WO2019203350A1 - 標的核酸領域内の基準配列に対する差異を検出する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)塩基配列決定
変異の検出には、解析対象の核酸配列を決定して、野生型配列と比較する方法が一般的に利用される。配列決定方法としては、サンガー法(ダイデオキシ法)、一連の次世代シークエンス法(非特許文献1)等が用いられる。これにより、解析対象サンプルが変異を有しているか否か、また、どのような変異を有しているかが最終決定される。しかし、この方法は、個々の細胞から核酸を抽出してPCR法により当該核酸配列を増幅した後、直接、あるいはプラスミド等にクローニングしてから配列決定反応を行う必要があり、例えばゲノム編集された細胞や、臨床検体中の変異細胞を検出する際には膨大な手間がかかる。それゆえ、塩基配列決定は、少なくとも変異を有する細胞のスクリーニング目的には適していない。スクリーニング目的には、より簡便に実施可能な方法が必要とされている。
変異を有することが予想される野生型DNA領域に対するプライマーと、それとの組み合わせによって増幅産物が生じるようなプライマーを用いたPCR法が報告されている(非特許文献2、3、4)。この方法は、野生型DNAからはPCR産物が増幅されるのに対し、変異を有しているDNAからは増幅産物が生じないことを利用して、変異型DNAを含むサンプルを検出する方法である。この方法は、増幅産物が生じないという陰性シグナルが変異検出の原理であるところ、PCR反応が進行し難くなる要因は多数存在するので、偽陽性になることが多い。そのため、正確に変異を検出するためには多数のサンプルを解析する必要がある。
蛍光物質(プローブの5'側)とクエンチャー(プローブの3'側)で修飾された、変異を有することが予想されるDNA領域に対するオリゴヌクレオチドプローブをPCR反応系に加えることにより、変異を有するDNAを検出する方法がよく使われている(非特許文献5~7)。この方法は、野生型の鋳型DNAに対してはプローブがアニールするため、PCRに使われるDNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性によってプローブが切断され、蛍光物質とクエンチャーが乖離する結果、反応系に蛍光が生じるという原理に基づいている。変異を有する鋳型DNA対してはプローブがアニールしないため、蛍光は生じない。しかし、この解析の実施には蛍光を検出できるリアルタイムPCRサイクラーもしくはデジタルPCR装置が必要である。また、サンプル中に野生型と変異型DNAが混在する場合には、サンプル中の野生型DNAの存在により蛍光が生じるので、そのようなヘテロ変異の検出には使い難い。
サーベイヤーアッセイは、PCR法で増幅した対照DNAとテストDNAを試験管内で混合し、熱変性・再二本鎖化を行い、サーベイヤーヌクレアーゼを用いてミスマッチ塩基の3'側を切断することで、テストDNAが対照DNAと異なる塩基を含んでいることを検出するものである(非特許文献8)。この方法は、通常、細胞から核酸を抽出してPCR法により当該核酸配列を増幅した後で実施される。この方法は、比較的簡便であり、ゲノム編集を行った細胞「集団」からDNAを抽出して実施し、ゲノム編集の効率を検定するために主に使われている。この場合には、ゲノム編集効率が100%ということは通常無く、また、ゲノム編集のされ方も様々であるため、対照DNAを入れる必要は無い。しかし、個々のゲノム編集細胞の検出では、野生型細胞由来のDNAを混合しなければ、ホモの変異が検出されないため、野生型細胞由来のDNAを混合する必要がある。また、個々の細胞由来の解析を行う場合には、上記の塩基配列決定の方がより直接的であるため、通常サーベイヤーアッセイは使用されない。
この方法は、PCR産物のメルティングカーブを解析することにより、塩基配列の違いを検出する方法である(非特許文献9)。この解析は簡便に行えるが、メルティングカーブを検出するための機器(リアルタイムPCRサイクラ一等)が必要である。
この方法は、キャピラリー電気泳動によって、変異が入った領域を含むPCR産物を解析し、その長さを精密に計測することで、塩基の挿入や欠失を検出するものである(非特許文献10、11)。しかし、手間がかかることに加え、キャピラリー電気泳動装置が必要である他、塩基の置換変異の場合にはPCR産物の長さが変わらないため、野生型との違いを検出することはできない。
[2]標的核酸領域内の基準配列に対する差異が、基準配列における1塩基以上の欠失、挿入または置換である前記[1]に記載の検出方法。
[3]鋳型依存的核酸増幅反応が、PCR法、RT-PCR法、LAMP法、ICAN法、NASBA法、LCR法、SDA法、TRC法、TMA法およびRPA法からなる群より選択されるいずれかである前記[1]または[2]に記載の検出方法。
[4]鋳型依存的核酸増幅反応がPCR法である前記[3]に記載の検出方法。
[5]PCR法が、変性ステップ、アニーリングステップおよび伸長ステップからなる前記[4]に記載の検出方法。
