以下、一実施形態を、図1ないし図7を参照して説明する。
図2ないし図7に示すように、照明装置10は、例えば天井部材(天井板)に形成された円形の埋込孔に埋め込み設置されるダウンライトである。なお、本実施形態では、照明装置10の前側が下側、後側が上側、前後方向が上下方向であり、上下方向に器具中心軸zを有している。
照明装置10は、天井部材に設置するための本体ユニット11、この本体ユニット11に着脱可能に取り付けられる光源ユニット12、およびこの光源ユニット12に電源を供給する電源ユニット13を備えている。そして、光源ユニット12は、本体ユニット11の前面側から挿入した後、所定の装着方向に所定角度回動させることにより、本体ユニット11に装着され、また、本体ユニット11に装着状態で、所定の取外し方向(装着方向と反対方向)に所定角度回動させた後、本体ユニット11の前面側から抜き外すように構成されている。また、電源ユニット13は、本体ユニット11の後側で本体ユニット11の側方に突出するように取り付けられている。
そして、本体ユニット11は、化粧枠としての枠体20、この枠体20の上側に取り付けられたホルダ21、および枠体20の周囲に取り付けられた複数の取付ばね22を備えている。
枠体20は、器具中心軸zを中心として、上下方向に開口する円筒状に形成されている。枠体20は、円筒状の筒部25、およびこの筒部25の下端から外側方に突設された環状のフランジ部26を備えている。
筒部25の内側には、下方に向けて拡開し、上下方向に開口する光源収容部27が設けられている。筒部25の外側には、取付ばね22をそれぞれ取り付けるための複数の取付ばね取付部28と、ホルダ21を取り付けるためのボスで構成された複数のホルダ取付部29とがそれぞれ形成されている。本実施形態では、取付ばね取付部28とホルダ取付部29とが3つずつで、これらが筒部25の周方向に交互に配置されている。3つの取付ばね取付部28のうち、2つの取付ばね取付部28が枠体20における電源ユニット13の配設側に配置され、残りの1つの取付ばね取付部28が枠体20における電源ユニット13の配設側に対して反対側に配置されている。3つのホルダ取付部29のうち、1つのホルダ取付部29が枠体20における電源ユニット13の配設側に配置され、残りの2つのホルダ取付部29が枠体20における電源ユニット13の配設側に対して反対側に配置されている。
筒部25の上端には内方に突出する環状の縁部30が設けられ、この縁部30の内側に上下方向に貫通する円形の貫通孔31が形成されている。貫通孔31の内径は、光源収容部27の内径よりも小さくなっている。
また、ホルダ21は、筒部25の上端(縁部30)に対向配置される環状部34、この環状部34から上方に突設された複数のアーム部35、およびこれらアーム部35に上端に設けられた天面部である覆い部36を備えている。
環状部34の下端外側には、それぞれホルダ取付部29にねじ37で固定される複数の脚部38が突設されている。環状部34の下端内側には、光源ユニット12を着脱可能に係止するための複数の係止部39が突設されている。これら係止部39は、環状部34の下端側から環状部34の内方に突出する係止爪によって構成されており、内周面側には窪み状の保持溝部40が形成されている。本実施形態では、一対の係止部39が環状部34の中心に対して対称位置に配置されている。
アーム部35は環状部34の周方向の3箇所から突設されており、そのうちの2つのアーム部35が環状部34における電源ユニット13の配設側に配置され、残り1つのアーム部35が環状部34における電源ユニット13の配設側とは反対側に配置されている。環状部34における電源ユニット13の配設側に配置される2つのアーム部35は、環状部34から上方へ向けて真直ぐに立ち上げられている。環状部34における電源ユニット13の配設側とは反対側に配置される1つのアーム部35は、環状部34から上方へ立ち上がった後に電源ユニット13の配設側に傾斜されている。つまり、アーム部35の上部側には、電源ユニット13の配設側に傾斜される傾斜面41が形成されている。
覆い部36は、環状部34の内側の上方および筒部25の光源収容部27の上方(貫通孔31の上方)に対向して配置されている。
