した場合でも、金属層24,25によって、開口59が塞がれた状態が維持され得る。したがって、開口59が露出することが抑制され、火炎が開口59から取付部60側に侵入することをより効果的に抑制することができる。なお、上述のように、金属層24,25が配線層26を形成する金属よりも融点の高い金属から形成されてもよい。この場合、配線層26が焼損した場合でも、金属層24,25によって、開口59が塞がれた状態が維持され得る。したがって、開口59が露出することがより抑制され、火炎が開口59から取付部60側に侵入することをさらに効果的に抑制することができる。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、配線収容部67に収容された給電配線70は、配線収容部67に連通する光源ホルダ50の開口59を介して基板20に接続される。したがって、給電配線70を開口59以外の部分から配線収容部67の外部に導出して基板20に接続する場合に比べて、給電配線70を短い距離で基板20に接続することができる。このため、給電配線70の長さを短くし得る。
また、上述のように、壁面用灯具1は、基板20と光源ホルダ50とに挟み込まれて固定される放熱性を有する第1シート部材11を備えている。したがって、基板20の熱を光源ホルダ50に効果的に放熱し得る。また、この第1シート部材11は、上述のようにシリコンから形成されるため、基板20と光源ホルダ50との間の絶縁性を高めることができる。
また、上述のように、壁面用灯具1は、取付部60を形成するアルミニウムよりも融点の高いステンレス鋼から形成されるリテーナ13を備えており、基板20は、リテーナ13と光源ホルダ50とに挟み込まれて固定される。したがって、壁面用灯具1が火炎に晒されても、基板20のうち光源ホルダ50に固定される部分がリテーナ13によって防火され、当該部分の焼損が抑制される。その結果、基板20が光源ホルダ50から脱落することが抑制されて、開口59が露出することが抑制される。したがって、火炎が開口59から取付部60側に侵入することをより効果的に抑制することができる。
また、上述のように、壁面用灯具1は、基板20とリテーナ13とに挟み込まれて固定される放熱性を有する第2シート部材12を備えている。したがって、基板20の熱をリテーナ13に効果的に放熱し得る。また、この第2シート部材12は、上述のようにシリコンから形成されるため、基板20とリテーナ13との間の絶縁性を高めることができる。
また、上述のように、壁面用灯具1は、光源30を覆う光透過性のカバー部材14を備えている。したがって、光源30や基板20の配線層26などが損傷することを抑制することができる。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、取付部60は、光源ホルダ50の外周に向かって張り出して光源ホルダ50と面接触するフランジ部63を有している。このように取付部60のフランジ部63が光源ホルダ50に面接触することによって、光源ホルダ50が火炎に晒された際に光源ホルダ50が反り返ることが抑制される。その結果、光源ホルダ50と取付部60との間に隙間が生じることが抑制されて、火炎が取付部60側に侵入することをより効果的に抑制することができる。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、取付部60は、フランジ部63から光源ホルダ50の外周に向かって延在する延在部64を有している。このような延在部64によって、光源ホルダ50の上記反り返りが生じることをより効果的に抑制することができる。
以上、本発明の第1の態様について上記第1実施形態を例に説明したが、第1の態様は本実施形態に限定されるものではない。
例えば、第1シート部材11や第2シート部材を設けることは必須ではない。すなわち、第1シート部材11のみを設けてもよいし、第2シート部材12のみを設けてもよいし、あるいは、第1シート部材11及び第2シート部材12の双方を設けなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、延在部64の数が2つである例を説明したが、延在部64の数は3つ以上であってもよい。例えば、延在部64の数が3つである場合、延在部64をフランジ部63の周方向に沿って120°の間隔を空けて配置してもよい。このように延在部64をフランジ部63の周方向に沿って等間隔で設けることで、光源ホルダ50が反り返ることを効果的に抑制することができる。