[6]アニーリングステップおよび伸長ステップが、同じ温度で実施される前記[5]に記載の検出方法。
[7]一本鎖核酸が15~30塩基からなることを特徴とする前記[1]~[6]のいずれかに記載の検出方法。
[8]一本鎖核酸が一本鎖RNAである前記[1]~[7]のいずれかに記載の検出方法。
[9]標的核酸領域を含む核酸が被験者の臨床検体から取得した核酸である前記[1]~[8]のいずれかに記載の検出方法。
[10]標的核酸領域内の基準配列に対する差異を有する細胞をスクリーニングする方法であって、被験細胞から核酸を調製する工程、得られた核酸を鋳型として前記[1]~[9]のいずれかに記載の検出方法に供し、増幅産物の有無を確認する工程、および増幅産物が確認された細胞を選択する工程、を含むことを特徴とするスクリーニング方法。
[11]標的核酸領域内の基準配列に対する差異を有する核酸の割合を増加させる方法であって、被験細胞集団から核酸を調製する工程、得られた核酸を鋳型として前記[1]~[9]のいずれかに記載の検出方法に供し増幅産物を回収する工程、を含むことを特徴とする方法。
[12]前記[1]~[9]のいずれかに記載の検出方法において使用するためのキットであって、標的核酸領域内の基準配列と相補的な配列を含むRNAまたはRNAと他の核酸とのキメラである一本鎖核酸を含むキット。
[13]前記[1]~[9]のいずれかに記載の検出方法において使用するための検出剤であって、標的核酸領域内の基準配列と相補的な配列を含むRNAまたはRNAと他の核酸とのキメラである一本鎖核酸を含む検出剤。
Tm = (a + u) * 2 + (g + c) * 4
なお、a, u, g, c は A, U, G, C それぞれの塩基の数を示す。
アニーリング温度は、例えば上記計算式で算出されるTm値の±10℃が好ましく、±6℃がより好ましく、±3℃がさらに好ましい。より具体的には、例えば、一本鎖核酸とハイブリダイズする基準配列との間にミスマッチがないときは基準配列を含む領域の核酸増幅を阻害するが、1つのミスマッチがあるときは基準配列を含む領域の核酸増幅の阻害はミスマッチがない時よりも弱く、増幅産物が得られるようなアニーリング温度を設定することが好ましい。それゆえ、実際に使用する鋳型、プライマー、核酸合成酵素、一本鎖核酸の具体的な組み合わせに応じて予備検討を行い、適切なアニーリング温度を設定することが好ましい。
(1) 被験細胞から核酸を調製する工程
(2) 得られた核酸を鋳型として上記本発明の検出方法に供し、増幅産物の有無を確認する工程
(3) 増幅産物が確認された細胞を選択する工程
(1) 被験細胞集団から核酸を調製する工程
(2) 得られた核酸を鋳型として上記本発明の検出方法に供し増幅産物を回収する工程
実施例で用いたオリゴリボヌクレオチド(以下「ORN」と記す)およびプライマーは、すべてグライナー(Greiner)社に委託して化学合成したものを使用した。用いたORNを表1に、用いたプライマーを表2に示した。
Raji細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS)を含むRPMI-1640(Wako)で培養した。293T細胞は、10%FBSを含むDMEM(Wako)で培養した。HCT116細胞は、10%FBSを含むMcCoy’s 5A(Thermo Fisher Scientific)で培養した。Ba/F3細胞は、10%FBS、10mM HEPESバッファー(PH7.2)、1x非必須アミノ酸、1mM ピルビン酸ナトリウム、5μM 2-メルカプトエタノール、1ng/ml IL-3を含むRPMI-1640で培養した。NCI-H1975細胞は、10%FBSを含むRPMI-1640で培養した。標準的なフェノール/クロロホルム抽出法により、細胞からゲノムDNAを抽出した。
ヒトTHYN1遺伝子座を標的とするPCRでは、10μl中に20ngのRaji細胞のゲノムDNA、0.3μMの各プライマー、および0.1-2μMのORNを含むPCR反応液を、製造業者のプロトコールに従って調製した。反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒、62℃30秒および68℃1分を35サイクル行った。
ヒトCDKN2A(p16)遺伝子座を標的とするPCRでは、10μl中に20ngの293T細胞またはHCT116細胞のゲノムDNA、0.3μMの各プライマー、および1μMのORNを含むPCR反応液を調製した。実施例2の反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒、62℃30秒および68℃1分を30サイクル行った。実施例3の反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒および62-72℃20秒の2ステップを30サイクル行った。