そして、ホルダ21は、環状部34の中心が枠体20の中心と一致すなわち器具中心軸zと一致するように、枠体20に取り付けられている。枠体20の上端と環状部34の下端との間には隙間が設けられ、この隙間が枠体20とホルダ21との間に設けられる通気部42として構成されている。通気部42は、複数のアーム部35の部分を除いて枠体20とホルダ21との間の全周に亘って設けられている。また、環状部34と複数のアーム部35と覆い部36との間には開口部43が形成されている。
環状部34の内径、および環状部34に連続するアーム部35の内径は、枠体20の縁部30(貫通孔31)の内径と同一か少し小さく、一対の係止部39間の間隔(内径)は枠体20の縁部30(貫通孔31)の内径よりも小さくなっている。そして、環状部34の内面およびアーム部35の内面は、光源ユニット12(後述する放熱体51の放熱部62)の挿入をガイドするガイド部44として構成されている。
ホルダ21は、前後方向から見て、係止部39の各位置が、アーム部35の各位置や覆い部36から外れた位置に設けられている。これは、ホルダ21の製造時、前後方向に型抜きしてホルダ21を形成できるようにするためである。
また、取付ばね22は、板ばねによって構成されており、基端側が枠体20の取付ばね取付部28に取り付けられ、先端側が枠体20の外側方に展開するように構成されている。そして、取付ばね22は、枠体20の側面に沿うように弾性変形させた状態で枠体20とともに天井部材の埋込孔に挿入でき、さらに、ばね力によって天井部材の上方で側方に展開することにより、天井部材の上面側に当接して枠体20を上方に引き上げ、枠体20のフランジ部26が天井部材の下面に当接する状態で、照明装置10の全体を天井部材に支持するように構成されている。
次に、光源ユニット12は、発光モジュール50、この発光モジュール50を前面側に配設する筐体としての放熱体51、この放熱体51の前面側に配設される反射体52および前面カバー53、および放熱体51の後部側に配設される配線部54を備えている。
発光モジュール50は、基板56、この基板56に実装された複数の発光素子57およびコネクタ58を備えている。基板56は、例えば金属製で円板状に形成され、前面側に絶縁層を介して所定の配線パターンが形成され、この配線パターン上に複数の発光素子57およびコネクタ58が実装されている。発光素子57には、例えば、面実装タイプのLEDが用いられている。なお、発光モジュール50には、基板に実装された複数のLEDチップを蛍光体層で封止したCOBモジュールを用いてもよく、あるいは、LEDに限らず、有機EL等の他の発光素子を用いてもよい。
光源ユニット12は、発光モジュール50の発光出力や発光色の違いに応じた複数種の種類を有する場合、種類毎に適切な点灯電源が電源ユニット13から供給されるように、電源ユニット13で種類を判別できるように構成されている。例えば、発光モジュール50から電源ユニット13に種類に応じた信号が出力されるように構成されている。
また、放熱体51は、例えばアルミニウム等の金属材料で、略円筒状に一体に形成されている。放熱体51は、前面側(下面側)のベース部61、およびこのベース部61の後面側(上面側)に設けられる放熱部62を有している。
放熱体51のベース部61は、円板状の基板配設部64、この基板配設部64の周辺部から前方へ向けて拡開するように突出する環状の傾斜部65、この傾斜部65の前端側から外径方向に突出された環状の段部(当接部)66、およびこの段部66の周辺部から前方に突出された環状の周面部67を有している。
ベース部61の基板配設部64の前面側は平面状に形成され、この基板配設部64の前面側に発光モジュール50の基板56の後面が熱伝導シート68を介して配設されている。
傾斜部65の前面側には、反射体52をねじ69で取り付けるための複数のボス70が突設されている。
段部66の後面側(上面側)は、基板配設部64の前面側と平行な平面状に形成されている。さらに、段部66の外径、すなわちベース部61の最大外径は、枠体20の筒部25の内径(光源収容部27の径)よりも小さく、かつ、貫通孔31の内径よりも大きく設けられている。