また、取付部60に上記フランジ部63や延在部64を設けることは必須ではない。すなわち、フランジ部63のみを設けてもよいし、延在部64のみを設けてもよいし、あるいは、フランジ部63及び延在部64の双方を設けなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、基板20に2層の金属層24,25を設ける例を説明したが、金属層の層数はこれに限られない。例えば、金属層の層数は1層であってもよいし、3層以上であってもよい。あるいは、金属層を設けなくてもよい。ただし、上述のように、火炎が光源ホルダ50の開口59から取付部60側に侵入することを抑制する観点から、少なくとも1層の金属層を設けることが好ましい。
また、リテーナ13を設けることは必須ではない。しかし、上述のように、火炎が光源ホルダ50の開口59から取付部60側に侵入することを抑制する観点から、リテーナを設けることが好ましい。
また、カバー部材14を設けることは必須ではない。しかし、上述のように、光源30などの保護や光を散乱させる等の観点から、カバー部材14を設けることが好ましい。
また、上記第1実施形態では、光源ホルダ50がステンレス鋼から形成され、取付部60がアルミニウムから形成された例を説明したが、取付部60が光源ホルダ50を形成する材料よりも融点の低い材料で形成されるのであれば、光源ホルダ50及び取付部60を他の材料から形成してもよい。
また、上記第1実施形態では、光源30をLEDとする例を説明したが、光源30を例えば白熱電球としてもよい。この場合、壁面用灯具に基板20を設ける必要がなくなる。
また、上記第1実施形態では、壁面用灯具1が航空機の貨物室に適用する例を説明したが、構造体本体が壁面に覆われる構造体であれば、上記第1実施形態に限定されない。例えば、航空機の客室に適用することも可能であるし、劇場の壁面に適用することも可能である。
本発明の第1の態様の壁面用灯具によれば、耐火性と製造容易性とに優れた壁面用灯具が提供され、例えば航空機の分野などにおいて利用可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の態様について、第2実施形態に係る壁面用灯具を例として説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
本実施形態に係る壁面用灯具1は、第1実施形態の壁面用灯具1と概ね同様の構成を有する。このため、本実施形態の壁面用灯具1の正面斜視図は図1と同様に表され、本実施形態の壁面用灯具1の背面図は図3と同様に表され、上記第1実施形態のIV−IV線における断面図に相当する本実施形態の断面図は図4と同様に表され、本実施形態のライトユニット10を分解して示す斜視図は図5と同様に表され、本実施形態の基板の断面図は図6と同様に表される。
図7は、本実施形態の壁面用灯具1が航空機の貨物室Rに取り付けられている様子を図2と同様の視点で示す断面図である。なお、図7では、上記給電配線70の図示が省略されている。図7に示すように、ライトユニット10は、LEDからなる2つの光源30と、光源30が実装される基板20と、光源30を覆う光透過性のカバー部材14とを有している。2つの光源30は、図7において紙面表側から裏側に向かって並んで配置されている。これら光源30には、上記給電配線70を介して電力が供給される。カバー部材14は概ね偏平な外形を有している。
本実施形態の光源ホルダ50の底部51は、ライトユニット10の基板20と平行に形成される。本実施形態の光源ホルダ50の側壁52は、底部51とともに光源ホルダ50の中央に凹部54を形成する。この凹部54は貨物室R側を向いており、当該凹部54内にライトユニット10が収容されている。側壁52のうち底部51側とは反対側の端部からは、底部51と概ね平行に形成されたフランジ部53が径方向外側に張り出している。
本実施形態において、取付部60はアルミニウムから形成され、光源ホルダ50の底部51に取り付けられる本体部61と、本体部61の光源ホルダ50側とは反対側に取り付けられる構造体固定部62とを含んでいる。
第1実施形態と同様に、壁面用灯具1は、複数の壁面シート3のうち天井シート3Aと、機体2との双方に取り付けられる。本実施形態では、天井シート3Aの上記開口を光源ホルダ50の凹部54内に位置させるとともに、天井シート3Aの留め具孔と光源ホルダ50の上記留め具孔55とを連通させ、連通した天井シート3Aの留め具孔と光源ホルダ50の留め具孔55とに例えばネジ4などの留め具を挿入して締結する。こうして、光源ホルダ50が天井シート3Aに取り付けられる。このように、フランジ部53に形成された4つの留め具孔55は、側壁52を挟んで底部51の反対側で光源ホルダ50を壁面に固定する壁面固定部として機能する。また、光源ホルダ50が天井シート3Aに取り付けられることにより、光源ホルダ50のフランジ部53と側壁52の略下半分とが天井シート3Aに概ね密着した状態となり、フランジ部53が天井シート3Aに面接触で固定される。また、フランジ部53が天井シート3Aに固定されることにより、側壁52と底部51とにより形成される凹部54が、天井シート3Aよりも機体2側に位置した状態となる。こうして、凹部54内に収容されるライトユニット10が天井シート3Aよりも機体2側に配置される。