ヒトTHYN1遺伝子座とヒトCDKN2A(p16)遺伝子座の両方を標的とするPCRでは、10μl中に20ngの293T細胞のゲノムDNA、0.3μMの各プライマー、および1μMの各ORNを含むPCR反応液を調製した。反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒、62℃30秒および68℃1分を30サイクル行った。実施例3の反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒、62℃30秒、68℃1分を30サイクル、または、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒および68℃1分30秒の2ステップを30サイクル行った。
マウスTax1bp1遺伝子座を標的とするPCRでは、10μl中に20ngのBa/F3細胞のゲノムDNA、0.3μMの各プライマー、および1μMのORNを含むPCR反応液を調製した。実施例4の反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒および50-65℃80秒の2ステップを30サイクル行った。
ヒトc-FOS遺伝子座を標的とするPCRでは、10μl中に20ngの293T細胞のゲノムDNA、0.3μMの各プライマー、および1μMのORNを含むPCR反応液を調製した。実施例4の反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒および50-68℃80秒の2ステップを30サイクル行った。実施例5の反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒および65℃80秒の2ステップを30サイクル行った。
ヒトEGFR遺伝子座を標的とするPCRでは、10μl中に20ngの293T細胞あるいはNCI-H1975細胞のゲノムDNA、0.3μMの各プライマー、および1μMのORNを含むPCR反応液を調製した。実施例6の反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒および59-65℃70秒の2ステップを30サイクル行った。
PCR産物を1%または2%のアガロースゲルを用いた電気泳動に供し、必要に応じてDNA配列決定を行った。DNA配列の解析にはApplied Biosystems Sequence Scanner Software v2.0(Thermo Fisher Scientific)を用いた。
リアルタイムPCRには、KOD SYBR qPCR Mix(Toyobo)を用いた。10μl中に20ngのゲノムDNA、0.2μMの各プライマー、および0.25μMのORNを含むPCR反応液を、製造業者のプロトコールに従って調製した。反応は、最初に98℃2分間の変性に続き、98℃10秒、62℃30秒および68℃1分を30サイクル行った。7900HT Fast Real-Time PCR System(Applied Biosystems)を用いて、反応および定量を行った。PCR産物を1%のアガロースゲルを用いた電気泳動に供し、予想されるサイズの増幅産物が得られていることを確認した。
Cas9発現プラスミド(Addgene #41815)およびキメラ単鎖ガイドRNA(single guide RNA: sgRNA)発現プラスミド(Addgene #41824)は、George Church博士からAddgeneを通して提供された。ヒトTHYN1遺伝子座を標的とするsgRNA発現プラスミドを構築するために、CRISPR標的配列を、hCRISPR gRNA合成プロトコール(https://media.addgene.org/data/93/40/adf4a4fe-5e77-11e2-9c30-003048dd6500.pdf)に従ってsgRNA発現プラスミド中のU6プロモーターの下流にクローニングした。ヒトCDKN2A(p16)遺伝子座を標的とするCas9プラスsgRNA発現プラスミドを構築するために、Cas9発現プラスミド中のCas9発現カセットの上流に、CDKN2A(p16)(Gx4#2)のsgRNA発現カセットをクローニングした。
ヒトTHYN1遺伝子座のゲノム編集のために、Cas9発現プラスミド(120μg)、ヒトTHYN1遺伝子座を標的とするsgRNA発現プラスミド(120μg)、およびpEGFP-N3(0.3μg、Clontech)をGene Pulser II(Bio-Rad)を用いて250Vおよび950μFでエレクトロポレーションすることにより、Raji細胞(1×107個)にトランスフェクトした。1日後、GFP陽性細胞を個別に選別して増殖させた。
ヒトCDKN2A(p16)遺伝子座ゲノム編集のために、ヒトCDKN2A(p16)遺伝子座を標的とするCas9プラスsgRNA発現プラスミド(4μg)およびpcDNA3.1/Hygro(-)(0.4μg、 Thermo Fisher Scientific)をLipofectamine 3000(Thermo Fisher Scientific)を用いて293T細胞(4×105個)にトランスフェクトした。2日後、ハイグロマイシンを添加し(0.4mg/ml)、ハイグロマイシン耐性コロニーを採取して培養した。