周面部67の内周には、前面カバー53を係止するための係止溝71が形成されている。
図1に示すように、放熱体51の放熱部62は、ベース部61の後面側で中心O(器具中心軸zと一致)から放射状に配設される複数のフィン73、およびこれらフィン73の外側部を一体に接続するようにフィン73の周囲に設けられる略円筒状の周壁部74を備えている。
フィン73は、周壁部74から中心Oへ向けた寸法が長い長フィン73Lと、これら長フィン73L間にそれぞれ配置されるとともに周壁部74から中心Oへ向けた寸法が長フィン73Lよりも短い短フィン73Sとを有している。長フィン73Lのみがベース部61の背面側に一体に設けられ、短フィン73Sはベース部61から離反されている。なお、短フィン73Sもベース部61の背面側に一体に設けられていてもよい。
長フィン73Lおよび短フィン73Sの後端部(上端部)は、周壁部74の後端部(上端部)から前側へ向けて傾斜されているとともに、長フィン73Lの内側部も前側へ向けて傾斜されている。一部の長フィン73Lの内側部には保持部としての段差部75が形成されている。
放熱部62の後側には、ベース部61の後面側中央域にフィン73等が配設されない中央空間部76が形成され、この中央空間部76の周囲にそれぞれ隣り合う長フィン73Lで囲まれた(挟まれた)フィン間空間部77が形成されている。これらフィン間空間部77は中央空間部76に連通されており、このフィン間空間部77内に短フィン73Sが配置されている。放熱部62の後面側は開口されており、つまり中央空間部76およびフィン間空間部77の後面側が開口されている。
周壁部74の前端側(放熱部62の前面側周辺部)は、ベース部61に対して間隔をあけて対向されている。周壁部74の前端側内側(放熱部62の前面側周辺部)とベース部61との間には、周壁部74(放熱部62)の外側と内側とを連通する通気孔78が形成されている。通気孔78は、ベース部61の傾斜部65の後面側(傾斜面)に間隔をあけて対向され、放熱体51の外部に連通されているとともに、フィン間空間部77にそれぞれ連通されている。そして、長フィン73Lは通気孔78の上方域を横切るように設けられ、短フィン73Sは通気孔78の上方域内に突出されている。
周壁部74の外径は、ベース部61の外径よりも小さく設けられている。さらに、周壁部74の外径は、枠体20の筒部25の内径(光源収容部27の径)よりも小さく、かつ、枠体20の貫通孔31の内径およびホルダ21の環状部34の内径(および複数のアーム部35間の内径)よりも少し小さく設けられている。
周壁部74には、ホルダ21の係止部39がそれぞれ前後方向に挿通可能とする複数の着脱溝部79が設けられているとともに、これら着脱溝部79の周方向一側で周壁部74の前端側にホルダ21の係止部39にそれぞれ係止可能とする係止溝部80が設けられている。着脱溝部79の前端側と係止溝部80とは、互いに連通されているとともに、通気孔78にも連通されている。
本実施形態では、ホルダ21の一対の係止部39の各位置に対応して、一対の着脱溝部79が放熱体51の中心Oに対して対称位置に配置されている。着脱溝部79は、隣り合うフィン73間であって長フィン73L間に設けられている。
係止溝部80の溝内上面とベース部61の段部66との間の距離は、枠体20の縁部30の前面側とホルダ21の係止部39の後面側との間の距離と略同一に設けられている。着脱溝部79側の係止溝部80の端部側(係止溝部80の溝内上面の端部側)は、ホルダ21の係止部39との係合を容易にするために、曲面または傾斜面に形成されている。
放熱部62には、係止溝部80の各位置に対応してベース部61の後面側から保持ばね取付部81が突設されている。保持ばね取付部81に、ホルダ21の係止部39に係合する保持ばね82がねじ83で取り付けられている。保持ばね82は、板ばねによって構成されており、ホルダ21の係止部39の保持溝部40に係合可能とする保持部84を有している。
一方の保持ばね取付部81の側部(着脱溝部79とは反対側の側部)で、かつ、放熱体51における電源ユニット13の配設側に、ベース部61の後面側からコネクタ取付部85および配線取付部86が突設されている。この配線取付部86の近傍で、ベース部61の傾斜部65に、配線孔65aが貫通形成されている。