なお、図7の例では、天井シート3Aがフランジ部53よりも貨物室R側に位置するように壁面用灯具1が天井シート3Aに取り付けられるが、天井シート3Aがフランジ部53よりも機体2側に位置するように壁面用灯具1が天井シート3Aに取り付けられてもよい。この場合でも、フランジ部53が天井シート3Aに面接触で固定されるとともに、凹部54が天井シート3Aよりも機体2側に位置した状態となる。
本実施形態において、カバー部材14は、光源30に対向する光源対向部14Aと、光源対向部14Aの外周に沿って立設された側壁14Bと、側壁14Bの光源対向部14A側とは反対側の端部から径方向外側に張り出すフランジ部14Cとを含んでいる。光源対向部14Aは、光源ホルダ50の底部51と平行に形成されており、これにより、カバー部材14が偏平な外形とされる。
ここで、光源ホルダ50の底部51に直交する方向における長さを厚みと呼ぶと、図4に示すように、カバー部材14の最大厚みは、光源30の最大厚みよりも若干大きくされる。したがって、カバー部材14が光源ホルダ50に固定された際、光源対向部14Aは、光源30から貨物室R側に僅かに離間した位置に配置される。また、カバー部材14の最大厚みは、光源ホルダ50の凹部54の厚みの概ね半分以下とされる。したがって、カバー部材14が光源ホルダ50に固定された際、光源対向部14Aが光源ホルダ50の凹部54内に配置される。
ところで、上述した特許文献1の壁面用灯具の場合、光源が壁面から室内にはみ出して配置されるため、室内の物品が灯具にぶつかって破損を招くおそれがある。また、光源が飛び出して配置されるため、美観上も好ましくない。
この点に関し、本実施形態における壁面用灯具1によれば、以下のような効果を得ることができる。
上述のように、壁面用灯具1によれば、当該壁面用灯具1を壁面に固定する壁面固定部としての留め具孔55が、側壁52を挟んで底部51の反対側に設けられる。このため、底部51と側壁52とにより形成される凹部54を、壁面である天井シート3Aよりも機体2側に位置させるとともに、凹部54を貨物室R側に向けることができる。基板20に実装される光源30は、このような凹部54内に収容される。したがって、この壁面用灯具1によれば、光源30が貨物室R側にはみ出すことが抑制され、光源30に物品などがぶつかって光源30や物品などが破損することが抑制される。また、このように光源30が貨物室R側にはみ出すことが抑制されるため、美観にも優れる。
このように、本実施形態によれば、破損し難く美観に優れた壁面用灯具が提供され得る。
また、この壁面用灯具1によれば、上述のように、光源ホルダ50の底部51が基板20と平行であるため、基板20のうち底部51に対向する面の略全面を、底部51に固定することができる。このため、光源30や基板20の熱を効果的に光源ホルダ50に放熱することができ、光源30及び基板20が高温化することを効果的に抑制することができる。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、光源ホルダ50がフランジ部53を含んでおり、このフランジ部53が天井シート3Aと面接触する。このため、光源ホルダ50に放熱された熱が天井シート3Aに効果的に放熱され得る。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、壁面固定部としての留め具孔55がフランジ部53に設けられるため、壁面固定部がフランジ部53以外の部分に設けられる場合と比較して、フランジ部53と天井シート3Aとが強固に面接触で固定され得る。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、光源ホルダ50の底部51には、給電配線70を基板20に向かって挿通するための開口59が形成される。このため、基板20の裏側である機体2側から給電配線70を基板20に接続することができ、給電配線70が露出することが抑制される。したがって、壁面用灯具1を天井シート3Aに取り付けた際の美観をより向上させることができる。また、給電配線70を基板20に短い距離で接続し得、給電配線70の長さを短くし得る。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、底部51の開口59が基板20によって塞がれるため、開口59を貨物室R側から見えなくすることができ、壁面用灯具1を天井シート3Aに取り付けた際の美観をより向上させることができる。また、開口59から機体2側にダストなどが入り込むことが抑制される。