ヒトTHYN1およびCDKN2A(p16)遺伝子座のゲノム編集のために、ヒトCDKN2A(p16)遺伝子座を標的とするCas9プラスsgRNA発現プラスミド(4μg)、ヒトTHYN1を標的とするsgRNA発現プラスミド(4μg)およびpcDNA3.1/Hygro(-)(0.4μg)をLipofectamine 3000を用いて293T細胞(4×105個)にトランスフェクトした。2日後、ハイグロマイシンを添加し(0.4mg/ml)、ハイグロマイシン耐性コロニーを採取して培養した。
ヒトc-FOS遺伝子座のゲノム編集のために、ヒトc-FOS遺伝子座を標的とするTALENプラスミド(TALEN-leftおよびTALEN-right、各4μg)およびpcDNA3.1/Hygro(-)(0.4μg、 Thermo Fisher Scientific)をLipofectamine 3000(Thermo Fisher Scientific)を用いて293T細胞(4×105個)にトランスフェクトした。2日後、ハイグロマイシンを添加し(0.4mg/ml)、ハイグロマイシン耐性コロニーを採取して培養した。
(1-1)ヒトTHYN1遺伝子座を標的とするORNによるPCR増幅抑制
ORNには、ORN_20b、ORN_24bおよびORN_Targetを使用した(表1参照)。
図1(A)にヒトTHYN1遺伝子座のCRISPR切断位置を含む標的核酸領域の塩基配列CTGCAGCGTGACCATGTCGAGACCCCGGAAGAGGCTGGC(配列番号35)と各ORNとのハイブリダイズの状態と、THYN1特異的プライマーセットにより増幅される領域を示した。図中下線部はCRISPR標的部位(基準配列)を示し、網掛けはPAM(protospacer adjacent motif)を示し、矢印はCRISPR切断位置を示す。ORN_20bおよびORN_24bは、その配列の中央で標的部位、すなわちPAMの3塩基上流のCRISPR切断位置とハイブリダイズし、ORN_Targetは、ゲノム編集に用いられるsgRNAおよびPAMの塩基配列と一致する。
標的核酸領域内の基準配列にハイブリダイズするORNを添加したときに、標的核酸領域内に変異を有する鋳型からのPCR増幅がどのように変化するかを検討した。
Raji細胞に対してTHYN1遺伝子座のCRISPR媒介ゲノム編集を行い、両方のアレルの基準配列が変異した5種類のゲノム編集クローン(T1、T4、T6、T7およびT9)を樹立した。各ゲノム編集クローンは、野生型ヒトTHYN1遺伝子座のCRISPR切断位置を含む標的核酸領域の塩基配列GCACTAAAGTCCCCTGCAGCGTGACCATGTCGAGACCCCGGAAGAGGCTGGC(配列番号36、下線部がCRISPR標的部位(基準配列)、25~27番目のCCAがPAM、30番目のTと31番目のCの間がCRISPR切断位置)において、以下の変異を有する。
T1:一方のアレルにおいて配列番号36の塩基配列の9~30番目の塩基が欠失、他方のアレルにおいてCRISPR切断位置に115個の塩基が挿入
T4:両方のアレルにおいて配列番号36の塩基配列の24~30番目の塩基が欠失
T6:一方のアレルにおいて配列番号36の塩基配列の21~36番目の塩基が欠失、他方のアレルにおいて30~32番目の塩基が欠失
T7:一方のアレルにおいて配列番号36の塩基配列の27~37番目の塩基が欠失、他方のアレルにおいて31~36番目の塩基が欠失
T9:両方のアレルにおいてCRISPR切断位置に同一配列の501個の塩基が挿入
これらの結果から、標的核酸領域内の基準配列にハイブリダイズするORNをPCR反応液に添加しPCRを行うことにより、標的核酸領域内に変異を有しない野生型核酸配列(基準配列)と、標的核酸領域内の両アレルに挿入欠失変異を有する変異型核酸配列(基準外配列)を区別できることが示された。
上記(1-2)では、両アレルに挿入欠失変異を有するゲノム編集細胞から抽出したゲノムDNAを鋳型として用いたが、片方のアレルのみに変異を有する単一アレル変異を野生型核酸配列(基準配列)と区別できるかどうかを検討した。そのため、野生型細胞から抽出したゲノムDNAと、両アレルに同じ変異を有するT4細胞またはT9細胞から抽出したゲノムDNAを1:1の比率で混合して、単一アレル変異を模倣した。野生型細胞(WT)から抽出したゲノムDNA、T4細胞およびT9細胞からそれぞれ抽出したゲノムDNA、ならびにWT+T4混合ゲノムDNAおよびWT+T9混合ゲノムDNAを鋳型とし、THYN1特異的プライマーセット(hTHYN1-gRNA-target-15-F3およびhTHYN1-gRNA-target-15-R3、表2参照)、KOD DNAポリメラーゼ(KOD-Plus-Ver.2)を用い、ORNを添加して、または添加せずにPCRを行った。ORNとしてORN_20b、ORN_24b、ORN_Target、ORN_302F(NC)またはORN_306F(NC)を用いた(表1参照)。