また、図2および図3に示すように、反射体52は、中央が開口された環状で、前方へ向けて拡開する反射面が設けられている。反射体52の後側には基板56の周辺部に嵌合する嵌合部88が設けられている。反射体52は、放熱体51のベース部61に設けられたボス70に螺着される複数のねじ89でベース部61に締め付け固定され、その際、嵌合部88で基板56をベース部61の基板配設部64に押し付けた状態に保持する。
また、前面カバー53は、透光性を有し、放熱体51のベース部61の前面側を覆えるように円盤状に形成されている。前面カバー53の周辺部には、ベース部61の係止溝71に係止される複数の係止爪91が突設されている。
前面カバー53の内面(後面側)には、例えばフレネルレンズ等のレンズ部92が形成されている。前面カバー53の外面(前面側)の周辺部には、外側レンズ部93が形成され、かつ、放熱体51の着脱溝部79の各位置に対応して一対の例えば三角形状の標識部94が設けられているとともに、これら標識部94に対して交差する位置に指を引っ掛けて光源ユニット12を回動操作するための一対の指掛け部95が設けられている。
また、図2ないし図5に示すように、配線部54は、光源側コネクタ97、およびこの光源側コネクタ97を放熱体51に取り付けるためのコネクタホルダ98を有している。
光源側コネクタ97は、絶縁性を有する略直方体形状のコネクタ本体99、およびこのコネクタ本体99の内部に配設された図示しない端子を有している。光源側コネクタ97のコネクタ接続方向fの一端側に雌コネクタ構造を有するコネクタ接続部100が設けられ、一端側に対して反対の他端側に光源側ケーブル101の一端が接続されている。光源側ケーブル101の他端には、発光モジュール50のコネクタ58に接続される図示しないコネクタが設けられている。光源側ケーブル101は、ベース部61の配線孔65aを通じてベース部61の前面側と後面側とに配線されている。光源側ケーブル101の中間部は、図示しない保持具によって配線取付部86に保持されている。
コネクタホルダ98は、金属板によって形成されており、取付板部102、およびこの取付板部102から斜めに折曲された傾斜板部103を有している。取付板部102は放熱体51のホルダ取付部29にねじ104で固定されている。取付板部102には、光源ユニット12の落下防止のために、一端が本体ユニット11に連結された図示しない吊り紐の他端を連結するための連結孔105が形成されている。傾斜板部103には光源側コネクタ97を挿通状態に保持する保持孔106が形成されている。
そして、放熱体51に取り付けられたコネクタホルダ98の傾斜板部103および光源側コネクタ97が、放熱体51の中央空間部76に配置されている。コネクタホルダ98の傾斜板部103の先端は、長フィン73Lの段差部75に当接して保持されている。
光源側コネクタ97のコネクタ接続部100の端面に対して垂直となるコネクタ接続方向fは、放熱体51の前後方向(器具中心軸z)に対して斜めであり、ホルダ21の覆い部36を避けるとともにアーム部35および環状部34等も避けて、ホルダ21の開口部43に対向する方向に向けて配設されている。
次に、図2ないし図7に示すように、電源ユニット13は、電源回路が搭載された電源基板110、この電源基板110を収容する電源ケース111、この電源ケース111を取り付けた天板112、およびこの天板112に取り付けられた端子台113,114を備えている。
電源基板110の電源回路は、商用交流電源を入力し、所定の直流電源に変換して発光モジュール50に供給する。このとき、電源回路は、例えば、光源ユニット12の発光モジュール50から種類に応じた信号を入力し、発光モジュール50の種類に応じた適切な直流電源を供給する。
天板112の一端はホルダ21の覆い部36の後面側にねじ115で固定されている。これにより、電源ユニット13は、本体ユニット11の後側で本体ユニット11の側方に突出するように取り付けられている。
端子台113,114は、本体ユニット11から離れた天板112の先端側に配設され、図示しないケーブルによって電源基板110に接続されている。一方の端子台113は電源線の接続用であり、他方の端子台114は調光信号等の制御信号を伝送する信号線の接続用である。