また、上述のように、壁面用灯具1は、光源30を覆うカバー部材14を備えている。このため、光源30に物品が当たって光源30が破損することが効果的に抑制される。また、上述のように、カバー部材14のうち光源30と対向する光源対向部14Aが底部51と平行に形成される。このため、カバー部材14が偏平な形状となり、凹部54を薄くした場合でもカバー部材14が凹部54からはみ出し難い。したがって、凹部54を薄くした場合でも、カバー部材14に物品などがぶつかることを効果的に抑制することができる。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、カバー部材14の光源対向部14Aが凹部54内に収容される。したがって、凹部54を薄くすることができるとともに、物品がカバー部材14にぶつかることをより効果的に抑制することができる。
また、上述のように、壁面用灯具1によれば、光源ホルダ50の底部51と基板20との間に、放熱性を有する第1シート部材11が配置される。すなわち、基板20は、第1シート部材11を介して底部51に固定される。このように第1シート部材11が基板20と光源ホルダ50との間に介在することにより、光源30や基板20の熱が第1シート部材11を介して光源ホルダ50へ効果的に放熱される。したがって、光源30や基板20の高温化をより効果的に抑制することができる。また、第1シート部材11は、上述のようにシリコンから形成されるため、基板20と光源ホルダ50との間の絶縁性を高めることができる。
以上、本発明の第2の態様について上記第2実施形態を例に説明したが、第2の態様は本実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記第1シート部材11を設けることは必須ではない。上述のように底部51は基板20と平行に形成されるため、第1シート部材11を設けない場合、基板20は底部51に面接触で固定される。このため、第1シート部材11を設けない場合でも、基板20の熱を効果的に放熱することができる。
また、上記第2実施形態では、壁面固定部である留め具孔55がフランジ部53に設けられる例を説明したが、壁面固定部をフランジ部53に設ける必要はない。ただし、上述のように、フランジ部53に壁面固定部を設けることで、フランジ部53と壁面とがより強固に面接触で固定され得、光源ホルダ50の熱がより効果的に壁面に放熱され得る。
また、上記第2実施形態では、光源ホルダ50がフランジ部53を含み、当該フランジ部53が壁面と面接触する例を説明したが、必ずしもこのようなフランジ部53を設けなくてもよい。この場合でも、上述のように、基板20のうち底部51に対向する面の略全面が光源ホルダ50の底部51に固定されることにより、光源30や基板20の熱が光源ホルダ50へ効果的に放熱されるため、良好な放熱性を実現し得る。ただし、フランジ部53を設けて、当該フランジ部53を壁面に面接触させることで、光源ホルダ50に放熱された熱が、さらに壁面へも効果的に放熱されるため、より良好な放熱性を実現し得る。
また、上記カバー部材14を設けることは必須ではない。しかし、上述のように、光源30などの保護や光を散乱させる等の観点から、カバー部材14を設けることが好ましい。
また、上記第2実施形態では、壁面用灯具1が航空機の貨物室に適用する例を説明したが、構造体本体が壁面に覆われる構造体であれば、上記第2実施形態に限定されない。例えば、航空機の客室に適用することも可能であるし、劇場の壁面に適用することも可能である。
本発明の第2の態様における壁面用灯具によれば、破損し難く美観に優れた壁面用灯具が提供され、例えば航空機の分野などにおいて利用可能である。

Claims (19)

  1. 構造体本体と当該構造体本体を覆う壁面との双方に取り付けられる壁面用灯具であって、
    光源と、
    前記壁面に取り付けられて前記光源を保持する光源ホルダと、
    前記光源ホルダ及び前記構造体本体に取り付けられる取付部と、
    を備え、
    前記取付部は、前記光源ホルダを形成する材料よりも融点の低い材料で形成される
    ことを特徴とする壁面用灯具。