Pfu DNAポリメラーゼは、実施例1で用いたKOD DNAポリメラーゼ(KOD-Plus-Ver.2)と同様に3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を保持するα型DNAポリメラーゼである。そこで、KOD DNAポリメラーゼ(KOD-Plus-Ver.2)に代えてPfu DNAポリメラーゼを用いたこと以外は上記(1-2)および(1-3)と同じ条件でPCRを行った。具体的には、野生型細胞(WT)から抽出したゲノムDNA、T1、T4、T6、T7およびT9細胞からそれぞれ抽出したゲノムDNA、ならびにWT+T4混合ゲノムDNAおよびWT+T9混合ゲノムDNAを鋳型とし、THYN1特異的プライマーセット(hTHYN1-gRNA-target-15-F3およびhTHYN1-gRNA-target-15-R3、表2参照)、Pfu DNAポリメラーゼを用い、ORNを添加して、または添加せずにPCRを行った。ORNとしてORN_20b、ORN_24bまたはORN_306F(NC)を用いた(表1参照)。
リアルタイムPCRにより、単一アレル挿入欠失変異と両アレル挿入欠失変異が区別できるかどうかを検討した。
野生型細胞(WT)から抽出したゲノムDNA、両アレル変異を有するT4細胞およびT6細胞からそれぞれ抽出したゲノムDNA、ならびに単一アレル変異を模倣したWT+T4混合ゲノムDNAを鋳型とし、THYN1特異的プライマーセット(hTHYN1-gRNA-target-15-F3およびhTHYN1-gRNA-target-15-R3、表2参照)、KOD DNAポリメラーゼ(KOD SYBR qPCR Mix)を用い、ORN_24bまたはORN_302F(NC)を添加して、またはORNを添加せずに、リアルタイムPCRを行った。
組換えCRISPRリボ核タンパク質(RNP)を細胞にトランスフェクションしてゲノム編集を行うことができる。このアプローチでは、合成されたsgRNAまたはCRISPR RNA(crRNA)+トランス活性化crRNA(tracrRNA)の複合体がgRNAとして使用される。CRISPR RNPを用いてゲノム編集を行う場合、ゲノム編集細胞を検出するために、標的特異的なORNを使用するよりもむしろcrRNAを使用する方が、コスト効率が高くなると考えられる。そこで、標的特異的ORNに代えてcrRNAを用いてPCRを行った。crRNAには、CRISPR標的部位に相補的なRNA配列を含むcrRNA_Target(配列番号8、表1参照)および対照として無関係の遺伝子座(ニワトリPax5遺伝子座)に相補的なRNA配列を含むcrRNAであるcrRNA_NC(配列番号9、表1参照)を用いた。野生型細胞(WT)から抽出したゲノムDNA、T4細胞およびT6細胞からそれぞれ抽出したゲノムDNA、ならびにWT+T4混合ゲノムDNAを鋳型とし、THYN1特異的プライマーセット(hTHYN1-gRNA-target-15-F3およびhTHYN1-gRNA-target-15-R3、表2参照)、KOD DNAポリメラーゼ(KOD-Plus-Ver.2)を用い、上記2種類のcrRNAをそれぞれ添加してPCRを行った。
(2-1)ヒト293T細胞のCDKN2A(p16)遺伝子座を編集細胞のスクリーニング
ヒト293T細胞に対してCDKN2A(p16)遺伝子座のCRISPR媒介ゲノム編集を行い、本発明の検出方法を用いてCDKN2A(p16)遺伝子座に変異が導入された細胞のスクリーニングを試みた。図8(A)にヒトCDKN2A(p16)遺伝子座のCRISPR切断位置を含む標的核酸領域の塩基配列CTGGCCACGGCCGCGGCCCGGGGTCGGGTAGAGGAGGTGCGGG(配列番号37)とその相補配列、およびORN_p16とのハイブリダイズの状態を示し、さらにCDKN2A(p16)特異的プライマーセットにより増幅される領域を示した。図中下線部はCRISPR標的部位(基準配列)を示し、網掛けはPAMを示し、矢印はCRISPR切断位置を示す。
ゲノム編集は、単一細胞内の複数の遺伝子座に同時に導入することができる。そこで、複数の標的部位が編集された細胞のスクリーニングに本発明の検出方法が適用できるかどうかを検討した。
ヒト293T細胞に対してCDKN2A(p16)遺伝子座およびTHYN1遺伝子座のCRISPR媒介ゲノム編集を行い、シングルコロニーを単離した後、11個のクローン(CT1~CT11)からゲノムDNAを抽出した。これらのゲノムDNAを鋳型とし、CDKN2A(p16)特異的プライマーセット(hCDKN2A-ORN-FおよびhCDKN2A-ORN-R、表2参照)およびTHYN1特異的プライマーセット(hTHYN1-gRNA-target-15-F2およびhTHYN1-gRNA-target-15-R2、表2参照)、KOD DNAポリメラーゼ(KOD-Plus-Ver.2)を用い、ORN_p16およびORN_24bを添加して、またはORNを添加せずにPCRを行った(図9(A)参照)。
ゲノム編集を用いて点突然変異を導入することができ、この突然変異を検出することが実用上重要であることを考慮して、本発明の検出方法が点突然変異を検出できるかどうかを検討した。
(3-1)1塩基欠失変異の検出