そして、電源ケース111の本体ユニット11に対向する端面からは、電源基板110の直流電源出力部に接続されている電源側ケーブル116が引き出されている。この電源側ケーブル116の先端には、コネクタ接続方向fに沿って光源側コネクタ97に着脱可能に接続される電源側コネクタ117が設けられている。電源側ケーブル116の長さは、本体ユニット11の下方で、光源ユニット12の光源側コネクタ97に電源側コネクタ117を接続可能とする長さになっている。
電源側コネクタ117は、絶縁性を有する略直方体形状のコネクタ本体118、およびこのコネクタ本体118の内部に配設された図示しない端子を有している。電源側コネクタ117のコネクタ接続方向fの一端側に雄コネクタ構造を有するコネクタ接続部119が設けられ、一端側に対して反対の他端側に電源側ケーブル116の先端が接続されている。
なお、照明装置10は、天井部材の埋込孔の大きさの種類に応じて、本体ユニット11の枠体20が複数種類用意されるが、ホルダ21は共通に用いられ、電源ユニット13も共通に用いられ、また、光源ユニット12の放熱体51も複数種類用意される。
次に、照明装置10の設置について説明する。
まず、電源ユニット13を取り付けた本体ユニット11を天井部材に設置する。
天井部材の埋込孔から下方に引き出されている電源線や信号線を、照明装置10の端子台113,114にそれぞれ接続する。
電源ユニット13側の先端側を上方へ向けて天井部材の埋込孔に下方から挿入し、続いて、複数の取付ばね22を枠体20に沿って弾性変形するように押えるとともに、本体ユニット11の後部側が埋込孔に挿入されるように(本体ユニット11の後面側が上方に向くように)回動させながら、本体ユニット11を埋込孔に下方から挿入する。
複数の取付ばね22の押えを解き、本体ユニット11を埋込孔に挿入していくと、複数の取付ばね22がばね力によって側方に展開するとともに天井部材の上面側に係合し、複数の取付ばね22がばね力によって本体ユニット11を上方へ引き上げ、本体ユニット11の枠体20のフランジ部26が天井部材の下面に当接した状態で止まる。これにより、本体ユニット11の設置が完了する。
続いて、光源ユニット12を本体ユニット11に装着する。
本体ユニット11を設置した際に、電源ユニット13に接続されている電源側ケーブル116の先端側をホルダ21および枠体20の内側を通じて下方に引き出しておく。
本体ユニット11の下方において、本体ユニット11から引き出されている電源側ケーブル116の電源側コネクタ117を光源側コネクタ97に接続する。
本体ユニット11の枠体20の内側を下方から見て、ホルダ21の係止部39の各位置を確認できるため、光源ユニット12の着脱溝部79の各位置をホルダ21の係止部39の各位置に合わせて、光源ユニット12を本体ユニット11の枠体20の内側に下方から挿入する。
光源ユニット12を本体ユニット11に挿入していくと、放熱体51の放熱部62の後端側が枠体20の貫通孔31を貫通し、この放熱部62の着脱溝部79にホルダ21の係止部39が相対的に進入するとともに、放熱部62がホルダ21の内側に挿入される。このとき、放熱部62の着脱溝部79の位置がホルダ21の係止部39の位置からずれていた場合には、放熱部62の上端がホルダ21の係止部39に当接して光源ユニット12の挿入が止まるため、光源ユニット12を回動させて、放熱部62の着脱溝部79の位置がホルダ21の係止部39の位置に一致させることにより、光源ユニット12を本体ユニット11に挿入できる。また、放熱部62の外径が枠体20の貫通孔31の内径およびホルダ21の内径よりも少し小さい程度に設けられているため、貫通孔31の内面およびホルダ21の内面のガイド部44が放熱部62の挿入のガイドとなり、放熱部62の挿入方向が器具中心軸zに対して傾くのを防止し、本体ユニット11への光源ユニット12の挿入を円滑に行うことができる。