  2. 前記取付部は、前記光源に電力を供給する給電配線の一部を収容する配線収容部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の壁面用灯具。
  3. 前記光源ホルダに固定されるとともに前記光源を実装する基板をさらに備え、
    前記光源ホルダには、前記配線収容部に連通する開口が形成され、
    前記開口は、前記配線収容部側とは反対側において前記基板によって塞がれる
    ことを特徴とする請求項2に記載の壁面用灯具。
  4. 前記基板は、配線層とは別に形成される金属層を含み、
    前記金属層は、前記開口の少なくとも一部を覆う
    ことを特徴とする請求項3に記載の壁面用灯具。
  5. 前記配線収容部に収容される前記給電配線は、前記開口を介して前記基板に接続される
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の壁面用灯具。
  6. 前記基板と前記光源ホルダとに挟み込まれて固定される放熱性を有する第1シート部材をさらに備える
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の壁面用灯具。
  7. 前記取付部を形成する材料よりも融点の高い材料から形成されるリテーナをさらに備え、
    前記基板は、前記リテーナと前記光源ホルダとに挟み込まれて固定される
    ことを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の壁面用灯具。
  8. 前記基板と前記リテーナとに挟み込まれて固定される放熱性を有する第2シート部材をさらに備える
    ことを特徴とする請求項7に記載の壁面用灯具。
  9. 前記光源を覆う光透過性のカバー部材をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の壁面用灯具。
  10. 前記取付部は、前記光源ホルダの外周に向かって張り出して前記光源ホルダと面接触するフランジ部を有する
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の壁面用灯具。
  11. 前記取付部は、前記フランジ部から前記光源ホルダの外周に向かって延在する延在部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項10に記載の壁面用灯具。
  12. 壁面に取り付けられる壁面用灯具であって、
    光源が実装される基板と、
    前記基板を保持する光源ホルダと、
    を備え、
    前記光源ホルダは、
    前記基板が固定される前記基板に平行な底部と、
    前記底部の外縁に立設され、前記底部とともに凹部を形成する側壁と、
    前記側壁を挟んで前記底部の反対側で前記光源ホルダを前記壁面に固定する壁面固定部と、
    を含み、
    前記基板に実装される前記光源は前記凹部内に収容される
    ことを特徴とする壁面用灯具。
  13. 前記光源ホルダは、前記側壁のうち前記底部側とは反対側の端部から径方向外側に張り出すフランジ部をさらに含み、
    前記フランジ部は前記壁面と面接触する
    ことを特徴とする請求項12に記載の壁面用灯具。
  14. 前記壁面固定部は前記フランジ部に設けられる
    ことを特徴とする請求項13に記載の壁面用灯具。
  15. 前記基板に接続されて前記光源に電力を供給する給電配線をさらに備え、
    前記底部には、前記給電配線を前記基板に向かって挿通するための開口が形成される
    ことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の壁面用灯具。
  16. 前記開口は前記基板によって塞がれる
    ことを特徴とする請求項15に記載の壁面用灯具。
  17. 前記光源を覆う光透過性のカバー部材をさらに備え、
    前記カバー部材のうち前記光源と対向する光源対向部が前記底部と平行に形成される
    ことを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の壁面用灯具。
  18. 前記光源対向部は前記凹部内に収容される
    ことを特徴とする請求項17に記載の壁面用灯具。
  19. 前記底部と前記基板との間には、放熱性を有するシート部材が配置される
    ことを特徴とする請求項12から18のいずれか1項に記載の壁面用灯具。
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