上記(2-1)のC4およびC6の配列決定の結果、これらは野生型ヒトCDKN2A(p16)遺伝子座のCRISPR切断位置を含む標的核酸領域の塩基配列CTGGCCACGGCCGCGGCCCGGGGTCGGGTAGAGGAGGTGCGGG(配列番号38、下線部がCRISPR標的部位(基準配列)、26~28番目のGGGがPAM、22番目のGと23番目のGの間がCRISPR切断位置)において、以下の変異を有することが明らかになった。
C4:一方のアレルにおいて配列番号38の塩基配列の20~25番目の6塩基が欠失、他方のアレルにおいて22番目の1塩基が欠失
C6:一方のアレルにおいて配列番号38の塩基配列の20~25番目の6塩基が欠失、他方のアレルにおいて22~23番目の2塩基が欠失
上記(2-2)のCT11はTHYN1遺伝子座の一方のアレルに1塩基の挿入を有している(他方のアレルは11塩基の欠失、表3参照)。そこで、野生型細胞(WT)から抽出したゲノムDNAおよびCT11細胞胞から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、THYN1特異的プライマーセット(hTHYN1-gRNA-target-15-F5およびhTHYN1-gRNA-target-15-R5、表2参照)、KOD DNAポリメラーゼ(KOD-Plus-Ver.2)を用い、ORN_24bを添加してアニーリング温度62℃または68℃のPCRを行った。結果を図11(A)に示した。アニーリング温度62℃(左)および68℃(右)のどちらの条件でもCT11のゲノムDNAから増幅産物が得られたが、WTゲノムDNAから増幅産物は得られなかった。
CDKN2A(p16)遺伝子座の一方のアレルに一塩基(G)の挿入が存在するHCT116細胞から抽出したゲノムDNAと、変異が末端に位置するORN(ORN_Gx5)を用いて変異の検出を試みた。図12(A)に示したように、Gx5の塩基配列CCGCGGCCCGGGGGTCGGGTAGAGGAGGTGCGGGCG(配列番号39)は、Gx4の塩基配列CCGCGGCCCGGGGTCGGGTAGAGGAGGTGCGGGCG(配列番号40)の9番目のCと10番目のGの間にGが挿入されており、両者をアライメントするとGx4の塩基配列の9番目のCが、Gx5ではGに置換されていると解することができる。ORN_Gx5は、Gx5の塩基配列の10番目~30番目の塩基(基準配列)と完全に相補的な配列であり、Gx4の塩基配列の11番目~30番目とは完全に相補的であるが10番目のCとはミスマッチである。このゲノムDNAを鋳型とし、CDKN2A(p16)特異的プライマーセット(hCDKN2A-(-)Bisul-F2およびhCDKN2A-(-)Bisul-R2、表2参照)、KOD DNAポリメラーゼ(KOD-Plus-Ver.2)を用い、ORN_Gx5を添加してアニーリング/伸長温度64℃、68℃または72℃の2ステップPCRを行った。その結果、アニーリング/伸長温度64℃では増幅産物が得られなかったが、アニーリング/伸長温度68℃および72℃ではどちらも増幅産物が得られた。
(4-1)マウスTax1bp1遺伝子座を標的とするORNによる2ステップPCRによる増幅抑制
ORNには、ORN_Taxを使用した(表1参照)。
図13(A)にマウスTax1bp1遺伝子座の標的核酸領域の塩基配列CCATTACACCTTAACTCCGTATATCCAT(配列番号41)とORN_Taxとのハイブリダイズの状態と、Tax1bp1特異的プライマーセットにより増幅される領域を示した。
ORNには、ORN_FOSを使用した(表1参照)。
図14(A)にヒトc-FOS遺伝子座の標的核酸領域の塩基配列GTTATAAAAGCAGTGGCTGCGGCGCCTCGT(配列番号42)とORN_FOSとのハイブリダイズの状態と、c-FOS特異的プライマーセットにより増幅される領域を示した。
Tm = (a + t) * 2 + (g + c) * 4
なお、a, t, g, c は A, T, G, C それぞれの塩基の数を示す。
上記の計算式に基づいて、塩基TをUとしてORN_TaxおよびORN_FOSのTm値を計算したところ、ORN_TaxのTm値は54℃、ORN_FOSのTm値は66℃であった(表4)。ORN_Taxの実際のTm値は、図12の結果から53~56℃であり、ORN_FOSの実際のTm値は、図13の結果から65~68℃であったことから、ORNのTm値を予測できることが示唆された。
(5-1)ヒト293T細胞のc-FOS遺伝子座を編集細胞のスクリーニング
ヒト293T細胞に対してc-FOS遺伝子座のTALEN媒介ゲノム編集を行い、本発明の検出方法を用いてc-FOS遺伝子座に変異が導入された細胞のスクリーニングを試みた。図15(A)に、ヒトc-FOS遺伝子座のTALEN切断位置を含む標的核酸領域の塩基配列CTCATTCATAAAACGCTTGTTATAAAAGCAGTGGCTGCGGCGCCTCGTACTCCAACCGCATCTGC(配列番号43)、およびORN_FOSとのハイブリダイズの状態を示し、さらにc-FOS特異的プライマーセットにより増幅される領域を示した。図中下線部はTALEN-leftおよびTALEN-right標的部位を示し、両者に挟まれた領域が切断される。