このとき、電源側ケーブル116は、本体ユニット11の下方で、光源ユニット12の光源側コネクタ97に電源側コネクタ117を接続可能とする長さになっているため、光源ユニット12を本体ユニット11に挿入していくと、電源側ケーブル116に余分な長さ部分が生じる。そのため、光源ユニット12を本体ユニット11に挿入する際、電源側ケーブル116の余分な長さ部分が光源ユニット12と本体ユニット11のホルダ21との間に挟まれるおそれが考えられる。本実施形態では、光源側コネクタ97のコネクタ接続方向fは、ホルダ21の覆い部36を避けるとともにアーム部35および環状部34等も避けて、ホルダ21の開口部43に対向する方向に向けて配設されているため、光源ユニット12を本体ユニット11に挿入する際、光源側コネクタ97に接続された電源側コネクタ117から引き出されている電源側ケーブル116の余分な長さ部分がホルダ21の開口部43から外側に突出しやすく、電源側ケーブル116が光源ユニット12と本体ユニット11のホルダ21との間に挟まれるのを防止できる。
さらに、光源ユニット12を本体ユニット11に挿入していくと、ベース部61の周辺部が枠体20の縁部30に当接し、光源ユニット12の挿入が止まる。この光源ユニット12の挿入位置では、放熱部62の係止溝部80がホルダ21の係止部39の側方に位置している。
光源ユニット12の挿入完了後、光源ユニット12を所定の装着方向に回動させることにより、放熱部62の係止溝部80がホルダ21の係止部39に係合し、放熱部62が係止部39上に引っ掛かって下降が規制されるとともに、保持ばね82の保持部84が係止部39の保持溝部40に係合し、放熱部62と係止部39との係合状態が保持される。これにより、光源ユニット12の装着が完了する。
なお、本体ユニット11を天井部材に設置する際、本体ユニット11に光源ユニット12が装着されている状態で設置することもできる。
また、光源ユニット12は、メンテナンス、寿命による交換、光出力の変更に伴う交換等のために、本体ユニット11から外すことができる。
この場合、光源ユニット12を装着方向とは反対の取外し方向に回動させることにより、放熱部62の係止溝部80がホルダ21の係止部39から外れて、放熱部62の着脱溝部79がホルダ21の係止部39の位置に移動させた後、光源ユニット12を下方に移動させることにより、光源ユニット12を本体ユニット11から外すことができる。
そして、照明装置10を設置した状態では、放熱体51の放熱部62は枠体20の貫通孔31を貫通して上方のホルダ21の内側に配置され、放熱体51のベース部61は枠体20の内側に配置される。
放熱体51のベース部61の外径は枠体20の貫通孔31の内径よりも大きいため、ベース部61で貫通孔31が隠蔽される。そのため、照明装置10を見上げた場合でも、枠体20の貫通孔31を通じて天井裏が見えるようなことがなく、照明装置10の外観を良好にできる。
さらに、光源ユニット12がホルダ21に保持された状態では、ベース部61が枠体20の縁部30に当接する。そのため、光源ユニット12をがたつきなく本体ユニット11に保持できる。
また、ホルダ21の覆い部36で光源ユニット12の背面側に配設されているコネクタ97,117の上方を覆っている。そのため、天井部材の上方域で落下してくる塵や埃がコネクタ97,117に付着するのを低減できる。
また、光源側コネクタ97のコネクタ接続部100の端面に対して垂直となるコネクタ接続方向fは、放熱体51の前後方向(器具中心軸z)に対して斜めであり、ホルダ21の覆い部36を避けるとともにアーム部35および環状部34等も避けて、ホルダ21の開口部43に対向する方向に向けて配設されている。そのため、光源側コネクタ97に接続された電源側コネクタ117から引き出されている電源側ケーブル116が覆い部36を含めてホルダ21に当たりにくく、電源側ケーブル116に無理な力が加わるのを防止できる。これによって、光源ユニット12の後面側とホルダ21の覆い部36との距離を狭めることが可能となり、照明装置10の器具高さを低くすることができる。したがって、光源側コネクタ97のコネクタ接続部100のコネクタ接続方向fを放熱体51の前後方向(器具中心軸z)に対して斜めにすることにより、照明装置10を小形化できる。
また、本体ユニット11の枠体20とホルダ21との間に通気部42に、放熱体51の通気孔78が対向される。そのため、本体ユニット11の外側から通気部42および通気孔78を通じて放熱部62の内側へ空気が流れる通気経路が形成される。