(6-1)ヒトNCI-H1975細胞のEGFR遺伝子座の1塩基置換変異の検出
NCI-H1975細胞では、EGFR遺伝子座の一方のアレルに一塩基の置換変異が存在する。図16(A)に示したように、NCI-H1975細胞では、一方のアレルの正常な塩基配列TCACAGATTTTGGGCTGGCCAAACTGCTGGG(配列番号44)の16番目のTがGに置換されている。ORN_EGFR_L858は、正常な塩基配列の6番目~26番目の塩基(基準配列)と完全に相補的な配列であり、一塩基置換の塩基配列の16番目のGとはミスマッチである。NCI-H1975細胞および一塩基置換変異を持たない293T細胞からそれぞれゲノムDNAを抽出した。これらのゲノムDNAを鋳型とし、EGFR特異的プライマーセット(hEGFR-Exon21-FおよびhEGFR-Exon21-R、表2参照)、KOD DNAポリメラーゼ(KOD-Plus-Ver.2)を用い、ORN_EGFR_L858を添加あるいは無添加で、図16(B)に示すように、アニーリング/伸長温度を59~65℃の範囲で3段階に設定し、2ステップPCRを行った。その結果、図16(C)に示すように、ORN_EGFR_L858無添加の場合、ゲノムDNAを鋳型として用いたすべてにおいて増幅産物がみられたが、ORN_EGFR_L858を添加した場合、アニーリングおよび伸長温度59℃では、293TのゲノムDNAを用いた場合は増幅産物がみられず、NCI-H1975細胞のゲノムDNAを用いた場合に増幅産物がみられた。
(7-1)ゲノム編集されたヒトTHYN1遺伝子座塩基配列群の増幅
ゲノム編集処理された細胞集団から抽出したDNAを用いて本発明の検出方法を行うことで、標的核酸領域内に変異を有する塩基配列群が増幅されるか検討した。
ヒトTHYN1遺伝子座のゲノム編集のために、Cas9発現プラスミド(4μg)およびヒトTHYN1遺伝子座を標的とするsgRNA発現プラスミド(4μg)をLipofectamine 3000(Thermo Fisher Scientific)を用いてHCT116細胞(4×105個)にトランスフェクトした。3日後、Quick-DNA Universal Kit(Zymo Research)を用いてゲノムDNAを抽出した。
ヒトTHYN1遺伝子座を標的とするPCRでは、10μl中に20ngのHCT116細胞のゲノムDNA、0.3μMの各プライマー、および0.5μMのORNを含むPCR反応液を調製した。反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒および68℃90秒の2ステップを34サイクル行った。
PCR産物を1%のアガロースゲルを用いた電気泳動に供し、必要に応じて直接あるいはpCR4-TOPO(Thermo Fisher Scientific)へのクローニング後に、DNA配列決定を行った。DNA配列の解析にはApplied Biosystems Sequence Scanner Software v2.0(Thermo Fisher Scientific)を用いた。
図17(B)にヒトTHYN1遺伝子座のCRISPR切断位置を含む標的核酸領域の塩基配列CAGCGTGACCATGTCGAGACCCCGGAAGAGGCT(配列番号51)とORN_24bとのハイブリダイズの状態を示した。図中下線部はCRISPR標的部位(基準配列)を示し、網掛けはPAMを示し、矢印はCRISPR切断位置を示す。
次に、ヒトCDKN2A(p16)遺伝子座を標的として、標的特異的ORNに代えてcrRNAを用いて同様の検討を行った。
ヒトCDKN2A(p16)遺伝子座のゲノム編集のために、Cas9発現プラスミド(4μg)およびヒトCDKN2A(p16)遺伝子座を標的とするsgRNA発現プラスミド(4μg)をLipofectamine 3000(Thermo Fisher Scientific)を用いてHCT116細胞(4×105個)にトランスフェクトした。3日後、Quick-DNA Universal Kit(Zymo Research)を用いてゲノムDNAを抽出した。
ヒトCDKN2A(p16)遺伝子座を標的とするPCRでは、10μl中に20ngのHCT116細胞のゲノムDNA、0.3μMの各プライマー、および0.25μMのcrRNAを含むPCR反応液を調製した。反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒および74℃70秒の2ステップを34サイクル行った。
PCR産物を1%のアガロースゲルを用いた電気泳動に供し、必要に応じて直接DNA配列決定を行った。DNA配列の解析にはApplied Biosystems Sequence Scanner Software v2.0(Thermo Fisher Scientific)を用いた。
hCDKN2A-CpG-645-F:ggagacccaacctggggcgacttca(配列番号45)
hCDKN2A-CpG-645-R:ctgtacgcgcgtggctcctcattcc(配列番号46)
crRNA_lef5:uggggcggaccgcgugcgcuguuuuagagcuaugcuguuu(配列番号47)
(8-1)メチル化されたシトシンを含むヒトCDKN2A(p16)遺伝子座のバイサルファイト処理後の増幅
CpGが多数存在するCpGアイランド領域では、CpG配列のシトシンがメチル化されることが知られている。バイサルファイト処理によって、メチル化されていないシトシンはウラシルに変換されるが、メチル化されているシトシンは変換されない。そのため、バイサルファイト処理したDNAを用いたPCRでは、メチル化されていないシトシンはチミンとして増幅され、メチル化されているシトシンはそのままシトシンとして増幅される。つまり、バイサルファイト処理したDNAでは、CpGのシトシンのメチル化の有無によって塩基配列に差異が生じており、本発明の検出方法を行うことで、CpGのシトシンにメチル化を有する(または、有しない)DNA領域由来の塩基配列を特異的に増幅できると考えられた。
HCT116細胞から抽出したゲノムDNAを、EZ DNA Methylation-Lightning Kit(Zymo Research)を用いてバイサルファイト処理した。ヒトCDKN2A(p16)遺伝子座を標的とするPCRでは、10μl中に1μlのバイサルファイト処理後のHCT116細胞のゲノムDNA、0.3μMの各プライマー、および1μMのORNを含むPCR反応液を調製した。反応は、最初に94℃2分間の変性に続き、98℃10秒および56℃60秒の2ステップを35サイクル行った。PCR産物を2%のアガロースゲルを用いた電気泳動に供し、必要に応じてDNA配列決定を行った。DNA配列の解析にはApplied Biosystems Sequence Scanner Software v2.0(Thermo Fisher Scientific)を用いた。
hCDKN2A-Bisul-CpG-free-F:tttttagaggatttgagggatagg(配列番号48)
hCDKN2A-Bisul-CpG-free-R:ctacctaattccaattcccctacaaacttc(配列番号49)
ORN_hCDKN2A_U:guggggaguaguauggaguuuuu(配列番号50)
Claims (13)
- 標的核酸領域内の基準配列に対する差異を検出する方法であって、
該標的核酸領域を含む核酸を鋳型として基準配列を含む範囲を増幅させる鋳型依存的核酸増幅反応において、該標的核酸領域内の基準配列にハイブリダイズする10~200塩基からなる一本鎖核酸を反応系に添加して反応を行う工程と、増幅産物を確認する工程とを含み、
該一本鎖核酸は、基準配列と相補的な配列を含むRNAまたはRNAと他の核酸とのキメラであり、一本鎖核酸の基準配列に対する相補率は、基準配列に対する差異を含む基準外配列に対する相補率より高いことを特徴とする検出方法。 - 標的核酸領域内の基準配列に対する差異が、基準配列における1塩基以上の欠失、挿入または置換である請求項1に記載の検出方法。
- 鋳型依存的核酸増幅反応が、PCR法、RT-PCR法、LAMP法、ICAN法、NASBA法、LCR法、SDA法、TRC法、TMA法およびRPA法からなる群より選択されるいずれかである請求項1または2に記載の検出方法。
- 鋳型依存的核酸増幅反応がPCR法である請求項3に記載の検出方法。
- PCR法が、変性ステップ、アニーリングステップおよび伸長ステップからなる請求項4に記載の検出方法。
- アニーリングステップおよび伸長ステップが、同じ温度で実施される請求項5に記載の検出方法。
- 一本鎖核酸が15~30塩基からなることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の検出方法。
- 一本鎖核酸が一本鎖RNAである請求項1~7のいずれかに記載の検出方法。
- 標的核酸領域を含む核酸が被験者の臨床検体から取得した核酸である請求項1~8のいずれかに記載の検出方法。
- 標的核酸領域内の基準配列に対する差異を有する細胞をスクリーニングする方法であって、被験細胞から核酸を調製する工程、得られた核酸を鋳型として請求項1~9のいずれかに記載の検出方法に供し、増幅産物の有無を確認する工程、および増幅産物が確認された細胞を選択する工程、を含むことを特徴とするスクリーニング方法。
- 標的核酸領域内の基準配列に対する差異を有する核酸の割合を増加させる方法であって、被験細胞集団から核酸を調製する工程、得られた核酸を鋳型として請求項1~9のいずれかに記載の検出方法に供し増幅産物を回収する工程、を含むことを特徴とする方法。
- 請求項1~9のいずれかに記載の検出方法において使用するためのキットであって、標的核酸領域内の基準配列と相補的な配列を含むRNAまたはRNAと他の核酸とのキメラである一本鎖核酸を含むキット。
- 請求項1~9のいずれかに記載の検出方法において使用するための検出剤であって、標的核酸領域内の基準配列と相補的な配列を含むRNAまたはRNAと他の核酸とのキメラである一本鎖核酸を含む検出剤。
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