そして、電源ユニット13から発光モジュール50に所定の直流電源を供給することにより、発光モジュール50の発光素子57が発光し、発光素子57からの光が前面カバー53を通過して照明空間に照射される。
発光時に発光素子57が発生する熱は、基板56からベース部61の基板配設部64に伝わり、この基板配設部64の上面から複数の長フィン73L、およびこれら長フィン73Lから周壁部74に伝わり、さらに、周壁部74から複数の短フィン73Sに伝わり、放熱部62全体から空気中に放熱する。
このとき、放熱体51は、複数の長フィン73Lおよび複数の短フィン73Sを備え、隣り合う長フィン73L間に短フィン73Sを配置しているため、放熱効果を向上させることができる。
仮に、短フィン73Sを長フィン73Lと同様の寸法とした場合、フィン間の間隔が狭くなり、放熱のための空気の流れが減少し、その結果、放熱体51の放熱性が低下してしまいやすい。また、隣り合う長フィン73L間に短フィン73Sを配置しなかった場合、放熱面積が確保されず、放熱性の向上が望めない。
そのため、放熱体51は、複数の長フィン73Lおよび複数の短フィン73Sを備え、隣り合う長フィン73L間に短フィン73Sを配置していることにより、放熱のための空気の流れを確保しながら、短フィン73Sで放熱面積を増加させて短フィン73Sからの放熱性も確保でき、放熱体51の放熱性を向上できる。
しかも、短フィン73Sがベース部61から離れている場合には、短フィン73Sの部分の温度が放熱部62の他の部分よりも比較的低くなり、ベース部61の熱を長フィン73Lおよび周壁部74を通じて吸熱しやすく、放熱体51の放熱性を向上できる。なお、短フィン73Sがベース部61に一体に設けられている場合には、ベース部61から短フィン73Sに熱が直接伝わり、放熱体51の放熱性を向上できる。
また、放熱体51には、ベース部61と周壁部74との間に通気孔78が形成されているため、放熱体51に生じる対流によって、放熱体51の周囲の比較的温度の低い空気が通気孔78を通じて放熱部62の内側に流れ込むとともに放熱部62の内側で熱を吸収し、放熱部62から上面側へ排出されるため、放熱のための効果的な空気の流れが確保され、放熱体51の放熱性を向上できる。
さらに、通気孔78に対向して、ベース部61に傾斜部65が設けられているため、この傾斜部65によって、放熱体51の周囲から通気孔78へ流れる空気の流れがスムーズになり、放熱体51の放熱性を向上できる。
さらに、通気孔78には長フィン73Lおよび短フィン73Sが対向配置されているため、通気孔78から流入する外部の比較的温度の低い空気が長フィン73Lおよび短フィン73Sに効果的に作用し、長フィン73Lおよび短フィン73Sからの放熱効果を高めることができる。
また、光源ユニット12は本体ユニット11の枠体20およびホルダ21の内側に配置されているが、枠体20とホルダ21との間に通気部42が設けられているため、放熱体51に生じる対流によって、枠体20およびホルダ21の外側の比較的温度の低い空気が通気部42を通じて光源ユニット12の放熱体51に流れるため、放熱体51の放熱性を向上できる。
しかも、放熱体51の通気孔78が通気部42に対向されているため、枠体20およびホルダ21の外側の比較的温度の低い空気が通気部42から通気孔78を通じて放熱部62の内側に流れやすくなり、放熱体51の放熱性をより向上できる。さらに、通気部42の上側を構成するホルダ21の環状部34の下端位置は放熱部62の周壁部74よりも上方または同一にあることにより、通気部42から放熱部62の通気孔78に流れる空気の流れをスムーズにでき、放熱体51の放熱性をより向上できる。
また、放熱体51の着脱溝部79の箇所には周壁部74がないため、周壁部74があるところに比べて、スムーズで大きな空気の流れが生じやすく、放熱体51の放熱性を向上できる。
なお、上述した放熱体の構成は、ダウンライトに限らず、例えばスポットライト等の他の照明装置にも適用できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。